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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】ガスボンベの開閉機構
(51)【国際特許分類】
   F17C 7/04 20060101AFI20220124BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
F17C7/04
F17C13/00 301Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021007655
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2021-01-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591098673
【氏名又は名称】小林 始
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】小林 始
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-084013(JP,U)
【文献】特表2001-509761(JP,A)
【文献】国際公開第2005/114039(WO,A1)
【文献】特開2002-061796(JP,A)
【文献】特表2018-516650(JP,A)
【文献】特開平06-317318(JP,A)
【文献】特開2000-310395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 7/04
F17C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、
前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、
前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、
前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、
前記作動体は、その作動方向に形成されたステムであり、
前記ステムの少なくとも一部は、中空状に形成され、その内部に自身の軸方向に延びる空間が形成され、
前記ステムの内部の前記空間の軸方向の一端側が外部に向かって開放され、
前記ステムの内部の前記空間の内周面側には、その軸方向に延びる挿入部材が嵌合状態で挿入され、
前記挿入部材の外周面と前記空間の内周面との間に形成された隙間は、前記流路の一部を構成する
ことを特徴とするガスボンベの開閉機構。
【請求項2】
前記ステムの外周側に装着されるリング状の開閉部材を備え、
前記ステムには、その外周側と、該ステムの内部の前記空間とを連通させる連通孔が穿設され、
前記開閉部材は、前記連通孔が閉状態になるようにして、前記ステムに装着され、
前記ステムを、前記開閉部材が弾性変形するようにして、その軸方向の一方側に作動させることにより、該開閉部材によって閉塞されていた前記連通孔が開状態になる構造とした
請求項に記載のガスボンベの開閉機構。
【請求項3】
少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、
前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、
前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、
前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、
前記ハウジングは前記ガスボンベ内に位置する筒状部を有し、
前記筒状部の内周面側には前記流路の一部が形成され、
前記閉塞部材は、前記筒状部に外装され且つ前記流路を閉塞するように有底筒状に形成され、
前記筒状部は前記ハウジングに一体的に形成された
ことを特徴とするガスボンベの開閉機構。
【請求項4】
少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、
前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、
前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、
前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、
前記ハウジングは前記ガスボンベ内に位置する筒状部を有し、
前記筒状部の内周面側には前記流路の一部が形成され、
前記閉塞部材は、前記筒状部に外装され且つ前記流路を閉塞するように有底筒状に形成され、
前記閉塞部材の筒状の内部には、液状のガスを含侵させることが可能な充填材が充填され、
前記閉塞部材の筒状の外周面から内周面に至る過程で気化されなかった液状の前記ガスが、前記充填材に含侵され、
複数の前記充填材が前記ガスの前記閉塞部材の筒状形状の内部に充填された
ことを特徴とするガスボンベの開閉機構。
【請求項5】
前記充填材はフェルト材である
請求項に記載のガスボンベの開閉機構。
【請求項6】
複数の前記充填材は前記ガスの流動方向に並べられた
請求項又はの何れかに記載のガスボンベの開閉機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスボンベの内部に充填されたガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能なステム(作動体)とを備え、ステムがその軸方向に往復作動することによって流路が開閉されるガスボンベの開閉機構が従来公知になっている。
【0003】
ところで、ガスボンベは、その内部が高圧の状態で保持されているため、ガスが液体の状態で存在する。この液状のガスは、流路を経て外部に排出される過程で、周囲の圧力の低下によって気化されるが、十分に気化されずに液体の状態のまま外部に排出された場合には、本来の目的を達成できない場合がある。
【0004】
例えば、カセットコンロ等に用いる燃焼ガスが封入された携帯型のガスボンベでは、液体の状態では、十分な燃焼が行われず、赤い炎になり、一酸化炭素の発生原因になる。また、エアダクターとして用いる場合には、液体の状態のままでは、埃等を抜き飛ばすことができず、本来の目的を発生できないという不具合が発生する。
【0005】
これらの不具合を防止するため、ガスボンベの内部においてガスが気化された状態で存在する部分まで、ハウジングから導入管を配管したガスボンベの開閉機構が開発されて公知になっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
特許文献1のものによれば、気化された状態のガスを導入管からハウジング内に導入できるため、ガスが液体の状態のままでガスボンベの外部に排出されることを効率的に防止できる。
【0007】
しかし、その一方で、ガスボンベ内においてガスが気化された状態で存在する部分を安定的に一定の位置で保持させる必要があるため、ガスボンベからガスを排出させている間は、該ガスボンベの姿勢を一定に保持する必要がある。例えば、携帯型のカセットコンロに用いるタイプのものでは、導入管のハウジングと反対側の端部が上方を向くように、ガスボンベを、横にし、その軸回り方向の位置を予め定めた所定の位置に保持させておく必要がある(同文献の図8を参照)。
【0008】
すなわち、ガスボンベを、予め定めた所定の姿勢で保持させる必要があり、使い勝手が悪い。
【0009】
一方、ガスの気化を促進させるため、液体状態のガスを含侵させることが可能な布や綿等を詰め込み、布や綿等によってガスの気化を促進させる手段も公知になっている。気化されるガスの量は布や綿等の表面積に応じて変化するため、気化状態のガスを一定量確保するには、布や綿等をガスボンベ内に過密に詰め込む必要があり、この作業は手作業にならざるを得ず、手間が増加し、製造コストが高くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開平11-101400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、ガスボンベの姿勢を自由に変更した場合でも、該ガスボンベの内部のガスを効率的に気化させた状態で外部に排出することが可能であって且つ製造の手間も軽減されたガスボンベの開閉機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、前記作動体は、その作動方向に形成されたステムであり、前記ステムの少なくとも一部は、中空状に形成され、その内部に自身の軸方向に延びる空間が形成され、前記ステムの内部の前記空間の軸方向の一端側が外部に向かって開放され、前記ステムの内部の前記空間の内周面側には、その軸方向に延びる挿入部材が嵌合状態で挿入され、前記挿入部材の外周面と前記空間の内周面との間に形成された隙間は、前記流路の一部を構成することを特徴とする。
【0013】
前記ステムの外周側に装着されるリング状の開閉部材を備え、前記ステムには、その外周側と、該ステムの内部の前記空間とを連通させる連通孔が穿設され、前記開閉部材は、前記連通孔が閉状態になるようにして、前記ステムに装着され、前記ステムを、前記開閉部材が弾性変形するようにして、その軸方向の一方側に作動させることにより、該開閉部材によって閉塞されていた前記連通孔が開状態になる構造としたものとしてもよい。
【0014】
少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、前記ハウジングは前記ガスボンベ内に位置する筒状部を有し、前記筒状部の内周面側には前記流路の一部が形成され、前記閉塞部材は、前記筒状部に外装され且つ前記流路を閉塞するように有底筒状に形成され、前記筒状部は前記ハウジングに一体的に形成されたものとしてもよい。
【0015】
少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスボンベの開閉機構であって、前記ガスボンベの内部に充填された前記ガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、前記ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、前記流路を閉塞して該流路と前記ガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、前記閉塞部材に含侵された前記ガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが可能な材料から構成され、前記ハウジングは前記ガスボンベ内に位置する筒状部を有し、前記筒状部の内周面側には前記流路の一部が形成され、前記閉塞部材は、前記筒状部に外装され且つ前記流路を閉塞するように有底筒状に形成され、前記閉塞部材の筒状の内部には、液状のガスを含侵させることが可能な充填材が充填され、前記閉塞部材の筒状の外周面から内周面に至る過程で気化されなかった液状の前記ガスが、前記充填材に含侵され、複数の前記充填材が前記ガスの前記閉塞部材の筒状形状の内部に充填されたものとしてもよい。
【0016】
前記充填材はフェルト材であるものとしてもよい。
【0017】
複数の前記充填材は前記ガスの流動方向に並べられたものとしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
ガスを液体の状態で含侵させることが材料から構成された閉塞部材によって、ガスボンベの姿勢を自由に変更した場合でも、該ガスボンベの内部のガスを効率的に気化させて外部に排出することが可能になるとともに、閉塞部材を設ける手間は、ガスボンベに充填材を充填する作業によりも簡易であり、製造の手間も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用した携帯型のガスボンベの構成を示す斜視図である。
図2図1のガスボンベの内部の構造を示す要部断面図である。
図3】閉塞機構の分解図である。
図4】閉作動させた状態の開閉機構の断面図である。
図5】開作動させた状態の開閉機構の断面図である。
図6】本発明の別実施形態に係るガスボンベの内部の構造を示す要部断面図である。
図7】(A)は挿入部材をその軸方向から視た場合の形状を示す図面であり、(B)は挿入部材をその軸方向と垂直な方向から見た場合の形状を示す図面である。
図8】本発明の他の実施形態に係るガスボンベの内部の構造を示す要部断面図である。
図9図8の拡大図である。
図10図9に示す開閉機構からトーチ型のガスバーナーを取り外した状態の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明を適用した携帯型のガスボンベの構成を示す斜視図であり、図2図1のガスボンベの内部の構造を示す要部断面図である。図示する携帯型のガスボンベは、有底の円筒状に成形された金属製の容器本体1と、該容器本体1における底部とは反対側の開放部分を塞ぐ金属製の天蓋2とを備えている。
【0021】
天蓋2は、容器本体1の軸心を中心として該容器本体1の外側に盛り上がったドーム状に形成され、その頂点部分と反対側の端部に位置する円形の周縁部2aが、容器本体1の開放部分側の周縁にカシメ固定される。天蓋2の頂点部分には開口部が形成されている。言い換えると、天板2の頂点側の端部には円形の開口縁部2bが形成されている。
【0022】
ちなみに、開口縁部2bは、ガスボンベ(容器本体1)の内部のガスを外部に排出する流路Rを開閉する開閉機構3を係止して支持する係止部として機能する。この係止部2bは、その全長が上述した通り円形リング形状をなし、その断面が、該円形リング形状の径方向外側に円弧状に湾曲形成されている。
【0023】
次に、図2乃至図4に基づいて閉塞機構3の構成を詳述する。
【0024】
図3は閉塞機構の分解図であり、図4は閉作動させた状態の開閉機構の断面図である。開閉機構3は、天蓋2の開口部の少なくとも一部(図示する例では大部分)を塞ぐように該天蓋2にカシメ固定される金属製のマウンテンカップ4と、該マウンテンカップ4に嵌合して固定された硬質合成樹脂製のハウジング6と、前記流路Rを閉塞して容器本体1(ガスボンベ)の内部のガスが充填された空間1aと該流路Rとを隔てる閉塞キャップ(閉塞部材)7とを有している。
【0025】
上記マウンテンカップ4は、天蓋2の開口部からその内部に挿入される有底の円筒状に成形された本体8と、該本体8の底部8aと反対の端側に位置する円形の周縁部から径方向外側に一体的に延出されたフランジ部9と、本体8の底部8aの中心寄り部分から該本体部8の開放側に垂直又は略垂直に突出形成された円筒状の収容部11とを一体的に有している。
【0026】
本体8の底部8aは天蓋2の内部に位置する一方で、フランジ部9が天蓋2の外側に位置している。
【0027】
フランジ部9における本体8の外周面に近い側には、嵌合溝9aがその全周に亘って凹設されている。この円形リング状の嵌合溝9aに上述した円形リング状の係止部2bを嵌合して挿入することによって天蓋2にマウンテンカップ4が固定される。この際、天蓋2及びマウンテンカップ4の一方又は両方(本例では、マウンテンカップ4)を塑性変形させて互いを固定(カシメ固定)する。
【0028】
また、フランジ部9は、その周方向の一部に切欠き状部9bが形成され、これによって、ガスボンベの軸回り方向に位置を定めることが可能になる。この切欠き状部9bの目印は、従来は非常に重要なものであったが、後述する構成によって、その重要性は大幅に低下する。
【0029】
収容部11は、本体8、容器本体1及び天蓋2と共に同一軸心をなし、その内周面側には、有底の円筒状に成形された前記ハウジング6の外周面の一部又は全部(本例では一部)が嵌合状態で挿入固定される。収容部11における底部8aから突出した側の端部は一部が塞がれて天井部10を構成している。この天井部10の中心部には、収容部11の軸心上に一直線状に形成された硬質合成樹脂製のステム12が、その軸方向に移動可能に挿通される挿通孔10aが穿設されている。
【0030】
上記ハウジング6は、収容部11と同一軸心となるように配置され、その内部にはガスボンベ(容器本体1)に充填されたガスが導入される空間6aが形成されている。ハウジング6における天井部10寄り部分及び中途部(嵌合部13)の外周径は、それ以外の該天井部10から遠い側の部分(露出部14)の外周径よりも大きくなっている。
【0031】
この嵌合部13の外周面を収容部11の内周面に嵌合して挿入することによって、ハウジング6の一部が収容部11に収容されてマウンテンカップ4側に固定される。この際、収容部11及びハウジング6の一方又は両方(本例では収容部11)を塑性変更させて両者を固定(カシメ固定)させる。
【0032】
ハウジング6の内部の空間6aの径は、嵌合部13から露出部14に向かって段階的に縮小されている。具体的には、空間6aは、その嵌合部13寄り部分の径が、その露出部14寄り部分の径よりも小さく設定されている。また、ハウジング6の底部には、その軸心上に延びる導入孔6bが穿設されている。この導入孔6bの径は、空間6aの最小径よりもさらに小さくなっている。そして、ガスボンベ(容器本体1)の内部のガスは、導入孔6bから空間6aに導入される。
【0033】
前記ステム12は、挿通孔10aから外部に突出する突出部16と、ハウジング6の内部の前記空間6aに挿入される挿入部17とが、その軸方向に一直線に配置され、前記挿入部17と前記突出部16とは、両者よりも外周径が小さい係止部18によって一体的に接続されている。ちなみに、ハウジング6の空間6aの径は、ステム12の挿入部17の外周の径よりも大きく形成され、ステム12は、その軸方向の移動自在な状態で、その挿入部17がハウジング6の空間6aに挿入されている。
【0034】
このステム12の少なくとも一部(具体的には、突出部16及び係止部18)は中空状に形成され、そこには、該ステム12の軸心に沿って一直線状に延びる空間12aが形成されている。空間12aは、その軸方向における一端側(具体的には突出部16側)の端部が開放されている。係止部18には、ステム12の径方向に延びる連通孔12bが穿設され、これによって空間12aにおける係止部18寄り部分と、該係止部18の外周面側の空間とが連通している。
【0035】
また、係止部18の外周には、通常、円形リング状のガスケット(開閉部材)19が装着して固定される。ガスケット18は、合成樹脂製の材料からなり、弾性変形可能に構成されている。この構成によれば、通常時、連通孔12bはガスケット19に内周面によって弾力的に閉塞されている。
【0036】
さらに、挿入部17は、係止部18に遠い側の端部である先端部17aの外周径が、それ以外の部分である中途部17bの外周径よりも小さく形成され、その境に段部17cが形成されている。
【0037】
この段部17cと、ハウジング6の空間6aの底面との間には、圧縮スプリング(弾性部材)21が介在している。この圧縮スプリング21は、その内周面側の空間の少なくとも一部に前記先端部17aが挿入される一方で、その外周面側がハウジング6の空間6aの内周面に近接又は接触して位置決めされる。この圧縮スプリング21によって、ステム12に装着されたガスケット18が天井部10側に弾性的に付勢される。この付勢によって、ガスケット18と天井部10とが密着し、気密性が確保される。
【0038】
ハウジング6をマウンテンカップ4に組み付ける手順について簡単に説明すると、まず、ガスケット18をステム12の係止部18に装着し、続いて、このステム12及び圧縮スプリング21を、ハウジング6の空間6aに同一軸心となるように挿入する。続いて、この状態で、ハウジング6の嵌合部13の外周面を、収容部11の内周面に嵌合して挿入して固定することによって、組付作業を完了する。
【0039】
次に、図4及び図5に基づいて開閉機構3を用いて流路Rの開閉について説明する。
【0040】
図5は開作動させた状態の開閉機構の断面図である。圧縮スプリング21の弾性力に抗して、ステム12がガスボンベ(容器本体1)の内部に押し込まれるように、該ステム12を軸方向の一方側に操作(押し込み操作)すると、ガスケット19がその外周縁から中心側に向かってハウジング6側に弾性的に湾曲変形し、該ガスケット19によって塞がれていた連通孔12bが開放される。
【0041】
この開放によって、ガスボンベ(容器)の内部から導入孔6bを経由して空間6aに流入していたガスが、連通孔12bを経て、空間12aに流動することが可能になる。すなわち、前記流路Rは、本例では、導入孔6b、空間6a、連通孔12b及び空間12aから構成されている。
【0042】
一方、ステム12の押し込み操作力を解除させると、圧縮スプリング21の弾性力によって、ステム12が外側に押し戻され、弾性変形していたガスケット18が元の形状に復元され、連通孔12bが再び閉塞される。
【0043】
このようにして、開閉機構3は、連通孔12bをガスケット18によって開閉することによって流路Rの開閉を行う。すなわち、ステム12は、流路Rが開閉されるように作動させる作動体として機能する。ちなみに、連通孔12bは、前記流路Rの該挿通孔12b以外の部分に比べ、その径が小さく形成されているため、オリフィスとして機能し、ガスの流速を速め、気体を促進させている。
【0044】
ただし、これでも、ガスの気化が不十分な場合がある。このような事態を効率的に防止するため、上述した閉塞キャップ7が設けられている。ちなみに、液化された状態のガスを100%完全に気化させることは必須ではなく、燃焼に必要な適切な割合で気化されていれば十分である。
【0045】
次に、図3乃至図5に基づいて閉塞キャップ7の構成を詳述する。
【0046】
閉塞キャップ7は、有底の円筒状に成形され、液体の状態のガスを含侵させることが可能であって且つ気体の状態のガスに対して通気性を有する材料から構成されている。このような機能を有する材料であれば、その他に要件はないが、本例では、真鍮等の金属の粉末から有底の円筒形状に圧縮成形したものを、焼成することによって、閉塞キャップ7を製造している。言い換えると、閉塞キャップ7は、焼成された金属材料から構成されている。
【0047】
閉塞キャップ7の開放寄り部分の内周面側に、ハウジング6におけるガスボンベ(容器本体1)の内部側に露出した露出部14の外周面を嵌合状態で挿入することによって、該閉塞キャップ7をハウジング6に装着して固定する。すなわち、ハウジング6の一部を構成し且つその内部に前記流路Rの一部が形成された前記露出部14は、円筒状の閉塞キャップ7を外装する筒状部として機能する。この状態では、閉塞キャップ7の底面と、ハウジング6の導入孔6bが形成された端面との間には、空間Sが形成される。
【0048】
この空間Sには、円盤状に成形され且つ弾性変形可能な複数の充填材22が充填されている。この充填材22は、液体状態の前記ガスを含侵させることが可能であるとともに、気体状態の前記ガスに対して通気性を有する材料(本例では、フェルト材)から構成されている。
【0049】
この複数の充填材22は、弾性的に若干縮小変形させた状態で、前記流路R内を流動するガスの流動方向(具体的には閉塞キャップ7やハウジング6やステム12の軸方向)に並べられた状態で、前記空間Sに充填されている。
【0050】
この閉塞キャップ7及び複数の充填材22によれば、容器本体1の内部に充填された液状のガスに閉塞キャップ7を浸漬された状態では、このガスが閉塞キャップ7の外周面側から該閉塞キャップ7の構成材料内に含侵され、気化が促進されながら、この閉塞キャップ7の内周面側に至る。そして、空間Sに達したガスのうちで、まだ液体の状態のガスも充填材22の構成材料内に含侵され、導入孔6bに至る過程で、気化が促進される。このように気化が促進された前記ガスは、空間6aに導入される。
【0051】
一方、容器本体1の内部に充填され且つ気化されたガス内に閉塞キャップ7が位置している状態では、このガスが閉塞キャップ7及び充填材22を透過し、導入孔6bから空間6aに導入される。
【0052】
このようにして、液体状態のままのガスが、ステム12の先端側から外部に排出されることが効率的に防止される。また、ガスボンベがどのような姿勢であっても、上述のように機能するため、使用方法の自由度も大きい。
【0053】
ちなみに、火力に応じて、燃焼に必要なガスの量や、気化させるガスの割合が定まり、それに応じて、流路の径や、閉塞キャップ7の厚み等を適宜調整する。
【0054】
なお、上述した形態では、閉塞キャップ7をハウジング6に装着したが、この形態に限定されるものではなく、ハウジング6からガスを流動させる流動管を延出し、その流動管の筒状部の外周面に閉塞キャップ7を装着してもよい。また、ガスボンベに封入するガスは、本例では、燃焼ガスであるが、これをエアダクターとして用いる場合、その内部にはDMEガスや炭酸ガス等を封入する。
【0055】
次に、図6及び図7に基づき、本発明の他の実施形態について、上述の形態と異なる部分を説明する。
【0056】
図6は本発明の別実施形態に係るガスボンベの内部の構造を示す要部断面図であり、図7(A)は挿入部材をその軸方向から視た場合の形状を示す図面であり、(B)は挿入部材をその軸方向と垂直な方向から見た場合の形状を示す図面である。本実施形態では、ステム12の空間12aに、該ステム12の軸方向に円柱状をなす挿入部材23が嵌合して挿入されている。
【0057】
挿入部材23の外周面の周方向における一部には、フラットな切欠き状面23aが形成されている。この切欠き状面23aと、空間12aの内周面との間には、該空間12aの一部である隙間12a1が形成され、この隙間12a1が前記流路Rの少なくとも一部を構成している。
【0058】
具体的には、空間12aに導入されたガスは、該空間12aにおける挿入部材23がない側のスペースから、隙間12a1側へ流動し、その後、ガスボンベ外に排出され、この過程において、さらに気化が促進される。すなわち、隙間12a1がオリフィスとして機能する。
【0059】
また、この挿入部材23は、ステム12の重さの調整にも利用可能である。
【0060】
一方、ガスベンベの外部から空間12aを経由させて内部にガスを充填する作業を行う場合、該空間12aに挿入部材23が挿入されていない状態で、この作業を行う。
【0061】
次に、図8乃至図10に基づき、本発明の他の実施形態について、上述の形態と異なる部分を説明する。
【0062】
図8は本発明の他の実施形態に係るガスボンベの内部の構造を示す要部断面図であり、図9図8の拡大図であり、図10図9に示す開閉機構からトーチ型のガスバーナーを取り外した状態の拡大図である。
【0063】
これらの図面に示す開閉機構3のマウンテンカップ4の収容部11の外周面には、トーチ型のガスバーナー50を着脱可能に装着させる雄ネジ11aが形成されている。ちなみに、図示する例では、マウンテンカップ4は、その本体8の外周面が、天蓋2の周縁部2aに嵌合挿通されて固定されている。
【0064】
ハウジング6の外周面側には、その全周に亘って径方向外側に突出する円形リング状の係止部6cが一体的に突出形成されている。この係止部6cの外周縁部が収容部11の内周面に全周に亘り当接する。ハウジング6の係止部6cを含む一部分が挿入して収容された状態の収容部11における底部8a側の端部は、その周方向の全体に亘り、径方向内側に塑性変形されて係止部11bを構成している。この係止部11bによってハウジング6の収容部11からの抜け出しが防止される。
【0065】
この開閉機構3のステム12の外周面には、ガスケット19が装着されず、該ガスケット19の内側の一面が該ステム12の軸方向の一端部と密着して当接する。ステム12のガスケット19側の端面には、外部に向かって開放された凹部が形成されている。この凹部が前記空間12aを構成している。この空間12aは、円形のリング状に成形されたガスケット19の中心部の孔19aと、挿通孔10aとを介して、外部に露出した状態になる。
【0066】
このステム12は、前記圧縮スプリング21によって、ガスケット19側に弾性的に付勢されている。言い換えると、圧縮スプリング21は、ステム12をガスケット19に押圧して密着させる弾性力を該ステム12に直接作用させるように構成されている。この圧縮スプリング21の弾性力に抗して、該ステム12をその軸方向の一方側(具体的には内部側)に押し込むように移動させることによって、ステム12がガスケット19から離間して両者の間に隙間Cが形成される。
【0067】
前記空間6aの内部のガスは、この隙間Sから孔19aを経て、挿通孔10aを通過し、ガスボンベ外に排出される。すなわち、ガスケット19の孔19aは、本実施形態では、ガスを排出する排出孔になり、導入孔6bと空間6aと隙間Cと排出孔19aと挿通孔10aとが前記流路Rを構成している。そして、ステム12をその軸方向に移動させることによって隙間Sの有無の切換を行い、流路Rの開閉切換が実行される。
【0068】
また、本実施形態では、閉塞キャップ7のさらに外側であって且つガスボンベ内部に配置されるとともに該閉塞キャップ7と同一軸心となる有底の筒状に形成された外側キャップ24が設けられている。外側キャップ24は、ガスを透過させない材料(例えば合成樹脂)から構成され、その周壁の径や軸方向の長さは、閉塞キャップ7よりも大きい値に設定されている。
【0069】
この外側キャップ24は、その開放端側がマウンテンカップ4側に向けられ且つ閉塞キャップ7の周壁及び底部の外側全体をカバーした状態で、閉塞キャップ7の外周面側に装着固定される。具体的には、外側キャップ24は、その径方向に向けられた複数のボルト27等の固定具によって閉塞キャップ7の外周面側に着脱可能に固定される。
【0070】
外側キャップ24の外部であって且つ前記空間1aの内部に充填されたガスを、該外側キャップ24の内部に導入する一又は複数の導入孔24aが、該外側キャップ24の周壁や底部に穿設されている。この導入孔24aの数や大きさによって、閉塞キャップ7側に導入するガスの量を調整することが可能になる。また、使用しない導入孔24aは、外側キャップ24の外周面に装着されるOリング28によって塞いでもよい。
【0071】
さらに、図示する例では、外側キャップ24の内周面と、閉塞キャップ7の外周面との間には、液体状態のガスを含侵させることが可能な材料から構成され且つ筒状に形成され且つ含侵体29が介在されている。含侵体29は、閉塞キャップ7よりも軸方向の長さが短く、該閉塞キャップ7の外周面に装着されている。この含侵体29によっても、閉塞キャップ7の内部に導入されるガスの量を調整可能である。
【0072】
また、上述した導入孔24aは、外側キャップ24の周壁部において含侵体29に接している側(具体的には、上端部)にも設けられ、ガスボンベ内のガスは、導入孔24aから含侵体29に含侵され、その後、閉塞キャップ7の周壁に含侵され、十分に気化が進んだ後、閉塞キャップ7の内周面側に導入される。
【0073】
続いてガスバーナー50の構成について説明すると、ガスバーナー50は、本体51と、本体51から延出されたノズル52とを有している。
【0074】
本体51は、収容部11の外周面側に装着可能なように筒状に形成された装着部53と、ノズル52が装着されるように筒状に形成された被装着部54と、下側の装着部53と上側の被装着部54とを接続する接続部56とを一体的に有している。
【0075】
装着部53の内周面には、筒状に形成された係合部材57の外周面がネジ係合された状態で装着されている。係合部材57の内周面には、収容部11の雄ネジ11aと係脱可能にネジ係合させることが可能な雌ネジ57aが形成されている。この雄ネジ11aと雌ネジ57aとの係合によって、ガスバーナー50がガスボンベの開閉機構3に装着される。なお、この雌ネジを装着部53の内周面に直接形成するとともに、該筒状部53の内周の径を収容部11の外周の径と同一又は略同一となるように縮小させてもよい。
【0076】
ガスバーナー50を開閉機構3に装着した状態では、装着部53の外周面が、マウンテンカップ4の本体8の内周面と接触又は近接した状態になる。この他、この装着時には、接続部56側に固定され且つガスボンベ側に突出形成された挿入軸部58が、挿入孔10a及び排出孔19aに挿通されるとともに凹部12a内に挿入された状態になり、圧縮スプリング21の弾性力に抗して、ステム12を奥側に移動作動させ、その結果、上述した隙間Cが生じ、流路Rが開状態に切り換えられる。
【0077】
ちなみに、当該状態において、挿入軸部58の外周と、排出孔19aの内周面との間には、ガスの流動を許容する図示しない隙間が形成されるとともに、挿入軸部58の外周と、挿通孔10aの内周面との間にも、ガスの流動を許容する図示しない隙間が形成されるため、空間6aのガスは本体51の内部に導入される。
【0078】
本体51の接続部56の内部には、ガスボンベの開閉機構3から本体51の装着部53の内周面側(具体的には、係合部材57の内周面側の空間)に導入されたガスが流入する流入空間59と、切換空間61と、流入空間59のガスを切換空間61に導入する流動空間62と、切換空間61のガスを被装着部54の内周面側に導出させる流出空間63とが形成されている。すなわち、流入空間59と、流動空間62と、切換空間61と、流出空間63とは、ガスボンベ外に排出されたガスを、ノズル52側に流動させるガス流路の少なくとも一部を構成している。
【0079】
切換空間61の少なくとも一部は、本体51の径方向に形成された被挿入スペース61aになる。この被挿入スペース61aには、切換軸64がその軸方向にスライド可能に嵌合して挿入されている。ちなみに、接続部56は、その径方向外側に突出形成された筒状部分である支持部66を一体で有し、この支持部66の内周面側の空間も、前記挿入スペース61aの一部を構成し、この挿入スペース61aにおける支持部66の突出側端部は開放され、この挿入スペース61aの開放端側から切換軸64が挿入される。
【0080】
支持部66の内周面の少なくとも一部の範囲には、雌ネジ66aが形成される一方で、切換軸64の外周面には、該切換軸64の挿入スペース61aへの挿入時に該雌ネジ66aとネジ係合される雄ネジ64aが形成されている。
【0081】
該構成によれば、切換軸64をその軸回りの一方側に回動操作することによって、該切換軸64が挿入方向の奥側にスライド移動して上述したガス流路が閉状態に切り換えられる一方、該切換軸64をその軸回りの他方側に回動操作することによって、該切換軸64が挿入方向の抜き取り側にスライド移動してガス流路が開状態に切り換えられる。
【0082】
ちなみに、切換軸64の挿入スペース61aに挿入される端部と反対側の端部であって且つ外部に露出した部分には把持部68が設けられ、この把持部68を把持した作業者は、小さい操作力によって、切換軸64を軸回り方向に回転させることが可能になる。
【0083】
ノズル52は、被装着部54の内周面側に嵌合状態で挿入して固定される挿入ブロック69と、挿入ブロック69に一端側である基端側が固定され且つ他端側である先端側がガスボンベから離間する側に延出されたノズル本体71とを有している。ノズル本体71は、筒状に形成され、その基端部の内周面側に、挿入ブロック69の被装着部54から外部に露出した部分の外周面が嵌合して挿入固定される。ちなみに、ノズル本体71は、全長方向の中途部がくの字状に屈曲されている。
【0084】
ブロック69の内部には、流出空間63からのガスが流動する流動空間69aが形成され、流動空間69aのガスは、ノズル本体71の基端側からその内部に流入し、その先端側から外部に排出される。排出されたガスに引火させることによって、ノズル52の先端側から炎が噴射される状態になる。この際、上述したガスを気化させる手段によって、ガスボンベの姿勢に関係なく、効率的に気化が促進される。このため、ガスの姿勢を気にする必要がなくなる。
【符号の説明】
【0085】
3 開閉機構
6 ハウジング
7 閉塞キャップ(閉塞部材)
12 ステム(作動体)
12a 空間
14 露出部(筒状部)
19 ガスケット(開閉部材)
19a 排出孔
22 充填材(フェルト材)
23 挿入部材
R 流路
【要約】
【課題】少なくとも一部が液化されたガスが充填されたガスベンボの開閉機構であって、ガスボンベの姿勢を自由に変更した場合でも、該ガスボンベの内部のガスを効率的に気化させた状態で外部に排出することが可能なガスベンボの開閉機構を提供することを課題とする。
【解決手段】ガスボンベの内部に充填されたガスを外部に排出する流路の少なくとも一部が形成されたハウジングと、ハウジングに支持され且つ前記流路が開閉されるように作動させることが可能な作動体と、前記流路を閉塞して該流路とガスボンベ内のガスが充填された空間とを隔てる閉塞部材とを備え、閉塞部材に含侵されたガスが気化されながら前記流路に導入されるように、該閉塞部材は前記ガスを液体の状態で含侵させることが材料から構成される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10