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特許7014370コンクリート評価制御装置、コンクリート評価制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】コンクリート評価制御装置、コンクリート評価制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/00 20060101AFI20220125BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G01N11/00 E
G01N33/38
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018105343
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019211247
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】井上 修作
(72)【発明者】
【氏名】西岡 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-142532(JP,A)
【文献】国際公開第2008/111724(WO,A1)
【文献】特開2004-069364(JP,A)
【文献】特開2015-169003(JP,A)
【文献】特開2013-132760(JP,A)
【文献】特開2016-035424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00 - 11/16
G01N 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート試料と、当該コンクリート試料のスランプフロー試験の経過情報及び当該経過情報から取得した品質情報とが紐付けして格納された格納手段と、
新たに検査するコンクリート試料の物理量を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した前記新たに検査するコンクリート試料の物理量を、前記格納手段に格納された過去のコンクリート試料の経過情報と関連付けることを機械学習によって実行する学習手段と、
前記学習手段による学習結果から、前記検出手段で検出した物理量に基づき、前記新たに検査するコンクリート試料の品質情報を導出する導出手段とを有し、
前記検出手段で検出する物理量が、
荷下ろし中のコンクリート試料を撮像した動画情報、或いは、少なくとも流速を検出する複数のセンサによる検出値であるコンクリート評価制御装置。
【請求項2】
前記コンクリート試料のスランプフロー試験を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した前記コンクリート試料のスランプフロー試験画像から、経時変化する前記コンクリート試料のフロー直径の変化率である流動速度を演算する演算手段と、
前記演算手段で演算した流動速度を換算して得たずり速度と、前記フロー直径に応じた応力とに基づき、前記コンクリート試料のビンガム流体モデルを特定し、当該ビンガム流体モデルから降伏値及び粘性を品質情報として取得する取得手段とをさらに有し、
前記取得手段で品質情報を取得するまでの過程が、前記格納手段に格納される、請求項1記載のコンクリート評価制御装置。
【請求項3】
コンピュータを、
請求項1又は請求項2記載のコンクリート評価制御装置の前記学習手段及び前記導出手段として機能させるコンクリート評価制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの流動速度から、品質を評価するためのコンクリート評価制御装置、コンクリート評価制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現場毎、アジテータ車毎に、コンクリート流動速度(例えば、スランプフロー試験での広がり速度)を計測し、計測された速度から粘性を求め、コンクリートの品質を評価することは原理的に可能である。
【0003】
しかし、評価のためには、専用の設備や装置が必要であり、現場で実施することが困難であった。
【0004】
特許文献1(特開2016-35424号公報)には、客観的にコンクリートの品質を評価することが記載されている。
【0005】
より具体的には、パネルと、その下から撮像する撮像機と、パネルの上面の周囲から照明する光源とによって評価装置が構成されている。
【0006】
評価手順としては、評価装置のパネルの上に搭載したスランプコーン内に評価対象のコンクリートを充填し、当該充填後にスランプコーンを引き上げ、コンクリートの陰影の広がりをパネルの下から撮像し、撮像した画像を処理して、コンクリートの最大直径、最小直径をデータ化し、そのデータから平均直径、面積、フロー値の経時的変化などを算定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-35424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、コンクリートの底面の陰影を下から撮像することが前提である。下から撮像する理由は、例えば、撮像機の撮像光軸が、パネル面に対して垂直であること、或いは、スランプコーンの軸芯を通る線と同軸とする等、特異な構造を確立するためである。
【0009】
すなわち、特許文献1のコンクリート評価装置は、専用の設備や装置が必要であり、現場等でスランプ試験を行うといった実用性には乏しい構成となっている。
【0010】
一方、特許文献1では、撮像機で撮像した情報は、当該コンクリートの評価を行うための情報として取り扱われている。すなわち、特許文献1では、評価をするために取得した、経時的に変化する検出データや、検出データから得られる演算データを保存する概念はない。
【0011】
本発明は、現場等におけるコンクリートの流動状態を、撮像位置や撮像画角を含む撮像条件を考慮することなく撮像した画像情報に基づき、コンクリートの品質を評価するための評価情報を取得することができるコンクリート評価制御装置、コンクリート評価制御プログラムを得ることが目的である。
【0012】
また、上記目的に加え、画像情報、及び画像情報から評価情報を取得するまでの過程をモデルケースとして蓄積することで、人工知能を用いた学習によってコンクリートを評価するためのデータベースとすることができるコンクリート評価制御装置、コンクリート評価制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
ンクリート評価制御装置は、検査対象であるコンクリート試料の少なくとも外観の変位状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した画像情報の解析処理、又は、前記撮像手段で撮像した画像情報と過去に実行したコンクリート試料の品質を判別するために用いた情報との照合処理、の一方に基づき、前記コンクリート試料の品質情報と相関関係を持つフロー値又は流動速度を導出する導出手段と、を有している。
【0014】
像手段では、検査対象であるコンクリート試料の少なくとも外観の変位状態を撮像する。撮像は、外観の変位情報が認識できれば、複数の静止画でもよいし、動画でもよい。
【0015】
出手段は、2種類の機能の少なくとも1つによって処理される。
【0016】
第1の機能による処理は、撮像手段で撮像した画像情報の解析処理による導出である。
【0017】
第2の機能による処理は、撮像手段で撮像した画像情報と過去に実行したコンクリート試料の品質を判別するために用いた情報との照合処理による導出である。
【0018】
何れの導出手段においても、検査対象であるコンクリート試料を撮像する撮像手段があればよく、例えば、建設現場での検査、アジテータ車からの荷下ろし中での検査も可能となる。
【0019】
導出手段で導出されるフロー値又は流動速度は、コンクリート試料の品質情報と相関関係を持つ重要な情報源となり得る。
【0020】
すなわち、従来、例えば、実測や目視によって行っていたスランプフロー試験の自動化を確立することができる。
【0021】
記導出したフロー値又は流動速度から、前記コンクリート試料をビンガム流体モデルと仮定し、当該コンクリート試料のビンガム流体モデルを特定することを特徴としている。
【0022】
導出手段で導出するフロー値又は流動速度は、コンクリート試料の品質情報と相関関係を持つが、直接的な品質情報とならない場合がある。そこで、導出したフロー値又は流動速度から、ビンガム流体モデルを特定し、特定したビンガム流体モデルに基づいて、降伏値又は粘性を算出することで、当該コンクリート試料の直接的な品質情報を得ることができる。
【0023】
記撮像手段が前記コンクリート試料のスランプフロー試験を撮像し、画像情報の解析処理が、前記コンクリート試料のスランプフロー試験画像から、経時変化する前記コンクリート試料のフロー直径の変化率である流動速度を演算する演算手段と、前記演算手段で演算した流動速度を換算して得たずり速度と、前記フロー直径に応じた応力とに基づき、前記コンクリート試料のビンガム流体モデルを特定し、当該ビンガム流体モデルから降伏値及び粘性を品質情報として取得する取得手段と、を備えることを特徴としている。
【0024】
撮像手段で撮像した画像情報の解析処理による導出(第1の手段)では、撮像手段が前記コンクリート試料のスランプフロー試験を撮像する。
【0025】
演算手段では、コンクリート試料のスランプフロー試験画像から、経時変化する前記コンクリート試料のフロー直径の変化率である流動速度を演算する。
【0026】
取得手段では、演算した流動速度を換算して得たずり速度と、前記フロー直径に応じた応力とに基づき、前記コンクリート試料のビンガム流体モデルを特定し、当該ビンガム流体モデルから降伏値及び粘性を品質情報として取得する。
【0027】
すなわち、従来、例えば、実測によって行っていたスランプフロー試験の自動化を確立することができる。
【0028】
例えば、撮像手段が、コンクリート試料を斜めから撮像しても、画像処理によって、平面画像に変換することが可能であり、フロー直径を得ることができる。
【0029】
記撮像手段で撮像した画像情報と過去に実行したコンクリート試料の品質を判別するために用いた情報との照合処理が、過去に実行したコンクリート試料と、当該過去に実行したコンクリート試料のスランプフロー試験の経過情報及び当該経過情報から取得した品質情報とを紐付けして格納する格納手段と、新たに検査するコンクリート試料から得た物理量と、前記格納手段に格納された複数の経過情報とを照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合結果に基づいて、前記新たに検査するコンクリート試料の品質情報を取得することを特徴としている。
【0030】
撮像手段で撮像した画像情報と過去に実行したコンクリート試料の品質を判別するために用いた情報との照合処理(第2の手段)では、過去に実行したコンクリート試料と、当該過去に実行したコンクリート試料のスランプフロー試験の経過情報及び当該経過情報から取得した品質情報とを紐付けして格納する(格納手段)。
【0031】
照合手段では、新たに検査するコンクリート試料から得た物理量と、前記格納手段に格納された複数の経過情報とを照合し、照合結果に基づいて、前記新たに検査するコンクリート試料の品質情報を取得する。
【0032】
過去に実行したコンクリート試料と、経過情報及び品質情報とを紐付けした情報が格納手段に蓄積されればされるほど、照合の精度が高まり、スランプフロー試験を行わなくても、例えば、流動速度等の物理量のみで、精度よく、新たに検査するコンクリート試料の品質情報を得ることができる。
【0033】
本発明に係るコンクリート評価制御装置は、コンクリート試料と、当該コンクリート試料のスランプフロー試験の経過情報及び当該経過情報から取得した品質情報とが紐付けして格納された格納手段と、新たに検査するコンクリート試料の物理量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した前記新たに検査するコンクリート試料の物理量を、前記格納手段に格納された過去のコンクリート試料の経過情報と関連付けることを機械学習によって実行する学習手段と、前記学習手段による学習結果から、前記検出手段で検出した物理量に基づき、前記新たに検査するコンクリート試料の品質情報を導出する導出手段とを有し、前記検出手段で検出する物理量が、荷下ろし中のコンクリート試料を撮像した動画情報、或いは、少なくとも流速を検出する複数のセンサによる検出値であることを特徴としている。
【0034】
本発明によれば、格納手段には、コンクリート試料と、当該コンクリート試料のスランプフロー試験の経過情報及び当該経過情報から取得した品質情報とが紐付けして格納される。
【0035】
検出手段では、新たに検査するコンクリート試料の物理量を検出する。
【0036】
学習手段では、検出手段で検出した新たに検査するコンクリート試料の物理量を、格納手段に格納された過去のコンクリート試料の経過情報と関連付けることを機械学習によって実行する。
【0037】
導出手段は、学習手段による学習結果から、前記検出手段で検出した物理量に基づき、前記新たに検査するコンクリート試料の品質情報を導出する。
【0038】
すなわち、機械学習が進めば進むほど、検出手段で検出した物理量(例えば、流動速度や温度、アジテータ車のシューター角度及び摩擦係数、コンクリート流量等)で、精度よく、コンクリート試料の品質情報を導出することができる。
【0040】
学習手段による学習により、荷下ろし中のコンクリート試料を撮像した動画情報、或いは、少なくとも流速を検出する複数のセンサによる検出値によって、コンクリート試料の品質情報を、容易に導出することができる。
【0041】
本発明において、前記コンクリート試料のスランプフロー試験を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記コンクリート試料のスランプフロー試験画像から、経時変化する前記コンクリート試料のフロー直径の変化率である流動速度を演算する演算手段と、前記演算手段で演算した流動速度を換算して得たずり速度と、前記フロー直径に応じた応力とに基づき、前記コンクリート試料のビンガム流体モデルを特定し、当該ビンガム流体モデルから降伏値及び粘性を品質情報として取得する取得手段とをさらに有し、前記取得手段で品質情報を取得するまでの過程が、前記格納手段に格納されることを特徴としている。
【0042】
スランプフロー試験を繰り返すことで、格納手段に格納されるデータ量が増加し、学習手段での機械学習の精度を向上することができる。
【0043】
本発明に係るコンクリート評価制御プログラムは、コンピュータを、前記コンクリート評価制御装置の前記学習手段及び前記導出手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0044】
以上説明した如く本発明では、現場等におけるコンクリートの流動状態を、撮像位置や撮像画角を含む撮像条件を考慮することなく撮像した画像情報に基づき、コンクリートを評価するための品質情報を取得することができるという効果を奏する。
【0045】
また、上記効果に加え、画像情報、及び画像情報から評価情報を取得するまでの過程をモデルケースとして蓄積することで、人工知能を用いた学習によってコンクリートを評価するためのデータベースとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御装置の概略図である。
図2】第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御装置で実行される、主目的及び副目的達成のための機能をブロック化した機能ブロック図である。
図3】第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御ルーチンを示すフローチャートである。
図4】(A)はスランプフロー試験中のコンクリート試料の撮像状態を示す斜視図、(B)は図4(A)で撮像したコマ画像の集合体、(C)は図4(B)の画像を平面視画像に変換したコマ画像の集合体である。
図5】第1の実施の形態に係るスランプフロー試験における解析に用いる各種特性図である。
図6】変形例に係るコンクリート評価制御ルーチンを示すフローチャートである。
図7】第2の実施の形態に係るコンクリート評価制御装置の概略図である。
図8】第2の実施の形態で用いられる通信端末装置の正面図である。
図9】(A)は第2の実施の形態に係るアジテータ車の斜視図、(B)は図9(A)におけるアジテータ車のシュート近傍の拡大図である。
図10】第2の実施の形態に適用されるニューラルネットワークの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
「第1の実施の形態」
【0048】
図1は、第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御装置10の概略図である。コンクリート評価制御装置10では、一例として、コンクリート試料50(図4(A)参照)のスランプフロー試験を行ったときの画像情報を解析することで、当該コンクリート試料50の品質情報である粘性及び降伏値を取得する。
【0049】
コンクリート評価制御装置10は、マイクロコンピュータ12を備えている。マイクロコンピュータ12は、CPU12A、RAM12B、ROM12C、入出力ポート(I/O)12D、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス12Eを有している。
【0050】
I/O12Dには、記憶装置14、撮像装置16、及び通信I/F18が接続されている。
【0051】
記憶装置14は、ハードディスク、並びにUSBメモリ及びSDメモリに代表されるフラッシュメモリ等であり、RAM12B及びROM12Cの補助的な記憶スペースとしても利用される場合がある。RAM12B、ROM12C、及び記憶装置14の記録領域は、コンクリート評価制御装置10において、コンクリート試料50(図4(A)参照)を検査する際の制御プログラムや、当該制御プログラムの実行中に適用される演算式や、画像変換するときの基準となる画像情報等が予め記憶され、CPU12Aの処理状況に応じて適宜読み出されるようになっている。
【0052】
撮像装置16は、動画像を撮像可能なCCD(Charged-coupled devices)やCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)等の撮像素子を用いたビデオカメラが適用可能であるが、可視画像である必要はない。少なくとも、撮像対象であるコンクリート試料50(図4(A)参照)の輪郭が検出可能な撮像デバイスであれば、不可視画像(例えば、赤外線画像)であってもよい。また、動画像において、コンクリート試料50の、予め定めた時間帯での形状の変化が認識できれば、動画像の一部を間引いた画像コマであってもよい。言い換えれば、一定時間毎に撮像した複数の静止画であってもよい。
【0053】
通信I/F18は、ネットワーク20に接続されている。ネットワーク20には、コンクリート試料検査情報データベース22が接続されており、コンクリート評価制御装置10における制御プログラムの実行の際に、コンクリート試料50毎に、計測データ、演算データ、及び解析データを集約し、かつ、複数のデータ種を紐付けて記憶し、データベース化している。
【0054】
第1の実施の形態における、コンクリート評価制御装置10では、コンクリート試料50のスランプフロー試験の実行中の画像を基に、コンクリート試料50の品質情報(降伏値及び粘性)を取得して主目的を実行することに加え、当該スランプフロー試験結果で得られたコンクリート試料の品質情報と共に、当該品質情報を取得するに至った経緯(計測データ、演算データ、及び解析データの集約)並びに紐付けを行い、コンクリート試料検査情報データベースを構築して副目的を実行する。
【0055】
主目的は、現時点でのスランプフロー試験の作業軽減及び迅速化である。また、副目的は、以後のスランプフロー試験又はスランプフロー試験に代わる物理量の簡易測定に基づく品質情報の予測のためのデータベースの生成である。
【0056】
図2は、第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御装置10で実行される、主目的及び副目的達成のための機能をブロック化した機能ブロック図である。なお、各ブロックは、コンクリート評価制御装置10のハード構成を限定するものではなく、一部又は全部をコンクリート評価制御プログラムに基づくソフトウェアで処理するようにしてもよい。
【0057】
撮像装置16は、図4(A)に示される如く、支持台52に載せたコンクリート試料50のスランプフロー試験の動画像を撮像する。
【0058】
撮像装置16は、画像情報取込部24に接続されている。画像情報取込部24では、撮像装置16で撮像した動画像(図4(B)参照)を取り込み、取り込んだ画像を画像処理部26へ送出する。
【0059】
また、画像情報取込部24は、基準画像情報読出部28に接続され、一連の画像の区切り(例えば、1回のスランプフロー試験の全画像)が取り込まれた時点で、読み出し指示信号を出力する。基準画像情報読出部28は、読み出し指示信号を受けると、基準画像情報記憶部30から基準画像を読み出し、画像処理部26へ送出する。基準画像は、前記スランプフロー試験を実行するときにコンクリート試料50(図4(A)参照)を支持する支持台52(図4(A)参照)の平面視画像である。
【0060】
画像処理部26では、画像情報取込部24から受け付けた動画像を、段階的に処理する(3段階)。
【0061】
画像処理部26の段階的処理の第1段階としては、画像変換処理を実行する。画像変換処理では、画像情報取込部24から受け付けた動画像の中に写っている支持台52の画像を、基準画像情報読出部28から受け付けた基準画像(支持台52の平面視画像)と一致するように、画像の向き、角度、及び歪みを補正し、動画像(図4(B)参照)を平面視画像(図4(C)参照)に変換する。これにより、撮像装置16がスランプフロー試験を斜め方向から撮像しても、コンクリート試料50の直上(撮像光軸がコンクリート試料の軸線と一致する位置)から撮像した画像に変換することができる。
【0062】
画像処理部26の段階的処理の第2段階としては、コンクリート試料50の輪郭抽出処理を実行する。輪郭抽出処理では、コンクリート試料50の外周端を検出する。コンクリート試料50の外周端は、例えば、コンクリート試料50の濃度と支持台52の濃度との差分によるエッジ検出処理によって、容易に検出可能であり、これにより、時間経過に応じて徐々に拡大していく、コンクリート試料50の底面の輪郭の拡大の様子を認識することができる。
【0063】
画像処理部26の段階的処理の第3段階としては、輪郭平均化処理を実行する。輪郭平均化処理では、時間経過に応じて徐々に拡大していく、コンクリート試料50の平面視画像の中心から、全周に亘る輪郭までの寸法の平均値を求め、疑似的に輪郭が円形とみなし、円形エッジ54(図4(C)の点線参照)を策定する。
【0064】
画像処理部26は、円形エッジ変化率演算部32及び応力変化特性演算部34に接続されている。
【0065】
円形エッジ変化率演算部32では、経時的に変化する円形エッジの直径(フロー直径R)を統計的にプロットしたフロー直径変化特性(図5(A)参照)を生成し、当該フロー直径変化特性から、流動速度vを演算する。流動速度vは、時間で変化するため(徐々に遅くなるため)、V(t)=R/dtで表すことができる(図5(B)参照)。
【0066】
この円形エッジ変化率演算部32で演算した流動速度v(t)は、ずり速度換算部36へ送出される。
【0067】
ずり速度換算部36では、円形エッジ変化率演算部32で演算した流動速度v(t)を、ずり速度Dに換算し、換算したずり速度Dは、ビンガム流体モデル特定部38へ送出される。なお、流動速度v(t)とずり速度Dとは、ほぼ正比例の関係であるため、予め定めた係数を積算すればよいので、ここでの詳細な変換手順は省略する。
【0068】
一方、応力変化特性演算部34では、画像処理部26から円形エッジ54の直径(フロー直径)を取り込み、スランプフロー試験のフロー直径からコンクリート試料50の形状を仮定し、フロー直径からの逆算で応力σを得ることができる(図5(C)参照)。
【0069】
この応力変化特性演算部34で演算した応力σは、ビンガム流体モデル特定部38へ送出される。
【0070】
ビンガム流体モデル特定部38では、ずり速度換算部36からずり速度Dを取得し、応力変化特性演算部34から応力σを取得する。
【0071】
ここで、コンクリートをビンガム流体に近似すると(仮定すると)、特性曲線の形状が既知であり(粘性=(応力σ/ずり速度D)+降伏値)、取得したずり速度Dと応力σとを特性曲線に当てはめて、評価しているコンクリート試料50の当該ビンガム流体モデルを特定する(図5(D)参照)。
【0072】
ビンガム流体モデル特定部38は、品質情報解析部40に接続され、特定されたビンガム流体モデルを送出する。
【0073】
品質情報解析部40では、評価しているコンクリート試料50の特有の品質情報として、粘性及び降伏値を取得する。
【0074】
すなわち、ビンガム流体モデル(図5(D)により、降伏値がずり速度Dの初期値であることがわかり、粘性が一定の傾き(図5(E)参照)であることがわかる。
【0075】
品質情報解析部40は、品質情報出力部42に接続されており、取得した品質情報(降伏値及び粘性)を出力する(主目的の達成)。出力は、モニタへの表示、プリンタへの印字、及び外部PC等の端末装置への送信の少なくとも1つを選択可能である。なお、送信の範疇には、フラッシュメモリ等の記憶装置への記録も含む。
【0076】
ここで、第1の実施の形態では、コンクリート試料50の品質情報(粘性及び降伏値)の出力とは別に、データベース化処理部44において、各部で実行した処理(計測、演算及び解析データの集約並びに紐付けといった一連の処理をデータベース化し、コンクリート試料検査情報データベース22へ格納する(副目的の達成)。
【0077】
各部で実行した処理とは、画像処理部26での画像変換、輪郭抽出、輪郭平均化の各処理、円形エッジ変化率演算部32で演算した流動速度v(t)、応力変化特性演算部34で演算した応力σ、ずり速度換算部36で換算したずり速度D、及びビンガム流体モデル特定部38で特定したビンガム流体モデルを指すが、必ずしも全てが必須ではなく、データベース化する際に、適宜取捨選択すればよい。
【0078】
コンクリート試料検査情報データベース22は、複数のコンクリート試料50の情報を格納してビッグデータとする。
【0079】
コンクリート試料ビッグデータは、以後に類似するスランプフロー試験を実行した動画像のコンクリート試料の品質情報を検索することが可能となる(詳細後述、変形例)。
【0080】
また、コンクリート試料ビッグデータは、AIによる学習を経て、例えば、スランプフロー試験とは異なる状況でのコンクリート試料50の流動速度のみから、品質情報(降伏値及び粘性)を求めることができる(詳細後述、第2の実施の形態)。
【0081】
以下に、第1の実施の形態の作用を図3のフローチャートに従い説明する。
【0082】
図3は、第1の実施の形態に係るコンクリート評価制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0083】
このコンクリート評価制御ルーチンを実行する前提として、撮像装置16によって、評価対象となるコンクリート試料50のスランプフロー試験の過程を撮像装置16で撮像する。
【0084】
ステップ100では、撮像装置16で撮像した動画像を取り込む。動画像の場合は、全ての撮像コマを適用する必要はなく、図4(A)に示される如く、一定時間毎の撮像コマに間引いてもよい。また、撮像装置16による撮像は、動画像に限定されず、一定時間単位で撮像した静止画であってもよい。
【0085】
次のステップ102へ移行して基準画像情報記憶部30から基準画像を読み出す。基準画像は、形状、寸法が既知の支持台52の平面視画像である。
【0086】
次のステップ104では、図4(B)に示される如く、読み出した基準画像に基づき、撮像画像を平面視画像に変換する(画像変換処理)。
【0087】
次のステップ106では、撮像画像の撮像コマ毎に、流動して拡張するコンクリート試料50の外周端(輪郭)を検出する(輪郭抽出処理)。
【0088】
次のステップ108では、図4(B)に示される如く、検出した輪郭の直径を平均化して、円形エッジ54を策定する(輪郭平均化処理)。
【0089】
次のステップ110では、経時的に変化する円形エッジの直径(フロー直径R)を統計的にプロットしたフロー直径変化特性(図5(A)参照)を生成し、当該フロー直径変化特性から、流動速度vを演算する。流動速度vは、時間で変化するため(徐々に遅くなるため)、V(t)=R/dtで表すことができる(図5(B)参照)。
【0090】
次のステップ112では、円形エッジ変化率演算部32で演算した流動速度v(t)を、ずり速度Dに換算する。
【0091】
次のステップ114では、スランプフロー試験のコンクリート試料50の形状が既知であるため、フロー直径からの逆算で応力σを得て(図5(C)参照)、ステップ116へ移行する。
【0092】
ステップ116では、取得したずり速度Dと応力σとを特性曲線(ビンガム流体モデル)に当てはめて、評価しているコンクリート試料50の当該ビンガム流体モデルを特定する(図5(D)参照)。
【0093】
次のステップ118では、評価しているコンクリート試料50のビンガム流体モデルから、当該コンクリート試料50の特有の品質情報として、降伏値及び粘性を取得する。
【0094】
すなわち、ビンガム流体モデル(図5(D)により、降伏値がずり速度Dの初期値であることがわかり、粘性が一定の傾き(図5(E)参照)であることがわかる。
【0095】
次のステップ120では、取得した品質情報(降伏値及び粘性)を出力し、次いで、ステップ122へ移行して、コンクリート試料50の品質情報(降伏値及び粘性)の出力とは別に、各部で実行した処理(計測、演算及び解析データの集約並びに紐付けといった一連の処理)をデータベース化し、コンクリート試料検査情報データベース22へ格納する。
【0096】
以上説明したように、第1の実施の形態では、現場等におけるコンクリート試料50の流動状態を、撮像位置や撮像画角を含む撮像条件を考慮することなく撮像し、当該撮像した画像処理を実行すると共に(画像変換、輪郭抽出、輪郭平均化)、輪郭の変化を解析することで、コンクリートを評価するための品質情報を取得することができる。この場合、スランプフロー試験に必要な器具等が不要であるため、作業現場で荷下ろし仕立てのリアルタイムのコンクリート試料の評価が可能となる。
【0097】
(変形例)
【0098】
また、第1の実施の形態において、データベース化したコンクリート試料ビッグデータは、以後に類似するスランプフロー試験を実行した動画像のコンクリート試料の品質情報を検索することが可能となる。
【0099】
図6に、第1の実施の形態の変形例に係る、コンクリート評価制御ルーチンのフローチャートを示す。なお、図3のフローチャートと同一処理については、同一のステップ番号の末尾に「A」を付して、説明を省略する場合がある。
【0100】
図6に示される如く、ステップ100Aでは、撮像装置16で撮像した動画像を取り込む。
【0101】
次のステップ124では、コンクリート試料検査情報データベース22から、過去のスランプフロー試験で取得したコンクリート試料50に関する一連の情報を読み出し、次いでステップ126へ移行して、ステップ100Aで撮像した動画像と照合する。
【0102】
次のステップ126では、動画像と一致する履歴があるか否かを判断する。例えば、スランプフロー試験によるコンクリート試料の形状変化等が一致する過去の事例を検索する。なお、「一致」の定義としては、予め定めた類似度合いを含む。
【0103】
ステップ126で肯定判定された場合は、今回はスランプフロー試験を継続するまでもなく、過去の事例と同一の結果を得ることができると判断し、ステップ128へ移行して、当該過去の事例で取得した品質情報(降伏値及び粘性)を読み出し、ステップ130へ移行して出力し、このルーチンは終了する。
【0104】
また、ステップ126で否定判定された場合は、過去の事例に一致するものが存在しないと判断し、ステップ102Aへ移行し、以下、図3と同様の処理を実行する。
【0105】
なお、今回のコンクリート試料50の品質情報を、過去の事例から取得した後、並行してスランプフロー試験を継続し、その結果を新たなデータベースとしてコンクリート試料検査情報データベース22に格納してもよい。このとき、一致していると判定した品質情報と異なる場合もあるが、以後の照合の精度を上げるために、別データとして格納することが好ましい。
【0106】
なお、第1の実施の形態(変形例を含む)において、データベース化したコンクリート試料ビッグデータは、AIによる学習を経て、例えば、スランプフロー試験とは異なるサンプル(例えば、荷下ろしされているコンクリート試料50の流動速度のみ)から、品質情報(降伏値及び粘性)を求めることができる(第2の実施の形態参照)。
【0107】
「第2の実施の形態」
【0108】
以下に本発明の第2の実施の形態について、説明する。なお、第1の実施の形態(変形例を含む)と同一構成部分については、同一の番号を付して、その構成の説明を省略する。
【0109】
第2の実施の形態の特徴は、図7に示される如く、コンクリート評価制御装置10及びコンクリート試料検査情報データベース22により、コンクリートのスランプフロー試験を実行し、その過程及び結果をデータベース化する制御(第1の実施の形態と同様の制御)の実行に加え、AIによる機械学習(ディープラーニング)で、スランプフロー試験を実行しなくても、コンクリート試料50の品質情報を取得することにある。
【0110】
図7に示される如く、ネットワーク20には、無線通信デバイス60が接続されている。無線通信デバイス60は、コンクリートを利用する建築現場の作業員62(図9(B)参照)等が所持する通信端末装置64と通信可能であり、これにより、通信端末装置64は、コンクリート評価制御装置10及びコンクリート試料検査情報データベース22とアクセス可能となる。
【0111】
通信端末装置64には、予めコンクリート評価アプリケーションプログラム(以下、「コンクリート評価アプリ」という)がインストールされている。
【0112】
コンクリート評価アプリを起動すると、図8に示される如く、通信端末装置64のモニタ64Mには、コンクリート評価アプリ用の画面66A~画面66Cが表示される。
【0113】
コンクリート評価アプリは、通信端末装置64に搭載されているカメラ機能64Cで、画像(静止画又は動画)を撮像する機能(機能1)を備え、撮像された画像は、画面66Aに表示されるようになっている。
【0114】
コンクリート評価アプリは、撮像した画像に基づいて物理量(例えば、コンクリートの流動速度)を撮像条件と関連付けて計測し、かつ、撮像した画像情報と、計測した物理量とをコンクリート評価制御装置10(図7参照)へ送出する機能(第2の機能)を備え、送信情報等が画面66Bに表示されるようになっている。なお、画面66Bには、送信情報の種類(画像情報、物理量及び撮像条件)と、取得した物理量の計測値(ここでは、流動速度(流速)が○○mm/secであり、温度が□□℃)が表示される。なお、物理量に関連付けられる撮像条件とは、撮像する位置であり、図9を用いて後述する。
【0115】
コンクリート評価アプリは、コンクリート評価制御装置10(図7参照)へ送出した結果として受信する機能(第3の機能)を備え、受信情報が画面66Cに表示されるようになっている。
【0116】
ここで、通信端末装置64のモニタ64Mには、第1の機能1を実行するためのタッチ操作画面68A、第2の機能における物理量を計測するためのタッチ操作画面68B、及び解析指示(第2の機能による送信と第3の機能による受信)を実行するためのタッチ操作画面68Cが設けられている。
【0117】
(物理量と撮像条件との関係)
【0118】
図9(A)は、生コンクリートを運搬するアジテータ車70の斜視図が示されている。アジテータ車70は、車両本体72にアジテータドラム74が搭載されている。アジテータドラム74には生コンクリートが収容されており、車両本体72から駆動力を受けて回転し、常に生コンクリートを撹拌しながら、建築現場へ運搬する。
【0119】
アジテータドラム74の後方(車両本体72の後ろ側)には、上から順にホッパ76、スクープ78及びシュート80が取り付けられており、建築現場において、アジテータドラム74内の生コンクリートをホッパ76へ送り出し、スクープ78を介してシュート80へ供給し、シュート80における所定の傾斜角度で流動させて、コンクリート受け皿82へ排出する。
【0120】
このとき、生コンクリートを撮像する撮像位置(撮像光軸)としては、大きく分類して、図9(B)に示される如く、シュート80からほぼ垂直に落下する生コンクリートを撮像する光軸aと、シュート80上を流動する生コンクリートを撮像する光軸bと、コンクリート受け皿82へ到達して底面が拡散する生コンクリートを撮像する光軸cとが考えられる。
【0121】
この各光軸a~光軸cにおける撮像では、同じ生コンクリートを撮像したとしても、生コンクリートの流動の向きが異なるため、流動速度も異なる。すなわち、光軸aで撮像したときの生コンクリートは、自然落下するため流動速度は最も速い(重力加速度に依存)。
【0122】
また、コンクリート受け皿82に到達し拡散している生コンクリートは、自身の粘性等に依存するため流動速度は最も遅い。
【0123】
さらに、光軸bで撮像したときの生コンクリートは、シュート80の傾斜角度(及び摩擦係数)に依存した流動速度となり、光軸aで撮像したときよりも遅く、光軸cで撮像したときよりも速い。
【0124】
図7に示される如く、コンクリート評価制御装置10では、通信端末装置64から送られてくる、建築現場においてアジテータ車70(図9(A)参照)から排出される生コンクリートから得た物理量等と、コンクリート試料検査情報データベース22に格納されたデータとに基づいて、AIによる機械学習(ディープラーニング)を実行する。
【0125】
より具体的には、第2の実施の形態では、図10に示される如く、ニューラルネットワーク84を用いた学習を実行する。
【0126】
ニューラルネットワーク84は、入力層86から入った信号(ここでは、物理量)が伝搬線88(シナプスに相当)により様々なノード90(ニューロンに相当)を伝搬して出力層92に伝わる仕組みであり、中間層94を増やすことでディープラーニングが実行される。
【0127】
ニューラルネットワーク84を用いることで、スランプフロー試験を行わず、単純な物理量(例えば、生コンクリートの少なくとも流動速度)から、生コンクリートの粘性(及び降伏値)を予測する。機械学習(ディープラーニング)による学習では、初期は正解が得られない場合があるが、例えば、コンクリート試料検査情報データベース22に膨大なデータが格納されることで、そのデータ量に応じて、正解を得ることができる。
【符号の説明】
【0128】
10 コンクリート評価制御装置
12 マイクロコンピュータ
12A CPU
12B RAM
12C ROM
12D 入出力ポート(I/O)
12E バス
14 記憶装置
16 撮像装置(撮像手段)
18 通信I/F
20 ネットワーク
22 コンクリート試料検査情報データベース
24 画像情報取込部
26 画像処理部
28 基準画像情報読出部
30 基準画像情報記憶部
32 円形エッジ変化率演算部
34 応力変化特性演算部
36 ずり速度換算部
38 ビンガム流体モデル特定部
40 品質情報解析部(導出手段)
42 品質情報出力部
44 データベース化処理部(導出手段)
50 コンクリート試料
52 支持台
54 円形エッジ
60 無線通信デバイス
62 作業員
64 通信端末装置
64C カメラ機能
64M モニタ
66A、66B、66C 画面
68A、68B、68C タッチ操作画面
70 アジテータ車
72 車両本体
74 アジテータドラム
76 ホッパ
78 スクープ
80 シュート
82 コンクリート受け皿
84 ニューラルネットワーク
86 入力層
88 伝搬線
90 ノード
92 出力層
94 中間層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10