IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

<>
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図1
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図2
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図3
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図4
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図5A
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図5B
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図6
  • 特許-介入医療装置の電気部品 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】介入医療装置の電気部品
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220124BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B5/0215 E
A61B5/0215 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021520374
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 EP2019077707
(87)【国際公開番号】W WO2020078870
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】18201007.4
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ウェーカムプ ヨハネス ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンネケン フィンセント アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】ルーウェルス マルクス コルネルス
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス エフベルトス レイニエル
(72)【発明者】
【氏名】ダイクストラ パウル
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-105008(JP,A)
【文献】特表2019-527580(JP,A)
【文献】特表2018-520744(JP,A)
【文献】特開平11-243596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0371744(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B8/00-8/15
A61B5/0215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介入装置の細長い本体構造の遠位部分に取り付けられる電気部品において、前記部品が、
平坦なキャリアベースと、
基板上に設けられた少なくとも1つの電気回路と、
有線接続によって前記電気回路に接続された少なくとも1つの電気ワイヤと、
を有し、
前記基板は、前記キャリアベースの第1の側に取り付けられ、
前記有線接続に対して、前記キャリアベースは、少なくとも部分的に導電性エッジ部分を設けられた少なくとも1つの開口部を設けられ、前記エッジ部分は、前記少なくとも1つの電気回路に接続され、
前記基板は、前記キャリアベースの前記少なくとも1つの開口部の場所と整列された少なくとも1つの凹部を設けられ、
前記ワイヤの端部は、前記基板に実質的に平行に前記少なくとも1つの凹部内に配置され、前記ワイヤの前記端部は、導電性材料によって前記導電性エッジに導電的に結合され、
前記基板及び前記少なくとも1つの電気ワイヤは、前記キャリアベースの前記第1の側に取り付けられる、
電気部品。
【請求項2】
前記キャリアベースは、可撓性層と、前記可撓性層に取り付けられた導体経路とを有する、請求項1に記載の電気部品。
【請求項3】
前記導電性エッジ部分は、前記キャリアベース上の金属パッドとして設けられ、
前記金属パッドは、前記導体経路に接続される、
請求項1又は2に記載の電気部品。
【請求項4】
前記電気回路の前記基板は、シリコンからなる剛体基板である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気部品。
【請求項5】
前記電気ワイヤの前記端部は、前記ワイヤの前記開口部に対向する側のそれぞれの前記開口部と整列してのみ除去される円周方向に包囲する電気絶縁体を設けられる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気部品。
【請求項6】
前記導電性エッジ部分は、前記キャリアベースの前記開口部分のエッジにクランプされた金属パッドとして設けられる、請求項3記載の電気部品。
【請求項7】
前記ワイヤは、前記凹部を形成する前記基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの凹部は、前記少なくとも1つの開口部が前記少なくとも1つの凹部に到達するように配置される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの凹部は、前記少なくとも1つの開口部と整列して配置されるが、前記少なくとも1つの開口部に対して変位され、前記ワイヤは、まず前記凹部を通って延在し、次いで前記開口部に到達し、
前記ワイヤは、前記凹部内の一部において電気絶縁体の円周方向層を設けられ、前記ワイヤは、前記凹部を形成する前記基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合される、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの開口部は、前記少なくとも1つの凹部と整列して配置され、前記凹部は、前記凹部の第1の部分が前記キャリアベースの開口部とともに設けられ、第2の部分が前記キャリアベースの開口部なしで設けられるように、前記開口部よりも長い延長部を有し、
前記ワイヤは、前記凹部の前記第2の部分内の一部において電気絶縁体の円周方向層を有する絶縁セクションを設けられ、前記ワイヤの前記絶縁セクションは、前記凹部を形成する前記基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合され、
前記ワイヤは、前記凹部の前記第1の部分内の一部における絶縁体なしの剥き出し端部を設けられ、前記ワイヤの前記剥き出し端部は、前記はんだ付け材料によって接続される、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項11】
前記電気部品は、介入装置用のセンサ、測定ユニット及びアプリケーションユニットの少なくとも1つとして設けられる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気部品。
【請求項12】
前記電気部品は、複数の電気回路を有し、
複数の相互接続ワイヤが、前記電気回路間に設けられ、
前記相互接続ワイヤは、前記キャリアベースの前記開口部及び前記基板の前記凹部との有線接続によって接続される、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気部品。
【請求項13】
対象の身体内に少なくとも部分的に挿入するための介入装置であって、前記装置は、
細長い本体構造と、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気部品と、
を有し、
前記本体構造は、前記対象の身体に挿入するための遠位部分を有し、
前記電気部品は、前記細長い本体構造の前記遠位部分に取り付けられる、
装置。
【請求項14】
介入装置の細長い本体構造の遠位部分に取り付けられる電気部品を製造する方法であって、
a)基板上に設けられた少なくとも1つの電気回路を有する平坦なキャリアベースを提供するステップであって、前記基板は、前記キャリアベースの第1の側に取り付けられ、
前記キャリアベースは、少なくとも部分的に導電性エッジ部分を設けられた少なくとも1つの開口部を設けられ、前記エッジ部分は、前記少なくとも1つの電気回路に接続され、
前記基板は、前記キャリアベースの前記少なくとも1つの開口部の場所と整列された少なくとも1つの凹部を設けられる、ステップと、
b)前記電気回路と接続するための少なくとも1つの電気ワイヤを提供するステップと、
c)前記少なくとも1つの電気ワイヤの端部を前記少なくとも1つの凹部内に前記基板と実質的に平行に配置するステップと、
d)前記ワイヤの前記端部を前記キャリアベースの前記第1の側に取り付け、前記ワイヤの前記端部及び前記導電性エッジ部分を導電的に結合するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
ステップc)において、前記ワイヤの前記端部は、円周方向に包囲する電気絶縁体を設けられ、
ステップd)の前に、前記絶縁体が、前記ワイヤの前記開口部に対向する側の前記それぞれの開口部と整列して除去される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記キャリアベース上に前記少なくとも1つの開口部を設け、前記ワイヤの前記開口部に対向する側の前記ワイヤの前記絶縁体を除去することが、同じレーザ除去処理ステップにおいて実行される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介入装置の電気部品、対象に少なくとも部分的に挿入するための介入装置、及び介入装置の電気部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介入医療装置では、電気部品が、提供され、例えば、カテーテル又はガイドワイヤの遠位端に一体化される。一例として、端部におけるセンサの電気回路が、配置されてもよい。このような介入装置は、対象の血管構造に挿入するために設けられるので、一体化された電気部品の寸法は、小さくなければならない。例えば、国際公開第2018/095991号パンフレットは、小型センサへの電気接続に関する。更なる例として、国際公開第2015/077449号パンフレットは、カテーテル内の半導体センサチップに関する。
【0003】
US2014/0371744A1は、第1の表面及び第2の表面を有する基板と、電子回路と、該電子回路に電気的接続を提供し、該第1の表面上に配置されるための電気的接続部と、少なくとも1つの電気ワイヤとを有する、電子回路構成を開示している。前記第1の面から前記第2の面に延びる貫通孔は、前記基板に設けられ、前記電気ワイヤは、前記貫通孔を通って配置され、かつ、前記電気ワイヤの端部の長手軸が、前記基板の前記第1及び第2の面に垂直となるように、電気接続部に接続される。
【0004】
EP0081389A2は、導体を別の導体に電気的に接続するための装置を開示し、装置は、内部に窓を有する寸法的に熱安定なポリマ層と、その窓に対して配置さ、窓を通って流れることを可能にし、ポリマ層の反対側に配置された導体間の導電接続を形成する大量の可融導電性はんだ付けとを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、カテーテル遠位端をより小さな血管構造に挿入するために、センサのサイズを更に低減する要求が高まっている。
【0006】
したがって、医療介入装置の更なる小型化を提供する必要性が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に説明される態様は、介入装置の電気部品、対象に少なくとも部分的に挿入するための介入装置、及び介入装置の電気部品を製造する方法にも適用されることに留意されたい。
【0008】
本発明によれば、介入装置の電気部品が、提供される。部品は、平坦なキャリアベースと、基板上に設けられた少なくとも1つの電気回路と、有線接続によって電気回路に接続された少なくとも1つの電気ワイヤとを有する。基板は、キャリアベースの第1の側に取り付けられる。有線接続のために、キャリアベースは、少なくとも部分的に導電性エッジ部分を設けられた少なくとも1つのスリット開口部を設けられ、このエッジ部分は、少なくとも1つの電気回路に接続される。基板は、キャリアベース内の少なくとも1つのスリット開口部の場所と整列された少なくとも1つの凹部を設けられる。更に、ワイヤの端部は、少なくとも1つの凹部内に配置され、実質的に基板と平行である。更に、ワイヤの端部は、はんだ付けによって導電性エッジ部分に導電結合される。
【0009】
その結果、電気部品のサイズは、最小限に保たれ、したがって、介入装置のより小さいサイズの遠位端を可能にする。
【0010】
一例によれば、少なくとも1つの電気回路の基板は、第1の側においてキャリアベースに取り付けられ、少なくとも1つの電気ワイヤも、第1の側においてキャリアベースに接続される。
【0011】
一例によれば、キャリアベースは、可撓性層と、該可撓性層に取り付けられた導体経路とを有する。
【0012】
例えば、可撓性キャリアプレートは、例えばガイドワイヤの曲げにより、異なる形式の介入装置に対して調整されることができる。
【0013】
一例によれば、電気回路の基板は、シリコンからなる剛体基板である。
【0014】
一例によれば、ワイヤの端部は、円周方向に包囲する電気絶縁体を設けられ、この電気絶縁体は、ワイヤのスリット開口部に対向する側のそれぞれのスリット開口部と整列して除去される。
【0015】
一例によれば、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つのスリット開口部に沿って配置されるが、変位される。更に、ワイヤは、まず、凹部を通って延在し、次いで、スリット開口部に到達する。更に、ワイヤは、凹部内の一部に電気絶縁体の円周方向層を設けられる。更に、ワイヤは、凹部を形成する基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合される。
【0016】
一例によれば、少なくとも1つのスリット開口部は、少なくとも1つの凹部と整列して配置され、凹部は、凹部の第1の部分がキャリアベース内のスリット開口部を備え、第2の部分がキャリアベース内のスリット開口部を備えないように、スリット開口部よりも長い延長部を有する。更に、ワイヤは、凹部の第2の部分内の部分において電気絶縁体の円周方向層を有する絶縁セクションを設けられ、該絶縁セクションにおいて、ワイヤは、凹部を形成する基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合される。更に、ワイヤは、凹部の第1の部分内の部分において絶縁体を有さない剥き出し端部セクションを備え、この剥き出し端部セクションには、ワイヤが、はんだ付けによって接続される。
【0017】
一例によれば、電気部品は、介入装置のためのセンサ、測定ユニット、及び応用ユニットのグループのうちの少なくとも1つに関する。
【0018】
本発明によれば、対象内に少なくとも部分的に挿入するための介入装置も、提供される。装置は、細長い本体構造と、前述の例のうちの1つに従って提供される電気部品とを有する。本体構造は、対象、例えば血管構造の血管に挿入するための遠位部分、又は遠位端を有する。更に、電気部品は、本体構造の遠位部分に取り付けられる。
【0019】
本発明によれば、介入装置の電気部品を製造する方法も、提供される。この方法は、
a)基板上に設けられた少なくとも1つの電気回路を有する平坦なキャリアベースを提供するステップであって、基板回路は、キャリアベースに取り付けられ、キャリアベースは、少なくとも部分的に導電性エッジ部分を設けられた少なくとも1つのスリット開口部を設けられ、エッジ部分は、少なくとも1つの電気回路に接続され、基板は、キャリアベース内の少なくとも1つのスリット開口部の場所と整列された少なくとも1つの凹部を設けられる、ステップと、
b)電気回路と接続するための少なくとも1つの電気ワイヤを提供するステップと、
c)少なくとも1つの凹部内に少なくとも1つの電気ワイヤの端部を配置するステップと、
d)ワイヤの端部及び導電性エッジ部分を導電的に結合するようにワイヤの端部を導電性エッジ部分に半田付けするステップと、
を有する。
【0020】
一例によれば、ステップc)において、電気ワイヤの端部は、円周方向に包囲する電気絶縁体を設けられる。更に、ステップd)の前には、絶縁体が、ワイヤのスリット開口部に対向する側のそれぞれのスリット開口部に整列して除去される。
【0021】
一態様によれば、電気回路の電気接続部は、キャリアプレート内のスリット開口部を介してはんだ付けによって接続されるケーブル接続部を設けられる。はんだ付けは、いわば反対側から供給される。ケーブルの端部は、電気回路用に設けられた基板の凹部内で基板と平行に延びている。
【0022】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0023】
発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】斜視図において介入装置の電気部品の一例を示す。
図2図1の電気部品の断面を示す。
図3】電気部品の一例の製造段階を示す。
図4】電気部品の別の例の製造段階を示す。
図5a】第1の観察方向における電気部品の更なる例の製造段階を示す。
図5b】第2の観察方向における図5aの製造段階を示す。
図6】医療検査セットアップの文脈において、対象に少なくとも部分的に挿入するための介入装置の一例を示す。
図7】介入装置の電気部品を製造する方法の一例のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、介入装置の電気部品10の一例を示す。部品10は、平坦なキャリアベース12と、基板16上に設けられた少なくとも1つの電気回路14と、有線接続20によって電気回路14に接続された少なくとも1つの電気ワイヤ18とを有する。基板16は、キャリアベース12に取り付けられる。有線接続20に対して、キャリアベース12は、少なくとも部分的に導電性エッジ部分24を設けられた少なくとも1つのスリット開口部22(図2も参照)を設けられ、このエッジ部分24は、少なくとも1つの電気回路14に接続される(詳細には図示せず)。基板16は、キャリアベース内の少なくとも1つのスリット開口部22の場所と整列された少なくとも1つの凹部26を設けられる。ワイヤ18の端部28は、少なくとも1つの凹部26内に配置される。ワイヤの端部は、導電性材料30、例えばはんだ付け材料及び/又は導電性接着剤によって導電性エッジ部分に導電的に結合される。
【0026】
基板における凹部26は、直線状に設けられており、したがって、スリット凹部と称されることもできる。凹部26は、例えば図1に示されるようなU字形の包囲基板によって形成された端壁部分を設けられてもよい。基板は、それぞれの電気回路に応じて様々な構成を有し得ることに留意されたい。また、凹部は、以下の図に示されるように、端壁なしで設けられてもよい。
図2は、図1の電気部品の断面を示す。示されるように、ワイヤ18の端部28は、はんだ接続、例えば、導電性エッジと少なくともワイヤの導電性エッジに対向する側との間のはんだ付けによって導電性エッジ部分24に導電的に結合される。加えて、はんだ付けは、ワイヤの端部を少なくとも部分的に取り囲み、従って、 包囲するように設けられてもよい。
【0027】
図2では、ケーブル18は、右側の凹部26に挿入されるが、左側の凹部26は、例示目的でケーブルなしで図示される。
【0028】
電気回路の基板は、1つの基板部分として、又は各々が平坦なキャリアベースに取り付けられた、いくつかの分割された基板部分として設けられてもよい。
【0029】
一例では、ワイヤは、ワイヤ18の端部において除去される円周方向に包囲する電気絶縁体32を設けられる。
【0030】
一例では、図2に示されるように、少なくとも1つの電気回路14の基板は、第1の側において、例えば図2の下側として、キャリアベース12に取り付けられ、少なくとも1つの電気ワイヤ18も、第1の側、例えば図2の下側においてキャリアベースに接続される。したがって、ワイヤは、電気回路の基板と同じ側に配置される。したがって、ワイヤは、回路とともに面内に設けられ、その結果、小さい管腔、例えば、小さい血管内への挿入に適した平坦な部品を生じる。
【0031】
オプションとして提供される、一例では、キャリアベース12は、可撓性層34と、可撓性層に取り付けられた導体経路とを有する。例えば、キャリアベースは、ポリイミドから作られる。導体経路は、電気回路に接続される。導体経路は、接点又は回路素子と称されることもできる。一例では、キャリアベースは、少なくとも2つの層で多層化され、導体経路は、2つの層の間に設けられる。
【0032】
更なるオプションとして提供されるが、更には図示されない一例では、キャリアベースは、剛体層を有する。
【0033】
一例では、スリット開口部は、例えばシリコン接触パッド内に金属化されたスロットとして設けられる。導電性エッジ部分は、開口部を有するボンドパッドとも称されることができる。
【0034】
図2において、導電性エッジ部分は、キャリアベース12のスリット開口部22のエッジ38上にクランプされた金属パッド36として設けられる。更に、金属パッド36は、導体経路に接続される(詳細には図示せず)。一例では、金属パッドは、アルミニウム(Al)パッド上のニッケル/金(Ni/Au)めっきとして提供される。
【0035】
オプションとして提供される、一例において、電気回路14の基板16は、シリコンから作られた剛体基板である。
【0036】
ワイヤ接続は、2つの機能を有する。第1に、機械的接続が、接続されたワイヤを所定の位置に保持する。第2に、導電性接続は、電気接続を提供する。
【0037】
オプションとして提供される一例では、電気ワイヤ18は、凹部を形成する基板のエッジ部分に接着剤40で機械的に結合される。
【0038】
除去された絶縁体32と接着剤40を用いる結合とを有する例では、機械的接続及び導電性接続の2つの機能は、互いから分離されて、しかし同じ場所に設けられる。
【0039】
図3は、電気部品の一例の製造段階を示す。
【0040】
下方左には、キャリアベース12が、スリット開口部22及び導電性エッジ部分24と共に示される。凹部26を有する基板16は、キャリアベース12の下にある。
【0041】
示されるように、1より多いスリット開口部/凹部構成が、提供されることができる。図3では、2つの平行なスリットが、示されるが、2より多い、例えば、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上が、設けられることもできる。
【0042】
下方中央では、ケーブル18が、凹部26内に挿入される。示されるように、絶縁体32は、ケーブル18の端部28において除去される。
【0043】
下方右には、ケーブル18の端部28を導電性エッジ24に接続するはんだ付けが、スリット開口部22を介して適用される。
【0044】
図3では、更なるケーブル接続が、左上部に示される。これは、例えば、センサのアレイを形成する場合に、更なる回路と接続するために提供されてもよい。
【0045】
図4は、電気部品の別の例の製造段階を示す。
【0046】
下方左には、キャリアベース12が、スリット開口部22及び導電性エッジ部分24と共に示される。凹部26を有する基板16は、キャリアベース12の下にある。
下方中央左では、ケーブル18が、凹部26に挿入される。例えば、ケーブルは、接着剤で取り付けられ、所定の位置に保持される。
【0047】
オプションとして提供される、下方中央右では、ワイヤ18の端部28は、ワイヤのスリット開口部22に対向する側におけるそれぞれのスリット開口部22と整列して除去された円周方向に包囲する電気絶縁体32を設けられる。こうして、包囲電気絶縁体32は、スリット開口部22の領域でのみ除去される。一例では、例えば、ワイヤの端部28が凹部26内に配置されると、電気絶縁32は、レーザによって除去される。一例では、電気絶縁体32は、例えば接着剤によって、ワイヤの更なる取り付け後に除去される。別の例では、電気絶縁体32は、更なる取り付けの前に除去される。
【0048】
右下には、ケーブル18の端部28を導電性エッジ24に接続するはんだ付けが、スリット開口部22を介して適用される。
【0049】
一例では、スリット開口部22は、例えば、同じレーザ除去処理においてポリイミド層、接着剤(存在する場合)、及びワイヤ絶縁体をレーザ除去することによっても提供される。このようなワークフローでは、キャリアベース12は、スリット開口部22なしで提供されてもよく、スリット開口部22は、次いで、図4の下方中央右に示されるように、第3段階の間に提供される。
【0050】
図4では、更なるケーブル接続が、オプションとして、例えば、複数の更なる回路が設けられる場合に、上方左部分に示される。
【0051】
一例では、図3及び図4に示されるように、少なくとも1つの凹部26は、少なくとも1つのスリット開口部22が少なくとも1つの凹部26内に到達するように配置される。
【0052】
したがって、重複する凹部及びスリットが、設けられる。こうして、スリット開口部22は、凹部26内に対して開放する。凹部及びスリット開口部は、スリット開口部の開口方向において整列され、すなわち、いわば垂直方向に整列される。第1の側は、下側又は底側とも称されることができ、凹部は、電気回路の基板の上側に配置されるキャリアベースに設けられたスリット開口部の下方で整列されて配置される。
【0053】
整列された凹部及びスリット、すなわち重複する凹部及びスリット配置を有する例では、2つの機能、機械的接続及び導電性接続が、例えばはんだ接続によって、一体化された形で提供される。
【0054】
図5aは、第1の観察方向における電気部品の更なる例の製造段階を示す。少なくとも1つの凹部26は、少なくとも1つのスリット開口部22に沿って配置されるが、変位される。図5aの下方中央に示されるように、ワイヤは、まず、凹部を通って延在し、次いで、スリット開口部に到達する(図5aの下方中央も参照)。ワイヤは、凹部26内の一部に電気絶縁体32の円周方向層を設けられる。更に、ワイヤは、接着剤42(詳細には図示せず)によって、凹部26を形成する基板のエッジ部分に機械的に結合される。凹部は、基板16と重複するワイヤの第1の部分にのみ設けられる。凹部26は、スリット開口部22の下(図5a又は図5bの「上」)には設けられない。
【0055】
図5aでは、更なるケーブル接続が、オプションとして上方右に示される。
【0056】
図5bは、第2の、反対の観察方向において図5aの製造段階を示す。
【0057】
図5bにおいて、基板16は、例えば設けられた電気回路に対する要求に応じて、それぞれ基板内の、いくつかのサブセグメントとして設けられることを示される。
【0058】
一例では、機械的結合が、エポキシ埋め込みによって提供される。
【0059】
機械的結合は、ワイヤ端部のはんだ接続のためのストレスリリーフを提供する。
【0060】
一例では、接着剤は、接着剤、例えばエポキシ接着剤である。
【0061】
変位された凹部及びスリットを有する例では、機械的接続及び導電性接続の2つの機能は、2つの場所において互いから分離されて提供される。
【0062】
詳細には示されない一例では、少なくとも1つのスリット開口部は、少なくとも1つの凹部と整列して配置され、凹部は、凹部の第1の部分がキャリアベースのスリット開口部とともに設けられ、第2の部分がキャリアベースのスリット開口部なしで設けられるように、スリット開口部よりも長い延長部を有する。更に、ワイヤは、凹部の第2の部分内の部分において電気絶縁体の円周方向層を有する絶縁セクションを設けられ、絶縁セクションにおいて、ワイヤは、凹部を形成する基板のエッジ部分に接着剤で機械的に結合される。更に、ワイヤは、凹部の第1の部分内の一部における絶縁なしの剥き出し端部セクションを設けられ、この剥き出し端部セクションでは、ワイヤが、はんだ付けによって接続される。このように、凹部は、ワイヤが別々に機械的に接続され、導電的に接続されるように、スリットよりも長い。
【0063】
電気部品は、介入装置のためのセンサ、測定ユニット、及びアプリケーションユニットのグループのうちの少なくとも1つとして提供される。例えば、電気部品は、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)又はCMUTトランスデューサアレイである。CMUTは、例えば、血管内超音波(IVUS)装置上の超音波画像、生理学的測定装置(例えば、フローワイヤ、血圧ワイヤ)上の流量感知及び血圧感知のうちの少なくとも1つのために使用される。
【0064】
オプションでは、電気部品は、複数の電気回路を有する。複数の相互接続ワイヤが、電気回路間に設けられる。更に、相互接続ワイヤは、キャリアベース内のスリット開口及び基板内の凹部との有線接続によって接続される。
【0065】
図6は、対象に少なくとも部分的に挿入するための介入装置50の一例を示す。装置50は、細長い本体構造52と、前述の例のうちの1つに従って提供される電気部品54とを有する。本体構造は、対象58に挿入するための遠位部分56を有する。更に、電気部品は、本体構造の遠位部分に取り付けられる。
【0066】
一例では、介入装置は、カテーテル又はガイドワイヤとして提供される。別の例では、介入装置は、血管内超音波撮像のための超音波プローブとして提供される。
【0067】
用語「対象」は、また、個人と称されてもよい。「対象」は、更に、患者と称されてもよく、この用語は、任意の病気又は疾患が対象とともに実際に存在するかどうかを示すものではないと注意される。
【0068】
図6は、一例として、医学的介入のためのシステム60に関連する介入装置50を示す。医学的介入のためのシステム60は、例えばCアームベースのX線撮像装置として示される医療撮像装置62を有してもよい。対象58は、患者支持体64上に配置されうる。
【0069】
図7は、介入装置の電気部品を製造するための方法100の一例のステップを示す 。
【0070】
ステップa)とも称される第1のステップ102では、基板上に設けられた少なくとも1つの電気回路を有する平坦なキャリアベースが、提供される。基板回路は、キャリアベースに取り付けられる。更に、キャリアベースは、少なくとも部分的に導電性エッジ部分を設けられた少なくとも1つのスリット開口部を設けられ、このエッジ部分は、少なくとも1つの電気回路に接続される。更に、基板は、キャリアベース内の少なくとも1つのスリット開口部の場所と整列された少なくとも1つの凹部を設けられる。
【0071】
ステップb)とも称される第2のステップ104では、電気回路と接続するための少なくとも1本の電気ワイヤが、提供される。
【0072】
ステップc)とも称される第3のステップ106では、少なくとも1つの電気ワイヤの端部が、少なくとも1つの凹部内に配置される。
【0073】
ステップd)とも称される第4のステップ108において、ワイヤの端部は、ワイヤの端部と導電性エッジ部分とを導電的に結合するように導電性エッジ部分に取り付けられる。これは、例えば、導電性材料(例えば、銀接着剤)ではんだ付け又は接着することによって行われることができる。
【0074】
一例では、電気回路を有する基板は、第1の側においてキャリアベースに取り付けられ、少なくとも1つの電気ワイヤも、第1の側においてキャリアベースに接続される。はんだ付けは、キャリアベースの第2の側から少なくとも1つのスリット開口部を通して行われ、第2の側は、第1の側と反対である。
【0075】
詳細には図示されないオプションでは、ステップc)において、ワイヤの端部は、円周方向に包囲する電気絶縁体を設けられる。更に、ステップd)の前に、絶縁体が、ワイヤのスリット開口部に対向する側のそれぞれのスリット開口部に整列して除去される。
【0076】
本発明の実施形態は、それぞれ異なる主題を参照して説明されることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明され、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者は、上記及び下記の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも、本出願で開示されると見なされることを理解するであろう。しかしながら、全ての特徴は、組み合わせられて、特徴の単純な合計よりも高い相乗効果を提供することができる。
【0077】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されたが、このような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され達成されることができる。
【0078】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲において記載されるいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項において言及されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7