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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20220126BHJP
   B60K 28/06 20060101ALI20220126BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20220126BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20220126BHJP
【FI】
B60N2/90
B60K28/06 A
B60W50/14
B60W40/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017120587
(22)【出願日】2017-06-20
(65)【公開番号】P2019006151
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 仁一
(72)【発明者】
【氏名】新妻 健一
(72)【発明者】
【氏名】小澤 英俊
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110336(JP,A)
【文献】特開2016-034782(JP,A)
【文献】特開2007-055321(JP,A)
【文献】特開2008-120271(JP,A)
【文献】特開2016-038768(JP,A)
【文献】特開2016-153960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/90
B60K 28/06
B60W 50/14
B60W 40/08
B60W 60/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行可能な車両に搭載され、運転者を支持するシート本体と、
前記車両を自動走行させる車両制御装置と通信可能なシート制御装置と、
前記シート本体に設けられ、前記運転者の覚醒度を検出する覚醒度センサと、
前記シート本体に設けられ、前記運転者に覚醒を促す刺激を与える覚醒装置とを備え、
前記覚醒度センサは前記シート本体の前記運転者に対向する面の圧力分布を取得する圧力センサを含み、
前記シート制御装置は、前記車両制御装置から自動走行から手動走行への切り替えを開始する場合に出力される開始信号を受信したときに、前記覚醒度センサからの信号に基づいて、前記運転者の前記覚醒度を検出し、前記覚醒度が所定の第1覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒装置を駆動させ、且つ、駆動した状態に維持し、前記覚醒度が前記第1覚醒度閾値以上となったときに、前記車両制御装置に前記車両の手動走行への切り替えを許可する信号を送信し、
前記覚醒度センサは、前記圧力センサによって取得された前記圧力分布に基づいて前記運転者の姿勢を推定し、前記推定された前記姿勢に基づいて、前記覚醒度を検出することを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記覚醒度センサは、推定された前記姿勢、又は、前記圧力センサによって前記運転者の呼吸運動によって生じる圧力変化に基づいて、前記覚醒度を検出することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記シート本体は、前記運転者の臀部を支持するシートクッションと、前記運転者の背部に対向するように設けられたシートバックとを備え、
前記覚醒度センサは前記シートバックの前面に沿って配置された2枚のシート状電極を備えた静電容量センサを含み、
前記覚醒度センサは、前記静電容量センサによって前記運転者の胸部の動きによる静電容量の変化を取得し、推定された前記姿勢、又は、前記静電容量の変化に基づいて、前記覚醒度を検出することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記シート本体は、前記運転者の臀部を支持するシートクッションと、前記運転者の背部に対向するように設けられたシートバックと、前記運転者の頭部に対向するように設けられたヘッドレストとを備え、
前記覚醒度センサは、前記ヘッドレストの前記運転者の頭部に対向する位置に設けられた磁気センサを備えた脳波センサを含み、
前記覚醒度センサは、前記磁気センサによって取得された前記運転者の脳細胞の活動に伴う磁気信号から脳波の波形を算出し、推定された前記姿勢、又は、算出された前記波形に基づいて前記覚醒度を検出することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記シート制御装置は、前記覚醒度に応じて与える刺激の強度、時間、周期、及び、タイミングの少なくとも1つを変更させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記シート制御装置は、前記覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さい所定の第2覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒度センサからの出力に基づいて、前記運転者がレム睡眠にあるか、ノンレム睡眠にあるかを含む睡眠度を算出し、前記睡眠度に基づいて、前記運転者に与える前記刺激を変更することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記シート制御装置は、前記車両制御装置から前記自動走行から前記手動走行へ切り替える切替時刻を通知する信号を受信し、前記切替時刻の所定時間前に前記覚醒装置を駆動させることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
自動走行可能な車両に搭載され、運転者を支持するシート本体と、
前記車両を自動走行させる車両制御装置と通信可能なシート制御装置と、
前記シート本体に設けられ、前記運転者の覚醒度を検出する覚醒度センサと、
前記シート本体に設けられ、前記運転者に覚醒を促す刺激を与える覚醒装置とを備え、
前記シート制御装置は、前記車両制御装置から自動走行から手動走行への切り替えを開始する場合に出力される開始信号を受信したときに、前記覚醒度センサからの信号に基づいて、前記運転者の前記覚醒度を検出し、前記覚醒度が所定の第1覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒装置を駆動させ、且つ、駆動した状態に維持し、前記覚醒装置の駆動時間が所定の時間閾値以上となったときに、前記車両制御装置に車両停止信号を送信することを特徴とする乗物用シート。
【請求項9】
前記覚醒装置は、前記運転者に光を照射する光源、前記運転者に振動を与える振動源、音を発生する音源、前記運転者の身体の少なくとも一部を加熱又は冷却する熱源、及び、前記運転者に電気的な前記刺激を与える電気刺激発生源の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
自動走行可能な車両に搭載され、運転者を支持するシート本体と、
前記車両を自動走行させる車両制御装置と通信可能なシート制御装置と、
前記シート本体に設けられ、前記運転者の覚醒度を検出する覚醒度センサと、
前記シート本体に設けられ、前記運転者に覚醒を促す刺激を与える覚醒装置とを備え、
前記シート制御装置は、前記車両制御装置から自動走行から手動走行への切り替えを開始する場合に出力される開始信号を受信したときに、前記覚醒度センサからの信号に基づいて、前記運転者の前記覚醒度を検出し、前記覚醒度が所定の第1覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒装置を駆動させ、且つ、駆動した状態に維持し、前記覚醒度が前記第1覚醒度閾値以上となったときに、前記車両制御装置に前記車両の手動走行への切り替えを許可する信号を送信し、
前記シート本体は、自動運転位置と手動運転位置とに車体に変位可能に設けられ、
前記シート本体と前記車体との間には、前記シート本体を前記自動運転位置と前記手動運転位置との間を移動させる駆動装置が設けられ、
前記自動運転位置において、前記シート本体は、前記車体に対して、略鉛直方向を軸線として回転可能となり、
前記手動運転位置において、前記シート本体は、前記車体に対して、前方を向くように配置され
前記自動運転位置において、前記シート本体が、後方に位置する前記シート本体に対して相対するように回転されているときには、前記覚醒装置は、前記駆動装置に前記シート本体を、前記軸線を中心として回転させて、前記自動運転位置から前記手動運転位置に変位させることを特徴とする乗物用シート。
【請求項11】
前記シート本体に対して可動なアームレストを更に含み、
前記覚醒装置は、前記運転者に前記刺激を与えるため、前記アームレストを変位させることを特徴とする請求項10に記載の乗物用シート。
【請求項12】
前記車両制御装置と前記シート制御装置とはともに、前記軸線に沿って配置されている請求項10又は請求項11に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行可能な車両に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者がハンドル動作を行い、先行する車両を自動追従する車両において、運転者の操作するハンドルの操舵角の時間変化に基づいて、運転者の覚醒度を検出し、覚醒度が所定レベル以下であると判定された場合に、運転者に警報を与える車両運転制御装置がある(例えば、特許文献1)。特許文献1の車両運転制御装置は、所定の回数の警告を行って運転者を覚醒させた後、更に、運転者の覚醒度が所定レベル以下であると判定した場合には、自動追従走行を禁止し、運転者にハンドル動作をさせて、覚醒を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-171391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の車両運転制御装置において、運転者が、所定の回数の警報後に、ハンドル動作可能である程度に十分覚醒していない場合がある。自動走行可能な車両において、運転者が十分覚醒していない状態での自動走行から手動走行への移行は危険なため、運転者の覚醒度を正確に検出する必要がある。特に、乗物用シートは、運転者と接するため、運転者の覚醒度をより正確に検出できると期待される。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、運転者の覚醒度を検出して、運転者に覚醒を促すと共に、車両を自動走行から手動走行へ安全に移行させることのできる乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、自動走行可能な車両(3)に搭載され、運転者を支持するシート本体(7)と、前記車両を自動走行させる車両制御装置(5)と通信可能なシート制御装置(10)と、前記シート本体に設けられ、前記運転者の覚醒度を検出する覚醒度センサ(8)と、前記シート本体に設けられ、前記運転者に覚醒を促す刺激を与える覚醒装置(9)とを備え、前記シート制御装置は、前記車両制御装置から自動走行から手動走行への切り替えを開始する場合に出力される開始信号を受信したときに、前記覚醒度センサからの信号に基づいて、前記運転者の前記覚醒度を検出し、前記覚醒度が所定の第1覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒装置を駆動させ、且つ、駆動した状態に維持し、前記覚醒度が第1覚醒度閾値以上となったときに、前記車両制御装置に前記車両の手動走行への切り替えを許可する信号を送信する乗物用シート(1)が提供される。
【0007】
この態様によれば、運転者の覚醒度を検出して、検出された覚醒度が小さい場合には、運転者に覚醒を促す刺激が与えられ、運転者の覚醒度が十分大きくなった場合に、手動走行への切り替えが許可されるため、車両を自動走行から手動走行へ安全に移行させることができる。
【0008】
また、上記の態様において、前記シート制御装置は、前記覚醒度に応じて与える刺激の強度、時間、周期、及び、タイミングの少なくとも1つを変更させるとよい。
【0009】
この態様によれば、運転者に覚醒を促す刺激が適切に与えられる。
【0010】
また、上記の態様において、前記覚醒度センサは、前記シート本体に設けられた心拍センサ(21)、呼吸センサ(22)、及び、前記シート本体の前記運転者に対向する面の圧力分布を計測する圧力センサ(23)の少なくとも1つを含むとよい。
【0011】
この態様によれば、運転者の覚醒度が適切に検出される。
【0012】
また、上記の態様において、前記覚醒度センサは、前記シート本体の前記運転者の頭部に対向する位置に設けられた脳波センサ(24)を含むとよい。
【0013】
この態様によれば、運転者の覚醒度が適切に検出される。
【0014】
また、上記の態様において、前記シート制御装置は、前記覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さい所定の第2覚醒度閾値より小さいときには、前記覚醒度センサからの出力に基づいて、前記運転者がレム睡眠にあるか、ノンレム睡眠にあるかを含む睡眠度を算出し、前記睡眠度に基づいて、前記運転者に与える前記刺激を変更するとよい。
【0015】
この態様によれば、運転者に睡眠度に応じた刺激を与えることで、運転者を覚醒させ易くなる。
【0016】
また、上記の態様において、前記シート制御装置は、前記車両制御装置から前記自動走行から前記手動走行へ切り替える切替時刻を通知する信号を受信し、前記切替時刻の所定時間前に前記覚醒装置を駆動させるとよい。
【0017】
この態様によれば、運転者が覚醒するまでに時間が必要な場合であっても、その時間を確保することができる。
【0018】
また、上記の態様において、前記シート制御装置は、前記覚醒装置を駆動させた後、所定の時間に渡って、前記運転者の前記覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さい値に維持されていると判断したときには、前記車両制御装置に車両停止信号を送信するとよい。
【0019】
この態様によれば、運転者を手動走行に適した状態まで覚醒させることが期待できない場合に、車両を停止させることができる。
【0020】
また、上記の態様において、前記運転者に光を照射する光源(31)、前記運転者に振動を与える振動源(32)、音を発生する音源(33)、前記運転者の身体の少なくとも一部を加熱又は冷却する熱源(34)、及び、前記運転者に電気的な前記刺激を与える電気刺激発生源(35)の少なくとも1つを含むとよい。
【0021】
この態様によれば、運転者に覚醒を促す刺激が適切に与えられる。
【0022】
また、上記の態様において、前記シート本体は、自動運転位置と手動運転位置とに車体に変位可能に設けられ、前記シート本体と前記車体との間には、前記シート本体を前記自動運転位置と前記手動運転位置との間を移動させる駆動装置(50)が設けられ、前記覚醒装置は、前記運転者に前記刺激を与えるため、前記駆動装置に前記シート本体を前記自動運転位置から前記手動運転位置に変位させるとよい。
【0023】
この態様によれば、手動運転に適切な位置にシートを移動することによって、運転者に覚醒を促す刺激が与えられる。
【0024】
また、上記の態様において、前記シート本体に対して可動なアームレスト(61)を更に含み、前記覚醒装置は、前記アームレストの位置を変位可能に形成されているとよい。
【0025】
この態様によれば、アームレストを手動運転時に適切な位置に移動させると共に、アームレストの移動によって、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。
【0026】
また、上記の態様において、前記自動運転位置において、前記シート本体は、前記車体に対して、略鉛直方向を軸線として回転可能となり、前記手動運転位置において、前記シート本体は、前記車体に対して、前方を向くように配置されるとよい。
【0027】
この態様によれば、自動走行時には、シート本体を移動させることで、乗員同士が向き合う位置に着座することができる。更に、手動走行に切り替わるときに、シート本体の位置が手動走行に適切な位置に移動するため、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の構成によれば、運転者の覚醒度を検出して、運転者に覚醒を促すと共に、車両を自動走行から手動走行へ安全に移行させることのできる乗物用シートを提供することができる。
【0029】
また、本発明の一態様において、覚醒度センサは、シート本体に設けられた心拍センサ、呼吸センサ、及び、シート本体の運転者に対向する面の圧力分布を計測する圧力センサの少なくとも1つを含む構成としたため、運転者の覚醒度が適切に検出される。
【0030】
また、本発明の一態様において、覚醒度センサは、シート本体の運転者の頭部に対向する位置に設けられた脳波センサを含む構成としたため、運転者の覚醒度が適切に検出される。
【0031】
また、本発明の一態様において、シート制御装置は、覚醒度が第1覚醒度閾値より小さい所定の第2覚醒度閾値より小さいときには、覚醒度センサからの出力に基づいて、運転者がレム睡眠にあるか、ノンレム睡眠にあるかを含む睡眠度を算出し、睡眠度に基づいて、運転者に与える刺激を変更する構成としたため、運転者に睡眠度に応じた刺激が与えられ、運転者が覚醒し易くなる。
【0032】
また、本発明の一態様において、シート制御装置は、車両制御装置から自動走行から手動走行へ切り替える切替時刻を通知する信号を受信し、切替時刻の所定時間前に覚醒装置を駆動させる構成としたため、運転者が覚醒するまでに時間が必要な場合であっても、覚醒するまでに必要となる時間を確保することができる。
【0033】
また、本発明の一態様において、シート制御装置は、覚醒装置を駆動させた後、所定の時間に渡って、運転者の覚醒度が第1覚醒度閾値より小さい値に維持されていると判断したときには、車両制御装置に車両停止信号を送信する構成としたため、運転者の覚醒度が十分向上することが期待できない場合に、車両を停止させることができる。
【0034】
また、本発明の一態様において、運転者に光を照射する光源、運転者に振動を与える振動源、音を発生する音源、運転者の身体の少なくとも一部を加熱又は冷却する熱源、及び、運転者に電気的な刺激を与える電気刺激発生源の少なくとも1つを含む構成としたため、運転者に覚醒を促す刺激が適切に与えられる。
【0035】
また、本発明の一態様において、シート本体は、自動運転位置と手動運転位置とに車体に変位可能に設けられ、シート本体と車体との間には、シート本体を自動運転位置と手動運転位置との間を移動させる駆動装置が設けられ、覚醒装置は、運転者に刺激を与えるため、駆動装置にシート本体を自動運転位置から手動運転位置に変位させる構成としたため、運転者に覚醒を促す刺激が与えられる。
【0036】
また、本発明の一態様において、シート本体に対して可動なアームレストを更に含み、覚醒装置は、アームレストの位置を変位可能に形成されている構成としたため、アームレストを手動運転時に適切な位置に移動させると共に、アームレストの移動によって、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。
【0037】
また、本発明の一態様において、自動運転位置において、シート本体は、車体に対して、略鉛直方向を軸線として回転可能となり、手動運転位置において、シート本体は、車体に対して、前方を向くように配置される構成としたため、シート本体を移動させることで、乗員同士が向き合う位置に着座することができる。更に、手動走行に切り替わるときに、シート本体の位置が手動走行に適切な位置に移動するため、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本実施形態に係る乗物用シートの模式図
図2】シート制御装置が実行する運転者モニタ処理のフローチャート
図3図2の覚醒処理の詳細を示すフローチャート
図4】第2実施形態に係る運転者モニタ処理のフローチャート
図5】第3実施形態に係る(A)自動走行位置、及び、(B)手動走行位置における乗物用シートの模式図
図6】第4実施形態に係る上昇位置(実線)及び下降位置(破線)におけるアームレストの位置を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る乗物用シートの4つの実施形態について、図1図6を参照して説明する。
【0040】
<<第1実施形態>>
本発明に係る乗物用シート1は、図1に示されるように、運転者が着座するシートであり、自動走行可能な車両3に搭載される。車両3の車体4の下部には、車両3を自動走行させ、車両3の状況及び周辺の状況を判断して、自動走行から手動走行に切り替える車両制御装置5が搭載されている。車両制御装置5は、所定のメモリ、及び、信号を出入力する通信ポート6を備える中央演算処理装置(CPU)であって、車両3の自動走行から手動走行への切り替えを開始するときに、通信ポート6から開始信号を出力する。また、車両制御装置5は、通信ポート6に切替許可信号が入力されると、車両3を自動走行から手動走行へ切り替える。更に、車両制御装置5は、通信ポート6に車両停止信号が入力されると、車両3を待避場所(例えば、サービスエリアや駐車場等)に自動走行させ、停車させる。
【0041】
乗物用シート1は、車体4に対して変位可能なシート本体7を有する。シート本体7は、運転者の臀部及び大腿部を支持するシートクッション11、運転者の背部を支持するシートバック12、及び、シートバック12の上部に接続され、運転者の頭部後方に配置されるヘッドレスト13を備える。
【0042】
乗物用シート1は、シート本体7に設けられ、運転者の覚醒度を検出する覚醒度センサ8を有する。覚醒度センサ8は、心拍センサ21、呼吸センサ22、圧力センサ23、及び、脳波センサ24のいずれか1つを含む。心拍センサ21はシートバック12の前面に設けられ、好ましくは、運転者の心臓に対応する位置に配置される。心拍センサ21は、運転者の心臓が一定時間内に拍動する数(心拍数)をカウントするセンサであって、タッチ式、光学式、心電式のいかなる方式に基づくものであってもよい。呼吸センサ22は、運転者の呼吸数や呼吸の深さを検出するセンサである。呼吸センサ22は、例えば、シートバック12の前面の運転者の肺に対応する位置において、運転者から加わる圧力を検出し、運転者の呼吸運動によって生じた圧力変化を読み取る方式や、シートバック12の前面に沿って2枚のシート状の電極を設け、その電極間の静電容量の人の胸部の動きによる変動を検出する方式に基づくものが考えられるが、いかなる方式に基づくものであってもよい。圧力センサ23は、シート本体7に加わる圧力によって運転者の姿勢を検出するために用いられるセンサである。圧力センサ23は、シートクッション11及びシートバック12の運転者に対向する面に面状をなして設けられ、運転者からそれらに加わる圧力の面内分布(圧力分布)を計測し、運転者の姿勢を検出する。脳波センサ24は、ヘッドレスト13の運転者の頭部に対向する位置に設けられた磁気センサを含み、運転者の脳細胞の活動に伴う磁気信号を検出して、運転者の脳波を算出する。これらのセンサのいずれかを含む覚醒度センサ8を用いることで、運転者の覚醒度を適切に検出することができる。
【0043】
乗物用シート1は、シート本体7に設けられ、運転者に覚醒させるための刺激を与える覚醒装置9を有する。覚醒装置9は、シート本体7に設けられる光源31、振動源32、音源33、熱源34、及び、電気刺激発生源35の少なくとも1つを含む。光源31は、シートバック12又はヘッドレスト13に設けられ、運転者の頭部に光を照射することができる装置であり、例えば、LED等のライトである。振動源32は、シートクッション11又はシートバック12に設けられ、運転者に振動を伝えることができる装置であり、例えば、振動モータである。音源33は、シート本体7、好ましくは、ヘッドレスト13に設けられ、運転者に向けて音を発する装置であり、例えば、スピーカ等である。熱源34は、運転者の身体の一部を、加熱又は冷却する装置であって、本実施形態では、ヘッドレスト13に設けられ、運転者の頭部を加熱又は冷却するヒータ及びペルチェ素子である。電気刺激発生源35は、シートクッション11又はシートバック12の運転者に対向する面に設けられた2つの電極を有し、その2つの電極間に所定の電圧を加えることによって、運転者に電気的な刺激を与えることができる装置である。光源31、振動源32、音源33、熱源34、及び、電気刺激発生源35を用いることで、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。
【0044】
乗物用シート1は、シート本体7に設けられ、車両制御装置5、覚醒度センサ8、及び覚醒装置9を制御するシート制御装置10を有する。シート制御装置10は所定のメモリ、及び、通信ポート41を備える中央演算処理装置(CPU)であって、シート本体7に設けられ、好ましくは、シートクッション11の下側に配置される。シート制御装置10は、自らの通信ポート41と車両制御装置5の通信ポート6とを繋ぐケーブルを介して、車両制御装置5と通信可能に構成されている。
【0045】
シート制御装置10は、車両3が自動走行し、手動走行への切替が開始されるときに、図2及び図3に示される運転者モニタ処理を行う。以下では、図2及び図3を参照して、運転者モニタ処理について説明する。
【0046】
運転者モニタ処理の最初のステップにおいて、シート制御装置10は、車両制御装置5から開始信号を受信したかを判定する(ステップST1)。開始信号を受信していないときは、運転者モニタ処理を完了する。このとき、車両3は自動走行状態に維持される。開始信号を受信したときには、ステップST2を実行する。
【0047】
ステップST2において、シート制御装置10は、覚醒度センサ8の出力に基づいて、運転者の覚醒度を検出する。覚醒度は、運転者が熟睡状態にある場合を零とし、覚醒するにつれて上昇する数値として定義されている。覚醒度センサ8が心拍センサ21である場合には、運転開始時の運転者の心拍数と、そのときの運転者の心拍数を比較し、心拍数の減少度合いに応じて、シート制御装置10は覚醒度を低下させるとよい。覚醒度センサ8が呼吸センサ22である場合には、運転開始時の運転者の呼吸数と、そのときの運転者の呼吸数を比較し、呼吸数の減少度合いに応じて、シート制御装置10は覚醒度を低下させるとよい。覚醒度センサ8が圧力センサ23であるときには、圧力分布に基づいて、運転者の姿勢を検出し、その姿勢に応じて、運転者の覚醒度を算出するとよい。覚醒度センサ8が脳波センサ24である場合には、運転者の脳波の波形に基づいて、運転者の覚醒度を算出するとよい。また、シート制御装置10は、心拍数、呼吸数、圧力分布、及び、脳波のうち、複数を用いて、運転者の覚醒度を算出してもよい。シート制御装置10は、心拍数、呼吸数、姿勢、脳波等の覚醒度センサ8の出力に基づいて、運転者の覚醒度を検出し、検出が完了すると、シート制御装置10は、ステップST3を実行する。
【0048】
ステップST3において、シート制御装置10は、運転者の覚醒度が第1覚醒度閾値以上であるかを判定する。第1覚醒度閾値は、運転者が十分手動運転可能であるときの、運転者の覚醒度の値として定めるとよい。覚醒度が第1覚醒度以上であるときには、シート制御装置はステップST4を実行し、覚醒度が第1覚醒度より小さいときには、シート制御装置はステップST5を実行する。
【0049】
ステップST4において、シート制御装置10は、切替許可信号を車両制御装置5に送信する。車両制御装置5は、切替許可信号を受信すると、車両3を自動走行から手動走行に切り替える。このとき、運転者の覚醒度は第1覚醒度以上であり、運転者が十分覚醒しているため、運転者は安全に車両3を手動走行させることができる。
【0050】
ステップST5において、シート制御装置10は、覚醒処理を実行する。以下では、図3を参照して、覚醒処理の詳細を説明する。
【0051】
シート制御装置10は、覚醒処理の最初のステップとして、覚醒度が第2覚醒度閾値以上であるかを判定する(ステップST11)。第2覚醒度閾値は、運転者がレム睡眠、ノンレム睡眠を含む睡眠状態であるときの覚醒度の値として定めるとよい。シート制御装置10は、覚醒度が第2覚醒度閾値以上のときにはステップST13を実行し、覚醒度が第2覚醒度閾値より小さいときには、運転者は睡眠状態にあると判定してステップST12を実行する。
【0052】
ステップST12において、シート制御装置10は、覚醒度センサ8の出力(心拍、呼吸数、圧力分布、脳波等)に基づいて、眠りの深さを示す睡眠度を算出する。睡眠度は、例えば、レム睡眠を1とし、ノンレム睡眠を眠りの深さに応じて2から5とするとよい。睡眠度が5であるときは、眠りが最も深い状態に対応している。睡眠度の算出が完了すると、シート制御装置10はステップST13を実行する。
【0053】
シート制御装置10は、ステップST13において、覚醒度及び睡眠度に基づいて、それぞれの覚醒装置9から発生させる刺激の強度、時間、周期、及び、タイミング(刺激パラメータ)の少なくとも1つを決定する。例えば、シート制御装置10は、覚醒度に反比例して、所定の覚醒装置9(例えば、光源31)の刺激の強度を大きく設定し、睡眠度が所定の値以上であるときには、更に、別の覚醒装置9(例えば、振動源32)から、運転者に刺激を与えるように、刺激パラメータを設定してもよい。
【0054】
刺激パラメータの設定が完了すると、シート制御装置10は、覚醒装置9を刺激パラメータに基づいて駆動し、運転者に刺激を与える(ステップST14)。シート制御装置10は、覚醒装置9が駆動していない場合には、覚醒装置9を起動して、運転者に刺激を与え、更に、運転者に刺激を与え始めた覚醒開始時刻を記録する。シート制御装置10は、覚醒装置9が既に駆動し、運転者に刺激が与えられている場合には、刺激パラメータに基づいて、覚醒装置9から発生させる刺激の強度、時間、周期、及び、タイミングを変更する。刺激付与・開始時刻の記録・刺激変更が完了すると、シート制御装置10は、図2に示された運転者モニタ処理のステップST6を実行する。
【0055】
シート制御装置10は、ステップST6において、現在の時刻と覚醒開始時刻との差である刺激時間(運転者に刺激が与えられている時間)を算出し、刺激時間が所定の時間閾値以上であるかを判定する。時間閾値は、覚醒装置9によって睡眠状態の運転者が覚醒するまでに要する時間を目安として設定され、本実施形態では、1分程度に設定されている。刺激時間が時間閾値以上継続されているときには、覚醒装置9によって運転者を覚醒させることが難しい。シート制御装置10は、刺激時間が時間閾値以上であると判断したときには、車両制御装置5に車両停止信号を送信して(ステップST7)、運転者モニタ処理を完了する。時間閾値以上経過していない場合には、ステップST2に戻り、運転者の覚醒度の検出、覚醒処理を行う。シート制御装置10は、刺激時間が時間閾値以上継続されているときに、車両停止信号を送信し、車両3を待避場所に移動させ、停車させることができるため、運転者の覚醒が困難な場合にも、車両3の安全を確保することができる。
【0056】
以上のように構成した第1実施形態に係る乗物用シート1の効果について説明する。ステップST2において、運転者の覚醒度を検出し、覚醒度が第1覚醒度以上となるまで、運転者に覚醒を促す刺激が与えられる。したがって、運転者が手動運転できる程度に覚醒したときに、切替許可信号が車両制御装置5に送信され、手動走行への切り替えが許可されるため、自動走行から手動走行への移行が安全に行われる。
【0057】
ステップST13において、シート制御装置10は睡眠度に応じて刺激パラメータを変更させる。そのため、運転者が睡眠状態にある場合でも、睡眠度に応じた刺激を与えることができ、適切に運転者を覚醒させることができる。
【0058】
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係る乗物用シート1では、第1実施形態の乗物用シート1に比べて、車両制御装置5が、自動走行から手動走行へ切り替える切替時刻を通知する信号を含めた開始信号をシート制御装置10に送信する点と、図4に示されるように、運転者モニタ処理において、ステップST1の代わりに、ステップST21、ST22が設けられている点とが異なる。
【0059】
ステップST21において、シート制御装置10は、切替時刻を通知する信号を含んだ開始信号を受信したかを判定する。切替時刻を通知する信号を含んだ開始信号を受信していないときには、運転者モニタ処理を完了する。切替時刻を通知する信号を含んだ開始信号を受信したときには、切替時刻の所定時間前の時刻になるまで待機する(ステップST22)。その所定時間は、運転者が手動運転可能に覚醒するまでに要する時間よりも長く設定される。切替時刻よりも所定時間前の時刻になると、シート制御装置10は、ステップST2以降を実行し、運転者の覚醒度が第1覚醒度以下であるときには、運転者に覚醒を促す刺激を与える覚醒処理を実行する。
【0060】
第2実施形態に係る乗物用シート1では、運転者が覚醒するまでに時間を要する場合であっても、手動走行に切り替えられるまでに、運転者が十分覚醒するのに要する時間が確保されているため、運転者を手動運転可能な程度に覚醒させることができる。
【0061】
<<第3実施形態>>
第2実施形態に係る乗物用シート1では、シート本体7が車体4に対して変位可能である点と、覚醒装置9がシート本体7を車体4に対して変位させる駆動装置50を含む点とが異なる。図5(A)及び(B)に示されるように、シート本体7は、車体4に対して、略鉛直方向を軸線Xとして回転可能に結合され、着座する運転者が前方を向く手動運転位置(図5(A))と、着座する運転者が後方に向き、後部座席に向き合う自動運転位置(図5(B))との間を変位することができる。手動運転位置にあるとき、シート本体7は、ハンドル51を把持する運転者に負担が掛からず、運転者の足がアクセルペダル等のペダル52に無理なく届く位置に配置される。駆動装置50は、シート本体と車体4との間に設けられ、シート制御装置10からの信号を受信して、シート本体7を車体4に対して軸線Xに対して回転させ、自動運転位置と手動運転位置との間で変位させる。
【0062】
本実施形態では、車両制御装置5とシート制御装置10とは、共に、軸線Xに沿って設けられている。このように配置することによって、車両制御装置5とシート制御装置10とを繋ぐ配線にシート本体7の回転による負担が掛かり難くなる。
【0063】
第3実施形態において、シート制御装置10は、運転者モニタ処理のステップST5の覚醒処理において、駆動装置50にシート本体7を自動運転位置から手動運転位置に変位させる。そのシート本体7の回転によって、運転者には覚醒を促す刺激が与えられる。
【0064】
第3実施形態に係る乗物用シート1では、自動走行時には、シート本体7を移動させることで、乗員同士が向き合う位置に着座することができ、車内にリラックスできる空間を提供することができる。更に、手動走行に切り替わるときに、シート本体7の位置が手動走行に適切な位置に移動することによって、運転者に覚醒を促す刺激を与えることができる。そのため、手動走行に切り替わるときに、運転者を覚醒させるための動作とシート本体7との移動を一度に行うことができるため、別途覚醒を促す刺激を与える動作を必要としない。
【0065】
<<第4実施形態>>
第4実施形態に係る乗物用シート1のシート本体7には、図6に示されるように、シートバック12の車内側の側壁に、一端において、シート本体7に対して左右方向を軸線とする回転可能に支持されたアームレスト61が設けられている。更に、シートバック12とアームレスト61との間には、アームレスト61のシートバック12に対する回動を制御するアームレスト制御装置62とが設けられている。アームレスト制御装置62は、シート制御装置10に接続され、所定の信号を受信して、アームレスト61を前方に延びる上昇位置(実線)と、下方に延びる下降位置(破線)との間を変位させる。アームレスト61が上昇位置にあるとき、運転者の腕をアームレスト61に載置することができるため、シート本体7は手動運転に適した手動運転位置となる。一方、アームレスト61が下降位置にあるとき、運転者は腕を自由に動かすことができるため、シート本体7は自動運転に適した自動運転位置となる。
【0066】
第4実施形態において、シート制御装置10は、運転者モニタ処理のステップST5の覚醒処理において、アームレスト制御装置62にアームレスト61を下降位置から上昇位置に変位させる。アームレスト61の変位によって、シート本体7は、自動運転位置から手動運転位置に変位し、運転者には覚醒を促す刺激が与えられる。したがって、アームレスト61の移動と運転者を覚醒させる動作を一度に行うことができる。
【0067】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、覚醒度センサ8によって運転者が覚醒しているかを判断していたが、例えば、覚醒度センサ8の代わりに、運転者の疲労度や体調等を検出する所定のバイオセンサを用い、疲労度や体調に基づいて、運転者に与える刺激を変更するように構成してもよい。また、シート制御装置10が、覚醒度センサ8に含まれる心拍センサ21が、運転者の心停止などを示す心拍の異常を察知したときには、車両停止信号を送信するように構成してもよい。また、そのときに、シート制御装置10は、電気刺激発生源35を制御し、運転者の心臓を正常なリズムで駆動させるように、適切な電気刺激を与えるように構成してもよい。
【0068】
上記実施形態では、シート制御装置10はシート本体7に設けられていたが、この態様には限定されず、例えば、シート制御装置10は車両制御装置5と一体に、車体4に設けられていてもよい。
【0069】
上記第4実施形態では、アームレスト61はシートバック12に回動可能に結合されていたが、この態様には限定されず、アームレスト61がシートバック12に対して可動に結合されていれば、いかなる態様であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 :乗物用シート
2 :運転者
3 :車両
4 :車体
5 :車両制御装置
7 :シート本体
8 :覚醒度センサ
9 :覚醒装置
10 :シート制御装置
21 :心拍センサ
22 :呼吸センサ
23 :圧力センサ
24 :脳波センサ
31 :光源
32 :振動源
33 :音源
34 :熱源
35 :電気刺激発生源
50 :駆動装置
61 :アームレスト
62 :アームレスト制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6