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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】急性期介護処置システムの計器盤
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220125BHJP
   A61N 1/39 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61N1/39
【請求項の数】 32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020104986
(22)【出願日】2020-06-18
(62)【分割の表示】P 2018218583の分割
【原出願日】2011-11-11
(65)【公開番号】P2020168397
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】61/436,943
(32)【優先日】2011-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/413,266
(32)【優先日】2010-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/412,679
(32)【優先日】2010-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504242032
【氏名又は名称】ゾール メディカル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Medical Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン、ゲイリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ガイ ロバート
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0087883(US,A1)
【文献】特表2005-524498(JP,A)
【文献】特開平10-127586(JP,A)
【文献】特表2010-514498(JP,A)
【文献】特開平06-047005(JP,A)
【文献】特表2003-532442(JP,A)
【文献】特表2010-515546(JP,A)
【文献】特表2003-521972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 9/00-10/06
A61N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者との臨床的遭遇中の介護者を臨床判断サポートするためのシステムであって、
前記患者の生理的データを収集するように構成された1又は複数のセンサを含む除細動器/患者モニタと、
少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスと、
メモリと、
前記除細動器/患者モニタ、前記メモリ、及び前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスに通信可能に結合されたプロセッサであり、前記プロセッサは、
複数の診断及び治療経路(複数のDTP)を提供する少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスを制御し、前記複数のDTPは、それぞれ、前記患者を治療するための一連の工程を定める複数の治療クラスに対応し、
前記複数のDTPからのユーザ選択を受信し、選択されたDTPは、前記複数の治療クラスのいずれかに対応し、
前記選択されたDTPに基づいて鑑別診断プロセス及び前記生理的データの少なくとも一部を提供するよう前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスを制御し、
前記生理的データ及び前記鑑別診断プロセスに基づいて、前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスにおいて、治療プロトコル並びに少なくとも1つの提案された病状診断及び患者の性質のうちの1又は複数を提供する
よう構成される、前記プロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの提案された病状診断のユーザ確認に応答して前記治療プロトコルを提供するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記患者に対する前記治療プロトコルの効果を示す生理学的信号をモニタするよう構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、予め定められた数値限界に到達又は近づく前記生理的データの視覚及び/又は音声表示を生成するよう構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記治療プロトコルに応答して患者の状態が改善しているか否か表示する少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスにおける分析を提供し、
前記介護者から前記分析の確認を要求する、
よう構成される、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記分析の前記確認に基づいて、前記治療プロトコルにおいて、追加のステップを提供するよう構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの提案された病状診断に関連する確率を提供するよう構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、治療結果確率に基づいて前記治療プロトコルを提供するよう構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記鑑別診断プロセスを自動的に限定して前記少なくとも1つの提案された病状診断を提供するよう構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスを介して前記患者の健康履歴情報及び検査結果のうちの1又は複数を含む介護者入力を受信するよう構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスにおいて、前記生理的データとともに前記健康履歴情報及び前記検査結果のうちの1又は複数を提供するよう構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記健康履歴情報及び/又は前記検査結果に少なくとも部分的に基づいて、前記治療プロトコル並びに前記少なくとも1つの提案された病状診断及び/又は前記患者の性質を提供するよう構成される、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
選択された前記DTPは、外傷治療クラスに対応し、
前記検査結果は、外傷のタイプ、患者意識レベル、患者の痛み評価、及び神経学的欠損の評価を含み、
前記患者の性質は、固定、輸送、及び迅速な輸送のうちの少なくとも1つを含む、
請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記生理的データの前記少なくとも一部は、脈拍数、呼吸データ、血圧、組織二酸化炭素、組織pH、心電図、脈拍酸素傾向、心拍数変動インデックスのうちの1又は複数を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、除細動器/患者モニタから離れて配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、前記除細動器/患者モニタ上のディスプレイである、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、モバイルデバイスディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、イヤホン、オーディオレシーバ及び/又はトランスミッタ、ビデオデバイス、タッチスクリーン、及びカメラのうちの1又は複数を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、Bluetooth(登録商標)接続を介して前記除細動器/患者モニタに通信可能に結合される、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、有線及び/又は無線連結を介して前記除細動器/患者モニタに通信可能に結合される、請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
選択された前記DTPは、呼吸窮迫治療クラスに対応する、請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記生理的データの前記少なくとも一部は、カプノグラフィデータを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記カプノグラフィデータから1又は複数のカプノグラフィ波形測定値を決定し、
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスを制御して、前記介護者に対して前記1又は複数のカプノグラフィ波形測定値を提供する、
よう構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのユーザインタフェースデバイスは、タッチスクリーンを含み、
前記プロセッサは、前記タッチスクリーンへのユーザタッチ入力に応答して前記1又は複数のカプノグラフィ波形測定値を決定するよう構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記1又は複数のカプノグラフィ波形測定値は、デッドスペースボリューム、フェーズIIスロープ、及びフェーズIIIスロープのうちの1又は複数を含む、請求項22又は23に記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記1又は複数のカプノグラフィ波形測定値に基づいて前記少なくとも1つの提案された病状診断を提供するよう構成される、請求項22から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記プロセッサは、COPD診断及び喘息診断から前記少なくとも1つの提案された病状診断を選択するよう構成される、請求項20から25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記COPD診断又は前記喘息診断の前記選択に基づいて前記治療プロトコルを提供するよう構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記生理的データの少なくとも一部は、心音を含む、請求項20から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの提案された病状診断は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性心不全(CHF)、及び肺水腫のうちの1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記生理的データの前記少なくとも一部は、呼吸音データを含み、
前記プロセッサは、
アルゴリズムを採用して、前記呼吸音データに基づいてゼーゼー音、ぱちぱち音、水泡音、及び喘鳴呼吸音を検出し、
前記アルゴリズムによる前記検出に基づいて前記少なくとも1つの提案された病状診断を提供する、
よう構成される、請求項20から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
選択された前記DTPは、前記介護者、前記患者、地理、及び規制のうちの1又は複数に固有のカスタマイズされたDTPである、請求項1から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記カスタマイズされたDTPをアップロード及び/又はダウンロードするよう構成される、請求項31に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、急性期介護処置を容易にするためのツールに関し、より具体的には、臨床決定支援および鑑別診断のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
入院前および急性期介護処置の状況では、医療対応者は、特定の患者の適切な診断を正確に決定するときに困難さを有することが多い。よく訓練された医師でさえも、制限された情報によってほんの一瞬での決定が必要とされる緊急事態条件下で困難さを有することが多い。コンピュータ自動化診断は、現場と病院の両方の患者の処置についての正確さ、有効性、および信頼性を改善するために開発された。
【0003】
自動化鑑別診断は、ベイジアンアルゴリズム、ニューラルネットワーク、または遺伝的アルゴリズムなどのコンピュータ推論アルゴリズムを利用する。
【0004】
ベイジアンネットワークは、変数のセットおよび疾病と症状との間のその確率的関係を示す知識ベースのグラフィカル表現である。確率的関係は、条件付き確立、診断テストの解釈などの別の事象が発生した場合の事象の確率に基づく。ベイズの規則は、より容易に入手可能な情報を使用して、事象の確率を計算するのに役立ち、新しい情報が提示されると、常にオプションを処理する。CDSS[臨床決定支援システム(clinical decision support system)]の文脈では、ベイジアンネットワークは、その症状がある場合の考えられる疾病の存在の確率を計算するように使用されうる。ベイジアンネットワークの利点の一部は、確率の形態でのエキスパートの知識および結論、新しい情報を入手可能であるときの意思決定の補助を含み、また、多くのモデルに適用可能である不偏の確率に基づく。ベイジアンネットワークの欠点の一部は、考えられる診断について確率知識を得る困難さおよび複数の症状がある場合に大規模複雑システムにとって実用的でないことを含む。複数の同時的な症状に関するベイジアン計算は、ユーザにとって途方もなく大量でありうる。CDSSの文脈でのベイジアンネットワークの例は、提供される症状に応じて、考えられる診断の事後確率を計算するためにベイジアンリーズニングを利用するIliadシステムである。システムは、現在、数千の所見に基づいて約1500の診断をカバーする。別の例は、ベイジアンロジックの修正形態を使用するDXplainシステムである。CDSSは、症状に関連するランク付けされた診断のリストを生成する。
【0005】
人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network)(ANN)は、機械学習として知られる人工知能の形態を使用する非知識ベースの適応型CDSSであり、システムが、過去の経験/例から学習し、臨床情報においてパターンを認識することを可能にする。ANNは、神経細胞(neurodes)と呼ばれるノード、および、神経細胞間で一方向に信号を送信する重み付き接続からなる。ANNは、3つの主要な層、すなわち、入力層(Input)(データ受信器または所見)、出力層(Output)(結果または考えられる診断を通信する)、および中間層(Hidden)(データを処理する)からなる。システムは、大量のデータについて結果がわかっていることによってより効率的になる。ANNの利点は、システムをプログラムする必要性、および、エキスパートからの入力を提供する必要性をなくすことを含む。ANN CDSSは、その適応的システム学習によって、抜けているデータについての知識に基づいた推測、および、全ての使用について改善を行うことによって不完全なデータを処理しうる。さらに、ANNシステムは、その関連する確率と共に結果データを記憶するために大きなデータベースを必要としない。その欠点の一部は、訓練プロセスに時間がかかり、ユーザがシステムを効率的に利用しないようにさせる。ANNシステムは、統計的認識パターンに基づいてデータに重み付けしデータを結合するための自分自身の公式を導出し、その公式は、解釈するのが難しく、システムの信頼性に疑いをかける場合がある。例は、虫垂炎、背部痛、心筋梗塞、精神科救急、および皮膚障害の診断を含む。ANNの肺塞栓症の診断予測は、場合によっては、医師の予測よりずっとよかった。さらに、ANNベースのアプリケーションは、ECG(a.k.aEKG)波形の解析において有用であった。
【0006】
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)(GA)は、適者生存(survival of the fittest)を扱うダーウインの進化理論に基づいてマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)で1940年代に開発された非知識ベースの方法である。これらのアルゴリズムは、以前の解より良好である、異なる組換えを形成するために再編成する。ニューラルネットワークと同様に、遺伝的アルゴリズムは、患者データからその情報を導出する。遺伝的アルゴリズムの利点は、最適解を生成するためにこれらのシステムが反復プロセスを経ることである。適合関数は、良好な解と削除されうる解を決定する。欠点は、決定支援システムの場合に関係するリーズニングにおける透明性の欠如であり、決定支援システムを医師にとって望ましくないものにする。遺伝的アルゴリズムを使用するときの主要な難題は、適合基準を規定することにある。遺伝的アルゴリズムを使用するため、問題を解くために入手可能な、複数の薬物、症状、処置治療などのような多くのコンポーネントが存在しなければならない。遺伝的アルゴリズムは、女性の尿失禁の診断において有用であることが証明された。
【0007】
自動化鑑別診断システムは、開発され、これまで35年以上にわたって実装されるように試みられたにもかかわらず、急性期介護処置(Acute Care Treatment)(ACT)についての緊急医療状況における容認を全く獲得しなかった。主に、この失敗は、急性期状態の緊急介護がその下で実施される条件による。外傷、心停止、または呼吸停止などの状況では、意思決定の速度が重要であり、介護者は、患者と生理的モニターと除細動器との間で自分の時間および注意をすでに分けなければならない。こうした状況では、自動化鑑別診断(Automated Differential Diagnosis)(ADD)ツールは、介護プロセスに干渉するものとして、また、患者への処置に対する遅延として見なされることが多い。心停止の場合などで、1分ごとに生存率の10%の低下がもたらされうる場合、ADDツールを自身を支援するように設計したまさにその人々によってADDが無視されることは意外ではない。
【0008】
家族構成員が損傷時に存在しないことが多い入院前の状況で患者が処置されることが多いため、急性期医療状態時に患者の医療履歴が介護者によってアクセスできないこともわかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、介護者が、鑑別診断をより効率的にかつ正確に実施するためのツールであって、緊急状況中に介護者の既存のワークフローに統合されるツールを提供するシステムを含む。本発明の実施形態はまた、自動化された方法で、治療処置および患者履歴および検査所見と共に、患者からの生理的データの統合ビューを介護者に提供することができる。
【0010】
本発明の実施形態による医療システムは、少なくとも1つのセンサであって、患者の生理的状態を監視し、生理的状態に基づいてセンサデータを生成するように構成された、少なくとも1つのセンサと、ユーザインタフェースデバイスと、ユーザインタフェースデバイスに通信可能に結合されたプロセッサとを含み、プロセッサは、2つ以上の考えられる入力要素であって、それぞれが、患者の区分または診断および処置経路を含む、2つ以上の考えられる入力要素のアレイを、ユーザインタフェースデバイスを介して提示し、2つ以上の考えられる入力要素の間で、ユーザ選択に基づいて、選択された入力要素を受信し、生理的データを生成するために、センサデータを採取し、センサデータを処理し、選択された入力要素についてカスタマイズされるテンプレートに従って、生理的データを、ユーザインタフェースデバイスを介して提示するように構成される。
【0011】
選択された入力要素は、1つまたは複数のスイッチの起動に基づいて選択される段落[0010]の医療システム。
【0012】
選択された入力要素は、タッチ起動式スクリーンにタッチすることに基づいて選択される段落[0010]~[0011]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0013】
タッチ起動式スクリーンはユーザインタフェーススクリーンである段落[0010]~[0012]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0014】
少なくとも1つのセンサは、ECGセンサ、SpOセンサ、NIR組織潅流センサ、NIR pHセンサ、超音波センサ、換気流量センサ、EtCO2センサ、侵襲的血圧センサ、および非侵襲的血圧センサのうちの1つまたは複数である段落[0010]~[0013]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0015】
プロセッサは、タッチ起動式スクリーン上の2点を同じ手で同時にタッチすることによって生成されるキャリパジェスチャ信号を受信し、キャリパジェスチャ信号を受信すると、生理的データ上に測定データをオーバレイするようにさらに構成される段落[0010]~[0014]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0016】
2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、呼吸窮迫または呼吸困難診断および処置経路、精神状態変化診断および処置経路、心臓窮迫診断および処置経路、外傷診断および処置経路、ならびに、痛みまたは異常神経知覚診断および処置経路のうちの少なくとも1つを含む段落[0010]~[0015]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0017】
2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、呼吸窮迫または呼吸困難診断および処置経路、精神状態変化診断および処置経路、心臓窮迫診断および処置経路、外傷診断および処置経路、ならびに、痛みまたは異常神経知覚診断および処置経路のうちの少なくとも1つを含む段落[0010]~[0016]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0018】
タブレットコンピュータをさらに備える段落[0010]~[0017]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0019】
プロセッサはタブレットコンピュータの一部である段落[0010]~[0018]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0020】
タブレットコンピュータはiPad(登録商標)タブレットコンピュータである段落[0010]~[0019]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0021】
ユーザインタフェーススクリーンはタブレットコンピュータの一部である段落[0010]~[0020]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0022】
除細動器をさらに含む段落[0010]~[0021]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0023】
ユーザインタフェーススクリーンは除細動器の一部である段落[0010]~[0022]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0024】
タブレットコンピュータは保護ハウジングを含み、保護ハウジングは第1の搭載フィーチャを含み、医療システムは、第1の搭載フィーチャに嵌合するように構成された第2の搭載フィーチャをさらに含む段落[0010]~[0023]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0025】
2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、呼吸窮迫または呼吸困難診断および処置経路を含む段落[0010]~[0024]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0026】
少なくとも1つのセンサは、患者の心音を監視するように構成される段落[0010]~[0025]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0027】
少なくとも1つのセンサは、患者の呼吸音を監視するように構成される段落[0010]~[0026]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0028】
プロセッサは、ゼーゼー音とぱちぱち音と水泡音と喘鳴呼吸音とを鑑別するようにさらに構成される段落[0010]~[0027]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0029】
少なくとも1つのセンサは近赤外線ベースのセンサである段落[0010]~[0028]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0030】
少なくとも1つのセンサは、患者の組織または血液のpHを測定するように構成される段落[0010]~[0029]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0031】
少なくとも1つのセンサは、ECGセンサであり、生理的データは心拍数変動を反映する段落[0010]~[0030]のいずれか1つの段落の医療システム。
【0032】
複数の実施形態が開示されるが、本発明のさらに他の実施形態が、本発明の例証的な実施形態を示し述べる以下の詳細な説明から当業者に明らかになる。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例証的であり、制限的でないと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態による臨床決定支援システムを示す図である。
図2】本発明の実施形態による医療デバイス用のユーザインタフェースを示す図である。
図3】本発明の実施形態による、急性期介護診断モードの選択による図2のユーザインタフェースを示す図である。
図4】本発明の実施形態による、呼吸窮迫モードの選択による図2および図3のユーザインタフェースを示す図である。
図5】成人における急性呼吸困難についての鑑別診断概要を述べる表である。
図6】呼吸困難の診断に対する手掛かりを述べる表である。
図7】急性呼吸困難の診断における身体的検査所見を挙げる表である。
図8A】成人の息切れについての一般的な医療プロトコルおよび鑑別診断フローチャートの上部分である。
図8B図8Aの一般的な医療プロトコルおよび鑑別診断フローチャートの継続部である。
図9】本発明の実施形態による、ユーザによって選択されるときに、ユーザインタフェース上に表示することができる二酸化炭素のスナップショット波形を示す図である。
図10】本発明の実施形態による、表示された測定値と共に、図9の二酸化炭素のスナップショット波形を示す図である。
図11】本発明の実施形態による、除細動器デバイス上でドッキングされたタブレットコンピューティングデバイスを示す図である。
図12】心停止した患者において使用するためのプロトコルを示す図である。
図13】例示的な外傷評価プロトコルを示す図である。
図14】例示的な迅速外傷評価プロトコルを示す図である。
図15】例示的な的を絞った身体的検査プロトコルを示す図である。
図16】例示的な切断損傷プロトコルを示す図である。
図17】例示的な出血コントロールプロトコルを示す図である。
図18】例示的な熱傷プロトコルを示す図である。
図19】例示的な電撃症プロトコルを示す図である。
図20】例示的な脊椎固定プロトコルを示す図である。
図21図20の脊椎固定プロトコルにおけるさらなるステップを示す図である。
図22】例示的なマルチシステム外傷プロトコルを示す図である。
図23】例示的な溺水プロトコルを示す図である。
図24】例示的な妊娠時外傷プロトコルを示す図である。
図25】例示的な外傷性心停止プロトコルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、種々の変更形態および代替形態を受けるが、特定の実施形態が、図面において例として示されており、以下で詳細に述べられる。しかし、意図するのは、述べる特定の実施形態に本発明を制限しないことである。逆に、本発明は、添付特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に入る全ての変更物、等価物、および代替物を包含することを意図される。
【0035】
図1は、本発明の実施形態によるシステムのブロック図を示す。一実施形態では、マサチューセッツ州ケルムスフォード(Chelmsford Massachusetts)のZOLL Medical社によって製造されたEシリーズなどの組合せ式の除細動器/モニターデバイスは、そのラベル表示が、オンスクリーンテキストによって提供されるキーを有する。そのため、テキストは、ユーザによる入力によって、あるいは、除細動器、または、コンピュータタブレットデバイス214またはコンピュータタブレットと通信状態にある医療派遣要員または医療監督要員が置かれるリモート基地局などの、除細動器の使用時に除細動器が通信状態になる他のデバイスによる解析および意思決定の結果として、リアルタイムに構成可能である。コンピュータタブレットは、iPad(Apple Corp.、カルフォルニア州クパチーノ(Cupertino CA))の形態をとることができる。特定のソフトキー(soft-keys)は、本発明の実施形態に従って、図2に示すように、デバイスに電源を供給した場合に「急性期介護診断(Acute Care diagnosis)」と最初にラベル表示される。急性期介護診断キーのキー押しを検出すると、除細動器は、キーの機能およびラベル表示を図3に示す機能およびラベル表示に変更する。これら5つのラベル―「呼吸窮迫(Respiratory Distress)」または別法として「呼吸困難(Dyspnea)」、「精神状態変化(Altered Mental Status)」、「心臓窮迫(Cardiac Distress)」、「外傷(Trauma)」、および「痛み/異常神経知覚(Pain/Abnormal Nerve Sensation)」―は、患者の区分と考えられるワークフローと診断および処置経路(Diagnosis and Treatment Pathway)(DTP)とを特定する点で、鑑別診断に関連する従来の症状と異なり、また、実際の実践でこれらの基準を満たす患者に救急救命士(paramedics)および他の緊急要員が遭遇する相対的頻度で挙げられる。
【0036】
各DTPについてソフトキーを押すことによって、除細動器は、特定の生理的センサを起動させ、患者を最も正確にかつ効率的に診断し処置するために最適な方式で提示される最適な情報を、介護者に提供するようにセンサデータを表示するように構成される。各DTPは、センサデータあるいはセンサデータから導出される生理的データおよび/または測定データが、その特定のDTPについて最も有用なおよび/または効率的な方法でそれに従って表示されるテンプレートを含むことができる。たとえば、「呼吸窮迫」ソフトキーが押される場合、スクリーン上の波形および生理的数値データは、図4に示す波形および生理的数値データに変わる。個々のCO2呼吸波形の記憶されたスナップショットを、CO2スナップショットソフトキーによって始動することができる。これらのスナップショットは、診断のために測定を自動化すると共に特定の理論の有効性を評価するために、ディスプレイ上に残されて臨床医に参照される。
【0037】
心音測定および検出は、S3およびS4心音の検出のためにモニタリングデバイスに組込まれ、自動的に、その鑑別を絞るか、または、救助者が心不全または肺浮腫のソフトウェア診断への同意を確認することを提案する。心音を評価するためのフローチャートは、図8Aおよび図8Bに示される。パルスオキシメトリおよびカプノグラフィもまた、非常に役立つ方策であり、より正確な診断のためにアルゴリズムに自動的に組込むことができる。心音を検出するために使用される同じセンサを、同様に、呼吸音を検出し、その品質を解析するように使用することができる。特定のアルゴリズムが使用されて、それぞれが特定の疾病を示す可能性があるゼーゼー音(wheezing)、ぱちぱち音(crackle)、水泡音(rale)、または喘鳴(stridor)を検出することができる。
【0038】
フローセンサおよびCO2ガスセンサなどのセンサが、いくつかの実施形態で含まれ、その結果、呼吸困難の診断および処置にとって適切な容積測定CO2、容積測定O、および肺活量測定などのさらなる生理的測定値を、呼吸窮迫DTPスクリーン上に含み表示することができる。酸素センサは、患者の気道内に配置することができ、患者の代謝需要を計算するのを支援することができる。
【0039】
除細動器212上のディスプレイは、本発明のいくつかの実施形態によれば、タッチスクリーンである。介護者は、ダブルタップなどのタッチスクリーンジェスチャによってCO2スナップショット波形または肺活量測定スナップショット波形などの上で容易に測定を始動しうる。ズームアイコンは、CO2スナップショットなどの各波形ボックスの上角に存在することができ、それにより、ズームボタンがタッチされると、その特定の波形が除細動器のディスプレイを満たす。別の測定ボタンが存在し、別の測定ボタンは、タッチされると、本発明の実施形態に従って、特定の波形について全ての適切な測定値を表示する。ジャスチャインタフェースはタッチスクリーンの一部として設けられる。波形内の2点を2本の指または指と親指を使用してタッチすること(「キャリパ(caliper)」測定またはジャスチャと呼ぶこともできる)は、図10に示すように測定値を、生理的データの上に表示させるかつ/またはオーバレイさせることになる。たとえば、死腔ガス量、COPDを示すフェーズIIおよびIII、ならびに動脈pCO2の推定値を、CO2波形測定を始動した後にスクリーン上に示すことができる。
【0040】
本発明の実施形態によれば、決定支援システムのタッチスクリーン部に通信可能に結合したプロセッサは、表示される波信号の波形状を認識するか、かつ/または、表示される画像のエッジを認識するように構成されて、キャリパタッチジャスチャの精度を改善することができる。たとえば、ECG波表示のST上昇を測定するまたは「ズームインする(zoom in)」ためにキャリパジャスチャを使用した場合、決定支援システムは、ECG波の上部の真下をユーザの指の一方がタップする場合、ECG波の上部を拡大ビューまたは選択ビュー内に含むことをユーザが意図する可能性があることを認識するように構成することができる。さらに、決定支援システムは、タッチスクリーンを使用して測定点を個々に拡大(ズーム)し調整する能力を可能にするように構成することができる。タップ/クリックおよびドラッグ方法は、キャリパジャスチャを設定するように使用することができる。たとえば、表示された波形の特定の部分上に絞り込むため、ユーザは、1点を押し、別の点までドラッグして、キャリパジャスチャの終点を示すことができる。
【0041】
特定の範囲外の測定値(specific out-of-range readings)は、赤で表示されうる、または、ボールド体フォントおよび/または点滅などの他のメカニズムによってハイライトされうる。ハイライトされた値にタッチすることは、本発明の実施形態に従って、測定値に応じた考えられる診断をディスプレイに示させることになる。スクリーンの特定のグラフィカルゾーンは、コンピュータタブレットのグラフィカル画像で指定されうる。波形、測定値、またはディスプレイ上に示される任意の他のオブジェクトをコンピュータタブレットアイコン上にドラッグすることによって、除細動器にリンクされるアイコンが、コンピュータタブレット上に自動的に提示されうる。
【0042】
カプノグラフィは、喘息を評価するときに役立ち、呼気平坦域の傾斜の増加が、気管支痙攣の尺度を提供する。平坦域フェーズ(フェーズIII)の傾斜は、気道閉塞の尺度を提供する。喘息憎悪についてのβ刺激薬気管支拡張性(β-agonist bronchodilatory)治療の適切さを、フェーズIIIの傾斜変化の観測によって監視することができる。
【0043】
全ての目的でその全体を参照により本明細書に組込まれる、2011年7月14日に公開された米国特許出願公報第2011/0172550号で言及されるように、患者の履歴についてのデータを、モニターによる患者生理的尺度と共にコンピュータタブレットによって入力することができる。鑑別診断は、患者履歴と患者検査所見の両方を、ECG、カプノグラフィ、およびパルスオキシメータのようなモニタリングによる患者の生理的状態の尺度に結び付けることが多いため、これらのデータ要素は、統合されて、コンピュータタブレット上のアプリケーション内の単一の鑑別診断スクリーン上で種々のデータ要素を自動的にまたは半自動的に統合するユーザインタフェースになる。インタフェースは、一般的な主症状または患者による愁訴、たとえば呼吸困難または呼吸窮迫のリストから救助者が選択するように求めることによって始まることができる。(Am Fam Physician 2003;68:1803-10から得られた)図5、6、および7のスクリーンなどの上の情報は、救助者が情報を得るための考えられる1つの構造化手法を提供する。患者履歴および医師検査所見がコンピュータタブレット上で入力されるにつれて、鑑別診断ページは、考えられる診断に徐々に絞られることになる。
【0044】
別の実施形態では、除細動器は、図11に示すように、除細動器上に統合された搭載機能部によって、安定した位置で除細動器の上部にApple(登録商標)のiPad(登録商標)などのコンピュータタブレットを立て掛けるためのドッキング機能部(docking feature)を含む。タブレットコンピュータ、iPhone(登録商標)、iTouch(登録商標)、および他のタッチスクリーンモニターを含む他のモバイルコンピューティングデバイスを使用することができる。代替的に、たとえば有線または無線USB接続によってコンピューティングデバイスへ/から情報を転送するような、低電力で電池駆動式のタッチスクリーンモニターを使用することができる。通信を、2つのデバイス(たとえば、医療デバイスとモバイルコンピューティングデバイス)の間で、無線で提供することができる。他の通信可能結合、たとえば有線結合を、2つのデバイス間で達成することができる。iPadは、入院前環境において遭遇する可能性がある典型的な物理的酷使からiPadを保護するために、保護ハウジングおよび/または防水ハウジングを含むことができる。こうしたiPadハウジングに統合された搭載機能部は、現場で除細動器の上部に容易に取付けられることを可能にする。除細動器上の搭載機能部は、使用中でないときに、iPad(登録商標)が除細動器上の保護ポケットに入るように下に蝶番式に動くことを可能にするよう蝶番式に動くことができる。iPad(登録商標)はまた、ドッキング解除され、物理的接続なしで除細動器の近くで使用することができる。除細動器によって充電された電池をiPad(登録商標)が持つことを可能にする物理的スロットを、好ましくはユニットの側部、上部、または背部に同様に設けることができる。iPad(登録商標)保護ハウジングのフレームの内側には、標準的なiPad(登録商標)コネクタがあり、一方、iPad(登録商標)保護ハウジングのフレームの外側には、本発明の実施形態による、入院前緊急事態状況において医療デバイスが受ける広範囲の酷使に耐えられるより一層頑健な機械的接続および電気的接続がある。
【0045】
生理的データ、患者履歴、および検査所見のこの統合化解析の結果は、その後、おそらくはさらなる生理的測定を行うよう求めるという形態で、除細動器上に表示することができる。生理的データ、患者履歴、および検査所見のこの統合化解析の結果は、別法としてまたは付加的に、タブレットコンピュータ上に表示することができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、タブレットコンピュータまたは他のモバイルコンピューティングデバイスは、たとえば無線接続を通して除細動器または他の生理的評価デバイスに通信可能に結合することができる。本明細書で使用されるように、「通信可能に結合する(communicably coupled)」は、任意の結合であって、それにより、情報を渡すことができる、任意の結合を指すために、その最も広い意味で使用される。そのため、たとえば、通信可能に結合することは、たとえばワイヤによって電気的に結合すること、たとえば光ケーブルによって光学的に結合すること、および/または、たとえば無線周波数または他の伝送媒体によって無線で結合することを含む。「通信可能に結合する」はまた、たとえば、ネットワークを通したなどの間接的結合、または直接結合を含む。
【0046】
本発明の実施形態によれば、ユーザインタフェースデバイスは、プロセッサに通信可能に結合し、プロセッサは、ユーザインタフェースデバイスを介して入力されるデータならびに1つまたは複数のセンサから受信されるデータを受信して、両方のデータ供給源に基づいて臨床決定支援を実施するように構成される。ユーザインタフェースデバイスは、タッチスクリーンコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、オーディオ受信機、オーディオ送信機、ビデオ受信機、ビデオ送信機、カメラ、およびユーザの眼鏡またはフェイスシールド上に投影される「ヘッドアップ(head up)」ディスプレイなどの1つまたは複数のデバイスを含むことができる。小型モニターを、眼鏡、フェイスシールド上に搭載することができる、かつ/または、たとえばイヤーバッドまたはブルートゥース(登録商標)ハンズフリー電話アダプターなどの他の装着可能な通信デバイスに統合することができる。ユーザインタフェースデバイスは、オプションを伝達するためのデバイスおよび入力を受信するためのデバイスの組合せを含むことができる。たとえば、オーディオスピーカは、考えられるDTPを伝達するように使用することができ、オーディオ受信機は、DTPのうちの1つのDTPの選択を示す口頭のコマンドを受信するように使用することができる。オーディオ受信機の代わりに、ビデオカメラを使用して、考えられるDTPまたは入力要素の1つの選択としてプロセッサによって解釈されることになるジェスチャコマンドを受信することができる。ユーザインタフェースデバイスのためにハンズフリーデバイスを使用することは、介護者のために非侵入的決定支援および/または鑑別診断を依然として可能にしながら、臨床タスクを実施するために介護者の手を自由にすることができる。
【0047】
図8Aおよび図8Bは、本発明の実施形態に従って、ユーザインタフェースデバイスを使用するコンピュータプロセッサがそれを通して介護者を導くことができる鑑別診断および/または臨床支援プロセスを示す。たとえば、介護者が図3のスクリーン上に提示される5つのDTPの中から「呼吸窮迫」を選択した場合、ユーザインタフェースデバイスは、上流から下流まで流れる図8のフローチャート内のステップ802に関する情報を入力するよう介護者に促すことになる。ステップ802にて、12誘導がS3心音を示す場合、または、呼吸困難エンゲージメントスコアが3よりも大きい場合、決定支援システムは、急性非代償性心不全(Decompensated Heart Failure)(CHF)決定/診断プロセスを通してユーザを導くことになる。
【0048】
決定支援システムは、途中で提供される任意の表示および情報を更新しながら、フローチャート内の1つの決定点から次の決定点に介護者が遷移するのを助けるときに、センサから受信される生理的データと(たとえば、iPad(登録商標)などのモバイルコンピューティングデバイスによって)介護者から受信される情報データの両方を考慮することができる。たとえば、決定支援システムは、ECGデータの処理に基づいて、S3心音が存在するように見えないことをユーザに示し、この評価を確認するよう介護者に求めることができる。決定支援システムは、同様にまたは別法として、呼吸困難エンゲージメントスコアを入力するよう要求するか、または介護者による確認のためにそれを提案することができる。ステップ802にて、12誘導がS3心音を全く示さない場合、または、呼吸困難エンゲージメントスコアが3未満である場合、決定支援システムは、介護者がCHF状況に対処していないことを認識することになるが、その後、ステップ804に移動し、ステップ804にて、決定支援システムは、その表示および/または入力プロンプトを変更して、介護者が喘息処置パスに入るかCOPD処置パスに入るかを判定するのを助ける。
【0049】
再び、決定支援システムは、介護者の決定を支援するのを助けるときに、センサからの種々の生理的データならびに特定の患者に関して受信される種々の情報データを考慮することができる。たとえば、図6に示すように、患者情報(介護者によって入力されるかまたは別の情報源から得られる)が、患者が大量のタバコ使用に関わっていることを示す場合、決定支援システムは、ステップ804にて、COPDの診断がより可能性があることを認識することになり、一方、患者が咳を経験しているかまたは喘息の履歴を持っていることを、介護者が決定支援システムに示す場合、決定支援システムは、ステップ804にて、喘息の診断がより可能性があることを認識する場合がある。図6において反映される情報による診断支援に加えてまたはその代替として、決定支援システムは、生理的データを使用して所見を集めて介護者が適切な処置パスを決定するのを助けることができる。たとえば、呼吸音(breathing or breath sound)センサが、処理されると、太鼓撥指形成、樽状胸を示すデータまたは呼吸音の減少を生成する場合、決定支援システムは、ステップ804にて、COPD処置パスがより適切であることを認識することができ、一方、呼吸音センサが、奇脈を示すデータを生成する場合、または、筋肉活動センサが副筋使用を示す場合、決定支援システムは、ステップ804にて、喘息処置パスがより適切であることを認識することができる。
【0050】
本発明の実施形態によれば、決定支援システムは、たとえば統計的確率(図6および図7のようなチャートおよびデータに基づく)または相対的尤度を示すことによって診断または処置パスを示唆または提案し、介護者による確認または最終選択を求めることができる。たとえば、ステップ804にて、決定支援システムが喘息診断の確認を受信する場合、ユーザインタフェースデバイスは、たとえば喘息診断に固有の処置プロトコルを開始することによって、介護者に提示される情報を変更することができる。ステップ806にて、決定支援システムは、介護者が、患者の酸素供給部に加湿器を取付け、6~9リットル/分の供給源に接続されたネブライザーによって投与されたアトロベントの0.5ミリグラムと混合されたアルブテロールの2.5ミリグラムを投与することを示唆することができ、また、心拍数がせいぜい140である限り、その用量を連続して投与することができることを示すことができる。決定支援システムは、心拍数を監視し、心拍数がこの例では140に達するかまたはそれに近づくとき、また、その場合、視覚および/またはオーディオ指示を与えることができる。
【0051】
ステップ808にて、決定支援システムは、たとえば血液酸素含有量、呼吸数、または呼吸量に関連するデータまたは測定値を示すことによって、患者が著しく気管支収縮しているかどうかを介護者が決定するのを助けることができる。ステップ808にて、患者が著しく気管支収縮していることを介護者が確認すると、決定支援システムは、ゆっくりした(たとえば、2分の)経静脈プッシュにわたってソルメドロールの125ミリグラム用量が投与されることを介護者に示唆することができる。ステップ810にて、決定支援システムは、患者の症状が改善したかどうか(たとえば、これまでの処置によって患者の息切れが改善したかどうか)を介護者が判定するのを助けることができる。たとえば、決定支援システムは、患者の呼気終末波形を表示および/または解析し、患者が処置に応答しているように見えないことを示唆し、介護者の確認を求めることができる。介護者がその判定を確認する場合、決定支援システムは、さらなる処置オプション、たとえば図8に示すオプションを通して介護者を案内し続けることができる。こうして、決定支援システムは、臨床的受診中に、患者から集められるかまたは介護者によって入力される生理的データと情報データの両方を使用して、決定支援システムがない場合、介護者が実施するのに不都合過ぎるかまたは時間がかかり過ぎることになる方法で、複雑な意思決定プロセスを通して介護者を案内する。
【0052】
本発明の実施形態による決定支援を、完全に自動化することができるかまたは完全に自動化することができない。ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズム、または単純なルールベースシステムを利用する推論エンジンを使用することができる。
【0053】
別の実施形態では、組織CO2およびpHは、舌下組織CO2センサを記載する米国特許第6,055,447号、または、近赤外分光法(near infrared spectroscopy)(NIRS)によって組織pHを測定するための方法およびデバイスを記載する米国特許第5,813,403号、第6,564,008号、および第6,766,188号に記載されるような方法によって測定される。これらの特許は全て、全ての目的でその全体を参照により本明細書に組込まれる。NIRS技術は、組織PO2、PCO2、およびpHの同時測定を可能にする。組織pHを測定するための以前の方法の1つの欠点は、測定が、蘇生の過程にわたって測定のシリーズにおいて実施される所与のベースライン測定について優れた相対精度を提供したが、絶対精度は、皮膚色素などの患者固有のオフセットの結果として、それほど良くなかった。本発明のいくつかの実施形態によって達成される利益の1つは、これらの測定の絶対精度についての必要性がなくなり、オフセットと利得だけに頼ることが、蘇生の過程にわたって安定であることである。組織CO2およびpHは、外傷DTPにおけるモニタリングで特に役立つ。外傷DTPについてのディスプレイ上の生理的パラメータは、非侵襲的および侵襲的血圧、組織CO2およびpH、ECG、SpO2傾向表示、および心拍数変動リスク指数の1つまたは複数とすることができる。ECGが解析されて、QRS群の隣接するR波間の間隔を決定し、この間隔を使用して、隣接するR-R間隔の間の継続的な差として心拍数変動を計算することができる。変動の突然の減少が、患者の血圧の急激な低下に何分間も先行することが多いことが当業者に知られている(外傷性停止)。心拍数変動の傾向を監視することによって、外傷性停止が予測され防止されうる。
【0054】
外傷DTPのために使用する別のセンサは、本発明の実施形態によれば、超音波である。全ての目的でその全体を参照により、「シー.エルナンデス他「C.A.U.S.E:心停止超音波試験-一次非催不整脈性心停止の患者を管理するための良好なアプローチ」蘇生法(2007)、doi:10.1016/j.resuscitation.200706.003(C. Hernandez et al「C.A.U.S.E.: Cardiac arrest ultra-sound exam-A better approach to managing patients in primary non-arrhythmogenic cardiac arrest」Resuscitation(2007),doi:10.1016/j.resuscitation.200706.003」が本明細書に組込まれる。
【0055】
C.A.U.S.E.は、その著者等によって開発された新しい手法である。C.A.U.S.E.プロトコルは、心停止の4つの主要な原因に対処し、これを、胸部の2つの超音波検査透視図を使用することによって達成する。2つの超音波検査透視図とは、心臓および心膜の四腔像ならびに両側的な鎖骨中央線における第2肋間空間のレベルにおける肺および胸膜の前内側の像である。心臓および心膜の四腔像は、肋骨下、胸骨傍、または心尖胸部窓を使用して得られる。これは、検査を実施する個人が、患者の解剖学的構造に応じて最も適切な像を選択することを可能にする。著者等は、最初に肋骨下の像から始めることを推奨した、その理由は、この像が、胸部圧迫を妨げることなく、開業医が心臓を評価することを可能にするからである。この像が可能でない場合、蘇生チームリーダが導く協調的脈動チェック(coordinated pulse check)中に、心尖または胸骨傍アプローチを使用することができる。四腔像は、このプロトコルで使用される。その理由は、四腔像が、心腔間の比較を容易にし、血液量減少、大きな塊の肺塞栓(massive PE)、および心臓タンポナーデの診断を容易にするからである(図6)。気胸は、鎖骨中央線の第2肋間空間において矢状面を見ている間に、スライドサインおよびコメットテールアーチファクトの欠如を識別することによって診断される(図7)。心臓の像と肺の像の両方の場合、2.5~5.0フェーズドアレイトランスジューサプローブを使用することが推奨される。これは、検査者が、肺検査と、心臓検査と、必要である場合腹部検査の全てに同じプローブを使用することを可能にする。このタイプのプローブは、ナッドソン(Knudtson)によって、FAST検査に対する付加物として気胸を識別するという使用のための超音波を含む彼の研究において使用され、また、気胸を検出するときに非常に高い精度をもたらし、それでも依然として、心臓および腹部器官を識別するときに有用であるままであった。プロトコルは、線図形態で最もよく述べられる[図12参照]。
【0056】
フローチャートの介護者選択要素は、超音波センサが起動され、画像がコンピュータタブレット上に表示されることをもたらす。さらなる指令が、コンピュータタブレットおよび/または除細動器上のインタフェースから要求されうる。選択および指令に基づいて、超音波の設定が、本発明の実施形態に従って、最適画像を送出するように調整されうる。
【0057】
5つの診断および処置経路が、図3に関して論じられたが、鑑別診断/決定支援システムは、他のDTPに関する意思決定および診断を支援するように構成されることができ、また、図3に示す5つおよび他のものの中から、1つまたは複数のDTPの種々の組合せを表示し支援するように構成することができる。本発明の他の実施形態によれば、各ユーザは、各DTPオプションについて、カスタマイズされたDTPを使用するように決定支援システムを構成することができる。たとえば、ユーザは、外傷DTPについての質問/ステップ/測定値のデフォルトシリーズを、介護者固有の、患者固有の、地理学固有の、および/または規制固有の処置プロトコルに基づく質問/ステップ/測定値の新しいシリーズと変更することができる。こうして、本発明の実施形態による決定支援システムは、種々の種類のDTPに対処する方法で、介護者のための意思決定および診断を案内するように動作する。
【0058】
たとえば、ユーザが、図3のスクリーンから外傷DTPオプションを選択した場合、決定支援システムは、図13~25に示す経路と同様の決定および処置経路を通してユーザを案内するように構成することができる。ユーザは、その後、「切断損傷(amputation injury)」、「出血コントロール(bleeding control)」、「熱傷(burns)」、および同様なものなどの、さらなるオプションのシリーズを提示されることになる。これらのさらなるオプションの1つを選択することは、決定支援システムに、選択されたオプションに適切な特定の1つまたは複数の経路に入り表示させることになる。本発明の実施形態によれば、決定支援システムは、予め確立されたフローチャートに従って、決定のシリーズを通して介護者を単に案内するように、医療デバイスあるいは1つまたは複数のセンサと独立のユーザインタフェースデバイスによって構成される。基本レベルでは、除細動器などの医療デバイスは、センサデータまたは他のデータ入力がある状態でまたはない状態で、種々の決定を通して介護者を案内する、1つまたは複数の決定支援フローチャートおよび/または処置プロトコルを含むことができる。電子的にナビゲート可能なグラフィカルDTPを、参照文書として除細動器デバイス内に含むことができる。
【0059】
他の実施形態によれば、決定支援システムは、介護者観測結果、患者情報、および/またはセンサデータの組合せを通知される。評価および/またはスコア付けは、介護者からデータを受信すること、または、センサからデータを受信すること、あるいはその両方によって実施することができる。たとえば、外傷DTPの場合、決定支援システムは、脈拍数、呼吸データ、定性的呼吸データ、失血、血圧、折れた手足および/または開放骨折の存在を考慮することができる。または、心臓窮迫DTPでは、決定支援システムは、選択された基準に基づいて決定支援システムによって計算されるかつ/または予測することができる、心停止確率を瞬時に表示するように構成することができる。決定支援システムはまた、処置結果確率を示唆する、たとえば、最も高いまたは知覚される高い成功確率を持つ処置経路を示唆するために、一定の基準を追跡するように構成することができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態によれば、モニター、除細動器/モニターの組合せ、または、他の同様なデバイスは、認識される救助プロトコル、たとえば、本明細書で述べられるかつ/または示されるプロトコルの1つまたは複数に従うように、モニターを構成するグラフィカルツールを提供するように構成することができる。こうしたツールは、本発明の実施形態に従って、モニターまたは除細動器デバイス上に、タブレットか、手持ち式か、または他のコンピューティングデバイス上に、および/または、その両方の上に含むことができる。こうしたツール、たとえばフローチャートは、グラフィカルインタフェースに設けることができる。ツールは、たとえばプロトコル用のフローチャートを視覚的に提示し、ユーザがプロトコルをカスタマイズすることを可能にすることによって、ユーザが特定の救助プロトコルに従うように患者モニターを構成することを可能にする。たとえば、CPR期間の長さは、処置プロトコルをカスタマイズするためにユーザによって構成することができる。こうしたツールはまた、モニタリングデバイスへのおよび/またはそこからのカスタマイズされた処置プロトコルのダウンロードおよびアップロードを可能にし、そのことは、カスタマイズされた同じプロトコル設定が、本発明の実施形態に従って、異なる場所でおよび/または異なる時間に、モバイルデバイス上で実施される、かつ/または、複数の他のデバイスに転送またはアップロードされることを可能にする場合がある。
【0061】
種々の変更および追加が、本発明の範囲から逸脱することなく、論じた例示的な実施形態に対して行われうる。たとえば、上述した実施形態が特定の特徴を参照するが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組合せを有する実施形態および述べた特徴の全てを含まない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求項の範囲内に入る全てのこうした代替物、変更物、および変形物を、その全ての等価物と共に包含することを意図される。
本明細書によれば、以下の各項目に記載の構成もまた開示される。
[項目1]
医療システムであって、
少なくとも1つのセンサであって、患者の生理的状態を監視し、前記生理的状態に基づいてセンサデータを生成するように構成された、前記少なくとも1つのセンサと、
ユーザインタフェースデバイスと、
前記ユーザインタフェースデバイスに通信可能に結合されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザインタフェースデバイスに、2つ以上の考えられる入力要素であって、各入力要素が、患者の区分または診断および処置経路を含む、前記2つ以上の考えられる入力要素のアレイを提示するように動作させ、
前記2つ以上の考えられる入力要素の間で、ユーザ選択に基づいて、選択された入力要素を受信し、
前記センサデータを取得し、前記センサデータを処理することにより、生理的データを生成し、
前記選択された入力要素についてカスタマイズされるテンプレートに従って、前記ユーザインタフェースデバイス上に前記生理的データを提示するように構成される、医療システム。
[項目2]
前記ユーザインタフェースデバイスは、ユーザインタフェーススクリーンであり、
前記プロセッサは、前記ユーザインタフェーススクリーン上に前記2つ以上の考えられる入力要素のアレイを表示するようにさらに構成され、
前記プロセッサは、前記ユーザインタフェーススクリーン上に前記テンプレートに従って前記生理的データを表示するようにさらに構成される、項目1に記載の医療システム。
[項目3]
前記選択された入力要素は、1つまたは複数のスイッチの起動に基づいて選択される、項目1に記載の医療システム。
[項目4]
前記ユーザインタフェースデバイスは、タッチ起動式スクリーンであり、
前記選択された入力要素は、前記タッチ起動式スクリーンにタッチすることに基づいて選択される、項目1に記載の医療システム。
[項目5]
前記少なくとも1つのセンサは、ECGセンサ、SpOセンサ、NIR組織潅流センサ、NIR pHセンサ、超音波センサ、換気流量センサ、EtCO2センサ、侵襲的血圧センサ、非侵襲的血圧センサ、血糖モニター、および気道酸素センサのうちの1つまたは複数である、項目1に記載の医療システム。
[項目6]
前記プロセッサは、前記タッチ起動式スクリーン上の2点を同じ手で同時にタッチすることによって生成されるキャリパジェスチャ信号を受信し、前記キャリパジェスチャ信号を受信すると、前記生理的データ上に測定データを重ね合わせるようにさらに構成される、項目4に記載の医療システム。
[項目7]
前記ユーザインタフェースデバイスは、視覚入力デバイスを備え、
前記プロセッサは、前記選択された入力要素を示すものとして、前記視覚入力デバイスによって受信されたジャスチャを認識するようにさらに構成される、項目1に記載の医療システム。
[項目8]
前記2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、
呼吸窮迫または呼吸困難の診断および処置経路、
精神状態変化の診断および処置経路、
心臓窮迫の診断および処置経路、
外傷の診断および処置経路、
痛みまたは異常神経知覚の診断および処置経路のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の医療システム。
[項目9]
前記2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、
呼吸窮迫または呼吸困難の診断および処置経路、
精神状態変化の診断および処置経路、
心臓窮迫の診断および処置経路、
外傷の診断および処置経路、
痛みまたは異常神経知覚の診断および処置経路を含む、項目1に記載の医療システム。
[項目10]
前記医療システムは、モバイルコンピューティングデバイスをさらに備える、項目1に記載の医療システム。
[項目11]
前記プロセッサは、前記モバイルコンピューティングデバイスの一部である、項目10に記載の医療システム。
[項目12]
モバイルコンピューティングデバイスは、iPad(登録商標)タブレットコンピュータ、iPhone(登録商標)、iTouch(登録商標)、スマートフォン、タブレット/タッチモニター、またはUSBタッチモニターを含む、項目10に記載の医療システム。
[項目13]
前記ユーザインタフェースデバイスは、前記モバイルコンピューティングデバイスの一部である、項目10に記載の医療システム。
[項目14]
前記医療システムは、除細動器をさらに備える、項目1に記載の医療システム。
[項目15]
前記ユーザインタフェースデバイスは前記除細動器の一部である、項目14に記載の医療システム。
[項目16]
モバイルコンピューティングデバイスは、保護ハウジングを備え、
前記保護ハウジングは第1の搭載機能部を備え、
医療システムは、前記第1の搭載機能部に嵌合するように構成された第2の搭載機能部をさらに備える、項目10に記載の医療システム。
[項目17]
前記2つ以上の考えられる入力要素のアレイは、呼吸窮迫または呼吸困難の診断および処置経路を含む、項目1に記載の医療システム。
[項目18]
前記少なくとも1つのセンサは、患者の心音を監視するように構成される、項目17に記載の医療システム。
[項目19]
前記少なくとも1つのセンサは、患者の呼吸音を監視するように構成される、項目17に記載の医療システム。
[項目20]
前記プロセッサは、ゼーゼー音とぱちぱち音と水泡音と喘鳴呼吸音とを鑑別するようにさらに構成される、項目19に記載の医療システム。
[項目21]
前記少なくとも1つのセンサは近赤外線ベースのセンサである、項目1に記載の医療システム。
[項目22]
前記少なくとも1つのセンサは、患者の組織または血液のpHを測定するように構成される、項目1に記載の医療システム。
[項目23]
前記少なくとも1つのセンサは、ECGセンサであり、
前記生理的データは心拍数変動を反映する、項目1に記載の医療システム。
[項目24]
前記少なくとも1つのセンサは、血糖センサであり、
前記生理的データは目下の血糖値を反映する、項目1に記載の医療システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図25