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特許7014356異種フォーマット情報の校合・表示用コンピュータ利用システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】異種フォーマット情報の校合・表示用コンピュータ利用システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/17 20190101AFI20220125BHJP
   G06F 40/12 20200101ALI20220125BHJP
   G06F 40/151 20200101ALI20220125BHJP
【FI】
G06F16/17 100
G06F40/12
G06F40/151
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017520031
(86)(22)【出願日】2015-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-10-12
(86)【国際出願番号】 IB2015054734
(87)【国際公開番号】W WO2016001797
(87)【国際公開日】2016-01-07
【審査請求日】2018-06-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】2128/MUM/2014
(32)【優先日】2014-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】516077747
【氏名又は名称】ヴイエフ ワールドワイド ホールディングス エルティディ
【氏名又は名称原語表記】VF Worldwide Holdings Ltd
【住所又は居所原語表記】Unit No3101-A,JBC1,Plot NoJLT-PH1-G2A,Jumeirah Lakes Towers,Dubai,UAE
(74)【代理人】
【識別番号】100125184
【弁理士】
【氏名又は名称】二口 治
(72)【発明者】
【氏名】デサイ、ファルグニ ジグネシュ
(72)【発明者】
【氏名】パタク、ヴィシュワス ムクンド
(72)【発明者】
【氏名】バードワジ、バラット チャマンラル
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】相崎 裕恒
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-514056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
G06F40/00-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
査証申請のための異種フォーマット情報の校合・表示用コンピュータ利用システム(100)であって、前記の異種フォーマット情報はテキスト形式、画像形式、動画形式の情報を含み、前記のシステム(100)は、メモリ(102)、プロセッサ(104)、一時レポジトリ(106)、入力モジュール(108)、クロール抽出手段(110)、識別カウント手段(122)、変換手段(112)、校合手段(114)、常駐レポジトリ(120)、認証手段(124)、ディスプレイ(116)からなるものであり、
前記メモリ(102)は、異なる国の当局が規定した査証規定に関わる一組のルールを保存するように構成されるものであり、
前記プロセッサ(104)は、メモリと協業して前記査証規定に関わる一組のルールを受け取り、前記査証規定に関わるルールに基づいて一組のコマンドを生成するように構成されるものであり、
前記一時レポジトリ(106)は、プロセッサ(104)に結合され、異種フォーマット情報の複数の項目を保存するためのものであり、ここで、異種フォーマット情報の各項目は、クライアント識別子でタグ付けられており、
前記入力モジュール(108)は、プロセッサ(104)に結合され、クライアントに対応するクライアント識別子と希望する出力情報のフォーマット形式を、ユーザーから受けるように構成されるものであり、
前記クロール抽出手段(110)は、プロセッサに結合され、一組のコマンドを受け取り、入力モジュールと協業してクライアント識別子を受け取るように構成されるものであって、さらに、前記一時レポジトリ(106)をクロールし、異種フォーマット情報の項目に付いたタグを読み取り、前記クライアント識別子のタグが付いた全項目を抽出するように構成されるものであり、
前記識別カウント手段(122)は、プロセッサ(104)に結合され、一組のコマンドを受け取り、前記クロール抽出手段(110)と協業して抽出された項目を受け取り、前記抽出された項目の中から関心点を識別するように構成されるものであって、さらに、該項目の中から識別された関心点を数え、項目に対応する関心カウントを取得するように構成されており、ここで、前記関心点は、項目の変換および校合のための該項目内にある必須の特徴を意味するものであり、
前記変換手段(112)は、プロセッサ(104)に結合され、一組のコマンドを受け取り、入力モジュールと協業して、希望する出力情報フォーマット形式を受け取るように構成されるものであり、さらに、前記クロール抽出手段(110)と協業して前記抽出された項目を受け取り、異種フォーマット情報の抽出された項目を、前記希望する出力情報のフォーマット形式の項目に変換し、前記の受け取った一組のコマンドに基づいて変換された項目を取得するように構成されるものであり、
前記校合手段(114)は、プロセッサ(104)に結合され、一組のコマンドを受け取り、変換手段と協業して変換された項目を受け取るように構成されるものであり、さらに、受け取った前記一組のコマンドに基づいて、前記クライアント識別子に対応する変換された項目を校合し、クライアント関連の校合された情報を取得するように構成されるものであり、さらに、前記変換された項目が、あらかじめ定義された必須情報を含んでいるかどうかを確認し、必須情報が欠如している場合にはユーザーに通知する確認モジュール(114a)を備えるものであり、
前記常駐レポジトリ(120)は、異種フォーマット情報の複数の項目の中から複数の予め定義された関心点と対応する閾値とを含む表を保存するように構成されるものであり、さらに、対応するクライアント識別子でタグ付けされた校合された情報を保存するように構成されるものであり、
前記認証手段(124)は、前記プロセッサ(104)と、前記常駐レポジトリ(120)と、前記識別カウント手段(122)に結合されており、
ロセッサ(104)に結合され、一組のコマンドを受け取り、クロール抽出手段(110)と協業して抽出された項目を受け取るように構成されるものであり、
さらに、前記常駐レポジトリ(120)に結合され、抽出された項目に対応する保存されている関心点と閾値と、校合された情報を受け取り、前記識別カウント手段(122)に結合され、前記の項目に対応する識別された関心点と関心カウントを受け取り、
前記常駐レポジトリから受け取った関心点と閾値と、識別カウント手段(122)から受け取った関心点と関心カウントとを照合し、項目を認証するように構成されるものであり、
前記認証手段(124)は、異種フォーマット情報項目をDNA型鑑定技術で認証するように構成されたDNA認証手段(124a)を含むものであり、
前記ディスプレイ(116)は、プロセッサ(104)に結合され、一組のコマンドを受け取り、前記校合手段(114)と協業してクライアント関連の校合された情報を受け取るように構成されるものであり、さらに、前記の受け取られた一組のコマンドに基づいて前記の校合された情報を表示するように構成されるものである、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記システム(100)は、登録モジュール(118)を備え、前記登録モジュール(118)は、複数のクライアントを登録し、異種フォーマット情報の項目をクライアントから受け入れ、登録に成功すると、前記一時レポジトリ(106)に保存するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システム(100)は、提供された情報のフォーマットを特定するようにクライアントに要求するように構成されるものであり、さらに、提供された情報を変換するのに適する変換ツールをインポートまたは承認するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム(100)は、提供された情報を認証するように構成されるものであり、さらにクライアントが提供した情報が適合しない場合は、修正情報を提供するようクライアントに要求するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記システム(100)は、クライアントから提供された情報が適合することを確認するように構成されるものであり、さらに適合しない情報を根拠付けるための根拠文書が、クライアントにより提供されたことを確認するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システム(100)は、エディター(126)を備え、前記エディター(126)は、常駐レポジトリ(120)と協業して保存済みの複数の予め定義された閾値を編集するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システム(100)は、予め定義された期間が経過すると異種フォーマット情報の保存された項目を一時レポジトリから消去するように構成されるものである請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法であって、前記の異種フォーマット情報はテキスト形式、画像形式、動画形式の情報を含み、
異なる国の当局が規定した査証規定に関わる一組のルールを保存し、前記のルールに基づいて一組のコマンドを生成し、
さらに複数の項目の異種フォーマット情報を一時レポジトリに保存し、ここで、異種フォーマット情報の各項目がクライアント識別子でタグ付けされ、
ユーザーからクライアントに対応するクライアント識別子と希望する出力情報のフォーマット形式を受け取り、
前記一組のコマンドに基づいて、前記一時レポジトリをクロールし、異種フォーマット情報の項目に付いたタグを読み取り、前記クライアント識別子のタグが付いた全項目を抽出し、抽出された項目を取得し、
前記抽出された項目の中から関心点を識別し、前記抽出された項目の中から識別された関心点を数え、前記の項目に対応する関心カウントを取得し、ここで、関心点は、項目の変換および校合のために項目内にある必須の特徴を意味するものであり、
前記一組のコマンドに基づいて、異種フォーマット情報の抽出された項目を前記希望する出力情報のフォーマット形式の項目に変換し、変換された項目を取得し、
前記一組のコマンドに基づいて、前記クライアント識別子に対応する変換された項目を校合し、前記クライアント関連の校合された情報を取得し、ここで、変換された項目を校合することには、さらに、変換された項目があらかじめ定義された必須情報を含んでいるかどうかを確認し、必須情報が欠如している場合にはユーザーに通知することを含み、
常駐レポジトリに、対応するクライアント識別子でタグ付けされた校合された情報を保存し、異種フォーマット情報の複数の項目の中から予め定義された複数の関心点と対応する閾値を記載した表を保存し、
常駐レポジトリからの保存されている関心点と、閾値と、校合された情報と、
抽出された項目内の識別された関心点と関心カウントとを照合して項目を認証し、
前記の項目認証手順にはDNA型鑑定技術を使用した異種フォーマット情報の項目認証を含み、
前記の一組のコマンドに基づいて、前記の校合された情報を表示することを特徴とする査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項9】
複数クライアントを登録し、クライアントから入力された異種フォーマット情報項目を承認し、一時レポジトリへの保存をすること含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項10】
ライアントから提供された情報のフォーマットを確認し、提供された情報のフォーマットが適さない場合に処理可能な形式の情報を提供するようクライアントに要求することを含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項11】
供された情報のフォーマットを特定するようにクライントに要求し、提供された情報を変換するために適する変換ツールをインポートまたは承認することを含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項12】
提供された情報を認証し、さらにクライアントから提供された情報が適さない場合には情報修正を提供することをクライアントに要求することを含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項13】
クライアントから提供された情報が適すことを確認し、および、適さない情報を根拠付けるためにクライアントから根拠文書提供されたことを確認することを含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項14】
存済み複数の予め定義された閾値の編集を含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【請求項15】
め定義された期間が経過すると異種フォーマット情報の保存された項目を一時レポジトリから消去することを含む請求項8に記載の査証申請のための異種フォーマット情報を校合および表示するコンピュータ利用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なるフォーマットによる情報の校合と表示分野に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的作業環境は複数のアプリケーションを実装したコンピュータ1台または複数から成っている。これらのアプリケーションは通常異なるファイル形式の文書/情報を作成および/または保存する。現状利用可能な変換ツールはアプリケーションモジュールが異種形式のファイルを元にアプリケーションモジュールによって認識しうるフォーマットに変換することを可能にする。近年においてはエンドユーザーがアプリケーション横断的に単一ビューでアーカイブを希望しており、コンテンツの校合を促した。適用するデータ表示をレポート形態に変換する多くのアプリケーションは存在するが、適用するデータの単一ビューを異種システム、フォーマット、場所で提供しうるアプリケーションに対するニーズが存在する。
【0003】
現在利用可能な多くの変換ツールはアプリケーションモジュールが異種形式のファイルを元にアプリケーションモジュールによって認識しうるフォーマットに変換することを可能にする。変換ツールが異種ファイル形式を認識できない場合、ユーザーは形式を手動で識別するか、変換プロセスを終了するように指示される。さらに、一部のファイル異種形式/ネーティブ形式は内在的な構造ゆえに変換が困難な場合がある。
【0004】
エンドユーザーが異なる形式のファイルを一つの共通形式に変換したい場合、変換すべきファイル形式別に複数の種類の変換ツールを使用せざるをえない。その変換が完了するとさらに、すべての変換済みファイルをユーザーの望む場所に一括してからでないと、エンドユーザーは次の操作を行うことができない。
【0005】
従って、上記のファイル形式変換とデータの校合という時間のかかるプロセスによる不利を軽減するため、業界にはプラットフォーム非依存システムを開発する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の目的
本発明によるシステムの一つの目的は複数のフォーマットに散在する情報を校合するシステムを提供することである。
【0007】
本発明によるシステムのもう一つの目的は校合された異種フォーマット情報をユーザーが指定するフォーマットで校合し表示するシステムを提供することである。
【0008】
本発明によるシステムのさらに一つの目的は不明な情報フォーマットに適するフォーマットが取得できるシステムを提供することである。
【0009】
本発明のその他の目的と優位性は、本発明の範囲をこれに限定することは意図されていない、付帯図面を参照しつつ読むと以下の説明からさらに明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要約
本発明はテキスト形式、画像形式、動画形式の情報を含む異種フォーマット情報の校合・表示用コンピュータ利用システムに関する。一つの実施形態において、同システムは一組の規則を保存するように構成されたメモリと前記の規則を受けてメモリと協業し、これらの規則に基づいて一組のコマンドセットを生成するように構成されたプロセッサから成る。同システムはさらに異種フォーマット情報の複数の項目を保存するための一時レポジトリから構成され、ここに、異種フォーマット情報の各項目がクライアント識別子のタグを付けられる。同システムはさらに、クライアントと希望する出力情報のフォーマットに対応したクライアント識別子をユーザーから受ける入力モジュールからも構成される。同システムにはクロール抽出手段が一個ずつ存在し、一時レポジトリをクロールし、異種フォーマット情報の項目に付いたタグを読み取り、受け取ったクライアント識別子タグ付きの全項目を抽出する。同システムは異種フォーマット情報の抽出項目を、受け取った必要な出力情報フォーマットに変換する変換手段から構成される。次にシステムに存在する一個の校合手段はクライアント識別子に対応する変換された項目を、一組の受け取ったコマンドセットに基づいて校合し、クライアントに関連する校合済み情報を取得し、この校合済み情報を表示する。
【0011】
異種フォーマット情報の校合と表示に係るコンセプトを説明するためにこの要約を記載した。このコンセプトは以下でさらに詳しく説明される。この要約は本発明のすべての本質的特長を特定するものでも、本発明の範囲を規定し限定することも意図していない。
【0012】
付帯図面の簡単な説明
次に本発明による異種フォーマット情報を校合、表示するためのコンピュータ利用システムおよび方法を、付帯図面を用いて説明する。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は異種フォーマット情報をユーザーの望むフォーマットで校合・表示するためのシステム実施形態の概念図を表す。
図2図2は異種フォーマット情報をユーザーの望むフォーマットで校合・表示する方法を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
本発明のシステムを付帯図面に示す実施形態を参照しながら以下で説明する。この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。説明はあくまでも、例示および開示されたシステムの優先的実施形態とその用途提案のために行われる。
【0015】
本発明のシステムならびに様々な特長および優位性の詳細を限定することのない実施例を参照することによって以下に説明する。確立している既存のパラメタならびに処理技術についての説明は省略し、本発明の実施例についての理解を不要に困難にしないようにした。本発明に使用されている例は単に本発明の実施例を実用化可能にする方法の理解を容易にし、この分野の技能を持つ者が本発明の実施例を実施することを可能にすることのみを目的としている。従って、例によって本発明の実施例の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0016】
本発明のシステムはクライアントの個人情報を追加の関連情報とともに一時レポジトリに保存する。保存された情報項目は通常は異なるフォーマットのものであって、これらは次にシステムによりシステムユーザーの望むフォーマットまたは予め定義されたフォーマットに変換される。次に変換された情報はユーザーに対して一括表示され次の処理を行うことができる。
【0017】
付帯図面を参照すると、図1は異種フォーマット情報をユーザーの望むフォーマットまたは予め定義されたフォーマットで校合・表示するためのシステム実施形態の模式図100を表す。
【0018】
本発明により意図されるシステム100は一組の規則を保存するように構成された一個のメモリ102から構成される。メモリ102は記憶されている一組の規則を使用して一組のコマンドを生成するプロセッサ104に結合されている。同コマンドはシステム100内にあるモジュールへ送られ、テキスト形式、画像形式、動画形式の情報を含む異種フォーマット情報を校合・表示する。システム100はさらに、異種フォーマット情報ファイル/項目を保存した一時レポジトリ106から構成され、ここに、クライアントとは、特定の処理および/または後続処理のために保存すべき情報の主体であるユーザーを意味する。一時レポジトリ106に保存されたクライアント情報ファイルはクライアントに予め割り当て済みの固有のクライアント識別子/ クライアントIDのタグが付けられている。追加情報は特定のクライアント識別子に対応する一時レポジトリ106に保存される。この追加情報はクライアント名、連絡先、クライアント本人確認用の写真その他の関連書類、および/または関連クライアント情報を含む、メディアファイルなどの情報を含む複数の項目を含む。一時レポジトリ106に保存されたこれらの項目は異なるフォーマットであって、限定することなく、異なる画像形式(JPEG、TIFF、PNGなど)、動画形式(MPEG、3GP、MOVなど)、PDF、DOC、XSL、HTMLや同様の形式を含む。異なる形式には異なる言語フォーマットによる情報項目も含んでよい。ある実施形態においては、異なる形式はECG、X線画像などの医療情報を含む。システム100はこれらのフォーマットを解析し、これらを読み取り可能なフォーマットに変換し、次に、これらの項目を読み取り可能なフォーマットで一時レポジトリ106に保存する。
【0019】
システム100は、その詳細情報が後続処理のために単一フォーマットで校合されることを要する特定クライアントに固有のクライアント識別子をユーザーが入力することを可能にする入力モジュール108からも構成される。さらに入力モジュール108は、必要な出力情報フォーマットをユーザーから受け取り、クライアント関連情報を変換するフォーマットを決定する。システム100内のクロール抽出手段110はクライアント識別子を入力モジュール108から受け取り、一時レポジトリ106をクロールして異種フォーマット情報の項目に付いたタグを読み取り、受け取ったクライアント識別子のタグ付きの全項目を抽出する。これらの抽出項目は変換手段112へ渡される。変換手段112には抽出項目をユーザー定義形式か予め定義された形式のいずれかに変換することを可能にする複数の変換ツールが含まれる。変換手段112は入力モジュール108からユーザーから与えられた必要な出力情報フォーマットを受け取り、異種フォーマット情報の抽出された項目を受け取った必要な出力情報フォーマットに変換する。一つの実施形態においては、変換手段112は抽出情報のフォーマットを識別し、この情報を正しい変換ツールに引き渡す。例えば、抽出情報がクライアントのTIFF形式写真/画像で必要な形式がPDF形式であるとすると、変換手段112は画像のTIFF形式を識別した後、画像を変換手段112に含まれるTIFF→PDF変換ツールに引き渡す。変換手段112が抽出情報のフォーマットを識別できない場合、システム100はクライアントに通知し、クライアントに許容される形式の情報を提供するように要求を送る。一実施形態において、クライアントが情報/文書を許容形式で提供できない場合、システム100はクライアントに情報フォーマットが何であるかを要求する。システム100は情報フォーマットに基づいて対応する変換ツールを取得する、またはユーザーに適合する変換ツールを提供するよう要求する。
【0020】
一つの実施形態においては、変換手段112は情報の関連項目の言語を必要な言語に翻訳するための翻訳ツール(図示されていない)を含む。クライアントがシステム100では初期定義されていない言語による関連文書/情報 ファイルを提供することもありうる。このような状況においては、翻訳ツールがこの言語をこれらの情報項目を適合する初期設定言語に翻訳する。別の実施形態において、翻訳ツールはユーザーに情報の翻訳を要する言語を指定するように要求する。別の実施形態において、変換手段112はECG、X線などの医療報告書を読み取り可能なフォーマットに変換する。
【0021】
フォーマット識別と必要な翻訳の際、すべての情報がユーザーの指定した単一形式と言語に変換される。次に、変換された項目は校合手段114に引き渡され、ここでクライアント識別子に対応する変換された項目を校合し、クライアント関連の校合済み情報を取得し、これをディスプレイ116に表示し後続処理を可能にする。
【0022】
校合された情報は、情報項目または文書のうち特定の必須事項が欠如している場合、不完全なものと見なされる場合がある。一実施形態において、校合手段114は変換された項目が予め定義された必須情報を含むかを確認するための確認モジュール114aを含む。確認モジュール114aは必須情報が欠如しているとユーザーに通知する。ユーザーはその後適切な処置を取ることができる。
【0023】
一つの実施形態においては、システム100は複数のクライアントを登録し、登録が完了したら異種フォーマット情報の項目をクライアントから受け取り、一時レポジトリ106に保存するように構成された登録モジュール118を含む。同登録過程の一環として、クライアントはメールアドレスとパスワードを指定するよう要求される。登録が完了したらシステムが生成した登録確認メールがクライアントへ送られる。登録されたクライアントに関連する情報項目はクライアント識別子によりタグ付けされ、一時レポジトリ106に保存される。一つの実施形態においては、システム100は対応するクライアント識別子のタグが付いた校合された情報を校合手段114から受け取り、この校合された情報を保存するように構成された常駐レポジトリ120も含む。一実施形態において、同常駐レポジトリ120は異種フォーマット情報の複数項目に対して、複数の予め定義された関心点とそれに対応する閾値を保存している。これは特定の情報種別に関する関心点の表形式で保存されている。異種フォーマット情報は予め定義された関心点を有する任意の種別の情報であってよい。保存された表は、特定の項目を認証するために同項目に存在していなければならない複数の関心点に対する閾値を含む。関心点とは、項目の変換および校合のために必須の項目内にあるべき特徴点を意味する。例えば、旅券の画像の場合、システム100は常駐レポジトリ120にある旅券画像に存在していなければならない関心点の予め定義された閾値を保存している。
【0024】
一つの実施形態においては、システム100は抽出項目をクロール抽出手段110から受け取り、これらの項目内の関心点を識別する識別カウント手段122を含む。次に識別カウント手段122はこれらの識別された関心点をカウントし、項目に対応する関心カウントを取得する。システム100は取得された関心カウントを常駐レポジトリ120に保存されている閾値と照合し、認証された項目を取得するための認証手段124も含む。認証手段124は異なる関心点、例えば、旅券の写真が保存されている写真と一致するか否か、証明書の印が真正であるか否かなどについても確認する。識別カウント手段122は受け取った旅券写真を確認し、その画像にある関心カウントを決定し、認証手段124はその画像にある関心点が規定閾値を満たすか否かを判断する。画像に十分な関心点があれば、認証される。別の実施例を考察すると、クライアントが査証申請写真をシステム100へ校合のために送り、異なる国の当局が規定した査証写真規定に関わる特定のガイドラインとルールが存在している。この場合、同文書/写真の関心点は前記規定ガイドラインとルールに基づく。例えば、査証写真の場合、写真に写る人物の両耳が明瞭に見えていなければならない。よって、同文書/情報の場合の関心点には、両耳が露出していることが含まれる。写真においてその他の関心点と両耳が明確に識別された場合、写真は認証され、次の処理が可能になる。認証手段124は提出された情報/文書の充足性/信憑性の確認をするように構成されている。例えば、証明書がクライアントによって提出された場合、認証手段124が特定の確認を実行する。これらの確認は、種々の関心点が提出情報にあるか否か、およびこれらの関心点が真正のものであるか否かを含む。この確認には、証明書の印が真正のものであるか否か、証明書が認証者によって署名されたか否か、またクライアントの名前が証明書の名前と一致するか否かを含む。綴りミスの確認も行われる。証明書の氏名がクライアントの氏名と一致しない場合、システム100はこうした不一致を根拠づける根拠文書/情報がクライアントにより提出されているかを確認する。これらの関心点と規則は、予め設定することもできるし、ユーザーが設定することもできる。文書/情報にある識別された関心点が不十分であるか、規定に従わない場合、システム100はクライアントまたは情報提出者に文書/情報の修正を要求する。認証手段124には、異種フォーマット情報項目をDNA型鑑定技術により認証するように構成されたDNA認証手段124aも含む。このためにはシステム100は校合前にクライアントのDNA情報を収集し、DNA照合技術を利用して項目を認証する。
【0025】
一実施形態において、システム100は常駐レポジトリ120と協業し、保存済みの複数の予め定義された閾値を編集するエディター126を含む。この機能によりユーザーは特定項目の閾値を指定することができる。ユーザーは認証対象項目の重要度を決定することができるので閾値は設定可能である。これはシステム100のアプリケーションに依存しうる。ユーザーは異なる種類の項目に異なる閾値を設定することができる。
【0026】
一実施形態において、システム100は生体認証登録を可能にする。ここに、クライアントの生態認証詳細データが関連異種フォーマット情報とともにシステムに保存される。この生体認証登録は登録手続きの際収録されるクライアントの動画を記録するための動画収録機能も含み、今後の認証プロセスに利用できる。
【0027】
同システムは政府機関が義務付けるデータ保護法に準拠する。クライアントまたはユーザーによって特定のパージガイドラインを設定することができる、またはシステム100に予め規定として設定してもよい。これらのガイドラインはクライアントごとに異なってよい。例えば、あるクライアントは他のクライアントより少ない日数だけ情報の保存を望む場合がある。これを実現するには、一実施形態においてシステム100は、予め定義された期間が経過すると異種フォーマット情報の保存された項目を一時レポジトリ106から消去するように構成される。システム100は消去ルーチンに障害が発生したときにユーザーに通知するようにも構成される。故障原因はこれで特定され、修繕されることができ、システム100の正常な機能が確保される。
【0028】
図2本発明の実施形態に従った異種フォーマット情報を校合し、ユーザーの望むフォーマットで表示する方法200を表す。方法200には一組のルール保存し、ルールに基づい一組のコマンド生成する手順202を含む。さらに複数の項目の異種フォーマット情報を一時レポジトリに保存しここで、異種フォーマット情報の各項目がクライアント識別子でタグ付けされること204も含む。方法200はさらに、ユーザーからクライアントに対応するクライアント識別子希望する出力情報のフォーマット形式を受け入れる手順206を含む。クライアント識別子と希望する出力情報フォーマット形式が受け入れられると、方法200は一時レポジトリクロール、異種フォーマット情報項目に付いたタグ読み取り、一組のコマンドに基づいて、受け入れられたクライアント識別子のタグが付いた全項目抽出する手順208を含む。前記抽出する手順の次に、方法200は異種フォーマット情報の抽出された項目を、受け入れられた希望する出力情報フォーマット形式に一組のコマンドに基づいて変換し、変換された項目を取得すること210を含む。クライアント識別子に対応する変換された項目を一組のコマンドに基づいて校合し、クライアント関連の校合済み情報を取得すること212も方法200に含まれ、さらに一組のコマンドに基づいて校合された情報を表示すること214も含む。
【0029】
一実施形態において、方法200複数のクライアント登録し、登録完了の際、一時レポジトリへ保存するためにクライアントから異種フォーマット情報の項目を受け取る手順を含む。さらに方法200は、対応するクライアント識別子のタグが付いた校合された情報および、異種フォーマット情報の複数の項目内での関心点に対する複数の予め定義された閾値を常駐レポジトリに保存することも含む。方法100は抽出項目の中から関心点を識別し、項目の中から識別された関心点を数え、項目に対応する関心カウントを取得し、常駐レポジトリにある保存された閾値を抽出項目の中から取得された関心カウントと照合して項目を認証し保存された複数の予め定義された閾値を編集することも含む。さらに、予め定義された期間経過後に異種フォーマット情報の保存された項目を一時レポジトリから消去する手順、また変換された項目が予め定義された必須情報を含むことを確認し、必須情報がない場合にはユーザーに通知する手順も含まれる。また、方法200はDNA型鑑定技術を使用した異種フォーマット情報項目の認証も含む。
【0030】
技術進歩
異種フォーマット情報を上記に説明された本発明に従い校合するコンピュータ利用システムと方法は限定されることなく以下を含む数種類の技術進歩を有する。
・複数のフォーマットで存在する情報を校合するシステム
・相互に遠隔地に散在する異なる場所に存在する情報を校合するシステム
・校合された異種フォーマット情報を変換しユーザーが指定するフォーマットで表示するシステム
・ユーザーが介入することにより不明な情報フォーマットに適するフォーマットが取得できるシステム
【0031】
前記の具体的実施例は本発明の実施例が持つ一般的性質をじゅうぶんに明らかにしているので、現状の知識を適用することにより他者は前記の一般的概念から乖離することなく前記の具体的実施例を異なる用途のために変更および/または適合することができる。従って、同適合や変更は本発明の実施例と同等の物としての意味およびその範囲で理解されることが意図されるべきであり、意図されている。本明細書に使用されている句節の用法や用語は説明目的のためであって限定するために使用されてはいない。従って、本明細書に記載された実施例は優先的実施例に基いて説明されていると同時に、同分野の技能を有する者は本明細書に記載された実施例が本明細書で説明された実施例の意図および範囲で変更しても実践可能であることが認められる。
図1
図2