IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-継電器 図1
  • 特許-継電器 図2
  • 特許-継電器 図3
  • 特許-継電器 図4
  • 特許-継電器 図5
  • 特許-継電器 図6
  • 特許-継電器 図7
  • 特許-継電器 図8
  • 特許-継電器 図9
  • 特許-継電器 図10
  • 特許-継電器 図11A
  • 特許-継電器 図11B
  • 特許-継電器 図11C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/36 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
H01H50/36 K
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020553514
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019059088
(87)【国際公開番号】W WO2019206635
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】102018109856.1
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン、ラルフ
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-073732(JP,U)
【文献】実開昭58-082753(JP,U)
【文献】実開昭59-012453(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/36
H01H 50/04、50/16、50/24、50/42
H01H 3/28
H01H 33/38
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
継電器であって、
電機子、および前記電機子に電磁結合され得るヨークであって、前記電機子が前記ヨークの上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、収容凹部が部分的に前記電機子内に形成される、電機子およびヨークと、
前記ヨーク上に前記電機子を固定するために端面において前記電機子および前記ヨークを囲むブラケット状挟持ばねであって、前記ブラケット状挟持ばねが、前記収容凹部内に配置された第1の挟持脚部と、前記ヨーク上に置かれた第2の挟持脚部とを有し、前記第1の挟持脚部が、前記電機子の前記収容凹部内に形成された窪みの中に弾性的に係合する傾斜タブを有する、ブラケット状挟持ばねとを備える、
継電器。
【請求項2】
前記電機子が、前記窪みを少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または前記収容凹部と同一平面で終端するウェブを有する、請求項1に記載の継電器。
【請求項3】
前記ブラケット状挟持ばねが、前記第1の挟持脚部を前記第2の挟持脚部に接続する接続プレートを含み、前記接続プレートが、電機子端面および/またはヨーク端面上に置かれる、請求項1または2に記載の継電器。
【請求項4】
前記ブラケット状挟持ばねを前記電機子の表面よりも下で前記電機子側に配置するために、前記収容凹部の収容深さが、前記収容凹部内に配置された前記第1の挟持脚部の構造深さと少なくとも等しいかまたはそれよりも大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項5】
前記ブラケット状挟持ばねは、前記ヨークが電磁的に作動すると、前記電機子の移動方向に対して平行に位置合わせされるか、または前記電機子の前記移動方向と鋭角をなす挟持方向を有し、前記第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部が、少なくとも部分的に前記挟持方向に対して垂直に位置合わせされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項6】
前記ブラケット状挟持ばねは、前記ブラケット状挟持ばねが偏向されるときに、偏向距離に比例するばね力を有し、前記ブラケット状挟持ばねが、前記ヨークを電磁的に作動させることなく前記電機子の相対的移動を防止するように適合されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項7】
前記傾斜タブが、前記窪みにおける前記係合を用いて前記電機子および前記第2の挟持脚部に対して圧縮力をもたらすように適合され、前記圧縮力が、それを用いて前記電機子の上に前記ヨークが置かれている前記電機子の支持面を介した前記圧縮力の伝達、および、それを用いて前記第2の挟持脚部の上に前記ヨークが置かれているヨーク支持面を介した前記圧縮力のさらなる伝達によって、前記第2の挟持脚部上に伝達される、請求項1から6のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項8】
前記第2の挟持脚部が、前記ヨークの方向に作用する予張力を有し、前記予張力を用いて前記第2の挟持脚部が前記ヨークに対して押しつける、請求項1から7のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項9】
前記ブラケット状挟持ばねが一体で形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項10】
前記ブラケット状挟持ばねが、前記傾斜タブにおいて形成され、前記ヨーク上に少なくとも部分的に置かれているばねクリップを有し、前記ばねクリップが、前記電機子の方向に作用するばね力を用いて前記ヨークに作用するように適合されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項11】
前記ばねクリップが、前記第1の挟持脚部、前記第2の挟持脚部、電機子端面、および/またはヨーク端面から少なくとも部分的に距離を空けて配置されている、請求項10に記載の継電器。
【請求項12】
前記ブラケット状挟持ばねが、前記傾斜タブにおいて形成され、少なくとも部分的に前記第1の挟持脚部および/または前記第2の挟持脚部から距離を空けて配置されたさらなるばねクリップを有する、請求項10または11に記載の継電器。
【請求項13】
前記ばねクリップが、前記ヨーク上に置かれた、前記ばねクリップおよび前記第2の挟持脚部の共通の平面を形成するために、前記ヨーク側で前記第2の挟持脚部と接続されている、請求項10、11、または12のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項14】
前記ばねクリップが、前記ばねクリップが前記収容凹部および/またはヨーク支持面に対して作用する接触圧力を増加させるために、少なくとも部分的に前記収容凹部および/または前記ヨークに対して傾斜して配置され、前記収容凹部における前記ばねクリップの傾斜配置の全体的な高さは、前記収容凹部の収容深さより小さいかまたはそれと等しい、請求項10から13のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項15】
前記ばねクリップが、2つのばね屈曲部を有し、前記2つのばね屈曲部により前記ばねクリップがU字型の形状を有し、前記2つのばね屈曲部が、前記第1の挟持脚部および/または前記第2の挟持脚部に各々形成される屈曲部に対してより小さい湾曲を有する、請求項10から14のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項16】
前記ブラケット状挟持ばねが、前記第2の挟持脚部に形成された湾曲した接続プレートを有し、前記湾曲した接続プレートが、電機子端面上および/またはヨーク端面上の凸状接触面に置かれた湾曲を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の継電器。
【請求項17】
前記湾曲した接続プレートが、材料接続によって前記ヨークに締結され、特に、前記ヨークに溶接されている、請求項16に記載の継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的な深さが低減された、端子ブロックにおける使用のための継電器に関し、これは特に、3.5mm以下の接続幅を有する。
【背景技術】
【0002】
電磁スイッチ、特に継電器は、典型的には、電磁石によって切り替えることができる機械的切替えコンタクトを有する。機械的スイッチを切り替えるためには、通常、所定の力を加える必要がある。この目的のために、機械的スイッチは、典型的には高透磁率を有する電機子に接続され得る。電機子はばねで電磁石に結合されてもよく、その結果、電流が電磁石を通って流れると、電磁石によって電機子が偏向され、電流のスイッチが切られると、電機子は保持ばねによって静置位置およびベアリングまで押圧される。
【0003】
機械的スイッチにより、必要な最小の切替え力を定義することができ、電機子-ヨーク構成の大きさの低減が制限され得る。これは、ヨークによって生成される磁場がヨークの大きさに比例し得、特にヨークと電機子との間の磁力が電機子の大きさに比例し得るためである。さらに、保持ばねは少なくとも部分的にヨークおよび電機子を取り囲み得るため、電機子-ヨーク構成の設置スペースは不利なことに保持ばねによって増加し得る。保持ばねは、電機子上およびヨーク上に置かれた平坦なばねであってもよい。保持ばねを締結するために、保持ばねのための締結装置が電機子上および/またはヨーク上に設けられてもよく、この装置は、さらに不利なことに、ヨーク-電機子構成の設置スペースを増加させ得る。
【0004】
電気機械的結合のより効率的な形態および構成を実現し、特に、継電器の設置スペースの低減が実現され得る継電器を提供することが本開示の目的である。
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴によって実現される。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および添付図面の対象である。
【0006】
本開示は、上記の目的が、ばね負荷によるヨーク上への電機子の取り付けのための挟持ばねの窪んだ構成を有する継電器によって実現され得るという認識に基づいている。挟持ばねはまた、弾性挟持脚部を介してヨークおよび電機子に張力が伝達され得るような方法で適合されている。それにより、設置スペースの観点から低減された、ばね負荷による電機子上への挟持ばねの取り付けは、波状ブラケットによって実装することができる。加えて、挟持ばねが電機子に締結されると電機子の全体的な高さが変化し得ないように、挟持ばねは電機子において収容凹部内に配置されている。
【0007】
第1の態様によると、本開示は、電機子、および電機子に電磁結合され得るヨークを含む継電器に関し、電機子はヨークの上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、収容凹部が部分的に電機子内に形成される。さらに、継電器は、ヨーク上に電機子を固定するために端面において電機子およびヨークを囲むブラケット状挟持ばねを含む。ブラケット状挟持ばねは、収容凹部内に配置された第1の挟持脚部と、ヨーク上に置かれた第2の挟持脚部とを有する。さらに、第1の挟持脚部は、電機子の収容凹部内に形成された窪みの中に弾性的に係合する傾斜タブを有する。
【0008】
本発明による継電器は、3.5mmまたは3.0mmの端子幅を超えない、狭い設計の継電器が実現され得、それにより、対応して狭いグリッド寸法を有する端子ブロックに継電器を使用することができるという利点を有する。ブラケット状挟持ばねを用いることで、電機子は、ヨークに対する電機子の電磁偏向が実現された後に、その後の偏向が可能となるように、リセットされ得る。電機子は、電機子およびヨークが鋭角をなすような方法で偏向され得る。
【0009】
電機子は、強磁性または常磁性であってもよく、ヨークに対する電機子の電磁誘導された相対的移動の電力効率は、電機子の透磁率に比例し得る。電機子の透磁率が高いほど、電機子を偏向するために必要とされ得る磁場強度が低くなる。磁場強度が小さいほど、継電器、特にヨークおよび/または電機子のの寸法が小さくなる。
【0010】
少なくとも1つの電磁コイルがヨークに配置されてもよく、ヨークはコイルコアを形成してもよい。ヨークは、電磁コイルおよび電機子によって生成される磁場により磁気結合を実現および/または改善するために、強磁性であってもよく、特に、一体で形成されるか、または複合プレートから形成されてもよい。さらに、ヨークはU字型であってもよく、U字形ヨークの各脚部上に配置された電磁コイルを含んでもよい。
【0011】
電機子および/またはコイルは、矩形の形状を有してもよい。特に、ブラケット状挟持ばねの領域において、電機子およびヨークは、合同的に配置されてもよい。電機子はヨーク上に静置されてもよく、U字形ヨークの両方の脚部を少なくとも部分的に覆ってもよい。
【0012】
ブラケット状挟持ばねは弾性材料、特に、金属、例えば、鋼、アルミニウム、銅、もしくはそれらの合金、またはプラスチック、例えば、エラストマー、ゴム、もしくは繊維強化プラスチックから作成されてもよい。第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部の予張は予張形態によって生成され得る。この予張形態では、無張力状態においてそれぞれの挟持脚部は、それぞれの支持面に対して予張状態におけるよりも大きい角度をなす。予張状態は、電機子上およびヨーク上にブラケット状挟持ばねを配置することによって実装され得、角度のそれぞれの変化は、電機子またはヨークによって加えられる圧縮力によって実現される。
【0013】
傾斜タブは段差付きであってもよく、特に、湾曲しているかまたは波状であってもよい。この形状を有することで、傾斜タブは、特に傾斜タブが窪みの構造深さを超える高さの段差を有する場合に、第1の挟持脚部の予張を実装することができる。したがって、傾斜タブが窪みの中に係合するとき、傾斜タブは弾性的に変形されてもよく、ばね張力が傾斜タブに加えられてもよい。
【0014】
一実施形態では、電機子は、窪みを少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部と同一平面で終端するウェブを有する。
【0015】
これは、ブラケット状挟持ばねが、電機子および/またはヨークから取り外されるおよび/または落下することがないように固定され得るという利点を有する。さらに、ブラケット状挟持ばねは、電機子とヨークとの間の相対的移動によって伸長され得る。特に、電機子とヨークとの間の角度移動の場合、傾斜タブは、適宜持ち上げられて、状況によって窪みの外に押し出されてもよい。ウェブは、傾斜タブがウェブにより窪みの中に保持され得るように、傾斜タブの移動、特に、電機子の移動に平行な移動を制限し得る。
【0016】
さらに、無張力状態において、傾斜タブは、張力状態におけるよりも湾曲が少ないまたは直線状の形状を有し得る。張力状態は、窪みの中に傾斜タブを係合することによって実現され得、傾斜タブは、傾斜タブがウェブに対して圧縮力を呈するような方法で張力を加えられている。したがって、傾斜タブはレバーを形成することができ、このレバーを用いて第1の挟持脚部を収容凹部内に押し込むことができる。
【0017】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは、第1の挟持脚部を第2の挟持脚部に接続する接続プレートを含み、接続プレートは、電機子端面および/またはヨーク端面上に置かれる。
【0018】
電機子端面またはヨーク端面上の接続プレートの支持により、電機子端面またはヨーク端面に対して垂直なブラケット状挟持ばねの設置スペースを有利に低減することができる。特に、電機子端面および/またはヨーク端面は、接続プレートを収容するための窪みを有し得る。接続プレートは、ヨークに対する第2の挟持脚部の角度をなした接続を実現するために、ヨークを越えて突出してもよい。特に、第2の挟持脚部は、接続プレートと鋭角をなしてもよい。
【0019】
さらに、傾斜タブは、接続プレートとほぼ直角をなしてもよい。接続プレートに対するそれぞれの挟持脚部の接続角度は、電機子とヨークとの間の相対的移動に応じて変化し得る。さらに、接続プレートは、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部に材料で接続されてもよく、例えば、それらと一体で形成されてもよい。
【0020】
ブラケット状挟持ばねは、ヨーク上に電機子の支持点を形成し得る。支持点におけるヨークによる電機子の電磁偏向の場合には、ヨークに対する電機子の相対的移動は、有利には、ゼロに等しいかまたはほぼゼロである。ヨークに対する電機子の傾動移動が実現されてもよく、機械的スイッチを切り替えるために使用することができるレバー効果が最大化され得る。
【0021】
支持点における電機子の平行移動を防止するため、および/または回転移動のみを可能にするために、接続プレートは、長手方向において剛性であってもよく、長手方向に対して垂直に可撓であってもよい。長手方向に沿った接続プレートの剛性適合により、特に、接続プレートの長さの変化を伴う膨張を防止することができ、それにより、支持点における電機子とヨークとの間の距離は一定であり得る。接続プレートの屈曲する弾性的適合により、支持点の周りにおける電機子の回転が実現され得る。接続プレートは、特に、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部との接続点において作用する力に対して可撓性であるように適合され得る。
【0022】
接続プレートは、接続プレートの長手方向の周りにおける電機子の回転を可能にするために、長手方向に湾曲を有してもよい。さらに、接続プレートは、電機子に対する第1の挟持脚部の、およびヨークに対する第2の挟持脚部の弾性的なばね負荷による押圧接続を実現するために、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部よりも部分的に可撓性であるように適合され得る。
【0023】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねを電機子の表面よりも下で電機子側に配置するために、収容凹部の収容深さが、収容凹部内に配置された第1の挟持脚部の構造深さと少なくとも等しいかまたはそれよりも大きい。
【0024】
これは、ブラケット状挟持ばねが収容凹部の領域内において電機子の表面を越えて突出しないという利点を有する。したがって、電機子はまた、特に、電機子の構造高さが表面と同一平面であるように、挿入されたブラケット状挟持ばねを含む平面を有してもよい。したがって、継電器の高さは、電機子の表面によって制限され得る。
【0025】
収容凹部は、電機子端面まで延在してもよく、かつ/または片側もしくは両側で横方向に開かれていてもよい。ブラケット状挟持ばねは、収容凹部の横方向の開口を介して電機子に押しつけられ得る。収容凹部の片側の開口の場合、収容凹部の閉じた側はブラケット状挟持ばね上での摺動の歯止めを形成することができ、その結果、閉じた側の幅を用いてブラケット状挟持ばねの終端位置を決定することができる。
【0026】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは、ヨークが電磁的に作動すると、電機子の移動方向に対して平行に位置合わせされるか、または電機子の移動方向と鋭角を形成する挟持方向を有し、第1の挟持腕部および/または第2の挟持腕部が、少なくとも部分的に挟持方向に対して垂直に位置合わせされる。
【0027】
第1の挟持脚部は、特に電機子上の窪みにおける傾斜タブによって、収容凹部内に固定され得るため、第1の挟持脚部は電機子の移動に従うことができる。したがって、挟持方向も電機子の移動、特に回転移動に従うことができ、電機子をばね負荷方法でヨーク上に取り付けることができる。
【0028】
第1の挟持脚部が電機子に対して少なくとも部分的に傾斜している場合、かつ/または第2の挟持脚部がヨークに対して少なくとも部分的に傾斜して配置されている場合、2つの挟持脚部によってもたられる挟持方向は、電機子の移動方向から外れる場合があり、電機子の移動方向は挟持方向と鋭角を形成し得る。これにより、電機子の移動方向における、ブラケット状挟持ばねの相対的な挟持力、特に低減された挟持力がもたらされる。ブラケット状挟持ばねは、電機子を挟持方法でヨーク上に取り付けるために、電機子がブラケット状挟持ばねの挟持方向に対して平行に移動しないときでさえも、十分に高い挟持力を加えるように適合され得る。特に、支持点における電機子のヨークに対する相対的移動をこのように防止することができる。
【0029】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは、ブラケット状挟持ばねが偏向されるときに、偏向距離に比例する、特に線形的に比例するばね力を有し、ブラケット状挟持ばねは、ヨークを電磁的に作動させることなく電機子の相対的移動を防止するように適合されている。
【0030】
特に、ばね力は、撓みの距離に正比例する、または偏向距離に対してほぼ一定であり得、その結果、特に張力がかかったブラケット状挟持ばねによって加えられる、終端位置から開始位置への電機子のリセットのための力よりも、特にヨークによって電磁的に生成される、初期位置からの電機子の初期移動のためのより低い力が必要となり得る。それにより、電機子の効率的で確かな移動を実現することができる。ブラケット状挟持ばねは特に、定荷重ばねである。
【0031】
例えば、電磁コイルを通って流れる電流の開始後に電磁コイルによって生成される磁場は、低減された、増加する磁場強度を有し得る。電機子を移動させて電機子を偏向させるために、この低減された磁場強度さえ、ばね力の正比例適合と共に使用され得る。ブラケット状ばねの偏向距離が増加するにつれて、克服すべきばね力も高まり得るが、これは、増加するコイル電流と共に増加する磁場強度によって補償され得る。同様に、電磁コイルを通って流れる電流が切られた後に存在し続け、磁場強度が減少する磁場は、終端位置から開始位置の方向への電機子の移動を始動させることができる。しばらくして電機子がヨークに近づく場合、ヨークの磁場は既に、ばね力を用いて電機子を初期位置へと移動させるのに十分に低減されていることがある。
【0032】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねのばね力は、偏向距離に対して反比例してもよい。したがって、磁場強度が低い場合には、初期位置からの電機子の移動を防止することができる。ブラケット状挟持ばねは、電機子の終端位置においてよりも、電機子の初期位置においてより高いばね力を生成することができる。したがって、ブラケット状挟持ばねは、電機子の移動を実現するために、例えば、電機子に作用する磁力によって補償され得るばね力の閾値を有し得る。電機子とヨークとの間の距離が増加すると、電機子に作用する磁力は低減され得る。しかしながら、磁力に反作用するばね力もまた低減され得、その結果、電機子のさらなる移動が実行され得る。さらに、このように適合されたブラケット状挟持ばねを用いることで、継電器が逆戻りしたときの2つの電気接点の間での跳ね返りを防止するか、または少なくとも低減することができる。
【0033】
一実施形態では、傾斜タブが、窪みに係合することによって電機子および第2の挟持脚部に圧縮力をもたらすように適合され、第2の挟持脚部上の圧縮力は、それを用いて電機子の上にヨークが置かれている電機子の支持面を介した圧縮力の伝達、および、それを用いて第2の挟持脚部の上にヨークが置かれているヨーク支持面を介した圧力のさらなる伝達によって伝達される。
【0034】
これは、電機子およびヨークがブラケット状挟持ばねによって圧力嵌めで接続され得るという利点を有する。傾斜タブによって与えられる圧縮力は、傾斜タブの圧縮力に対して向けられる第2の挟持脚部によって与えられるさらなる圧縮力により補償され得る。したがって、ヨークに対する電機子の固い嵌合は、第1の挟持脚部によって、特に傾斜タブ、および第2の挟持脚部によって、それを押圧することにより改善することができる。
【0035】
傾斜タブは、特に、窪みに弾性的に係合することができ、その結果、傾斜タブの圧縮力は、例えば電機子の移動に起因して傾斜タブが窪みに対して移動するときでさえも、電機子に対して呈され続ける。
【0036】
一実施形態では、第2の挟持脚部は、ヨークの方向に作用する予張力を有し、この予張力を用いて第2の挟持脚部がヨークに対して押しつける。これは、第2の挟持脚部をヨーク上の固定位置に配置することができるという利点を有する。特に、予張力によって、第2の挟持脚部とヨークとの間の静的摩擦を有利に高めることができる。
【0037】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは一体で形成される。これは、第1の挟持脚部と第2の挟持脚部との間の力の伝達を効率的に実装することができるという利点を有する。さらに、ブラケット状挟持ばねの重量を有利に低減することができる。これは、特に、機械的接続点なしで第1の挟持脚部を第2の挟持脚部に接続することができるためである。さらに、ブラケット状挟持ばねは、連続した均等な材料からブラケット状挟持ばねを製造することにより、連続的な材料特性を有し得る。特に、ブラケット状挟持ばねの弾力性および変形性は一定であり得る。
【0038】
ブラケット状挟持ばねは、未加工の板金から作製されてもよく、その上に再成形によって、特に屈曲によって、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部が形成される。さらに、未加工の板金は、第2の挟持脚部に対する第1の挟持脚部の傾斜配置、ならびに/または傾斜タブ、第1の挟持脚部、および/もしくは第2の挟持脚部の予張力を実現するために、収容凹部および/または窪みに挿入された後に再成形され得る。未加工の板金はまた、平坦な板金から製造されてもよく、特に、打ち抜かれてもよい。
【0039】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねはまた、傾斜タブ上に形成され、ヨーク上に少なくとも部分的に置かれているばねクリップを含み、このばねクリップは、電機子の方向に作用するばね力をヨークに加えるように適合されている。これは、第1の挟持脚部および第2の挟持脚部を介して電機子上およびヨーク上に保持されたブラケット状挟持ばねのばね力および/またはばね力特性曲線が適合され得るという利点を有する。ばねクリップを用いることで、クリップ状の挟持ばねの線形のばね力特性曲線が特に実現され得、その結果、ブラケット状挟持ばねのリセット力は、電機子のストロークと共に線形に高まる。
【0040】
一実施形態では、ばねクリップは、少なくとも部分的に第1の挟持脚部、第2の挟持脚部、電機子端面、および/または、ヨーク端面から距離を空けて配置されている。ばねクリップは、電機子および/またはヨークの上に少なくとも部分的に静置するために、特に、巻かれた形状であってもよく、2つの屈曲部を有してもよい。ばねクリップが電機子面および/またはヨーク面から距離を空けていることで、ばねクリップは、第1の挟持腕部および/または第2の挟持腕部よりも、電機子に対しておよび/またはヨークに対してブラケット状挟持ばねを押圧するためのより大きいてこ作用を実現することができる。結果として、例えば、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部よりも低い材料膨張を含むばねクリップは、電機子および/またはヨークに対して少なくとも同じ大きさの挟持力を呈することができる。ばねクリップの巻かれた形状の構造により、ばねクリップの仮想旋回点は、電機子、特に電機子ベアリングの回転軸に対応し得る。ばねクリップの回転軸はヨーク上の電機子の支持縁部に対応し得、この支持縁部に対して電機子軸受けばねが静置されている。
【0041】
さらに、クリップばねの想定される弾性変形は、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部の想定される弾性変形よりも、電機子またはヨークに対するブラケット状挟持ばねのより高い挟持力を実現することができる。特に屈曲による、ばねクリップ、第1の挟持脚部、および/または第2の挟持脚部の弾性変形は、ブラケット状挟持ばねの材料の屈曲限界値での塑性変形への移行によって決定することができる。
【0042】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは、傾斜ブラケット上に一体で形成され、少なくとも部分的に第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部から距離を空けて配置されたさらなるばねクリップを有する。これは、ブラケット状挟持ばねが対称的に、特に、電機子の表面の表面上下軸に対して対称的に適合され得るという利点を有する。それぞれ1つのばねクリップが傾斜タブの側部に配置されてもよい。さらに、ばねクリップおよびさらなるばねクリップは、同様の形状であってもよく、特に同一の形状であってもよく、その結果、ばねクリップは各々、ヨークまたは電機子の支持面に対して同等の接触圧で押圧する。
【0043】
一実施形態では、ばねクリップは、ヨーク上に平坦に置かれた、ばねクリップおよび第2の挟持脚部の共通の支持面を形成するために、ヨーク側で第2の挟持脚部に接続されている。
【0044】
これは、ヨーク側の接続を介して、第2の挟持脚部および第1のばねクリップの異なる押圧力が補償され得るという利点を有する。特に、第2の挟持脚部の押圧力はばねクリップの押圧力と組み合わされて、組み合わされた押圧力としてヨークの支持面に対して押しつけることができる。
【0045】
第2の挟持脚部とヨークとの間の接続は、ヨークの支持面上に少なくとも部分的に平坦に静置されたヨーク側接続プレートによって実現され得る。第2の挟持脚部および/またはばねクリップは、ヨーク側で角度をなして接続プレートに接続され得る。
【0046】
一実施形態では、ばねクリップは、ばねクリップが収容凹部および/ヨーク支持面に対して作用する接触圧力を増加させるために、少なくとも部分的に収容凹部および/またはヨークに対して傾斜して配置され、収容凹部におけるばねクリップの傾斜配置の全体的な高さは、収容凹部の収容深さより小さいかまたは等しい。ばねクリップは、弾性的であるように適合されてもよく、ヨーク上および/または電機子上のばねクリップの支持により変形された、特に伸長した、予張力をかけた形状を有してもよい。結果として、ばねクリップの材料弾力性によって、電機子および/またはヨークに対して圧縮力が作用し得る。収容凹部の収容深さに達しないばねクリップの傾斜配置および/または適合により、収容凹部の表面上下軸方向における継電器の設置スペースを増加させることなく、ばねクリップを電機子に配置することができる。
【0047】
一実施形態では、ばねクリップは、2つの可撓性ばね部を有し、この2つの可撓性ばね部によりばねクリップがU字型であり、この2つの可撓性ばね部は各々、第1の挟持脚部および/または第2の挟持脚部に形成される屈曲部に対してより小さい湾曲を有する。
【0048】
これにより、ばねクリップの屈曲部が第1の挟持脚部または第2の挟持脚部上に形成された屈曲部よりも大きい膨張を有し得るという利点が実現される。これに対応して、ばねクリップにおけるそれぞれの屈曲部の屈曲方向と反対側の弾性変形が、挟持脚部と比較してより大きい材料面積にわたって分布し得る。したがって、屈曲部を有するばねクリップは、それぞれの挟持脚部に形成された屈曲部よりも大きい可撓性の弾性的な領域を有し得る。
【0049】
電機子の端面および/またはヨークの端面に対する表面上下軸方向において、ばねクリップは、接続プレートによって限定されている挟持脚部の全幅よりも大きい全幅を有し得る。特に、ばねクリップは、第1の挟持脚部、第2の挟持脚部、および/または接続プレートよりも、電機子の端面および/またはヨークの端面からさらに離れて配置されてもよい。
【0050】
一実施形態では、ブラケット状挟持ばねは、第2の挟持脚部に形成された湾曲した接続プレートを含み、この湾曲した接続プレートは、電機子面上および/またはヨーク面上の凸状接触面に静置された湾曲を含む。
【0051】
一実施形態では、屈曲した接続プレートは、材料接続によってヨークに締結され、特に、ヨークに溶接されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
添付図面を参照して、さらなる例示的な実施形態を説明する。
【0053】
図1】一実施形態における継電器を示す。
図2】一実施形態における継電器を示す。
図3】一実施形態における継電器を示す。
図4】一実施形態における継電器を示す。
図5】一実施形態における継電器を示す。
図6】一実施形態における継電器を示す。
図7】一実施形態における継電器を示す。
図8】一実施形態における継電器を示す。
図9】一実施形態における継電器を示す。
図10】一実施形態における継電器を示す。
図11A】一実施形態におけるブラケット状挟持ばねを示す。
図11B】一実施形態におけるブラケット状挟持ばねを示す。
図11C】一実施形態におけるブラケット状挟持ばねを示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、電機子101と、電機子101に電磁結合され得るヨーク103とを有する継電器100の概略的な表現を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために端面において電機子101およびヨーク103を囲むブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、収容凹部105内に配置された第1の挟持脚部109-1と、ヨーク103上に置かれた第2の挟持脚部109-2とを有する。さらに、第1の挟持脚部109-1は、電機子101の収容凹部105内に形成された窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0055】
電機子101は、窪み113を少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部105と同一平面で終端するウェブ115を有する。ウェブ115は、傾斜タブ111が通過する閉じた矩形の開口を電機子端面119上に形成する。さらに、ウェブ115を有する窪み113は、傾斜タブ111が通過するさらなる閉じた矩形の開口を収容凹部内に形成する。収容凹部105は立方体状であり、均一の全体的な深さ123を有する。
【0056】
傾斜タブ111は、収容凹部105と窪み113との間の設置深さの差を克服するために、S字型であってもよい。傾斜タブ111は、少なくとも部分的に収容凹部105上および窪み113の底面に置かれてもよい。
【0057】
一実施形態では、傾斜タブ111は、傾斜タブ111が窪み113の底面および/または側面の1つに接触せず、特に、それらから距離を空けて配置されるような方法で窪みを通過する。
【0058】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、第1の挟持脚部109-1を第2の挟持脚部109-2に接続する接続プレート117を有し、接続プレート117は、電機子端面119上および/またはヨーク端面121上に置かれる。接続プレート117は矩形の形状であり、電機子端面119およびヨーク端面121に対して平行に、かつ距離を空けて配置される。さらに、傾斜タブ111は、接続プレートに対して少なくとも部分的に垂直に配置される。
【0059】
ブラケット状挟持ばね107を電機子101の表面125よりも下で電機子側に配置するために、収容凹部105の収容深さ123は、収容凹部105内に配置された第1の挟持脚部109-1の構造深さと少なくとも等しいかまたはそれよりも大きい。第1の挟持脚部109-1の全体的な深さは、第1の挟持脚部109-1の材料の厚さおよび/または形状から決定することができる。
【0060】
ブラケット状挟持ばね107は、ヨーク103が電磁的に作動すると、電機子101の移動方向に対して平行に位置合わせされるか、または電機子101の移動方向と鋭角を形成する挟持方向127を有し、第1の挟持脚部109-1および/または第2の挟持脚部109-2は、少なくとも部分的に挟持方向127に対して垂直に位置合わせされている。
【0061】
ブラケット状挟持ばね107は、ヨーク103を電磁的に作動させることなく電機子101の相対的移動を防止するように適合されており、また、一体で形成されている。
【0062】
さらに、傾斜タブ111は、窪み113の中に係合することによって、電機子101および第2の挟持脚部109-2に対して圧力をもたらすように適合され、この圧力は、それを用いて電機子101の上にヨーク103が置かれている電機子101の支持面を介した圧力の伝達、および、それを用いて第2の挟持脚部109-2の上にヨーク103が置かれているヨーク支持面129を介した圧力のさらなる伝達によって、第2の挟持脚部109-2に伝達される。第2の挟持脚部109-2は、ヨーク103の方向に作用する予張力を有し、この予張力を用いて第2の挟持脚部109-2がヨーク103に対して押しつける。
【0063】
図2は、電機子101と、電機子101に電磁結合され得るヨーク103とを有する継電器100の概略的な表現を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面の周りに係合するブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、収容凹部105内に配置された第1の挟持脚部109-1と、ヨーク103上に置かれた第2の挟持脚部109-2とを有する。さらに、第1の挟持脚部109-1は、電機子101の収容凹部105内に形成された窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0064】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、各々が傾斜ブラケット111に形成され、かつ各々が少なくとも部分的にヨーク103上に置かれた、ばねクリップ201およびさらなるばねクリップ203を含む。ばねクリップ201、203は、電機子101の方向に作用するばね力を用いてヨーク103に対して作用するように適合されている。ばねクリップ201、203は各々、少なくとも部分的に第1の挟持脚部109-1、第2の挟持脚部109-2、電機子端面119、および/またはヨーク端面121から距離を空けて配置されている。
【0065】
ばねクリップ201は、ヨーク103上に平坦に置かれた、ばねクリップ201および第2の挟持脚部109-2の共通の支持面を形成するために、ヨーク側で第2の挟持脚部109-2に接続されている。さらに、ばねクリップ201は、ばねクリップ201が収容凹部105および/またはヨーク支持面129に対して作用する接触圧を増加させるために、少なくとも部分的に収容凹部105および/またはヨーク103に対して傾斜して配置され、収容凹部105におけるばねクリップ201の傾斜配置の構造高さは、収容凹部105の収容深さ123より小さいかまたはそれと等しい。
【0066】
ばねクリップ201は、2つの可撓性ばね部205-1、207-1を有し、この2つの可撓性ばね部205-1、207-1によりばねクリップ201がU字型であり、この2つの可撓性ばね部205-1、207-1は各々、第1の挟持脚部109-1および第2の挟持脚部109-2に形成された屈曲部209-1、209-2に対してより小さい湾曲を有する。さらに、可撓性ばね部205-1は、ばね屈曲部207-1よりも小さい湾曲を有する。さらなるばねクリップ203の可撓性ばね部205-2、207-2は、ばねクリップ201の対応する可撓性部分205-1、207-1と形状および湾曲が同様である。
【0067】
収容凹部105は、側部が開いている。このように、ブラケット状挟持ばね107は、例えば、電機子101および/またはヨーク103の上に横方向に押しつけられ得る。この目的で、ブラケット状挟持ばね107を電機子101上で摺動させる間、またはその後に、傾斜タブ111が窪み113の中に貫通することを可能にするために、電機子101内の窪み113は、特にウェブ115に制限されることなく、完全に開いていてもよい。変形によって、特に、屈曲によってブラケット状挟持ばね107が電機子101の上に押しつけられた後に傾斜タブ111がウェブ115の下を通過する場合に、窪み113の中への傾斜タブ111の貫通はウェブ115によって実現することができる。
【0068】
図3は、電機子101と、電機子101に電磁結合され得るヨーク103とを有する継電器100の概略断面図を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面の周りに係合するブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、収容凹部105内に配置された第1の挟持脚部109-1と、ヨーク103上に置かれた第2の挟持脚部109-2とを有する。さらに、第1の挟持脚部109-1は、電機子101の収容凹部105内に形成された窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0069】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、傾斜タブ111に形成され、少なくとも部分的にヨーク103の上に置かれているばねクリップ201を有する。ばねクリップ201は、電機子101の方向に作用するばね力を用いてヨーク103に対して作用するように適合されている。さらに、電機子101は窪み301を有し、この窪み301の中にヨーク103と、ヨーク103の少なくとも1つの脚部が配置される。ばねクリップ201は、収容深さ123に関して収容凹部105内に完全に配置されている。電機子端面119の表面上下軸方向において電機子101を越えて突出するばねクリップ201の部分も、それらの全体的な高さが収容深さ123に達しない。そのため、ばねクリップ201は、有利なことに、収容深さ123の方向において継電器100の全体的な高さを増加させない。
【0070】
さらに、傾斜タブ111は、窪み113において係合することによって電機子101および第2の挟持脚部109-2に対して圧縮力をもたらすように適合され、この圧縮力は、それを用いてヨーク103の上に電機子101が置かれている電機子101の支持面305を介した圧縮力の伝達、および、それを用いて第2の挟持脚部109-2の上にヨーク103が置かれているヨーク支持面129を介した圧力のさらなる伝達によって、第2の挟持脚部109-2に伝達される。第2の挟持脚部109-2は、ヨーク103の方向に作用する予張力を有し、この予張力を用いて第2の挟持脚部109-2がヨーク103に対して押しつける。
【0071】
図4は、電機子101と、電機子101に電磁結合され得るヨーク103とを含む継電器100の概略断面図を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面の周りに係合するブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、収容凹部105内に配置された第1の挟持脚部109-1と、ヨーク103上に置かれた第2の挟持脚部109-2とを含む。さらに、第1の挟持脚部109-1は、電機子101の収容凹部105内に形成された窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0072】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、各々が傾斜ブラケット111に形成され、かつ各々が少なくとも部分的にヨーク103上に置かれた、ばねクリップ201およびさらなるばねクリップ203を有する。ばねクリップ201、203は、電機子101の方向に作用するばね力を用いてヨーク103に対して作用するように適合されている。さらに、電機子101は窪み301を有し、この窪み301の中にヨーク103と、ヨーク103の少なくとも1つの脚部が配置される。
【0073】
ヨーク側で、第2の挟持脚部109-2およびばねクリップ201の両方が、ヨーク支持面129を越えて突出する。しかしながら、全体的なコイル深さ403を有する電磁コイル401が少なくとも1つのヨーク脚部303の上に配置されているため、これは収容深さ123の方向における継電器100の全体的な深さの増加はもたらさない。ヨーク支持面129によって、予張力をかけたそれぞれの屈曲を介してヨーク103および/または電機子101に圧縮力を加えるために、第2の挟持脚部109-2および/またはばねクリップ201は、それぞれの屈曲部209-1および207-1既存のコイル深さ403をそれぞれ利用するような形状であってもよい。
【0074】
図5は、電機子101およびヨーク103を含む継電器100の概略的な表現を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面を囲むブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、ヨーク103の上に置かれている第2の挟持脚部109-2を有する。
【0075】
ブラケット状挟持ばね107は、ばねクリップ201およびさらなるばねクリップ203を第2の挟持脚部109-2に接続するプレート状ヨーク支持部501を有する。プレート状ヨーク支持部501は、ヨーク支持面129の上に平坦に置かれ、ヨーク脚部303の一方の縁部で終端する。電磁コイル401もヨーク脚部303上に配置されている。
【0076】
ブラケット状挟持ばね107は、電磁コイル401によってヨーク103が電磁的に作動されると、電機子101の移動方向に対して平行に方向付けられるか、または電機子101の移動方向と鋭角を形成する挟持方向127を有する。電機子101の端面119とヨークの端面121との間の接合線は、電機子101の偏向のための回転軸を形成し得る。
【0077】
図6は、電機子101およびヨーク103を含む継電器100の概略図を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面を囲むブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、電機子101の上に置かれている第1の挟持脚部109-1を有する。電機子101は、窪み113を少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部105と同一平面で終端するウェブ115を有する。
【0078】
ばねクリップ201、203は各々、少なくとも部分的に第1の挟持脚部109-1、第2の挟持脚部109-2、電機子端面119、および/またはヨーク端面121から距離を空けて配置されている。さらに、第1の挟持脚部109-1は、窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0079】
さらに、電機子101、ヨーク103、およびブラケット状挟持ばね107の組み合わせは、継電器100を閉じる継電器筐体の中に配置されている。特に、継電器が、継電器の機械的部品および電気部品の機能を損じ得る外部の影響から、特に粉塵および湿気から保護されるように、継電器100は筐体で密封されている。
【0080】
図7は、電機子101およびヨーク103を含む継電器100の概略図を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面を囲むブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、電機子101の上に置かれている第1の挟持脚部109-1を有する。電機子101は、窪み113を少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部105と同一平面で終端するウェブ115を有する。
【0081】
ばねクリップ201、203は、電機子端面119の表面上下軸方向において、接続プレート117によって区切られた第1の挟持脚部109-1の全幅よりも大きい全幅を有する。特に、ばねクリップ201、203は、第1の挟持脚部109-1および接続プレート117よりも、電機子101の端面119からさらに離れて配置されている。しかしながら、ばねクリップ201、203の全幅は、ヨーク脚部303上の電磁コイル401の全幅より小さく、そのため、継電器100の結果的な全幅はばねクリップ201、203の全幅によって有利に増加されない。さらに、第1の挟持脚部109-1は、窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。窪み113は、少なくとも部分的にウェブ115によって区切られている。
【0082】
図8は、電機子101およびヨーク103を含む継電器100の概略的な表現を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面を囲むブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、電機子101の上に置かれている第1の挟持脚部109-1を有する。電機子101は、窪み113を少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部105と同一平面で終端するウェブ115を有する。
【0083】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、第1の挟持脚部109-1を第2の挟持脚部109-2に接続する接続プレート117を有する。接続プレート117は、電機子端面119上および/またはヨーク端面121上に置かれている。接続プレート117は矩形の形状である。
【0084】
図9は、電機子101およびヨーク103を含む継電器100の概略図を示す。電機子101は、ヨーク103上に少なくとも部分的に平坦に置かれ、電機子101内に収容凹部105が部分的に形成されている。継電器100はさらに、電機子101をヨーク103上に固定するために電機子101およびヨーク103の端面の周りに係合するブラケット状挟持ばね107を含む。ブラケット状挟持ばね107は、電機子101の上に置かれている第1の挟持脚部109-1を有する。電機子101は、窪み113を少なくとも部分的に橋渡しする、かつ/または収容凹部105と同一平面で終端するウェブ115を有する。
【0085】
ばねクリップ201、203は各々、少なくとも部分的に第1の挟持脚部109-1、第2の挟持脚部109-2、電機子端面119から距離を空けて配置されている。さらに、第1の挟持脚部109-1は、窪み113の中に弾性的に係合する傾斜タブ111を有する。
【0086】
ブラケット状挟持ばね107は、第2の挟持脚部109-2に形成された湾曲した接続プレート117を有し、この湾曲した接続プレート117は、電機子端面119上および/またはヨーク端面121上の凸状接触面に置かれた湾曲901を有する。さらに、湾曲した接続プレート117は、材料接続によってヨーク103に締結され、特に、ヨーク103に溶接されている。ブラケット状挟持ばねは、湾曲901、特にスプーン型の形状を有してもよく、凸状面によって電機子端面119に対して重みをかけてもよい。
【0087】
図10は、図9に示される実施形態による継電器の透視図を示す。ばねクリップ201、203は、電機子101の方向に作用するばね力を用いてヨーク103に対して作用するように適合されている。さらに、電機子101は窪み301を有し、この窪み301の中にヨーク103と、ヨーク103の少なくとも1つの脚部が配置される。窪み301によって、ヨーク103と電機子101との間に作動ギャップが形成され得る。このギャップは、電機子端面119からの距離が増加するにつれて大きくなり、その結果、ヨーク103と電機子101との間の距離が増加する。電機子端面119とヨーク端面121との間の縁部上の電機子101の支持縁部は、継電器100が電磁的に作動されたときの電機子101および/またはブラケット状挟持ばね107の回転軸となり得る。
【0088】
図11Aは、第1の挟持脚部109-1および第2の挟持脚部109-2を有するブラケット状挟持ばね107の概略平面図を示す。ばねクリップ201、203は各々、少なくとも部分的に第1の挟持脚部109-1および第2の挟持脚部109-2から距離を空けて配置されている。さらに、第1の挟持脚部109-1は傾斜タブ111を有する。
【0089】
さらに、ブラケット状挟持ばね107は、第2の挟持脚部109-2に形成された接続プレート117を有する。一実施形態では、接続プレート117は、想定される隣接点において傾斜タブ111が接続プレート117に接続することができないように、傾斜タブ111から距離を空けて配置されている。さらに、接続プレート117が、凸状面を電機子面119上にある状態で電機子端面上に置かれるように、接続プレート117は、中心に円筒状の窪みが配置された、少なくとも部分的に低次の形状の形態にある湾曲901を有する。湾曲901は、接続プレート117が湾曲した縁部プロファイルを有するように、最長で接続プレート117の一方の端部まで第1の挟持脚部109-1の方向に延在してもよい。
【0090】
図11Bは、図11Aに示される実施形態によるブラケット状挟持ばね107の概略的な側面図を示す。湾曲901によって、電機子端面上またはヨーク端面上の接続プレート117の接触面を低減することができる。
【0091】
さらに、端面を電機子および/またはヨークに対して押しつけるために、屈曲部209-2を介して接続プレート117にばね張力を加えることができる。接触面を低減することにより、電機子および/またはヨークに対する接続プレート117の同じ接触圧に応じて接触圧を増加させることができる。
【0092】
さらに、湾曲901は、ヨークおよび/または電機子へのブラケット状挟持ばね107の接続のための取り付け点を形成することができる。例えば、膨らみ901は、溶接装置用のガイドとして、および/または溶接手段を収容するために機能し得る。
【0093】
図11Cは、図11Aに示される実施形態によるブラケット状挟持ばね107の概略前方図を示す。湾曲901は、湾曲901を区切る第2の挟持脚部109-2の方向において、半円上の終端を有する。ブラケット状挟持ばね107は、特に、電機子軸受けばねであってもよい。
参照符号のリスト
100 継電器
101 電機子
103 ヨーク
105 収容凹部
107 ブラケット状ばねクリップ
109-1 第1の挟持脚部
109-2 第2の挟持脚部
111 傾斜タブ
113 窪み
115 ウェブ
117 接続プレート
119 電機子端面
121 ヨーク端面
123 収容深さ
125 表面
127 挟持方向
129 ヨーク支持面
201 ばねクリップ
203 さらなるばねクリップ
205-1 ばね屈曲部
205-2 ばね屈曲部
207-1 ばね屈曲部
207-2 ばね屈曲部
209-1 屈曲部
209-2 屈曲部
301 窪み
303 ヨーク脚部
305 接触面
401 電磁コイル
403 コイル深さ
501 プレート状ヨーク支持部
601 継電器筐体
901 湾曲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C