(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】肘関節プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/38 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
A61F2/38
(21)【出願番号】P 2021518584
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 US2019052852
(87)【国際公開番号】W WO2020072247
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-06-02
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516058229
【氏名又は名称】ハウメディカ オステオニクス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カートール,マシュー・ビクター
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,ブラッド・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ファーリー,ケビン・アリカ
(72)【発明者】
【氏名】ケプケ,ライアン・ディ
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0074246(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012388(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0240336(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0142866(US,A1)
【文献】特表2008-521557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカラー開口と、第2のカラー開口と、貫通通路と、を規定するカラー壁を含むカラーであって、前記カラー壁は、前記第1のカラー開口に近接するカラー係合特徴部を含む内部カラー面を有する、カラーと、
第1の凹状面と、
前記第1の凹状面に対向する関節部材の端部に配置された第2の凹状面と、
周面が内部カラー面内に配置される際に第1の関節面と第2の関節面との間に配置されるように構成された周面と、を含む関節部材であって、
前記関節部材は、カラー内に配置される際にカラー内の関節空間を少なくとも部分的に規定する関節部材と、を含む、橈骨頭システム。
【請求項2】
リング開口を規定するリング壁を含むロックリングを更に含み、前記リング壁は半径方向に拡張するように構成される、請求項1に記載の橈骨頭システム。
【請求項3】
第2のリング開口を規定する第2のリング壁を含む第2のロックリングを更に含み、前記第2のリング壁は半径方向に拡張できるように構成された第2のスロットを含み、前記リング壁は半径方向に拡張できるように構成されたスロットを含む、請求項2に記載の橈骨頭システム。
【請求項4】
前記ロックリングは、インデックス面を含み、前記第2のロックリングは第2のインデックス面を含み、前記インデックス面は、第2のインデックス面と係合する際にロックリングのスロットと第2のロックリングの第2のスロットとが同軸に整列しないように第2のインデックス面と係合するように構成される、請求項3に記載の橈骨頭システム。
【請求項5】
整合面を含む捕捉部材を更に含む、請求項
2~請求項4の何れかに記載の橈骨頭システム。
【請求項6】
前記整合面は、第1のカラー開口と係合し、前記カラーからのロックリングの取り外しを抑制するように構成される、請求項5に記載の橈骨頭システム。
【請求項7】
前記整合面は、関節空間内に位置するように構成された凸状面を含み、前記整合面は、前記
関節部材の第2の凹状面及び前記ロックリングの内部係合面と係合するように構成される、請求項5に記載の橈骨頭システム。
【請求項8】
前記捕捉部材は、関節空間内に挿入されたステムの少なくとも一部と係合するように構成された第3の凹状面を更に含む、請求項7に記載の橈骨頭システム。
【請求項9】
前記関節部材は、捕捉部分を更に含み、前記捕捉部分は、関節開口を少なくとも部分的に規定する1つ以上の係合特徴部を含む、請求項1~請求項8の何れかに記載の橈骨頭システム。
【請求項10】
前記捕捉部分は、拡張した位置と係合した位置との間で移行するように構成され、前記1つ以上の係合特徴部は、捕捉部分が拡張した位置にあるとき、ステムの少なくとも一部が関節開口を介して挿入されるように構成される、請求項9に記載の橈骨頭システム。
【請求項11】
前記捕捉部分は、接続面を更に含み、前記カラー係合特徴部は、前記接続面と係合するように構成された少なくとも1つの接続特徴部を含む、請求項9又は請求項10に記載の橈骨頭システム。
【請求項12】
前記捕捉部分は、拡張した位置にあるとき、カラー内に部分的に挿入され、カラー係合特徴部が捕捉部分の拡張を防止し、関節空間からステムの少なくとも一部が取り外されることを防止するために接続面と前記捕捉部分とが係合する際に、拡張した位置から係合した位置に移行するように構成される、請求項11に記載の橈骨頭システム。
【請求項13】
前記カラー係合特徴部は、1つ以上のねじ山を含む、請求項1~請求項12の何れかに記載の橈骨頭システム。
【請求項14】
前記カラーは、第1のカラー部と、第2のカラー部と、を更に含む、請求項1~請求項13の何れかに記載の橈骨頭システム。
【請求項15】
前記第1のカラー部は、カラー係合特徴部を含み、前記第2のカラー部は、第2のカラー係合特徴部を含み、前記カラー係合特徴部は、関節空間からステムの少なくとも一部の取り外しを防止するために、第2のカラー係合特徴部と係合するように構成される、請求項14に記載の橈骨頭システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2018年10月3日に出願された米国仮特許出願第62/740,790号の全内容が、参照により全体として本明細書に援用され、本発明の一部を構成する。上述の仮特許出願の任意の実施形態において、説明及び/又は例示された任意の特徴、構造、材料、方法、又はステップが、本明細書の以下の段落に説明され、及び/又は添付図面に例示される任意の特徴、構造、材料、方法、又はステップと共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得る。
【0002】
本出願は、肘関節プロテーゼ(elbow joint prostheses)並びにそれを組み立てる、嵌合する、及び移植する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肘関節機能が低下している患者には、肘プロテーゼを移植する場合がある。肘関節機能は、骨粗鬆症、軟骨摩耗、外傷、及びその他の理由を含む多数の理由により低下し得る。肘は、3つの骨を含む複雑な関節であり、前記関節は、上腕骨の遠位端部と橈骨及び尺骨の近位端部が交わるところに形成される。これらの骨は、より一般に置換術が行なわれる他の関節で見られる骨よりも小さい。その結果、個別の構成要素も更に小さい。
【0004】
前腕は可動性が高いため、人工肘関節構成要素は可動性が高くなければならず、様々な荷重に必ず耐えなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の観点から、改善した肘関節プロテーゼ及び構成要素が所望される。例えば、高い荷重及び/又はより広範囲の方向にわたる荷重に耐えることができる、改善した橈骨頭アセンブリ(radial head assembly)が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、ステムと、カラーと、ロックリングと、関節部材と、を含む橈骨頭アセンブリが提供される。ステムは、その一方の端部上に凸状の関節ヘッドを有する。カラーは、第1のカラー開口と、第2のカラー開口と、貫通通路と、を規定するカラー壁を有する。カラー壁は、第1のカラー開口に近接する角度のある部分を有する内部カラー面を有する。ロックリングは、リング壁を有する。リング壁は、リング開口を有する。リング壁は、角度のある外面と、リング壁を半径方向に拡張できるように構成されたスロットと、を有する。角度のある外面は、内部カラー面の角度のある部分と係合する。関節部材は、ベースと、突出部と、を有する。ベースは、外部リムと、第1の凹状面と、を有する。突出部はベースから延び、第1の凹状面と前記第1の凹状面と対向する関節部材の端部との間に配置された第2の凹状面を有する。突出部は、内部カラー面と係合するように構成された周面を有する。関節部材及びロックリングは、カラー内に関節空間を規定する。関節空間は、凸状の関節ヘッドを収容するように構成される。
【0007】
他の実施形態において、第1の骨と結合されたステムと結合するように構成された関節部を含む関節アセンブリが提供される。関節部は、凹状面と、カラーと、捕捉部材と、を有する。凹状面は、第1の骨と対向する第2の骨に向かうように関節部に配置される。カラーは、凹状面と対向するカラー開口と、前記カラー開口に近接する内部捕捉面を備えるカラー壁を有する。空間は、カラー開口からカラーの内部へと延びる。捕捉部材は、内部捕捉面と係合するように構成された整合面と、開口と、を有する。関節アセンブリは、関節空間に配置されたステムのヘッドが関節空間に保持できるように捕捉部材が拡張するのを防止するために、内部捕捉面が整合面と係合する構成を有する。
【0008】
他の実施形態において、手術方法が提供される。前記方法において、ステムの遠位部が第1の骨に取り付けられる。前記ステムは、ステムの近位端部上に関節ヘッドを有する。関節アセンブリの開口は、関節ヘッド上に配置される。関節アセンブリは、凹状面と、捕捉部材と、を有する。凹状面は、第1の骨と対向する第2の骨に向かうように、開口と対向する関節アセンブリ上に配置される。カラーは、開口を規定する。空間が、開口から関節アセンブリの内部へと延びる。内部捕捉面は、関節アセンブリの開口に近接して配置される。捕捉部材は、開口内に配置される。捕捉部材は拡張される。関節ヘッドは、関節ヘッドが捕捉部材と凹状面との間に配置されるように、捕捉部材を介して前進する。捕捉部材は、関節ヘッドと内部捕捉面との間に配置される。
【0009】
他の実施形態において、橈骨頭アセンブリと、取り外しツールと、を含むキットが提供される。橈骨頭アセンブリは、カラーと、ロックリングと、を含む。カラーは、カラーの内部空間へのアクセスを提供する開口を有する。外壁は開口から延びる。内壁は開口から延びる。カラー壁は、外壁から内壁に向かって延びるアパーチャを有する。ロックリングは、フランジと、角度のある面と、を有する。前記ロックリングは、フランジが開口から離隔している第1の位置と、フランジが開口にまたがっている第2の位置における内部空間に位置し、ロックリングが開口にしっかりと保持され得る。取り外しツールは、リングが第2の位置から第1の位置に移動できるようにロックリングを圧縮するために、アパーチャを介して挿入されるように構成された突出部を備える遠位端部を有する。
【0010】
他の実施形態において、第1の骨と結合されたステムと結合するように構成される関節部と、第1の関節部材と、を含む関節アセンブリが提供される。第1の関節部材は凹状面を含む。凹状面は、第1の骨と対向する第2の骨に向かうように第1の関節部材上に配置される。関節部は、カラーと、捕捉部材と、を有する。カラーは、凹状面に隣接するカラー開口と、カラー開口に近接する内部捕捉面を規定するカラー壁と、を有する。空間はカラー開口からカラーの内部へと延びる。捕捉部材は、捕捉部材開口と、内部捕捉面と係合するように構成された整合面と、を有する。関節アセンブリは、凹状面と結合され、関節空間に配置されたヘッド部材が関節空間に保持できるように捕捉部材が拡張するのを防止するために、内部捕捉面が整合面と係合する構成を有する。
【0011】
本明細書で開示される任意の特徴、構造、又はステップは、本明細書で開示される任意の他の特徴、構造、又はステップに代替されたり、結合されたり、又は省略され得る。また、本発明を要約するために、本発明の特定の態様、利点、及び特徴が本明細書に記載されている。本明細書に開示される本発明の特定の実施形態に従って、必ずしもそのような利点の一部又は全部が達成されるものではないことを理解されたい。本発明の各々の態様は、必須でも必要不可欠でもない。
【0012】
これらの及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を参照して以下に記載され、これは例示の目的として意図しており、実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。また、開示される異なる実施形態の種々な特徴は、さらなる実施形態を形成するために結合でき、これは本発明の一部である。図面において、同様の参照符号は、同様の実施形態を介して一貫して対応する特徴を示す。以下は各図面の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】
図2に示す関節アセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図4】断面4-4に沿って切り取った
図3の関節アセンブリの断面図である。
【
図4A】ロック解除構成における関節アセンブリの一実施形態の断面図である。
【
図4B】ロック構成における
図4Aの関節アセンブリの断面図である。
【
図5】
図3の関節アセンブリのカラーの上面図である。
【
図7】断面7-7に沿って切り取った
図5に示すカラーの断面図である。
【
図8】断面8-8に沿って切り取った
図5に示すカラーの断面図である。
【
図9】
図3の関節アセンブリのロックリングの上面図である。
【
図11】断面11-11に沿って切り取った
図9に示すロックリングの断面図である。
【
図12】
図3の関節アセンブリの関節部材の上面図である。
【
図15】断面15-15に沿って切り取った
図12に示す関節部材の断面図である。
【
図16A】本明細書の一実施形態による橈骨頭アセンブリキットを示す。
【
図16B】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリキットの他の実施形態を示す。
【
図17】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリの他の実施形態を示す。
【
図18】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリのまた他の実施形態を示す。
【
図19】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリのまた他の実施形態を示す。
【
図20A】肘関節に隣接する患者の橈骨に橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す概略図である。
【
図20B】
図20Aに示している部分に続いて、橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す。
【
図20C】関節アセンブリをステムに固定するのに使用され得るアセンブリツールの一実施形態の斜視図である。
【
図21】肘関節に隣接する患者の橈骨で橈骨頭アセンブリを取り外す方法の一部を示す。
【
図21A】ステムから関節アセンブリを取り外すのに使用され得る取り外しツールの一実施形態を示す。
【
図23A】肘関節に隣接する患者の橈骨に橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す概略図である。
【
図23B】
図23Aに示している部分に続いて、橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す。
【
図23C】
図23Bに示している部分に続いて、橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す。
【
図23D】関節アセンブリをステムに固定するのに使用され得るロックツールの一実施形態の斜視図である。
【
図23E】
図23Dのロックツールを使用して、
図23Cに示している部分に続いて、橈骨頭アセンブリを移植する方法の一部を示す。
【
図24】本明細書に開示される関節アセンブリの他の実施形態の斜視図を示す。
【
図27】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリの他の実施形態の断面図を示す。
【
図28】
図27の橈骨頭アセンブリの関節アセンブリの分解図を示す。
【
図30】
図27の橈骨頭アセンブリのロックリングの斜視図を示す。
【
図32】
図27の関節アセンブリのロックリングの斜視図を示す。
【
図33】本明細書に開示される関節アセンブリの他の実施形態の断面図を示す。
【
図37】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリの他の実施形態の断面図を示す。
【
図38】ロック構成における
図37の橈骨頭アセンブリの断面図を示す。
【
図39】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリの他の実施形態の側面図を示す。
【
図41】本明細書に開示される橈骨頭アセンブリの他の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願は、肘関節プロテーゼ及び方法に関し、変形、摩耗、変形性関節症、及び外傷を含む肘関節状態を矯正するのに用いられる肘関節置換術に使用され得る。以下でより詳細に説明するように、本明細書の装置及び方法は、脱臼及び分離のリスクを減少させ、また、外科手術中における装置の移植及び取り外しを容易にし、様々な患者に、より良好に嵌合するように様々なサイズを提供する。
【0015】
I.肘関節構成要素及び力動性
図1は、肘関節プロテーゼ10を示す。プロテーゼ10は、上腕骨ステム14と、上腕骨スプール18と、橈骨ステム22と、を有する。橈骨ステム22は、橈骨26に埋め込まれて示されている。プロテーゼ10は、尺骨30に埋め込まれた尺骨ステム(未図示)を更に有することができる。橈骨頭34は、橈骨ステム22上に配置され、上腕骨スプール18の一方の端部と結合される。橈骨頭34は、両極性関節体であり得る。例えば、橈骨及び尺骨が上腕骨に向かって回転することによって上腕骨ステム14が固定されている場合に、橈骨頭34は上腕骨スプール18の球状端部の中心に対して回転することができる。この動作は、両方向矢印R1によって提供される方向に対応する。また、矢印R1の方向への回転がなかったり、又は最小な場合、前腕の中心軸に対して橈骨、例えば前腕の回転が依然として存在し得る。このような動作は、両方向矢印R2によって示される動作に対応することができる。さらに、一部の場合において、橈骨ステム22に対して橈骨頭34を枢動させることが可能となり得る。この回転は、矢印R1、R2によって示されるものと同じ方向であり得るが、橈骨頭34と上腕骨スプール18の球状部分との間の境界面で動作することはない。
【0016】
また、橈骨頭34は荷重を受け、このような荷重下でそのまま保たれなければならない。発生し得る2つの荷重は、矢印Dで示される伸延荷重と、矢印Lで示される側面荷重である。伸延荷重Dは、関節から離れて肩に向かう方向、及び/又は手に向かう方向で関節に適用することができる。伸延荷重Dは、ステム22から橈骨頭34を分離することができる。側面荷重Lは、前腕の捻じれの範囲が広い場合に発生し得る。このような捻じれは、ノブを回すのに用いる動作のように、上腕が固定して手が回転する場合に発生し得る。橈骨頭34がステム22の一部又は橈骨26等の硬い面に接触する場合、このような動きの間に橈骨頭34はステム22から取り外すことができる。これらの問題により、安全性が向上した橈骨頭の設計が必要となる。改善した安全性は有益であり、特定の実施形態は取り外しの容易性を提供する。
【0017】
II.安全性が強化された肘関節アセンブリ
本明細書において、広範囲の解剖学的荷重に対するアセンブリの強化された安全性、移植及び取り外しの利便性等の向上した性能を提供する様々な肘関節プロテーゼアセンブリ及び構成要素が提供される。
図2~15によるセクションII(A)、
図17によるセクションII(C)、
図18及び
図19によるセクションII(D)、
図37~32によるセクションII(E)、
図37及び
図38によるセクションII(F)、
図39及び
図40によるセクションII(G)、並びに
図41によるセクションII(H)は、解剖学的荷重の安全性、移植及び取り外しの容易性が提供される橈骨頭アセンブリの様々な実施形態を示す。
図16A~16BによるセクションII(B)は、手順を容易にするために提供され得る様々な有用なキットを示す。
図20A、20B、及び23A~23EによるセクションIII(A)は、患者に橈骨頭アセンブリを取り付ける方法を示す。
図21、21A及び22によるセクションIII(B)は、患者から橈骨頭アセンブリを取り外す方法を示す。
【0018】
A.荷重安全性が強化された橈骨頭アセンブリ
図2は、橈骨頭アセンブリ100の一実施形態の分解図を示す。橈骨頭アセンブリ100は、
図1の肘関節プロテーゼの一部を形成することができる。橈骨頭アセンブリ100は、関節アセンブリ104と、ステム124と、を含む。関節アセンブリ104は、カラー108と、ロックリング112と、関節部材116と、を含む。
【0019】
ステム124は、遠位端部125と、近位部126と、を含む。ステム124の遠位部127は、遠位端部125から近位部126に向けて延びる。遠位部127は、上述の通り、骨、例えば肘関節に隣接する橈骨に埋め込まれるように構成される。遠位部127は、ステムを橈骨に統合するように骨の内部成長を提供するのに適合化される、テクスチャード面、粗面、他の構造又は処理部を有することができる。テクスチャード面は、骨にステム124を固定するのに使用される骨セメントの機械的グリップを提供する。テクスチャード面は、ステム124が圧入システム又は方法として移植される骨の内部成長を更に提供する。近位部126は、凸状の関節ヘッド128を含むことができる。関節ヘッド128は、ステム124の近位端部130上に配置されるか、それから延びることができる。
【0020】
ステム124は、環状部材132を更に含むことができる。環状部材132は、凸状の関節ヘッド128に隣接して配置することができる。環状部材132は、遠位部127の近位端部に隣接するところから外周まで延びる遠位面を有することができる。環状部材132の外周は、遠位部127の近位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。遠位部127の近位端部と環状部材132の外周との距離は、環状部材132の幅に対応することができる。環状部材132の幅は一定であってもよい。環状部材132は、橈骨の近位端面とインターフェースするように構成され得る。一部の方法において、環状部材132は、ステム124を橈骨内に挿入する際に積極的な停止を提供する。一部の実施形態において、遠位面と対向する環状部材132の近位面は、関節アセンブリ104と橈骨の近位面との間にある橈骨頭アセンブリ100の一部を提供する。環状部材132は、関節アセンブリ104による橈骨への衝突に対する保護を提供することができる。
【0021】
一実施形態において、近位部126は、凸状の関節ヘッド128と、ヘッド128と環状部材132との間に沿って延びる軸部134と、を含む。軸部134は、環状部材132の近位面の上方に関節アセンブリ104を上昇させる。軸部134は、アセンブリ100が移植される際に、橈骨の上方に関節アセンブリ104を上昇させる。このような上昇により、以下で更に説明されるように、関節アセンブリ104と、ステム124が挿入される橈骨の近位面との間に、クリアランスを提供する。
【0022】
図3及び
図4は、一構成において、本明細書で開示される捕捉部材の実施例である、ロックリング112がカラー108内に配置され、関節部材116が部分的にカラー108内に配置されることを示す。関節部材116は、(
図2、
図14及び
図15に示すように、)近位部140及び遠位部142を含むことができる。近位部140は、関節アセンブリ104の近位面を含むことができる。近位部140は、(
図2、
図7及び
図8に示すように、)カラー108の近位部144の外部に露出し得る。関節部材116の遠位部142は、カラー108内に前進するように構成され得る。遠位部142は、
図4におけるカラー108の近位部144の遠位に配置される。遠位部142は、カラー108の内部に配置され得る。カラー108の軸方向長さは、例えば、その近位端部から遠位端部までの方向に沿った軸方向長さは、関節部材116の遠位端部、又は面がカラー108の遠位端部の近位にあるように、関節部材116の遠位部142の軸方向長さよりも長くすることができる。
図4は、関節部材116の遠位部142の遠位端部が、カラー108内に半分以上前進し得ることを示す。
図4は、遠位部142の遠位端部が以下で更に説明されるように、ロックリング112の動作の範囲を提供するカラー108の遠位端部よりも遥に短く配置され得ることを示す。一部の実施形態において、各々
図4A及び
図4Bに示すように、関節アセンブリ104’がロック解除構成及び/又はロック構成にあるとき、関節部材116’の遠位部142はロックリング112に対して配置され得る。
【0023】
図4は、関節部材116がカラー108と整合することを示す。一実施形態において、(
図14及び
図15に示すように、)近位部140は、関節部材116のベース260を含む。近位部140は、カラー108の近位部144における開口よりも少なくとも部分的により大きい寸法を有することができる。この構成は、(
図14及び
図15に示すように、)近位部140の外部リム268がカラー108の近位部、例えば、近位壁の上方に配置されるまで関節部材116が挿入されるようにする。外部リム268は、カラー108の近位部144に当接し得る。近位部140と近位部144の当接は、関節部材116がカラー108に挿入される際の関節部材116に対する積極的な停止を提供する。遠位部142は、(
図14及び
図15に示すように、)関節部材116の突出部264を含むことができる。突出部264は、関節部材116のベース260から突出することができる。遠位部142は、以下でより詳細に説明されるように、締まり嵌めによりカラー108の内部に固定され得る。例えば、関節部材116がカラー108から分離される際に、関節部材116の周面又は外周は、カラー108の内面、例えば内周の少なくとも一部よりも大きくすることができる。このように、遠位部142の少なくとも一部の変形又はカラー108の内周部の一部の圧縮は、関節部材116をカラー108と整合させるときに発生し得る。圧縮及び変形は、関節部材116が、例えば、肘関節腔内における操作上の荷重により不注意にカラー108から分離されるのを防止するのに十分な摩擦を生成させる。
【0024】
一実施形態において、関節部材116は、ポリエチレン、PEEK等のポリマー、熱分解炭素等のセラミックを含む材料で形成され、カラー108は、コバルトクロム、チタン、又は他の同様の生体適合性の耐久性材料等の耐久性金属で形成される。これらの材料の材料特性の違いにより、関節部材116が締まり嵌めを生成するために、挿入時に変形、例えば圧縮が可能となり得る。
【0025】
ロックリング112は、
図2及び
図11に示す近位部148と、遠位部150と、を有する。
図3及び
図4は、ロックリング112がカラー108内に配置される関節アセンブリ104の構成を示す。例えば、近位部148及び遠位部150は、カラー108の近位端部と遠位端部との間に配置され得る。
図4は、特定の実施形態において、ロックリング112が関節部材116の遠位端部とカラー108の遠位端部との間に配置され得ることを示す。
図4は、ロックリング112の遠位端部がカラー108の遠位端部と同じ位置に配置された際に、ロックリング112の近位端部と関節部材116の遠位端部との間の隙間G1が存在することを示す。隙間G1は、カラー108内の軸方向へのロックリング112の動作範囲に沿ってロックリング112の位置に対応する。これに関して、軸方向は、ステム124の長手方向軸に沿う方向に対応する(
図20Aを参照)。隙間G1の大きさを減少させる軸方向へのロックリング112の動作によって、ロックリング112がカラー108によって制限されるか又は拘束されるロック構成から、ロックリング112が相対的に緩く拘束されるか又は制限される自由構成まで、ロックリング112が移動できるようになるので、有利である。ロックリング112上のカラー108によって付加された拘束又は制限を減少させることにより、リング112を拡張することができる。例えば、ロックリング112が関節部材116に近づくことによって、隙間G1の大きさを減少させる。ロックリング112が関節部材116から離れることによって、隙間G1の大きさが増加する。ロックリング112が関節部材116と接触するように移動する場合、隙間G1が取り除かれる。これは、ロックリング112の自由構成の一例である。自由構成にあるとき、隙間G8(
図20Aを参照)は、ロックリング112の外周とカラー108の内部との間に配置される。隙間G8及びロックリング112の可撓性により、ロックリング112が拡張できる。隙間G1が最大であるとき、ロックリング112がロック構成となり、カラー108の開口の上方に係合する。ロック構成は、以下で更に説明されるように、ステム124が関節アセンブリ104から思いかけず外れることを防止する。
【0026】
図4A及び
図4Bは、特定の実施形態において、関節部材116’の突出部264が、ロックリング112のカラー108内に完全に配置されたとき、例えば、ロック解除構成にあるとき、ロックリング112に当接するのに十分な長さを有することができることを示す。このように、ロックリング112の近位端部と関節部材116’の遠位端部との間に隙間が存在し得ない。一部の実施形態において、(各々
図4A及び
図4Bに示すように、)関節部材116’は、カラー108内でロック解除位置及びロック位置を有することができる。例えば、
図4Aは、関節アセンブリ104’がロック解除構成にあるとき、関節部材116’が、ロック位置にあるときのカラー108内の関節部材116’の位置と比較して、カラー108内の近位位置にあり得ることを示す。関節部材116’がロック解除構成にあるとき、関節部材116’のベース260の遠位端面とカラー180の近位部144の近位端部との間に隙間G10が存在し得る。隙間G10の長さは、関節部材116’のロック解除位置及びロック位置に関連して、カラー108内の軸方向において関節部材116’の一連の動作に沿って関節部材116’の位置に対応することができる。これに関して、軸方向はステム124の長手方向軸に沿った方向に対応する(
図23A~
図23Eを参照)。
【0027】
関節部材116’を隙間G10の大きさを減少させる軸方向に移動することによって、関節部材116’がロック解除構成からロック構成に移ることができるので有利である。関節部材116’がロック解除構成からロック構成に移ることによって、関節部材116’の遠位端面が当接し、次に、(
図4Aに示すように、)ロックリング112が相対的に緩く制限されるか又は拘束されるロック解除構成から、(
図4Bに示すように、)ロックリングがカラー108により拘束されるか又は制限されるロック構成にロックリング112を移す。本明細書で説明されるように、ロックリング112上のカラー108によって付加された拘束又は制限を増加させると、リング112が収縮する。本明細書に開示される他の実施形態と同様に、ロック解除構成にあるとき、隙間G8(
図23Aを参照)は、ロックリング112の外周とカラー108の内部との間に配置される。隙間G8及びロックリング112の可撓性により、ロックリング112の拡張が可能となる。隙間G10が遠位方向への軸移動により関節部材116’として最小となるか、取り外される際に、ロックリング112はロック構成となり、カラー108の開口の上方に係合する。ロック構成は、以下で更に説明されるように、ステム124が関節アセンブリ104’から思いかけず外れることを防止する。
【0028】
図5~
図8は、関節アセンブリ104のカラー108の様々な図を示す。カラー108は、カラー108の外周とカラー108の内周との間に延びるカラー壁160を有する。カラー壁160は、第1のカラー開口164と、第2のカラー開口168と、貫通通路166と、を規定する。第1のカラー開口164は、カラー108の遠位端部に配置される。第2のカラー開口168は、カラー108の近位端部に配置される。カラー壁160は、内部カラー面172を有する。内部カラー面172は、第1のカラー開口164に近接する角度のある部分176を有することができる。角度のある部分176は、その近位部がその近位部よりもカラー108の長手方向軸A1に近づくように構成される。角度のある部分176の遠位部が第1のカラー開口164に隣接して配置される。角度のある部分176は、軸A1に対して対称構造を有することができる。
図7及び
図8は、角度のある部分176が通路166の円錐台形部分を提供するために、断面で線形プロファイルを有することができることを示す。
図5は、一部の実施形態において、第2のカラー開口168が第1のカラー開口164より大きいことを示している。
【0029】
以下で更に説明されるように、カラー108とロックリング112との間の関節アセンブリ104の少なくとも1つの構成に安全な接続が提供される。カラー108は、好ましくは、適切な場合にカラー108からロックリング112を分離し易くするように構成される。例えば、カラー108は、カラー108内に配置されたロックリング112の一部に対するアクセスを提供するために、アパーチャ180を含むことができる。アパーチャ180は、カラー108の遠位部146に配置され得る。例えば、アパーチャ180は、カラー108の遠位端部に位置することができ、そこから近位に延びることができる。アパーチャ180は、カラー108の遠位端部に位置した直径を有する半円状を有することができる。アパーチャ180は、
図16A及び
図21に関して、以下で説明される取り外しツール324の作動端部の形状と一致する形状を含むことができる。アパーチャ180は半円状を有するが、アパーチャ180は取り外しツール324と相互作用することができる任意の適切な形状及び/又は構成を有することができることも考慮される。
【0030】
図3、
図8、
図16A、及び
図21は、アパーチャ180が取り外しツール324をアパーチャ180内に前進させ、カラー108からロックリング112を分離できるように構成されることを示す。
図3は、アパーチャ180が内部に示されている構成において、ロックリング112に対するアクセスを提供することを示す。
図20B及び
図21は、ロックリング112がカラー108に対して遠位に前進することによって固定されるロック構成のロックリング112を示す。このような構成において、ロックリング112の遠位部は第1のカラー開口164上に配置され、ロックリング112をカラー108に固定させるためにロックリング112の遠位部150とカラー壁160の遠位部との間にインターフェースが提供される。ロック構成において、ロックリング112はアパーチャ180を介してアクセス可能な状態に保つ。
図8は、圧縮力F1が取り外しツール324によりアパーチャ180を介して適用され得ることを示す。力F1は、例えば、ステム124の長手方向軸を横切る内部に向けることができる。力F1は、軸方向に、例えば一般に近位及び/又は遠位に、又は一般にステム124の長手方向軸に整列することができる。力F1は、ロックリング112を圧縮して、それがカラー108内の近位に、例えば、
図3の位置に、又は隙間G1が
図4に示されているよりも小さい関節部材116と更に近い位置で自由構成に移ることができるのに十分である。
【0031】
図7及び
図8は、一部の実施形態において、内部カラー面172を関節部材116に取り付けるための少なくとも1つのカラー接続特徴部184を有することを示す。接続特徴部184は、第2の開口168に隣接して配置され得る。接続特徴部184は、カラー108に部材116を保持するために、関節部材116の周面と係合するように構成される。カラー接続特徴部184は、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、関節部材116によって収容されるか又は収容するように構成される、ペグ、棘、ねじ山、又は他の突出構造を含むことができる。接続特徴部184は、関節部材116とカラー108とが係合されるときにカラー108に対する関節部材116の回転変位を防止するように構成される、少なくとも1つの回転防止特徴部188を含むことができる。回転防止特徴部188は、溝、スカロップ、ノッチ、キャビティ、又は関節部材116によって収容されるか又は収容するように構成される他の窪み構造を含むことができる。
図5及び
図8は、回転防止特徴部188がカラー壁160内に外側に延びる、このような一連のスカロップを含むことができることを示す。一実施形態において、一連の回転防止特徴部188は、関節部材116の挿入軸(例えば、関節アセンブリ104の近位から遠位への軸)に沿って配置された複数のこのような特徴部を含む。一実施形態において、一連の回転防止特徴部188は、関節部材116の挿入軸(例えば、関節アセンブリ104の近位から遠位への軸)に沿って任意の1つの位置におけるカラーの内周の周囲に、例えば、壁172の周囲に配置された複数のこのような特徴部を含む。一実施形態において、一連の回転防止特徴部188は、関節部材116の挿入軸に沿ってカラーの内周の周囲に配置され、例えば、関節部材116の挿入軸に沿って任意の1つの位置の壁172の周囲に配置された複数のこのような特徴部を含む。接続特徴部184は、締まり嵌めにより関節部材116の突出部又は遠位部142と係合するように構成されるか、若しくはカラー108における部材116の軸の移動(例えば、近位から遠位への方向)又は回転(例えば、近位から遠位の方向に対する)を防止するように構成される。
【0032】
図24~
図26は、特定の実施形態において、関節部材716に取り付けるためのカラー708のカラー接続特徴部784が1つ以上のねじ山(
図25を参照)を含むことができることを示す。
図24~
図26は、一部の実施形態において、肘関節プロテーゼのための関節アセンブリ704の様々な図である。特に明示しない限り、
図24~
図26において、同様の参照符号は、同様の特徴を有する本明細書で説明された他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図24~
図26に示す関節アセンブリ704を参照して説明される特徴は、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に用いられ得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図24~
図26に示す関節アセンブリ704の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることも理解されたい。
【0033】
一部の実施形態において、カラー708の1つ以上のねじ山は、カラー708の第2の開口768に隣接して配置され、例えば、(
図26に示すように、)関節アセンブリ704がロック解除構成からロック構成に移行する際に、関節部材716の周面785と係合するように構成される。一部の実施形態において、関節部材716は、カラー708内でロック解除位置及びロック位置を有することができる。例えば、
図24は、関節アセンブリ704がロック位置にある場合、関節部材716の突出部764の少なくとも一部がカラー708の1つ以上のねじ山(
図24に未図示)と係合され得ることを示す斜視図である。このようなやり方で、関節部材716は、1つ以上のねじ山と関節部材716の周面785との係合を容易にするために、カラー708に対して回転することができる。
【0034】
カラー708に対して関節部材716を回転させることにより、有利には、関節部材716が1つ以上のねじ山と係合し、及び/又はそれに沿って移行して関節部材716をロック解除構成からロック構成に移動することを可能にする。特定の実施形態において、関節部材716の周面785は、締まり嵌めにより1つ以上のねじ山と係合することができる。一部の実施形態において、関節部材716は、力が加えられるときに変形し得る半剛性材料を含むことができる。これは、周面785がカラー708のカラー接続特徴部784(例えば、1つ以上のねじ山)と相互作用するときに、関節部材716の周面785が一時的に及び/又は永久に変形することを有利に可能にする。一部の実施形態において、関節部材716は、周面785がカラー708の一部と係合するように十分に柔軟な剛性材料を含むことができる。例えば、関節部材716の周面785の外周は、関節部材716がカラー708と係合するとき、関節部材716の周面785の少なくとも一部に変形が生じるように、1つ以上のねじ山の内周よりも大きくてもよい。関節部材716及び/又はカラー708の材料は、関節部材716が締まり嵌めを生成するために1つ以上のねじ山と係合するとき変形、例えば圧縮することを可能にする。
【0035】
場合によっては、関節部材716は、カラー708のねじ山74と相互作用するように構成される関節部材716の周面785の少なくとも一部に沿って対応するねじ山を含むことができる。例えば、関節部材716は、カラー708の1つ以上のねじ山を関節部材716の対応するねじ山と係合するために時計回り又は反時計回りに回転することができる。係合後、関節部材716はカラー708と係合した状態で保たれる。
【0036】
特定の実施形態において、カラー708に対する関節部材716の回転し易くするために、 関節部材716の少なくとも一部は、カラー708に関節部材716を取り付ける又はねじ込む際に把持されるように構成され得る。例えば、一部の実施形態において、(
図24及び
図26に示すように、)関節部材716のベース768の外面及び/又は外部リムは、摩擦を増加させ、及び/又は指、手のひら又はツールがカラー708からの関節部材716の取り付け又は取り外しを容易にするために回転力を発揮し得る1つ以上の面を提供するように構成された1つ以上の把持要素780を含むことができる。把持要素780は、カラー708に対する関節部材716の回転し易くするために構成される、1つ以上の溝、スカロップ、ノッチ、キャビティ、又は他の構造を含むことができる。
図24及び
図26は、把持要素780が関節部材716のベース768の内側に延びる、このような一連のノッチを含むことができることを示す。一実施形態において、一連の把持要素780は、関節部材716の外周に沿って配置されたこのような複数の要素を含む。
【0037】
ベース768の外部リム及び/又は把持要素780は、突出部764の近位端部に隣接したところから外周に延びる遠位面を有することができる。突出部764の近位端部と把持要素780の外周との距離は、把持要素780の幅に対応することができる。把持要素780の幅は一定であってもよい。把持要素780及び/又はベース768の外部リムは、同様の特徴を有する本明細書で説明される他の図を参照して説明されるよに、カラー708の近位部744とインターフェースするように構成され得る。
【0038】
図24及び
図25は、関節アセンブリ704がカラー708への関節部材716の取り付け及び/又は取り外しを有利に容易にするために、カラーロックツールと相好作用するように構成され得ることを示す。ロックツールは、関節部材716がカラー708に取り付けられる際にカラー708の回転運動を防止するためにカラー708の少なくとも一部と係合するように構成される遠位端部を有し得る。例えば、一部の実施形態において、カラーロックツールは、ドライバー、ペンチ、又は関節アセンブリ704と相互作用するのに好適な任意の他のツールを含むことができる。
【0039】
カラー
ロックツールは、カラー708内に配置されたカラーアパーチャ790に当接するように、及び/又はその内部に挿入されるように構成され得る。アパーチャ790は、カラー708の遠位部746に配置され得る。例えば、アパーチャ790は、カラー708の遠位端部に位置することができる。特定の実施形態において、カラー708は、カラー708の遠位部746に沿って複数のアパーチャ790を含むことができる。アパーチャ790は、
ロックツールの直径に相応する直径を有する円形状を有することができる。アパーチャ790は、ロックツールの作動端部の形状と一致する形状を含むことができる。
図24及び
図25において、アパーチャ790が円形状を有することが示されているが、アパーチャ790はロックツールと相互作用し得る任意の適切な形状及び/又は構成を有することができることが考えられる。そのような係合の際に、ロックツールの位置を保つと、回転力が関節部材716に適用され、関節部材716がカラー708と係合及び/又は分離される間、カラー708が実質的に固定された状態に保つことができる。関節部材716がカラー708に対して係合方向に回転するとき、関節アセンブリ704はロック解除構成からロック構成に移行する。
【0040】
図9~
図11は、関節アセンブリ104のロックリング112の様々な図を示す。ロックリング112は、ロックリング112の外周とロックリング112の内周との間を延びるリング壁220を有する。リング壁220は、リング開口224を規定する。リング壁220は、リング壁220が拡張及び圧縮されるように構成されたスロット232と、角度のある外面228と、を有し得る。角度のある外面228は、ステム124が関節アセンブリ104と結合されるとき、例えば、関節ヘッド128がアセンブリ104内に配置されたロック構成にあるとき、内部カラー面172の角度のある部分176と係合するように構成される。ロックリング112は、関節ヘッド128がリング開口を通過してカラー108内に配置されるように自由構成にあるとき、拡張されるように構成される。例えば、スロット232は、ロックリング112の2つの自由端部233間に規定される。2つの自由端部233は、自由構成にあるとき、例えば、カラー108内に完全に拘束されないとき、一実施形態において、互いに近づいたり離れたりすることができる。自由端部233は、ロックリング112がロック構成にあるとき、例えば、カラー108と係合するとき、ある程度拘束される。例えば、
図3及び
図4に示す位置において、ロックリング112の自由端部233が互いに離れる動きは、内部カラー面172によって制限される。ロックリング112が関節部材116に向けて移動し、隙間G1が減少することによって、ロックリング112の自由端部233は互いに離れるように更に大きく移動することができる。関節アセンブリ104のこのような特性は、ステム124との結合に有用である。ロックリング112の自由端部233が互いに離れる動きは、以下で更に説明されるように、
図20B及び
図21の位置で更に制限される。ロックリング112の自由端部233が互いに向かう動きは、上述の通り、アパーチャ180によって促進することができる。一部の実施形態において、自由端部233が互いに非常に近いので、例えば、自由状態において、端部233の間に大きな隙間がないので、スロット232が小さい。このような実施形態において、材料の可撓性、変形性又は延性により、ロックリング112がカラー108に固定され得るようにする。
【0041】
ロックリング112のリング壁220は、内部リング面を有する。内部リング面は、ロックリング112の近位部148に隣接する近位部238を含む。近位部238はテーパ状であり得る。近位部のテーパ角度及び長さは、ステム124が関節アセンブリ104と係合される際に、ステム124の関節ヘッド128、例えば、ロックリング112を介して配置された関節ヘッド128とインターフェースするように構成され得る。近位部238は、ロックリング112がロック構成にあるとき、ステム124の関節ヘッド128の形状に対応するように成形され得る。近位部238は、関節ヘッド128の曲面と一致する球面を含むことができる。近位部238は、リング壁220の全幅に沿って延びることができる。
【0042】
内部リング面は、中間部分242を有することができる。中間部分242は、実質的に直線であるか、又はテーパ状であり得る。中間部分242は、ロックリング112の内径Dを規定する。内径Dは、ステム124を関節アセンブリ104へ挿入できるようにロックリング112を拡張させることによって増加し得る。例えば、ロックリング112が自由端部233を有する場合、自由端部233は互いに離れることによって内径Dが拡張し得る。ロックリング112が自由構成にあるとき、内径Dはステム124の関節ヘッド128の幅と同じであってもよく、又は小さくてもよい。ロックリング112がロック構成にあるとき、内径Dはロックリング112を形成するステム124の分離を防止するために、ステム124の関節ヘッド128の幅より小さくてもよい。
【0043】
内部リング面は、ロックリング112の遠位部150に隣接する遠位部240を含むことができる。遠位部240は、内部リング面の中間部分242に隣接する部分がロックリング112の遠位部150に隣接する部分よりもロックリング112の中心長手方向軸A4に近づくように構成される。遠位部240は、リング開口224の円錐状及び/又は湾曲部分を提供する軸A4に対して対称構造を有することができる。一部の実施形態において、遠位部240の内径は、近位部238の内径よりも大きい。遠位部240は、自由構成において、中間部分242から遠位部150に向けて増加する直径を提供する遠位拡大構造を有することができる。直径の範囲は、好ましくは、以下で説明されるように、関節ヘッド128の直径よりも大きい直径にまで拡張され、遠位部240が関節ヘッド128を収容し、組み立てにその上に置くことができる。
【0044】
ロックリング112の遠位部150は、少なくとも1つのリング接続特徴部236を含むことができる。リング接続特徴部236は、ロックリング112のリング壁228から突出し得る。リング接続特徴部236は、遠位部240に隣接して配置される。リング接続特徴部236は、カラー壁160と係合して、カラー108内にロックリング112を保持するように構成される。リング接続特徴部236は、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、第1のカラー開口164と係合するように構成される、ペグ、棘、ねじ、又は他の突出構造を含むことができる。各々のリング接続特徴部236は、ロック構成からのロックリング112の分離を防止するために構成され得る。一部の実施形態において、リング接続特徴部236は、リング壁220の端部から半径方向外側に延びるフランジである。接続特徴部236は、本明細書で説明されるように、カラー108の一部を収容することができる外部凹状構造を含むことができる。外部凹状構造は、ロックリング112の周囲に延びる円周方向溝237を含むことができる。一実施形態において、円周方向溝237は、自由端部233の間でロックリング112の周囲に全体に延びることができる。
【0045】
図12~
図15は、関節アセンブリ104の関節部材116の様々な図を示す。以下の説明は、
図12~
図15に示す関節部材116を参照するが、
図4A及び
図4Bに示す関節部材116’は、
図12~
図15に示す関節部材116と類似する。このように、関節部材116に関して説明される特徴は、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の他の関節部材と共に使用され得ることを理解されたい。例えば、
図4A及び
図4Bの関節部材116’は、特に明示されない限り、
図12~
図15の関節部材116を参照して本明細書で説明される任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素を含むことができる。
【0046】
関節部材116の近位部140は、ベース260を有する。関節部材116の遠位部142は、ベース260から突出する突出部264を含む。一部の実施形態において、ベース260は外部リム268を含むことができる。外部リム268は、突出部264に隣接して配置され得る。外部リム268は、突出部264の近位端部に隣接して外周に延びる遠位面269を有することができる。外部リム268の外周は、突出部264の近位端部から、半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。突出部264の近位端部と外部リム268の外周との距離は、外部リム268の幅に対応することができる。外部リムの幅は一定であってもよい。外部リム268は、上述の通り、カラー108の近位部144とインターフェースするように構成され得る。
【0047】
一部の実施形態において、ベース260は、第1の凹状面272を含む。第1の凹状面272は、ベース260の近位面上に配置され得る。例えば、第1の凹状面272は、ベース260の近位端部に位置することができ、その中に窪んだ面を規定することができる。第1の凹状面272は、対応する上腕骨構成要素、例えば、上腕骨スプール18の少なくとも一部を収容するように構成される。第1の凹状面272は、例えば半円状の丸い形状であり得る。第1の凹状面272は、上腕骨スプールの少なくとも一部に沿って回転し易くするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。第1の凹状面272は、近位部140の一領域であってもよい。第1の凹状面272は、近位部140内に挿入されて保持される別途の部材上に配置され得る。
【0048】
関節部材116の突出部264がベースから延び、周面284を有することができる。周面284は、関節部材116の中心長手方向軸A8に実質的に平行に周面284が延びるように構成される。周面284は、軸A8に対して対称構造を有することができる。突出部264の周面284は、中心長手方向軸A8から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。周面284と中心長手方向軸との距離は、突出部264の半径に対応することができる。突出部264の半径及び対応する幅は、実質的に一定であってもよい。突出部264は、カラー108の内部カラー面172にインターフェースするように構成され得る。一部の実施形態において、周面284は、内部カラー面172に対する取り付けを容易にするために、少なくとも1つの突出接続構造部を含む。各々の突出接続構造部は、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により内部カラー面274を収容されるか、又はそれによって収容されるように構成される、ペグ、棘、ねじ山、又は他の突出構造であってもよい。例えば、突出部264の幅は、関節部材116をカラー108と整合する際に突出部264の少なくとも一部に変形が生じるように、内部カラー面172の周囲より大きくすることができる。場合によっては、突出接続特徴部は、内部カラー面172とねじ込み式に係合するねじ部を含むことができる。
【0049】
突出部264は、第2の凹状面276を有することができる。第2の凹状面276は、突出部264の遠位面上に配置され得る。例えば、第2の凹状面276は、第1の凹状面272と前記第1の凹状面272と対向する関節部材116の遠位端部面280との間に位置することができる。第2の凹状面276は、ステム124が関節アセンブリ104と結合される際に、ステム124の関節ヘッド128の少なくとも一部を収容するように構成される。第2の凹状面276は、関節ヘッド128の形状に対応するように成形され得る。第2の凹状面276は、例えば半円状の丸い形状であり得る。第2の凹状面276は、関節ヘッド128の少なくとも一部に沿って回転し易くするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。
【0050】
関節部材116の遠位部142は、関節部材116の遠位端部面280から近位方向に延びる。遠位端部面280はテーパ状であり得る。遠位端部面280のテーパ角度及び長さは、関節部材116のカラー108内への挿入を容易にするように構成され得る。テーパは、端部面280の少なくとも一部に沿って延びることができる。遠位端部面は、第2の凹状面276の外周に沿って延びる湾曲部分を提供する軸A8に対して対称構造を有することができる。
【0051】
関節部材116及びロックリング112は、(
図3~
図4B、
図20B、
図21及び
図23Eに示すように、)関節アセンブリ104が完全に組み立てられる際に、カラー108内の関節空間120を少なくとも部分的に規定する。関節空間は、ステム124の関節ヘッド128を収容して保持するように構成される。例えば、関節空間120は、特に、橈骨頭アセンブリ100が側面荷重を収容する場合に、関節アセンブリ104がステム124の周囲を枢動できるように一般に球状を有することができる。球状空間は、ロックリング112及び関節部材116上の球状面からなり得る。
【0052】
関節ヘッド128が関節空間120内に挿入されるとき、例えば、関節アセンブリ104がロック構成にあるとき、関節アセンブリ104は両極性関節体であり得る。両極性関節体は、関節ヘッド128上での関節部材116の回転、及び上腕骨スプール18の球状部分上での関節部材116の関節運動を提供することができる。例えば、本明細書で説明されるように、ロックリング112はカラー108と係合する方法を含み、関節アセンブリ104が関節ヘッド128と相互作用する係合メカニズムが向上した取り付けの安全性を提供する。向上した安全性は、橈骨頭アセンブリ100が様々な半径方向運動及び荷重力を収容する可能性があるときに、変位及び/又は分離のリスクを減少する。
【0053】
B.関節アセンブリを移植及び/又は取り外すための橈骨頭アセンブリキット
図16Aは、提供され得る肘関節プロテーゼキット320Aを示す。キット320Aは、関節アセンブリ104と、ステム124と、取り外しツール324と、ロックツール328と、を含む。通常の肘関節置換術の間、本明細書で説明されるように、関節アセンブリ104が橈骨頭アセンブリ100に組み立てられる際、ステム124は関節アセンブリ104を橈骨に固定するのに使用され得る。関節アセンブリ104を取り外すために、キット320Aに取り外しツール324を含んで提供することが有利であり得る。
【0054】
図16Aは、取り外しツール324の実施例を示す。取り外しツール324は、突出部326を備えた遠位端部を有することができる。突出部326は、アパーチャ180を通って挿入されるように構成され得る。この挿入時に、(
図21及び
図22に示すように、)ツール324の近位端部に作用する力F1がロックリング112に加えられ、ロックリング112をカラー108から分離させることができる。ロック構成にあるとき、ロックリング112は、上述の通り、カラー108にロックリング112を保持するためにカラー壁160と係合する。例えば、カラー108の縁部は、ロックリング112及び関節ヘッド128を定位置に固定するリング接続特徴部236によって収容される。取り外しツール324は、(
図8、
図11及び
図21に示すように、)アパーチャ180を通ってロックリング112の少なくとも一部に圧縮力F1を加えることができる。圧縮力F1は、ロックリング112を圧縮し、2つの自由端部233が近づくようにする。2つの自由端部233が近づくことにより、ロックリング112の幅が減少し、リング接続特徴部236がカラー壁160の縁部から分離され得る。カラー壁160から分離されると、ロックリング112は、ロック構成の位置から自由構成の別の第2の位置まで関節部材116に向けて前進することができる。自由構成は、ロックリング112が拡張され、関節ヘッド128がロックリング112を通過できるようにする。従って、関節アセンブリ104はステム124から取り外すことができる。
【0055】
次いで、
図16Aを参照すると、キット320Aはロックツール328を含むことができる。ロックツール328は、カラー係合部330と関節部材係合部332とを備えた遠位端部を有することができる。カラー係合部330は、カラー108の遠位端面に当接するように構成され得、関節部材係合部332は、関節部材116’の近位端面に当接するように構成され得る。カラー係合部330及び/又は関節部材係合部332は、場合によっては、関節アセンブリ104’をロック解除構成からロック構成に移行するために橈骨頭アセンブリ100’の任意の他の部分と係合するように構成され得る。この係合時に、(
図23Cに示すように、)ロックツール328の近位端部に作用する力F10、F10’が関節アセンブリ104’に加えられ、関節部材116’及びロックリング112をカラー108に対して遠位方向に移動させる。関節部材116’及びロックリング112が遠位に変位することによって、関節アセンブリ104’がロック解除構成からロック構成へ移行する。本明細書で説明されるように、ロック構成にあるとき、ロックリング112はカラー壁160と係合して、ロックリング112をカラー108に保持する。例えば、カラー108の縁部は、カラー108を定位置に固定させるカラー係合部330によって収容される。ロックツール328は、(
図23C及び
図23Eに示すように、)1つ以上の圧縮力F10、F10’を、関節部材係合部332を介して関節部材116’に加えることができる。圧縮力F10、F10’は、関節部材116’がカラー108に対して遠位に移動させて、ロックリング112の近位面と接触させ、結果的にロックリング112をカラー108に対して遠位方向に移動させる。ロックリング112が移動する際に、ロックリング112はロック構成に入るためにカラー108と係合する。
【0056】
一部の実施形態による肘関節プロテーゼキットは、様々な患者に、より良好に嵌合するように様々なサイズの多数の関節アセンブリ104を含むことができる。キットの一部の実施形態において、ステム124は、ヘッド128に対して多様なサイズ、例えば、異なる高さを備える。
図16Bは、複数の、例えば多様なサイズの少なくとも4つの関節アセンブリ104と、少なくとも1つの取り外しツール324とを含むキット320Bを示す。多様な関節アセンブリ104は、患者の解剖学的構造と一致する関節アセンブリの移植を可能にする。4つ以上又は4つ未満のサイズが提供できる。アパーチャ180がサイズに基づいて変形する場合、1つ以上の取り外しツール324を提供することができる。一部の実施形態において、取り外しツールは、
図20Cに示すように、テーパ状の作業端部及び/又は多数の作業特徴部を有する等により、1つ以上のサイズに対して使用されるように構成され得る。
【0057】
肘関節プロテーゼ用関節アセンブリ104は、所定の対応する上腕骨スプール18に対する1つ以上の多様なサイズに応じて選択及び移植され得る。例えば、
図16Bは、関節アセンブリ104の3つの異なるサイズを示す。
図16Bは、関節アセンブリ104’、関節アセンブリ104’より大きい関節アセンブリ104’’、及び関節アセンブリ104’’より大きい関節アセンブリ104’’’を示す。異なるサイズの関節アセンブリ104’、104’’、104’’’は、関節アセンブリが肘関節の各々の上腕骨スプールに対応することを可能にする。一部の実施形態において、キットは、同一のサイズの多数の関節アセンブリ104を含むことができる。例えば、
図16Bは、少なくとも2つの大きい関節アセンブリ104’’’を備えるキット320Bを示す。
【0058】
上述の通り、取り外しツール324を有することにより、移植後に関節アセンブリ104を取り外すことが可能となる。移植された関節アセンブリ104が患者にとって適切なサイズではないと判定されると、取り外しツール324が移植された関節アセンブリ104を取り外し、キット320Bに含まれた異なるサイズの1つに交換するのに使用され得る。これは、関節アセンブリが移植された後に取り外されない及び/又は交換されない固定されたアセンブリサイズを有する場合の既存の橈骨頭アセンブリよりも優れる。
【0059】
C.代替のロックリング係合メカニズムを備えた橈骨頭アセンブリ
図17は、橈骨頭アセンブリ400の他の実施形態を示す。橈骨頭アセンブリ400は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と同様であるか類似する。従って、
図2~
図15に示す橈骨頭アセンブリ100の特徴部を識別するのに使用される符号は、
図17に示す橈骨頭アセンブリ400の同様の特徴を識別するように300ずつ増加する。上述した説明は、他の多様な実施形態における以下の特定の説明と組み合わされ得る。
【0060】
橈骨頭アセンブリ400は、関節アセンブリ404と、ステム424と、を含む。関節アセンブリ404は、カラー408と、ロックリング412と、関節部材416と、を含む。
図17は、一構成において、ロックリング412がカラー408内に配置され、関節部材416が少なくとも部分的にカラー408内に配置されることを示す。以下でより詳細に説明されるように、ロックリング412は、例えば、ロックリング412の少なくとも一部がカラー408の第1の開口内に配置され、カラー408内に前進するように構成され得る。
【0061】
カラー408は、カラー408の外周とカラー408の内周との間に延びるカラー壁を有する。カラー壁は、第1のカラー開口と、第2のカラー開口と、貫通通路と、を規定する。第1のカラー開口は、カラー408の遠位端部446に配置される。第2のカラー開口は、カラー408の近位端部444に配置される。カラー壁は、ロックリング412と結合するように構成された内部カラー面を有することができる。
【0062】
一部の実施形態において、内部カラー面は内部リム450を有する。内部リム450は、カラー壁の遠位端部に隣接して配置され得る。内部リム450は、カラー壁の遠位端部に隣接するところから内周に延びる内面を有することができる。内部リム450の内周は、カラー壁の遠位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。カラー壁の遠位端部と内部リム450の内周との距離は、内部リム450の幅に対応することができる。内部リム450の幅は一定であってもよい。内部リム450は、以下でより詳細に説明されるように、ロックリング412の整合面462とインターフェースするように構成され得る。内部リム450は、ロックリング412がカラー408に挿入される際に、ロックリング412に当接するように構成される。このような構成において、内部リム450は、関節アセンブリ404と結合されたステム424の関節ヘッド426が関節空間420内に保持できるようにロックリング412と係合され、ロックリング412が半径方向に拡張するのを防止する。
【0063】
内部リム450は、第1のカラー開口に近接する角度のある部分454を有することができる。内部リム447の角度のある部分454は、ロックリング412の遠位端部458と対応することができる。遠位端部458は、角度のある部分を更に有することができる。角度のある部分454は、ロックリング412がカラー408内で近位に前進することによって、ロックリング412の拡張を容易にすることができる。また、角度のある部分454は、角度のある部分454の上の遠位端部458の角度のある部分が摺動することにより、圧縮を容易にすることができる。特に、角度のある部分454は、遠位端部458の角度のある部分が前記角度のある部分454の上に移動する際に、リングを内側に押し込む。
【0064】
ロックリング412は、近位部と遠位部とを有する。近位部は、
図17に示すように、内部リム450と係合するように構成された整合面462を含むことができる。整合面462は、内部リム450の内周よりも少なくとも部分的に大きい寸法を有することができる。この構成は、整合面462が内部リム450に当接するまでロックリング412が挿入されるようにする。内部リム450と整合面462との当接は、ロックリング412に対する積極的な停止を提供し、関節部材416から離れる力を加えるときに、リング412が引き抜かれることを防止する。一部の実施形態において、ロックリング412の遠位部が締まり嵌めにより第1のカラー開口内に固定され得る。例えば、ロックリング412の遠位部の外周は、ロックリング412をカラー408と整合する際に、遠位部の少なくとも一部に変形が生じるように、第1のカラー開口の内周より大きくすることができる。ロックリング412及び/又はカラー408の材料は、締まり嵌めを生成するために挿入される際に、ロックリング412が変形すること、例えば、圧縮することを可能とする。
【0065】
例えば、近位部から遠位部への方向に沿ったロックリング412の軸方向長さは、内部リム450の軸方向長さより長く、ロックリング412の遠位端部458がカラー408の遠位端部の近位にあるのに対して、ロックリング412の近位端部は、内部リム450の近位にあり得る。
図17は、ロックリングの遠位端部458が第1のカラー開口内に半分以上前進することを示している。ロックリング412の近位端部は、関節部材416の遠位端部に対して非常に短く配置され、ロックリング412の動作範囲を提供することができる。
【0066】
図17は、ロックリング412の遠位端部がカラー408の遠位端部と同じ位置に配置される場合に、ロックリング412の近位端部と関節部材416の遠位端部との間に隙間G4が存在することをさらに示す。隙間G4は、カラー408内の軸方向へのロックリング412の動作範囲に沿ってロックリング112の1つの位置に対応する。軸方向へのロックリング412の動作は、有利には、ロックリング412が、例えば、(
図17に示すように、)内部リム450の半径方向内側に向かうことによって、リング412がカラー408によって制限又は拘束されるカラー408内の位置から相対的に緩く制限又は拘束される位置に移動することができる。カラー408により、例えば、内部リム450によってロックリング412に付加された拘束又は制限を減少させると、ロックリング412が拡張することができる。例えば、関節部材416に向かってロックリング412が移動することにより、隙間G4が減少するが、ロックリング412は、ロックリング412の遠位端部458が内部リム450に近接して配置される位置に移動する。内部リム450に近接するカラー408の部分でより大きい横幅が提供され、これは、リング412を拡張させてステム424のヘッド426をカラー408から引くのに十分である。
【0067】
D.ステムに結合された関節部を有する橈骨頭アセンブリ
図18及び
図19は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と類似する、橈骨頭アセンブリの他の実施形態を示す。上述の説明は、他の多様な実施形態における以下の特定の説明と組み合わされ得る。
【0068】
他の実施形態において、関節アセンブリ480は、第1の関節部材492と、第1の骨と結合されたステム488と結合するように構成された関節部484と、を含む。関節部484は、カラー496と、捕捉部材500と、を有する。ステム488は、近位部490と、遠位部と、を含む。ステム488の遠位部は、近位部490からステム488の遠位端部に向けて延びる。遠位部490は、上述の通り、例えば、肘に隣接する橈骨に埋め込まれるように構成される。近位部490は、関節部484を含むことができる。関節部484は、ステム488の近位端部上に配置されるか、それから延びることができる。
【0069】
第1の関節部材492は、近位部と、遠位部と、を有する。近位部はベース493を有する。近位部は、遠位部に隣接して配置された外部リムを含むことができる。外部リムは、遠位部の近位端部に隣接したところから外周に延びる遠位面を有することができる。外部リムの外周は、遠位部の近位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。遠位部と外部リムの外周との距離は、ベース493の幅に対応することができる。ベース493の幅は一定であってもよい。ベース493は、上述の通り、カラー496の近位部とインターフェースするように構成され得る。
【0070】
一部の実施形態において、第1の凹状面495は、第1の関節部材492のベース493上に配置され、第1の骨と対向する第2の骨と向かい合う。第1の凹状面495は、ベース493の近位面上に配置され得る。例えば、第1の凹状面495は、ベース493の近位端部に位置することができ、その内部に凹状面を規定することができる。第1の凹状面495は、対応する上腕骨スプールの少なくとも一部を収容するように構成される。第1の凹状面495は、例えば半円状の丸い形状であり得る。第1の凹状面495は、上腕骨スプールの少なくとも一部に沿って回転し易くするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。第1の関節部材492の遠位部は、凸状の関節ヘッド494を含む。関節ヘッド494は、関節アセンブリ484とインターフェースするように構成され得る。
【0071】
カラー496は、カラー開口504と、前記カラー開口504に近接する内部捕捉面508と、を規定するカラー壁を有する。空間がカラー開口504からカラー496の内部に延びる。捕捉部材500は、捕捉部材開口と、内部捕捉面508と係合するように構成される整合面512と、を有する。橈骨頭アセンブリ480は、 関節空間516に配置された関節ヘッド494が関節空間516に保持され得るように、内部捕捉面508がカラー496の整合面512と係合して捕捉部材500が拡張するのを防止する構成を有する。
【0072】
関節部484は、第2の関節部材520を含むことができる。第2の関節部材520は、カラー496内に配置され、第2の凹状面524を有することができる。第2の凹状面524は、第2の関節部材520の遠位面525上に配置され得る。第2の凹状面524は、第1の関節部材492がカラー496と結合される際に、第1の関節部材492の関節ヘッド494の少なくとも一部を収容するように構成される。第2の凹状面524は、関節ヘッド494の形状に対応するように成形され得る。第2の凹状面524は、例えば半円状の丸い形状であり得る。第2の凹状面524は、関節ヘッド494の少なくとも一部に沿って回転し易くするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。
【0073】
図19は、ステムに結合された関節部を有する橈骨頭アセンブリの他の実施形態を示す。橈骨頭アセンブリ540は、異なって説明される以外は、
図18の橈骨頭アセンブリ480と類似する。
図19は、ベース548が第1の関節部材544と取り外し可能に係合される橈骨頭アセンブリ540の実施形態を示す。場合によっては、例えば、第1の関節部材544及び第1の凹状面552の少なくとも1つが摩耗し始めると、第1の関節部材544からベース548を取り外す必要があり得る。関節部材544をベース548に結合するための任意の好適な技術として、締まり嵌め、整合テーパ、棘若しくはフック、ロックリング、ねじ山、又は他の捕捉特徴部を含む技術を提供することができる。
【0074】
E.多数のロックリングを備えた橈骨頭アセンブリ
図27~
図32は、特定の実施形態において、橈骨頭アセンブリ800が2つ以上のロックリング812a、812bを含むことを示す。
図27~
図32は、一部の実施形態において、肘関節プロテーゼのための関節アセンブリ804の様々な図である。橈骨頭アセンブリ800は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と類似する。従って、特に言及されない限り、
図27~
図32において、同様の参照符号は、アセンブリ100の構成要素又は同様の特徴を有する本明細書で説明される他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図27~
図32に示す橈骨頭アセンブリ800を参照して説明される特徴は、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図27~
図32に示す橈骨頭アセンブリ800の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることも理解されたい。
【0075】
図27は、橈骨頭アセンブリ800の一実施形態の断面図を示す。橈骨頭アセンブリ800は、関節アセンブリ804と、ステム824と、を含むことができる。関節アセンブリ804は、カラー808と、関節部材816と、捕捉部材870と、少なくとも2つのロックリング812a、812bと、を含む。一部の実施形態において、ステム824の近位部は、(
図27に示すように、)凸状の関節ヘッド828を含むことができる。示された実施形態において、凸状の関節ヘッド828は半円状である。
【0076】
図27及び
図29は、関節アセンブリ804がロック構成にあるとき、捕捉部材870とロックリング812a、812bとがカラー808内に配置され、関節部材816がカラー808内に部分的に配置されることを示す。関節部材816は、(
図28及び
図29に示すように、)近位部840と、遠位部842と、を含むことができる。一部の実施形態において、
図29に示すように、関節アセンブリ804がロック構成にあるとき、関節部材816の遠位部842は捕捉部材870に対向して配置され、ステム824のヘッド828が関節空間820に挿入され関節アセンブリ804と結合されるように、捕捉部材870が移動することを防止できる。
【0077】
一部の実施形態において、(
図29に示すように、)内部カラー面は内部リム850を有する。内部リム850は、カラー壁の遠位端部に隣接して配置され得る。内部リム850は、カラー壁の遠位端部に隣接したところから内周に延びる内面を有することができる。内部リム850の内周は、カラー壁の遠位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。カラー壁の遠位端部と内部リム850の内周との距離は、内部リム850の幅に対応することができる。内部リム850の幅は一定であってもよい。内部リム850は、捕捉部材870の整合面872とインターフェースするように構成され得る。内部リム850は、捕捉部材870がカラー808内に挿入されるとき、捕捉部材870に当接するように構成される。このような構成において、内部リム850は、捕捉部材870と係合する。
【0078】
捕捉部材870は、近位部874と、遠位部876と、を有する。近位部874は、
図29に示すように、内部リム850と係合するように構成された整合面872を含むことができる。整合面872は、内部リム850の内周よりも少なくとも部分的に大きい寸法を有することができる。この構成は、整合面872が内部リム850に当接するまで捕捉部材870が挿入されるようにする。内部リム850と整合面872との当接は、捕捉部材870に対する積極的な停止を提供し、関節部材816から離れる力を加えるときに、捕捉部材870が引き抜かれることを防止する。一部の実施形態において、捕捉部材870の遠位部876が締まり嵌めにより第1のカラー開口内に固定され得る。例えば、捕捉部材870の遠位部876の外周は、捕捉部材870をカラー808と整合する際に遠位部876の少なくとも一部に変形が生じるように、第1のカラー開口の内周より大きくすることができる。捕捉部材870及び/又はカラー808の材料は、締まり嵌めを生成するために挿入される際に、捕捉部材870が変形すること、例えば、圧縮することを可能にする。
【0079】
例えば、近位部874から遠位部876への方向に沿った捕捉部材870の軸方向長さは、内部リム850の軸方向長さより長く、捕捉部材870の遠位部876の少なくとも一部が、カラー808の遠位端部の近位にあるのに対して、捕捉部材870の近位部874は、内部リム850の近位にあり得る。
図29は、捕捉部材870の遠位部876が第1のカラー開口内に半分以上前進するか、位置し得ることを示す。
【0080】
関節アセンブリ804は、2つ以上のロックリング812a、812bを含むことができる。
図30~
図32に示すように、各々のロックリング812a、812bは、ロックリング812a、812bの外周とロックリング812a、812bの内周との間を延びるリング壁830a、830bを有する。リング壁830a、830bはリング開口を規定する。リング壁830a、830bは、リング壁830a、830bが示される構成から拡張されるように構成されたスロット832a、832bを有することができる。リング812a、812bの弾性は、一部の実施形態において、拡張後にリングが圧縮することを可能にする。
【0081】
各々のロックリング812a、812bは、関節ヘッド828がリング開口を通過してカラー808及び関節空間820内に配置できるように拡張して構成される。例えば、各々のスロット832a、832bは、各々ロックリング812a、812bの2つの自由端部の間に規定される。2つの自由端部は、一実施形態において、互いに近づいたり離れたりすることができる。
【0082】
図27~
図29は、各々のロックリング812a、812bが捕捉部材870の近位部874内に配置されるようにサイズ化及び成形され得ることを示す。一部の実施形態において、内部捕捉部材面は、近位部874と遠位部876との間に配置された内部棚878を有する。補足部分870の内部棚878は、捕捉部材870とロックリング812a、812bとがカラー808内に挿入されるとき、捕捉部材870の近位部
874内にロックリング812a、812bを保持するように構成され得る。場合によっては、内部棚878は、ロックリング812a、812bの少なくとも1つとインターフェースし、及び/又はロックリング812a、812bが捕捉部材870に挿入されるとき、ロックリング812a、812bの少なくとも1つに当接するように構成され得る。ロックリング812a、812bと内部棚878との当接は、ロックリング812a、812bに対する積極的な停止を提供し、関節部材816から離れる力を加えるときに、ロックリング812a、812bがカラー808から引き抜かれることを防止する。
【0083】
捕捉部材870の近位部874は、近位部874の内径を規定することができる。内径は、ロックリング812a、812bのリング壁830a、830bの外周よりも少なくとも部分的に大きい寸法を有することができる。この構成は、ロックリング812a、812bの動作範囲、例えば、半径方向への拡張を提供することができる。例えば、これは、ロックリング812a、812bがカラー808の内面に向けて拡張しながら、ロックリング812a、812bがカラー内に、例えば捕捉部材870内に配置されるようにする。
【0084】
図29は、ロックリング812a、812bが捕捉部材870の遠位部874内に配置される際に、ロックリング812a、812bの外周と捕捉部材870の近位部874の内面との間に隙間G5があることを示す。隙間G5は、捕捉部材870の近位部874内で許容されるロックリング812a、812bの動作及び/又は拡張の範囲に対応するか、又はこれを提供する。本明細書に説明されるように、各々のロックリング812a、812bの動作(例えば、拡張)は、有利には、ステム824のヘッド828がリング開口を介してカラー808内に挿入されるようにする。一部の実施形態において、リング812a、812bの弾性特性は、凸状の関節ヘッド828の幅よりも小さい内周を有するように、緩和した状態でリングが戻り得ることを提供する。
【0085】
図30~
図32を参照すると、各々のロックリング812a、812bは、少なくとも1つのリングインデックス特徴部836a、836bを含むことができる。リングインデックス特徴部836a、836bは、ロックリング812a、812bのリンク壁830a、830bから突出し、及び/又はその内部に後退し得る。リングインデックス特徴部836a、836bは、ロックリング812a、812bの第1の面に沿って配置され得る。ロックリング812aのリングインデックス特徴部836aは、第1のロックリング812bが第2のロックリング812aの上部に配置され、及び/又は第2のロックリング812aと整列する際にロックリング812bの他のリングインデックス特徴部836bと係合するように構成される。各々のリングインデックス特徴部836a、836bは、ロックリング812a、812bが捕捉部材870内に配置される際にロックリング812bに対するロックリング812aの回転を防止するように構成され得る。リングインデックス特徴部836a、836bは、回転を防止するためにリングインデックス特徴部836a、836bのいずれかと相互作用するのに適した任意の特徴部を含むことができる。例えば、リングインデックス特徴部836a、836bは、相互作用嵌合、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、他のリングインデックス特徴部836a、836bと係合するように構成される、ペグ、棘、ねじ、又は他の突出構造を含むことができる。
【0086】
一部の実施形態において、
図30~
図32に示すように、リングインデックス特徴部836a、836bは、他のリングインデックス特徴部836a、836bの角度のある外面、上面又は底面と係合するように構成された角度のある外面、上面、又は底面である。リングインデックス特徴部836a、836bの少なくとも1つは、他のリングインデックス特徴部836a、836bの外部凸状構造を収容することができる外部凹状構造を含むことができる。
【0087】
ロックリング812a、812bは、第1のロックリング812bのスロット832bが第2のロックリング812aのスロット832aと回転整列しない位置でカラー808及び/又は捕捉部材870内に配置され得る。ロックリング812a、812bが捕捉部材870内に挿入される際のスロット832a、832bのずれは、一旦挿入されると、関節空間820からヘッド828が偶発的に分解及び/又は取り外されることを防止することができる。場合によっては、リングインデックス特徴部836a、836bは、第1のロックリング812bの第1のリングインデックス特徴部836bが第2のロックリング812aの第2のリングインデックス特徴部836aと係合する際に、スロット832bがスロット832aと回転整列しないように構成される。例えば、リングインデックス特徴部836a、836bは、(
図30に示すように、)リングインデックス特徴部836a、836bが互いに係合するとき、スロット832a、832bがロックリング812a、812bの正反対の側面に位置するように構成され得る。
【0088】
図33~
図36は、特定の実施形態において、捕捉部材870’がカラー接続特徴部850’を介してカラー808’に取り付けられ得ることを示す。カラー接続特徴部850’は、捕捉部材870’をカラー808’内に少なくとも部分的に保持するために、捕捉部材870’の近位部874’と係合するように構成される。カラー接続特徴部850’は、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、捕捉部材870’によって収容されるか又はそれを収容するように構成される、ペグ、棘、ねじ山、又は他の突出構造を含むことができる。一部の実施形態において、カラー接続特徴部850’は、1つ以上のねじ山を含むことができる。
図33~
図36は、一部の実施形態による肘関節プロテーゼ用関節アセンブリ804’の様々な図である。特に言及されない限り、
図33~
図36の同様の参照符号は、同様の特徴を有する本明細書で説明される他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図33~
図36に示す関節アセンブリ804’を参照して説明される特徴は、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図33~
図36に示す関節アセンブリ804’の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることを理解されたい。
【0089】
一部の実施形態において、カラー808’の1つ以上のねじ山は、カラー808’の第1の開口864’に隣接して配置され得、捕捉部材870’の近位部874’の外面と係合するように構成され得る。例えば、
図33は、捕捉部材870’がカラー808’と係合する際に、捕捉の近位部874’がカラー808’の1つ以上のねじ山と係合し得ることを示す。このようなやり方で、捕捉部材870’は、1つ以上のねじ山と捕捉部材870’の近位部874’との係合を容易にするために、カラー808’に対して回転することができる。
【0090】
カラー808’に対して捕捉部材870’を回転させることにより、有利には、捕捉部材870’が1つ以上のねじ山と係合し、及び/又はそれに沿って移行して捕捉部材870’をカラー808’に取り付けるようにする。特定の実施形態において、捕捉部材870’の近位部874’は、締まり嵌めにより1つ以上のねじ山と係合することができる。一部の実施形態において、捕捉部材870’は、力が加えられたときに変形し得る半剛性材料を含むことができる。これは、近位部874’がカラー850’のカラー接続特徴部850’(例えば、1つ以上のねじ山)と相互作用するときに、捕捉部材870’の近位部874’が一時的に及び/又は永久に変形することを有利に可能にする。
【0091】
図35及び
図36を参照すると、場合によっては、捕捉部材870’はカラー808’のねじ山と相互作用するように構成された捕捉部材870’の近位部874’の少なくとも一部に沿って対応するねじ山872’を含むことができる。例えば、捕捉部材870’は、カラー808’の1つ以上のねじ山を捕捉部材870’の対応するねじ山872’と係合するために時計回り又は反時計回りに回転することができる。係合後、関節部材870’はカラー808’に取り付けられた状態のままであり得る。
【0092】
カラー808’に対する捕捉部材870’の回転し易くするために、特定の実施形態において、捕捉部材870’の少なくとも一部は、カラー808’上に捕捉部材870’を取り付ける又はねじ込む際に把持されるように構成され得る。例えば、一部の実施形態において、(
図35及び
図36に示すように、)捕捉部材870’の遠位部876’の外面は、摩擦を増加させ、及び/又は指、手のひら又はツールがカラー808’からの捕捉部材870’の取り付け又は取り外しを容易にするために回転力を発揮し得る1つ以上の面を提供するように構成された1つ以上の把持要素880’を含むことができる。把持要素880’は、カラー808’に対する捕捉部材870’の回転し易くするために構成される、1つ以上の溝、スカロップ、ノッチ、キャビティ、又は他の構造を含むことができる。
図35及び
図36は、把持要素880’が捕捉部材870’の遠位部876’の内側に延びる、一連のリブ及び/又は溝を含むことができることを示す。一実施形態において、一連の把持要素880’は、捕捉部材870’の遠位部876’の外周に沿って配置された複数のこれらの要素を含む。
【0093】
F.ステムと係合するように構成された統合関節ヘッド構成要素を備えた橈骨頭アセンブリ
図37及び
図38は、特定の実施形態において、橈骨頭アセンブリ900がステム924の遠位部928と係合するように構成された関節ヘッド構成要素970を含み得ることを示す。
図37及び
図38は、一部の実施形態による肘関節プロテーゼ用橈骨頭アセンブリ900の様々な図である。橈骨頭アセンブリ900は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と類似する。従って、特に言及されない限り、
図37及び
図38における同様の参照符号は、アセンブリ100の構成要素、又は本明細書で説明される他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図37及び
図38に示す橈骨頭アセンブリ900を参照して説明される特徴が、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図37及び
図38に示す橈骨頭アセンブリ900の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に、或いはその代わりに使用され得ることを理解されたい。
【0094】
図37は、橈骨頭アセンブリ900の一実施形態の断面図を示す。橈骨頭アセンブリ900は、関節アセンブリ904と、ステム924と、を含むことができる。関節アセンブリ904は、カラー908と、関節部材916と、ロックリング912と、関節ヘッド構成要素970と、を含む。一部の実施形態において、ステム924の近位部は、関節アセンブリ904の関節ヘッド構成要素970と係合するように構成された遠位端部部分928を含むことができる。
【0095】
図37及び
図38は、関節ヘッド構成要素970が関節部材916、ロックリング912、及び/又はカラー908によって少なくとも部分的に規定された関節空間920内に配置され得ることを示す。関節部材916及びロックリング912は、関節アセンブリ904を完全に組み立てる際に、カラー908内に関節空間920を少なくとも部分的に規定する。関節空間920は、関節ヘッド構成要素970を収容するように構成される。例えば、関節空間920は、(
図38に示すように、)特に、関節ヘッド構成要素970がステム924の遠位部928と係合する際に、関節ヘッド構成要素970が関節アセンブリ904の残りの部分に対して枢動できるように一般に球状を有することができる。関節空間920は、ロックリング912及び関節部材816上の球状面により規定され得る。
【0096】
一部の実施形態において、上述の通り、関節空間920は、関節部材916及び/又はロックリング912の1つ以上の凹状面により規定され得る。関節空間920を規定する1つ以上の凹状面は、関節ヘッド構成要素970の外部整合面972とインターフェースするように構成され得る。関節部材916及び/又はロックリング912は、関節ヘッド構成要素970が関節空間920に挿入される際に関節ヘッド構成要素970に当接するように構成される。このような構成において、関節ヘッド構成要素970は関節空間920の形状に対応するように成形され得る。関節ヘッド構成要素970は、例えば、円状の丸い形状であり得る。関節ヘッド構成要素970の整合面972は、関節部材916の少なくとも一部に沿って回転し易くするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。
【0097】
整合面972は、関節空間920の外周よりも少なくとも部分的に小さい寸法(例えば、直径)を有することができる。このような構成は、関節ヘッド構成要素970が関節空間920内に存在し回転するようにする。特定の実施形態において、関節ヘッド構成要素970は、少なくともロックリング912のリング開口よりも大きい幅を有することができる。このようなやり方で、関節ヘッド構成要素970は、関節ヘッド構成要素970がカラー908内に挿入される際に、ロックリング912のリング壁の近位部に存在及び/又は当接することができる。ロックリング912を有する関節ヘッド構成要素970の当接は、関節ヘッド構成要素970に対する積極的な停止を提供し、関節部材916及び/又はロックリング912から力を加えるときに、関節ヘッド構成要素970が引き抜かれることを防止する。
【0098】
図37は、関節ヘッド構成要素970が凹状面974を含むことができることを示す。凹状面974は、関節ヘッド構成要素970の遠位面上に配置され得る。例えば、凹状面974は、整合面972と前記整合面972と対向する関節ヘッド構成要素970の遠位端部との間に位置することができる。凹状面974は、ステム924が関節アセンブリ904と結合される際に、ステム924の遠位部928の少なくとも一部を収容するように構成される。例えば、凹状面974は、関節ヘッド構成要素970が関節ヘッド構成要素970内にステム924の遠位部928を収容して保持するために構成されるように遠位部928の形状に対応するように成形され得る。例えば、凹状面は、ステム924の遠位部928のサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状を有する空間を規定することができる。凹状面974は、例えば、細長い円筒状及び/又は円錐台形であり得る。凹状面974は、遠位部928又はステム924の少なくとも一部に対する取り付けを容易にするように適合化された、滑らかな面、或いは他の構造又は処理部を有することができる。一実施形態において、モールステーパ(Morse taper)接続が関節ヘッド構成要素970の遠位部928と凹状面974との間に提供できる。
【0099】
一部の実施形態において、ステム924の遠位部928は、締まり嵌めにより関節ヘッド構成要素970内に固定され得る。例えば、ステム924の遠位部928の外周は、関節ヘッド構成要素970の凹状面974の内周よりも少し大きく、ステム924を関節ヘッド構成要素970及び関節アセンブリ904と整合させる際に、遠位部928の少なくとも一部に変形を発生させることができる。関節ヘッド構成要素970及び/又はステム924の遠位部928の材料は、締まり嵌めを生成するためにステム924の遠位部928に挿入される際に、関節ヘッド構成要素970が変形すること、例えば、圧縮することを可能にする。例えば、
図38に示す一部の実施形態において、ステム924が関節ヘッド構成要素970に対して移動することを防止するために、関節アセンブリ904がロック構成にあるとき、ステム924の遠位部928は関節ヘッド構成要素970に対向して、及び少なくとも部分的に、内部に配置され得る。従って、ステム924の遠位部928は、関節アセンブリ904と結合される。
【0100】
一部の実施形態において、ステム924の遠位部928が関節アセンブリ940と結合されるとき(例えば、関節アセンブリ904がロック構成にあるとき)、関節アセンブリ904は両極性関節体であり得る。両極性関節体は、関節ヘッド構成要素970及びステム924に対する関節部材116の回転を提供でき、また上腕骨スプールの球状部分に対する関節部材916の関節運動を提供することができる。
【0101】
G.複数パーツのカラー部を備えた橈骨頭アセンブリ
図39及び
図40は、特定の実施形態において、例えば2つ以上のカラー部1008a、1008bを備えた複数パーツのカラーを有する橈骨頭アセンブリ1000を示す。
図39及び
図40は、一部の実施形態による肘関節プロテーゼ用橈骨頭アセンブリ1000の様々な図である。橈骨頭アセンブリ1000は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と類似する。従って、特に言及されない限り、
図39及び
図40における同様の参照符号は、アセンブリ100の構成要素、又は同様の特徴を有する本明細書で説明される他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図39及び
図40に示す橈骨頭アセンブリ1000を参照して説明される特徴が、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図39及び
図40に示す橈骨頭アセンブリ1000の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることも理解されたい。
【0102】
図40は、橈骨頭アセンブリ1000の一実施形態の断面図を示す。橈骨頭アセンブリ1000は、関節アセンブリ1004と、ステム1024と、を含むことができる。関節アセンブリ1004は、関節部材1016と、ロックリング1012と、少なくとも2つのカラー部1008a、1008bと、を含む。一部の実施形態において、ステム1024の近位部は、凸状の関節ヘッド1028を含むことができる。
【0103】
図39及び
図40に示すように、各々の第1のカラー部1008a及び第2のカラー部1008bは、カラー部1008a、1008bの各々の外周とカラー部1008a、1008bの各々の内周との間に延びるカラー壁を有する。カラー部1008a、1008bの各々は、ロック構成にあるときに、関節部材1016、ロックリング1012、及び/又は関節ヘッド1028の少なくとも一部をカラー内に収容及び/又は保持するように構成され得る。場合によっては、第2のカラー部1008bは、ロックリング1012及び/又は関節部材1016が第2のカラー部1008b内に挿入される際に、ロックリング1012及び関節部材1016の一部の少なくとも1つとインターフェースし、及び/又はそれに当接して構成され得る。場合によっては、第1のカラー部1008aは、関節部材1016とインターフェースし、及び/又はそれに当接して構成され得る。
【0104】
第2のカラー部材1008bの近位部は、ロックリング1012の外周よりも少なくとも部分的に大きい寸法を有する近位部の内径を規定することができる。同様の特徴を有する他の図を参照して本明細書で説明されるように、このような構成は、ロックリング1012の動作範囲、例えば、半径方向への拡張を提供することができる。例えば、これは、ロックリング1012が第2のカラー部材1008bの近位部の内面に向けて拡張しながら、ロックリング1012が第2のカラー部1008bの近位部内に配置されるようにすることができる。場合によっては、第1のカラー部1008aが第2のカラー部1008bと完全に係合しないとき、ロックリング1012のこのような動作及び/又は拡張の範囲は、第2のカラー部1008bの近位部内で許容される。本明細書で説明される通り、各々のロックリング1012の動作(例えば、拡張)は、有利には、関節ヘッド1028がロックリング開口を介して第2のカラー部1008b内に挿入されるようにする。
【0105】
第1のカラー部1008aと第2のカラー部1008bとの間の関節アセンブリ1004の少なくとも1つの構成には、完全な接続が提供される。ロックリング1012と、関節部材1016と、関節ヘッド1028とが第1のカラー部1008a及び/又は第2のカラー部1008b内に少なくとも部分的に挿入される際に、第1のカラー部1008aは第2カラー部1008bと取り外し可能に係合して、橈骨頭アセンブリ1000のロック解除構成からロック構成に移行するように構成される。例えば、各々のカラー部1008a、1008bは、少なくとも1つのカラー係合特徴部1009a、1009bを含むことができる。カラー係合特徴部1009a、1009bは、各々のカラー部1008a、1008bのカラー壁から突出し、及び/又はその内部に後退し得る。例えば、カラー係合特徴部1009aは、第1のカラー部1008aの遠位部に沿って配置され得、カラー係合特徴部1009bは、第2のカラー部1008bの近位部に沿って配置され得る。このようなやり方で、第1のカラー部1009aのカラー係合特徴部1009aは、第1のカラー部1009aが第2のカラー部1009bの最上部に配置され、及び/又は第2のカラー部1009bと整列する際に、第2のカラー部1009bの他のカラー係合特徴部1009bと係合するように構成される。各々のカラー係合特徴部1009a、1009bは、関節アセンブリ1004がロック構成にあるとき、第2のカラー部1009bからの第1のカラー部1009aの思いかけず分離を防止するように構成され得る。カラー係合特徴部1009a、1009bは、分離を防止するためにカラー係合特徴部1009a、1009bの他方と相互作用するのに好適な任意の特徴部を含むことができる。例えば、カラー係合特徴部1009a、1009bは、相互作用嵌合、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、他のカラー係合特徴部1009a、1009bと係合するように構成される、ペグ、棘、ねじ、又は他の突出構造を含むことができる。カラー係合特徴部1009a、1009bの少なくとも1方は、他方のカラー係合特徴部1009a、1009bの外部凸状構造を収容することができる外部凹状構造を含むことができる。他の例として、カラー係合特徴部1009a、1009bは、各々他のカラー係合特徴部1009a、1009bの1つ以上のねじ山と係合するように構成された1つ以上のねじ山を含むことができる。
【0106】
図39及び
図40は、関節アセンブリ1004がロック構成にあるとき、関節部材1016及びロックリング1012が第1のカラー部1008a及び第2のカラー部1008b内に少なくとも部分的に配置されることを示す。第1のカラー部1008aは、関節部材1016と、ロックリング1012と、関節ヘッド1028とが第1のカラー部1008a及び第2のカラー部1008b内に少なくとも部分的に保持されるように第2のカラー部1008bと係合するために構成され得る。一部の実施形態において、本明細書で説明される他の図を参照して説明されるように、関節アセンブリ1004がロック構成にあるとき、関節部材1016は、ロックリング1012及び関節ヘッド1028に対向して配置され得る。このようなやり方で、関節部材1016は、ステム1024の関節ヘッド1028が関節空間1020から取り外すことができず、関節アセンブリ1004と結合された状態で保持されるようにロックリング1012が移動及び/又は拡張することを防止できる。
【0107】
一部の実施形態において、(
図40に示すように、)第2のカラー部1008bの内部カラー面は、内部下方リム1050を有する。内部下方リム1050は、第2のカラー部1008bのカラー壁の遠位端部に隣接して配置され得る。内部下方リム1050は、カラー壁の遠位端部に隣接して内周に延びる内面を有することができる。内部下方リム1050の内周は、第2のカラー部1008bのカラー壁の遠位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。内部下方リム1050は、ロックリング1012の整合面とインターフェースするように構成され得る。内部下方リム1050は、ロックリング1012が第2のカラー部1008bに挿入され、第2のカラー部1008bが第1のカラー部1008aと係合される際に、ロックリング1012に当接するように構成される。このような構成において、内部下方リム1050は、ロックリング1012を少なくとも部分的にカラー内に保持するためにロックリング1012と係合する。この構成は、ロックリング1012の整合面が内部下方リム1050に当接するまで、ロックリング1012が挿入されるようにする。ロックリング1012及び/又は内部下方リム1050の整合面は、同様の特徴を有する本明細書で説明された残りの図の構成要素と同一、又は一般に類似し得る。例えば、内部下方リム1050と整合面との当接は、ロックリング1012に対する積極的な停止を提供し、ロックリング1012及び/又は関節ヘッド1028が関節部材1016から離れる力を加えるときに、第2のカラー部1008bから引き抜かれることを防止する。一部の実施形態において、ロックリング1012の遠位部は、締まり嵌めにより第2のカラー部1008bの第1のカラー開口内に固定され得る。
【0108】
一部の実施形態において、(
図40に示すように、)第1のカラー部1008aの内部カラー面が内部上方リム1060を有する。内部上方リム1060は、第1のカラー部1008aのカラー壁の遠位端部に隣接して配置され得る。内部上方リム1060は、カラー壁の遠位端部に隣接したところから内周に延びる内面を有することができる。内部上方リム1060の内周は、第1のカラー部1008aのカラー壁の遠位端部から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。内部上方リム1060は、関節部材1016の整合面とインターフェースするように構成され得る。内部上方リム1060は、関節部材1016が第1のカラー部1008aに挿入され、第1のカラー部1008aが第2のカラー部1008bと係合する際に、関節部材1016に当接するように構成され得る。この構成において、内部上方リム1060は、関節部材1016を少なくとも部分的にカラー内に保持するために、関節部材1016と係合する。関節部材1016及び/又は内部上方リム1060の整合面は、同様の特徴を有する本明細書で説明される残りの図の構成要素と同一、又は一般に類似し得る。
【0109】
例えば、その近位部から遠位部への方向に沿った関節部材1016の軸方向長さは、第1のカラー部1008aの軸方向長さよりも長く、関節部材1016が第1のカラー部1008a内に配置される間、関節部材1016の近位部の少なくとも一部が第1のカラー部1008aの近位端部の近位にあり得る。例えば、
図39及び
図40は、第1の凹状面1072が対応する上腕骨構成要素の少なくとも一部を収容するために構成されるように、関節アセンブリ1004がロック構成にあるとき、関節部材1016の内部上方リム1060(例えば、第1の凹状面1072)が第1のカラー部1008aを超えて近位方向に延び得ることを示す。
【0110】
関節アセンブリ1004は、特定の有利な特徴を有し、有利な組み立て方法を可能にする。カラー部1008a、1008bは分離可能である。このように、関節部材1016は、カラー部1008bと整合するように構成された端部からカラー部1008a内に挿入され得る。関節部材1016は、関節部材1016が内部上方リム1060に隣接するか接触するまでカラー部1008aの内部に前進することができる。内部上方リム1060は、関節部材1016の外周よりもサイズが小さい内周を有する。従って、内部上方リム1060は、関節部材1016がカラー部1008aから引き抜かれることを効果的に抑制して防止できる。関節部材1016は、関節部材1016を含む内部上方リム1060によりその外周に沿って締まり嵌めされる必要はない。これにより、手やより力のいらないツールで遥に容易に挿入することが可能になる。より少ない力で組み立てが可能になることによって、関節部材1016の関節面を保護することができる。また、ロックリング1012がステム1024に更に容易に組み立てられ得る。ロックリング1012は、リングの拡張が制限されなかったりあまり制限されないように内部下方リム1050から離れて位置することができる。この位置において、ヘッド1028はより少ない力でロックリング1012を介して前進することができる。これはまた、ヘッド1028の凸状関節面を保護する。その後、上述の通り、カラー部1008a、1008bが結合され、その後固定され得る。
【0111】
H.拡張可能な関節部材のロックメカニズムを備えた橈骨頭アセンブリ
図41は、特定の実施形態において、橈骨頭アセンブリ1100が関節ヘッド1128を収容するように構成される、1つ以上の捕捉部材1170を含む関節部材1116を含むことができることを示す。橈骨頭アセンブリ1100は、以下で異なって説明される以外は、橈骨頭アセンブリ100と類似する。従って、特に言及されない限り、
図41の同様の参照符号は、アセンブリ100の構成要素、又は同様の特徴を有する本明細書に説明される他の図の構成要素と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図41に示す橈骨頭アセンブリ1100を参照して説明される特徴が、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図41に示す橈骨頭アセンブリ1100の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることも理解されたい。
【0112】
図41は、橈骨頭アセンブリ1100の一実施形態の断面図を示す。橈骨頭アセンブリ1100は、関節アセンブリ1104と、ステム1124と、を含むことができる。関節アセンブリ1104は、関節部材1116と、ロックリング1112と、カラー1108と、を含む。関節部材1116は、ロック解除構成及びロック構成を有する。例えば、関節部材1116は、ロック解除位置とロック位置との間でカラー1108に対して軸方向に移動するように構成される。例えば、関節部材1116は、ロック解除位置及び/又は予め組み立てられた構成にあるとき、カラー1108に対して遠位位置に位置し得る。これに関して、遠位は、ステムが位置するカラー1108の端部を向く。ロック解除位置及び/又は予め組み立てられた構成において、関節部材1116の1つ以上の捕捉部材1170はカラー1108の外部にある。カラーの外部にあるとき、捕捉部材1170は偏向するか、又はアセンブリ1100の中心軸から離れるように拡張することができる。拡張又は偏向すると、関節部材1116はステム1124の少なくとも一部を収容することができる。他の例として、関節部材1116は、カラー係合特徴部1184が1つ以上の捕捉部材1170と相互作用して、ステム1124からの関節部材1116の分離を可能にする関節部材1116の偏向又は拡張を抑制するように、ロック解除構成からロック構成に移行するために近位方向に移動することができる。一部の実施形態において、ステム1124の近位部は、凸状の関節ヘッド1128を含むことができる。例示された実施形態において、凸状の関節ヘッド1128は半円状である。
【0113】
関節部材1116は、近位部1140と、遠位部1142と、を有することができる。遠位部1142は、第1の骨と結合されるステム1124の凸状の関節ヘッド1128と結合するように構成される。関節部材1116は、カラー1108の相互作用するように構成されたロックリング1112と係合することができる。近位部1140は、対応する上腕骨構成要素の少なくとも一部を収容するように構成された第1の凹状面1072を含むことができる。
【0114】
近位部1140は、場合によっては、関節部材1116の近位部1140に内部チャンネル1141を有する関節部材の外面を含むことができる。内部チャンネル1141は、関節部材の外面から内周に延びる内面を有することができる。内部チャンネル1141の内周は、関節部材の外面から半径方向又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。内部チャンネル1141の外周と内周との距離は、内部チャンネル1141の幅に対応することができる。内部チャンネル1141の幅は一定であり得る。内部チャンネル1141は、ロックリング1112の少なくとも一部とインターフェースするように構成され得る。内部チャンネル1141は、関節部材1116がロック解除構成とロック構成との間でカラー1108に対して軸方向に移動する際に、内部チャンネル1141内に少なくとも部分的にロックリング1112を保持するように構成される。
【0115】
ロックリング1112は、リング開口を規定し、関節部材1116の内部チャンネル1141の少なくとも一部に沿って延びるリング壁を有することができる。リング壁は、(
図41に示すように、)圧縮した構成と拡張した構成との間でリング壁が拡張するように構成されたスロットを有することができる。ロックリングの弾性は、一部の実施形態において、拡張後にリングが圧縮されるようにする。ロックリング1112は、内部チャンネル1141の幅よりも少なくとも部分的に大きい寸法(例えば、静止直径)を有することができる。例えば、静止状態にあるときのロックリング1112の半径方向の幅は、ロックリング1112の少なくとも一部が拡張した構成にあるときに関節部材1116の外面を超えて放射状に延びるように、内部チャンネル1141の半径方向の幅よりも大きくすることができる。例えば、
図41は、本明細書でより詳細に説明されるように、ロックリング1112がカラー1108の内部捕捉面1109及び/又は移行面1110と軸方向に整列する際に、ロックリング1112が関節部材1116の外面を超えて延び得ることを示す。この構成は、ロックリング1112がカラー1108の内部捕捉面1109に対して軸方向に整列するまで関節部材1116がカラー1108内に少なくとも部分的に配置されることにより、ロックリング1112が関節部材1116の内部チャンネル1141内に挿入され、カラー壁の内面と内部チャンネル1141の内周との間で圧縮し得るようにする。ロックリング1112が内部捕捉面1109と軸方向に整列することによって、ロックリング1112が拡張してカラー1108の内部捕捉面1109及び関節部材1116の内部チャンネル1141の少なくとも一部に当接して構成され得る。内部捕捉面1109及び内部チャンネル1141とロックリング1112との当接は、関節部材1116に対する積極的な停止を提供して、関節部材1116がカラー1108に対して更に軸方向に移動して関節アセンブリ1104をロック構成に移行することを防止する。
【0116】
一部の実施形態において、関節アセンブリ1104は、関節ヘッド1128上に関節アセンブリ1104を移植する前に予め組み立てられた構成に位置し得る。関節アセンブリ1104は、ロックリング1112及び関節部材1116を少なくとも部分的にカラー1108内に配置することによって部分的に組み立てられ得る。ロックリング1112は、関節部材1116の内部チャンネル1141に沿って配置され得、カラー1108の遠位開口を介してカラー1108内に挿入され得る。ロックリング1112は、場合によっては、ロックリング1112の円周方向に圧縮する際に、カラー1108内に挿入され得る。カラー1108の遠位端部面1111はテーパ状であり得る。遠位端部面1111のテーパ角度及び長さは、ロックリング1112及び関節部材1116がカラー1108に挿入される際にロックリング1112の挿入及び/又は圧縮を容易にするように構成され得る。関節部材1116及びロックリング1112は、ロックリング1112が保持部分1009’と軸方向に整列するまでカラー1108内に挿入され得る。保持部分1009’は、カラー1108の内壁の一部を含むことができる。内壁は、移行面1110を含むことができる。移行面1110は、後述の通り、カラー1104と関節部材1116との間の相対的な移動の際にロックリング1112が自動的に圧縮させることができるカラー1108の一部を提供することができる。
【0117】
ロックリング1112が保持部分1009’と軸方向に整列する際に、ロックリング1112は、カラー1108の保持部分1009’の少なくとも一部に拡張及び当接して構成され得る。保持部分1009’及び内部チャンネル1141とロックリング1112との当接は、関節部材1116に対する一時的に積極的な停止を提供して、関節部材1116に更なる力が加えられるまで関節部材1116がカラー1108に対して更に軸方向に移動することを防止する。ロックリング1112が保持部分1009’に当接することによって、関節アセンブリ1104は予め組み立てられた構成にあり、ステム1124の関節ヘッド1128と結合するように構成され得る。予め組み立てられた構成にある間、ロックリング1112は保持部分1009’に沿ってカラー1108と結合され、内部カラー面によって制限又は拘束され得ない。移行面1110は、保持部分1009’と捕捉面1109との間に配置された角度のある面又はテーパ面であり得る。移行面1110は、ロックリング1112の圧縮を容易にするように構成され、関節部材1116が関節ヘッド1128を収容してロック構成に移行する際に、カラー1108内でロックリング1112が内部捕捉面1109と軸方向に整列する位置にロックリング1112を前進させることができる。例えば、移行面1110は、保持部分1109’の近位カラーの内部の周囲に配置されたテーパ面を含むことができる。移行面1110の近位部のテーパ角度及び長さは、ロックリング1112及び関節部材1116が予め組み立てられた構成からロック構成に移行する際に、ロックリング1112の挿入及び/又は圧縮を容易にするように構成され得る。場合によっては、圧縮スリーブツール又は任意の他の適切なツールが、ロックリング1112及び関節部材1116がカラー1108内に挿入される前及び/又は挿入と同時にロックリング1112を圧縮するために使用され得る。一部の実施形態において、関節アセンブリ1104が予め組み立てられた構成にあるとき、移行面1110と遠位端部面1111との間の保持部分1109’の遠位部は、カラー1108に対して遠位方向にロックリング1112及び関節部材1116が移動することを抑制するように構成されたカラー内面から突出部を含むことができる。
【0118】
カラー1108は、近位カラー開口と、遠位カラー開口と、前記近位カラー開口に近接する内部捕捉面1109を規定するカラー壁と、を有する。カラー壁は、場合によっては、前記カラー壁に沿って一般に均一な内径を含むことができる。例えば、カラー壁がカラー1108の遠位開口に接近することによって、カラー壁の内径が減少し得ない。内部捕捉面1109は、カラー内壁から外周まで延びる内面を有することができる。内部捕捉面1109の外周は、カラーの内壁から半径方向に又は横方向に一定の距離だけ離隔することができる。内壁と内部捕捉面1109の外周との距離は、関節アセンブリ1104がロック構成に移行される際に、ロックリング1112の少なくとも一部とインターフェースするように構成され得る。本明細書で説明されるように、場合によっては、ロックリング1112が内部捕捉面1109と軸方向に整列する際に、ロックリング1112がカラー1108の内部捕捉面1109及び関節部材1116の内部チャンネル1141に配置されるように、ロックリング1112は関節部材1116の内部チャンネル1141から半径方向に拡張するように構成される。このようなやり方で、関節アセンブリ1104は、ロック構成にあり、関節部材1116は、ロックリング1112によりカラー1108に対して軸方向に移動できない。
【0119】
関節部材1116の遠位部1142は、1つ以上の捕捉部材1170を含むことができる。本明細書でより詳細に説明されるように、関節アセンブリ1104がロック構成にあるとき、1つ以上の捕捉部材1170はカラー1108内に少なくとも部分的に配置され得る。1つ以上の捕捉部材1170は、関節部材1116がロック解除構成においてステム1124と結合される際に、ステムの関節ヘッド1128の少なくとも一部を収容するように構成され得る。1つ以上の捕捉部材1170は、関節ヘッド128の形状に対応するように成形され得る関節空間1120を少なくとも部分的に規定することができる。
【0120】
同様の特徴を有する本明細書で説明される他の図を参照して説明されるように、関節ヘッド1128が関節空間1120内に挿入されるとき、例えば、関節アセンブリ1104がロック構成にあるとき、関節空間1120及び/又は関節部材1116は、関節アセンブリ1104の両極性関節体を許容するようにサイズ化及び成形され得る。両極性関節体は、関節ヘッド1128に対する関節部材1116の回転を提供することができる。例えば、関節部材1116は、1つ以上の捕捉部材1170の1つ以上の関節係合特徴部1118と関節ヘッドとを係合することができる。関節係合特徴部1118は、ロック構成にあるとき、関節係合特徴部1118が関節空間1120からの関節ヘッド1128の取り外しを抑制しつつ、関節アセンブリ1104に対して関節ヘッド1128の回転移動をある程度許容するように、関節ヘッド1128と相互作用することができる。例えば、(
図41に示すように、)動作範囲の1つの限度において、関節ヘッド1128は第2の関節係合特徴部1118’と接触し得る反面、関節ヘッド1128と関節係合特徴部1118との間に隙間が存在する。
【0121】
1つ以上の捕捉部材1170は、各々拡張され、関節ヘッド1128が関節部材1016の遠位端部で1つ以上の捕捉部材1170によって規定された開口を通過できるように構成される。このようなやり方で、関節ヘッド1128は関節部材1116及び関節空間1120内に配置され得る。例えば、関節部材1116内の1つ以上のスロット1117が存在し得、1つ以上の捕捉部材1170に沿って規定され得る。関節部材1116の1つ以上のスロット1117は、1つ以上の捕捉部材1170が互いに近づいたり離れたりするように移動し得るように構成される。例えば、一実施形態において、1つ以上のスロット1117は、1つ以上の捕捉部材1170及び関節部材1016の遠位端部における開口の偏向、拡張及び/又は圧縮を可能にする。一部の実施形態において、1つ以上の捕捉部材1170の弾性又は偏向可能な特性は、1つ以上の捕捉部材1170を関節ヘッド1128の幅よりも小さい内周を有するように圧縮、又は偏向させたり、又は緩和した状態に戻すことができることを提供する。
【0122】
図41は、ロック構成にあるとき、1つ以上の捕捉部材1170が各々カラー1108の遠位部内に少なくとも部分的に配置されるように構成され得ることを示す。関節部材1116は、関節部材1116がカラー1108内に挿入される際に、ロック解除構成からロック構成への関節部材1116の移行を容易にすることができる捕捉部材移行面1119を含むことができる。 捕捉部材移行面1119は、1つ以上のスロット1117に対して遠位位置に配置された角度のある又はテーパ面であり得る。捕捉部材移行面1119は、関節部材1116がロック構成に移行する際に、1つ以上の捕捉部材1170がカラー1108内で前進し得るように、1つ以上の捕捉部材1170の圧縮を容易にするために構成され得る。例えば、捕捉部材移行面1119は、1つ以上のスロット1117に対して遠位にある関節部材1116の外面の周囲に配置されたテーパ面を含むことができる。捕捉部材移行面1119の近位部のテーパ角度及び長さは、関節部材1116が予め組み立てられた構成からロック構成に移行する際に1つ以上の捕捉部材1170の挿入及び/又は圧縮を容易にするように構成され得る。
【0123】
一部の実施形態において、カラー内面は、前記カラー内面に沿って少なくとも部分的に配置されたカラー係合特徴部1184を有する。関節部材1116及び1つ以上の捕捉部材1170がカラー1108に挿入されてロック構成に配置される際に、カラー1108のカラー係合特徴部1184は、カラー1108の遠位部内に1つ以上の捕捉部材1170を圧縮させた状態に保持するように構成され得る。カラー係合特徴部1184は、場合によっては、関節アセンブリ1104がロック構成にあるとき、関節空間1120からの関節ヘッド1128の取り外しを抑制するために、1つ以上の捕捉部材1170が拡張されることを防止するように1つ以上の捕捉部材1170と相互作用することができる。場合によっては、カラー係合特徴部1184は、1つ以上の捕捉部材1170がカラー1108内に挿入される際に、1つ以上の捕捉部材1170の整合面1172とインターフェースし、及び/又は1つ以上の捕捉部材1170の少なくとも1つに当接するように構成され得る。1つ以上の捕捉部材1170及び/又はカラー係合特徴部1184と整合面1172との当接は、1つ以上の捕捉部材1170に対して積極的な停止を提供して、1つ以上の捕捉部材1170が関節空間1120から関節ヘッド1128を拡張したり取り外すことを防止する。
【0124】
カラー係合特徴部1184は、1つ以上の捕捉部材1170が拡張した構成にあるとき、整合面1172の外周よりも少なくとも部分的に小さい寸法を有する内径を規定することができる。
図41は、整合面1172がカラー1108のカラー係合特徴部1184に対して配置される際に、カラー係合特徴部1108が1つ以上の捕捉部材1170に直接当接し、1つ以上の捕捉部材1170の動作及び/又は拡張を抑制することを示す。本明細書で説明されるように、1つ以上の捕捉部材1170の動作(例えば、拡張)の防止は、有利には、関節部材1116の遠位開口を介して関節空間1120からのステム1124の関節ヘッド1128の取り外しを抑制する。
【0125】
カラー係合特徴部1184は、カラー1108の内壁からの突出部を含むことができる。例えば、カラー係合特徴部1184は、前記カラー係合特徴部1184が整合面1172に隣接して配置され、及び/又は整合面1172と整列する際に1つ以上の捕捉部材1170の整合面1172と係合するように構成される。カラー係合特徴部1184は、整合面1172がカラー係合特徴部1184と相互作用するときに、1つ以上の捕捉部材1170の放射状の拡張を防止するように構成され得る。カラー係合特徴部1184は、拡張を防止するために、整合面1172と相互作用するのに好適な任意の特徴部を含むことができる。例えば、カラー係合特徴部1184は、相互作用嵌合、ねじ嵌合、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他の方法により、整合面1172と係合するように構成される、ペグ、棘、ねじ、又は他の突出構造を含むことができる。一部の実施形態において、
図41に示すように、カラー係合特徴部1184は、整合面1172の外部凹状構造と相互作用し得る外部凸状構造を含むことができる。
【0126】
III.強化された肘関節アセンブリのための移植方法
図2~
図15に示す橈骨頭アセンブリ100を再度参照すると、使用の際、ステム124は、関節アセンブリ104がステム124上に位置する前に、橈骨内に移植され得る。ステム124は、前記ステム124の関節ヘッド128を関節アセンブリ104の関節空間120内に挿入することによって、関節アセンブリ104に固定される。一部の場合において、橈骨頭アセンブリ100は交換する必要があり得る。ステム124は、関節アセンブリ104が交換される間、橈骨と結合した状態にあり得る。外科医は、新しい関節アセンブリ104、又は異なる構成の関節アセンブリ104を提供することができる。
図20A及び
図20Bは、本明細書で開示される、装置の移植に関連する手術方法の態様を示す。
図21は、本明細書で開示される、装置の取り外しに関連する手術方法の態様を示す。
【0127】
A.ステムの関節ヘッドに関節アセンブリを移植する方法
図2、
図20A、
図20B、及び
図23A~
図23Eは、肘関節プロテーゼを移植するための多様な手術方法を示す。前記方法において、ステム124の遠位部は、ステム124の近位端部130から延びる関節ヘッド128と共に第1の骨に取り付けられる。関節は、処置中に分離又は脱臼し得るが、ヘッド128の位置は、処置の後、第1の骨と第2の骨との間の関節腔にあり得る。例えば、ステム124は、肘関節に隣接する橈骨に取り付けられ得、関節ヘッド128は、処置の完了後、橈骨と上腕骨との間に配置され得る。一部の実施形態において、ステム124は環状部材132を含む。環状部材132は、ステム124の遠位部が第1の骨の中へ挿入される際に積極的な停止として作用することができる。
図20Aに示すように、ステム124は、環状部材132が第1の骨に近接する位置にいくまで挿入され得る。環状部材132は、関節アセンブリ104による橈骨上への衝突に対して保護することができる。
【0128】
図2、
図20A、及び
図20Bを参照すると、
図20Aに示すように、関節アセンブリ104は、関節ヘッド128上に関節アセンブリ104を移植する前に完全に組み立てられ得る。関節アセンブリ104は、ロックリング112及び関節部材116を少なくとも部分的にカラー108内に配置することによって組み立てられ得る。ロックリング112は、ほぼ又は一切圧縮されることなく、第2のカラー開口168を介してカラー108内に挿入され得る。ロックリング112は、円周方向に圧縮される際、第1のカラー開口164を介してカラー108内に挿入され得る。
図20Aに示すように、ロックリング112は、自由構成でカラー108内に配置され得る。自由構成にある間、ロックリング112はカラー108と結合解除され、内部カラー面172によって制限又は拘束され得ない。ロックリング112は、上述の通り、カラー108内部での軸方向及び/又は半径方向に動くことが可能である。
図20Aは、ロックリング112と内部カラー面172との間に配置される隙間G8を示す。隙間G8は、ロックリング112が内部カラー面172によって拘束されず、カラー108内で円周方向又は横方向に拡張されることを可能にする。ロックリング112は、スロット232がアパーチャ180と回転整列する位置でカラー108内に配置され得る。次いで、ロックリング112は、本明細書で説明されるように、ロックリング112の取り外しを容易にするために、スロット232がアパーチャ180と長手方向に整列する位置にカラー108内で前進し得る。
【0129】
関節アセンブリ104の組み立ての間、関節部材116は少なくとも部分的にカラー108内に挿入される。突出部264は、関節部材116のカラー108内への挿入の際、積極的な停止として作用する外部リム268と共にカラー108内に前進し得る。近位部140は、カラー108の近位部144の外部に露出し得、従って、第2のカラー開口168に近接して位置する第1の凹状面272を残すことができる。突出部264は、(
図7及び
図8に示すように、)カラー接続特徴部184及び回転防止特徴部188の少なくとも1つとの相互作用を介して、カラー108内に固定され得る。上述の通り、遠位端部面280は、カラー108の遠位端部に非常に短く配置され得、これはロックリング112にカラー108の内部での軸方向及び半径方向の可動域を提供する。
【0130】
カラー108、ロックリング112、及び関節部材116は、関節アセンブリ104が完全に組み立てられるときに、関節アセンブリ104の内部に関節空間120を規定する。関節ヘッド128を関節空間120内に挿入するために、
図20Aに示すように、関節アセンブリ104の第1のカラー開口164が関節ヘッド128上に配置される。関節ヘッド128は、ロックリング112の遠位部240と相互作用する。関節ヘッド128との相互作用は、カラー108内のロックリング112を関節部材116の遠位端部に当接した位置に近位方向に前進させることができる。関節ヘッド128の長手軸方向の力F4が関節アセンブリ104に加えられ得る。力F4は、関節アセンブリ104を関節ヘッド128に係合させ、関節部材116と関節ヘッド128との間でロックリング112を圧縮させることができる。力F4が加えられると、関節ヘッド128がリング開口224内に前進し得、次いでロックリング112を拡張することができる。スロット232は、2つの自由端部233が互いに離れることを可能にする。このように、ロックリング112の内径Dは、隙間G8によって提供された空間内で増加する。ロックリング112の拡張は、関節ヘッド128がロックリング112の増加した直径Dを介して前進することを可能にする。ロックリング112を通って挿入されると、関節ヘッド128は、ロックリング112と第2の凹状面276との間の関節空間120に配置される。ロックリング112は、関節ヘッド128と内部カラー面172の角度のある部分176との間に配置される。
【0131】
図20Bは、ロック構成においてロックリング112を配置する方法を示す。関節ヘッド128が関節空間120内に配置される際に、ステム124と関節アセンブリ104との間に伸延力F8が加えられて、橈骨頭アセンブリ100をロック構成に位置させることができる。伸延力F8及び対応する同等の対向する反力F8’が、橈骨頭アセンブリ100に加えられ得る。伸延力F8は、(
図11に示すように、)ロックリング112の近位部238が関節ヘッド128とインターフェースするようにする。伸延力F8が加えられると、関節ヘッド128は、ロックリング112を第1のカラー開口164に隣接した位置に遠位方向に前進し得る。ロックリング112の角度のある外面228は、内部カラー面172の角度のある部分176と係合し得る。ロックリング112の移動は、ロックリング112と内部カラー面172との間の隙間G8を遠位方向に減少させる。隙間G8が減少することによって、ロックリング112の拡張能力が減少する。これは、ステム124が関節アセンブリ104から思いかけず外れることを防止する。
【0132】
一部の実施形態において、関節ヘッド128に伸延力F8を加え続けると、ロックリング112の遠位部150が、第1のカラー開口164に対して遠位に配置されたロック構成に入る。少なくとも1つのリング接続特徴部236が、カラー壁160と係合して、カラー108内にロックリング112を保持することができる。上述の通り、リング接続特徴部236は、カラー108からのロックリング112の分離を防止するように構成され得る溝又はフランジを含むことができる。カラー壁160は、ロックリング112を拘束することができ、ロック構成にあるとき、ロックリング112の拡張を抑制することができる。ロック構成は、関節ヘッド128がロックリング112を通って関節アセンブリ104を分離させることを防止する。また、ロック構成は、両極性関節体を許容するが、橈骨頭アセンブリ100を使用するプロテーゼにおいて自然な又はほぼ自然な関節動作を提供するためにかなりの動作を提供する。
【0133】
図20Cは、ロックリング112の円周方向溝237とカラー108の遠位部146との間の接続を確認する他の方法を示す。カラー108の周囲にロックリング112を着座させるように構成された遠位端部604を有するアクチュエータ600が提供できる。遠位端部は、環状部材132とロックリング112の遠位部との間に挿入され得る2つの対向する枝(tine)を有するU字状構成を有することができる。環状部材132とロックリング112との間の空間に挿入されると、ステム124に対するさらなる挿入及び/又は回転がカラー108の遠位部146と円周方向溝237を係合させることができる。アクチュエータ600のための近位端部608は、同様に挿入されるように構成された枝を有する他のU字状部分を有することができる。(アクチュエータ600の下から上まで測定される)枝の深さは、遠位端部604よりも近位端部608の方が大きい。近位端部608の枝は、環状部材132からロックリング112までの距離がより長いステムに適する。アクチュエータ600は、細長いバー部材として構成され得る。遠位端部604と近位端部608との間のスパン412において、握持部616が下側に形成され得、把持部620が上側に形成され得る。把持部616、620は、外科医がアクチュエータ600を握って作動させるのを補助する。
【0134】
この方法は、
図2~
図15に示す橈骨頭アセンブリ100の文脈において説明しているが、同様の方法が
図17~
図19に示す橈骨頭アセンブリ400、480を移植するのに使用され得る。
【0135】
図23A~
図23Eは、一部の実施形態による、肘関節プロテーゼを移植するための手術方法の様々な図である。特に、
図23A~
図23Eは、
図4A及び
図4Bを参照して本明細書で説明される、関節部材116’を含む関節アセンブリ104’を移植するための手術方法を示す。特に言及されない限り、
図23A~
図23Eにおいて、同様の参照符号は、本明細書で説明される他の図と同一、又は一般と類似する構成要素を指す。
図23A~
図23Eに示す関節部材116’を参照して説明される特徴は、本明細書で説明及び/又は考慮される任意の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。また、本明細書に説明及び/又は例示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素は、
図23A~
図23Eに示す関節部材116’の任意の実施形態の任意の異なる特徴、構造、材料、ステップ、又は構成要素と共に使用され得るか、或いはその代わりに使用され得ることも理解されたい。
【0136】
一部の実施形態において、
図23Aに示すように、関節アセンブリ104’は、関節ヘッド128上に関節アセンブリ104’を移植する前に、ロック解除構成で組み立てられる。関節部材116’は、カラー108内に部分的に挿入され得、それにより、関節部材116’のベース260の遠位端面とカラー108の近位部144の近位端部との間に隙間G10を生成できる。近位部140、及び突出部264の少なくとも一部は、カラー108の近位部144の外部に露出し得る。カラー108内に挿入された突出部264の部分は、(
図7及び
図8に関して説明される)カラー接続特徴部184及び回転防止特徴部188の少なくとも1つとの相互作用を介して、カラー108内に固定され得る。一部の実施形態において、
図23Aに示すように、関節部材116’の遠位端部面280(
図14及び
図15を参照)がカラー108の内部での軸方向及び半径方向の可動域を有するロックリング112を提供するカラー108の遠位端部に近接する位置に配置され得る。代案として、関節部材116’は、ロックリング112がカラー108内で自由構成又はロック解除構成にあるとき、遠位端部面280がロックリング112に当接するように、カラー108内に十分に挿入され得る。
【0137】
本明細書で説明されるように、カラー108、ロックリング112、及び関節部材116’は、関節アセンブリ104’が組み立てられる際に、関節アセンブリ104’の内部に関節空間120を規定する。関節ヘッド128を関節空間120内に挿入するために、関節アセンブリ104’の第1のカラー開口164は、
図23A及び
図23Bに示すように、関節ヘッド128上への関節アセンブリ104’の軸方向の移動により示されるように、関節ヘッド128上に配置される。関節ヘッド128は、ロックリング112の遠位部240と相互作用する。関節ヘッド128との相互作用は、
図23Bに示すように、カラー108内のロックリング112を関節部材116’の遠位端部に当接した位置に近位方向に前進させることができる。関節ヘッド128の長手軸方向の力F4が関節アセンブリ104’に加えられ得る。力F4は、関節アセンブリ104’を関節ヘッド128と係合させ、関節部材116’と関節ヘッド128との間でロックリング112を圧縮させることができる。力F4が加えられると、関節ヘッド128がリング開口224内に前進し得、次いでロックリング112を拡張することができる。スロット232は、2つの自由端部233が互いに近づいたり離れたりすることを可能にする。このように、ロックリング112の内径D(
図9及び
図10を参照)は、隙間G8によって提供された空間内で増加するか、又は以下で説明されるように減少する。ロックリング112の拡張は、関節ヘッド128がロックリング112の増加した直径Dを介して前進することを可能にする。ロックリング112を介して挿入されると、関節ヘッド128は、ロックリング112と第2の凹状面276との間の関節空間120に配置される。ロックリング112は、
図23Cに示すように、関節ヘッド128と内部カラー面172の角度のある部分176(
図7及び
図8を参照)との間に配置される。
【0138】
図23C~
図23Eは、
図23Dに示すロックツール328の使用を通じて、ロックリング112をロック構成に配置する方法を示す。関節ヘッド128が関節空間120内に配置される際に、圧縮力F10、F10’(
図23Cを参照)がカラー108の遠位端面と関節アセンブリ116’の近位端部との間に加えられ、橈骨頭アセンブリ100’をロック構成に位置させることができる。圧縮力F10及び対応する同等の対向する反力F10’が、関節アセンブリ104’に加えられ得る。圧縮力F10、F10’は、関節部材116’がカラー108に対して遠位方向に移動し、ロックリング112とインターフェースするようにする。圧縮力F10、F10’が加えられると、関節部材116’及びロックリング112がカラー108に対して遠位方向に前進し、ロックリング112を第1のカラー開口164に隣接した位置に移動させることができる。ロックリング112の角度のある面228は、内部カラー面172の角度のある部分176と係合し得る。関節部材116’とロックリング112の移動は、ロックリング112と内部カラー面172との間の隙間G8を遠位方向に減少させる。隙間G8が減少することによって、ロックリング112の拡張能力が減少する。これは、ステム124が関節アセンブリ104’から思いかけず外れることを防止する。
【0139】
一部の実施形態において、圧縮力F10及びF10’を加え続けると、突出部264は関節部材116’がカラー108内に挿入される際に、積極的な停止として作用する外部リム268と共にカラー108内に前進し得る。関節部材116’の突出部264は、関節部材116’の外部リム268がカラー108の近位面と係合する際に、ロックリング112の遠位部150が第1のカラー開口164に対して遠位に配置されたロック構成に入るのに十分な長さを有することができる。少なくとも1つのリング接続特徴部236は、カラー108にロックリング112を保持するためにカラー壁160と係合することができる。上述の通り、リング接続特徴部236は、カラー108からのロックリング112の分離を防止するように構成され得る、溝又はフランジを含むことができる。カラー壁160は、ロックリング112を拘束することができ、ロック構成にあるとき、ロックリング112の拡張を抑制することができる。ロック構成は、関節ヘッド128がロックリング112を通って関節アセンブリ104’を分離させることを防止する。また、ロック構成は、両極性関節体を許容するが、橈骨頭アセンブリ100を使用するプロテーゼにおいて自然な又はほぼ自然な関節動作を提供するためにかなりの動作を提供する。
【0140】
B.関節アセンブリを取り外す方法
上述の通り、本明細書で開示される関節及び橈骨頭アセンブリは、非常に安全な接続を提供する。その上、有利な機能により、分解が容易である。例えば、橈骨頭アセンブリ100が摩耗し始めると、関節ヘッド128から橈骨頭アセンブリ100を取り外す必要があり得る。
【0141】
図21は、肘関節プロテーゼシステムを取り外す手術方法を示す。前記方法において、関節アセンブリ104は完全に組み立てられ、ロック構成でステム124と係合される。ロック構成にあるとき、ロックリング112の遠位端部150は、カラー壁160に対して遠位に配置されてカラー壁160に係合される。1つ以上のリング接続特徴部236、例えば、溝又はフランジは、上述の通り、第1のカラー開口164内にロックリング112を保持するためにカラー壁の遠位端部面と係合し得る。ロックリング112は、カラー壁160に含まれ、ロックリング112が拡張されることを抑制する。
【0142】
取り外しツール324は、カラー壁160からロックリング112を分離するのに使用され得る。取り外しツール324は、その遠位部にある突出部326がカラー壁160内のアパーチャ180を通って挿入されて、ロックリング112を分離させるように構成され得る。取り外しツール324は、(
図8、
図11、及び
図21に示すように、)アパーチャ180を通って圧縮力F1を加えることができる。圧縮力F1は、リング接続特徴部236、スロット232、リング112の自由端部233、及びリング壁220の少なくとも1つに加えてロックリング112を圧縮することができる。圧縮力F1を加えることにより、ロックリング112の2つの自由端部233間の距離を減少させることができる。2つの自由端部233が互いに近づくと、ロックリング112の直径が減少し、ロックリング112がカラー壁160から分離され得る。
図21A及び
図22は、力F1がロックリング112に集中するように、関節アセンブリ104を固定状態に保つために、一部の実施形態において、取り外しツール324が関節部材116に作用し得ることを示す。
図22は、突出部326が取り外しツール324の1つのアームのテーパ状又はくさび状の遠位端部上に形成され得ることを示す。テーパ状又はくさび状の遠位端部は、ツール324が環状部材132とロックリング112との間の空間に付勢することを可能にする。カラー壁160から分離されると、ロックリング112は、ロック構成から自由構成に、カラー108内で近位に前進し得る。
図20Aを参照して上述の通り、隙間G8がリング壁220と内部カラー面172との間に配置され得る。自由構成は、ロックリング112が拡張することを可能にし、関節ヘッド128がロックリング112を通過できるようにする。従って、関節アセンブリ104はステム124から取り外され得る。
【0143】
この方法は、
図2~
図15に示す橈骨頭アセンブリ100の文脈において説明しているが、同様の方法が
図17~
図19に示す橈骨頭アセンブリ400、480を移植するのに使用され得る。
【0144】
用語
特定の実施形態が本明細書に説明されているが、本明細書に説明されるインプラント及び方法は、文脈によっては、任意の関節構成要素を互いに交換可能に用いることができる。
【0145】
本明細書で用いられるように、相対語の「近位」及び「遠位」は、橈骨頭アセンブリの観点から定義されるべきである。
【0146】
「できる」、「できた」、「し得る」又は「してもよい」等の条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で異なる理解がされない限り、一般に、所定の実施形態が所定の特徴、要素、及び/又はステップを含む反面、他の実施形態では含まないことを伝えるよう意図している。従って、かかる条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要であることを暗示するよう意図するものではない。
【0147】
「含む」、「有する」などの用語は同義語であり、制限を設けない方法で包括的に用いられ、さらなる要素、特徴、動作、操作等を排除するものではない。また、「又は」という用語は、包括的な意味(排他的な意味ではない)として用いられるため、例えば、要素のリストをつなげるのに用いられる場合、「又は」という用語はリストの要素の1つ、一部、又は全てを意味する。なお、本明細書及び添付の請求の範囲で用いられた「a」、「an」及び「the」は、特に明記しない限り、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」を意味するものと解釈されたい。
【0148】
本明細書に開示している範囲はまた、あらゆる重複、下位範囲、及びその組み合わせを含む。「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「ないし」などの言語は、言及された数字を含む。「約」又は「略」といった用語が前に付いている数字には、言及された数字が含まれ、状況に応じて(その状況において合理的に可能な限り正確に、例えば±5%、±10%、±15%等)解釈されたい。例えば、「約1」は「1」を含む。「実質的に」、「一般に」等の用語が前にくる句には、言及された句節を含み、状況に応じて(例えば、その状況においてできるだけ合理的に)解釈されたい。例えば「実質的に球形」は、「球形」を含む。特に明示されない限り、すべての測定は、温度及び圧力を含む標準条件で行われる。
【0149】
本願で使用される場合、項目のリスト中の「少なくとも1つ」を指す句節は、単一部材をはじめ、これらアイテムの任意の組み合わせを指す。例えば、「A、B又はCの少なくとも1つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、及びAと、BとCとを含むことを意図している。「X、Y及びZのなくとも1つ」という一節のような結合語は、特に明記しない限り、項目、用語等がX、Y又はZの少なくとも1つであり得ることを伝えるのに一般的に用いられる文脈で異なって理解される。従って、このような結合語は、一般に、所定の実施形態が、それぞれが存在するためにXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つが必要であることを意味するよう意図していない。
【0150】
本明細書に特定の実施形態及び実施例が説明されているが、本開示に示され説明されている肘関節プロテーゼについて、多くの変形及び修正が行われ得ることが強調されるべきであり、これらの要素は、さらなる実施形態又は許容可能な実施例を形成するために、異なって組合される及び/又は修正されるものと理解されたい。かかる修正及び変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図している。多種多様な設計及びアプローチが可能である。本明細書に説明している特徴、構造又はステップは、必須でも必要不可欠でもない。
【0151】
一部の実施形態は、添付図面に関連して説明されている。しかし、図面は縮尺通りに描かれたものでないことを理解されたい。距離、角度などは、単に例示的なものに過ぎず、必ず図示された装置の実寸及びレイアウトとの正確な関連性を示すものではない。構成要素は、追加、除去及び/又は再配列され得る。なお、多様な実施形態に係る任意の特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素等についての本明細書の開示は、本明細書で説明されるすべての他の実施形態において用いられ得る。さらに、本明細書で説明される任意の方法については、言及されたステップを行うのに適した任意の装置を使用して実行できることを理解されたい。
【0152】
本開示の目的のため、所定の態様、利点及び新規の特徴が本明細書で説明される。かかるすべての利点が、任意の特定の実施形態によって必ず達成できるわけではないことを理解されたい。従って、例えば、当業者は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ず達成することなく、本明細書で教示しているような一つの利点又は一群の利点を達成する方法により、上記開示が実現されたり行なわれ得ることを認識するであろう。
【0153】
また、例示的な実施形態が本明細書に説明されているが、本発明の範囲は、具体的に開示される実施形態を超えて、その実施形態(例えば、多様な実施形態にわたる態様)の具体的な特徴及び態様の等価の要素、修正、省略、組み合わせ又は下位の組み合わせ、並びに本開示に基づき当業者によって理解され得る本発明の適合化及び/又は変更、及び使用を有するあらゆる実施形態にて拡張され得ることを、当業者は理解されたい。請求範囲の限定は、請求範囲で使用される言語に基づいて広範囲に解釈されなければならず、本明細書に説明される例又は出願の審査中に限定されず、例は非制限的であると解釈しなければならない。また、開示している工程及び方法の動作は、動作の並べ替え及び/又は更なる動作の挿入及び/又は動作の削除を含む、任意の方法で修正され得る。従って、明細書及び実施例は、特許請求の範囲及びその均等物の全範囲により示される真の範囲並びに精神と共に単に例示としてみなされるように意図している。
【0154】
本明細書に開示された任意の方法は、言及した順序どおり行う必要はない。本明細書に開示された方法は、施術者によって行われる所定の動作を含むが、明示的に又は暗示的にこれらの動作に対する任意の第三者の指示を含むこともできる。例えば、「関節ヘッド上の関節アセンブリの開口配置」のような動作には、「関節ヘッド上の関節アセンブリの開口配置を指示すること」が含まれる。