(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20220126BHJP
G03B 17/53 20210101ALI20220126BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220126BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20220126BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220126BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20220126BHJP
G07F 17/26 20060101ALN20220126BHJP
【FI】
H04N5/222 500
G03B17/53
H04N5/232 930
G09G5/14 A
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
H04N5/765
G07F17/26
(21)【出願番号】P 2017146967
(22)【出願日】2017-07-28
【審査請求日】2020-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】597047392
【氏名又は名称】辰巳電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】中西 竜介
(72)【発明者】
【氏名】米田 宗弘
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 聡
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-227416(JP,A)
【文献】特開2005-109796(JP,A)
【文献】特開2009-296457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
G03B 17/53
H04N 5/232
G09G 5/14
G09G 5/00
H04N 5/765
G07F 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域を有する表示部と、
前記表示部の表示及び前記表示部に対する入力を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記表示領域の中央より上方の第1領域に、第1の利用者に操作させるための第1の操作画面を表示させ、
前記表示領域の前記第1領域よりも下方の第2領域に、第2の利用者に操作させるための第2の操作画面を表示させ、
第1及び第2の操作画面それぞれに対する入力を同時期に受付可能と
し、
カメラにより得られた画像を編集するための編集画面を前記第1の操作画面として前記第1領域に表示させ、
前記編集画面を前記第1領域に表示している間、子供用コンテンツを前記第2の操作画面として前記第2領域に表示させる、
画像処理装置。
【請求項2】
左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域を有する表示部と、
前記表示部の表示及び前記表示部に対する入力を制御する制御部と、
を備え、
床面から前記表示部の下端までの高さは、500mm~800mmの間であり、
前記制御部は、
前記表示領域の中央より上方の第1領域に、第1の利用者に操作させるための第1の操作画面を表示させ、
前記表示領域の前記第1領域よりも下方の第2領域に、第2の利用者に操作させるための第2の操作画面を表示させ、かつ
第1及び第2の操作画面それぞれに対する入力を同時期に受付可能とする、
画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者をカメラで撮影することで得られた撮影画像を写真印刷シートとして出力したり、ネットワークを介して外部の装置に送信したりすることができる遊戯用撮影装置が知られている。このような遊戯用撮影装置では、写真の見栄えを良くするために、種々の編集作業が行えるようになっている。例えば、特許文献1には、目の大きさの変更、明るさの変更、落書きの追加等の編集が可能な遊戯用撮影装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような遊戯用撮影装置を家族連れで利用する場合がある。特に、観光地等に設置される遊戯用撮影装置は、家族連れで利用される傾向がある。このような場合、写真の編集作業を親が行っている間、子供が退屈するという問題点があることを本件発明者らは見い出した。この問題点は、家族連れで遊戯用撮影装置を利用するケースに限らず、1つの表示部を複数人で利用するケースで広く発生し得る。
【0005】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の利用者で一つの画面を利用する場合に、一部の利用者が退屈するのを防止可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る画像処理装置は、左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域を有する表示部と、前記表示部の表示及び前記表示部に対する入力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示領域の上方側の第1領域に第1コンテンツを表示させ、前記表示領域の前記第1領域よりも下方側の第2領域に、前記第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示させる。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域を有する表示部を備えるコンピュータが、前記表示領域の上方側の第1領域に第1コンテンツを表示するステップと、前記表示領域の前記第1領域よりも下方側の第2領域に、前記第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域において、上方側の第1領域と下方側の第2領域とで異なるコンテンツを表示することができるため、複数の利用者で一つの画面を利用する場合に、一部の利用者が退屈するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る写真撮影システムの全体構成の一例を模式的に例示する。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態に係る写真撮影装置(カーテンなし)の外観の一例を例示する。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態に係る写真撮影装置(カーテンあり)の外観の一例を例示する。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態に係る写真撮影装置の撮影ユニットの一例を例示する。
【
図3B】
図3Bは、実施の形態に係る写真撮影装置の撮影ユニットにおけるタッチパネルディスプレイの一例を例示する。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る写真撮影装置のハードウェア構成の一例を例示する。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る写真撮影装置のソフトウェア構成の一例を例示する。
【
図6】
図6は、撮影の依頼を受け付けるための処理手順の一例を例示する。
【
図7】
図7は、利用者の撮影する処理手順の一例を例示する。
【
図8】
図8は、撮影画像の編集を受け付ける際における表示部の表示の一例を模式的に例示する。
【
図9】
図9は、動画コンテンツを生成するための処理手順の一例を例示する。
【
図10】
図10は、動画コンテンツを生成する過程を説明するための図である。
【
図11A】
図11Aは、動画コンテンツを作成する過程において表示部に表示される画面の一例を示す。
【
図11B】
図11Bは、動画コンテンツを作成する過程において表示部に表示される画面の一例を示す。
【
図11C】
図11Cは、動画コンテンツを作成する過程において表示部に表示される画面の一例を示す。
【
図11D】
図11Dは、動画コンテンツを作成する過程において表示部に表示される画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.写真撮影システムの概要>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る写真撮影システムについて説明する。
図1は、写真撮影システムの全体構成の一例を模式的に例示する。本実施形態に係る写真撮影システムは、ネットワークを介して接続する写真撮影装置100、外部サーバ910、及びユーザ端末920を含む。なお、ネットワークの種類は、例えば、インターネット、無線通信網、移動通信網、電話網、専用網等から適宜選択されてよい。また、
図1では、各装置の数は1つである。しかしながら、各装置の数は、このような例に限定されなくてもよく、2つ以上であってもよい。
【0011】
写真撮影装置100は、本発明の「画像処理装置」の一例である。本実施形態に係る写真撮影装置100は、後述するとおり、利用者からの写真撮影の依頼を受け付け、カメラにより利用者の写真撮影を行い、得られた画像(撮影画像)の編集を受け付け、編集された画像をプリントするように構成される。写真撮影装置100は、写真撮影により得られた画像をIDに紐付けて外部サーバ910に送信する。IDは、例えば、1プレイごとに一意に割り当てられる識別情報である。IDは、写真撮影により得られた画像(及び利用者)を識別するために利用される。
【0012】
外部サーバ910は、写真撮影装置100により得られた画像を管理する。この外部サーバ910は、更に、利用者のユーザ情報、写真撮影の利用履歴等を管理するように構成されてもよい。外部サーバ910の構成は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。外部サーバ910は、写真撮影装置100からのアクセスに応じて、写真撮影装置100により得られた画像にアクセスするためのアクセス情報を写真撮影装置100に送信する。アクセス情報は、例えば、上記IDを含むURL(Uniform Resource Locator)である。写真撮影装置100は、このアクセス情報を含む二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))及び上記IDを画像と共にプリントする。
【0013】
ユーザ端末920は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、タブレットPC(personal computer)、デスクトップPC等である。利用者は、ユーザ端末920を利用して、プリントされた画像に付されたアクセス情報を基に外部サーバ910に保持された画像にアクセスする。これにより、利用者は、IDに関連付けられた画像を外部サーバ910からダウンロードすることができる。また、画像ダウンロードページにおいて、上記IDを直接入力しても当該IDに関連付けられた画像を外部サーバ910からダウンロードすることができる。なお、外部サーバ910は、このアクセスの際に、利用者にログインを要求し、IDとユーザ情報とを紐付けることで、当該利用者の写真撮影の利用履歴を生成してもよい。
【0014】
<2.写真撮影装置の外観>
次に、
図2A及び
図2Bを用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100の外観について説明する。
図2Aは、本実施形態に係る写真撮影装置100からカーテン13を取り除いた状態を例示する。
図2Bは、本実施形態に係る写真撮影装置100にカーテン13を取り付けた状態を例示する。
【0015】
図2A及び
図2Bに示されるとおり、写真撮影装置100は、直方体状の筐体1を備えており、この筐体1の側面には、内部の撮影空間10に通じる出入口11が形成されている。この出入口11の上縁にはカーテンレール12が取り付けられており、このカーテンレール12には、カーテン13が取り付けられている。これにより、利用者が撮影を行う際には、カーテン13を閉じることで、撮影空間10を外部から見えないようにすると共に、外部から余計な光が撮影空間10に入らないようにすることができる。筐体1の内装において、後述するカメラ32が配置される面とは反対側の面(背面)等の撮影範囲には、クロマキー合成処理のための単一の色(例えば、青色、緑色等)が付される。単一の色が付される範囲は、撮影範囲の一部であってもよいし、全体であってもよい。
【0016】
筐体1の外壁の出入口11付近には、受付ユニット2が設けられている。受付ユニット2は、写真撮影装置100による写真撮影の依頼を受け付けるように構成される。一方、筐体1の内部(撮影空間10)において、撮影時に利用者が存在すべき位置の前方には、撮影ユニット3が設けられている。撮影ユニット3は、撮影空間10内の利用者を撮影し、得られた画像の編集を受け付け、編集された画像をプリントするように構成される。各ユニット(2、3)の構成の詳細は後述する。
【0017】
<3.写真撮影装置のハードウェア構成>
次に、
図3A、
図3B、及び
図4を更に用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100のハードウェア構成について説明する。
図3A及び
図3Bは、本実施形態に係る写真撮影装置100の撮影ユニット3を例示する。
図4は、写真撮影装置100のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0018】
図4に示すように、本実施形態に係る写真撮影装置100は、受付ユニット2、撮影ユニット3、制御部5、記憶部6、通信インタフェース7、及びドライブ8が電気的に接続されたコンピュータである。なお、
図4では、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。
【0019】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部6は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置であり、制御部5で実行されるプログラム61、背景素材62、合成素材63、テンプレート64等の各種データを記憶する。
【0020】
プログラム61は、写真撮影の依頼の受け付け、受け付けた依頼に応じた写真撮影、画像の編集、及び動画コンテンツの生成を行うための処理を写真撮影装置100に実行させるためのプログラムである。背景素材62、合成素材63、及びテンプレート64は、静止画コンテンツ及び動画コンテンツの生成に利用される。これらの他、記憶部6には、各処理過程で利用される画面データ等が記憶される。詳細は後述する。
【0021】
通信インタフェース7は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース7の種類は、写真撮影装置100の設置場所等に応じて適宜選択されてよい。写真撮影装置100は、通信インタフェース7を介して、外部サーバ910等とデータ通信を行うことができる。
【0022】
ドライブ8は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等であり、記憶媒体(不図示)に記憶されたプログラムを読み込みための装置である。ドライブ8の種類は、記憶媒体の種類に応じて適宜選択されてよい。プログラム61、背景素材62、合成素材63、及びテンプレート64のうちの少なくとも一つは、記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0023】
記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、このプログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。この記憶媒体の一例として、例えば、CD、DVD、フラッシュメモリ等を挙げることができる。
【0024】
(受付ユニット)
受付ユニット2は、タッチパネルディスプレイ21、現金処理部22、カードリーダ23及びスピーカ24を備えている。タッチパネルディスプレイ21は、筐体1の外側において、写真撮影を所望する利用者の目線範囲に入るように受付ユニット2本体のやや上方に配置される。タッチパネルディスプレイ21は、制御部5により制御されて、画面表示及び選択操作の受け付けを適宜行うことで、利用者からの撮影依頼に関する操作を受け付ける。このタッチパネルディスプレイ21の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、タッチパネルディスプレイ21には、感圧式、赤外線式等のタイプを利用可能である。
【0025】
現金処理部22は、紙幣検証器(Bill Validator)220、現金投入口221及び現金排出口222を備えており、各種センサにより紙幣検証器220又は現金投入口221に対する紙幣又は現金(コイン)の投入を検知する。
図2A及び
図2Bに示すように、現金投入口221は、タッチパネルディスプレイ21の下方近傍に配置されており、現金排出口222は、現金投入口221よりも下方に配置されている。
【0026】
現金処理部22は、撮影に要する金額以上の現金が投入されたことを検出した場合に、当該検知を表わす起動信号を制御部5に出力する。また、現金処理部22は、撮影のキャンセル及び撮影に要する金額分より多い金額分の現金が投入された際に、該当金額分の現金を現金排出口222に排出する。
【0027】
カードリーダ23は、ICカード、クレジットカード等のカードの情報を読取可能に構成される。このカードリーダ23には、各種カードの情報を読取可能な公知のリーダが用いられてよい。本実施形態では、カードリーダ23は、現金投入口221の近傍に配置されている。カードリーダ23は、電子マネー、クレジットカード等による料金の支払いを受け付け、当該料金の支払いを受け付けた際には、そのことを表わす起動信号を制御部5に出力する。
【0028】
(撮影ユニット)
図3A、
図3B、及び
図4に示すとおり、撮影ユニット3は、タッチパネルディスプレイ31、カメラ32、照明ユニット33、スピーカ34、及びプリンタ35を備えている。タッチパネルディスプレイ31は、本発明の「表示部」の一例であり、カメラ32は、本発明の「カメラ」の一例である。
【0029】
タッチパネルディスプレイ31は、撮影ユニット3本体の前面パネルの中央に配置されており、タッチパネルディスプレイ31の上方には、写真撮影に利用されるカメラ32が配置されている。制御部5は、カメラ32による撮影を制御する。また、制御部5は、タッチパネルディスプレイ31の表示及びタッチパネルディスプレイ31に対する入力を制御する。タッチパネルディスプレイ31及びカメラ32の種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0030】
具体的には、カメラ32は、制御部5による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像をRAM又は記憶部6に記憶する。本実施形態では、撮影時に利用者の位置が概ね決まっているため、撮影時の利用者とカメラ32との距離が概ね決まっている。そのため、本実施形態に係るカメラ32の焦点距離は一定である。しかしながら、カメラ32の構成は、このような例に限られなくてもよく、ズームレンズを備えるカメラ32の場合は、カメラ32の焦点距離は、必要に応じて制御部5によって適切になるように制御されてもよい。なお、焦点距離の調整は、ズームレンズの外筒をカメラ32の外部から力を加えて回す機構が必要となる。制御部5は、この機構を制御することによりズームレンズの外筒を回す量を調整する。
【0031】
タッチパネルディスプレイ31には、カメラ32により撮影された画像が表示される。制御部5は、所定のタイミングで、カメラ32により被写体(利用者)の静止画像を撮影する。また、カメラ32は、リアルタイムに画像を取り込んで、当該画像を表わす画像信号を出力する。カメラ32から出力された画像信号は、制御部5のRAMに一時的に記憶されると共にタッチパネルディスプレイ31に送信される。これにより、タッチパネルディスプレイ31では、カメラ32により撮影された静止画像、当該画像信号に基づくライブ映像が表示される。
【0032】
更に、タッチパネルディスプレイ31には、上記プログラム61に基づいて、撮影の案内を示す案内画面、撮影により得られた画像を編集するための編集画面等が表示される。各画面では、選択操作等の操作入力が受け付けられる。制御部5は、各画面に対する操作入力を検知し、検知された操作入力に応じた処理を行う。
【0033】
本実施形態では、タッチパネルディスプレイ31の両側には、各画面に対する操作入力を行うための操作デバイスとして、一対の電子ペン40が配置されている。各電子ペン40は、例えば、デジタイザを構成するペンである。これに応じて、タッチパネルディスプレイ31には、デジタイザを構成する公知のタッチパネルが積層されたディスプレイが用いられてよい。これにより、制御部5は、各電子ペン40を識別した上で、各電子ペン40による入力を検知することができる。
【0034】
なお、各電子ペン40は、ケーブル41を介して、撮影ユニット3本体に連結されている。各ケーブル41の長さは、タッチパネルディスプレイ31の画面に各電子ペン40を接触可能に適宜決定されてよい。利用者は、各電子ペン40を利用することで、タッチパネルディスプレイ31に表示された各画面の操作を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態では、
図3Bに示すように、タッチパネルディスプレイ31は、左右方向の長さWよりも上下方向の長さHの方が長い表示領域311を有している。左右方向は、利用者から見た表示領域311の画面の横方向に相当し、上下方向は、表示領域311の画面の縦方向に相当する。タッチパネルディスプレイ31は、このような表示領域311の全領域に一つのコンテンツを表示する全画面表示の他、
図3Bに示すような上下方向に異なるコンテンツを表示する分割画面表示を行うことができる。
【0036】
具体的には、タッチパネルディスプレイ31は、制御部5の制御に従って、表示領域311の上方側に第1領域312を設定し、表示領域311の第1領域312よりも下方側に第2領域313を設定する。本実施形態では、各領域(312、313)は、表示領域311の左右方向の全幅を占めており、上下方向に表示領域311を分割している。すなわち、第1領域312は、表示領域311を上下方向の2つの領域に分割したときの上側の領域に相当し、第2領域313は、そのときの下側の領域に相当する。ただし、各領域(312、313)の範囲は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
【0037】
制御部5は、このような2つの領域(312、313)のうちの第1領域312に第1コンテンツを表示させ、第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを第2領域313に表示させる。各コンテンツは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。後述するとおり、第1コンテンツは、例えば、カメラ32により得られた画像を編集するための編集画面であってよい。また、第2コンテンツは、例えば、子供向けの動画、子供向けのゲーム等の子供用コンテンツであってよい。
【0038】
本実施形態では、撮影ユニット3は、2つの電子ペン40を備えている。そのため、上記一対の電子ペン40のうちの一方を、第1コンテンツに対する入力に利用し、他方を、第2コンテンツに対する入力に利用するようにすることができる。すなわち、制御部5は、第1領域312に表示される第1コンテンツに対する入力を、一対の電子ペン40のうちの一方によって受け付け、第2領域313に表示される第2コンテンツに対する入力を、一対の電子ペン40のうちの他方によって受け付けてもよい。第1コンテンツに対する入力に利用される電子ペン40は、本発明の「第1操作デバイス」の一例であり、第2コンテンツに対する入力に利用される電子ペン40は、本発明の「第2操作デバイス」の一例である。
【0039】
更に、制御部5は、第2コンテンツに対する入力に利用される電子ペン40による第1コンテンツに対する入力を禁止又は制限してもよい。すなわち、第2コンテンツに対する入力に利用される電子ペン40では、第1領域312に表示される第1コンテンツに対する操作入力の全部又は少なくとも一部ができないようにしてもよい。同様に、制御部5は、第1コンテンツに対する入力に利用される電子ペン40による第2コンテンツに対する入力を禁止又は制限してもよい。具体例は後述する。
【0040】
なお、このタッチパネルディスプレイ31は、撮影空間10の床面から高さLの位置に配置される。高さLは、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。本実施形態では、大人及び子供を含む家族連れが写真撮影装置100を利用する場合に、第1領域312に表示された第1コンテンツを主として大人が閲覧し、第2領域313に表示された第2コンテンツを主として子供が閲覧するように、高さLは、500mm~800mmの間で設定されてよい。
【0041】
これに応じて、表示領域311の上下方向の長さHは、450mm~800mmの間で設定され、前記表示領域311の左右方向の長さWは、250mm~450mmの間で設定されてよい。なお、第1領域312の上下方向の長さH1と第2領域313の上下方向の長さH2との比は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、H1:H2は、1:1に設定されてもよい。また、タッチパネルディスプレイ31には、左右方向の長さと上下方向の長さの比が9:16又は10:16の23インチ~32インチのワイドモニタを利用することができる。
【0042】
更に、タッチパネルディスプレイ31は、表示領域311の面が垂直方向に沿うように配置されてもよいし、表示領域311の面が垂直方向に対して傾くように配置されてもよい。垂直方向に対して傾けて配置する場合、タッチパネルディスプレイ31の設置角度は、5度~20度の間で設定されてよい。
【0043】
照明ユニット33は、上部ストロボボックス331及び下部ストロボボックス332を備えている。
図3Aに示すように、上部ストロボボックス331は、利用者側に向く曲面のカバー有しており、所定の取り付け部材を用いて、正面パネル(不図示)などに固定される。上部ストロボボックス331は内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有し、正面上方から、利用者の顔付近にストロボ光を照射する。また、下部ストロボボックス332は、タッチパネルディスプレイ31の下側、写真プリントの取出口36の周囲に配置されている。下部ストロボボックス332の正面は垂直面を形成する板状部材により構成され、上面は急な斜面を形成する板状部材により構成される。板状部材は、乳白色のアクリル板などの透光性を有する板状部材である。下部ストロボボックス332もまた、内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有する。また、各ストロボボックス(331、332)の蛍光灯は、制御部5により制御されて、電灯の発光量を調節することで、利用者の撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調節する。
【0044】
スピーカ34及びプリンタ35は、撮影ユニット3本体に内蔵されている。スピーカ34は、制御部5による制御に従って、写真撮影の案内等の音声出力を行う。また、プリンタ35は、制御部5による制御に従って、撮影された画像又は編集済みの画像をプリントし、プリントした画像を取出口36に排出する。
【0045】
(その他)
なお、写真撮影装置100の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部5は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、写真撮影装置100は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0046】
<4.写真撮影装置のソフトウェア構成>
次に、
図5を用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100のソフトウェア構成の一例を説明する。
図5は、本実施形態に係る写真撮影装置100のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0047】
写真撮影装置100の制御部5は、記憶部6に記憶されたプログラム61をRAMに展開する。そして、制御部5は、RAMに展開されたプログラム61をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、
図5に示すように、本実施形態に係る写真撮影装置100は、ソフトウェアモジュールとして、受付部51、撮影処理部52、データ生成部53、表示処理部54、及び出力処理部55を備えるように構成される。
【0048】
受付部51は、撮影の依頼に関する操作画面を受付ユニット2のタッチパネルディスプレイ21に表示すると共に、当該タッチパネルディスプレイ21に対するタッチ操作による利用者の入力を受け付けて、その入力に応じた処理を実行する。これにより、受付部51は、利用者からの撮影の依頼及び撮影、編集、印刷に関する設定等を受け付ける。
【0049】
撮影処理部52は、撮影の案内を示す案内画面等をタッチパネルディスプレイ31に表示させると共に、カメラ32による撮影処理を実施する。これにより、撮影処理部52は、利用者(被写体)の写る画像を取得する。データ生成部53は、撮影により得られた画像の編集処理を実施し、当該編集処理を適用した画像を生成する。また、利用者の選択に応じて、データ生成部53は、撮影処理により得られた動画像を利用して、利用者の顔動画像を含む動画コンテンツを生成する。
【0050】
表示処理部54は、撮影処理、編集処理等の過程で得られた画像及び動画コンテンツをタッチパネルディスプレイ31に表示する。出力処理部55は、最終的に得られた画像を紙媒体に印刷し、印刷した画像を取出口36から出力する。また、出力処理部55は、生成された画像及び動画コンテンツをIDと共に外部サーバ910に送信する。
【0051】
写真撮影装置100の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、写真撮影装置100の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUにより実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のハードウェアプロセッサにより実現されてもよい。また、写真撮影装置100のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。
【0052】
<5.写真撮影装置の動作例>
<5-1.撮影依頼の受け付けの処理手順>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100による撮影依頼受付の処理手順について説明する。
図6は、本実施形態に係る写真撮影装置100による撮影依頼受付の処理手順の一例を例示する。
【0053】
写真撮影装置100の制御部5は、受付部51として動作し、
図6に示す処理手順に従って、撮影依頼の受付処理を行う。例えば、制御部5は、受付処理を開始するまでの間、受付ユニット2のタッチパネルディスプレイ21に広告等のデモ画面を表示し、タッチパネルディスプレイ21に対してタッチ操作されたことに応じて、以下の受付処理を開始する。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0054】
(ステップS100)
ステップS100では、制御部5は、使用言語の種類を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、日本語、英語、中国語、韓国語等の各言語に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、使用言語の選択を受け付ける。記憶部6には、各使用言語に応じた画面データが記憶されており、制御部5は、本ステップ100及び次のステップS102以降の処理において、選択された使用言語に応じた画面を表示するとともに、選択言語に対応する音声をスピーカ24から出力する。使用言語の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS102に処理を進める。
【0055】
(ステップS102)
ステップS102では、制御部5は、印刷枚数を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、1枚、2枚等の印刷枚数に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、印刷枚数の選択を受け付ける。印刷枚数の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS104に処理を進める。
【0056】
(ステップS104)
ステップS104では、制御部5は、ステップS102の選択結果に基づく金額とともに、決済方法を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、クレジットカード、ICカード、現金等の各決済方法に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、決済方法の選択を受け付ける。決済方法の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS106に処理を進める。
【0057】
(ステップS106)
ステップS106では、制御部5は、ステップS104で選択された決済方法に対応する決済画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。これにより、制御部5は、ステップS104で選択された決済方法による決済を受け付ける。
【0058】
現金での決済を選択した場合、利用者は、決済画面に指定された料金を現金投入口221に投入する。指定の料金(ステップS104の選択結果に基づく料金)分の現金又はそれ以上の現金が投入されると、現金処理部22は、上記起動信号を制御部5に出力する。他方、クレジットカード又はICカードでの決済を選択した場合、利用者は、対応するカードをカードリーダ23に読み込ませる。対応するカードを読み取ると、カードリーダ23は、上記起動信号を制御部5に出力する。制御部5は、これらの起動信号を受信した後、次のステップS108に処理を進める。
【0059】
(ステップS108)
ステップS108では、制御部5は、撮影スペースを選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、「通常」、「ゆったり」等の撮影スペースの広さに対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。各ボタンと撮影スペースの広さとの関係は適宜設定可能である。一例として、「通常」は、1人又は2人で利用するケースに対応し、「ゆったり」は、3人以上で利用するケースに対応するように設定することができる。これにより、制御部5は、撮影スペースをどの程度利用するかの選択を受け付ける。撮影スペースの選択が完了すると、制御部5は、次のステップS110に処理を進める。
【0060】
(ステップS110)
ステップS110では、制御部5は、印刷するシールのデザインを選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。各デザインは、記憶部6に記憶されていてもよいし、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)等の他の情報処理装置からダウンロードされてもよい。各デザインは、クロマキー合成処理により撮影画像の背景として合成する背景デザイン、及びシール内に撮影画像を配置する配置デザインを規定する。
【0061】
制御部5は、例えば、各デザインのサムネイルをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのサムネイルを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、印刷するシールのデザインの選択を受け付ける。デザインの選択が完了すると、制御部5は、次のステップS112に処理を進める。
【0062】
(ステップS112及びS114)
ステップS112では、制御部5は、撮影ユニット3が利用可能となるまでの間、撮影ユニット3による撮影の案内、広告等のデモ画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。
【0063】
本動作例に係る受付処理により撮影の依頼を行っている対象の利用者よりも前に、写真撮影装置100を利用する利用者が存在する場合、対象の利用者が本ステップS112に到達した時点で、前の利用者が未だ撮影ユニット3による撮影処理を行っている可能性がある。制御部5は、この前の利用者が撮影ユニット3を占有している間、対象の利用者を筐体1の外側で待機させるために、本ステップS112によりデモ画面を表示する。なお、前の利用者が存在せず、又は前の利用者の撮影が完了しており、撮影ユニット3が直ちに利用可能な場合には、制御部5は、本ステップS112の処理を省略してもよい。
【0064】
次のステップS114では、制御部5は、撮影空間10への移動案内をタッチパネルディスプレイ21に表示し、撮影の依頼を行っていた利用者に対して撮影空間10内に移動するように促す。これにより、制御部5は、本動作例に係る受付処理を終了する。
【0065】
なお、各ステップで表示される画面には、一つ前のステップに戻ったり、最初のステップS100に戻ったりするためのボタンが設けられてもよい。これにより、利用者は、受付処理を所望のステップに戻したり、撮影の依頼をキャンセルしたりすることができる。
【0066】
<5-2.撮影の処理手順>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100による撮影の処理手順について説明する。
図7は、本実施形態に係る写真撮影装置100による撮影の処理手順の一例を例示する。
【0067】
写真撮影装置100の制御部5は、上記受付処理が完了したことに応じて、撮影処理部52として動作し、
図7に示す撮影処理を開始する。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0068】
(ステップS200)
ステップS200では、制御部5は、撮影を開始するための画面をタッチパネルディスプレイ31に表示する。例えば、制御部5は、撮影プレイの開始を利用者に容認させるためのスタートボタンを含む画面をタッチパネルディスプレイ31に表示し、利用者に対して、一対の電子ペン40のいずれかにより当該スタートボタンをタッチさせる。これにより、制御部5は、撮影の開始を受け付けて、次のステップS202に処理を進める。
【0069】
(ステップS202及びS204)
ステップS202では、制御部5は、全身撮影を行うことの案内をタッチパネルディスプレイ31に表示した後、カウントダウンを行って、カメラ32により利用者の全身撮影を行う。全身撮影が完了した後、制御部5は、次のステップS204に処理を進める。次のステップS204では、制御部5は、アップ撮影を行うことの案内をタッチパネルディスプレイ31に表示した後、カウントダウンを行って、カメラ32により利用者のアップ撮影を行う。各撮影の間、制御部5は、表示処理部54として動作し、カメラ32により得られた画像をタッチパネルディスプレイ31に表示してもよい。
【0070】
「全身撮影」は、撮影空間10内に存在する1又は複数の利用者の全身が撮影画像内に含まれるように行われる。一方、「アップ撮影」で、撮影空間10内に存在する1又は複数の利用者の上半身が撮影画像内に大きく含まれるように行われる。
【0071】
本実施形態では、カメラ32の焦点距離は一定である。そのため、カメラ32の撮影範囲は、撮影空間10内に存在する1又は複数の利用者の全身が存在すべき範囲を超えてやや広めに設定される。制御部5は、各撮影の種別及び上記ステップS108の選択に応じて、各撮影により得られた画像(以下、「原画」という)のトリミングの範囲を決定し、決定した範囲をトリミングした画像をRAM又は記憶部6に保存する。例えば、上記ステップS108で、「ゆったり」が選択された場合、「通常」が選択された場合よりも、画像に写る範囲が広くなるように、制御部5は、より外側を原画からトリミングする。
【0072】
また、本実施形態では、制御部5は、全身撮影及びアップ撮影を共に2回ずつ行う。そのため、制御部5は、ステップS202及びS204の処理により、合計4件の画像を生成する。全ての撮影が完了した後、制御部5は、次のステップS206に処理を進める。
【0073】
なお、各画像に写る範囲を制御する方法は、このような例に限られなくてもよい。例えば、カメラ32がズーム可能に構成される場合、制御部5は、上記ステップS108の選択及び各撮影の種別に応じて、カメラ32のズーム量を決定してもよい。これによって、制御部5は、全身撮影及びアップ撮影それぞれに対応する画像を取得してもよい。また、ズーム量の変更とトリミング範囲の変更とを組み合わせるようにしてもよい。
【0074】
(ステップS206)
ステップS206では、制御部5は、各電子ペン40を、タッチパネルディスプレイ31の2つの領域(312、313)のうちのいずれに対する入力で利用するかを選択するための画面をタッチパネルディスプレイ31に表示する。
【0075】
例えば、制御部5は、各領域(312、313)にボタンを表示し、2つの電子ペン40それぞれによりいずれかのボタンをタッチさせる。制御部5は、タッチしたボタンの領域と各電子ペン40とを紐付ける。これにより、制御部5は、各電子ペン40を、タッチパネルディスプレイ31の2つの領域(312、313)のうちのいずれに対する入力で利用するかを決定する。各電子ペン40の利用する領域を決定すると、制御部5は、次のステップS208に処理を進める。
【0076】
ここで、後述するステップS208では、撮影画像を編集するための編集画面が第1領域312に表示される。そのため、制御部5は、本ステップS206において、2つの電子ペン40のうちの少なくとも一方が第1領域312に対する入力に利用されるように選択されなければ、次のステップS208に進まないようにしてもよい。また、次のステップS208以降の処理において、制御部5は、本ステップS206の選択画面を呼び出すボタンを画面上に表示し、各電子ペン40の利用する領域を任意のタイミングで変更可能にしてもよい。
【0077】
なお、各電子ペン40の利用する領域を決定する方法は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、ボタン表示以外の方法で、各電子ペン40の利用する領域が選択可能であってもよい。また、例えば、各電子ペン40を利用する領域は予め定められていてもよい。各電子ペン40の利用する領域が予め定められている場合、本ステップS206の処理は省略されてもよい。
【0078】
(ステップS208)
ステップS208では、制御部5は、ステップS202及びS204の撮影により得られた画像を編集するための編集画面をタッチパネルディスプレイ31の第1領域312に表示すると共に、子供用コンテンツを第2領域313に表示する。これにより、制御部5は、各画像に対する編集操作を受け付けると共に、子供用コンテンツに対する操作入力を受け付ける。
【0079】
図8は、本ステップS208の際にタッチパネルディスプレイ31に表示される画面の一例である。
図8に示されるように、本ステップS208では、制御部5は、上記ステップS202及びS204においてカメラ32により得られた画像を編集するための編集画面を第1コンテンツとして第1領域312に表示する。制御部5は、ステップS206により第1領域312に対応付けられた電子ペン40により、当該第1領域312に表示される編集画面に対する入力を受け付ける。
【0080】
本実施形態では、編集画面は、ステップS202及びS204により得られた4件の画像のうち編集対象の画像を選択する部分3121、選択された画像を表示する部分3122、及び編集操作を選択する部分3123を含んでいる。制御部5は、ステップS110で選択されたデザインに応じたクロマキー合成処理を各画像に適用する。部分3121には、各画像のサムネイルが表示される。利用者は、対応の電子ペン40によりいずれかのサムネイルをタッチすることで、編集対象の画像を選択することができる。
【0081】
また、部分3123には、スタンプを選択するボタン、メッセージを入力するためのボタン、スタンプのサイズを変更するためのボタン、スタンプの向きを変更するためのボタン等が表示されている。利用者は、対応の電子ペン40により、各ボタンを操作したり、部分3122上で文字等を描いたりすることで、選択された画像の編集を行うことができる。
【0082】
なお、部分3122の上部には、編集処理を終了するためのボタン3124、及び編集処理を最初から行うためのボタン3125が設けられている。両ボタン(3124、3125)の間の領域3126には、編集処理の残り時間が表示されている。ボタン3124が操作された場合、又は残り時間が無くなった場合に、制御部5は、本ステップS208による編集操作の受け付けを終了する。
【0083】
一方、制御部5は、編集画面を第1領域312に表示している間、第2コンテンツとして子供用コンテンツを第2領域313に表示する。制御部5は、ステップS206により第2領域313に対応付けられた電子ペン40により、当該第2領域313に表示される子供用コンテンツに対する入力を受け付ける。
【0084】
子供用コンテンツは、例えば、子供向けのゲーム、子供向けの映像等である。
図8では、子供向けのゲームとして、塗り絵を行うゲームが第2領域313に表示されている。例えば、利用者が、大人及び子供を含む家族連れである場合に、第1領域312に対応付けられた電子ペン40を利用して上記画像編集を大人が行っている間、子供は、第2領域313に対応付けられた電子ペン40を利用して塗り絵ゲームを楽しむことができる。なお、子供の対象は、小学校低学年までとしてよい。
【0085】
このとき、大人が行っている編集操作に子供がいたずらするのを防止するため、制御部5は、第2領域313に対応付けられた電子ペン40による編集画面に対する入力を禁止又は制限してもよい。「禁止」は、編集画面に対する全ての操作を行えないようにすることである。一方、「制限」は、編集画面に対する操作のうちの少なくとも一部を行えないようにすることである。これにより、制御部5は、第2領域313に対応付けられた電子ペン40では、第1領域312に表示される編集画面に対する操作のうちの少なくとも一部を行えないようにしてもよい。同様に、制御部5は、第1領域312に対応付けられた電子ペン40による子供用コンテンツに対する入力を禁止又は制限してもよい。
【0086】
以上により編集操作の受け付けを終了すると、制御部5は、データ生成部53として動作し、利用者の行った編集操作を各画像に適用する。これにより、制御部5は、利用者の編集操作が適用された画像を生成する。当該画像の生成が完了した後、制御部5は、次のステップS210に処理を進める。なお、各画像の編集操作は、上記の例に限定されなくてもよい。例えば、各画像の編集操作には、明るさを変更する操作、目の大きさを変更する操作等が含まれてもよい。
【0087】
(ステップS210)
ステップS210では、制御部5は、出力処理部55として動作し、プリンタ35を利用して、ステップS208の編集処理により得られた各画像のプリント処理を開始する。
【0088】
例えば、制御部5は、画像に紐付けるIDを生成すると共に、生成したIDを含むアクセス情報を示す二次元コードを生成する。また、制御部5は、ステップS110で選択されたシールのデザインデータを記憶部6から取得する。そして、制御部5は、取得したデザインデータに基づいて、アクセス情報の二次元コード及びIDを各画像と共にシール上に印刷する命令をプリンタ35に出力する。このとき、制御部5は、ステップS202及びS204の処理で得られた4件全ての画像を印刷の対象に設定してもよいし、4件のうちの一部の画像を印刷の対象に設定してもよい。印刷命令の出力が完了すると、制御部5は、次のステップS212に処理を進める。
【0089】
(ステップS212及びS214)
ステップS212では、制御部5は、受付ユニット2により次の利用者から撮影の依頼を受け付けているか否かを判定する。これにより、制御部5は、カメラ32による利用者の撮影(ステップS202及びS204)が完了した後に、次に撮影を所望する利用者が待機しているか否かを判定する。
【0090】
撮影空間10内に存在し、タッチパネルディスプレイ31を操作して、本動作例に係る撮影処理を行っている利用者が、本発明の「第1ユーザ」の一例である。他方、筐体1の外側でタッチパネルディスプレイ21を操作して、撮影の依頼を行っている次の利用者が、本発明の「第2ユーザ」の一例である。
【0091】
なお、受付ユニット2により次の利用者から撮影の依頼を受け付けていると判定するタイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御部5は、筐体1の外側に存在する次の利用者が、タッチパネルディスプレイ21を操作し、少なくともステップS100の処理を開始した時点で、受付ユニット2により次の利用者から撮影の依頼を受け付けていると判定してもよい。また、次の利用者が撮影ブースへの移動を待っていないステップS100からステップS110までの処理中は、次の利用者からの撮影の依頼を受け付けていないと判断してもよい。
【0092】
受付ユニット2により次の利用者から撮影の依頼を受け付けていると判定した場合、制御部5は、次のステップS214の処理を省略して、次のステップS216に処理を進める。他方、次の利用者から撮影の依頼を受け付けていないと判定した場合、制御部5は、次のステップS214に処理を進める。
【0093】
次のステップS214では、制御部5は、カメラ32により利用者の追加の撮影を実施する。追加の撮影の種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御部5は、追加の撮影として、ステップS202と同様の2回の全身撮影を行ってもよいし、2回のアップ撮影としてもよいし、全身撮影とアップ撮影とを1回ずつ行ってもよい。追加撮影の回数は、2回に限らなくてよい。1回の撮影が終わった段階で、再度、次の利用者からの撮影依頼を受け付けているか否かを判定し、依頼を受け付けていない場合は2回目の撮影を行い、依頼を受け付けている場合は追加の撮影を終了することもできる。3回目以降も同様とする。追加の撮影が完了すると、制御部5は、次のステップS216に処理を進める。なお、本実施形態では、追加撮影で生成された画像に対してユーザの編集を受け付けないようにしているが、編集対象の画像に加える場合は、ステップS204の処理の後、すなわち規定撮影回数に達した後に、ステップS212の判定処理を行い、追加撮影を行わせるようにしてもよい。この場合、追加の撮影ではなく、すでに取得した画像の取り直しを行わせてもよい。
【0094】
(ステップS216及びS218)
ステップS216では、制御部5は、ステップS210で開始した印刷が完了するのを待機する間に提供を受けるおまけのサービスを選択させる画面をタッチパネルディスプレイ31に表示する。例えば、制御部5は、各おまけのサービスに対応するボタンをタッチパネルディスプレイ31に表示し、利用者に対していずれかのボタンを電子ペン40によりタッチさせる。これにより、制御部5は、おまけのサービスの選択を受け付ける。
【0095】
提供されるおまけのサービスは、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。提供されるおまけのサービスは、上記ステップS208で第2領域313に表示した子供用コンテンツであってもよい。本実施形態では、提供されるおまけのサービスには、利用者の顔動画像を含む動画コンテンツを生成するサービスが含まれている。おまけのサービスの選択が完了すると、制御部5は、次のステップS218に処理を進める。
【0096】
次のステップS218では、制御部5は、ステップS216において、動画コンテンツを生成するサービスが選択されたか否かを判定する。動画コンテンツを生成するサービスが選択された場合には、制御部5は、次のステップS220に処理を進める。一方、動画コンテンツを生成するサービスが選択されなかった場合には、制御部5は、次のステップS224に処理を進める。
【0097】
(ステップS220及びS222)
ステップS220では、動画コンテンツの生成に利用する素材(背景素材62及び合成素材63)を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ31に表示する。例えば、制御部5は、各素材に対応する動画のサムネイル(成果物サンプルのサムネイル)をタッチパネルディスプレイ31に表示し、利用者に対していずれかのボタンを電子ペン40によりタッチさせる。これにより、制御部5は、動画コンテンツの生成に利用する素材の選択を受け付ける。素材の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS222に処理を進める。
【0098】
次のステップS222では、制御部5は、データ生成部53として動作し、ステップS220で選択された素材を利用して、利用者の顔動画像を含む動画コンテンツを生成する。動画コンテンツを生成する処理手順は後述する。動画コンテンツの生成が完了すると、制御部5は、次のステップS226に処理を進める。
【0099】
(ステップS224)
ステップS224では、制御部5は、ステップS216で選択されたおまけのサービスに対応するコンテンツをタッチパネルディスプレイ31に表示する。例えば、制御部5は、ステップS208と同様に、塗り絵ゲーム等の子供用コンテンツをおまけのサービスとして第2領域313に表示してもよい。このとき、制御部5は、大人用の広告、アンケート、プレゼント応募画面等のデモ画面を第1コンテンツとして第1領域312に表示してもよい。
【0100】
なお、ステップS216で提示されるおまけのサービスは、上記ステップS220及びS222による動画コンテンツの生成、並びにステップS224によるコンテンツの表示に限られず、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。ステップS216において、これらのサービス以外のサービスが選択された場合には、制御部5は、ステップS220~S224に代えて、選択されたサービスに対応する処理を実施する。
【0101】
(ステップS226)
ステップS226では、制御部5は、ステップS210で開始したプリント処理が完了したことに応じて、プリント処理が完了したことを示す案内をタッチパネルディスプレイ31に表示する。そして、制御部5は、ステップS208までの処理で得られた各画像を印刷したシールを取出口36から排出する。
【0102】
ステップS210からのプリント処理では、制御部5は、ステップS110で選択されたデザインを用い、ステップS102で選択された枚数分のシールを印刷する。各画像を印刷したシールを取出口36から排出した後、制御部5は、利用者に対して、シールを取り出し、撮影空間10の外へ出るように促す案内をタッチパネルディスプレイ31に表示する。利用者は、当該案内に従って、プリントされたシールを取出口36から取り出し、撮影空間10から退出する。これにより、制御部5は、本動作例に係る撮影処理を終了する。
【0103】
なお、ステップS214及びS222の処理が実行されている場合、制御部5は、ステップS200からS208までの処理で得られた各画像の他に、追加の撮影により得られた画像(以下、「追加の画像」とも記載する)及び動画コンテンツを保持する。上記処理手順において、制御部5は、ステップS210からのプリント処理では、得られた追加の画像及び動画コンテンツを印刷しない。
【0104】
制御部5は、出力処理部55として動作し、ステップS208までの処理で得られた画像と共に、ステップS214の追加の撮影で得られた画像、及びステップS222で生成された動画コンテンツをIDに紐付けて外部サーバ910に送信する。当該送信のタイミングは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。なお、子供用コンテンツで作成した塗り絵画像及びゲームによって得たその他の成果物(以下、「子供成果物」)も当該IDに紐付けて外部サーバ910に送信することもできる。
【0105】
利用者は、ユーザ端末920を利用して、シールに印刷されたアクセス情報又はIDに基づいて、外部サーバ910の各データの保存された場所にアクセスする。これにより、利用者は、ステップS208までの処理で得られた画像と共に、追加の画像、子供成果物及び動画コンテンツをダウンロードすることができる。
【0106】
<5-3.動画コンテンツ生成の処理手順>
次に、
図9、
図10、及び
図11A~
図11Dを用いて、本実施形態に係る写真撮影装置100によるステップS222の動画コンテンツ生成の処理過程について説明する。
図9は、カメラ32により得られた画像から顔画像を抽出し、抽出した顔画像を利用した合成画像を生成するための処理手順の一例を例示する。
図10は、
図9に示す合成画像の生成過程を説明するための図である。
図11A~
図11Dは、動画コンテンツを生成する過程においてタッチパネルディスプレイ31に表示される画面の一例を示す。
【0107】
本実施形態では、動画コンテンツを生成する過程は、カメラ32により得られる画像を利用して、リアルタイムに生成した合成画像をライブビュー表示するステップ(
図11A~
図11C)と、撮影期間に取得した動画像から動画コンテンツを生成し、生成した動画コンテンツを表示するステップ(
図11D)とを含んでいる。各ステップでは、基本的には、
図9に示す処理により、画像の合成処理が行われる。ただし、ライブビューの表示に利用する合成画像と最終成果物として利用者に提供される動画コンテンツとは別々のものとして生成される。
【0108】
まず、
図9及び
図10を用いて、カメラ32により得られた画像から顔画像を抽出し、抽出した顔画像を利用した合成画像を生成するための処理手順について説明する。ステップS220により背景素材62及び合成素材63の選択が行われた後、制御部5は、撮影処理部52として動作し、カメラ32による動画像の撮影を行う。ステップS300では、制御部5は、このカメラ32の撮影により得られる動画像65のフレームを取得する。
【0109】
次のステップS302では、制御部5は、取得したフレームから利用者の顔が写る顔領域を抽出する。顔領域を抽出する方法には、パターンマッチング等の公知の画像処理が用いられてよい。
図10の例では、動画像65のフレームから3つの顔領域651~653が抽出されている。
【0110】
次のステップS304では、制御部5は、抽出した顔領域の画像を、ステップS220で選択した合成素材63に合成する。
図10に示されるとおり、合成素材63には、顔領域の画像を配置するための領域631が設けられている。領域631は透明であり、制御部5は、動画像65のフレームから抽出した顔領域の画像が当該領域631に重なるように、当該顔領域の画像上に合成素材63を配置する。このとき、制御部5は、顔領域の画像と合成素材63との境目部分が不自然にならないように、当該境目部分にスムージング処理を適用する。
図10の例のように、複数の顔領域が抽出された場合、制御部5は、各顔領域に対応して合成素材63を用意し、用意した合成素材63の領域631に各顔領域の画像を合成する。
【0111】
そして、制御部5は、顔領域の画像を合成した合成素材63を、ステップS220で選択した背景素材62上に配置する。これにより、制御部5は、背景素材62上に合成素材63が配置され、合成素材63上に利用者の顔画像が合成された合成画像66を生成することができる。この合成画像66の生成処理をリアルタイムに取得される画像に適用することで、ライブビュー用の合成画像を生成することができる。また、所定時間分の撮影を行うことにより得られた動画像にこの合成画像66の生成処理を適用することで、利用者に提供するための動画コンテンツを生成することができる。
【0112】
次に、
図11A~
図11Dを用いて、ステップS222において動画コンテンツを生成する処理過程について説明する。ステップS220によりデザイン(背景素材62及び合成素材63)が選択された後、制御部5は、カメラ32を起動する。そして、制御部5は、データ生成部53として動作し、カメラ32によってリアルタイムに取得される画像に対してステップS300からS304までの一連の処理を適用する。これにより、制御部5は、リアルタイムに取得される画像から抽出される利用者の顔画像を利用した合成画像を生成することができる。
【0113】
図11Aに示すとおり、制御部5は、ステップS300からS304までの処理をカメラ32から得られる動画像の各フレームに繰り返し適用して、リアルタイムに合成画像を生成する。そして、制御部5は、表示処理部54として動作して、タッチパネルディスプレイ31の領域314に、繰り返し生成される合成画像を新たなものに逐次切り替えながら表示する。これにより、タッチパネルディスプレイ31に顔画像を利用した合成画像がライブビューで表示される。また、制御部5は、領域314の下方に、動画コンテンツ取得のための撮影が開始されることを示すメッセージ315を表示する。
【0114】
なお、このライブビュー表示は、顔の検出が成功しているか否かを利用者に示すために行われ、ライブビュー表示のために生成される合成画像は、後の処理で生成される動画コンテンツとは異なり、利用者に提供されない。そのため、このライブビューの合成画像を生成する場合には、制御部5は、カメラ32の画像を低解像度にしてもよいし、フレームレートを下げて表示を行ってもよい。また、利用する各素材(62、63)は、ステップS220で選択されたものであってもよいし、ステップS220で選択されたものでなくてもよい。例えば、ライブビューに利用する各素材(62、63)は予め設定されていてもよい。更に、制御部5は、背景素材62上の合成素材63の位置を固定してもよい。すなわち、ライブビューにおいては、背景素材62には予め複数の固定位置が設定されており、それらの固定位置のいずれかに各顔画像(合成素材63が合成されたもの)を配置する。
【0115】
図10の例では、撮影画像の中に顔が3つ検出された例を示しているが、2つの場合は例えば、3組のうちのいずれか1組の顔画像及び合成素材が表示されなくなる。ライブビューの表示中に検出される顔の数が減少した場合も同様の表示を行う。新たな顔が検出された、すなわち顔の数が増えた場合は、上記固定位置として設定されている数が、検出された顔の数以下である場合のみ、新たに検出された顔画像を空いている固定位置に表示する。
【0116】
続いて、
図11Bに示すとおり、制御部5は、カウントダウン用の数字316を領域314の下方に表示して、動画コンテンツを生成するのに利用する動画像65の記録に向けてカウントダウンを行う。カウントダウン終了後、制御部5は、
図11Cに示すとおり、カメラ32により得られる所定時間(例えば、5秒間)分の動画像をRAM又は記憶部6に保存する。この動画コンテンツの生成に利用する動画像の取得が完了するまでの間、制御部5は、ステータスバー317及び時間表示318により撮影時間を提示する。この撮影によって、制御部5は、利用者が写る所定時間分の動画像65を取得する。
【0117】
所定時間分の動画像65を取得した後、制御部5は、取得した動画像65に対してステップS300からS304までの一連の処理を適用する。すなわち、制御部5は、利用者の顔が写る顔領域を動画像65の各フレームから抽出することで、利用者の顔動画像を生成する。続いて、制御部5は、ステップS220で選択されたデザインに対応する各素材(62、63)を記憶部6から取得し、生成した顔動画像を合成素材63の領域631に合成し、顔動画像を合成した合成素材63を背景素材62上に配置する。これにより、制御部5は、各利用者の顔動画像を含む所定時間分の動画コンテンツを生成する。
【0118】
ここで、抽出される顔領域の数、すなわち、生成される顔動画像の件数は、基本的には、撮影空間10内に存在する利用者の数に対応する。本実施形態では、顔領域が抽出される利用者の数に応じて、合成素材63の種類、合成素材63の配置、及び合成素材63の大きさを規定したテンプレート64が記憶部6に記憶されている。すなわち、本実施形態では、上記ステップS220において、制御部5は、利用者に対して、合成素材63を個別に選択させるのではなく、所望のデザインを選択させる。そして、制御部5は、選択されたデザインに対応するテンプレート64及び顔領域が抽出された利用者の数に応じて、合成素材63の種類、合成素材63の配置、及び合成素材63の大きさを決定する。なお、複数の利用者の顔領域が抽出される場合に、一部の利用者と他の利用者との間で、利用される合成素材63の種類は異なっていてもよい。
【0119】
図11Dに示すように、制御部5は、生成した動画コンテンツをタッチパネルディスプレイ31の領域314に表示すると共に、当該動画コンテンツのダウンロードを促すメッセージ319を領域314の下方に表示する。利用者は、上記のとおり、シールに印刷されたアクセス情報又はIDに基づいて、外部サーバ910にアクセスすることで、生成された動画コンテンツをダウンロードすることができる。
【0120】
なお、制御部5は、動画コンテンツにおいて、背景素材62上に合成素材63を固定的に配置してもよいし、背景素材62上を動くように合成素材63を配置してもよい。すなわち、制御部5は、動画コンテンツにおいて、顔動画像を合成した合成素材63を時間変化に応じて動かしてもよい。背景素材62上を動くように合成素材63を配置することで、躍動感のある動画コンテンツを作成することができる。なお、ここでいう「動かす」には、例えば、移動、回転、拡大縮小、反転等の変形が含まれる。拡大縮小には、比率を保持したまま拡大縮小すること、及び比率を保持せず拡大縮小することが含まれる。更に、制御部5は、上記ライブビュー表示用の合成画像よりも、高解像度及び高フレームレートで動画コンテンツを生成してもよい。
【0121】
また、制御部5は、上記ステップS302の処理において、利用者の顔動画像を生成すると共に、顔動画像内に写る利用者の顔の向きを特定してもよい。そして、制御部5は、上記ステップS304の処理において、特定した利用者の顔の向きに応じて合成素材63の向きを決定し、決定した向きで合成素材63を背景素材62上に配置してもよい。これにより、利用者の動きに対応した動画コンテンツを作成することができる。
【0122】
制御部5は、動画コンテンツを生成するために取得した動画像をループさせて利用してもよい。これにより、取得した動画像の時間以上の再生時間を有する動画コンテンツを生成することができる。このとき、動画コンテンツの再生時間は、利用者の選択したデザインに対応するテンプレート64により規定されてもよい。すなわち、制御部5は、利用者により選択されたテンプレート64で規定される再生時間が動画像の取得時間よりも長い場合に、取得した動画像をループさせて利用して、対象の動画コンテンツを生成してもよい。
【0123】
また、制御部5は、上記ステップS220において、複数のデザインを利用者に選択させ、動画コンテンツを生成する際に、選択された複数のデザインを切り替えながら利用するようにしてもよい。
【0124】
また、ステップS222の処理を実行する前に、制御部5は、利用者の人数を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ31に表示することで、撮影空間10内に存在する利用者の人数の回答を受け付けてもよい。そして、制御部5は、カメラ32からリアルタイムに取得された画像を領域314に表示する際に、各利用者の顔の位置を指示する枠を当該画像上に表示してもよい。これにより、顔領域を抽出する範囲を限定することができると共に、各利用者の顔が重ならないようにすることができる。そのため、動画コンテンツを生成する処理の効率を高めることができる。
【0125】
<6.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、左右方向の長さWよりも上下方向の長さHの方が長い表示領域311を有するタッチパネルディスプレイ31において、上方側の第1領域312と下方側の第2領域313とで異なるコンテンツを表示することができる。そのため、複数の利用者がタッチパネルディスプレイ31を利用する際に、一部の利用者が退屈するのを防止することができる。
【0126】
本実施形態では、特に、ステップS208において、画像の編集画面を上方側の第1領域312に表示し、子供用コンテンツを下方側の第2領域313に表示する。これによって、大人及び子供を含む家族連れが写真撮影装置100を利用する際に、画像の編集作業を大人が行っている間、子供が退屈するのを防止することができる。
【0127】
また、近年では、SNS(social networking service)等の普及により、個人が容易に動画像を投稿することができるようになってきており、これに応じて、多様な動画像を簡単に生成することへの要望が高まってきている。しかしながら、従来の写真撮影装置等により簡単に生成可能な動画像の種類は乏しく、当該要望に十分に応えることができなかった。これに対して、本実施形態では、ステップS222の処理により、カメラ32により得られた動画像から利用者の顔動画像を抽出し、抽出した利用者の顔動画像を利用した動画コンテンツを自動的に生成することができる。これによって、簡単に生成可能な動画像の多様性を高めることができる。
【0128】
また、従来の写真撮影装置では、追加の撮影を行う分だけ、次の利用者の待ち時間が長くなってしまい、写真撮影装置の撮影資源を有効に活用することができなくなってしまう可能性があった。これに対して、本実施形態では、ステップS212によって、次の利用者が存在するか否かを判定し、次の利用者が存在する場合、ステップS214による追加の撮影を省略する。これにより、本実施形態によれば、次の利用者の待ち時間を短縮することができるため、写真撮影装置の撮影資源を有効に活用することができ、待ち時間が長いことに起因して写真撮影装置の利用を控えるユーザの数を減らすことができる。また、本実施形態では、次の利用者がいない場合には、写真撮影装置を利用中の利用者に対して、追加の撮影、撮り直し等の撮影サービスを提供することができる。これにより、写真撮影装置の回転率を保ちつつ、利用者の満足度を向上させることができる。
【0129】
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0130】
<7.1>
上記実施形態では、写真撮影装置100は、タッチパネルディスプレイ(21、31)を備えている。しかしながら、写真撮影装置100の構成は、このような例に限られなくてもよく、各タッチパネルディスプレイ(21、31)は、一般のディスプレイに置き換えられてもよい。タッチパネルディスプレイ31に代えて一般のディスプレイが用いられる場合、第1操作デバイス及び第2操作デバイスには、上記電子ペン40に代えて、各領域(312、313)に対応した物理ボタン、マウス等が用いられてもよい。タッチパネルディスプレイ31及び電子ペン40によりデジタイザを構成するのではなく、タッチパネルディスプレイ31には、感圧式等のタッチパネルディスプレイが用いられてよい。この場合、電子ペン40は省略されてよく、タッチパネルディスプレイ31は指等で操作されてよい。
【0131】
<7.2>
また、各領域(312、313)に表示されるコンテンツは、上記実施形態以外のものでもよい。すなわち、第1領域312に、上記編集画面以外のコンテンツを表示してもよい。また、第2領域313に、子供用コンテンツ以外のコンテンツを表示してもよい。各領域(312、313)に表示されるコンテンツは、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0132】
<7.3>
上記ステップS212による次の利用者の有無により追加の撮影を実施するか否かを決定する処理及びステップS222による動画コンテンツの生成処理は、左右方向によりも上下方向の長さが長いタッチパネルディスプレイ31を備えないその他の写真撮影装置に適用されてもよい。上記ステップS212による次の利用者の有無により追加の撮影を実施するか否かを決定する処理は、カメラ及び受付ユニットを備え、追加の撮影を実施する画像処理装置に広く適用可能である。また、ステップS222による動画コンテンツの生成処理は、カメラを備える画像処理装置(例えば、スマートフォン等)に広く適用可能である。
【0133】
また、上記実施形態では、動画コンテンツを生成する工程の全てを写真撮影装置1で実施している。しかしながら、動画コンテンツを生成する工程の少なくとも一部は、外部サーバ910により行われてもよい。例えば、写真撮影装置1では、顔動画像の生成までを行うようにし、外部サーバ910が、顔動画像と各素材(62、63)との合成処理を行うようにしてもよい。この場合、写真撮影装置1は、生成した顔動画像及び選択されたデザインを示す情報をIDに紐付けて外部サーバ910に送信する。外部サーバ910は、各素材(62、63)、テンプレート64等の各種情報を保持し、選択されたデザインを示す情報に基づいて合成に利用する各素材(62、63)を決定し、決定した各素材(62、63)と顔動画像とを合成して、動画コンテンツを生成する。そして、外部サーバ910は、生成した動画コンテンツをIDに紐付けて保存する。これにより、写真撮影装置1から外部サーバ910への通信量を低減することができる。
【0134】
なお、この場合、顔動画像の生成も外部サーバ910で行われてもよい。また、動画コンテンツの生成は、写真撮影装置1から動画像を取得したタイミングではなく、利用者からのIDに基づいたアクセスを受け付けたタイミングで行われてもよい。これにより、利用者からのアクセスのない動画像に対して動画コンテンツの生成を行わないようにすることができるため、外部サーバ910の処理負荷を軽減することができる。更に、このような動画コンテンツの生成処理は、ユーザ端末920で行われてもよい。
【0135】
(付記1)
左右方向の長さよりも上下方向の長さの方が長い表示領域を有する表示部と、
前記表示部の表示及び前記表示部に対する入力を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記表示領域の上方側の第1領域に第1コンテンツを表示させ、
前記表示領域の前記第1領域よりも下方側の第2領域に、前記第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示させる、
画像処理装置。
【0136】
(付記2)
カメラを更に備え、
前記制御部は、前記カメラにより得られた画像を編集するための編集画面を前記第1コンテンツとして前記第1領域に表示させる、
付記1に記載の画像処理装置。
【0137】
(付記3)
前記制御部は、前記編集画面を前記第1領域に表示している間、子供用コンテンツを第2コンテンツとして前記第2領域に表示させる、
付記2に記載の画像処理装置。
【0138】
(付記4)
第1操作デバイス及び第2操作デバイスを更に備え、
前記制御部は、前記第1領域に表示される前記第1コンテンツに対する入力を前記第1操作デバイスによって受け付けて、前記第2領域に表示される前記第2コンテンツに対する入力を前記第2操作デバイスによって受け付ける、
付記1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0139】
(付記5)
前記制御部は、前記第2操作デバイスによる前記第1コンテンツに対する入力を禁止又は制限する、
付記4に記載の画像処理装置。
【0140】
(付記6)
前記表示部は、タッチパネルディスプレイであり、
前記第1操作デバイス及び前記第2操作デバイスはそれぞれ電子ペンである、
付記4又は5に記載の画像処理装置。
【0141】
(付記7)
背景素材、及び合成素材を記憶する記憶部と、
制御部と、
カメラと、
を備え、
前記制御部は、
前記カメラにより利用者を撮影することで、当該利用者が写る動画像を取得し、
前記利用者の顔が写る顔領域を前記動画像から抽出することで、前記利用者の顔動画像を生成し、
生成した前記顔動画像を前記合成素材に合成し、前記顔動画像を合成した前記合成素材を前記背景素材上に配置することで、動画コンテンツを生成する、
画像処理装置。
【0142】
(付記8)(合成素材は動く)
前記制御部は、前記背景素材上を動くように前記合成素材を配置する、
付記7に記載の画像処理装置。
【0143】
(付記9)(合成素材の向きは顔の向きで決まる)
前記制御部は、前記顔動画像内の前記利用者の顔の向きを特定し、特定した前記利用者の顔の向きに応じて前記合成素材の向きを決定する、
付記7又は8に記載の画像処理装置。
【0144】
(付記10)(テンプレートを用意する)
前記記憶部は、前記顔領域が抽出される前記利用者の数に応じて、前記合成素材の種類、前記合成素材の配置、及び前記合成素材の大きさを規定したテンプレートを記憶する、
付記7から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0145】
(付記11)(方法)
背景素材、及び合成素材を記憶する記憶部を備えるコンピュータが、
カメラにより利用者を撮影することで、当該利用者が写る動画像を取得するステップと、
前記利用者の顔が写る顔領域を前記動画像から抽出することで、前記利用者の顔動画像を生成するステップと、
生成した前記顔動画像を前記合成素材に合成し、前記顔動画像を合成した前記合成素材を前記背景素材上に配置することで、動画コンテンツを生成するステップと、
を実行する、
画像処理方法。
【0146】
(付記12)
カメラと、
前記カメラによる撮影を制御する制御部と、
前記カメラによる撮影の依頼を受け付ける受付ユニットと、
を備え、
前記制御部は、
前記カメラによる第1ユーザの撮影が完了した後に、前記受付ユニットにより第2ユーザから撮影の依頼を受け付けているか否かを判定し、
前記第2ユーザから撮影の依頼を受け付けていないと判定した場合、前記カメラによる前記第1ユーザの追加の撮影を実施し、
前記第2ユーザから撮影の依頼を受け付けていると判定した場合、前記第1ユーザの前記追加の撮影を省略する、
画像処理装置。
【0147】
(付記13)(方法)
カメラによる撮影の依頼を受け付ける受付ユニットを備えるコンピュータが、
前記カメラによる第1ユーザの撮影が完了した後に、前記受付ユニットにより第2ユーザから撮影の依頼を受け付けているか否かを判定するステップと、
前記第2ユーザから撮影の依頼を受け付けていないと判定した場合、前記カメラによる前記第1ユーザの追加の撮影を実施するステップと、
前記第2ユーザから撮影の依頼を受け付けていると判定した場合、前記第1ユーザの前記追加の撮影を省略するステップと、
を実行する、
画像処理方法。
【符号の説明】
【0148】
100…写真撮影装置、
910…外部サーバ、920…ユーザ端末、
1…筺体、
10…撮影空間、11…出入口、12…カーテンレール、
13…カーテン、
2…受付ユニット、
21…タッチパネルディスプレイ、
22…現金処理部、
220…紙幣検証器、
221…現金投入口、222…現金排出口、
23…カードリーダ、24…スピーカ、
3…撮影ユニット、
31…タッチパネルディスプレイ、
311…表示領域、312…第1領域、313…第2領域、
32…カメラ、
33…照明ユニット、
331…上部ストロボボックス、332…下部ストロボボックス、
34…スピーカ、35…プリンタ、36…取出口、
40…電子ペン、41…ケーブル、
5…制御部、
51…受付部、52…撮影処理部、53…データ生成部、
54…表示処理部、55…出力処理部、
6…記憶部、
61…プログラム、
62…背景素材、63…合成素材、64…テンプレート、
65…動画像、66…合成画像、
7…通信インタフェース、8…ドライブ