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特許7014767ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉
(51)【国際特許分類】
   F27B 14/20 20060101AFI20220125BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
F27B14/20
F27D21/00 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019502089
(86)(22)【出願日】2017-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017043429
(87)【国際公開番号】W WO2018022472
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】15/218,787
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591029943
【氏名又は名称】インダクトサーム・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INDUCTOTHERM CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】サティエン・エヌ・プラブ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ダブリュー・ショーター
(72)【発明者】
【氏名】テッド・ヘインズ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ジェイ・ベル
【審査官】宮脇 直也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-131398(JP,U)
【文献】実開昭60-176100(JP,U)
【文献】特表2014-522474(JP,A)
【文献】特開昭53-087038(JP,A)
【文献】実開平01-153498(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 14/00 - 14/20
F27D 21/00
H05B 6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作方法であって、
巻かれた誘導コイルを基礎の上方に配置するステップと、
前記巻かれた誘導コイルの周りに耐火物を設置して、耐火物埋設誘導コイルを形成するステップと、
前記耐火物埋設誘導コイルの内側にワイヤ集合体耐火物用モールドを配置して、前記ワイヤ集合体耐火物用モールドのワイヤ集合体耐火物用モールド外壁と、前記耐火物埋設誘導コイルの耐火物埋設誘導コイル内壁との間に、ワイヤ集合体耐火物用容積を設けるステップと、
前記ワイヤ集合体耐火物用モールドの上部周囲に一時的な上部ワイヤ集合体固定具を、前記ワイヤ集合体耐火物用モールドの下部周囲に一時的な下部ワイヤ集合体固定具を取り付けるステップであって、前記一時的な上部および下部ワイヤ集合体固定具のそれぞれが、前記一時的な上部および下部ワイヤ集合体固定具それぞれの周囲に、複数のワイヤ転回ノッチを有し、前記複数のワイヤ転回ノッチのそれぞれがワイヤ転回サブノッチを有する、ステップと、
前記ワイヤ集合体耐火物用モールドの前記ワイヤ集合体耐火物用モールド外壁の周りに、少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体を取り付けるステップであって、前記少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体が、少なくとも1つの連続したワイヤを備え、前記少なくとも1つの連続したワイヤが、前記一時的な上部および下部ワイヤ集合体固定具の各ワイヤ転回ノッチのワイヤ転回サブノッチ内への単一の連続したワイヤの順次挿入によって、前記一時的な上部および下部ワイヤ集合体固定具の外周の高さの周りに少なくとも部分的に垂直に編まれる、ステップと、
前記ワイヤ集合体耐火物用容積にワイヤ集合体耐火物を供給し、前記少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体を前記ワイヤ集合体耐火物に埋設して、前記ワイヤ集合体耐火物用容積内に埋設ワイヤ集合体耐火物を形成するステップと、
前記ワイヤ集合体耐火物用モールド、ならびに前記一時的な上部および下部ワイヤ集合体固定具を取り外して、内部ワイヤ集合体耐火物炉容積を形成するステップと、
前記内部ワイヤ集合体耐火物炉容積内に交換式ライニング用モールドを配置して、前記交換式ライニング用モールドの交換式ライニング用モールド外壁と前記埋設ワイヤ集合体耐火物の埋設ワイヤ集合体耐火物内壁との間に交換式ライニング用壁容積を、前記基礎の上方に交換式ライニング用底部容積を形成するステップと、
前記交換式ライニング用壁容積および前記交換式ライニング用底部容積に、交換式ライニング耐火物を供給するステップと、
前記交換式ライニング用モールドを取り外して、前記電気誘導炉の内部容積を形成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの連続したワイヤが、前記ワイヤ集合体耐火物用モールドの周囲に編まれた単一の電気的に連続したワイヤを備える、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記単一の電気的に連続したワイヤの上部および下部ループを切断して、前記ワイヤ集合体耐火物内で前記交換式ライニングの外周に互いに水平に間隔をおいて配置された、複数の垂直に方向付けられたワイヤを形成すること、ならびに前記複数の垂直に方向付けられたワイヤを、集電ワイヤで電気的につなぎ合わせることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記基礎の上方かつ前記交換式ライニング用底部容積の下方にある底部耐火物に埋設された、少なくとも1つの連続したもしくは不連続な底部導電性メッシュ、または少なくとも1つの底部導電性ワイヤ集合体を取り付けるステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの連続したワイヤのそれぞれから、炉電気接地接続部まで、ライニング摩耗検出回路を設置するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ライニング摩耗検出回路用の少なくとも1つの検出器を設置するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの連続したもしくは不連続な底部導電性メッシュ、または前記少なくとも1つの底部導電性ワイヤ集合体のそれぞれから、炉電気接地接続部まで、底部ライニング摩耗検出回路を設置するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記底部ライニング摩耗検出回路用の少なくとも1つの検出器を設置するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気誘導炉に関し、詳細には、電気誘導炉内の炉ライニングの摩耗の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、炉に使用される交換式耐火ライニングに関連する、典型的な電気誘導炉の構成要素を示す。交換式ライニング12(図では点描で示す)は、炉の内壁に内張りして、内部炉容積14を形成するために使用される、高い融点を有する材料からなる。容積14内には、金属または他の導電性材料が配置され、電気誘導によって加熱および溶解される。誘導コイル16が炉の外側高さの少なくとも一部を取り囲み、コイルを流れる交流が磁束を生成し、磁束が容積14内に配置された材料と結合して、材料を誘導的に加熱および溶解する。炉の基礎18は、耐火煉瓦や鋳塊などの適当な材料から形成されている。コイル16は、コイル用の断熱および保護材料として機能する、こて塗り可能な耐火(グラウト)材料20または他の耐火物に埋設することができる。典型的な炉接地漏れ検出システムは、図に示すようにライニング12の底部を通って溶解容積14内に、溶解容積内に突出したワイヤ端部22a’が突出した、プローブワイヤ22aを含む。ワイヤ22aは、炉電気接地(GND)に接続された電気接地線22bに接続されている。炉接地漏れ検出システムに使用されるワイヤ22aまたは他の構成は、本明細書では全体として接地プローブと呼ばれてもよい。
【0003】
容積14内での繰り返される溶解のために炉を使用するにつれて、ライニング12は徐々に消耗する。ライニング12は、炉の耐用期間内のある時点後に、炉の再内張りプロセスにおいて補充される。安全な炉運転に反し、耐火物製造業者および設置業者の勧告を無視することではあるが、炉のオペレータが、炉容積14内部の溶融金属とコイル16との間の耐火ライニング12が、炉コイル16が損傷して修理を要し、かつ/または基礎18が損傷して修理を要する状態に劣化するまで、再内張りを自主的に遅らせることにすることがある。このような場合、炉の再内張りプロセスは広範囲にわたるようになる。
【0004】
米国特許第7090801号明細書は、少なくとも部分的に導電性の表面を有するいくつかの導体部と、測定/表示装置とからなる閉回路を含む、溶解炉用の監視装置を開示している。櫛形の第1の導体部が、オーム抵抗器Rを介して第2の導体部に直列接続されている。櫛形の第1の導体部は、耐火ライニングに取り付けられ、第2の導体部と直接隣接するが電気的に絶縁されて配置されている。
【0005】
米国特許第6148018号明細書は、炉床から炉への熱流の検出に応じて炉壁への金属侵入を検知する検出システムを含む、誘導溶解炉を開示している。誘導コイルと耐火ライニングに対する裏当てとして機能する滑り面材との間には、電極システムが介在する。電極システムは、電源からの試験信号を受信する検知マット収容導体を備え、検知マットは、ライニングを通じた熱侵入に応じて導体間の導電率を変える感温結合剤を含む。
【0006】
米国特許第5319671号明細書は、炉ライニングに配置された電極を有する装置を開示している。電極は、異なる極性の2つの群に分割されており、互いに間隔をおいて配置されている。電極群は、炉ライニングの温度依存性電気抵抗を求める装置に接続することができる。電極の少なくとも1つは、セラミック箔の第1の面に電極網として配置されている。セラミック箔の第1の面と反対の面のいずれかが、炉ライニングに配置されている。箔は、前者の場合、炉ライニングのセラミック材料よりも低い熱伝導率、および低い電気伝導率を有し、後者の場合、ほぼ等しいかまたは高い熱伝導率、およびほぼ等しいかまたは高い電気伝導率を有する。
【0007】
米国特許第1922029号明細書は、炉ライニングに挿入されて制御回路の1つの接点を形成するシールドを開示している。シールドは板金製であり、円筒を形成するように曲げられている。金属が炉の内部から漏出すると、シールドと接触し、信号回路が閉じる。
【0008】
米国特許第1823873号明細書は、炉ライニング内に位置し、誘導コイルから間隔をおいて配置された接地シールドを開示している。実質的に開いた円環形の金属製の上部導管が設けられており、やはり開いた円環形の金属製の下部導管も設けられている。複数の相対的に小さい金属製のパイプまたは導管が、2つのより大きい導管の間に延在し、そこに流体密に固定されている。保護シールドに接続された接地が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第7090801号明細書
【文献】米国特許第6148018号明細書
【文献】米国特許第5319671号明細書
【文献】米国特許第1922029号明細書
【文献】米国特許第1823873号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一目的は、炉が適切に運転および保守されているときにライニング摩耗による炉コイル損傷および/または底部基礎損傷を避けるのに役立つことができる、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、別個のワイヤ集合体耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を利用するライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様では、本発明は、電気誘導炉用のライニング摩耗検出システムを提供する装置および方法である。
【0013】
別の態様では、本発明は、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉である。交換式炉ライニングが、内側境界面および外側境界面を有し、内側境界面は、導電性材料を誘導加熱および溶解のためにその中に置くことができる、電気誘導炉の内部容積を形成する。少なくとも1つの誘導コイルが、交換式ライニングの外側高さを取り囲む。炉接地回路が、電気誘導炉の内部容積内に突出した1つまたは複数の接地プローブにある第1の端部と、電気誘導炉の外部の電気接地接続部にある第2の端部とを有する。少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体が、交換式ライニングの壁の外側境界面と誘導コイルとの間に配置されたワイヤ集合体耐火物に埋設されている。各導電性ワイヤ集合体は、それが埋設されたワイヤ集合体耐火物と、交換式ライニングとの間に、電気的に不連続な境界を形成する。直流電圧源が、導電性ワイヤ集合体に接続された正電位と、電気接地接続部に接続された負電位とを有する。導電性ワイヤ集合体に接続された正電位から、電気接地接続部に接続された負電位まで、ライニング摩耗検出回路が形成され、それにより、交換式ライニングの壁が消耗するにつれて、ライニング摩耗検出回路内の直流漏れ電流レベルが変化する。各導電性ワイヤ集合体用のライニング摩耗検出回路のそれぞれには、直流漏れ電流レベルの変化を検出するために検出器を接続することができ、あるいは、複数のライニング摩耗検出回路に、単一の検出器を切替可能に接続することができる。
【0014】
別の態様では、本発明は、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作方法である。巻かれた誘導コイルを基礎の上方に配置し、巻かれた誘導コイルの周りに耐火物を設置して、耐火物埋設誘導コイルを形成することができる。巻かれた誘導コイルの内側にワイヤ集合体耐火物用モールドを配置して、ワイヤ集合体耐火物用モールドの外壁と、耐火物埋設誘導コイルの内壁との間に、ワイヤ集合体耐火物用容積を設ける。ワイヤ集合体耐火物用モールドの外壁の周りに、少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体を取り付ける。ワイヤ集合体耐火物用容積にワイヤ集合体耐火物を供給し、少なくとも1つの導電性ワイヤ集合体をワイヤ集合体耐火物に埋設して、埋設ワイヤ集合体耐火物を形成する。ワイヤ集合体耐火物用モールドを取り外し、埋設ワイヤ集合体耐火物容積の内部に交換式ライニング用モールドを配置して、交換式ライニング用モールドの外壁と埋設ワイヤ集合体耐火物の内壁との間に交換式ライニング用壁容積を、基礎の上方に交換式ライニング用底部容積を確立する。交換式ライニング用壁容積および交換式ライニング用底部容積に、交換式ライニング耐火物を供給し、交換式ライニング用モールドを取り外す。
【0015】
別の態様では、本発明は、炉が適切に運転および保守されているときに炉ライニング摩耗を検出することができる、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導加熱または溶解炉である。
【0016】
本発明のこれらおよび他の態様は、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0017】
図は、明細書および特許請求の範囲と共に、1つまたは複数の非限定的な本発明の実施方式を示す。本発明は、例示するレイアウトおよび図面の内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電気誘導炉の一例の簡略断面図である。
図2】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の断面図である。
図3(a)】図2に示す電気誘導炉に使用される導電性メッシュ、ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路の一例を平面図で示す。
図3(b)】図2に示す電気誘導炉の周囲に設置された形状の図3(a)に示す導電性メッシュを頂面図で示す。
図4】底部導電性メッシュを含む本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の別の例の断面図である。
図5(a)】底部ライニング摩耗検出に使用される代替の底部導電性メッシュ、底部ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路を頂面図で示す。
図5(b)】底部ライニング摩耗検出に使用される代替の底部導電性メッシュ、底部ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路を頂面図で示す。
図6(a)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(b)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(c)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(d)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(e)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(f)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図6(g)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の製作を示す。
図7】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される、キャスト流動性耐火物に埋設された導電性メッシュの一例の詳細である。
図8】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の別の例の断面図である。
図9(a)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性メッシュ、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図9(b)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性メッシュ、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図9(c)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性メッシュ、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図9(d)】ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性メッシュ、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図10】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の一例の断面図である。
図11(a)】図10に示す電気誘導炉に使用される導電性ワイヤ集合体、ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路の一例を平面図で示す。
図11(b)】図10に示す電気誘導炉の周囲に設置された形状の、ワイヤ集合体耐火物に埋設された図11(a)に示す導電性ワイヤ集合体を頂面図で示す。
図12(a)】図10に示す炉容積内で使用できる導電性ワイヤ集合体、ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路の別の例を平面図で示す。
図12(b)】図10に示す電気誘導炉の上部周囲に図12(a)に示す導電性ワイヤ集合体を設置するために使用される固定具の一例を頂面図で示す。
図12(c)】図12(b)に示す固定具の一例を部分立面図で示す。
図12(d)】図12(b)に示す固定具の周りに連続した導電性ワイヤ集合体を編む一例を部分立面図で示す。
図12(e)】図10に示す電気誘導炉の下部周囲に図12(a)に示す導電性ワイヤ集合体を設置するために使用される固定具の一例を部分立面図で示す。
図13】底部導電性メッシュまたはワイヤ集合体を含む本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の別の例の断面図である。
図14(a)】本発明の実施例で底部ライニング摩耗検出に使用される底部ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路を有する、代替の底部導電性不連続メッシュを頂面図で示す。
図14(b)】本発明の実施例で底部ライニング摩耗検出に使用される底部ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路を有する、代替の底部導電性連続メッシュを頂面図で示す。
図14(c)】本発明の実施例で底部ライニング摩耗検出に使用される底部ライニング摩耗検出回路、ならびに制御および/または表示(検出器)回路を有する、代替の底部導電性ワイヤ集合体を頂面図で示す。
図15(a)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(b)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(c)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(d)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(e)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(f)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(g)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図15(h)】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の代替例の製作を示す。
図16】本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される、耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体の一例の詳細である。
図17】ワイヤ集合体埋設耐火物に埋設された導電性ワイヤ集合体を使用する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の別の例の断面図である。
図18(a)】本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性ワイヤ集合体、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図18(b)】本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性ワイヤ集合体、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
図18(c)】本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉に使用される導電性ワイヤ集合体、ライニング摩耗検出回路、および検出器の代替構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2には、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉10の一例が示してある。コイル16と交換式炉ライニング12との間には、キャスト流動性耐火物24が配置されている。この実施例では、ライニング12の外側境界に隣接するキャスタブル耐火物24の内側境界内に、導電性メッシュ26(たとえばステンレス鋼メッシュ)が埋設されている。適当なメッシュの非限定的な一例は、メッシュサイズが4×4、ワイヤ径が0.028~0.032インチ、開口幅が0.222~0.218インチの304型ステンレス鋼溶接ワイヤクロスから形成されている。この実施例について図3(a)および図3(b)に示すように、メッシュ26は、キャスタブル耐火物24とライニング12との間に、ライニング壁の外側境界の上部(26TOP)から下部(26BOT)まで、不連続な円筒状メッシュ境界を形成する。メッシュ26の一方の垂直側部26aが、炉電気接地(GND)に接続されたその他方の端子を有する直流(DC)電圧源Vdcなどの適当な電圧源によって確立することができる正電位に、適当に接続されている。導電性メッシュに接続された正電位と、炉電気接地に接続された負電位との間には、ライニング摩耗検出回路が形成されている。メッシュ26内の垂直不連続部26c(この実施例ではライニングの高さに沿っている)が、メッシュ26の対向する垂直側部26aおよび26bの間の短絡を防止する寸法に作られる。あるいは、メッシュは、メッシュがそれ自体から電気的に絶縁されるように製作してもよく、たとえば、メッシュの2つの重なり合う端部(この実施例では側部26aおよび26b)の間に、電気絶縁層を設けることができる。図3(a)に示すように、電圧源回路は、変流器などの適当な回路素子を介して、制御および/または表示回路に接続することができる。制御および/または表示回路は、総称して検出器と呼ばれる。炉の耐用期間中にライニング12が徐々に消耗するにつれて、直流漏れ電流が増加することになり、これを制御/表示回路内で検知することができる。特定の炉設計については、炉が適切に運転および保守されているときにライニング交換を表示するための漏れ電流増加レベル設定点を確立することができる。
【0020】
いくつかの実施例では、図2に示す壁ライニング摩耗検出システムに加えて、たとえば図4に示すように、底部ライニング摩耗検出システムを設けてもよい。図4では、導電性底部メッシュ30が、炉の底部でライニング12の下側境界に隣接した状態でキャスト流動性耐火物28内に配置されている。図5(a)に示すように、この実施例では、底部メッシュ30は、底部キャスト流動性耐火物28とライニング12の底部との間に、不連続な円形メッシュ境界を形成する。他の実施例では、底部メッシュ境界を、底部キャスト流動性耐火物28とライニング12の底部との間に、図5(b)に示すような連続した円形メッシュ30’から形成してもよい。不連続な実施例では、底部メッシュ30の不連続な半径方向辺30aが、炉電気接地(GND)に接続されたその他方の端子を有する適当な電圧源V’dcによって確立される正電位に、適当に接続されている。導電性底部メッシュに接続された正電位と、炉電気接地に接続された負電位との間には、底部ライニング摩耗検出回路が形成されている。使用する場合、メッシュ30内の半径方向不連続部30cが、メッシュ30の対向する半径方向辺30aおよび30bの間の短絡を防止する寸法に作られる。あるいは、メッシュは、メッシュがそれ自体から電気的に絶縁されるように製作してもよく、たとえば、メッシュの2つの重なり合う端部(この実施例では半径方向辺30aおよび30b)の間に、電気絶縁層を設けることができる。図5(a)に示すように、底部ライニング摩耗検出回路は、総称して検出器と呼ばれる底部ライニング摩耗制御および/または表示回路に接続することができる。炉の耐用期間中にライニング12の底部が徐々に消耗するにつれて、直流漏れ電流が増加することになり、これを底部ライニング摩耗制御および/または表示回路内で検知することができる。特定の炉設計については、炉が適切に運転および保守されているときに底部ライニング摩耗に基づいてライニング交換を表示するための漏れ電流増加レベル設定点を確立することができる。
【0021】
図に示した不連続な側壁および底部メッシュの特定の構成は、特定用途に必要な際の不連続なメッシュ構成の一例である。不連続性の目的は、炉の運転中にコイルが適当な交流電源に接続されたときに交流が誘導コイル16を流れると発生する磁束との誘導結合による、必要な際のメッシュの渦電流加熱を防止することである。したがって、メッシュ構成が、特定用途に必要な際のメッシュのこうした誘導加熱を防止する限り、側壁および底部メッシュの他の構成を受け入れ可能である。同様に、ライニング摩耗検出回路ならびに制御および/または表示回路へのメッシュの電気的接続の構成は、特定の炉設計によって異なることができる。特定の電気誘導炉の物理的構成によっては、連続した底部および/または側壁メッシュは過度の渦電流加熱なしに満足のいくものであることもある。
【0022】
いくつかの実施例では、耐火物埋設壁メッシュ26は、ライニング12の全垂直高さにわたって、すなわち、たとえば図8に示すように、炉ライニングの下部(12BOT)から、特定の炉についての公称設計溶解ライン25の上方にある炉ライニングの最上部(12TOP)まで、延在してもよい。
【0023】
他の用途では、壁メッシュ26を、ライニング12の垂直高さに沿った1つまたは複数の選択された分離した領域内に設けてもよい。たとえば、図9(a)および図9(b)では、壁メッシュは、互いに電気的に絶縁され、別個のライニング摩耗検出回路に接続された、2つの垂直の導電性メッシュ36aおよび36bを備え、したがって、ライニング摩耗がいずれか一方の炉ライニングの半分側にあると診断することができる。この実施例では、2つのメッシュ36aおよび36bの垂直高さに沿って、2つの電気的不連続部38a(垂直側部37aおよび37dの間に形成されている)、および38b(垂直側部37bおよび37cの間に形成されている)がある。さらに、任意の複数の別個の垂直に方向付けられ電気的に絶縁された壁メッシュ領域を、各別個の壁メッシュ領域が別個のライニング摩耗検出回路に接続された状態で、ライニング12の垂直高さに沿って設けてもよく、したがって、ライニング摩耗が壁メッシュ領域のうちの1つにあると突き止めることができる。あるいは、図9(c)に示すように、複数の導電性メッシュ46a~46dを、各電気的に絶縁されたメッシュが別個のライニング摩耗検出回路ならびに制御および/または表示回路(D)に接続された状態で、水平に方向付けることができ、したがって、ライニング摩耗が絶縁されたメッシュ領域のうちの1つにあると突き止めることができる。最も一般的には、図9(d)に示すように、複数の導電性メッシュ56a~56pを、各導電性メッシュが、別個のライニング摩耗検出回路ならびに制御および/または表示回路(図示せず)に接続された状態で、交換式ライニング壁の高さの周りに配列することができ、したがって、ライニング摩耗が絶縁されたメッシュ領域のうちの1つにあると突き止めることができ、これらの領域は、X座標がライニングの周囲の位置を定義し、Y座標がライニングの高さに沿った位置を定義する、交換式ライニング壁の周囲の2次元X-Y座標系によって定義することができる。
【0024】
同様に、底部メッシュ30は、いくつかの実施例では、交換式ライニング12の底部全体より小さく被覆してもよく、または、多数の電気的に絶縁された底部メッシュを、電気的に絶縁された底部メッシュのそれぞれが別個のライニング摩耗検出回路に接続された状態で備えてもよく、したがって、ライニング摩耗が底部メッシュ領域のうちの1つにあると突き止めることができる。
【0025】
上記の実施例の各ライニング摩耗検出回路と共に使用される別個の検出器(制御および/または表示回路)の代わりに、2つ以上の電気的に絶縁されたメッシュに関連付けられたライニング摩耗検出回路に、単一の検出器を切替可能に接続することができる。
【0026】
図は、別個の壁および底部ライニング摩耗検出システムを示すが、いくつかの実施例では、(1)単一のライニング摩耗検出回路および検出器を有する、一体キャスト流動性耐火物に埋設された連続した側面および底部メッシュを設けること、または(2)共通のライニング摩耗検出回路および検出器を有する、キャスト流動性耐火物に埋設された別個の側面および底部メッシュを設けることのいずれかによって、組み合わされた壁および底部ライニング摩耗検出システムを設けてもよい。
【0027】
図6(a)~図6(f)は、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作の一例を示す。誘導コイル16を製作し(典型的には巻き)、適当な基礎18の上方に配置することができる。図6(a)に示すように、こて塗り可能な耐火(グラウト)材料20、または他の耐火物を、従来技術と同様にコイルの周りに設置することができる。工業所有権によって保護されている1つの適当なこて塗り可能な耐火材料20は、INDUCTOCOAT(商標)35AF(ニュージャージー州ランコカスのInductotherm Corp.から入手可能)である。底部ライニング摩耗検出システムを使用する場合、図6(b)に示すように、底部メッシュ30を基礎18の上部に取り付けて、キャスト流動性耐火物に、キャスト流動性耐火物を底部メッシュ30の周りに流し込むことによって埋設することができ、したがってメッシュを、耐火物が固化した後に耐火物内に埋設する。あるいは、底部メッシュを、別個のモールドでキャスト流動性耐火物28で成型することができ、次いで、キャスト流動性耐火物が固化した後に、キャスト耐火物埋設底部メッシュを炉の底部に設置することができる。
【0028】
図6(c)に示すように、コイル16および耐火材料20によって形成された容積内に、たとえば開口した直円柱の形状をした、適当な一時的なキャスト流動性耐火物用モールド90(または型枠を形成するモールド)を配置して、耐火材料20とモールドの外壁周囲との間に、キャスト流動性耐火物用環状容積を形成する。図6(e)に示すように、一時的なモールド90の外周にメッシュ26を取り付け、キャスト流動性耐火物用環状容積にINDUCTOCOAT(商標)35AF-FLOW(ニュージャージー州ランコカスのInductotherm Corp.から入手可能)などのキャスト流動性耐火物24を流し込んで、硬化されたキャスタブル耐火物24を載置および形成することができる。耐火物が固化前に型枠内の所定の位置にしっかりと落ち着くように、振動コンパクタを使用して、閉じ込められた空気および過剰な水をキャスト流動性耐火物から放出することができる。メッシュ26は、キャスト流動性耐火物24がキャスト流動性耐火物用環状容積の内部で固化するときに、少なくとも部分的にキャスト流動性耐火物24に埋設されることになる。他の実施例では、メッシュ26は、キャスト流動性耐火物24の厚さt内のどこかに埋設することができる。たとえば、図7に示すように、メッシュ26は、キャスト流動性耐火物24の内壁周囲から距離t1だけオフセットしている。オフセット埋設は、キャスト流動性耐火物を流し込む前に、図6(d)に示すようにモールド90の外周に適当なスタンドオフ91を設置し、次いで、スタンドオフの周りにメッシュ26を取り付けることによって、実現できる。本明細書で使用する最も広い意味では、キャスト流動性耐火物に「埋設された」メッシュという術語は、メッシュが、耐火物内で耐火物の表面境界に固定されているか、または、完全にではないが十分に耐火物の表面境界に埋設されているかのいずれであり、したがって、耐火物が固化した後に、メッシュが耐火物内の所定の位置に維持されるものとして、理解される。
【0029】
図6(f)に示すように、キャスト流動性耐火物24が固化した後に、一時的なモールド90を取り外し、(埋設されたメッシュ26を有する)固化したキャスト流動性耐火物24によって形成された容積内に、内部炉容積14の境界壁および底部に一致するような形状の交換式ライニング用モールド92を配置して、固化したキャスト流動性耐火物24とライニング用モールド92の外壁周囲との間に、交換式ライニング用環状容積を形成することができる。次いで、従来の手順に従って、ライニング用容積に従来の粉末状の耐火物を供給することができる。ライニング用モールド92が導電性モールド材から形成されている場合、従来の手順に従って、ライニング用モールド92を所定の位置で加熱および溶解して、炉容積14の境界を形成するライニング耐火物層を焼結することができる。あるいは、ライニング用モールドを取り外してもよく、直接熱を加えることによってライニング耐火物層の焼結を達成してもよい。
【0030】
典型的には粉末状の耐火物である交換式ライニング耐火物と、導電性メッシュが埋設されるキャスト流動性耐火物とは区別される。キャスト流動性耐火物は、導電性メッシュを耐火物に埋設することができるように使用されることが好ましい。キャスト流動性耐火物は、本明細書ではキャスタブル耐火物および流動性耐火物とも呼ばれる。
【0031】
図6(g)は、典型的な炉接地漏れ検出システムプローブワイヤ22aと、炉電気接地(GND)に接続された電気接地線22bとを追加した、ライニング摩耗検出システムの一例を有する電気誘導炉を示す。
【0032】
上記で説明し、図6(a)~図6(g)に示す製作プロセスは、ライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作ステップの一例を示す。追加の従来の製作ステップを、炉建設を完了するために必要としてもよい。
【0033】
図10には、本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉11の一例が示してある。コイル16と交換式炉ライニング12との間には、壁耐火物23が配置されており、ワイヤ集合体耐火物23とも呼ばれる。壁耐火物は、キャスタブルまたはこて塗り可能な耐火物でもよい。本発明のこの実施例では、ライニング12の外側境界に隣接する壁耐火物23の内側境界内に、導電性ワイヤ集合体27が埋設されており、壁耐火物23は、ワイヤ集合体耐火物とも呼ばれる。適当な導電性ワイヤ集合体の非限定的な一例は、誘導炉の特定の形態に応じて、18~10AWGの範囲内のステンレスまたは銅ニッケル撚線の集合体から形成されている。本発明の他の構成では、他のタイプの導電性ワイヤを、特定用途に適しているとして使用してもよい。特定用途でアーク放電が問題の場合、ワイヤは裸でもまたは絶縁されていてもよい。いくつかの用途では単線を使用してもよいが、撚線が好ましい。図11(a)および図11(b)に示すように、本発明のこの実施例については、導電性ワイヤ集合体27は、ワイヤ集合体耐火物23と消耗ライニング12との間に、交換式ライニング壁の外側境界の上部(26TOP)から下部(26BOT)まで、垂直ワイヤケージを形成して、交換式ライニング壁12を誘導コイル16から隔てる。本発明のこの実施例では、26本の垂直ワイヤ271~2726が、ワイヤ集合体耐火物23の周囲に垂直に互いに間隔をおいて配置されている。本発明のこの実施例では、26本の垂直に方向付けられたワイヤは、複数のタップコネクタまたはワイヤラグ31から本発明のこの実施例の導電性ワイヤ集合体27の底部集電ワイヤまで形成された集電ワイヤ29などの適当な電気的接続手段によって、電気的に互いに接続されている。
【0034】
より一般的には、使用される垂直ワイヤの数は、特定の誘導炉の形態によって決まり、ライザ保護ワイヤと呼ばれる。本発明の上記の実施例では、垂直に方向付けられたライザ保護ワイヤを示してあるが、他の実施例では、ワイヤ集合体耐火物23の周囲のライザ保護ワイヤの構成は、螺旋形態などの他の形態でもよい。本発明の上記の実施例では、底部集電ワイヤが使用されているが、集電ワイヤは、ライザ保護ワイヤの上端部と下端部との間のどこかに位置してもよく、特定用途によっては2本以上の集電ワイヤがあってもよい。
【0035】
本発明の上記の実施例では、集電ワイヤ29は、炉電気接地(GND)に接続されたその他方の(負)端子を有する直流(DC)電圧源Vdcなどの適当な電圧源によって確立することができる正電位に、単一の端子点T1で接続されている。導電性ワイヤ集合体27に接続された正電位と、炉電気接地に接続された負電位との間には、ライニング摩耗検出回路が形成されている。図11(a)に示すように、電圧源回路は、変流器などの適当な回路素子を介して、制御回路および/または表示回路に接続することができる。あるいは、漏れ電流の直接測定は、これに限定するものではないが、電流シャント抵抗器などの適当な直接測定装置を備えることができる。制御および/または表示回路は、総称して検出器と呼ばれる。炉の耐用期間中に消耗ライニング12が徐々に消耗するにつれて、直流漏れ電流が増加することになり、これを制御/表示回路内で検知することができる。特定の炉設計については、炉が適切に運転および保守されているときにライニング交換を表示するための漏れ電流増加レベル設定点を確立することができる。
【0036】
図12(a)は、図11(a)に示す保護ライザワイヤの代替案を示す。図12(a)では、保護ライザワイヤ35とも呼ばれる単一の連続したライザワイヤ35が、誘導炉の上部および下部周囲にライザワイヤを編むことによって設けられている。図12(b)および図12(c)に示すような上部ワイヤ集合体固定具(取付具)51が、単一の連続したワイヤ35を編むことを容易にするために使用される。固定具51は、概して円筒形であり、設置中に炉の上部で連続したライザワイヤ35の転回を容易にする、上部ワイヤ転回ノッチ51’を有する。各ワイヤ転回ノッチ51’は、図12(c)および図12(d)の断面図に見られるように、概して半円形の切欠き容積を備え、これは、各ワイヤ転回ノッチ51’の底部にあるワイヤ収容サブノッチ51’’へのワイヤの迅速な挿入を可能にするために、連続したライザワイヤ35の断面直径よりも断面が大きい。各ワイヤ収容サブノッチ51’’は、ワイヤ35の断面直径よりもわずかに大きい断面直径を有する。上から下までの編み方向におけるワイヤ収容サブノッチ51’’の偏心(図12(c)に矢形で示す)は、ライザワイヤの転回を炉の上部で上向き方向から下向き方向へ180度にするのに役立つ。図12(e)に示すような下部ワイヤ集合体固定具(取付具)52が、組立て中に誘導炉の底部で連続したライザワイヤ35を編むことを容易にするために設けられる。下部固定具52は、図に示すように、180度回転させた上部固定具51に類似しており、相補配置された下部ワイヤ転回ノッチ52’およびワイヤ収容サブノッチ52’’を有する。上部および下部固定具は、電気誘導炉の製作中に使用されるとき、それぞれワイヤ集合体耐火物の上部および下部に、または上部および下部に隣接して、一時的に配置される。
【0037】
本発明のいくつかの実施例では、図11(a)および図11(b)に示す壁ライニング摩耗検出システムの1つに加えて、たとえば図14(a)、図14(b)、または図14(c)に代替的に示すように、底部ライニング摩耗検出システムを設けてもよい。図13では、導電性の不連続な底部メッシュ30、連続した底部メッシュ30’、またはワイヤ集合体30’’が、底部メッシュ30が炉の底部でライニング12の下側境界に隣接した状態で底部耐火物28内に配置されている。図14(a)に示す底部ライニング摩耗検出システムについては、底部メッシュ30は、底部耐火物28とライニング12の底部との間に、電気的に不連続な円形メッシュ境界を形成する。本発明の代替用途では、底部メッシュ境界は、底部キャスト流動性耐火物28とライニング12の底部との間に、図14(b)に示すような連続した円形メッシュ30’から形成してもよく、または、図14(c)に示すような、底部集電ワイヤ30’’bによって相互接続された複数の電気的に絶縁された底部直線ワイヤ30’’aを有する、1つもしくは複数の導電性ワイヤ集合体30’’から形成してもよい。電気的に不連続な底部メッシュ30が使用される本発明の実施例では、底部メッシュ30の少なくとも1つの不連続な半径方向辺30aが、炉電気接地(GND)に接続されたその他方の端子を有する適当な電圧源V’dcによって確立される正電位に、適当に接続されている。導電性底部メッシュまたはワイヤ集合体に接続された正電位と、炉電気接地に接続された負電位との間には、底部ライニング摩耗検出回路が形成されている。それが使用される用途では、メッシュ30内の少なくとも1つの半径方向電気的不連続部30cが、メッシュ30の対向する半径方向辺30aおよび30bの間の短絡を防止する寸法に作られ、特定用途に必要な際は、図14(a)に示すような複数の不連続部30c,30c’,および30c’’を含んでもよい。本発明の代替用途では、底部メッシュ境界は、底部キャスト流動性耐火物28とライニング12の底部との間に、図14(b)に示すような連続した円形メッシュ30’から形成してもよく、または、図14(c)に示すような1つもしくは複数の導電性ワイヤ集合体30’’から形成してもよい。あるいは、メッシュは、メッシュがそれ自体から電気的に絶縁されるように製作してもよい。図14(a)、図14(b)、および図14(c)の代替構成に示すように、底部ライニング摩耗検出回路は、総称して検出器と呼ばれる底部ライニング摩耗制御および/または表示回路に接続することができる。炉の耐用期間中にライニング12の底部が徐々に消耗するにつれて、直流漏れ電流が増加することになり、これを底部ライニング摩耗制御および/または表示回路内で検知することができる。特定の炉設計については、炉が適切に運転および保守されているときに底部ライニング摩耗に基づいてライニング交換を表示するための漏れ電流増加レベル設定点を確立することができる。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、導電性ワイヤ集合体27または35は、ライニング12の全垂直高さにわたって、すなわち、たとえば導電性ワイヤ集合体27について図17に示すように、炉ライニングの下部(12BOT)から、特定の炉についての公称設計溶解ライン25の上方にある炉ライニングの最上部(12TOP)まで、延在してもよい。
【0039】
他の用途では、導電性ワイヤ集合体27を、ライニング12の垂直高さに沿った1つまたは複数の選択された分離した領域内に設けてもよい。たとえば、図18(a)では、導電性ワイヤ集合体は、互いに電気的に絶縁され、別個のライニング摩耗検出回路に接続された、2つの垂直の導電性ワイヤ集合体53aおよび53bを備え、したがって、ライニング摩耗がいずれか一方の炉ライニングの半分側にあると検知することができる。さらに、任意の複数の別個の垂直に方向付けられ電気的に絶縁された壁導電性ワイヤ集合体領域を、各別個の壁領域が別個のライニング摩耗検出回路に接続された状態で、ライニング12の垂直高さに沿って設けてもよく、したがって、ライニング摩耗が壁領域のうちの1つにあると突き止めることができる。あるいは、図18(a)の複数の導電性ワイヤ集合体53aおよび53bを、各電気的に絶縁された導電性ワイヤ集合体が別個のライニング摩耗検出回路ならびに制御および/または表示回路(D)に接続された状態で、水平に方向付けることができ、したがって、ライニング摩耗が絶縁されたワイヤ集合体領域のうちの1つにあると突き止めることができる。1つまたは複数の垂直ライザは、異なる方向に方向付けられてもよい。たとえば、図18(b)の炉の最上部にあるワイヤ集合体55aは、水平に方向付けられた保護ワイヤを有し、一方、ワイヤ集合体55b,55c,および55dは垂直に方向付けられている。最も一般的には、図18(c)に示すように、複数の導電性ワイヤ集合体59a~59pを、各導電性ワイヤ集合体が、制御および/または表示回路を有する別個のライニング摩耗検出回路(D)に接続された状態で、交換式ライニング壁の高さの周りに配列することができ、したがって、ライニング摩耗が絶縁された導電性ワイヤ集合体領域のうちの1つにあると突き止めることができ、これらの領域は、X(水平)座標がライニングの周囲の位置を定義し、Y(垂直)座標がライニングの高さに沿った位置を定義する、交換式ライニング壁の周囲の2次元X-Y座標系によって定義することができる。
【0040】
同様に、底部の不連続なメッシュ30,連続したメッシュ30’、もしくはワイヤ集合体30’’は、本発明のいくつかの実施例では、交換式ライニング12の底部全体より小さく被覆してもよく、または、多数の電気的に絶縁された底部メッシュもしくはワイヤ集合体を、電気的に絶縁された底部メッシュもしくはワイヤ集合体のそれぞれが別個のライニング摩耗検出回路に接続された状態で備えてもよく、したがって、ライニング摩耗が底部メッシュもしくはワイヤ集合体領域のうちの1つにあると突き止めることができる。
【0041】
上記の実施例の各ライニング摩耗検出回路用の別個の検出器(制御および/または表示回路)の代わりに、本発明の全ての実施例の2つ以上の導電性メッシュまたはワイヤ集合体に関連付けられたライニング摩耗検出回路に、単一の検出器を切替可能に接続することができる。
【0042】
図は、別個の壁導電性ワイヤ集合体および底部ライニング摩耗検出システムを示すが、本発明のいくつかの実施例では、(1)単一のライニング摩耗検出回路および検出器を有する、耐火物に埋設された連続した側面導電性ワイヤ集合体および底部メッシュもしくはワイヤ集合体を設けること、または(2)共通のライニング摩耗検出回路および検出器を有する、耐火物に埋設された別個の側面導電性ワイヤ集合体および底部メッシュもしくはワイヤ集合体を設けることのいずれかによって、組み合わされた壁導電性ワイヤ集合体および底部ライニング摩耗検出システムを設けてもよい。
【0043】
図15(a)~図15(h)は、側面導電性ワイヤ集合体を有する本発明のライニング摩耗検出システムを有する電気誘導炉の製作の例を示す。誘導コイル16を製作し(典型的には巻き)、適当な基礎18の上方に配置することができる。図15(a)に示すように、こて塗り可能な耐火(グラウト)材料20、または他の適当な耐火物を、従来技術と同様にコイルの周りに設置することができる。工業所有権によって保護されている1つの適当なこて塗り可能な耐火材料20は、INDUCTOCOAT(商標)35AF(ニュージャージー州ランコカスのInductotherm Corp.から入手可能)である。底部ライニング摩耗検出システムを使用する場合、図15(b)に示すように、代替の不連続なもしくは連続した底部メッシュ30もしくは30’、またはワイヤ集合体30’’を、基礎18の上部に取り付けて、底部耐火物、たとえばキャスト流動性耐火物に、キャスト流動性耐火物を選択された底部メッシュまたはワイヤ集合体の周りに流し込むことによって埋設することができ、したがってメッシュまたはワイヤ集合体を、耐火物が固化した後に耐火物内に埋設する。あるいは、底部メッシュまたはワイヤ集合体を、別個のモールドで耐火物28で成型することができ、次いで、キャスト流動性耐火物が固化した後に、キャスト耐火物埋設底部メッシュまたはワイヤ集合体を炉の底部に設置することができる。
【0044】
図15(c)に示すように、コイル16および耐火材料20によって形成された容積内に、たとえば開口した直円柱の形状をした、適当な一時的なキャスト流動性耐火物用モールド90(または型枠を形成するモールド)を配置して、耐火材料20とモールドの外壁周囲との間に、ワイヤ集合体耐火物用環状容積を形成する。モールド90は、ワイヤ集合体耐火物用モールドとも呼ばれる。図15(f)に示すように、一時的なモールド90の外周に、たとえば図11(a)に示すような導電性ワイヤ集合体27を取り付け、ワイヤ集合体耐火物用環状容積にINDUCTOCOAT(商標)35AF-FLOW(ニュージャージー州ランコカスのInductotherm Corp.から入手可能)などのワイヤ集合体耐火物23を流し込んで、硬化されたワイヤ集合体耐火物23を載置および形成することができる。
【0045】
あるいは、図12(a)に示す導電性ワイヤ集合体35のために、図15(d)では、一時的な上部ワイヤ集合体固定具(または取付具)51を、一時的なモールド90の上部に、または上部に隣接して配置する。本発明のこの実施例では、一時的な下部ワイヤ集合体固定具(または取付具)52を、一時的なモールド90の下部に、または下部に隣接して配置し、図12(d)にさらに示すように上部および下部取付具を使用することによって、連続した導電性ワイヤ35を一時的なモールドの外周に垂直に編み、ワイヤ35を編んだ後にこの一時的な取付具を取り外す。1本の連続したワイヤ35を一時的なモールドの全周囲に編んでもよく、または2本以上の連続したワイヤを使用して全周囲の編みを完成してもよい。
【0046】
図11(a)の導電性ワイヤ集合体27の代替形成方法は、先のパラグラフで説明したように、図12(a)に示す連続した導電性ワイヤ35を一時的なモールド90の外周に垂直に編み、次いで、図12(a)に示す連続した導電性ワイヤの全ての上部ループ35aおよび下部ループ35bを切断して、図11(a)のライザワイヤ271~2726を形成し、次いでライザワイヤを、たとえば誘導炉の底部で、集電ワイヤ29で互いに接続して、図11(a)に示す導電性ワイヤ集合体27を形成することである。
【0047】
ワイヤ集合体耐火物が、固化前に型枠内の所定の位置にしっかりと落ち着くように、振動コンパクタを使用して、閉じ込められた空気および過剰な水をキャスト流動性耐火物(使用した場合)から放出することができる。導電性ワイヤ集合体27または35は、ワイヤ集合体耐火物23がワイヤ集合体耐火物用環状容積の内部で固化するときに、少なくとも部分的にワイヤ集合体耐火物23に埋設されることになる。
【0048】
本発明の他の実施例では、導電性ワイヤ集合体27または35はワイヤ集合体耐火物23の厚さt内のどこかに埋設することができる。たとえば、図16に示すように、導電性ワイヤ集合体27は、ワイヤ集合体耐火物23の内壁周囲から距離t1だけオフセットしている。オフセット埋設は、ワイヤ集合体耐火物を供給する前に、図15(e)に示すようにモールド90の外周に適当なスタンドオフ91を設置し、次いで、スタンドオフの周りに導電性ワイヤ集合体27を取り付けることによって、実現できる。本明細書で使用する最も広い意味では、耐火物に「埋設された」メッシュもしくはワイヤ集合体という術語は、メッシュもしくはワイヤ集合体が、耐火物の表面境界に固定されているか、または、完全にではないが十分に耐火物の表面境界に埋設されているかのいずれかであり、したがって、耐火物が固化した後に、メッシュもしくはワイヤ集合体が耐火物内の所定の位置に維持されるということを示すために使用される。
【0049】
図15(g)に示すように、ワイヤ集合体耐火物23が固化した後に、一時的なモールド90を(使用した場合には上部ワイヤ集合体固定具51および下部ワイヤ集合体固定具52と共に)取り外し、(埋設されたワイヤ集合体27を有する)固化したワイヤ集合体耐火物23によって形成された容積内に、内部炉容積14の境界壁および底部に一致するような形状の交換式ライニング用モールド92を配置して、固化したワイヤ集合体耐火物23とライニング用モールド92の外壁周囲との間に、交換式ライニング用環状容積を形成することができる。たとえば、次いで、従来の手順に従って、ライニング用容積に従来の粉末状の耐火物を供給することができる。ライニング用モールド92が導電性モールド材から形成されている場合、従来の手順に従って、ライニング用モールド92を所定の位置で加熱および溶解して、炉容積14の境界を形成するライニング耐火物層を焼結することができる。あるいは、ライニング用モールドを取り外してもよく、直接熱を加えることによってライニング耐火物層の焼結を達成してもよい。
【0050】
典型的には粉末状の耐火物である交換式ライニング耐火物と、典型的には導電性メッシュまたはワイヤ集合体が埋設されるキャスト流動性耐火物とは区別される。キャスト流動性耐火物は、導電性メッシュまたはワイヤ集合体を耐火物に埋設することができるように使用されることが好ましい。キャスト流動性耐火物は、本明細書ではキャスタブル耐火物および流動性耐火物とも呼ばれる。
【0051】
図15(h)は、典型的な炉接地漏れ検出システムプローブワイヤ22aと、炉電気接地(GND)に接続された電気接地線22bとを追加した、側面ワイヤ集合体27を有する本発明のライニング摩耗検出システムの一例を有する電気誘導炉を示す。
【0052】
上記で説明し、図15(a)~図15(h)に示す製作プロセスは、本発明の例示的な製作ステップの非限定的な例を示す。追加の従来の製作ステップを、炉建設を完了するために必要としてもよい。
【0053】
本発明の代替実施例では、別個のこて塗り可能な耐火物(グラウト)をコイル16の周りに使用する代わりに、キャスト流動性耐火物24を、コイル16までかつコイル16の周りに延長することができる。
【0054】
本発明の誘導炉は、たとえば、大気中もしくは不活性ガスや真空などの制御環境で動作する、底注ぎ式、上部傾注式、圧力注ぎ式、または押出式電気誘導炉など、任意のタイプのものでもよい。図に示した誘導炉は、円形の内部断面を有するが、正方形などの他の断面形状を有する炉もまた、本発明を利用してもよい。本発明の電気誘導炉について、図中では単一の誘導コイルが示してあるが、本発明で使用するとき、「誘導コイル」という用語はまた、個別の電気的接続部および/または電気的に相互接続された誘導コイルのいずれかを有する複数の誘導コイルをも含む。
【0055】
さらに、本発明のライニング摩耗検出システムはまた、複数の位置の間で溶融金属を移動させるために使用される可搬式の耐火物内張り取鍋、および静止した耐火物内張り樋に利用してもよい。
【0056】
本発明の実施例は、具体的な電気部品への言及を含む。当業者は、必ずしも同じタイプではないが、所望の状態をもたらすか、または本発明の所望の結果を達成する構成部品を置き換えることによって、本発明を実施してもよい。たとえば、単一の構成部品を複数の構成部品と置き換えてもよく、逆も同様である。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図6(e)】
図6(f)】
図6(g)】
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図9(d)】
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図12(d)】
図12(e)】
図13
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図15(a)】
図15(b)】
図15(c)】
図15(d)】
図15(e)】
図15(f)】
図15(g)】
図15(h)】
図16
図17
図18(a)】
図18(b)】
図18(c)】