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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】愛玩動物用給餌台
(51)【国際特許分類】
   A01K 5/01 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A01K5/01 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017228350
(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公開番号】P2019097407
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】足立 裕司
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-159405(JP,A)
【文献】登録実用新案第3140366(JP,U)
【文献】特開2008-178337(JP,A)
【文献】特開2015-123006(JP,A)
【文献】特開2017-143749(JP,A)
【文献】特開2017-184647(JP,A)
【文献】特開2004-181150(JP,A)
【文献】登録実用新案第3111071(JP,U)
【文献】特開2002-238669(JP,A)
【文献】特開平08-308418(JP,A)
【文献】特開2003-189798(JP,A)
【文献】米国特許第09226478(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0148645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/00-5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の側板と、
二本の梁と、
棚板と、を具備して構成され、
前記二枚の側板を対向させて立設させ、前記二本の梁の双方の高さを異にしつつ前記二本の梁で前記二枚の側板を接続し、前記二本の梁の上に前記棚板を着脱可能に配設されていること、
を特徴とする愛玩動物用給餌台。
【請求項2】
前記棚板が前方係止部及び後方係止部を備え、前記前方係止部及び前記後方係止部がそれぞれ前記二本の梁に係合可能であること、
を特徴とする請求項1に記載の愛玩動物用給餌台。
【請求項3】
前記二枚の側板間における前記二本の梁の接続位置が、それぞれ高さ調整自在であること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の愛玩動物用給餌台。
【請求項4】
前記棚板が表面に樹脂製の滑り止めを有すること、
を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の愛玩動物用給餌台。
【請求項5】
前記二本の梁それぞれの高さ位置の差が、10mm~100mmの範囲であること、
を特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の愛玩動物用給餌台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、愛玩動物が餌を容易に摂取でき、取扱性にも優れる愛玩動物用給餌台に関する。
【0002】
従来、犬や猫等の愛玩動物に給餌する際には、餌を給餌用の器等に入れ、当該器を床面に配設して与えるのが一般的である。しかし、近年では愛玩動物の給餌時における姿勢が当該愛玩動物の健康に大きく影響を及ぼすことが認知されてきており、例えば、食道の位置を鑑みると、頭を下げて餌を摂取すると、餌が胃にまで到達しにくく、嘔吐を派生する可能性がある。
【0003】
特許文献1(特開2008-178337号公報)には、愛玩動物の各個体の大きさ、種類、月齢、健康状態などの各個体の状況に応じて適切な食物摂取姿勢を可能にするペット用給餌台が開示されている。また、特許文献2(特開2017-143749号公報)には、器を載置するための台座の高さを容易に変更することができ、一つの食事台で、複数の愛玩動物に給餌可能な食事台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-178337号公報
【文献】特開2017-143749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の給餌台では、器の高さを調整して愛玩動物の頭の高さの無理な変更を緩和できるものの、器自体の配設角度を変更することはできず、愛玩動物は頭の角度を下方に変更する必要があった。頭の角度を下方に向けて餌を摂取すると、餌を食道に到達させるために強く飲み込む力を必要とし、愛玩動物に対して容易で安全な食事環境を提供できているとは言えなかった。
【0006】
そこで、従来の愛玩動物用給餌台の構造に着目すると、器の配設高さの調整機構のみで角度そのものを変更調整可能な機構を有していないのは明らかであって、未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みて創作されたものであり、愛玩動物に対して容易で安全な食事環境を構成し、愛玩動物が頭の角度調整を大きく行うことなく自然な体勢で食事可能な愛玩動物用給餌台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
二枚の側板と、
二本の梁と、
棚板と、を具備して構成され、
前記二枚の側板を対向させて立設させ、前記二本の梁の双方の高さを異にしつつ前記二本の梁で前記二枚の側板を接続し、前記二本の梁の上に前記棚板を着脱可能に配設されていること、
を特徴とする愛玩動物用給餌台を提供する。
【0009】
このような構成を有する本発明の愛玩動物用給餌台は、例えば犬や猫等における愛玩動物の給餌に用いるための飼育具であり、一般的な給餌用食器を傾斜配置可能(床面に対して水平配置も可能)で、愛玩動物が餌を容易に摂取でき、取扱性にも優れた給餌台を構成することができる。より具体的には、二本の梁が高さを異にして配設でき、これに伴って棚板を傾斜させて配設可能なため、給餌用食器と、当該給餌用食器内に入れた餌と、が同様に手前側に寄り、愛玩動物が頭の角度調整を大きく行う必要なく、自然な体勢で食事を行うことができる。愛玩動物が自然な体勢で食事を行えるため、餌が食道から胃内にスムーズに移送され、例えば嘔吐等を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の愛玩動物用給餌台については、
前記棚板が前方係止部及び後方係止部を備え、前記前方係止部及び前記後方係止部がそれぞれ前記二本の梁に係合可能であることが望ましい。
【0011】
このような構成を有する本発明の愛玩動物用給餌台は、棚板を上方から下方に降下させ、係止部を二本の梁に接近させて双方の梁に係合させるのみで簡便に配設することができる。
【0012】
また、本発明の愛玩動物用給餌台については、
前記二枚の側板間における前記二本の梁の接続位置が、それぞれ高さ調整自在であることが望ましい。
【0013】
このような構成を有する本発明の愛玩動物用給餌台は、愛玩動物の身体サイズや、体高に応じ梁の固定位置を変更することで、給餌を容易に行える環境を提供することができる。更に、愛玩動物の成長に応じて適宜調整を行うことができるため、本愛玩動物用給餌台を長期間使用することができる。
【0014】
また、本発明の愛玩動物用給餌台については、
前記棚板が表面に樹脂製の滑り止めを有することが望ましい。
【0015】
このような構成を有する本発明の愛玩動物用給餌台は、梁との係合状態を好適に維持することができる。また、棚板単体を床面等に置いた際、この滑り止めが床面に当接してグリップ力が向上するため、棚板単体を床面に配置して給餌を行うことも可能となる。
【0016】
また、本発明の愛玩動物用給餌台については、更に、
二本の前記梁それぞれの高さ位置の差が、10mm~100mmの範囲であることが望ましい。
【0017】
このような構成を有する本発明の愛玩動物用給餌台は、二本の梁それぞれの高さ位置の差を上記範囲内とすることで、愛玩動物の身体のサイズに応じて棚板の高さをより微調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、愛玩動物に対して容易で安全な食事環境を構成し、愛玩動物が頭の角度調整を大きく行うことなく自然な体勢で食事可能な愛玩動物用給餌台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態における愛玩動物用給餌台1の概要を説明する斜視図である。
図2図1における側板3の構造を示す正面図である。
図3図1における梁5の構造を示す図であって、図5(a)は、梁5の長手方向を正面から見た側面図であり、図5(b)は、梁5の径方向を正面から見た正面図である。
図4図1における棚板7の構造を示す図であって、図4(a)は、棚板7の平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す矢視Aの断面図である。
図5図1における棚板7の底面の構造を示す図であって、図5(a)は、棚板7の底面を示す底面図であり、図5(b)は、棚板7に対するゴム脚27と滑り止め25との固定構造を示す断面図である。
図6】本実施形態における愛玩動物用給餌台1の組み立て方法を説明する模式図である。
図7】本実施系形態における愛玩動物用給餌台1の使用方法を示す図であって、図7(a)は、棚板7を床面に対して傾斜配設した状態の断面図であり、図7(b)は、棚板7を床面に対して水平配置した状態の断面図である。
図8図1における棚板7を傾斜した際の給餌用食器51と餌55との寄りを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1~8を参照しながら、本発明の愛玩動物用給餌台1における代表的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて比や数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0021】
1.愛玩動物用給餌台1の概要
図1を用いて本実施形態における愛玩動物用給餌台1の概要について説明する。図1は、本実施形態の愛玩動物用給餌台1の概要を説明する斜視図である。図1に示すとおり、愛玩動物用給餌台1は、例えば犬や猫等における愛玩動物の給餌に用いるための飼育具であって、一般的な給餌用食器51を傾斜配置可能で、愛玩動物が餌を容易に摂取でき、取扱性にも優れた特徴を有するものである。
【0022】
本実施形態の愛玩動物用給餌台1は、概ね本体を支持する二枚の側板3と、二枚の側板3双方を対向させつつ固定する二本の梁5と、二本の梁5の上方に当接配置する棚板7と、から構成されている。本実施形態では省略しているが、意匠性を向上するための装飾や愛玩動物の興味を引くための部品等を適宜加えて構成してもよい。
【0023】
なお、本明細書においては、図1に示すとおり、本実施形態では床面に対して略鉛直方向を縦方向Y、梁5の長手方向を横方向X、二本の梁5が対向する方向を奥行方向Zとして種々の説明を行う。
【0024】
2.愛玩動物用給餌台1の構造
<側板3の構造>
次に図2を用いて側板3の構造について詳細に説明する。図2は、側板3の構造を示す正面図である。本実施形態で用いる棚板3は、上述のとおり本愛玩動物用給餌台1を左右で支持する二枚の板であって、双方が対向した状態で後述する二本の梁5に接続され、床面に立設する部品である。
【0025】
側板3は例えば木材や樹脂を用いて形成された略矩形の板部品であり、後述する梁5を固定するための梁固定用孔9と、使用者が手を掛けて把持するための把持孔11と、床面に直接当接して滑り止めの作用を発揮する滑り止めゴム13と、を具備している。
【0026】
梁固定用孔9は、上述のとおり側板3と梁5とを固定するため、板厚方向に貫通する孔であって、固定用ビス53(図6参照)を所定のクリアランスを控えて挿通可能な直径で形成されている。また、この梁固定用孔9は、縦方向Yに対して略直線的に複数個を並べて配設しており、隣り合う孔同士の離間距離L2を10mm~100mmの範囲で設定することが好ましい。離間距離L2を当該範囲とすることで、二本の梁5それぞれの縦方向Y(高さ)の配設位置の差が、離間距離L2と同様の差となり、後述する棚板7を好適に傾斜させることができる。
【0027】
なお、上述のとおり二本の梁5を側板3に固定するため、縦方向Yに並べた梁固定用孔9複数個が二組必要となる。このため、双方の梁固定用孔9複数個の組を、離間距離L1を配して側板3の左右(奥行方向Z)に配設している。離間距離L1は、後述する棚板7の奥行方向Zの寸法に応じて決定することが好ましい。
【0028】
把持孔11は、使用者が手を挿入して側板3を把持し、本実施形態の愛玩動物用給餌台1を運搬等するための孔であって、本実施形態では長円形状に形成している。把持孔11の配設位置は、本実施形態の愛玩動物用給餌台1を把持した際により安定したバランスで持ち上げられるよう、側板3の略中心かつ上方とすることが望ましい。
【0029】
滑り止めゴム13は、例えばシリコンゴム等を用いて形成されたシート状の部品であて、側板3の底面に貼り付けられている。滑り止めゴム13により、側板3と床面とのグリップが向上し、床面に配設後における本愛玩動物用給餌台1の滑りを好適に抑制することができる。
【0030】
なお、本実施形態で用いる側板3は、意匠性を向上するために略愛玩動物の形状を付与いているが、これに限定されるものではなく、同様の基本的構造を備えたものであればよい。なお、図2に記載している梁固定用孔9の離間距離L7は、後述する棚板7の構造及び係合の説明を行う際に用いる。
【0031】
<梁5の構造>
続いて、図3(a)及び(b)を用いて梁5の構造について詳細に説明する。図3(a)及び(b)は、梁5の構造を示す図であって、図5(a)は、梁5の長手方向を正面から見た側面図であり、図5(b)は、梁5の径方向を正面から見た正面図である。梁5は、上述のとおり二枚の側板3を接続しつつ後述する棚板7を支持する部品である。
【0032】
図3(a)及び(b)に示すとおり、梁5は例えば木材等で形成された略棒状の部品であって、上述した二枚の側板3を接続可能な構造を備えている。本実施形態で用いる梁5の断面は略円形であって、側板3との固定の際に回転しても方向性が変わることがない。
【0033】
また、図3(b)に示すとおり、双方の木口には側板3を挟持固定する固定用ビス53を螺子勘合するビス孔21が備わっている。なお、梁5の長さL3は、後述する棚板7の横方向Xの寸法に応じて決定することが好ましい。
【0034】
<棚板7の構造>
次に、図4(a)及び(b)を用いて棚板7の構造について詳細に説明する。図4(a)及び(b)は、棚板7の構造を示す図であって、図4(a)は、棚板7の平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す矢視Aの断面図である。棚板7は、上述の側板3及び梁5で構成した棚に配設し、愛玩動物に与える餌の器となる給餌用食器51を配膳するものである。
【0035】
図4(a)及び(b)に示すとおり、棚板7は樹脂等で形成された略矩形の板状部品であって、奥行方向Zの両端(前方と後方)で、横方向Xに延びかつ互いが並行に配置される係止部23が備わっている。この係止部23の双方の係止部23の離間距離L5及び溝幅L6は、上述した梁5のサイズ(直径寸法)と、側板3が備える梁固定用孔9の離間距離L1及び離間距離L7(図2参照)と、に応じて決定することが望ましく、係合時に適度なクリアランスを備えて双方の係合を容易にすることが好ましい。
【0036】
また、棚板7は平滑な配膳面17を備え、この配膳面17を横方向Xの両端と、奥行方向Zの両端と、の表面に形成された縁部15によって囲んでいる。そして、両端の2つの縁部15のうちの一方の縁部15には、更に上方に凸状に連続して一体的に形成された堤部15Aが設けられている。なお、横方向Xの両端に位置する縁部15には、使用者が棚板7を把持するための把持部19が備わっている。
【0037】
棚板7の横方向Xの長さL4は、愛玩動物の体長等に応じて決定することが望ましく、より具体的には、愛玩動物に与える餌の量に応じて形成された給餌用食器51が所定の余裕を持ちつつ配膳可能な寸法とすることが望ましい。
【0038】
上記配膳面17の表面には、例えばシリコンゴム等の樹脂材料で形成された略円形の滑り止め25が複数個、所定の間隔及びパターンで備わっており、これらの滑り止め25が給餌用食器51の底面等に当接することにより、給餌中に愛玩動物の動作で給餌用食器51が移動することを好適に抑制することができる。
【0039】
本実施形態では上記滑り止め25を奥行方向Z双方に対して等間隔に配置しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば全てをランダムに配置して構成してもよい。
【0040】
続いて、図5(a)及び(b)を用いて棚板7の底面(裏面)の構造を詳細に説明する。図5(a)及び(b)は、棚板7の底面の構造を示す図であって、図5(a)は、棚板7の底面を示す底面図であり、図5(b)は、棚板7に対するゴム脚27と滑り止め25との固定構造を示す断面図である。本実施形態に用いる棚板7の底面には、ゴム脚27が備わっており、梁5との係合状態の維持及び棚板7を床面等に置いた際の滑り止めを好適に行うことができる。
【0041】
ゴム脚27は、例えばシリコンゴム等の樹脂材料で形成された薄い板厚の部品であって、図5(a)に示すとおり、棚板7の底面に所定の間隔で略格子状に配設されている。棚板7を床面等に置いた際、このゴム脚27(滑り止め)が床面に当接することでグリップ力が向上するため、例えば棚板7単体を床面に配置して容易に給餌を行うことも可能である。
【0042】
また、係止部23の一部に対しても当該ゴム脚27が形状に沿って配設されており、上述のとおり梁5との係合を維持することができる。
【0043】
本実施形態においては、図5(b)に示すとおり、上述した滑り止め25とゴム脚27とが、棚板7表裏を連通する孔29を介して一体的に形成し、双方にて固定されている構造を有している。これにより、複数個の滑り止め25を容易に取り扱うことができる。また、棚板7に対して例えば接着剤等で貼り付ける場合と比してより強固に双方を固定することができ、剥がれ等による脱落を防止することができる。
【0044】
3.愛玩動物用給餌台1の組み立て
次に、図6を用いて本実施形態における愛玩動物用給餌台1の組み立て方法について詳細に説明する。図6は、本実施形態における愛玩動物用給餌台1の組み立て方法を説明する模式図である。図6に示すとおり、本実施形態の愛玩動物用給餌台1は、勘弁な組み立て方法を実施することのみで構成することができる。
【0045】
まず、二本の梁5を間に挟みつつ、二枚の側板3を対向させる。双方の側板3に備えられた梁固定用孔9の内、使用者が選択して決定した孔を介して固定用ビス53を外側から挿入し、梁5のビス孔21に螺子勘合する。上記手順で双方の側板3と二本の梁5とを固定を完了することにより、棚板7を配設するための棚が構成される。なお、二本の梁5の高さを異にして配設する場合は、奥行方向Zに対してどちらを上方配置又は下方配置にしてもよく、使用状況に応じて適宜決定することができる。
【0046】
続いて、棚板7の配膳面17を上方に向けつつ、二本の梁5に接近させて係止部23を双方の梁5に係合させる。このとき、二本の梁5双方を同様の高さで固定している場合は、棚板7を上方から下方に降ろして配設させればよいが、二本の梁5双方の高さを異にして固定している場合は、係止部23と梁5とが確実に係合するよう上方から斜め下方へ降ろして配設することが望ましい。なお、給餌用食器51の脱落をより確実に防止するためには堤部15Aを下方に位置して配設することが望ましいが、必ずしもこれに限定されず、使用状況に応じて配設方向を適宜決定することができる。
【0047】
上記の手順を完了することにより、本実施形態における愛玩動物用給餌台1の組み立てが完了する。
【0048】
4.愛玩動物用給餌台1の使用方法
続いて、図7(a)及び(b)と、図8と、を用いて本実施形態における愛玩動物用給餌台1の使用方法について詳細に説明する。図7(a)及び(b)は、本実施系形態における愛玩動物用給餌台1の使用方法を示す図であって、図7(a)は、棚板7を床面に対して傾斜配設した状態の断面図であり、図7(b)は、棚板7を床面に対して水平配置した状態の断面図である。また、図8は、棚板7を傾斜した際の給餌用食器51と餌55の寄りを示す模式図である。
【0049】
上述のとおり、本実施形態の愛玩動物用給餌台1は、使用者が棚板7の配置角度を斜め又は水平から選択して決定することができる。図7(a)に示すとおり、側板3に対する二本の梁5双方の固定高さを異にすることにより、棚板7を奥行方向Zに傾斜させることができる。
【0050】
本実施形態では二本の梁5双方の高さ位置の相違範囲を、縦に配置した複数の梁固定用孔9を一つ分としているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、上述した棚板の係止部23の溝幅L6及び離間距離L5を変更して形成することで対応することが可能である。
【0051】
また、図7(b)に示すとおり、側板3に対する二本の梁5双方の固定高さを同様にすることにより、棚板7を床面に対して平行に配設させることができる。よって、本実施形態の愛玩動物用給餌台1は、従来とおりの使用法を用いることも可能なため、状況に応じて使用者が棚板7の傾斜を最適な状態に変更することができる。
【0052】
図8に示すとおり、棚板7を傾斜して使用することにより、給餌用食器51が傾いて奥行方向Zの手前側P1に寄って縁部15と当接する。このため、給餌用食器51内に入れた餌55が同様に手前側P1に寄り、愛玩動物が頭の角度調整を大きく行う必要なく、自然な体勢で食事を行うことができる。愛玩動物が自然な体勢で食事を行えるため、餌55が口腔内から食道、そして胃内にスムーズに移送され、例えば嘔吐等を抑制することができる。
【0053】
また、縁部15を堤部15A側が下がるように棚板7を配設することにより、給餌用食器51が落ちることをより確実に防止することができる。なお、愛玩動物の体高に応じ上述の梁5の固定位置を変更することで、給餌を容易に行える環境を提供することができるため、例えば愛玩動物の成長に応じて適宜調整を行うことができる。
【0054】
以上、本実施形態における愛玩動物用給餌台1の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の変形例や改良例が存在し、これらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本実施形態における愛玩動物用給餌台は、愛玩動物に対して容易で安全な食事環境を構成し、愛玩動物が頭の角度調整を大きく行うことなく自然な体勢で食事を可能とするものである。
【符号の説明】
【0056】
1 愛玩動物用給餌台
3 側板
5 梁
7 棚板
9 梁固定用孔
11 把持孔
13 滑り止めゴム
15 縁部
15A 堤部
17 配膳面
19 把持部
21 ビス孔
23 係止部
25 滑り止め
27 ゴム脚
29 孔
51 給餌用食器
53 固定用ビス
L1 離間距離
L2 離間距離
L3 長さ
L4 長さ
L5 離間距離
L6 溝幅
L7 離間距離
P1 手前側
X 横方向
Y 縦方向
Z 奥行方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8