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  • 特許-砂中子製造装置 図1a
  • 特許-砂中子製造装置 図1b
  • 特許-砂中子製造装置 図2
  • 特許-砂中子製造装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】砂中子製造装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/10 20060101AFI20220125BHJP
   B22C 13/12 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B22C9/10 G
B22C13/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019502234
(86)(22)【出願日】2017-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 ES2017070432
(87)【国際公開番号】W WO2018015589
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】16382344.6
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515275421
【氏名又は名称】ロラメンディ,エセ.クープ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス オリーヴ,ルイス アルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】マルコス セラーノ,シーザー
(72)【発明者】
【氏名】カサド アルメンティア,エンリーケ
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-113219(JP,A)
【文献】実公昭50-038490(JP,Y1)
【文献】特開昭53-125931(JP,A)
【文献】特表2007-501126(JP,A)
【文献】特開平10-015643(JP,A)
【文献】特開平05-015946(JP,A)
【文献】米国特許第04711292(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102626772(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 5/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作位置に移動したときに、中子を製造するための材料が移送される少なくとも1つの移送型と、
前に前記移送型によって移送された前記材料を硬化するとともに、前記移送型が動作位置から外れると、前記材料上の動作位置に配置されて前記硬化を行う硬化型と、を有する砂中子製造装置であって、
前記移送型および前記硬化型をそれぞれの動作位置に移動させるための少なくとも1つの関節アームを備え
前記関節アームは、
前記移送型を動作位置に移動させるための第1の関節アームと、
前記硬化型を動作位置に移動させるための第2の関節アームと、を有することを特徴とする砂中子製造装置。
【請求項2】
前記第1の関節アームを支持するための第1の垂直支持体と、
前記第2の関節アームを支持するための第2の垂直支持体と、を有し、
前記第1の関節アームは、前記第1の垂直支持体上を垂直方向に移動可能であって、前記第2の関節アームは、前記第2の垂直支持体上を垂直方向に移動可能であって、前記第1の関節アームは、対応する前記第1の垂直支持体に対して回転自在に取り付けられ、前記第2の関節アームは、対応する前記第2の垂直支持体に対して回転自在に取り付けられている、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項3】
前記第1の垂直支持体は、前記移送型を支持し、
前記第2の垂直支持体は、前記硬化型を支持する、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項4】
下部成形型および上部成形型をさらに有し、
前記下部成形型および前記上部成形型の間には、前記下部成形型および前記上部成形型の一方が他方上に配置される際に、前記中子を製造するのに所望の形状のキャビティが形成され、
前記移送型は、前記キャビティに前記材料を移送するために、前記キャビティの上に配置されており、
前記上部成形型を移動させて、前記上部成形型を前記下部成形型上に配置して、両方の成形型間に前記キャビティを形成するための第3の関節アームを有する、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項5】
前記第3の関節アームを支持する第3の垂直支持体をさらに有し、
前記第3の関節アームは、前記第3の垂直支持体上を垂直方向に移動可能であって、前記第3の関節アームは、前記第3の垂直支持体に対して回転自在に取り付けられている、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項6】
前記第1の垂直支持体、前記第2の垂直支持体、および前記第3の垂直支持体は、それらが三角形の頂点と一致するように配置されている、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項7】
前記下部成形型および前記上部成形型は、それらが動作位置にあるとき、前記三角形の中心に配置される、請求項に記載の砂中子製造装置。
【請求項8】
前記第3の垂直支持体および前記第1の垂直支持体の間の距離は、前記上部成形型が移動したときに、前記上部成形型が前記第1の垂直支持体と衝突しない距離であって、前記移送型が移動したときに、前記移送型が前記第3の垂直支持体に衝突しない距離であって、
前記第3の垂直支持体および前記第2の垂直支持体の間の距離は、前記硬化型が移動したときに、前記硬化型が前記第3の垂直支持体と衝突しない距離である、請求項またはに記載の砂中子製造装置。
【請求項9】
前記第1の垂直支持体、前記第2の垂直支持体、および前記第3の垂直支持体上に指示された上部水平プラットフォームをさらに有し、
前記第1の垂直支持体、前記第2の垂直支持体、および前記第3の垂直支持体は、柱として機能する構造の一部である、請求項のいずれか1項に記載の砂中子製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂中子製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
砂中子製造装置は、次に鋳造部品に空洞または凹部を形成するために使用される砂中子を製造するために、用いられる。一般的に、中子を製造するために使用される材料は砂だけではなく、砂を含む混合物であって、好ましくは一種の樹脂と混合されているが、このタイプの機械で製造される中子は、一般的に砂中子として知られている。
【0003】
このタイプの装置は、通常、これらの装置のうちの1つに加えて、鋳造が行われる他の機会を含む設備に含まれる。これらの設備において、砂中子製造装置で製造された砂中子は、他の機械に運ばれて、そこで、適切な搬送手段によって鋳造が行われる。鋳造を行うための異なる種類の搬送手段(例えばロボットまたは搬送ベルトなど)および機械があるが、それらは本発明の目的ではないので詳細には説明しない。
【0004】
従来の砂中子製造装置では、製造を行うために、中子を形成する材料は、下部成形型および上部成形型を含む中子ボックスに移動され、下部成形型および上部成形型の間には、キャビティが所望の中子形状で画定される(材料はキャビティに移される)。成形型は、材料が移送される動作位置に配置され、上部成形型は、主にその質量のために、前記構造によって案内される移動を実行するのに必要な力に対して、所望の中子形状を備えるキャビティを生成するために下部成形型と協働して配置されるまで、液圧作動によって移動する。このタイプの動きは、構造によって案内される直線的な動きであるため、キャリッジのような動きとも呼ばれる。下部成形型は、機械の構造に固定されたままである。
【0005】
続いて、ブローヘッド(または移送型)は、主としてその実質的な質量のために、液圧作動などによってキャリッジ(構造によって案内される直線運動)のような動作位置に運ばれ、したがって、移動を実行するのに必要とされ、成形型が配置され、動作位置のブローヘッドを備える機械の構造によって案内される力に対して、中子を製造するための材料は、一般的に、そのような目的のために、複数のノズルを備えるブローヘッドを通過して、両方の成形型の間に形成されたキャビティに移される。移送は、圧縮空気を用いて行われる。
【0006】
両方の成形型の間に形成されたキャビティに材料を移送した後、ブローヘッドは、動作位置から外されて、硬化プレート(硬化型)は、主としてその実質的な質量および移動を実行するのに必要とされ機械の構造によって案内される力のために、液圧作動などによってキャリッジ(構造によって案内される直線運動)のような動作位置に運ばれ、硬化型は、成形型上に配置される。硬化型が動作位置にあると、移送型によって以前に移動された材料は、好ましくは、硬化型によって両方の成形型間に生成されたキャビティにガスを適用することによって提供される。硬化した材料は、生成された砂中子と一致する。
【0007】
一旦砂中子が生成されると、上部成形型および下部成形型は互いに分離され、砂中子がアクセス可能になり、一方の成形型の上に配置される(例えばキャスティングマシンにそれを運ぶため)。
【0008】
砂中子製造装置は、例えば、欧州特許出願公開第0494762A2号明細書、および本出願人自身に属する欧州特許出願公開第2907601号明細書にも開示されている。欧州特許出願公開第2907601号明細書に開示された製造装置は、特に、下部成形型および上部成形型の間に形成されたキャビティ上で、動作位置に移動した際に、中子を製造するための材料を移送する移送型を備える。また、移送型は、案内された直線運動を伴うキャリッジ構造を伴う。すべての材料(または必要な材料)が降ろされると、移送型は、キャリッジ構造によって動作位置から移動され、同時に、硬化型は、それぞれのキャリッジ構造によって動作位置に移動され、動作位置は、移送型で以前に移送された材料上に配置される位置である。硬化型を用いることによって、硬化型が動作位置にあると、キャビティ内に存在する材料が硬化される。
【0009】
欧州特許出願公開第0284967A2号明細書には、中子砂のための移送型と、移送型を動作位置と非動作位置との間で回転させるための関節アームと、を有する砂中子製造装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特許請求の範囲に記載の砂中子製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の製造装置は、動作位置に移動したときに、中子を製造するための材料が移送される少なくとも1つの移送型と、前に移送された材料を硬化させるとともに、前に移送された材料上に配置された動作位置に配置されて、移送型がその動作位置から外れると硬化を行う硬化型と、を有する。
【0012】
製造装置は、前記移送型および前記硬化型をそれぞれの動作位置に移動させるための少なくとも1つの関節アームをさらに有する。したがって、少なくとも1つの関節アームが使用されるため、例えばキャリッジのような直線運動を伴う構造が必要とされず、装置の設計および保守をより容易にするので、装置が単純化される。さらに、装置の構造の少なくとも一部が排除されているので、よりコンパクトでより利用しやすい機械(必要ならば異なる要素を保守と清掃および取り扱いの両方のために)を得ることができる。
【0013】
本発明のこれらおよび他の利点および特徴は、図面および本発明の詳細な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】本発明の装置の好ましい実施形態の概略平面図を示す。
図1b】成形型、移送型、および硬化型が互いの上部に積み重ねられた、本発明の装置の好ましい実施形態の概略側面図を示す。
図2】動作位置にある下部成形型および上部成形型の断面図を概略的に示しており、下部成形型および上部成形型は、製造される中子の形状を備えるキャビティを画定しており、型は、本発明に係る装置に使用される。
図3】本発明の装置の関節アームを示し、関節アームの3つの自由度が描かれている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る装置100は、例えば図1aおよび図1bに示すような砂中子製造装置である。一般的に、中子を製造するために使用される材料は砂だけではなく、むしろ砂を含む混合物、好ましくは一種の樹脂と混合されたものであるが、このタイプの装置で製造される中子は、一般的に砂中子として知られている。
【0016】
図示される本実施形態に係る砂中子製造装置100は、下部成形型1(下部刻印)と上部成形型2(上部刻印)とを有し、図2に示すように、上部成形型2が下部成形型1上に配置される際に、成形型1、2が動作位置に配置され、中子を製造するのに所望の形状のキャビティ11が形成される。砂中子は、動作位置にある両方の成形型1、2を用いて作られる。
【0017】
製造装置100は、さらに、成形型1、2が動作位置にあるとき、中子を形成するための材料がキャビティ11に移送される移送型3をさらに有し、成形型1、2が動作位置にあるとき、移送型3は成形型1、2上に配置するための操作位置に移動される。動作位置では、移送型3は、成形型1、2の間に形成されたキャビティ11に中子を作るための材料を移送するために用いられる。移送型3は、材料が移送されるように配置されているホッパー3a(材料が以前に導入されているホッパー3a)と、移送型3が動作位置にあるときホッパー3aの下に固定され成形型1、2およびホッパー3aの間に配置されているブロー板3bと、材料がホッパー3aからキャビティ11に移送される少なくとも1つのノズル3cと、を有する。材料は、好ましくは圧力によって移動され、重力を利用してキャビティ11内に適切に堆積される。
【0018】
製造装置100は、成形型1、2が動作位置にあるとき、キャビティ11内に配置された材料に流体を塗布する硬化型4をさらに有する。成形型1、2っが作業位置にあり、移送型3が材料をキャビティ11に移送して動作位置から外れると、成形型1、2の上に硬化型4を配置するための動作位置に配置される。その動作位置において、硬化型4は、以前に移送型3によってキャビティ11に移送されたキャビティ11内の砂に流体を塗布するために使用される。流体は、空気または他のいかなる種類のガスでもよく、好ましくは加圧下で塗布される。
【0019】
成形型1、2は、中子を製造するために特定の動作位置に配置され、型3、4は、成形型1、2が動作位置にあるときに、成形型1、2のそれぞれの動作位置に配置されるまで適切に移動して、中子を製造するのに必要な動作を実行する。成形型1、2が動作位置にある状態で、移送型3が動作位置に配置され、材料がキャビティ11内に移送される。好ましくは、動作中において、移送型3は、成形型1、2に対して押し付けられ、特定の作動手段10によって作動される保持手段9によって定位置に保持される。続いて移送型3は、動作位置から取り出され、移送型3は例えば初期位置に移動され、その結果、成形型1、2上のスペースを自由にする(成形型1、2が動作位置にとどまる)。移送型3が動作位置から移動すると、硬化型4は、その動作位置において、成形型1、2上に配置され、硬化型4は、キャビティ11内に存在する材料を硬化させるためにキャビティ11内に適切な流体を塗布する。型3、4の移動は、処理時間を最適化するために同期させることができる。好ましくは、操作している間、硬化型4は、成形型1、2に対して押し下げられ、作動手段10によって作動される保持手段9により定位置に保持される(移送型3を保持するために使用されるのと同じ保持手段9および作動手段10)。
【0020】
キャビティ11内に存在する材料が硬化したら、成形型1、2の少なくとも一方を操作して、製造された砂中子(キャビティ11内で硬化した材料)をアクセス可能にして、砂中子を必要なところに輸送する。例えば、上部成形型2を下部成形型1から分離することができ(例えば硬化型4と一緒に、または硬化型4とは別に)、中子は、排出手段8によって下部成形型1から排出させることができ、容易にアクセス可能である(例えばユーザ、型、ロボット、他の搬送手段を用いて)。一般的に、下部成形型1は、ベースまたはフレーム7上に固定されており、フレーム7は排出手段8を収容している。
【0021】
好ましくは、下部成形型1は、必要に応じてフレーム7とともに動作位置に移動し、そこで固定される。続いて、上部成形型2が下部成形型1上に配置されるまで移動し、両方の成形型1、2間に形成される中子の形状を画定するキャビティ11を形成する。成形型1、2はまた、製造される中子にも依存するため、製造される中子の形状が先に製造された中子の形状と異なる場合、成形型1、2は、製造されるべき中子に適した形状を有する成形型1、2と交換されなければならない。
【0022】
本実施形態に係る装置100は、移送型3および硬化型4をそれぞれの動作位置に移動させる(そして型3、4を動作位置から外す)ための少なくとも1つの関節アームを備える。しかしながら、好ましい実施形態では、型3、4のそれぞれに対して、それぞれの関節アーム31、41を備える。したがって、型3、4は、動作位置に対して、および動作位置から離れた位置に対して、容易に移動され、中子を製造するための簡単な動作を可能にする。関節アーム31、41の動作を制御することがその目的には十分であるので、型3、4の移動は、型3、4を案内するためのさらなる構造を必要とせず、複雑な動作手段を必要とせずに行われる。したがって、装置100のサイズを増大させ、ユーザに利用可能なスペースを制限することになる型3、4の移動のための案内構造を組み込む必要性がなくなる。したがって、装置100の設置、ならびに保守および清掃はより容易になり、これはさらにコストの低減を伴い、装置100の異なる部分へのユーザのアクセスをより容易にする。
【0023】
さらに、装置100内に解放されたスペースの結果として、(以前に製造された中子とは異なる)製造される新しい中子のニーズを満たすための型3、4および成形型1、2を交換することは、より容易である。なぜならば、中子を製造するプロセスのために、型1、2、3、4をそれぞれの位置に、操作し配置することができるからである。
【0024】
装置100は、関節アーム31、41を支持するための少なくとも1つの垂直支持体をさらに含み、関節アームは垂直支持体上で垂直方向に移動可能であり、関節アームは回転自在に支持体に取り付けられている。好ましい実施形態では、装置100は、各関節アーム31、41に対して、それぞれ垂直支持体32、42を備える。これは、装置100を単純化し、各垂直支持体32、42および各関節アーム31、41を別々に考えるのと同じように設計することをより容易にする。
【0025】
好ましい実施形態では、装置100は、上部成形型2を移動させて、下部成形型1上に配置するための追加の関節アーム21をそなえる。この移動は、下部成形型1が動作位置にある状態で行われる。したがって、下部成形型1が動作位置に配置されると、型2、3、4の移動は、関節アーム21、31、41を用いて実行され、そのために、案内構造を使用する必要がなくなる。型3、4の関節アーム31、41の使用に関して上述した利点は、それによって高められる。さらに、上部成形型2の移動を案内するための案内構造が必要とされないので、さらに多くのスペースが解放される。
【0026】
好ましい実施形態では、装置100は、関節アーム21が回転自在に取り付けられる追加の垂直支持体22を含み、関節アーム21はさらに垂直支持体22上で垂直方向に移動可能である。
【0027】
好ましい実施形態では、3つの垂直支持体22、32、42は、それらが三角形の頂点と一致するように配置され、三角形はさらに、成形型1、2が動作位置にあるとき、成形型1、2を取り込むのに適しており、それゆえ、型3、4がそれぞれの動作位置にあるときに、型3、4を収容するためのものでもある。一実施形態では、垂直支持体22は、他の2つの垂直支持体32および42を結ぶ仮想線に対して垂直な仮想線のある点に配置されている。成形型1、2は、動作位置において、三角形のほぼ中央に配置されている。
【0028】
3つの垂直支持体22、32、42の三角形配置は、異なる操作のために、2つの垂直支持体22、32および垂直支持体42の間のスペースを使用するために、必要に応じて三角形の頂点を配置することを可能にし、従来技術の砂中子製造装置では不可能なことである。例えば垂直支持体32および垂直支持体42の間に空間を残して、一旦中子が作られると、砂中子を装置100から引き抜くことを可能にする。したがって必要な手段によって、製造された中子に簡単な方法でアクセスすることができる(したがって空間は、必要な手段に依存し、これは例えば、中子を手動で引き出すためのユーザ、ロボット、または中子を支持し搬送する特定の道具でありうる。)。
【0029】
垂直支持体22と、他の2つの垂直支持体32、42のいずれかとの距離は、上部成形型2が関節アーム21によって動かされるときに、以下のようになる。上部成形型2は垂直支持体32、42のいずれとも衝突せず、移送型3が関節アーム31によって移動するとき移送型3は垂直支持体22と衝突せず、硬化型4が関節アーム41によって移動するとき硬化型4は垂直支持体22と衝突しない。したがって、垂直支持体22および垂直支持体32の間のスペースは、移送型3および上部成形型2の移動のために使用され、垂直支持体22および垂直支持体42の間のスペースは、少なくとも硬化型4の移動のために使用され、垂直支持体32および垂直支持体42の間のスペースは、装置100から中子を引き出すために使用される。
【0030】
さらに、型1、2、3、4を、異なる構成を有する型1、2、3、4と交換しなければならない場合、型1、2、3、4は、図1bに一例として示すように、(もしあればフレーム7とともに)列のように積み重ねることができ、型1、2、3、4は、全て垂直支持体22、42の間の空間を通して、または垂直支持体22、32の間の空間を通して、それぞれの動作位置から取り出すことができ、新しい型1、2、3、4は、全てそれぞれ動作位置にまとめて配置することができる。これらの位置では、下部成形型1は固定され、残りの型は、それぞれの関節アーム21、31、41と関連して中子を作る。
【0031】
装置100は、上部水平プラットフォーム5をさらに備えることができ、それぞれの垂直支持体22、32、42は、それぞれの上端において上部水平プラットフォーム5に固定され、垂直支持体22、32、42は、柱として作用する装置100の構造の一部である。例えば型3、4に作用する保持手段9の移動および作動を引き起こす作動手段10は、上部水平プラットフォーム5上に配置され、垂直支持体22、32、42はまた、上部水平プラットフォーム5および要素を支持するための支柱としても機能するので、装置100は、上部水平プラットフォーム5上に要素を支持するための追加の構造要素を必要としない。このため、例えば装置100の異なる要素へのアクセスをより容易にする。
【0032】
装置100は、さらに下部水平プラットフォーム6を含むことができ、垂直支持体22、32、42は、対応する上端部と反対側のそれぞれの下端部において下部水平プラットフォーム6に固定されているが、下部水平プラットフォーム6を使用せずに地面に直接固定することもできる。
【0033】
装置100の各関節アーム21、31、41は、図3に示すように、第1の関節アーム31に関して、3つの自由度G1、G2、G3を有し、3つの自由度G1、G2、G3は本発明の実施形態に係る装置100において、砂中子を製造するのに、十分な自由度である。G1は、対応する関節アーム21、31、41の垂直運動であって、G2は、対応する関節アーム21、31、41の回転運動であって、G3は、対応する関節アーム21、31、41の揺動運動である。さらに、各関節アーム21、31、41は、好ましくは、対応する型2、3、4を支持するのに適した端部を含み、各型2、3、4は、対応する関節アーム21、31、41の端部と協働するように構成された領域を含む。この協働は、好ましくは、舌部と溝との接続によって行われる。
【0034】
図示された装置100は、下部成形型および上部成形型を含むが、本発明の実施形態に係る砂中子製造装置は、他のタイプの砂中子製造装置、例えば積層造形による砂中子製造装置と共に使用することもできる。積層造形では、砂層が装置のプラットフォーム上または装置の箱(動作位置)に移され、続いて、樹脂または他の同等の材料が前の砂層上に所望の形状で移され、砂および樹脂の層は、交互にそして必要なだけ多くの層で、移送される。必要なだけ多くの層が移送されると、プラットフォーム上(または箱の中)に配置された材料が硬化されて最終的な砂中子が得られる。硬化は、例えば熱を加えて行うことができる。したがって、このタイプの中子製造装置では、上部成形型および下部成形型の代わりに、プラットフォームまたは箱を含む。この場合さらに、移送型は、砂と樹脂を移送するために適合させることができ(例えば、一方向に移動させると砂層を適用し、後退させると樹脂層を適用する)、または2つの協調移送型(1つは砂用、もう1つは樹脂用)を含むことができ、または必要なだけ多くの移送型を含むことができる。この場合の硬化型は、(複数の)移送型によって移送された材料の上にいかなる流体も塗布せず、例えば材料を加熱するように適合させることができる。本発明の実施形態に係る装置100は、この場合、必要な型を動かすための少なくとも1つの関節アームを備えるが、好ましくは、それぞれの型のための関節アームを備える。
図1a
図1b
図2
図3