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特許7014389画像形成装置、情報処理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20220125BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G06F9/44
H04N1/00 127Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2017028127
(22)【出願日】2017-02-17
(65)【公開番号】P2018133039
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2019-10-23
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 裕太
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】須田 勝巳
【審判官】金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-211265(JP,A)
【文献】特開2009-294746(JP,A)
【文献】特開2007-281810(JP,A)
【文献】特開2013-242897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/77
G06F 9/44-9/445
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
前記画像形成装置を制御するための制御部と、
前記画像形成装置に対して設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報を記憶するための記憶部と、
外部の装置と通信するための通信部と、を備え、
前記外部の装置は、前記設定情報に整合する連携情報に従って前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするアプリケーションを有した端末装置を含み、
前記制御部は、
前記設定情報が変更された場合に、当該端末装置の前記連携情報を前記変更された設定情報である変更後情報に整合させるための通知であって、当該設定情報が変更されたことを示す変更通知を、前記端末装置に送信するか否かを判断する判断部を有する、画像形成装置。
【請求項2】
前記判断部は、さらに、
前記端末装置から受信する前記連携情報のうちの少なくとも一部が、変更された前記設定情報と整合しないときは、前記変更通知を送信すると判断するよう構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断部は、さらに、
前記アプリケーションによる前記連携動作のために前記端末装置と当該画像形成装置が通信した履歴に基づき、前記変更通知を送信するか否かを判断するよう構成される、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記設定情報が変更されてから予め定められた時間内に、前記アプリケーションによる前記連携動作のために前記端末装置と通信した場合は、前記変更通知を送信すると判断するよう構成される、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記変更通知が前記端末装置に送信される場合に、当該端末装置の前記連携情報を前記変更された設定情報である変更後情報に整合させるための整合部を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記整合部は、
前記変更通知が前記端末装置に送信される場合に、前記端末装置に、前記連携情報を前記変更後情報に整合させる整合処理を実施させるように構成される、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記整合部は、さらに、
前記変更通知が前記端末装置に送信される場合に、前記整合処理を実施させるために、前記端末装置に前記変更後情報を送信するように構成される、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記外部の装置は、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を含み、
前記制御部は、
前記設定情報を、変更用情報を用いて変更する変更部を、さらに有し、
前記整合部は、
前記端末装置に前記整合処理を実施させるために、前記変更用情報を、当該アプリケーションに送信する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記整合部は、
前記端末装置に前記整合処理を実施させるために、前記情報処理装置に対し、前記変更用情報を前記端末装置に送信するよう要求する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記情報処理装置に対し、前記変更通知を前記端末装置に送信するよう要求する、請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置と通信する端末装置であって、
前記端末装置を制御する制御部と、
前記画像形成装置に設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報に整合する連携情報を記憶するための記憶部と、
前記連携情報に従って前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするアプリケーションと、
前記画像形成装置から、前記設定情報が変更されたことを示す変更通知を受信したとき、前記連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための整合処理部と、を備える、端末装置。
【請求項12】
端末装置と通信する情報処理装置であって、
前記情報処理装置を制御する制御部を備え、
前記端末装置は、画像形成装置に設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報に整合する連携情報に従い、前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作するアプリケーションを有し、
前記制御部は、
前記画像形成装置の前記設定情報が変更されたとき、前記連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための変更用情報を、前記端末装置に送信するよう構成される、情報処理装置。
【請求項13】
画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信する端末装置と、を備える情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置を制御するための制御部と、
前記画像形成装置に対して設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報を記憶するための記憶部と、を含み、
前記端末装置は、
前記設定情報に整合する連携情報に従って前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするアプリケーションを含み、
前記画像形成装置の制御部は、
前記設定情報が変更された場合に、当該端末装置の前記連携情報を前記変更された設定情報である変更後情報に整合させるための通知であって、当該設定情報が変更されたことを示す変更通知を、前記端末装置に送信するか否かを判断するように構成される、情報処理システム。
【請求項14】
画像形成装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
記憶部に格納された前記画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報を変更するステップと、
前記設定情報に整合する連携情報に従って前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするアプリケーションを有した端末装置と通信するステップと
前記設定情報が変更されたことを示す通知であって、前記端末装置の前記連携情報を前記変更された設定情報である変更後情報に整合させるための変更通知を、前記端末装置に送信するか否かを判断するステップと、を備える、プログラム。
【請求項15】
画像形成装置と通信する端末装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記端末装置は、前記画像形成装置に設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報に整合する連携情報に従い、前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするよう構成されて、
前記方法は、
前記画像形成装置の前記設定情報が変更されたことを示す変更通知を受信するステップと、
前記変更通知を受信したとき、前記連携情報を変更後の当該設定情報に整合するように変更するステップと、を備える、プログラム。
【請求項16】
端末装置と通信する情報処理装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記端末装置は、画像形成装置に設定される当該画像形成装置の運転スケジュールを含む設定情報に整合する連携情報に従い、前記画像形成装置と連携する動作であって、前記画像形成装置と通信して当該画像形成装置のコピー枚数または用紙残枚数のカウント値を含む運用に関する情報を収集する動作を含む連携動作をするアプリケーションを有し、
前記方法は、
前記画像形成装置の前記設定情報が変更されたとき、前記連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための変更用情報を取得するステップと、
前記変更用情報を、前記端末装置に送信するステップと、を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は画像形成装置、情報処理システムおよびプログラムに関し、特に、画像形成装置に設定されている情報が変更された旨の通知を他の装置に送信するための画像形成装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像形成装置について、各画像形成装置に設定された内容を、複数の画像形成装置を対象にして一括で変更する技術が、例えば特許文献1(特開2014-102604号公報)で提案されている。
【0003】
また、特許文献2(特開2015-158783号公報)は、画像形成装置に設定された内容が変更されていた場合、画像形成装置のアプリケーションまたは画像形成装置を再起動し、それにより、アプリケーションを利用可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-102604号公報
【文献】特開2015-158783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置の設定情報に従い当該画像形成装置を利用していた外部のアプリケーションは、画像形成装置の設定情報が変更されたことを知らない場合は、画像形成装置に接続することができなくなる。そのため、ユーザーは、画像形成装置の変更後の設定情報に従い、外部アプリケーションの設定内容を手動で変更する必要があった。
【0006】
この開示のある局面の目的は、外部のアプリケーションが、ユーザー操作によることなく、設定情報が変更された画像形成装置を利用できるようにする画像形成装置、情報処理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示のある局面に係る画像形成装置は、当該画像形成装置を制御するための制御部と、画像形成装置に対して設定される設定情報を記憶するための記憶部と、外部の装置と通信するための通信部と、を備え、外部の装置は設定情報に整合する連携情報に従って画像形成装置と連携動作するアプリケーションを有した端末装置を含み、制御部は、設定情報が変更された場合に、当該設定情報が変更されたことを示す変更通知を、端末装置に送信するか否かを判断する判断部を有する。
【0008】
好ましくは、判断部は、さらに、端末装置から受信する連携情報のうちの少なくとも一部が、変更された設定情報と整合しないときは、変更通知を送信すると判断するよう構成される。
【0009】
好ましくは、判断部は、さらに、アプリケーションによる連携動作のために端末装置と当該画像形成装置が通信した履歴に基づき、変更通知を送信するか否かを判断するよう構成される。
【0010】
好ましくは、判断部は、設定情報が変更されてから予め定められた時間内に、アプリケーションによる連携動作のために端末装置と通信した場合は、変更通知を送信すると判断するよう構成される。
【0011】
好ましくは、制御部は、さらに、変更通知が端末装置に送信される場合に、当該端末装置の連携情報を変更された設定情報である変更後情報に整合させるための整合部を有する。
【0012】
好ましくは、整合部は、変更通知が端末装置に送信される場合に、端末装置に、連携情報を変更後情報に整合させる整合処理を実施させるように構成される。
【0013】
好ましくは、整合部は、さらに、変更通知が端末装置に送信される場合に、整合処理を実施させるために、端末装置に変更後情報を送信するように構成される。
【0014】
好ましくは、外部の装置は、端末装置と通信可能な情報処理装置を含み、制御部は、設定情報を、変更用情報を用いて変更する変更部を、さらに有し、整合部は、端末装置に整合処理を実施させるために、変更用情報を、当該アプリケーションに送信する。
【0015】
好ましくは、整合部は、端末装置に整合処理を実施させるために、情報処理装置に対し、変更用情報を端末装置に送信するよう要求する。
【0016】
好ましくは、制御部は、情報処理装置に対し、変更通知を端末装置に送信するよう要求する。
【0017】
この開示の他の局面に従うと、画像形成装置と通信する端末装置は、当該端末装置を制御する制御部と、画像形成装置に設定される設定情報に整合する連携情報を記憶するための記憶部と、連携情報に従って画像形成装置と連携動作するアプリケーションと、画像形成装置から、設定情報が変更されたことを示す変更通知を受信したとき、連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための整合処理部と、を備える。
【0018】
この開示の更に他の局面に従うと、端末装置と通信する情報処理装置は、当該情報処理装置を制御する制御部を備え、端末装置は、画像形成装置に設定される設定情報に整合する連携情報に従い、画像形成装置と連携して動作するアプリケーションを有し、制御部は、画像形成装置の設定情報が変更されたとき、連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための変更用情報を、端末装置に送信するよう構成される。
【0019】
この開示の他の局面に従う情報処理システムは、画像形成装置と、画像形成装置と通信する端末装置と、を備え、画像形成装置は、当該画像形成装置を制御するための制御部と、画像形成装置に対して設定される設定情報を記憶するための記憶部と、を含み、端末装置は、設定情報に整合する連携情報に従って画像形成装置と連携動作するアプリケーションを含み、画像形成装置の制御部は、設定情報が変更された場合に、当該設定情報が変更されたことを示す変更通知を、端末装置に送信するか否かを判断するように構成される。
【0020】
この開示の更に他の局面に従う、画像形成装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムが提供される。この方法は、記憶部に格納された設定情報を変更するステップと、設定情報に整合する連携情報に従って画像形成装置と連携動作するアプリケーションを有した端末装置と通信するステップと、設定情報が変更されたことを示す変更通知を端末装置に送信するか否かを判断するステップと、備える。
【0021】
この開示の更に他の局面に従えば、画像形成装置と通信する端末装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムが提供される。端末装置は、画像形成装置に設定される設定情報に整合する連携情報に従って画像形成装置と連携動作するよう構成されて、方法は、画像形成装置の設定情報が変更されたことを示す変更通知を受信するステップと、変更通知を受信したとき、連携情報を変更後の当該設定情報に整合するように変更するステップと、を備える。
【0022】
この開示の更に他の局面に従えば、端末装置と通信する情報処理装置のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムが提供される。端末装置は、画像形成装置に設定される設定情報に整合する連携情報に従い、画像形成装置と連携して動作するアプリケーションを有し、方法は、画像形成装置の設定情報が変更されたとき、連携情報を変更後の当該設定情報に整合させるための変更用情報を取得するステップと、変更用情報を、端末装置に送信するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0023】
この開示のある局面では、外部のアプリケーションは、ユーザー操作によることなく、設定情報が変更された画像形成装置を利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成の一例を表わした図である。
図2】サーバー100のハードウェア構成の一例を表わしたブロック図である。
図3】MFP500のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。
図4】PC300のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。
図5】各実施の形態に係るMFP500の機能の構成を概略的に示す図である。
図6】実施の形態1に係る処理のフローチャートである。
図7図6の処理を模式的に示す図である。
図8図6の処理を模式的に示す図である。
図9図6の処理を模式的に示す図である。
図10図6の処理を模式的に示す図である。
図11】実施の形態2に係る処理のフローチャートである。
図12図11のステップS11を説明するための図である。
図13】実施の形態3に係る処理のフローチャートである。
図14図13の処理のステップS17とステップS19を説明するための図である。
図15図13のステップS21における整合処理の概要を説明するための図である。
図16】実施の形態4に係る処理のフローチャートである。
図17】実施の形態5に係る処理のフローチャートである。
図18図17のステップS25における整合処理の概要を説明するための図である。
図19】実施の形態6に係る処理のフローチャートである。
図20】実施の形態7に係るPC300の処理を示すフローチャートである。
図21】実施の形態8に係るサーバー100の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0026】
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム(以下、単にシステムという)の構成の一例を表わした図である。図1を参照して、システムは、ネットワーク400を介して相互に通信する、複数の画像形成装置と、『端末装置』の一実施例であるPC(Personal Computerの略)300と、『情報処理装置』の一実施例であるサーバー100とを備える。ネットワーク400は、有線または無線の各種のネットワークを含み得る。
【0027】
複数の画像形成装置は、MFP(Multi-Functional Peripheral)500A-1,500A-2,500A-3,500A-4を含む。実施の形態では、MFPは、『画像形成装置』の一実施例である。以降の説明では、500A-1,500A-2,500A-3,500A-4を総称して、MFP500ともいう。各MFP500は、LAN(Local Area Network)等の通信回線501を介して相互に通信する。
【0028】
図1では、システムに備えられるMFP500を4台としているが、5台以上でもよく、または3台以下であってもよい。また、PC300は、図1ではラップトップ型であるが、このタイプに限定されない。
【0029】
<装置構成>
図2は、サーバー100のハードウェア構成の一例を表わしたブロック図である。図2を参照して、サーバー100は、装置全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10を含む。また、サーバー100は、CPU10で実行されるプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、HDD(Hard Disk Drive)13とを含む。また、サーバー100は、タイマー14と、ネットワークコントローラー15と、メモリーカードI/F(Interfaceの略)16とをさらに含む。ネットワークコントローラー15は、ネットワーク400を介した他の装置との間の通信を制御する。メモリーカードI/F16は、メモリーカード17等の外部の記憶媒体が脱着自在に装着されて、装着された記憶媒体からデータ(プログラムを含む)を読出し、または記憶媒体にデータ(プログラム)を書込む。
【0030】
HDD13には、ネットワーク400に接続されるPC300、MFP500等の機器に関する情報(IP(Internet Protocol)アドレス等)および当該機器のユーザーに関する情報(ユーザー認証のためのパスワード等))が予め記憶されている。サーバー100のハードウェア構成は、図2の装置構成に限定されず、出力デバイス(プリンタ、ディスプレイ等)を備えてもよい。
【0031】
図3は、MFP500のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。図3を参照して、MFP500は、装置全体を制御するための『制御部』の一実施例であるCPU50を含む。また、MFP500は、プログラムおよびデータを格納するための記憶部を備える。記憶部には、CPU50で実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM51と、RAM52と、画像データなどを記憶するための記憶装置の一例であるHDD53と、後述するメモリーカードI/F58とを含む。また、MFP500は、スキャナー54と、プリンター55と、操作パネル56と、「通信部」の一実施例であるネットワークコントローラー57と、メモリーカードI/F58とをさらに含む。操作パネル56は、ユーザーにより操作されて、MFP500に対するユーザーの操作内容を受付ける。ネットワークコントローラー57は、通信回線501を介した他のMFP500との間の通信、およびネットワーク400を介した外部の装置(PC300、サーバー100等)との通信を制御する。メモリーカードI/F58は、メモリーカード59等の外部の記憶媒体が脱着自在に装着されて、装着された記憶媒体からデータ(プログラムを含む)を読出し、または記憶媒体にデータ(プログラム)を書込む。
【0032】
図4は、PC300のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。図4を参照して、PC300は、装置全体を制御するためのCPU30と、タッチパネル34と、記憶部を含む。記憶部は、CPU30で実行されるプログラムを記憶するためのROM31と、RAM35と、各種情報を記憶するためのHDD36と、後述するメモリーカード40とを含む。また、PC300は、ネットワーク400を介した他の装置(MFP500とサーバー100)との通信を制御するネットワークコントローラー37と、タイマー38と、メモリーカードI/F39とをさらに含む。タッチパネル34は、ユーザーにより操作されて、PC300に対するユーザーの操作内容を受付ける。ネットワークコントローラー37は、ネットワーク400を介した他の装置(MFP500、サーバー100等)との間の通信を制御する。メモリーカードI/F39は、メモリーカード40等の外部の記憶媒体が脱着自在に装着されて、装着された記憶媒体からデータ(プログラムを含む)を読出し、または記憶媒体にデータ(プログラムを含む)を書込む。タッチパネル34は、ディスプレイ32と操作パネル33とを一体的に備える。
【0033】
<用語の説明>
実施の形態で用いる用語を説明する。
【0034】
「MFP設定情報」は、『設定情報』の一実施例である。「MFP設定情報」は、MFP500を制御または使用するためにMFP500に対して設定される情報であって、変更可能な情報である。「MFP設定情報」は、MFP500の書換え可能な記憶領域に格納される。「MFP設定情報」は、ユーザーを認証するための認証情報(例えばパスワード)、外部の装置と通信するための情報(例えば、IPアドレス等)、MFP500の制御プログラムのバージョン情報、運転スケジュール(例えば、省電力運転モードと通常運転モードの時間)等を含むが、これらの種類に限定されない。
【0035】
「旧MFP設定情報」は、変更がなされる前のMFP設定情報を示す。「新MFP設定情報」は、変更がなされた後のMFP設定情報を示し、『変更後情報』の一実施例である。
【0036】
「外部アプリケーション」は、MFP500と連携動作するアプリケーションである。外部アプリケーションは、実施の形態では、プロセッサにより実行されるソフトウェア(プログラム)を例示するが、ソフトウェアに限定されず、ASIC(application specific integrated circuit)またはFPGA(field-programmable gate array)等のようなハードウェア回路であってもよい。
【0037】
「外部アプリケーション」の連携動作は、MFP500と通信しながら、MFP500から情報を収集するための動作を含む。収集される情報は、例えば、MFP500の運用に関する情報(コピー枚数、用紙残枚数等のカウント値、利用したユーザーの情報等)を含む。
【0038】
「アプリ設定情報」は、外部アプリケーションがMFP500と連携して動作するために必要な『連携情報』の一実施例である。『連携情報』がMFP500のMFP設定情報と整合しているとき、外部アプリケーションはMFP500と連携して動作することができるが、整合していないときは連係して動作することができない。
【0039】
『整合処理』は、アプリ設定情報を、新MFP設定情報の一部または全部に整合するように変更するための処理を示す。整合処理は、アプリ設定情報を、新MFP設定情報の一部または全部と完全に一致するように変更するための処理も含み得る。
【0040】
『変更通知』は、MFP500の「MFP設定情報」が『変更用情報』を用いて変更されたことを示す通知である。
【0041】
「RDT(Remote Deployment Tool)」は、MFP設定情報を変更するために、サーバー100が実行するプログラムである。
【0042】
<処理の概要>
各実施の形態では、MFP500は、MFP設定情報が変更された場合に、変更通知を、外部アプリケーションを有したPC300に送信する必要があるか否かを判断する。PC300は、MFP500から直接に、またはサーバー100を経由して変更通知を受信すると、変更用情報を用いて、アプリ設定情報を変更後のMFP設定情報に整合させるための整合処理を実施する。外部アプリケーションは、整合処理による取得されたアプリ設定情報に従い、MFP設定情報が変更された後のMFP500と連携して動作することできる。
【0043】
各実施の形態では、MFP設定情報は、認証用のパスワード、省電力運転モードの時間等を含む複数の項目を有する。MFP500は、MFP設定情報の所定項目が変更された場合に、変更通知を送信する。なお、所定項目は、外部アプリケーションがMFP500と連携して動作するために必要な項目であり、例えばパスワードとする。なお、所定項目はパスワードに限定されない。
【0044】
<MFP500の機能構成>
図5は、各実施の形態に係るMFP500の機能の構成を概略的に示す図である。図5では、MFP500の機能が、RAM52の不揮発性記憶領域に格納されている新MFP設定情報5および旧MFP設定情報6と関連付けて示される。
【0045】
図5を参照して、MFP500は、RAM52の旧MFP設定情報6を、変更用情報を用いて新MFP設定情報5に変更する変更部1、変更部1による変更がなされた場合に、変更がなされたことを示す変更通知を、PC300に送信するか否かを判断する判断部2および整合部3を備える。新MFP設定情報5は、『変更後情報』の一実施例である。整合部3は、変更通知がPC300に送信された場合に、PC300のアプリ設定情報30B(後述する)を新MFP設定情報5に整合させるための処理を実施する。
【0046】
各実施の形態では、変更部1、判断部2および整合部3は、CPU30が実行するプログラムにより実現されるとしているが、プログラムに限定されず、プログラムと回路の組合せにより実現されてもよい。
【0047】
(実施の形態1)
図6は、実施の形態1に係る処理のフローチャートである。図7図10は、図6の処理の各ステップを説明するための図である。図7図10では、説明を簡単にするために、2台のMFP500のMFP設定情報を変更するケースが示されている。
【0048】
図7図9は、それぞれ、図6のステップS1~S11の処理を模式的に示す。図7図9を参照して、RDT10Aと変更用情報10Bは、例えばサーバー100の記憶部に格納されて、CPU101はRDT10Aを実行する。また、PC300は、外部アプリケーション30Aのプログラムとアプリ設定情報30Bと整合処理部30Cのプログラムが記憶部に格納されている。CPU30は、連携動作のために外部アプリケーション30Aのプログラムを実行し、および整合処理部30Cのプログラムを実行する。整合処理部30Cのプログラムが実行されることにより、整合処理が実現される。なお、各実施の形態では、整合処理部30Cは、外部アプリケーション30Aの一部のプログラムとして示しているが、個別のプログラムとして生成されてもよい。
【0049】
図1の各MFP500のMFP設定情報は、サーバー100からの変更用情報10Bを用いて一括して変更される(ステップS1、図7参照)。つまり、各MFP500の変更部1は、サーバー100のRDT10Aから受信する変更用情報10Bを用いて、旧MFP設定情報6を変更して、新MFP設定情報5を生成する。なお、変更用情報10Bは、項目の識別子と当該項目の変更後の値を含む。
【0050】
判断部2は、MFP設定情報が変更されたとき、変更通知をPC300に送信する必要があるか否かを判断する(ステップS3、図7参照)。判断部2は、変更通知を送信する必要がないと判断すると(ステップS3でNO)、処理は終了するが、変更通知を送信する必要であると判断すると(ステップS3でYES)、ステップS5に移行する。例えば、判断部2は、HDD53に格納されている定義ファイルに記載された所定項目の識別子と、MFP設定情報の変更がなされた項目の識別子とを照合する。照合の結果に基づき、両項目の識別子が一致したとき、判断部2は、変更通知の送信が必要と判断し、不一致であるときは変更通知の送信は不要と判断する。
【0051】
CPU50は、外部アプリケーション30Aからアクセス要求を受信する(ステップS5、図8参照)。アクセス要求は、MFP500の記憶部に格納されているカウント値をアクセス(読み書き)するための要求を示す。アクセス要求は、アプリ設定情報30Bの中のパスワードを含む。
【0052】
CPU50は、外部アプリケーション30Aからのアクセス要求に変更前の設定情報、すなわち変更前のパスワードが含まれるか否かを判断する(ステップS7、図8参照)。例えば、CPU50は、新MFP設定情報5のパスワードと、アクセス要求のパスワードとを照合し、照合の結果に基づき、両者が一致するか否かを判断する(ステップS7)。CPU50は、両パスワードが一致すると判断したとき(ステップS7でYES)、処理を終了する。
【0053】
一方、CPU50は、両パスワードは一致しないと判断したときは(ステップS7でNO)、ステップS11に移行する。すなわち、アクセス要求のパスワードが、新MFP設定情報5のパスワードと一致しないときは、整合処理を実施するために、ステップS9に移行する。
【0054】
判断部2は、外部アプリケーション30Aからのアクセス要求を、MFP設定情報が変更されてから特定の期間(例えば、遡る1か月以内等の予め定められた期間)に受信したか否かを、通信の履歴から判断する(ステップS9)。なお、この特定の期間は可変であり、例えば、外部アプリケーション30Aの種類により可変であってもよい。
【0055】
通信の履歴は、MFP500のCPU50が、MFP500と外部の端末装置の各種アプリケーションと通信する毎に、通信に関する情報が蓄積されるように記憶部に格納したものである。通信の履歴は、各アプリケーション(または端末装置)について、その識別子の一例であるIPアドレスと通信時間を関連付けて含む。
【0056】
判断部2は、アクセス要求を特定の期間外で受信したと判断したときは(ステップS9でNO)、処理を終了するが、アクセス要求を特定の期間内で受信したと判断したときは(ステップS9でYES)、変更通知を、PC300に送信する(ステップS11、図9参照)。そして、整合部3はPC300に整合処理を実施させる(ステップS13)。その後、図6の処理は終了する。
【0057】
ステップS13の処理を、図10を参照して説明する。ステップS13では、図10(A)~(D)の4つのパターンのいずれかが実施される。例えば、外部アプリケーション30Aの種類に従い、実施されるべきパターンが切替えられる。
【0058】
図10(A)では、PC300の整合処理部30Cは、変更通知を受信すると、設定情報の取得要求をMFP500に送信する。MFP500の整合部3は、取得要求を受信する(ステップS13a)。整合部3は、取得要求に応答して新MFP設定情報5と変更要求を送信する(ステップS13b)。PC300の整合処理部30Cは、MFP500からの変更要求に従い新MFP設定情報5を用いて整合処理を実施する。これにより、アプリ設定情報30Bは、新MFP設定情報5と整合するよう変更される。
【0059】
図10(B)では、MFP500の整合部3は、PC300に、新MFP設定情報5と変更要求を送信する(ステップS13c)。PC300の整合処理部30Cは、MFP500からの変更要求に従い新MFP設定情報5を用いて整合処理を実施する。これにより、アプリ設定情報30Bは、新MFP設定情報5と整合するよう変更される。
【0060】
図10(C)では、PC300の整合処理部30Cは、変更通知を受信したとき、サーバー100に、設定情報の取得要求を送信する(ステップS13d)。サーバー100のRDT10Aは、取得要求を受信したとき、PC300に、変更要求と変更用情報10Bを送信する(ステップS13e)。PC300の整合処理部30Cは、サーバー100からの変更要求に従い変更用情報10Bを用いて整合処理を実施する。これにより、アプリ設定情報30Bは、新MFP設定情報5と整合するよう変更される。
【0061】
図10(D)では、MFP500の整合部3は、サーバー100に送信要求を伝送する(ステップS13f)。この送信要求は、サーバー100に対して、新MFP設定情報5(または変更用情報10B)をPC300に送信するようリクエストする内容を示す。
【0062】
サーバー100は、MFP500からの送信要求に応答して、変更要求と変更用情報10Bを、指定されたPC300宛に送信する(ステップS13g)。PC300の整合処理部30Cは、サーバー100からの変更要求に従い変更用情報10Bを用いて整合処理を実施する。これにより、アプリ設定情報30Bは、新MFP設定情報5と整合するよう変更される。PC300のCPU30は、サーバー100からの変更要求に従い、変更用情報10Bを用いてアプリ設定情報30Bを新MFP設定情報5と整合するように変更(更新)する。
【0063】
ここで、ステップS13e、13gでは、サーバー100は整合処理のために変更用情報10BをPC300に送信したが、変更用情報10Bに限定されない。例えば、サーバー100は、新MFP設定情報5を生成してPC300に送信するとしてもよい。具体的には、サーバー100のCPU10は、MFP500に送信した変更用情報10Bから新MFP設定情報5を生成する、または、MFP500から新MFP設定情報5を受信することで新MFP設定情報5を取得した、取得した新MFP設定情報5をPC300に送信するとしてもよい。
【0064】
実施の形態1では、MFP設定情報が変更されると、図10(A)~(D)のいずれかに従う整合処理が実行されることにより、アプリ設定情報30Bも変更後のMFP設定情報に整合するように変更することができる。
【0065】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の変形例を示す。実施の形態2では、アクセス要求のパスワードの照合(図6のステップS7)を省略して、通信の履歴(ログ)から、整合処理を実施するべき外部アプリケーション30Aを決定する。
【0066】
図11は、実施の形態2に係る処理のフローチャートである。図12は、図11のステップS11を説明するための図である。図11のステップS1、S3およびS11は、図6で説明した処理と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0067】
図11を参照して、MFP500の変更部1は、サーバー100から受信する変更用情報10Bに基づき、旧MFP設定情報6を新MFP設定情報5に変更する(ステップS1)。判断部2は、変更通知の送信が必要か否かを判断する(ステップS3)。変更通知の送信は必要ないと判断されると(ステップS3でNO)、処理を終了するが、変更通知の送信が必要であると判断されると(ステップS3でYES)、ステップS4に移行する。
【0068】
判断部2は、通信履歴から、上記の特定の期間に通信した外部アプリケーション30Aの情報を特定(決定)する(ステップS4)。なお、外部アプリケーション30Aを決定するための基準は、上記の特定の期間内のアクセスに限定されない。例えば、アクセスの頻度(回数)、通信時間の長さ等を基準としてもよい。
【0069】
CPU50は、変更通知を、ステップS4で特定された外部アプリケーション30AのPC300宛に送信する(ステップS11、図12参照)。そして、整合部3は、PC300に上記の整合処理を実施させる(ステップS13)。その後、図11の処理は終了する。ステップS13の整合処理では、上記に述べた図10(A)~(D)のいずれかの処理が実施されるので、ここでは説明は繰返さない。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3は、上記の各実施の形態の変形例を示す。実施の形態3では、PC300の整合処理部30Cは、RDT10Aから受信する変更用情報10Bを用いて整合処理を実施する。図13は、実施の形態3に係る処理のフローチャートである。図14は、図13の処理のステップS17とステップS19を説明するための図である。図15は、図13のステップS21における整合処理の概要を説明するための図である。図13のステップS1、S3、S5、S7およびS9は、図6で説明した処理と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0071】
図13を参照して、MFP500の変更部1は、RDT10Aからの変更用情報10Bに基づき、旧MFP設定情報6を新MFP設定情報5に変更し(ステップS1)、判断部2が変更通知の送信が必要と判断すると(ステップS3でYES)、CPU50は外部アプリケーション30Aからアクセス要求を受信する(ステップS5)。
【0072】
判断部2は、アクセス要求に設定変更前のパスワードが含まれていると判断した場合に(ステップS7でYES)、当該アクセス要求が、MFP設定情報が変更されてから特定の期間内に受信したと判断したときは(ステップS9でYES)、ステップS17に移行する。
【0073】
ステップS17では、MFP500のCPU50は、整合処理のための依頼を、サーバー100のRDT10Aに送信する(ステップS17,図14)。依頼は、MFP500とPC300と間の処理の実施を、サーバー100のRDT10Aに依頼(リクエスト)する内容を示す。
【0074】
RDT10Aは、MFP500からの依頼に従い、外部アプリケーション30A宛に変更通知を送信する(ステップS19,図14)。整合処理部30Cによる整合処理が実施される(ステップS21)。その後、図13の処理は終了する。
【0075】
ステップS21の整合処理を、図15を参照して説明する。ステップS21では、図15(A)と(B)のいずれかの処理が実施される。例えば、外部アプリケーション30Aの種類に従い、実施されるべき処理が決定される。
【0076】
図15(A)では、外部アプリケーション30Aは、変更通知を受信すると、サーバー100のRDT10Aに、取得要求を送信する(ステップS21a)。RDT10Aは、通知依頼に従い変更通知を送信した場合に、外部アプリケーション30Aから取得要求を受信したとき、外部アプリケーション30Aに、変更要求と変更用情報10Bを送信する(ステップS21b)。整合処理部30Cは、RDT10Aからの変更要求に従いRDT10Aからの変更用情報10Bを用いて、整合処理を実施する。
【0077】
図15(B)では、RDT10Aは、MFP500から依頼を受信した場合に、変更要求をPC300に送信する(ステップS21c)。RDT10Aは、PC300から当該変更要求に対する応答を受信したとき、PC300に変更用情報10Bを送信する(ステップS21d)。整合処理部30Cは、RDT10Aからの変更要求に従いRDT10Aからの変更用情報10Bを用いて整合処理を実施する。
【0078】
実施の形態3では、MFP500の判断部2が変更通知の送信が必要と判断した場合は、以降の整合処理は、サーバー100のRDT10AとPC300との間で実施されるので、MFP500の負担を軽減することができる。
【0079】
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態3の変形例を示す。図16は、実施の形態4に係る処理のフローチャートである。図16の処理は、図13のステップS5、S7およびS9の処理が、図11のステップS4に変更されているが、他の処理は図13と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0080】
図16を参照して、MFP500の変更部1は、RDT10Aからの変更用情報10Bに基づき、旧MFP設定情報6を新MFP設定情報5に変更し(ステップS1)、判断部2は、変更通知の送信が必要と判断すると(ステップS3でYES)、通信履歴から変更通知を送信するべき外部アプリケーション30Aを特定(決定)する(ステップS4)。
【0081】
その後、MFP500のCPU50は、依頼を、RDT10Aに送信すると(ステップS17)、RDT10Aは、依頼に従い、指定された外部アプリケーション30AのPC300宛に変更通知を送信し(ステップS19)、そして、PC300の整合処理部30Cにより整合処理が実施される(ステップS21)。その後、図16の処理は終了する。
【0082】
(実施の形態5)
実施の形態5は、上記の各実施の形態の変形例を示す。上記の各実施の形態では、RDT10Aからの変更用情報10Bを用いて各MFP500のMFP設定情報を変更したが、実施の形態5では、RDT10Aを用いることなく、MFP設定情報を変更する。
【0083】
図17は、実施の形態5に係る処理のフローチャートである。図18は、図17のステップS25における整合処理の概要を説明するための図である。図17を参照して、MFP500の変更部1は、操作パネル56を介して受付けたユーザーの操作内容から変更用情報を抽出し、抽出した変更用情報に基づき、MFP設定情報を変更する(ステップS1a)。これにより、旧MFP設定情報6は、新MFP設定情報5に変更される。その後、外部アプリケーション30Aに変更通知を送信するためのステップS3~S11の処理が実施される。図17のステップS3~S11の処理は、図6に示された対応の処理と同様であるので詳細は繰返さない。
【0084】
PC300に変更通知が送信されると、整合処理部30Cによる整合処理(ステップS25)が実施される。ステップS25の整合処理を、図18を参照して説明する。ステップS25では、図18(A)と(B)のいずれかの処理が実施される。例えば、外部アプリケーション30Aの種類に従い、実施されるべき処理が決定される。
【0085】
図18(A)では、外部アプリケーション30Aは、変更通知を受信すると、設定情報の取得要求をMFP500に送信し、MFP500のCPU50は、外部アプリケーション30Aから取得要求を受信する(ステップS25a)。MFP500の整合部3は、取得要求に応答して変更要求と新MFP設定情報5を送信する(ステップS25b)。外部アプリケーション30Aは、MFP500からの変更要求に従い新MFP設定情報5を用いて整合処理を実施する。
【0086】
図18(B)では、MFP500の整合部3は、外部アプリケーション30Aに、アプリ設定情報30Bの変更要求を送信する(ステップS25c)。整合部3は、外部アプリケーション30Aから応答を受信すると、新MFP設定情報5をPC300に送信する(ステップS25d)。整合処理部30Cは、MFP500からの変更要求に従い新MFP設定情報5を用いて整合処理を実施する。
【0087】
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態5の変形例を示す。実施の形態6においても、実施の形態5と同様に、各MFP500が自己のMFP設定情報を変更する。図19は、実施の形態6に係る処理のフローチャートである。
【0088】
図19を参照して、MFP500の変更部1は、実施の形態5と同様に、ユーザーから受付けた変更用情報に基づきMFP設定情報を変更する(ステップS1a)。その後、外部アプリケーション30Aに変更通知を送信するためのステップS3、S4およびS11の処理が実施される。図19のステップS3~S11の処理は、図11のそれらと同様であるので、詳細は繰返さない。
【0089】
PC300に変更通知が送信されると、整合処理部30Cは整合処理を実施する(ステップS25)。ステップS25の整合処理は、図18に示された処理と同様であるので、説明は繰返さない。
【0090】
(実施の形態7)
実施の形態7では、上記の各実施の形態におけるPC300の整合処理を示す。図20は、実施の形態7に係るPC300の処理を示すフローチャートである。図20を参照して、PC300の整合処理部30Cは、変更通知または要求を受信するか否かを判断する(ステップT1)。変更通知または要求を受信するまでは、ステップT1の処理を繰返す。変更通知または要求を受信した時(ステップT1でYES)、整合処理部30Cは、変更用情報10B(または新MFP設定情報5)を用いて整合処理を実施する(ステップT3)。
【0091】
(実施の形態8)
実施の形態8では、上記の各実施の形態におけるサーバー100の処理を示す。図21は、実施の形態8に係るサーバー100の処理を示すフローチャートである。図21を参照して、CPU10(RDT10A)は、MFP500からの依頼、またはPC300からの要求を受信するか否かを判断する(ステップR1)。依頼または要求を受信するまでは、ステップR1の処理を繰返す。依頼または要求を受信した時(ステップR1でYES)は、CPU10は変更用情報10B(または新MFP設定情報5)を取得する(ステップR3)。具体的には、CPU10は変更用情報10Bを記憶部から読出す、または新MFP設定情報5を生成する、または新MFP設定情報5をMFP500から受信することにより、これら情報を取得する。
【0092】
CPU10は、取得された変更用情報10B(または新MFP設定情報5)を、整合処理のために、変更要求とともにPC300に送信する(ステップR5)。
【0093】
(実施の形態9)
実施の形態9では、上述の各実施の形態で示されたフローチャートの処理を各種の情報処理装置に実行させるためのプログラムを提供することができる。該プログラムを実行することで、MFP500、サーバー100、PC300等の既存の装置に、上記の処理を実行させることができ、本実施の形態に係る情報処理システムを構築することができる。
【0094】
このようなプログラムは、上記の既存の装置のコンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリーカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0095】
なお、実施の形態9に係るプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、実施の形態9に係るプログラムに含まれ得る。
【0096】
また、実施の形態9に係るプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、実施の形態9に係るプログラムに含まれ得る。
【0097】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0098】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0099】
1 変更部、2 判断部、3 整合部、5 新MFP設定情報、6 旧MFP設定情報、10A RDT、10B 変更用情報、30A 外部アプリケーション、30B アプリ設定情報、30C 整合処理部、100 サーバー、300 PC、500 MFP。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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