(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】反射ミラーを備える治療用レーザ
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
A61F9/008 110
A61F9/008 100
A61F9/008 150
A61F9/008 120Z
(21)【出願番号】P 2019519635
(86)(22)【出願日】2017-10-11
(86)【国際出願番号】 AU2017051100
(87)【国際公開番号】W WO2018068089
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-05-20
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】503375669
【氏名又は名称】エレックス メディカル プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ELLEX MEDICAL PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】バレット, ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ハールホフ, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン, ティモシー
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523115(JP,A)
【文献】特表2005-538782(JP,A)
【文献】特開2007-181634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用レーザシステムであって、
第1の波長で高いエネルギー密度を有する短パルスのビームを生成するレーザモジュールと、
前記第1の波長の前記ビームを患者の目への治療ビーム経路に向けるための光学素子を組み込んだ第1のビーム経路と、
前記第1の波長の前記ビームを第2の波長のビームに変換する周波数倍増モジュールと、前記第2の波長の前記ビームを前記治療ビーム経路に向けるための光学素子とを組み込んだ第2のビーム経路と、
前記第1の波長の前記ビームを前記第2のビーム経路に選択的に偏向させる手段であって、前記第1の波長の前記ビームが前記第1のビーム経路をたどる第1の位置と、前記第1の波長の前記ビームが前記第2のビーム経路に偏向される第2の位置との間で動作可能である手段と、
前記治療ビーム経路内の位置から前記治療ビーム経路外の位置までの軸線上で移動可能な反射ミラーを備える反射同軸照明装置と
を備え、
前記反射ミラーが、前記第2のビーム経路をたどるビームを透過するように構成されている、眼科用レーザシステム。
【請求項2】
前記反射ミラーが、前記第2のビーム経路をたどるビームが通過する中央開口を有する、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項3】
前記反射ミラーが、前記第2のビーム経路をたどるビームの波長で透過するダイクロイックミラーである、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項4】
前記ダイクロイックミラーが、一対のダイクロイックミラーであって、一方のミラーによって生じる偏向が他方のミラーによって補正されるように背中合わせに配置された一対のダイクロイックミラーから形成されている、請求項3に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項5】
前記レーザモジュールがフラッシュランプ励起固体レーザである、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項6】
前記レーザモジュールが、1064nmの波長で前記第1の波長の前記ビームを生成するNd:YAGレーザであり、前記第2の波長の前記ビームが532nmまで周波数が倍増される、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項7】
前記第1の波長の前記ビームに照準基準を提供する照準レーザをさらに備える、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項8】
前記第2の波長の前記ビームに対する照準基準を提供する照準レーザをさらに備える、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項9】
前記
第1の波長の前記ビームを前記第2のビーム経路に選択的に偏向させる手段であるビームステアリング光学系が、半波長板と、偏光子とを備える、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項10】
前記周波数倍増モジュールが、カリウムチタニルホスフェート(KTP)倍増結晶を備える、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項11】
前記反射ミラーが、前記治療ビーム経路内の位置から前記治療ビーム経路外の位置に移動するように前記軸線を中心に回転する、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項12】
前記反射ミラーが、前記治療ビーム経路内の位置から前記治療ビーム経路外の位置まで移動するように前記軸線に沿って並進移動する、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項13】
前記反射ミラーが、前記治療ビーム経路内の位置を維持するように付勢されるが、アクチュエータによって前記治療ビーム経路外の位置に移動可能である、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項14】
前記反射ミラーが、使用者による視認を著しく妨げることなく、前記治療ビーム経路内の位置から前記治療ビーム経路外の位置へ、及びその逆方向へ移動される、請求項1に記載の眼科用レーザシステム。
【請求項15】
緑内障及び二次的白内障の選択的治療のための眼科用レーザシステムであって、
第1の波長でパルス放射を生成するように動作するQスイッチレーザを備えるレーザモジュールと、
減衰器と、ビーム整形光学系と、前記第1の波長の短パルスのパルスビームを治療ビーム経路に沿って二次的白内障を患う患者の目に向けるための指向性光学系とを組み込んだ、二次的白内障を治療するように構成された第1のビーム経路と、
前記第1の波長の前記パルスビームを第2の波長のパルスビームに変換する周波数変換モジュールと、減衰器と、前記第2の波長の前記パルスビームを前記治療ビーム経路に沿って緑内障を患う患者の目に向けるための指向性光学系とを組み込んだ、選択的レーザ線維柱帯形成術により緑内障を治療するように構成された第2のビーム経路と、
前記第1の波長の前記パルスビームを前記第2のビーム経路に選択的に偏向させるためのビームステアリング光学系であって、前記第1の波長の前記パルスビームが前記第1のビーム経路によって受け取られ、前記第1のビーム経路をたどる第1の位置と、前記第1の波長の前記パルスビームが前記第2のビーム経路に偏向され、前記第2のビーム経路によって受け取られ、前記第2のビーム経路をたどる第2の位置との間で動作可能であるビームステアリング光学系と、
前記治療ビーム経路から外れた位置から前記治療ビーム経路内の位置までの軸線上で移動可能な反射ミラーを備える反射同軸照明装置であって、前記反射ミラーが照明を前記治療ビーム経路と同軸の照明路に向ける反射同軸照明装置と
を備え、
前記反射ミラーが、前記第2のビーム経路をたどるビームを透過するように構成されている、眼科用レーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科用レーザの分野に関する。より具体的には、本発明は、眼科用レーザシステムの使用者の安全性を保つことに関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、選択的レーザ線維柱帯形成術(SLT)及び二次的白内障手術処置を実施するのに有用である眼科用レーザシステムをこれまでにも記述してきた。そのレーザシステムは、国際出願第PCT/AU03/01224号に記載されている。レーザシステムは、白内障手術処置を実施するのに適した波長で第1のビームを発生させ、SLTを実施するのに適した波長で第2のビームを選択的に発生させる。各ビームは、共振器外偏向手段(extracavity deflection means)を利用して選択され、ビームを選択したビーム経路に至るまで誘導することができる。
【0003】
眼科医にとって、治療中できるだけ長い間治療区域を見ることができることは眼科治療において重要である。本願出願人は、短期間のレーザ治療の間、視認経路を遮るだけのフリップミラーを利用する反射同軸照明装置を開発した。その発明は、国際出願第PCT/AU2013/000546号に記載されている。
【0004】
すべての眼科用レーザシステムにとって、反射同軸照明装置の安全性の利益から利益を得ることができることが望ましいであろう。しかしながら、上記の眼科用レーザシステム上に反射型同軸照明装置を実装しようとするときに対処すべきいくつかの問題がある。すなわち、二次的白内障手術モードで操作する場合、システムは、
・網膜を可能な限り最適な(同軸である)角度で照らし、
・照準ビームを通過させ、
・治療ビームを通過させ、そして
・眼科医の視認経路に対して障害物が全くない
ようにする必要がある。
【0005】
SLTモードで操作する場合、システムは、
・目の前面に適切な照明を当て、
・照準ビームを通過させ、
・治療ビームを通過させ、そして
眼科医の視認経路に対して障害物が全くない
ようにする必要がある。
【0006】
したがって、適切な照明を当てつつSLT照準ビームを通過させることを可能にする解決手段を見つける必要がある。
【発明の概要】
【0007】
一形態では、それが唯一の形態又は実際に最も広い形態である必要はないが、本発明は
第1の波長で高いエネルギー密度を有する短パルスの放射ビームを生成するレーザモジュールと、
前記第1の波長のビームを患者の目への治療ビーム経路に向けるための光学素子を組み込んだ第1のビーム経路と、
第1の波長のビームを第2の波長のビームに変換する周波数倍増モジュールと、前記第2の波長のビームを治療ビーム経路に向けるための光学素子とを組み込んだ第2のビーム経路と、
前記第1の波長のビームを第2のビーム経路に選択的に偏向させる手段であって、前記第1の波長のビームが第1のビーム経路をたどる第1の位置と、前記第1の波長のビームが前記第2のビーム経路に偏向される第2の位置との間で動作可能である手段と、
治療ビーム経路内の位置から治療ビーム経路外の位置までの軸線上で移動可能な反射ミラーを備える反射同軸照明装置と
を備える眼科用レーザシステムであって、
前記反射ミラーが、第2のビーム経路をたどるビームを透過するように構成されている、眼科用レーザシステムに属する。
【0008】
一形態では、反射ミラーは、第2のビーム経路をたどるビームが通過する中央開口を有する。
【0009】
別の形態では、反射ミラーは、第2のビーム経路をたどるビームの波長で透過するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラーは、一対のダイクロイックミラーであって、一方のミラーによって生じる偏向が他方のミラーによって補正されるように背中合わせに配置された一対のダイクロイックミラーから形成されることが適切である。
【0010】
第2のビーム経路をたどるビームは、照準ビーム及び/又は治療ビームであってもよい。
【0011】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0012】
本発明の理解を助け、当業者が本発明に実用的な効果を発揮させることを可能にするために、添付の図面を参照して、単なる例として本発明の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】二次的白内障治療用の光切断装置(photodisruptor)と、緑内障治療用のSLT光学系とを含む眼科用レーザシステムの概略図である。
【
図2】細隙灯アセンブリで具現化された
図1の眼科用レーザシステムの概略図である。
【
図3】光切断装置の経路内の反射同軸照明装置の位置を示す図である。
【
図4】SLT光学系の経路内の反射同軸照明装置の位置を示す図である。
【
図6】ある位置における本発明の第1の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、主に、反射同軸照明装置を組み込んだ眼科用レーザシステムに属する。したがって、要素は、もっぱら本発明の実施形態を理解するために必須であるそのような特有の詳細は示しているが、本記載の恩恵を受ける当業者にとって容易に明白であろう過度な詳細表現によって本開示をあいまいにしないために、図面では簡潔な概略形態で示されている。
【0015】
本明細書では、第1及び第2、左及び右などの形容詞は、必ずしも実際のそのような関係又は順序を必要とし、あるいはそれらを暗示することなく、ある要素又は動作を別の要素又は動作と区別するためにのみ使用される。「備える」又は「含む」のような単語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品又は装置がそれらの要素のみを含む訳ではなく、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含め、明白に列挙されない他の要素も含み得るように非排他的包含を定義することが意図されている。
【0016】
国際出願第PCT/AU03/01224号に記載されているように、
図1は、緑内障及び二次的白内障の治療に有用な眼科用レーザシステム1の実施形態を示す。システムは、レーザモジュール2、光切断装置光学系3、及びSLT光学系4から構成されている。
【0017】
レーザモジュール2からのパルスビームは減衰器/ビームステアリングモジュール5で減衰される。エネルギーモニタシステム6は各パルス内のエネルギーを測定する。減衰器/ビームステアリングモジュール5内の半波長板7は、光切断装置光学系3内のパルスビームの強度を調整するように調節される。偏光板8は、半波長板7の向きに応じてパルスビームをSLT光学系4に偏向させることができる。
【0018】
ビーム整形光学モジュール9は、パルスビームが折り畳み式ミラーモジュール10まで進む前にそれを拡大する。拡大されたビームは次いで、対物レンズ13によって集束されて、光切断を行うために必要とされる8~10μmのビームウエストを治療部位に生じさせる。照準レーザモジュール11は、2つのビームに分割され、折り畳み式ミラーモジュール10によって偏向されて治療ビームのための照準基準を与える連続的な可視レーザビームを形成する。このような2つの照準レーザビームは、対物レンズ13を通して患者の眼球12内の標的部位においてパルス治療ビームと共に集束する。操作者14は、折り畳み式ミラーモジュール10を通して患者の眼球12を見る。安全フィルタ15は操作者の目を保護する。折り畳み式ミラー10a、10bは、操作者の視軸が妨げられないように位置決めされている。
【0019】
SLT光学系4は、減衰器/ビームステアリングモジュール5内の偏光板8からの偏向されたパルスビームを周波数倍増モジュール17に向けるミラー16を備える。一実施形態では、周波数倍増モジュール17は、SLT光学系の出力が可視スペクトル内にあるように、レーザモジュール(1064nmのNd:YAGなど)の出力を波長の2倍に変換する。可視パルスビームは、患者の緑内障の治療に有効である。
【0020】
パルス可視ビームは、パルス可視ビーム内のエネルギーを調整するためにSLT減衰器18において減衰させることができる。エネルギーモニタシステム19は各パルスのエネルギーを測定する。
【0021】
ビーム整形モジュール20は、治療面での均一なエネルギー分布を実現するようにビームプロファイルを調節する。可視ビームは次に第2の折り畳み式ミラーモジュール21に進む。第2の照準レーザモジュール22は、第2の折り畳み式ミラー21によって偏向され、折り畳み式ミラーモジュール10及び対物レンズ13を通って伝送される単一の照準レーザビームを発生する。第2の照準レーザモジュール22によって生成された連続可視レーザ照準ビームは、対物レンズ13を介して患者の眼球12内の標的部位におけるパルス可視ビームと一致する。
【0022】
眼科用レーザシステム1は、
図2に示すように、細隙灯アセンブリ100に適宜に一体化されている。細隙灯アセンブリ100は、テーブル102の下に配置されたコンソール102内に配置されたシステムの構成要素を有するテーブル101からなる。細隙灯ベース103はジョイスティック104を用いてテーブル101上を移動することができる。細隙灯105及びレーザ送出ヘッド106はコンソールベース103上に配置され、それと共に移動する。患者107の眼球12は、患者107がテーブル101に取り付けられた顎当て108にもたれることによって固定される。双眼鏡109及び倍率変換器110は眼科医111が見るために設けられている。
【0023】
眼科医111のためのビーム経路は、目14から双眼鏡109、倍率変換器110及び対物レンズ13を通って患者107の眼球12までである。レーザ経路は、レーザ送出ヘッド106及び対物レンズ13を通って眼球12までである。照準ビーム経路もまた、レーザ送出ヘッド106及び対物レンズ13を通って眼球12までである。固視灯112は、眼球12に直接照明を当てる。
【0024】
レーザ治療ビームと同軸の眼球12への照明を発生させるために、
図1に示される配置は、国際出願第PCT/AU2013/000546号に記載されているタイプの反射同軸照明装置を含むように変更されている。反射同軸照明装置25は、細隙灯105からの光を眼球12に向ける反射ミラー26を備える。従来技術と同様に、光源105は適切には広スペクトル(白色)光源である。
【0025】
図3に示すように、ミラー26は、対物レンズ13によって眼球12に向けられる照準レーザ11からの一対の照準ビーム30の間に位置するようなサイズ及び形状のものである。使用者は、双眼鏡109を通して目を見ながら、細隙灯105を動かして治療区域を目標に定めることによって照準ビーム30を位置決めする。
図4に示すように、ミラー26は、照準レーザ22からの照準ビーム40の経路内にある。
【0026】
国際出願第PCT/AU2013/000546号に記載され、
図5に示されるように、反射同軸照明装置25はアクチュエータ51を含み、要求された場合にはミラー26をビーム経路から外れるように反転させるが、そうでない場合には細隙灯照明52を患者の目に向けるようになっている。しかしながら、
図1のレーザシステムでは、医師が治療区域を観察することを可能にしつつ、目に到達することが可能でなければならない5つの別々のビームがあるため、さらなる解決手段が必要とされる。5つのビームは、細隙灯照明52、光切断装置照準ビーム30、光切断装置レーザ3からのビーム、SLT照準ビーム40及びSLTレーザ4からのビームである。
【0027】
さらに、
図1を参照して説明した眼科用レーザは、光切断装置光学系3に示されるビーム経路に沿ったレーザビームを利用する光切断モード、又はSLT光学系4に示されるビーム経路に沿ったレーザビームを利用するSLTモードのいずれでも動作し得る。
【0028】
光切断モードでの要件は
・できるだけ同軸に近づけて網膜を照明すること、
・照準ビームを通過させること、
・治療ビームを通過させること、
・使用者の視線を妨げないこと
である。
【0029】
SLTモードでの要件は
・目の前部に照明を当てること、
・照準ビームを通過させること、
・治療ビームを通過させること、
・使用者の視線を妨げないこと
である。
【0030】
これらの要件に対応する第1の実施形態を
図6に示す。
図6では、ミラー26は、一対のダイクロイックミラー26a、26bに置き換えられている。この一対のダイクロイックミラー26a、26bは、照準ビーム又はSLTビームが各ミラー26a、26bを通過するときに生じる屈折によりビーム経路のずれを補償するように配置構成されたものである。
【0031】
ミラー26a、26bは、照準レーザビーム及びSLTビームを通過させるが細隙灯からの照明を反射する単一のミラー26を形成するように互いに対して適所に固定される。ミラー26は、光切断装置ビームによる治療のためにビーム経路外に反転される。
【0032】
上記の要件に対応する第2の実施形態を
図7に示す。
図7では、細隙灯からの照明を眼球に向ける一方でSLT照準ビーム及び治療ビームを通過させるためにミラー26cにはスロットが付けられている。ミラーが適所にある間、双眼顕微鏡視経路は観察を可能にするが、フォトディスラプタモードでの動作中、ミラー26cは、ビーム経路外に反転される。
【0033】
本発明の様々な実施形態の上記の説明は、説明の目的のために当業者に提供されている。網羅的であること、又は本発明を単一の開示された実施形態に限定することは意図されていない。上述のように、本発明に対する多数の代替形態及び変形形態は、上記の教示の当業者には明らかであろう。したがって、いくつかの代替の実施形態が具体的に説明されてきたが、他の実施形態は当業者によって明らかであるか、又は比較的容易に開発されるであろう。したがって、本発明は、本明細書で論じた本発明のすべての代替形態、修正形態及び変形形態、並びに上記の発明の精神及び範囲内にある他の実施形態を包含することを意図している。