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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】動作制御装置
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20220125BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08G1/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019126902
(22)【出願日】2019-07-08
(62)【分割の表示】P 2018025952の分割
【原出願日】2018-02-16
(65)【公開番号】P2019164846
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】391019681
【氏名又は名称】株式会社コムテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 崇人
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-067086(JP,A)
【文献】特開2017-195755(JP,A)
【文献】特開2008-065541(JP,A)
【文献】特開2011-028651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00- 5/12
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されたカメラで撮像された画像を録画するドライブレコーダの動作制御装置であって、
前記車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する車両位置取得部と、
前記車両の乗員により所定の操作部が同一地点で2回以上操作されると、前記同一地点の位置情報である監視地点情報を登録する地点登録部と、
前記車両位置情報及び前記監視地点情報に基づき、前記車両の駐車位置が前記同一地点である監視地点であると判定された場合に前記録画を開始する制御処理部と、
を備え
前記地点登録部は、前記車両が前記同一地点に過去に駐車されたときに前記操作部が操作され、その後、前記車両が前記同一地点に再度駐車されたときに前記操作部が操作されることを条件として前記監視地点情報を登録する、動作制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動作制御装置であって、
前記地点登録部は、
過去の所定期間内に前記操作部が前記監視地点で2回以上操作されたと判定された場合、前記監視地点情報を登録する動作制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の動作制御装置であって、
前記制御処理部は、
前記駐車位置が前記監視地点でないと判定された場合に前記録画を開始しない動作制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の動作制御装置であって、
前記駐車位置が前記監視地点のうちの所定位置である警報地点である場合、前記車両内の警報装置に警報を行わせる警報処理部と、
を更に備える動作制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドライブレコーダの動作を制御する動作制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に設置されたカメラにより撮像された画像データを記録することで録画するドライブレコーダが開示されている。特許文献1の構成では、車両部品の盗難防止等のため、車両の駐車中にもドライブレコーダが動作されて、録画が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-102918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両が駐車された場合に常にドライブレコーダで録画を行う場合、消費電力が大きくなり車載バッテリが上がるおそれがある。また、録画を長時間行うことで、画像データが記憶されるSDカード等の記憶媒体の寿命が短くなるおそれがある。
【0005】
本開示の一局面は、駐車中のドライブレコーダの録画による消費電力を抑制するとともに、画像データが記憶される記憶媒体の寿命が短くなることを抑制できる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両に設置されたカメラにより撮像された画像データを記録することで録画するドライブレコーダの動作を制御する動作制御装置であって、車両位置取得部と、監視位置取得部と、監視判定部と、制御処理部と、を備える。車両位置取得部は、車両の現在位置を表す情報である車両位置情報を取得する。監視位置取得部は、あらかじめ設定された少なくとも1つの監視地点の位置を表す情報である監視位置情報を取得する。監視判定部は、車両位置情報及び監視位置情報に基づき、車両の駐車位置が監視地点であるか否かを判定する。制御処理部は、監視判定部により駐車位置が監視地点であると判定された場合に録画を開始し、監視判定部により駐車位置が監視地点でないと判定された場合に録画を開始しない。
【0007】
このような構成によれば、あらかじめ設定された監視地点に車両が駐車された場合にのみ録画が行われ、それ以外の地点に車両が駐車された場合には録画が行われない。よって、駐車位置に関係なく駐車時に常に録画を行う構成と比較して、消費電力を抑制するとともに、画像データが記憶される記憶媒体の寿命が短くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】駐車監視システムの構成を示すブロック図である。
図2】監視処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
[1.構成]
図1に示す駐車監視システム1は、車両に搭載される。駐車監視システム1は、ドライブレコーダ2と、車両電源部3と、を備える。
【0010】
ドライブレコーダ2は、カメラ21、GNSS受信機22、データ格納部23、警報装置24、監視スイッチ25及び制御部26を備える。本実施形態のドライブレコーダ2は、車両の走行中に加え、駐車中にも録画を行う。以下では、駐車中に録画を行う機能を駐車監視機能という。
【0011】
カメラ21は、撮像素子を備える。カメラ21は、制御部26の制御の下、車両の例えば前方を撮像する。カメラ21は、撮像された画像データを制御部26に出力する。
GNSS受信機22は、GNSS用の人工衛星からの送信電波を受信し、車両の現在位置を検出する装置である。GNSS受信機22は、緯度、経度及び高度で表される車両の絶対位置を検出する。GNSS受信機22は、車両の現在位置を表す情報である車両位置情報を制御部26に出力する。
【0012】
データ格納部23は、各種データを格納する。データ格納部23には、少なくとも1つの監視地点の位置を表す情報である監視位置情報が格納される。監視地点は、車両が当該地点に駐車された場合に駐車監視が行われる地点である。
【0013】
すなわち、本実施形態では、ドライブレコーダ2は、駐車監視機能に関する3つのモードである(1)駐車監視オンモード、(2)駐車監視オフモード及び(3)エリアオンモードを有する。
(1)駐車監視オンモードは、車両の駐車位置に関係なく録画を行うモードである。つまり、駐車監視オンモードでは、車両の駐車中は常に録画が行われる。
(2)駐車監視オフモードは、車両の駐車中に一切録画を行わないモードである。
(3)エリアオンモードは、あらかじめ設定された地点である監視地点に車両が駐車された場合にのみ録画を行い、それ以外の地点に車両が駐車された場合には録画を行わないモードである。本実施形態では、これらのモードは、ユーザの操作により互いに切換え可能である。
【0014】
データ格納部23には、(3)エリアオンモードの監視地点の位置を表す位置情報が格納されている。
本実施形態では、監視地点の絶対位置(緯度及び経度)を表す情報が監視位置情報として格納されている。なお、データの入替えを行うことで、監視位置情報の追加又は削除を行うことができる。
【0015】
なお、監視位置情報は監視地点の絶対位置を表す情報に限られず、監視位置情報は、例えば、監視地点の地図上の位置を表す情報等でもよい。
なお、データ格納部23に格納される監視地点には、ドライブレコーダ2の工場出荷時においてあらかじめ設定されている監視地点と、ドライブレコーダ2の工場出荷後にユーザ(車両の乗員)が設定する監視地点と、が含まれる。前者の監視地点は、例えば、官公庁が設定した盗難多発地点等である。後者の監視地点は、例えば、ユーザの自宅や自宅付近のスーパーマーケット等である。
【0016】
また、本実施形態では、データ格納部23に格納される監視地点のうちの少なくとも1つは、警報地点として登録される。警報地点は、警報装置24による警報が行われる地点である。例えば、盗難や車上狙いが多発する地点、当て逃げが多発するショッピングモールやスーパーマーケットなど、危険度の高い地点が警報地点として設定される。データ格納部23には、位置情報が格納された監視地点のそれぞれについて、当該監視地点が警報地点であるかを表す(識別する)情報である警報地点情報が格納されている。
【0017】
警報装置24は、制御部26の制御の下、車両のドライバ等の乗員に対して警報を行う
ように構成される。警報装置24は、車両が警報地点に駐車される場合に警報を行う。警報装置24は、LEDランプ241、ディスプレイ242及びスピーカ243を備える。
【0018】
LEDランプ241は、ドライブレコーダ2が車両に搭載された状態においてドライバが視認可能な位置に設けられる。LEDランプ241は、光源の点滅として設定された警報を行う。
【0019】
ディスプレイ242は、ドライブレコーダ2が車両に搭載された状態においてドライバが視認可能な位置に設けられる。ディスプレイ242は、所定の警報画面を表示する。
スピーカ243は、ブザー音やアナウンス音等の所定の警報音を発生させる。
【0020】
監視スイッチ25は、ドライバなどの車両の乗員に操作されるスイッチである。本実施形態では、監視スイッチ25は、メカニカルなスイッチである。監視スイッチ25は、乗員が駐車監視を開始又は終了させたり、監視地点を登録又は解除したりするときに操作される。
【0021】
なお、本実施形態では、登録された監視地点に車両が位置している状態で監視スイッチ25を操作(長押し)することで、登録された監視地点が解除される。また、設定の初期化又は工場出荷状態に戻す(オールリセット)を行うことで、登録された監視地点が解除される。
【0022】
監視スイッチ25は、ドライバに操作された場合に信号を制御部26に出力する。
制御部26は、CPUと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部26の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリが、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部26を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0023】
制御部26は、カメラ21から入力された画像データを図示しないSDカード等の記憶媒体に記憶することにより車両の前方等の画像を録画する。また、制御部26は、データ格納部23から取得された監視位置情報等の各種情報、GNSS受信機22から取得された車両位置情報等に基づき、後述する図2に示す監視処理を実行する。
【0024】
一方、車両電源部3は、制御部26を含む車両の各種電装品(機器)に電力を供給する。車両電源部3は、常時電源及びアクセサリ電源等の電源種別に分けて電力を制御部26等に供給する。本実施形態では、駐車中の録画は、制御部26等が常時電源による電力供給を受けて行われる。一方、走行中の録画(常時録画)は、制御部26等がアクセサリ電源による電力供給を受けて行われる。
【0025】
[2.処理]
次に、制御部26が実行する監視処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。この監視処理は、ドライブレコーダ2がエリアオンモードに設定され、かつ、駐車開始条件が満たされることで開始される。駐車開始条件は、その条件が満たされると駐車が開始されたと推定される条件である。本実施形態では、駐車開始条件は、車両位置情報により示される車両の位置が所定時間変化しないことである。また、監視処理は、制御部26等が常時電源による電力供給を受けて行われる。なお、本実施形態でいう車両が駐車している状態とは、アクセサリ電源がオフにされた状態である。
【0026】
まず、S101で、制御部26は、エンジンが停止したか否かを判定する。制御部26
は、S101でエンジンが停止していないと判定した場合には、S102へ移行する。
S102で、制御部26は、監視処理の終了条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、終了条件は、ドライブレコーダ2のモードがエリアオンモードから変更されること、又は、車両位置情報により示される車両の位置が変化すること、である。制御部26は、これらの条件のうち少なくとも1つが成立した場合に終了条件が成立したと判定する。
【0027】
制御部26は、終了条件が成立したと判定した場合には、監視処理を終了する。一方、制御部26は、終了条件が成立していないと判定した場合には、前述したS101に戻る。
制御部26は、前述したS101でエンジンが停止したと判定した場合には、S103へ移行する。なお、エンジンが停止されると、アクセサリ電源がオフになり、常時録画が停止される。
【0028】
S103で、制御部26は、駐車監視モードを起動する。
続いて、S104で、制御部26は、GNSS受信機22から車両位置情報を取得する。これにより、車両の駐車中の位置である駐車位置が取得される。
【0029】
続いて、S105で、制御部26は、監視スイッチ25から取得した信号に基づき、車両監視モードが起動されてから規定の時間内に監視スイッチ25が操作されたか否かを判定する。
【0030】
制御部26は、S105で監視スイッチ25が操作されたと判定した場合には、S106へ移行し、車両が現在位置している地点で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されたか否かを判定する。
【0031】
具体的には、データ格納部23には、過去所定期間内(本実施形態では過去48時間以内)における監視スイッチ25が操作されたときの車両の位置が記憶されている。制御部26は、この過去所定期間内の監視スイッチ25が操作されたときの車両の位置をデータ格納部23から取得し、取得した位置情報と、車両の現在位置と、を照合する。
【0032】
そして、制御部26は、取得された位置情報のいずれかが表す地点又はその付近に車両の現在位置が含まれる場合に、車両が現在位置している地点で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されたと判定する。位置情報が表す地点又はその付近は、例えば、その位置情報が表す地点を中心とする半径50メートルの範囲に設定される。
【0033】
一方、制御部26は、取得されたいずれの位置情報が表す地点又はその付近にも車両の現在位置が含まれない場合に、車両が現在位置している地点で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されていないと判定する。
【0034】
また、制御部26は、S104で車両位置情報の取得に失敗した場合にも、過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されていないと判定する。なお、車両位置情報の取得に失敗する場合としては、屋内のようにGNSS用の人工衛星から信号を受信できない領域に車両が存在する場合等が挙げられる。
【0035】
また、S106でいう過去所定期間は、今回の監視処理の開始時点以降の期間を除いた過去所定期間である。よって、例えば、今回の監視処理が開始されてから立て続けに監視スイッチ25が操作された場合の最初の操作等はS106でいう過去所定期間の監視スイッチ25の操作には該当しない。典型的には、車両が現在位置している地点に以前車両が駐車されたときの監視スイッチ25の操作がS106でいう過去所定期間の監視スイッチ
25の操作に該当する。
【0036】
制御部26は、S106で車両が現在位置している地点で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されたと判定した場合には、S107へ移行し、車両の現在位置を監視地点に登録する。これにより、直近で監視スイッチ25が操作されたときの車両の位置(すなわち、S104で取得された車両位置情報により示される車両の位置)が監視地点に登録される。
【0037】
続いて、S108で、制御部26は、駐車中に行われるドライブレコーダ2による録画である駐車監視録画を開始した後、後述するS116へ移行する。
一方、制御部26は、前述したS106で車両が現在位置している地点で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されていないと判定した場合には、S109へ移行し、駐車監視録画を開始する。つまり、S106で過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されていないと判定された場合、車両の現在位置が監視地点に登録されない。すなわち、本実施形態では、車両の現在位置が監視地点に登録されるためには、一定期間内に同一地点又はその付近で監視スイッチ25が複数回(本実施形態では2回)操作される必要がある。制御部26は、S109を実行すると、後述するS116へ移行する。
【0038】
一方、制御部26は、前述したS105で監視スイッチ25が操作されていないと判定した場合には、S110へ移行し、データ格納部23から監視位置情報及び警報地点情報を取得する。
【0039】
続いて、S111で、制御部26は、S104で取得された車両位置情報とS110で取得された監視位置情報とに基づき、車両の現在位置(すなわち駐車位置)が監視地点であるか否かを判定する。換言すれば、制御部26は、車両が駐車している地点である駐車地点が監視地点であるか否かを判定する。
【0040】
S111では、制御部26は、監視位置情報により表される少なくとも1つの監視地点のそれぞれについて、駐車位置が当該監視地点を基準とした所定範囲(本実施形態では監視地点を中心とした半径50メートルの範囲)に含まれるか否かを判定する。そして、制御部26は、駐車位置がいずれかの監視地点の前記所定範囲に含まれると判定した場合に、駐車位置が監視地点であると判定する。一方、制御部26は、駐車位置が、いずれの監視地点の前記所定範囲にも含まれない判定した場合に、駐車位置が監視地点でないと判定する。制御部26は、駐車位置が監視地点であると判定した場合には、S112へ移行する。
【0041】
S112で、制御部26は、S110で取得された警報地点情報に基づき、車両の駐車位置(すなわち、駐車地点)が警報地点であるか否かを判定する。S112では、制御部26は、警報地点情報に基づき、S111で車両が駐車していると判定された監視地点が警報地点に設定されているか否かを判定する。
【0042】
制御部26は、S112で駐車位置が警報地点であると判定した場合には、S113へ移行し、警報装置24に警報を行わせる。具体的には、制御部26は、LEDランプ241を点滅させる。また制御部26は、ディスプレイ242に所定の警報画面を表示する。さらに、制御部26は、スピーカ243に所定の警報音を発生させる。
【0043】
続いて、S112で、制御部26は、駐車監視録画を開始した後、後述するS114へ移行する。
一方、制御部26は、S112で駐車位置が警報地点でないと判定した場合、すなわち、車両の駐車位置が警報地点以外の監視地点であると判定した場合には、S115へ移行
し、駐車監視録画を開始する。つまり、車両の駐車位置が警報地点以外の監視地点であると判定した場合には、警報が行われることなく、駐車監視録画が開始される。そして、制御部26は、後述するS116へ移行する。
【0044】
一方、制御部26は、前述したS111で駐車位置が監視地点でないと判定した場合には、図2の監視処理を終了する。つまり、駐車位置が監視地点でないと判定された場合には、駐車監視録画は行われない。
【0045】
続いて、S116で、制御部26は、GNSS受信機22の動作を停止し、GNSS機能を停止する。これにより、車両電源部3の電力を必要以上に消費することを抑制できる。
続いて、S117で、制御部26は、エンジンが始動されたか否かを判定する。
【0046】
制御部26は、S117でエンジンが始動されてないと判定した場合には、S118へ移行し、監視スイッチ25が操作されたか否かを判定する。なお、制御部26は、S118、すなわち、駐車監視録画中に監視スイッチ25が操作された場合、当該操作を、駐車監視録画を停止するための操作として検出する。
【0047】
制御部26は、S118で監視スイッチ25が操作されていないと判定した場合には、前述したS117に戻る。
一方、制御部26は、前述したS117でエンジンが始動されたと判定した場合、又は、S118で監視スイッチ25が操作されたと判定した場合、S119で駐車監視録画を停止した後、図2の監視処理を終了する。つまり、前述したS117でエンジンが始動されたと判定されるまで、又は、S118で監視スイッチ25が操作されたと判定されるまでの間、駐車監視録画が行われる。
【0048】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、あらかじめ設定された監視地点に車両が駐車された場合にのみ駐車監視録画が行われ、それ以外の地点に車両が駐車された場合には駐車監視録画が行われない。よって、駐車位置に関係なく常に駐車監視録画を行う構成と比較して、消費電力を抑制するとともに、画像データが記憶されるSDカード等の記憶媒体の寿命が短くなることを抑制することができる。
【0049】
(2)本実施形態では、ユーザが監視地点を登録できる。よって、ドライブレコーダ2の工場出荷時等においてあらかじめ設定された監視地点だけでなく、ユーザが登録した監視地点においても駐車監視録画が行われるようにできる。よって、ユーザが監視地点を登録できない構成と比較して、ユーザの利便性を向上できる。
【0050】
(3)本実施形態では、過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されたと判定された場合に車両の現在位置が監視地点として登録される。一方、過去所定期間内に監視スイッチ25が操作されていないと判定された場合に車両の現在位置が監視地点として登録されない。つまり、本実施形態では、ユーザが一定期間内に同一地点で監視スイッチ25を複数回操作した場合に、前記同一地点が監視地点に登録される。一定期間内に同一地点で複数回監視スイッチ25が操作された場合、前記同一地点はユーザが本当に登録したい地点である可能性が高い。よって、本実施形態によれば、ユーザが本当に登録したい地点のみを監視地点に登録できる。
【0051】
(4)本実施形態では、制御部26は、車両の駐車位置が警報地点であると判定した場合に、警報装置24に警報を行わせる。よって、駐車地点が警報地点であることをドライ
バに認識させることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、監視スイッチ25が操作部に相当し、制御部26が動作制御装置に相当し、S104が車両位置取得部としての処理に相当し、S105が操作判定部としての処理に相当し、S106が操作履歴判定部としての処理に相当する。また、S107が地点登録部としての処理に相当し、S110が監視位置取得部としての処理に相当し、S111が監視判定部としての処理に相当し、S112が警報判定部としての処理に相当し、S113が警報処理部としての処理に相当し、S114及びS115が制御処理部としての処理に相当する。
【0053】
[4.他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0054】
(1)上記実施形態では、操作部としてメカニカルなスイッチである監視スイッチ25を例示したが、操作部はこれに限られるものではない。操作部は、例えば、タッチパネル等により構成されていてもよい。
【0055】
(2)上記実施形態において、例えば、同一地点で監視スイッチ25が1回操作された場合に、前記同一地点が監視地点に登録されてもよい。また、監視スイッチ25が2回以外の複数回操作された場合に、前記同一地点が監視地点に登録されてもよい。
【0056】
(3)上記実施形態では、LEDランプ241、ディスプレイ242及びスピーカ243の3つを用いて警報が行われるが、警報の仕方はこれに限られるものではない。LEDランプ241、ディスプレイ242及びスピーカ243のうちいずれか1つ又は2つを用いて警報が行われてもよい。また、他の方法で警報が行われてもよい。また、上記実施形態において、警報装置は、ドライブレコーダと別体に設けられていてもよい。
【0057】
(4)上記実施形態において、例えば、制御部26は、監視スイッチ25が操作されたと判定した場合に、監視スイッチ25が操作されたときの車両の位置を基準とした所定範囲内の所定条件を満たす地点の全部又は一部を自動で監視地点に登録してもよい。具体的には例えば、ユーザが自宅で監視スイッチ25を操作した場合、制御部26は、ユーザの自宅を監視地点に登録するとともに、ユーザの自宅を中心とした所定範囲内のスーパーマーケット等の地点を監視地点に自動で登録してもよい。
【0058】
また例えば、制御部26は、現在登録済みの監視地点の一部又は全部から所定距離以上離れた地点で監視スイッチ25が操作されたと判定した場合に、現在登録済みの監視地点の全部又は一部を削除する、又は、削除するかユーザに確認する報知を行ってもよい。具体的には例えば、ユーザが引っ越した場合において引っ越し後のユーザの自宅で監視スイッチ25が操作されたときに、制御部26は引っ越し前のユーザの自宅等の監視地点を自動で削除する又は削除することを確認する報知を行ってもよい。
【0059】
(5)上記実施形態において、車両電源部3の充電量不足によるドライブレコーダ2の動作停止が所定の複数回(例えば3回や4回)以上連続して行われた場合に、ドライブレコーダ2の次回起動時等に、車両電源部3の充電又は交換をユーザに促す旨の報知が行われてもよい。報知の形態は特に限定されないが、例えば「駐車監視録画時間が短くなっています。車両電源部の充電又は交換を行ってください。」といったメッセージがディスプレイ242に表示されてもよい。
【0060】
(6)上記実施形態において、例えば制御部26は、GNSS受信機22から取得され
た日時を示す情報等に基づき、夏期又は冬期など車両電源部3に負担がかかる特定の時期であるか否かを判定する。そして、制御部26は、特定の時期であると判定した場合に、更に所定の条件(以下、動作制限条件)が成立したか否かを判定し、動作制限条件が成立したと判定した場合に、駐車監視録画の開始又は実行を制限してもよい。
【0061】
例えば、動作制限条件は、ドライブレコーダ2の電源がオンになってからオフになるまでの時間が所定時間(例えば30分)以内であるという条件であってもよい。制御部26は、この動作制限条件が成立したと判定した場合に、駐車監視録画を開始しなくてもよい。ただし、制御部26は、監視スイッチ25が操作されたと判定した場合に、駐車監視録画を開始してもよい。また併せて制御部26は、駐車監視録画が開始されなかったこと等を警報装置24等を介してユーザに報知してもよい。例えば、制御部26は、「走行時間が短いため、駐車監視機能を停止します。駐車監視録画を行う場合は60秒以内に監視スイッチを押してください。」などのメッセージをディスプレイ242に表示してもよい。
【0062】
なお、ドライブレコーダ2の起動時間が短い場合に駐車監視録画を行わないことで以下の効果を奏する。すなわち、車両が監視地点に駐車されている場合に、ユーザが車両を少しだけ移動させて駐車する場合がある。例えば、監視地点であるユーザの自宅において所用(例えば洗車など)でユーザが車両を移動させる場合である。このような場合にいちいち駐車監視録画が開始されると、車両電源部3に対する負荷が増加する。したがって、ドライブレコーダ2の起動時間が短い場合に駐車監視機能を制限することで、このような負荷を低減することができる。
【0063】
また例えば、動作制限条件は、駐車監視録画の開始直後から所定時間後(例えば1分後)までの間の車両電源部3の制御部26等に対する供給電圧の電圧降下量が所定量以上であるという条件であってもよい。制御部26は、この動作制限条件が成立したと判定した場合に、車両電源部3が消耗していると判定して、駐車監視録画を停止してもよい。また、制御部26は、ドライブレコーダ2の次回起動時等に、車両電源部3が消耗している旨をユーザに報知してもよい。例えば、制御部26は、ディスプレイ242に「そろそろ車両電源部3の点検を行ってください。」などのメッセージを表示してもよい。
【0064】
(7)上記実施形態では、駐車開始条件は、車両位置情報により示される車両の位置が所定時間変化しないことであるが、駐車開始条件はこれに限られるものではない。例えば、駐車開始条件は、車両に搭載された加速度センサの検出値である車両の加速度が、所定値以下である状態が所定時間継続すること等であってもよい。
【0065】
(8)上記実施形態で、制御部26が実行する機能の一部又は全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
(9)前述した制御部26の他、当該制御部26を構成要素とするシステム、当該制御部26としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記憶した半導体メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体、あらかじめ設定された少なくとも1つの監視地点でのみ駐車監視録画を行う方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0066】
(10)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0067】
1…駐車監視システム、2…ドライブレコーダ、3…車両電源部、21…カメラ、
22…GNSS受信機、23…データ格納部、24…警報装置、25…監視スイッチ、
26…制御部。
図1
図2