(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】呼び登録装置、呼び登録装置の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20220125BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B66B1/18 L
B66B1/18 N
B66B3/00 K
(21)【出願番号】P 2020039366
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2020-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-199539(JP,A)
【文献】特開2014-189346(JP,A)
【文献】特開2015-030613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/18
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置であって、
前記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知部と、を備え
、
前記選択部は、前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々について行われた、前記特定施設の利用人数と前記特定施設の定員との比較結果に基づき、前記特定施設を選択する、呼び登録装置。
【請求項2】
エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置であって、
前記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知部と、
前記エレベータの運行状況を取得する運行状況取得部
と、を備え、
前記選択部は、前記取得した運行状況に基づき、前記特定施設を選択する
、呼び登録装置。
【請求項3】
前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々についての利用状況を特定する特定部をさらに備え、
前記選択部は、前記特定された利用状況に基づき、前記特定施設を選択する、請求項
2に記載の呼び登録装置。
【請求項4】
エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置であって、
前
記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知部と、
前記建物に設けられている前記特定施設の少なくとも一部を示す特定施設情報を表示する表示部と、
前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々についての利用状況を特定する特定部と、
を備え、
前記入力受付部は、前記特定施設情報のいずれかを選択する入力を受け付け、
前記選択部は、前記利用者の選択に対応した特定施設を選択し、
前記表示部は、前記特定された利用状況が、前記特定施設が満員であることを示している場合、当該特定施設の特定施設情報を選択不可能とする
、呼び登録装置。
【請求項5】
エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置であって、
前
記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知部と、
前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々についての利用状況を特定する特定部と、
前記入力受付部が前記利用者による前記施設特定情報の入力を新たに受け付けたとき、前記取得情報として、前記特定施設の各々についての現時点の利用状況を示す情報を取得する取得部
と、を備え、
前記選択部は、前記特定された利用状況に基づき、前記特定施設を選択し、
前記特定部は、前記施設特定情報の入力により前記選択部が特定施設を選択した人数のうち、現時点で前記特定施設に到着していないと推定される人数である移動中人数と、前記取得情報と、に基づき特定される、前記移動中人数と前記特定施設内の人数との合計値に基づき、前記特定施設の各々についての利用状況を特定する
、呼び登録装置。
【請求項6】
前記入力受付部が前記利用者による前記施設特定情報の入力を新たに受け付けたとき、前記取得情報として、前記特定施設の各々についての現時点の利用状況を示す情報を取得する取得部をさらに備え、
前記特定部は、前記施設特定情報の入力により前記選択部が特定施設を選択した人数のうち、現時点で前記特定施設に到着していないと推定される人数である移動中人数と、前記取得情報と、に基づき特定される、前記移動中人数と前記特定施設内の人数との合計値に基づき、前記特定施設の各々についての利用状況を特定する、請求項4に記載の呼び登録装置。
【請求項7】
前記利用者の選択に対応した特定施設が選択されたとき、当該選択された特定施設の前記移動中人数に1が加算され、
前記特定施設が設けられた階床のエレベータ乗場から前記特定施設までの移動時間の推定値である推定移動時間が、所定の時点から経過したとき、当該選択された特定施設の前記移動中人数から1が減算され、
前記所定の時点は、
前記選択された特定施設が設けられた階床が前記現在階である場合、前記選択部が前記特定施設を選択してから前記通知部が通知を行うまでの期間内の時点であり、
前記選択された特定施設が設けられた階床が前記現在階でない場合、前記登録部が前記呼びを登録したエレベータのかごが前記行先階に停止してから、前記行先階の乗場ドアが開くまでの期間内の時点である、請求項
5または6に記載の呼び登録装置。
【請求項8】
エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置の制御方法であって、
前記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択ステップと、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録ステップと、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知ステップと、を含
み、
前記選択ステップでは、前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々について行われた、前記特定施設の利用人数と前記特定施設の定員との比較結果に基づき、前記特定施設を選択する、呼び登録装置の制御方法。
【請求項9】
請求項
1~3、5、7のいずれか1項に記載の呼び登録装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
前記各部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項4に記載の呼び登録装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記入力受付部、前記選択部、前記登録部、前記通知部、および前記特定部としてコンピュータを機能させるとともに、前記特定された利用状況が、前記特定施設が満員であることを示している場合、当該特定施設の特定施設情報を選択不可能とする処理を実行するための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータを制御するエレベータシステムに対し、エレベータを利用しようとしている利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
実施形態1~6には、エレベータを管理、制御するシステムに対して呼びを登録する装置に関する技術が開示されている。具体的には、実施形態1~6には、建物内の施設、売場などの名称を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を当該装置に表示し、操作されたGUIに対応する階床を行先階とする呼びを登録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2008-505037号公報
【文献】特開平2-127377号公報
【文献】特開平11-146392号公報
【文献】特開平10-194618号公報
【文献】特開2017-114617号公報
【文献】特開2012-158398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、呼び登録装置の技術であるため、利用者が現在いる階床に設けられた施設などについて想定していない。つまり、従来技術は、利用者が行こうとしている施設などが当該階床に設けられていたとしても、当該施設へ利用者を導くことができず、結果として、利用者に、適切な施設などを提示するには不十分であった。
【0005】
本発明の一態様は、エレベータを利用しようとしている利用者に、適切な施設を提示することができる呼び登録装置などを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る呼び登録装置は、エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置であって、前記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付部と、前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択部と、
前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録部と、前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知部と、を備える。
【0007】
前記の構成によれば、現在階の特定施設が選択された場合、前記特定施設が現在階に存在することを利用者に通知する。これにより、エレベータの利用者は、エレベータを利用せず、自身がいる階床の特定施設へ行くことができる。結果として、利用者に、適切な特定施設を提示することができる。
【0008】
特に、建物を初めて利用する利用者の場合、利用者は前記特定施設がどの階床にあるかを把握していない場合がある。前記の構成によれば、利用者が現在いる階床に前記特定施設があることを利用者に伝えることができる。
【0009】
本発明の態様2に係る呼び登録装置は、前記態様1において、前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々についての利用状況を特定する特定部をさらに備え、前記選択部は、前記特定された利用状況に基づき、前記特定施設を選択してもよい。
【0010】
前記の構成によれば、特定施設の利用状況に基づいて特定施設を選択するので、利用者を適切な特定施設がある階床へ連れて行くことができる。利用状況とは、例えば、特定施設が満員であるか否か、特定施設の利用人数、特定施設の空き状況などである。例えば、利用人数が最も少ない特定施設を選択することで、利用者が快適に特定施設を利用することができるとともに、利用者が特定施設に行ったにもかかわらず、特定施設が空いておらず利用できないという状況を防ぐことができる。
【0011】
本発明の態様3に係る呼び登録装置は、前記態様1または2において、前記エレベータの運行状況を取得する運行状況取得部をさらに備え、前記選択部は、前記取得した運行状況に基づき、前記特定施設を選択してもよい。
【0012】
前記の構成によれば、エレベータの運行状況に基づいて特定施設を選択するので、利用者を適切な特定施設がある階床へ連れて行くことができる。例えば、運行状況に鑑みて、最も早く到着することができる特定施設を選択することができる。なお、運行状況としては、例えば、かごの移動方向、かごの行先階、かごが停止可能な階床、呼びの登録状況などが挙げられる。
【0013】
本発明の態様4に係る呼び登録装置は、前記態様1において、前記建物に設けられている前記特定施設の少なくとも一部を示す特定施設情報を表示する表示部と、前記特定施設を管理する管理システムから取得した取得情報に基づき、当該特定施設の各々についての利用状況を特定する特定部と、をさらに備え、前記入力受付部は、前記特定施設情報のいずれかを選択する入力を受け付け、前記選択部は、前記利用者の選択に対応した特定施設を選択し、前記表示部は、前記特定された利用状況が、前記特定施設が満員であることを示している場合、当該特定施設の特定施設情報を選択不可能としてもよい。
【0014】
前記の構成によれば、満員の特定施設が設けられた階床を利用者が選択することが無くなるので、利用者が特定施設に行ったにもかかわらず特定施設を利用できない、という状況の発生を抑えることができる。なお、「特定施設情報を選択不可能とする」とは、例えば、特定施設情報を表示させない構成、または、特定施設情報を選択不可能な状態で表示する構成である。
【0015】
本発明の態様5に係る呼び登録装置は、前記態様2または4において、前記入力受付部が前記利用者による前記施設特定情報の入力を新たに受け付けたとき、前記取得情報として、前記特定施設の各々についての現時点の利用状況を示す情報を取得する取得部をさらに備え、前記特定部は、前記施設特定情報の入力により前記選択部が特定施設を選択した人数のうち、現時点で前記特定施設に到着していないと推定される人数である移動中人数と、前記取得情報と、に基づき特定される、前記移動中人数と前記特定施設内の人数との合計値に基づき、前記特定施設の各々についての利用状況を特定してもよい。
【0016】
前記の構成によれば、利用者が特定施設に到着する時点の利用状況に基づき、特定施設情報を選択可能とするか否かを決定することができる。結果として、利用者が特定施設に行ったにもかかわらず特定施設を利用できない、という状況の発生を、より低減させることができる。
【0017】
本発明の態様6に係る呼び登録装置は、前記態様5において、前記利用者の選択に対応した特定施設が選択されたとき、当該選択された特定施設の前記移動中人数に1が加算され、前記特定施設が設けられた階床のエレベータ乗場から前記特定施設までの移動時間の推定値である推定移動時間が、所定の時点から経過したとき、当該選択された特定施設の前記移動中人数から1が減算され、前記所定の時点は、前記選択された特定施設が設けられた階床が前記現在階である場合、前記選択部が前記特定施設を選択してから前記通知部が通知を行うまでの期間内の時点であり、前記選択された特定施設が設けられた階床が前記現在階でない場合、前記登録部が前記呼びを登録したエレベータのかごが前記行先階に停止してから、前記行先階の乗場ドアが開くまでの期間内の時点であってもよい。
【0018】
前記の構成によれば、施設の利用者が施設に到着したことを検知する装置(例えば、カードリーダなど)を施設に設置せずとも、移動中人数を特定することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、本発明の態様7に係る呼び登録装置の制御方法は、エレベータを制御するエレベータシステムに対し、利用者の入力に基づき呼びを登録する呼び登録装置の制御方法であって、前記エレベータが設置された建物内に設けられている施設であって、前記利用者が行こうとしている施設を特定可能な施設特定情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力された施設特定情報により特定される特定施設を選択する選択ステップと、前記選択された特定施設が設けられた階床が、現在前記利用者がいる階床である現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びを前記エレベータシステムに登録する登録ステップと、前記選択された特定施設が設けられた階床が、前記現在階である場合、前記現在階に前記特定施設が存在することを前記利用者に通知する通知ステップと、を含む。
【0020】
前記の構成によれば、態様1に係る呼び登録装置と同様の作用効果を奏する。
【0021】
本発明の各態様に係る呼び登録装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記呼び登録装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記呼び登録装置をコンピュータにて実現させる呼び登録装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、エレベータを利用しようとしている利用者に、適切な特定施設を提示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態1に係る呼び登録システムに含まれる呼び登録装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】呼び登録装置の制御部が実行する喫煙室選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】呼び登録装置の表示の一具体例を示す図である。
【
図7】呼び登録装置の表示の一具体例を示す図である。
【
図8】エレベータ群管理システムが実行する利用人数更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態2に係る呼び登録装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】呼び登録装置の制御部が実行する喫煙室選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】呼び登録装置の表示の一具体例を示す図である。
【
図12】呼び登録装置の表示の一具体例を示す図である。
【
図13】呼び登録装置の表示の一具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る呼び登録システム100に含まれる呼び登録装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。
図2は、呼び登録システム100の概要図である。
【0025】
<呼び登録システム100の概要>
呼び登録システム100は、呼び登録装置1A~1J、エレベータ群管理システム2(エレベータシステム)、エレベータ3A~3D、喫煙室情報提供システム4(管理システム)および喫煙室カメラ5を含む。なお、呼び登録装置1A~1Jを区別しないときには、単に「呼び登録装置1」と表記する。また、エレベータ3A~3Dを区別しないときには、単に「エレベータ3」と表記する。
【0026】
(呼び登録装置1)
呼び登録装置1は、建物の各エレベータ乗場に設けられ、エレベータ3を利用する利用者の入力に基づき、エレベータ群管理システム2に呼びを登録する。換言すれば、呼び登録装置1は、利用者の入力に基づき、自装置が設けられた階床へエレベータ3のかごを移動させるための信号をエレベータ群管理システム2へ送信する。また、呼び登録装置1は、エレベータ群管理システム2から受信した情報に基づき、呼びの対象となったエレベータ3、換言すれば、上記階床へかごを移動させるエレベータ3がいずれであるかを、利用者へ通知する。呼び登録装置1は、自装置が設けられた階床を示す情報を記憶しており、エレベータ群管理システム2などの外部へ情報を送信する場合、自装置が設けられた階床を示す情報を併せて送信する。これにより、外部の装置やシステムは、情報の送信元の呼び登録装置1が、何れの階床に設けられた呼び登録装置1であるかを判別することができる。
【0027】
なお、
図2では、10階建ての建物の各階床に1つのエレベータ乗場がある例を示しているが、各階床にあるエレベータ乗場は複数であってもよい。また、
図2では、5階~9階の記載を省略しているため、これらの階に設けられている呼び登録装置1E~1Iの記載を省略している。
【0028】
図3は、呼び登録装置1の一例を示す概要図である。
図3に示すように、呼び登録装置1は、一例として、タッチパネル20を備えている。
図3に呼び登録装置1は、タッチパネル20に、表示エリア21、階床選択ボタン22および行動入力ボタン23を表示する。
【0029】
表示エリア21は各種情報を表示する。例えば、表示エリア21は、呼びの対象となったエレベータ3を示す情報を表示する。当該情報は、例えば、エレベータ3の号機を示す情報であってもよい。
【0030】
階床選択ボタン22は、ユーザのタッチ操作を受け付けるグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUIと表記する)である。階床選択ボタン22のそれぞれに示された数字は建物の階床を示す。呼び登録装置1は、タッチ操作がなされた階床選択ボタン22に対応する階床を行先階とする呼びを、エレベータ群管理システム2へ登録する。なお、
図3に示す呼び登録装置1は、建物の1階に設置された呼び登録装置1A(
図2参照)である。そのため、階床選択ボタン22は、現在階である1階を示すボタン(「1」が記載されたボタン)を含まない。同様に、他の階に設置された呼び登録装置1の階床選択ボタン22は、当該他の階を示すボタンを含まない。
【0031】
行動入力ボタン23は、ユーザのタッチ操作を受け付けるGUIである。行動入力ボタン23は、利用者が所定の行動をとりたい場合にタッチ操作を行うGUIである。ここで、所定の行動とは、建物内に設けられた所定の施設(特定施設)で実行可能な行動である。本実施形態では、当該所定の行動が「喫煙」である例を説明する。
【0032】
行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けると、呼び登録装置1は、上記所定の施設が設けられた階床のいずれかを行先階とする呼びを、エレベータ群管理システム2へ登録する。本実施形態では、当該所定の施設は喫煙室である。すなわち、呼び登録装置1は、行動入力ボタン23へのタッチ操作に基づき、喫煙室が設けられた階床のいずれかを行先階とする呼びを、エレベータ群管理システム2へ登録する。
【0033】
(エレベータ群管理システム2)
エレベータ群管理システム2は、複数台のエレベータ3の各々の制御に関し、各エレベータ3の制御装置を統括して制御するシステムである。エレベータ群管理システム2は、呼び登録装置1からの呼びの登録を受け付けると、当該呼び登録装置1が設けられた階床へかごを移動させるエレベータ3を決定する。そして、決定したエレベータ3の制御装置へ、当該階床へかごを移動させる移動命令を送信する。また、エレベータ群管理システム2は、呼びの登録への応答として、決定したエレベータ3を示す情報を呼び登録装置1へ送信する。
【0034】
また、エレベータ群管理システム2は、喫煙室情報提供システム4と通信可能に接続されている。エレベータ群管理システム2と喫煙室情報提供システム4との通信方法は特に限定されない。例えば、エレベータ群管理システム2と喫煙室情報提供システム4とは、インターネット回線を通じて通信を行なってもよい。
【0035】
(エレベータ3)
エレベータ3は、エレベータ群管理システム2からの移動命令を受信すると、当該移動命令が示す階床へかごを移動させる。
【0036】
(喫煙室情報提供システム4)
喫煙室情報提供システム4は、喫煙室を管理し、喫煙室の情報をエレベータ群管理システム2へ送信する。一例として、喫煙室情報提供システム4は、喫煙室内にいる人数を示す情報を提供する。
図4は、喫煙室カメラの配置例を示す図である。具体的には、喫煙室情報提供システム4は、
図4に示すように喫煙室ごとに設けられた喫煙室カメラ5が撮影した画像(例えば、動画像)に基づき、喫煙室内にいる人数を特定し、エレベータ群管理システム2へ送信する。なお、
図4では、喫煙室ごとに設けられた喫煙室カメラ5を区別するために、1階喫煙室の喫煙室カメラ5A、4階喫煙室の喫煙室カメラ5B、7階喫煙室の喫煙室カメラ5C、9階喫煙室の喫煙室カメラ5Dと記載している。
【0037】
<呼び登録装置1の要部構成>
図1を参照して、呼び登録装置1の要部構成について説明する。呼び登録装置1は、
図1に示すように、制御部10、記憶部11、入力部12、通信部13および表示部14を備えている。
【0038】
制御部10は、呼び登録装置1の各部を統括して制御する。記憶部11は、呼び登録装置1が使用するデータを記憶するデバイスであり、ストレージと表現することもできる。制御部10は一例として、プロセッサおよびメモリにより実現される。この例において、プロセッサは、記憶部11にアクセスし、記憶部11に格納されているプログラム(不図示)をメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10の各部が構成される。
【0039】
入力部12は、呼び登録装置1の利用者の操作入力を受け付ける。入力部12は、受け付けた操作入力を示す操作信号(施設特定情報)を制御部10へ出力する。本実施形態では、入力部12は
図3に示すタッチパネル20を含む。なお、入力部12は、タッチパネル20以外の入力装置を含んでもよい。
【0040】
通信部13は、他の装置との情報の送受信を行う。他の装置の一例は、
図2に示すエレベータ群管理システム2であるが、これに限定されない。
【0041】
表示部14は、呼び登録装置1が生成あるいは取得した画像、または、呼び登録装置1が記憶している画像を表示する。本実施形態では、表示部14にはタッチパネル20が重畳されている。
【0042】
(制御部10の各部)
制御部10は、上記各部として、入力受付部101、運行状況取得部102、利用状況特定部103(特定部、取得部)、選択部104、登録部105および表示制御部106(通知部)を含む。
【0043】
入力受付部101は、入力部12から取得した操作信号に基づき、制御部10の各部への指示を出力する。一例として、入力受付部101は、行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得すると、運行状況取得部102へ、エレベータ3の運行状況を示す情報を取得するよう指示する。また、入力受付部101は、行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得すると、利用状況特定部103へ、各喫煙室の利用状況を示す情報を取得するよう指示する。ここで、本実施形態に係る利用状況を示す情報は、喫煙室の利用人数であるが、この例に限定されない。
【0044】
運行状況取得部102は、エレベータ3の運行状況を取得する。ここで、運行状況とは、エレベータ3のかごの移動方向、かごの行先階、かごが停止可能な階床、呼びの登録状況などが挙げられるが、この例に限定されない。かごが停止可能な階床とは、予め設定された非停止階を除く階床である。運行状況取得部102は、エレベータ群管理システム2から運行状況を取得してもよいし、エレベータ3A~3Dの制御装置から運行状況を取得してもよい。運行状況取得部102は、取得した運行状況を選択部104へ出力する。
【0045】
利用状況特定部103は、各喫煙室の利用状況を特定する。一例として、利用状況特定部103は、取得した各喫煙室の利用人数に基づき、各喫煙室の利用人数が定員に達しているか、すなわち、各喫煙室が満員であるか否かを特定する。ここで、利用人数とは、喫煙室内にいる人数(以下、喫煙室内人数と表記する)と、喫煙室へ向かっている人数(以下、移動中人数と表記する)との合計値である。本実施形態に係る利用状況特定部103は、エレベータ群管理システム2から、各喫煙室の利用人数(取得情報)を取得し、当該利用人数と、記憶部11に記憶されている喫煙室定員情報111が示す、喫煙室の定員とを比較する。利用人数が定員と一致する場合、利用状況特定部103は、喫煙室が満員であると判定する。利用人数が定員より少ない場合、利用状況特定部103は、喫煙室が満員でないと判定する。利用状況特定部103は、各喫煙室についての判定結果および利用人数を、選択部104へ出力する。
【0046】
選択部104は、エレベータ3の運行状況および喫煙室の利用状況に基づき、行動入力ボタン23へのタッチ操作を入力した利用者を向かわせる喫煙室を選択する。一例として、選択部104は、エレベータ3の運行状況に基づき、呼び登録装置1の位置から各喫煙室へ到着するまでにかかる時間(以下、移動時間と表記する)を特定する。なお、タッチ操作の入力を受け付けた呼び登録装置1がある階床(以下、現在階と表記する)と異なる階床の喫煙室への移動時間は、エレベータ3A~3Dの各々を利用して当該喫煙室へ移動する時間である。そのため、当該移動時間は、エレベータ3A~3Dの各々のかごが現在階へ到着するまでの時間、現在階から各階床へのかごの移動にかかる時間を含む。
【0047】
また、選択部104は、一例として、取得した判定結果に基づき、満員となっている喫煙室を、利用者を向かわせる喫煙室の候補から除外する。
【0048】
そして、選択部104は、一例として、移動時間が最も短い喫煙室と、利用人数が最も少ない喫煙室とを特定する。これらの喫煙室が同じ喫煙室である場合、選択部104は、当該喫煙室を、上記利用者を向かわせる喫煙室として選択する。一方、移動時間が最も短い喫煙室と、利用人数が最も少ない喫煙室とが異なる喫煙室である場合、選択部104は、一例として所定の優先度に基づき、これらの喫煙室のうちの一方を、上記利用者を向かわせる喫煙室として選択する。例えば、選択部104は、利用人数が最も少ない喫煙室を選択してもよい。
【0049】
選択部104は、選択した喫煙室が現在階の喫煙室であるか否かを判定する。現在階の喫煙室でないと判定した場合、選択部104は、選択した喫煙室が設けられた階床を示す情報を、登録部105へ出力する。現在階の喫煙室であると判定した場合、選択部104は、その旨を表示制御部106へ通知するとともに、現在階の喫煙室を選択した旨をエレベータ群管理システム2へ通知する。
【0050】
登録部105は、選択部104が選択した喫煙室が設けられた階床を行先階とする呼びを、エレベータ群管理システム2に登録する。換言すれば、登録部105は、取得した情報が示す喫煙室が設けられた階床を行先階とする呼びの情報を、エレベータ群管理システム2へ送信する。このとき、登録部105は、行動入力ボタン23へのタッチ操作に基づく呼びの登録の場合、その旨をエレベータ群管理システム2へ通知する。
【0051】
また、登録部105は、エレベータ群管理システム2から、呼びの登録への応答として、決定したエレベータ3を示す情報を受信すると、当該情報と選択した喫煙室が設けられた階床を示す情報とを表示制御部106へ出力する。
【0052】
表示制御部106は、表示部14を制御して画像やテキストを表示させる。一例として、表示制御部106は、表示エリア21、階床選択ボタン22および行動入力ボタン23を表示させる。また、表示制御部106は、選択部104から、選択した喫煙室が現在階の喫煙室である旨を通知された場合、その旨を示す画像またはテキストを表示エリア21へ表示させる。また、表示制御部106は、登録部105から、決定したエレベータ3を示す情報および選択した喫煙室が設けられた階床を示す情報を取得した場合、当該エレベータ3および当該階床を示す画像またはテキストを表示エリア21へ表示させる。
【0053】
<エレベータ群管理システム2の要部構成>
図2を参照して、エレベータ群管理システム2の要部構成について説明する。エレベータ群管理システム2は、利用人数特定部201および行先階呼び割当部202を含む。
【0054】
行先階呼び割当部202は、各呼び登録装置1から呼びの情報を受信すると、いずれかのエレベータ3を当該情報が示す呼びに割り当てる。換言すれば、行先階呼び割当部202は、当該情報が示す呼びに応答し、呼びが登録された階床にかごを向かわせるエレベータ3を決定する。そして、行先階呼び割当部202は、決定したエレベータ3を示す情報を、呼びの情報に対する応答として、呼びの情報を送信した呼び登録装置1へ送信する。また、行先階呼び割当部202は、呼び登録装置1からの通知に基づき、当該通知が示す喫煙室への移動中人数に1を加算する。
【0055】
ここで、移動中人数の詳細と、移動中人数の加算とについて説明する。移動中人数は、選択部104により喫煙室を選択された人数のうち、現時点で当該喫煙室に到着していないと推定される人数である。エレベータ群管理システム2は、図示しない記憶部に、移動中人数を喫煙室ごと(換言すれば、喫煙室が備えられた階床ごと)に記憶している。行先階呼び割当部202は、行動入力ボタン23へのタッチ操作に基づく呼びの登録である旨を呼び登録装置1から通知された場合、呼びの情報が示す行先階の移動中人数に1を加算する。また、行先階呼び割当部202は、現在階の喫煙室を選択した旨を通知された場合、通知元の呼び登録装置1が設けられた階床の移動中人数に1を加算する。そして、行先階呼び割当部202は、1を加算した移動中人数に対応する階床と、通知元の呼び登録装置1が設けられた階床とを示す階床情報を、利用人数特定部201へ出力する。
【0056】
利用人数特定部201は、各喫煙室の利用人数を特定する。利用人数特定部201は、呼び登録装置1からの利用人数の取得要求を受信すると、喫煙室情報提供システム4へ、喫煙室内人数の取得要求を送信し、その応答として、各喫煙室の喫煙室内人数を受信する。また、利用人数特定部201は、記憶部から各喫煙室の移動中人数を読み出し、対応する喫煙室内人数に加算することで、各喫煙室の利用人数を特定する。そして、利用人数特定部201は、特定した各喫煙室の利用人数を、取得要求を送信した呼び登録装置1へ送信する。
【0057】
また、利用人数特定部201は、行先階呼び割当部202から階床情報を取得すると、当該階床情報が示す2つの階床が一致するか否かを判定する。一致する場合、利用人数特定部201は、利用者は現在階の喫煙室へ向かうと特定する。一致しない場合、利用人数特定部201は、利用者は現在階と異なる階床の喫煙室へ向かうと特定する。
【0058】
利用人数特定部201は、利用者が現在階の喫煙室へ向かうと特定した場合、時間経過の計測を開始する。利用人数特定部201は、時間経過が、記憶部に記憶されている推定移動時間が示す時間に到達したとき、行先階呼び割当部202が1を加算した移動中人数から1を減算する。ここで、推定移動時間とは、エレベータ乗場から当該エレベータ乗場と同一階床に設けられた喫煙室までの徒歩での移動時間の推定値である。つまり、利用人数特定部201は、時間経過が、推定移動時間が示す時間に到達したとき、利用者が喫煙室に到達したと推定し、移動中人数から1を減算する。
【0059】
利用人数特定部201は、利用者が現在階と異なる階床の喫煙室へ向かうと特定した場合、呼びに割り当てられたエレベータ3のかごが行先階へ到着(行先階にて停止)するまで待機する。そして、利用人数特定部201は、当該かごが行先階へ到着したとき、時間経過の計測を開始する。そして、利用人数特定部201は、時間経過が、推定移動時間が示す時間に到達したとき、行先階呼び割当部202が1を加算した移動中人数から1を減算する。
【0060】
また、エレベータ群管理システム2は、呼び登録装置1から送信された、エレベータ3の運行状況の取得要求に従い、エレベータ3の運行状況を示す情報を呼び登録装置1へ送信する。
【0061】
<喫煙室選択処理の流れ>
図5は、呼び登録装置1の制御部10が実行する喫煙室選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。入力受付部101は、行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する(ステップS1、入力受付ステップ、以下、ステップ番号の前の「ステップ」の記載を省略する)。入力受付部101は、当該操作信号を取得したことに基づき、運行状況取得部102へ、エレベータ3の運行状況を示す情報を取得するよう指示し、利用状況特定部103へ、各喫煙室の利用人数を取得するよう指示する。
【0062】
運行状況取得部102は、入力受付部101からの指示に従い、エレベータ群管理システム2からエレベータ3の運行状況を示す情報を取得する(S2、運行状況取得ステップ)。運行状況取得部102は、取得した情報を選択部104へ出力する。
【0063】
また、利用状況特定部103は、入力受付部101からの指示に従い、エレベータ群管理システム2から各喫煙室の利用人数を取得する(S3)。利用状況特定部103は、取得した利用人数に基づき、各喫煙室が満員であるか否かを判定する(S4、特定ステップ)。利用状況特定部103は、各喫煙室の判定結果および利用人数を選択部104へ出力する。
【0064】
選択部104は、取得した運転状況と利用人数とに基づき、喫煙室のいずれかを選択する(S5、選択ステップ)。喫煙室の選択の詳細については、既に説明しているためここでは繰り返さない。続いて、選択部104は、選択した喫煙室が現在階にあるか否かを判定する(S6)。
【0065】
選択した喫煙室が現在階にあると判定した場合(S6でYES)、選択部104は、その旨を表示制御部106へ通知するとともに、現在階の喫煙室を選択した旨をエレベータ群管理システム2へ通知する。
【0066】
表示制御部106は、選択した喫煙室が現在階の喫煙室である旨を通知された場合、喫煙室が現在階にある旨を示す画像またはテキストを表示エリア21へ表示させる(S7、通知ステップ)。以上で、喫煙室選択処理は終了する。
【0067】
図6は、呼び登録装置1の表示の一具体例を示す図である。
図6に示す呼び登録装置1は、建物の1階に設置された呼び登録装置1A(
図2参照)であり、
図6は、利用者が行動入力ボタン23へのタッチ操作を入力した後の表示例を示している。
図6の例では、表示制御部106は、行動入力ボタン23へのタッチ操作を呼び登録装置1が受け付けたことをユーザに示すために、行動入力ボタン23の態様(例えば、色)を変化させている。
【0068】
図6の例では、喫煙室が現在階にある旨を示すテキスト211が、表示エリア21に表示されている。テキスト211は、「エレベータに乗らず1Fの喫煙室を利用してください」とのテキストである。呼び登録装置1aは、テキスト211を表示し、利用者にテキスト211を視認させることで、エレベータを利用せず、現在階である1階の喫煙室へ向かうことを利用者に対して促す。
【0069】
再び
図5を参照して、喫煙室選択処理の流れの説明に戻る。選択した喫煙室が現在階にないと判定した場合(S6でNO)、選択部104は、選択した喫煙室が設けられた階床を示す情報を、登録部105へ出力する。
【0070】
登録部105は、選択部104が選択した喫煙室が設けられた階床を行先階とする呼びを、エレベータ群管理システム2に登録する(S8、登録ステップ)。そして、登録部105は、エレベータ群管理システム2から、呼びに応答して現在階へかごを移動させるエレベータ3を示す情報を取得する。登録部105は、当該情報と選択した喫煙室が設けられた階床を示す情報とを表示制御部106へ出力する。
【0071】
表示制御部106は、登録部105から取得した情報に基づき、利用者の行先階および利用者が乗るべきエレベータ3の号機を示す画像またはテキストを表示エリア21へ表示させる(S9)。以上で、喫煙室選択処理は終了する。
【0072】
図7は、呼び登録装置1の表示の一具体例を示す図である。
図7に示す呼び登録装置1は、建物の1階に設置された呼び登録装置1A(
図2参照)であり、
図7は、利用者が行動入力ボタン23へのタッチ操作を入力した後の表示例を示している。
図7の例では、表示制御部106は、行動入力ボタン23へのタッチ操作を呼び登録装置1が受け付けたことをユーザに示すために、行動入力ボタン23の態様(例えば、色)を変化させている。
【0073】
図7の例では、利用者の行先階および利用者が乗るべきエレベータ3の号機を示すテキスト212が、表示エリア21に表示されている。テキスト212は、「4階→B号機」とのテキストである。呼び登録装置1は、テキスト212を表示し、利用者にテキスト212を視認させることで、B号機に乗り4階の喫煙室へ向かうことを利用者に対して促す。
【0074】
<利用人数更新処理の流れ>
図8は、エレベータ群管理システム2が実行する利用人数更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
行先階呼び割当部202は、呼び登録装置1から通知を受信する(S11)と、通知に応じた階床の移動中人数に1を加算する(S12)。具体的には、受信した通知が、行動入力ボタン23へのタッチ操作に基づく呼びの登録である旨の通知である場合、行先階呼び割当部202は、呼びの情報が示す行先階の移動中人数に1を加算する。また、受信した通知が、現在階の喫煙室を選択した旨の通知である場合、行先階呼び割当部202は、通知元の呼び登録装置1が設けられた階床の移動中人数に1を加算する。そして、行先階呼び割当部202は、1を加算した移動中人数に対応する階床と、通知元の呼び登録装置1が設けられた階床とを示す階床情報を、利用人数特定部201へ出力する。
【0076】
利用人数特定部201は、取得した階床情報に基づき、利用者が現在階の喫煙室へ向かうか否かを判定する(S13)。この判定の詳細については既に説明しているため、ここでは繰り返さない。
【0077】
利用者が現在階の喫煙室へ向かうと判定した場合(S13でYES)、利用人数特定部201は、時間経過の計測を開始し(S14)、時間経過が推定移動時間に到達するまで待機する(S15)。そして、時間経過が推定移動時間に到達すると(S15でYES)、利用人数特定部201は、階床情報が示す、移動中人数に1を加算した階床について、移動中人数から1を減算する(S16)。以上で、移動中人数更新処理は終了する。
【0078】
利用者が現在階と異なる階床の喫煙室へ向かうと判定した場合(S13でNO)、利用人数特定部201は、呼びに割り当てられたエレベータ3のかごが行先階に到着するまで待機する(S17)。当該かごが行先階に到着すると(S17でYES)、利用人数特定部201は、時間経過の計測を開始する(S14)。以降、利用人数特定部201がS15およびS16の処理を実行し、移動中人数更新処理は終了する。
【0079】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る呼び登録装置1は、タッチパネル20に表示された行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する入力受付部101を備える。また、呼び登録装置1は、当該タッチ操作を受け付けたことに基づき、建物内に設けられた喫煙室のいずれかを選択する選択部104を備える。また、呼び登録装置1は、選択された喫煙室が設けられた階床が現在階と異なる階床である場合、当該階床を行先階とする呼びをエレベータ群管理システム2へ登録する登録部105を備える。また、呼び登録装置1は、選択された喫煙室が設けられた階床が現在階である場合、現在階に喫煙室が存在することを利用者に通知する表示制御部106を備える。
【0080】
前記の構成によれば、現在階の喫煙室が選択された場合、喫煙室が現在階に存在することを利用者に通知する。これにより、エレベータ3を利用しようとしていた利用者は、エレベータの利用を中止し、自身がいる階床の喫煙室へ行くことができる。結果として、利用者に、適切な喫煙室を提示することができる。
【0081】
特に、建物を初めて利用する利用者の場合、利用者は喫煙室がどの階床にあるかを把握していない場合がある。前記の構成によれば、現在階に喫煙室があることを利用者に伝えることができ、利用者の不要なエレベータ3の利用を抑えることができる。
【0082】
また、呼び登録装置1は、各喫煙室の利用人数を取得する利用状況特定部103を備える。そして、選択部104は、当該利用人数に基づき、喫煙室のいずれかを選択する。
【0083】
前記の構成によれば、選択部104は、喫煙室の利用人数に基づいて喫煙室を選択するので、利用者に適切な喫煙室を提示することができる。例えば、選択部104が、利用人数が最も少ない喫煙室を選択することで、利用者が快適に喫煙室を利用することができるとともに、利用者が喫煙室に行ったにもかかわらず、満員で利用できないという状況が発生する可能性を低減させることができる。
【0084】
また、利用状況特定部103は、各喫煙室における喫煙室内人数と移動中人数との合計値に基づき、各喫煙室が満員であるか否かを判定する。選択部104は、満員と判定された喫煙室を選択しない。
【0085】
前記の構成によれば、利用者を満員の喫煙室に向かわせる可能性を低減させることができる。結果として、利用者が喫煙室に行ったにもかかわらず、満員で利用できないという状況が発生する可能性を低減させることができる。
【0086】
また、喫煙室の選択が行われたことに基づく通知を、選択部104はエレベータ群管理システム2へ送信し、当該通知を受信したことに基づき、エレベータ群管理システム2において、選択された喫煙室の移動中人数に1が加算される。また、推定移動時間が所定の時間から経過したとき、当該移動中人数から1が減算される。この所定の時点は、選択された喫煙室が設けられた階床が現在階である場合、エレベータ群管理システム2が、これを特定した時点である。一方、選択された喫煙室が設けられた階床が現在階でない場合、この所定の時点は、呼びを登録されたエレベータ3のかごが行先階に到着した時点である。
【0087】
前記の構成によれば、喫煙室の利用者が喫煙室に到着したことを検知する装置(例えば、カードリーダなど)を喫煙室に設置せずとも、移動中人数を特定することができる。
【0088】
また、呼び登録装置1は、エレベータ3の運行状況を取得する運行状況取得部102を備える。そして、選択部104は、取得した運行状況に基づき、喫煙室のいずれかを選択する。
【0089】
前記の構成によれば、選択部104は、エレベータ3の運行状況に基づいて喫煙室を選択するので、利用者に適切な喫煙室を提示することができる。例えば、選択部104は、運行状況に鑑みて、利用者が最も早く到着することができる喫煙室を選択することができる。
【0090】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0091】
図9は、本実施形態に係る呼び登録装置1aの要部構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る呼び登録装置1aは、行動入力ボタン23への利用者のタッチ操作に基づき、建物に設けられた喫煙室の少なくとも一部における、喫煙室の各々に対応するGUIである選択肢ボタン(特定施設情報)をタッチパネル20に表示させる。これにより、呼び登録装置1aは、利用者に喫煙室を選択させる。
【0092】
<呼び登録装置1aの要部構成>
図9を参照して、呼び登録装置1aの要部構成について説明する。呼び登録装置1aが呼び登録装置1と異なる点は、制御部10に代えて制御部10aを備える点である。制御部10aが制御部10と異なる点は、入力受付部101、選択部104および表示制御部106に代えて、入力受付部101a、選択部104aおよび表示制御部106a(表示部)を含む点である。
【0093】
入力受付部101aは、入力受付部101が有する機能に加え、以下の機能を有する。すなわち、入力受付部101aは、上述の選択肢ボタンへのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得すると、選択部104aへ、タッチ操作を受け付けた選択肢ボタンに対応する喫煙室を選択するよう指示する。
【0094】
選択部104aは、選択部104が有する機能に代えて、以下の機能を有する。すなわち、選択部104aは、エレベータ3の運行状況および喫煙室の利用状況に基づき、満員の喫煙室を除く喫煙室を、利用者が利用する喫煙室の候補として選択する。そして、特定した喫煙室を示す喫煙室情報を、表示制御部106aへ出力する。喫煙室情報は、特定した喫煙室を識別する情報、特定した喫煙室の各々の利用人数、特定した喫煙室の各々の移動時間を含む。
【0095】
また、選択部104aは、入力受付部101aからの指示に従い、タッチ操作を受け付けた選択肢ボタンに対応する喫煙室を選択する。選択後の処理については、選択部104が実行する処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0096】
表示制御部106aは、表示制御部106が有する機能に加え、以下の機能を有する。すなわち、表示制御部106aは、選択部104から取得した喫煙室情報に基づき、選択肢ボタンをタッチパネル20(表示部14)に表示させる。表示制御部106aは、一例として、利用者が利用する可能性が高い喫煙室に対応する選択肢ボタンを、タッチパネル20のより上部に表示する。
【0097】
<喫煙室選択処理の流れ>
図10は、呼び登録装置1aの制御部10aが実行する喫煙室選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、当該フローチャートについて、
図5に示すフローチャートと同一の処理を実行するステップについては、同じステップ番号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0098】
選択部104は、取得した運転状況と利用人数とに基づき、利用者が利用する喫煙室の候補を選択する(S21)。一例として、選択部104は、満員と判定された喫煙室を除く喫煙室を上記候補として選択する。選択部104は、選択した喫煙室の候補の喫煙室情報を表示制御部106へ出力する。
【0099】
表示制御部106は、喫煙室情報に基づき上記候補を選択肢(選択肢ボタン)として表示部14に表示させる(S22、表示ステップ)。入力受付部101は、選択肢のいずれかへのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する(S23)。入力受付部101は、当該操作信号を取得したことに基づき、選択部104へ、タッチ操作を受け付けた選択肢ボタンに対応する喫煙室を選択するよう指示する。
【0100】
図11は、呼び登録装置1aの表示の一具体例を示す図である。
図11に示す呼び登録装置1aは、建物の1階に設置された呼び登録装置1A(
図2参照)であり、
図11は、利用者が行動入力ボタン23へのタッチ操作を入力した後の表示例を示している。
【0101】
図11の例では、選択肢ボタン24A、24Bおよび24Cがタッチパネル20に表示されている。選択肢ボタン24Aは、7階に設けられた喫煙室を選択するためのGUIであり、7階を示す「7F」、当該喫煙室の利用人数を示す「現在利用者0人」および当該喫煙室までの移動時間を示す「到着までの予想時間5分」とのテキストを含む。選択肢ボタン24Bは、1階に設けられた喫煙室を選択するためのGUIであり、1階を示す「1F」、当該喫煙室の利用人数を示す「現在利用者3人」および当該喫煙室までの移動時間を示す「到着までの予想時間1分」とのテキストを含む。選択肢ボタン24Cは、4階に設けられた喫煙室を選択するためのGUIであり、4階を示す「4F」、当該喫煙室の利用人数を示す「現在利用者0人」および当該喫煙室までの移動時間を示す「到着までの予想時間8分」とのテキストを含む。なお、選択肢ボタン24A~24Cを区別しないときには、単に「選択肢ボタン24」と表記する。
【0102】
上述したとおり、表示制御部106aは、利用者が利用する可能性が高い喫煙室に対応する選択肢ボタン24を、タッチパネル20のより上部に表示する。利用者が利用する可能性が高い喫煙室とは、例えば、利用人数がより少ない喫煙室、または、移動時間がより短い喫煙室である。
図11の例では、利用人数が最も少なく、移動時間が2番目に短い7階の喫煙室に対応する選択肢ボタン24Aが、選択肢ボタン24A~24Cのうち、最も上部に表示されている。また、
図11の例では、利用人数が最も多く、移動時間が最も長い4階の喫煙室に対応する選択肢ボタン24Cが選択肢ボタン24A~24Cのうち、最も下部に表示されている。また、
図11の例では、利用人数が2番目に少なく、移動時間が最も短い1階の喫煙室に対応する選択肢ボタン24Bが、選択肢ボタン24Aと24Cとの間に表示されている。なお、表示制御部106aは、選択肢ボタン24Aと選択肢ボタン24Bとの位置を入れ替えて表示させてもよい。つまり、
図11の例では、利用人数が少ない喫煙室を、移動時間が短い喫煙室より優先して表示させているが、利用人数が少ない喫煙室より、移動時間が短い喫煙室を優先して表示してもよい。
【0103】
なお、
図11の例では、9階に設けられた喫煙室は満員であるため表示されていない。また、
図11に示すように、利用者は、選択肢ボタン24Aへのタッチ操作を入力したとする。
【0104】
図12は、呼び登録装置1aの表示の一具体例を示す図である。
図12は、
図11に示す、選択肢ボタン24Aへのタッチ操作が入力された後の表示例を示している。
図11の例では、表示制御部106aは、選択肢ボタン24Aへのタッチ操作を呼び登録装置1aが受け付けたことをユーザに示すために、選択肢ボタン24Aの態様(例えば、色)を変化させている。
【0105】
図12の例では、利用者の行先階および利用者が乗るべきエレベータ3の号機を示すテキスト213が、表示エリア21に表示されている。テキスト213は、「7階→A号機」とのテキストである。呼び登録装置1aは、テキスト213を表示し、利用者にテキスト213を視認させることで、A号機に乗り7階の喫煙室へ向かうことを利用者に対して促す。
【0106】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る呼び登録装置1aの表示制御部106aは、建物に設けられている喫煙室の少なくとも一部について、喫煙室の各々に対応する選択肢ボタン24を表示部14に表示させる。入力受付部101aは、選択肢ボタン24のいずれかを選択するタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する。選択部104aは、利用者の選択、すなわち、選択された選択肢ボタン24に対応した喫煙室を選択する。表示制御部106aは、選択肢ボタン24の表示において、満員の喫煙室に対応する喫煙室ボタンを表示しない。
【0107】
前記の構成によれば、満員の喫煙室を利用者が選択することが無くなるので、利用者が喫煙室に行ったにもかかわらず喫煙室を利用できない、という状況が発生する可能性を低減させることができる。
【0108】
また、呼び登録装置1aは、以下のように表現することもできる。呼び登録装置1aは、エレベータ3の運行状況を取得する運行状況取得部102を備える。また、呼び登録装置1aは、タッチパネル20に表示された行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する入力受付部101aを備える。また、呼び登録装置1aは、複数の階床に設けられている喫煙室から、利用者のアクセスしやすい喫煙室を利用者が選択できるような表示を、エレベータ3の運行状況と利用者の現在階とに基づき行う表示制御部106aを備える。また、呼び登録装置1aは、利用者の選択に対応した階床を行先階とする呼びをエレベータ群管理システム2に登録する登録部105を備える。
【0109】
前記の構成によれば、建物に設けられた喫煙室のうち、利用者のアクセスしやすい喫煙室を利用者が選択できるような表示を、エレベータ3の運行状況と現在階とに基づき行い、利用者の選択に対応した階床を行先階とする呼びを登録する。これにより、利用者がアクセスしやすい喫煙室を選択するよう利用者に促すことができる。結果として、利用者における、呼びの登録から喫煙開始までにかかる時間を短くすることができる。
【0110】
また、呼び登録装置1aは、以下のように表現することもできる。呼び登録装置1aは、タッチパネル20に表示された行動入力ボタン23へのタッチ操作を受け付けたことを示す操作信号を取得する入力受付部101aを備える。また、呼び登録装置1aは、各喫煙室の利用人数を取得する利用状況特定部103を備える。また、呼び登録装置1aは、複数の階床に設けられている喫煙室から、利用者が利用可能な喫煙室を利用者が選択できるような表示を、各喫煙室の利用人数と利用者の現在階とに基づき行う表示制御部106aを備える。また、呼び登録装置1aは、利用者の選択に対応した階床を行先階とする呼びをエレベータ群管理システム2に登録する登録部105を備える。
【0111】
前記の構成によれば、建物に設けられた喫煙室のうち、利用者が利用可能な喫煙室を利用者が選択できるような表示を、各喫煙室の利用人数と利用者の現在階とに基づき行い、利用者の選択に対応した階床を行先階とする呼びを登録する。これにより、利用者が喫煙室に行ったにもかかわらず、満員で利用できないという状況が発生する可能性を低減させることができる。
【0112】
<実施形態2の変形例>
実施形態2では、表示制御部106aは、満員の喫煙室に対応する選択肢ボタン24を表示させない構成であったが、この例に限定されない。表示制御部106aは、満員の喫煙室に対応する選択肢ボタンを選択不可能とすればよい。
【0113】
図13は、呼び登録装置1aの表示の一具体例を示す図である。
図13に示す呼び登録装置1aは、建物の1階に設置された呼び登録装置1A(
図2参照)であり、
図13は、利用者が行動入力ボタン23へのタッチ操作を入力した後の表示例を示している。
【0114】
図13の例では、満員である9階の喫煙室に対応する選択肢ボタン24Dがタッチパネル20に表示されている。しかしながら、選択肢ボタン24Dは選択不可能であり、選択肢ボタン24Dへのタッチ操作を入力したとしても、9回の喫煙室は選択されない。ここで、「選択不可能」とは、入力受付部101aが、タッチパネル20(入力部12)を、選択肢ボタン24Dの表示領域へのタッチ操作を受け付けないように制御する構成であってもよい。あるいは、入力受付部101aが、当該表示領域へのタッチ操作を示す操作信号を取得した場合、その操作信号に基づく処理を実行しない構成であってもよい。
【0115】
表示制御部106aは、選択肢ボタン24Dを選択不可能であることを利用者に認識させることが望ましい。一例として、表示制御部106aは、
図13に示すように、選択肢ボタン24Dを「満員のため利用できません」とのテキストを含むものとしてもよい。また、表示制御部106aは、
図13に示すように、他の選択肢ボタン24A~24Cと、選択肢ボタン24Dとの態様(例えば、色)を異ならせてもよい。
【0116】
また、呼び登録装置1aは、現在階の喫煙室に対応する選択肢ボタン24を表示しない構成であってもよい。換言すれば、呼び登録装置1aは、現在階とは異なる階床の喫煙室に対応する選択肢ボタン24のみを表示する構成であってもよい。この例の場合、利用者が選択肢ボタン24へのタッチ操作を入力した場合、その選択肢ボタン24に対応する階床を行先階とする呼びが、エレベータ群管理システム2へ登録される。
【0117】
また、呼び登録装置1aは、階床を選択する選択肢ボタン24に代えて、利用者の好みの喫煙室を選択する選択肢ボタンを表示する構成であってもよい。ここで、「利用者の好み」とは、例えば、「近い喫煙室」、「混雑していない喫煙室」、「より上方階にある喫煙室」、「より下方階にある喫煙室」などであるが、この例に限定されない。
【0118】
入力受付部101aは、いずれかの選択肢ボタンが選択されたことを示す操作信号を受け付けると、選択された選択肢ボタンが示す利用者の好みに応じた喫煙室を選択するよう、選択部104aに指示する。選択部104aは、エレベータ3の運行状況、利用者の現在階および各喫煙室の利用人数などに基づき、利用者の好みに応じた喫煙室を選択し、選択した喫煙室に対応する階床を示す情報を表示制御部106aに出力する。表示制御部106aは、取得した情報が示す階床に対応した選択肢ボタン24を表示部14に表示させる。
【0119】
なお、選択部104aは、利用者の好みに最も合致する喫煙室を1つ選択し、選択した喫煙室に対応する階床を示す情報を登録部105へ出力してもよい。この例の場合、登録部105は、取得した情報が示す階床を行先階とする呼びをエレベータ群管理システム2へ登録する。この例の場合、表示部14に選択肢ボタン24は表示されない。
【0120】
また、選択肢ボタン24の各々は、選択肢ボタン24に対応する階床に設けられた施設を示す情報を含んでいてもよい。当該施設とは、例えば、トイレ、タバコや飲料などの自動販売機、授乳室、喫茶店などであるが、この例に限定されない。
【0121】
〔実施形態1および2に共通の変形例〕
以下の各変形例は、原則として実施形態1の変形例として説明するが、実施形態2にも適用可能である。
【0122】
上述した実施形態では、行動入力ボタン23へのタッチ操作の入力により、喫煙室を選択する構成を説明したが、行動入力ボタン23へのタッチ操作の入力により選択可能となる施設は、喫煙室に限定されない。当該施設は、例えば、更衣室、トイレ、レストラン、フリーアドレスのオフィス、休憩室などであってもよい。呼び登録装置1は、喫煙室を含むこれら施設のうち、複数の施設の各々を示す、複数の行動入力ボタン23をタッチパネル20に表示させてもよい。
【0123】
なお、実施形態2に本変形例を適用する場合、選択肢ボタン24は、利用者に選択された施設に応じた情報を含んでいてもよい。例えば、当該施設がトイレである場合、選択肢ボタン24は、利用状況(利用人数など)を含んでいてもよい。また、当該施設がレストランである場合、選択肢ボタン24は、利用状況や待ち時間を含んでいてもよい。また、当該施設がフリーアドレスのオフィスである場合、選択肢ボタン24は、各オフィスの空席となっているデスクの数または席数を表示してもよい。
【0124】
選択部104は、エレベータ3の運行状況と、各喫煙室の利用状況(利用人数)とのうち、少なくとも一方を用いることなく喫煙室を選択してもよい。エレベータ3の運行状況を用いない構成の場合、制御部10は、運行状況取得部102を含んでいなくてもよい。また、各喫煙室の利用状況を用いない構成の場合、制御部10は、利用状況特定部103を含んでいなくてもよい。
【0125】
選択部104が喫煙室を選択する際に用いる情報は、エレベータ3の運行状況と、各喫煙室の利用状況とに限定されない。例えば、選択部104は、現在階と各喫煙室が設けられた階床との距離を用いてもよい。
【0126】
また、行動入力ボタン23は、上述した実施形態にて説明したように、施設で利用者が行う行動(例えば、喫煙)を示すGUIであってもよいし、施設そのもの(例えば、喫煙室)を示すGUIであってもよい。
【0127】
上述した実施形態では、利用状況特定部103が取得する情報が利用人数である例を説明したが、当該情報はこの例に限定されない。例えば、当該情報は施設の空き状況であってもよい。ここで、空き状況とは、例えば、施設の定員から利用人数を減算した値であってもよい。
【0128】
また、移動中人数から1を減算するタイミングは、上述した実施形態の例に限定されない。例えば、当該タイミングは、選択部104が選択した喫煙室が設けられた階床が現在階である場合、選択部104が当該喫煙室を選択してから、表示制御部106が、喫煙室が現在階にある旨を通知するまでの期間内にあればよい。また、選択部104が選択した喫煙室が設けられた階床が現在階でない場合、当該タイミングは、登録部105が呼びを登録したエレベータ3のかごが行先階に停止してから、行先階の乗場ドアが開くまでの期間内にあればよい。
【0129】
また、例えば、施設の入口にカードリーダを設置しておき、施設の入り口でカードがカードリーダにて読み取られた時点で、当該施設に対応する移動中人数から1を減算してもよい。
【0130】
上述した実施形態では、移動中人数の更新および利用人数の算出をエレベータ群管理システム2が行う例を説明したが、これらの処理を呼び登録装置1が行ってもよい。
【0131】
上述した実施形態では、呼び登録装置1が各階床に備え付けの装置である例を説明したが、これに限定されない。例えば、呼び登録装置1は利用者の携帯端末であってもよい。換言すれば、利用者の携帯端末を呼び登録装置として機能させるアプリケーションが、当該携帯端末にインストールされている構成であってもよい。なお、この例の場合、当該携帯端末は、自端末が位置する階床を特定する必要がある。この特定について、例えば、利用者が当該階床を携帯端末へ入力してもよいし、各階床に設けられたビーコンなどから発信される無線信号を受信し、携帯端末が階床を特定してもよい。
【0132】
〔ソフトウェアによる実現例〕
呼び登録装置1および1aの制御ブロック(特に制御部10および10a)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0133】
後者の場合、呼び登録装置1および1aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0134】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0135】
1、1a 呼び登録装置
2 エレベータ群管理システム(エレベータシステム)
3 エレベータ
4 喫煙室情報提供システム(管理システム)
101、101a 入力受付部
102 運行状況取得部
103 利用状況特定部(特定部、取得部)
104、104a 選択部
105 登録部
106、106a 表示制御部(通知部、表示部)
S1 入力受付ステップ
S2 運行状況取得ステップ
S4 特定ステップ
S5 選択ステップ
S7 通知ステップ
S8 登録ステップ
S22 表示ステップ