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特許7013748ドキュメント管理装置、ドキュメント管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ドキュメント管理装置、ドキュメント管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220125BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20220125BHJP
   G06F 40/12 20200101ALI20220125BHJP
   G06F 40/197 20200101ALI20220125BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20220125BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B23P21/00 307J
G06F40/12
G06F40/197
G06Q50/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017177361
(22)【出願日】2017-09-15
(65)【公開番号】P2019053523
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】前川 裕明
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-150647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
B23P 21/00
G06Q 50/04
G06F 40/197
G06F 40/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを登録する登録手段と、
内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付け手段と、
前記関連付け手段により、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理手段と、
を備えたことを特徴とするドキュメント管理装置。
【請求項2】
前記ドキュメントを所定の配信先に配信する配信制御手段を備え、
前記配信制御手段は、内容変更前のドキュメントを、前記事象の影響を受けない個人及び/又はグループからなる第1の配信先に配信し、内容変更後のドキュメントを前記事象の影響を受ける個人及び/又はグループからなる第2の配信先に配信する請求項1に記載のドキュメント管理装置。
【請求項3】
前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記手順書に記載された作業内容の変更であり、前記配信制御手段は、内容変更後の前記手順書を前記第2の配信先である前記事象の影響を受ける作業を行うラインの作業者に配信する請求項2に記載のドキュメント管理装置。
【請求項4】
前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業に使用する部品のロットに関連する変更であり、
前記事象はライン作業に使用する部品のロットの変更であるとともに、そのロット分の部品の使用の終了によって前記事象が解消される請求項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
【請求項5】
前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業に使用する設備に関連する変更であり、
前記事象はライン作業に使用する設備の状態変化であるとともに、設備の状態変化の終了によって前記事象が解消される請求項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
【請求項6】
前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業における問題点を回避するための変更であり、
前記事象はライン作業における問題点であるとともに、問題点の解消によって前記事象が解消される請求項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
【請求項7】
前記管理手段は、ライン作業の開始を示す情報が入力された時に、前記事象が解消されたかどうかを調べ、解消されている場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う請求項3~6の何れかに記載のドキュメント管理装置。
【請求項8】
ドキュメント管理装置が、
1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを、内容変更前のドキュメントを親ドキュメントとして登録する登録ステップと、
内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付けステップと、
前記関連付けステップにより、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理ステップと、
を実行することを特徴とするドキュメント管理方法。
【請求項9】
ドキュメント管理装置のCPUに、
1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを、内容変更前のドキュメントを親ドキュメントとして登録する登録ステップと、
内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付けステップと、
前記関連付けステップにより、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理ステップと、
を実行させるためのドキュメント管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はドキュメントの管理を行うドキュメント管理装置、このドキュメント管理で実行されるドキュメント管理方法及びドキュメント管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場等における組み立てや加工等のライン作業は手順書に従って行われることが多いが、機械の不調や故障、置き換え、あるいは、組み付ける部品の変更(不良ロット、恒久的な部品の変更や仕様変更)等により、製造手順等を変更しなければならない事象が発生した場合は、手順書も変更する必要が生じる。
【0003】
しかしながら、一般には、部品の不良等は一時的なロットの不良であることが多く、設備の故障も一時的なものであることが多いため、不良部品ロットを使い切って正常なロットが入ってきた場合や、設備が故障から回復した場合等は、一時的に変更していた手順を元に戻すことが必要となり、これに伴って手順書も元に戻す必要がある。
【0004】
また、作業手順書はドキュメント管理装置によって版管理されていることが多いが、交代制の工場においては、手順変更について次担当者へ引き継ぐことも必要となり、引継ぎ漏れなどを防止するために、各自が持っている手順書ではなく、ドキュメント管理装置によって管理されている原本を変更したり元に戻すことが重要である。
【0005】
なお、特許文献1には、電子文書の管理者は、例えば、「Yamada」という名前の利用者に、文書IDが「00000001」の電子文書の印刷を一時的に許可したい場合、電子文書管理サーバ101に設けられた入力デバイス213を操作するとともに、印刷可否の欄の設定を、「印刷不可」から「印刷可」変更して、文書IDが「00000001」の電子文書の印刷を許可したのち、その電子文書の印刷が完了したことを示す印刷完了の通知をプリンタから受信すると、電子文書管理システムは、印刷可否の欄の内容を、電子文書の権限が管理者によって変更される前の状態に自動的に戻す文書権限管理装置が提案されている。
【0006】
また特許文献2には、複合文書を構成する文書部品を指定し、この複合文書の文書部品群の構成を示す構成情報を保持する構成情報テーブルを構成情報テーブル登録プログラムにより作成し二次記憶装置に格納し、構成情報テーブルに登録された構成情報に対する文書部品の新たなバージョンの追加、新規文書部品の追加、文書部品の削除が生じた場合に、複合文書バージョン更新プログラムにより構成情報を更新し、構成情報テーブルに更新前の構成情報に追加して更新後の構成情報を登録していき、複合文書バージョン履歴表示プログラムにより二次記憶装置から構成情報テーブルを読み出して表示する複合文書の管理システムが提案されている。
【0007】
また特許文献3には、アプリケーションにより作成した電子文書にアクセス許可属性,機能別ID情報を設定した状態で、かつ暗号化して記憶装置上で保存管理する場合に、PCからの簡単な属性情報変更指示に基づき、管理されている電子文書にアクセス許可情報をアクセス情報管理テーブルに設定して、該属性情報に対する個別の属性変更要求に適応して、属性情報を読み出して属性を拡張したり、禁止したりして既に作成されている電子文書に対して登録時とは異なる属性を設定して更新管理する構成を特徴とする文書処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2007-200140号公報
【文献】特開2000-259615号公報
【文献】特開2004-355610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、工場等においては、作業における手順書を一時的に変更したり元に戻したりする必要が生じるが、例えば、部品の不良→設備の故障と発生し、先に部品の不良が解消した場合のように、複数の事象の発生と解消が互い違いになることがある。このような場合は、手順書の版を戻すのではなく、設備の故障の回避手順は残しつつ、部品の不良の回避手順を戻すという煩雑な処理が発生する。
【0010】
さらに、複数のラインがある場合は、回避手順が必要なラインと、そうでないラインなどが混在する。
【0011】
このように、様々な事象による手順書の一時的な変更が必要な場合に、手順書の変更、元に戻す、といった処理が煩雑になり、即時性も保てないという問題があり、手順書の一時的な変更や、元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことのできる技術が要請されている。また、このような要請は、ライン作業における手順書だけでなく、アプリケーションの仕様書等を管理する場面においても同様に存在する。
【0012】
なお、上記特許文献1~3に開示された技術は、作業における手順書などのドキュメントを変更したり元に戻したりする技術ではなく、ドキュメントの一時的な変更や、元に戻すといった操作を簡単にかつ的確に行うことのできる技術の要請に対して、解決策を提供しうるものではなかった。
【0013】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ライン作業における手順書等のドキュメントを変更したり元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことのできるドキュメント管理装置、ドキュメント管理方法及びドキュメント管理プログラムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを登録する登録手段と、内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付け手段と、前記関連付け手段により、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理手段と、を備えたことを特徴とするドキュメント管理装置。
(2)前記ドキュメントを所定の配信先に配信する配信制御手段を備え、前記配信制御手段は、内容変更前のドキュメントを、前記事象の影響を受けない個人及び/又はグループからなる第1の配信先に配信し、内容変更後のドキュメントを前記事象の影響を受ける個人及び/又はグループからなる第2の配信先に配信する前項1に記載のドキュメント管理装置。
(3)前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記手順書に記載された作業内容の変更であり、前記配信制御手段は、内容変更後の前記手順書を前記第2の配信先である前記事象の影響を受ける作業を行うラインの作業者に配信する前項2に記載のドキュメント管理装置。
(4)前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業に使用する部品のロットに関連する変更であり、前記事象はライン作業に使用する部品のロットの変更であるとともに、そのロット分の部品の使用の終了によって前記事象が解消される前項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
(5)前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業に使用する設備に関連する変更であり、前記事象はライン作業に使用する設備の状態変化であるとともに、設備の状態変化の終了によって前記事象が解消される前項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
(6)前記ドキュメントはライン作業における手順書であり、ドキュメントの前記内容変更は前記ライン作業における問題点を回避するための変更であり、前記事象はライン作業における問題点であるとともに、問題点の解消によって前記事象が解消される前項1~3の何れかに記載のドキュメント管理装置。
(7)前記管理手段は、ライン作業の開始を示す情報が入力された時に、前記事象が解消されたかどうかを調べ、解消されている場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う前項3~6の何れかに記載のドキュメント管理装置。
(8)ドキュメント管理装置が、1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを、内容変更前のドキュメントを親ドキュメントとして登録する登録ステップと、内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付けステップと、前記関連付けステップにより、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理ステップと、を実行することを特徴とするドキュメント管理方法。
(9)ドキュメント管理装置のCPUに、1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを、内容変更前のドキュメントを親ドキュメントとして登録する登録ステップと、内容変更後のドキュメントと前記事象とを関連付ける関連付けステップと、前記関連付けステップにより、内容変更後のドキュメントと前記事象とが関連付けられた場合、前記事象が解消されるまでは前記内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、前記事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う管理ステップと、を実行させるためのドキュメント管理プログラム。
【発明の効果】
【0015】
前項(1)に記載の発明によれば、1個又は複数個のドキュメントが登録されると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントが、内容変更前のドキュメントを親ドキュメントとして登録され、内容変更後のドキュメントと事象とが関連付けられる。また、内容変更後のドキュメントと事象とが関連付けられた場合、事象が解消されるまでは内容変更後のドキュメントが最新のドキュメントとして管理され、事象が解消されると、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告が行われる。
【0016】
つまり、内容変更後のドキュメントと内容変更のきっかけとなった事象とを関連付けて管理し、事象が解消されたかどうかに基づいて、内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとしたり、内容変更前のドキュメントに戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0017】
前項(2)に記載の発明によれば、内容変更前のドキュメントを、事象の影響を受けない個人及び/又はグループからなる第1の配信先に配信し、内容変更後のドキュメントを、事象の影響を受ける個人及び/又はグループからなる第2の配信先に配信することができ、内容変更に影響を受けるか受けないかによって異なるドキュメントを配信先に配信することができる。
【0018】
前項(3)に記載の発明によれば、ライン作業における手順書について作業内容の変更後の手順書が、第2の配信先である事象の影響を受ける作業を行うラインの作業者に配信されるから、作業内容変更後の手順書が配信された作業者は、手順処理内容変更を確認することができる。
【0019】
前項(4)に記載の発明によれば、ライン作業における手順書について、ライン作業に使用する部品のロットに関連する変更があった場合は、内容変更後の手順書と事象であるライン作業に使用する部品のロットとが関連付けられる。また、ロット分の部品の使用の終了によって事象が解消されると、内容変更前の親の手順書が最新の手順書になるように管理されるか、親の手順書を最新のドキュメントとするように警告されるから、ロットに関連する変更があった場合に、手順書を変更したり元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0020】
前項(5)に記載の発明によれば、ライン作業における手順書について、ライン作業に使用する設備に関連する内容変更があった場合は、内容変更後の手順書と事象であるライン作業に使用する設備の状態変化とが関連付けられ、内容変更後の手順書が最新のドキュメントとして管理される。また、設備の状態変化の終了によって事象が解消されると、変更前の手順書に戻すか、または戻すように警告されるから、設備の状態変化に変更があった場合に、手順書を変更したり元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0021】
前項(6)に記載の発明によれば、ライン作業における手順書について、ライン作業における問題点を回避するための内容変更があった場合は、内容変更後の手順書と、事象であるライン作業における問題点とが関連付けられる。また、問題点の解消によって事象が解消されると、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告が行われるから、手順書を変更したり元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0022】
前項(7)に記載の発明によれば、ライン作業の開始を示す情報が入力された時に、事象が解消されたかどうかが調べられ、解消されている場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告が行われる。
【0023】
前項(8)に記載の発明によれば、内容変更後のドキュメントと内容変更のきっかけとなった事象とを関連付けて管理し、事象が解消されるまでは内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理され、事象が解消された場合は、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告が行われるから、事象の発生によりドキュメントの内容を変更してそれを最新のドキュメントとしたり、元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0024】
前項(9)に記載の発明によれば、1個又は複数個のドキュメントを登録すると共に、発生した事象に応じていずれかのドキュメントの内容を変更したドキュメントを登録し、内容変更後のドキュメントと事象とを関連付け、事象が解消されるまでは内容変更後のドキュメントを最新のドキュメントとして管理し、事象が解消された場合、内容変更前のドキュメントに戻すか、または戻すように警告を行う処理を、ドキュメント管理装置のCPUに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の一実施形態に係るドキュメント管理装置が用いられたドキュメント管理システムの構成を示す図である。
図2】ドキュメント管理装置の構成を示すブロック図である。
図3】ドキュメントの一例である手順書の発行、再発行、変更、戻し(ロールバック)の一例を説明するための図である。
図4】(A)はドキュメント管理データを、(B)はユーザー管理データを、(C)は部品管理データを、(D)は設備管理データを、それぞれ示す図である。
図5】手順書の暫定更新画面を示す図である。
図6】(A)は問題解消後のドキュメント管理データを、(B)は問題解消後の設備管理データを、それぞれ示す図である。
図7】(A)はドキュメント管理データの他の例を、(B)は部品管理データの他の例を、(C)は設備管理データの他の例を、(D)は問題管理データを、それぞれ示す図である。
図8】手順書の暫定更新画面の他の例を示す図である。
図9】(A)は問題解消後の図7(A)のドキュメント管理データを、(B)は問題解消後の図7(C)の設備管理データを、(C)は問題解消後の図7(D)の問題管理データを、それぞれ示す図である。
図10】各ラインのユーザーが手順書を利用するときのドキュメント管理装置の動作を示すフローチャートである。
図11A】内容が変更された手順書の登録処理を示すフローチャートである。
図11B図11(A)のフローチャートの続きである。
図12A】部品や設備の問題点が発生したために内容が変更された手順書について、問題点が解消された後、手順書と問題発生との関連付けを解除する処理を示すフローチャートである。
図12B図12(A)のフローチャートの続きである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、この発明の一実施形態に係るドキュメント管理装置1が用いられているドキュメント管理システムの構成を示すブロック図である。
【0028】
ドキュメント管理システムは、ドキュメント管理装置としてのドキュメント管理サーバー1と、部品管理装置2と、設備管理装置3と、タブレット端末4と、画像形成装置5と、ダッシュボード6等を備えている。
【0029】
ドキュメント管理サーバー1は、複数のドキュメントとユーザー等を管理するものであり、この実施形態ではパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう)から構成されている。この実施形態では、ドキュメントが工場等のライン作業における手順書であり、ドキュメント管理サーバー1は、電子文書である手順書を管理するようになっている。
【0030】
図2はドキュメント管理サーバー1の電気的な構成を示すブロック図である。
【0031】
ドキュメント管理サーバー1は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、表示装置15、入力装置16、ネットワークインターフェース部(ネットワークI/F部)17等を備え、システムバス18を介して互いに接続されている。
【0032】
CPU11は、ROM12等に保存されているプログラムを実行することにより、ドキュメント管理サーバー1の全体を統括的に制御する。特に、この実施形態では、CPU11は手順書に変更があったときや、変更の解消があったときに手順書についての制御を行うとともに、ユーザーから手順書の出力要求があったときは、必要な手順書を画像形成装置やタブレット端末等に配信する等の制御を行うが、詳細は後述する。
【0033】
ROM12は、CPU11が実行するためのプログラムやその他のデータを保存する記憶媒体である。
【0034】
RAM13は、CPU11が動作用プログラムに従って動作する際の作業領域を提供する記憶媒体である。
【0035】
記憶部14は、ハードディスク等の記憶媒体からなり、複数のドキュメントデータである手順書、各ラインに属するユーザーについての情報その他の各種管理データ、アプリケーションプログラム等を記憶している。
【0036】
表示装置15は、CRTや液晶表示装置等からなり、各種のメッセージ及びユーザーに対する入力受付画面、選択画面等を表示する。
【0037】
入力装置16は、ユーザによる入力操作に用いられるもので、キーボードやマウス等からなる。
【0038】
ネットワークインターフェース部17は、外部装置である部品管理装置2、設備管理装置3、タブレット端末4、画像形成装置5等との間で、ネットワークを介して、データの送受信を行う通信手段として機能する。
【0039】
部品管理装置2はライン作業で使用される部品についての管理、例えば組み付け部品の出入りや在庫の管理等を行うものであり、PCによって構成されている。
【0040】
設備管理装置3はライン作業で使用される機械等の設備を管理するとともに、設備が現在稼働中か故障中か等を管理するものであり、PCによって構成されている。
【0041】
タブレット端末4は、ユーザーがドキュメント管理サーバー1にアクセスして手順書の配信を要求したり、ドキュメント管理サーバー1によって管理されている手順書等の電子文書を表示画面上に表示するユーザーの携帯端末装置である。
【0042】
画像形成装置5は、ドキュメント管理サーバー1によって管理されている手順書等を、ユーザーの操作によって紙7に印刷する印刷装置である。
【0043】
ダッシュボード6は電子文書である手順書等を表示する共有掲示板であり、ライン毎に設けられている。
【0044】
図3は、手順書の発行、再発行、変更、戻し(ロールバック)の一例を説明するための図である。図3に示す例では、製造開始時点でライン1及びライン2の2つのラインが存在している。また、手順書A版101が発行されており、ライン1及びライン2の各ユーザーはこの手順書A版101に従って作業している。
【0045】
その後のある時点でライン3が新設され、それに伴って手順書B版102が発行され、手順書A版101は終了し廃版となる。ライン1~ライン3の各ユーザーは手順書B版102に従って作業をすることになる。
【0046】
手順書B版102の発行後、ライン2及びライン3において使用される部品1に問題aが発生したとする。ライン2及び/又はライン3の管理者は問題を解消(回避)する手順を手順書B版102に追記する。つまり、手順書B版102の内容を変更して、修正手順書である手順書B版修a103を登録する。従って手順書B版修a103の登録後、ライン2及びライン3では手順書B版修a103が最新の手順書となり、この手順書B版修a103に従って作業が実行される。
【0047】
その後、ライン2において、設備(機械)について問題cが発生したため、ライン2の管理者は問題を解消(回避)する手順を手順書B版修a103に追記する。つまり、手順書B版修a103の内容を変更して、修正手順書である手順書B版修a修c104を登録する。ライン2では、この手順書B版修a修c104が最新の手順書となり手順書B版修a修c104に従って作業が実行される。
【0048】
その後、ライン2において部品1の問題aが解消されると、手順書B版修a修c104から問題aを解消するための追記部分を除いた手順書B版修c105が登録される。
【0049】
その後、手順書B版を改訂した手順書C版106が発行されると、手順書B版102は終了し廃版となる。これに伴い、ライン2について、未だ解消されていない設備についての問題cを解消する手順を手順書C版に追記した手順書C版修c107が登録され、以後ライン2では、この手順書C版修c107に従って作業が行われる。
【0050】
一方、ライン3において、手順書B版修a103の登録後、設備(機械)について問題bが発生したため、ライン3の管理者は問題を解消(回避)する手順を手順書B版修a103に追記する。つまり、手順書B版修a103の内容を変更して、修正手順書である手順書B版修a修b108を登録する。
【0051】
その後、ライン3における設備の問題点bが解消されると、ライン3における最新の手順書は、手順書B版修a修b108から問題bを解消するための追記部分を除いた元の手順書である手順書B版修a103にロールバックされる。さらに、ライン3において、部品1についての問題aが解消されると、手順書B版修a105から、問題aを解消するための追記部分を除いた元の手順書である手順書B版102にロールバックされる。その後、手順書B版を改訂した手順書C版106が発行されると、ライン3における最新の手順書は手順書C版106となる。
【0052】
なお、ライン1については問題が発生していないので、手順書A版101、手順書B版102、手順書C版106が手順書としてそのまま使用される。
【0053】
このように、何れかのラインに問題が発生すると、そのラインにおける手順書は変更され、変更後の手順書が最新の手順書となり、問題が解消されると元の手順書に戻される。
【0054】
図4(A)は、ドキュメント管理サーバー1で管理されるドキュメント管理データを示す図である。このドキュメント管理データ及び各手順書は、ドキュメント管理サーバー1の記憶部14に保存されている。
【0055】
ドキュメント管理データは、ID、名称、親ファイル、ステータス、登録日、終了日、登録者、適用ライン、関連する問題、の各項目を備えている。項目「ID」は、各手順書を一意に識別するための識別情報であり、項目「名称」は手順書の名称であり、項目「親ファイル」は当該手順書の基(ベース)となった手順書の名称であり、項目「ステータス」は現在の状態を情報であり、項目「登録日」は手順書が登録された日を示し、項目「終了日」は手順書が終了となった日であり、項目「登録者」は手順書の登録者であり、項目「適用ライン」は手順書が適用されるラインの名称であり、項目「関連する問題」は、後述するように問題を生じた部品管理データ又は設備管理データと関連付けるためのものである。
【0056】
図4の例では、ID:File001~File007の7つの手順書が登録管理されている。ID:File001である手順書A版は、製造開始時点で発行されたものであり、ID:File002である手順書B版は、手順書A版の発行後に、部品の変更に伴って発行されたものである。手順書B版の発行により手順書A版は終了(廃版)となり無効状態(ステータスが無効)となっている。手順書B版102は有効状態(ステータスが有効)となっている。なお、手順書A版及び手順書B版ともに全てのライン1~3に適用される。
【0057】
ID:File003である手順書B版修aは、ライン及びラインで使用される部品1に問題aが発生したことにより、手順書B版に変更が加えられたものである。例えば、部品1の穴径が大きくなっており、組み付け時にずれやすいので、治具で固定してカシメるという手順に変更する場合である。この手順は、部品の所定ロットのみであり、そのロットを使い切ったら元の手順に戻され、手順書も親ファイルである手順書B版に戻される。手順書B版修aの適用ラインは問題aが発生したライン2及びライン3のみであり、ライン1には適用されない。また、この手順書B版修aは、後述する部品管理データで管理される、問題を生じた部品と関連付けられ、「関連する問題」の項目にその部品のIDであるB0005が設定されている。
【0058】
ID:File004である手順書B版修a修bは、部品1に問題aが発生している状態でさらに、ライン3で使用される設備に問題bが発生したことにより、手順書B版修aに変更が加えられたものである。例えば、カシメ機のモーターやベルトが故障しており、一時的に動かないため、暫定的に、カシメ機のハンドルを手動で回してカシメる、といった変更である。その際にハンドル何回転とか、ピストンの線何mmの位置まで押し出すといった補足説明を記載しても良い。この作業手順は、カシメ機の故障がったら元に戻され、手順書も親ファイルである手順書B版修aに戻される。手順書B版修a修bの適用ラインは問題bが発生したライン3のみであり、ライン1及びライン2には適用されない。また、この手順書B版修a修bは、後述する設備管理データで管理される、問題を生じた設備と関連付けられ、「関連する問題」の項目にその設備のIDであるM0003が設定されている。
【0059】
ID:File005である手順書B版修a修cは、部品1に問題aが発生している状態で、ライン2で使用される設備に問題cが発生したことにより、手順書B版修aに変更が加えられたものである。変更された作業手順は、設備の故障がったら元に戻され、手順書も親ファイルである手順書B版修aに戻される。手順書B版修a修cの適用ラインは問題cが発生したライン2のみであり、ライン1及びライン3には適用されない。また、この手順書B版修a修cは、後述する設備管理データで管理される、問題を生じた設備と関連付けられ、「関連する問題」の項目にその設備のIDであるM0005が設定されている。
【0060】
ID:File006である手順書C版は、手順書B版に代わるものであり、レビュー待ちの状態である。また、ID:File007である手順書C版修cは、ライン2で使用される設備に問題cが発生したことにより、手順書C版に変更が加えられたものであり、同じくレビュー待ちである。
【0061】
図4(B)は、ドキュメント管理サーバー1で管理されるユーザー管理データを示す図である。このユーザー管理データも、ドキュメント管理サーバー1の記憶部14に保存されている。
【0062】
ユーザー管理データは、ID、氏名、役割、権限、ラインの各項目を備えている。項目「ID」は、各ユーザーを一意に識別するための識別情報であり、項目「氏名」はユーザーの氏名であり、項目「役割」はユーザーの役割を示し、項目「権限」はそのユーザーの権限であり、項目「ライン」はそのユーザーの権限が及ぶラインの名称を示す。
【0063】
例えば、ID:User0001のユーザー名「佐藤」は、生産管理部に属し、全ラインの管理者であることが示されている。
【0064】
図4(C)は、部品管理装置2で管理される部品管理データを示す図である。部品管理データは、ID、部品名、ロットNo、入庫日、数量、残、投入ライン、問題管理の各項目を備えている。項目「ID」は、各部品を一意に識別するための識別情報であり、項目「部品名」はその部品の名称であり、項目「ロッNo」は部品のロッ番号であり、項目「入庫日」はその部品が入庫された日であり、項目「数量」はその部品の入庫数量であり、項目「残」はその部品の残り在庫数であり、項目「投入ライン」はその部品が使用されるラインの名称であり、項目「問題管理」は問題を生じた部品についての問題の内容を設定する項目である。図4(C)に示した例では、ID:B0005の部品について、穴径に問題が生じていることが示されている。そして、ID:B0005の部品が、図4(A)に示したドキュメント管理データにおけるID:File0003の手順書である手順書B版修aと関連付けられている。
【0065】
図4(D)は、設備管理装置3で管理される設備管理データを示す図である。設備管理データは、ID、設備名、ライン、ステータス、ステータス詳細、問題管理の各項目を備えている。項目「ID」は、各設備(機械)を一意に識別するための識別情報であり、項目「設備名」はその設備の名称であり、項目「ライン」はその設備が使用されているラインの名称であり、項目「ステータス」はその設備が稼働中か故障中かを示す項目であり、項目「ステータス詳細」はステータスの詳細情報を設定する項目であり、項目「問題管理」は問題を生じた設備についての問題の内容を設定する項目である。図4(D)に示した例では、ID:M0003及びM0005の各設備について故障が発生していることが示されている。そして、ID:M0003の設備が図4(A)に示したドキュメント管理データにおけるID:File0004の手順書である手順書B版修a修bと関連付けられ、ID:M0005の設備が図4(A)に示したドキュメント管理データにおけるID:File0005の手順書である手順書B版修a修cと関連付けられている。
【0066】
次に、図1に示したドキュメント管理システムの動作を、ドキュメント管理サーバー1の動作を中心に説明する。
【0067】
前述したように、ドキュメント管理サーバー1は電子文書としての手順書を管理すると共に、ユーザーを管理している。ユーザーは、タブレット端末4等から自身が担当する範囲の手順書の配信要求をドキュメント管理サーバー1に対して行うことができ、ドキュメント管理サーバー1は要求元のタブレット端末4や画像形成装置5に要求された手順書を配信し、これによりユーザーは手順書をタブレット端末4で閲覧でき、あるいは画像形成装置5で用紙7に印刷できるようになっている。また、ドキュメント管理サーバー1はライン毎の最新の手順書をダッシュボード6に配信し、各ラインに属するユーザーはダッシュボード6で最新の手順書を閲覧確認できるようになっている。
【0068】
さらに、より上位の権限を持ったユーザー(例えばラインリーダー、生産管理部門のユーザー)は、手順書の登録、更新、終了の操作ができるようになっている。
【0069】
部品管理装置2は、各ラインで使用される部品についての図4(C)で説明した部品管理データを管理し、新たな部品が入庫される毎に担当者によって部品管理データが追加され、あるいは部品の使用状態に応じてデータが更新される。部品に関して問題が発生した時は、部品管理データにおける「問題管理」の項目に問題が発生したことが担当者によって設定(記述)される。
【0070】
同様に、設備管理装置3は、各ラインで使用される設備(機械)についての図4(D)で説明した設備管理データを管理し、新たな設備が設置される毎に担当者によって設備管理データが追加される。設備に関して故障等が発生した時は、設備管理データの「問題管理」の項目に故障が発生したことが担当者によって設定(記述)され、ステータスの項目が「故障中」に変更される。
【0071】
一方、各ラインでの作業は手順書に従って行われるが、部品に問題が発生したり、設備が故障した時は、その部品又は設備を使用しているラインにおいては作業手順の内容が変更されるので、権限のあるリーダーによる承認の下で、担当者は内容変更を反映した手順書を作成しドキュメント管理サーバー1に登録する。併せて、図4(A)に示した例えばID:File0003~File0005のように、新たに登録された手順書に関連付けてドキュメント管理データを作成し各項目を設定して追加登録する。「ステータス」の項目は「有効」とする。新たに登録された手順書が対応するラインの最新の手順書となる。
【0072】
なお、ドキュメント管理サーバー1への手順書の登録やドキュメント管理データの追加登録は、ドキュメント管理サーバー1の入力装置16を用いて直接に行っても良いし、担当者自身の端末装置からネットワークを介してドキュメント管理サーバー1にアクセスすることにより行っても良い。
【0073】
また、追加されたドキュメント管理データの「関連する問題」の項目に、対応する部品管理データの部品ID(例えばB0005)や設備ID(例えばM0003及びM0005)を入力する。この入力は、例えば次のようにして行われる。
【0074】
即ち、ドキュメント管理データを追加したときに、ドキュメント管理サーバー1の表示装置15又は担当者の端末装置の表示部に、図5に示すような手順書の暫定更新画面を表示し、追加した手順書と関連付けられる部品ID又は設備IDの入力欄151を表示する。この際に、問題が発生した部品管理データの部品ID(図4(C)の例ではB0005)や、問題が発生した設備管理データの設備ID(図4(D)の例ではM0003及びM0005)をリスト表示して、担当者に選択させるようにしても良い。
【0075】
担当者が、当該手順書の追加の原因となった、問題を発生した部品ID又は設備IDを入力して確定すると、追加された手順書の「関連する問題」の項目に、入力された部品ID又は設備IDが設定され、追加された手順書と入力された部品ID又は設備IDとが関連付けられる。図4(A)に示すドキュメント管理データのうち、ID:File003~File005は、部品ID:B0005、設備ID:M0003及びM0005とそれぞれ関連付けられている状態を示している。
【0076】
ここで、内容変更後の手順書は担当者が手動で作成しても良いが、ドキュメント管理サーバー1が手順書の自動作成機能を有している場合は、その機能によって作成されても良い。具体的には、例えば治具で固定している様子を写真撮影し、手書き等で手順や注意点を記載し、差し挟みたい前後ページと合わせて3枚をスキャナーによりスキャンする。ドキュメント管理サーバー1は前後のページのスキャンデータと、既に登録済みの各手順書のデータを比較照合して、スキャンデータの追加元となる手順書を特定し、前後のページを除くスキャンデータを前後のページ間に追加して、新たな手順書を作成する。
【0077】
次に、部品又は設備に生じていた問題が解消されたとき、担当者は問題が解消された部品または設備について、部品管理装置2又は設備管理装置3で管理されている部品管理データまたは設備管理データの「問題管理」の項目に設定されていた内容を削除する。例えば、図6(B)の設備管理データに示されるように、ID:M0003及びM0005の設備に発生していた故障が解消されたため、問題管理の項目に設定されていた「故障」を削除する。この削除により「ステータス」の項目には「稼働中」が設定される。
【0078】
その後、ドキュメント管理サーバー1は所定のタイミングで、ID:M0003及びM0005の設備に発生していた故障と関連付けられていたドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とすることにより、手順書を変更前の手順書に戻す。
【0079】
具体的には、ドキュメントサーバー1は図6(A)のドキュメント管理データに示されるように、ID:M0003及びM0005の各設備と関連付けられていたID:File0004及びFile0005について、ステータスの各項目にそれぞれ「無効」を設定する。これにより、ライン2及びライン3の最新の手順書はそれぞれ親ファイルである手順書B版修aに戻ることになる。
【0080】
ここで、ドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とするタイミングは、限定はされないが、例えばユーザーが手順書を確認するためにドキュメント管理サーバー1にアクセスしたときであっても良いし、予め設定されたタイミングであっても良いし、部品管理データまたは設備管理データの「問題管理」の項目に設定されていた内容が削除されたときに、併せて行われても良い。また、ラインの1工程あたりの作業時間をカウントするために、バーコードリーダーを使用して作業開始と、終了の時間を記録する、という取組が行われている工場がある。さらに、複数の組み付け部品を、部品倉庫からピックアップして、1個のトレイにまとめてからラインに提供するということは一般的に行われており、この時に、部品セットにロットの情報およびバーコードを添付しておき、その部品セットの作業開始時つまりライン作業の開始時に、バーコード読み込むことによる作業開始の情報が入力されることにより、ドキュメント管理サーバー1が、問題が解消されているかどうかを調べて、ドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とする処理を行っても良い。あるいは「ステータス」の項目を手動操作で「無効」とするように、作業者に警告を行っても良い。具体的には、タブレット端末4にその旨を表示したり、ブザーやランプによって作業者へ通知する方法が挙げられる。
【0081】
このように、この実施形態では、1個又は複数個の手順書が登録されると共に、発生した部品ロットの変更や設備の故障に応じていずれかの手順書の内容を変更した手順書が、内容変更前の手順書を親ドキュメントとして登録日と併せて登録され、内容変更後の手順書と変更された部品や故障した設備とが関連付けられる。また、内容変更後の手順書が最新の手順書となるように、ステータスの項目に「有効」が設定され、管理される。また、部品ロットの変更や設備の故障が解消されると、内容変更後の手順書のステータスが自動で「無効」に変更され、あるいは「無効」に変更するように警告が行われて担当者等の手動操作により「無効」に変更されて、親ドキュメントである変更前の手順書が最新のドキュメントとなるように管理される。
【0082】
つまり、内容変更後の手順書と内容変更のきっかけとなった部品ロットの変更や設備の故障等の事象とを関連付けて管理し、事象が解消されるまでは内容変更後の手順書を最新のドキュメントとして管理され、事象が解消されると自動的にあるいはユーザーの操作に基づいて内容変更前の手順書に戻すから、事象の発生により手順書の内容を変更してそれを最新のドキュメントとしたり、元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0083】
以上説明した実施形態では、図4(A)のドキュメント管理データと、図4(C)の部品管理データに示された部品ロット及び/または図4(D)の設備管理データに示される設備を直接に関連付けた場合を説明したが、図7を参照して説明するように、問題管理データを作成し、この問題管理データに示される問題とドキュメント管理データを関連付けても良い。
【0084】
図7(A)は、ドキュメント管理サーバー1によって登録管理されているドキュメント管理データを示す図である。このドキュメント管理データの項目は、図4(A)に示したドキュメント管理データの項目と同じであるが、「関連する問題」の項目においてドキュメントID:File003~ID:File005の各ドキュメントに、それぞれ「issue001~issue003」が設定されている。
【0085】
図7(B)は、部品管理装置2によって登録管理されている部品管理データを示す図である。この部品管理データの項目は、図4(C)に示した部品管理データの項目と同じであるが、「関連する問題」の項目おいて部品ID:B0005の部品に、「issue001」が設定されている。
【0086】
図7(C)は、設備管理装置3によって登録管理されている設備管理データを示す図である。この設備管理データの項目は、図4(D)に示した設備管理データの項目と同じであるが、「関連する問題」の項目おいて設備ID:M0003及びID:M0005の各設備に、「issue002」「issue003」がそれぞれ設定されている。
【0087】
図7(D)は、ドキュメント管理サーバー1によって登録管理されている問題管理データを示す図である。この問題管理データは、部品及び設備に関して発生した問題を纏めて管理するデータであり、部品や設備等に問題が発生する毎に、担当者等によって問題管理データが作成される。
【0088】
問題管理データは、ID、問題内容、関連、ID、ロット、状態の各項目を備えている。項目「ID」は、発生した問題を一意に識別するための識別情報であり、項目「問題内容」は発生した問題の内容を示す項目であり、項目「関連」は部品管理に関する問題か設備管理に関する問題かを示す項目であり、項目「ID」は、問題が発生した部品や設備のIDを示す項目であり、項目「ロット」は部品に問題が発生したときの部品ロット番号を示す項目であり、項目「状態」は問題が発生中か、解決されたかを示す項目である。
【0089】
図7(D)に示した例では、ID:issue001~ID:issue003の3個の問題が発生中であり、ID:issue001は部品ID:B0005の部品に関する問題であり、ID:issue002は設備ID:M0003の設備に関する問題であり、ID:issue003は設備ID:M0005の設備に関する問題であることが示されている。
【0090】
図7の例では、部品又は設備に問題が発生すると、担当者は問題管理データに新たなデータをIDを付して追加登録するとともに、追加した問題管理データの各項目に必要事項を入力設定し、さらに「状態」の項目に「発生中」を設定する。また、図7(B)に示す部品管理データのうち問題が発生した部品管理データの「問題管理」の項目、図7(C)に示す設備管理データのうち問題が発生した設備管理データの「問題管理」の項目に、それぞれ新たに追加登録した問題管理データのIDを入力する。入力は、ドキュメント管理サーバー1からの入力要求に基づいて、部品管理装置2又は設備管理装置3で自動的に行われても良い。
【0091】
一方、部品又は設備に問題が発生すると、その部品又は設備を使用しているラインにおいては作業手順の内容が変更されるので、権限のあるリーダーによる承認の下で、担当者は内容変更を反映した手順書を作成しドキュメント管理サーバー1に登録する。併せて、図7(A)に示した例えばID:File0003~File0005のように、新たに登録された手順書に関連付けてドキュメント管理データを作成し各項目を設定して追加登録する。「ステータス」の項目は「有効」とする。新たに登録された手順書が対応するラインの最新の手順書となる。追加されたドキュメント管理データの「関連する問題」の項目に、対応する問題管理データのID(例えばissue001)を入力する。この入力は、例えば次のようにして行われる。
【0092】
即ち、ドキュメント管理データを追加したときに、ドキュメント管理サーバー1の表示装置又は担当者の端末装置の表示部に、図8に示すような手順書の暫定更新画面を表示し、追加した手順書と関連付けられる問題IDの選択欄を表示する。
【0093】
担当者が、当該手順書の追加の原因となった問題IDを選択し確定すると、追加された手順書に対応するドキュメント管理データの「関連する問題」の項目に、選択された問題IDが設定され、追加された手順書と問題管理データにおける対応する問題とが関連付けられる。
【0094】
次に、部品又は設備に生じていた問題が解消されたとき、担当者は問題が解消された問題管理データについて、問題管理データの「状態」の項目に「解決」を入力設定する。例えば、図9(C)に示すように、ID:issue002及びID:issue003の問題が解決したため、対応する問題管理データの「状態」の項目に「解決」を入力する。併せて、部品管理データ及び/または設備管理データについて、「問題管理」の項目で関連付けられている問題IDを削除する。この例では、図9(B)に設備管理データを示すように、設備IDM0003及びM0005の管理データの「問題管理」の項目に設定されていた問題IDを削除する。問題IDの削除により、「ステータス」の項目は「稼働中」に変化する。なお、問題管理データの「状態」の項目に「解決」が入力されたときに、ドキュメント管理サーバー1は、部品管理装置2及び/または設備管理装置3に対して、問題が解決された部品や設備について、管理データの「問題管理」の項目で関連付けられている問題IDを削除するように要求し、この要求に基づいて、部品管理装置2及び/または設備管理装置3が問題IDを削除し、「ステータス」の項目に「稼働中」を入力しても良い。
【0095】
その後、ドキュメント管理サーバー1は所定のタイミングで、issue002及びissue003とそれぞれ関連付けられていたドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とすることにより、手順書を変更前の手順書に戻す。
【0096】
具体的には、ドキュメントサーバー1は図9(A)のドキュメント管理データに示されるように、issue002及びissue003とそれぞれ関連付けられていたID:File0004及びFile0005について、ステータスの各項目にそれぞれ「無効」を設定する。これにより、ライン2及びライン3の手順書はそれぞれ親ファイルである手順書B版修aに戻ることになる。
【0097】
ここで、ドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とするタイミングは、限定はされないが、図7の例で説明したように、例えばユーザーが手順書を確認するためにドキュメント管理サーバー1にアクセスしたときであっても良いし、予め設定されたタイミングであっても良いし、部品管理データまたは設備管理データの「問題管理」の項目に設定されていた内容が削除されたときに、併せて行われても良い。また、部品セットの作業開始時つまりライン作業の開始時に、バーコード読み込むことによる作業開始の情報が入力されることにより、ドキュメント管理サーバー1が、問題が解消されているかどうかを調べて、ドキュメント管理データの「ステータス」の項目を「無効」とする処理を行っても良い。あるいは「ステータス」の項目を手動操作で「無効」とするように、作業者に警告を行っても良い。
【0098】
この実施形態においても、内容変更後の手順書と内容変更のきっかけとなった問題等の事象とを関連付けて管理し、事象が解消されるまでは内容変更後の手順書を最新のドキュメントとして管理され、事象が解消されると自動的にあるいはユーザーの操作に基づいて内容変更前の手順書に戻すから、事象の発生により手順書の内容を変更してそれを最新のドキュメントとしたり、元に戻すといった処理を簡単にかつ的確に行うことができる。
【0099】
図10は、各ラインのユーザーが手順書を利用するときのドキュメント管理サーバー1の動作を示すフローチャートである。図10のフローチャート及び図11以降のフローチャートで示される処理は、ドキュメント管理サーバー1のCPU11が記憶部14等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0100】
ステップS01では、ユーザーによるドキュメント管理サーバー1への直接アクセス、またはタブレット端末4を介してのアクセスに対してユーザー認証を行い、ステップS02では、ユーザー管理データに基づいてユーザーが属するラインや、ユーザーが作業担当者かどうかなどを確認する。
【0101】
次いでステップS03で、ユーザーの作業範囲の手順書を、ドキュメント管理データを参照して抽出する。例えばユーザーがライン1に属する場合は、ライン1に関する手順書を抽出する。続いてステップS04で手順書の版、例えば手順書A版、手順書B版、手順書C版等をチェックしたのち、ステップS05で各版の最新版をチェックする。
【0102】
次いでステップS06で、日付が最新かどうかを調べ、最新で無ければ(ステップS06でNO)、ステップS07で最新の日付のものを選択した後、ステップS06に戻る。ステップS06で、日付が最新であれば(ステップS06でYES)、ステップS08で、「ステータス」の項目は「有効」か否かを判断する。「有効」で無ければ(ステップS08でNO)、ステップS09で、日付が1個前の手順書の有無を調べる。日付が1個前の手順書があれば(ステップS09でYES)、ステップS10でその手順書を選択した後、ステップS08に戻る。ステップS09で、日付が1個前の手順書が無ければ(ステップS09でNO)、手順書は存在しないから、処理を終了する。この場合、手順書が存在しないことを画面に表示してユーザーに通知しても良い。
【0103】
ステップS08において、「ステータス」の項目が「有効」であれば(ステップS08でYES)、ステップS11で、同じ親を持つ子手順書で、ユーザーの担当範囲のものがあるかどうかを調べる。無ければ(ステップS11でNO)、ステップS16に進み、ステップS08で特定された手順書を出力する。出力方法としては、手順書を画像形成装置5に送信して印刷しても良いし、タブレット端末4に送信して表示させても良い。
【0104】
ステップS11において、同じ親を持つ子手順書でユーザーの担当範囲のものがあれば(ステップS11でYES)、ステップS12に進み、「ステータス」の項目が「有効」となっている手順書の有無を調べる。「有効」となっている手順書が無ければ(ステップS12でNO)、ステップS16に進んで手順書を出力する。「有効」となっている手順書があれば(ステップS12でYES)、ステップS13で、「有効」となっている手順書が複数有るかどうかを調べ、複数無ければ(ステップS13でNO)、その手順書を出力物として選択し、ステップS16で手順書を出力する。「有効」となっている手順書が複数有る場合は(ステップS13でYES)、ステップS15で、変更部分を合成したのちステップS16で、合成後の手順書を出力する。
【0105】
このように、ドキュメント管理サーバー1にアクセスしたユーザーやグループが属するラインに応じた最新の手順書が特定され、ドキュメント管理サーバー1から配信される。従って、配信される手順書は、ユーザーやグループが属するラインによって異なる場合があり、この場合は、何れかのラインに属するユーザーやグループには内容変更後の手順書が配信され、他のラインに属するユーザーやグループには内容変更前の手順書が配信される。
【0106】
図11(A)は内容が変更された手順書の登録処理を示すフローチャートであり、同図(B)はその続きである。
【0107】
ステップS21でユーザー認証を行ったのち、ステップS22で、手順書の取得か修正かをユーザー操作に基づいて判定する。手順書の取得であれば(ステップS22で取得)、図10のフローチャートに示される処理に進む。手順書の修正であれば(ステップS22で修正)、ステップS23で、ユーザーがリーダー権限を有しているかどうかを調べ、有していない場合は(ステップS23でNO)、ステップS24で、「登録を反映させるためにはリーダー承認が必要」であることを示すメッセージを表示したのち、ステップS25に進む。ユーザーがリーダー権限を有している場合は(ステップS23でYES)、そのままステップS25に進む。
【0108】
ステップS25では、前後ページを含む手順書の変更部分を受け付ける。具体的には、前後ページを含む手順書の変更部分を図示しないスキャナにより読み取らせる。
【0109】
次いで、ステップS26で、ベースとなる手順書の自動判定機能がオンであるかどうかを調べ、オンであれば(ステップS26でYES)、ステップS27で、ユーザーの担当範囲の正式版手順書に絞り込んでリストを抽出する。そして、ステップS28で、正式版の手順書と読み込んだ変更部分とについてページ単位でのパターンマッチングを行い、ベースとなる手順書を特定する。
【0110】
次いでステップS29で、ベースとなる手順書を一意に特定できたかどうかを判断し、特定できた場合は(ステップS29でYES)、ステップS31に進む。特定できなかった場合は(ステップS29でNO)、ステップS30で、ユーザーの担当範囲の正式版手順書のリストを表示しユーザーに選択させたのち、ステップS31に進む。ステップS26で、ベースとなる手順書の自動判定機能がオンでない場合も(ステップS26でNO)、ステップS30で、ユーザーの担当範囲の正式版手順書のリストを表示しユーザーに選択させたのち、ステップS31に進む。
【0111】
ステップS31では、特定されたベースとなる手順書で良いかどうか、又はユーザーが選択した手順書で良いかどうかの確認画面を表示する。
【0112】
確認画面においてユーザーによりOKボタンが押されると、ステップS32では、ベースとなる手順書へ変更部分のページを合成し、変更された手順書(修正版)を仮作成し、ドキュメント管理データに採番し、その手順書を登録する。
【0113】
次にステップS33で、リーダー権限を有するユーザーかどうかを調べ、ユーザー権限を有するユーザーで無ければ(ステップS33でNO)、ステップS34で、仮登録が完了したことを画面に表示して、処理を終了する。仮登録の表示は例えば手順書B版修a(仮)と表示することにより行われる。
【0114】
ステップS33で、リーダー権限を有するユーザーであれば(ステップS33でYES)、ステップS35で、作成した新たな手順書と問題管理データとの関連付けを登録するかどうかのメッセージを表示し、ユーザーが関連付けを登録することを選択しない場合(ステップS36でNO)、ステップS37で、登録が完了したことを表示して処理を終了する。
【0115】
ユーザーが関連付けを登録することを選択した場合(ステップS36でYES)、ステップS38で問題管理データにアクセスし、ユーザーの担当範囲の問題管理データで、「状態」の項目が「発生中」になっているものを取得したのち、ステップS39で、取得した問題管理データを図8のようにリスト表示し、ステップS40で、所望の問題管理データの選択を受け付ける。
【0116】
次いでステップS41で、変更後の手順書の「関連する問題」の項目に、選択された問題管理データの問題点IDを登録したのち、ステップS42で、登録が完了したことを例えば手順書の名称(例えば手順書B版修a)とともに表示する。
【0117】
図12(A)は、部品や設備の問題点が発生したために内容が変更された手順書について、問題点が解消された後、手順書と問題発生との関連付けを解除する処理を示すフローチャートであり、同図(B)はその続きである。この例では、各ラインのユーザーが手順書を利用するときに、関連付けを解除するようになっている。発生した問題は問題管理データで管理される場合を示している。
【0118】
前述したように、部品あるいは設備の問題が解消されると、担当者は問題管理データのうち問題が解消されたデータについて、「状態」の項目に「解決」を設定する。
【0119】
その後、手順書を出力したいユーザーがドキュメント管理サーバー1にアクセスすると、ドキュメント管理サーバー1はステップS51でユーザー認証を行った後、ステップS52で、ユーザー管理データに基づいてユーザーが属するラインや、ユーザーが作業担当者かどうかなどを確認する。
【0120】
次いでステップS53で、ユーザーの作業範囲の最新の手順書を、ドキュメント管理データを参照して抽出したのち、ステップS54で、抽出された手順書の「関連する問題」の項目に、問題点IDが設定されているかどうかを確認し、ステップS55で、問題点IDが設定されているかどうかを判断する。
【0121】
問題点IDが設定されていなければ(ステップS55でNO)、ステップS04に進む。問題点IDが設定されていれば(ステップS55でYES)、ステップS56で問題管理データを確認したのち、ステップS57で、「状態」の項目が「解決」となっている問題管理データが有るかどうかを判定する。無ければ(ステップS57でNO)、ステップS04に進む。「状態」の項目が「解決」となっている問題管理データが有れば(ステップS57でYES)、ステップS58で、「解決」となっている問題管理データの問題点IDが関連付けられている手順書のステータスを「無効」に変更したのち、ステップS04に進む。
【0122】
ステータスが「無効」となった手順書は、最新の手順書から排除され、その親ドキュメントである手順書が最新の手順書となる。
【0123】
なお、ステップS04~S16は、図10のフローチャートにおけるステップS04~S16と同じであるので、同一のステップ番号を付し説明は省略する。
【0124】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。たとえば、ドキュメントがライン作業に使用される手順書である場合を説明したが、一時的な変更や元に戻すといった作業が必要なドキュメントに適用可能であり、たとえば一時的に変更されるアプリケーションの仕様書などにも適用可能である。
【0125】
また、部品管理装置2及び設備管理装置3をドキュメント管理サーバー1とは別の装置として構成したが、部品管理データおよび設備管理データを、ドキュメントとともにドキュメント管理サーバー1が管理する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 ドキュメント管理サーバー(ドキュメント管理装置)
11 CPU
14 記憶部
15 表示装置
2 部品管理装置
3 設備管理装置
4 タブレット端末
5 画像形成装置
101~108 手順書(ドキュメント)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B