(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】蓋体開閉装置並びに各種機器
(51)【国際特許分類】
G03B 27/62 20060101AFI20220126BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20220126BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
G03B27/62
F16C11/04 F
H04N1/00 519
(21)【出願番号】P 2018041580
(22)【出願日】2018-03-08
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】513014628
【氏名又は名称】株式会社ナチュラレーザ・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲生
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-191421(JP,A)
【文献】特開平7-128926(JP,A)
【文献】特開2004-4752(JP,A)
【文献】特開2013-97363(JP,A)
【文献】特開2001-154289(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0008557(KR,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0174515(US,A1)
【文献】特開2004-109792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 27/58-27/64
F16C 11/00-11/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種機器の装置本体の後部上端側へ取り付けられる取付部材と、この取付部材の両側板へ第1連結部材を介して回転可能に取り付けられる支持部材と、この支持部材の外側に位置し当該支持部材に対し上下方向へスライド手段を介してスライド可能に取り付けられたスライド部材と、このスライド部材の上部に第2連結部材を介して前記支持部材とは反対方向へ回転可能に取り付けられたところの蓋体の後端部側へ取り付けられるリフト部材と、
前記取付部材の両側板の上部に前記第1連結部材の上方に位置して取り付けられた受圧部材と、この受圧部材に接して前記支持部材の両側板の間にスライド可能に収装されたスライダーカム部材と、このスライダーカム部材と前記支持部材の自由端側に設けた当接板との間に弾設した弾性部材と、前記支持部材と前記スライド部材との間に張設され前記スライド部材を常に取付部材側に牽引する牽引用弾性部材と、で構成し、前記リフト部材に蓋体の後端部を取り付けるように成したことを特徴とする、蓋体開閉装置。
【請求項2】
前記スライド部材は、装置本体側の原稿載置台に本のような厚物原稿を載置して前記蓋体を閉じた際に、前記リフト部材と共に前記牽引用弾性部材の牽引力に抗して上方へスライドすると共に、前記リフト部材は、前記第2連結部材を介して前記支持部材の回転方向とは異なる方向へ回転して、
前記蓋体が厚物原稿の上面を水平状態で覆うことができるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蓋体開閉装置。
【請求項3】
前記スライド手段は、前記支持部材の両側板に添って上下方向に取り付けられたレール部と、前記スライド部材の両側板に前記レール部と係合しつつ当該レール部に案内されて前記スライド部材の上下方向のスライドをアシストするローラとで構成したことを特徴とする、請求項1に記載の蓋体開閉装置。
【請求項4】
前記牽引用弾性部材は、前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に張設されていることを特徴とする、請求項1に記載の蓋体開閉装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項の蓋体開閉装置を用いて前記装置本体に前記蓋体を取り付けていることを特徴とする各種機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機や印刷機等の事務機器の原稿圧着板やキャビネットなどの家具の蓋体を開閉する際に用いて好適な、蓋体開閉装置並びにこの蓋体開閉装置を用いた各種機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、とくに複写機等の事務機器の原稿圧着板開閉装置に用いられる蓋体開閉装置としては、例えば下記特許文献1に記載されているように、装置本体側へ取り付ける取付ベースとこの取付ベースより立ち上げた両側板を有する取付部材と、背板とこの背板より折り曲げた両側板を有し、この両側板を前記取付部材の両側板へ第1連結部材を介して回転可能に軸着した支持部材と、背板とこの背板より折り曲げた両側板とこの両側板より折り曲げた原稿圧着板の取付ベースとを有し、この両側板を前記支持部材の両側板の自由端側に第2連結部材を介して前記支持部材とは異なる方向へ回転可能に軸着したリフト部材と、このリフト部材における前記第2連結部材を中心とする回転に伴って旋回する位置に設けられた作動部材と、前記取付部材の前記両側板間に設けた受圧部材と、この受圧部材と前記作動部材との間に弾設させることにより、前記リフト部材を前記支持部材と重なり合う方向へ付勢させつつ当該支持部材を原稿圧着板の開成方向へ付勢させる弾性部材と、を有する蓋体開閉装置が公知であり、また、この蓋体開閉装置を用いた事務機器が公知である。このタイプものは現在広く普及しており、現在ほとんどの複写機のような事務機器に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように構成した従来公知の蓋体開閉装置とこの蓋体開閉装置を用いた事務機器においては、
図13に示したように、蓋体開閉装置(イ)の支持部材(ロ)やリフト部材(ハ)は、蓋体(二)の後端部下面側に取り付けられていることから、蓋体(二)の後部側にその分の取付幅TSを取る必要があった。その結果、蓋体(二)の奥行きの幅が長くなり、その分装置本体(ホ)の奥行も長くなるという問題があった。近年、複写機や複合機などの各種機器においては、小型化を図ることが一つの重要な課題となっている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、蓋体(原稿圧着板)の奥行きの幅を減少させ、この蓋体開閉装置を用いた複写機や複合機などの各種機器の小型化を図ることのできる蓋体開閉装置並びにこの蓋体開閉装置を用いた各種機器を提供せんとするにある。
【0006】
なお、本発明に係る蓋体開閉装置が用いられる分野が複写機や複合機のような事務機器に限らないことから、原稿圧着板を蓋体といい、事務機器を各種機器といい、原稿圧着板開閉装置を蓋体開閉装置とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の請求項1に係る蓋体開閉装置は、各種機器の装置本体の後部上端側へ取り付けられる取付部材と、この取付部材の両側板へ第1連結部材を介して回転可能に取り付けられる支持部材と、この支持部材の外側に位置し当該支持部材に対し上下方向へスライド手段を介してスライド可能に取り付けられたスライド部材と、このスライド部材の上部に第2連結部材を介して前記支持部材とは反対方向へ回転可能に取り付けられたところの蓋体の後端部側へ取り付けられるリフト部材と、前記取付部材の両側板の上部に前記第1連結部材の上方に位置して取り付けられた受圧部材と、この受圧部材に接して前記支持部材の両側板の間にスライド可能に収装されたスライダーカム部材と、このスライダーカム部材と前記支持部材の自由端側に設けた当接板との間に弾設した弾性部材と、前記支持部材と前記スライド部材との間に張設され前記スライド部材を常に前記取付部材側に牽引する牽引用弾性部材と、で構成したことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る請求項2の発明は、前記スライド部材は、装置本体側の原稿載置台に本のような厚物原稿を載置して前記蓋体を閉じた際に、前記リフト部材と共に前記牽引用弾性部材の牽引力に抗して上方へスライドすると共に、前記リフト部材は前記第2連結部材を介して前記支持部材の回転方向とは異なる方向へ回転して、前記蓋体が厚物原稿の上面を水平状態で覆うことができるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る請求項3の発明は、前記スライド手段は、前記支持部材の両側板に添って上下方向に取り付けられたレール部と、前記スライド部材の両側板に前記レール部と係合しつつ当該レール部に案内されて前記スライド部材の上下方向のスライドをアシストするローラとで構成されていることを徴とする。
【0010】
本発明に係る請求項4の発明は、前記牽引用弾性部材が、前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に張設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る請求項5の発明は、上記した各発明に係る蓋体開閉装置を用いた各種機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1発明によれば、蓋体の後部下端部側に支持部材やリフト部材を取り付ける奥行方向の幅を省略できるので、このことにより、複写機や複合機などの各種機器の奥行きの幅も減少できてその小型化に寄与できる蓋体開閉装置並びにこの蓋体開閉装置を用いた各種機器を提供することができる。
【0013】
請求項2の発明では、リフト部材を蓋体の後端部側に縦型に取り付けても、当該リフト部材が反転して厚物原稿の上面を水平状態で覆うことができるため、厚物原稿を原稿載置台上へ密着させた上で、露光が外部へ漏れるのを防止できるものである。
【0014】
請求項3の発明では、レール部とローラを用いた簡単な機構でスライド手段を構成できるため、部品点数と製造コストの削減が容易である。
【0015】
請求項4の発明では、牽引用弾性部材が第1連結部材と第2連結部材との間に張設されているので、取付部材やスライド部材に牽引用弾性部材を連結するための専用の構造を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願発明に係る蓋体開閉装置を用いた各種機器の一例である複合機の側面図であり、蓋体を開いた状態を示している。
【
図2】
図1に示した蓋体開閉装置を拡大してみた側面図であり、蓋体を閉じた状態を示している。
【
図3】
図2に示した蓋体開閉装置単体の斜視図であり、図示してない蓋体を閉じた状態を示している。
【
図4】
図3に示した蓋体開閉装置の分解斜視図である。
【
図5】
図3に示した蓋体開閉装置におけるスライド手段の構成の説明図である。
【
図6】
図2に示した蓋体開閉装置の閉成状態を反対側から見た縦断面図である。
【
図7】
図6に示した蓋体開閉装置を用いて蓋体を中間開成角度まで開いた状態の縦断面図であり、(a)は60度の状態、(b)は80度の状態を示している。
【
図8】
図6に示した蓋体開閉装置を用いて蓋体を90度開いた状態を示している縦断面図である。
【
図9】
図6に示した蓋体開閉装置を用いて蓋体を閉じた状態の別の位置の縦断面図であって、スライド手段の動作の説明図である。
【
図10】
図6に示した蓋体開閉装置を用いて蓋体を90度まで開いた状態の縦断面図である。
【
図11】
図6に示した蓋体開閉装置において、原稿が本のような厚物原稿の場合のリフト機構の動作を説明する側面図であり、(a)は動作前の状態を示し、(b)は動作終了時の状態を示している。
【
図12】リフト機構の他の実施例を示す側面図であり、(a)は動作前の状態を示し、(b)は動作終了時の状態を示している。
【
図13】従来公知の蓋体開閉装置における蓋体への取付状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の説明では複写機や複合機に用いられる原稿圧着板開閉装置としての蓋体開閉装置の実施例を説明するが、この蓋体開閉装置は、上述したように、複写機或は複合機以外の印刷機やファクシミリ、スキャナーなどの事務機器、或はキャビネットなどの各種機器の蓋体を開閉する蓋体開閉装置として用いることができる。したがって、本願発明の対象は、複写機や複合機に用いられる蓋体開閉装置には限られない。以下の実施例では、原稿圧着板を蓋体とし、原稿圧着板開閉装置を蓋体開閉装置とすると共に、この蓋体開閉装置を用いる機器を各種機器としている。本願明細書及び特許請求の範囲の記載では、これらの用語が混在する場合があるが、混在する両者は同じ意味合いを持つものである。
【0018】
また、本願明細書並びに特許請求の範囲に記載された取付部材1、支持部材2、リフト部材6、受圧部材5、弾性部材12等の用語は、その一実施例として用いた具体的な取付部材1、支持部材2、リフト部材6、受圧部材5、弾性部材12には限定されない、以下に記載した具体的なものよりさらに広い概念のものである。
【実施例1】
【0019】
図1に示すように、本発明に係る各種機器A(複合機)の装置本体D上には、原稿載置台dに対し垂直な方向に離間配置した一対の蓋体開閉装置(一方のみ表示)が取り付けられており、ここの一対の蓋開閉装置に自動原稿送り装置c付きの蓋体Cが開閉可能に取り付けられている。これらの一対の蓋体開閉装置のうち、図示した蓋体開閉装置Bは、自動原稿送り装置cの重い機構部側に用いられるもので、開閉操作時に加わる荷重が大きいことから、その弾性部材
12にはコイルスプリングを2本並置させたダブルコイルスプリング方式を採用している。これに対して、図面では図示されていない側の蓋体開閉装置は荷重が比較的に小さいため、図示はしてないが、小型であり、そこに用いられる弾性部材
12は1本のコイルスプリングから成るシングルコイルスプリング方式か、或はトーションスプリングを用いたものが採用されている。しかしながら、この図示してない蓋体開閉装置は、基本的には図示してある蓋体開閉装置Bと同じ構造であるので、以下の説明では、蓋体開閉装置Bについてのみ説明する。なお、大型の複合機
、その他の事務機器にあっては、蓋体Cの重量が増すので、コイルスプリングは、それが2本のものであっても、1本のものであっても、径の異なるコイルスプリングを同心円状に重ねて用いる場合がある。
【0020】
図2に示すように、蓋体開閉装置Bは、リフト部材6の取付ベース6cを蓋体Cの後端部に取り付けている。ここで、後端部とは、後端側面には限らず、後端側面から内側へ進入させた位置も含む。蓋体Cの閉成状態では、蓋体Cは装置本体Dの原稿載置台dに対して平行であって原稿載置台dと密着して漏光を阻止している。
【0021】
図2~
図11に示すように、本発明に係る蓋体開閉装置Bは、装置本体Dの後部上端側へ取り付けられる取付部材1と、この取付部材1の両側板1b,1bへ第1連結部材3を介して回転可能に取り付けられる支持部材2と、この支持部材2の外側に位置し当該支持部材2に対し上下方向へスライド手段9を介してスライド可能に取り付けられたスライド部材7と、このスライド部材7の上部に第2連結部材4を介して前記支持部材2とは反対方向へ回転可能に取り付けられたところの蓋体Cの後端部側へ取り付けられるリフト部材6と、前記取付部材1の両側板1b、1bの上部に前記第1連結部材3の上方に位置して取り付けられた受圧部材5と、この受圧部材5に接して前記支持部材2の両側板2b,2bの間にスライド可能に収装されたスライダーカム部材10と、このスライダーカム部材10と前記支持部材2の自由端側に設けた当接板2dとの間に弾設した弾性部材12と、前記第1連結部材3と前記第2連結部材4との間に張設され前記スライド部材7を常に取付部材1側に牽引する牽引用弾性部材13と、で構成したものである。そして、この構成により、蓋体開閉装置Bを用いても蓋体Cの奥行きを少なくし、この蓋体開閉装置Bを用いた各種機器Aの小型化を図ることができるものである。
【0022】
取付部材1は、装置本体D上に取り付けられる取付ベース1aと、この取付ベース1aの両側端部からそれぞれ当該取付ベース1aに対して直交する上方向(略直交する方向も含む)に屈曲させた両側板1b、1bと、取付ベース1aの一端部(後端部)から取付ベース1aに対して直交する上方向(略直交する方向も含む)に屈曲させて、その両側部に設けた係止片1j、1jを取付部材1の両側板1b、1bに設けた係止溝1i、1iに係止させた略矩形状の後板1cと、から構成されている。
【0023】
取付部材1の第1連結部材取付孔1d、1dは、第1連結部材3が回転自在に取り付けられる貫通孔である。第1連結部材3は、実施例では、その両端部に周溝3e,3eを設け、一端部にDカット3d、3gを設けた金属製の丸棒である。第1連結部材3は、取付部材1の第1連結部材取付孔1d、1dに取り付けられた軸受部材3a、3aの軸受孔3h、3hを貫通して支持部材2の第1連結部材挿通孔2e、2eを連結しており、第1連結部材挿通孔2eより突出した一端部に設けた周溝3e、3eにワッシャー3b、3bを介してEリング3cを嵌め込むことにより、支持部材2に対して抜け止め規制されている。
【0024】
なお、第1連結部材3は、1本の軸体としないで、これを2分割して取付部材1の両側板1b、1bと支持部材の2の両側板2b、2bを、軸心を共通にさせて別々に連結させても良い。また、それぞれの両側板1b、1b・2b、2bを別々に鳩目で連結する場合も含まれる。
【0025】
取付部材1の両側板1b、1bの上方には第1連結部材3の上方に位置して受圧部材取付孔1e、1eが設けられている。これらの受圧部材取付孔1e、1eは、実施例では軸体の受圧部材5が非回転に取り付けられる貫通孔である。受圧部材5を構成する受圧ピン5aは、受圧部材取付孔1e、1eへ挿入後、その両端部をかしめて取付部材1の受圧部材取付孔1e、1eに非回転に固定されている。なお、受圧ピン5aは、Eリングを用いて抜け止め規制しても良く、回転可能に受圧部材取付孔1e、1eへ取り付けても良いし、樹脂で被覆させても良い。
【0026】
さらに、受圧部材5は、受圧ピン5aと回転ローラを一体或は一体的に構成して、受圧部材取付孔1e、1eへ回転可能に取り付けるようにすることができる。受圧部材5は、取付部材1の両側板1b、1b間に軸架した金属製の受圧ピン5aと、この受圧ピン5aを軸方向に設けた挿通孔に通して、当該受圧ピン5aに対して回転可能に取り付けられた合成樹脂性の回転ローラとで構成しても良い。受圧部材5は、円形以外の垂直断面形状を持たせて非回転とし、支持部材2の回転に伴う弾性部材12の伸縮を所定のパターンで制御させても良い。この回転ローラの材料は、合成樹脂に限られず、焼結金属、セラミック、機械加工物その他のものであっても良い。また、受圧部材5は、金属製のシャフトを合成樹脂製の筒体で覆ったものでもよく、この筒体から第1連結部材3に向けて固定片を突設したものも含まれる。
【0027】
受圧部材5は、円柱状の側面をスライダーカム部材10のカム部10aに当接させている。カム部10aと受圧部材5の接触面には図示していないが潤滑用のグリスが塗布されている。なお、カム部10aを湾曲したアール形状に構成し、受圧ピン5aに支持された回転ローラがカム部10aと当接する摺接部側をカム部10aのアール形状と面接触する形状に構成することもできる。取付ベース1aに設けられた取付孔1g、1hは、取付ベース1aを装置本体Dへ取り付ける際に、取付ねじ1mや取付ボタン1nを挿通させる貫通孔である。
【0028】
図3に示すように、支持部材2は、スライダーカム部材10、弾性部材12,12、ダンパー14を収容している。
図4に示すように、支持部材2は、背板2aと、この背板2aの両端部から下方へ屈曲させた両側板2b、2bと、この両側板2b、2bの下端側から共に内側へ屈曲形成させた抱持板2c、2cと、支持部材2の自由端側に背板2aから折り曲げて両側板2b、2bを連結するように設けた当接板2dとで構成されている。当接板2dは、両側板2b、2bから折り曲げた連結部2f,2fに重ねて溶接されている。このようにして、支持部材2は、当接板2dが弾性部材12から受ける大きな力に耐えて箱型の構造を撓ませないように補強されている。この当接板2dは単なる金属製の丸棒としても良い。
【0029】
両側板2b、2bは、上述したように、第1連結部材3によって取付部材1の両側板1b、1bへ回転可能に連結されている。支持部材2の第1連結部材挿通孔2e,2eは、第1連結部材3が挿通される貫通孔である。支持部材2のストッパー孔2g,2gは、支持部材2の組立時に、不図示のストッパーピンを挿入してスライダーカム部材10と当接板2dとの間に弾性部材12を圧縮状態に保持するための貫通孔である。
【0030】
図4に示すように、支持部材2内には、背板2a、両側板2b、2b、及び抱持板2c、2cが囲む平断面視C型の部分に抱えられてスライダーカム部材10が、弾性部材12の伸縮方向にスライド可能に収容されている。スライダーカム部材10は、弾性部材12に付勢されて受圧部材5に当接し、取付部材1に対する支持部材2の回転位置に応じて伸縮して蓋体Cを持ち上げる方向のアシスト力を発生させ、また蓋体Cが閉じられる際に緩衝作用を発生させる。
【0031】
受圧部材5は、取付部材1の両側板1b,1bの上部に第1連結部材3の上方に位置して取り付けられている。このため、
図6に示すように、支持部材2が蓋体Cの閉成状態において取付部材1に対し直立した状態で取り付けられており、蓋体Cの閉成状態で弾性部材12の圧縮量が最大となって最大のアシスト力を出力し、
図8に示すように支持部材2が水平になった開成状態で弾性部材12の圧縮量が最小となって最小のアシスト力を出力する。
【0032】
図4に示すように、スライダーカム部材10は、断面略矩形の有底筒体状に形成され、開口部10b、10bと支持部材2の当接板2dとが向き合うように支持部材2内に収容されている。
図6に示すように、スライダーカム部材10のカム部10aは、受圧部材5と圧接している。スライダーカム部材10の受圧部材5側の端部には、一方向へ傾斜させて上面が平坦なカム部10aが設けられると共に、受圧部材5の潤滑オイルが塗布された露出側を覆うカバー部10cが設けられている。
【0033】
スライダーカム部材10と支持部材2の当接板2dの間に一対のコイルスプリング12a,12aからなる弾性部材12が加圧保持されている。一対のコイルスプリング12a、12aは、スライダーカム部材10と支持部材2の当接板2dをそれぞれ互いに離間する方向に付勢している。当接板2dは、弾性部材12のコイルスプリング12a,12a及びダンパー14に当接している。ダンパー14の上端の凸部14eは、当接板2dの貫通孔14dに保持されて、フランジ部14bの上面が当接板2dの下面に密着している。
【0034】
コイルスプリング12a,12aの下端12c,12cは、スライダーカム部材10の開口部10bの底面10dに当接している。ダンパー14を有しない側のコイルスプリング12aは、上端12bを支持部材2の当接板2dに当接させているが、
図6に示すように、ダンパー14を有する側のコイルスプリング12aは、上端12bを支持部材2の当接板2dに保持されたダンパー14のフランジ部14bに当接させている。これにより、コイルスプリング12aは、ダンパー14のフランジ部14bを支持部材2の当接板2dに押し付けてダンパー14を取付部材1内で支持している。なお、弾性部材12を構成するコイルスプリングの数は、1個でも2個以上でもよく、配置は並列でも直列でも良い。例えば同心円状に2個並列、2個直列、1個のみ等とすることが可能である。
【0035】
スライダーカム部材10のダンパー14を有する側の開口部10bにはダンパー14のピストン杆14cを受け止める円柱部10eが形成されている。
【0036】
スライダーカム部材10は、取付部材1に取り付けられた受圧部材5に押圧されて弾性部材12を加圧し圧縮する。取付部材1に対して、支持部材2が第1連結部材3を中心にして蓋体Cの開成方向に回転すると、スライダーカム部材10は、取付部材1の方向に移動して弾性部材12の圧縮が緩和される。このため、弾性部材12は、支持部材2及びスライド部材7を介してリフト部材6にアシスト力を作用して蓋体Cを持ち上げるために必要な力を軽減させる。
【0037】
蓋体Cの閉成角度30度から
図6に示す閉成位置の0度まで、ダンパー14のピストン杆14cは円柱部10eに当接している。このため、蓋体Cの閉成過程で30度から0度まで、ダンパー14のシリンダ14aにピストン杆14cが徐々に押し込まれて、ダンパー14が粘性抵抗を伴ったアシスト力を支持部材2に出力する。すなわち、急激な回転を阻止して装置本体Dと蓋体Cの衝突を回避する。
【0038】
図7の(a)に示す蓋体の開成角度60度から
図8に示す開成位置の90度まで、スライダーカム部材10は第1連結部材3に当接しており、受圧部材5はスライダーカム部材10のカム部10aから離間している。このため、蓋体Cの60度~90度の範囲では弾性部材12の長さが一定であり、弾性部材12の付勢力は、アシスト力を支持部材2に出力しない。しかし、蓋体Cの60度~90度の範囲では蓋体Cの重心位置はほぼ一定高さであるため、ユーザーは、蓋体Cの重量に妨げられることなく蓋体Cを回転できる。
【0039】
図3と5に示すように、スライド部材7は、支持部材2の外側に位置し、支持部材2に対して上下方向へスライド手段9を介してスライド可能に取り付けられている。ここで、上下方向とは、蓋体Cの閉成状態を基準として記述しており、別の言い方をすれば背板2aに沿った方向、或いは第1連結部材3を中心とする回転の直径方向である。スライド手段9,9は、支持部材2の両側板2b,2bに添って上下方向に取り付けられたレール部9d,9dと、スライド部材7の両側板7b,7bにレール部9d,9dと係合しつつレール部9d,9dに案内されてスライド部材7の上下方向のスライドをアシストするローラ9aとで構成されている。
【0040】
スライド部材7は、連結板7aと、連結板7aの両端部から上下方向の下方へ折り曲げた両側板7b,7bとで構成されている。両側板7b,7bには、ローラピン取付孔9c,9cが形成されている。硬質樹脂製のローラ9a,9aを貫通させた金属製のローラピン9b,9bの先端をローラピン取付孔9c,9cに挿入してそれぞれ挿入方向と反対側からかしめることによりローラ9a,9aがスライド部材7に回転自在に取り付けられている。
【0041】
支持部材2の両側板2b,2bには雌ねじ9g,9gが形成されている。金属製のレール部9d,9dの貫通孔9e,9eを貫通させたレール部取付ねじ9f,9fを雌ねじ9g,9gにねじ着することにより、レール部9d,9dが支持部材2に固定されている。
【0042】
ローラ9a,9aを取り付けたスライド部材7に対して、レール部9d,9dを取り付けた支持部材2を矢印R9方向に挿入し、支持部材2の外側で牽引用弾性部材13の下端13cを第1連結部材3の周溝3e,3eに係合させることによりスライド手段9,9が組み立てられている。牽引用弾性部材13は、コイルばね13aの上端13bを第2連結部材4の周溝4e,4eに係合させ、下端13cを第1連結部材3の周溝3e,3eに係合させることにより、第1連結部材3と第2連結部材4との間に張設され、スライド部材7を常に取付部材1側に牽引している。
【0043】
スライド部材7の両側板7b、7bの自由端側には、第2連結部材4を介してリフト部材6が支持部材2とは逆方向へ回転可能となるように軸着されている。スライド部材7の第2連結部材挿通孔7d,7dは、第2連結部材4が挿通される貫通孔である。第2連結部材4は、両端部に周溝4c,4c及び周溝4e,4eを形成した金属製の丸棒であって、その軸部4aがスライド部材7の第2連結部材挿通孔7d,7dとリフト部材6の第2連結部材連結孔6d、6dとを挿通することにより、リフト部材6を、支持部材2に対して取付部材1に対する支持部材2の回転方向とは逆方向へ回転可能に連結している。スライド部材7の両側板7b、7bの略中央に設けられた円板状の凸部7e,7eは、スライド部材7の両側板7b、7bとリフト部材6の両側板6b,6bとの間に所定のスペースを左右均等に確保させるためのスペーサである。
【0044】
リフト部材6は、背板6aと、この背板6aの両端部からそれぞれ背板6aに対して直交する下方向(略直交する方向も含む)に折り曲げた両側板6b、6bと、両側板6b、6bからそれぞれ外側へ折り曲げたところの蓋体Cが取り付けられる取付ベース6cから成る。蓋体Cに固定される取付ベース6c,6cは、この両側板6b,6bからそれぞれ取付ベース6c,6cに対して直交する水平方向(略直交する方向も含む)の外側へ屈曲して形成されている。
【0045】
図3に示すように、リフト部材6は、支持部材2及びスライド部材7を外側から覆うように配置されている。第2連結部材4は、リフト部材6の第2連結部材連結孔6d,6dより突出した両端部の周溝4c,4cへEリング4b,4bを嵌め込むことにより、リフト部材6に対して抜け止め規制されている。
【0046】
なお、この第2連結部材4についても、第1連結部材3と同様に、これを2分割してスライド部材7とリフト部材6の各両側板7b,7b,6b,6bを、軸心を共通にしてそれぞれ別に連結することができる。場合によっては鳩目にしても良い。また、第2連結部材4で連結する部分のスライド部材7の両側板7b,7bとリフト部材6の両側板6b,6bの間に、フリクショントルク発生手段として公知構成のフリクションワッシャーやスプリングワッシャーから成るフリクション機構を設けても良い。このように構成すると、とくに蓋体Cの開閉時にリフト部材6だけの回転をより確実に防止して安定した開閉操作を行うことが期待できる。
【0047】
第1連結部材3と第2連結部材4との間に牽引用弾性部材13が張架されている。牽引用弾性部材13は、引張コイルばねで構成されるコイルばね13aの上端13b及び下端13cにリング状の係合部が形成されている。牽引用弾性部材13は、スライド部材7を常に取付部材1側に牽引することが可能であれば、第1連結部材3と第2連結部材4との間以外の場所に設けることが可能である。しかし、下端13cを第1連結部材3に係合させることで、支持部材2の回転に伴う弾性部材12のアシスト力への影響を小さくすることができる。また、上端13bを第2連結部材4に係合させることで、スライド部材7に対するリフト部材6の自在な回転に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0048】
牽引用弾性部材13の牽引力調整手段8は、スライド部材7の連結板7aのねじ孔8bに取り付けられている調節ねじ8aからなる。この調節ねじ8aを回すことでスライド部材7の上下方向の位置が変化し、牽引用弾性部材13の張力を調整することができるものである。
【0049】
以上のように説明した実施例1の蓋体開閉装置Bを用いると、とくに
図1、
図2及び
図6に示すように、蓋体Cを取り付けるリフト部材6が蓋体Cの閉成状態で略垂直方向に位置決められているため、蓋体Cの後部下端部側に支持部材1やリフト部材6を取り付けるための奥行方向の幅を省略することができる。このため、蓋体Cの奥行方向の幅を短縮できて、
各種機器Aの小型化に寄与できる。そして、蓋体Cの奥行方向の幅を短縮することで、蓋体Cの重量モーメントが小さくなるため、蓋体開閉装置Bのアシスト負荷を軽減して蓋体開閉装置Bそのものの小型化を実現できる。
【0050】
図11は
図3に示した蓋体開閉装置
Bにおいて、原稿が本のような厚物原稿
Mの場合に機能するリフト機構15を説明するためのものである。このリフト機構15は、スライスライド部材7と、スライ手段9、9と、牽引用弾性部材13、13と、
図4に示したような固定ねじ6g、6gとで構成されている。このうち固定ねじ6g、6gは、リフト部材6
の両側板6b、6bに設けた貫通孔6f、6fを貫通してスライド部材7の両側板7b、7bに設けた雌ねじ6i,6iにねじ着されることで、第2連結部材4を中心とするスライド部材7とリフト部材
6が一体に回転するようにしたものである。したがって、
図11の(b)に示すように、リフト部材6は、第2連結部材4を中心としてスライド部材7と共に回転自在である。
【0051】
したがって、
図11の(a)に示すように、装置本体Dの原稿載置
台dに本のような厚物原稿Mを載置して蓋体Cを閉じると、リフト部材6はスライド部材
7と共に牽引用弾性部材13の牽引力に抗して上方へスライドし、同時に支持部材2が第1連結部材3を支点に
反時計方向へ回転しつつ起き上がり、
図11の(b)に示すように、蓋体Cが厚物原稿Mの上面を水平状態に覆うことができるように構成されている。
【実施例2】
【0052】
図12の(a)と(b)は、実施例1のリフト機構
15の他の実施例を示し、図面によれば、この実施例2に係るリフト機構16は、固定ねじ6g、6gが省略されている点を除けば、実施例1のリフト機構
15と同じ構成であるので、指示記号と
部材は同じ記号と部材名を用いている。このリフト機構16は、リフト部材6と、スライド部材7と、スライド手段9、9と、牽引用弾性部材13、13とで構成されている。こうすると、スライド部材7に対する第2連結部材4を中心とするリフト部材6の回転が解除され、リフト部材6は第2連結部材4を中心にしてスライド部材7に対して別に回転する。
【0053】
図12の(a)に示すように、蓋体Cの閉成過程で蓋体Cが厚物原稿Mの角部に当接するので、さらに下押しすると、スライド部材7がスライド手段9、9によって牽引用弾性部材13、13の
牽引力に抗して上昇し、同時にリフト部材
6が第2連結部材
4を支点に
反時計方向へ回転することによって、蓋体Cは厚物原稿M
の上面を水平に覆うことになる。
【0054】
次に、本発明に係る蓋体開閉装置Bの動作について説明する。
図6に示すように、蓋体Cの閉成状態0度においては、蓋体Cの重量モーメントにより、弾性部材12のアシストトルクに抗して蓋体Cは原稿載置台dに押し付けられ、安定した閉成状態を保っている。そして、上述したように、蓋体Cの閉成状態0度において、受圧部材5はスライダーカム部材10を介して最も圧縮された状態の弾性部材12の付勢力を受けている。なお、ここで、スライダーカム部材10のカム部10aに所定の傾斜を形成することで、受圧部材5からスライダーカム部材10を介して支持部材2が蓋体Cの押し下げ方向の付勢力を出力するようにしても良い。
【0055】
蓋体Cの開成角度は、蓋体Cが第1連結部材3の周りに発生させる回転トルクと、蓋体開閉装置Bが持つアシストトルクとがバランスする開成角度30度から60度の範囲においては、蓋体Cから手を放しても自然落下してしまうことはない。したがって、両手を用いて原稿を原稿載置台d上へセットすることができる。なお、この蓋体Cに対する自立保持角度は、実施例のものに限定されない。また、蓋体Cの開成過程での姿勢を安定させるために、開成角度30度から60度の範囲でも蓋体Cを手で押し上げて回転させるように蓋体開閉装置Bのアシストトルク(弾性部材12の付勢力)を設定しても良い。
【0056】
その後、蓋体Cを閉成状態から所定角度(60度)まで開く過程を通じて、弾性部材12は、スライダーカム部材10を介して受圧部材5を外側へ押圧し続けることから、蓋体Cは、その本来の重量を減殺された状態で軽い操作力で閉成状態から所定角度(60度)まで開かれた後、
図7の
(b)に示すように、第1連結部材3にスライダーカム部材10に当接した所定角度
(80度)で停止する。蓋体Cが閉成状態から所定角度
(80度)まで開かれる過程で、受圧部材5がスライダーカム部材10から離間する方向に移動して弾性部材12の圧縮長さが伸びるため、弾性部材12がスライダーカム部材10を介して蓋体Cを持ち上げる力は減少する。
【0057】
上述したように、開成角度が60度以上では第1連結部材3を中心とする蓋体Cの重量のモーメントが小さくなるため、弾性部材12がスライダーカム部材10を介して蓋体Cを持ち上げる力は小さくても良い。これらを加味して、弾性部材12は、蓋体Cを手で支えなくても所定角度(60度)の状態を維持できるように設計されている。
【0058】
一方、開成状態90度の蓋体Cを閉成状態0度に閉じる閉成過程においては、開成角度90度から60度の範囲では、上述したように蓋体開閉装置Bはアシスト力を出力せず、非回転の第1連結部材3がスライダーカム部材10に対する摩擦抵抗体として作用する。
【0059】
その後、開成角度60度から30度の範囲では、蓋体Cの押し下げに応じて蓋体Cが第1連結部材3を中心にして回転することにより降下して閉じられる。続く開成角度30度から0度の範囲では、第1連結部材3を中心とする蓋体Cの重量モーメントが弾性部材12のアシストトルクを凌駕するため、蓋体Cは自重で降下して閉じられる。ただし、所定の閉成角度からは、ダンパー14のピストン杆14cがスライダーカム部材10の円柱部10eに当接することから、その粘性抵抗によって、蓋体Cは急激に閉じられることはない。
【0060】
なお、スライド手段9は、スライド部材7を支持部材2に対し上下方向(支持部材2の回転の直径方向)へスライド可能に取り付け得る機構であれば良い。したがって、ローラ9aとレール部9dの組み合わせ以外の機構、例えばスライドシャフトとスライドベアリングの組み合わせ、レールとレールを挟み込む複数のローラ対の組み合わせ等に置き換え可能である。蓋体Cを持ち上げる際の蓋体Cの姿勢を安定させるために、第2連結部材4を中心とするリフト部材6の自由端をスライド部材7側へ付勢する弾性部材を追加しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、以上のように構成したので、蓋体の奥行寸法を減少できることから、蓋体を小型にでき、また、この蓋体を取り取り付ける各種機器の装置本体を小型にすることができる蓋体開閉装置並びにこの蓋体開閉装置を用いた各種機器として好適に用いられるものである。
【符号の説明】
【0062】
A 各種機器
B 蓋体開閉装置
C 蓋体
D 装置本体
1 取付部材
1b 両側板
1c 後板
2 支持部材
2a 背板
2b 両側板
2d 当接板
3 第1連結部材
4 第2連結部材
4a 軸部
4c、4e 周溝
5 受圧部材
6 リフト部材
6a 背板
6b 両側板
6d 第2連結部材挿通孔
7 スライド部材
7d 第2連結部材挿通孔
9 スライド手段
9a ローラ
9b ローラピン
9c ローラピン取付孔
9d レール部
9f レール部取付ねじ
10 スライダーカム部材
10a カム部
10b 開口部
12 弾性部材
12a コイルスプリング
12b 上端
12c 下端
13 牽引用弾性部材
13a コイルばね
14 ダンパー
14a シリンダ
14b フランジ部
14c ピストン杆
15 リフト機構
16 リフト機構