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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】投与製剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/16 20060101AFI20220125BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220125BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220125BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220125BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20220125BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20220125BHJP
   A61P 23/00 20060101ALI20220125BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61K9/16
A61K47/02
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/045
A61K31/192
A61P23/00
A61P29/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019520202
(86)(22)【出願日】2017-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2017064552
(87)【国際公開番号】W WO2017220406
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】16175595.4
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/355,401
(32)【優先日】2016-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518453383
【氏名又は名称】オムヤ インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】カロリーナ ディアス クイジャーノ
(72)【発明者】
【氏名】ラウラ デ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム シェールコップ
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533139(JP,A)
【文献】特表2012-530180(JP,A)
【文献】特表2015-533140(JP,A)
【文献】国際公開第2013/100112(WO,A1)
【文献】特表2008-504307(JP,A)
【文献】米国特許第05939091(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0058415(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 45/00
A61K 31/00-33/44
A61K 8/00- 8/99
A23L 31/00-33/29
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、表面反応炭酸カルシウムを含む顆粒の製造方法:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、2~10kN/cmの範囲の線圧としてのローラー圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;及び
(d)工程(c)の前記顆粒を、90~710μmの範囲内の、二つ又は二つを超える異なるメッシュサイズのふるいにかけること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【請求項2】
前記天然粉砕炭酸カルシウムが、大理石、白亜、ドロマイト、石灰岩、及びこれらの混合物を含む群から選択される鉱物を含む炭酸カルシウムから選択されるか;又は前記沈降炭酸カルシウムが、アラゴナイトの、バテライトの若しくはカルサイトの鉱物結晶形を有する沈降炭酸カルシウム、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面反応炭酸カルシウムは、
(a)窒素を使用したISO9277によるBET法で測定して、20m/g~450m/gのBET比表面積を有する;かつ/又は
(b)1μm~50μmの体積メジアン粒径d50を有する粒子を含む;かつ/又は
(c)水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果から計算して、0.15cm/g~1.35cm/gの範囲内の粒子内侵入比細孔容積を有する;
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ローラー圧縮機による圧縮工程(b)は、5kN/cmの線圧としてのローラー圧密圧力で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ふるいにかける工程(d)は、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズからなる群から選択される二つ又は二つを超える異なるメッシュサイズのふるいにかけることによって行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(c)で得られた顆粒及び/又は工程(d)で得られた顆粒を、少なくとも一つの配合助剤と混合する工程(e1)をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つの配合助剤が、崩壊剤;潤滑剤;衝撃改質剤;可塑剤;ワックス;安定剤;顔料;着色剤;着香剤;矯味剤;香味剤;甘味料;食感改良剤;希釈剤;フィルム形成剤;接着剤;緩衝剤;吸着剤;臭気マスキング剤;及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた圧縮形態物、工程(c)で得られた顆粒、又は工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持する工程(e2)をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が、香料、香味料、ハーブ抽出物、果実抽出物、栄養物、微量ミネラル、忌避剤、食品、化粧品、難燃剤、酵素、高分子、殺虫剤、肥料、保存剤、酸化防止剤、反応性化学品、合成起源の、半合成起源の若しくは天然起源の薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が液体の形態である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
担持工程(e2)は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を、工程(b)で得られた圧縮形態物、工程(c)で得られた顆粒、又は工程(d)で得られた顆粒に、噴霧又は滴下すること、並びに流動床乾燥機/造粒機、プラウシェアミキサー、垂直又は水平混合器、高せん断又は低せん断混合器、及び高速ブレンダーを含む群から選択される装置中で混合することによって行われる、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
工程(e2)で得られた担持された顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e2)で得られた担持された顆粒をカプセルに充填する、最終工程(f)をさらに含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品を製造するための請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のための、前記表面反応炭酸カルシウムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与製剤の製造方法;前記方法によって得られる、表面反応炭酸カルシウムからなる顆粒(細粒)並びにタブレット及び/又はカプセル;そのような方法における表面反応炭酸カルシウムの使用;前記顆粒を含む投与製剤;医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品における前記顆粒、又は前記タブレット及び/又はカプセル、又は前記投与製剤の使用;並びに前記顆粒、又は前記タブレット及び/又はカプセル、又は前記投与製剤を含む、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品;に関する。
【背景技術】
【0002】
表面反応炭酸カルシウム粉末は、その高い多孔性と活性/不活性剤の高い担持容量(充填容量)のために、非常に幅広い用途において担体として使用することができる。したがって、表面反応炭酸カルシウムは、投与製剤の製造にますます重要なものとなりつつある。最終的な用途に応じて、そのような投与製剤のための担体材料又はマトリックスは、まず、必要な活性成分又は不活性前駆体材料と混合する必要があり、そして、投与製剤を製造することができるように、混合可能な配合助剤を見つける必要がある。かかる投与製剤は、主に粉末のものから製造される。しかしながら、そうした粉末は、自由に流動せず、低い嵩密度を有し、かつ多過ぎる粉塵を生じる、といった問題をしばしば引き起こす。したがって、表面反応炭酸カルシウムを含有する圧縮された材料の形態である投与製剤を製造し、かつ上述した不都合を回避するための方法が開発されてきた。
【0003】
例えば、公開前の出願である欧州特許出願第15160194.5号は、分散性の投与製剤の製造方法に言及しており、この方法は以下の工程を含む:a)水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数の酸との反応生成物である機能性炭酸カルシウム含有材料を提供すること、ここで、前記二酸化炭素は、前記酸での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;b)少なくとも一つの崩壊剤を提供すること;c)任意に、少なくとも一つのさらなる配合助剤を提供すること;d)工程a)の機能性炭酸カルシウム含有材料、工程b)の少なくとも一つの崩壊剤、及び任意に工程c)の少なくとも一つのさらなる配合助剤を混合すること;e)工程d)で得られた混合物を、2~20barの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、リボンの形態物にすること;f)工程e)のリボンを粉砕して顆粒にすること;及びg)工程f)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズのふるいにかけること。
【0004】
公開前の出願である欧州特許出願第14199037.4号は、薬剤送達システムの製造方法に言及しており、この方法は以下の工程を含む:a)水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数の酸との反応生成物である表面反応炭酸カルシウムを提供すること、ここで、前記二酸化炭素は前記酸での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;b)少なくとも一つの薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体を提供すること;c)少なくとも一つの配合助剤を提供すること;d)工程a)の表面反応炭酸カルシウム、工程b)の少なくとも一つの薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体、及び工程c)の少なくとも一つの配合助剤を混合すること;e)工程d)で得られた混合物を、4~20barの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮すること;及びf)薬剤送達システムを得るために、工程e)で得られたローラー圧縮された混合物を圧縮すること。
【0005】
公開前の出願である欧州特許出願第15197395.5号は、表面反応炭酸カルシウムを含有する顆粒を製造する方法に言及しており、この方法は以下の工程を特徴とする:a)水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物である表面反応炭酸カルシウムを提供すること、ここで、前記二酸化炭素は前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;b)液体の形態で1又は複数の活性成分を提供すること;c)液体の形態の1又は複数の活性成分に、表面反応炭酸カルシウムを飽和させること;d)1又は複数の結合剤を提供すること;及びe)攪拌装置中で攪拌下に、工程c)で得られた飽和の表面反応炭酸カルシウムを、工程d)の1又は複数の結合剤と混合すること。
【0006】
しかしながら、上記の文献に記載されている方法では、表面反応炭酸カルシウム粉末のみならず使用される活性剤にも混合可能なものであることが必要であって、さらには、所望の最終用途に適していなければならないもの(例えば、ヒト及び/又は動物による摂取のために承認されるものでなければならないもの)である、結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤を圧縮時に使用することが要求されている。
【0007】
したがって、既存の投与製剤と同じ性能又はより良い性能を提供するとともに、特に結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤無しで圧縮される投与製剤を製造することを可能にする、投与製剤とその製造のための方法に対する継続的な必要性が存在する。さらに、粉末にされたときと比較して、改良された流動性と改良されたゆるみ嵩密度及びタップ嵩密度とを有し、粉塵が著しく少ないか又は粉塵がほとんど生じず、したがって、さらなる加工に使用し易いものであり得る投与製剤を製造できる方法が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、投与製剤を製造する方法を提供することである。もう一つの目的は、投与製剤を製造するための高い効率を有する圧縮方法を提供することである。さらなる目的は、結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤が無くても圧縮される投与製剤を製造する方法を提供することである。もう一つの目的は、粉末にされたときと比較して、改良された流動性と改良されたゆるみ嵩密度及びタップ嵩密度とを有し、粉塵が著しく少ないか又は粉塵がほとんど生じず、したがって、さらなる加工に使用し易いものであり得る投与製剤を製造する方法を提供することである。
【0009】
上述した問題点及びその他の問題点の1又は複数は、独立請求項としてここに記載されている主題によって解消される。本発明の有利な実施形態は、対応する従属請求項に定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様は、投与製剤の製造方法に関する。この方法は以下の工程を含む:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、ここに定義されている表面反応炭酸カルシウムが提供され、この表面反応炭酸カルシウムは、任意に、ここで定義されている少なくとも一つの配合助剤と混合され、かつ/又はここで定義されている少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持(装填)される。本発明のさらなる態様によれば、ここに定義されている方法によって得られるタブレット及び/又はカプセルが提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、ここに定義されている顆粒を含む投与製剤、好ましくはタブレット、ミニタブレット又はカプセルが提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品における、ここに定義されている顆粒、又はここに定義されているタブレット及び/又はカプセル、又はここに定義されている投与製剤の使用が提供される。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、ここに定義されている顆粒、又はここに定義されているタブレット及び/又はカプセル、又はここに定義されている投与製剤を含む、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、ここに定義されている方法における表面反応炭酸カルシウムの使用が提供される。
【0016】
本発明の方法のある一つの実施形態によれば、前記天然粉砕炭酸カルシウムは、大理石、白亜、ドロマイト、石灰岩、及びこれらの混合物を含む群から選択される鉱物(無機物)を含む炭酸カルシウムから選択されるか;又は前記の沈降炭酸カルシウムは、アラゴナイトの、バテライトの若しくはカルサイトの鉱物結晶形を有する沈降炭酸カルシウム、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0017】
本発明の方法のまた別の実施形態によれば、前記表面反応炭酸カルシウムは、
(a)窒素を使用したISO9277によるBET法で測定して、20m/g~450m/gの、好ましくは20m/g~250m/gの、より好ましくは30m/g~160m/gの、最も好ましくは40m/g~150m/gの、いっそう好ましくは40m/g~140m/gのBET比表面積を有し;かつ/又は
(b)1μm~50μmの、好ましくは1μm~45μmの、より好ましくは2μm~30μmの、さらにより好ましくは3μm~15μmの、最も好ましくは4μm~12μmの体積メジアン粒径d50を有する粒子を含み;かつ/又は
(c)水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果から計算して、0.15cm/g~1.35cm/gの、好ましくは0.30cm/g~1.30cm/gの、最も好ましくは0.40cm/g~1.25cm/gの範囲内の粒子内侵入比細孔容積を有する。
【0018】
本発明の方法のさらに別の実施形態によれば、工程(b)のローラー圧縮機による圧縮は、1~28kN/cmの範囲の、より好ましくは1~20kN/cmの範囲の、最も好ましくは2~10kN/cmの範囲のローラー圧密圧力で行われる。
【0019】
本発明の方法のある一つの実施形態によれば、この方法は、工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズのふるいにかける工程(d)をさらに含む。
【0020】
本発明の方法の別の実施形態によれば、ふるいにかける工程(d)が、二つ又は二つを超える、異なるメッシュサイズのふるいに、好ましくは、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズのふるいにかけることによって行われる。
【0021】
本発明の方法のまた別の実施形態によれば、この方法は、工程(b)で得られた圧縮形態物を、又は工程(c)で得られた顆粒及び/又は行う場合には工程(d)で得られた顆粒を、少なくとも一つの配合助剤と混合する工程(e1)をさらに含む。
【0022】
本発明の方法のある一つの実施形態によれば、前記少なくとも一つの配合助剤は、崩壊剤、好ましくは、変性セルロースガム、不溶性架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコレート、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、N-ビニル-2-ピロリドンのホモポリマー、アルキルセルロースエステル、ヒドロキシアルキルセルロースエステル、カルボキシアルキルセルロースエステル、アルギネート、微結晶セルロースとその結晶多形、イオン交換樹脂、ガム、キチン、キトサン、クレー、ジェランガム、架橋ポラクリリンコポリマー、寒天、ゼラチン、デキストリン、アクリル酸ポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム/カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、シェラック、又はこれらの混合物を含む群から選択される崩壊剤;潤滑剤、特に、内部潤滑剤及び/又は外部潤滑剤;衝撃改質剤;可塑剤;ワックス;安定剤;顔料;着色剤;着香剤;矯味剤;香味剤;甘味料;食感改良剤;希釈剤;フィルム形成剤;接着剤;緩衝剤;吸着剤;臭気マスキング剤;及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0023】
本発明の方法の別の実施形態によれば、この方法は、担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持する工程(e2)をさらに含む。
【0024】
本発明の方法のまた別の実施形態によれば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が、香料、香味料、ハーブ抽出物、果実抽出物、栄養物、微量ミネラル、忌避剤、食品、化粧品、難燃剤、酵素、高分子(巨大分子)、殺虫剤、肥料、保存剤、酸化防止剤、反応性化学品、合成起源の、半合成起源の若しくは天然起源の薬学的活性剤又は薬学的不活性前駆体、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0025】
本発明の方法のある一つの実施形態によれば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は液体の形態であり、好ましくは、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が溶媒中に提供され、好ましくは、前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-オクタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、植物油及びその誘導体、動物油及びその誘導体、溶融脂肪及びワックス、並びにこれらの混合物を含む群から選択され、より好ましくは、前記溶媒は、水、エタノール及び/又はアセトンである。
【0026】
本発明の方法の別の実施形態によれば、担持工程(e2)は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を、工程(b)で得られた圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、噴霧又は滴下すること、並びに流動床乾燥機/造粒機、プラウシェアミキサー、垂直又は水平混合器、高せん断又は低せん断混合器、及び高速ブレンダーを含む群から選択される装置中で混合することによって行われる。
【0027】
本発明の方法のまた別の実施形態によれば、この方法は、工程(e2)で得られた担持された顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e2)で得られた担持された顆粒をカプセルに充填する最終工程(f)をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図2図2は、10重量%のオイゲノールを担持した表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図3図3は、25重量%のオイゲノールを担持した表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図4図4は、40重量%のオイゲノールを担持した表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図5図5は、10重量%のイブプロフェンを担持した表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図6図6は、40重量%のイブプロフェンを担持した表面反応炭酸カルシウム(FCC)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図7図7は、安息角βの計算方法を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の目的のために、以下に記載する用語は以下に説明する意味を有するものと理解される。
【0030】
本発明の目的のために、「酸」とは、ブレンステッド-ローリーの酸として定義されるものであり、すなわち、Hイオン供給体である。「酸性塩」とは、電気的に陽性の元素によって部分的に中和されたHイオン供給体、例えば水素含有塩として定義される。「塩」とは、アニオンとカチオンから形成された電気的に中性のイオン化合物として定義される。「部分結晶性塩」とは、X線回折(XRD)分析において実質的に離散的な回折像を示す塩として定義される。
【0031】
本発明にしたがって、pKとは、所与の酸中の所与のイオン化可能な水素に関連した酸解離定数を表す記号であり、所与の温度で水中での平衡状態で、この酸からのこの水素の解離の本来の度合いを示すものである。こうしたpK値は、D.C.ハリスによる「定量化学分析:第3版」、1991年、W.H.フリーマン社(米国)、ISBN 0-7167-2170-8のような参照用教科書に見出すことができる。
【0032】
「表面反応炭酸カルシウム」は、炭酸カルシウムと、好ましくは、前記炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面から延びた、水不溶性で少なくとも部分的に結晶性の非炭酸カルシウム塩とを含む材料である。前記の少なくとも部分的に結晶性の非炭酸カルシウム塩を形成するカルシウムイオンは、表面反応炭酸カルシウムの中核部を形成するのにも役立つ出発物質である炭酸カルシウム材料に大部分が由来する。そのような塩は、OHアニオン及び/又は結晶水を含んでいてもよい。
【0033】
本発明の意義において、「水不溶性」の材料とは、脱イオン水と混合され、0.2μmの細孔径を有するフィルターを使用し20℃でろ過して液体であるろ液を回収したときに、前記の液体であるろ液100gを95~100℃で蒸発させた後に回収される固体材料が、0.1g未満又は0.1g(0.1g以下)である材料として定義される。「水溶性」の材料は、前記の液体であるろ液100gを95~100℃で蒸発させた後に回収される固体材料が、0.1gを超えるような回収をもたらす材料として定義される。
【0034】
本発明の意味するところにおいて、炭酸カルシウムの「比表面積(SSA)」は、その炭酸カルシウムの質量で割った、当該炭酸カルシウムの表面積として定義される。ここで使用される比表面積は、BET等温線(ISO 9277:2010)を用いた窒素ガス吸着によって測定され、m/gの単位で規定される。
【0035】
「少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体」との用語は、配合助剤とは異なるものと解され、すなわち、この少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、結合剤(バインダー)、崩壊剤、潤滑剤、衝撃改質剤、可塑剤、ワックス、安定剤、顔料、着色剤、着香剤、矯味剤、香味剤、食感改良剤、希釈剤、フィルム形成剤、接着剤、緩衝剤、吸着剤、臭気マスキング剤、及びこれらの混合物を含むものでなければ、これらの物質自体であることもない。
【0036】
本発明の意味するところにおいて、「圧縮」との用語は、体積及び/又は密度の減少並びに加圧下で得られる顆粒の硬度の向上を意味する。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲において「含む(又は含有する;comprising)」との用語が使用される場合、それは他の要素を排除するものではない。本発明の目的のために、「からなる(consisting of)」という用語は、上記の「含む(又は含有する;comprising)」という用語の好ましい実施形態であると考えられる。以下に、あるグループが少なくともある一定の数の実施形態を含むように定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなるグループを開示するものとしても理解される。
【0038】
単数名詞に言及するときに不定冠詞又は定冠詞、例えば、「a」、「an」又は「the」が使用される場合、何か他の事柄が明確に述べられていない限り、これはその名詞の複数形を含む。
【0039】
「得ることができる」又は「定義できる」及び「得られた(得られる)」又は「定義された(定義される)」といった用語は互換的に使用される。これは、例えば、文脈が明確に違ったように指示しない限り、「得られた(得られる)」との用語は、例えばある実施形態が、例えば「得られた(得られる)」という用語に続く工程の順番によって得られなければならないということを示すことを意味するものではないが、そのような限定された理解は、好ましい実施形態として、「得られた(得られる)」又は「定義された(定義される)」との用語に常に含まれる、ということを意味する。
【0040】
本発明によれば、投与製剤は、結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤の不存在下で表面反応炭酸カルシウムを圧縮することによって製造することができる。圧縮された表面反応炭酸カルシウムには、それから、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持される。さらに、製造された投与製剤は、粉末として作製されたときに比較して、改良された流動性と改良されたゆるみ嵩密度及びタップ嵩密度とを有し、粉塵が著しく少ないか又は粉塵がほとんど生じず、したがって、さらなる加工に使用し易いものであり得る。加えて、本発明の方法は、投与製剤を効率的に圧縮する可能性をも提供するものである。
【0041】
以下に、本発明を、特に、投与製剤を製造するための方法について上述した工程を、さらに詳細に説明する。
【0042】
方法工程(a)
本発明の方法における工程(a)では、表面反応炭酸カルシウムが提供される。
【0043】
表面反応炭酸カルシウムは、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は前記Hイオン供与体での処理によってその場(in-situ)で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される。
【0044】
本発明の文脈におけるHイオン供与体は、ブレンステッド酸及び/又は酸性塩である。
【0045】
「酸性塩」とは、電気的に陽性の元素によって部分的に中和されたHイオン供給体、例えば水素含有塩として定義される。「塩」とは、アニオンとカチオンから形成された電気的に中性のイオン化合物として定義される。「部分結晶性塩」とは、X線回折(XRD)分析において実質的に離散的な回折像を示す塩として定義される。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、表面反応炭酸カルシウムは、以下の工程を含むプロセスによって得られる:
(a)天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの懸濁液を準備すること、
(b)20℃でpK値が0若しくは0未満(0以下)又は20℃でpK値が0~2.5である少なくとも一つの酸を工程(a)の懸濁液に加えること、及び
(c)工程(b)の前、工程(b)の間又は工程(b)の後で、工程(a)の懸濁液を二酸化炭素で処理すること。
別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、以下の工程を含むプロセスによって得られる:
(A)天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの懸濁液を準備すること、
(B)少なくとも一つの水溶性の酸を準備すること、
(C)COガスを準備すること、
(D)工程(A)の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを、工程(B)の少なくとも一つの酸及び工程(C)のCOと接触させること、
ここで、上記プロセスは、以下の(i)と(ii)を特徴とする:
(i)工程(B)の少なくとも一つの酸は、その最初に利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で2.5より大きくかつ7未満又は7(7以下)であるpKを有し、対応するアニオンは、水溶性のカルシウム塩を形成することができるこの最初に利用可能な水素が失われるときに形成される;及び
(ii)少なくとも一つの酸と天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムとの接触に続いて、水素含有塩が前記の最初に利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で7より大きいpKを有し、その塩のアニオンが水溶性のカルシウム塩を形成することができる場合には、少なくとも一つの水溶性塩がさらに供給される。
【0047】
「天然粉砕炭酸カルシウム(GCC)」(又は「天然炭酸カルシウム」ともいう)は、好ましくは、大理石、白亜、ドロマイト、石灰岩、及びこれらの混合物を含む群から選択される鉱物(無機物)を含む炭酸カルシウムから選択される。天然粉砕炭酸カルシウムは、炭酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩等のような天然に存在する成分をさらに含むことができる。
【0048】
一般的に、天然粉砕炭酸カルシウムの粉砕は乾式又は湿式の粉砕工程とすることができ、例えば、二次的物体による衝撃の結果として大部分の粉砕が生じるような条件下で、任意の慣用的な粉砕装置、すなわち、下記の1又は複数の装置を用いて実施することができる:ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロール粉砕機、遠心衝撃式ミル、垂直ビードミル、摩擦粉砕機、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デ・クランパー、ナイフカッター、又は当業者に既知であるそのようなその他の装置。炭酸カルシウム含有鉱物材料が、湿った粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料を含む場合、粉砕工程は自生の粉砕が起こるような条件下で、及び/又は水平ボール粉砕によって、及び/又は当業者に既知の他のそのようなプロセスによって行うことができる。こうして得られた、湿式処理された天然粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料は、周知の方法、例えば、凝集、ろ過又は乾燥前の強制的な蒸発によって洗浄され、脱水される。(必要であれば)続く乾燥工程は、噴霧乾燥のような単一の工程で行うか又は少なくとも二つの工程で行うことができる。このような鉱物材料は、不純物を除去するために選鉱工程(例えば、浮遊選鉱、漂白又は磁気分離工程)を経ることも一般的である。
【0049】
本発明の意味するところにおける「沈降炭酸カルシウム(PCC)」は、水性環境での二酸化炭素と水酸化カルシウムの反応後の沈殿によって、又は溶液からのカルシウムイオン及び炭酸イオンの沈殿、例えばCaCl及びNaCOの沈殿によって、通常得られる合成材料である。PCCを製造するさらなる可能な方法は、石灰ソーダ法又はPCCがアンモニア製造の副生成物となるソルベー法である。沈降炭酸カルシウムには、三つの主要な結晶形態、すなわち、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトが存在し、これらの結晶形のそれぞれについて多くの異なる多形体(晶癖)がある。カルサイトは三方晶系構造を有しており、偏三角面体(S-PCC)、菱面体晶(R-PCC)、六方晶系角柱、卓面体、コロイド状(C-PCC)、立方晶系、及び角柱体(P-PCC)のような典型的な晶癖を有する。アラゴナイトは、双晶の六方晶系である角柱状結晶の典型的な晶癖を有する斜方晶系構造のみならず、薄く細長い角柱状、湾曲したブレード状のもの、急勾配のピラミッド形のもの、チゼル状(のみ状)結晶、分岐したツリー及びサンゴ状又は虫のような形状といった多様な分類の構造を有する。バテライトは六方晶系に属する。得られたPCCスラリーは、機械的に脱水して乾燥させることができる。
【0050】
本発明のある一つの実施形態によれば、沈降炭酸カルシウムは、好ましくはアラゴナイトの、バテライトの若しくはカルサイトの鉱物結晶形又はそれらの混合物を含む沈降炭酸カルシウムである。
【0051】
沈降炭酸カルシウムは、二酸化炭素及び少なくとも一つのHイオン供与体での処理の前に、上述した天然炭酸カルシウムの粉砕に使用されるのと同じ手段で粉砕することができる。
【0052】
本発明のある一つの実施形態によれば、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.05~10.0μm、好ましくは0.2~5.0μm、より好ましくは0.4~3.0μm、最も好ましくは0.6~1.2μm、特には0.7μmの重量メジアン粒径d50を有する粒子の形態である。本発明のさらなる実施形態によれば、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.15~55μm、好ましくは1~40μm、より好ましくは2~25μm、最も好ましくは3~15μm、特には4μmのトップカット粒径d98を有する粒子の形態である。
【0053】
天然粉砕炭酸カルシウム及び/又は沈降炭酸カルシウムは、乾燥状態で又は水中に懸濁して使用することができる。好ましくは、対応するスラリーは、スラリーの重量に基づいて、1重量%~90重量%、より好ましくは3重量%~60重量%、さらにより好ましくは5重量%~40重量%、及び最も好ましくは10重量%~25重量%の範囲内の天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの含有率を有する。
【0054】
表面反応炭酸カルシウムの調製に使用される1又は複数のHイオン供給体は、調製条件下でHイオンを生成する、任意の強酸、中程度の強酸若しくは弱酸又はそれらの混合物である。本発明によれば、この少なくとも一つのHイオン供給体は、調製条件下でHイオンを生成する酸性塩とすることもできる。
【0055】
ある一つの実施形態によれば、少なくとも一つのHイオン供給体は、20℃で0又は0未満(0以下)のpKを有する強酸である。
【0056】
別の実施形態によれば、少なくとも一つのHイオン供給体は、20℃で0~2.5のpK値を有する中程度の強酸である。20℃でのpKが0又は0未満(0以下)である場合は、この酸は、好ましくは、硫酸、塩酸又はそれらの混合物から選択される。20℃でのpKが0~2.5である場合は、Hイオン供給体は、好ましくは、HSO、HPO、シュウ酸、又はそれらの混合物から選択される。少なくとも一つのHイオン供給体は、酸性塩、例えば、Li、Na又はKのような対応するカチオンで少なくとも部分的に中和されたHSO 若しくはHPO 、又はLi、Na、K、Mg2+又はCa2+のような対応するカチオンで少なくとも部分的に中和されたHPO 2-とすることもできる。少なくとも一つのHイオン供給体はまた、1又は複数の酸及び1又は複数の酸性塩の混合物であってもよい。
【0057】
さらに別の実施形態によれば、少なくとも一つのHイオン供給体は、20℃で測定したときに、最初に利用可能な水素のイオン化に関連して、2.5より大きくかつ7未満又は7(7以下)のpK値を有し、かつ水溶性カルシウム塩を形成することができる対応するアニオンを有する弱酸である。続いて、水素含有塩がその最初に利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で測定したときに7より大きいpKを有し、その塩のアニオンが水溶性のカルシウム塩を形成することができる場合に、少なくとも一つの水溶性塩がさらに供給される。好ましい実施形態によれば、弱酸は、20℃で2.5を超えて5までのpK値を有し、より好ましくは、弱酸は、酢酸、ギ酸、プロパン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。前記水溶性塩の例示的なカチオンは、カリウム、ナトリウム、リチウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましい実施形態では前記カチオンはナトリウム又はカリウムである。前記水溶性塩の例示的なアニオンは、リン酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸一水素アニオン、シュウ酸アニオン、ケイ酸アニオン、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。より好ましい実施形態において、前記アニオンはリン酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸一水素アニオン、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。最も好ましい実施形態において、前記アニオンは、リン酸二水素アニオン、リン酸一水素アニオン、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。水溶性塩の添加は、滴下することで行うこともできるし、又は一工程で行うこともできる。滴下による添加の場合には、かかる添加は、好ましくは10分以内の時間で行われる。一工程で前記塩を添加することがより好ましい。
【0058】
本発明のある一つの実施形態によれば、少なくとも一つのHイオン供給体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、前記少なくとも1つのHイオン供給体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸;Li、Na又はKのような対応するカチオンで少なくとも部分的に中和されたHPO ;Li、Na、K、Mg2+又はCa2+のような対応するカチオンで少なくとも部分的に中和されたHPO 2-;及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、前記少なくとも一つの酸は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、又はまたはそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、前記少なくとも一つのHイオン供給体はリン酸である。
【0059】
少なくとも一つのHイオン供給体は、濃縮された溶液として又はより希釈された溶液として懸濁液に添加することができる。好ましくは、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムに対するHイオン供給体のモル比は、0.01~4、より好ましくは0.02~2、さらにより好ましくは0.05~1、最も好ましくは0.1~0.58である。
【0060】
代替として、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを懸濁させる前に、Hイオン供給体を水に添加することも可能である。
【0061】
次の段階では、前記天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、二酸化炭素で処理される。天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムのHイオン供給体による処理に、硫酸又は塩酸のような強酸が使用される場合は、二酸化炭素は自動的に形成される。代替として又は追加的に、二酸化炭素は外部供給源から供給することができる。
【0062】
イオン供給体による処理及び二酸化炭素による処理は同時に行うことができ、これは強酸又は中程度の強酸が使用される場合である。例えば、20℃で0~2.5の範囲のpKを有する中程度の強酸を用いて、Hイオン供給体による処理を最初に行うこともでき、ここでは二酸化炭素はその場で形成され、したがって、二酸化炭素による処理は、自動的にHイオン供給体による処理と同時に行われることとなり、続いて、外部供給源から供給される二酸化炭素を用いた追加の処理を行うことができる。
【0063】
好ましくは、懸濁液中の二酸化炭素ガスの濃度は、体積換算で、(懸濁液の体積):(COガスの体積)の比が、1:0.05から1:20、さらにより好ましくは1:0.05から1:5であるような濃度である。
【0064】
好ましい実施形態では、Hイオン供給体による処理工程及び/又は二酸化炭素による処理工程は、少なくとも一回、より好ましくは数回繰り返される。ある一つの実施形態によれば、少なくとも一つのHイオン供給体は、少なくとも約5分、好ましくは少なくとも約10分、典型的には約10分~約20分、より好ましくは約30分、さらにより好ましくは約45分、及び時には約1時間又は1時間を超える時間にわたって添加される。
【0065】
イオン供給体による処理及び二酸化炭素による処理の後で、20℃で測定される水性懸濁液のpHは、当然ながら、6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きい値に到達し、それによって、6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として、表面反応天然炭酸カルシウム又は表面反応沈降炭酸カルシウムが調製される。
【0066】
表面反応天然粉砕炭酸カルシウムの調製について、さらに詳細には、国際公開第00/39222 A1号、国際公開第2004/083316 A1号、国際公開第2005/121257 A2号、国際公開第2009/074492 A1号、欧州特許出願公開第2 264 108 A1号公報、欧州特許出願公開第2 264 109 A1号公報、及び米国特許出願公開第2004/0020410 A1号公報に開示されており、これらの文献の内容は本願に援用される。
【0067】
同様に、表面反応沈降炭酸カルシウムが得られる。国際公開第2009/074492 A1号から詳細に理解されるように、表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムを、Hイオン及び水性媒体中で可溶化されて水不溶性カルシウム塩を形成することができるアニオンと、水性媒体中で接触させて、表面反応沈降炭酸カルシウムのスラリーを形成することによって得られ、ここで、前記表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面上に形成された前記アニオンの、不溶性で少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。
【0068】
前記の可溶化されたカルシウムイオンは、Hイオンによる沈降炭酸カルシウムの溶解時に自然に生成された可溶化されたカルシウムイオンに対して過剰な可溶化されたカルシウムイオンに相当し、ここで、前記Hイオンは、もっぱらアニオンに対する対イオンの形態で、すなわち、酸又は非カルシウム酸性塩の形態のアニオンの添加を介して、任意のさらなるカルシウムイオン又はカルシウムイオン発生源の不存在下で提供される。
【0069】
前記の過剰な可溶化されたカルシウムイオンは、好ましくは可溶性の中性又は酸性カルシウム塩の添加によって、あるいは可溶性の中性又は酸性カルシウム塩をその場で生成する酸又は中性若しくは酸性の非カルシウム塩の添加によって提供される。
【0070】
前記Hイオンは、酸又は前記アニオンの酸性塩の添加によって、あるいは前記の過剰な可溶化されたカルシウムイオンの全部又は一部を同時に提供するのに役立つ酸又は酸性塩の添加によって提供することができる。
【0071】
表面反応天然粉砕炭酸カルシウム又は表面反応沈降炭酸カルシウムの調製のさらに好ましい実施形態は、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを、ケイ酸塩、シリカ、水酸化アルミニウム、例えばアルミン酸ナトリウム又はアルミン酸カリウムのようなアルカリ土類金属のアルミン酸塩、酸化マグネシウム、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物の存在下で、前記酸及び/又は前記二酸化炭素と反応させることである。好ましくは、前記少なくとも一つのケイ酸塩は、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はアルカリ土類金属のケイ酸塩から選択される。これらの化合物は、前記酸及び/又は前記二酸化炭素の添加前に、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを含有する水性懸濁液に添加することができる。
【0072】
代替として、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと酸及び二酸化炭素との反応が既に開始しているものの、前記のケイ酸塩及び/又はシリカ及び/又は水酸化アルミニウム及び/又はアルカリ土類金属のアルミン酸塩及び/又は酸化マグネシウム成分を、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの水性懸濁液に添加することができる。少なくとも一つのケイ酸塩及び/又はシリカ及び/又は水酸化アルミニウム及び/又はアルカリ土類金属のアルミン酸塩成分の存在下での表面反応天然粉砕炭酸カルシウム又は表面反応沈降炭酸カルシウムの調製について、さらに詳細には、国際公開第2004/083316 A1号に開示されており、これらの文献の内容は本願に援用される。
【0073】
表面反応炭酸カルシウムは懸濁液の状態にしておくことができ、任意に分散剤でさらに安定化することができる。当業者に既知の慣用の分散剤を使用することができる。好ましい分散剤は、ポリアクリル酸及び/又はカルボキシメチルセルロースである。
【0074】
代替として、上述した分散液は乾燥させることができ、それによって、顆粒の又は粉末の形態で、固体の(すなわち、乾燥しているか又は流体形態にならないくらいほとんど水を含まない)表面反応天然炭酸カルシウム又は表面反応沈降炭酸カルシウムを得ることができる。
【0075】
表面反応炭酸カルシウムは、例えば、薔薇、ゴルフボール及び/又は脳などのような、異なる粒子形態を有することができる。
【0076】
好ましい実施形態では、表面反応炭酸カルシウムは、窒素を使用したISO9277によるBET法で測定して、20m/g~450m/gの、好ましくは20m/g~250m/gの、より好ましくは30m/g~160m/gの、最も好ましくは40m/g~150m/gの、いっそう好ましくは40m/g~140m/gの比表面積を有する。本発明の意味するところにおいて、このBET比表面積は、粒子の質量で割った、当該粒子の表面積として定義される。ここで使用される比表面積は、BET等温線(ISO 9277:2010)を用いた吸着によって測定され、m/gの単位で規定される。
【0077】
ある一つの実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、1μm~50μmの、好ましくは1μm~45μmの、より好ましくは2μm~30μmの、さらにより好ましくは3μm~15μmの、最も好ましくは4μm~12μmの体積メジアン粒径d50(vol)を有する粒子を含む。
【0078】
さらに好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、40.0μm未満又は40.0μm(40.0μm以下)、好ましくは30.0μm未満又は30.0μm(30.0μm以下)、より好ましくは25.0μm未満又は25.0μm(25.0μm以下)、さらにより好ましくは20.0μm未満又は20.0μm(20.0μm以下)、いっそう好ましくは19.0μm未満又は19.0μm(19.0μm以下)の粒径d98(vol)を有する粒子を含む。好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、5.0~40μm、好ましくは6~30μm、より好ましくは7.0~25.0μm、さらにより好ましくは10.0~20.0μm、いっそう好ましくは11.0~19.0μmの範囲の粒径d98(vol)を有する粒子を含む。
【0079】
値dとは、x%の粒子がd未満の直径を有することに関連した直径を表すものである。このことは、d98値とは、全粒子のうち98%がこの値より小さい粒径を有することを意味する。d98値は「トップカット」としても規定される。d値は、体積パーセント又は重量パーセントで与えることができる。したがって、d50(wt)値は重量メジアン粒径、つまり、全粒子のうち50重量%がこの粒径よりも小さいことを意味し、また、d50(vol)値は体積メジアン粒径、つまり、全粒子のうち50体積%がこの粒径よりも小さいことを意味する。
【0080】
体積メジアン粒径d50は、マルバーンマスターサイザー2000レーザー回折システム(Malvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction system)を使用して決定された。マルバーンマスターサイザー2000レーザー回折システムを使用して測定されたd50又はd98値は、粒子の50体積%又は98体積%のそれぞれがこの値未満の直径を有するような直径の値を意味する。測定によって得られる生データは、粒子屈折率1.57及び吸収係数0.005を用いて、ミー理論(Mie theory)を使用して分析される。
【0081】
重量メジアン粒径は、重力フィールドでの沈降挙動の分析法である沈降法によって測定される。この測定は、Micromeritics Instrument CorporationのSedigraphTM 5100又は5120を用いて行われる。この方法及びこの機器は当業者に知られており、フィラーや顔料の粒子サイズを決定するために一般的に使用されている。この測定は、0.1重量%Na水溶液中で行われる。試料は、高速の攪拌器を用いて分散され、超音波処理される。
【0082】
このプロセスと機器は当業者に知られており、フィラーや顔料の粒子サイズを決定するために一般的に使用されている。
【0083】
比細孔容積は、0.004μm(~nm)のラプラス喉直径(Laplace throat diameter)と等価である水銀の最大適用圧力414MPa(60000psi)を有する、Micromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを使用し、水銀圧入式ポロシメーター測定法を用いて測定される。それぞれの圧力段階で使用される平衡時間は20秒である。試料材料は、分析のために5cmの粉体貫通度計チャンバー中に密封される。データはソフトウェアPore-Compを使用して、水銀の圧縮、貫通度計の膨張及び試料材料の圧縮に対して補正される(Gane,P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.及びRidgway,C.J.による、「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations」,Industrial and Engineering Chemistry Research,35(5),1996,pp.1753-1764)。
【0084】
積算侵入データに見出される全細孔容積は、強く寄与する任意の凝集構造間の試料の粗いパッキングを示す214μmから約1~4μmに至るまでの侵入データを有する二つの領域に分けることができる。これらの直径未満では、粒子それ自体の微細な粒子間パッキングが存在する。粒子が粒子内細孔をも有する場合は、この領域はバイモーダル(二峰性)であり、モードの転換地点よりも細かい細孔、すなわちバイモーダルな変曲点よりも細かい細孔に水銀が侵入した比細孔容積をもってして、ここでは粒子内侵入比細孔容積を定義している。これらの三つ領域の合計は、粉末の合計の全体としての細孔容積を与えるが、もともとの試料の圧縮/粗い細孔末端の分布における粉末の沈降に強く依存する。
【0085】
積算侵入曲線の一次導関数をとることにより、細孔の遮へいを不可避的に含む、ラプラス直径と等価なものに基づく細孔径分布が明らかになる。これらの微分曲線は、粗い凝集物の細孔構造領域、粒子間細孔領域及び存在する場合には粒子内細孔領域を明確に示す。粒子内細孔径の範囲がわかれば、残りの粒子間細孔容積及び凝集物間細孔容積を合計細孔容積から差し引いて、単位質量当たりの細孔容積として(比細孔容積として)、内部細孔のみについての所望の細孔容積を得ることができる。むろん、同じ差し引きの原理は、興味ある任意のその他の細孔径領域を分離する場合にも当てはまる。
【0086】
好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果から計算して、0.15cm/g~1.35cm/gの、好ましくは0.30cm/g~1.30cm/gの、最も好ましくは0.40cm/g~1.25cm/gの範囲にある粒子内侵入比細孔容積を有する
【0087】
表面反応炭酸カルシウムの孔径は、水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果により決定して、4~500nmの範囲内にあり、より好ましくは20~80nmの範囲内、特に30~70nmの範囲内、例えば50nmである。
【0088】
表面反応炭酸カルシウムの粒子内細孔径は、水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果により決定して、好ましくは0.004~1.6μmの範囲内、より好ましくは0.005~1.3μmの範囲内、特に好ましくは0.006~1.15μmの範囲内、最も好ましくは0.007~1.0μmの範囲内、例えば0.004~0.51μmの範囲内である。
【0089】
好ましい実施形態によれば、工程(a)によって得られる表面反応炭酸カルシウムの粒子内細孔及び/又は粒子間細孔は中空であり、したがって、工程(a)の表面反応炭酸カルシウムは無担持である(活性成分は担持されていない)。
【0090】
表面反応炭酸カルシウムは、細粉(ダスト)又は粉末(パウダー)の形態とすることができ、好ましくは粉末の形態とすることができる。
【0091】
方法工程(b)
本発明の方法における工程(b)によれば、工程(a)の表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にする。
【0092】
「ローラー圧縮」との用語は、微細な粉末が二つの逆回転するローラーの間に入れられて、リボン、ニードル(針)及び/又はフレーク(薄片)のような圧縮形態物に固められるプロセスを意味する。
【0093】
本発明の目的のために、ローラー圧縮は、当業者に既知の任意の適切なローラー圧縮機で実施することができる。例えば、ローラー圧縮は、米国のフィッツパトリック社(Fitzpatrick Company)の、Fitzpatrick(登録商標) Chilsonator CCS220 ローラー圧縮機を使用して実施することができる。
【0094】
本発明の方法の一つの必要条件は、工程(b)が1~30kN/cmの範囲の圧密圧力で実施されることである。好ましくは、ローラー圧縮工程(b)は、1~28kN/cmの範囲の、より好ましくは1~20kN/cmの範囲の、最も好ましくは2~10kN/cmの範囲のローラー圧密圧力で行われる。
【0095】
加えて又は代替として、ローラー圧縮工程の間の供給速度及び/又はロール速度は、圧縮形態物が、0.2~6mm、好ましくは0.3~3mm、より好ましくは0.4~1mmの厚さで得られるように調節することができる。例えば、ローラー圧縮工程(b)の間の供給速度又はロール速度は、圧縮形態物が、0.2~6mm、好ましくは0.3~3mm、より好ましくは0.4~1mmの厚さで得られるように調節することができる。代替として、ローラー圧縮工程(b)の間の供給速度及びロール速度は、圧縮形態物が、0.2~6mm、好ましくは0.3~3mm、より好ましくは0.4~1mmの厚さで得られるように調節することができる。
【0096】
本発明の方法の一つの有利な点は、前記表面反応炭酸カルシウムの前記圧縮を結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤の不存在下で実施することができることである。
【0097】
したがって、本発明の一つの特定の必要条件は、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムの圧縮形態物が、工程(a)の表面反応炭酸カルシウムからなるということである。
【0098】
方法工程(c)
本発明の方法における工程(c)によれば、工程(b)で得られた圧縮形態物を粉砕して顆粒(細粒)にする。
【0099】
粉砕(又は製粉;milling)は、当業者に既知の任意の慣用のミルで実施することができる。例えば、粉砕は、米国のフィッツパトリック社の、FitzMill(登録商標)を使用して実施することができる。
【0100】
ある一つの実施形態では、工程(c)で得られた顆粒は、10~4500μm、好ましくは50~2500μm、より好ましくは100~1200μm、さらに好ましくは180~710μmのメジアン粒径を有する。
【0101】
加えて又は代替として、工程(c)で得られる顆粒は、窒素を使用したISO9277によるBET法を用いて測定して、20m/g~450m/g、好ましくは20m/g~250m/g、より好ましくは30m/g~160m/g、最も好ましくは40m/g~150m/g、いっそう好ましくは40m/g~140m/gのBET比表面積を有する。
【0102】
加えて又は代替として、工程(c)で得られる顆粒は、0.1~0.9g/mL、好ましくは0.2~0.8g/mL、より好ましくは0.3~0.7g/mL、最も好ましくは0.4~0.6g/mLの嵩密度を有する。
【0103】
加えて又は代替として、工程(c)で得られる顆粒は、0.1~0.9g/mL、好ましくは0.2~0.9g/mL、より好ましくは0.3~0.8g/mL、最も好ましくは0.4~0.7g/mL、いっそう好ましくは0.5~0.7g/mLのタップ密度を有する。
【0104】
加えて又は代替として、工程(c)で得られる顆粒は、10~40、好ましくは12~35、より好ましくは14~32、最も好ましくは14~30、いっそう好ましくは15~28の圧縮性指数を有する。
【0105】
加えて又は代替として、工程(c)で得られる顆粒は、10~80°、好ましくは15~75°、より好ましくは20~70°、最も好ましくは30~65°、いっそう好ましくは35~60°の安息角を有する。
【0106】
好ましくは、工程(c)で得られる顆粒は、以下を有する:
i)10~4500μm、好ましくは50~2500μm、より好ましくは100~1200μm、さらにより好ましくは180~710μmのメジアン粒径;及び
ii)窒素を使用したISO9277によるBET法を用いて測定して、20m/g~450m/g、好ましくは20m/g~250m/g、より好ましくは30m/g~160m/g、最も好ましくは40m/g~150m/g、いっそう好ましくは40m/g~140m/gのBET比表面積;及び
iii)0.1~0.9g/mL、好ましくは0.2~0.8g/mL、より好ましくは0.3~0.7g/mL、最も好ましくは0.4~0.6g/mLの嵩密度;及び
iv)0.1~0.9g/mL、好ましくは0.2~0.9g/mL、より好ましくは0.3~0.8g/mL、最も好ましくは0.4~0.7g/mL、いっそう好ましくは0.5~0.7g/mLのタップ密度;及び
v)10~40の、好ましくは12~35、より好ましくは14~32、最も好ましくは14~30、いっそう好ましくは15~28の圧縮性指数;及び
vi)10~80°、好ましくは15~75°、より好ましくは20~70°、最も好ましくは30~65°、いっそう好ましくは35~60°の安息角。
【0107】
任意の方法工程
本発明の方法における任意の工程(d)によれば、工程(c)で得られた顆粒は、少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかける工程(d)に供される。
【0108】
そのようなふるい分けは、当業者に既知の任意の慣用のふるい分け手段を用いて行われる。ふるい分けは1又は複数のメッシュサイズを使って行われる。適切なメッシュサイズは、順に、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmであるが、これらに限定されるものではない。
【0109】
こうしてふるいにかけられた顆粒は、異なるメッシュサイズでふるい分けされることによって得られる、好ましくは、順に、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでのふるい分けによって得られる、90~710μmのメジアン粒径を有する。より好ましくは、順に、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでふるい分けし、ふるい分けした顆粒を混合することによって、90μm未満のメジアン粒径及び710μmを超えるメジアン粒径を有する顆粒は除外される。例えば、スイスのVibro Retsch社のVibrating sieve tower(振動シーブ塔)を使用して実施することができる。
【0110】
ある一つの実施形態では、ふるい分けは、順に、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズを使用して行われる。
【0111】
こうしてふるいにかけられた顆粒は、異なるメッシュサイズでふるい分けされることによって得られる、好ましくは、順に、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでのふるい分けによって得られる、180~710μmのメジアン粒径を有する。より好ましくは、順に、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでふるい分けし、ふるい分けした顆粒を混合することによって、180μm未満のメジアン粒径及び710μmを超えるメジアン粒径を有する顆粒は除外される。例えば、スイスのVibro Retsch社のVibrating sieve tower(振動シーブ塔)を使用して実施することができる。
【0112】
代替の実施形態では、ふるい分けは、順に、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズを使用して行われる。
【0113】
こうしてふるいにかけられた顆粒は、異なるメッシュサイズでふるい分けされることによって得られる、好ましくは、順に、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでのふるい分けによって得られる、250~710μmのメジアン粒径を有する。より好ましくは、順に、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズでふるい分けし、ふるい分けした顆粒を混合することによって、250μm未満のメジアン粒径及び710μmを超えるメジアン粒径を有する顆粒は除外される。例えば、スイスのVibro Retsch社のVibrating sieve tower(振動シーブ塔)を使用して実施することができる。
【0114】
他のメッシュサイズ及び他のメッシュサイズの組み合わせも本発明の意図する範囲内にあることは、本発明の理解の範囲内にあるものである。
【0115】
かかる実施形態では、前記投与製剤を製造する方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;及び
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0116】
既に上記で概説したように、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムの圧縮形態物は、結合剤及び/又は崩壊剤のような配合助剤の不存在下で製造される。
【0117】
しかしながら、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムに、少なくとも一つの配合助剤を混合することができる。
【0118】
したがって、ある一つの実施形態では、本発明の方法は、工程(c)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること、及び/又は行う場合には、工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合する工程(e1)をさらに含む。好ましくは、混合工程(e1)において、工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合する。
【0119】
混合工程(e1)は、工程(c)で得られた顆粒及び/又は行う場合には工程(d)で得られた顆粒を、少なくとも一つの配合助剤と、混合物を形成するために任意の順番で混合することによって行うことができる。
【0120】
本発明の目的のために、技術的に知られている任意の適した混合手段を、混合工程(e1)を実施するために使用することができる。しかしながら、混合工程(e1)は、ミキサー及び/又はブレンダー中で、好ましくは回転ミキサーのようなミキサー中で、好ましくは行われる。
【0121】
「少なくとも一つの」配合助剤との表現は、その配合助剤が、1又は複数の配合助剤を含むことを意味する。
【0122】
本発明のある一つの実施形態によれば、配合助剤は一つの配合助剤のみを含む。本発明のまた別の実施形態によれば、配合助剤は二つ又は二つを超える配合助剤の混合物を含む。例えば、配合助剤は、二つ又は三つの配合助剤の混合物を含む。
【0123】
本発明のある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの配合助剤は、一つの配合助剤のみを含む。
【0124】
例えば、前記少なくとも一つの配合助剤は、崩壊剤、潤滑剤、衝撃改質剤、可塑剤、ワックス、安定剤、顔料、着色剤、着香剤、矯味剤、香味剤、甘味料、食感改良剤、希釈剤、フィルム形成剤、接着剤、緩衝剤、吸着剤、臭気マスキング剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される。ある一つの実施形態では、前記の少なくとも一つの配合助剤は、また、結合剤であってもよい。
【0125】
上記の配合助剤は単なる例示的な特質を有するものであり、限定的な特質を有する配合助剤を意図するものではないことは、当業者の理解の範囲内である。
【0126】
好ましくは、前記少なくとも一つの配合助剤は、変性セルロースガム、不溶性架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコレート、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、N-ビニル-2-ピロリドンのホモポリマー、アルキルセルロースエステル、ヒドロキシアルキルセルロースエステル、カルボキシアルキルセルロースエステル、アルギネート、微結晶セルロースとその結晶多形、イオン交換樹脂、ガム、キチン、キトサン、クレー、ジェランガム、架橋ポラクリリンコポリマー、寒天、ゼラチン、デキストリン、アクリル酸ポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム/カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、シェラック、又はこれらの混合物を含む群から選択される崩壊剤である。
【0127】
適切な崩壊剤の例示は以下の通りである:Ac-Di-Sol(登録商標)、FMC、米国(変性セルロースガム);Kollidon(登録商標)CL、BASF、ドイツ(不溶性架橋ポリビニルピロリドン);Vivastar(登録商標)、JRS、ドイツ(デンプングリコール酸ナトリウム);MCC Polymorph II (MCC SANAQ Burst(登録商標))、Pharmatrans Sanaq AG、スイス(標準微結晶セルロース(MCC)としての、微結晶セルロースMCC SANAQ 102の安定な結晶多形type II)。
【0128】
ある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの配合助剤は潤滑剤、特に内部潤滑剤及び/又は外部潤滑剤であり、好ましくは少なくとも一つの外部潤滑剤である。あるいは、前記少なくとも一つの配合助剤は、少なくとも一つの内部潤滑剤及び外部潤滑剤である。
【0129】
前記少なくとも一つの内部潤滑剤は、脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエトキシル化された水素化ひまし油(例えば、CREMOPHOR(登録商標)の商品名で販売されている製品)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー(例えば、PLURONIC(登録商標)及びPOLOXAMERの商品名で販売されている製品)、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸及びポリオキシエチレンステアリン酸エステルのソルビタンエステル、ステアリルアルコール、ジベヘン酸グリセロール、フマル酸ステアリルナトリウム、ジステアリン酸グリセロール及びこれらの組み合わせを含む群から選択することができる。好ましくは、前記少なくとも一つの内部潤滑剤は、フマル酸ステアリルナトリウムである。
【0130】
前記少なくとも一つの外部潤滑剤は、レシチン、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のサッカロースエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、エステル交換されたひまし油酸のポリグリセロールエステル(E476)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸カルシウム、水素化植物油、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、コロイド状シリカ、タルク及びこれらの組み合わせを含む群から選択することができる。好ましくは、前記少なくとも1つの外部潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸カルシウムであり、より好ましくはステアリン酸マグネシウムである。
【0131】
ある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの配合助剤は可塑剤である。例えば、可塑剤は、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、クエン酸アセチルトリブチル(ATBC)、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)及びクエン酸アセチルトリ-2-エチルヘキシル(ATEHC)からなる群から選択されるクエン酸ベースの可塑剤とすることができる。
【0132】
さらなる実施形態によれば、前記少なくとも一つの配合助剤は、希釈剤、フィルム形成剤、接着剤、緩衝剤、吸着剤、天然又は合成着香剤、天然又は合成香味剤、天然又は合成着色剤、天然又は合成甘味料、天然又は合成臭気マスキング剤、天然又は合成の香味若しくは味覚マスキング剤、天然及び/又は合成食感改良剤、並びにこれらの混合物から、さらに選択することができる。
【0133】
適切な天然又は合成着香剤には、一般的には非常に低い濃度で、ヒト又はその他の動物が嗅覚によって感知する1又は複数の揮発性の化合物が含まれる。
【0134】
適切な天然又は合成香味剤には、ペパーミントのようなミント類;メントール、バニラ、シナモン、様々なフルーツフレーバー;チモール、ユーカリプトール、メントール及びサリチル酸メチルなどの個々の又は混合精油;アリルピラジン、メトキシピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、アセチル-L-ピラジン類、2-アセトキシピラジン、アルデヒド類、アルコール類、エステル類、ケトン類、ピラジン類、フェノール類、テルペノイド類、並びにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0135】
香味剤は、個々の風味によって変わる量で一般的に使用され、例えば、最終投与製剤の約0.5重量%~約4重量%の量の範囲とすることができる。
【0136】
適切な天然又は合成着色剤には、二酸化チタン、フラボン色素、イソキノリン色素、ポリエン染料、ピラン染料、ナフトキノン色素、キノン及びアントラキノン色素、クロメン色素、ベンゾピロン色素並びにインジゴイド色素及びインドール染料が含まれるが、これらに限定されない。これらの例は、カラメル着色、アナトー、クロロフィリン、コチニール、ベタニン、ターメリック、サフラン、パプリカ、リコペン、パンダン及びチョウマメなどである。
【0137】
適切な天然又は合成甘味料には、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、糖、マルトース、部分加水分解デンプン又はコーンシロップ固形物、及び糖アルコール(例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール及びこれらの混合物);可溶性サッカリン塩(すなわち、サッカリンのナトリウム又はカルシウム塩)、シクラメート塩、アセスルファム-K等のような水溶性人工甘味料、及びL-アスパルチル-フェニルアラニンメチルエステル、Alitame(登録商標)又はNeotame(登録商標)のようなサッカリン及びアスパルテーム系甘味料の遊離酸形態が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
一般的に、甘味料の量は、特定の製剤組成のために選択された甘味料の所望の量によって変わる。
【0139】
適切な天然及び/又は合成食感改良剤には、ポリエチレンオキサイド(PEO-1NF)(住友精化株式会社(大阪)提供のLot.L20141017A);ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11)(信越化学工業(日本)、Lot.505200);ヒドロキシプロピルエチルセルロース(Methocel E15 LV Premium EP)、Lot.LD250012N23;Gummi arabicum、Pheur、Roth、ドイツ、Lot.024208213;又はInstant gum AA、Nexira、フランス;又はそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
ある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの配合助剤は、工程(a)の表面反応炭酸カルシウムの総重量に対して、約0.1重量%~約99.0重量%、好ましくは約0.3重量%~約50.0重量%、より好ましくは約0.3重量%~約10.0重量%、さらにより好ましくは約0.3重量%~約5.0重量%、最も好ましくは約0.5重量%~約2.5重量%の総量で供給される。
【0141】
本発明の方法が、少なくとも一つの配合助剤の提供を含む場合に、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;及び
(e1)工程(c)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0142】
本発明の方法が、さらにふるい分けすることを含む場合に、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;及び
(e1)工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0143】
追加的に又は代替として、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムの圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持することができる。
【0144】
したがって、ある一つの実施形態では、本発明の方法は、工程(b)で得られた圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持する工程(e2)をさらに含む。好ましくは、工程(d)で得られた顆粒を、担持工程(e2)において少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体に担持する。
【0145】
本発明のある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を含み、好ましくは一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体からなる。あるいは、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、二つ若しくは二つを超える活性成分及び/又はその不活性前駆体を含み、好ましくは二つ若しくは二つを超える活性成分及び/又はその不活性前駆体からなる。例えば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、二つ若しくは三つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を含み、好ましくは二つ若しくは三つの活性成分及び/又はその不活性前駆体からなる。
【0146】
好ましくは、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、一つの活性成分又はその不活性前駆体を含み、好ましくは一つの活性成分又はその不活性前駆体からなる。
【0147】
本発明の意味するところにおいて、「活性成分」との用語は、有機体において特異的な効果を有する物質であって、ヒト、動物、微生物及び/又は植物において特異的な反応を起こす物質のことを指す。
【0148】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、キラル化合物とすることができると理解される。したがって、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、(R)-エナンチオマー、(S)-エナンチオマー、及びこれらの混合物、例えばラセミ混合物を包含する。
【0149】
追加的に又は代替として、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、異性化合物とすることができる。したがって、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、(Z)-異性体、(E)-異性体、及びこれらの混合物を包含する。
【0150】
例えば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、香料、香味料、ハーブ抽出物、果実抽出物、栄養物、微量ミネラル、忌避剤、食品、化粧品、難燃剤、酵素、高分子、殺虫剤、肥料、保存剤、酸化防止剤、反応性化学品、その合成起源の、半合成起源の若しくは天然起源の薬学的活性剤又は薬学的不活性前駆体、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0151】
香料は、好ましくは、単独で又は他の香料と組み合わせて香気、芳香、エッセンス又は匂いを付与するのに有用な、少なくとも約100g/molの分子量を有するアルコール、アルデヒド及び/又はケトンである。例えば、香料は、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール(フローラロール)、2,4-ジメチルシクロヘキサンメタノール(ジヒドロフローラロール)、5,6-ジメチル-1-メチルエテニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メタノール(アルボゾール)、α,α-4-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール(α-テルピネオール)、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール(イソシクロゲラニオール)、4-(1-メチルエチル)シクロヘキサンメタノール(マヨール)、α-3,3-トリメチル-2-ノルボルナンメタノール、1,1-ジメチル-1-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)メタノール、2-フェニルエタノール、2-シクロヘキシルエタノール、2-(o-メチルフェニル)エタノール、2-(m-メチルフェニル)エタノール、2-(p-メチルフェニル)エタノール、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト-2-エン-2-エタノール(ノポール)、2-(4-メチルフェノキシ)エタノール、3,3-ジメチル-Δ-β-ノルボルナンエタノール(patchomint)、2-メチル-2-シクロヘキシルエタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、1-フェニルエタノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエタノール、1,1-ジメチル-2-(4-メチルフェニル)エタノール、1-フェニルプロパノール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール(ヒドロトロピックアルコール)、2-(シクロドデシル)プロパン-1-オール(ヒドロキシアンブラン)、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパン-1-オール(マジャントール)、2-メチル-3-フェニルプロパノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール(シンナミルアルコール)、2-メチル-3-フェニル-2-プロペン-1-オール(メチルシンナミルアルコール)、α-n-ペンチル-3-フェニル-2-プロペン-1-オール(α-アミル-シンナミルアルコール)、エチル-3-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオネート、2-(4-メチルフェニル)-2-プロパノール、3-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)ブタノール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-シクロペント-3-エニル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-2-ブテン-1-オール(プレノール)、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-ヒドロキシ酪酸エチル、4-フェニル-3-ブテン-2-オール、2-メチル-4-フェニルブタン-2-オール、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-ブタン-2-オン、3-メチル-ペンタノール、3-メチル-3-ペンテン-1-オール、1-(2-プロペニル)シクロペンタン-1-オール(プリノール)、2-メチル-4-フェニルペンタノール(Pamplefleur)、3-メチル-5-フェニルペンタノール(フェノキサノール)、2-メチル-5-フェニルペンタノール、2-メチル-5-(2,3-ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト-3-イル)-2-ペンテン-1-オール(サンタロール)、4-メチル-1-フェニル-2-ペンタノール、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール(sandalore)、(1-メチル-ビシクロ[2.1.1]ヘプテン-2-イル)-2-メチルペント-1-エン-3-オール、3-メチル-1-フェニルペンタン-3-オール、1,2-ジメチル-3-(1-メチルエテニル)シクロペンタン-1-オール、2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセノール、シス-3-ヘキセン-1-オール、トランス-2-ヘキセン-1-オール、2-イソプロペニル-4-メチル-4-ヘキセン-1-オール(Lavandulol)、2-エチル-2-プレニル-3-ヘキセノール、1-ヒドロキシメチル-4-イソ-プロペニル-1-シクロヘキセン(ジヒドロクミニルアルコール)、1-メチル-4-イソプロペニルシクロヘキサ-6-エン-2-オール(カルベノール)、6-メチル-3-イソプロペニルシクロヘキサン-1-オール(ジヒドロカルベオール)、1-メチル-4-イソ-プロペニルシクロヘキサン-3-オール、4-イソプロピル-1-メチルシクロヘキサン-3-オール、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、2-tert-ブチルシクロヘキサノール、2-tert-ブチル-4-メチルシクロヘキサノール(rootanol)、4-イソプロピル-シクロヘキサノール、4-メチル-1-(1-メチルエチル)-3-シクロヘキセン-1-オール、2-(5,6,6-トリメチル-2-ノルボルニル)シクロヘキサノール、イソボルニルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、1-メチル-4-イソプロピルシクロヘキサン-3-オール、1-メチル-4-イソプロピルシクロヘキサン-8-オール(ジヒドロテルピネオール)、1,2-ジメチル-3-(1-メチルエチル)シクロヘキサン-1-オール、ヘプタノール、2,4-ジメチルヘプタン-1-オール、6-ヘプチル-5-ヘプテン-2-オール(イソリナロール)、2,4-ジメチル-2,6-ヘプタンジエノール、6,6-ジメチル-2-オキシメチル-ビシクロ[3.1.1]ヘプト-2-エン(myrtenol)、4-メチル-2,4-ヘプタジエン-1-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-2-ヘプタノール、3,6-ジメチル-3-ビニル-5-ヘプテン-2-オール、6,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール(ジメトール)、2,6,6-トリメチルビシクロ[1.3.3]ヘプタン-2-オール、オクタノール、2-オクテノール、2-メチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール(ミルセノール)、7-メチルオクタン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテノール、3,7-ジメチル-7-オクテノール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(シトロネロール)、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール(ゲラニオール)、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール(ネロール)、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール(オシロール)、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-1-オール(リナロール)、3,7-ジメチルオクタン-1-オール(ペラルゴール)、3,7-ジメチルオクタン-3-オール(テトラヒドロリナロール)、2,4-オクタジエン-1-オール、3,7-ジメチル-6-オクテン-3-オール(ジヒドロリナロール)、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、4,7-ジメチル-4-ビニル-6-オクテン-3-オール、3-メチルオクタン-3-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-3-オール、3,6-ジメチルオクタン-3-オール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール(ムグオール)、3-メチル-1-オクテン-3-オール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、3-ノナノール、2,6-ノナジエン-1-オール、シス-6-ノネン-1-オール、6,8-ジメチルノナン-2-オール、3-(ヒドロキシメチル)-2-ノナノン、2-ノネン-1-オール、2,4-ノナジエン-1-オール、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、デカノール、9-デセノール、2-ベンジル-m-ジオキサ-5-オール、2-デセン-1-オール、2,4-デカジエン-1-オール、4-メチル-3-デセン-5-オール、3,7,9-トリメチル-1,6-デカジエン-3-オール(イソブチルリナロール)、ウンデカノール、2-ウンデセン-1-オール、10-ウンデセン-1-オール、2-ドデセン-1-オール、2,4-ドデカジエン-1-オール、2,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール(ファルネソール)、3,7,11-トリメチル-1,6,10-ドデカトリエン-3-オール(ネロリドール)、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-2-エン-1-オール(フィトール)、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカ-1-エン-3-オール(イソフィトール)、ベンジルアルコール、p-メトキシベンジルアルコール(アニシルアルコール)、p-シメン-7-オール(クミニルアルコール)、4-メチルベンジルアルコール、3,4-メチレンジオキシベンジルアルコール、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸cis-3-ヘキセニル、サリチル酸n-ペンチル、サリチル酸2-フェニルエチル、サリチル酸n-ヘキシル、2-メチル-5-イソプロピルフェノール、4-エチル-2-メトキシフェノール、4-アリル-2-メトキシフェノール(オイゲノール)、2-メトキシ-4-(1-プロペニル)フェノール(イソオイゲノール)、4-アリル-2,6-ジメトキシフェノール、4-tert-ブチルフェノール、2-エトキシ-4-メチルフェノール、2-メチル-4-ビニルフェノール、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(チモール)、ペンチル-オルト-ヒドロキシベンゾエート、2-ヒドロキシ-安息香酸エチル、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル、3-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチルベンゼン、2-tert-ブチル-4-メチル-1-ヒドロキシベンゼン、1-エトキシ-2-ヒドロキシ-4-プロペニルベンゼン、4-ヒドロキシトルエン、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、2-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、デカヒドロ-2-ナフトール、2,5,5-トリメチル-オクタヒドロ-2-ナフトール、1,3,3-トリメチル-2-ノルボルナノール(フェンコール)、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-2,4-ジメチル-4,7-メタノ-1H-インデン-5-オール、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3,4-ジメチル-4,7-メタノ-1H-インデン-5-オール、2-メチル-2-ビニル-5-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)テトラヒドロフラン、β-カリオフィレンアルコール、バニリン、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、メチルノニルアルデヒド、ジデシルアルデヒド、アニスアルデヒド、シトロネラール、シトロネリルオキシアルデヒド、シクラメンアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、α-メチルシンナムアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、プロピルフェニルアルデヒド、シトラール、ペリラアルデヒド、トリルアルデヒド、トリルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、LILIAL(登録商標)、サリチルアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド及びヘリオトロピン、並びにこれらの混合物を含む群から選択することができる。
【0152】
様々な精油、ハーブ抽出物及び/又は果実抽出物もまた使用することができ、好ましくは、様々な医薬又は栄養補助特性を有するものを使用することができる。精油、ハーブ抽出物及び/又は果実抽出物は、一般的には、医薬として又は香味剤のために使用することができる、抽出物若しくは芳香植物、植物の部分、果実、又は果実の部分である。適切なハーブ抽出物及び/又は果実抽出物は、単独で又は様々な混合物で使用することができる。
【0153】
一般に使用される精油、ハーブ抽出物及び/又は果実抽出物は、エキナセア、ヒドラスチス(ゴールデンシール)、カレンジュラ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、アカネグサ、グレープフルーツ種子抽出物、ブラック・コホッシュ、ジンセング、ガラナ、クランベリー、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、月見草油、ヨヒンベ樹皮、緑茶、麻黄、マカ、ビルベリー、ルテイン、ショウガ、オイゲノール含有油、及びこれらの組み合わせを含む。
【0154】
実質的に任意のビタミン、ミネラル、及び/又は植物化学物質を含む様々な栄養物を使用することができる。例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミン12、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンE、すなわち、トコフェロール、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、Q10、α-リポ酸、ジヒドロリポ酸、クルクミン、キサントフィル類、β-クリプトキサンチン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、β-カロテン、カロテン、カロテノイド混合物、ポリフェノール、フラボノイド、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、塩素、コリン、及び/又は植物化学物質、例えば、カロテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、食物繊維、フラボノイド、アントシアニン、シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペチュニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロールカテキン、エピガロールカテキンガレート、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、ケンペロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノンシェスペレチン、ナリンゲニン、エリオディクトロール、タンジェレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、植物エストロゲン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、大豆イソフラボン、及びこれらの混合物を使用することができる。活性成分として使用することができる栄養物の例は、米国特許出願公開第2003/0157213 Al号公報、米国特許出願公開第2003/0206993 A1号公報、及び米国特許出願公開第2003/0099741 Al号公報に説明されており、これらの文献の内容はあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0155】
ある一つの実施形態では、微量ミネラル、例えば、マンガン、亜鉛、銅、フッ素、モリブデン、ヨウ素、コバルト、クロム、セレン、リン、及びこれらの組み合わせを使用することができる。
【0156】
酵素には、コエンザイムQ10、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ラクターゼ、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。高分子は、好ましくは、既知の、たんぱく質、抗体、受容体、担体、ポリペプチド、ペプチド、プロバイオティクス又は脂質である。
【0157】
殺虫剤は、好ましくは、任意の既知の、除草剤、殺虫剤、昆虫成長調整剤、抗線虫剤、シロアリ殺虫剤、軟体動物駆除剤、殺魚剤、鳥駆除剤、殺鼠剤、捕食動物駆除剤、殺菌剤、防虫剤、動物忌避剤、抗菌剤、殺真菌剤、消毒剤(抗菌活性剤)及び清浄剤であり、当業者に知られているものである。
【0158】
保存剤は、当業者に既知の任意のそのような化合物とすることができる点に留意されたい。例えば、保存剤は、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、パラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン及びそれらの混合物)、塩化ベンザルコニウム、塩化ブタノール、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0159】
酸化防止剤は、好ましくは、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ガレート、カロチノイド、ポリフェノール(例えば、レスベラトロール、フラボノイド及びそれらの混合物)、ポリフェノールの誘導体、トコフェロール及びその塩、ベータカロチン、ユビキノン、トコトリエノール、ジヒドロケルセチン、天然起源の酸化防止剤及びこれらの混合物を含む群から選択される。天然起源の酸化防止剤の場合、かかる酸化防止剤は、例えば、針葉樹(コニファー)抽出物、フランスカイガンショウ(パイナス・パイナスター)樹皮抽出物(例えば、スイス、HorphagからのPycnogenol(登録商標))及び/又はインドスグリ(emblica officinalis)果実抽出物(例えば、ドイツ、Sabinsa CorporationからのSaberry(登録商標))とすることができる。
【0160】
薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、好ましくは、合成起源の、半合成起源の若しくは天然起源の薬学的活性剤又は薬学的不活性前駆体、及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0161】
したがって、薬学的活性剤とは、合成起源の、半合成起源の又は天然起源の薬学的活性剤及びそれらの組み合わせを指す。さらに、薬学的活性剤の薬学的不活性前駆体とは、合成起源の、半合成起源の又は天然起源の薬学的不活性前駆体及びそれらの組み合わせを指し、より後の段階で活性化されて、それぞれの薬学的活性剤となる。
【0162】
こうした薬学的に活性な又は不活性なプロドラッグの変換又は活性化は、当業者に知られていて一般的に利用されており、例えばpH媒介又は酵素媒介の活性化によるような、例えば胃及び/又は胃腸の管での変換及び活性化である。
【0163】
上記の活性化法は単なる例示的な性質を有するものであり、限定的な性質を有する活性化法を意図するものではないことは、当業者の理解の範囲内である。
【0164】
薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、当業者に既知の任意のそのような化合物とすることができる点に留意されたい。
【0165】
したがって、薬学的活性剤は、ヒト及び/又は動物に投与されると、予防的及び/又は治療的特性を与える任意の化合物を含む。その例示には、医薬活性剤、治療用活性剤、獣医用活性剤、栄養補助食品及び成長調整物質並びに対応する活性な又は不活性なその前駆体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0166】
例えば、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、抗炎症剤とすることができる。こうした薬剤には、非ステロイド系抗炎症剤、すなわちNSAID、例えばプロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナミン酸誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;及びオキシカムが含まれてよいが、これらに限定されるものではない。これらのNSAIDの全ては、Sunshineらの米国特許第4,985,459号明細書に十分に記載されており、そのようなNSAIDの記載に関してその全体が参照により本明細書に組み込まれる。有用なNSAIDの例には、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、マイクロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシン酸、及びそれらの混合物が含まれる。
【0167】
ヒドロコルチゾンのようなステロイド系抗炎症薬、及びメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ又はそれらの混合物のようなCOX-2(シクロオキシゲナーゼ-2)阻害剤もまた有用である。任意の上記の抗炎症剤との混合物も使用することができる。
【0168】
薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体として使用することができるその他の材料には、一般的に知られている口腔及び咽喉用製品が含まれる。これらの製品には、フェニルエフリン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、ブロムヘキシン及びクロルフェニラミン等の上気道薬(呼吸器系薬);ファモチジン、ロペラミド及びシメチコン等の胃腸薬;硝酸ミコナゾール等の抗真菌薬;抗生物質;並びにケトプロフェン及びフルルビプロフェン等の鎮痛薬を含むが、これらに限定されない。
【0169】
前記少なくとも一つの薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、抗歯石剤であってもよい。ここで有用な抗歯石剤はホスフェートである。ホスフェートには、ピロホスフェート、ポリホスフェート、ポリホスホネート及びこれらの混合物が含まれる。このうちピロホスフェートは、デンタルケア製品で使用される最もよく知られているホスフェートである。歯に供給されるピロホスフェートイオンは、ピロホスフェート塩から誘導される。本発明の薬剤送達システムで有用なピロホスフェート塩は、二つのアルカリ金属のピロホスフェート塩、四つのアルカリ金属のピロホスフェート塩、及びこれらの混合物を含む。ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、及びピロリン酸四カリウム(K)は、その非水和物及び水和物の形態が好ましい。抗結石剤(抗歯石剤)のホスフェートには、ピロリン酸カリウム及びピロリン酸ナトリウム;トリポリリン酸ナトリウム;エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホネート等のジホスホネート;1-アザシクロヘプタン-1,1-ジホスホネート;直鎖アルキルジホスホネート;直鎖カルボン酸並びにクエン酸ナトリウム及びクエン酸亜鉛が含まれる。
【0170】
薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールから選択することができる。
【0171】
薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、以下のものから選択することもできる:エフェドリン、マガルドレート、シュードエフェドリン、シルデナフィル、キシロカイン、塩化ベンザルコニウム、カフェイン、フェニレフリン、アンフェプラモン、オーリスタット、シブトラミン、アセトアミノフェン、アスピリン、グリタゾン、メトホルミン、クロルプロマジン、ジメンヒドリナート、ドムペリドン、メクロジン、メトクロプラミド、オダンセトロン、プレドニゾロン、プロメタジン、アクリバスチン、セチリジン、シンナリジン、クレマスチン、シクリジン、デスロラタジン、デキシクロロフェニラミン、ジメンヒドリネート、エバスチン、フェキソフェナジン、イブプロフェン、レボレボプロリシン、ロラタジン、メクロジン、ミゾラスチン、プロメタジン、ミコナゾール、クロルヘキシジンジアセテート、フッ化物、デカペプチド KSL、フッ化アルミニウム、アミノキレートカルシウム、フッ化アンモニウム、ケイフッ化アンモニウム、アンモニウムモノフルオロホスフェート、フッ化カルシウム、カルシウムグルコネート、カルシウムグリセロホスフェート、乳酸カルシウム、カルシウムモノフルオロホスフェート、炭酸カルシウム、カルバミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロルヘキシジンジグルコネート、クロルヘキシジンクロライド、クロルヘキシジンジアセテート、CPP カゼインホスホペプチド、ヘキセテジン、フッ化オクタデセニルアンモニウム、フルオロケイ酸カリウム、塩化カリウム、モノフルオロリン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、塩化ストロンチウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、アルギン酸、水酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ヨヒンビン、シメチジン、ニザチジン、ラニチジン、アセチルサリチル酸、クロピドグレル、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、コデイン、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、ノスカピン、フェニルプロパノールアミン、ビタミンD、シンバスタチン、ビサコジル、ラクチトール、ラクツロース、酸化マグネシウム、ピコ硫酸ナトリウム、セナグリコシド、ベンゾカイン、リドカイン、テトラカイン、アルモトリプタン、エレトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、セレン、亜鉛、クロラミン、過酸化水素、メトロニダゾール、トリアムシノロンアセトニド、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、フッ化物、リドカイン、アンフォテリシン、ミコナゾール、ニスタチン、魚油、イチョウ、ジンセング、ジンジャー、パープル・コーンフラワー、ノコギリヤシ、セチリジン、レボセチリジン、ロラタジン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、アクリバスチンプソイドエフェドリン、ロラタジンプソイドエフェドリン、グルコサミン、ヒアルロン酸、デカペプチド KSL-W、デカペプチド KSL、レスベラトロール、ミソプロストール、ブプロピオン、塩酸オンダンセトロン、エソメプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、バクテリア等、ロペラミド、シメチコン、アセチルサリチル酸及びその他、スクラルフェート、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、テルビナフィン、アロプリノール、プロベネシド、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ニコチン酸、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ピロカルピン、ナプロキセン、アレンドロネート、エチドロネート、ラロキシフェン、リセドロネート、ベンゾジアゼピン、ジスルフィラム、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、コデイン、デキシトロプロポキシフェン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、ケトベミドン、ケトプロフェン、メタドン、モルヒネ、ナプロキセン、ニコモルヒネ、オキシコドン、ペチジン、トラマドール、アモキシシリン、アンピシリン、アジスロマイシン、シプロフロキサチン、クラリスロマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フシジン酸、リメサイクリン、メトロニダゾール、モキシフロキサシン、オフロキサシン、オキシテトラサイクリン、フェノキシメチルペニシリン、リファマイシン、ロキシスロマイシン、スルファメチゾール、テトラサイクリン、トリメトプリム、バンコマイシン、アカルボース、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、インスリン、レパグリニド、トルブタミド、オセルタミビル、アシクロビル、ファムシクロビル、ペンシクロビル、バルガンシクロビル、アムロピジン、ジルチアゼム、フェロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、フィナステリド、ミノキシジル、コカイン、ブフレノルフィン、クロニジン、メタドン、ナルトレキソン、カルシウム拮抗薬、クロニジン、エルゴタミン、β-遮断薬、アセクロフェナク、セレコキシブ、デキシプロフェン、エトドラク、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロルノキシカム、メロキシカム、ナブメトン、オイロキシカム、パレコキシブ、フェニルブタゾン、ピロキシカム、チアプロフェン酸、トルフェナミン酸、アリピプラゾール、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、フルペンチキソール、フルフェナジン、ハロペリドール、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、メルペロン、ペンフルリドール、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、ピパンペロン、プロクロルペラジン、リスペリドン、チオリジジン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ボリコナゾール、アヘン、ベンゾジアゼピン、ヒドロキシン、メプロバメート、フェノチアジン、アルミニウムアミノアセテート、エソメプラゾール、ファモチジン、酸化マグネシウム、ニザチド、オメプラゾール、パントプラゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニダゾール、アンフェタミン、アテノロール、フマル酸ビソプロロール、メトプロロール、メトロプロロール、ピンドロール、プロプラノロール、オーラノフィン、及びベンダザック。
【0172】
有用な薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体のさらなる例示は、以下のものを含む治療的薬剤の群から選択される有効成分を含むことができる:鎮痛薬、麻酔薬、解熱剤、抗アレルギー薬、抗不整脈薬、食欲抑制薬、抗真菌薬、抗炎症薬、気管支拡張薬、心血管薬、冠動脈拡張薬、脳拡張薬、末梢血管拡張薬、抗感染薬、向精神薬、抗躁剤、覚醒剤、抗ヒスタミン薬、便秘薬、うっ血除去剤、消化管鎮静剤、性機能障害薬、消毒剤、抗下痢剤、抗狭心症物質、血管拡張剤、降圧剤、血管収縮薬、片頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓薬、催眠薬、鎮静薬、制吐剤、制嘔吐剤、抗痙攣剤、神経筋薬、高血糖及び低血糖薬、甲状腺及び抗甲状腺剤、利尿薬、鎮痙剤、子宮弛緩薬、抗肥満薬、食欲抑制薬、鎮痙薬、同化薬、赤血球形成剤、抗喘息薬、去痰薬、咳抑制薬、粘液溶解薬、抗排尿薬、歯科用ビヒクル、口臭除去剤、制酸剤、抗利尿薬、抗鼓腸薬、ベータ受容体遮断剤、歯のホワイトニング剤、酵素、補酵素、タンパク質、エネルギーブースター、繊維、プロバイオティクス、プレバイオティクス、NSAID、鎮咳薬、鬱血除去薬、抗ヒスタミン薬、去痰薬、抗下痢薬、水素拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、一般的な非選択的中枢神経(CNS)抑制薬、一般的な非選択的中枢神経(CNS)刺激剤、選択的中枢神経(CNS)機能改善薬、抗パーキンソン病薬、麻薬鎮痛薬、鎮痛解熱薬、精神薬理学的薬剤、及び性機能障害薬。
【0173】
有用な薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体の例示は、以下のものも含むことができる:カゼイングリコマクロペプチド(CGMP)、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、第四級アンモニウム塩、亜鉛成分、サンギナリン、フッ化物、アレキシジン、オクトニジン、EDTA、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサル、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシン、ベンゾナテート、カラミフェンエジシレート、メントール、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸テオブロミン、塩酸クロフェンジアノール、塩酸プソイドエフェドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸プソイドエフェドリン、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カルビノキサミンマレイン酸塩、フマル酸クレマスチン、マレイン酸デクスクロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンピラリド、マレイン酸アザタジン、クエン酸ジフェンヒドラミン、コハク酸ドキシルアミン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレンアミン、トリプロリジン塩酸塩、アクリバスチン、ロラタジン、ブロムフェニラミン、デクスブロムフェニアミン、グアイフェネシン、トコン、ヨウ化カリウム、テルピン水和物、ロペラミド、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、脂肪族アルコール、バルビツール酸塩、カフェイン、ストリキニーネ、ピクロトキシン、ペンチレンテトラゾール、フェニヒダントイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、ジアゼパム、ベンゾジアゼピン、フェナセミド、フェネツリッド、アセタゾラミド、スルチアム、ブロム剤、レボドパ、アマンタジン、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルフォン、メトポン、オキシモルフォン、レボファノール、コデイン、ヒドロコドン、キシコドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、サリチル酸塩、フェニルブタゾン、インドメタシン、フェナセチン、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ハロペリドール、クロザピン、レセルピン、イミプラミン、トラニルシプロミン、フェネルジン、リチウム、クエン酸シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィルCL。例えば、オイゲノールは麻酔薬として使用することができる。
【0174】
有用な薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体の例示は、以下の群から選択される活性成分を含むことができる:ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗痙攣薬、抗鬱剤、抗糖尿病薬、下痢止め剤、解毒剤、抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗炎症薬、抗脂質薬、抗躁病薬、抗嘔吐剤、抗卒中薬、抗甲状腺剤、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、ニキビ剤、アルカロイド、アミノ酸剤、抗鎮咳剤、抗尿毒剤、抗ウイルス薬、同化製剤、全身性及び非全身性抗感染薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激剤、生物学的応答調節薬、血液調節薬、骨代謝調節薬、心臓血管薬、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害薬、避妊薬、鬱血除去薬、栄養補助食品、ドーパミン受容体作動薬、子宮内膜症管理薬、酵素、現在ViagraTMとして販売されているクエン酸シルデナフィルなどの勃起不全治療薬、不妊治療薬、胃腸薬、ホメオパシー治療薬、ホルモン、高カルシウム血症及び低カルシウム血症治療薬、免疫調節薬、免疫抑制薬、片頭痛治療薬、酔い止め薬、筋弛緩薬、肥満治療薬、骨粗鬆症治療薬、子宮収縮剤、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神療法薬、呼吸器薬、鎮静薬、ブロモクリプチンのような禁煙補助剤、交感神経遮断薬、振戦製剤、尿路剤、血管拡張薬、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制剤、去痰剤、抗不安剤、抗潰瘍剤、抗炎症物質、冠動脈拡張剤、脳拡張薬、末梢血管拡張剤、向精神薬、覚醒剤、抗高血圧薬、血管収縮薬、片頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓薬、催眠薬、制吐剤、抗嘔吐剤、抗痙攣薬、神経筋薬、高血糖及び低血糖薬、甲状腺及び抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、テリン弛緩薬、抗肥満薬、赤血球形成薬、抗喘息薬、咳止め薬、粘液溶解薬、DNA及び遺伝子組み換え薬、並びにこれらの組み合わせ。
【0175】
考慮される有用な薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体の例示は、制酸剤、H2拮抗薬及び鎮痛薬も含むことができる。例えば、制酸剤の投与量は、成分である炭酸カルシウム単独あるいは水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムとの組み合わせを使って調製することができる。さらに、制酸剤は、H2拮抗薬と組み合わせて使用することができる。
【0176】
鎮痛薬には、オキシコンチンTMのようなアヘン剤(鎮静剤)及びアヘン剤の誘導体、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、並びに任意にカフェインを含み得るそれらの組み合わせが含まれる。
【0177】
その他の有用な薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、ImmodiumTM ADなどの下痢止め薬、抗ヒスタミン薬、抗鎮咳薬、鬱血除去薬、ビタミン剤及び口臭除去剤を含むことができる。ここでは、以下のものもまた使用することが企図される:XanaxTMのような抗不安薬;CrozarilTM及びHaldolTMのような抗精神病薬;イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、VoltarenTM及びLodineTMのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);ClaritinTM、HismanalTM、RelafenTM及びTavistTMのような抗ヒスタミン薬;KytrilTM及びCesametTMのような制吐剤;BentolinTM及びProventilTMのような気管支拡張剤;ProzacTM、ZoloftTM及びPaxilTMのような抗鬱剤;ImigraTMのような抗片頭痛薬;VasotecTM、CapotenTM及びZestrilTMのようなACE阻害剤;NicergolineTMのような抗アルツハイマー薬;並びにProcardiaTM、AdalatTM及びCalanTMのようなCaH拮抗薬。
【0178】
本発明での使用が企図されている一般的なH2拮抗薬には、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン及びアセロキサチジンが含まれる。
【0179】
活性成分としての制酸剤には以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムナトリウムカーボネート、炭酸水素塩、ビスマスアルミネート、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸又は塩)、アミノ酢酸、アルミン酸マグネシウム硫酸塩水和物、マガルドレート、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固体分、第一リン酸アルミニウムカルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸及び塩。
【0180】
いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、ベンジルアルコール、サリチルアルコール及びこれらの組み合わせのような鎮痛薬/麻酔薬から選択することができる。いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、滑りやすいニレ樹皮、ペクチン、ゼラチン及びこれらの組み合わせのような粘滑剤(鎮痛剤)から選択することができる。いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的 不活性前駆体は、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、オイゲノール及びこれらの組み合わせのような殺菌成分から選択することができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、クロフェジアノール塩酸塩、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ジフェンヒドラミン及び塩酸ジフェンヒドラミン及びこれらの組み合わせのような鎮咳薬成分から選択することができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、蜂蜜、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントール及びこれらの組み合わせのような喉の鎮痛剤から選択することができる。さらに他の実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、咳止め薬から選択することができる。そのような咳止め剤は二つに分類される:粘液溶解薬や去痰薬のような痰の質感や生成を変えるもの;及びコデイン(麻薬性咳止め薬)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファン及びイソプロテレノール(非麻薬性咳止め薬)のような咳反射を抑制するもの。
【0183】
さらに他の実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリン及びこれらの組み合わせを含む群から選択することができる。いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、アクリバスチン、アザタジン、ブロムフェニラミン、クロ(フィ)ヘニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デキスブロムフェニラミン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレンアミン、トリプロリジン及びこれらの組み合わせのような抗ヒスタミン剤から選択することができる。いくつかの実施形態では、薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体は、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン及びこれらの組み合わせのような非鎮静抗ヒスタミン薬から選択することができる。
【0184】
例えば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、香料、香味料、精油、殺虫剤、殺菌剤、薬学的に活性な薬剤又はその薬学的に不活性な前駆体、例えば消毒剤及び/又は麻酔薬及びこれらの混合物から選択することができる。最も好ましくは、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、薬学的に活性な薬剤又はその薬学的に不活性な前駆体、例えば消毒剤及び/又は麻酔薬、あるいはこれらの混合物から選択することができる。
【0185】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、液体の形態であることが好ましい。
【0186】
本発明の意味するところにおいて、「液体」との用語は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を含む、又は前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体からなる、ガス状でない流体組成物を指し、当該組成物は、使用時の圧力条件及び温度で、すなわち本発明の方法、好ましくは方法工程(e2)が実施される温度で、容易に流動性を有する。
【0187】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、液体の形態で又は溶媒中で提供されるように使用することができる。前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が室温で固体である場合は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、溶液、分散液(例えばナノ分散液)、乳濁液(例えばナノエマルション)又は懸濁液(例えばナノ懸濁液)を形成するように、好ましくは(水性又は有機)溶媒中に提供される。
【0188】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が、溶媒中に提供される場合、前記溶媒は、好ましくは、水、メタノール、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-オクタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、植物油及びその誘導体、動物油及びその誘導体、溶融脂肪及びワックス、並びにこれらの混合物を含む群から選択され、より好ましくは、前記溶媒は、水、エタノール及び/又はアセトンである。最も好ましくは、前記溶媒は、エタノール及び/又はアセトンである。
【0189】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が室温で固体である場合には、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、溶融状態で提供することもでき、すなわち、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、溶融温度が180℃以下、好ましくは20~100℃である場合に溶融状態で好ましくは提供される。
【0190】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体それ自体が液体である場合には、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、好ましくは、0℃を超える温度範囲で、例えば3~180℃、好ましくは10~100℃、最も好ましくは10~40℃の範囲で、液体である。例えば、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、周囲圧力条件下、すなわち大気圧下で、0℃を超える温度範囲において、例えば3~180℃、好ましくは10~100℃、最も好ましくは10~40℃の範囲において、液体である。
【0191】
ある一つの実施形態では、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体は、溶媒中に溶解される。つまり、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体と溶媒とが、溶媒中に分離した固体が何ら観察されず、したがって、「溶液」を形成するような系を形成する。
【0192】
「懸濁液」との用語は、不溶性の固体及び溶媒並びに任意のさらなる添加剤を含む系を指し、通常、懸濁液は大量の固体を含み、したがって、懸濁液を形成する溶媒よりも、より粘稠で一般的にはより高い密度を有する。しかしながら、「実質的に不溶性」との用語は、固体物質の少なくとも一部が、ある一定の条件下で(例えば、上昇した温度で)水に溶解するといった場合を除外するものではない。
【0193】
前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が溶媒中に提供される場合には、当該溶媒は、方法工程(e2)の直後に好ましくは除去され、例えば、蒸発によって除去される。「直後に」との用語は、担持工程(e2)と、ここで定義した溶媒の除去との間に何らさらなる工程を実施しないことを意味する。しかしながら、好ましくは、溶媒の除去は、時宜を得て方法工程(e2)とは分けて行うことができる。
【0194】
本発明の方法における工程(e2)では、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムの圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持される(装填する)。例えば、工程(d)で得られた顆粒には、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持される(装填される)。
【0195】
好ましくは、担持工程(e2)は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を、工程(b)で得られた表面反応炭酸カルシウムの圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、噴霧又は滴下すること、並びに表面反応炭酸カルシウムの前記圧縮形態物又は前記顆粒上に前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を均一に分布させるのに適した装置中で混合することによって行われる。
【0196】
本発明の目的のために、技術的に知られている任意の適切な手段を用いることができる。しかしながら、担持工程(e2)は、好ましくは、流動床乾燥機/造粒機、プラウシェア(すき刃)ミキサー、垂直又は水平混合器、高せん断又は低せん断混合器、及び高速ブレンダーを含む群から選択される装置中で実施される。
【0197】
好ましくは、担持工程(e2)は、幅広い温度及び/又は圧力範囲で実施することができる。例えば、担持工程(e2)は、周囲圧力条件下、すなわち大気圧下で、0℃を超える温度範囲において、例えば3~180℃、好ましくは10~100℃、最も好ましくは10~40℃の範囲において、実施することができる。あるいは、担持工程(e2)は、減圧下(真空下)で、0℃を超える温度範囲において、例えば3~180℃、好ましくは10~100℃、最も好ましくは10~40℃の範囲において、実施することができる。
【0198】
ある一つの実施形態では、担持工程(e2)は、周囲温度及び圧力条件下で、例えば、約5~35℃、好ましくは10~30℃、最も好ましくは15~25℃といった室温及び大気圧下で実施することができる。あるいは、担持工程(e2)は、周囲温度で、例えば、約5~35℃、好ましくは10~30℃、最も好ましくは15~25℃といった室温及び減圧下(真空下)で実施することができる。
【0199】
本発明の方法が、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体の提供を含む場合は、前記投与製剤を製造する方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;及び
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた前記圧縮形態物又は工程(c)で得られた顆粒に、好ましくは、工程(c)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0200】
ある一つの実施形態では、本発明の方法は、工程(c)で得られた顆粒をふるい分けして、特定の粒径を有する顆粒を得ることを含む。
【0201】
本発明の方法が、さらにふるい分けすることを含む場合に、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた前記圧縮形態物又は工程(c)で得られた顆粒に、好ましくは、工程(c)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(d)工程(c)又は工程(e2)の前記顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0202】
担持工程(e2)は、ふるい分けの工程(d)の後で実施することが好ましい。したがって、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;及び
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0203】
ある一つの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体の提供、並びに少なくとも一つの配合助剤の提供を含む。したがって、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;及び
(e1)工程(c)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;及び
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた前記圧縮形態物又は工程(c)で得られた顆粒に、好ましくは、工程(c)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0204】
本発明の方法が、さらにふるい分けすることを含む場合に、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)又は工程(e2)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合する工程;及び
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた前記圧縮形態物又は工程(c)若しくは工程(d)で得られた前記顆粒に、好ましくは、工程(d)で得られた前記顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0205】
好ましくは、担持工程(e2)はふるい分けの工程(d)の後で実施される。この実施形態では、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;及び
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0206】
本発明の方法が、方法工程(e1)及び工程(e2)を含む場合には、これらの工程は同時に又は任意の順番で別個に実施することができる。
【0207】
ある一つの実施形態では、方法工程(e1)及び工程(e2)は同時に実施される。例えば、方法工程(e1)及び工程(e2)は、前記少なくとも一つの配合助剤と、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体とを混合して提供するように、同時に実施される。つまり、前記少なくとも一つの配合助剤と、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体とは、方法工程(e1)及び工程(e2)が行われる前に、あらかじめ混合しておくことができる。
【0208】
ある一つの実施形態では、方法工程(e1)及び工程(e2)は、互いに独立して、すなわち、任意の順番で別個に行われる。例えば、方法工程(e2)は、工程(e1)の前に実施される。
【0209】
好ましくは、工程(e2)で得られた顆粒を、被覆工程(e3)に、すなわち、タブレット成形(錠剤化)工程(f)を実施する前の、被覆工程(e3)に供することができる。かかる被覆は、技術的に広く知られており、当業者に既知の慣用的な被覆手段で行うことができる。好ましくは、被覆工程は、混合工程(e1)で定義した少なくとも一つの配合助剤を用いて実施される。
【0210】
さらなる任意の実施形態では、本発明の方法は、工程(e2)又は工程(e1)又は工程(d)で得られた顆粒をタブレット成形(錠剤化)する最終工程(f)をさらに含み、ただし、工程(d)は、工程(e2)又は工程(e1)の後に実施され;あるいは、工程(e2)又は工程(e1)又は工程(d)で得られた顆粒をカプセルに充填する最終工程(f)をさらに含み、ただし、工程(d)は、工程(e2)又は工程(e1)の後に実施される。
【0211】
本発明の意味するところにおいて、「タブレット成形(錠剤化)」とは、材料を圧縮し又は成形して、タブレット(錠剤)の形態物にするプロセスを指すものである。タブレット(錠剤)は、技術的に知られている任意の形態及び任意のサイズにすることができる。「カプセル」とは、技術的に知られている任意の種類のカプセルであり得る。例えば、カプセルは、ゼラチンカプセル又はHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルとすることができる。
【0212】
工程(f)は、0.5~100kNの範囲の圧縮力で実施される。工程(f)で用いられる圧縮力は、工程(e2)で提供される特定の少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体に依存することに留意すべきである。したがって、当業者は、それに応じて圧縮力を適合させることができる。好ましくは、工程(f)は、1.0~100kNの範囲の圧縮力で、最も好ましくは1.5~80kNの範囲の圧縮力で実施される。例えば、工程(f)は、2.0~60kNの範囲の圧縮力で、最も好ましくは2.5~50kN又は2.5~20kNの範囲の圧縮力で実施される。
【0213】
タブレット成形は、当業者に既知の任意の慣用的な圧縮機を使用して行うことができる。例えば、タブレット成形は、ドイツのFette Compacting GmbHの、Fette 1200i tablet pressのようなタブレットプレスを使用して行うことができる。
【0214】
好ましくは、タブレット成形工程(f)で得られたタブレットは、最終的な被覆工程に供することができる。かかる被覆は、技術的に広く知られており、当業者に既知の慣用的な被覆手段で行うことができる。
【0215】
この実施形態では、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(e1)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と任意に混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた圧縮形態物又は工程(c)で得られた顆粒に、好ましくは、工程(c)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(f)工程(e1)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e1)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0216】
本発明の方法が、さらにふるい分けすることを含む場合に、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(e2)の顆粒又は行う場合には工程(e1)の顆粒を、少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と任意に混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた圧縮形態物又は工程(c)で得られた顆粒に、好ましくは、工程(c)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(f)工程(d)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(d)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0217】
好ましくは、担持工程(e2)はふるい分けの工程(d)の後で実施される。この実施形態では、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と任意に混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(f)工程(e2)で得られた顆粒又は行う場合には工程(e1)で得られた顆粒をタブレット成形するか、あるいは工程(e2)で得られた顆粒又は行う場合には工程(e1)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0218】
好ましくは、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(f)工程(e1)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e1)で得られた顆粒をカプセルに充填する;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0219】
あるいは、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(e1)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;及び
(f)工程(e2)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e2)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0220】
ある一つの実施形態では、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(d)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(e1)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
(e3)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤で被覆すること;及び
(f)工程(e3)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e3)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0221】
あるいは、前記投与製剤の製造方法は、以下の工程を含み、好ましくは、以下の工程からなる:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のHイオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記Hイオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
(d)工程(c)の顆粒を少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかけること;
(e1)工程(e2)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤と混合すること;
(e2)担持された顆粒を得るために、工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持すること;
(e3)工程(e1)で得られた顆粒を少なくとも一つの配合助剤で被覆すること;及び
(f)工程(e3)で得られた顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e3)で得られた顆粒をカプセルに充填すること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
【0222】
本発明の方法で得られる投与製剤は、顆粒、タブレット、ミニタブレット、又はカプセルであり得る。
【0223】
したがって、ある一つの態様では、本発明は、ここで定義した少なくとも一つの配合助剤と任意に混合され、かつ/又はここで定義した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、ここで定義した表面反応炭酸カルシウムからなる顆粒にさらに向けられている。例えば、この顆粒は、ここで定義した少なくとも一つの配合助剤と混合されかつ/又はここで定義した少なくとも一つの配合助剤で被覆され、かつ/又はここで定義した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、ここで定義した表面反応炭酸カルシウムからなる。好ましくは、この顆粒は、ここで定義した少なくとも一つの配合助剤と混合され又はここで定義した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、好ましくは、ここで定義した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、ここで定義した表面反応炭酸カルシウムからなる。あるいは、この顆粒は、ここで定義した少なくとも一つの配合助剤と混合され、かつここで定義した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、ここで定義した表面反応炭酸カルシウムからなる。好ましくは、この顆粒は、ここで定義した通りの方法によって得られる。
【0224】
別の態様では、本発明は、ここで定義した通りの方法によって得られるタブレット及び/又はカプセルにさらに向けられている。
【0225】
したがって、投与製剤は、広い範囲のサイズに調製することができ、異なるサイズの画分は、ふるい分けのような慣用的な手段で分離することができる。
【0226】
一般的に、投与製剤は、0.1~20.0mm、好ましくは0.2~15.0mm、より好ましくは0.3~10.0mmの重量メジアン粒径を有することができる。
【0227】
得られた良好な結果の観点から、本発明は、別の態様において、本発明の方法によって得られる投与製剤、好ましくはタブレット、ミニタブレット又はカプセルに向けられている。
【0228】
別の態様は、ここで定義された顆粒、又はここで定義されたタブレット及び/又はカプセル、又はここで定義された投与製剤の、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品、及びパーソナルケア製品における使用に向けられている。
【0229】
さらなる態様によれば、ここで定義された顆粒、又はここで定義されたタブレット及び/又はカプセル、又はここで定義された投与製剤を含む、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品、及びパーソナルケア製品が提供される。
【0230】
さらなる態様は、ここで定義した方法における、表面反応炭酸カルシウムの使用に向けられている。
【0231】
本発明による方法の技術的な詳細を議論する際には、前記方法の定義、前記投与製剤、前記表面反応炭酸カルシウム、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体、前記少なくとも一つの配合助剤、及びこれらの好ましい実施形態に関して、前述した説明が参照される。
【0232】
以下の実施例及び試験は、本発明を例示するものであるが、いかなる方法においても本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0233】
材料及び方法
1.測定方法
以下の測定方法は、本実施例及び特許請求の範囲で与えられたパラメーターの値を求めるために使用された。
【0234】
材料のBET比表面積(SSA)
BET比表面積は、250℃で30分間加熱することにより試料を調整した後で窒素を用いたISO9277によるBET法によって測定した。かかる測定の前に、試料をろ過し、洗い流し、少なくとも12時間、オーブン中110℃で乾燥させた。
【0235】
粒径分布(xより小さい直径を有する粒子の体積%)、粒子材料のd50値(体積メジアン粒径)及びd98
体積メジアン粒径d50は、マルバーンマスターサイザー2000レーザー回折システムを使用して測定した。マルバーンマスターサイザー2000レーザー回折システムを使用して測定されたd50値又はd98値は、それぞれ、粒子の50体積%又は98体積%が、この値未満の直径を有することを示すものである。この測定によって得られた生データは、粒子屈折率1.57及び吸収係数0.005を用いて、ミー理論を使用して分析される。
【0236】
重量メジアン粒径は、重力フィールドでの沈降挙動の分析法である沈降法によって測定される。この測定は、Micromeritics Instrument CorporationのSedigraphTM 5100を用いて行われる。この方法及びこの機器は当業者に知られており、フィラーや顔料の粒子サイズを決定するために一般的に使用されている。この測定は、0.1重量%Na水溶液中で行われる。試料は、高速の攪拌器を用いて分散され、超音波処理される。
【0237】
顆粒の粒径分布を分析するために、振動シーブ塔を使用した。顆粒120gの一定分割量を、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm及び1mmのメッシュサイズを有するスチールワイヤスクリーン(鋼線ふるい;Retsch、ドイツ)の上に入れた。シーブ塔を、1mmの振動変位で、10秒間隔で3分間振動させた。
このプロセス及び装置は当業者には知られており、フィラーや顔料の粒子サイズを決定するために一般的に使用されている。
【0238】
表面反応炭酸カルシウムの粒子内侵入比細孔容積(cm/g)
比細孔容積は、0.004μm(~nm)のラプラス喉直径(Laplace throat diameter)と等価である水銀の最大適用圧力414MPa(60000psi)を有する、Micromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを使用し、水銀圧入式ポロシメーター測定法を用いて測定される。それぞれの圧力段階で使用される平衡時間は20秒である。試料材料は、分析のために5cmの粉体貫通度計チャンバー中に密封される。データはソフトウェアPore-Compを使用して、水銀の圧縮、貫通度計の膨張及び試料材料の圧縮に対して補正される(Gane,P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.及びRidgway,C.J.による、「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations」,Industrial and Engineering Chemistry Research,35(5),1996,pp.1753-1764)。
【0239】
積算侵入データに見出される全細孔容積は、強く寄与する任意の凝集構造間の試料の粗いパッキングを示す214μmから約1~4μmに至るまでの侵入データを有する二つの領域に分けることができる。これらの直径未満では、粒子それ自体の微細な粒子間パッキングが存在する。粒子が粒子内細孔をも有する場合は、この領域はバイモーダル(二峰性)であり、モードの転換地点よりも細かい細孔、すなわちバイモーダルな変曲点よりも細かい細孔に水銀が侵入した比細孔容積をもってして、ここでは粒子内侵入比細孔容積を定義している。これらの三つ領域の合計は、粉末の合計の全体としての細孔容積を与えるが、もともとの試料の圧縮/粗い細孔末端の分布における粉末の沈降に強く依存する。
【0240】
積算侵入曲線の一次導関数をとることにより、細孔の遮へいを不可避的に含む、ラプラス直径と等価なものに基づく細孔径分布が明らかになる。これらの微分曲線は、粗い凝集物の細孔構造領域、粒子間細孔領域及び存在する場合には粒子内細孔領域を明確に示す。粒子内細孔径の範囲がわかれば、残りの粒子間細孔容積及び凝集物間細孔容積を合計細孔容積から差し引いて、単位質量当たりの細孔容積として(比細孔容積として)、内部細孔のみについての所望の細孔容積を得ることができる。むろん、同じ差し引きの原理は、興味ある任意のその他の細孔径領域を分離する場合にも当てはまる。
【0241】
表面反応炭酸カルシウムの粒子内侵入比細孔容積(cm/g)
比細孔容積は、0.004μm(~nm)のラプラス喉直径(Laplace throat diameter)と等価である水銀の最大適用圧力414MPa(60000psi)を有する、Micromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを使用し、水銀圧入式ポロシメーター測定法を用いて測定される。それぞれの圧力段階で使用される平衡時間は20秒である。試料材料は、分析のために3cmの粉体貫通度計チャンバー中に密封される。データはソフトウェアPore-Compを使用して、水銀の圧縮、貫通度計の膨張及び試料材料の圧縮に対して補正される(Gane,P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.及びRidgway,C.J.による、「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations」,Industrial and Engineering Chemistry Research,35(5),1996,pp.1753-1764)。
【0242】
粒子内細孔容積領域及び粒子間細孔容積領域を示す積算侵入曲線の一次導関数は、独立しておらず、すべての場合に可分である。したがって、活性成分なしの顆粒に比較した、活性成分が担持された試料の細孔容積の差分を示すために、粒状材料の粒子内細孔容積及び粒子間細孔容積の合計の侵入容積を示す、5μm未満の細孔径についての積算侵入曲線をとることによって、それぞれの試料の細孔容積を求めた。
【0243】
ゆるみ嵩密度(嵩密度)
120gの選択した顆粒画分(180μm~710μm)の顆粒を、ブラシを使って0.5mmスクリーンに通してふるいにかけた。100±0.5gのこの試料を、粉末用漏斗を使って注意深く、250mLの計測シリンダーに充填し、1mLの単位までその容積を読み取った。ゆるみ嵩密度は、下記の式により計算した:
ゆるみ嵩密度[g/mL]=嵩容積[mL]/試料の重量[g]
結果は0.01g/mLの単位まで記録した。
【0244】
タップ密度
120gの選択した顆粒画分(180μm~710μm)の顆粒を、ブラシを使って0.5mmスクリーンに通してふるいにかけた。100±0.5gのこの試料を、粉末用漏斗を使って注意深く、250mLの計測シリンダーに充填した。タップを行うことができる落下装置を備えた支持台にメスシリンダーを接続する。メスシリンダーはこの支持台に固定され、1250回のタップ後に体積を読み取る。続いて、1250回のタップからなる2回目のタッピング工程を行い、体積の値を読み取る。この2回目のタップ体積値とこの1回目のタップ体積値との差が2mL以下であるとき、2回目のタップ体積の値がタップ体積となる。2回目のタップ体積値と1回目のタップ体積との差が2mLを超えるとき、次の工程での値との差が2mL以下になるまで1250回のタッピング工程を繰り返す。
【0245】
安息角
安息角を流動性試験装置で測定する。10mmのノズルを備えたホッパーに約150mLの顆粒を充填する。ホッパーを空にした後、顆粒の斜角をレーザービームによって測定し、安息角を計算する。安息角βは、水平線に対する傾斜した側面の角度であり、図7に示されるようにして計算される。
【0246】
圧縮性指数(圧縮度)
圧縮性指数は以下の通り計算する:
圧縮性指数=(タップ密度-嵩密度)/タップ密度100
【0247】
熱重量分析(TGA)
TGAは、基本的には鉱物(無機物)試料及び充填された有機物質の燃焼による損失を測定するために使用される。TGAを測定するために使用された装置はMettler-Toledo TGA/DSC1(TGA 1 STARe System)であり、使用したるつぼは、900μLの酸化アルミニウム製のものである。この方法は二つの加熱段階からなり、第一の段階は、20℃/分の加熱速度で10分間、30~130℃であり、第二の段階は、20℃/分の加熱速度で20分間、130~570℃であった。
【0248】
2.材料
表面反応炭酸カルシウム(FCC)(オムヤ インターナショナル AG、スイス)は、微結晶セルロース(Avicel(登録商標)PH102、FMCバイオポリマー、アイルランド)と同等なものとみなされた。表面反応炭酸カルシウムの詳細を以下の表1にまとめる:
【0249】
【表1】
【0250】
活性成分として、オイゲノール(≧98%、FCC、FG、シグマアルドリッチ、W246700、CAS No.97-53-0、EC No.202-589-1)及びイブプロフェン(Shashun Pharmaceutical Limited、BP/Ph.Eur.、CAS No.15687-27-1)を選択した。
【0251】
3.造粒実験
ローラー圧縮によるFCC(表面反応炭酸カルシウム)の造粒
Fitzpatrick CCS220を使って造粒を行った。バーミル及び1mm石目スクリーンを造粒のために使用した。設定したパラメーターは以下の通りであった:
ロールギャップ 0.7mm(処理時の実際の値:0.9rpm)
ロール力 5kN/cm
ロール速度 8rpm
水平スクリュー速度 25rpm(処理時の実際の値:13rpm)
垂直スクリュー速度 250rpm
ミル速度 500rpm
90μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm及び1000μmのメッシュサイズを有するRetschタワーシーブシェーカー(振動シーブ塔)AS300を使用して、250~710μmの顆粒画分を製造した。
粒径分布及び詳細なパラメーターを表2、3及び4に記載する。
【0252】
【表2】
【0253】
【表3】
【0254】
【表4】
【0255】
活性成分なしのFCCから得られた顆粒のタブレット成形
FCCから得られた顆粒を、Turbulaミキサー(Willy A.Bachofen、Turbula T10B)中で5分間、0.5重量%の潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、Ligamed MF-2-V、CAS No.557-04-0、Peter Greven)とさらに混合した。この混合物をさらに使用し、EU1”工作機器設備を用いたFette 1200iで、10mm充填カム、8つの標準的な凸型の10mmラウンドパンチ、打錠速度15000タブレット/時で、タブレットを製造した。充填深さは、圧縮力が2kN、4kN及び6kNとなるように調節し、タブレットの重量を175mgに固定した。成形したタブレットのパラメーターを表5に記載する。
【0256】
【表5】
【0257】
FCC(表面反応炭酸カルシウム)からなる顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。
【0258】
オイゲノールのFCC顆粒への担持
150gのFCC顆粒を(250~710μm)3Lのプラスチックビーカーに入れた。顆粒に、16.7g(10重量%)、50g(25重量%)及び100g(40重量%)のオイゲノール(シグマアルドリッチ、W246700)を担持した。オイゲノールは、1.52mm幅の2ストップチューブを有する蠕動ポンプIsmatec IPC8を使って、1~2滴/秒の割合で滴下することによって担持した。担持している間は、オープンブレードパドルミキサーを用いて、80~120rpmの間に及ぶ速度で、オーバーヘッドスターラー IKA RW20によって、顆粒を絶えず混合した。液体の全量をFCC顆粒上に担持した後で、担持された顆粒(担持後の顆粒)をさらに10分間混合し続けた。
【0259】
オイゲノールを担持したFCC顆粒から得られた結果を、表6、7及び8に記載する。
【0260】
【表6】
【0261】
【表7】
【0262】
【表8】
【0263】
オイゲノールを担持したFCC顆粒から得られた顆粒のタブレット成形
オイゲノールを担持したFCCから得られた顆粒を、Turbulaミキサー(Willy A.Bachofen、Turbula T10B)中で5分間、0.5重量%の潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、Ligamed MF-2-V、CAS No.557-04-0、Peter Greven)とさらに混合した。この混合物をさらに使用し、EU1”工作機器設備を用いたFette 1200iで、10mm充填カム、8つの標準的な凸型の10mmラウンドパンチ、打錠速度15000タブレット/時で、タブレットを製造した。充填深さは、圧縮力が2kN、4kN及び6kNとなるように調節し、タブレットの重量を175mgに固定した。成形したタブレットのパラメーターを表9に記載する。
【0264】
【表9】
【0265】
10重量%又は25重量%又は40重量%のオイゲノールを担持した顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図2、3及び4に示す。
【0266】
イブプロフェンのFCC顆粒への担持
150gのFCC顆粒を(250~710μm)3Lのプラスチックビーカーに入れた。この粉末に、16.7g(10重量%)及び100g(40重量%)のイブプロフェン(BASF)を担持した。イブプロフェンは、まず、10重量%の担持では75gのアセトンに、40重量%の担持では150gのアセトンに、それぞれ溶解した。噴霧ボトルを使って、15秒ごとに5回の割合で噴霧することによって、イブプロフェンのアセトン溶液を担持した。担持している間は、オープンブレードパドルミキサーを用いて、80~120rpmの間に及ぶ速度で、オーバーヘッドスターラー IKA RW20によって、顆粒を絶えず混合した。溶液の全量をFCC顆粒上に担持した後で、担持された顆粒(担持後の顆粒)をさらに10分間混合し続けた。担持された顆粒(担持後の顆粒)は、溶媒が回収されなくなるまで、真空オーブンThermoScientific VT 6130で乾燥させた。
【0267】
イブプロフェンを担持したFCC顆粒から得られた結果を、表10、11及び12に記載する。
【0268】
【表10】
【0269】
【表11】
【0270】
【表12】
【0271】
イブプロフェンを担持したFCC顆粒から得られた顆粒のタブレット成形
イブプロフェンを担持したFCCから得られた顆粒を、Turbulaミキサー(Willy A.Bachofen、Turbula T10B)中で5分間、0.5重量%の潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、Ligamed MF-2-V、CAS No.557-04-0、Peter Greven)とさらに混合した。この混合物をさらに使用し、EU1”工作機器設備を用いたFette 1200iで、10mm充填カム、8つの標準的な凸型の10mmラウンドパンチ、打錠速度15000タブレット/時で、タブレットを製造した。充填深さは、圧縮力が2kN、4kN及び6kNとなるように調節し、タブレットの重量を175mgに固定した。成形したタブレットのパラメーターを表13に記載する。
【0272】
【表13】
【0273】
10重量%又は40重量%のイブプロフェンを担持した顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図5及び6に示す。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む:
[1]以下の工程を含む、表面反応炭酸カルシウムを含む顆粒の製造方法:
(a)表面反応炭酸カルシウムを提供すること、
ここで、前記表面反応炭酸カルシウムは、水性媒体中での、天然粉砕炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと、二酸化炭素及び1又は複数のH イオン供与体との反応生成物であり、前記二酸化炭素は、前記H イオン供与体での処理によってその場で形成される、かつ/又は外部供給源から供給される;
(b)工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムを、1~30kN/cmの範囲の圧密圧力でローラー圧縮機によって圧縮し、圧縮形態物にすること;
(c)工程(b)の前記圧縮形態物を粉砕して顆粒にすること;
ここで、工程(b)で得られた前記圧縮形態物は、工程(a)の前記表面反応炭酸カルシウムからなる。
[2]前記天然粉砕炭酸カルシウムが、大理石、白亜、ドロマイト、石灰岩、及びこれらの混合物を含む群から選択される鉱物を含む炭酸カルシウムから選択されるか;又は前記沈降炭酸カルシウムが、アラゴナイトの、バテライトの若しくはカルサイトの鉱物結晶形を有する沈降炭酸カルシウム、及びこれらの混合物を含む群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[3]前記表面反応炭酸カルシウムは、
(a)窒素を使用したISO9277によるBET法で測定して、20m /g~450m /gの、好ましくは20m /g~250m /gの、より好ましくは30m /g~160m /gの、最も好ましくは40m /g~150m /gの、いっそう好ましくは40m /g~140m /gのBET比表面積を有する;かつ/又は
(b)1μm~50μmの、好ましくは1μm~45μmの、より好ましくは2μm~30μmの、さらにより好ましくは3μm~15μmの、最も好ましくは4μm~12μmの体積メジアン粒径d 50 を有する粒子を含む;かつ/又は
(c)水銀圧入式ポロシメーターでの測定結果から計算して、0.15cm /g~1.35cm /gの、好ましくは0.30cm /g~1.30cm /gの、最も好ましくは0.40cm /g~1.25cm /gの範囲内の粒子内侵入比細孔容積を有する;
上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]ローラー圧縮機による圧縮工程(b)は、1~28kN/cmの範囲の、より好ましくは1~20kN/cmの範囲の、最も好ましくは2~10kN/cmの範囲のローラー圧密圧力で行われる、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の方法。
[5]工程(c)の顆粒を、少なくとも一つのメッシュサイズによるふるいにかける工程(d)をさらに含む、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の方法。
[6]ふるいにかける工程(d)は、二つ又は二つを超える、異なるメッシュサイズのふるいに、好ましくは、90μm、180μm、250μm、355μm、500μm及び710μmのメッシュサイズのふるいにかけることによって行われる、上記[5]に記載の方法。
[7]工程(c)で得られた顆粒及び/又は行う場合には工程(d)で得られた顆粒を、少なくとも一つの配合助剤と混合する工程(e1)をさらに含む、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の方法。
[8]前記少なくとも一つの配合助剤が、崩壊剤、好ましくは、変性セルロースガム、不溶性架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコレート、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、N-ビニル-2-ピロリドンのホモポリマー、アルキルセルロースエステル、ヒドロキシアルキルセルロースエステル、カルボキシアルキルセルロースエステル、アルギネート、微結晶セルロースとその結晶多形、イオン交換樹脂、ガム、キチン、キトサン、クレー、ジェランガム、架橋ポラクリリンコポリマー、寒天、ゼラチン、デキストリン、アクリル酸ポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム/カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、シェラック、又はこれらの混合物を含む群から選択される崩壊剤;潤滑剤、特に、内部潤滑剤及び/又は外部潤滑剤;衝撃改質剤;可塑剤;ワックス;安定剤;顔料;着色剤;着香剤;矯味剤;香味剤;甘味料;食感改良剤;希釈剤;フィルム形成剤;接着剤;緩衝剤;吸着剤;臭気マスキング剤;及びこれらの混合物を含む群から選択される、上記[7]に記載の方法。
[9]担持された顆粒を得るために、工程(b)で得られた圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を担持する工程(e2)をさらに含む、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の方法。
[10]前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が、香料、香味料、ハーブ抽出物、果実抽出物、栄養物、微量ミネラル、忌避剤、食品、化粧品、難燃剤、酵素、高分子、殺虫剤、肥料、保存剤、酸化防止剤、反応性化学品、合成起源の、半合成起源の若しくは天然起源の薬学的活性剤又はその薬学的不活性前駆体、及びこれらの混合物を含む群から選択される、上記[9]に記載の方法。
[11]前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が液体の形態であり、好ましくは、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が溶媒中に提供され、好ましくは、前記溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-オクタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、植物油及びその誘導体、動物油及びその誘導体、溶融脂肪及びワックス、並びにこれらの混合物を含む群から選択され、より好ましくは、前記溶媒は、水、エタノール及び/又はアセトンである、上記[9]又は[10]に記載の方法。
[12]担持工程(e2)は、前記少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体を、工程(b)で得られた圧縮形態物に、又は工程(c)で得られた顆粒若しくは行う場合には工程(d)で得られた顆粒に、噴霧又は滴下すること、並びに流動床乾燥機/造粒機、プラウシェアミキサー、垂直又は水平混合器、高せん断又は低せん断混合器、及び高速ブレンダーを含む群から選択される装置中で混合することによって行われる、上記[9]~[11]のいずれか一つに記載の方法。
[13]工程(e2)で得られた担持された顆粒をタブレット成形するか、又は工程(e2)で得られた担持された顆粒をカプセルに充填する、最終工程(f)をさらに含む、上記[9]~[12]のいずれか一つに記載の方法。
[14]任意に、上記[8]で規定した少なくとも一つの配合助剤と混合され、かつ/又は上記[10]で規定した少なくとも一つの活性成分及び/又はその不活性前駆体が担持された、上記[1]~[3]のいずれか一つに定義した表面反応炭酸カルシウムからなる顆粒。
[15]上記[13]に記載の方法により得られるタブレット及び/又はカプセル。
[16]上記[14]に記載の顆粒を含む、投与製剤、好ましくはタブレット、ミニタブレット又はカプセル。
[17]医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品における、上記[14]に記載の顆粒、又は上記[15]に記載のタブレット及び/又はカプセル、又は上記[16]に記載の投与製剤の使用。
[18]上記[14]に記載の顆粒、又は上記[15]に記載のタブレット及び/又はカプセル、又は上記[16]に記載の投与製剤を含む、医薬品、栄養補助食品、農薬、化粧品、家庭用製品、食品、包装品及びパーソナルケア製品。
[19]上記[1]~[13]のいずれか一つに記載の方法における、上記[1]~[3]のいずれか一つに定義した表面反応炭酸カルシウムの使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7