(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】飲食施設案内システム、飲食施設案内装置、飲食施設案内方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220126BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2017234004
(22)【出願日】2017-12-06
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 淳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝尚
(72)【発明者】
【氏名】長山 正之
(72)【発明者】
【氏名】榎田 毅
(72)【発明者】
【氏名】土井垣 亨
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-214169(JP,A)
【文献】特開2012-003319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G08G 1/0969
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末と通信が可能なサーバ装置とを備え、前記ユーザ端末に飲食施設情報を提供する飲食施設案内システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
飲食施設の検索を受け付ける入力操作部と、
表示部に情報を表示させる表示制御部と、を備え、
前記ユーザ端末、及び前記サーバ装置のいずれかは、
外気温を取得する外部情報取得部と、
飲食施設及び該飲食施設で提供されるメニューの情報を記憶する情報記憶部と、
前記外部情報取得部で取得した外気温
が予め設定した上限閾値より高い時に該飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に該飲食施設が提供する温かいメニューを、前記情報記憶部が記憶する情報から検索する検索処理部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記検索処理部で検索したメニューを提供する飲食施設
、及び外気温に応じて検索されたメニューを前記表示部に表示させること、
を特徴とする飲食施設案内システム。
【請求項2】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末と通信が可能なサーバ装置とを備え、前記ユーザ端末に飲食施設情報を提供する飲食施設案内システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
飲食施設の検索を受け付ける入力操作部と、
表示部に情報を表示させる表示制御部と、を備え、
前記ユーザ端末、及び前記サーバ装置のいずれかは、
外気温を取得する外部情報取得部と、
飲食施設及び該飲食施設で提供されるメニューの情報を記憶する情報記憶部と、
前記外部情報取得部で取得した外気温に基づいて日毎の外気温の変動情報を生成し、外気温が上昇傾向にある場合には該飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が低下傾向にある場合には該飲食施設が提供する暖かいメニューを、前記情報記憶部が記憶する情報から検索する検索処理部と、を備え、
前記表示制御部は、前記検索処理部で検索したメニューを提供する飲食施設を、前記表示部に表示させること、
を特徴とする飲食施設案内システム。
【請求項3】
前記外部情報取得部は、
前記外気温に加えて現在の季節の情報を取得し、
前記検索処理部は、季節が冬季である場合には、暖かいメニューを検索し、更に、季節が冬季でない場合でも、前記変動情報に基づき、外気温が予め設定した第1の閾値温度以上低下した場合には、暖かいメニューを検索すること
を特徴とする請求項2に記載の飲食施設案内システム。
【請求項4】
前記外部情報取得部は、前記外気温に加えて現在の季節の情報を取得し、
前記検索処理部は、季節が
夏季である場合には、
冷たいメニューを検索し、更に、季節が
夏季でない場合でも、前記変動情報に基づき、外気温が予め設定した
第2の閾値温度以上
上昇した場合には、
冷たいメニューを検索すること
を特徴とする請求項
2に記載の飲食施設案内システム。
【請求項5】
飲食施設の検索を受け付ける入力操作部と、
外気温を取得する外部情報取得部と、
飲食施設及び該飲食施設で提供されるメニューの情報を取得する情報取得部と、
前記外部情報取得部で取得した外気温が予め設定した上限閾値より高い時に該飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に該飲食施設が提供する温かいメニューを、前記情報取得部が取得する情報から検索する検索処理部と、
前記検索処理部で検索したメニューを提供する飲食施設、及び外気温に応じて検索されたメニューを表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする飲食施設案内装置。
【請求項6】
入力操作部が、飲食施設の検索を受け付けるステップと、
外部情報取得部が、外気温を取得するステップと、
検索処理部が、外気温が予め設定した上限閾値より高い時に前記飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に前記飲食施設が提供する温かいメニューを検索するステップと、
表示制御部が、検索したメニューを提供する飲食施設、及び検索したメニューの情報を表示するステップと、
を備えることを特徴とする飲食施設案内方法。
【請求項7】
入力操作部が、飲食施設の検索を受け付けるステップと、
外部情報取得部が、外気温を取得するステップと、
検索処理部が、外気温が予め設定した上限閾値より高い時に前記飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に前記飲食施設が提供する温かいメニューを検索するステップと、
表示制御部が、検索したメニューを提供する飲食施設、及び検索したメニューの情報を表示するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事施設に関する情報を提供する飲食施設案内システム、飲食施設案内装置、飲食施設案内方法、及びコンピュータプログラムに係り、特に、季節や外気温などの寒暖の条件に適したメニューを提供する食事施設を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置では、目的地までの経路案内の画像をディスプレイ等に表示すると共に、経路近隣に存在するレストラン等の食事施設を表示することにより、乗員の利便性を高めることが行われている。
【0003】
このような食事施設を表示するナビゲーション装置の従来例として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1では、提供する時刻に応じて提供する食事施設を限定することにより、例えば朝食の時間帯にはファストフード店等を表示し、フランス料理のレストランが食事施設として表示されないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1では、時刻に応じて提供する食事施設を設定するものであり、気温の寒暖に応じて提供する食事施設を変更するものではない。例えば、気温が低い場合には、暖かい食事メニューを提供する飲食施設が提供されることが望まれ、反対に、気温が高い場合には、冷たい食事メニューを提供する飲食施設が提供されることが望まれる。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、寒暖の条件に適したメニューを提供する飲食施設を案内することが可能な飲食施設案内システム、飲食施設案内装置、飲食施設案内方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る飲食施設案内システムは、ユーザ端末と、前記ユーザ端末と通信が可能なサーバ装置とを備え、前記ユーザ端末に飲食施設情報を提供する飲食施設案内システムにおいて、前記ユーザ端末は、飲食施設の検索を受け付ける入力操作部と、表示部に情報を表示させる表示制御部と、を備え、前記ユーザ端末、及び前記サーバ装置のいずれかは、外気温を取得する外部情報取得部と、飲食施設及び該飲食施設で提供されるメニューの情報を記憶する情報記憶部と、前記外部情報取得部で取得した外気温が予め設定した上限閾値より高い時に該飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に該飲食施設が提供する温かいメニューを、前記情報記憶部が記憶する情報から検索する検索処理部と、を備え、前記表示制御部は、前記検索処理部で検索したメニューを提供する飲食施設、及び外気温に応じて検索されたメニューを、表示部に表示させること、を特徴とする。
【0008】
本発明に係る飲食施設案内装置は、飲食施設の検索を受け付ける入力操作部と、外気温を取得する外部情報取得部と、飲食施設及び該飲食施設で提供されるメニューの情報を取得する情報取得部と、前記外部情報取得部で取得した外気温が予め設定した上限閾値より高い時に該飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に該飲食施設が提供する温かいメニューを、前記情報取得部が取得する情報から検索する検索処理部と、前記検索処理部で検索したメニューを提供する飲食施設、及び外気温に応じて検索されたメニューを表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る飲食施設案内方法は、入力操作部が、飲食施設の検索を受け付けるステップと、外部情報取得部が、外気温を取得するステップと、検索処理部が、外気温が予め設定した上限閾値より高い時に前記飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に前記飲食施設が提供する温かいメニューを検索するステップと、表示制御部が、検索したメニューを提供する飲食施設、及び検索したメニューの情報を表示するステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るコンピュータプログラムは、入力操作部が、飲食施設の検索を受け付けるステップと、外部情報取得部が、外気温を取得するステップと、検索処理部が、外気温が予め設定した上限閾値より高い時に前記飲食施設が提供する冷たいメニューを、または、外気温が予め設定した下限閾値より低い時に前記飲食施設が提供する温かいメニューを検索するステップと、表示制御部が、検索したメニューを提供する飲食施設、及び検索したメニューの情報を表示するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、寒暖の条件に適したメニューを提供する飲食施設を案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1、第2実施形態に係る飲食施設案内システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、過去1週間の平均気温の変化を示すグラフである。
【
図3】
図3は、過去1週間の平均気温の変化を示すグラフである。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る飲食施設案内システムの処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、経路案内用の地図に、検索したメニューを提供する飲食施設を表示する例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、経路案内用の地図に、検索したメニュー、及びこれを提供する飲食施設を表示する例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、経路案内用の地図に、検索したメニュー、及びこれを提供する飲食施設を表示する例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態に係る飲食施設案内システムの処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態に係る飲食施設案内装置としてのナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る飲食施設案内システムの構成を示すブロック図である。なお、本発明で示す「飲食施設」とは、レストラン、食事処、居酒屋、ラーメン店、ファストフード店など、食事、酒類を提供する施設を指す。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る飲食施設案内システム100は、車両に搭載されるか或いはユーザが携帯するユーザ端末1と、該ユーザ端末1との間でネットワーク3を介して通信が可能であるサーバ装置2を備えている。
【0015】
サーバ装置2は、飲食施設情報を提供するサービス事業者などが管理するサーバであり、設置形態、設置台数等は任意であり、機能が分散していてもよい。サーバ装置2は、ネットワーク3を介してユーザ端末1と通信する通信部21と、データベース22を備えている。データベース22も、単一のサーバ装置2が記憶しているデータベースに限らず、分散していてもよい。データベース22は、地図データベース221と、施設データベース222(情報記憶部)と、メニューデータベース223(情報記憶部)を備えている。地図データベース221は、経路案内等に用いる地図データを記憶している。施設データベース222は、飲食施設、商業施設、行楽施設、を含む各種の施設のデータを記憶している。メニューデータベース223は、施設データベース222に記憶されている各飲食施設に対応付けて、該飲食施設が提供するメニューのデータを記憶する。例えば、飲食施設である「〇〇飯店」に対して、その提供メニューが「ラーメン」、「チャーハン」、「冷やし中華」、「ざるそば」等であることが記憶されている。
【0016】
車両に搭載されるユーザ端末1の例としては、車両の走行経路を案内するナビゲーション装置を挙げることができ、乗員が携帯するユーザ端末1の例として、スマートフォンを挙げることができる。また、ユーザ端末1は、パーソナルコンピュータなどの情報端末であってもよい。以下の実施形態では、ユーザ端末1がナビゲーション装置である場合について説明する。
【0017】
ユーザ端末1は、GPS信号を受信するGPS受信部11と、入力操作部12と、表示部13と、制御部14と、ネットワーク3を介してサーバ装置2と通信を行う通信部15を備えている。
【0018】
入力操作部12は、車両の乗員等のユーザによる操作を行うものであり、各種スイッチ、タッチパネル、音声入力装置等を挙げることができる。
【0019】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ等であり、後述するように検索した飲食施設及びメニューを表示する。また、入力操作部12と表示部13を兼用して、タッチパネルとすることも可能である。タッチパネルとは、液晶パネル等の表示装置とタッチパッド等の位置入力装置を組み合わせた電子部品である。
【0020】
制御部14は、案内経路を探索するナビゲーション処理部16と、検索処理部17と、入力操作受付部18と、表示制御部19と、外部情報取得部20を備えている。
【0021】
外部情報取得部20は、車両の外部などに設けられて外気温を検出する外気温センサ41または外部情報源42と接続されている。外部情報源42は、例えば、各地域の気温情報、現在の季節の情報を提供する外部サーバなどであり、外部情報取得部20は、車両の外気温、及び各地域の気温情報、季節情報を取得することができる。外部情報取得部20は、気温情報を車両の外部などに設けられている外気温センサ4から取得してもよい。更に、外部情報取得部20は、取得した外気温情報、各地域の気温情報を記憶する記憶部20aを有している。
【0022】
更に、外部情報取得部20は、日毎の平均気温の変動情報を生成して、記憶部20aに記憶する。例えば、
図2、
図3に示すように、記憶部20aは各地域の過去1週間分の平均気温を記憶する。なお、平均気温以外に、例えば最高気温としてもよい。
【0023】
ナビゲーション処理部16は、現在位置特定部161と、設定位置特定部162を備えている。現在位置特定部161は、GPS11受信部で取得されるGPS情報に基づき、車両の現在位置を特定する。これらは、ナビゲーション処理部16が経路案内を行うための機能の一部分である。
【0024】
設定位置特定部162は、入力操作部12にて所望の位置が設定された際に、この設定位置を特定する。例えば、車両の現在位置ではなく、目的地周辺の情報を知りたいときに、該目的地の情報が入力されると、この目的地を設定位置として特定する。
【0025】
入力操作受付部18は、入力操作部12で入力された操作指示を受け付ける。例えば、入力操作部12より、飲食施設の検索指令が入力された場合には、この指令をナビゲーション処理部16、検索処理部17に出力する。
【0026】
検索処理部17は、入力操作受付部18にて飲食施設の検索操作が入力された際に、現在位置特定部で特定される車両現在位置の周辺、或いは設定位置特定部162で特定された特定位置の周辺で飲食施設を検索する。具体的には、施設データベース222を参照して現在位置、或いは特定位置の周辺に存在する飲食施設を検索する。更に、外部情報取得部20により、外気温センサ41で検出される外気温情報、或いは外部情報源42より取得される各地の気温情報、季節情報を取得する。そして、これらの情報に基づき、施設データベース222及びメニューデータベース223を参照して、ユーザに提供する適切なメニューを検索し、検索したメニューを提供する飲食施設を検索する。
【0027】
表示制御部19は、表示部13に表示する画像を生成して表示部13に出力する。例えば、現在地周辺の地図画像、及び検索処理部17で検索されたメニューを提供する食事施設の位置を示す画像を生成して表示部13に出力する。
【0028】
なお、本実施形態に係る制御部14は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。従って、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0029】
[第1実施形態の作用の説明]
次に、上述のように構成された第1実施形態の作用を、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
初期的には、GPS受信部11よりGPS信号を取得し、更に、現在位置特定部161により、車両の現在位置を特定する。更に、ナビゲーション処理部16により、ネットワーク3を介して地図データベース221から車両周辺の地図データを取得し、またはユーザ端末1が記憶している地図データなど参照可能な地図データを取得し、表示部13に地図を表示する。従って、車両の乗員は、表示部13を見ることにより、車両周辺の地図を認識することができる。
【0031】
図4のステップS11において、入力操作受付部18は、食事施設の検索操作が入力されたか否かを判断する。例えば、入力操作部12がタッチパネルの場合には、検索対象の項目(行楽施設、食事施設、宿泊施設等)がタッチパネルに表示され、このうち、「食事施設」が選択された場合には、ステップS12に処理を進める。また、「食事施設」以外の項目が選択された場合には、それぞれに対応するナビゲーション処理が行われる。従来より行われている処理であり、詳細な説明を省略する。
【0032】
ステップS12において、現在位置特定部161は、GPS受信部11で受信されるGPS信号に基づき、車両の現在位置を特定する。或いは、入力操作部12で所望の位置(例えば、目的地)が設定された場合には、設定位置特定部162は、設定された位置を特定位置とする。
【0033】
ステップS13において、外部情報取得部20は記憶部20aを参照し、特定された位置における過去3日間の平均気温の平均値が4℃以上変化しているか否かを判断する。
【0034】
以下、
図2、
図3を参照して、平均気温の変動について詳細に説明する。現在が10月7日であるとすると、
図2に示すように、特定位置(現在地や目的地等)における過去1週間の平均気温のデータが記憶部20aに記憶されている。そして、10月2日~4日までの3日間の平均気温の平均値に対し、10月5日~7日までの3日間の平均気温の平均値は4℃(第1の閾値温度)以上上昇している。この場合には、ステップS13において、YES判定となり、ステップS14に処理を進める。
【0035】
また、現在が8月24日であるとすると、
図3に示すように、特定位置(現在地や目的地等)における8月19日~21日までの3日間の平均気温の平均値に対し、8月22日~24日までの3日間の平均気温の平均値は4℃(第2の閾値温度)以上低下している。この場合についても、ステップS13において、YES判定となり、ステップS14に処理を進める。
【0036】
一方、平均気温の平均値が4℃以上変化していない場合には、ステップS13でNO判定となり、ステップS15に処理を進める。ステップS15において、検索処理部17は、メニューデータベース223を参照し、例えば季節に応じたメニューを検索し、このメニューを提供する飲食施設を検索する。
【0037】
ステップS14において、検索処理部17は、気温変動に応じたメニューを提供する飲食施設を検索する。具体的には、
図2に示したように平均気温の平均値が4℃以上上昇した場合には、乗員は季節に関わらず冷たいメニューを食べたくなることが多い。従って、検索処理部17は、メニューデータベース223を参照し、例えば「冷やし中華」、「ざるそば」等の冷たいメニューを検索する。更に、施設データベース222を参照して上記の冷たいメニューを提供する飲食施設を検索する。
【0038】
また、
図3に示したように、平均気温の平均値が4℃以上低下した場合には、乗員は季節に関わらず暖かいメニューを食べたくなることが多い。従って、検索処理部17は、メニューデータベース223を参照し、例えば「ラーメン」、「おでん」、「鍋料理」、「韓国料理」等の暖かいメニューを検索する。更に、施設データベース222を参照して上記の暖かいメニューを提供する飲食施設を検索する。
【0039】
次いで、ステップS16において、検索処理部17は、ステップS14またはS15で、飲食施設が検索されたか否かを判断する。
【0040】
そして、飲食施設が検索された場合には(ステップS16でYES)、ステップS17において、表示制御部19は、この飲食施設を地図画像上に表示する。その結果、例えば、気温の平均値が4℃以上上昇した場合には、
図5に示すように、地図画像上に車両のアイコンP1を表示し、更に、冷たいメニューを提供する飲食施設として検索した「〇〇飯店」、「〇〇レストラン」等を表示部13に表示する。従って、車両の乗員は、冷たいメニューを提供する飲食施設を容易に認識することができる。また、気温の平均値が4℃以上低下した場合には、暖かいメニューを提供する飲食施設を地図画像上に表示する。
【0041】
一方、気温の平均値の変動が4℃未満の場合(ステップS15の処理が実行された場合)には、地図画像上にその季節に応じたメニューを提供する飲食施設を表示部13に表示する。
【0042】
また、対象食事施設が検索されなかった場合には(ステップS16でNO)、ステップS18において、表示制御部19は通常の飲食施設(寒暖の変化や季節に関係のない飲食施設)を検索し表示する。そして本処理を終了する。
【0043】
このようにして、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)車両の現在地或いは設定された特定位置での外気温に基づいて、暖かいメニュー或いは冷たいメニューを提供する食事施設を地図画像上に表示することができる。従って、乗員が食べたいと思うメニューを提供する食事施設を乗員に提供することができ、乗員に対する利便性を向上させることができる。
【0044】
(2)数日前の気温のデータを参照し、気温が所定温度以上上昇している場合には、冷たいメニュー提供する飲食施設を表示し、更に気温が所定温度以上低下している場合には、温かいメニューを提供する飲食施設を表示する。従って、気温の変動に応じた適切なメニューを表示することができ、乗員が食べたいと思うメニューを提供する飲食施設を適切に知らせることができる。
【0045】
なお、第1実施形態では、過去3日間の平均気温の平均値が4℃(第1の閾値温度)以上上昇したときに冷たいメニューを提供する飲食施設を検索し、4℃(第2の閾値温度)以上低下したときに暖かいメニューを提供する飲食施設を検索する例について説明したが。本実施形態はこれに限らず、単に外気温を検出し、外気温が予め設定した上限閾値よりも高いときには冷たいメニューを検索し、外気温が予め設定した下限閾値よりも低いときには暖かいメニューを検出するようにしてもよい。
【0046】
また、第1実施形態では、3日間の平均気温の平均値の変動を測定したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2日間の平均気温を用いたり、最高気温を用いる等、種々の温度測定方法を採用することが可能である。
【0047】
また、第1実施形態では、車両の現在地の外気温の情報に基づいて、飲食施設を検索する例について説明したが、例えば、入力操作部12にて目的地を特定位置とすることにより、この特定位置の過去の気温の情報を外部情報源42より取得し、温度変化に適したメニューを提供する食事施設を検索するようにしてもよい。
【0048】
また、第1実施形態では、ユーザ端末1の例として車両に搭載されるナビゲーション装置を例に挙げて説明したが、例えば、乗員が所持するスマートフォンや可搬型のパソコン等とすることも可能である。このような可搬型とすることにより、例えば、車両に乗車する前に自宅で検索の操作を行うことができるので、目的地や途中の走行経路周辺の飲食施設を予め検索することが可能となる。
【0049】
[第1実施形態の変形例の説明]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。前述した第1実施形態では、暖かいメニューを提供する飲食施設、或いは冷たいメニューを提供する飲食施設を地図画像上に表示する例について説明した。
【0050】
変形例では、飲食施設に加えて、検索した暖かいメニュー、或いは冷たいメニューの具体的な名称を表示部13に表示する。例えば、
図6に示すように地図画像上に車両のアイコンP1を表示し、更に、その周辺の飲食施設、及び該飲食施設が提供する暖かいメニューを表示する。例えば、「○○レストラン:おでん」、「△△レストラン:鍋料理」等を表示する。こうすることにより、車両の乗員は、暖かいメニュー(或いは、冷たいメニュー)を提供する飲食施設を知ることができるばかりでなく、この飲食施設が提供するメニューの具体的な情報を知ることができるので、より利便性を向上させることができる。
【0051】
更に、
図7に示すように、地図画像上には飲食施設の名称のみを表示し、表示部13の画面側方に各飲食施設が提供するメニューを表示するようにしてもよい。このような構成においても、
図6に示した例と同様に、乗員は飲食施設及びメニューに関する情報をより詳細に知らせることができる。
【0052】
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、現在の季節を認識し、季節に応じて検索するメニューを変更する。例えば、季節が冬季以外(即ち、春、夏、秋)のときに、日毎の外気温が低下傾向にある場合に、温かいメニューを提供する飲食施設を検索する。或いは、季節が夏季以外(即ち、春、秋、冬)のときに、日毎の外気温が上昇傾向にある場合に、冷たいメニューを提供する飲食施設を検索する。システム構成は、前述した
図1と同様であるので、構成説明を省略する。
【0053】
以下、
図8に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る飲食施設案内システムの処理手順について説明する。ステップS31、S32は、
図4に示したステップS11、S12と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
ステップS33において、外部情報取得部20は、記憶部20aを参照し特定された位置における過去3日間の平均気温の平均値が4℃以上変化しているか否かを判断する。そして、4℃以上低下している場合には、ステップS34に処理を進め、4℃以上上昇している場合には、ステップS35に処理を進める。また、変化が4℃未満である場合にはステップS38に処理を進める。
【0055】
ステップS34において、外部情報取得部20は、現在の季節が冬季以外であるか否かを判断する。本実施形態では、一例として3~5月を「春」、6~8月を「夏」、9~11月を「秋」、12~2月を「冬」と定義する。従って、ステップS34では、現在の季節が冬季以外、即ち、3月~11月であるか否かを判断する。冬季以外である場合には、ステップS36において、検索処理部17は、温かいメニューを提供する食事施設を検索し、ステップS39に処理を進める。冬季である場合には、ステップS38に処理を進める。
【0056】
ステップS35において、外部情報取得部20は、現在の季節が夏季以外であるか否かを判断する。即ち、9月~翌年5月であるか否かを判断する。夏季以外である場合には、ステップS37において、検索処理部17は、冷たいメニューを提供する食事施設を検索し、ステップS39に処理を進める。夏季である場合には、ステップS38に処理を進める。
【0057】
ステップS38において、検索処理部17は、メニューに関係なく車両の周辺に存在する飲食施設を検索する。
【0058】
ステップS39において、検索処理部17は、検索された対象食事施設が有るか否かを判断する。
【0059】
対象食事施設が存在する場合には、ステップS40において、表示制御部19は、対象食事施設を表示部13に表示されている地図画像上に表示する。一方、対象食事施設が存在しない場合には、本処理を終了する。
【0060】
このように、第2実施形態に係る食事施設案内システムでは、季節が冬季でなく、且つ温度が所定値以上低下した場合に限って暖かいメニューを検索する。また、季節が夏季でなく、且つ温度が所定値以上上昇した場合に限って冷たいメニューを検索する。
【0061】
季節が冬季である場合には、そもそも気温が低いので、暖かいメニューを提供する飲食施設を優先的に表示することに大きなメリットはなく、むしろ暖かいか否かに関係のないメニューが提供された方が都合がよい。同様に、季節が夏季である場合には、そもそも気温が高いので、冷たいメニューを提供する飲食施設を優先的に表示することに大きなメリットはなく、むしろ冷たいか否かに関係のないメニューが提供された方が都合がよい。
【0062】
第2実施形態では、季節が冬季でない場合に限って、気温が低下している場合に暖かいメニューを提供する飲食施設を表示するので、乗員の好みにあった飲食施設を適切に認識させることができる。同様に、季節が夏季でない場合に限って、気温が上昇している場合に冷たいメニューを提供する飲食施設を表示するので、乗員の好みにあった飲食施設を適切に認識させることができる。
【0063】
[第3実施形態の説明]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態に係る飲食施設案内装置としてのナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、第3実施形態に係るナビゲーション装置200は、車両に搭載されるものであり、GPS受信部11と、入力操作部12と、表示部13と、制御部14、及びデータベース22を備えている。
【0064】
即ち、第3実施形態に係るナビゲーション装置200は、
図1に示したユーザ端末1とサーバ装置2が有する構成要素を全て備え、これらを車両に搭載している。各構成要素は、
図1に示した構成と同一であるので、同一符号を付して構成説明を省略する。
図9に示すナビゲーション装置200において、データベース22を外部の記憶装置とする場合は、情報記憶部に代えて、制御部14の機能として情報取得部を備える。
【0065】
そして、第3実施形態に係るナビゲーション装置200についても、前述した第1、第2実施形態と同様に、外気温センサ41で検出される外気温の変動に基づいて、外気温が上昇する傾向にある場合には冷たいメニューを提供する飲食施設を検索し、外気温が低下する傾向にある場合には暖かいメニューを提供する飲食施設を検索する。そして、検索した飲食施設を、例えば
図4に示したように地図画像上に表示する。
【0066】
従って、前述した第1実施形態、第2実施形態と同様に、気温の変動に応じた適切なメニューを提供する飲食施設を表示することができる。また、サーバ装置2との通信が不要となるので、車両内への設置を容易に行うことが可能となる。
【0067】
本発明の実施形態においては、外部情報取得部20が取得する外部情報を、外気温や季節としたが、これらに加えて風力や風向情報を取得し、外気温に対して体感温度を算出してもよい。この場合、検索処理部17は、外気温に代えて体感温度に基づいたメニューを検索する。
【0068】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0069】
1 ユーザ端末
2 サーバ装置
3 ネットワーク
11 GPS受信部
12 入力操作部
13 表示部
14 制御部
15 通信部
16 ナビゲーション処理部
17 検索処理部
18 入力操作受付部
19 表示制御部
20 外部情報取得部
21 通信部
22 データベース
41 外気温センサ
42 外部情報源
161 現在位置特定部
162 設定位置特定部
200 ナビゲーション装置
221 地図データベース
222 施設データベース
223 メニューデータベース