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特許7015058潅水施肥装置、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】潅水施肥装置、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 27/00 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
A01G27/00 504C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018176250
(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020043828
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】518335964
【氏名又は名称】株式会社アイティーオー
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝明
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-100703(JP,A)
【文献】特開2007-252234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 27/00
A01G 25/00
A01C 23/00
A01C 23/04
A01G 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥装置であって、
入力画面の水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力部と、
前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料前水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料後水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示と同一時間を肥料送り時間として水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定し、前記メイン送り過程、前記後処理送り過程、前記前処理送り過程の順に、時間を短くして水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成部と、
前記送り制御パターン生成部が生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御部と
を備える潅水施肥装置。
【請求項2】
前記送り制御パターン生成部は、
前記水送り時間指示に対して所定の比率に応じて、前記メイン送り過程よりも時間を短くして前記前処理送り過程を設定し、前記前処理送り過程よりも時間を短くして前記後処理送り過程を設定して第2の送り制御パターンを生成し、
前記送り制御部は、
前記送り制御パターン生成部が生成した送り制御パターンまたは第2の送り制御パターンに基づいて、前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する請求項1に記載の潅水施肥装置。
【請求項3】
複数回にわたって水および肥料を送る場合において水の送りの開始時刻の指示をそれぞれの回ごとに入力する開始時刻指示入力部と、
一の回において設定された前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程のそれぞれの時間を前記開始時刻指示入力部が入力する前記一の回の開始時刻に足し合わせた前記一の回の終了時刻が、他の開始時刻を越える場合に、当該他の開始時刻を越えることを報知する報知制御部とを備える請求項1又は請求項2に記載の潅水施肥装置。
【請求項4】
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥方法であって、
水送り時間指示入力部が、入力画面の水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力ステップと、
肥料送り指示入力部が、前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力ステップと、
肥料前水送り時間指示入力部が、前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料前水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力ステップと、
肥料後水送り時間指示入力部が、前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料後水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力ステップと、
送り制御パターン生成部が、前記水送り時間指示と同一時間を肥料送り時間として水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定し、前記メイン送り過程、前記後処理送り過程、前記前処理送り過程の順に、時間を短くして水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成ステップと、
送り制御部が、前記送り制御パターン生成部が生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御ステップと
を含む潅水施肥方法。
【請求項5】
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥装置におけるプログラムであって、
水送り時間指示入力部が、入力画面の水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力ステップと、
肥料送り指示入力部が、前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力ステップと、
肥料前水送り時間指示入力部が、前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料前水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力ステップと、
肥料後水送り時間指示入力部が、前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料後水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力ステップと、
送り制御パターン生成部が、前記水送り時間指示と同一時間を肥料送り時間として水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定し、前記メイン送り過程、前記後処理送り過程、前記前処理送り過程の順に、時間を短くして水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成ステップと、
送り制御部が、前記送り制御パターン生成部が生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御ステップと
を含む潅水施肥装置におけるプログラム。
【請求項6】
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥システムであって、
水および肥料の送りを制御する潅水施肥装置と、
前記潅水施肥装置からの指示に基づいて水の流通を制御する水制御部と、
前記潅水施肥装置からの指示に基づいて肥料の流通を制御する肥料制御部とを備え、
前記潅水施肥装置は、
入力画面の水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力部と、
前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料前水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示入力部が前記水送り時間指示を入力すると、入力画面の肥料後水送り時間入力エリアへのユーザからの入力操作により前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示と同一時間を肥料送り時間として水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定し、前記メイン送り過程、前記後処理送り過程、前記前処理送り過程の順に、時間を短くして水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成部と、
前記送り制御パターン生成部が生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御部と
を備える潅水施肥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潅水施肥装置、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作物育成領域に水や肥料を送るために、種々の潅水施肥装置が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような潅水施肥装置によれば、作物育成領域に水や肥料を自動的に送ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6178940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような潅水施肥装置では、単に水と肥料を送るだけであり、水や肥料の特性に応じてそれぞれの送り時間をコントロールすることができないという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、水と肥料を効果的に送ることができる潅水施肥装置、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
本発明は、 作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥装置であって、前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力部と、前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力部と、前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力部と、前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力部と、前記水送り時間指示に基づく時間に合わせて水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定して水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成部と、前記送り制御パターンが生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理過程、前記メイン送り過程および前記後処理過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、水と肥料を効果的に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態としての潅水施肥システムを示す全体構成図である。
図2】潅水施肥装置の各機能を示すブロック図である。
図3】メイン入力画面を示す説明図である。
図4】サブ入力画面を示す説明図である。
図5】潅水施肥装置が送り制御パターンを生成する処理動作を示すフローチャートである。
図6】記憶媒体に記憶される各種指示のデータ構造を示すものであり、(a)は1回目の各種指示のデータ構造図、(b)は2回目の各種指示のデータ構造図である。
図7】潅水施肥装置が送り制御パターンに基づいて水および液肥の送りを制御する処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における潅水施肥装置、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システムについて説明する。
図1は、潅水施肥システムを示す全体構成図である。
潅水施肥システム10は、潅水施肥装置1と、マスター電磁弁(水制御部)11と、液肥用電磁弁(肥料制御部)12と、サブ電磁弁(水制御部、肥料制御部)131~136とを備えている。
マスター電磁弁11の上流部はポンプP1にパイプを介して連結され、下流部はサブ電磁弁131~136の上流部にパイプを介してそれぞれ連結されている。このマスター電磁弁11は、水源WからポンプP1を介して送られてくる水の流通を制御するものである。すなわち、マスター電磁弁11は、潅水施肥装置1から送信される開信号を受信すると、流路を開状態として水を送り、閉信号を受信すると流路を閉状態として水を止めるように制御する。
【0010】
液肥用電磁弁12の上流部はポンプP2にパイプを介して連結され、下流部はマスター電磁弁11の下流部に連結されたパイプを介してサブ電磁弁131~136の上流部にそれぞれ連結されている。この液肥用電磁弁12は、液肥タンクEからポンプP2を介して送られてくる液肥の流通を制御するものである。すなわち、液肥用電磁弁12は、潅水施肥装置1から送信される開信号を受信すると、流路を開状態として液肥を送り、閉信号を受信すると流路を閉状態として液肥を止めるように制御する。
【0011】
サブ電磁弁131~136の上流部は、マスター電磁弁11および液肥用電磁弁12の下流部にパイプを介して連結され、下流部は農地141~146に設けられた不図示の排出部にそれぞれパイプを介して連結されている。これらサブ電磁弁131~136は、マスター電磁弁11および液肥用電磁弁12を介して送られてくる水および液肥の流通を制御するものである。すなわち、サブ電磁弁131~136は、潅水施肥装置1から送信される開信号を受信すると、流路を開状態として水および液肥を送り、閉信号を受信すると流路を閉状態として水および液肥を止めるように制御する。これにより、サブ電磁弁131~136は、農地141~146の不図示の排出部に水および液肥を送ったり止めたりするように制御する。そして、その結果、サブ電磁弁131~136は、それぞれの不図示の排出部から水および液肥を排出したり止めたりして、水および液肥の排出を制御する。このように、サブ電磁弁131~136は、水制御部および肥料制御部として機能する。
【0012】
潅水施肥装置1は、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131~136にそれぞれ電気的に接続されている。なお、図1においては、潅水施肥装置1とマスター電磁弁11および液肥用電磁弁12とが破線により電気的に接続されている様子を示しており、簡易表示のために潅水施肥装置1とそれぞれのサブ電磁弁131~136とを結ぶ破線を省略しているが、潅水施肥装置1がそれぞれのサブ電磁弁131~136に電気的に接続されていることは言うまでもない。
【0013】
図2は、潅水施肥装置1の各機能を示すブロック図である。
潅水施肥装置1は、制御部2と、入力部3と、表示部4と、記憶部5と、通信部6とを備えている。
制御部2は、例えば、プロセッサ、CPU等の演算手段によって実現され、各種のメモリ、ハードディスク等の記憶手段と協働して機能し、各種のプログラムを実行する。この制御部2は、メイン制御部2aと、送り制御パターン生成部2bと、送り制御部2cと、報知制御部2dとを備えている。
メイン制御部2aは、各種のプログラムを実行して、各種構成部及び各機能部間の制御及び装置全体の制御を実行する。
送り制御パターン生成部2bは、入力部3が入力する各種指示に基づいて、水および液肥の送りを制御するための送り制御パターンを生成する。
送り制御部2cは、送り制御パターン生成部2bが生成する送り制御パターンに基づいて、所定の日時に、閉信号または開信号をマスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131~136に送信して、水および液肥の送りを制御する。
報知制御部2dは、送り制御パターン生成部2bの指示のもと、ユーザに警告を報知する。
【0014】
入力部3は、例えばキーボード、マウス、タッチパッドまたはボタンなどからなり、ユーザからの各種指示操作を受け付け、各種指示を制御部2に入力する。
また、入力部3は、メイン入力部3aと、開始時刻指示入力部3bと、チャンネル選択指示入力部3cと、水送り時間指示入力部3dと、液肥送り指示入力部(肥料送り指示入力部)3eと、液肥前水送り時間指示入力部(肥料前水送り時間指示入力部)3fと、液肥後水送り時間指示入力部(肥料後水送り時間指示入力部)3gとを備えている。
メイン入力部3aは、ユーザからの様々な指示操作を受け付け、それらの指示を制御部2に入力する。
開始時刻指示入力部3bは、水を送る開始時刻の指示操作をユーザから受け付け、水を送る開始時刻の指示である開始時刻指示を制御部2に入力する。
チャンネル選択指示入力部3cは、農地141~146の選択指示操作をユーザから受け付け、これらチャンネル選択指示を制御部2に入力する。
【0015】
水送り時間指示入力部3dは、水送り時間指示操作をユーザから受け付け、水を送る時間の指示である水送り時間指示を制御部2に入力する。なお、水を送る時間とは、水を送る時間間隔のことであり、継続時間を意味するものである。
液肥送り指示入力部3eは、液肥送り指示操作をユーザから受け付け、液肥を送る指示である液肥送り指示を制御部2に入力する。なお、液肥を送る指示とは、液肥を送るか否かの二択のうち、液肥を送る旨の指示をいう。
液肥前水送り時間指示入力部3fは、液肥前水送り時間の指示操作をユーザから受け付け、一の農地において液肥を送る前に水を送る時間の指示である液肥前水送り時間指示を制御部2に入力する。
液肥後水送り時間指示入力部3gは、液肥後水送り時間の指示操作をユーザから受け付け、一の農地において液肥を送る後に水を送る時間の指示である液肥後水送り時間指示を制御部2に入力する。
【0016】
表示部4は、例えばモニタ、ディスプレイなどからなり、ユーザからの各種指示操作を受け付けるための各種の入力画面を等を表示する。
記憶部5は、例えば、ハードディスクやメモリなどからなり、入力部3が入力する各種指示や送り制御パターン生成部2bが生成する後述の送り制御パターンや積算値などの他、各種プログラムや作業データなどを記憶する。
通信部6は、例えば、外部機器との情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなり、水および液肥の流通を制御するための開信号および閉信号等を送信したり、通信装置から送信された送り制御パターンを制御部2に入力したりするほか、例えばUSBまたはCD-ROMなどの各種記憶媒体に記憶された送り制御パターンを制御部2に入力する。
【0017】
次いで、潅水施肥装置1の各入力画面について説明する。
図3は、メイン入力画面を示す説明図である。
この画面は、タッチパネルになっており、表示された各ボタンをユーザがタッチすることによって、各指示操作が行われる。
符号41は、ユーザが開始時刻を入力するための開始時刻入力エリアを示している。ここに入力される開始時刻が、水および液肥の送りが開始される時刻となる。ユーザは、入力ボタン47を操作しながら、開始時刻入力エリア41に開始時刻を入力操作する。
符号42は、チャンネル選択ボタンを示している。ここでは、CH1からCH6まで6個のチャンネルが表示されている。これらCH1からCH6までの各チャンネルが、農地141~146にそれぞれ対応付けられている。チャンネル選択ボタン42は、オンオフのボタンであり、ユーザによる識別のためにオン状態とオフ状態とで色が変化する。そして、ユーザは、CH1からCH6までのチャンネル選択ボタン42のオンオフによって、農地141~146に水を送るか否かを各農地ごとに選択する。
【0018】
符号43は、水送り時間入力エリアを示している。これらの水送り時間入力エリア43は6つ設けられており、それぞれのエリアはチャンネル選択ボタン42の各チャンネルと対応付けられている。ここでの水送り時間は、農地141~146に水を送るための時間を指示するものであり、単位は分に設定されている。ユーザは、入力ボタン47を操作しながら、水送り時間入力エリア43の各エリアに水送り時間を入力操作する。図3では、例えば、左から順に、10分、5分、3分、2分、1分、6分が入力されている例が示されている。
符号44は、液肥選択ボタンを示している。液肥選択ボタン44は、一つの画面において水送り時間入力エリア43の近傍に表示されている。ここでは、液肥1から液肥6まで6個の液肥選択ボタンが表示されている。これら液肥1から液肥6までの各チャンネルが、チャンネル選択ボタン42の各チャンネルと対応付けられている。液肥選択ボタン44は、オンオフのボタンであり、ユーザによる識別のためにオン状態とオフ状態とで色が変化する。そして、ユーザは、液肥1から液肥6までの液肥選択ボタン44のオンオフによって、農地141~146に液肥を送るか否かを各農地ごとに選択する。
【0019】
符号49は、設定ボタンを示している。設定ボタン49は、各種指示をまとめて入力するための設定指示操作を行うためのものである。すなわち、ユーザが、各エリアやボタンを入力した後、設定ボタン49をタッチすることにより、開始時刻、チャンネル選択、水送り時間および液肥送り選択とともに設定指示が入力される。
符号45は、自動入力ボタンを示している。自動入力ボタン45は、タッチパネルによる指示操作からではなく、例えばUSBなどの各種記憶媒体から各種指示を自動で入力するためのものである。この自動入力に関しては、後述するものとする。
符号46は、手動入力ボタンを示している。手動入力ボタン46は、ユーザがタッチパネルによって各種指示操作を行うようにするためのものである。
符号47は、入力ボタンを示している。入力ボタン47は、開始時刻や水送り時間などを入力するためのものである。
符号48は、停止ボタンを示している。停止ボタン48は、潅水施肥装置1の動作を停止させるものである。
【0020】
図4は、サブ入力画面を示す説明図である。
図4において、図3に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
符号50は、選択チャンネル表示を示している。選択チャネル表示50は、サブ入力画面がどのチャンネルを表示しているかをユーザに示すものである。
符号51は、液肥前水送り時間指示入力エリアを示している。液肥前水送り時間指示入力エリア51は、一の農地に液肥を送る前に当該一の農地に水を送る時間を入力するためのものである。ユーザは、入力ボタン47を操作しながら、液肥前水送り時間指示入力エリア51に、一の農地に液肥を送る前に水を送る時間の入力操作を行う。
【0021】
符号52は、液肥送り時間表示を示している。液肥送り時間表示52は、一の農地に液肥を送る時間をユーザに示すものである。液肥送り時間表示52は、ユーザの操作によって変更するものではなく、図3に示す水送り時間入力エリア43において入力された水送り時間と同一の時間が設定され表示される。
符号53は、液肥後水送り時間指示入力エリアを示している。液肥後水送り時間指示入力エリア53は、一の農地に液肥を送る後に当該一の農地に水を送る時間を入力するためのものである。ユーザは、入力ボタン47を操作しながら、液肥後水送り時間指示入力エリア53に、一の農地に液肥を送る後に水を送る時間の入力操作を行う。
【0022】
次いで、潅水施肥システム10の処理動作について説明する。
図5は、潅水施肥装置1が送り制御パターンを生成する処理動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが、手動入力ボタン46をタッチすると、メイン入力部3aがユーザからの操作を受け付け、手動入力指示を制御部2に入力する。送り制御パターン生成部2bは、その手動入力指示を入力すると、ユーザからの各種指示操作を受け付けるために、図3に示すメイン入力画面を表示部4に表示する(ステップS1)。
ユーザは、開始時刻入力エリア41、チャンネル選択ボタン42、水送り時間入力エリア43および液肥選択ボタン44に関して、それぞれ所定の指示操作を行う。そして、ユーザは、各種指示操作を行うと、さらに設定ボタン49をタッチして設定指示操作を行う。
【0023】
メイン入力部3aは、ユーザからの設定指示操作を受け付け、設定指示を制御部2に入力する。送り制御パターン生成部2bは、メイン入力部3aからの出力を読み出し、設定指示が入力されたか否かを判定する(ステップS2)。送り制御パターン生成部2bは、設定指示が入力されていないと判定すると(ステップS2:No)、メイン入力部3aの出力を再度読み出す。一方、送り制御パターン生成部2bは、設定指示が入力されたと判定すると(ステップS2:Yes)、開始時刻指示入力部3b、チャンネル選択指示入力部3c、水送り時間指示入力部3dおよび液肥送り指示入力部3eからの出力を読み出す。
【0024】
すなわち、開始時刻指示入力部3bは、図3に示す開始時刻入力エリア41によってユーザから指示操作された開始時刻を開始時刻指示として制御部2に入力する。
また、チャンネル選択指示入力部3cは、チャンネル選択ボタン42によってユーザから指示操作されたチャンネル選択をチャンネル選択指示として制御部2に入力する。
また、水送り時間指示入力部3dは、水送り時間入力エリア43によってユーザから指示操作された水送り時間を水送り時間指示として制御部2に入力する(水送り時間指示入力ステップ)。
さらに、液肥送り指示入力部3eは、液肥選択ボタン44によってユーザから指示操作された液肥送り選択を液肥送り指示として制御部2に入力する(肥料送り指示入力ステップ)。
【0025】
これによって、送り制御パターン生成部2bは、開始時刻指示、チャンネル選択指示、水送り時間指示および液肥送り指示を入力し(ステップS3)、これら各種指示に基づいて水および液肥の送り制御パターンを設定し、記憶部5に記憶する(ステップS4)。このとき、送り制御パターン生成部2bは、水送り時間指示に基づく水送り時間と液肥を送る時間である液肥送り時間を同一に設定する。
なお、送り制御パターンとは、開始時刻、チャンネル選択、水送り時間、液肥送り指示および後述する液肥前水送り時間、液肥後水送り時間が対応付けられた制御データである。例えば、図6(a)に示すデータ構造となっており、この点については後述する。
【0026】
さらに、送り制御パターン生成部2bは、n=1を実行し、変数nに1を代入する(ステップS5)。そして、送り制御パターン生成部2bは、まずはチャンネル1がオンになっているか否かを判定し(ステップS6)、オンになっていると判定すると(ステップS6:Yes)、液肥1がオンになっているか否かを判定する(ステップS7)。さらに、送り制御パターン生成部2bは、液肥1がオンになっていると判定すると(ステップS7:Yes)、図4に示すサブ入力画面を表示部4に表示する(ステップS8)。このとき、送り制御パターン生成部2bは、選択チャネル表示50にチャンネル1を表示し、水送り時間指示に基づく水送り時間と同一の時間を液肥送り時間として液肥送り時間表示52に表示する。
【0027】
サブ入力画面が表示された状態で、ユーザが液肥前水送り時間指示入力エリア51に液肥前水送り時間を入力操作し、液肥後水送り時間指示入力エリア53に液肥後水送り時間を入力操作する。そして、ユーザは設定ボタン49をタッチする。
メイン入力部3aは、ユーザからの設定指示操作を受け付け、設定指示を制御部2に入力する。送り制御パターン生成部2bは、メイン入力部3aからの出力を読み出し、設定指示が入力されたか否かを判定する(ステップS9)。送り制御パターン生成部2bは、設定指示信号が入力されていないと判定すると(ステップS9:No)、メイン入力部3aの出力を再度読み出す。一方、送り制御パターン生成部2bは、設定指示信号が入力されたと判定すると(ステップS9:Yes)、液肥前水送り時間指示入力部3fおよび液肥後水送り時間指示入力部3gからの出力を読み出す。
【0028】
すなわち、液肥前水送り時間指示入力部3fは、図4に示す液肥前水送り時間指示入力エリア51によってユーザから入力操作された液肥前水送り時間を液肥前水送り時間指示として制御部2に入力する(肥料前水送り時間指示入力ステップ)。
また、液肥後水送り時間指示入力部3gは、液肥後水送り時間指示入力エリア53によってユーザから入力操作された液肥後水送り時間を液肥後水送り時間指示として制御部2に入力する(肥料後水送り時間指示入力ステップ)。
これによって、送り制御パターン生成部2bは、液肥前水送り時間指示および液肥後水送り時間指示を入力する(ステップS10)。
さらに、送り制御パターン生成部2bは、液肥前水送り時間と水送り時間と液肥後水送り時間とを積算して積算値を算出し、記憶部5に記憶する(ステップS11)。
【0029】
そして、送り制御パターン生成部2bは、ステップS4において記憶部5が記憶している送り制御パターンを読み出し、チャンネル1に対応させて、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間を追加して送り制御パターンを更新し、記憶部5に記憶する(ステップS12、送り制御パターン生成ステップ)。すなわち、送り制御パターン生成部2bは、水送り時間と同一時間を液肥送り時間として水と液肥を両方送るメイン送り過程を設定し、液肥前水送り時間に合わせて液肥を送らず水のみをメイン送り過程の前に送る前処理送り過程を設定し、液肥後水送り時間に合わせて液肥を送らず水のみをメイン送り過程の後に送る後処理送り過程を設定し、送り制御パターンを生成する。これにより、送り制御パターン生成部2bは、前処理送り過程、メイン送り過程および後処理送り過程を順番とした一連の連続した動作として、一の農地に対して水および液肥を送るように制御するための送り制御パターンを生成する。
【0030】
さらに、送り制御パターン生成部2bは、全てのチャンネルの処理が終了したか否かを判定する(ステップS13)。そして、送り制御パターン生成部2bは、全てのチャンネルが終了していないと判定すると(ステップS13:NO)、変数nの値を1増やすインクリメントを行い(ステップS14)、ステップS6に戻って処理を繰り返す。一方、送り制御パターン生成部2bは、全てのチャンネルが終了したと判定すると、再度メイン入力画面を表示部4に表示する(ステップS15)。
【0031】
このとき、送り制御パターン生成部2bは、ステップS11で算出した積算値を記憶部5から読み出し、ステップS4で設定した開始時刻に当該積算値を加算して次の開始時刻最小値(一の回の終了時刻)を算出する。そして、送り制御パターン生成部2bは、開始時刻入力エリア41に開始時刻最小値を表示する。さらに、送り制御パターン生成部2bは、ステップS4で設定したチャンネル選択、水送り時間および液肥送り選択を記憶部5から読み出し、チャンネル選択ボタン42のオンオフの状態、水送り時間入力エリア43の水送り時間および液肥選択ボタン44のオンオフの状態を表示する。すなわち、送り制御パターン生成部2bは、開始時刻最小値を表示するだけでなく、前回に設定した各種指示をそのまま引き継いでチャンネル選択、水送り時間および液肥選択を表示する。具体的には、送り制御パターン生成部2bは、算出した開始時刻最小値や、入力したチャンネル選択、水送り時間、液肥選択、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間を次回の入力画面でも引き継いで表示する。これによって、ユーザにとっての入力の手間を省き、操作性を向上させることができる。
【0032】
メイン入力画面が表示されると、ユーザは、次回の開始時刻最小値、チャンネル選択、水送り時間および液肥選択を見ながら、各種指示操作を行い、操作を終えると、設定ボタン49をタッチする。なお、このとき、ユーザが、次回の開始時刻最小値を見て、この開始時刻を修正する場合がある。
送り制御パターン生成部2bは、開始時刻指示入力部3bの出力を読み出し、次回の開始時刻の変更があったか否かを判定する(ステップS16)。送り制御パターン生成部2bは、次回の開始時刻の変更があったと判定すると(ステップS16:YES)、変更された開始時刻が次回の開始時刻最小値よりも前か否かを判定する(ステップS17)。そして、送り制御パターン生成部2bは、変更された開始時刻が次回の開始時刻最小値よりも前であると判定すると(ステップS17:YES)、報知制御部2dに警告指示を入力し、報知制御部2dは、警告を報知する(ステップS18)。警告は、変更された開始時刻が次回の開始時刻最小値よりも前の時間であることをユーザに知らしめるものであり、文字、図形、画像、音、光、振動などで報知する。
【0033】
一方、送り制御パターン生成部2bは、ステップS16において、次回の開始時刻の変更がなかったと判定し(ステップS16:NO)、または、ステップS17において、変更された開始時刻が次回の開始時刻最小値よりも後であると判定する(ステップS17:NO)と、ステップS2に戻って処理を繰り返す。
また、送り制御パターン生成部2bは、ステップS6において、チャンネル1がオフであると判定し(ステップS6:NO)、または、ステップS7において、液肥1がオフであると判定する(ステップS7:NO)と、全てのチャンネルが終了したか否かを判定する(ステップS19)。そして、送り制御パターン生成部2bは、全てのチャンネルの処理が終了していないと判定すると(ステップS19:NO)、変数nをインクリメントして(ステップS20)、ステップS6に戻って処理を繰り返す。一方、送り制御パターン生成部2bは、全てのチャンネルの処理が終了したと判定すると(ステップS19:YES)、処理を終了する。
【0034】
なお、ユーザが、例えばUSBメモリなどの記憶媒体を潅水施肥装置1に接続した状態で、メイン入力画面において自動入力ボタン45をタッチすると、送り制御パターン生成部2bが、通信部6を介して、記憶媒体に記憶された各種指示を入力し、送り制御パターンとして記憶部5に記憶する。
図6(a)および(b)は、記憶媒体に記憶される各種指示のデータ構造図である。例えば、エクセルなどの所定のソフトを利用して所定のフォーマットに沿ってユーザが各種指示をパソコンなどによって事前に入力し、このデータを記憶媒体を介して潅水施肥装置1に接続することにより、送り制御パターン生成部2bが、開始時刻の異なる複数パターンの各種指示を読み込み、送り制御パターンとして記憶部5に記憶する。
【0035】
図7は、潅水施肥装置1が送り制御パターンに基づいて水および液肥の送りを制御する処理動作(送り制御ステップ)を示すフローチャートである。
なお、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131~136はすべて閉じられているものとする。
上述したように、送り制御パターン生成部2bが送り制御パターンを記憶部5に記憶すると、送り制御部2cは、記憶部5に記憶された制御パターンから一番最初の開始時刻を読み出し、現在時刻が開始時刻であるか否かを判定する(ステップS50)。
送り制御部2cは、現在時刻が開始時刻ではないと判定すると(ステップS50:NO)、現在時刻を読み出して処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、現在時刻が開始時刻であると判定すると(ステップS50:Yes)、変数nに1を代入して(ステップS51)、送り制御パターンのチャンネル1がオンかオフかを判定する(ステップS52)。
【0036】
送り制御部2cは、チャンネル1がオンであると判定すると(ステップS52:Yes)、送り制御パターンの液肥1がオンかオフかを判定する(ステップS53)。
送り制御部2cは、液肥1がオンであると判定すると(ステップS53:Yes)、送り制御パターンの液肥前水送り時間を読み出し、液肥前水送り時間が0分を超えているか否かを判定する(ステップS54)。そして、送り制御部2cは、液肥前水送り時間が0分を超えていると判定すると(ステップS54:Yes)、マスター電磁弁11およびサブ電磁弁131に開信号を送信する(ステップS55)。
マスター電磁弁11およびサブ電磁弁131は、それぞれ開信号を受信すると、流路を開状態とする。これにより、農地141に水のみが送られる。
【0037】
そして、送り制御部2cは、液肥前水送り時間が経過したか否かを判定し(ステップS56)、経過していないと判定すると(ステップS56:NO)、現在時刻を読み出して処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、液肥前水送り時間が経過したと判定すると(ステップS56:Yes)、水送り時間を読み出し、液肥用電磁弁12に開信号を送信する。液肥用電磁弁12は、開信号を受信すると、流路を開状態とする。これにより、農地141に水と液肥の両方が送られる。
また、ステップS54において、送り制御部2cは、液肥前水送り時間が0分以内であると判定すると(ステップS54:NO)、水送り時間を読み出し、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131に開信号を送信する。
マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131は、それぞれ開信号を受信すると、流路を開状態とする。これにより、農地141に水と液肥の両方が送られる。
【0038】
そして、送り制御部2cは、ステップS57またはステップS58の処理の後、水送り時間が経過したか否かを判定し(ステップS59)、経過していないと判定すると(ステップS59:NO)、現在時刻を読み出して処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、水送り時間が経過したと判定すると(ステップS59:Yes)、液肥後水送り時間を読み出し、液肥後水送り時間が0分を超えているか否かを判定する(ステップS60)。そして、送り制御部2cは、液肥後水送り時間が0分を超えていると判定すると(ステップS60:Yes)、液肥用電磁弁12に閉信号を送信する(ステップS61)。
液肥用電磁弁12は、閉信号を受信すると、流路を閉状態とする。これにより、農地141に水のみが送られる。
【0039】
さらに、送り制御部2cは、液肥後水送り時間が経過したか否かを判定し(ステップS62)、経過していないと判定すると(ステップS62:NO)、現在時刻を読み出して処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、液肥後水送り時間が経過したと判定すると(ステップS62:Yes)、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131に閉信号を送信する(ステップS63)。これらマスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131は、それぞれ閉信号を受信すると、流路を閉状態にする。
【0040】
また、送り制御部2cは、ステップS60において、液肥後水送り時間が0分以内であると判定すると(ステップS60:NO)、ステップS63の処理へと進む。
また、送り制御部2cは、ステップS53において、液肥1がオフであると判定すると(ステップS53:NO)、水送り時間を読み出し、マスター電磁弁11およびサブ電磁弁131に開信号を送信する(ステップS66)。
マスター電磁弁11およびサブ電磁弁131は、それぞれ開信号を受信すると、流路を開状態とする。これにより、農地141に水と液肥の両方が送られる。
そして、送り制御部2cは、水送り時間が経過したか否かを判定し(ステップS67)、経過していないと判定すると(ステップS67:NO)、現在時刻を読み出して処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、液肥後水送り時間が経過したと判定すると(ステップS67:Yes)、ステップS63の処理へと進む。
【0041】
また、送り制御部2cは、ステップS52において、チャンネル1がオフであると判定すると(ステップS52:NO)、ステップS63の処理へと進む。
さらに、ステップS64において、送り制御部2cは、全てのチャンネルが終了したか否かを判定する(ステップS64)。
送り制御部2cは、全てのチャンネルは終了していないと判定すると(ステップS64:NO)、変数nをインクリメントし(ステップS65)、ステップS52に戻って処理を繰り返す。一方、送り制御部2cは、全てのチャンネルが終了したと判定すると(ステップS63:Yes)、処理を終了する。
そして、送り制御部2cは、次の開始時刻を読み出して、ステップS50の処理を繰り返していく。
【0042】
例えば、図6(a)に示すように、開始時刻が10:00、チャンネル1がオン、水送り時間が10分、液肥選択がオン、液肥前水送り時間が3分および液肥後水送り時間が5分だとすると、送り制御部2cは、10:00になると、マスター電磁弁11およびサブ電磁弁131を開動作させて、液肥前水送り時間として3分間水のみを流して農地141に水のみを送る。そして、送り制御部2cは、3分後には連続して直ちに、液肥用電磁弁12を開動作させて、水送り時間として10分間水と液肥を両方とも流して農地141に送る。さらに送り制御部2cは、10分後には連続して直ちに、液肥用電磁弁12を閉動作させて、液肥後水送り時間として5分間水のみを流して農地141に水のみを送る。そして、送り制御部2cは、直ちにチャンネル2に対して送り制御パターンに応じて、水および液肥を農地142に送る。さらに、送り制御部2cは、チャンネル3からチャンネル6まで、送り制御パターンに基づいて、水および液肥を農地143~農地146に順番に送る。
【0043】
以上より、本実施形態における潅水施肥装置1、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システム10によれば、ユーザからの水と液肥の送り指示操作に応じて、前処理送り過程として水のみを送り、メイン送り過程として水と液肥を両方送り、後処理送り過程として水のみを送るように、一の農地に対して一連の動作で連続的に水および液肥を送るように制御することができる。
なお、液肥は、農地などが乾燥していると地面の深くまで浸透しにくいため、農地が乾燥している状態で液肥と水を両方とも農地に送ったとしても、液肥が地面の深くまで浸透していきにくくなる。本実施形態における潅水施肥装置1、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システム10によれば、液肥を送る前に、前処理送り過程として液肥前水送り時間に応じて水のみを事前に送ることができることから、農地を事前に湿潤状態にすることができ、その後の液肥を効果的に浸透させることができる。
また、液肥は、農地などに設置される不図示の排出部の開閉弁を介して外方に放出されるようになっている。このとき、液肥が開閉弁に残存していると、時間の経過により液肥が固まってしまい、開閉弁の開閉動作に影響を及ぼすおそれがある。本実施形態における潅水施肥装置1、潅水施肥方法、プログラムおよび潅水施肥システム10によれば、液肥を送った後に、後処理送り過程として液肥後水送り時間に応じて水のみを送ることができることから、開閉弁に残存している液肥を水によって洗い流すことができ、開閉弁における液肥の固着を防止することができる。
そのため、一の農地に対して水および液肥を効果的に送ることができる。
【0044】
また、送り制御パターン生成部2bが、水送り時間に基づいてメイン送り過程を先に設定し、その後に、前処理送り過程および後処理送り過程を設定することから、迅速かつ確実に送り制御パターンを生成することができる。
また、送り制御パターン生成部2bが、水送り時間を先に入力し、その後に、液肥前水送り時間およ液肥後水送り時間を入力することから、ユーザに対して直感的に分かりやすく入力操作させることができる。
また、送り制御パターン生成部2bが、メイン送り過程、後処理送り過程、前処理送り過程の順に時間を短く設定することから、必要に応じて効果的に水および液肥を送ることができる。すなわち、前処理送り過程においては、少しでも水を送っていれば、次のメイン送り過程において水および液肥が連続的に送られてくるため、先に送った水をパイプ内において押し進めることができるのに対して、後処理送り過程においては次に水が連続的には送られて来ないため、後処理送り過程の時間を長くすることにより、必要な量の液肥を送りつつも後処理送り過程においてなるべく液肥を開閉弁から洗い流すことができる。
【0045】
また、送り制御パターン生成部2bは、一の送り制御パターンを生成すると、次回のメイン入力画面において、開始時刻最小値を表示することから、ユーザに次回の開始時刻を知らしめることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、開始時刻最小値よりも前の開始時刻をユーザが入力すると、報知制御部2dが報知することから、修正指示された次回の開始時刻が前回の終了時刻を越えていることをユーザに知らしめることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、ユーザがUSBなどの記憶媒体を潅水施肥装置1に接続し、自動入力ボタン45をタッチするだけで、送り制御パターン生成部2bが複数の送り制御パターンを自動的に入力することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0046】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、送り制御パターン生成部2bが、水送り時間、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間の順に入力して、メイン送り過程を設定してから、前処理送り過程および後処理送り過程を設定しているが、これに限ることはなく、設定の順番は適宜変更可能である。具体的には、送り制御パターン生成部2bが、液肥前水送り時間、水送り時間および液肥後水送り時間の順に入力して、前処理送り過程、メイン送り過程および後処理送り過程を設定してもよい。もちろん、他の順番に設定することができることは言うまでもない。
【0047】
また、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間をユーザからの指示操作により送り制御パターン生成部2bが入力するとしているが、これに限ることはなく、その入力方法は適宜変更可能である。例えば、送り制御パターン生成部2bが、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間を水送り時間の比率に応じて設定してもよい。具体的には、送り制御パターン生成部2bは、水送り時間および液肥選択を入力すると、水送り時間に対して所定の比率を乗じて、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間を算出することができる。すなわち、送り制御パターン生成部2bは、例えば水送り時間10分を10として、液肥前水送り時間を3割として3分に設定し、液肥後水送り時間を5割として5分に設定することができる。もちろん、各比率は適宜変更可能であり、水送り時間、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間の比率を、例えば10-5-5としてもよいし、10-5-3、10-4-6などに設定することも可能である。
これにより、ユーザの入力の手間を省き、利便性を向上させることができる。このとき、送り制御パターン生成部2bは、これらの水送り時間、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間の長さを、水送り時間>液肥後水送り時間>液肥前水送り時間に設定することができる。これにより、ユーザの手間を省き利便性を向上させつつ、一の農地に対して水および液肥を効果的に送ることができる。
【0048】
また、温度を測定する温度測定部、湿度を測定する湿度測定部または水量を測定する水量測定部などの環境測定部を農地等に設置して、環境測定部からの測定結果を送り制御パターン生成部2bが入力して、測定結果に応じて、水送り時間、液肥前水送り時間および液肥後水送り時間の割合を変化させてもよい。例えば、送り制御パターン生成部2bが、水量測定部からの測定結果が所定の閾値を超えているか否かを判定し、越えていると判定した場合、肥料前水送り時間の割合を減少させるようにしてもよい。これにより、農地の湿潤度に応じて、肥料前水送り時間を制御することができる。また、送り制御パターン生成部2bが、水量測定部からの測定結果に応じて、ユーザが指示した水送り時間を増減させることができる。例えば、送り制御パターン生成部2bは、水量測定部からの測定結果が所定の閾値より低いと判定した場合に、割合を増加させて水送り時間を増やし、また別の閾値を超えていると判定した場合に、割合を減少させて水送り時間を減らしてもよい。これにより、農地の湿潤度に応じて、水送り時間を制御することができる。
また、サブ入力画面を表示するステップS8において、ユーザが液肥前水送り時間を液肥後水送り時間よりも長く指示したときは、送り制御パターン生成部2bがその指示を入力して、液肥前水送り時間が液肥後水送り時間よりも長いか否かを判定し、長いと判定したときに、報知制御部2dに警告指示を入力し、報知制御部2dが警告を報知するようにしてもよい。これにより、液肥前水送り時間が液肥後水送り時間よりも長いことをユーザに知らしめることができる。
【0049】
また、送り制御パターン生成部2bは、水を送っているときに、表示部4のメイン入力画面において、現在水を送っているチャンネルの残り時間を表示してもよい。これにより、ユーザがあとどれくらいで潅水が終了するかを認識することができる。
また、チャンネル選択数を6つにしているが、これに限ることはなく、チャンネル選択数は適宜変更可能である。例えば、チャンネル選択数は、1つでもよいし、7つ以上であってもよい。それに応じて、サブ電磁弁131~136の数も増減させることができるのは言うまでもない。
また、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131~136の設置数は適宜変更可能である。
もちろん、農地141~146の数も適宜変更可能である。
また、作物育成領域として農地を例としてあげているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。
また、作物は、植物だけでなく、微生物などの生物であってもよい。
また、送り制御パターン生成部2bが、水送り時間と液肥送り時間とを同一に設定しているが、これに限ることはなく、それぞれ別々に設定してもよい。例えば、送り制御パターン生成部2bが、液肥送り時間入力エリアを表示部4のメイン入力画面に表示し、ユーザの入力操作に応じて、入力部3としての液肥送り時間指示入力部が制御部2に液肥送り時間指示を入力することにより、送り制御パターン生成部2bが、液肥送り時間を設定するようにしてもよい。
【0050】
また、水源Wを設けているが、例えば、これは水タンクや水道であってもよい。
また、肥料として液肥を挙げているが、これに限ることはなく、さまざまな肥料を使用することができることは言うまでもない。
また、送り制御パターン生成部2bが、開始時刻最小値や前回の各種指示を表示するとしたが、これに限ることはなく、何も表示しないで、ユーザが改めてゼロから入力するようにしてもよい。
また、報知制御部2dが設けられているが、これは設けなくても構わない。
【0051】
また、潅水施肥装置1が、マスター電磁弁11、液肥用電磁弁12およびサブ電磁弁131~136と有線によって電気的に接続されているものとしているが、これに限ることはなく、通信ネットワークを介して、無線により接続されていてもよい。
また、潅水施肥装置1および潅水施肥システム10を構成する前述の各機能部は、単体のコンピュータに備えられていてもよいし、通信ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータに分散して備えられていてもよい。例えば、潅水施肥装置1としては、送り制御パターン生成部2bを備えていなくてもよく、外部機器から送信される送り制御パターンを送り制御部2bが通信部6を介して入力するようにすることができる。
また、潅水施肥装置1および潅水施肥システム10の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0052】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、以上の実施形態や変形例を種々組み合わせることができることは言うまでもない。
【0053】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥装置であって、
前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力部と、
前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示に基づく時間に合わせて水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定して水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成部と、
前記送り制御パターンが生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理過程、前記メイン送り過程および前記後処理過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御部とを備える潅水施肥装置。
【0054】
(付記2)
前記送り制御パターン生成部は、
前記メイン送り過程、前記後処理送り過程、前記前処理送り過程の順に、時間を短く設定する付記1に記載の潅水施肥装置。
【0055】
(付記3)
複数回にわたって水および肥料を送る場合において水の送りの開始時刻の指示をそれぞれの回ごとに入力する開始時刻指示入力部と、
一の回において設定された前記前処理送り過程、前記メイン送り過程および前記後処理送り過程のそれぞれの時間を前記開始時刻指示入力部が入力する前記一の回の開始時刻に足し合わせた前記一の回の終了時刻が、他の開始時刻を越える場合に、当該他の開始時刻を越えることを報知する報知制御部とを備える付記1又は付記2に記載の潅水施肥装置。
【0056】
(付記4)
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥方法であって、
水送り時間指示入力部が、前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力ステップと、
肥料送り指示入力部が、前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力ステップと、
肥料前水送り時間指示入力部が、前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力ステップと、
肥料後水送り時間指示入力部が、前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力ステップと、
送り制御パターン生成部が、前記水送り時間指示に基づく時間に合わせて水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定して水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成ステップと、
送り制御部が、前記送り制御パターンが生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理過程、前記メイン送り過程および前記後処理過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御ステップと
を含む潅水施肥方法。
【0057】
(付記5)
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥装置におけるプログラムであって、
水送り時間指示入力部が、前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力ステップと、
肥料送り指示入力部が、前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力ステップと、
肥料前水送り時間指示入力部が、前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力ステップと、
肥料後水送り時間指示入力部が、前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力ステップと、
送り制御パターン生成部が、前記水送り時間指示に基づく時間に合わせて水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定して水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成ステップと、
送り制御部が、前記送り制御パターンが生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理過程、前記メイン送り過程および前記後処理過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御ステップと
を含む潅水施肥装置におけるプログラム。
【0058】
(付記6)
作物育成領域に水および肥料を送る潅水施肥システムであって、
水および肥料の送りを制御する潅水施肥装置と、
前記潅水施肥装置からの指示に基づいて水の流通を制御する水制御部と、
前記潅水施肥装置からの指示に基づいて肥料の流通を制御する肥料制御部とを備え、
前記潅水施肥装置は、
前記水を送る時間の指示である水送り時間指示を入力する水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る指示である肥料送り指示を入力する肥料送り指示入力部と、
前記肥料を送る前に前記水を送る時間の指示である肥料前水送り時間指示を入力する肥料前水送り時間指示入力部と、
前記肥料を送る後に前記水を送る時間の指示である肥料後水送り時間指示を入力する肥料後水送り時間指示入力部と、
前記水送り時間指示に基づく時間に合わせて水と肥料を送るメイン送り過程を設定し、前記肥料前水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る前処理送り過程を前記メイン送り過程の前に設定し、前記肥料後水送り時間指示に基づく時間に合わせて前記肥料を送らず前記水を送る後処理送り過程を前記メイン送り過程の後に設定して水および肥料の送り制御パターンを生成する送り制御パターン生成部と、
前記送り制御パターンが生成した送り制御パターンに基づいて、前記前処理過程、前記メイン送り過程および前記後処理過程の順に連続して一の作物育成領域に対して前記水および前記肥料の送りを制御する送り制御部と
を備える潅水施肥システム。
【符号の説明】
【0059】
1 潅水施肥装置
2b 送り制御パターン生成部
2c 送り制御部
2d 報知制御部
3b 開始時刻指示入力部
3d 水送り時間指示入力部
3e 液肥送り指示入力部(肥料送り指示入力部)
3f 液肥前水送り時間指示入力部(肥料前水送り時間指示入力部)
3g 液肥後水送り時間指示入力部(肥料後水送り時間指示入力部)
10 潅水施肥システム
11 マスター電磁弁(水制御部)
12 液肥用電磁弁12(肥料制御部)
131~136 サブ電磁弁(水制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7