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▶ ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】通気口及び自動車
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20220125BHJP
   F24F 13/065 20060101ALI20220125BHJP
   F24F 13/14 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B60H1/34 611Z
B60H1/34 631
B60H1/34 651B
F24F13/065
F24F13/14 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020119133
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2021017236
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】10 2019 119 732.5
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】マルク-リーヴェン ヘス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス シュナイダー
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-071204(JP,A)
【文献】特表2009-502609(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0342657(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0142715(US,A1)
【文献】特開昭60-256747(JP,A)
【文献】特開2016-118284(JP,A)
【文献】特開2004-268711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 13/065
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の通気口(10)であって、
前記通気口(10)が、空気を供給するための空気チャネルを備えるハウジング(11)を有し、半球部(12)も有すること、及び
前記半球部(12)が、供給された前記空気が前記ハウジング(11)で偏向された後に前記通気口(10)から出るように、前記ハウジング(11)内に回転可能に取り付けられており、
前記通気口(10)が、プッシュロッド連結部(17)及び第1の操作部(13)を有し、前記第1の操作部(13)が、供給された前記空気に関して見たとき、前記半球部(12)の下流に回転可能に取り付けられること、並びに
前記プッシュロッド連結部(17)が、前記半球部(12)を前記第1の操作部(13)に結合し、それにより、前記第1の操作部(13)が任意の望ましい回転方向に回転されるとき、前記半球部(12)が同じ回転方向に沿って動かされ、
前記第1の操作部(13)は、円筒形状に形成されていると共に前記空気を偏向可能に形成されている、ことを特徴とする通気口(10)。
【請求項2】
前記半球部(12)と前記第1の操作部(13)とが、前記空気チャネルに関して見たときに直角の回転軸(14)を有することを特徴とする請求項1に記載の通気口(10)。
【請求項3】
前記ハウジング(11)が、球形ハウジング(15)、及び前記球形ハウジング(15)を支持するラジアル軸受(16)を備えること、並びに
前記半球部(12)が、球形ハウジング(15)内に取り付けられること
を特徴とする請求項1または2に記載の通気口(10)。
【請求項4】
前記通気口(10)が、第2の操作部(18)、カップリングリング(19)、及び前記空気用の調量フラップ(20、25)を有すること、並びに
前記カップリングリング(19)が、前記調量フラップ(20、25)を前記第2の操作部(18)に結合すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の通気口(10)。
【請求項5】
前記通気口(10)が、前記カップリングリング(19)に形成されたラック(24)、第1の歯車(21)、及び第2の歯車(22)を備えること、並びに
前記調量フラップ(20、25)が、前記ラック(24)、前記第1の歯車(21)、及び前記第2の歯車(22)を介して前記第2の操作部(18)に結合されること
を特徴とする請求項4に記載の通気口(10)。
【請求項6】
前記通気口(10)が、結合ロッドを備えること、及び
前記調量フラップ(20、25)が、前記結合ロッドを介して前記第2の操作部(18)に結合されること
を特徴とする請求項4に記載の通気口(10)。
【請求項7】
前記ハウジング(11)が、回転/滑り軸受(23)を備えること、及び
前記回転/滑り軸受(23)が、前記カップリングリング(19)を支持すること
を特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の通気口(10)。
【請求項8】
前記調量フラップ(20、25)が前記第2の操作部(18)に結合され、鋭角にわたる前記カップリングリング(19)の回転が、前記調量フラップ(20、25)を閉位置(20)と開位置(25)との間で揺動させること
を特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の通気口(10)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の通気口(10)を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の通気口に関する。また、本発明は、それに対応する自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車工学では、通気口は、ダッシュボード内又は下、いわゆる換気又は空気調和用のルーフライニング内、さらには自動車の座席の後方又は下にある多様な異なる空気チャネル用の空気分配器及び空気ノズルとして理解されている。
【0003】
空気の流出方向を変えるために、相互に移動することができる2つの中空円筒挿入体を提供することが、(特許文献1)から知られている。
【0004】
通気口の作動は、(特許文献2)、(特許文献3)、及び(特許文献4)から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許発明第10 2008 002 958B3号明細書
【文献】独国特許発明第197 45 932C2号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2005 035 768A1号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2827815A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項によれば、自動車用の通気口、及びまたそのような通気口を有する自動車を提供する。
【0007】
この解決策の1つの利点は、本発明の通気口の形状が従来の通気口とは異なるものの、従来のルーバー式通気口及び円形又は球形の通気口と同等に、直感的に操作を行えることである。
【0008】
本発明のさらなる有利な構成は、従属特許請求項に明記されている。
【0009】
本発明の例示的な実施形態について、より詳細に以下に述べて図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】開始位置にある通気口の等角図である。
図2】開始位置にある通気口を通る長手方向断面図である。
図3】ここでは通気口が40°の角度で上に向いている、図2に対応する断面図である。
図4図3による位置にある、左から見た通気口の部分透視側面図である。
図5】ここでは球形ハウジング全体が示されている、図4に対応する図である。
図6】ここでは通気口が左に回転されている、図1に対応する図である。
図7】ここでは通気口が右に回転されている、図1に対応する図である。
図8】カバープレート、カップリングリング、歯車、及び調量フラップを備える通気口の右側から見た側面図である。
図9】斜め後方から見た通気口の斜視図である。
図10図9の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明による通気口(10)の基本設計の特徴を、その開始位置に基づいて示す。この図は、空気チャネルを収容するハウジング(11)を示し、ハウジング(11)の前側には、一見すると従来のものに見える第1の操作部(13)が配置されている。
【0012】
図2に示すように、球形ハウジング(15)が、ハウジング(11)内で空気チャネルと第1の操作部(13)との間に配置され、球形ハウジング(15)は、半球部(12)を支持する。半球部(12)は、本発明に不可欠であり、特に分配角度を調整する働きをする。
【0013】
ここで、この分配の原理について、図3、4、及び5をまとめて参照して説明する。この例示では、親指と人差し指(図5を参照)を使用して、操作部を、その回転軸(14-図4)の周りで、図では上方向に40°の角度にわたって枢動させている。正面から見て第1の操作部(13)の後方に配置された半球部(12)は、外部に位置するプッシュロッド連結部(17-図5)によって1:1の伝達比で同じ回転方向に沿って動かされる。したがって、このようにして部分的に遮断された空気流は、球形ハウジング(15)の外壁へと偏向され、望ましい分配角度で円筒形操作部(13)に向かって流れる。
【0014】
第1の操作部(13)が、正面から見て時計回り方向(図6を参照)又は反時計回り方向(図7)にさらに回転される場合、ストッパが提供されていない場合には第1の操作部(13)が一周することが可能であり、したがって、前に設定した偏向角度を各方向で調整することができる。
【0015】
図8、9、及び10を参照して、動的空気量調量機能について後述する。この目的のために、通気口(10)は、第2の操作部(18)によって指で操作することができる調量フラップ(20-図8、25-図10)を有する。調量フラップ(20、25)は、第2の操作部(18)の時計回り方向(正面から見たとき)の回転によって閉じられ、反時計回り方向(正面から見たとき)の回転は、調量フラップ(20、25)をその完全な開位置(25)に揺動させる。
【0016】
この目的のために、第2の操作部(18)は、カバープレートによって案内される。カバープレートは、カップリングリング(19)と接続される。カップリングリング(19)のラック(24)が、第1の歯車(21)を駆動する。第2の歯車(22)が、操作に応じて、調量フラップ(20、25)を開く(25-図10)又は閉じる(20-図8)。代替実施形態では、本発明の枠組みから逸脱せずに、歯車(21、22)の代わりに結合ロッドによって伝達が可能である。
【符号の説明】
【0017】
10 通気口
11 ハウジング
12 半球部
13 第1の操作部
14 回転軸
15 球形ハウジング
16 ラジアル軸受
17 プッシュロッド連結部
18 第2の操作部
19 カップリングリング
20、25 調量フラップ
21 第1の歯車
22 第2の歯車
23 回転/滑り軸受
24 ラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10