(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】基地局制御型ビーム管理
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
H04B7/06 984
H04B7/06 956
(21)【出願番号】P 2019537083
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2018050261
(87)【国際公開番号】W WO2018127560
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-09-06
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501431073
【氏名又は名称】ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユング,リカード
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/095110(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/151876(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/010685(WO,A1)
【文献】ASUSTeK,Beam management in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #96 R2-168207,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-168207.zip>,2016年11月18日
【文献】Huawei, HiSilicon,UL SRS design for CSI acquisition and beam management[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700074,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1701/Docs/R1-1700074.zip>,2017年01月09日
【文献】InterDigital Communications,Considerations on measurement RS design for NR[online], 3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1609910,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609910.zip>,2016年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02-7/12
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノード(101)を動作させる方法であって、
通信装置(102)から前記通信装置(102)のビームフォーミング能力を受信することと、
前記ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビーム(301~309、316)の構成情報を決定することと、
前記ビームフォーミング能力が、前記1つまたは複数のビームの相対的空間配置に基づいて、前記1つまたは複数のビームをグルーピングする能力を示し、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の前記構成情報を前記通信装置(102)に送信することと、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上で前記構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)を通信することと、を含む方法。
【請求項2】
通信装置(102)を動作させる方法であって、
前記通信装置(102)のビームフォーミング能力をネットワークノード(101)に送信することと、
前記ネットワークノード(101)から、1つまたは複数のビーム(301~309、316)の構成情報を受信することと、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上で前記構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)を通信することと、を含む方法。
【請求項3】
前記構成情報は、時間領域および周波数領域の少なくとも一方における複数のリソース(855、856)を示し、前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上での前記通信に割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のリソース(855、856)は前記時間領域で再発生している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構成情報は、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の各ビーム(301~309、316)について、前記それぞれのビーム(301~309、316)上での前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に割り当てられた前記複数のリソース(855、856)のうちの少なくとも1つのリソースを示し、
少なくとも部分的に異なるリソース(855、856)が、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)のうちの少なくとも2つの異なるビーム(301~309、316)上での前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に割り当てられる、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記通信装置(102)によって、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の各ビーム(301~309、316)について、前記それぞれのビーム(301~309、316)上での前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信のために、前記複数のリソース(855、856)から少なくとも1つのリソースを選択することをさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項7】
サブセット(371、372)は、前記1つまたは複数のビーム(301~309、136)を含み、前記構成情報は、各前記サブセット(371、372)について、前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)を前記それぞれのサブセット(371、372)の前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上で前記通信することに割り当てられる少なくとも1つのリソース(855、856)を示し、
少なくとも2つの異なる前記サブセット(371、372)の前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上の前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に、少なくとも部分的に異なるリソース(855、856)が任意選択的に割り当てられる、請求項3または4に記載の方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記構成情報は、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の各ビーム(301~309、316)と前記サブセット(371、372)の間の関連付けを示し、
前記方法は、前記通信装置(102)によって、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の各ビーム(301~309、316)について、前記それぞれのビーム(301~309、316)上での前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信のために、前記それぞれのビーム(301~309、316)とそれぞれの前記サブセット(371、372)の間の関連付けに応じて、前記複数のリソース(855、856)から少なくとも1つのリソース(855、856)を選択することをさらに含む、方法。
【請求項9】
前記サブセット(371、372)は、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の相対的空間配置と、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)のビーム幅(352)と、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)に関連付けられているアンテナパッチ(1023、1023-1、1023-2、1023-3、1023-4)のうちの少なくとも1つに基づいて形成される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
第1のサブセット(371、372)の前記1つまたは複数のビーム上の前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に割り当てられたリソース(855、856)の第1の発生頻度(861、862)は、第2のサブセット(371、372)の前記1つまたは複数のビーム上の前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に割り当てられたリソース(855、856)の第2の発生頻度(861、862)とは異なる、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)は、前記サブセット(371、372)によって定義された1つまたは複数のビームスイープ(399)で通信される、請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワークノード(101)と前記通信装置(102)との間でペイロードデータを通信することと、
前記ビームフォーミング能力に応じて、1つまたは複数のビーム上での前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の前記通信に割り当てられた前記リソース(855、856)に従って、前記ペイロードデータの前記通信のためのタイムギャップを選択的に実現することと、をさらに含む、請求項3から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ビームフォーミング能力は、前記通信装置(102)によってサポートされる複数の候補ビーム(301~309、311~313、316)を示す、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ビームフォーミング能力は、前記複数の候補ビーム(301~309、311~313、316)の相互または基準フレームに対する相対的空間配置と、前記複数の候補ビーム(301~309、311~313、316)のビーム幅と、前記複数の候補ビーム(301~309、311~313、316)と任意選択的に関連付けられたアンテナパッチと、前記アンテナパッチの相対的空間配置のうちの少なくとも1つを示す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構成情報は、前記1つまたは複数のビームのビームスイープ(399)内における時間的順序を示す、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ペイロードデータを通信することをさらに含み、
前記構成情報は、前記ペイロードデータの前記通信の品質に基づいて決定される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)の受信特性に基づいて選択される少なくとも1つのビーム上でペイロードデータを通信することをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記構成情報は、前記1つまたは複数のビームの開き角(351)および前記1つまたは複数のビームのビーム幅(352)のうちの少なくとも一方を示す、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記構成情報は、前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)によってグローバルビームスイープ(399)が実行されるべきかどうかを示す、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサ(1011)を備えるネットワークノード(101)であって、
通信装置(102)から前記通信装置(102)のビームフォーミング能力を受信することと、
前記ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビーム(301~309、316)の構成情報を決定することと、
前記ビームフォーミング能力が、前記1つまたは複数のビームの相対的空間配置に基づいて、前記1つまたは複数のビームをグルーピングする能力を示し、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)の前記構成情報を前記通信装置(102)に送信することと、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上で前記構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)を通信することを実行するように構成された、ネットワークノード(101)。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサ(1021)を備える通信装置(102)であって、
前記通信装置(102)のビームフォーミング能力をネットワークノード(101)に送信することと、
前記ネットワークノード(101)から、1つまたは複数のビーム(301~309、316)の構成情報を受信することと、
前記ビームフォーミング能力が、前記1つまたは複数のビームの相対的空間配置に基づいて、前記1つまたは複数のビームをグルーピングする能力を示し、
前記1つまたは複数のビーム(301~309、316)上で前記構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号(152、4003、4013)を通信することと、を実行するように構成された、通信装置(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な例は、一般に、1つまたは複数のビーム上で、少なくとも1つのパイロット信号を通信することに関する。本発明の様々な例は、具体的には、1つまたは複数のビーム上で、少なくとも1つのパイロット信号を通信するための構成情報を決定して提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
無線送信のためのビームフォーミング技術が、ますます普及してきている。ビームフォーミングの1つの利点は、例えば、6GHz超、さらには最高60GHzまたはそれを超える高搬送周波数での伝送への適合性である。広帯域幅が達成され得る。ビームフォーミングのもう1つの利点は、空間多重化の利用可能性であり、それによってスペクトル効率が向上することである。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)の新無線(New Radio:NR)や第5世代通信システム(Fifth Generation:5G)において、ビームフォーミングの様々な用途が想定されている。
【0004】
3GPP NRの範囲内で、端末/ユーザ装置(User Equipment:UE)や基地局(Base Station:BS)などのデバイスは、広帯域符号分割多重アクセス(Wideband Code Division Multiple Access:WCDMA)やロングタームエボリューション(Long-Term Evolution:LTE)などの既存の3GPP規格よりも大幅に高い無線周波数で通信することができなければならない。 そのようなより高い周波数の例として、レガシー(旧来の)3GPP規格に対して指定されている1~2GHzの通信帯域幅に加えて、20~40GHzの範囲内の周波数が挙げられる。そのようなより高い周波数は、波長がミリメートルと同程度のオーダーに近いため、「ミリ波(mmWave)」周波数と称されることがある。
【0005】
これらの高周波数、したがって狭い帯域幅で通信を行う場合、各アンテナ素子の寸法は非常に小さくなる。したがって、モジュールまたはパネルと称されることもあるアンテナパッチの与えられた物理的サイズに対して、例えば1GHzモデムに対する場合よりもさらに多くのミリ波通信用アンテナ素子を単一のデバイス内に含める機会がある。さらに、電波の伝搬損失は周波数と共に変化するので、ミリ波周波数を使って通信する際に妥当なシステムカバレッジを提供するためには高いアンテナゲインが要求される。
【0006】
これによって、結局、送信機と受信機の両方の側での典型的な実装がもたらされ、そこでは、アンテナパッチが同一のデータストリームのためにフェーズドアレイ送信/受信を複数のアンテナ素子と組み合わせて効率的にアンテナ指向性を生み出している。ここでは、特定の方向のアンテナゲインが、単一アンテナ素子からのゲインよりも数デシベル高いことが頻繁にある。アンテナパッチの複数のアンテナ素子上での送信および受信の少なくとも一方(通信)の位相コヒーレントな重ね合わせは、ビームフォーミングと称される。異なるアンテナ素子間の振幅と位相の関係は1セットのアンテナ重みによって規定される。ただし、各々のアンテナ重みはアンテナパッチの所与のアンテナ素子の振幅と位相を示す。アンテナ重みの異なるセットは異なるビームに関連付けられ、各ビームは方向、ビーム幅などが異なり得る。アンテナ重みのセットを変更するか、または異なるアンテナ素子を交互に使用してビームを形成することによって、異なるビームの切り替え(ビームスイッチング)をすることができる。
【0007】
ビームフォーミングは、一般に、信号の受信(受信ビームフォーミング)および信号の送信(送信ビームフォーミング)の少なくとも一方のために使用され得る。
【0008】
ビームフォーミングを使用する際、ビームの方向がリンクパフォーマンスに大きな影響を与える可能性がある。これは、ビームによって画定される空間伝搬経路が異なると伝送特性が変わるためである。例えば、見通し内空間伝搬チャネルに沿った伝送については、特に低い経路損失が期待され得る。一般に、正しい方向に向けられたビームは、何デシベルにもわたってリンクバジェットを改善する。適切なビームに切り替えるために、ビームスイープが用いられることがある。
【0009】
ビームスイープでは、1つまたは複数のパイロット信号が、1つまたは複数のビーム上で、順次にまたは少なくとも部分的に並列に、例えば周波数分割複信(Frequency-division Duplexing:FDD)を使用して送信され、その後、パイロット信号の受信特性に基づいて、適切なビームを識別することが可能である。ビーム管理は、適切なビーム構成を選択することや、ビームスイッチングが必要であることを指示することなどをサポートするためのシグナリング方法を含み得る。ビーム管理は、リンクパフォーマンスの劣化を回避するために繰り返されるビームスイープのためのルーチンを含み得る。
【0010】
ビームスイープは特定期間内に実行されてもよく、ビームスイープ期間中のリンクパフォーマンスの変化を避けるために、期間は十分に短くてもよい。例えば、少なくとも1つのパイロット信号は、ビームスイープのすべてのビーム上で、5秒以下、または任意選択的に2秒以下、あるいはさらに任意選択的に500ms以下の期間内に送信されてもよい。例えば、ビームスイープは、各フレームが複数の時間-周波数リソースを含む送信プロトコルの1つまたは複数のフレームに対応する期間内に完結してもよい。
【0011】
UEがアイドルモードにあるとき、すなわちネットワークによるページングは可能であるがデータ接続を維持していないとき、UEはそれ自身でビーム管理、すなわち適切なビームの自律的な選択を行うことができる。UEは、1つまたは複数のBSからのブロードキャスト信号をリッスンすることができ、ブロードキャスト信号は、BSの異なるビームから来てもよい。このプロセスの間、UEは依然としてそれ自身の受信(Rx)ビームに対するビーム選択を完全に制御している。
【0012】
しかし、接続モードでは、データ接続はUEとネットワークとの間で維持され、UEは多くの点でBSによって制御される。ビーム管理シグナリングによって、UEは、別のビームの方がよいということを報告することができ、BSは、ビームを切り替えることをUEに要求することができる。BSはまた、UEが別のセルへのハンドオーバを行うべきかどうかを制御し得るが、そのような決定はUE測定に基づいている。BSは、例えば、UEに、他の近隣セルに関して検知した信号強度を報告するよう要求することができる。
【0013】
3GPP TSG RAN WG1#89文書R1-1709773には、UEが同じ送信ビームを維持すべきか、またはサウンディング基準信号送信のために異なる送信ビームを使用すべきかを示す情報を含む通知がBSから提供されることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ビームフォーミングの先進技術が必要とされている。この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。実施形態は、従属請求項によって規定される。
【0015】
この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。実施形態は、従属請求項の特徴によって規定される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
ネットワークノードを動作させる方法は、通信装置から通信装置のビームフォーミング能力を受信することを含む。方法は、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームの構成情報を決定することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報を通信装置に送信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0017】
コンピュータプログラム製品はプログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。プログラムコードを実行することによって、少なくとも1つのプロセッサが方法を実行する。方法は、通信装置から通信装置のビームフォーミング能力を受信することを含む。方法は、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームの構成情報を決定することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報を通信装置に送信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0018】
コンピュータプログラムはプログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。プログラムコードを実行することによって、少なくとも1つのプロセッサが方法を実行する。方法は、通信装置から通信装置のビームフォーミング能力を受信することを含む。方法は、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームの構成情報を決定することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報を通信装置に送信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0019】
ネットワークノードは、通信装置から通信装置のビームフォーミング能力を受信することと、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームの構成情報を決定することと、1つまたは複数のビームの構成情報を通信装置に送信することと、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することと、を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0020】
通信装置を動作させる方法は、通信装置のビームフォーミング能力をネットワークノードに送信することを含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報をネットワークノードから受信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0021】
コンピュータプログラム製品はプログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。プログラムコードを実行することによって、少なくとも1つのプロセッサが方法を実行する。方法は、通信装置のビームフォーミング能力をネットワークノードに送信することを含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報をネットワークノードから受信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0022】
コンピュータプログラムはプログラムコードを含む。プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。プログラムコードを実行することによって、少なくとも1つのプロセッサが方法を実行する。方法は、通信装置のビームフォーミング能力をネットワークノードに送信することを含む。方法は、1つまたは複数のビームの構成情報をネットワークノードから受信することをさらに含む。方法は、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号を通信することをさらに含む。
【0023】
通信装置は、通信装置のビームフォーミング能力をネットワークノードに送信することと、1つまたは複数のビームの構成情報をネットワークノードから受信することと、1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って、少なくとも1つのパイロット信号を通信することと、を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える。
【0024】
上記の特徴および以下に説明する特徴は、示されたそれぞれの組み合わせだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせで、または単独で、使用することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、様々な例に係る、UEおよびBSを含むネットワークを概略的に示す。
【
図2】
図2は、
図1のネットワークのより詳細を概略的に示す。
【
図3】
図3は、様々な例に係る方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、様々な例に係る方法のフローチャートである。
【
図5】
図5は、様々な例に係る、BSとUEとの間の通信のシグナリング図である。
【
図6】
図6は、様々な例に係る、BSとUEとの間の通信のシグナリング図である。
【
図7】
図7は、様々な例に係る方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、様々な例に係る、UEによってサポートされる候補ビームを概略的に示す。
【
図9】
図9は、様々な例に係る、UEによってサポートされる候補ビームを概略的に示す。
【
図10】
図10は、様々な例に係る、UEによってサポートされる候補ビームを概略的に示す。
【
図11】
図11は、様々な例に係る、UEのアンテナパッチを概略的に示す。
【
図12】
図12は、様々な例に係る、複数のビーム上で1つまたは複数のパイロット信号を通信するために割り当てられたリソースを概略的に示す。
【
図13A】
図13Aは、様々な例に係る、複数のビームスイープに関連する開き角を概略的に示す。
【
図13B】
図13Bは、構成情報に従って設定された複数のビームスイープの例示的なタイミングを概略的に示す。
【
図14】
図14は、様々な例に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態の説明は限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。本発明の範囲は、以下に説明される実施形態または図面によって限定されることを意図するものではなく、それらの実施形態または図面は単なる例にすぎないと見なされる。
【0027】
図面は概略的表現であると見なされるべきであり、図面に示された要素は必ずしも原寸に比例して示されていない。むしろ、様々な要素は、それらの機能および一般的な目的が当業者に明らかになるように表されている。図面に示されるかまたは本明細書に記載される機能ブロック、デバイス、構成要素、または他の物理的もしくは機能的ユニット間のいかなる接続または結合も、間接的な接続または結合によって実装され得る。構成要素間の結合は、無線接続を介して確立されてもよい。機能ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせの中に実装することができる。
【0028】
以下、ネットワークにおける無線通信の技術を開示する。例えば、ネットワークは複数のセルを含むセルラーネットワークであってもよく、その中では、各セルは1つまたは複数のBSによって定義される。ネットワークアーキテクチャの例として、3GPP LTEアーキテクチャが挙げられる。3GPP LTEによれば、進化型ユニバーサル移動体通信システム地上無線アクセス(Evolved Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) Terrestrial Radio Access:E-UTRAN)に従って、無線チャネルが定義される。同様の技術が、3GPP仕様の各種アーキテクチャおよび関連するセルラーネットワークの対応するアーキテクチャに容易に適用され得る。各種アーキテクチャとは、モバイル通信のためのグローバルシステム(Global Systems for Mobile Communications:GSM)、広帯域符号分割多重通信(Wideband Code Division Multiplex:WCDMA)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service:GPRS)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution:EDGE)、拡張GPRS(Enhanced GPRS:EGPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)、および高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access:HSPA)などのアーキテクチャである。特に、そのような技術は、3GPPの狭帯域モノのインターネット(Narrowband Internet of Things:NB-IoT)または拡張された機械型コミュニケーション(enhanced Machine Type Communication:eMTC)ネットワーク、および3GPPの新無線(New Radio:NR)ネットワークに適用することができる。さらに、それぞれの技術は、ブルートゥース、衛星通信、IEEE802.11x、Wi-Fi技術などの非3GPP仕様の各種アーキテクチャに容易に適用することができる。
【0029】
本明細書に記載の技術は、例えば、アプリケーションデータなどのペイロードデータ、あるいはレイヤ2またはレイヤ3制御データのような制御データなどのデータの送信に使用されるビームの決定を容易にすることができる。よって、本明細書に記載の技術は一般に効率的なビームフォーミングを容易にすることができる。ビームフォーミングが容易になると、空間多重化および、例えば、6GHz超または10GHz超、さらには50GHzを超える広帯域幅も容易になり得る。特定のセットのアンテナ重みを使用することによって、一般的にビームと称される、複数のアンテナ素子を介した無線送信の明瞭な空間プロファイルを得ることができる。ビームは、そのようにして、送信および受信の少なくとも一方の指向性を定義し得る。空間プロファイルは、ビームの特定の幅および振幅を定義し得る。空間プロファイルは、ビームの中心ピークと比較した場合に抑制され得る副ローブを定義することができる。空間プロファイルは、それぞれの信号の伝搬チャネルに関連付けられていてもよく、ここでは、伝搬チャネルは1つまたは複数の反射などを含み得る。
【0030】
本明細書に記載の技術は、複数のビーム上で1つまたは複数のパイロット信号を通信することによってビームの決定を容易にすることができる。よって、本明細書に記載の技術は、ビームスイープを使用することによってビームの決定を容易にすることができる。ビームスイープは、ペイロードデータの通信に適したそのようなビームを識別することに役立つ。
【0031】
本明細書に記載の技術は、少なくとも部分的にネットワークによって遠隔制御されているUEにおけるビーム管理を容易にすることができる。例えば、BSがビーム管理を遠隔制御してもよい。ただし、一般には、ネットワークのコアの他のノードがそのような遠隔制御機能を実行することも可能である。以下では、単純化のために、主として、UEにおけるビーム管理を遠隔制御するBSについて述べる。
【0032】
例えば、UEとネットワークがデータ接続を維持し、ハンドオーバを含むUEモビリティが能動的に制御される接続モードにおいて、本明細書に記載の各種技術は適用可能である。いくつかの例では、本明細書に記載の技術をアイドルモードに適用することも可能であろう。
【0033】
例によれば、UEのビームフォーミング能力は、UEからBSに信号で伝えられる。例えば、UEのビームフォーミング能力を含むアップリンク(Uplink:UL)制御メッセージを送信、受信、あるいは送受信(通信)することができる。その後、BSは、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームの構成情報を決定する。よって、BSは、ビームフォーミング能力に基づいて1つまたは複数のビームスイープのための構成情報を決定することができる。次に、ビームフォーミング能力がBSからUEに信号で伝えられる。例えば、1つまたは複数のビームに関するこの構成情報を含むダウンリンク(Downlink:DL)制御メッセージを通信することができる。その後、少なくとも1つのパイロット信号が、1つまたは複数のビーム上でそれぞれの構成情報に従って通信される。
【0034】
1つまたは複数のビームは、1つまたは複数のビームスイープを実行することができる。1つまたは複数のビームは、UEとBSとの間の無線リンクをサウンディングすることに役立ち得る。
【0035】
そのような技術によって、BSにおける少なくとも1つのパイロット信号の通信を構成するための決定論理を含めることが可能である。BSは、少なくとも1つのパイロット信号の通信の実行方法について、少なくとも部分的にUEに指示することができる。それによって、UEにおけるビーム管理は、例えばBSによって、遠隔制御され得る。
【0036】
そのような技術は、少なくとも1つのDLパイロット信号の通信に適用可能であり得る。もしくは、あるいはさらに、そのような技術は少なくとも1つのULパイロット信号の通信に適用可能であり得る。一般に、UEは、それぞれの構成情報に従って、受信ビームフォーミングおよび送信ビームフォーミングの少なくとも一方を実行することができる。
【0037】
本明細書に記載の各種技術は、一般にBSがビーム管理を制御するために利用可能な技術が現在存在しないという知見に基づいている。BSによるビーム管理のそのような制御は、UEが接続モードで動作しているとき、すなわちデータ接続が確立されているときに、特に有用であり得ると予想される。例えば、UEがビームスイープを特定の方向に向けられた特定の開き角に制限する場合、UEは特定の開き角に含まれない別の方向からのより強い信号を検出することができないであろう。例えば、本明細書に記載の技術によれば、BSは、UEが全方向またはほぼ全方向の開き角を有するグローバルビームスイープを特定の発生頻度で実行するようにUEを制御することができるであろう。
【0038】
よって、一般に、例えば、ダウンリンクパイロット信号を通信するときのUE受信チャネル測定およびULパイロット信号を通信するときのUE送信チャネルの測定のうち少なくとも一方のために、グローバルビームスイープのタイミング、あるいは具体的に発生頻度のネットワーク制御を実行することができる。
【0039】
図1は、本明細書に開示された技術による恩恵を受けることができる無線通信ネットワーク100を概略的に示す。ネットワークは、3G、4G、または来るべき5G NRなどの3GPP標準化ネットワークとすることができる。他の例としては、例えば、IEEE802.11x、Wi-Fiプロトコルまたはブルートゥースプロトコルなどの電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers:IEEE)規定ネットワークなどのポイントツーポイントネットワークが挙げられる。さらなる例としては、3GPP NB-loTまたはeMTCネットワークが挙げられる。
【0040】
ネットワーク100は、BS101とUE102を含む。例えば3GPP NRフレームワークにおける次世代無線アクセスネットワークノードB(Next-generation Radio Access Network Node B:gNB)などのBS101とUE102との間には、無線リンク111が確立される。無線リンク111は、BS101からUE102へのDLリンクを含み、さらに、UE102からBS101へのULリンクを含む。ULとDLとの間の干渉を軽減するために、時分割複信(Time-Division Duplexing:TDD)、周波数分割複信(FDD)、および符号分割複信(Code-division Duplexing:CDD)のうち少なくとも1つを使用することができる。同様に、無線リンク111(
図1には図示せず)上で通信している複数のUE間の干渉を軽減するために、TDD、FDD、およびCDDのうち少なくとも1つを使用することができる。
【0041】
UE102は、以下のうちの1つであり得る。スマートフォン、携帯電話、テーブル、ノートブック、コンピュータ、スマートテレビ、MTCデバイス、eMTCデバイス、IoTデバイス、NB-loTデバイス、センサ、アクチュエータなど。
【0042】
図2は、BS101およびUE102のより詳細を概略的に示す。BS101は、プロセッサ1011と、フロントエンドとも称されることがあるインタフェース1012を含む。インタフェース1012は、複数のアンテナ1014を含むアンテナパッチ1013に、アンテナポート(
図2には図示せず)を介して結合される。いくつかの例では、アンテナパッチ1013は少なくとも30個のアンテナ1014、任意選択的に少なくとも110個のアンテナ、あるいはさらに任意選択的に少なくとも200個のアンテナを含み得る。多数のアンテナ1014を実装するシナリオは、全次元多入力多出力(Full Dimension Multiple Input Multiple Output:FD-MIMO)または大規模多入力多出力(Massive Multi-Input Multiple-Output:Massive MIMOまたはMaMi)と称されることがある。各アンテナ1014は、無線周波数電流を搬送するための1つまたは複数の電気トレースを含み得る。各アンテナ1014は、電気トレースによって実現される1つまたは複数のLC発振器を含み得る。各トレースは、特定のビームパターンを持つ電磁波を放射することができる。
【0043】
BS101は、例えば不揮発性メモリなどのメモリ1015をさらに含む。メモリは、プロセッサ1011によって実行され得るプログラムコードを記憶することができる。プログラムコードを実行することで、本明細書に開示されるように、プロセッサ1011に、1つまたは複数のパイロット信号の通信、ビームスイープ、およびUEビーム管理の遠隔制御に関する技術を実行させることができる。このように、プロセッサ1011とメモリ1015が制御回路を構成している。
【0044】
UE102は、プロセッサ1021と、フロントエンドとも称されることがあるインタフェース1022を含む。インタフェース1022は、複数のアンテナ1024を含むアンテナパッチ1023に、アンテナポート(
図2には図示せず)を介して結合される。いくつかの例では、アンテナパッチ1023は少なくとも6個のアンテナ、任意選択的に少なくとも16個のアンテナ、あるいはさらに任意選択的に少なくとも32個のアンテナを含み得る。一般に UE102のアンテナパッチ1023は、BS101のアンテナパッチ1013よりも少ないアンテナ1024を含み得る。各アンテナ1024は、無線周波数電流を搬送するための1つまたは複数の電気トレースを含み得る。各アンテナ1024は、電気トレースによって実現される1つまたは複数のLC発振器を含み得る。各トレースは、特定のビームパターンを持つ電磁波を放射することができる。
【0045】
UE102は、例えば不揮発性メモリなどのメモリ1025をさらに含む。メモリ1025は、プロセッサ1021によって実行され得るプログラムコードを記憶することができる。プログラムコードを実行することで、本明細書に開示されるように、プロセッサ1021に、1つまたは複数のパイロット信号の通信、ビームスイープ、およびビーム管理に関する技術を実行させることができる。このように、プロセッサ1021とメモリ1025が制御回路を構成している。
【0046】
図2はまた、伝搬チャネル151に関する態様をも示す。
図2は、異なる伝搬チャネル151(
図2の破線)が無線リンク111上に実現されることを概略的に示す。異なる伝搬チャネル151は、異なるビーム301に関連付けられている(
図2では、単純化のために、UE102によって実現される単一のビームだけが示されている)。例えば、DL通信用の特定の伝搬チャネル151を実現するために、特定のDL送信ビームをBS101のアンテナパッチ1013に対して選択してもよい。ここで、ビームは、一般に、それぞれのアンテナパッチ1013、1023のアンテナ1014、1024/アンテナポートの特定のアンテナ重みによって実現され得る。アンテナ重みはステアリングベクトルとも称されることがある。したがって、異なるビーム301は、それぞれのアンテナパッチ1013、1023の様々なアンテナ1014、1024/アンテナポートに対して異なる振幅および位相構成を用いることによってアドレス指定され得る。
【0047】
図2では、見通し内伝搬チャネル151だけが示されているが、他の例では、見通し外伝搬チャネル151が可能である。
【0048】
伝搬チャネル151のうちの異なるものは、反射数、経路損失、および一般に伝送信頼性や容量などの異なる伝送特性を有し得る。特に、異なる伝搬チャネル151は、それぞれの受信機の位置で異なるフェーディングプロファイルを有する可能性がある。フェーディングは、通常、受信機の位置で信号を搬送する反射電磁波の相殺的干渉によって発生する。したがって、リンク性能は、選択されたビーム301/伝搬チャネル151に応じて大幅に変動する。適切な伝搬チャネル151を使用することによって、すなわち、適切なビームを選択することによって、フェーディングを減らすためのダイバーシティを提供することができる。本明細書に記載の様々な例によれば、適切に調整されたビーム管理を通じて、適切な伝搬チャネル151の選択が容易になる。送信および受信の少なくとも一方に適したビームが選択される。
【0049】
一般に、そのようなマルチビーム動作は、6GHzを超える搬送周波数で動作するNRネットワークで使用されることが予想される。ここで、信号損失を避けるために、BS101とUE102の両方からのビームを整列させるべきである。無線リンク111および様々な伝搬チャネル152をサウンディングするために、1つまたは複数のパイロット信号152を様々な伝搬チャネル152に沿って送受信することができる。ビームスイープをこのために使用することができる。マルチビーム動作では、特に、BS101およびUE102の少なくとも一方において送受信の相互関係がないかまたは限られているシナリオでは、ビームスイープ動作が必要となる可能性がある。
【0050】
本明細書に記載されているようなそのようなパイロット信号は、一般に、パイロット信号の受信特性に基づいて無線リンクをサウンディングできるように、明確なシンボルシーケンスおよび送信電力のうち少なくとも一方を有し得る。パイロット信号は、基準信号や同期信号とも称されることがある。
【0051】
本明細書では、好ましい伝送特性を提供するペイロードデータの伝送に使用されるビームの決定を可能にする技術を開示している。これは、1つまたは複数のビームスイープに基づいて行われる。ビームスイープにおいては、1つまたは複数のビームを同時にまたは次々と有効化して、1つまたは複数のビームのうちのどれが好ましい伝送特性を有する伝搬チャネル151に対応するかを見つけ出す。全方向指向性、すなわち360°のビーム幅を有するビームを使用して、1つまたは複数のパイロット信号を通信することによっても、ビームスイープを実行することができる。
【0052】
図3は、様々な例に係る方法のフローチャートである。例えば、
図3に従った方法は、BS101のプロセッサ1011によって実行され得る。
【0053】
ブロック8001において、UEのビームフォーミング能力が、例えばUL制御メッセージを用いて、受信される。
【0054】
例えば、UEのビームフォーミング能力は、UEが一般にビームフォーミングを実行することができるかどうかを示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、UEのアンテナ数を示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、UEのアンテナパッチ数を示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、UEの各アンテナパッチ内のパネル当たりのアンテナ数を示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、UEの複数のパッチのうちの各パッチについて、それぞれのアンテナパッチに何個のアンテナが設けられているかを示し得る。そのような情報は、UEによってサポートされる候補ビームの数および種類を暗黙的に示し得る。ビームフォーミング能力が、UEによってサポートされる複数の候補ビームを明示的に示し、任意選択的に、候補ビームのそれぞれに対して個別のインデックスを提供することも可能であろう。例えば、ビームフォーミング能力は、複数の候補ビームの相互間の相対的空間配置を示し得る。もしくは、あるいはさらに、ビームフォーミング能力は、例えば、複数の候補ビームのビーム幅を示すことも可能である。もしくは、あるいはさらに、ビームフォーミング能力は、複数の候補ビームに関連するアンテナパッチを示すことも可能である。例えば、ビームフォーミング能力は、UEがペイロードデータと同時に1つまたは複数のパイロット信号を通信できるかどうか、または1つまたは複数のパイロット信号の通信中にタイムギャップ(測定ギャップ)が必要かどうかを示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、UEのFDD能力を示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、例えば各グループを形成する1つまたは複数のビームを識別する個別のインデックスを定義して、各インデックスがそのビームグループを参照することができるようにするような、サポートされるビームのグルーピングを示し得る。
【0055】
例えば、ビームフォーミング能力は以下のようにアンテナパッチ数を表すことができる。例えば、3つのパッチA、B、およびCがあり、パッチAは6個アンテナを有し、パッチBは2個のアンテナを有し、パッチCは7個のアンテナを有する可能性がある。この情報は、ビームフォーミング能力によって示される可能性がある。例えば、ビームフォーミング能力は、例えばパッチの表面法線ベクトル間の角度のようなパッチの相対的空間配置を示し得る。
【0056】
ブロック8002において、1つまたは複数のビームの構成情報が決定される。例えば、1つまたは複数のビームは、少なくとも1つのパイロット信号を通信するために使用される1つまたは複数のビームスイープに対応し得る。
【0057】
例えば、構成情報は、グローバルビームスイープが1つまたは複数のビームによって実行されるべきかどうかを示し得る。したがって、構成情報は、グローバルビームスイープが必要かどうかを示し得る。グローバルビームスイープは、サポートされる最大開き角によって特徴付けられ得る。例えば、グローバルビームスイープは、180°、任意選択的に270°、さらに任意選択的に350°より大きい開き角によって特徴付けることができる。例えば、BSとUEとの間の同期が失われ、適切な空間伝搬チャネルが分からない場合、グローバルビームスイープによってビーム回復を容易にし得る。例えば、構成情報は、特定の1セットのビームを使用することによってビームスイープを実行すべきかどうかを示し得る。この構成情報は個々のビームインデックスまたはビームグループインデックスを示し得る。
【0058】
構成情報は、1つまたは複数のビーム上で1つまたは複数のパイロット信号を通信するために用いられるタイミングを示し得る。
【0059】
ここで、いくつかの例では、構成情報は1つまたは複数のビームを示し得る。例えば、構成情報は、グローバルビームスイープを実行する1つまたは複数のビームを示し得る。他の例では、構成情報が1つまたは複数のビームを示す必要はなく、ここでは、UEが、グローバルビームスイープを実行するための適切なビームを選択する権限を持ち得る。
【0060】
例えば、1つまたは複数のビームは、ビームフォーミング能力を使ってブロック8001に示される候補ビームのサブセットであり得る。したがって、構成情報を決定することは、複数の候補ビームから1つまたは複数のビームを選択することに対応し得る。
【0061】
もしくは、あるいはさらに、構成情報は、時間領域および周波数領域の少なくとも一方における複数のリソースを示し、かつ1つまたは複数のビーム上の1つまたは複数のパイロット信号の通信に割り当てられてもよい。例えば、再発生するリソースが示されてもよい。それによって、1つまたは複数のビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信の発生頻度を指定することが可能であり得る。
【0062】
例えば、1つまたは複数のビームの相対的な空間配置、1つまたは複数のビームのビーム幅、および1つまたは複数のビームに関連付けられているアンテナパッチに応じて、1つまたは複数のビームにリソースを割り当てることが可能であろう。例えば、同じアンテナパッチに関連するそのようなビームに共有リソースを割り当てることが可能であろう。あるいは、異なるアンテナパッチに関連するそのようなビームに共有リソースを割り当てることが可能であろう。
【0063】
いくつかの例では、1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を通信する発生頻度を指定するためのリソースを割り当てる代わりに、1つまたは複数のビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信のタイミングをより一般的に指定することも可能である。 例えば、1つまたは複数のビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信の間の許容時間間隔を指定することが可能であろう。例えば、本明細書に記載の様々な例において、グローバルビームスイープ間の最大許容時間を指定することが可能であり得る。例えば、構成情報は、グローバルビームスイープがどの程度の頻度で必要とされるかを指定してもよい。もしくは、あるいはさらに、構成情報は、UEのサポートされている候補ビームをすべて使用すべきか、あるいはより少ないビームのセットを使用すべきかを指定することもできる。
【0064】
例えば、構成情報は、1回のビームスイープ内の1つまたは複数のビームの時間的順序を示し得る。それによって、ビームスイープの一部である、1つまたは複数のビームのタイムアライメントを設定することができる。
【0065】
例えば、構成情報は、UEによって実行されるビームスイープ内の1つまたは複数のビームの開き角を示し得る。ここで、構成情報は、UEによって使用される特定のビームを示していなくてもよく、そうする代わりに、UEが、例えば示された開き角を実現する複数の候補ビームから、適切なビームを選択する能力を有してもよい。もしくは、あるいはさらに、構成情報は、1つまたは複数のビームのビーム幅を示し得る。
【0066】
例えば、構成情報は、ペイロードデータの通信のタイムギャップを示し得る。タイムギャップによって、UEが1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を通信することができる可能性がある。UEのFDD能力は、1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を同時に通信し、かつ1つまたは複数のさらなるビームでペイロードデータを通信することを可能にしないことがあるかもしれない。UEによって示されたビームフォーミング能力に応じてタイムギャップを選択的に実現することが可能である。
【0067】
次に、ブロック8003において、例えばDL制御メッセージを用いて、ブロック8002の構成情報が送信される。
【0068】
その後、8004において、少なくとも1つのパイロット信号が1つまたは複数のビーム上で構成情報に従って通信される。したがって、8004においてビームスイープが実行され得る。少なくとも1つのパイロット信号を、1つまたは複数のビームのうちの異なるビーム上で、少なくとも部分的に同時に通信してもよい。少なくとも1つのパイロット信号を、逐次的に、かつ1つまたは複数のビームのうちの異なるビーム上で時間的にずらして通信することもできるであろう。
【0069】
例えば、8004において、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)などの1つまたは複数のULパイロット信号が通信され得る。もしくは、あるいはさらに、8004において、基準信号などの1つまたは複数のDLパイロット信号が通信され得る。
【0070】
図3に従った方法に関連して例示されるような技術によって、BSによる複数のビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信の特定の特性を制御することが可能である。例えば、1つまたは複数のビーム上で1つまたは複数のパイロット信号を通信するタイミングを指定することができる。例えばビームフォーミング能力によって示される候補ビームから適切なビームを選択することによって、例えば1つまたは複数のビームのうちの異なるビーム間の優先順位を指定することができる。また、複数のビームのうちの異なるビームにリソースを適切に割り当てることによっても、異なるビーム間の優先順位を指定することもできる。例えば、少なくとも1つのパイロット信号の通信に関してより重要な特定のビームは、より多くのリソースを割り当てられることができ、リソースは、他のより重要度の低いビームと比較してより頻繁に再発生し得る。それによって、例えば、少なくとも1つのパイロット信号の、ローカルビーム上の通信とグローバルビーム上の通信の間のバランスが確保され得る。
【0071】
図4は、様々な例に係る方法のフローチャートである。例えば、
図4に従った方法は、UE102のプロセッサ1021によって実行され得る。
【0072】
ブロック8011は、
図3に従った方法のブロック8001と相互に関連している。
【0073】
ブロック8012は、
図3に従った方法のブロック8003と相互に関連している。
【0074】
ブロック8013は、
図3に従った方法のブロック8004と相互に関連している。
【0075】
図5は、UE102とBS101との間の無線リンク111上の通信のシグナリング図である。
【0076】
まず、5001において、UE102のビームフォーミング能力を含む制御メッセージ4001がUE102によって送信され、BS101によって受信される。これは、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)の制御シグナリング、または例えばSRS構成のための特定のレイヤ1シグナリングであり得る。その後、BS101は、ビームフォーミング能力に基づいて複数のビームの構成情報を決定することができる。5002において、制御メッセージ4002がBS101によって送信され、UE102によって受信される。制御メッセージ4002は構成情報を含む。制御メッセージ4002は、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)、セル固有またはUE固有のシステム情報、RRCシグナリング、またはレイヤ1上の特定のSRS構成として送信され得る。制御メッセージ4002をブロードキャストすることも可能であろう。
【0077】
その後、5003において、1つまたは複数のDLパイロット信号4003がBS101によって送信され、UE102によって受信される。異なる受信ビームフォーミングを使用して、すなわち異なるビーム上で、パイロット信号4003のうちの異なるものがUE102によって受信される。特に、UE102は、5002で構成情報が制御メッセージ4002と共に提供されている複数のビーム上で、1つまたは複数のパイロット信号4003を受信する。これによって、受信ビームスイープ399が実行される。
【0078】
1つまたは複数のパイロット信号4003の通信によって、無線リンク111のサウンディングを容易にし得る。特に、そのような空間伝搬チャネル151は、ペイロードデータの通信に適した1つまたは複数のパイロット信号4003の受信特性によって識別され得る。
【0079】
図6は、BS101とUE102の間の無線リンク111上の通信のシグナリング図である。
図6の例は、概して、
図5の例に対応する。特に、5011は5001に対応し、5012は5002に対応する。
【0080】
5013において、1つまたは複数のULパイロット信号4013がUE102によって送信され、BS101によって受信される。1つまたは複数のULパイロット信号4013のうちの異なるものは、異なるビームを使用してUE102によって送信される。特に、UE102は、5012で構成情報が制御メッセージ4002と共に提供されている複数のビーム上で、1つまたは複数のパイロット信号4013を送信する。
【0081】
1つまたは複数のパイロット信号4013の通信によって、無線リンク111のサウンディングを容易にし得る。特に、そのような空間伝搬チャネル151は、ペイロードデータの通信に適した1つまたは複数のパイロット信号4013の受信特性によって識別され得る。
【0082】
図7は、様々な例に係る方法のフローチャートである。例えば、
図7に従った方法は、BS101のプロセッサ1011によって実行され得る。
【0083】
まず、ブロック8021において、ペイロードデータが通信される。例えば、ペイロードデータは、明確な空間伝搬経路151に沿って、すなわち適切な送信ビームおよび受信ビームの少なくとも一方を選択することによって、通信され得る。
【0084】
その後、ブロック8022において、ペイロードデータの通信品質に基づいて、すなわち無線リンクの性能に基づいて、複数のビームの構成情報が決定される。言い換えれば、ビーム管理は、ペイロードデータの通信品質に依存し得る。例えば、ペイロードデータの通信品質の低下が観察された場合、比較的大きな開き角を有するビームスイープを実現するような1つまたは複数のビームの構成情報を決定することが可能であり得る。例えば、ペイロードデータの通信品質の大幅な低下が見られない場合、ブロック8021でペイロードデータを通信するために用いられる比較的小さな開き角を有するビームスイープを実現するような、1つまたは複数のビームの構成情報を決定することが可能であり得る。
【0085】
8023において、1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を8022の構成情報に従って通信することによって、ビームスイープが実行される。構成情報を示すDL制御メッセージは、UEにしかるべく通知するために事前に通信され得る(
図7には図示せず)。
【0086】
次に、ブロック8024において、少なくとも1つのパイロット信号の受信特性に基づいて、次に実施するペイロードデータの通信のための少なくとも1つのビームが決定される。これは、チャネルサウンディング、すなわち様々な空間伝搬経路151の通信特性の比較に対応し得る。
【0087】
ブロック8025において、ブロック8024で決定された少なくとも1つのビーム上でペイロードデータが通信される。
【0088】
図7の例から理解されるように、ペイロードデータの通信品質に依存するようにビーム管理を実行することで、ペイロードデータの通信の必要性に応じて1つまたは複数のビームスイープを調整することができる。不要なビームスイープを避けることができる。粗いビームスイープと微細なビームスイープを区別することができる。グローバルビームスイープとローカルビームスイープの発生頻度を調整することができる。よって、例えば、UEがビーム管理の問題を報告する頻度およびUEがビーム回復の実行を必要とする頻度のうち少なくとも一方に基づいて、動的ビーム管理をサポートすることができる。
【0089】
図8は、一般にUE102によってサポートされる候補ビーム301~309に関する態様を示す。例えば、候補ビーム301~309は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、候補ビーム301~309の、例えば互いに対するまたは基準フレームに対する空間的配置は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、ビーム301~309の数は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、候補ビーム301~309に関連するアンテナパッチは、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。
【0090】
ビーム301~309は、すべて比較的小さいビーム幅を有するので、ペンシルビームと呼ぶことができる。
図8には、例えばビームスイープにおいて、すべてのビーム301~309上で送信を行うことによって達成され得る開き角351が示されている。例えば、ビーム311~313は、共通のアンテナパッチ1023上に配置されたアンテナ1024と関連付けることができる。それは、それらがすべて同じ方向(
図8のUE102の左)に配置されているためである。
【0091】
図9は、UE102によってサポートされるビーム311~313に関する態様を示す。例えば、候補ビーム301~309は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、候補ビーム311~313の、例えば互いに対するまたは基準フレームに対する空間的配置は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、ビーム311~313の数は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。例えば、候補ビーム311~313に関連するアンテナパッチは、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。
【0092】
ビーム311~313は、ビーム301~309と比較した場合、より大きなビーム幅を有する。それにもかかわらず、例えばビームスイープにおいて、
図9の例に従ったビーム311~313を使用して達成可能な開き角351は、
図8の例に従ったビーム301~309を使用して達成可能な開き角351に対応する。例えば、ビーム311~313は、共通のアンテナパッチ1023上に配置されたアンテナ1024と関連付けることができる。それは、それらがすべて同じ方向(
図9のUE102の左)に配置されているためである。
【0093】
図10は、UE102によってサポートされる候補ビーム316に関する態様を示す。候補ビーム316は、ビームフォーミング能力としてBS101に対して示され得る。
【0094】
ビーム316を使用して360°の開き角351が達成できるように、ビーム316は全方向性とされる。ここで、ビーム幅352は開き角351に対応する。
【0095】
そして、BS101は、候補ビーム301~309、311~313、316を示すビームフォーミング能力に基づいて、ビームスイープ399を実行するための1つまたは複数のビームを選択し得る。ビームスイープ399を実行するために選択される特定の1つまたは複数のビームは、例えばペイロードデータの通信品質のような状況に依存し得る。
【0096】
図11は、UE102に関する態様を示す。具体的には、
図11は、UE102の上面図である。UE102は、ディスプレイ909、ハウジング901、およびボタン902~904を有する。
図11は、異なるアンテナパッチ1023-1~1023-4がハウジング901の異なる側に配置されていることを示している。したがって、異なるパッチ1023-1~1023-4によって画定されるビームは、効果的に異なる向きを有することになる。例えば、パッチ1023-1のアンテナを使用して送信されたビームは、
図11の下部に向かって効果的に配向されることができ、一方、パッチ1023-4のアンテナを使用して送信されたビームは、
図11の上部に向かって効果的に配向されることができる。各々のアンテナパッチ1023-1~1023-4は、アンテナ素子のフェーズドアレイを画定する(単純化のために、
図11はアンテナ素子を図示していない)。
【0097】
様々な例では、アンテナパッチ1023-1~1023-4を示すことによって候補ビームを示すことが可能である。そこで、BS101は、1つまたは複数のビームの構成情報を決定する際に、異なるアンテナパッチ1023-1~1023-4の中から選択することができる。
【0098】
この、アンテナパッチを示すという手法は、1つの指標で1つまたは複数のビームを示すために、すなわちサブセットを定義するために、ビームグループを使用する1つの技術であり得る。そのような実装形態では、サブセットは、同一のアンテナパッチ内のアンテナ要素を介して送信される複数のビームと関連付けられ得る。あるいは、サブセットはビームと関連付けられてもよく、その場合、同じサブセットの異なるビームは異なるアンテナパッチと関連付けられる。これは以下の例によって例示される。UEがパッチA、B、およびCを有し、各パッチが2つの異なるビーム(A-a、A-b、B-a、B-b、C-a、C-b)を形成することができる場合、例えば、例(I)としてサブセットX:A-aおよびA-b、サブセットY:B-aおよびB-b、サブセットZ:C-aおよびC-b、または例(II)としてサブセットX:A-a、B-a、およびC-a、サブセットY:A-b、B-b、およびC-bを形成することができる。例(I)では、アンテナパッチごとに1つのサブセットがある。例(II)では、サブセット内の各ビームは異なるアンテナパッチと関連付けられる。
【0099】
図12は、ビームスイープの1つまたは複数のビーム上での1つまたは複数のパイロット信号の送信に割り当てられ得る時間-周波数リソース855、856に関する態様を示す。リソース855、856は、1つまたは複数のビームの構成情報を用いて、BS101からUE102に提供され得る。
【0100】
図12は、時間-周波数リソースグリッド851を示す。時間-周波数リソースグリッド851の異なるリソース要素は、無線リンク111上で通信するために使用される直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency-Division Multiplex:OFDM)変調のサブキャリアによって周波数領域で定義されてもよく、変調のシンボル期間によって時間領域で定義されてもよい。
図12に示すように、時間-周波数リソースグリッドの全リソース要素のサブセットに対応する特定のリソース855、856は、ビームスイープ399の1つまたは複数のビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信に割り当てられる。
【0101】
いくつかの例では、異なるリソースが異なるビームに割り当てられ得る(
図12には図示せず)。言い換えれば、構成情報は、1つまたは複数のビームの各ビームについて、それぞれのビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信に割り当てられた複数のリソースのうちの少なくとも1つのリソースを示すことが可能であり、異なるビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信に対して異なるリソースが割り当てられる。そうすると、UEにおいて適切なリソースを選択するためのロジックを提供することは不要であり得る。そうする代わりに、リソースはビームごとにBS101によって選択され得る。
【0102】
それとは異なり、
図12では、リソース855は、少なくとも1つのパイロット信号を通信するためにUE102によって使用されるすべてのビーム301~309、316のうちのサブセット371を形成する複数のビーム301~309に割り当てられ、一方、リソース856は、少なくとも1つのパイロット信号を通信するためにUE102によって使用されるすべてのビーム301~309、316のうちの別のサブセット372を形成するビーム316に割り当てられる。
図12から理解されるように、この例では、US102がビーム311~313上で1つまたは複数のパイロット信号を通信しないように、BS101は候補ビーム311~313の構成情報を提供しない。そうする代わりに、BS101は、少なくとも1つのパイロット信号を通信するために、ビーム301~309、316を選択している。
【0103】
リソース855内で、UE102は、このサブセット371の各ビーム301~309ごとに、それぞれのビーム301~309上で少なくとも1つのパイロット信号を通信するための少なくとも1つのリソースを自由に選択することができる。これは、それぞれのビーム301~309とそれぞれのサブセット371との間の関連付けに基づいて実行することができ、そのような関連は、構成情報に明示的に含まれてもよい。例えば、UE102によって使用される各ビーム301~309、316は、対応するインデックスを有することができ、各インデックスは、与えられたサブセット371、372に関連付けられ得る。そうすると、UE102に提供されるリソース855、856は、再び、様々なサブセット371、372と関連付けられ得る。例えば、関連付けは、1つまたは複数のビームの各ビームについて、どのリソースを使用すべきかを示すポインタによっても実現することができ、そうすると、同じポインタを、共通のリソースを共有する同一のサブセットに関連する複数のビームに使用することができる。これはサブセットを暗黙的に示す。理解されるように、
図12の例におけるリソースは、サブセット371、372ごとに割り当てられる。すなわち、異なるリソース855、856は、ビーム301~309、316の異なるサブセット371、372に割り当てられる。
【0104】
サブセット371、372を定義するために使用され得る様々な基準がある。ビームをサブセット371、372にグルーピングするための基準の例として、1つまたは複数のビームのそれぞれの相対的空間配置、1つまたは複数のビームのそれぞれのビーム幅、および1つまたは複数のビームのそれぞれに関連付けられているアンテナパッチが挙げられる。例えば、ビームが類似または対応する特性を有する場合、ビームは共通サブセット371、372にグルーピングされてもよい。
【0105】
リソース855および856は再発生している、すなわち半永久的にスケジューリングされている。それによって、ビーム816上での少なくとも1つのパイロット信号の通信の特定の発生頻度862が定義される。この発生頻度862は、ビーム301~309上での少なくとも1つのパイロット信号の通信の発生頻度861よりも低い。このような技術は、時々グローバルビームスイープ399が実行されることを確実にする。これにより、ペイロードデータの安定した通信が容易になる。
【0106】
理解されるように、BS101がリソース855および856を割り当てる場合、UE102のビームフォーミング能力に含まれるそれぞれの指標によって必要とされるなら、測定ギャップを実装することが可能である。例えば、UE102がペイロードデータを同時に通信しながら1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を通信することができない場合、リソース855および856と同時にペイロードデータが送信されないように、測定ギャップを実装することが可能であろう。ペイロードデータの通信をスケジューリングするときに、リソース855および856を考慮に入れることができる。
【0107】
図11の例では、各サブセット371、372は対応するビームスイープを定義することができる。したがって、サブセット371に関連するビームスイープ399が新たに実行される前にそれぞれのビームスイープ399を完了するために、サブセット371のすべてのビーム301~309上で1つまたは複数のパイロット信号が通信されることが可能であろう。そのような技術は、BS101に候補ビーム301~309、311~313、316をサブセット371、372にグルーピングする能力を提供し、それによってビームスイープを定義する。これは、ビームスイープ399の開き角351の調整に役立つ。例えば、ビームスイープ399を画定する共通のサブセット371にオフセットビーム301~309をグルーピングすることによって、開き角351は比較的大きくなる。ビーム311~313の開き角はビーム301~309の開き角351に対応するので、ペイロード信号の通信のために候補ビーム311~313も選択する必要はない。
【0108】
図13Aは、対応するビームスイープ399の開き角351-1~351-4に関する態様を示す。ビームスイープ399は、UE102によってサポートされる候補ビーム301~309、311~313、316をそれぞれのサブセットにグルーピングすることによって調整され得る。各ビームスイープ399は1つまたは複数のビームを含み得る。理解されるように、異なるビームスイープ399は異なる開き角351-1~351-4を有し、異なるビームスイープ399を適切に使用することによって、無線リンク111の効果的なサウンディングが可能である。ビームスイープ399およびそれらの開き角351-1~351-4は、構成情報を使用することによって調整可能である。
【0109】
図13Bは、異なるビームスイープ399のタイミングに関する態様を示す。
図13Bでは、異なるビームスイープ399の発生頻度は、BS101によってUE102に提供された構成情報を使用して構成される。理解されるように、比較的小さい開き角351-1を有するローカルビームスイープ399の発生頻度861は、全方向開き角351-1を有するグローバルビームスイープ399の発生頻度862よりも高い。
【0110】
図13Bから明らかなように、各ビームスイープ399の期間は比較的制限されている。これによって、各ビームスイープ中のリンク性能のドリフト(変動)が回避される。
【0111】
図14は、様々な例に係る方法のフローチャートである。
【0112】
ブロック8041において、UEは、UL制御メッセージを用いてそのビームフォーミング能力を示す。ビームフォーミング能力は、UE102が1つまたは複数のパイロット信号を通信するために使用することができる候補ビーム301~309、311~313、316を示し得る。例えば、ビームフォーミング能力は、候補ビーム301~309、311~313、316の相対的空間配置と、それらのビーム幅352と、候補ビーム301~309、311~313、316に関連付けられているそれぞれのアンテナパッチ1023、1023-1~1023-4のうち少なくともどれかを示し得る。
【0113】
次に、ブロック8042において、BS102は、1つまたは複数のパイロット信号を通信するために使用される1つまたは複数のビームの構成情報を示す。
【0114】
構成情報は、複数の候補ビーム301~309、311~313、316から選択された1つまたは複数のビーム301~309、316を示し得る。この目的のために、ビームインデックスを使用することができる。例えば、候補ビームはビーム固有のインデックスと関連付けられることができ、次いで、選択された1つまたは複数のビームはそれぞれのビームインデックスを構成情報に含めることによってシグナリングされ得る。
【0115】
構成情報は、1つまたは複数のビーム上で少なくとも1つのパイロット信号を通信するために用いられるタイミングを示し得る。
【0116】
例えば、構成情報は、少なくとも1つのパイロット信号の通信に割り当てられた、時間領域および周波数領域の少なくとも一方において複数の再発生するリソース851、852を示し得る。よって、構成情報は、パイロット信号送信のための1つまたは複数のビームスイープに使用される複数の再発生するリソースを示し得る。
【0117】
それによって、1つまたは複数のビームスイープで使用される特定のビームの発生頻度を調整することが可能である。
【0118】
いくつかのシナリオでは、構成情報は、1つまたは複数のビームのうちのビームとサブセット371、372との間の関連付けを示し得る。例えば、異なるサブセット371、372同士を区別するためにインデックスが使用され得る。そのようなシナリオでは、サブセットごとに、1つまたは複数のビーム上で1つまたは複数のパイロット信号を通信するために使用されるリソース855、856を示すことが可能である。UE102は、ビームとサブセット371、372の間の関連付けを考慮に入れることによって、利用可能なリソース855、856から特定のリソースを選択することができる。これによって、低いオーバーヘッドで、効率的なリソーススケジューリングが容易になる。
【0119】
いくつかの例では、異なるサブセット371、372が異なるビームスイープ399に対応することが可能であり得る。これによって、異なるビームスイープ399間の優先順位付けが容易になり得る。例えば、グローバルビームスイープ399およびローカルビームスイープ399の発生頻度が適切に設定され得る。8043において、1つまたは複数のビームスイープ399が実行される。
【0120】
その後、8044において、例えばペイロードデータの通信品質に関連する無線リンク111の性能が十分であるかどうかがチェックされる。この場合には、1つまたは複数のビームに関する更新された構成情報をBS101からUE102に提供する必要はなく、そうする代わりに、1043の別の繰り返しにおいて、レガシー構成情報を再使用してもよい。そうではなく、無線リンク111のリンク性能が著しく劣化している場合、8045で、1つまたは複数のビームに関する更新された構成情報を提供することが必要となり得る。例えば、利用可能な候補ビームをサブセットに適切にグルーピングすることによって、新規または別のビームスイープ399を定義することができる。例えば、ローカルビームスイープ399からよりグローバルなビームスイープへの切り替えを実行することができる。これらの様々な戦略が考えられる。
【0121】
要約すると、UEがビームフォーミング能力についてネットワークに通知することを可能にする技術が上記に示された。例えば、UEは、UEによる1つまたは複数のパイロット信号の送信および受信の少なくとも一方に利用可能な候補ビームのセットをネットワークに通知し得る。例えば、UEは、そのようなビームに関する相対的なUEビーム方向についてネットワークに通知し得る。そのような技術は、ULの1つまたは複数のパイロット信号の送信を実行する際には、ULの1つまたは複数のパイロット信号の送信中に使用されるビームに関して予想されるUE送信仕様をネットワークが認識することが有益であろうという知見に基づいている。特定のビームが使用されると、ULの1つまたは複数のパイロット信号の送信はローカルであり得る、すなわち、特定のビーム方向に制限され得るか、もしくは、ULの1つまたは複数のパイロット信号のほぼ全方向への送信をもたらすビームを選択することによって、グローバルビームスイープが実行され得る。
【0122】
その後、BSは、構成情報をUEに送信することができる。構成情報は、ULパイロット信号送信のためのビームインデックスを示すことができ、それによって期待される開き角を制御し得る。もしくは、あるいはさらに、BSは、ネットワークによって割り当てられたリソースを使用して全方向送信を達成するためにUEアンテナを選択する要求をUEに提示することができる。これによって、ビームスイープを構成する際にUEをサポートするために、様々な例によれば、ビーム管理の特定の決定論理がBSにおいて提供される。対応するビームスイープがグローバルまたはローカルのいずれであるか、すなわち全方向性または指向性のいずれの開き角を有するかを制御するために、ネットワークは少なくとも1つのパイロット信号の通信を構成することができなければならない。
【0123】
本発明を特定の好適な実施形態に関して示しかつ説明してきたが、本明細書を読み、理解することにより、当業者には均等物および修正物が想起されるであろう。本発明は、そのような均等物および修正物すべてを含み、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0124】
例えば、UEにおいてビーム管理の遠隔制御を実行するBSに関して様々な技術を説明したが、いくつかの例では、中継ノードのような別のネットワークノードを通じて、UEにおいてビーム管理の遠隔制御を実行することも可能である。
【0125】
例えば、上記の様々な技術は、少なくとも1つのパイロット信号を通信するために使用される1つまたは複数のビームのうちの少なくとも1つのビームがグルーピングされるサブセットに関して説明されてきた。少なくとも1つのパイロット信号の通信のためのリソースの割り当てがサブセットごとに実行され得る。すなわち、異なるサブセットのビーム上での少なくとも1つのパイロット信号の通信を、異なるリソースを使用して実行することができる。いくつかの例では、ビームとサブセットの間の関連付けを明示的にシグナリングすることなく、サブセットごとにそのようなリソース割り当てを直接実行することが可能であろう。したがって、サブセットの形成は、リソースの割り当てを目的とするBSのようなネットワークノードへの内部論理であり得るが、UEはサブセットについて知らされないかもしれない。
【0126】
いくつかの例では、ビームのサブセットへのグルーピングをUEが実行することも可能であろう。そして、UEは、サブセットとの関連付けによって複数の候補ビームをシグナリングし得る。既に上述したように、ここでは、サブセットは、例えばアンテナパッチなどに関して定義され得る。
【0127】
一般に、ビームのサブセットはビームグループとも称される。