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特許7014384無線リモートユニット(RRU)間でチャネルを較正するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】無線リモートユニット(RRU)間でチャネルを較正するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20220125BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20220125BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220125BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20220125BHJP
【FI】
H04B7/06 982
H04B7/08 982
H04W16/28 150
H04W28/16
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018562638
(86)(22)【出願日】2016-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2016084183
(87)【国際公開番号】W WO2017206080
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-01-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ、グオチェン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、クァンゾン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、フイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チャオイー
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-532056(JP,A)
【文献】特表2015-519843(JP,A)
【文献】特表2015-532051(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0085690(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/08
H04W 16/28
H04W 28/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線リモートユニット(RRU)間でチャネルを較正するための方法であって、
全帯域幅におけるM個のサブキャリアのそれぞれについて、ベースバンドユニット(BBU)が、基準チャネルを用いることにより、各サブキャリア上でそれぞれ第1較正信号をプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに送信するよう基準RRUに命令し、前記BBUが、前記プリセットチャネルを用いることによりそれぞれ第2較正信号を前記基準RRUにおける前記基準チャネルに送信するよう前記プリセットRRUに命令し、前記BBUが、各サブキャリアについての前記第1較正信号及び前記第2較正信号に基づいて、各サブキャリアに対する、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数をそれぞれ計算する段階と、
前記BBUが、M個の較正係数に従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定し、前記初期位相および前記遅延に従って第1の対応関係を決定することにより、前記M個のサブキャリアに対して計算された前記M個の較正係数に従って前記第1の対応関係を決定する段階であって、前記第1の対応関係は、前記全帯域幅におけるN個のサブキャリアの周波数と較正係数との間の対応関係を含み、2≦M<Nであり、Nは前記全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数である、段階と、
前記BBUが、前記第1の対応関係に従って、前記N個のサブキャリアのそれぞれに対する、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの送受信応答比をそれぞれ較正する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記BBUが、前記M個の較正係数に従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定する前記段階は、
前記M個の較正係数のうちの各較正係数について、前記BBUが前記較正係数の位相を決定する段階と、
前記BBUが、M個の位相と、各較正係数に対応する前記サブキャリアの周波数とに従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の前記初期位相および前記遅延を決定する段階と
を有する、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記BBUが、前記初期位相および前記遅延に従って前記第1の対応関係を決定する前記段階は、
前記BBUが、前記初期位相と、前記遅延と、N個の前記サブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数fとに従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の位相φfnを決定する段階であって、1≦n≦Nであり、nは整数である、段階と、
前記BBUが前記位相φfnに従って前記第1の対応関係を決定する段階と
を有する、
請求項またはに記載の方法。
【請求項4】
前記M個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数間の差が、予め設定された周波数閾値未満である、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プリセットRRUは、少なくとも2つのプリセットチャネルを含み、
前記BBUが、前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を計算する前記段階は、
前記BBUが、前記プリセットチャネルに対応する前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する段階であって、前記プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、段階
を有する、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記BBUが、前記K個のRRUのうちの他のRRUとの間で最大信号品質値を有するRRUを前記基準RRUとして用い、前記基準RRUにおける任意のチャネルを前記基準チャネルとして用い、前記K個のRRUのうちの前記他のRRUを前記プリセットRRUとして用いる段階であって、K≧3であり、Kは整数である、段階をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、
前記BBUが、前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を計算する前記段階は、
前記BBUが、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を前記同じ時間ドメインリソースで計算する段階であって、異なるプリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、段階
を有する、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記BBUが、前記K個のRRUのうちの1つおきのRRUを前記基準RRUとして用い、前記基準RRUにおける任意のチャネルを前記基準チャネルとして用い、前記K個のRRUのうちの他のRRUを前記プリセットRRUとして用いる段階であって、各基準RRUは、前記基準RRUに隣接する2つのRRUに対応する基準RRUであり、K≧3である、段階
をさらに備え、
前記BBUが、前記第1の対応関係に従って、各サブキャリア上の、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの送受信応答比を較正する前記段階は、
前記BBUが、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記第1の対応関係に従って、一次基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの第2の対応関係を決定する段階であって、前記第2の対応関係は、前記全帯域幅における各サブキャリアの前記周波数と第2の較正係数との間の対応関係を含み、前記第2の較正係数は、前記サブキャリア上の、前記一次基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数であり、前記一次基準RRUは、前記K個のRRUのうちの任意のRRUである、段階と、
前記BBUが、決定された前記第2の対応関係に従って、各サブキャリア上の、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記送受信応答比を較正する段階と
を有する、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、
前記BBUが、前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を計算する前記段階は、
前記BBUが、プリセット基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する段階であって、前記較正係数は、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、前記プリセット基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数であり、前記プリセット基準チャネルは、前記プリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルであり、異なるプリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、段階
を有する、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する前記M個のサブキャリアの周波数は、前記プリセットRRUが位置するクラスタに隣接するクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数とは異なり、クラスタは、チャネルの必要送受信応答比が同じであるRRUのセットである、
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を計算する段階であって、1≦J≦Nであり、Jは整数である、段階と、
J個の較正係数の初期位相に従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の更新済み初期位相を決定する段階と、
前記更新済み初期位相および前記遅延に従って前記第1の対応関係を更新する段階と
をさらに備える、
請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
無線リモートユニット(RRU)間でチャネルを較正するための装置であって、
プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリとを備え、
前記メモリは、少なくとも1つの命令を格納するように構成され、
前記命令は、命令後に前記プロセッサにより実行され、
前記プロセッサは、全帯域幅におけるM個のサブキャリアのそれぞれについて、基準チャネルを用いることにより、各サブキャリア上でそれぞれ第1較正信号をプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに送信するよう基準RRUに命令し、前記プリセットチャネルを用いることによりそれぞれ第2較正信号を前記基準RRUにおける前記基準チャネルに送信するよう前記プリセットRRUに命令し、各サブキャリアについての前記第1較正信号及び前記第2較正信号に基づいて、各サブキャリアに対する、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数をそれぞれ計算するように構成され、
前記プロセッサはさらに、M個の較正係数に従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定し、前記初期位相および前記遅延に従って第1の対応関係を決定することにより、前記M個のサブキャリアに対して計算された前記M個の較正係数に従って前記第1の対応関係を決定するように構成され、前記第1の対応関係は、前記全帯域幅におけるN個のサブキャリアの周波数と較正係数との間の対応関係を含み、2≦M<Nであり、Nは前記全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数であり、
前記プロセッサはさらに、前記第1の対応関係に従って、前記N個のサブキャリアのそれぞれに対する、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの送受信応答比をそれぞれ較正するように構成される、
装置。
【請求項13】
前記プロセッサはさらに、
前記M個の較正係数のうちの各較正係数について、前記較正係数の位相を決定し、
M個の位相と、各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の前記初期位相および前記遅延を決定する
ように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサはさらに、
前記初期位相と、前記遅延と、N個の前記サブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数fとに従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の位相φfnを決定し、前記位相φfnに従って前記第1の対応関係を決定するように構成され、1≦n≦Nであり、Nは整数である、
請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記M個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数間の差は、予め設定された周波数閾値未満である、
請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記プリセットRRUは、少なくとも2つのプリセットチャネルを含み、
前記プロセッサはさらに、前記プリセットチャネルに対応する前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算するように構成され、
前記プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、
請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサはさらに、K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記K個のRRUのうちの他のRRUとの間で最大信号品質値を有するRRUを前記基準RRUとして用い、前記基準RRUにおける任意のチャネルを前記基準チャネルとして用い、前記K個のRRUのうちの前記他のRRUを前記プリセットRRUとして用いるように構成され、
K≧3であり、Kは整数である、
請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、
前記プロセッサはさらに、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を前記同じ時間ドメインリソースで計算するように構成され、
異なるプリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに、K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記K個のRRUのうちの1つおきのRRUを前記基準RRUとして用い、前記基準RRUにおける任意のチャネルを前記基準チャネルとして用い、前記K個のRRUのうちの他のRRUを前記プリセットRRUとして用いるように構成され、
各基準RRUは、前記基準RRUに隣接する2つのRRUに対応する基準RRUであり、K≧3であり、
前記プロセッサはさらに、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記第1の対応関係に従って、一次基準RRUにおける前記基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの第2の対応関係を決定するように構成され、
前記第2の対応関係は、前記全帯域幅における各サブキャリアの前記周波数と第2の較正係数との間の対応関係を含み、前記第2の較正係数は、前記サブキャリア上の、前記一次基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数であり、前記一次基準RRUは、前記K個のRRUのうちの任意のRRUであり、
前記プロセッサはさらに、決定された前記第2の対応関係に従って、各サブキャリア上の、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記送受信応答比を較正するように構成される、
請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、
前記プロセッサはさらに、プリセット基準チャネルに対する各プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算するように構成され、
前記較正係数は、前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、前記プリセット基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数であり、
前記プリセット基準チャネルは、前記プリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルであり、
異なるプリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルに対応する前記M個のサブキャリアの周波数は、前記プリセットRRUが位置するクラスタに隣接するクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数とは異なり、クラスタは、チャネルの必要送受信応答比が同じであるRRUのセットである、
請求項12から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサはさらに、前記全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、前記サブキャリア上の、前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの較正係数を計算するように構成され、1≦J≦Nであり、Jは整数であり、
前記プロセッサはさらに、J個の較正係数の初期位相に従って、前記全帯域幅における前記基準RRUにおける前記基準チャネルに対する前記プリセットRRUにおける前記プリセットチャネルの前記較正係数の更新済み初期位相を決定するように構成され、
前記プロセッサはさらに、前記更新済み初期位相および前記遅延に従って前記第1の対応関係を更新するように構成される、
請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野、特に、RRU間でチャネルを較正するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共同伝送(Joint Transmission、JT)技術において、信号を同じ端末装置へ連携して送信するために用いられる複数のセルが、協調セルセットを形成する。協調セルセットにおける各セルは協調セルである。基地局が、複数の協調セルの複数のチャネルを用いることにより、この信号を端末装置へ送信する。時分割複信(Time Division Duplexing、TDD)モードでは、TDDモードにおけるアップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルの相反性に従って、協調セルの当該チャネルを用いることにより送信される信号に対して、端末装置側で同相加算が実行される。これにより、が端末装置の受信した信号の品質が改善され、システムのスループットが改善される。実際のシステムでは、基地局の異なるチャネルが、アップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネル用にそれぞれ導入され、これらチャネルは通常、異なる応答を有する。従って、TDDモードにおけるアップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルの相反性を保証するために、これらのチャネルは、アンテナに対応する送受信チャネルの応答比が同じになるように較正される必要がある。
【0003】
LTEシステムにおける分散型基地局は、ベースバンドユニット(Base Band Unit、BBU)および無線リモートユニット(Radio Remote Unit、RRU)を含む。RRUは、信号を送受信するために用いられる協調セルにおけるユニットである。協調セルセットは複数のRRUを含む。協調セルセットにおける複数のRRUは、チャネルを用いることにより同じ信号を端末装置へ送信するために用いられる。複数のRRUは、同じ分散型基地局における複数のRRUまたは異なる分散型基地局における複数のRRUであり得る。
【0004】
協調セルセットにおける複数のRRU間でチャネルが較正されるべき場合、あるRRUが基準RRUとして選択され、基準RRUにおけるあるチャネルが基準チャネルとして選択され、基準RRUにおける基準チャネルの送受信応答比が、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正するための基準として用いられる。プリセットRRUは、協調セルセットに含まれる全てのRRUにおける、基準RRUとは異なる別のRRUである。プリセットRRUにおけるあるチャネルがプリセットチャネルである。あるRRU1が基準RRU、このRRU1におけるあるチャネル1が基準チャネル、あるRRU2におけるあるチャネル1が、プリセットRRUにおける較正される必要があるプリセットチャネルであると仮定する。RRU1は、チャネル1を用いることにより、特定の時点で、動作帯域幅における任意のサブキャリア上で較正基準信号SをRRU2におけるチャネル1へ送信する。これは、RRU2がチャネル1を用いることにより、サブキャリア上で信号Yを受信するものと仮定する。RRU2は、チャネル1を用いることにより、別の特定の時点で、サブキャリア上で較正基準信号SをRRU1へ送信する。これは、RRU1がチャネル1を用いることにより、サブキャリア上で信号Yを受信するものと仮定する。次に、BBUは、計算によって、RRU1におけるチャネル1について、サブキャリア上の、RRU1におけるチャネル1に対するRRU2におけるチャネル1の較正係数α1,2を得る。
【数1】
【0005】
BBUは、較正係数に従って、サブキャリア上の、RRU2におけるチャネル1の送受信応答比を較正する。複数のプリセットチャネルが、基準RRUにおける基準チャネルに従って較正される必要がある場合、基準RRUは、前述の方法を用いることにより、全帯域幅における異なるプリセットチャネルを連続的に較正する。複数のプリセットチャネルは、同じプリセットRRUにおける複数のチャネルまたは異なるプリセットRRUにおける複数のチャネルであり得る。この方式において、全てのRRU間でのチャネルの較正が実装される。
【0006】
2つのRRUの間のチャネルが較正されるべき場合、各サブキャリア上の較正係数α1,2を計算すべく、2つのRRUの間のチャネルを用いることにより、較正信号が、動作帯域幅における各サブキャリア上で送受信される必要がある。結果的に、比較的多数のリソースが消費される。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、RRU間でのチャネルの較正中に各サブキャリア上で較正信号を送受信するようBBUがRRUに命令する必要があるという理由で発生する、リソース消費が比較的多いという問題を解決すべく、RRU間でチャネルを較正するための方法および装置を提供する。技術的解決手段は以下のとおりである。
【0008】
第1の態様によれば、RRU間でチャネルを較正するための方法が提供される。方法は、
全帯域幅におけるM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより較正信号をサブキャリア上で送受信するよう基準RRUに命令し、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する段階であって、2≦M<Nであり、Nは全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数である、段階と、
BBUが、計算によって得たM個の較正係数に従って第1の対応関係を決定する段階であって、第1の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第1の較正係数との間の対応関係を含み、第1の較正係数は、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数である、段階と、
BBUが、第1の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する段階と
を含む。
【0009】
この可能な実現形態において、BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより全帯域幅におけるいくつかのサブキャリア上で較正信号を送受信し、計算によって較正係数を得るよう基準RRUに命令するだけでよい。これにより、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定し、全帯域幅におけるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正し得る。プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比が全帯域幅において較正される場合、較正信号は、各サブキャリア上で送受信される必要はない。従って、これにより、RRU間でのチャネルの較正中に各サブキャリア上で較正信号が送受信される必要があるという理由で発生する、リソース消費が比較的多いという問題が解決され、リソース消費が減少する。加えて、較正信号は、いくつかのサブキャリア上でのみ伝送される必要があり、それにより、較正信号の電力が減少する。
【0010】
第1の態様に関連して、第1の態様の第1の可能な実現形態において、BBUが、計算によって得たM個の較正係数に従って第1の対応関係を決定する段階は、
BBUが、M個の較正係数に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定する段階と、
BBUが、初期位相および遅延に従って第1の対応関係を決定する段階と
を含む。
【0011】
第1の態様の第1の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第2の可能な実現形態において、BBUが、M個の較正係数に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定する段階は、
M個の較正係数のうちの各較正係数について、BBUが較正係数の位相を決定する段階と、
BBUが、M個の位相と、各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定する段階
を含む。
【0012】
第1の態様の第1の可能な実現形態または第1の態様の第2の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第3の可能な実現形態において、BBUが、初期位相および遅延に従って第1の対応関係を決定する段階は、
BBUが、初期位相と、遅延と、N個のサブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数fとに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の位相φfnを決定する段階であって、1≦n≦Nであり、nは整数である、段階と、
位相φfnに従って第1の対応関係を決定する段階と
を含む。
【0013】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、および第1の態様の第3の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第4の可能な実現形態において、M個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数間の差は、予め設定された周波数閾値未満である。
【0014】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、第1の態様の第3の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第5の可能な実現形態において、プリセットRRUは、少なくとも2つのプリセットチャネルを含み、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する段階は、BBUが、プリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する段階を含み、プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0015】
この可能な実現形態において、プリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよびプリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、プリセットRRUにおける比較的多数のプリセットチャネルの送受信応答比が較正される必要がある場合、較正信号が較正のために連続的に送受信される必要があるという理由で発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、較正期間が減少する。
【0016】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、第1の態様の第3の可能な実現形態、第1の態様の第4の可能な実現形態、および第1の態様の第5の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第6の可能な実現形態において、方法は、K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、BBUが、K個のRRUのうちのRRUと他のRRUとの間の最大信号品質値を有するRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いる段階をさらに含み、K≧3であり、Kは整数である。
【0017】
第1の態様の第6の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第7の可能な実現形態において、少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する段階は、BBUが、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する段階を含み、異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0018】
この可能な実現形態において、複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよび複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、比較的多数のプリセットRRUのチャネルの送受信応答比が連続的に較正される必要がある場合に発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、RRUの複数のペアが同時に較正信号を送受信し得、互いに干渉しないことが実装され、較正期間が減少する。
【0019】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、第1の態様の第3の可能な実現形態、第1の態様の第4の可能な実現形態、および第1の態様の第5の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第8の可能な実現形態において、方法は、K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、BBUが、K個のRRUのうちの1つおきのRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いる段階であって、各基準RRUは、基準RRUに隣接する2つのRRUに対応する基準RRUでありK≧3である、段階をさらに含み、BBUが、第1の対応関係に従って各サブキャリアに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する段階は、BBUが、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第1の対応関係に従って、一次基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第2の対応関係を決定する段階であって、第2の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第2の較正係数との間の対応関係を含み、第2の較正係数は、サブキャリア上の、一次基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数であり、一次基準RRUは、K個のRRUのうちの任意のRRUである、段階と、BBUが、決定された第2の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する段階とを含む。
【0020】
第1の態様の第8の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第9の可能な実現形態において、少なくとも2つのプリセットRRUが含まれ、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する段階は、BBUが、プリセット基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する段階を含み、較正係数は、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、プリセット基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数であり、プリセット基準チャネルは、プリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルであり、異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0021】
この可能な実現形態において、複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよび複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、比較的多数のプリセットRRUのチャネルの送受信応答比が連続的に較正される必要がある場合に発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、RRUの複数のペアが同時に較正信号を送受信し得、互いに干渉しないことが実装され、較正期間が減少する。
【0022】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、第1の態様の第3の可能な実現形態、第1の態様の第4の可能な実現形態、第1の態様の第5の可能な実現形態、第1の態様の第6の可能な実現形態、第1の態様の第7の可能な実現形態、第1の態様の第8の可能な実現形態、および第1の態様の第9の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第10の可能な実現形態において、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は、プリセットRRUが位置するクラスタに隣接するクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数とは異なり、クラスタは、チャネルの必要送受信応答比が同じであるRRUのセットである。
【0023】
この可能な実現形態において、複数のクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。これにより、隣接するクラスタにおけるRRUが、較正信号を同時に送受信し得、互いに干渉しないことが実装され、隣接するクラスタにおけるRRU間の較正信号の干渉が減少する。
【0024】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現形態、第1の態様の第2の可能な実現形態、第1の態様の第3の可能な実現形態、第1の態様の第4の可能な実現形態、第1の態様の第5の可能な実現形態、第1の態様の第6の可能な実現形態、第1の態様の第7の可能な実現形態、第1の態様の第8の可能な実現形態、第1の態様の第9の可能な実現形態、および第1の態様の第10の可能な実現形態に関連して、第1の態様の第11の可能な実現形態において、方法は、全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する段階であって、1≦J≦Nであり、Jは整数である、段階と、J個の較正係数の初期位相に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の更新済み初期位相を決定する段階と、更新済み初期位相および遅延に従って第1の対応関係を更新する段階とをさらに含む。
【0025】
この可能な実現形態において、遅延が変わる場合、サブキャリア上で較正信号を再送受信することなく、較正係数の初期位相を再測定し、次に、新たな第一の対応関係を決定することのみにより第1の対応関係を更新することを決定し得る。これにより、BBUの処理動作量が減少する。
【0026】
第2の態様によれば、RRU間でチャネルを較正するための装置が提供される。装置は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリとを含む。メモリは、1または複数の命令を格納するように構成される。命令は、命令後にプロセッサにより実行される。プロセッサは、前述の第1の態様において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法を実装するための命令を実行する。
【0027】
第3の態様によれば、RRU間でチャネルを較正するための装置が提供される。RRU間でチャネルを較正するための装置は、少なくとも1つのユニットを含む。少なくとも1つのユニットは、前述の第1の態様において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法を実装するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために必要な添付図面を簡単に説明する。以下の説明における添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、当業者であれば、創造的努力なくこれらの添付図面から他の図面をさらに導出し得ることは明らかである。
【0029】
図1】本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための分散型基地局およびシステムの概略構造図である。
【0030】
図2】本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0031】
図3】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0032】
図4】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0033】
図5】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するためのシステムの概略構造図である。
【0034】
図6】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0035】
図7】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するためのシステムの概略構造図である。
【0036】
図8A】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0037】
図8B】本発明の別の実施形態の一例によるRRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0038】
図9】本発明の別の実施形態の一例によるRRU間でチャネルを較正するためのシステムの概略構造図である。
【0039】
図10】本発明の別の実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。
【0040】
図11】本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための装置の概略構造図である。
【0041】
図12】本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確にすべく、以下ではさらに、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0043】
本明細書において言及される「モジュール」は、メモリに格納されている、いくつかの機能を実装するように構成され得るプログラムまたは命令である。本明細書において言及される「ユニット」は、ロジックに従って分割された機能構造である。「ユニット」は、ハードウェアのみにより実装され得るか、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実装され得る。
【0044】
実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法におけるRRUは、分散型基地局におけるRRUである。図1は、分散型基地局の概略構造図を示す。分散型基地局は、BBU120と、RRU0 141と、RRU1 142とを含む。
【0045】
分散型基地局において、BBUは、光ファイバまたはマイクロ波を用いることにより、1または複数のRRUに接続されている。図1において、BBU120はRRU0 141に接続されており、RRU1 142は説明のための一例として用いられているに過ぎない。
【0046】
BBU120は、ベースバンド信号を処理および伝送し、BBU120に接続されたRRU0 141およびRRU1 142に、特定のチャネルを介した較正信号の送信および較正信号の受信などの動作を実行するよう命令するように構成される。
【0047】
1つのRRUは複数のチャネルを含む。RRUにおけるチャネルは、送受信チャネル、中間周波数および無線周波数チャネルまたはサービスチャネルとも称される。各チャネルは、1つのアンテナと一対一の対応関係にある。例えば、図1に示されるように、RRU0はチャネル0からチャネルAを含み、チャネル0からチャネルAは、アンテナ0からアンテナAと一対一の対応関係にある。RRU1はチャネル0からチャネルBを含み、チャネル0からチャネルBは、アンテナ0からアンテナBと一対一の対応関係にある。A≧0かつB≧0である。1つのRRUに含まれるチャネルの数は、本実施形態において限定されない。
【0048】
RRUは、BBUにより、1または複数のチャネルを介して、チャネルに対応するアンテナを用いることにより信号を送受信するよう命令される。異なるRRUが、信号を同じ端末装置へ連携して伝送するように構成されるか、または異なる端末装置へ信号を伝送するように構成される。例えば、BBUは、チャネル0を用いることにより信号1を端末装置1へ伝送するようRRU0に命令し、チャネル0およびチャネル1を用いることにより信号1を端末装置1へ伝送するようRRU1に命令する。代替的に、BBUは、チャネル0を用いることにより信号1を端末装置1へ伝送するようRRU0に命令し、チャネル0およびチャネル1を用いることにより信号2を端末装置2へ伝送するようRRU1に命令する。
【0049】
ダウンリンク信号伝送中、RRUは伝送モードで動作する。RRUは、BBUにより送信されて受信したベースバンド信号に対する変調および復調、周波数変換、無線周波数フィルタリング、電力増幅、伝送フィルタリングなどの処理動作を実行し、BBUの命令に従って、1または複数のチャネルを用いることにより、処理済みの無線周波数信号を端末装置または別のRRUへ送信する。
【0050】
アップリンク信号伝送中、RRUは、受信モードで動作する。RRUは、1または複数のチャネルを用いることにより、端末装置または別のRRUにより送信された信号を受信し、受信した信号に対するフィルタリング、低ノイズ増幅、小規模無線周波数信号増幅およびフィルタリング、周波数変換、アナログからデジタルへの変換、デジタル中間周波数処理などの処理動作を実行し、次に、処理済みの信号をRRUに接続されたBBUへ送信する。BBUは、RRUにより送信され受信した信号を処理し得る。
【0051】
任意選択で、分散型基地局は、RRUに対応する結合回路をさらに含む。結合回路は、較正用結合ディスクとも称される。結合回路は、結合回路に対応するRRUに対して自己較正を実行するように構成される。具体的には、結合回路は、結合回路に対応するRRUにおけるチャネルを介して送信された較正信号に対してループバックを実行するように構成されるか、または、結合回路に対応するRRUにおけるチャネルに較正信号の電力を受信のために割り当てるように構成される。例えば、図1に示されるように、RRU0 141に対応する結合回路0 161は、RRU0 141に含まれるチャネル0からチャネルAを介して伝送された較正信号に対してループバックまたは電力割り当てを実行するように構成される。RRU1 142に対応する結合回路1 162は、RRU1 142に含まれるチャネル0からチャネルBを介して伝送された較正信号に対してループバックまたは電力割り当てを実行するように構成される。
【0052】
図1を参照すると、図1は、本発明の一実施形態による、RRU間でチャネルを較正するためのシステムの概略構造図を示す。RRU間でチャネルを較正するためのシステムはBBUと、基準RRUと、プリセットRRUとを含む。
【0053】
本実施形態において、以下の例は説明に用いられる。図1におけるRRU0 141は基準RRUであり、RRU1 142はプリセットRRUである。基準RRUおよびプリセットRRUは同じ分散型基地局におけるRRUであり、基準RRUおよびプリセットRRUは同じBBUに接続されており、BBUは基準RRUおよびプリセットRRUとの信号伝送を実行し、基準RRUおよびプリセットRRUについての命令を提供する。
【0054】
別の実現形態において、基準RRUおよびプリセットRRUは、異なる分散型基地局におけるRRUであり得る。基準RRUおよびプリセットRRUは、異なるBBUに別々に接続されている。基準RRUに接続されたBBUは、基準RRUについての命令を提供し、基準RRUとの信号伝送を実行する。プリセットRRUに接続されたBBUは、プリセットRRUについての命令を提供し、プリセットRRUとの信号伝送を実行する。基準RRUに接続されたBBUは、プリセットRRUに接続されたBBUとの信号伝送を実行し得る。
【0055】
基準RRUおよびプリセットRRUは、同じ信号を同じ端末装置へ連携して伝送するように構成されたRRUである。プリセットRRUにおけるチャネルの送受信応答比は、基準RRUにおけるチャネルの送受信応答比と同じである必要がある。
【0056】
あるチャネルの送受信応答比は、そのチャネルの受信応答に対するそのチャネル伝送応答の比である。チャネルの伝送応答は、チャネルが位置するRRUがチャネルを用いることにより信号を送信する場合のチャネル応答である。チャネルの受信応答は、チャネルが位置するRRUがチャネルを用いることにより信号を受信する場合のチャネル応答である。
【0057】
任意選択で、基準RRUは自己較正を既に実行しており、基準RRUに含まれる全てのチャネルは同じ送受信応答比を有する。代替的に、基準RRUは自己較正を実行せず、基準RRUに含まれるチャネルは異なる送受信応答比を有する。
【0058】
任意選択で、プリセットRRUは自己較正を既に実行しており、プリセットRRUに含まれる全てのチャネルは同じ送受信応答比を有する。代替的に、プリセットRRUは自己較正を実行せず、プリセットRRUに含まれるチャネルは異なる送受信応答比を有する。
【0059】
基準RRUは1または複数の基準チャネルを含む。基準チャネルは基準RRUにおける任意のチャネルであり得る。
【0060】
プリセットRRUは、1または複数のプリセットチャネルを含む。プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比は、基準RRUにおける基準チャネルの送受信応答比と同じである必要がある。プリセットRRUが自己較正を既に実行している場合、プリセットRRUにおける全てのチャネルは同じ送受信応答比を有するので、プリセットチャネルは、プリセットRRUにおける任意のチャネルである。プリセットRRUが自己較正を実行していない場合、プリセットRRUに含まれる各チャネルは、プリセットチャネルである。
【0061】
図1に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システム、または、例えば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)または単一キャリア周波数分割多重接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)などのアクセス技術を用いるシステムといった、様々な無線アクセス技術を用いる他の無線通信システムであり得る。加えて、RRU間でチャネルを較正するためのシステムはさらに、LTEシステム以降の進化型システム、例えば、第5世代のモバイル通信技術(第5世代、5G)システムに適用可能であり得る。
【0062】
図2を参照すると、図2は、本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。本実施形態において、図1に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムに方法が適用されることが説明のために用いられ、方法は以下の段階を含む。
【0063】
段階201:全帯域幅におけるM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する。2≦M<Nであり、Nは全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数である。
【0064】
基準RRUおよびプリセットRRUにおける各チャネルは、全帯域幅で動作する。全帯域幅は、複数のサブキャリアを含む。全帯域幅は、RRU間でチャネルを較正するための方法に関連する、RRU間でチャネルを較正するためのシステムの動作帯域幅である。
【0065】
段階202:BBUが、計算によって得たM個の較正係数に従って第1の対応関係を決定する。第1の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第1の較正係数との間の対応関係を含み、第1の較正係数は、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数である。
【0066】
段階203:BBUが、第1の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する。
【0067】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法に従って、BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより全帯域幅におけるいくつかのサブキャリア上で較正信号を送受信し、計算によって較正係数を得るよう基準RRUに命令するだけでよい。これにより、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定し、全帯域幅におけるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、RRU間でのチャネルの較正中に各サブキャリア上で較正信号が送受信される必要があるという理由で発生する、リソース消費が比較的多いという問題が解決され、リソース消費が減少する。加えて、較正信号は、いくつかのサブキャリア上でのみ伝送される必要があり、それにより、較正信号の電力が減少する。
【0068】
図3を参照すると、図3は、本発明の一実施形態の一例による、RRU間でチャネルを較正するための方法のフローチャートである。本実施形態において、図1に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムに方法が適用されることが説明に用いられ、方法は以下の段階を含む。
【0069】
段階301:全帯域幅におけるM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する。2≦M<Nであり、Nは全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数である。
【0070】
BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する。その具体的な処理は、以下のいくつかの段階を含む。
【0071】
特定の時間ドメインリソース上で、基準RRUは伝送モードで動作し、プリセットRRUは受信モードで動作する。
【0072】
1. BBUが、基準チャネルを用いることによりプリセットRRUにおけるプリセットチャネルへ較正信号Sを送信するよう基準RRUに命令する。
【0073】
任意選択で、特定の時間ドメインリソースは、LTE TDDシステムにおけるk番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのアップリンクおよびダウンリンクのガード期間(Guard Period、GP)間隔であり、kは1よりも大きいか、または1と等しい任意の整数である。
【0074】
M個のサブキャリアのうちの任意のサブキャリアについて、BBUがサブキャリア上へ較正信号Sを変調し、サブキャリアを用いることにより較正信号Sを基準RRUへ送信する。基準RRUが高周波数キャリア上へサブキャリアを変調し、基準チャネルを用いることにより高周波数キャリアを送信する。
【0075】
2. BBUが、基準RRUが基準チャネルを用いることにより送信した較正信号をプリセットチャネルを用いることにより受信するようプリセットRRUに命令する。
【0076】
BBUは、プリセットチャネルを用いることにより高周波数キャリアを受信し、高周波数キャリアを復調してサブキャリア上で較正信号Y=T×R×H12×Sを得るようプリセットRRUに命令する。Tは、基準RRUにおける基準チャネルの伝送応答である。Rは、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの受信応答である。H12は、基準RRUにおける基準チャネルとプリセットRRUにおけるプリセットチャネルとの間のエアインタフェースの応答である。
【0077】
別の特定の時間ドメインリソース上で、基準RRUは受信モードで動作し、プリセットRRUは伝送モードで動作する。
【0078】
3. BBUが、プリセットチャネルを用いることにより基準RRUにおける基準チャネルへ較正信号Sを送信するようプリセットRRUに命令する。
【0079】
任意選択で、別の特定の時間ドメインリソースは、LTE TDDシステムにおける(k+1)番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのGP間隔である。別の可能な実現形態において、別の特定の時間ドメインリソースは、別の無線フレームであり得る。これは本実施形態において限定されない。
【0080】
4. BBUが、プリセットRRUがプリセットチャネルを用いることにより送信した較正信号を、基準チャネルを用いることにより受信するよう基準RRUに命令する。
【0081】
BBUは、基準チャネルを用いることにより高周波信号を受信し、高周波信号を復調してサブキャリア上で較正信号Y=T×R×H12×Sを得るよう基準RRUに命令する。Tは、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの伝送応答である。Rは、基準RRUにおける基準チャネルの受信応答である。
【0082】
5. BBUが、基準RRUが基準チャネルを用いることにより送信した較正信号Sと、プリセットRRUがプリセットチャネルを用いることにより受信した較正信号Yと、プリセットRRUがプリセットチャネルを用いることにより送信した較正信号Sと、基準RRUが基準チャネルを用いることにより受信した較正信号Yとに従って、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数αを計算する。較正係数αは、サブキャリアに対応する。
【数2】
【0083】
基準RRUおよびプリセットRRUが同じBBUに接続されていない場合、基準RRUに接続されたBBUが、前述の段階1および段階4に示される方法を実行することによりSおよびYを決定し、プリセットRRUに接続されたBBUが、前述の段階2および段階3に示される方法を実行することによりYおよびSを決定することに留意すべきである。プリセットRRUに接続されたBBUは、基準RRUに接続されたBBUとの信号伝送を実行することによりSおよびYを決定し、前述の段階5に示される方法を用いることにより、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数αを計算する。
【0084】
BBUは、前述の方法を用いて、同じ時間ドメインリソースまたは異なる時間ドメインリソース上で、全帯域幅におけるM個のサブキャリアのうちの任意のサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算する。
【0085】
M個のサブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数は異なる。M個のサブキャリアの周波数はそれぞれf,f,…fであると仮定する。任意の2つのサブキャリアの周波数間の差は、予め設定された周波数閾値未満である。
【0086】
任意選択で、予め設定された周波数閾値は、信号の受信および伝送中の任意の2つのRRUの遅延間の差の最大値τmaxに対応する閾値である。任意の2つのRRUの遅延間の差の最大値τmaxは、システムにおいて予め設定された値である。任意選択で、予め設定された周波数閾値が
【数3】
である場合、
【数4】
である。
およびfはM個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数であり、1≦i≦M、1≦j≦M、かつ、i≠jである。予め設定された周波数閾値は、
【数5】
であり得るか、またはτmaxとの対応関係を有する別の閾値であり得る。これは本実施形態において限定されない。
【0087】
例えば、信号の受信および伝送中の任意の2つのRRUの遅延間の差の最大値τmaxは、400ナノ秒である。BBUが、基準RRUにおける基準チャネルとプリセットRRUにおけるプリセットチャネルとを用いることによりM個のサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令した場合、M個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数間の差f-fは、2.5MHz未満である。
【0088】
別の可能な実現形態において、BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりM個のサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令した後に、M個のサブキャリアのうちのいくつかのサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数のみを計算し、少なくとも2つのサブキャリア上の較正係数を計算し得る。BBUにより計算される較正係数の数は、本実施形態において限定されない。本実施形態において、BBUが、M個のサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルのM個の較正係数を計算する一例が、説明のために用いられる。
【0089】
段階302:M個の較正係数のうちの各較正係数について、BBUが較正係数の位相を決定する。
【0090】
予め定められた関数関係が、較正係数と較正係数の位相との間に存在する。BBUは、較正係数および予め定められた関数関係に従って、較正係数の位相φを決定する。予め定められた関数関係は、正弦関数関係、余弦関数関係等であり得る。実際の実装中、予め定められた関数関係は通常、複雑な包絡線の形式で表される。これは本実施形態において限定されない。
【0091】
例えば、較正係数と較正係数の位相との間の予め定められた関数関係が正弦関数関係である場合において、較正係数がα=c×exp(j×θ)であるときは、較正係数の位相はθであると決定され、c≠0である。
【0092】
段階303:BBUが、M個の位相と各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定する。
【0093】
任意選択で、予め定められた関数関係が、各較正係数の位相φと、較正係数に対応するサブキャリアの周波数fと、全帯域幅における初期位相φと、全帯域幅における較正係数の遅延τとの間に存在する。任意選択で、φ=2πf×τ+φである。φは較正係数の位相であり、fは較正係数に対応するサブキャリアの周波数であり、全帯域幅における較正係数の遅延であり、φは全帯域幅における較正係数の初期位相である。
【0094】
任意選択で、M=2である場合、BBUは、2つの位相と各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、全帯域幅における初期位相および全帯域幅における遅延を決定する。M>2である場合、BBUは、M個の位相のうちの任意の2つまたはそれより多くの較正係数の位相に従って初期位相および遅延のグループを決定し、いくつかの初期位相に従って全帯域幅における初期位相を決定し、かつ、いくつかの遅延に従って全帯域幅における遅延を決定し、または、M個の位相に従って全帯域幅における初期位相および遅延を直接決定する。任意選択で、全帯域幅における遅延は計算によって得られるいくつかの遅延の平均値であるか、または、全帯域幅における遅延は、計算によって得られるいくつかの遅延のうち、いくつかの遅延の平均値に対して最小分散値を有する遅延である。全帯域幅における初期位相は、計算によって得られる初期位相のいくつかのグループの平均値であるか、または、全帯域幅における初期位相は、計算によって得られるいくつかの初期位相のうち、いくつかの初期位相の平均値に対して最小分散値を有する初期位相である。いくつかの遅延および初期位相に従って全帯域幅における遅延および全帯域幅における初期位相を決定するための方法は、本実施形態において限定されない。
【0095】
例えば、M=2である場合、第1の較正係数の位相がφf1であり、第1の較正係数に対応するサブキャリアの周波数がfであると仮定すると、φf1=2πfτ+φである。第2の較正係数の位相がφf2であり、第2の較正係数に対応するサブキャリアの周波数がfである場合、φf2=2πfτ+φである。次に、2つの関数関係に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の遅延τが以下のとおり、つまり、
【数6】
であること、および、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相φが以下のとおり、つまり、
【数7】
であることが決定され得る。
【0096】
別の例において、M=4である場合、BBUは、第1の較正係数の位相と、対応するサブキャリアの周波数と、第2の較正係数の位相と、対応するサブキャリアの周波数とに従って、前述の方法を用いることにより、遅延τおよび初期位相φ01のグループを決定する。BBUは、第3の較正係数の位相と、対応するサブキャリアの周波数と、第4の較正係数の位相と、対応するサブキャリアの周波数とに従って、前述の方法を用いることにより、遅延τおよび初期位相φ02のグループを決定する。次に、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の遅延がτ=(τ+τ)/2であり、初期位相がφ=(φ01+φ02)/2であることを決定する。
【0097】
別の可能な実現形態において、BBUは、いくつかの較正係数の位相と、各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、M個の較正係数のうちのいくつかの較正係数のみの位相を決定し、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定し得る。加えて、BBUは、M個の較正係数のうちの少なくとも2つの較正係数の位相を決定する。BBUが決定する較正係数の位相の数は、本実施形態において限定されない。
【0098】
段階304:BBUが、初期位相と、遅延と、N個のサブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数fとに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の位相φfnを決定する。1≦n≦Nであり、nは整数である。
【0099】
任意選択で、φfn=2πf×τ+φである。τは、全帯域幅における遅延であり、前述の方法を用いることにより決定される。φは、全帯域幅における初期位相であり、前述の方法を用いることにより決定される。 前述の例において、M=2である場合、
【数8】
かつ、
【数9】
である。
【0100】
段階305:BBUが、位相φfnに従って第1の対応関係を決定する。
【0101】
第1の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第1の較正係数との間の対応関係を含む。第1の較正係数は、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数である。
【0102】
予め定められた関数関係が、各サブキャリアの位相と各サブキャリア上の較正係数との間に存在する。予め定められた関数関係は、前述の段階302における予め定められた関数関係と同じであり得る。例えば、前述の例において、較正係数と較正係数の位相との間の予め定められた関数関係が正弦関数関係である場合、各サブキャリアの位相φfnが決定された後に、各サブキャリア上の較正係数がαfn=c×exp(j×φfn)であることが決定される。ここで、φfn=2πf×τ+φであり、次に、第1の対応関係は、である。αfn=c×exp(j×(2πf×τ+φ))である。nの値が異なる場合、fは異なるサブキャリアの周波数を示し、αfnは異なるサブキャリアの較正係数を示す。
【0103】
段階306:BBUが、第1の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する。
【0104】
全帯域幅に含まれる各サブキャリアについて、サブキャリア上のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを較正する場合、BBUは、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数αを決定する。BBUは、前述の段階301において示される方法に従って、M個のサブキャリアのうちの各サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算によって得、第1の対応関係に従って、N個のサブキャリアのうちの、前述のM個のサブキャリアとは異なる別のサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定する。
【0105】
各サブキャリア上の較正係数は、
【数10】
、つまり、
【数11】
である。
【数12】
は、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルの送受信応答比である。
【数13】
は、サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比である。BBUが、プリセットチャネルを用いてサブキャリア上で信号を送信するようプリセットRRUに命令した場合、送信される信号の大きさを較正係数αで乗算したものは、サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの伝送応答を較正係数αで乗算したものと同等であり、または、BBUが、プリセットチャネルを用いてサブキャリア上で信号を受信するようプリセットRRUに命令した場合、受信した信号を較正係数αで除算したものは、サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの受信応答を較正係数αで除算したものと同等である。従って、サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比は較正される。
【0106】
プリセットRRUが自己較正を既に実行している場合、プリセットRRUに含まれる全てのチャネルが同じ送受信応答比を有するので、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおける各チャネルの送受信応答比は、前述の方法を用いることにより各サブキャリアに対して計算によって得られる較正係数に従って較正される。
【0107】
前述の方法において、基準RRUが自己較正を実行していない場合、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第1の対応関係が決定された後、かつ、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比が第1の対応関係に従って較正される前に、基準RRUは、自己較正を実行し、基準RRUにおける一次基準チャネルを決定し、基準RRUにおける一次基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの対応関係を決定し、プリセットRRUにおける全てのチャネルが基準RRUにおける全てのチャネルと同じ送受信応答比を有するように、対応関係に従って各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する必要があることに留意すべきである。
【0108】
図3に示されるRRU間でチャネルを較正するための方法は、処理モジュールを含むRRUにも適用され得ることに留意すべきである。処理モジュールを含むRRUは、較正信号の送信または特定のチャネルを介した較正信号の受信、較正係数の計算、チャネルの送受信応答比の較正などの動作を実行するなど、処理機能を有する。次に、プリセットRRUは、前述の段階301から段階306を実行することにより、チャネルの送受信応答比を較正し得る。
【0109】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより全帯域幅におけるいくつかサブキャリア上で較正信号を送受信して較正係数を得るよう基準RRUに命令するだけでよい。これにより、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定し、全帯域幅におけるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、RRU間でのチャネルの較正中に各サブキャリア上で較正信号が送受信される必要があるという理由で発生する、リソース消費が比較的多いという問題が解決され、リソース消費が減少する。加えて、較正信号は、いくつかのサブキャリア上でのみ伝送される必要があり、それにより、較正信号の電力が減少する。
【0110】
本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、較正信号は、無線フレームのGP間隔で送受信される。これにより、全帯域幅における全てのサブキャリア上で較正信号が送受信される場合、比較的多数のGPリソースが占有され、結果的にアップリンクサービスに対する干渉が増加するという問題が解決され、無線フレームのGPリソースの占有が減少し、アップリンクサービスに対する影響が軽減される。
【0111】
本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、BBUは、いくつかのサブキャリアのみに対応する較正係数を計算することが必要である。これにより、BBUの処理動作量が減少する。
【0112】
一例において、図1に示される基準RRU、つまり、RRU0におけるチャネル0が基準チャネルであり、プリセットRRU、つまり、RRU1におけるチャネル0がプリセットチャネルである。全帯域幅が合計1000個のサブキャリアを含むと仮定すると、BBUは、プリセットRRUにおけるチャネル0およびチャネル0を用いることにより15kHzという周波数を有するサブキャリアおよび45kHzという周波数を有するサブキャリアで較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、15kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRUにおけるチャネル0に対するプリセットRRUにおけるチャネル0の較正係数α=10×exp(j×(9π+7.8×10))と、45kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRUにおけるチャネル0に対するプリセットRRUにおけるチャネル0の較正係数α=10×exp(j×(18π+7.8×10))とを計算する。
【0113】
次に、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおけるチャネル0に対するプリセットRRUにおけるチャネル0の較正係数の遅延が
【数14】
であり、初期位相が
【数15】
であることを決定する。BBUは、第1の対応関係がαfn=10*exp(j×(2πf×150×10-6+5π+7.8×10))であることを決定する。
【0114】
15kHzという周波数を有するサブキャリア上の、プリセットRRUにおけるチャネル0の送受信応答比が、15kHzという周波数を有するサブキャリア上の、計算によって得られる較正係数αに従って較正される。同様に、45kHzという周波数を有するサブキャリア上の、プリセットRRUにおけるチャネル0の送受信応答比が、45kHzという周波数を有するサブキャリア上の、計算によって得られる較正係数αに従って較正される。1000個のサブキャリアのうちの、15kHzという周波数および45kHzという周波数に対応するサブキャリアとは異なる別のサブキャリアの較正係数が、第1の対応関係に従って決定される。例えば、1000個のサブキャリアのうちの、60kHzという周波数を有するサブキャリアの較正係数が、α60kHZ=10×exp(j×(2π×60×10×150×10-6+5π+7.8×10))=10×exp(j×(23π+7.8×10))と決定され、60kHzという周波数を有するサブキャリア上の、プリセットRRUにおけるチャネル0の送受信応答比が、較正係数α60kHZに従って較正される。同様に、1000個のサブキャリアのうちの別のサブキャリア上の、プリセットRRUにおけるチャネル0の送受信応答比が、前述の方法を用いることにより較正される。
【0115】
任意選択で、前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、プリセットRRUは、少なくとも2つのプリセットチャネルを含む。前述の実施形態における段階301は、図4に示されるように、実装のために以下の段階で置き換えられ得る。
【0116】
段階401:プリセットRRUにおける少なくとも2つのプリセットチャネルのうちの各プリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令する。
【0117】
プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は異なる。プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの数は、同じであるか、または異なる。つまり、Mの値は、同じであり得るか、または異なり得る。
【0118】
任意選択で、BBUは、プリセットRRUにおける基準チャネルおよび少なくとも2つのプリセットチャネルを用いることによりプリセットRRUにおける少なくとも2つのプリセットチャネルに対応するサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう基準RRUに命令する。
【0119】
例えば、プリセットRRUに含まれる2つのプリセットチャネルはそれぞれ、チャネル0およびチャネル1である。プリセットRRUにおけるチャネル0は、周波数がそれぞれ15kHz、30kHzおよび45kHzである3つのサブキャリアに対応する。プリセットRRUにおけるチャネル1は、周波数がそれぞれ60kHz、75kHz、90kHzおよび105kHzである4つのサブキャリアに対応する。BBUは、プリセットRRUにおける基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより15kHz、30kHzおよび45kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号をLTE TDDシステムにおける1番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのGP間隔で送受信するよう基準RRUに命令し、基準RRUにおける基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるチャネル1を用いることにより60kHz、75kHz、90kHzおよび105kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号をLTE TDDシステムにおける1番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのGP間隔で送受信するよう命令する。
【0120】
段階402:BBUが、プリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する。プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0121】
プリセットRRUにおける少なくとも2つのプリセットチャネルのうちの各プリセットチャネルについて、プリセットチャネルに対応するM個のサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットチャネルのM個の較正係数が計算によって得られた後に、全帯域幅における各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比が、前述の実施形態における段階302から段階306に示される方法を用いることにより較正される。
【0122】
任意選択で、BBUは、全帯域幅における各サブキャリア上の、プリセットRRUにおける少なくとも2つのプリセットチャネルの送受信応答比を同じ時間ドメインリソースで較正する。
【0123】
実際の実装中、前述の段階401において、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令した場合、および、プリセットRRUが異なるプリセットチャネルを有する場合、基準RRUにおける基準チャネルは、異なるチャネルでもあり得ることに留意すべきである。基準RRUが自己較正を実行していない、つまり、異なる基準チャネルの送受信応答比が異なる場合、プリセットチャネルに対応する基準チャネルに対するプリセットチャネルの第1の対応関係が決定された後に、基準RRUは、プリセットRRUにおける全てのチャネルが基準RRUにおける全てのチャネルと同じ送受信応答比を有するように自己較正を実行する。具体的な実装方法については、図3に示される実施形態に示される方法を参照されたい。詳細については、本実施形態において繰り返さない。
【0124】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、プリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよびプリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、プリセットRRUにおける比較的多数のプリセットチャネルの送受信応答比が較正される必要がある場合、較正信号が較正のために連続的に送受信される必要があるという理由で発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、較正期間が減少する。
【0125】
任意選択で、前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、図1に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムは、K個のRRUを含み得る。K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きい。K個のRRUはスター型構造を形成し、K個のRRUは1つの基準RRUおよび少なくとも2つのプリセットRRUを含む。K≧3であり、Kは整数である。図5は、RRU間でチャネルを較正するためのシステムが6つのRRUを含み、6つのRRUがスター型構造を形成する概略図の一例を示す。
【0126】
任意選択で、信号品質値は、信号強度または信号対ノイズ比である。2つのRRUの間の信号強度は、1つのRRUが任意のチャネルを用いることにより他のRRUにおける任意のチャネルで情報を伝送する場合に伝送される信号の信号強度である。
【0127】
RRU間でチャネルを較正するための方法が、図5に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムに適用される場合、方法は、図6に示されるように、以下の段階をさらに含む。
【0128】
段階601:K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、BBUが、K個のRRUのうちの他のRRUとの間で最大信号品質値を有するRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いる。
【0129】
K個のRRUは、同じ信号を同じ端末装置へ連携して伝送するように構成されるRRUである。本実施形態において、K個のRRUは、K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きいことを条件としてスター型構造を形成することに留意すべきである。他のRRUの間の信号品質値の大きさは、本実施形態において限定されない。
【0130】
任意選択で、K個のRRUのうちのただ1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、そのRRUと他のRRUとの間の、予め設定された閾値よりも大きい信号品質値を有するRRUが基準RRUとして決定され、K個のRRUのうちの他のRRUがプリセットRRUである。
【0131】
任意選択で、K個のRRUのうちの複数のRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、他のRRUとの間で最大信号品質値を有するRRUが基準RRUとして決定されるか、または、複数のRRUのうちの任意の1つが基準RRUとして選択され、K個のRRUのうちの他のRRUがプリセットRRUである。RRUと他のRRUとの間の最大信号品質値は、RRUと他のRRUとの間の信号品質値の最大平均値であり得る。例えば、信号品質値は信号強度であり、RRUと他のRRUとの間の最大信号強度を有するRRUが基準RRUとして選択される。予め設定された閾値が-80dbmであり、第1のRRUと、3つのRRUのうちの他の2つのRRUとの間の信号強度が-60dbmおよび-64dbmであると仮定すると、平均値は-62dbmである。第2のRRUと他の2つのRRUとの間の信号強度が-66dbmおよび-70dbmであると仮定すると、平均値は-68dbmである。次に、第1のRRUは、基準RRUとして決定される。
【0132】
予め設定された閾値は、システムにおいて予め設定された値であるか、またはユーザにより定義される値である。これは本実施形態において限定されない。
【0133】
異なるプリセットRRUは、基準RRUにおける異なる基準チャネルに対応することもあり得ることに留意すべきである。例えば、基準RRUにおけるチャネル0が、プリセットRRU1に対応する基準チャネルであることが決定され、基準RRUにおけるチャネル1が、プリセットRRU2に対応する基準チャネルであることが決定される。次に、BBUが、プリセットRRU1におけるチャネル0およびプリセットチャネルを用いることにより較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、プリセットRRU2におけるチャネル1およびプリセットチャネルを用いることにより較正信号を送受信するよう基準RRUに命令する。
【0134】
2つのRRUが情報の伝送を実行し得ない場合、2つのRRUの間の信号品質値は、極めて小さい値であるとみなされ得ることに留意すべきである。例えば、信号品質値が信号強度である場合、2つのRRUの間の信号強度は、-90dbmまたはより小さい信号強度であるとみなされる。
【0135】
図5に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムにおいて、RRU510のみが、他のRRUとの情報の伝送を実行し得る。従って、RRU510は基準RRUであり、RRU521、RRU522、RRU523、RRU524およびRRU525は、プリセットRRUである。
【0136】
前述の段階301は、実装のために以下の段階で置き換えられ得る。
【0137】
段階602:少なくとも2つのプリセットRRUのうちの各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令する。
【0138】
異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は異なる。異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの数は、同じであるか、または異なる。つまり、Mの値は、同じであり得るか、または異なり得る。
【0139】
任意選択で、BBUは、少なくとも2つの基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより少なくとも2つのプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう基準RRUに命令する。
【0140】
任意選択で、少なくとも2つのプリセットRRUのうちの任意のプリセットRRUは、1または複数のプリセットチャネルを含む。1つのプリセットRRUが複数のプリセットチャネルを含む場合、異なるプリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なり、対応するサブキャリアの数は、同じであるか、または異なる。次に、BBUは、複数のプリセットRRUにおける基準チャネルおよび複数のプリセットチャネルを用いることにより、複数のプリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルに対応するサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう基準RRUに命令する。
【0141】
例えば、図5に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムにおけるプリセットRRU521、プリセットRRU522、プリセットRRU523、プリセットRRU524およびプリセットRRU525は各々、ただ1つのプリセットチャネルを含み、各プリセットRRUにおけるチャネル0が、プリセットチャネルである。
【0142】
プリセットRRU521におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ15kHzおよび30kHzである2つのサブキャリアに対応する。プリセットRRU522におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ45kHz、60kHzおよび75kHzである3つのサブキャリアに対応する。プリセットRRU523におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ90kHzおよび105kHzである2つのサブキャリアに対応する。プリセットRRU524におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ130kHzおよび145kHzである2つのサブキャリアに対応する。プリセットRRU525におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ160kHz、175kHzおよび190kHzである3つのサブキャリアに対応する。次に、BBUは、プリセットRRU521における基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより15kHzおよび30kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信し、プリセットRRU522における基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより45kHz、60kHzおよび75kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信し、プリセットRRU523における基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより90kHzおよび105kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信し、プリセットRRU524における基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより130kHzおよび145kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信し、プリセットRRU525における基準チャネルおよびチャネル0を用いることにより160kHz、175kHzおよび190kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう、LTE TDDシステムにおける1番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのGP間隔で基準RRU510に命令し得る。
【0143】
段階603:BBUが、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する。異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0144】
少なくとも2つのプリセットRRUのうちの各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルについて、プリセットRRUに対応するM個のサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルのM個の較正係数が計算によって得られた後に、全帯域幅における各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比が、前述の実施形態における段階302から段階306において示される方法を用いることにより較正される。
【0145】
任意選択で、BBUは、全帯域幅における各サブキャリア上の、少なくとも2つのプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を同じ時間ドメインリソースで較正する。
【0146】
実際の実装中、前述の段階602において、BBUが、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令した場合、基準RRUにおける基準チャネルは、異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルとは異なり得ることに留意すべきである。1つのプリセットRRUが複数のプリセットチャネルを含む場合、基準RRUにおける基準チャネルも、プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルとは異なり得る。基準RRUが自己較正を実行していない、つまり、異なる基準チャネルの送受信応答比が異なる場合、プリセットチャネルに対応する基準チャネルに対するプリセットチャネルの第1の対応関係が決定された後に、基準RRUは、プリセットRRUにおける全てのチャネルが基準RRUにおける全てのチャネルと同じ送受信応答比を有するように自己較正を実行する。具体的な実装方法については、図3に示される実施形態に示される方法を参照されたい。詳細については、本実施形態において繰り返さない。
【0147】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよび複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、比較的多数のプリセットRRUのチャネルの送受信応答比が連続的に較正される必要がある場合に発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、RRUの複数のペアが同時に較正信号を送受信し得、互いに干渉しないことが実装され、較正期間が減少する。
【0148】
任意選択で、前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、図1に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムは、K個のRRUを含み得る。K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きい。K個のRRUはチェーン構造を形成する。K≧3であり、Kは整数である。図7は、RRU間でチャネルを較正するためのシステムが6つのRRUを含み、6つのRRUがチェーン構造を形成する概略図の一例を示す。
【0149】
任意選択で、信号品質値は、信号強度または信号対ノイズ比である。2つのRRUの間の信号強度は、1つのRRUが任意のチャネルを用いることにより他のRRUにおける任意のチャネルで情報を伝送する場合に伝送される信号の信号強度である。
【0150】
予め設定された閾値は、システムにおいて予め設定された値であるか、またはユーザにより定義される値である。これは本実施形態において限定されない。
【0151】
任意選択で、チェーン構造を形成するK個のRRUについて、多くても2つのRRUとただ1つの近接するRRUとの間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きい。
【0152】
図7に示されるように、RRU720、RRU730、RRU740およびRRU750のうちの各RRUと、2つの近接するRRUとの間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きい。RRU720は、一例として用いられている。RRU720とRRU710との間の信号品質値およびRRU720とRRU730との間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きい。6つのRRUのうち、RRU710について、予め設定された閾値よりも大きい信号品質値は、RRU710とRRU720との間にのみ存在し、RRU760について、予め設定された閾値よりも大きい信号品質値は、RRU760とRRU750との間にのみ存在する。
【0153】
任意選択で、K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、BBUは、K個のRRUのうちの1つおきのRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いる。各基準RRUは、基準RRUに隣接する2つのRRUに対応する基準RRUであり、K≧3である。
【0154】
K個のRRUは、同じ信号を同じ端末装置へ連携して伝送するように構成されるRRUである。K個のRRUにより形成される構造は、K個のRRUのうちの多くても2つのRRUと1つの接続されたRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きいこと、および多くても2つのRRU以外の各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きいことを条件として、本実施形態においてチェーン接続に属することに留意すべきである。実際のシステムにおいて、各RRUと他のいくつかのRRUとの間の信号品質値は、予め設定された閾値よりも大きいこともあり得る。これは本実施形態において限定されない。
【0155】
図7に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムにおいて、BBUが、RRU1 710、RRU3 730およびRRU5 750が基準RRUであり、RRU2 720、RRU4 740およびRRU6 760がプリセットRRUであり、RRU1 710はRRU2 720に対応する基準RRUであり、RRU3 730はRRU2 720およびRRU4 740に対応する基準RRUであり、RRU5 750はRRU4 740およびRRU6 760に対応する基準RRUであることを決定するものと仮定する。RRU間でチャネルを較正するための方法が図7に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムに適用される場合、前述の段階306は、図8Aに示されるように、実装のために以下の段階で置き換えられ得る。
【0156】
段階801:BBUが、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第1の対応関係に従って、一次基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第2の対応関係を決定する。
【0157】
第2の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第2の較正係数との間の対応関係を含む。第2の較正係数は、サブキャリア上の、一次基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数である。一次基準RRUは、K個のRRUのうちの任意のRRUである。
【0158】
各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの各第1の対応関係を決定するための方法については、前述の段階302から段階306を参照されたい。詳細については、実施形態において繰り返さない。
【0159】
例えば、前述の例において、BBUは、基準RRU1における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの較正係数がα21であることを決定し、基準RRU3における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの較正係数がα23であることを決定し、基準RRU3における基準チャネルに対するプリセットRRU4におけるプリセットチャネルの較正係数がα43であることを決定し、基準RRU5における基準チャネルに対するプリセットRRU4におけるプリセットチャネルの較正係数がα45であるであることを決定し、基準RRU5における基準チャネルに対するプリセットRRU6におけるプリセットチャネルの較正係数がα65であることを決定する。
【0160】
RRU3が一次基準RRUとして決定された場合、各サブキャリア上で、
【数16】
であり、ここで、Gは、RRU3におけるプリセットチャネルの送受信応答比を示し、Gは、RRU2におけるプリセットチャネルの送受信応答比を示し、
【数17】
であり、ここで、Gは、RRU1におけるプリセットチャネルの送受信応答比を示す。
この方式において、各サブキャリア上の、一次基準RRU3における基準チャネルに対するRRU1におけるプリセットチャネルの較正係数が、
【数18】
として決定される。従って、一次基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRU1におけるプリセットチャネルの第2の対応関係が、基準RRU3における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの第1の対応関係と、基準RRU1における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの第1の対応関係との比として決定される。BBUは、前述の方法に従って、一次基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第2の対応関係を決定する。
【0161】
段階802:BBUが、決定された第2の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正する。
【0162】
任意選択で、前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、K個のRRUが少なくとも2つのプリセットRRUを含む場合、前述の段階301は、図8Bに示されるように、実装のために以下の段階で置き換えられ得る。
【0163】
段階805:少なくとも2つのプリセットRRUのうちの各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、プリセットRRUにおけるプリセット基準チャネルおよびプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令する。プリセット基準チャネルは、プリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルである。
【0164】
異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は異なる。異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの数は、同じであるか、または異なる。つまり、Mの値は、同じであり得るか、または異なり得る。異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルは、同じプリセット基準チャネルまたは異なるプリセット基準チャネルに対応する。
【0165】
任意選択で、BBUは、少なくとも2つのプリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルと、少なくとも2つのプリセットRRUにおけるプリセットチャネルとを別々に用いることにより少なくとも2つのプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう基準RRUに命令する。1つのプリセットRRUが、1つまたは2つの基準RRUに対応する。1つのプリセットRRUが2つの基準RRUに対応する場合、異なる基準RRUにおける基準チャネルに対する同じプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数およびサブキャリアの数は異なり得、BBUは、2つの基準RRUにおける基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより異なるサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう2つの基準RRUに命令する。
【0166】
例えば、図7に示されるRRU間でチャネルを較正するためのシステムに含まれるプリセットRRU2 720、プリセットRRU4 740およびプリセットRRU6 760は各々、ただ1つのプリセットチャネルを含み、各プリセットRRUにおけるチャネル0が、プリセットチャネルである。
【0167】
基準RRU1 710に対するプリセットRRU2 720におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ15kHzおよび30kHzである2つのサブキャリアに対応する。基準RRU3 730に対するプリセットRRU2 720におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ45kHzおよび60kHzである2つのサブキャリアに対応する。基準RRU3 730に対するプリセットRRU4 740におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ75kHzおよび90kHzである2つのサブキャリアに対応する。基準RRU5 750に対するプリセットRRU4 740におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ105kHz、120kHzおよび135kHzである3つのサブキャリアに対応する。基準RRU5 750に対するプリセットRRU6 760におけるチャネル0が、周波数がそれぞれ150kHzおよび165kHzである2つのサブキャリアに対応する。
【0168】
LTE TDDシステムにおける1番目の無線フレームのスペシャルサブフレームのGP間隔で、BBUは、プリセットRRU2に対応する基準RRU1における基準チャネルおよびプリセットRRU2におけるプリセットチャネルを用いることにより15kHzおよび30kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令し、プリセットRRU2に対応する基準RRU3における基準チャネルおよびプリセットRRU2におけるプリセットチャネルを用いることにより45kHzおよび60kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令し、プリセットRRU4に対応する基準RRU3における基準チャネルおよびプリセットRRU4におけるプリセットチャネルを用いることにより75kHzおよび90kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令し、プリセットRRU4に対応する基準RRU5における基準チャネルおよびプリセットRRU4におけるプリセットチャネルを用いることにより105kHz、120kHzおよび135kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令し、プリセットRRU6に対応する基準RRU5における基準チャネルおよびプリセットRRU6におけるプリセットチャネルを用いることにより150kHzおよび165kHzという周波数を有するサブキャリア上で較正信号を送受信するよう命令する。
【0169】
任意選択で、少なくとも2つのRRUのうちの任意のプリセットRRUは、1または複数のプリセットチャネルを含む。1つのプリセットRRUが複数のプリセットチャネルを含む場合、異なるプリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なり、対応するサブキャリアの数は、同じであるか、または異なる。次に、BBUは、プリセットRRUに対応する基準RRUおよび複数のプリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルを用いることにより、複数のプリセットRRUにおける複数のプリセットチャネルに対応するサブキャリア上で較正信号を同じ時間ドメインリソースで送受信するよう命令する。
【0170】
段階806:BBUが、プリセット基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算する。較正係数は、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、プリセット基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数であり、異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0171】
前述の例において、BBUは、同じ時間ドメインリソースで、15kHzおよび30kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRU1における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの較正係数を計算し、45kHzおよび60kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRU3における基準チャネルに対するプリセットRRU2におけるプリセットチャネルの較正係数を計算し、75kHzおよび90kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRU3における基準チャネルに対するプリセットRRU4におけるプリセットチャネルの較正係数を計算し、105kHz、120kHzおよび135kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRU5における基準チャネルに対するプリセットRRU4におけるプリセットチャネルの較正係数を計算し、150kHzおよび165kHzという周波数を有するサブキャリア上の、基準RRU5における基準チャネルに対するプリセットRRU6におけるプリセットチャネルの較正係数を計算する。
【0172】
実際の実装中、前述の段階805において、BBUが、プリセットRRUにおけるプリセット基準チャネルおよびプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令した場合、プリセット基準チャネルは、異なるプリセットRRUとは異なり得ることに留意すべきである。1つのプリセットRRUが複数のプリセットチャネルを含む場合、プリセット基準チャネルも、プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルとは異なり得る。基準RRUが自己較正を実行していない、つまり、異なる基準チャネルの送受信応答比が異なる場合、プリセットチャネルに対応する基準チャネルに対するプリセットチャネルの第1の対応関係が決定された後に、基準RRUは、プリセットRRUにおける全てのチャネルが基準RRUにおける全てのチャネルと同じ送受信応答比を有するように自己較正を実行する。具体的な実装方法については、図3に示される実施形態に示される方法を参照されたい。詳細については、本実施形態において繰り返さない。
【0173】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルが、M個の異なるサブキャリアを用いる。これにより、BBUは、複数の第1の対応関係を同時に決定および取得すべく、基準RRUにおける基準チャネルおよび複数のプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを同時に用いることにより異なるサブキャリア上で同時に較正信号を送受信するよう命令し得、決定された第1の対応関係に従って、プリセットRRUにおける複数のチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、比較的多数のプリセットRRUのチャネルの送受信応答比が連続的に較正される必要がある場合に発生する、較正期間が比較的長いという問題が解決され、RRUの複数のペアが同時に較正信号を送受信し得、互いに干渉しないことが実装され、較正期間が減少する。
【0174】
前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、前述の方法は、チャネルの送受信応答比を較正するために、複数の隣接するクラスタにおけるRRU間で同時に用いられ得る。クラスタは、チャネルの必要送受信応答比が同じであるRRUのセットである。複数の隣接するクラスタの概略構造図が、図9に示される。
【0175】
クラスタ910およびクラスタ920は、2つの隣接するクラスタである。1つのクラスタが、1または複数のプリセットRRUを含み得る。1つのクラスタが複数のプリセットRRUを含む場合、そのクラスタにおけるRRUが、図5に示されるスター型構造、図7に示されるチェーン構造、または別の連通構造を形成し得る。異なるクラスタにおけるRRUの連通構造は、同じであり得るか、または異なり得る。これは本実施形態において限定されない。図9は、クラスタ910におけるRRUおよびクラスタ920におけるRRUが各々スター型構造を形成する概略図の一例を示す。
【0176】
異なるクラスタに含まれるRRUの数は、同じであり得るか、または異なり得る。同じクラスタにおけるRRUは、同じ信号を同じ端末装置へ連携して伝送するように構成される。異なるクラスタにおけるRRUは、異なる信号を異なる端末へ伝送するように構成される。
【0177】
複数の隣接するクラスタのうちの各クラスタに含まれる各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの、クラスタにおける基準RRUにおける基準チャネルに対する送受信応答比が、図6の実施形態において示されるか、または図8Aおよび図8Bの実施形態において示される方法を用いることにより較正される。
【0178】
あるクラスタにおけるあるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は、そのプリセットRRUが位置するクラスタに隣接するクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数とは異なる。
【0179】
例えば、クラスタ910について、プリセットRRU912に対応する、周波数が15kHz、30kHzおよび45kHzであるサブキャリア上で、基準RRU911における基準チャネルおよびプリセットRRU912におけるプリセットチャネルを用いることにより、較正信号が送受信される。クラスタ920について、プリセットRRU922に対応する、周波数が60kHz、75kHzおよび90kHzであるサブキャリア上で、基準RRU921における基準チャネルおよびプリセットRRU922におけるプリセットチャネルを用いることにより、較正信号が同じ時間ドメインリソースで送受信される。
【0180】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、複数のクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。これにより、隣接するクラスタにおけるRRUが較正信号を同時に送受信し得、互いに干渉しないということが実装され、隣接するクラスタにおけるRRU間の較正信号の干渉が減少する。
【0181】
前述の実施形態に基づく別の任意の実施形態において、遅延が変わる場合、方法は、図10に示されるように、以下の段階をさらに含む。
【0182】
段階1001:全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUが、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定する。1≦J≦Nであり、Jは整数である。
【0183】
任意選択で、全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、BBUは、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を予め定められた時間間隔で決定する。予め定められた時間間隔の長さは、システムにおいて予め設定されたものであるか、またはユーザにより定義される。これは本実施形態において限定されない。
【0184】
遅延は、ある環境における電界および温度などの要因の変化に起因して変わる。これにより、較正係数が変わり、第1の対応関係も変わる。第1の対応関係の位相は、φfn=2πf×τ+φである。実際の実装中、φ=2πf×τである。fはサブキャリアの周波数であり、fは変調のためにRRUにより用いられる高周波数キャリアのキャリア周波数である。一般に、高周波数キャリアは、2.5GHzまたは2.6GHzなどの高周波数を有する。しかしながら、サブキャリアの周波数fは通常、15kHz、30kHzまたは45kHzなどの低周波数である。高周波数キャリアのキャリア周波数fは、サブキャリアの周波数fよりも非常に大きい。従って、遅延τが変わった場合、Δ2πf×τは、Δ2πf×τよりも非常に大きい。つまり、Δφは、Δ2πf×τよりも非常に大きい。初期位相φははるかに大きく変わり、第1の対応関係に対してより大きな影響を及ぼす。第1の対応関係が更新された場合、計算量を誤差範囲内へと減少させるために、更新は、φへのみ、なされ得る。
【0185】
本実施形態における第1の対応関係は、図2から図9に示される実施形態において提供される方法を用いることによりいくつかのサブキャリア上で較正信号を送受信することにより決定される第1の対応関係であり得るか、または、従来技術を用いることにより全帯域幅において較正信号を送受信することにより計算によって得られる第1の対応関係であり得ることに留意すべきである。これは本実施形態において限定されない。
【0186】
J個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、サブキャリア上尾基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定するための方法は、前述の段階301において示される方法により決定され得る。
【0187】
段階1002:J個の較正係数の初期位相に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の更新済み初期位相を決定する。
【0188】
この段階を実装するための具体的な方法については、前述の段階303を参照されたい。詳細については、本実施形態において繰り返さない。
【0189】
段階1003:更新済み初期位相および遅延に従って第1の対応関係を更新する。
【0190】
この段階を実装するための具体的な方法については、前述の段階304および段階305を参照されたい。詳細については、本実施形態において繰り返さない。
【0191】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための方法によれば、遅延が変わる場合、サブキャリア上で較正信号を再送受信することなく、較正係数の初期位相を再測定し、次に、新たな第一の対応関係を決定することのみにより第1の対応関係を更新することを決定し得る。これにより、BBUの処理動作量が減少する。
【0192】
図11を参照すると、図11は、本発明の一実施形態の一例によるRRU間でチャネルを較正するための装置の概略構造図を示す。RRU間でチャネルを較正するための装置は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせにより、BBU全体またはBBUの一部として実装され得る。RRU間でチャネルを較正するための装置は、プロセッサ1110と、プロセッサ1110に接続されたメモリ1120と、バス1130とを含む。当業者であれば、図11に示されるRRU間でチャネルを較正するための装置の構造が、RRU間でチャネルを較正するための装置に対する限定を構成しないことを理解し得る。RRU間でチャネルを較正するための装置は、図に示されるものより多い、またはより少ないコンポーネントを含み得るか、または、コンポーネントは、組み合わされ得るか、もしくは異なるコンポーネントの配置が用いられる。例えば、RRU間でチャネルを較正するための装置は、送信機1150、受信機1160、電源(図11に示されない)等をさらに含む。
【0193】
プロセッサ1110は、様々なインタフェースおよびラインを用いることによりRRU間でチャネルを較正するための装置全体の全ての部品を接続する、RRU間でチャネルを較正するための装置のコントロールセンタであり、メモリ1120に格納されたソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールを動作させるかまたは実行することにより、かつ、メモリ1120に格納されたデータを呼び出すことにより、RRU間でチャネルを較正するための装置の様々な機能を実行し、データを処理する。任意選択で、プロセッサ1110は、1または複数の処理コアを含み得る。任意選択で、プロセッサ1110は、アプリケーションプロセッサおよびモデムプロセッサと統合され得る。アプリケーションプロセッサは主に、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース、アプリケーションプログラム等を処理する。モデムプロセッサは主に、無線通信を処理する。前述のモデムプロセッサはプロセッサ1110に統合され得ないこと、および前述のモデムプロセッサは独立のチップとして実装され得ることが理解され得る。
【0194】
メモリ1120は、バス1130を用いることにより、プロセッサ1110に接続されている。
【0195】
メモリ1120は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを格納するように構成され得る。プロセッサ1110は、メモリ1120に格納されたソフトウェアプログラムおよびモジュールを動作させることにより、様々な機能アプリケーションを実行し、データを処理する。メモリ1120は、少なくとも1つの機能のアプリケーションプログラムモジュール1140を格納し得る。アプリケーションプログラムモジュール1140は、処理モジュール1141を含み得る。プロセッサ1110は、メモリ1120に格納されたモジュールを呼び出すことにより、前述の実施形態におけるRRU間でチャネルを較正するための方法を実行する。
【0196】
加えて、メモリ1120は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、リードオンリメモリ(ROM)または磁気メモリなど、任意のタイプの揮発性ストレージデバイスもしくは不揮発性ストレージデバイスまたはそれらの組み合わせにより実装され得る。
【0197】
図12を参照すると、図12は、本発明の一実施形態によるRRU間でチャネルを較正するための装置の概略構造図を示す。装置は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせにより、BBU全体またはBBUの一部として実装され得る。図12に示されるように、RRU間でチャネルを較正するための装置は、処理ユニット1210を含み得る。
【0198】
処理ユニット1210は、全帯域幅におけるM個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることによりサブキャリア上で較正信号を送受信するよう基準RRUに命令し、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算するように構成される。2≦M<Nであり、Nは全帯域幅におけるサブキャリアの総数であり、MおよびNの両方は整数である。
【0199】
処理ユニット1210はさらに、計算によって得たM個の較正係数に従って第1の対応関係を決定するように構成される。第1の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第1の較正係数との間の対応関係を含み、第1の較正係数は、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数である。
【0200】
処理ユニット1210はさらに、第1の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正するように構成される。
【0201】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、M個の較正係数に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定するように構成される。
【0202】
処理ユニット1210はさらに、初期位相および遅延に従って第1の対応関係を決定するように構成される。
【0203】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、M個の較正係数のうちの各較正係数について、較正係数の位相を決定するように構成される。
【0204】
処理ユニット1210はさらに、M個の位相と各較正係数に対応するサブキャリアの周波数とに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の初期位相および遅延を決定するように構成される。
【0205】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、初期位相と、遅延と、N個のサブキャリアのうちの各サブキャリアの周波数fとに従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の位相φfnを決定するように構成される。1≦n≦Nであり、Nは整数である。
【0206】
処理ユニット1210はさらに、位相φfnに従って第1の対応関係を決定するように構成される。
【0207】
任意選択で、M個のサブキャリアのうちの任意の2つのサブキャリアの周波数間の差は、予め設定された周波数閾値未満である。
【0208】
任意選択で、プリセットRRUは、少なくとも2つのプリセットチャネルを含む。処理ユニット1210はさらに、プリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算するように構成される。プリセットRRUにおける異なるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0209】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、K個のRRUのうちの少なくとも1つのRRUと他のRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、K個のRRUのうちの他のRRUとの間で最大信号品質値を有するRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いるように構成され、K≧3であり、Kは整数である。
【0210】
任意選択で、少なくとも2つのプリセットRRUが含まれる。処理ユニット1210はさらに、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算するように構成される。異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0211】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、K個のRRUのうちの各RRUと2つの近接するRRUとの間の信号品質値が予め設定された閾値よりも大きい場合、K個のRRUのうちの1つおきのRRUを基準RRUとして用い、基準RRUにおける任意のチャネルを基準チャネルとして用い、K個のRRUのうちの他のRRUをプリセットRRUとして用いるように構成される。各基準RRUは、基準RRUに隣接する2つのRRUに対応する基準RRUであり、K≧3である。
【0212】
処理ユニット1210はさらに、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応する基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第1の対応関係に従って、一次基準RRUにおける基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの第2の対応関係を決定するように構成される。第2の対応関係は、全帯域幅における各サブキャリアの周波数と第2の較正係数との間の対応関係を含み、第2の較正係数は、サブキャリア上の、一次基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数であり、一次基準RRUは、K個のRRUのうちの任意のRRUである。
【0213】
処理ユニット1210はさらに、決定された第2の対応関係に従って、各サブキャリア上の、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正するように構成される。
【0214】
任意選択で、少なくとも2つのプリセットRRUが含まれる。処理ユニット1210はさらに、プリセット基準チャネルに対する各プリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を同じ時間ドメインリソースで計算するように構成され、較正係数は、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリア上の、プリセット基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数であり、プリセット基準チャネルは、プリセットRRUに対応する基準RRUにおける基準チャネルであり、異なるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するサブキャリアの周波数は異なる。
【0215】
任意選択で、プリセットRRUにおけるプリセットチャネルに対応するM個のサブキャリアの周波数は、プリセットRRUが位置するクラスタに隣接するクラスタにおけるRRUにおけるチャネルに対応するサブキャリアの周波数とは異なり、クラスタが、チャネルの必要送受信応答比が同じであるRRUのセットである。
【0216】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、全帯域幅におけるJ個のサブキャリアのうちの各サブキャリアについて、サブキャリア上の、基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を計算するように構成される。1≦J≦Nであり、Jは整数である。
【0217】
任意選択で、処理ユニット1210はさらに、J個の較正係数の初期位相に従って、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数の更新済み初期位相を決定するように構成される。
【0218】
処理ユニット1210はさらに、更新済み初期位相および遅延に従って第1の対応関係を更新するように構成される。
【0219】
結論として、本発明の実施形態において提供されるRRU間でチャネルを較正するための装置によれば、BBUは、基準チャネルおよびプリセットRRUにおけるプリセットチャネルを用いることにより全帯域幅におけるいくつかサブキャリア上で較正信号を送受信して較正係数を得るよう基準RRUに命令するだけでよい。これにより、BBUは、全帯域幅における基準RRUにおける基準チャネルに対するプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの較正係数を決定し、全帯域幅におけるプリセットRRUにおけるプリセットチャネルの送受信応答比を較正し得る。これにより、RRU間でのチャネルの較正中に各サブキャリア上で較正信号が送受信される必要があるという理由で発生する、リソース消費が比較的多いという問題が解決され、リソース消費が減少する。加えて、較正信号は、いくつかのサブキャリア上でのみ伝送される必要があり、それにより、較正信号の電力が減少する。
【0220】
文脈上別段の明確な指定がない限り、本明細書において用いられる「ある(a)」(「1つの(a)」、「一(an)」、「その(the)」)という単数形は、複数形も含むよう意図されていることが理解されるべきである。本明細書において用いられる「および/または」は、1または複数の記載される関連事項を含む、任意のまたは全ての可能な組み合わせであることがさらに理解されるべきである。
【0221】
前述の本発明の実施形態の連続番号は、例示を目的としているに過ぎず、実施形態の優先度を示すことは意図されていない。
【0222】
当業者であれば、実施形態の段階の全てまたはいくつかは、ハードウェアまたは関連するハードウェアに命令するプログラムにより実装され得ることを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクを含み得る。
【0223】
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明を限定することは意図されていない。本発明の趣旨および原則から逸脱することなくなされるあらゆる修正、同等な置換、および改良は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12