(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】基板加工装置
(51)【国際特許分類】
B28D 7/04 20060101AFI20220126BHJP
B28D 5/00 20060101ALI20220126BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20220126BHJP
C03B 33/03 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
B28D7/04
B28D5/00 Z
H01L21/78 T
C03B33/03
(21)【出願番号】P 2017230252
(22)【出願日】2017-11-30
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中田 勝喜
(72)【発明者】
【氏名】谷垣内 平道
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224328(JP,A)
【文献】特開2016-003146(JP,A)
【文献】特開2014-019043(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0127484(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 7/04
B28D 5/00
H01L 21/301
C03B 33/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して互いに直交する複数の第1スクライブラインと複数の第2スクライブラインを形成するスクライブライン形成装置と、
前記基板の前記複数の第1スクライブラインに沿って分断することで、複数の短冊状基板を形成する第1分断装置と、
前記複数の短冊状基板を平面視で90度回転させる回転装置と、
前記第1分断装置の搬送方向下流側に配置され、前記複数の短冊状基板を前記複数の第2スクライブラインに沿って分断することで、複数の単位基板を形成する第2分断装置と、
前記第1分断装置から前記第2分断装置に複数の短冊状基板を搬送する搬送装置と、
を備え
、
前記第1分断装置は、前記複数の第1スクライブラインに平行に延びており、前記複数の第1スクライブラインに合わせて搬送方向への移動・分断を繰り返す第1ブレイクバーを有し、
前記第2分断装置は、前記複数の第2スクライブラインに平行に延びており、前記複数の第2スクライブラインに合わせて搬送方向への移動・分断を繰り返す第2ブレイクバーを有している、
基板加工装置。
【請求項2】
前記回転装置は、前記複数の短冊状基板を一括して吸着する吸着部と、前記吸着部を昇降させる昇降部と、前記吸着部を鉛直軸中心に90度回転させる回転部とを有している、請求項
1に記載の基板加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板加工装置、特に2回にわたって基板を分断する基板加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脆性材料基板(以下、単に基板という)を複数の単位基板に分割する方法では、基板の表面にカッターホイール(スクライビングホイールともいう)や固定刃、若しくはレーザービーム等のスクライブ手段を用いて、互いに直交するX方向並びにY方向のスクライブラインを形成し、その後、当該スクライブラインに沿って外力を印加してブレイクする(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の基板分断装置は、テーブル2と、ブレイクバー10とを備えている。テーブル2は、加工対象となる基板Wを載置して回転可能であり、水平なレール3に沿ってY方向に移動できる。テーブル2の上方にはX方向に水平に延びるビーム(横枠)7が設けられており、このビーム7に、該ビームと平行にX方向に延びる板状のブレイクバー10が取り付けられている。ブレイクバー10は、流体シリンダ11によって駆動される昇降軸12を介して昇降できる。
【0004】
スクライブ工程では、長方形の基板Wに対して、スクライブ手段により表面に互いに直交する複数のスクライブラインS1、S2が形成される。
基板分断工程では、最初に、スクライブラインS1、S2が下面となるように基板Wをテーブル2に載置する。次に、基板Wの上方からスクライブラインS1に向かってブレイクバー10を下降させて基板を押圧して僅かにV字状に撓ませることにより、スクライブラインS1のクラックを伸展させて基板Wをブレイクする。全てのスクライブラインS1をブレイクした後、スクライブラインS2がX方向に向くようにテーブル2を90度回転させる。そして上記同様に、ブレイクバー10を下降させてスクライブラインS2をブレイクする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の基板分断装置では、第1スクライブラインの分断を行った後に、第2スクライブラインの分断を行っているので、基板分断の能力が十分に高くない。
【0007】
本発明の目的は、基板加工装置において、基板分断の能力を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0009】
本発明の一見地に係る基板加工装置は、スクライブライン形成装置と、第1分断装置と、回転装置と、第2分断装置と、搬送装置とを備えている。
スクライブライン形成装置は、基板に対して互いに直交する複数の第1スクライブラインと複数の第2スクライブラインを形成する。
第1分断装置は、基板を複数の第1スクライブラインに沿って分断することで、複数の短冊状基板を形成する。
回転装置は、複数の短冊状基板を平面視で90度回転させる。
第2分断装置は、第1分断装置の搬送方向下流側に配置され、複数の短冊状基板を複数の第2スクライブラインに沿って分断することで、複数の単位基板を形成する。
搬送装置は、第1分断装置から第2分断装置に複数の短冊状基板を搬送する。
【0010】
この装置では、第1分断装置が複数の短冊状基板を形成しているときに、それと同時に第2分断装置が複数の単位基板を形成できる。したがって、基板加工装置の単位基板を形成する能力が従来より高くなっている。なお、短冊状基板と単位基板を同時に形成するとは、両工程が少なくとも部分的に時間的に重なって実行されることをいう。
【0011】
第1分断装置は、複数の第1スクライブラインに平行に延びており、複数の第1スクライブラインに合わせて搬送方向への移動・分断を繰り返す第1ブレイクバーを有している。
この装置では、第1ブレイクバーが搬送方向に移動して、分断動作を繰り返し行う。
【0012】
第2分断装置は、複数の第2スクライブラインに平行に延びており、複数の第2スクライブラインに合わせて搬送方向への移動・分断を繰り返す第2ブレイクバーを有している。
この装置では、第2ブレイクバーが搬送方向に移動して、分断動作を繰り返し行う。
【0013】
回転装置は、複数の短冊状基板を一括して吸着する吸着部と、吸着部を昇降させる昇降部と、吸着部を鉛直軸中心に90度回転させる回転部とを有していてもよい。
この装置では、吸着部が複数の短冊状基板を吸着し、吸着部が上昇し、吸着部が90度回転し、吸着部が下降し、吸着部が複数の短冊状基板の吸着を解除する。この結果、複数の短冊状基板を平面視で90度回転させられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る基板加工装置では、基板分断の能力が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る基板加工装置の模式的平面図。
【
図5】第1分断装置のインパクトブレイクバーの斜視図。
【
図8】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的平面図。
【
図9】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的側面図。
【
図10】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的平面図。
【
図11】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的側面図。
【
図12】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的側面図。
【
図13】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的平面図。
【
図14】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的平面図。
【
図15】基板分断装置の分断動作の一状態を示す模式的側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)基板加工装置の概略説明
図1~
図3を用いて、基板加工装置1を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板加工装置の模式的平面図である。
図2は、基板分断装置の模式的斜視図である。
図3は、基板分断装置の側面図である。
図1において、図上下方向が第1方向(矢印X)であり、図左右方向が第2方向(矢印Y)である。
【0017】
基板加工装置1は、貼り合わせ基板100から複数の単位基板113を形成する装置である。
図1において、これから述べる複数の装置は、第2方向において左から右に向かって並べられている。つまり、被加工対象の基板の搬送方向は第2方向であり、基板は第2方向において左から右に向かって搬送されながら加工される。そのため、
図1の第2方向左側が搬送上流側であり、
図1の第2方向右側が搬送方向下流側である。
基板加工装置1は、スクライブライン形成装置3を有している。スクライブライン形成装置3は、貼り合わせ基板100の表面に複数の第1スクライブラインS1と複数の第2スクライブラインS2を形成する。第1スクライブラインS1と第2スクライブラインS2は互いに直交している。なお、スクライブ加工後の基板を貼り合わせ基板100Aとする。
【0018】
スクライブライン形成装置3は、具体的には、スクライブユニット51と、貼り合わせ基板100を搬送方向下流側に搬送するコンベヤ装置53と、貼り合わせ基板100を保持して搬送方向両側に移動させるチャック機構55とを有している。スクライブユニット51は、第1方向に延長して設けられたスクライブビーム51aと、それに沿って第1方向に移動可能なスクライブヘッド51b(
図7)と、スクライブヘッド移動装置51c(
図7)を有している。コンベヤ装置53は、ベルトコンベヤである。チャック機構55は、コンベヤ装置53の上において、第2方向に沿って前後に移動可能に設置されたチャックビーム55aと、チャックビーム移動装置55b(
図7)と、チャックビーム55aの片側に形成され、貼り合わせ基板100を把持するチャック55cとを有している。チャックビーム55aがスクライブユニット51に向かって第1方向両側に移動することによって、チャック55cに把持されている貼り合わせ基板100はスクライブヘッド51b(
図7)の下方を通過しながらスクライブされる。
【0019】
基板加工装置1は、基板分断装置5を有している。基板分断装置5は、貼り合わせ基板100Aを複数の第1スクライブラインS1と複数の第2スクライブラインS2に沿って分断することで、単位基板113を形成する。基板分断装置5は、スクライブライン形成装置3の搬送方向下流側に配置されている。
【0020】
基板分断装置5は、第1分断装置7を有している。第1分断装置7は、貼り合わせ基板100Aを複数の第1スクライブラインS1に沿って分断することで、複数の短冊状基板111を形成する。第1分断装置7は、第1方向に平行に延びており、貼り合わせ基板100Aの複数の第1スクライブラインS1に合わせて搬送方向に移動・分断を繰り返す。第1分断装置7は後に詳述される。
基板分断装置5は、
図2に示すように、吸着回転装置8を有している。吸着回転装置8は、複数の短冊状基板111を平面視で90度回転させる。吸着回転装置8は、複数の短冊状基板111を一括して吸着する吸着部8aと、吸着部8aを昇降させる昇降部8bと、吸着部8aを鉛直軸中心に90度回転させる回転部8cとを有している。一連の動作として、吸着部8aが複数の短冊状基板111を吸着し、吸着部8aが上昇し、吸着部8aが90度回転し、吸着部8aが下降し、吸着部8aが複数の短冊状基板111の吸着を解除する。基板分断装置5は、後述する第1ダンサーユニット35と第2ダンサーユニット37との間の上方に配置されている。
【0021】
基板分断装置5は、第2分断装置9を有している。第2分断装置9は、第1分断装置7の搬送方向下流側に配置され、複数の短冊状基板111を第2スクライブラインS2に沿って分断することで、複数の単位基板113を形成する。第2分断装置9は、第1方向に平行に延びており、複数の短冊状基板111の複数の第2スクライブラインS2に合わせて搬送方向に移動・分断を繰り返す。第2分断装置9は後に詳述される。
基板加工装置1は、ピックアップ装置11を有している。ピックアップ装置11は、複数の単位基板113をピックアップして他の装置13に搬送する。
【0022】
次に、基板を搬送するための搬送装置29を説明する。搬送装置29は、スクライブライン形成装置3、第1分断装置7、第2分断装置9、ピックアップ装置11の順番で基板を搬送する。
具体的には、搬送装置29は、第1コンベヤ装置41と、第2コンベヤ装置43と、第3コンベヤ装置45とを有している。第1コンベヤ装置41は、スクライブライン形成装置3と第1分断装置7との間に延びている。第2コンベヤ装置43は、第1分断装置7と第2分断装置9の間に延びている。第3コンベヤ装置45は第2分断装置9とピックアップ装置11との間に延びている。
【0023】
図9に示すように、第1コンベヤ装置41は、第1ベルト41aと、複数のローラ41bと、第1モータ41c(
図7)とを有している。複数のローラ41bのうち搬送方向上流側のもの及び搬送方向下流側のものは、所定範囲内で搬送方向前後に移動可能になっている。
図9に示すように、第2コンベヤ装置43は、第2ベルト43a(搬送装置の一例)と、複数のローラ43bと、第2モータ43c(
図7)とを有している。複数のローラ43bのうち搬送方向上流側のもの及び搬送方向下流側のものは、所定範囲内で搬送方向前後に移動可能になっている。
【0024】
図9に示すように、第3コンベヤ装置45は、第3ベルト45a(搬送装置の一例)と、複数のローラ45bと、第3モータ45c(
図7)とを有している。複数のローラ45bのうち搬送方向上流側のものと搬送方向下流側のものは、所定範囲内で搬送方向前後に移動可能になっている。
図9に示すように、第1ベルト41aの上面部の搬送方向下流側端と、第2ベルト43aの上面部の搬送方向上流側端とはわずかな隙間を挟んで近接している。第2ベルト43aの上面部の搬送方向下流側端と、第3ベルト45aの上面部の搬送方向上流側端とはわずかな隙間を挟んで近接している。
【0025】
上記の構成によって、基板加工装置1では、第1分断装置7が貼り合わせ基板100Aを分割して複数の短冊状基板111を形成しているときに、それと同時に第2分断装置9が複数の短冊状基板111を分割して複数の単位基板113を形成できる。したがって、基板加工装置1の単位基板113を形成する能力が従来より高くなっている。
【0026】
(2)基板加工装置の詳細説明
(2-1)第1分断装置
図3に示すように、第1分断装置7は、第1プリ分断装置7aと、第1インパクト分断装置7bとを有している。第1プリ分断装置7aは、分断時に、貼り合わせ基板100Aを押さえつけて第1分断装置7に保持する機能と、貼り合わせ基板100Aの下側の第1スクライブラインS1を分断する機能とを有している。第1インパクト分断装置7bは、貼り合わせ基板100Aの上側の第1スクライブラインS1を分断することで端材又は基板を残りの部分から引き離す機能を有している。
第1プリ分断装置7aは、基板分断時は、第1ベルト41aの上面部の搬送方向下流側端を保持しながら、搬送方向上流側に移動する。第1インパクト分断装置7bは、基板分断時は、第2ベルト43aの上面部の搬送方向上流側端を保持しながら、搬送方向上流側に移動する。
【0027】
図4~
図6を用いて、第1プリ分断装置7a及び第1インパクト分断装置7bをさらに詳細に説明する。
図4は、第1分断装置のプリブレイクバーの斜視図である。
図5は、第1分断装置のインパクトブレイクバーの斜視図である。
図6は、
図5の部分拡大図である。
第1プリ分断装置7aは、プリブレイクバー21(第1ブレイクバーの一例)を有している。
図4に示すように、プリブレイクバー21は、第1方向に平行に延びており、搬送方向に移動可能なビームの下方において第1昇降装置22(
図7)によって昇降可能に支持されている。第1プリ分断装置7aは、さらに、
図3に示すように、インパクト25を有している。インパクト25は、ビームにロックされており、プリブレイクバー21が基板の上面に接触する位置に下降した状態で、ロック解除装置26(
図7)によってビームとの係合を解除されることで落下して、プリブレイクバー21に衝撃を与える。
【0028】
第1インパクト分断装置7bは、インパクトブレイクバー23(第1ブレイクバーの一例)を有している。
図5及び
図6に示すように、インパクトブレイクバー23は、第1方向に平行に延びており、搬送方向に移動可能なビームの下方において第2昇降装置24(
図7)によって昇降可能に支持されている。インパクトブレイクバー23は、バー本体23aと、端材接触部23bと、基板接触部23cとを有している。
なお、プリブレイクバー21及びインパクトブレイクバー23を支持しつつ搬送方向にビームを移動させる機構は公知であるので、説明を省略する。
【0029】
(2-2)第2分断装置
図9に示すように、第2分断装置9は、第2プリ分断装置9aと、第2インパクト分断装置9bとを有している。第2プリ分断装置9aは、分断時に、複数の短冊状基板111を押さえつけて第2分断装置9に保持する機能と、複数の短冊状基板111の下側の第2スクライブラインS2を分断する機能とを有している。第2インパクト分断装置9bは、複数の短冊状基板111の上側の第2スクライブラインS2を分断することで端材又は基板を残りの部分から引き離す機能を有している。第2プリ分断装置9aは、基板分断時は第2ベルト43aの上面部の搬送方向下流側端を保持しながら、搬送方向上流側に移動する。第2インパクト分断装置9bは、基板分断時は、第3ベルト45aの上面部の搬送方向上流側端を保持しながら、搬送方向上流側に移動する。
第2プリ分断装置9a及び第2インパクト分断装置9bの構造及び機能は、第1プリ分断装置7a及び第1インパクト分断装置7bの構造及び機能と同じであるので、説明を省略する。
【0030】
(2-3)ダンサーユニット
図1~
図3に示すように、第1ベルト41aには、第1ダンサーユニット35が配置されている。第2ベルト43aには、第2ダンサーユニット37が配置されている。第3ベルト45aには、第3ダンサーユニット39が配置されている。第1ダンサーユニット35、第2ダンサーユニット37及び第3ダンサーユニット39は、第1ベルト41a、第2ベルト43a及び第3ベルト45aをそれぞれ押し下げることでベルトの長さを調整する。これら装置の構成及び機能は公知であるので、説明を省略する。
【0031】
(3)基板加工装置の制御構成
図7を用いて、基板加工装置1の制御構成を説明する。
図7は、基板加工装置の制御構成を示すブロック図である。
基板加工装置1は、コントローラ50を有している。コントローラ50は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ50は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ50は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ50の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ50を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、コントローラ50の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0032】
図7に示すように、コントローラ50には、スクライブユニット51(スクライブヘッド51b、スクライブヘッド移動装置51c)、チャック機構55(チャックビーム移動装置55b、チャック55c)、第1コンベヤ装置41の第1モータ41c、第2コンベヤ装置43の第2モータ43c、第3コンベヤ装置45の第3モータ45c、第1ダンサーユニット35、第2ダンサーユニット37、第3ダンサーユニット39が接続されている。コントローラ50には、さらに、第1分断装置7(第1昇降装置22、第2昇降装置24、ロック解除装置26)、第2分断装置9(第1昇降装置22、第2昇降装置24、ロック解除装置26)、吸着回転装置8(吸着部8a、昇降部8b、回転部8c)が接続されている。
コントローラ50には、図示しないが、基板の大きさ、形状及び位置を検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
【0033】
【0034】
(4-1)第1分断装置による基板分断の動作
図8及び
図9に示すように、基板分断の開始段階では、第1ダンサーユニット35と第2ダンサーユニット37との間には、第1ベルト41aの搬送方向下流側部分と、第2ベルト43aの搬送方向上流側端(
図9のみ明示)とが配置されている。このとき、貼り合わせ基板100Aが、第1ベルト41aの搬送方向下流側部分に載置されている。
図10及び
図11に示すように、基板分断の動作段階では、第1分断装置7が搬送方向上流側に移動していき、第1スクライブラインS1を分断して短冊状基板111を作成する。なお、上記動作中は、第1ベルト41a、第2ベルト43a、及び第3ベルト45aは搬送動作を停止している。
【0035】
上記の基板分断動作中に、下記のa)~c)の動作が同時に行われる。
a)複数の短冊状基板111は、第2ベルト43aに載置されていく。
b)
図11に示すように、端材111Aが、第1ベルト41aと第2ベルト43aとの間から下方に落下する。端材111Aは、第1ベルト41aの搬送面より下側の面の上に載置される。
c)第1ダンサーユニット35と第2ダンサーユニット37との間において、第1ベルト41aの占める領域が小さくなっていき(第1ベルト41aの搬送方向長さが短くなっていき)、第2ベルト43aの占める領域が大きくなっていく(第2ベルト43aの搬送方向長さが長くなっていく)。これは、第1ベルト41aの上側搬送部が搬送方向上流側に移動したからである。
図12に示すように、基板分断の終了段階では、第1分断装置7が第1ダンサーユニット35の搬送方向下流側に近接する位置まで到達している。この状態では貼り合わせ基板100Aの第1スクライブラインS1の分断は全て終了している。
【0036】
上記の分断後は、吸着回転装置8が、複数の短冊状基板111を吸着して、上昇させ、90度回転して、下降して、吸着を解除する。これにより、
図13に示すように、複数の短冊状基板111が、第2方向に延びる姿勢で第2ベルト43aの上に配置される。
次に、
図14及び
図15に示すように、第1分断装置7が搬送方向下流側に移動し、さらに第2モータ43cが駆動されて第2ベルト43aが複数の短冊状基板111を搬送方向下流側に搬送する。これにより、複数の短冊状基板111は、第2ダンサーユニット37からさらに搬送方向下流側に移動する。
なお、
図15に示すように、上記動作時に、第2モータ43c(
図7)が第2ベルト43aを駆動することで、端材113Aが第2回収ボックス73に収容される。また、第1モータ41c(
図7)が第1ベルト41aを駆動することで、端材111Aを第1回収ボックス71に収容する。
【0037】
(4-2)第2分断装置による基板分断の動作
以下の動作は、上述の第1分断装置7による基板分断の動作と同時に行われている。
図8及び
図9に示すように、基板分断の開始段階では、第2ダンサーユニット37と第3ダンサーユニット39との間には、第2ベルト43aの搬送方向下流側部分と、第3ベルト45aの搬送方向上流側端(
図9のみ明示)とが配置されている。このとき、複数の短冊状基板111が、第2ベルト43aの搬送方向下流側部分に載置されている。
【0038】
図10及び
図11に示すように、基板分断の動作段階では、第2分断装置9が搬送方向上流側に移動していき、複数の短冊状基板111の第2スクライブラインS2を分断して単位基板113を作成する。なお、上記動作中は、第1ベルト41a、第2ベルト43a、及び第3ベルト45aは搬送動作を停止している。
【0039】
上記の基板分断動作中に、下記のa)~c)の動作が同時に行われる。
a)単位基板113は、第3ベルト45aに載置されていく。
b)
図11に示すように、端材113Aが、第2ベルト43aと第3ベルト45aとの間から下方に落下する。端材113Aは、第2ベルト43aの搬送面より下側の部分の上に載置される。
c)第2ダンサーユニット37と第3ダンサーユニット39との間において、第2ベルト43aの占める領域が小さくなっていき(第2ベルト43aの搬送方向長さが短くなっていき)、第3ベルト45aの占める領域が大きくなっていく(第3ベルト45aの搬送方向長さが長くなっていく)。これは、第2ベルト43aの上側搬送部が搬送方向上流側に移動させられたからである。
図12及び
図13に示すように、基板分断の終了段階では、第2分断装置9が第2ダンサーユニット37の搬送方向下流側に近接する位置まで到達する。この状態では複数の短冊状基板111の第2スクライブラインS2の分断は全て終了している。
【0040】
次に、
図14及び
図15に示すように、第2分断装置9が搬送方向下流側に移動し、さらに第3ベルト45aが駆動されて単位基板113を搬送方向下流側に搬送する。これにより、複数の単位基板113は、第3ダンサーユニット39からさらに搬送方向下流側に移動する。
【0041】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、2回にわたって基板を分断する基板加工装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 :基板加工装置
3 :スクライブライン形成装置
5 :基板分断装置
7 :第1分断装置
8 :吸着回転装置
9 :第2分断装置
11 :ピックアップ装置
29 :搬送装置
41 :第1コンベヤ装置
43 :第2コンベヤ装置
45 :第3コンベヤ装置
50 :コントローラ
51 :スクライブユニット
100 :貼り合わせ基板
111 :短冊状基板
113 :単位基板
S1 :第1スクライブライン
S2 :第2スクライブライン