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特許7014847電子レシートサーバ、プログラムおよび電子レシートシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】電子レシートサーバ、プログラムおよび電子レシートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220125BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220125BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020072392
(22)【出願日】2020-04-14
(62)【分割の表示】P 2018228152の分割
【原出願日】2014-06-09
(65)【公開番号】P2020119592
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2020-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小玉 美菜
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
(72)【発明者】
【氏名】山田 邦由
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】須崎 晃子
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-038443(JP,A)
【文献】特開2012-164154(JP,A)
【文献】特開2007-034916(JP,A)
【文献】国際公開第2013/040591(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売データ処理装置が、客の会員識別情報と、当該客の店舗での商品購入を示す取引データと、を含めて生成した電子レシートと、各種要求データまたは応答データとを受信する受信手段と、
前記客が、商品購入の特典として取得した特典コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記客が前記特典コンテンツを取得していないことを条件として、当該特典コンテンツを表示するためのエリアを有する空欄の特典コンテンツ未取得時の一覧画面を表示させるための表示データを送信する送信手段と、
を備える電子レシートサーバ。
【請求項2】
前記客が特典コンテンツを取得したことを条件として、前記送信手段は、取得済の特典コンテンツを表示させるための表示データを送信する、
請求項1に記載の電子レシートサーバ。
【請求項3】
前記特典コンテンツ未取得時の一覧画面を表示させるための表示データは、当該特典コンテンツを識別する番号、画像または動画である、
請求項1に記載の電子レシートサーバ。
【請求項4】
コンピュータを、
販売データ処理装置が、客の会員識別情報と、当該客の店舗での商品購入を示す取引データと、を含めて生成した電子レシートと、各種要求データまたは応答データとを受信する受信手段と、
前記客が、商品購入の特典として取得した特典コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記客が前記特典コンテンツを取得していないことを条件として、当該特典コンテンツを表示するためのエリアを有する空欄の特典コンテンツ未取得時の一覧画面を表示させるための表示データを送信する送信手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項5】
電子レシートサーバと、情報処理端末と、を含む電子レシートシステムであって、
前記電子レシートサーバは、
販売データ処理装置が、客の会員識別情報と、当該客の店舗での商品購入を示す取引データと、を含めて生成した電子レシートと、各種要求データまたは応答データとを受信する受信手段と、
前記客が、商品購入の特典として取得した特典コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記客が特典コンテンツを取得していないことを条件として、当該特典コンテンツを表示するためのエリアを有する空欄の特典コンテンツ未取得時の一覧画面を表示させるための表示データを送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理端末は、
前記電子レシートサーバに対する各種要求データの送信と、前記電子レシートサーバが送信した表示データの受信とを行う送受信手段と、
前記送受信手段が、前記電子レシートサーバから受信した前記表示データに基づく画面を表示させる表示制御手段と、を備える、
電子レシートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシートサーバ、プログラムおよび電子レシートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、決済時に店舗から買物客に渡されるレシートあるいは領収書を電子データ化して客の携帯端末等に送信し、表示させる電子レシートシステムが開発されている。レシートの電子データ化により、利用客はレシートデータを家計簿ソフト等に流用できるなどの利点がある。また、導入店舗にとっても、電子レシートの利用によりレシート用紙の消費を節減することができる等の利点がある。
【0003】
また、商品購入の特典として電子レシートに背景画像データや音楽データ等の、取引情報以外の付加データ(特典コンテンツ)を添付し、店舗や商品の販売促進に繋げようという試みもある。
【0004】
しかしながら現状では、このような特典コンテンツはあくまでも電子レシートに付属するものであり、電子レシートの表示に伴って表示または再生されるものである。従って、客が商品購入をして特典コンテンツを取得しても、複数の電子レシート利用履歴の中から特典付きの電子レシートを探し出すのに手間を要するという課題があった。また、客が商品購入を重ねて特典付き電子レシートを複数取得しても、その特典コンテンツは集約されていないため一覧することができない。従って、特典付き電子レシートを継続して獲得したいという客の意欲を得難い状態であった。このように従来、電子レシートに付加された取引情報以外の付加データを簡便に閲覧できることが望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電子レシートに付加された取引情報以外の付加データを簡便に閲覧できる電子レシートサーバ、プログラムおよび電子レシートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電子レシートサーバは、受信手段と、記憶手段と、送信手段とを備える。受信手段は、販売データ処理装置が、客の会員識別情報と、当該客の店舗での商品購入を示す取引データと、を含めて生成した電子レシートと、各種要求データまたは応答データとを受信する。記憶手段は、客が、商品購入の特典として取得した特典コンテンツを記憶する。送信手段は、客が特典コンテンツを取得していないことを条件として、当該特典コンテンツを表示するためのエリアを有する空欄の特典コンテンツ未取得時の一覧画面を表示させるための表示データを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る電子レシートシステムの構成例を示す概略図である。
図2図2は、POS端末の装置構成例を示すブロック図である。
図3図3は、ストアサーバの装置構成例を示すブロック図である。
図4図4は、本部サーバの装置構成例を示すブロック図である。
図5図5は、電子レシートサーバの装置構成例を示すブロック図である。
図6図6は、電子レシート記憶部のデータ構成例を示した図である。
図7図7は、特典条件記憶部のデータ構成例を示す図である。
図8図8は、携帯端末の装置構成例を示すブロック図である。
図9図9は、電子レシートアプリのスタート画面例を示す図である。
図10図10は、特典コンテンツ付の電子レシートの表示画面例を示す図である。
図11図11は、特典一覧画面の初期画面例を示す図である。
図12図12は、特典取得条件を表示した画面の一例を示す図である。
図13図13は、特典コンテンツ取得後の特典一覧画面の表示例を示す図である。
図14図14は、特典表示画面の一例を示す図である。
図15図15は、電子レシートシステムで実行される特典付電子レシートの生成処理の手順例を示すシーケンス図である。
図16図16は、電子レシートシステムで実行される、特典一覧画面の表示処理の手順例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)システム構成例
図1は、実施形態に係る電子レシートシステムの構成例を示す概略図である。図1に例示するように、電子レシートシステムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ9と、本部サーバ3と、電子レシートサーバ4と、携帯端末7とを含む。
【0009】
POS端末1とストアサーバ9とは、店舗内に設けられる。POS端末1とストアサーバ9とは、LAN(Local Area Network)等の店舗内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、POS端末1及びストアサーバ9は、店舗内ネットワークN1に接続されたルータ等のネットワーク機器(図示せず)を介して、ネットワークN2に接続可能である。ネットワークN2は、店舗とチェーン店の運営企業とを繋ぐ専用回線であり、例えば、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等が用いられる。なお、店舗に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。
【0010】
POS端末1は、売上データ登録処理を実行する販売データ処理装置である。POS端末1は、取引データに基づいて電子レシートを生成し、ストアサーバ9に出力(送信)する。
【0011】
ストアサーバ9は、店舗内における売上データ管理や在庫管理等の処理を統括的に行う。即ち、ストアサーバ9は、POS端末1から取引データ、電子レシート等を受信する。そして、これら情報を記憶部に格納して管理するとともに、本部サーバ3に送信する。
【0012】
本部サーバ3は、チェーン展開する店舗(以下、店舗という)を統括的に運営する企業(企業本部)に設けられている。本部サーバ3は、管理下にある店舗のストアサーバ9から取引データを受信し、売上管理、売上分析、在庫管理などを行う。また、本部サーバ3は、各店舗のストアサーバ9からネットワークN2を介して電子レシートを受信する。そして、本部サーバ3は、ネットワークN3を介して電子レシートセンタの電子レシートサーバ4に送信する。ここで、ネットワークN3は、例えば、インターネットやVPN等の専用線である。
【0013】
電子レシートサーバ4は、電子レシートセンタに設けられる。電子レシートセンタは、店舗の運営企業から電子レシートサービスを委託された機関である。電子レシートサーバ4は、本部サーバ3から電子レシートを受信し、管理する。
【0014】
また、電子レシートサーバ4は、電子レシートに含まれる取引データに基づいて、特典コンテンツを選択する。そして、電子レシートの閲覧応答時に、携帯端末7が電子レシートの表示画面において特典コンテンツを併せて表示、再生できるよう、付加対象の電子レシートに関連付けて特典コンテンツを管理する。
【0015】
特典コンテンツとは、特定商品の購入や、特定店舗または系列店舗での購入がなされたときに、当該取引の電子レシートに特典として付加されるコンテンツのことである。特典コンテンツとしては、電子レシートの表示画面に表示される画像や、電子レシートの背景画像として用いられる画像のデータファイルを用いることができる。また、特典コンテンツとして、電子レシートの表示画面で再生表示される動画のデータファイルを用いてもよい。さらに、特典コンテンツとして、電子レシートの表示画面において再生される音再生用のデータファイルを用いてもよい。また、これら特典コンテンツを組み合わせて、一の電子レシートに複数の特典コンテンツを付加してもよい。
【0016】
電子レシートサーバ4は、携帯端末7から電子レシートの閲覧要求を受信すると、電子レシートの表示データを、要求のあった携帯端末7に送信する。また、上述のように特典コンテンツが関連付けられた電子レシートに関しては、電子レシートの表示データに特典コンテンツを関連付けて携帯端末7に送信する。
【0017】
また、電子レシートサーバ4は、客(会員)がすでに取得した特典コンテンツを、会員情報に対応付けて会員ごとに管理する。そして、客の携帯端末7からの閲覧要求に応じて、特典コンテンツを電子レシートの取引データとは分離して表示する画面の表示データを生成し、携帯端末7に送信応答する。画面表示例については、図を用いて後述する。
【0018】
なお、表示データの送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。閲覧要求の送信元は、携帯端末7に限られない。本部サーバ3やストアサーバ9、POS端末1、携帯端末7以外の客の情報処理装置、あるいはその他の情報処理装置が、電子レシートサーバ4に対して電子レシートまたは特典コンテンツの閲覧要求を行ってもよい。
【0019】
尚、図1では運営企業が電子レシートサービスを電子レシートセンタに外部委託した例を図示したが、運営企業が当該企業本部内に電子レシートサーバ4の機能を設けてもよい。換言すれば、電子レシートシステムは、本部サーバ3および電子レシートサーバ4の機能を併せ持つ情報処理装置を有してもよい。
【0020】
携帯端末7は、電子レシートシステムの利用客(会員)が使用する携帯型情報処理端末である。携帯端末7としては、スマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等を用いることができる。携帯端末7は、Webブラウザや、電子レシート関連アプリケーション等を実装し、電子レシートサーバ4がネットワークN4上に提供したWebページにアクセスする。ネットワークN4は、インターネット等の公衆通信網である。携帯端末7は、電子レシートサーバ4に自装置が記憶する会員コードを送信して、電子レシートの閲覧要求を行う。そして、電子レシートサーバ4から受信した表示データに基づいて、電子レシートを表示部73(図8参照)に表示する。
【0021】
なお、上述のように、電子レシートに特典コンテンツが添付されている場合、携帯端末7は、電子レシート表示処理において、当該電子レシートデータに関連づけられている特典コンテンツを併せて表示部73に表示する。
【0022】
なお、電子レシートの表示形態は、必ずしも用紙に印字されるレシートのイメージに合わせる必要はない。しかしながら、電子レシートは、紙のレシートに代わるものであり、商品を購入し、店舗が代金を領収したことを証明する電子的領収書となるものである。従って、領収書に必要な情報として、店舗名、購入日時、購入商品の明細、売上合計額、預り金額、釣り金額、レジナンバー、取引ナンバー等が含まれることが望ましい。
【0023】
また、携帯端末7は、客(会員)がすでに取得した特典コンテンツを一覧表示する特典一覧画面(図11図13参照)を表示部73に表示する。
【0024】
(2)装置構成例
(2-1)POS端末
まず、POS端末1の構成について説明する。図2は、POS端末1の装置構成例を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される制御部11を備えている。制御部11は、バス18を介して操作部12、プリンタ13、表示部14及びスキャナ15、通信I/F(Interface)16、記憶部17等と接続されている。制御部11は、通信I/F16を介して店舗内ネットワークN1に接続する。
【0025】
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを備えている。プリンタ13は、レシートやジャーナル等の印字を行う。表示部14としては、例えば液晶ディスプレイ等が用いられる。ディスプレイ表面にタッチパネルが設けられる場合には、当該タッチパネルが操作部12として機能する。表示部14は、キャッシャ向けに各種情報を表示するオペレータ用ディスプレイ14aと、顧客向けに各種情報を表示する客用ディスプレイ14bとを備える。
【0026】
スキャナ15は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取る。スキャナ15は、例えば、商品に付されたコードシンボルや、携帯端末7に表示された会員コードのコードシンボル等をデコードし、読み取った情報を制御部11に出力する。
【0027】
記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部17は、売上データ登録処理や、電子レシート生成処理、電子レシート出力処理等を行うためのプログラムを記憶している。また、記憶部17は、商品名、商品コード、価格等の商品情報等を対応付けた商品マスタを記憶している。
【0028】
また、記憶部17は、各種識別コードを記憶している。識別コードとしては例えば、POS端末1をユニークに識別するためのPOSナンバー、POS端末1が設置された店舗を示す店舗コード、店舗を運営する企業の識別コードである企業コード、店舗の業種・業態を区別するコードである業種・業態コード等が用いられる。なお、店舗の業種・業態としては、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などがある。
【0029】
POS端末1で実行されるプログラムは、図2に示すように、コード受付部20、売上登録部21、出力選択部22、印字制御部23、電子レシート生成部24、データ出力部25を含むモジュール構成となっている。そして、制御部11のCPUが当該プログラムをRAMに展開して実行することで、上記各部の機能が実現される。
【0030】
コード受付部20は、スキャナ15が商品に付されたコードシンボルを読み取ると、当該コードシンボルにエンコードされた商品コードを読み取ってその入力を受付ける。また、コード受付部20は、携帯端末7の表示部73(図8参照)に表示されたコードシンボルCS(図9参照)から、当該コードシンボルCSにエンコードされた会員コードを読み取ってその入力を受付ける。
【0031】
尚、コード受付部20は、近距離無線通信等、他の通信手段によって携帯端末7から会員コードを受付けてもよい。近距離無線通信としては、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の方式を用いればよい。
【0032】
また、コード受付部20は、会員コードが格納されたICカードや磁気カード等の媒体から会員コードを受付けてもよい。なお、ICカードを用いる場合、POS端末1はICカードリーダライタ等の読取/書込部を備えればよい。また、磁気カードを用いる場合、POS端末1は、磁気カードのカードリーダ/カードライタ等を備えればよい。
【0033】
売上登録部21は、コード受付部20の受付処理に応じて、商品コードに対応する商品情報を商品マスタから読み込み、RAMに仮登録する。また、売上登録部21は、商品名、商品コード、商品価格、点数などの個々の商品情報と、一取引分の合計金額、合計点数、預り額、釣銭額等の情報と、取引番号(レシート番号)、取引日時、レジ番号、店員情報等の情報とを含めて、取引データ(レシートデータ)を生成し、RAMに格納する。
【0034】
出力選択部22は、操作部12からの選択操作に基づき、取引データをレシート用紙に印字出力するか、電子レシートとしてデータ出力するかを選択する。
【0035】
印字制御部23は、出力選択部22により紙レシートの印字出力が選択されると、取引データの印字データを生成し、プリンタ13に出力する。プリンタ13は印字データに基づいてレシートを印刷する。
【0036】
電子レシート生成部24は、売上登録部21が上述のように登録した非構造化形式のレシートデータを、構造化データに変換し、電子レシートを生成する。また、電子レシート生成部24は、コード受付部20が読み取った会員コードと、記憶部17に格納されている、企業コード、店舗コード等の各種識別コードを電子レシートに含める。
【0037】
なお、企業コード、業種・業態コードについては本部サーバ3が記憶してもよい。そして、本部サーバ3が、POS端末1から受信した電子レシートにこれらコードを付して電子レシートサーバ4に送信してもよい。
【0038】
データ出力部25は、電子レシート生成部24が電子レシートを生成すると、生成された電子レシートをストアサーバ9に送信する。また、データ出力のタイミングは特に限定されず、所定時刻または所定の時間間隔で出力してもよい。また、出力先やデータ経由方法は特に限定されず、実施形態に応じて適宜変更されればよい。
【0039】
尚、ストアサーバ9やその他の情報処理装置が電子レシート生成部24の機能を備えてもよい。そして、当該装置が、POS端末1から取引データを受け取って電子レシートを生成し、外部に出力してもよい。
【0040】
(2-2)ストアサーバ
次に、ストアサーバ9の構成について説明する。図3は、ストアサーバ9の装置構成例を示すブロック図である。ストアサーバ9は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御部91を備えたコンピュータである。制御部91は、バス94を介して、通信I/F92と、記憶部93と接続されている。尚、制御部91には、バス94および各種インタフェースを介して図示しない操作部および表示器を接続することができる。制御部91は、通信I/F92を介して、店舗内ネットワークN1やネットワークN2に接続する。記憶部93は、売上データ管理処理、在庫管理処理、電子レシート送受信処理、電子レシート管理処理等を行うためのプログラムを記憶している。また、記憶部93は、本部サーバ3から送信された商品マスタ、店舗内のPOS端末1から送信された電子レシートおよび売上データ等の各種データを格納する。制御部91は、記憶部93に格納されたプログラムを実行することにより上記各処理を実行する。一例として、制御部91は、POS端末1から受信した電子レシート、取引データ等のデータを、本部サーバ3に送信する。
【0041】
(2-3)本部サーバ
次に、運営企業の本部サーバ3の構成について説明する。図4は、本部サーバ3の装置構成例を示すブロック図である。本部サーバ3は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御部31を備えたコンピュータである。制御部31は、バス34を介して、通信I/F32と、記憶部33と接続されている。尚、制御部31には、バス34および各種インタフェースを介して操作部および表示器(ともに不図示)が接続される。制御部31は、通信I/F32を介して、ネットワークN2やネットワークN3に接続する。記憶部33は、売上データ管理処理、在庫管理処理、電子レシート送受信処理、電子レシート管理処理等を行うためのプログラムを記憶している。また、記憶部33は、店舗のストアサーバ9から送信された電子レシートや、売上データ等の各種データを格納する。制御部31は、記憶部33に格納されたプログラムを実行することにより、上記各処理を実行する。
【0042】
(2-4)電子レシートサーバ
次に、電子レシートセンタの電子レシートサーバ4について説明する。図5は、電子レシートサーバ4の装置構成例を示すブロック図である。電子レシートサーバ4は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御部41を備えたコンピュータである。制御部41は、バス44を介して、通信I/F42と、記憶部43と接続されている。制御部41は、通信I/F42を介して、ネットワークN3、ネットワークN4に接続する。
【0043】
記憶部43には、電子レシート記憶部45、特典条件記憶部46が格納されている。電子レシート記憶部45は、本部サーバ3から受信した電子レシートを会員毎に格納するための記憶領域である。特典条件記憶部46は、電子レシートに特典コンテンツを添付する際の条件である付加条件を設定した記憶領域である。
【0044】
図6は、電子レシート記憶部45のデータ構成例を示した図である。図6に示すように、電子レシート記憶部45に格納される電子レシートは、会員コード、取引番号、企業コード、店舗コードなどの識別情報で識別可能に構成されている。各電子レシートには、店舗ロゴデータ、店舗電話番号、住所等の店舗情報が含まれる。また、商品ごとの商品情報(商品コード、商品名、単価、点数)、一取引の小計金額、税額、合計金額等の決済情報が含まれる。また、電子レシートには、後述する特典付加条件に基づいて、特典コンテンツが付加されて格納される。尚、特典コンテンツそのものではなく、データ格納先を示す情報(リンク先情報)が格納されてもよい。
【0045】
図7は、特典条件記憶部46のデータ構成例を示す図である。図7に示すように、特典条件記憶部46では、各条件の識別番号と、特典付加条件と、その条件が満たされた際に電子レシートに添付される特典コンテンツを示した情報とが対応付けられている。尚、電子レシートに画像ファイルと音再生ファイルなど複数の特典コンテンツを添付するためには、図7に示すように複数の特典コンテンツ(特典コンテンツ1、特典コンテンツ2)が設定されればよい。また、特典コンテンツのファイル形式は、図7中に示した拡張子に関連するファイル形式に限定されるものではない。
【0046】
特典付加条件としては、系列店舗での購買行為でもよいし、系列店舗のうち特定の店舗における購買行為でもよいし、あるいは、特定商品の購入などを、適宜設定することができる。系列店舗全体での購買行為を条件とするためには、特典付加条件として、系列店舗を統括する企業の企業コードを設定すればよい。また、特定店舗での購買行為を条件とするためには、特典付加条件として店舗コードを設定すればよい。また、特定商品の購入を条件とするためには、特定付加条件として当該商品の商品コードを設定すればよい。
【0047】
図5に戻って、記憶部43には、電子レシートサーバ4に上述の各処理を実行させるためのプログラムが格納されている。電子レシートサーバ4で実行されるプログラムは、図5に示すように、受信部51、特典付加部52、送信部53を含むモジュール構成となっている。そして、制御部31のCPUが当該プログラムをRAMに展開して実行することで、上記各部の機能が実現される。
【0048】
受信部51は、本部サーバ3から電子レシートを受信し、電子レシート記憶部45に格納する。また、受信部51は、ネットワークN4を介して携帯端末7から各種要求データや応答データを受信する。
【0049】
特典付加部52は、受信した電子レシートにおいて、取引内容が特典付加条件に適合していれば、当該条件に対して付与される特典コンテンツを特典条件記憶部46から選択する。そして、抽出した特典コンテンツを付加先の電子レシートに対応付けて、電子レシート記憶部45に格納する。
【0050】
送信部53は、本部サーバ3、携帯端末7からのデータ閲覧要求に応じて、電子レシート記憶部45に格納されているデータを読み出して、送信する。尚、送信部53は、データ閲覧要求に応じて、要求されたデータのデータ形式を適宜変換して出力する。
【0051】
例えば、本部サーバ3から電子レシートの閲覧要求があれば、送信部53は、閲覧要求のあった条件に応じてデータを閲覧用Webページに表示させるための表示データを生成し、本部サーバ3に送信する。また、携帯端末7が会員コードを用いて閲覧用Webページにアクセスすると、送信部53は当該会員コードに対応する電子レシートの表示データを携帯端末7に送信する。或いは、携帯端末7が電子レシート関連アプリを介して閲覧要求をした場合、送信部53はアプリ画面の表示データを生成して携帯端末7に送信する。
【0052】
(2-5)携帯端末
次に、携帯端末7の構成例について説明する。図8は、携帯端末7の装置構成例を示すブロック図である。携帯端末7においては、従来一般的に用いられている携帯型情報処理装置のハードウェア構成を利用すればよい。即ち、図8に示すように、携帯端末7は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御部71を備えている。制御部71には、バス76や各種インタフェースを介して、タッチパネルや操作キー等の操作部72と、液晶ディスプレイ等の表示部73と、通信I/F74と、記憶部75とが接続されている。制御部71は、通信I/F74を介してネットワークN4に接続可能である。なお制御部71は、通信I/F74を介して店舗内ネットワークN1に接続してもよい。
【0053】
記憶部75は、電子レシート関連のアプリケーションプログラム(電子レシート関連アプリ)を格納している。電子レシート関連アプリは、図8に示すように、送受信部81、表示制御部82、受付部83を含むモジュール構成となっている。そして、制御部71のCPUが当該プログラムをRAMに展開して実行することで、上記各部の機能が実現される。
【0054】
送受信部81は、データの送受信処理を行う。即ち送受信部81は、記憶部75が格納する会員コードを電子レシートサーバ4に送信し、電子レシートの閲覧要求を行う。また、送受信部81は、記憶部75が格納する会員コードを電子レシートサーバ4に送信し、特典一覧画面(図11図13参照)の閲覧要求を行う。また、送受信部81は、閲覧要求に応じて電子レシートサーバ4が送信応答した各種表示データを受信する。
【0055】
表示制御部82は、表示部73への表示処理を制御する。例えば表示制御部82は、送受信部81が電子レシートサーバ4から受信した表示データに基づいて、電子レシート関連アプリの各種画面(図9図14参照)を表示部73に表示する。
【0056】
受付部83は、操作部72に対する操作に応じて、表示画面に表示されたアイコンの選択操作などの操作を受付ける。
【0057】
(3)画面構成例
次に、携帯端末7において表示される画面の構成例について、図9ないし図14を用いて説明する。なお、以下では、画面遷移例についてもあわせて説明するが、画面遷移順は一例であって以下に示す例により限定されるものではない。
【0058】
また、各種表示データの生成処理については、電子レシートサーバ4と携帯端末7とが協働し、分担して行ってよい。すべての表示データを電子レシートサーバ4が送信してもよい。或いは、一部の表示データを携帯端末7の電子レシート関連アプリが予め保持し、表示処理において用いてもよい。
【0059】
また、携帯端末7は、電子レシート関連アプリを用いて後述する各画面(図9図14参照)を表示するが、Webブラウザやその他のアプリケーションプログラムを用いて各画面を表示してもよい。
【0060】
(3-1)スタート画面例
図9は、電子レシートアプリのスタート画面例を示す図である。表示制御部82は、電子レシートアプリの起動時に、図9に示すようなスタート画面を表示部73に表示する。表示制御部82は、記憶部75に格納されている画像データに基づき、スタート画面に会員コードのコードシンボルCSを表示する。客(会員)は、スタート画面を店員に掲示し、店員は会員コードのコードシンボルCSをPOS端末1のスキャナ15でスキャンする。これにより、POS端末1は会員コードの入力を受付ける。
【0061】
また、スタート画面には、電子レシートを閲覧するためのアイコン85や、特典一覧画面(図11図13参照)を閲覧するためのアイコン86が設けられている。
【0062】
受付部83がアイコン85の選択操作を受付けると、送受信部81は、記憶部75に格納されている会員コードを用いて、電子レシートサーバ4に電子レシートの表示データの送信を問い合わせる。尚、携帯端末7は、パスワードを入力させる画面を表示させ、入力されたパスワードを会員コードとともに電子レシートサーバ4に送信してもよい。電子レシートサーバ4は、電子レシート記憶部45の格納情報を用いて、会員コードとパスワードとによりユーザ認証を行う。そして、正常に認証できれば、携帯端末7による電子レシートデータのダウンロードを許可する。携帯端末7の表示制御部82は、ダウンロードした表示データに基づき、過去の取引分の電子レシートを表示部73に表示する。
【0063】
(3-2)特典付電子レシートの表示画面例
図10は、特典コンテンツ付の電子レシートの表示画面例を示す図である。図10では、特典コンテンツに係る画像として、背景画像88および音再生アイコン89が画面上に配置された例を示している。
【0064】
図10に示すように、最前面に配置された表示エリアの上部には、店舗ロゴエリア77が設けられ、その下方に取引データエリア78が設けられている。また、最背面に配置された表示エリアには、背景エリア79が設けられている。前面側に配置された表示データは、背面側に配置された表示データより表示優先順が高い。従って、店舗に関する情報や取引データなど、受領証、納品書、領収書等として電子レシートが用いられる際に重要となる情報は、背景画像により隠れないよう表示される。
【0065】
特典コンテンツとして音楽再生データ(音声データ)が付されている場合には、表示制御部82は、その再生ボタンとして機能する音再生アイコン89を店舗ロゴエリア77および取引データエリア78以外の表示エリアに配置する。また、特典コンテンツとして動画データが用いられる場合、表示制御部82は、動画ファイルのサムネイルまたは再生ボタンとして機能するアイコン(ともに不図示)を店舗ロゴエリア77および取引データエリア78以外の表示エリアに配置する。
【0066】
(3-3)特典コンテンツ一覧画面
図9に戻って、受付部83がアイコン86の選択操作を受付けると、送受信部81は、記憶部75に格納されている会員コードを用いて、電子レシートサーバ4に特典一覧画面に関する表示データの送信を問い合わせる。電子レシートサーバ4の送信部53は、特典一覧画面を表示するための表示データを携帯端末7に送信する。携帯端末7の送受信部81は特典一覧画面に関する表示データを受信し、表示制御部82は、当該表示データを用いて特典一覧画面を表示する。
【0067】
(3-3-1)特典未取得時の一覧画面例
・未取得コンテンツに対する表示例
図11は、特典一覧画面の初期画面例を示す図である。会員がまだ特典コンテンツを取得していない場合、特典一覧画面には、特典コンテンツのコンテンツを埋め込み表示するための表示枠87のみが表示される。表示枠87には、特典コンテンツを識別するための番号(No.1、No.2…)が付される。当該番号は、特典条件記憶部46に設定されている識別番号をそのまま用いてもよいし、簡易化された番号を利用してもよい。
【0068】
このように、特典一覧画面には、特典番号に応じてその特典コンテンツを表示するためのエリア(表示枠)が予め設けられ、未取得の場合には空欄もしくは特典コンテンツに準ずる表示がなされる。このような一覧画面を設けたことにより、客に、未取得データを取得して表示枠を埋めていきたいという欲求や、他の特典も獲得して表示させたいという欲求を喚起させやすくできる。また、これにより、購買意欲の促進を図ることができる。
【0069】
表示制御部82は、データ未取得分の表示枠87内に、クエスチョンマーク等の画像を表示し、当該特典が未取得であることを表示する。尚、クエスチョンマークの代わりに、特典コンテンツの透かし画像や、サムネイルなど、特典コンテンツに準ずる表示を行ってもよい。また、特典コンテンツが同じキャラクターや同種のモチーフを用いたシリーズ物の背景画像や動画である場合には、そのシリーズで共用される画像や動画などを表示しておいてもよい。このように未取得分の特典コンテンツに関連した表示を行うことで、客が特典コンテンツを実際に獲得して表示させてみたいという欲求を喚起させ易くすることができる。
【0070】
・特典取得条件の表示例
受付部83がデータ未取得分の表示枠87の表示領域に対してタッチ操作を受付けると、表示制御部82は、表示枠87の特典コンテンツを得るための特典取得条件を表示部73に表示する(図12参照)。
【0071】
図12は、特典取得条件を表示した画面の一例を示す図である。図12では、特典取得条件として、特定店舗での購買行為が必要であることを表示通知した例を示した。尚、画面構成は図12の例に限定されない。例えば、表示枠87内を空欄あるいはクエスチョンマーク表示とするのではなく、特典コンテンツのサムネイル、類似画像やシリーズ物に関連する関連画像を表示してもよい。
【0072】
(3-3-2)特典取得後の一覧画面例
図13は、特典コンテンツ取得後の特典一覧画面の表示例を示す図である。図13では、一例として、No.1、No.3の特典コンテンツが取得済みとなった場合を示している。表示制御部82は、電子レシートサーバ4からダウンロードされた特典コンテンツのコンテンツに基づいて、画像や動画、サムネイル、動画や音再生のためのアイコン等を順次、表示枠87内に表示していく。
【0073】
受付部83はデータ取得済みの表示枠87の表示領域に対してタッチ操作を受付けると、表示制御部82は、表示枠87に対応付けられた特典番号の特典コンテンツを全画面表示する(図14参照)。
【0074】
(3-4)特典コンテンツ専用の表示画面例
図14は、特典表示画面の一例を示す図である。特典表示画面とは、特典コンテンツが電子レシートに付随して表示されるのではなく、特典コンテンツのコンテンツが取引データから分離されて表示された画面である。尚、コンテンツの表示は、表示部73において全画面表示としてもよいし、部分表示としてもよい。
【0075】
(4)システムの動作例
次に、電子レシートシステムで実行される特典付電子レシートの生成処理の手順例について説明する。図15は、電子レシートシステムで実行される特典付電子レシートの生成処理の手順例を示すシーケンス図である。
【0076】
まず、POS端末1の売上登録部21は、購入商品の商品情報を入力することにより、商品登録を行う(ステップS1)。一例として、店員は商品に付された商品コードをスキャナ15で読み取るか、操作部12によって入力する。売上登録部21は商品コードに対応する商品名、価格等の商品情報を記憶部17に格納されている商品マスタ(不図示)から読み込み、売り上げる商品の情報としてRAMに格納する。
【0077】
次に、POS端末1のコード受付部20は、電子レシートの会員コードの入力を受付ける。即ち、客(会員)は携帯端末7に電子レシート関連アプリを起動させ、上述のスタート画面(図9参照)を表示部73に表示させる(ステップS2)。そして会員は、当該スタート画面を店員に提示し、店員はPOS端末1のスキャナ15を用いて当該画面に表示されたコードシンボルCSを読み取る。POS端末1のコード受付部20は、コードシンボルCSをデコードして会員コードの入力を受付ける(ステップS3)。
【0078】
POS端末1の電子レシート生成部24は、ステップS1で登録した取引データ、店舗コードと、ステップS2で読み取った会員コードなどを含めて電子レシートのデータを生成する(ステップS4)。
【0079】
POS端末1のデータ出力部25は、ステップS4で生成した電子レシートをストアサーバ9に送信する(ステップS5)。ストアサーバ9は随時または所定のタイミングで、電子レシートを本部サーバ3に出力する(ステップS6)。本部サーバ3は、随時または所定のタイミングで電子レシートを電子レシートサーバ4に出力する(ステップS7)。
【0080】
電子レシートサーバ4の受信部51は、受信した電子レシートを会員コードに対応付けて電子レシート記憶部45に登録する(ステップS8)。そして、特典付加部52は、特典条件記憶部46に基づき、取引データに特典取得条件を満たす情報が含まれているか判定する(ステップS9)。特典取得条件を満たす取引データが有る場合(ステップS9:Yes)には、特典付加対象であると判定して、ステップS10に移行する。
【0081】
特典付加部52は、条件が合致した特典コンテンツを特典条件記憶部46から読み込んで、特典付加対象の電子レシートに付加する(ステップS10)。即ち、特典コンテンツを、該当する会員コードおよび特典付加対象の電子レシートに関連付けて、電子レシート記憶部45に格納する(ステップS11)。
【0082】
一方、特典取得条件を満たす取引データが電子レシートに含まれていない場合(ステップS9:No)には、ステップS11に移行する。制御部41は、電子レシートを、会員コードに関連付けて電子レシート記憶部45に格納し(ステップS11)、一連の処理を終了する。
【0083】
次に、電子レシートシステムで実行される、特典一覧画面の表示処理の手順について説明する。図16は、電子レシートシステムで実行される、特典一覧画面の表示処理の手順例を示すシーケンス図である。
【0084】
携帯端末7の受付部83は、アイコン86(図9参照)の選択操作により、特典一覧画面の閲覧指示を受付けたか否かを判定する(ステップS20)。閲覧指示を受付けなければ(ステップS20:No)、ステップS29に移行する。特典一覧画面の閲覧指示を受付けると(ステップS20:Yes)、送受信部81は、記憶部75が記憶している会員コードを用いて、特典一覧画面の閲覧問合せを行う(ステップS21)。
【0085】
電子レシートサーバ4の受信部51は、携帯端末7から閲覧問合せを受信する(ステップS21)。送信部53は、閲覧問合せのあった会員コードについて、電子レシート記憶部45を参照する。取得済みの特典コンテンツが無い場合(ステップS22:No)、送信部53は、表示枠などの表示データや、上述したような、特典コンテンツに準ずるコンテンツを携帯端末7に応答送信する(ステップS23)。携帯端末7の表示制御部82は、受信した表示データを用いて、特典一覧画面の初期画面(図11参照)を表示する(ステップS24)。その後は図中Bに移行して、携帯端末7の戻るボタンやホームボタン等の操作に応じてスタート画面(図9参照)を表示したり、アプリを終了したりする。
【0086】
一方、取得済みの特典コンテンツが1つでもあれば(ステップS22:Yes)、送信部53は、当該特典コンテンツのコンテンツを特典一覧画面に表示させるための表示データを生成する。そして、送信部53は、生成された表示データを携帯端末7に送信応答する(ステップS25)。携帯端末7の表示制御部82は、受信した表示データに基づき、特典一覧画面(図13参照)を表示部73に表示する(ステップS26)。
【0087】
次に、携帯端末7の受付部83は、特典一覧画面において特典コンテンツのコンテンツ選択操作を受付けたか否かを判定する(ステップS27)。選択操作を受付けなければ(ステップS27:No)図中Bに移行し、上述と同様の処理を行う。選択操作を受付けると(ステップS27:Yes)、表示制御部82は、選択された特典コンテンツのコンテンツを図14に示したように、取引データから分離して表示部73の表示エリア全体に表示する(ステップS28)。その後、図中Bに移行し、上述と同様の処理を行う。
【0088】
一方、ステップS29において携帯端末7の受付部83は、アイコン85(図9参照)の選択操作等、電子レシートの閲覧指示を受付けたか否かを判定する。閲覧指示を受付けなければ(ステップS29:No)図中Bに移行し、上述と同様の処理を行う。電子レシートの閲覧指示を受付けると(ステップS29:Yes)、送受信部81は、記憶部75が記憶している会員コードを用いて、電子レシートの閲覧問合せを行う(ステップS30)。
【0089】
図16には図示しないが、電子レシートサーバ4の送信部53は、会員コードと、閲覧要求の種類に応じて、要求のあった電子レシートの表示データを電子レシート記憶部45から抽出し、携帯端末7に送信する。尚、携帯端末7は、閲覧要求として、携帯端末7において入力された検索条件(日付、店舗名、企業名等)を出力する。あるいは、閲覧要求として、全データを日付順に一覧表示する旨の要求を出力する。電子レシートの閲覧要求や表示処理については、従来行われている処理を用いればよいので、ここでの詳述は省略する。
【0090】
そして、表示制御部82は、検索結果を表示したレシート一覧画面、あるいは、日付順に電子レシートがソートされたレシート一覧画面を表示部73に表示する(ステップS31)。尚、レシート一覧画面においては、一取引ごとに、取引日、店舗名、企業名等のテキスト表示と、企業のロゴマーク等とを含むタイトル表示がなされる。そして、タイトルを選択操作することにより、当該取引の電子レシートの詳細表示を行うことができる。
【0091】
レシート一覧画面においていずれか1つの電子レシートが選択されると(ステップS32:Yes)、表示制御部82は選択された電子レシートの詳細表示を行う(ステップS33)。即ち、表示制御部82は、店舗ロゴエリア77、取引データエリア78(ともに図10参照)を含む電子レシートを表示部73に表示する。電子レシートに特典コンテンツが付されていれば、表示制御部82は図10に示すように、特典コンテンツのコンテンツ(図10の例では、背景画像88と音再生アイコン89)を含めて電子レシートを表示する。その後は図中Bに移行し、上述と同様の処理を行う。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0093】
例えば、上述した各装置が有する機能は、他の装置が有していてもよく、ネットワーク接続された複数の情報処理装置が上記機能を分担して有してもよい。また、電子レシートサーバ4が有する機能を携帯端末7に備えてもよいし、携帯端末7の機能を電子レシートサーバ4によって提供してもよい。
【0094】
例えば、携帯端末7にインストールされたアプリケーションプログラムが、取引データに応じて特典コンテンツを付加し、取得済みの特典コンテンツを記憶部75により管理してもよい。尚、このような場合には合わせて、携帯端末7が、電子レシートサーバ4ではなくPOS端末1から、店舗内ネットワークN1や図示しない近距離無線通信部を介して電子レシートを受信してもよい。
【0095】
・特典コンテンツの転用について
また、携帯端末7は、上述のようにして取得した特典コンテンツを、その他の利用目的として流用できるよう設定を受付けてもよい。例えば、携帯端末7は、特典コンテンツとして電子レシートに付加された画像データを、壁紙など、電子レシート表示画面以外の他の画面の背景表示用データとして設定してもよい。また、携帯端末7は、特典コンテンツとして電子レシートに付加された音再生データを、着信音や通知音として設定してもよい。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、店舗での購入または商品の購入に関連付けられた特典コンテンツについて、客が既に取得した特典コンテンツの一覧画面の表示データを生成し、出力する。これにより客は、携帯端末に表示された一覧画面において、取得済みの特典コンテンツを一括して閲覧することができる。このように、本実施形態によれば、既に取得した特典コンテンツを簡便に閲覧できる情報処理装置およびプログラムを提供することができる。
【0097】
・特典以外の付加データについて
尚、上述では、商品購入や店舗利用に対する特典として、特典コンテンツを電子レシートに付加する場合について説明したが、付加されるコンテンツ(データ)は、特典の意味合いを持たなくてもよい。即ち、電子レシートサーバ4が、特典に限定されないその他の付加データを電子レシートに付加し、携帯端末7に当該付加データに関する表示を一覧表示させるとしてもよい。
【0098】
即ち、本実施形態によれば、電子レシートの付加データを電子レシートから抽出して、一覧画面に一覧表示することができる。このように本実施形態では、付加データにフォーカスを当てたデータ整理をするので、付加データを見易くし、過去に取得した付加データを閲覧しやすくできる。従って、付加データに広告を含めた際などには、当該広告の閲覧率を向上させ、販売促進の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0099】
1…POS端末、3…本部サーバ、4…電子レシートサーバ、7…携帯端末、9…ストアサーバ、45…電子レシート記憶部、46…特典条件記憶部、51…受信部、52…特典付加部、53…送信部、81…送受信部、82…表示制御部、83…受付部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【文献】特開2013-003741号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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