IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カール マイヤー アールアンドディー ゲーエムベーハーの特許一覧

特許7014846経編機及び経編機においてユーザ支援する方法
<>
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図1
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図2
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図3
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図4
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図5
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図6
  • 特許-経編機及び経編機においてユーザ支援する方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】経編機及び経編機においてユーザ支援する方法
(51)【国際特許分類】
   D04B 27/26 20060101AFI20220125BHJP
   D04B 35/00 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
D04B27/26
D04B35/00 101
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020072077
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2020183604
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】19172049.9
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】320001879
【氏名又は名称】カール マイヤー ストール アールアンドディー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ブランドル
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03095904(EP,A1)
【文献】特開平06-065847(JP,A)
【文献】特開昭58-104254(JP,A)
【文献】特開2006-009236(JP,A)
【文献】特開平09-257096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B3/00-19/00
D04B23/00-39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経編機であって、
ガイドバーと、
プランジャと、
バネ引張システムと、を有し、
前記バネ引張システムは、前記ガイドバーを前記プランジャの方向に引っ張り、前記プランジャに押し当てることができ、
前記経編機はさらに、駆動部を有し、
前記駆動部は、前記バネ引張システムから前記ガイドバーに及ぼされる引っ張り力が変化するように作用することができる、
前記経編機はコントロールユニットを有し、
前記コントロールユニットは、前記経編機が前記ガイドバーを外す命令を受け取った場合に、前記バネ引張システムから前記ガイドバーに及ぼされる引っ張り力が減少するように、前記駆動部を駆動制御するように構成されている、
経編機。
【請求項2】
前記バネ引張システムはボルトを有し、
前記ボルトは、前記駆動部の作用の下で前記ガイドバーの方向に変位することができる、
請求項1記載の経編機。
【請求項3】
前記経編機は、ボルトと、前記ボルトが収容されるガイドチャネルと、を有するスライドボディを備える、
請求項1又は2記載の経編機。
【請求項4】
前記経編機は、力伝達要素を有し、
前記スライドボディ及び前記力伝達要素は、前記駆動部を介して相互に相対的に変位可能である、
請求項3記載の経編機。
【請求項5】
前記ガイドチャネルは、前記スライドボディの前記ガイドバーとは反対側に開口を形成している、
請求項4記載の経編機。
【請求項6】
前記ガイドバーが前記バネ引張システムを介して前記プランジャに押し当てられる停止位置において、前記ボルトは前記開口から突出する、
請求項5記載の経編機。
【請求項7】
前記力伝達要素はストッパであり、
前記ストッパは、前記スライドボディ及び前記ストッパの相対的な相互の変位によって、前記ボルトと作用結合することができる、
請求項4乃至6いずれか1項記載の経編機。
【請求項8】
前記駆動部は前記経編機のパターン装置である、
請求項1乃至7いずれか1項記載の経編機。
【請求項9】
前記コントロールユニットは、前記経編機のパターン装置を駆動制御して、前記パターン装置が前記ガイドバーを前記ガイドバーの長手軸に沿って変位させると同時に、前記ガイドバーが変位する際に、前記経編機のワープビームを駆動制御して、前記経編機の前記ワープビームと前記ガイドバーとの間に延在する経糸の糸張力を一定に保つように、構成されている、
請求項1乃至8いずれか1項記載の経編機。
【請求項10】
経編機においてユーザを支援する方法であって、
前記経編機は、ガイドバーと、プランジャと、バネ引張システムと、を有し、前記バネ引張システムは、前記ガイドバーを前記プランジャの方向に引っ張り、前記プランジャに押し当てることができ、
前記経編機の駆動部は、前記経編機のバネ引張システムに作用し、
したがって、バネ引張システムから前記経編機のガイドバーに及ぼされる引っ張り力を変化させ、
前記経編機が前記ガイドバーを外す命令を受け取った場合に、前記バネ引張システムから前記経編機に及ぼされる引っ張り力が前記駆動部を介して減少される、
方法。
【請求項11】
前記バネ引張システムのボルトは前記駆動部の作用の下で、前記ガイドバーの方向に変位する、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ボルトを収容する前記経編機のスライドボディと、前記経編機の力伝達要素とは、前記駆動部を介して相互に相対的に変位する、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記経編機のパターン装置は、前記パターン装置が前記ガイドバーを変位させるように駆動制御されると同時に、前記経編機のワープビーム駆動部は、前記経編機のワープビームと前記ガイドバーとの間に延在する縦糸からの糸張力が、前記ガイドバーが変位する際に一定に保たれるように駆動制御される、
請求項10乃至12いずれか1項記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドバーと、プランジャと、バネ引張システムとを有する経編機にであって、ガイドバーをプランジャの方向に引っ張ってプランジャに押し当てることができる経編機に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの経編機は従来技術から公知である。CN 205676612 Uは、プランジャを介してガイドバーを駆動できるようにする構成を示す。ガイドバーをオフセットするために、プランジャを動作させるパターン装置が役立つ。この構成のバネ引張システムは、プルケーブルによって形成され、プルケーブルにはバネによって引っ張り力がかけられる。プルケーブルは、ガイドバーに引っ張り力を伝達することにより、ガイドバーはプランジャに押し付けられる。
【0003】
経編に必要な経糸は経編機のワープビームによって供給される。ワープビームを交換するためには、ガイドバーを外す必要がある。ガイドバーを外すためには、先ずプルケーブルをガイドバーから解放しなければならない。プルケーブルはかなりの力をガイドバーにかけているので、手で取り外すことはできない。その代り、バネ引張システムは工具を使って分解されなければならない。これは、煩雑であり、比較的多くの時間を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案登録第205676612号公報
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、ガイドバーを外す際に経編機のユーザを支援し、したがってこのプロセスを容易にするという課題に基づく。
【0006】
この課題は、バネ引張システムからガイドバーにかけられる引っ張り力を変化させるように、バネ引張システムに作用する駆動部を有する経編機が提供されることによって解決される。したがって、例えば、バネ引張システムのガイドバーへの引っ張り力は、低減されることができる。その際、バネ引張システムのプルケーブルは緩んでいる。プルケーブルは、ガイドバーから手で取り外すことができる。ガイドバーは、もはや、バネ引張システムによってプランジャに引き寄せられていない。したがって、ユーザはプランジャを取り外すことができ、ガイドバーを外すためにさらなる手順を行うことができる。
【0007】
本発明によれば、駆動部は直接的に又は間接的にバネ引張システムに作用することができる。バネ引張システムへの駆動部の作用の下で、駆動部がバネ引張システムに力を及ぼすことで、バネ引張システムの状態が変化することが理解される。ここで本発明によれば、駆動部は、バネ引張システムと結合されているか、又は、バネ引張システムと結合可能である。本発明によれば、駆動部は、バネ引張システムから離れて配置されることができるか又はこの中に統合されることができる。
【0008】

経編機がコントロールユニットを有する場合には、経編機が命令を受け取る場合に、バネ引張システムがガイドバーに及ぼす引っ張り力が減少するように、コントロールユニットが駆動部を駆動制御するように調整されていると有利である。その際、コントロールユニットは、命令を受け取って、それに基づいてコントロールユニットが駆動部を相応に駆動制御することができるように、調整されることができる。本発明によれば、コントロールユニットは、マシンコンピュータ、マイクロコントローラ、SPSモジュール又は類似のものであることができる。本発明によれば、命令は、キーボードなどの入力ユニットを介して、ネットワーク接続を介して又は無線接続を介して、経編機に伝達されることができる。その後、命令はコントロールユニットに転送される。
【0009】
バネ引張システムが、駆動部の作用の下でガイドバーの方向に変位できるボルトを有すると好ましい。ボルトは、好ましくは、バネ引張システムの少なくとも1つのバネを介して、経編機の部品と接続されている。このことにより、バネ引張システムは引っ張り力を構成できる。駆動部は、ボルトに力を、バネ引張システムの引っ張り力に対する対抗方向にかけ、ガイドバーの方向にもかけることができる。本発明によれば、バネ引張システムは、ボルトに加えて、ボルトに直接的又は間接的に接続されたプルケーブルを有する。プルケーブルはガイドバーと接続されており、例えばガイドバーに引っかけられている。ボルトがガイドバーの方向に変位すると、プルケーブルにかかる応力が減少する。
【0010】
経編機が、ボルトを収容する(gelagert)ガイドチャネルを有するスライドボディを備えていると、特に好ましい。本発明によれば、ガイドチャネル内には、ボルトをスライドボディに接続する、バネ引張システムの少なくとも1つのバネが配置されることが可能である。スライドボディは、ボルトをガイドする、経編機の部品である。本発明の有利な実施形態において、スライドボディがプランジャに係合することで、ガイドバーはスライドボディを介して駆動制御されることができる。
【0011】
本発明によれば、経編機は力伝達要素を有し、スライドボディ及び力伝達要素は駆動部を介して相互に相対的に変位することができる。したがって、スライドボディ及び/又は力伝達要素は、駆動部を介して移動することで、その位置を相互に相対的に変化させることが可能である。本発明によればさらに、スライドボディ及び力伝達要素が異なる駆動部に結合されることが可能である。スライドボディと力伝達要素との相対的な相互の変位の際には、力伝達要素がボルトに作用することで、ボルトは変位し、これによって、バネ引張システムがガイドバーに及ぼす引っ張り力が再び減少する。
【0012】
好ましくは、ガイドチャネルは、スライドボディの、ガイドバーから反対側に開口を形成する。開口は、バネ引張システムのボルトへのアクセスを提供する。ボルトは従って、スライドボディの、ガイドバーから反対側から出発して変位することができる。
【0013】
本発明の特別な実施形態によれば、ボルトは、ガイドバーがバネ引張システムによってプランジャに押し当てられる停止位置において、開口から突出する。停止位置において、力伝達要素はボルトに力を及ぼさず、バネ引張システムの少なくとも1つのバネが、ボルトが開口から突出する位置においてボルトを有する。ボルトは従って特に容易にアクセスできる。
【0014】
力伝達要素は、好ましくはストッパであって、ストッパは、スライドボディ及びストッパの相対的な相互の変位によって、ボルトと作用結合することができる。その際、力伝達要素は、スライドボディの、ガイドバーから反対側に配置されると好ましい。本発明によれば、スライドボディ及びストッパの相対動作の際に、スライドボディがストッパの方向に動作し、ストッパが静止していることが可能である。あるいは、スライドボディ及びストッパの相対動作の際に、ストッパがスライドボディの方向に移動し、スライドボディが静止していることも可能である。
【0015】
駆動部が経編機のパターン装置であると有利である。経編機のパターン装置がスライドボディと接続されることにより、パターン装置はスライドボディを変位させることができる。パターン装置は、経編機の特別な駆動装置であり、ガイドバーを長手方向に移動させるのに適している。パターンユニットは、本発明によればパターンディスク、サーボモータ又はその他の駆動部である。
【0016】
本発明の特別な実施形態によれば、経編機はコントロールユニットを有し、コントロールユニットは、パターン装置がガイドバーをガイドバーの長手軸に沿って変位させるように、経編機のパターン装置を駆動制御すると同時に、バネ引張システムが、ガイドバーが変位する際に、経編機のワープビームとガイドバーとの間に延在する経糸の糸張力が一定に保たれるように、経編機のワープビーム駆動部を駆動制御するように、構成されている。これは、以下でも述べるように、経糸の過剰なストレスを防止するために役立つ。
【0017】
ガイドバーを外すために、ガイドバーは長手軸に沿って変位しなければならない。その際、ガイドバーは、編みプロセスの際よりも明らかに大きく移動する。このことは、通常、ワープビームとガイドバーとの間に延在する経糸が強く引っ張られるという結果をもたらす。その際、糸は損傷され得る。したがって、本発明によれば、ガイドバーの変位と同時に相応の量の糸がワープビームを介して解放されることができる。そのために、ワープビームは、ワープビーム駆動部によって相応に駆動されなければならない。ガイドバーの変位に正確に合せられたワープビームからの経糸の巻出しによって、多すぎるか又は少なすぎる糸材料が解放されることが防止される。このことは、ガイドバーを外す前に行われなければならない作業ステップを容易にする。
【0018】
本発明はさらに、ガイドバーを有する経編機においてユーザを支援する方法に関する。方法は、本発明によれば、経編機の駆動部が経編機のバネ引張システムに作用することで、バネ引張システムから経編機のガイドバーに及ぼされる引っ張り力が変化するように構成されている。
【0019】
好ましくは、経編機がガイドバーを外す命令を受け取る場合、バネ引張システムから経編機に及ぼされる力は駆動部によって低減される。経編機は、命令を、キーボードなどの入力ユニット、ネットワーク接続、無線接続又は類似のものを介して受信する。
バネ引張システムのボルトは、好ましくは駆動部の作用の下で、バネ引張システムから及ぼされる力を適合する際に、ガイドバーの方向に変位する。本発明によれば、方法は、ボルトを収容する経編機のスライドボディ及び経編機の力伝達要素が駆動部を介して相互に相対的に(relativ zueinander)変位するように設計されることができる。
【0020】
特に好ましくは、経編機のパターン装置は、パターン装置がガイドバーを変位させるように駆動制御されると同時に、経編機のワープビームは、経編機のワープビームとガイドバーとの間に延在する経糸の糸張力がガイドバーが変位する際に一定に保たれるように駆動制御される、ように方法が実行される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の可能な実施形態は図面に示される。
図1】本発明による、バネ引張システムを有する経編機を模式的に示す図である。
図2】経編機のバネ引張システム、並びにスライドボディ、プランジャ、及びストッパを模式的に示す図である。
図3】スライドボディ及びバネ引張システムの断面を模式的に示す図である。
図4】バネ引張システムが緩んでいる、経編機を模式的に示す図である。
図5】バネ引張システムが緩んでいる、経編機のバネ引張システム、スライドボディ及びストッパを模式的に示す図である。
図6】ストッパが変位する、本発明の第2実施形態を示す図である。
図7】駆動部が経編機のスライドボディに統合された、本発明の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、張力をかけられたバネ張力システム2を有する本発明による経編機1を模式的に示す。経編機1は、ガイドバー3及びニードルバー4を有する。経編機1の複数のワープビーム5は経糸6を保持しており、図1では一例として経糸6のみが示されている。経糸6は、ワープビーム5からガイドバー3へガイドされる。ガイドバー3の下方において、経糸6は、編みプロセスの際にニードルバー4の図示されていない編み針に捕捉され、布地へと編まれる。
【0023】
図2は、経編機1の、バネ引張システム2、スライドボディ7、プランジャ8及びストッパ9を模式的に示す図である。図2において部分的に示されるガイドバー3は、編みプロセスの際にその長手方向に沿って移動しなければならない。移動は、駆動ロッド18を介してスライドボディ7と接続された、図示されていない、経編機の駆動部を介して引き起こされる。駆動部は、サーボモータを有するパターン装置である。パターン装置は、駆動ロッド18を用いてスライドボディ7を移動させる。スライドボディ7はプランジャ8を再び変位させ、プランジャ8は経編機のガイドバー3を駆動する。バネ引張システム2は、プランジャ8のガイドバー3との確実な接続に役立つ。バネ引張システム2のプルケーブル10が、ガイドバー3をスライドボディ7の方向に引っ張ることで、ガイドバー3はプランジャ8に押圧される。ストッパ9は、スライドボディ7の、ガイドバー3の反対側に配置される。駆動ロッド18は、ストッパ9を通って通過するのみであり、これとは作用接続されていない。
【0024】
図3は、スライドボディ7及びバネ引張システム2を断面図において示す。バネ引張システム2のボルト11は、スライドボディ7のガイドチャネル12内に収容されている。スライドボディ7は、スライドボディ7の、ガイドバーから反対側上にガイドバー開口13を有する。バネ引張システム2のバネパッケージ14は、ボルトに引っ張り力をかける。図示された停止位置(Haltestellung)において、バネ引張システム2のプルケーブル10は張力がかけられており、ボルト11は開口13から突出している。プランジャ8は部分的にのみ図示されており、停止位置において、バネ引張システム2の引っ張り力に基づいてスライドボディ7に押し当てられる。
【0025】
図4は、バネ引張システム2が緩んでいる、経編機1を模式的に示す図である。ガイドバー3を外すには、ガイドバー3に取り付けられているピン15から(von Zapfen 15, auf denen die Legebarre 3
aufsitzt)下されなければならない。ユーザは、経編機1に命令を与える。その後、経編機1の図示されていないコントロールユニットは、ガイドバー3をピン15の端部5の方向に変位させる。これは、経編機1のパターン装置によって行われ、スライドボディ7を変位方向16に動かす。比較的大きな変位経路はガイドバー3によって乗り越えられなければならないので、コントロールユニット3は同時に経編機1のワープビーム駆動部を駆動制御する。これは、ワープビーム5を駆動する。これによって、経糸6は長い変位経路にもかかわらず一定に保たれる糸張力をかけられることが確実にされる。
【0026】
スライドボディ7は、ストッパ9の方向に、図4に示される状態まで調整される。図4において見ることができない、その前にスライドボディ7の開口から突出していたバネ引張システム2のボルトは、今や略完全にスライドボディ7のガイドチャネル内に押し込まれた。それによってプルケーブル10は緩められる。プルケーブル10はガイドバー3から解放することができ、プランジャ8はスライドボディ7とガイドバー3との間の中間空間から取り除かれることができる。その後、ガイドバー3をピン15から手動で下す(herabgefuehrt)ことができる。
【0027】
図5は、バネ引張システム2が緩んでいる、バネ引張システム2並びにスライドボディ7及びストッパ9を模式的に示す図である。バネ引張システム2のプルケーブル10は、緩く垂れさがっており、ガイドバー3の固定ピン17から引き抜かれることができる。
【0028】
図6は、ストッパ9が変位されている、本発明の第2実施形態を示す図である。本発明による経編機のバネ引張システム2が示されている。ストッパ9は、別個の駆動ロッド18が割り当てられており、したがって変位されることができる。割り当てられた駆動ロッド18を介して、ストッパ11は、経編機のパターン装置に加えて設けられた図示されていないストッパ駆動部と結合されている。バネ引張システム2のプルケーブル10を緩めるために、バネ引張システム2のボルト11がスライドボディ7内に押し込められるべき場合、ストッパ9は、ストッパ9がスライドボディ7に当接するまで、ストッパ駆動部を介して変位方向16に移動する。スライドボディ7はその間、静止したままである。
【0029】
図7は、本発明の第3実施形態を示し、そこでは、本発明による経編機の駆動部19は経編機のスライドボディに統合されている。スライドボディ7内にはバネ引張システム2が固定されている。バネ引張システム2のプルケーブル10が緩められるべき場合、したがってガイドバーにバネ引張システム2によって形成される引っ張り力は変化されることができ、したがって駆動部19は起動される。駆動部19の歯車20はばね式システム2のボルト11に固定25されたラック歯車21と係合している。 歯車20の図示によれば、ボルト11は変位され、したがってバネ引張システム2からガイドバー上に及ぼされる引っ張り力が変化する。
【符号の説明】
【0030】
1 経編機(Kettenwirkmaschine)
2 バネ引張システム(Federzugsystem)
3 ガイドバー(Legebarre)
4 ニードルバー(Nadelbarre)
5 ワープビーム(Kettbaum)
6 縦糸(Kettfaden)
7 スライドボディ(Schubkoerper)
8 プランジャ(Stoessel)
9 ストッパ(Anschlag)
10 プルケーブル(Zugseil)
11 ボルト(Bolzen)
12 ガイドチャネル(Fuehrungskanal)
13 開口(Oeffnung)
14 バネパッケージ(Federpaket)
15 ピン(Zapfen)
16 変位方向(Verlagerungsrichtung)
17 固定ピン(Haltestift)
18 駆動ロッド(Antriebsstange)
19 駆動部(Antrieb)
20 歯車(Zahnrad)
21 ラック歯車(Zahnstange)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7