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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017215919
(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公開番号】P2019084161
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 昇平
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】竹内 賢一
(72)【発明者】
【氏名】谷川 義和
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好彦
(72)【発明者】
【氏名】和田 大亮
(72)【発明者】
【氏名】小島 尚之
(72)【発明者】
【氏名】山口 雄大
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 僚太
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋平
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-000167(JP,A)
【文献】特開2015-085023(JP,A)
【文献】特開2012-179089(JP,A)
【文献】特開2013-039213(JP,A)
【文献】特開2015-213566(JP,A)
【文献】特開2008-093347(JP,A)
【文献】特開2009-213572(JP,A)
【文献】特開2014-039614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と、
役の入賞判定をする入賞判定手段と、
複数の遊技状態の間での遊技状態の移行に係る制御を実行する遊技状態移行制御手段と、
遊技者にとって有利な特典を付与可能な特典制御手段と、を備え、
前記遊技状態移行制御手段は、
ボーナスが入賞した場合に遊技状態をボーナス状態に移行させてボーナス期間を開始し、
前記ボーナス状態の終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態から他の遊技状態に移行させて前記ボーナス期間を終了させ、
前記特典制御手段は、前記ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、前記ボーナス期間における進行度に基づき特典の内容を決定し、
前記特定の条件は、前記進行度によらずに設定される条件であり、
前記ボーナス期間は、前記進行度が第1進行度である第1の期間と、前記第1の期間より後の期間であり前記進行度が前記第1進行度より高い第2進行度である第2の期間と、を含み、
前記特典制御手段は、前記第1の期間において前記特定の条件が成立した場合に、前記第2の期間において前記特定の条件が成立した場合より特典の内容を遊技者にとって有利な内容に決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数のリールと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と、
役の入賞判定をする入賞判定手段と、
複数の遊技状態の間での遊技状態の移行に係る制御を実行する遊技状態移行制御手段と、
役の入賞補助する指示機能に関する特典を付与可能な特典制御手段と、を備え、
前記遊技状態移行制御手段は、
ボーナスが入賞した場合に遊技状態をボーナス状態に移行させてボーナス期間を開始し、
前記ボーナス状態の終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態から他の遊技状態に移行させて前記ボーナス期間を終了させ、
前記特典制御手段は、前記ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、前記ボーナス期間における進行度に基づき特典の内容を決定し、
前記ボーナス期間は、前記進行度が第1進行度である第1の期間と、前記第1の期間より後の期間であり前記進行度が前記第1進行度より高い第2進行度である第2の期間と、を含み、
前記特典制御手段は、前記第1の期間において前記特定の条件が成立した場合に、前記第2の期間において前記特定の条件が成立した場合より特典の内容を遊技者にとって有利な内容に決定する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する演出状態として、アシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)に移行することによって、役の入賞確率を変動させ、遊技媒体を獲得しやすくすることができる構成が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の遊技機においては、ボーナスの入賞が可能なボーナス期間中に特定の条件が成立した場合、具体的には、ボーナス期間中の内部抽選により特定の小役に特定回数当選した場合、ボーナス期間の終了後にAT状態へ移行する特典が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-39430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機においては、特定の条件を成立させた場合、ボーナス期間の終了後に得られる特典に差異が無いためボーナス期間中の遊技が単調になりやすく、遊技者の遊技に対する興趣を十分に向上させることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止して、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、数のリール(R1,R2,R3)と
役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
役の賞判する入賞判定手段(140)と
数の遊技状態の間での遊技状態の移行に係る制御を実行する遊技状態移行制御手段(170)と、
遊技者にとって有利な特典付与可能な特典制御手段(200B)と、を備え、
前記遊技状態移行制御手段は
ーナスが入賞した場合に遊技状態をボーナス状態に移行させてボーナス期間を開始し、
前記ボーナス状態の終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態から他の遊技状態に移行させて前記ボーナス期間を終了させ、
前記特典制御手段は、前記ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、前記ボーナス期間における進行度に基づき特典の内容を決定
前記特定の条件は、前記進行度によらずに設定される条件であり、
前記ボーナス期間は、前記進行度が第1進行度である第1の期間と、前記第1の期間より後の期間であり前記進行度が前記第1進行度より高い第2進行度である第2の期間と、を含み、
前記特典制御手段は、前記第1の期間において前記特定の条件が成立した場合に、前記第2の期間において前記特定の条件が成立した場合より特典の内容を遊技者にとって有利な内容に決定する、
ことを特徴とする。
【0010】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ボーナス期間における進行度に基づき遊技者にとって有利な有利処理の内容を決定するので、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止して、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の非RT状態~RT4状態における内部抽選テーブルを示す図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機のボーナス成立状態、RBB作動状態及びCBB作動状態における内部抽選テーブルを示す図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機の非ボーナス状態及びボーナス成立状態において当選可能なリプレイの当選態様を説明する図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機における有利期間制御手段が制御する非有利期間及び有利期間と、指示機能状態制御手段が制御する指示機能状態と、に係る遷移図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機におけるボーナス中上乗せ処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態の遊技機における上乗せ数決定処理を示すフローチャートである。
図10】(A)及び(B)は、本発明の実施形態の遊技機における上乗せ数決定処理実行抽選テーブルを示す図、(C)~(E)は、本発明の実施形態の遊技機における上乗せ数決定抽選テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0015】
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0016】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
【0017】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0018】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、いずれの遊技状態においても3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1と、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段及び第3リールR3の下段によって構成される有効ラインL2と、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段及び第3リールR3の上段によって構成される有効ラインL3と、が有効化される。
【0019】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1~有効ラインL3上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1~有効ラインL3上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払出し等が行われる。
【0020】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0021】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるか遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
【0022】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
【0023】
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0024】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0025】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0026】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
【0027】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0028】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0029】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。遊技制御手段10の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0030】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190、有利期間制御手段200A及び指示機能状態制御手段200Bを含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0031】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態のスロットマシン1では、収納箱BX内に収められた電源装置に設けられている設定変更スイッチ250を構成するキーシリンダに、設定キーが挿入されて時計回り(又は反時計回り)に設定キーが回された状態で、電源装置のスイッチが作動し電源装置に電力が供給されたことを設定の変更を許可する条件(設定変更許可条件)としている。設定変更手段100は、設定変更許可条件が成立している場合に、スロットマシン1を設定の変更を許可する状態(設定変更許可状態)に制御する。
【0032】
設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートスイッチ230の作動が設定を確定させる条件とされており、スタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。
【0033】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0034】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0035】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0036】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0037】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
【0038】
有利中CBB状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がCBB作動状態、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「7」であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御のうち入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)が実行されない状態である。有利中CBB状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がCBB作動状態からRT4状態に移行されるまで、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「7」から遊技状態種別値「4」に更新されるまで有利中CBB状態を継続し、遊技状態がRT4状態に移行された場合に、有利中CBB状態を終了し、内部抽選で当選エリア「CBB」に当選した遊技において制御していた指示機能状態を再開する。
【0039】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味し、ボーナス期間とは、ボーナスが作動を開始してから作動を終了するまでの期間を意味する。
【0040】
図3図4は、各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルFを示す図である。図3図4に示すように、ボーナスに当選していないかつボーナスが作動していない遊技状態である非ボーナス状態と、ボーナスに当選している遊技状態であるボーナス成立状態と、である場合に選択される内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDは、小役を含む当選エリアの当選確率が同一に設定されており、小役のみを含む当選エリアとして、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」と、当選エリア「ベル」と、当選エリア「レア役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。
【0041】
本実施形態のスロットマシン1では、非ボーナス状態及びボーナス成立状態において入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、1枚役1~1枚役4、ベル及びレア役が用意されている。
【0042】
当選エリア「1枚役1」は、1枚役1に当選する当選エリアであり、当選エリア「1枚役2」は、1枚役2に当選する当選エリアであり、当選エリア「1枚役3」は、1枚役3に当選する当選エリアであり、当選エリア「1枚役4」は、1枚役4に当選する当選エリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に当選している1枚役1~1枚役4を入賞可能に構成されており、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが当選している1枚役1~1枚役4を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示される。
【0043】
当選エリア「ベル」は、ベルに当選する当選エリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作する順序及び押下タイミングによらずベルが入賞可能に構成されている。当選エリア「レア役」は、レア役に当選する当選エリアであり、ストップボタンB2の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB2の押下タイミングがレア役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せと、1枚役1~1枚役4を入賞させることができなかった場合に表示される特定の図柄組合せ(取りこぼし目)とは異なる図柄組合せ(レア役取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示される。また、当選エリア「レア役」は、遊技状態が非ボーナス状態及びボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDにおいて、他の小役を含む当選エリアよりも当選する確率が低くなるように構成されている。
【0044】
ベルの配当は、規定投入数よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定されている。レア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば2枚)に設定されている。1枚役1~1枚役4の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1においては、ベルが入賞する場合、有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上にベルの入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」とも記載)が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数が3枚である場合、当該規定投入数における最大払出数が10枚に設定されており、有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に配当が10枚に設定されたベルが入賞した際に、10枚の払出しがなされるように構成されている。
【0045】
また、後述する、リール制御手段130は、小役を含む当選エリアに内部抽選手段120による内部抽選で当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されストップスイッチ240が検出した打順がいずれの打順であった場合にも、いずれも配当が同一の小役を表示可能となるようにリール停止制御を実行するように構成されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、小役を含む当選エリアに当選した際に、打順によって配当が異なる小役を入賞可能となることがないように構成されており、後述する指示機能状態制御手段200Bによる入賞補助制御、つまり指示によって得られる払出数が異なる小役を含む当選エリアを有しない構成となっている。
【0046】
また、非ボーナス状態において選択される内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCでは、本実施形態においてボーナスとして用意されている第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)と、第2種特別役物に係る役物連続作動装置としてのチャレンジビッグボーナス(以下、チャレンジビッグボーナスを「CBB」とも記載)と、のうち、RBBのみに当選する当選エリアである当選エリア「RBB」と、CBBのみに当選する当選エリアである当選エリア「CBB」と、が抽選対象として設定されている。一方、RBB,CBBに当選した場合に移行する遊技状態であるボーナス成立状態において選択される内部抽選テーブルDでは、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCにおいて当選エリア「RBB」と当選エリア「CBB」とに対応付けられていた乱数がハズレ(不当選)に対応付けられている。そして、遊技状態が、ボーナスが作動しているボーナス状態のうちRBBが作動した状態であるRBB作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルEは、小役を含む当選エリアとして、非ボーナス状態で当選可能な小役のすべてを含む当選エリア「JAC」と、当選エリア「レア役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられ、遊技状態がボーナス状態のうちCBBが作動した状態であるCBB作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルFは、ハズレ(不当選)に乱数が対応付けられている。
【0047】
本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「JAC」に当選した場合、リール制御手段130によるリール停止制御において、入賞時の払出数が最も多いベルが他の役に優先して入賞するように第1リールR1~第3リールR3を制御する。これにより、当選エリア「JAC」に当選した場合には、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作の順序及び押下タイミングによらずベルが入賞する。
【0048】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図3図4に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
【0049】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1~打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。
【0050】
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0051】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が最初に有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第1停止操作とも記載し、第1リールR1~第3リールR3のうち、第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応した1つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第2停止操作とも記載し、第1リールR1~第3リールR3のうち第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールと第2停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールとの2つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第3停止操作とも記載する。
【0052】
図5は、リプレイを含む当選エリアの詳細について示す図である。図3図5に示すように、当選エリア「通常リプレイ」は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「レアリプレイ」は、内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、レアリプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レアリプレイ」は、各内部抽選テーブルにおいて当選可能なリプレイを含む当選エリアのいずれの当選エリアよりも当選確率が低くなるように設定されている。
【0053】
当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」は、それぞれ本実施形態のスロットマシン1に設定された遊技状態であるリプレイタイム1状態(RT1状態、以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)からRT2状態、RT3状態への遊技状態の移行に係る図柄組合せであるRT2移行リプレイ及びRT3移行リプレイに重複して当選する当選エリアであり、図5に示す打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、打順に対応する役(RT2移行リプレイ又はRT3移行リプレイ)が入賞する。
【0054】
当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」は、それぞれ重複当選する役が異なる当選態様となるように、入賞図柄組合せが他のリプレイとは異なる特殊リプレイ1~特殊リプレイ5といったリプレイと図5に示す組合せで重複当選又は特殊リプレイ1~特殊リプレイ5を含まないように構成されている。なお、後述するリール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で特殊リプレイ1~特殊リプレイ5を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3がいずれの打順及び押下タイミングで押下操作された場合にも、特殊リプレイ1~特殊リプレイ5の入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されている。
【0055】
本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191に記憶されている設定値に応じて、当選エリア「CBB」の当選確率が変更されるように構成されており、当選エリア「RBB」と、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」と、当選エリア「ベル」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「レアリプレイ」と、は設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率に変化が生じないように構成されている。
【0056】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0057】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0058】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBB,CBBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBB,CBBのいずれかを含む当選エリアに当選すると、当選したRBB又はCBBの抽選フラグの成立状態を、RBB又はCBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBB,CBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBB,CBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBB又はCBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0059】
なお、本実施形態の内部抽選手段120は、CBBが作動した場合、内部抽選の結果によらずすべての小役の抽選フラグを成立状態にセットする。つまり、スロットマシン1では、CBBが作動している遊技において、ベル、1枚役1~1枚役4及びレア役のすべての小役の抽選フラグが成立状態にセットされる。ここで、スロットマシン1では、CBBが作動している遊技において、リール制御手段130によるリール停止制御によってベルの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されるように、回転している第1リールR1~第3リールR3が停止する。
【0060】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
【0061】
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1~ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0062】
このため、スロットマシン1では、上述したベル、各リプレイのようなストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な役の入賞図柄組合せを構成する図柄が、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれにおいて、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに表示可能な範囲内に配列されている。特に、特殊ベルの入賞図柄組合せのうち、第3リールR3に表示可能な図柄については、第3リールR3の滑りコマ数が最大1コマとなるCBB作動時(後述)である場合にもストップボタンB3の押下タイミングによらず表示可能となるように配列されている。
【0063】
本実施形態では、第1リールR1~第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」及びブランク図柄「BK」が配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されており、それぞれ停止番号0番~停止番号19番のいずれかの停止番号が割り当てられている。
【0064】
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
【0065】
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
【0066】
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ~4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
【0067】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態が非ボーナス状態、ボーナス成立状態、RBB作動状態である場合、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1において、CBB作動中であるCBB作動状態である場合には、「小役>リプレイ>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、CBB作動中である場合におけるリール停止制御の実行時において、小役とリプレイ又はボーナスとに重複して当選した場合に、リプレイ及びボーナスに優先して小役の入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止する。
【0068】
ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
【0069】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0070】
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0071】
ここで、本実施形態のスロットマシン1においては、CBBが入賞しCBBが作動した場合、チャレンジボーナス(CB)の入賞図柄組合せの表示によらずに第2種特別役物としてのCBが連続で作動するように構成されている。このため、リール制御手段130は、CBBが入賞しCBBが作動した場合、第1リールR1~第3リールR3のうち第3リールR3について、ストップボタンB3が押下された時点から75ms以内に回転中の第3リールR3を停止するようにリールの停止制御を実行する。ストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で1コマ分回転可能に構成されている。
【0072】
なお、リール制御手段130は、CBB作動中におけるリールの停止制御において、第1リールR1~第3リールR3のうち、予め定められた少なくとも1つのリールをストップボタンが押下された時点から75ms以内に停止するようにリール停止制御を実行すればよく、本実施形態においては、ストップボタンB3が押下操作されたことでストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を検出した時点から75ms以内に第3リールR3を停止するようにリールの停止制御を実行するが、第1リールR1や第2リールR2といった他のリールに対応するストップボタンが押下操作されたことをストップスイッチ240が検出し、リール停止信号がストップスイッチ240から出力された時点から75ms以内にリールを停止するようにリールの停止制御を実行するように構成されていてもよく、ストップスイッチ240からリール停止信号が出力された時点から75ms以内にリールを停止するように設定されるリールの本数は、1本ではなく複数本であってもよい。
【0073】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止して、第3停止操作が行われたストップスイッチ240がOFF動作をした時点で有効ラインL1~有効ラインL3の上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1~有効ラインL3の上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
【0074】
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0075】
ベルの入賞図柄組合せは、「BL-BL-BL」となっている。第1リールR1~第3リールR3の外周面には、4コマ以内の間隔でベル図柄「BL」が配列されている。このため、スロットマシン1では、当選エリア「ベル」又は当選エリア「JAC」に当選した場合、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず、ベルの入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示し、ベルが必ず入賞するように構成されている。
【0076】
レア役の入賞図柄組合せは、「WM-WM-WM」となっている。第1リールR1~第3リールR3の少なくとも1つの外周面には、スイカ図柄「WM」以外の図柄が5コマ以上連続する配列を少なくとも一部に有するように図柄が配列されている。このため、スロットマシン1では、当選エリア「レア役」に当選した場合であっても、レア役を入賞可能な押下タイミング以外の押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されると、いずれの役の入賞図柄組合せを構成する図柄も有効ラインL1~有効ラインL3の上に表示されない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0077】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、上述した通り、規定投入数よりも多い払出数に設定されているベルの配当は、10枚に定められている。また、規定投入数よりも少ない払出数に設定されているレア役の配当は、2枚に定められており、1枚役1~1枚役4の配当は、いずれも1枚に定められている。
【0078】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0079】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ライン(本実施形態においては有効ラインL1~有効ラインL3)を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0080】
遊技状態移行制御手段170は、非ボーナス状態である各状態(非RT状態~RT4状態)の間で移行させる制御処理及びRBB又はCBBが当選した場合に現在の遊技状態からボーナス成立状態に移行させる制御処理と、RBB又はCBBが入賞した場合に現在の遊技状態からRBB作動状態又はCBB作動状態に移行させる制御処理と、の遊技状態の移行に係る制御と、RBB又はCBBが入賞した場合に、入賞したRBB又はCBBを作動させ、作動させたRBB又はCBBの終了条件が成立した場合に作動させていたRBB又はCBBを終了させるボーナスの作動に係る制御と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0081】
図6を参照して、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御について説明する。図6は、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。本実施形態のスロットマシン1においては、現在の遊技状態がいずれの遊技状態であるかを管理するために、遊技状態移行制御手段170による制御の実行時に参照されるデータを記憶する遊技状態制御データ記憶手段198に含まれる記憶手段であり、遊技状態移行制御手段170が設定する遊技状態の種別を管理する遊技状態種別記憶手段198b(図2参照)に、現在の遊技状態に対応する値が記憶される構成となっている。
【0082】
図6に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、遊技状態種別記憶手段198bに記憶されている遊技状態種別の値(遊技状態種別値)が遊技状態種別値「0」に設定されており、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。
【0083】
具体的には、非RT状態において、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」のいずれかに当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が1枚役1~1枚役4を入賞させることができない押下タイミングで押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示された場合に、RT1状態に移行する。
【0084】
非RT状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されることで、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
【0085】
RT1状態は、非RT状態又は後述するRT4状態においてリール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、遊技状態種別記憶手段198bに記憶されている遊技状態種別値が遊技状態種別値「1」に設定されており、RT1状態からはRT2状態、RT3状態への移行が可能となっている。
【0086】
具体的には、RT1状態において、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順(図5参照)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示された場合に、RT2状態に移行し、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT3移行リプレイを入賞可能な打順(図5参照)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示された場合に、RT3状態に移行する。
【0087】
RT1状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されることで、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
【0088】
RT2状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、遊技状態種別記憶手段198bに記憶されている遊技状態種別値が遊技状態種別値「2」に設定されており、RT2状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170によって、予め定められた所定の遊技回数に対応する値(本実施形態では21ゲーム)が遊技状態制御データ記憶手段198の遊技状態終了判定カウンタ198aにセットされ、1回の遊技が行われるごとに、遊技状態終了判定カウンタ198aの記憶する値(以下、各カウンタの記憶する値を「記憶値」とも記載)から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、「1」)を減算するデクリメント更新が行われる。
【0089】
RT2状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態において、21ゲームの遊技が実行され遊技状態終了判定カウンタ198aに記憶されている値が0になった場合に非RT状態に移行する。RT2状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
【0090】
RT3状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT3移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、遊技状態種別記憶手段198bに記憶されている遊技状態種別値が遊技状態種別値「3」に設定されており、RT3状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170によって、予め定められた所定の遊技回数に対応する値(本実施形態では128ゲーム)が遊技状態終了判定カウンタ198aにセットされ、1回の遊技が行われるごとに、遊技状態終了判定カウンタ198aの記憶値から1回分の遊技に相当する一定値(例えば、「1」)を減算するデクリメント更新が行われる。
【0091】
RT3状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において、128ゲームの遊技が実行され遊技状態終了判定カウンタ198aに記憶されている値が0になった場合に非RT状態に移行する。RT3状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
【0092】
RT4状態は、ボーナス状態が終了したことを契機として移行する遊技状態であり、遊技状態種別記憶手段198bに記憶されている遊技状態種別値が遊技状態種別値「4」に設定されており、RT4状態からはRT1状態への移行が可能となっている。
【0093】
具体的には、RT4状態において、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」のいずれかに当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3が1枚役1~1枚役4を入賞させることができない押下タイミングで押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示された場合に、RT1状態に移行する。RT4状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
【0094】
本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態~RT4状態の間で遊技状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1は、通常の遊技が実行されるRT3状態及びRT4状態において、小役、リプレイ、ボーナスのいずれかに当選するか又はいずれの役にも当選しない不当選(ハズレ)となる構成となっている。
【0095】
また、リプレイに当選する確率が約1/1.5と高確率に設定されている非RT状態、RT1状態、RT2状態においては、リプレイを含む当選エリアに当選する確率が高くなっており、後述する有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、指示機能状態制御手段200Bによって特定役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)が開始されることで、AT状態における遊技が他の遊技状態よりもリプレイに高確率で当選する非RT状態、RT1状態、RT2状態で実行される、いわゆるアシストリプレイタイム遊技(以下、アシストリプレイタイムを「ART」とも記載)を実行することができる構成となっている。
【0096】
AT状態が開始された場合、スロットマシン1では、非RT状態からRT1状態に遊技状態が移行され、RT2移行リプレイの入賞を補助する入賞補助制御が実行されることでRT1状態からRT2状態に移行され、RT2状態から非RT状態に移行されることで、それぞれリプレイに当選する確率が高い非RT状態、RT1状態、RT2状態の間で遊技状態が循環するように構成されている。一方、AT状態が開始されていない場合、スロットマシン1では、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時に入賞補助制御が実行されないことで、RT1状態からRT3状態に移行される確率が高くなり、リプレイの当選確率が低いRT3状態での遊技が実行されやすくなるように構成されている。
【0097】
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御のうちボーナス成立状態への移行に係る処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、内部抽選でボーナスを含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を現在の遊技状態からボーナス成立状態へ移行させるボーナス成立状態移行制御処理を実行する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、例えば非RT状態での内部抽選において当選エリア「RBB」や当選エリア「CBB」等のボーナスを含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を非RT状態からボーナス成立状態に移行させる。
【0098】
また、スロットマシン1では、ボーナスを含む当選エリアに当選し、かつ当選したボーナスが入賞しなかった場合、上述したように、当選したボーナスの抽選フラグが成立状態で維持される。スロットマシン1は、ボーナスが入賞するまでの以降の遊技において、ボーナスの抽選フラグが成立状態で持ち越されているボーナス成立状態での遊技が実行される。ボーナス成立状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
【0099】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選で小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている非RT状態、RT1状態、RT2状態よりもリプレイの当選確率が低い内部抽選テーブルを用いて内部抽選が実行されるように構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で小役又はリプレイに当選した場合に、ボーナスの抽選フラグが成立状態で持ち越されていることから、小役とボーナス又はリプレイとボーナスが重複して当選した状態となる。また、上述した通り、スロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが適切である場合に入賞する1枚役1~1枚役4の当選時において、当選した1枚役1~1枚役4を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示され、レア役の当選時において、レア役を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0100】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態のリプレイの当選確率を非RT状態、RT1状態、RT2状態におけるリプレイの当選確率よりも低くなるように設定し、内部抽選でハズレ(不当選)となり得るように構成することで、ボーナスに単独で当選した状態が発生し得るように構成されている。これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選でハズレ(不当選)となった際に、抽選フラグが成立状態にセットされ続けているボーナスを入賞させることができるようになる。
【0101】
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御のうちボーナス状態への移行に係る処理と、遊技状態移行制御手段170が実行するボーナスの作動に係る制御と、について説明する。遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりRBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、詳細は後述する入賞判定手段140による入賞判定処理によってRBBが入賞したと判定された場合に、RBBを作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態からRBB作動状態へ移行させてRBB作動状態が継続するボーナス期間を開始する。また、遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりCBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示され、詳細は後述する入賞判定手段140による入賞判定処理によってCBBが入賞したと判定された場合に、CBBを作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態からCBB作動状態へ移行させてCBB作動状態が継続するボーナス期間を開始する。
【0102】
RBB作動状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態制御データ記憶手段198の有するカウンタであるボーナス終了判定カウンタ198c(終了情報記憶手段)により、ボーナス期間を管理する処理を開始する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態が継続するボーナス期間の開始に伴い、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値(終了情報)に予め定められた所定の値(本実施形態では値「350」)をセットし、RBB作動状態において払出されたメダルの枚数に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値から減算する処理を開始する。本実施形態のRBB作動状態は、第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスを「RB」と記載)の入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するように構成されている。
【0103】
RBB作動状態からは、RT4状態への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態において、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値が値「0」以下となった場合、即ちRBB作動状態が継続するボーナス期間が開始されてから払出されたメダルの合計枚数が値「349」を超えた場合に、ボーナス状態の終了条件が成立したと判定してRBB作動状態が継続するボーナス期間を終了するとともに、遊技状態をRT4状態に移行する。
【0104】
なお、RBB作動状態が継続するボーナス期間が開始される際にボーナス終了判定カウンタ198cにセットされる所定の値は、RBB作動状態における1回の遊技で獲得可能なメダルの枚数の最大値より大きな値が定められており、RBB作動状態は、少なくとも複数回の遊技が実行される間、継続するように構成されている。また、メダルの払出し枚数は負数となることが無いので、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス期間が開始されて所定の値がセットされてからボーナス期間が終了するまで、ボーナス期間の終了が決定される値である値「0」に近づくように、遊技が実行されるごとにボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を更新する。このため、RBB作動状態が継続するボーナス期間が開始されてから払出されたメダルの合計枚数に基づくボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値は、RBB作動状態が継続するボーナス期間における進行度を表しているといえる。RBB作動状態では、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
【0105】
CBB作動状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス終了判定カウンタ198cにより、ボーナス期間を管理する処理を開始する。遊技状態移行制御手段170は、CBB作動状態が継続するボーナス期間の開始に伴い、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値に予め定められた所定の値(本実施形態では値「70」)をセットし、RBB作動状態において払出されたメダルの枚数に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値から減算する処理を開始する。本実施形態のCBB作動状態は、第2種特別役物としてのチャレンジボーナス(以下、チャレンジボーナスを「CB」と記載)の入賞図柄組合せの表示によらずにCBが連続で作動するように構成されている。CBB作動状態からは、RT4状態への移行が可能となっている。具体的には、CBB作動状態において、69枚を超えるメダルの払出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値が値「0」以下となった場合、即ちCBB作動状態が継続するボーナス期間が開始されてから払出されたメダルの合計枚数が値「69」を超えた場合に、ボーナス状態の終了条件が成立したと判定してCBB作動状態が継続するボーナス期間を終了するとともに、遊技状態をRT4状態に移行する。CBB作動状態では、内部抽選の結果がハズレ(不当選)となるように設定された内部抽選テーブルFを参照した内部抽選が行われる。
【0106】
なお、本実施形態の内部抽選手段120は、上述した通り、遊技状態がCBB作動状態である場合、CBの入賞図柄組合せの表示によらずCBが連続して作動するように構成されていることから、内部抽選の結果によらずすべての小役の抽選フラグを成立状態にセットする。また、リール制御手段130は、リール停止制御において、配当が多い小役、つまりベルを入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求め、ベルの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されるように回転している第1リールR1~第3リールR3を停止する。
【0107】
演出制御手段180は、演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0108】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を、演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段197に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0109】
有利期間制御手段200Aは、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。有利期間制御手段200Aは、有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御として、非有利期間内における遊技において、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態~RT4状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリアのうち、当選エリア「RBB」に当選した場合と、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」のいずれかに当選した場合と、に、非有利期間を終了し有利期間を開始することを決定する。
【0110】
有利期間制御手段200Aは、記憶手段190の有利期間制御データ記憶手段201に記憶されているデータを参照し、有利期間に係る制御を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間制御手段200Aによる有利期間を開始している場合、有利期間を終了する条件が成立した際に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間内において設定した各種フラグ、数値等を初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを点灯させ、非有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを消灯させる。
【0111】
また、有利期間制御手段200Aは、設定値記憶手段191に記憶される設定値によって内部抽選における当選確率が変更される当選エリアの当選時において、有利期間の開始及び終了に係る処理の実行を規制するとともに、後述する指示機能状態制御手段200Bによる指示機能処理の実行を規制するように構成されている。有利期間制御手段200Aは、設定値記憶手段191に記憶される設定値によって内部抽選における当選確率が変更される当選エリアの当選時に各種処理を規制することにより、スロットマシン1は、設定値記憶手段191に記憶される設定値によって遊技性に著しい差が生じてしまい、過度な射幸性が生まれてしまうことを防ぐことができる。
【0112】
指示機能状態制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に、特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理である指示機能作動処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む指示機能に係る状態である複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理等の指示機能作動処理以外の処理(指示機能処理)と、を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1~ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
【0113】
ここで、入賞補助制御の対象になる当選エリアは、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」が含まれる。また、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役は、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時のRT2移行リプレイである。
【0114】
また、指示機能状態制御手段200BによってAT状態が実行されている場合、演出制御手段180は、内部抽選手段120から送信される当選コマンドに基づき、特定役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行する。例えば、演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」に当選したことを示す当選コマンドが内部抽選手段120から送信された場合、RT2移行リプレイを入賞させることができる正解打順を演出装置300によって報知する入賞補助演出を実行する。
【0115】
図7は、本実施形態の有利期間制御手段200Aによって制御される期間と、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。なお、図7に示す指示機能に係る制御とは、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づき実行される指示機能に係る制御の有無を示している。
【0116】
図7に示すように、非有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御を含むすべての指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、非有利期間における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「RBB」又は当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」に当選するまで非有利期間を継続する。有利期間制御手段200Aは、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選し、かつ当選した遊技でRBBが入賞しなかった場合には、非有利期間を終了し次ゲームから待機期間(待機区間)を開始し、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選し、かつ当選した遊技でRBBが入賞した場合と、内部抽選で当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」に当選した場合と、には、非有利期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。
【0117】
待機期間は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がボーナス成立状態であり、かつ有利期間の開始が決定されている場合に開始される期間であり、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御を含むすべての指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、待機期間における遊技において、RBBが入賞するまで待機期間を継続し、RBBが入賞した場合に待機期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。
【0118】
有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な期間である。有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技から、有利期間制御データ記憶手段201に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値を記憶する有利期間終了判定カウンタ201aに、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」を加算し、有利期間終了判定カウンタ201aの記憶値を累積的にインクリメント更新する更新処理を実行し、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利期間終了判定カウンタの記憶値が値「1500」になった場合に、有利期間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する有利期間終了処理を実行する。有利期間制御手段200Aは、有利期間終了処理において、有利期間においてON状態にセットした各フラグや有利期間において設定した値等の有利期間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。
【0119】
このように、本実施形態のスロットマシン1において、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した状態で所定の期間としての1500ゲームが経過した場合に、指示機能状態制御手段200Bによって実行される制御によらず有利期間を終了するように構成されている。
【0120】
有利期間制御手段200Aは、有利期間中にRBB又はCBBに当選した場合に、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能に係る制御のうち入賞補助制御以外の制御を中止させる。有利期間制御手段200Aは、有利期間中にRBBが入賞した場合には、遊技状態がRBB作動状態に移行した遊技から指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御のうちRBBに当選したことに基づき中止した入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)を再び実行可能にし、有利期間中にCBBが入賞した場合には、遊技状態がCBB作動状態からRT4状態に移行した遊技から指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御のうちCBBに当選したことに基づき中止した入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)を再び実行可能にする。
【0121】
上述した通り、本実施形態のスロットマシン1においては、当選エリア「RBB」が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態~RT4状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリアとして設定され、当選エリア「CBB」が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって当選確率が変動する当選エリアとして設定されている。このため、指示機能状態制御手段200Bは、有利期間中におけるRBB作動状態が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって当選確率が変動しないボーナスの作動に基づき開始される状態であることから、有利期間中におけるRBB作動状態において指示機能に係る制御を実行可能に構成され、有利期間中におけるCBB作動状態が、設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって当選確率が変動するボーナスの作動に基づき開始される状態であることから、有利期間中におけるCBB作動状態において指示機能に係る制御を実行しないように構成されている。
【0122】
なお、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、遊技状態が非ボーナス状態である場合の他に、ボーナス成立状態、RBB作動状態及びCBB作動状態のいずれの遊技状態である場合にも、遊技状態が非ボーナス状態である場合と同様に、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ有利期間終了判定カウンタ201aの記憶値を累積的に加算(更新)する更新処理を実行する。
【0123】
次に、指示機能状態制御手段200Bによって制御される指示機能状態について説明する。図7に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始された際における指示機能に係る状態(指示機能状態)として、チャンスゾーン状態(CZ状態)、AT状態、ボーナス待機状態、有利中RBB状態、上乗せ特化状態及び有利中CBB状態を有している。
【0124】
CZ状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRT3状態以外である状態で、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」のいずれかに当選することで、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始された場合と、有利期間を終了することなくAT状態が終了した場合と、に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態である。
【0125】
CZ状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態がRT1状態からRT2状態に移行、つまり内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、ストップボタンB1~ストップボタンB3がRT2移行リプレイを入賞可能な打順で押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によってRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されることで、遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「1」から遊技状態種別値「2」に更新された場合に、指示機能状態をAT状態に移行するように構成されており、非有利期間よりもAT状態に移行しやすい遊技者にとって有利な状態となっている。
【0126】
指示機能状態制御手段200Bは、CZ状態における次ゲームの遊技状態がRT3状態である場合にCZ状態を終了する。具体的には、指示機能状態制御手段200Bは、次ゲームの開始時における遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「3」である場合にCZ状態を終了する。CZ状態が終了することに基づき、有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了し有利期間終了処理を実行した後に非有利期間を開始する。
【0127】
AT状態は、CZ状態において遊技状態がRT2状態に移行した場合と、有利期間中におけるRBBが作動した状態である有利中RBB状態又は上乗せ特化状態(いずれも後述)が終了した場合と、に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な状態である。
【0128】
AT状態を開始する際において、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御手段200Bによる制御の実行時に参照されるデータを記憶する指示機能状態制御データ記憶手段202に含まれるカウンタであり、AT状態における入賞補助制御の実行回数を管理するカウンタである入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が初期値である値「0」である場合に、AT状態の開始に伴い予め定められた値(例えば値「3」)をセットする。一方、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が初期値とは異なる値である場合には、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態の開始に伴い入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を変更することなくAT状態を開始する。
【0129】
指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「0」となった場合に、AT状態からCZ状態に指示機能状態を移行する。また、指示機能状態制御手段200Bは、次ゲームの遊技状態がRT3状態である場合にAT状態を終了する。次ゲームの遊技状態がRT3状態であることに基づきAT状態が終了する場合、有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了し有利期間終了処理を実行した後に非有利期間を開始する。
【0130】
AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時に、入賞補助制御を実行可能に構成されている。上述した通り、スロットマシン1では、入賞補助制御が実行されることで、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時にはRT2移行リプレイの入賞する確率が上がるように構成されている。これにより、本実施形態のスロットマシン1では、有利期間においてAT状態が開始され有利期間で実行された遊技回数が1500ゲーム以下である場合、非RT状態、RT1状態、RT2状態の間で遊技状態が循環する遊技を実現可能となっている。
【0131】
AT状態において、指示機能状態制御手段200Bは、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時にRT2移行リプレイの入賞補助制御を実行し、遊技状態がRT2状態に移行した場合、RT2状態から非RT状態に移行し、その後非RT状態からRT1状態に移行した際に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値から1回の入賞補助制御の実行に相当する値「1」を減算する。
【0132】
上述した通り、本実施形態の遊技状態移行制御手段170は、非ボーナス状態においてRBB又はCBBに当選し、当選したRBB又はCBBが作動するボーナス状態に遊技状態を移行した場合、ボーナス状態の終了後の遊技状態として、RT4状態に遊技状態を移行するように構成されている。つまり、遊技状態移行制御手段170は、RT2状態においてRBB又はCBBに当選した場合、本来であれば21ゲーム継続するはずであったリプレイに高確率で当選するRT2状態を21ゲーム消化することなくRBB又はCBBに当選した時点で終了し、ボーナス状態の終了後、当選エリア「1枚役1」~当選エリア「1枚役4」に当選し、リール制御手段130によるリール停止制御によって小役、リプレイ及びボーナスの入賞図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せ(取りこぼし目)が有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示されるまで継続するリプレイの当選確率が低いRT4状態に遊技状態を移行するように構成されている。
【0133】
また、本実施形態のスロットマシン1では、次ゲームの遊技状態がRT3状態に設定されてしまった場合に、有利期間が終了するように構成されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1では、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「0」となり指示機能状態がCZ状態に移行してしまった場合、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時に5/6の確率で入賞するRT3移行リプレイの入賞により有利期間が終了するように構成されている。
【0134】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「1」以上である場合には、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時におけるRT2移行リプレイの入賞補助制御の実行が保障され、有利期間の維持が保障されるように構成されている。ここで、仮に、RT2移行リプレイの入賞補助制御の実行時に入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が減算される構成であると、スロットマシン1は、RT2状態中におけるボーナスの当選によりRT2状態での遊技が十分に実行されなかった場合に、RT2状態で本来受けることができた利益を遊技者が獲得できなくなってしまい、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞がある。
【0135】
しかしながら、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時にRT2移行リプレイの入賞補助制御を実行し、遊技状態がRT2状態に移行した場合、RT2状態から非RT状態に移行し、その後非RT状態からRT1状態に移行した際に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値から1回の入賞補助制御の実行に相当する値「1」を減算することで、RT2状態がボーナスの当選により途中で終了してしまった際には、非RT状態からではなくRT4状態からRT1状態に移行するため、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が減算されることがなく、RT2状態から非RT状態に移行した場合、つまりRT2状態で本来受けることができた利益を遊技者が獲得した際に入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が減算されるため、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0136】
なお、本実施形態の有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した状態で遊技状態がRT1状態からRT3状態に移行した場合に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「1」以上、つまり指示機能状態制御手段200Bによって指示機能状態がAT状態に制御されている場合であっても、有利期間を終了するように構成されている。
【0137】
次に、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、かつ指示機能状態制御手段200BによってCZ状態、AT状態の複数の指示機能状態のいずれかが実行されている状態における遊技で、RBB又はCBBに当選した場合に移行する指示機能状態であるボーナス待機状態と、当選したRBBが作動した場合に移行する有利中RBB状態と、CBBが作動した場合に移行する有利中CBB状態と、について説明する。
【0138】
ボーナス待機状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がボーナス成立状態、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「5」であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御のうち入賞補助制御以外の制御(指示機能処理)が実行されない状態である。指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス待機状態における遊技において、RBB又はCBBが入賞するまでボーナス待機状態を継続し、RBBが入賞した場合には、ボーナス待機状態を終了し次ゲームから有利中RBB状態を開始し、CBBが入賞した場合には、ボーナス待機状態を終了し次ゲームから有利中CBB状態を開始する。
【0139】
有利中RBB状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB作動状態、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「6」であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御が実行可能な状態である。有利中RBB状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がRBB作動状態からRT4状態に移行されるまで、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「6」から遊技状態種別値「4」に更新されるまで有利中RBB状態を継続し、遊技状態がRT4状態に移行された場合に、有利中RBB状態を終了し、指示機能状態をAT状態に移行する。
【0140】
また、有利中RBB状態において、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、指示機能状態を上乗せ特化状態に移行するか否かを決定する抽選である上乗せ特化移行抽選を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化移行抽選において「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合、次ゲームにおいても遊技状態がRBB作動状態である場合に、次ゲームから上乗せ特化状態での遊技を開始する。また、演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bによる上乗せ特化移行抽選において「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合に、次ゲームより上乗せ特化状態が開始されることを遊技者に報知する。
【0141】
また、指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」に当選し、かつリール制御手段130によるリール停止制御によってレア役の入賞図柄組合せが有効ラインL1~有効ラインL3のいずれかの上に表示された場合に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算(上乗せ)する値を決定する抽選である入賞補助制御回数上乗せ抽選を実行し、入賞補助制御回数上乗せ抽選で決定した値「0」~値「3」のいずれかを入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する。
【0142】
上乗せ特化状態は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB作動状態、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「6」であり、かつ有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に開始されており、かつ指示機能状態制御手段200Bによる上乗せ特化移行抽選において「上乗せ特化状態への移行」に当選した場合に開始される指示機能状態であり、指示機能状態制御手段200Bによる内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御が実行可能な状態である。上乗せ特化状態において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態がRBB作動状態からRT4状態に移行されるまで、つまり遊技状態種別記憶手段198bに記憶される遊技状態種別値が遊技状態種別値「6」から遊技状態種別値「4」に更新されるまで上乗せ特化状態を継続し、遊技状態がRT4状態に移行された場合に、上乗せ特化状態を終了し、指示機能状態をAT状態に移行する。
【0143】
上乗せ特化状態において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化状態が開始された最初の遊技の実行時に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算(上乗せ)する値(以下、「入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する値」を「上乗せ数」とも記載)を決定する抽選である入賞補助制御回数上乗せ抽選を実行し、入賞補助制御回数上乗せ抽選で決定した値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する。このため、上乗せ特化状態は、他の指示機能状態と異なり確実に入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を加算(上乗せ)する処理が実行される、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値への上乗せに特化した状態となっており、遊技者にとって有利な特典として機能する指示機能状態となっている。
【0144】
なお、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ特化状態が開始された最初の遊技の実行時に入賞補助制御回数上乗せ抽選を実行する構成に限らず、例えば、入賞補助制御回数上乗せ抽選の実行頻度については他の指示機能状態と略同一であるものの、1回の入賞補助制御回数上乗せ抽選で決定される上乗せ数の期待値が他の指示機能状態よりも大きい等、他の指示機能状態よりも入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値への上乗せに特化した状態として構成されていれば、本実施形態に限定されない。
【0145】
指示機能状態のいずれかを実行している状態における遊技での内部抽選で当選エリア「RBB」又は当選エリア「CBB」に当選した場合、指示機能状態制御手段200Bは、実行中であった指示機能状態についての情報を記憶し、指示機能状態をボーナス待機状態に移行した後に、実行中であった指示機能状態を中断する。指示機能状態についての情報には、例えば、AT状態の実行中における内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した場合であれば、入賞補助制御回数カウンタ202aの現在の記憶値が含まれる。
【0146】
2.RBB作動状態におけるボーナス中上乗せ処理
次に、本実施形態に係るスロットマシン1が実行する、RBB作動状態における演出や、RBB作動状態における演出と連動するボーナス中上乗せ処理について説明する。本実施形態の演出制御手段180は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態がRBB作動状態に移行してRBB作動状態が継続するボーナス期間が開始されると、表示装置330に表示させた味方キャラクタと敵キャラクタとを対戦させる対戦演出を、演出装置300に開始させる。
【0147】
また、演出制御手段180は、RBB作動状態が継続するボーナス期間中の対戦演出が実行されている遊技の実行時に、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく特定の契機により、例えば内部抽選で当選エリア「レア役」に当選することにより、味方キャラクタが敵キャラクタにダメージを与える演出を演出装置300に実行させる。演出制御手段180は、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に所定の回数、例えば3回当選した場合、3回目に当選して対戦演出での勝利が決定した遊技における第3停止操作を契機として、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを報知する勝利演出を演出装置300に実行させ、対戦演出を終了させる。
【0148】
なお、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に所定の回数当選することが、本実施形態における特定の条件を構成し、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に所定の回数当選した場合、即ち対戦演出での勝利が決定した場合に、特定の条件が成立したものとする。なお、演出制御手段180は、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に3回当選することができなかった場合、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出を演出装置300に実行させ、対戦演出を終了させる。
【0149】
本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間において、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることが可能な処理であるボーナス中上乗せ処理を実行する。指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ処理を実行して入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることにより、AT状態において入賞補助制御を実行する回数を上乗せすることができるように構成されている。指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」に3回当選した場合、即ち演出制御手段180による対戦演出での勝利が決定した場合、ボーナス中上乗せ処理の実行により、所定条件下で上乗せ数決定処理実行抽選を実行する。上乗せ数決定処理実行抽選は、上乗せ数決定抽選が実行される上乗せ数決定処理を実行するか否かを決定する抽選であり、上乗せ数決定抽選により入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する値(上乗せ数)が決定される。このように、上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選は、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることが可能な、遊技者にとって有利な処理(有利処理)となっている。
【0150】
また、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で対戦演出での勝利が決定した時点のボーナス期間における進行度に基づき、上乗せ数決定処理実行抽選の内容や、上乗せ数決定抽選の内容を決定する。具体的には、まず、本実施形態の指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス期間中における遊技の実行時に、スタート信号に基づく内部抽選手段120による内部抽選で3回目の当選エリア「レア役」への当選により対戦演出における勝利が決定した場合、入賞判定手段140による入賞判定処理が実行される前に、RBB作動状態が継続するボーナス期間の進行度としてのボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値、即ちボーナス期間が終了するまでに払出しが可能な最小払出し枚数(以下、「ボーナス期間が終了するまでに払出しが可能な最小払出し枚数」を、「払出し可能枚数」とも記載)に相当する値を参照する。
【0151】
そして、RBB作動状態が継続するボーナス期間を、払出し可能枚数に相当する値が所定の値(例えば値「200」)である第1閾値以上の値(第1進行度)である第1の期間と、払出し可能枚数に相当する値が第1閾値より小さい所定の値(例えば値「100」)である第2閾値以上かつ第1閾値未満の値(第2進行度)である第2の期間と、払出し可能枚数に相当する値が第2閾値未満の値(第3進行度)である第3の期間の3段階に区分すると、指示機能状態制御手段200Bは、第1の期間において対戦演出での勝利が決定した場合に、第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合より、メダルの払出しに関して遊技者にとって有利な内容に、上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定する。また、指示機能状態制御手段200Bは、第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合に、第3の期間において対戦演出での勝利が決定した場合より、メダルの払出しに関して遊技者にとって有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定する。
【0152】
例えば、指示機能状態制御手段200Bは、払出し可能枚数が200枚以上である期間、即ち第1の期間において対戦演出での勝利が決定した場合に、払出し可能枚数が200枚未満かつ100枚以上である期間、即ち第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合より、高い確率で上乗せ数決定処理の実行に当選するように(有利度合いが高いように)上乗せ数決定処理実行抽選を実行する。また、例えば、指示機能状態制御手段200Bは、第1の期間において対戦演出での勝利が決定した場合に、第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合より、上乗せ数決定抽選により決定される上乗せ数の期待値が高くなるように(有利度合いが高いように)上乗せ数決定抽選を実行する。
【0153】
このように、本実施形態における指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間において対戦演出での勝利が決定した場合に、遊技者にとって有利な処理である上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選を実行可能であり、また、該ボーナス期間における進行度に基づき上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するので、遊技者の興趣をボーナス期間の進行度に向けさせることにより、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止している。
【0154】
次に、図8図10を参照して、ボーナス中上乗せ処理の詳細について説明する。図8は、本実施形態のスロットマシン1において、指示機能状態制御手段200Bが、RBB作動状態が継続するボーナス期間において実行するボーナス中上乗せ処理を示すフローチャートである。なお、指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間において遊技が実行されるごとに、内部抽選手段120による内部抽選での当選エリアの決定後かつ入賞判定手段140による入賞判定処理の実行前に、ボーナス中上乗せ処理を実行する。
【0155】
詳しくは、指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間において遊技が実行されるごとに、内部抽選手段120が第1リールR1~第3リールR3の回転の開始とともに内部抽選を実行して当選エリアを決定すると、その後、決定された当選エリアに基づき、ストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される前に、ボーナス中上乗せ処理を実行する。その後、遊技者によって第1~第3停止操作が行われ、第3停止操作が行われたストップスイッチ240がOFF動作すると、入賞判定手段140は、入賞判定処理を実行する。その後、遊技状態移行制御手段170により遊技状態の移行に係る制御や、有利期間制御手段200Aによる有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御、指示機能状態制御手段200Bによる指示機能制御が、実行される。
【0156】
指示機能状態制御データ記憶手段202は、ボーナス期間における対戦演出での勝利が決定した場合にON状態に設定されるフラグである勝利フラグを含んでいる。また、指示機能状態制御データ記憶手段202は、当選エリア「レア役」に当選した回数を管理するカウンタであるダメージカウンタ(不図示)を含んでいる。指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間が開始されると、ダメージカウンタの記憶値に値「0」を設定する。そして、指示機能状態制御手段200Bは、該ボーナス期間中に実行される以降の遊技において、当選エリア「レア役」に当選するごとにダメージカウンタの記憶値に値「1」ずつ加算する処理を実行する。演出制御手段180は、ダメージカウンタの記憶値が値「1」ずつ加算されるごとに、味方キャラクタが敵キャラクタにダメージを与える演出を演出装置300に実行させる。指示機能状態制御データ記憶手段202は、ダメージカウンタの記憶値が値「3」に到達した際に、対戦演出での勝利が決定したと判定して勝利フラグをON状態に設定する。なお、ボーナス期間が開始されてからまだ対戦演出での勝利が決定していない場合、即ちダメージカウンタの記憶値が値「2」以下である場合、勝利フラグはOFF状態となっている。
【0157】
ボーナス中上乗せ処理が開始されると、まず、指示機能状態制御手段200Bは、勝利フラグの状態を判定する(ステップS1)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、勝利フラグの状態を参照し、勝利フラグがON状態であるかOFF状態であるかを判定して、遊技者にとって有利な処理を実行するか否かを決定している。
【0158】
ステップS1の処理において、勝利フラグがOFF状態である場合(ステップS1のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御データ記憶手段202に含まれる上乗せ数決定処理実行フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS12)。上乗せ数決定処理実行フラグは、指示機能状態制御手段200Bが、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する値を決定する上乗せ数決定処理の実行を決定した場合にON状態に設定されるフラグである。ボーナス期間が開始されてから一度も勝利フラグがON状態になっていない場合、即ちダメージカウンタの記憶値が値「2」以下である場合、上乗せ数決定処理実行フラグはOFF状態に設定されている。
【0159】
ステップS12の処理において、上乗せ数決定処理実行フラグがOFF状態である場合(ステップS12のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ処理を終了する。このように、指示機能状態制御手段200Bは、ダメージカウンタの記憶値が値「3」に到達しない間は、毎回の遊技の実行時に、ボーナス中上乗せ処理の開始→ステップS1のNO→ステップ12のNO→ボーナス中上乗せ処理の終了、という処理をボーナス期間が終了するまで繰り返す。なお、ダメージカウンタの記憶値が値「3」に到達しない間に、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値が値「0」に到達した場合、演出制御手段180は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したことを報知する敗北演出を演出装置300に実行させ、指示機能状態制御手段200Bによる上乗せ数決定抽選が実行されることなくボーナス期間が終了する。
【0160】
ステップS1の処理において、指示機能状態制御手段200Bが勝利フラグをON状態であると判定した場合(ステップS1のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に値「5」を加算する(ステップS15)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、AT状態において入賞補助制御を実行する回数を上乗せすることにより、遊技者に、対戦演出での勝利が決定したことに基づく有利な特典を付与している。
【0161】
指示機能状態制御手段200BがステップS15の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を参照し、払出し可能枚数が200枚以上であるか否かを判定する(ステップS2)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を参照することで、払出し可能枚数が200枚以上である第1の期間において対戦演出での勝利が決定したか否かを判定している。
【0162】
まず、払出し可能枚数が200枚以上である期間、即ち第1の期間において対戦演出での勝利が決定した場合の処理について説明を行う。本実施形態の指示機能状態制御データ記憶手段202は、第1の期間~第3の期間のそれぞれに対応するボーナス中上乗せ種別値を管理する記憶手段であるボーナス中上乗せ種別記憶手段202dを含んでいる。本実施形態のスロットマシン1は、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値であるボーナス中上乗せ種別値を参照することにより、第1の期間~第3の期間のいずれの期間で対戦演出での勝利が決定したかを判定可能としている。
【0163】
ステップS2の処理において、指示機能状態制御手段200Bが払出し可能枚数を200枚以上であると判定した場合(ステップS2のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を値「2」に設定する(ステップS9)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第2の期間より進行度が進んでいない期間である第1の期間で対戦演出での勝利が決定したことを示すボーナス中上乗せ種別値をボーナス中上乗せ種別記憶手段202dに記憶させ、上乗せ数決定処理の内容を決定する際に参照可能としている。なお、以下の記載において、進行度が相対的に進んでいないことを進行度が低い、進行度が相対的に進んでいることを進行度が高い、とも記載する。
【0164】
指示機能状態制御手段200Bは、ステップS9の処理を終えると、上乗せ数決定処理実行フラグをON状態に設定する(ステップS10)。このように、本実施形態における指示機能状態制御手段200Bは、払出し可能枚数が200枚以上である期間において対戦演出での勝利が決定した場合、後述する上乗せ数決定処理実行抽選を実行することなく、上乗せ数決定処理の実行を決定する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理を実行することを決定した情報を次の遊技の実行時まで引継ぎ、次の遊技の実行時に上乗せ数決定処理を実行することを可能としている。
【0165】
このように、ステップS10における、上乗せ数決定処理の実行を決定する処理は、遊技者にとって有利な有利処理であるといえる。また、指示機能状態制御手段200Bは、対戦演出での勝利が決定した場合に、上乗せ数決定処理の実行を決定する処理を実行しているため、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な処理である有利処理を実行可能な有利処理制御手段であるといえる。また、演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bが上乗せ数決定処理の実行を決定した場合、対戦演出での勝利が決定した遊技における第3停止操作を契機として、勝利演出とともに、上乗せ数決定処理の実行に当選したことを遊技者に報知する上乗せ数決定処理当選報知演出を演出装置300に実行させる。
【0166】
指示機能状態制御手段200BがステップS10の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、勝利フラグをOFF状態に設定し(ステップS11)、ボーナス中上乗せ処理を終了する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、遊技者に対戦演出での勝利が決定したことにより次の遊技の実行時における上乗せ数決定処理の実行を決定したことを勝利フラグに記憶させ、次の遊技の実行時に再び上乗せ数決定処理の実行を決定する処理が実行されることを防止している。なお、指示機能状態制御手段200Bは、勝利フラグの状態をON状態からOFF状態に変化させてから、同ボーナス期間が終了して次のボーナス期間が開始され、その後再び対戦演出での勝利が決定するまで、勝利フラグのOFF状態を維持するように構成されている。
【0167】
その後、次の遊技の実行時に再びボーナス中上乗せ処理が開始される。この場合、ステップS1の処理において、勝利フラグはOFF状態であるので(ステップS1のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS12)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行フラグの状態を参照して、前回の遊技の実行時に上乗せ数決定処理の実行を決定したか否かを判定している。なお、ボーナス期間が開始されてからまだ対戦演出での勝利が決定していない場合も、ステップS1の処理において、勝利フラグはOFF状態となっている。
【0168】
ステップS12の処理において、上乗せ数決定処理実行フラグがON状態である場合(ステップS12のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、前回の遊技の実行時におけるボーナス中上乗せ処理で上乗せ数決定処理の実行を決定したと判定し、上乗せ数決定処理を実行する(ステップS13)。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理の実行を決定した遊技の次の遊技から、複数回数の遊技が実行されるまでの期間、例えば5回の遊技が実行されるまでの期間に亘って、上乗せ数決定処理を実行する。また、演出制御手段180は、上乗せ数決定処理が実行される遊技が実行されている期間において、演出装置300に特別演出を実行させる。特別演出は、指示機能状態制御手段200Bが上乗せ数決定処理を実行することにより、遊技者にとって有利な特典が得られる可能性、即ち入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が増加する可能性を、遊技者に示唆する演出である。演出制御手段180は、特別演出を演出装置300に実行させることにより、遊技者に対し有利な特典が得られる可能性を示唆して、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止している。
【0169】
図9は、本実施形態のスロットマシン1において、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス中上乗せ処理において実行するサブルーチンである上乗せ数決定処理を示すフローチャートである。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理を開始すると、まず、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を参照し、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「2」であるか否かを判定する(ステップS21)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を参照することで、第1の期間において対戦演出での勝利が決定したか否かを判定している。
【0170】
指示機能状態制御データ記憶手段202は、記憶手段である上乗せ数決定抽選テーブル記憶手段202cを含んでいる。上乗せ数決定抽選テーブル記憶手段202cは、上乗せ数決定抽選において上乗せ数を決定するデータテーブルである上乗せ数決定抽選テーブルA~上乗せ数決定抽選テーブルC(図10(C)~(E)参照)を記憶している。上乗せ数決定抽選テーブルA~上乗せ数決定抽選テーブルCは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して値「0」~値「3」が対応付けられている。また、上乗せ数決定抽選テーブルAは、上乗せ数決定抽選テーブルBより決定される値の期待値が低く設定されており、上乗せ数決定抽選テーブルBは、上乗せ数決定抽選テーブルCより決定される値の期待値が低く設定されている。
【0171】
例えば、上乗せ数決定抽選テーブルAは、0~55704の55705個の乱数に対して値「0」が、55705~58981の3277個の乱数に対して値「1」が、58982~62258の3277個の乱数に対して値「2」が、62259~65535の3277個の乱数に対して値「3」が、対応付けられている。また、例えば、上乗せ数決定抽選テーブルBは、0~32767の32768個の乱数に対して値「0」が、32768~49151の16384個の乱数に対して値「1」が、49152~58982の9831個の乱数に対して値「2」が、58983~65535の6553個の乱数に対して値「3」が、対応付けられている。また、例えば、上乗せ数決定抽選テーブルCは、0~13107の13108個の乱数に対して値「0」が、13108~36044の22937個の乱数に対して値「1」が、36045~52428の16384個の乱数に対して値「2」が、52429~65535の13107個の乱数に対して値「3」が、対応付けられている。
【0172】
ステップS21の処理において、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「2」である場合(ステップS21のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、第1の期間において対戦演出での勝利が決定したと判定し、上乗せ数決定抽選テーブル記憶手段202cに記憶されている上乗せ数決定抽選テーブルCを参照して、上乗せ数決定抽選を実行する(ステップS25)。ステップS25の処理において、指示機能状態制御手段200Bは、乱数格納領域から取得した乱数と、上乗せ数決定抽選テーブルBより決定される値の期待値が高い上乗せ数決定抽選テーブルCと、を比較して上乗せ数決定抽選を実行し、比較結果に基づき上乗せ数を決定している。
【0173】
指示機能状態制御手段200BがステップS25の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選(ステップS25)により決定した値「0」~値「3」のいずれかの値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算して記憶させ(ステップS26)、上乗せ数決定処理を終了する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選で値「1」~値「3」の値を決定した場合に入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることにより、即ちAT状態でRT2移行リプレイの入賞補助制御を実行する回数を上乗せすることにより、それぞれリプレイに当選する確率が高い非RT状態、RT1状態、RT2状態の間で遊技状態が循環する機会を増やし、遊技者にとって有利な特典を付与している。このため、上乗せ数決定抽選が実行される上乗せ数決定処理及び上乗せ数決定抽選は、遊技者にとって有利な処理である有利処理であるといえる。また、指示機能状態制御手段200Bは、対戦演出での勝利が決定した場合に、上乗せ数決定処理及び上乗せ数決定抽選を実行可能に構成されているため、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な処理である有利処理を実行可能な有利処理制御手段であるといえる。
【0174】
指示機能状態制御手段200Bがボーナス中上乗せ処理においてステップS13の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、指示機能状態制御データ記憶手段202に含まれて上乗せ数決定処理の実行回数を管理するカウンタである上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値に値「1」を加算する(ステップS16)。なお、一度もボーナス中上乗せ処理が実行されていない状態(例えばスロットマシン1の出荷時など)においては、上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値は値「0」として記憶されている。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理が実行されたことを上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eに記憶させている。
【0175】
指示機能状態制御手段200BがステップS16の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値を参照し、記憶値が値「5」以上であるか否かを判定する(ステップS17)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス期間における上乗せ数決定処理の実行回数が、上乗せ数決定処理を終了する回数に到達したか否かを判定している。
【0176】
ステップS17の処理において、上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値が値「5」未満である場合(ステップS17のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ処理を終了する。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理の実行回数が上乗せ数決定処理を実行可能な最大回数である5回に到達していないことに基づき、次の遊技の実行時においても上乗せ数決定処理を実行することを決定している。このように、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理の実行回数が上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eにより管理されて、ボーナス期間において上乗せ数決定処理を複数回実行するように構成されている。
【0177】
ステップS17の処理において、上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値が値「5」以上である場合(ステップS17のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ処理の初期化処理を実行して(ステップS14)、上乗せ数決定処理実行フラグをOFF状態に設定し、上乗せ数決定処理実行回数カウンタ202eの記憶値に初期値である値「0」をセットし、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値にボーナス中上乗せ種別値の初期値である値「0」をセットする。なお、一度もボーナス中上乗せ処理が実行されていない状態(例えばスロットマシン1の出荷時など)においては、ボーナス中上乗せ種別値は値「0」としてボーナス中上乗せ種別記憶手段202dに記憶されている。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理の実行回数が上乗せ数決定処理を実行可能な最大回数である5回に到達したことを上乗せ数決定処理実行フラグに記憶させ、同ボーナス期間中に上乗せ数決定処理が再び実行されることを防止している。指示機能状態制御手段200BがステップS14の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ処理を終了する。演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bが上乗せ数決定抽選で値「1」以上の値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算することを決定した場合、特別演出が終了する遊技である特別演出が開始されてから5回目の遊技の実行時に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算された回数を遊技者に対して報知する、上乗せ報知演出を演出装置300に実行させる。
【0178】
次に、払出し可能枚数が200枚未満かつ100枚以上である期間、即ち第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合の処理について説明を行う。第1の期間において対戦演出での勝利が決定した場合の処理と同一の内容については省略する。ステップS2の処理において、指示機能状態制御手段200Bが払出し可能枚数を200枚未満であると判定した場合(ステップS2のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を参照し、払出し可能枚数が100枚以上であるか否かを判定する(ステップS3)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を参照することで、第1の期間より進行度が高い第2の期間において対戦演出での勝利が決定したか否かを判定している。
【0179】
指示機能状態制御データ記憶手段202は、記憶手段である上乗せ数決定処理実行抽選テーブル記憶手段202bを含んでいる。上乗せ数決定処理実行抽選テーブル記憶手段202bは、上乗せ数決定処理実行抽選において上乗せ数決定処理を実行するか否かを決定するデータテーブルである上乗せ数決定処理実行抽選テーブルA(図10(A)参照)及び上乗せ数決定処理実行抽選テーブルB(図10(B)参照)を記憶している。上乗せ数決定処理実行抽選テーブルA及び上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、上乗せ数決定処理の実行の「当選」又は「不当選」が対応付けられている。
【0180】
また、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAは、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBより上乗せ数決定処理の実行の当選確率が低く設定されている。例えば、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAは、0~13107までの13108個の乱数に対して「当選」が、13108~65535までの52428個の乱数に対して「不当選」が、対応付けられている。また、例えば、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBは、0~32767までの32768個の乱数に対して「当選」が、32768~65535までの32768個の乱数に対して「不当選」が、対応付けられている。これにより、指示機能状態制御データ記憶手段202は、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAを参照した上乗せ数決定処理実行抽選において、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBを参照した上乗せ数決定処理実行抽選より上乗せ数決定処理の実行に当選しにくいように構成されている。
【0181】
ステップS3の処理において、指示機能状態制御手段200Bが払出し可能枚数を100枚以上であると判定した場合(ステップS3のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行抽選テーブル記憶手段202bに記憶されている上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBを参照して、上乗せ数決定処理実行抽選を実行する(ステップS6)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、乱数格納領域から取得した乱数と、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAより上乗せ数決定処理の実行に当選する確率が高い上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBと、を比較して上乗せ数決定処理実行抽選を実行し、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることが可能な上乗せ数決定抽選を実行するか否かを決定している。
【0182】
指示機能状態制御手段200Bは、ステップS6の処理を実行すると、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を値「1」に設定する(ステップS7)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第1の期間より進行度が高く第3の期間より進行度が低い第2の期間で対戦演出での勝利が決定したことを示すボーナス中上乗せ種別値をボーナス中上乗せ種別記憶手段202dに記憶させ、上乗せ数決定処理の内容を決定する際に参照可能としている。
【0183】
指示機能状態制御手段200BがステップS7の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行抽選において上乗せ数決定処理の実行に当選したか否かを判定し(ステップS8)、上乗せ数決定処理の実行に当選した場合、即ち上乗せ数決定処理実行抽選の結果が「当選」であった場合(ステップS8のYES)、上乗せ数決定処理実行フラグをON状態に設定し(ステップS10)、勝利フラグをOFF状態に設定し(ステップS11)、ボーナス中上乗せ処理を終了する。このように、当選することにより上乗せ数決定処理を実行可能な上乗せ数決定処理実行抽選は、遊技者にとって有利な処理である有利処理であるといえる。また、指示機能状態制御手段200Bは、対戦演出での勝利が決定した場合に、上乗せ数決定処理実行抽選を実行可能に構成されているため、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な処理である有利処理を実行可能な有利処理制御手段であるといえる。ステップS8の処理において上乗せ数決定処理の実行に当選しなかった場合、即ち上乗せ数決定処理実行抽選の結果が「不当選」であった場合(ステップS8のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理を実行しないことを決定して、勝利フラグをOFF状態に設定し(ステップS11)、ボーナス中上乗せ処理を終了する。
【0184】
指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行抽選において上乗せ数決定処理の実行に当選した遊技の次の遊技の実行時に再びボーナス中上乗せ処理を開始すると、払出し可能枚数が200枚以上である第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合と同様に、ステップS1のNO、ステップS12のYES、の処理を経由して、ステップS13の上乗せ数決定処理を開始する。演出制御手段180は、上乗せ数決定処理が実行された遊技から所定の遊技回数が実行されるまでの期間、例えば5回の遊技が実行されるまでの期間に亘って、演出装置300に特別演出を実行させる。上乗せ数決定処理(ステップ13)のステップS21の処理において、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「2」でない場合(ステップS21のNO)、即ち払出し可能枚数が200枚未満である期間に対戦演出での勝利が決定した場合、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を参照し、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「1」であるか否かを判定する(ステップS22)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値を参照することで、払出し可能枚数が200枚未満かつ100枚以上の期間である第2の期間において対戦演出での勝利が決定したか否かを判定している。
【0185】
ステップS22の処理において、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「1」である場合(ステップS22のYES)、指示機能状態制御手段200Bは、第2の期間において対戦演出での勝利が決定したと判定し、上乗せ数決定抽選テーブル記憶手段202cに記憶されている上乗せ数決定抽選テーブルBを参照して、上乗せ数決定抽選を実行する(ステップS24)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、乱数格納領域から取得した乱数と、上乗せ数決定抽選テーブルAより決定される値の期待値が高い上乗せ数決定抽選テーブルBと、を比較して上乗せ数決定抽選を実行し、比較結果に基づき上乗せ数を決定している。指示機能状態制御手段200BがステップS24の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選(ステップS24)により決定した値「0」~値「3」のいずれかの値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算して記憶させ(ステップS26)、上乗せ数決定処理を終了する。演出制御手段180は、指示機能状態制御手段200Bが上乗せ数決定抽選で値「1」以上の値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算することを決定した場合、払出し可能枚数が200枚以上である第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合と同様に、特別演出が終了する遊技である特別演出が開始されてから5回目の遊技の実行時に、演出装置300に上乗せ報知演出を実行させる。
【0186】
次に、払出し可能枚数が100枚未満である期間、即ち第3の期間で対戦演出での勝利が決定した場合の処理について説明を行う。第1の期間又は第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合の処理と同一の内容については省略する。ステップ3の処理において、指示機能状態制御手段200Bが払出し可能枚数を100枚未満であると判定した場合(ステップS3のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行抽選テーブル記憶手段202bに記憶されている上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAを参照して、上乗せ数決定処理実行抽選を実行する(ステップS4)。
【0187】
ステップS4の処理において、指示機能状態制御手段200Bは、乱数格納領域から取得した乱数と、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBより上乗せ数決定処理の実行に当選する確率が低い上乗せ数決定処理実行抽選テーブルAと、を比較して上乗せ数決定処理実行抽選を実行し、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることが可能な上乗せ数決定抽選を実行するか否かを決定している。指示機能状態制御手段200Bは、ステップS4の処理を実行すると、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値であるボーナス中上乗せ種別値を値「0」に設定する(ステップS5)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、第2の期間より進行度が高い第3の期間で対戦演出での勝利が決定したことを示すボーナス中上乗せ種別値をボーナス中上乗せ種別記憶手段202dに記憶させ、上乗せ数決定処理の内容を決定する際に参照可能としている。
【0188】
指示機能状態制御手段200BがステップS5の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理実行抽選において上乗せ数決定処理の実行に当選したか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の処理において、上乗せ数決定処理の実行に当選した場合、即ち上乗せ数決定処理実行抽選の結果が「当選」であった場合(ステップS8のYES)、上乗せ数決定処理実行フラグをON状態に設定して(ステップS10)、勝利フラグをOFF状態に設定し(ステップS11)、ボーナス中上乗せ処理を終了する。なお、演出制御手段180による対戦演出での勝利が決定した遊技においてボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値が値「0」に到達した場合、上乗せ数決定処理実行抽選の結果によらず、指示機能状態制御手段200Bによる上乗せ数決定処理及び演出制御手段180による特別演出は実行されずに、遊技状態移行制御手段170によりボーナス期間が終了される。ステップS8の処理において上乗せ数決定処理の実行に当選しなかった場合(ステップS8のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理を実行しないことを決定して、勝利フラグをOFF状態に設定し(ステップS11)、ボーナス中上乗せ処理を終了する。
【0189】
その後、次の遊技の実行時に再びボーナス中上乗せ処理が開始され、払出し可能枚数が200枚以上である第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合と同様に、ステップS1のNO、ステップS12のYES、の処理を経由して、ステップS13の上乗せ数決定処理が開始される。本実施の形態において、演出制御手段180は、払出し可能枚数が100枚未満である第3の期間において対戦演出での勝利が決定した場合、演出装置300に特別演出及び上乗せ報知演出を実行させないように構成されている。これにより、対戦演出での勝利が決定した際のボーナス期間における進行度が高い場合、例えばボーナス期間が5回の遊技が実行されるまでに終了する場合に、特別演出の開始後かつ上乗せ報知演出の実行前にボーナス期間が終了し、遊技者が違和感を覚えることを防いでいる。
【0190】
上乗せ数決定処理(ステップ13)のステップS22の処理において、ボーナス中上乗せ種別記憶手段202dの記憶値が値「1」でない場合(ステップS22のNO)、指示機能状態制御手段200Bは、第3の期間において対戦演出での勝利が決定したと判定し、上乗せ数決定抽選テーブル記憶手段202cに記憶されている上乗せ数決定抽選テーブルAを参照して、上乗せ数決定抽選を実行する(ステップS23)。この処理において、指示機能状態制御手段200Bは、乱数格納領域から取得した乱数と、上乗せ数決定抽選テーブルAと、を比較して上乗せ数決定抽選を実行し、比較結果に基づき入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する値を決定している。
【0191】
指示機能状態制御手段200BがステップS23の処理を終えると、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選(ステップS23)により決定した値「0」~値「3」のいずれかの値を入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算して記憶させ(ステップS26)、上乗せ数決定処理を終了する。
【0192】
このように、本実施形態におけるスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、第1の期間~第3の期間のいずれの期間で対戦演出での勝利が決定したかに基づき、即ち対戦演出での勝利が決定した遊技におけるボーナス期間の進行度に基づき、上乗せ数決定処理実行抽選の内容、及び上乗せ数決定抽選の内容を決定している。なお、上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選が本実施形態における有利処理を構成する。
【0193】
3.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス期間において特定の条件が成立、即ち対戦演出での勝利が決定した場合に、ボーナス期間における進行度に基づき、遊技者にとって有利な処理である上乗せ数決定処理実行抽選の内容を決定するように構成されているため、ボーナス期間において多様な遊技性を実現可能となり、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止して、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0194】
また、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、ボーナス期間における進行度に基づき、遊技者にとって有利な処理である上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されているため、ボーナス期間において多様な遊技性を実現可能となり、ボーナス期間における遊技が単調になることを防止して、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0195】
また、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス期間における進行度が低い期間において特定の条件が成立した場合に、進行度が高い期間において特定の条件が成立した場合より遊技者にとって有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選等の内容を決定するので、ボーナス期間における進行度が高くなる前に特定の条件を成立させた場合に、遊技者に対して喪失感を与えることを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0196】
また、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス期間が開始されてから特定の条件が成立するまでに払出された遊技価値の合計を進行度として、該進行度に基づき上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されているため、ボーナス期間の進行度を制御するための構成を新たに設けることなく上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選に係る制御を実行することができ、スロットマシン1の処理負担の増加やコスト上昇の防止を図ることができる。
【0197】
また、本実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、内部抽選手段120による内部抽選での当選エリアの決定後かつ入賞判定手段140による入賞判定処理の実行前にボーナス中上乗せ処理を実行し、上乗せ数決定処理実行抽選を実行しているので、演出制御手段180が、演出装置300に、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを報知する勝利演出と、上乗せ数決定処理の実行に当選したことを遊技者に報知する上乗せ数決定処理当選報知演出と、を同時に実行させることも、また、勝利演出が実行された遊技の次の遊技の実行時に上乗せ数決定処理当選報知演出を実行させることも可能となり、多様な遊技性を実現して遊技機の商品性の向上を図ることができる。
【0198】
4.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、上乗せ数決定処理実行抽選や、上乗せ数決定処理実行抽選で当選したことに基づいて上乗せ数決定抽選を含む上乗せ数決定処理を実行可能であるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、ボーナス期間における進行度によらずに上乗せ数決定処理実行抽選を経由せずに上乗せ数決定抽選を実行するように構成されていてもよいし、ボーナス期間において特定の条件が成立した場合に、CZ状態、上乗せ特化状態及びAT状態等へ、指示機能状態の移行を決定するように構成されていてもよいし、有利処理として、遊技者にとって有利な特典を付与可能な様々な処理を採用可能である。このように、上乗せ数決定処理実行抽選、上乗せ数決定抽選、CZ状態への移行処理(移行抽選)及びAT状態への移行処理(移行抽選)等のうちいずれか一つや、これらのうち複数の組合せが本実施形態における有利処理を構成してもよい。また、例えば、スロットマシン1は、ボーナス期間において特定の条件が成立、即ち対戦演出での勝利が決定した場合に、演出制御手段180が、ボーナス期間における進行度に基づき設定値を示唆する示唆演出を実行するように構成されていてもよい。このように構成された場合、示唆演出を実行する制御処理が本実施形態における有利処理を構成し、演出制御手段180が本実施形態における有利処理制御手段を構成する。
【0199】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、指示機能状態制御手段200Bが、上乗せ数決定処理実行抽選、上乗せ数決定抽選、入賞補助制御及び指示機能制御等を行い、指示機能状態がAT状態である場合に、入賞補助制御を行うように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、有利期間が開始されている場合、かつ入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「1」以上である場合に入賞補助制御を実行する入賞補助制御実行手段を有していてもよい。このように構成されている場合、入賞補助制御実行手段が、上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選を実行するように構成されていてもよい。このように構成されている場合、入賞補助制御実行手段が、本実施形態における、遊技者にとって有利な処理である有利処理を実行可能な有利処理制御手段を構成する。
【0200】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、有利中RBB状態の終了後に、指示機能状態をAT状態へ移行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、有利中RBB状態において特定の条件が成立した場合の有利中RBB状態の終了後に、指示機能状態を入賞補助制御が実行されるAT状態へ移行し、特定の条件が成立せずに有利中RBB状態が終了した場合に、指示機能状態を入賞補助制御が実行されない通常非AT状態へ移行するように構成されていてもよい。
【0201】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、特定の条件が成立した場合、次の遊技の実行時に上乗せ数決定処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、特定の条件が成立した遊技において入賞判定手段140による入賞判定処理の実行前に上乗せ数決定処理を実行するように構成されていてもよいし、特定の条件が成立した遊技において入賞判定手段140による入賞判定処理の実行後に上乗せ数決定処理を実行するように構成されていてもよいし、特定の条件が成立したRBB作動状態が継続するボーナス期間の最後の遊技の実行時に上乗せ数決定処理を実行するように構成されていてもよいし、特定の条件が成立後に移行したAT状態における遊技の実行時に上乗せ数決定処理を実行するように構成されていてもよい。
【0202】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、ボーナス期間において上乗せ数決定処理を複数回実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、1回のボーナス期間において最大で1回の上乗せ数決定処理を実行可能に構成されていてもよいし、特定の条件が成立した場合のボーナス期間の進行度に基づき、上乗せ数決定処理を実行可能な回数が決定されるように構成されていてもよい。
【0203】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に所定の回数当選することが特定の条件を構成するものとしたが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、内部抽選手段120による内部抽選で所定の当選エリアに所定の回数当選することが特定の条件を構成するものとしてもよい。具体的には、スロットマシン1は、遊技状態がRBB作動状態である場合に選択される内部抽選テーブルEの小役を含む当選エリアとして当選エリア「JAC」と、当選エリア「レアリプレイ」と、にそれぞれ乱数が対応付けられて、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に1回当選することが特定の条件を構成してもよいし、内部抽選テーブルEの小役を含む当選エリアとして、当選エリア「JAC」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「レアリプレイ」と、にそれぞれ乱数が対応付けられて、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」に2回当選、かつ当選エリア「レアリプレイ」に1回当選することが特定の条件を構成してもよいし、内部抽選テーブルEの小役を含む当選エリアとして、当選エリア「JAC」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「レアリプレイ」と、にそれぞれ乱数が対応付けられて、ボーナス期間が終了するまでに内部抽選で当選エリア「レア役」又は「レアリプレイ」の当選回数を合わせた回数が3回に到達することが特定の条件を構成してもよい。また、上乗せ数決定処理実行抽選で上乗せ数決定処理の実行に当選することが特定の条件を構成するものとしてもよいし、演出抽選に基づく特定の条件、例えば、特定の演出を所定回数演出装置300に実行させる等、多様な抽選結果に基づいて特定の条件が成立したことを判定してもよい。
【0204】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選により入賞補助制御の実行回数を管理するカウンタである入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値を増加させることが可能であるように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、上乗せ数決定抽選の代わりに、AT状態が継続する期間が遊技回数によって管理されている場合にはAT状態で実行される遊技回数を増加させるか否か及び増加させる遊技回数を決定する抽選を実行するように構成されていてもよいし、AT状態が継続する期間が所定の小役が入賞した回数によって管理されている場合にはAT状態で所定の小役が入賞可能になる回数を増加させるか否か及び増加させる小役の入賞可能回数を決定する抽選を実行するように構成されていてもよいし、AT状態が継続する期間がメダルの払出数によって管理されている場合にはAT状態におけるメダルの払出数の上限を増加させるか否か及び増加させる払出数の上限を決定する抽選を実行するように構成されていてもよいし、AT状態が継続する期間がメダルの投入数とメダルの払出数との差分(差枚)によって管理されている場合にはAT状態におけるメダルの差枚の上限を増加させるか否か及び増加させる差枚の上限を決定する抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0205】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、第1の期間において特定の条件が成立した場合には上乗せ数決定処理実行抽選を実行することなく上乗せ数決定処理の実行を決定するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、第1の期間において特定の条件が成立した場合に、取得可能な全ての乱数が上乗せ数決定処理の実行の当選に対応付けられているデータテーブルを参照して上乗せ数決定処理実行抽選を実行するように構成されていてもよいし、上乗せ数決定処理実行抽選テーブルBより高い確率で当選するデータテーブルを参照して上乗せ数決定処理実行抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0206】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、特定の条件が成立した場合のボーナス期間における進行度が、第3進行度より第2進行度である方が、また第2進行度より第1進行度である方が、遊技者にとって有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、特定の条件が成立した場合のボーナス期間における進行度が、第1進行度より第2進行度である方が、また第2進行度より第3進行度である方が、遊技者にとって有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されていてもよいし、第1進行度~第3進行度のうち、第2進行度で特定の条件が成立した場合に最も有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されていてもよいし、進行度の区分は第1進行度及び第2進行度の2段階でもよいし、4段階以上でもよい。また、指示機能状態制御手段200Bは、例えば、遊技状態移行制御手段170がRBB作動状態において払出されたメダルの枚数に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値から減算した結果、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値と所定の数値(例えば値「100」)とが一致した場合に、該所定の数値と一致していない場合より有利な内容に上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されていてもよい。
【0207】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選を実行する際に上乗せ数決定抽選テーブルA~上乗せ数決定抽選テーブルCのいずれかを参照し、上乗せする入賞補助制御の実行回数として値「0」~値「3」のいずれかの値を決定するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定処理により、上乗せする入賞補助制御の実行回数としていずれかの整数を決定するように構成されていればよい。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、上乗せ数決定抽選を実行する際に、複数の乱数のそれぞれに対して値「1」~値「10」が対応付けられている上乗せ数決定抽選テーブルA~上乗せ数決定抽選テーブルCを参照するように構成されて、ボーナス期間中に特定の条件が成立した場合には、上乗せする入賞補助制御の実行回数として少なくとも値「1」を決定するように構成されていてもよい。また、指示機能状態制御手段200Bは、例えば、上乗せ数決定処理実行抽選に当選した場合に、上乗せ数決定抽選を実行せず、上乗せする入賞補助制御の実行回数として固定値である値(例えば値「3」)を決定するように構成されていてもよい。また、指示機能状態制御手段200Bは、例えば、特定の条件が成立した場合の進行度に基づき、抽選によらずに上乗せする入賞補助制御の実行回数を決定するように構成されていてもよい。具体的には、指示機能状態制御手段200Bは、第1の進行度において特定の条件が成立した場合に、上乗せする入賞補助制御の実行回数として値「2」を、第2の進行度において特定の条件が決定した場合に、上乗せする入賞補助制御の実行回数として値「1」を、第3の進行度において特定の条件が成立した場合に、上乗せする入賞補助制御の実行回数として値「0」を、それぞれ決定するように構成されていてもよい。
【0208】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、上乗せ数決定抽選を実行する際に上乗せ数決定抽選テーブルA~上乗せ数決定抽選テーブルCのいずれかを参照し、上乗せする入賞補助制御の実行回数として値「0」~値「3」のいずれかの値を決定するように構成されているが、これに限定されない。示機能状態制御手段200Bは、ボーナス期間における進行度が低い期間において特定の条件が成立した場合には、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に少なくとも値「1」以上を加算するように構成されていてもよいし、特定の条件が成立した場合のボーナス期間における進行度に応じて、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算する値の下限値と上限値が異なるように構成されていてもよい。例えば、第1の期間において特定の条件が成立したことに基づいて上乗せ数決定抽選を実行する際には、複数の乱数のそれぞれに対して値「2」~値「5」が対応付けられている上乗せ数決定抽選テーブルAを参照して、値「2」~値「5」のいずれかの値を決定し、第2の期間において特定の条件が成立したことに基づいて上乗せ数決定抽選を実行する際には、複数の乱数のそれぞれに対して値「1」~値「4」が対応付けられている上乗せ数決定抽選テーブルBを参照して、値「1」~値「4」のいずれかの値を決定し、第3の期間において特定の条件が成立したことに基づいて上乗せ数決定抽選を実行する際には、複数の乱数のそれぞれに対して値「0」~値「3」が対応付けられている上乗せ数決定抽選テーブルCを参照して、値「0」~値「3」のいずれかの値を決定するように構成されていてもよい。
【0209】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間にて、入賞判定手段140による入賞判定処理が実行される前に、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値を参照し、当該記憶値に基づいて上乗せ数決定処理の内容を決定するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、RBB作動状態が継続するボーナス期間において、入賞判定手段140による入賞判定処理が実行された後の払出し可能枚数、即ち、特定の条件が成立した遊技における入賞役の判定結果が反映された状態での払出し可能枚数を参照し、当該記憶値に基づいて上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されていてもよい。
【0210】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、RBB作動状態が継続するボーナス期間においてボーナス中上乗せ処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、CBB作動状態が継続するボーナス期間において、ボーナス中上乗せ処理を実行するように構成されていてもよい。また、RBB作動状態やCBB作動状態が継続するボーナス期間は、遊技状態がボーナス作動状態へ移行する契機(例えばボーナスの入賞図柄組合せ)やボーナス作動状態が終了する契機(例えば終了契機となる払出し枚数)が異なる複数のボーナス期間が設けられていてもよい。このように構成された場合、複数のRBB(又はCBB)作動状態が継続するボーナス期間のうちの全てにおいてボーナス中上乗せ処理を実行するように構成されていてもよいし、複数のRBB(又はCBB)作動状態が継続するボーナス期間のうちの一部のみにおいてボーナス中上乗せ処理が実行されるように構成されていてもよい。
【0211】
また、本実施形態において、指示機能状態制御手段200Bは、1回のボーナス期間が開始されてから終了するまでに、最大で1回の上乗せ数決定処理実行抽選及び上乗せ数決定抽選を実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能状態制御手段200Bは、例えば、1回のボーナス期間において特定の条件が複数回成立するごとに上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選を実行可能に構成されていてもよいし、特定の条件が1回成立したことに基づいて、上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選を複数回実行可能に構成されていてもよい。
【0212】
また、本実施形態において、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態が継続するボーナス期間の開始に伴い、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値に予め定められた所定の値をセットし、RBB作動状態において払出されたメダルの枚数に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値から減算する処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。遊技状態移行制御手段170は、例えば、RBB作動状態が継続するボーナス期間の開始に伴い、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている記憶値に値「0」をセットし、RBB作動状態において払出されたメダルの枚数に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値に加算する処理を実行して、ボーナス終了判定カウンタ198cに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値を超えた場合に、作動しているRBBを終了するように構成されていてもよい。このように構成された場合、ボーナス期間において払出されたメダルの合計枚数がボーナス期間における進行度を構成してもよいし、ボーナス期間において払出されたメダルの合計枚数から算出されたボーナス期間が終了するまでに払出しが可能な最小払出し枚数がボーナス期間における進行度を構成してもよい。
【0213】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値がボーナス期間における進行度を構成し、指示機能状態制御手段200Bが、ボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値に基づき上乗せ数決定処理実行抽選や上乗せ数決定抽選の内容を決定するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、ボーナス期間における遊技の進行に伴い更新される他の情報がボーナス期間における進行度を構成してもよい。例えば、ボーナス期間において特定の小役やリプレイに当選するごとに、当選回数を記憶値に加算する当選回数カウンタ(不図示)の記憶値がボーナス期間における進行度を構成してもよいし、ボーナス期間における遊技の実行回数がボーナス期間における進行度を構成してもよい。また、ボーナス期間が開始されてからの経過時間がボーナス期間における進行度を構成してもよいし、ボーナス期間が終了するまでに払出し可能な最大払出し枚数がボーナス期間における進行度を構成してもよい。ボーナス期間が終了するまでに払出し可能な最大払出し枚数は、例えば、ボーナス期間の1回の遊技における最大払出し枚数(本実施形態では値「10」)から、ボーナス期間の1回の遊技における0を除く最小払出し枚数(本実施形態では値「2」)を減算した値(本実施形態では値「8」)をボーナス期間が終了するまでに払出し可能な最小払出し枚数(払出し可能枚数)に加算した値であり、本実施形態では、RBB作動状態が継続するボーナス期間の開始時においては値「358」となる。
【0214】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、払出制御手段150が遊技結果に応じたメダルの払出しに関する払出処理を行うように構成されているが、これに限定されない。払出制御手段150は、例えば、遊技結果に応じて付与された遊技価値の量に相当する値を記憶手段190のクレジット記憶領域に記憶させる払出処理を行い、スロットマシン1はメダルを払出す手段を有していないように構成されていてもよい。このように構成された場合、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態において付与された遊技価値の量に相当する値をボーナス終了判定カウンタ198cの記憶値から減算する処理を実行するように構成されていてもよい。
【0215】
また、このように、メダルを払出す手段を有していないスロットマシン1の一例について説明をする。当該スロットマシン1は、サンド(台間機、遊技球等貸出装置)と、電子的な遊技価値を表すデータを送受信可能に構成されている。遊技者により金銭あるいはプリペイドカード等がサンドに投入されると、サンドは、投入された金銭あるいはプリペイドカードの価値に相当する遊技価値を、サンド内の記憶手段に記憶する。サンド内の記憶手段に遊技価値が記憶されている状態で、遊技者によりスロットマシン1に設けられている「貸出」ボタンが押されると、サンドは、サンド内の記憶手段に記憶されている所定数の遊技価値を減算し、減算した遊技価値を表すデータをスロットマシン1に送信する。スロットマシン1は、サンドから遊技価値を表すデータを受信すると、受信したデータに相当する遊技価値をクレジットする。スロットマシン1が規定投入数以上の遊技価値をクレジットしている状態で、遊技者によりベット操作が実行されると、規定投入数の遊技価値が投入状態に設定される。なお、スロットマシン1は、クレジット可能な上限値を超える遊技価値を表すデータをサンドから受信した場合、クレジット可能な上限値を超えた分の遊技価値を表すデータをサンドに送信し、送信されたデータに相当する遊技価値がサンドの記憶手段に記憶される。スロットマシン1に遊技価値がクレジットされている状態で、遊技者によりスロットマシン1に設けられている「返却」ボタンが押されると、スロットマシン1は、クレジットしている遊技価値を減算して、減算した遊技価値を表すデータをサンドに送信し、送信されたデータに相当する遊技価値がサンドに記憶される。また、当該スロットマシン1は、いわゆる役比モニタ(直近の遊技6000回における役物比率、連続役物比率、総遊技回数における役物比率、有利期間(有利区間)比率の少なくとも一つを算出して表示する装置)を搭載している。なお、有利期間比率とは、遊技が実行された全ての期間に対する有利期間の滞在比率のことをいう。
【0216】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、第1の期間及び第2の期間において対戦演出での勝利が決定した場合には上乗せ数決定処理が実行された遊技から所定の遊技回数が実行されるまでの期間に亘って、演出装置300に特別演出を実行させ、第3の期間において対戦演出での勝利が決定した場合には演出装置300に特別演出を実行させないように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、第3の期間において対戦演出での勝利が決定した場合、上乗せ数決定処理が実行される遊技が実行されている期間において、演出装置300に特別演出を実行させるように構成されていてもよい。このように構成されている場合において、ボーナス期間が終了するまでに上乗せ数決定処理を実行可能な最大回数の遊技を実行できない場合には、ボーナス期間における最後の遊技の実行時に、演出装置300に上乗せ報知演出を実行させるように構成されていてもよい。
【0217】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、特別演出が終了する遊技の実行時に、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算された回数を遊技者に対して報知する、上乗せ報知演出を演出装置300に実行させるように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、例えば、いずれの進行度において特定の条件が成立したかによらず、ボーナス期間中に入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値に加算された値の一部又は全部を報知する上乗せ報知演出を、上乗せ数決定処理が実行された遊技において、演出装置300に実行させるように構成されていてもよいし、AT状態における遊技の実行時に、演出装置300に実行させるように構成されていてもよい。
【0218】
また、本実施形態において、有利期間制御手段200Aは、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「1」以上である場合であっても、遊技状態がRT3状態に移行した場合に有利期間を終了するように構成されているが、これに限定されない。有利期間制御手段200Aは、入賞補助制御回数カウンタ202aの記憶値が値「1」以上である場合には、遊技状態がRT3状態に移行した場合であっても有利期間を終了しないように構成されていてもよい。
【0219】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、規定投入数が3枚である場合に、有効ラインL1~有効ラインL3の計3本の有効ラインを有しているが、これに限らず、少なくとも1本の有効ラインを有していればよく、有効ラインの本数は本実施形態に限定されるものではない。
【0220】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、異なる遊技状態においても同一の内部抽選テーブルを参照した内部抽選が実行される(例えば、非RT状態と、RT2状態と、で同一の内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が実行される)ように構成されているが、これに限らず、遊技状態ごとに異なる内部抽選テーブルを参照して内部抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0221】
また、本実施形態において、遊技状態移行制御手段170は、RBB作動状態において、RBの入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するように構成されているが、これに限らず、RBB作動状態において、当該ボーナス中にRBを抽選し、RBの入賞図柄組合せが表示された場合にRBが作動するように構成されていてもよい。
【0222】
このように構成された場合、スロットマシン1は、RBBが入賞した場合、RBB一般遊技と、RB遊技と、を実行可能に構成される。スロットマシン1は、RBB一般遊技において、小役の当選確率を非ボーナス状態と同一に設定しつつRBを抽選対象に設定して内部抽選を行い、RBが当選して当該ボーナスの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことに基づいて、RBを作動させてRB遊技を開始する。また、スロットマシン1は、RB遊技において、非ボーナス状態よりも高確率で小役が当選するように内部抽選を行い、RB状態での遊技回数及び小役の入賞回数に基づいて、RB状態の終了条件が成立したか否かを判断し、RB状態での遊技回数が所定回数(例えば12回)に達したこと又はRB状態での小役の入賞回数が所定回数(例えば8回)に達したことのいずれかの終了条件が成立したことを契機としてRB状態を終了させてRBB一般遊技を再開する。このように、スロットマシン1は、RBB一般遊技が継続する期間とRB遊技が継続する期間が交互に設けられて遊技が進行し、RBB一般遊技及びRB遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた最小払出枚数を超えるメダルが払い出されると、RBB作動状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態へ復帰させる。
【0223】
なお、このように構成された場合、RBB一般遊技が継続する期間がボーナス期間を構成してもよいし、RB遊技が継続する期間がボーナス期間を構成してもよいし、RBB作動状態が開始されてから終了するまでの期間がボーナス期間を構成してもよい。また、RBB作動状態が開始されてから終了するまでの期間がボーナス期間を構成する場合、該ボーナス期間が開始されてからRBB一般遊技が継続する期間が開始された回数をカウントするカウンタ(不図示)の記憶値が、ボーナス期間における進行度を構成してもよいし、RBB一般遊技のみの実行回数が、ボーナス期間における進行度を構成してもよいし、RB遊技のみの実行回数が、ボーナス期間における進行度を構成してもよい。また、該ボーナス期間において獲得したメダルの合計枚数がボーナス期間における進行度を構成してもよいし、払出し可能枚数がボーナス期間における進行度を構成してもよい。また、このように構成された場合、指示機能状態制御手段200Bは、RBB一般遊技中においては、指示機能に係る制御を実行しないように構成される。
【0224】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については特に限定されない。
【0225】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10を有するように構成されているが、これに限らず、例えば制御基板として主制御基板と副制御基板とを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、内部抽選等の遊技の進行に係る抽選処理やリール制御を実行する各制御手段を主制御基板に有し、演出に係る制御処理として、いわゆるATの当否やATに関する抽選を含む制御処理を実行する各制御手段を副制御基板に有するようにしてもよい。また、ATの当否やATに関する抽選を含む制御処理に関しては、主制御基板を構成する制御手段が実行し、演出に関する制御処理に関しては、副制御基板を構成する制御手段が実行するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0226】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
130 リール制御手段
140 入賞判定手段
150 払出制御手段
170 遊技状態移行制御手段
180 演出制御手段
200B 指示機能状態制御手段(有利処理制御手段)
230 スタートスイッチ
240 ストップスイッチ
L1 有効ライン
L2 有効ライン
L3 有効ライン
R1 第1リール
R2 第2リール
R3 第3リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10