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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】移動端末
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220124BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20220124BHJP
   H04M 1/23 20060101ALI20220124BHJP
   G02B 1/113 20150101ALI20220124BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G09F9/00 350Z
H04M1/02 C
H04M1/23 F
G02B1/113
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019542426
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2019090833
(87)【国際公開番号】W WO2020103430
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2019-08-05
(31)【優先権主張番号】201811379105.7
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 林涛
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/196149(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108269839(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0277798(US,A1)
【文献】特開2005-033784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H04M 1/02
H04M 1/23
G02B 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子、表示モジュール及び光反射防止膜を含む移動端末であって、前記光学素子は、イメージセンサー、環境光素子、3D距離センサー及び指紋センサーの中の少なくとも一つを含み、
前記表示モジュールは、前記光学素子の上方に位置し、
前記光反射防止膜は、前記表示モジュールに位置して前記光学素子に対応し、
前記表示モジュールは、表示画面及び保護層を含み、
前記表示画面は前記光学素子の上方に位置し、前記保護層は前記表示画面の上方に位置し、
前記表示モジュールは、透明接着層をさらに含み、
前記透明接着層は、前記表示画面と前記保護層との間に位置し、
前記透明接着層の屈折率と前記保護層の屈折率との差の値が0.1より大きく、前記護層と前記透明接着層との間に前記光反射防止膜が備えられ、
或いは、
前記透明接着層の屈折率と前記表示画面の屈折率との差の値が0.1より大きく、前記表示画面と前記透明接着層との間に前記光反射防止膜が備えられることを特徴とする移動端末。
【請求項2】
前記表示画面は、少なくとも2層の光が伝播し且つ透過する媒体層を含み、
前記少なくとも2層の媒体層のうち、屈折率の差の値が0.1より大きい、互いに隣接する2層の媒体層の間に前記光反射防止膜が備えられることを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記光反射防止膜の面積は、前記光学素子が前記表示モジュールに投影した面積の以上であることを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項4】
前記光反射防止膜の材料はフッ化カルシウム、酸化チタン、硫化鉛、セレン化鉛、セラミック赤外線反射防止フィルムまたはビニルシルセスキオキサンハイブリッドフィルムを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項5】
前記保護層は、ガラスカバープレートまたは柔軟性カバー膜であることを特徴とする請求項に記載の移動端末。
【請求項6】
前記柔軟性カバー膜はポリイミド薄膜を含むことを特徴とする請求項に記載の移動端末。
【請求項7】
前記光反射防止膜は、少なくとも2層のサブフィルム層を含み、前記少なくとも2層のサブフィルム層はそれぞれ波長範囲が異なる光に対して反射防止することを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2018年11月19日に提出した中国専利出願CN201811379105.7号の優先権を主張し、上記中国専利出願全ての内容を本願に引用して参考とする。
【0002】
本開示は、端末の技術分野に関するものであり、特に移動端末に関するものである。
【背景技術】
【0003】
フルスクリーン技術が発展するに伴い、将来には、カメラや環境光検出などの光学素子は、表示画面の下方に配置される必要がある。これらの光学素子の入力信号は、外界の光である。したがって、外界の光が表示画面を透過して、これらの光学素子に到達する光のエネルギーと品質は、光学素子の機能にたいて直接的に影響を与えることができる。したがって、表示画面の下方に位置する光学素子の機能をどのように向上させるかは、解決すべき技術的な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術の問題を解決するために、本開示の実施例では、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させる移動端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第一方面によると、光学素子、表示モジュールと光反射防止膜を含む移動端末であって、
前記表示モジュールは、前記光学素子の上方に位置して、
前記光反射防止膜は、前記表示モジュールに位置して前記光学素子に対応される。
【0006】
一実施例において、前記表示モジュールは、表示画面と保護層を含み、
前記表示画面は、前記光学素子の上方に位置し、前記保護層は、前記表示画面の上方に位置する。
【0007】
一実施例において、前記光反射防止膜は、前記保護層の前記表示画面と反対する表面に位置する。
【0008】
一実施例において、前記光反射防止膜は、前記表示画面の光学素子に向かう表面に位置する。
【0009】
一実施例において、前記表示モジュールは、透明接着層をさらに含み、
前記透明接着層は、前記表示画面と前記保護層との間に位置する。
【0010】
一実施例において、前記透明接着層の屈折率と前記保護層の屈折率との差の値が0.1より大きく、前記の保護層と前記透明接着層との間に前記光反射防止膜が備えられる。
【0011】
一実施例において、前記透明接着層の屈折率と前記表示画面の屈折率との差の値が0.1より大きく、前記表示画面と前記透明接着層との間に前記光反射防止膜が備えられる。
【0012】
一実施例において、前記表示画面は、少なくとも2層の媒体層を含み、
前記少なくとも2層の媒体層のうち、屈折率の差の値が0.1より大きい、互いに隣接する2層の媒体層の間に前記光反射防止膜が備えられる。
【0013】
一実施例において、前記光反射防止膜の面積は、前記光学素子が前記表示モジュールに投影した面積の以上である。
【0014】
一実施例において、前記光反射防止膜は、少なくとも2層のサブフィルム層を含み、前記少なくとも2層のサブフィルム層はそれぞれ波長範囲が異なる光に対して反射防止する。
【0015】
一実施例において、前記光反射防止膜の材料はフッ化カルシウム、酸化チタン、硫化鉛、セレン化鉛、セラミック赤外線反射防止フィルムまたはビニルシルセスキオキサンハイブリッドフィルムを含んでいる。
【0016】
一実施形態において、前記保護層は、ガラスカバープレートまたは柔軟性カバー膜である。
【0017】
一実施例において、前記柔軟性カバー膜はポリイミド薄膜を含んでいる。
【0018】
本開示の実施例で提供される技術案は下記のような有益な効果を得ることができる。
【0019】
光学素子の上方に位置する表示モジュールに光反射防止膜を設けることにより、表示モジュールを透過して、表示モジュールの下方に位置する光学素子に到達する光のエネルギーと品質を向上させることができ、光学素子から発射された光が表示モジュールを透過するエネルギーと品質を向上させることができる。したがって、本開示の実施例の技術案は、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0020】
理解すべきことは、上記の一般的な説明と後述する詳細な説明は、単に例示的で解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここの図面は、明細書に併合されて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、明細書と一緒に本発明の原理を解釈する。
図1】関連技術による移動端末の構造例示図である。
図2】関連技術による光路の例示図である。
図3】一例示的な実施形態による移動端末の構造例示図である。
図4】一例示的な実施形態による移動端末の横断面の例示図である。
図5】他の例示的な実施形態による移動端末の横断面の例示図である。
図6】他の例示的な実施形態による移動端末の横断面の例示図である。
図7】他の例示的な実施形態による移動端末の横断面の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、例示的な実施例について詳細に説明し、その実施例を図面に表示する。図面について説明するとき、別の説明がない場合、異なる図面での同じ数は同一なまたは類似する要素を表示する。以下、例示的な実施例で説明する実施方式は、本発明と一致するすべての実施方式を代表するものではない。逆に、これは添付されている請求の範囲に記載される本発明の一方面と一致する装置及び方法の一例に過ぎない。
【0023】
関連技術において、携帯電話のフルスクリーンの技術がますます強く発展するに伴い、将来的には、カメラや環境光検出などの光学素子11は、表示画面12の下方に配置される必要がある。具体的には図1に示されている。ここで、表示画面12の上方には保護層13が備えられ、保護層13は、ガラスカバープレートまたは保護膜等であることができる。これらの光学素子11の入力信号は外界の光である。したがって、外界の光が表示画面12を通って、これらの光学素子11に到達するエネルギーと品質は、光学素子11の機能に直接的に影響を与えることができる。
【0024】
例えば、入射光Qが光学素子11に進入する経路は、図2図示されたようです。入射光Qは、保護層13の上下面で反射され、反射光Pのエネルギーは失われて、光学素子11に進入することができない。また、入射光Qの一部のエネルギーは、保護層13と表示画面12によって吸収され、光学素子11に進入することができない。したがって、光学素子11の有用な光Eのエネルギーは、入射光のエネルギーから反射光のエネルギーと保護層と表示画面によって吸収された光のエネルギーを差し引いたエネルギーである。
【0025】
ここで、反射光は、空気と保護層13の屈折/反射によって形成される。保護層13がガラスカバープレートであって、典型的なガラスの屈折率nガラスは1.5であり、反射率Rガラスは(nガラス-N空気/(Nガラス+ N空気である場合、反射率Rガラスは4%である。入射光Qが、空気から保護層13に進入して、保護層13から空気に進入されるので、光学素子11に進入される過程で、少なくとも2回の反射が発生する。したがって、約8%の入射光は、反射によって失われる。
【0026】
本開示の実施例は、移動端末を提供し、前記技術的な問題を解決し、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0027】
図3は、一例示的な実施形態による移動端末100の構造例示図である。移動端末100は、ケーシング14と表示モジュール17を含む。表示モジュール17はケーシング14内に位置する。ここで、表示モジュール17は、透明な保護層13と保護層13の下方に位置する表示画面12を含む。表示画面12から発射された光は、保護層13を透過することができる。表示画面12は、透明な保護層13を介して見える。表示画面12は、例えば、OLED表示画面であることができるが、これに限定されない。ここで、移動端末100が直立式移動端末である場合には、保護層13はガラスカバープレートであることができる。移動端末100が折り畳み可能なフレキシブルスクリーンの移動端末である場合には、保護層13は、柔軟性カバー膜であることができる。柔軟性カバー膜はポリイミド(PI)薄膜を含むことができる。
【0028】
図4図7は、本開示の実施形態に係る移動端末の横断面を表示する例示図である。図4図7に示すように、本開示の実施形態の移動端末100は、光学素子11と光反射防止膜(Anti-Reflective coating, AR)15をさらに含むことができる。
【0029】
図4図7に示すように、表示モジュール17は、光学素子11の上方に位置する。光反射防止膜15は、表示モジュール17に位置して光学素子11に対応する。ここで、光反射防止膜15が表示モジュール17に位置するのは、次のような状況を含む。つまり、光反射防止膜15が、表示モジュール17の光学素子11と反対する表面に位置することと、光反射防止膜15が、表示モジュール17の光学素子11に向かう表面に位置することと、光反射防止膜15が、表示モジュール17の内部に位置することを含む。
【0030】
一実施形態において、光学素子11は、イメージセンサー(カメラ)、環境光素子、3D距離センサーまたは指紋センサーであることができる。ここで、3D距離センサーは、3D構造の光学素子であることができ、3D構造の光学素子は、赤外線レンズ(赤外線エミッタ)、投光検出素子(flood camera)またはラティスプロジェクターであることができる。一実施形態において、光学素子11の数は複数個であることができる。
【0031】
ただし、本開示の実施例において、前記の「上方」は、光学素子11から表示モジュール17に向かう方向を指す。
【0032】
本開示の実施例において、光学素子の上方に位置する表示モジュールに光反射防止膜を設けることにより、表示モジュールを透過して表示モジュールの下方に位置する光学素子に到達する光のエネルギーと品質を向上させることができ、また光学素子から発射された光が表示モジュールを透過するエネルギーと品質も向上させることもできる。したがって、本開示の実施例の技術案によれば、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0033】
一実施例において、図4に示すように、表示モジュール17は、表示画面12と保護層13を含むことができる。表示画面12は、光学素子11の上方に位置し、保護層13は、表示画面12の上方に位置する。
【0034】
一実施例において、図4に示すように、光反射防止膜15は、保護層13の表示画面12と反対する表面に位置する。例えば、外界からの入射光が光反射防止膜15に進入した後、光反射防止膜15の保護層13と反対する表面(上表面)と光反射防止膜15の保護層13に向かう表面(下表面)で反射される光が干渉されて、互いにオフセットされ、光反射防止膜15の上表面に向かって見たとき、反射光が見えない。その理由は、エネルギー保存により、すべての入射光は保護層13を透過したからである。したがって、保護層13の上表面に光反射防止膜15を設置することにより、保護層13を透過する光のエネルギーと品質を向上させることができ、さらに、表示モジュールを透過して表示モジュールの下方に位置する光学素子に進入した光のエネルギーと品質を向上させることができる。
【0035】
一実施例において、図4に示すように、光反射防止膜15は、表示画面12の光学素子11に向かう表面に位置する。例えば、光学素子11から光が発射される場合、光学素子11から発射された光が光反射防止膜15に進入した後、光反射防止膜15の表示画面12と反対する表面(下表面)と光反射防止膜15の表示画面12に向かう表面(上表面)で反射される光が干渉されて、互いにオフセットされ、光反射防止膜15の下表面に向かって見たとき、反射光が見えない。その理由は、エネルギー保存により、光学素子11から発射されたすべての光が表示画面12を透過したからである。したがって、表示画面12の下表面に光反射防止膜15を設置することにより、光学素子から発射されて表示画面12を透過する光のエネルギーと品質を向上させることができる。
【0036】
ただし、光反射防止膜15が、光に対して反射防止するのは波長の選択性を有している。具体的には、光反射防止膜15の厚さの相違に基づいて反射防止される光の波長も異なる。例えば、光反射防止膜15の厚さが赤色光の波長の1/4の奇数倍である場合、光反射防止膜の2つの表面で反射される赤色光は干渉されてオフセットされ、光反射防止膜15の上表面に向かって見たとき、反射される赤色光が見えない。その理由は、エネルギー保存により、入射光のうち、すべての赤色光が保護層13を透過したからである。しかし、光反射防止膜15の厚さが赤色光の波長の1/4の奇数倍であるとき、紫色光に対して反射防止することができない場合があります。
【0037】
一実施形態において、光反射防止膜15は、少なくとも2層のサブフィルム層を含むことができ、少なくとも2層のサブフィルム層は、それぞれの波長範囲が異なる光に対して反射防止する。これにより、より多くの周波数帯の光に対して反射防止することができる。以下、可視光の波長範囲が380~700nmであり、光反射防止膜15が3層のサブフィルム層を含むことを一例として説明する。光反射防止膜15は、積層された第1のサブフィルム層、第2のサブフィルム層及び第3のサブフィルム層を含むことができる。本実施例において、フィルム層の厚さと波長との関係に基づいて、第1のサブフィルム層を波長が380~450nmである光に対して反射防止させ、第2のサブフィルム層を波長が451~550nmである光について反射防止させ、第3のサブフィルム層を波長が551~700nmである光に対して反射防止させることができる。これにより、可視光のすべての周波数帯の光に対して反射防止させることができるので、可視光が表示画面の下方に位置する光学素子に進入される光のエネルギーと品質を向上させることができ、または光学素子から発射される可視光が表示画面を透過するエネルギーと品質を向上させることができる。ただし、本開示の実施例では例をあげ、上記数字は、本開示に何限定をしない。
【0038】
一実施例において、図4に示すように、表示モジュール17は、透明接着層16をさらに含むことができる。透明接着層16は、表示画面12と保護層13との間に位置する。透明接着層16の材料は、OCA(OptiCally Clear Adhesive、光学接着剤)であることができ、保護層13と表示画面12を接着して結合させることができる。
【0039】
一実施例において、図5に示すように、透明接着層16の屈折率と保護層13の屈折率との差の値が0.1よりも大きい場合には、保護層13と透明接着層16の間に光反射防止膜15を設置することができる。ここで、保護層13の屈折率と光反射防止膜15の屈折率との差の値が0.1より大きいことができ、透明接着層16の屈折率と光反射防止膜15の屈折率との差の値が0.1より大きいことができる。透明接着層16の屈折率と保護層13の屈折率との差の値が0.1より大きい場合には、入射光が透明接着層16と保護層13との間の境界面に進入されて反射される。したがって、透明接着層16と保護層13との間に光反射防止膜15を設置し、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0040】
一例示的な実施形態において、保護層13は柔軟性カバー膜であり、柔軟性カバー膜はポリイミド(PI)薄膜を含み、透明接着層16の材料はOCAある。PI薄膜の屈折率が1.68より大きく、OCAの屈折率が1.48であるので、透明接着層16の屈折率と保護層13の屈折率との差の値が0.2より大きく、また0.1よりも大きい。入射光が透明接着層16と保護層13との間の境界面に進入されて反射される。したがって、透明接着層16と保護層13との間に光反射防止膜15を設置し、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0041】
ただし、保護層13がガラスカバープレートであり、透明接着層16の材料がOCAの場合、ガラスカバープレートの屈折率が1.5であり、OCAの屈折率が約1.48であるので、透明接着層16の屈折率と保護層13の屈折率との差の値が0.02であり、0.1より小さい。入射光が透明接着層16と保護層13との間の境界面に進入されて反射されないことがあります。したがって、透明接着層16と保護層13との間に光反射防止膜15を設置しなくてもよい。
【0042】
一実施例において、図6に示すように、透明接着層16の屈折率と表示画面12の屈折率との差の値が0.1より大きい場合には、表示画面12と透明接着層16との間には、光反射防止膜15を設置することができる。ここで、透明接着層16の屈折率と光反射防止膜15の屈折率との差の値が0.1より大きいことができ、表示画面12の屈折率と光反射防止膜15の屈折率との差の値が0.1よりも大きいことができる。透明接着層16の屈折率と表示画面12の屈折率との差の値が0.1より大きい場合には、入射光が透明接着層16と表示画面12との間の境界面に進入されて反射される。したがって、透明接着層16と表示画面12との間に光反射防止膜15を設置して、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0043】
一例示的な実施形態において、透明接着層16の屈折率が1.5であり、表示画面12の屈折率が1.7である場合には、透明接着層16の屈折率と表示画面12の屈折率との間の差の値が0.2であり、0.1より大きい。入射光が透明接着層16と表示画面12との間の境界面に進入されて反射される。したがって、透明接着層16と表示画面12との間に光反射防止膜15を設置し、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0044】
一実施例において、図7に示すように、表示画面12は、少なくとも2層の媒体層を含むことができる。光は媒体層で伝播され、また媒体層を透過することができる。少なくとも2層の媒体層中各層の媒体層は、周波数が同じ光の屈折率に対して同じである又は異なることができる。少なくとも2層の媒体層のうち、屈折率の差の値が0.1より大きい、互いに隣接する2層の媒体層の間に光反射防止膜15を設置することができる。入射光が屈折率の差の値が0.1より大きい、互いに隣接する2層の媒体層の間の境界面に進入されて反射される。したがって、屈折率の差の値が0.1よりも大きい、互いに隣接する2層の媒体層の間に光反射防止膜15を設置して、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0045】
以下、表示画面12が2階の媒体層を含むことを一例として説明する。図7に示すように、表示画面12は、第1の媒体層121と第2の媒体層122を含み、第1の媒体層121の屈折率と第2の媒体層122の屈折率の差が0.1より大きい。入射光が第1の媒体層121と第2の媒体層122との間の境界面に進入されて反射される。したがって、第1の媒体層121と第2の媒体層122との間に光反射防止膜15を設置して、表示モジュールの下方に位置する光学素子の機能を向上させることができる。
【0046】
一実施形態において、光反射防止膜15の面積は、光学素子11が表示モジュール17に投影した面積と同じである。もちろん、光反射防止膜15の面積は、光学素子11が表示モジュール17に投影した面積より大きくてもよい。
【0047】
一実施形態において、光反射防止膜の材料は、フッ化カルシウム(CalCiumfluoride)、酸化チタン(TitaNium Dioxide)、硫化鉛(Lead sulfide)、セレン化鉛(lead seleNide)、セラミック赤外線反射防止フィルム(CeramiCs INfrred ANtirefleetive Films)またはビニルシルセスキオキサンハイブリッドフィルム(viNyl-silsesQuioxaNes hybrid film)を含むことがありますが、これに限定されない。
【0048】
最後に、上記の光反射防止膜及び反射防止する原理について説明する。
【0049】
まず、ただし、光は粒子と波動の二重性(wave-partiCle duality)を備える。つまり、ミクロ的では、光を一種の波動と見ることができ、または光を一群の高速で運動する粒子と見ることができる(注意すべきことは、ここで光を簡単な波動と簡単な粒子として理解してはならない)。上記波動と粒子両方はミクロ的な側面で言うものであり、アインシュタインが研究を通じて光子と呼ばれた。赤色光の波長は、0.750μmであり、紫色光の波長は0.400μmである。一つの光子の質量は、6.63E-34 kgである。したがって、上記の波動と粒子は、私たちが想像する巨視的な波動と粒子ではない。光反射防止膜の原理は、光を一種の波動に考慮したものである。その理由は、光波は機械波のように干渉する性質を持っているからである。光反射防止膜は、光の干渉原理を用いて、膜の全表面と後表面で反射される光が干渉を発生して、反射領域の光度を変化させて透過領域の光度を変化させるものである。
【0050】
光学機器において、光学素子の表面からの反射は、光学素子の光透過エネルギーにたいして影響を与えるのみならず、これらの反射光は、機器で迷光(stray light)を形成して光学機器のイメージング品質に対して影響を与えることができる。これらの問題を解決するために、一般的に光学素子の表面に一定の厚さの単層または複数層の膜を膜する。その目的は、光学素子の表面の反射光を減少させるものである。これらの膜を光反射防止膜(または反射防止フィルム)とする。
【0051】
その後、エネルギー保存の観点から光反射防止膜の反射防止する原理について分析する。一般的に、光が一定の材料の光学素子の表面に進入した場合には、発生した反射光と透過光エネルギーは確定される。吸収や散乱など他の要素を考慮しない状況では、反射光と透過光の総エネルギーは、入射光のエネルギーと同じである。つまり、エネルギー保存則を満足する。光学素子の表面に光反射防止膜を膜した後、光反射防止膜の吸収や散乱などの他の要素を考慮しない状況では、反射光と透過光と入射光は依然としてエネルギー保存則を満足する。膜を膜することは反射光と透過光のエネルギーを再分配する役割をする。光反射防止膜において、分配した結果、反射光のエネルギーを減少させて透過光のエネルギーを増大させる。これにより、光反射防止膜の作用は、光学素子の表面の反射光と透過光のエネルギーを再分配して、分配した結果は、透過光のエネルギーが増大して反射光のエネルギーが低減される。したがって、光反射防止膜のこれらの特性により、反射領域の光度を変化させて透過領域の光度を変化させることができる。
【0052】
総体的に見ると、光反射防止膜が透過光の光度を増大させる本質は、電磁波である光波が伝播される過程の中で、異なる媒体の境界面では、境界の条件が異なるため、そのエネルギーの分布が変化する。単層の光反射防止膜において、光反射防止膜の両側の媒体が異なる場合には、光反射防止膜の厚さが1/4波長の奇数倍であり且つ光反射防止膜の屈折率n=(n1*n2)1/2であれば、すべての入射光が媒体2を透過する。ここで、n1、n2それぞれは媒体1、媒体2の屈折率であり、媒体1、媒体2は、光反射防止膜両側の媒体であり、光は順番に媒体1、光反射防止膜、媒体2を透過する。例えば、一般的に光学レンズ(媒体2)は空気(媒体1)の中で使用される。一般的な屈折率が1.5左右の光学レンズにおいて、単層の光反射防止膜が100%の反射防止する効果に達するために、n1=1.23または1.23に近くして、光反射防止膜の厚さを(2k+1)倍の1/4の波長になるようにする。ここで、kは負でない整数である。
【0053】
当該分野の技術者が明細書を考慮して、開示された内容を実践した後、本開示の他の実施案を容易に考えることができる。本出願は、本開示の任意の変形、用途または適応性の変化をカバーし、これらの変形、用途または適応性の変化は、本開示の一般的な原理に応じて、本開示では開示されていない当該分野の公知常識や慣用技術手段を含んでいる。明細書及び実施例は例示的なものであり、本開示の真の範囲と精神は添付されている請求範囲で示す。
【0054】
理解すべきことは、本開示は、上記の内容及び図面に示された構造に限定されず、その範囲を逸脱しない限り、各種の変更及び変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付されている特許請求の範囲のみによって限定される。

図1
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図4
図5
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図7