IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハッセ・ウント・ヴレーデ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許7014905ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器
<>
  • 特許-ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器 図1
  • 特許-ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/167 20060101AFI20220125BHJP
   F16F 15/023 20060101ALI20220125BHJP
   F16F 9/14 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
F16F15/167 Z
F16F15/023 Z
F16F9/14 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020524497
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2018078530
(87)【国際公開番号】W WO2019086258
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】102017125690.3
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599169003
【氏名又は名称】ハッセ・ウント・ヴレーデ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Hasse & Wrede GmbH
【住所又は居所原語表記】Georg-knorr-Str. 4, D-12681 Berlin, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュタイドル
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン クノプフ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/125221(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/167
F16F 15/023
F16F 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なシャフト、たとえばエンジン、特に内燃機関のクランクシャフト(3)に配置された、好ましくは相対回動不能に取付け可能な一次質量体と、該一次質量体に対して相対的に可動である二次質量体とを備えた、回転する系と、
前記一次質量体と前記二次質量体との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための構成アッセンブリと、
を有するねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器において、
前記一次質量体と前記二次質量体との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための前記構成アッセンブリが、少なくとも部分的に、当該ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の前記回転する系の外部に形成されており、
前記一次質量体と前記二次質量体との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための前記構成アッセンブリが、前記回転する系の一部として、流体で充填された複数のチャンバ(4,5)を有し、ねじり振動が発生し、ひいてはこれにより前記一次質量体と前記二次質量体との間に相対運動が生ぜしめられると、前記チャンバ(4,5)の容積が可変であり、
前記チャンバ(4,5)の各容積変化が、前記回転する系から流体用のロータリユニオン(8)を介して、複数の管路(9,10)を経由して、前記回転する系の外部の、一緒に回転しない領域の別個の流体チャンバへ伝達されており、
前記チャンバ(4,5)のそれぞれが、前記一次質量体を挟んで直径方向で互いに向かい合って位置し、前記一次質量体の半径方向孔によって接続された2つのチャンバからなることを特徴とする、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項2】
前記管路(9,10)が、前記回転する系の外部に設けられた1つまたは複数の減衰エレメントおよび/または吸振エレメントに接続されており、これにより、生じた振動減衰作用および/または振動吸振作用が、前記複数の管路を介して前記回転する系へフィードバックされていることを特徴とする、請求項1記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項3】
前記回転する系の外部に設けられた前記1つまたは複数の振動減衰エレメントおよび/または振動吸振エレメントが、少なくとも1つの液圧シリンダを含むことを特徴とする、請求項2記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項4】
前記回転する系の外部に設けられた前記1つまたは複数の振動減衰エレメントおよび/または振動吸振エレメントが、少なくとも1つの、ポテンシャルエネルギの蓄え器を含むことを特徴とする、請求項2または3記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項5】
前記回転する系の外部に設けられた前記1つまたは複数の振動減衰エレメントが、少なくとも1つの減衰装置を含むことを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項6】
前記回転する系の外部に設けられた前記1つまたは複数の振動減衰エレメントおよび/または振動吸振エレメントが、制御可能なポンプのような少なくとも1つのアクティブに作用する装置を含むことを特徴とする、請求項2から5までのいずれか1項記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【請求項7】
前記チャンバ(4,5)が、それぞれ前記一次質量体であるハブ部分(2)と前記二次質量体であるはずみリング(1)とに設けられた半径方向に延びるウェブ(6,7)によって分割されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器に関する。
【0002】
パッシブ型(受動型)のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器は、種々の構成部分/要素から形成される。この場合、以下の原理/要素の2つまたは3つが使用される。
【0003】
要素「運動エネルギの蓄え器」:
パッシブ型のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の基本的な構造は、常に運動エネルギ用の蓄え器を有し、この運動エネルギ用の蓄え器は、サイズモ質量体により形成されている。このサイズモ質量体は、有利には、はずみリングとして形成されていてよく、「二次質量体」とも呼ばれる。
【0004】
要素「ポテンシャルエネルギの蓄え器」:
ポテンシャルエネルギの蓄え器は、二次質量体(特にはずみリング)と、一次質量体とも呼ばれるハウジング部分および/またはハブ部分との間のねじりばね剛性により形成されていてよい。
【0005】
散逸要素:
散逸要素としては、構造に応じて、一次質量体(ハウジング部分および/またはハブ部分)と二次質量体との間に、つまりたとえばハブ部分/ハウジングとはずみリングとの間に、減衰エレメントまたは減衰構成部分が設けられていてよく、この減衰エレメントまたは減衰構成部分は、たとえば固体摩擦、粘性減衰または液圧減衰に基づいて作用する。
【0006】
サイズモ質量体は、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器において常に存在する。ねじり振動減衰器では、さらに散逸構成部分が存在し、ねじり振動吸振器では、「ポテンシャルエネルギの蓄え器」が存在する。減衰付ねじり振動吸振器では、3つのすべての要素が使用される。減衰付ねじり振動吸振器は、以下において「ねじり振動吸振器」のカテゴリに含まれる。
【0007】
現在実際に使用されているパッシブ型のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器では、すべての要素が1つの構成アッセンブリ内に存在しており、この構成アッセンブリは、シャフトと一緒に回転するように結合されている。したがって、この構成アッセンブリは、回転する系を形成する。
【0008】
このことには、減衰/吸振されるべきシャフトに唯一つの構成アッセンブリを取り付けるだけで済むという利点を有するが、しかし実際の使用時では、ある特定の欠点をも有する。
【0009】
すなわち、前で挙げた構造のねじり振動減衰器/ねじり振動吸振器の構成スペースは、しばしば制限されるので、このような構成スペースの制限を考慮すると、所要の剛性度および減衰度を実現することが必ずしも可能であるとは限らない。さらに、減衰により生じた熱は、しばしば導出することが極めて難しい。したがって、この問題は、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の機能および寿命を制限している。
【0010】
取り付けられた状態におけるねじり振動減衰器/ねじり振動吸振器の同調を変えることは、極めて困難であるか、または全く不可能である。
【0011】
取り付けられた状態におけるねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の各要素の保守も、同じく困難であるか、または全く不可能である。
【0012】
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式のねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器を改良して、前で挙げた欠点を有しないようなねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器を提供することである。
【0013】
この課題は、請求項1の対象により解決される。本発明の有利な態様は、各従属請求項に記載されている。
【0014】
請求項1に記載されているように、回転可能なシャフト、たとえばエンジン、特に内燃機関のクランクシャフトに配置された、好ましくは相対回動不能に取付け可能な一次質量体と、該一次質量体に対して相対的に可動である二次質量体とを備えた、回転する系と、一次質量体と二次質量体との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための構成アッセンブリと、を有するねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器において、構成アッセンブリが、全体的または部分的に、当該ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の回転する系の外部に形成されている、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器が形成される。
【0015】
構成アッセンブリの一部を、回転する系の外部に移すことにより、回転する系の外部において振動吸振作用および/または振動減衰作用を容易に形成して、回転する系内へフィードバックすることができる。振動吸振作用または振動減衰作用の一部のみを、回転する系の外部で形成し、振動吸振作用または振動減衰作用の一部を、回転する系の内部で形成することも考えられる。
【0016】
有利な態様では、一次質量体と二次質量体との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための構成アッセンブリが、回転する系の一部として、流体で充填された1つまたは複数のチャンバを有し、ねじり振動が発生し、ひいてはこれにより一次質量体と二次質量体との間に相対運動が生ぜしめられると、チャンバの容積が可変であり、この場合、この容積変化は、回転する系から流体用のロータリユニオン(回転通流接続部)を介して、1つまたは複数の管路を経由して、回転する系の外部の、一緒に回転しない領域へ伝達される。
【0017】
このような変化態様は、構造的に良好に実現されており、特に管路が、回転する系の外部の、1つまたは複数の減衰エレメントまたはばね弾性エレメントに接続されていて、発生した振動減衰作用または振動吸振作用が、1つまたは複数の管路を介して、回転する系へフィードバックされていると、回転する系の外部における振動減衰および/または振動吸振を容易に可能にする。
【0018】
この場合、有利な態様では、運転中に回転する系の外部に設けられた1つまたは複数の振動減衰エレメントおよび/または振動吸振エレメントが、少なくとも1つの液圧式のアクチュエータ(液圧シリンダ)および/または少なくとも1つの、ポテンシャルエネルギの蓄え器および/または少なくとも1つの減衰装置を含む。
【0019】
液圧シリンダは、種々様々に構成されていてよい。両側で操作可能なピストンの使用が考えられる。しかし、液圧シリンダの概念は、このような両側で操作可能なピストンに限定されているわけではない。1つまたは複数の液圧シリンダは、別形式に構成されていてもよい。液圧シリンダは、たとえば有利には、軸方向移動可能なピストンの一方の側に、ピストンの移動によって大きさが変わる、流体接続部を備えた流体チャンバを有し、ピストンの他方の側には、ガス、特に空気で充填された室を有していてよい。したがって、この室は一種のガスばね、特に空気ばねを形成する。この場合には、ガスばねを備えた、前で説明した液圧シリンダを2つ使用することが好適である。たとえば、図2に示した両供給管路(図2の説明参照)の場合には、両供給管路が、両側で加圧されたピストンに接続される代わりに、ガスばねを備えた両液圧シリンダの液圧接続部のそれぞれ1つに接続され、すなわち、いわばそれぞれ1つの空気ばねに載置される(ピストンなしに)ように接続される。別の態様では、1つまたは複数の振動減衰エレメントおよび/または振動吸振エレメントが、回転する系の外部に、パッシブ(受動的)に作用する構成エレメントだけでなく、少なくとも1つの、制御可能なポンプのようなアクティブ(能動的)に作用する装置を含む。
【0020】
請求項1により提案され、かつ請求項2以下の従属請求項により改良された装置により、好ましくは、ねじり振動時に生じる、はずみリングとハブ部分との間の相対運動が、流体式に、つまり液圧式または空気圧式に、回転する系の外部の回転しない領域へ伝達され、この回転しない領域では、振動減衰および/または振動吸振のために必要となる手段が、冒頭で述べた制限なしに実施され得る。
【0021】
すなわち、シャフトの振動減衰および/または振動吸振のために必要となる手段のすべてまたはその一部が、回転する系の外部で実現され得る。このことには大きな利点がある。なぜならば、あとからの変更も実施可能となるからである。別の利点は:
- ばねおよび減衰器の置き換えにより、シャフトにおける構成スペース制限が解消され得る。
- ばねおよび減衰器の同調が、あとから実際の系の振動特性に適合され得る。
- アクティブなエレメント、たとえば液圧ポンプにより、系の振動特性が一層改善され得る。
- たとえばばねまたは減衰エレメントを回転数に関連して接続または遮断することによるセミアクティブな系の実現が容易に可能となる。
- ポンプ給気により剛性を簡単に変えることのできる空気ばねの使用が可能となる。
- 廉価な規格化された構成エレメント、たとえば圧縮コイルばね、衝撃ダンパおよび液圧式のロータリユニオン(回転通流接続部)が使用され得る。
【0022】
本発明の別の特徴は、請求項2以下の対象である。
【0023】
本発明の1実施例が図面に図示されており、以下にこれを詳しく説明する。この実施例は、本発明を好適な構造につき説明するために用いられるに過ぎず、本発明はこの構造に限定されるものではない。その限りでは、各請求項の枠内で別の実施例ならびに図示の実施例の改良形および等価形が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明によるねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器をその回転軸線に対して直交する方向で断面した概略図である。
図2図1に示した本発明によるねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器を半径方向で断面した図と共に、液圧シリンダ、ばねおよび減衰器を概略的に示す図である。
【0025】
図1には、符号1で、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器、特に減衰付ねじり振動吸振器の二次質量体、つまり本実施形態でははずみリング、が示されており、符号2で、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器、特に減衰付ねじり振動吸振器の一次質量体、つまり本実施形態ではハブ部分、が示されている。以下においては、簡略化の理由で「ねじり振動減衰器」とのみ呼ぶ。ハブ部分2は、それ自体よく知られているように、たとえば内燃機関のシャフト3に固定するために用いられる(図2にその結果が示されている)。一次質量体2と二次質量体1とは、作動中に回転する1つの系を形成する。
【0026】
二次質量体、つまりはずみリング1と、一次質量体、つまりハブ部分2との間には、図1から良く判るように、液体または空気で充填された複数のチャンバ4,5が設けられている。これらのチャンバ4,5は、それぞれ、ハブ部分2に設けられた半径方向に延びるウェブ6もしくははずみリング1に設けられた半径方向に延びるウェブ7によって仕切られている。チャンバ4,5は、回転する系の一部を形成する。チャンバ4,5は、さらに、はずみリング1とハブ部分2との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための構成アッセンブリの一部を形成する。この場合、この構成アッセンブリは、部分的に、ねじり振動減衰器の回転する系の外部に形成されている。このことは、この構成アッセンブリが、回転する系の外部に1つまたは複数の構成部分を有することを意味する。
【0027】
前で述べたチャンバ4,5は、半径方向孔9もしくは半径方向孔10によって液圧式または空気圧式のロータリユニオン(回転通流接続部)8に接続されている。
【0028】
上記ロータリユニオン8を通じて、半径方向孔9もしくは半径方向孔10は、外部に通じかつ一緒に回転しない領域に位置する管路9もしくは管路10に接続されている。これらの管路9,10は、図2に示した実施形態では、ハウジング11内に通じており、このハウジング11の内部には、ピストン12が可動に配置されている。
【0029】
このようにして、はずみリング1とハブ部分2との間の相対運動の振動減衰および/または振動吸振のための構成アッセンブリの別の部分が形成される。構成アッセンブリのこの部分は、全部または部分的に、ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器の回転する系の外部に形成されている。
【0030】
ピストン12のピストンロッド13は、この場合、ポテンシャルエネルギの蓄え器、特にばね、特に好ましくはコイルばね14によって付勢されている。このばねに対して並列に、機械式の減衰エレメント15が接続されている。
【0031】
したがって、振動減衰(および/または振動吸振)のために必要となる構成部分は、影響を与えたい(つまり緩衝すべき)シャフト3の、回転しない外側の領域に移されているので、必要となるすべての手段をこの領域において具現することができるとともに、極めて好都合なことに、必要となるすべての手段をこの領域において変更することもできる。
【0032】
すなわち、たとえばコイルばね14の調節を変更することにより、吸振周波数を所望に応じて変更することができる。また、蓄力器としてコイルばねの代わりに、空気ばねを使用することもできる。空気ばねは、ポンプ供給による種々の程度の空気充填度によって可変の剛性を有することができる。
【0033】
コイルばね14および減衰エレメント15の調整は、あとからいつでも、既存の系の振動特性に適合させることができる。
【0034】
付加的に、たとえば液圧ポンプのようなアクティブなエレメント(図示せず)により、系の振動特性をさらに改善することができる。
【0035】
同じく、たとえばばねエレメントまたは減衰エレメントを回転数に関連して接続または遮断することにより、セミアクティブな系を実現することも簡単に可能である。
【0036】
総合的に見て、構成アッセンブリ全体のためには、廉価でかつ規格化された構成要素、たとえば圧縮コイルばね、衝撃ダンパおよび液圧式または空気圧式のロータリユニオン(回転通流接続部)しか必要とされない。
【0037】
特に図1から判るように、互いに直径方向で向かい合って位置するそれぞれ2つのチャンバ4,5が設けられており、これらのチャンバ4,5は、記載したように、それぞれハブ部分2の半径方向に延びるウェブ6もしくははずみリング1の半径方向に延びるウェブ7によって分割されている。
【符号の説明】
【0038】
1 はずみリング
2 ハブ部分
3 シャフト
4 チャンバ
5 チャンバ
6 ウェブ
7 ウェブ
8 ロータリユニオン
9 半径方向孔/管路
10 半径方向孔/管路
11 ハウジング
12 ピストン
13 ピストンロッド
14 コイルばね
15 減衰エレメント
図1
図2