(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】瓶詰め飲料を冷やす装置
(51)【国際特許分類】
F25D 31/00 20060101AFI20220126BHJP
F25D 27/00 20060101ALI20220126BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220126BHJP
F25B 21/02 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
F25D31/00
F25D27/00
F25D11/00 101W
F25B21/02 Q
(21)【出願番号】P 2018561093
(86)(22)【出願日】2017-02-10
(86)【国際出願番号】 GB2017050367
(87)【国際公開番号】W WO2017137774
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2020-02-10
(32)【優先日】2016-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518286736
【氏名又は名称】カエロ・テクノロジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KAELO TECHNOLOGY LTD
【住所又は居所原語表記】COPPERGATE HOUSE, 16 BRUNE STREET, LONDON E1 7NJ, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ジャボウ,ケヴィン
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/148182(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/041058(WO,A1)
【文献】実開平01-109772(JP,U)
【文献】特開平08-285428(JP,A)
【文献】特開平05-118725(JP,A)
【文献】実開平01-106873(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0018138(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 31/00
F25D 27/00
F25D 11/00
F25B 21/02
A47G 23/02,23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
瓶詰め飲料を冷やす装置であって、
使用時にボトルを収容するアクセス開口部を取り囲んでいる垂下構造部と、
前記アクセス開口部を介してアクセス可能なボトルチャンバを画定する、上部が開口した容器であって、該容器が、前記垂下構造部に結合された管状壁と、前記アクセス開口部に対向する閉じたベースとを具備する容器と、
熱交換器と、
前記容器の前記ベースと熱的に連通している熱入力側と、前記熱交換器と熱的に連通している熱出力側とを有する冷却装置と
、
上部が開口した前記容器、前記熱交換器および前記冷却装置を取り囲み、前記垂下構造部に結合されるハウジングと、を備え、
前記垂下構造部が前記ハウジングの半径方向外側に突出し、
前記熱交換器は
、前記容器の前記ベースから
直接懸架される装置。
【請求項2】
前記容器および前記垂下構造部に結合される環状フレームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記
環状フレームの外側面の周囲溝に組み込まれる周方向シールをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記
環状フレームは、前記
環状フレームを取り囲み、および雄型ねじに沿って前記垂下構造部に向かって進むように構成されたクランプリングと協働する雄型ねじを備える、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記
環状フレームは、前記容器と協働するように径方向内側に延びる環状フランジ
を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記容器は、前記
環状フランジに取付けられている径方向外側に突出するリップを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記リップは、前記垂下構造部と前記
環状フランジとの間に締め付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記垂下構造部の径方向内側の前記容器と前記垂下構造部との間にはギャップがあり、環状光学素子が前記ギャップ内に設けられる、請求項2~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
光路が、前記
環状光学素子から、前記垂下構造部と前記
環状フレームとの間に設けられた照明システムまで延びている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記
環状光学素子は、前記垂下構造部と前記
環状フレームとの間に締め付けられる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記
環状フレームは、環状スカートと前記管状壁との間に環状凹部を画定するように、前記容器の該管状壁から径方向に離間されている前記環状スカートと、前記容器を取り囲み、および前記
環状凹部に配置される管状断熱材とを備える、請求項2~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記冷却装置は、前記熱交換器により、前記容器の前記ベースに接触して保持される、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記熱交換器は、軸方向に延びる固定具により、前記容器の前記ベースから懸架される、請求項
1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記固定具は、前記容器の前記ベースを通って延びており、前記固定具は、前記容器に面している前記ベースの側のカバーによって隠される、請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
前記カバーは、前記容器の前記ベースの実質的に同一平面の内側面を画定する、請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
前記熱交換器は、前記冷却装置を介して、前記容器の前記ベースから懸架される、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
瓶詰め飲料を冷やす装置であって、
使用時にボトルを収容するためのアクセス開口部を取り囲むベゼルであって、垂下構造部を構成またはカバーするベゼルと、
前記垂下構造部に接続された、上部が開口した容器であって、前記アクセス開口部を介してアクセス可能なボトルチャンバを画定する容器と、
前記容器のベースから直接懸架されている熱交換器と、
前記容器を冷却するように構成された冷却装置と、
上部が開口した前記容器、前記熱交換器および前記冷却装置を取り囲み、前記垂下構造部に結合されるハウジングと、を備え、
前記垂下構造部が前記ハウジングの半径方向外側に突出し、
前記ベゼルに電気的に接続され、および該ベゼルとのユーザのやりとりに応動して前記装置の動作条件を変えるように構成される制御システムであって、ユーザのやりとりは、前記ベゼルの静電容量式タッチセンサ面の電気容量を変化させる、制御システムと、を備える装置。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか1項に記載の装置を備えた家具のアイテム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶詰め飲料を冷やす装置に関する。より具体的には、本発明は、シャンパンボトルやワインボトルを長期間、保冷することが可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラグジュアリースピリッツや高級ワインは、特定の条件下で最も良く体験される。例えば、シャンパンは、7℃~10℃の範囲の温度で飲むべきであることはよく知られている。そのため、ボトルの内容物を所望の温度範囲内に維持することが望ましい。また、急激な変化は、該内容物にダメージを与えて、該内容物を飲み難くしたり、飲用に適さなくしたりする可能性があるため、該ボトルは、正しく冷やしたり、温めたりしなければならない。
【0003】
開栓前、ボトル温度は、該ボトルをワイン冷蔵庫またはワインセラーに保管することによって容易に調節される。しかし、該飲料が飲まれる環境は暖かい可能性があるため、該ボトルを該冷蔵庫またはセラーから取り出すと、直ぐに温度上昇プロセスが始まる。該飲料の該温度は、開栓と、注ぎ入れ/飲酒との間のこの期間中に正しく調節しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、この問題に対する、欠点のある(しかし、ポピュラーな)解決策は、アイスバケット、すなわち、該ボトルがその中に入れられる水と氷がたくさん入っている容器を用いることである。残念なことに、アイスバケットは、体裁が悪く、動かし難く、および不便であり、テーブル表面の多くのスペースを取っている。また、アイスバケットの場合、温度調節は不可能であるため、該飲用温度は、該氷が解けるにつれて再び昇温する前に、最適な温度以下に良好に降温する可能性がある。該氷が解けた場合、該水は室温に戻り、該ボトルの該温度を水によって室温まで昇温させる。そのため、該ボトルの内容物が、該正しい温度になっている非常に小さなウィンドウがある。
【0006】
より有効な異なるアプローチが、本出願人の出願である、国際公開第2011/148182号で見られ、該出願は、アイスバケットの代替品を提供する電気式ボトル冷却装置について記載している。該装置は、支持リップから懸架され、および熱電的に冷却される、上部が開口した内部チャンバを有している。国際公開第2011/148182号で開示されている該装置は、動作は有効であるが、いくつかの問題を抱えている。本発明は、それらの問題を克服するために、および該従来技術に勝る改良物を提供するために考案されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本発明の態様によれば、瓶詰め飲料を冷やす装置が提供され、該装置は、使用時にボトルを収容するアクセス開口部を取り囲んでいる垂下構造部と、前記アクセス開口部を介してアクセス可能なボトルチャンバを画定する、上部が開口した容器であって、該容器が、前記垂下構造部に結合された管状壁と、前記アクセス開口部に対向する閉じたベースとを具備する容器と、熱交換器と、前記容器の前記ベースと熱的に連通している熱入力側と、前記熱交換器と熱的に連通している熱出力側とを有する冷却装置とを備え、前記熱交換器は、前記壁と前記容器の前記ベースとを介して、前記垂下構造部から前記熱交換器まで延びる負荷経路を画定するように、前記容器の前記ベースから懸架されている。
【0008】
上述したような冷却装置は、該装置のどの構成要素部分にも過剰な負担または応力をかけることなく、表面から懸架することができる、構造的に安定した装置を有益にもたらす。このことは、該装置を介した力の配分によって実現される。
【0009】
さらに、前記熱交換器を前記容器から懸架することにより、冷却装置と、容器と、熱交換器との間の該間隔を最小限にして、熱的性能を向上させることができる。このサスペンションは、該所要の固定具の該重量およびサイズも低減する。
【0010】
上記装置は、環状フレームを備えてもよい。該環状フレームは、上記容器に結合することができ、および上記垂下構造部に結合することができる。フレームを組み込むことにより、該装置全体にわたって力の配分がさらに改善され、該装置の構造安定性が確実に維持される。
【0011】
必要に応じて、上記フレームは、協働ねじによって前記垂下構造部に結合される。該協働ねじは、該垂下構造部上に雄型ねじを備えていてもよい。該協働ねじは、該フレーム上に雌型ねじを備えていてもよい。
【0012】
上記装置は、周方向シールをさらに備えてもよい。該周方向シールは、該フレームの外側面の周囲溝に組み込んでもよい。有利には、周方向シールは、使用時において、取付面から懸架された場合に、上記装置が安定的に懸架されることを確保する。また、該シールは、該装置を、起きる可能性のある液漏れから保護する。
【0013】
上記フレームは、該フレームを取り囲む雄型ねじを備えてもよい。該雄型ねじは、該雄型ねじに沿って、上記垂下構造部に向かって進められるように構成されたクランプリングと協働することができる。該クランプは、取付面から懸架された場合に、該装置をさらに安定化するのに特に有用であり、および該装置を該表面から容易に取り外すことができないことを確実にする。また、該クランプは、異なる負荷に曝された場合に、該装置の動きを確実に最小限にする。
【0014】
上記フレームは、上記容器と協働するように、径方向内側に延びている環状フランジを備えてもよい。該容器は、該フランジに取付けられている径方向外側に突出するリップを有してもよい。該リップは、上記垂下構造部および/または該フランジ間に締着してもよい。これらの形状構成は、上記装置にわたる負荷の該配分をさらに改善する。該垂下構造部および/または該フランジ間に該リップを締着することは、シームレスボトムチャンバを可能にし、および該フレームを、使用時に視界から隠すことを可能にする。
【0015】
上記容器と、上記垂下構造部との間にギャップがあってもよい。該ギャップは、該垂下構造部の径方向内側にあってもよい。環状光学要素を、該ギャップ内に配置してもよい。光路は、該光学要素から、該垂下構造部と該フレームとの間に配置された照明システムまで延びていてもよい。該光学要素は、該垂下構造部と該フレームとの間に締着してもよい。
【0016】
上記フレームは、環状スカートを備えてもよい。該環状スカートは、該スカートと該壁との間に環状凹部を画定するために、上記容器の該管状壁から径方向に離間させることができる。該容器を取り囲む管状断熱材を、該凹部に設けてもよい。
【0017】
上記装置は、上記容器を取り囲むハウジングを備えてもよい。該ハウジングは、上記垂下構造部に結合することができる。該ハウジングは、上記フレームを介して該垂下構造部に結合することができる。該ハウジングは、該装置のシームレス外側面を形成するので特に有利であり、および該装置全体をさらに保護する。例えば、該装置は、使用時に、誤って蹴られる可能性があり、およびハウジングの組込みは、このことが、該装置のどの構成要素も損傷させないことを確実にする。
【0018】
上記ハウジングと上記フレームは、入れ子状に結合することができる。該フレームから垂下するスカートは、該ハウジングに関して相補的な同軸湾曲部を有してもよい。該フレームは、断熱ポリマー材料で形成してもよい。断熱スリーブは、上記容器を断熱し、および該容器からの熱伝導を低減することにより、ボトルを冷却する際の上記装置の性能を有益に向上させる。
【0019】
必要に応じて、上記冷却装置は、上記熱交換器により、上記容器の上記ベースに押し付けてもよい。該熱交換器は、該容器の該ベースから直接、懸架してもよく、また、軸方向に延びている固定具により、該容器の該ベースから懸架してもよい。
【0020】
上記軸方向に延びている固定具は、上記容器の上記ベースを貫通して延びていてもよい。該軸方向に延びている固定具は、該容器に対向している該ベースの側のカバーによって隠してもよい。該カバーは、該容器の該ベースの凹部に収容することができ、および該容器の該ベースの実質的に平坦な内側面を画定することができる。該熱交換器は、上記冷却装置を介して、該容器の該ベースから懸架してもよい。
【0021】
本発明の別の態様によれば、瓶詰め飲料を冷やす装置が提供され、該装置は、ボトルチャンバを画定する、上部が開口した容器であって、該容器が管状壁と、長手方向軸と、閉じたベースとを有する容器、外側面と、熱交換器との間にギャップを画定するように、該容器の該ベースの外側面から長手方向に離間された該熱交換器、該ギャップ内に設けられた断熱インサート、該容器の該ベースと熱的に連通する熱入力側と、該熱交換器と熱的に連通する熱出力側とを有する冷却装置、及び該容器の該ベースの内側面から該熱交換器まで延びる熱流路の一部として、該冷却装置と熱的に連通接触している熱ブリッジであって、該長手方向軸に直交する平面が、該熱ブリッジおよび該インサートを通って延びるように、該インサートの傍に配置される該熱ブリッジを備えている。
【0022】
上記冷却装置と、上記容器の該ベースとの間の熱ブリッジと断熱インサートの組合せは、該装置の冷却効率および冷却能力を有益に向上させ、その結果、該容器の該温度を、該冷却装置に対するより少ない作動上の負荷応力で、より長く維持することができる。より詳細に考察すると、該熱ブリッジは、該熱交換器と該容器との間の間隔を増加させて、制御された伝導領域が、該冷却装置および該熱交換器に確実に曝される。該熱ブリッジが含まれていない場合には、該冷却装置の該冷却効果は、該容器を再加熱する該熱交換器から散逸した該熱によって打ち消される可能性がある。同様に、該インサートは、該熱交換器と該容器との間に、実質的な断熱分離をもたらす。
【0023】
上記熱ブリッジは、上記容器の該ベースと一体化してもよい。該ベースと熱ブリッジの一体化は、上記熱流路に沿って受ける損失を低減する。
【0024】
上記冷却装置と熱的に連通接触している上記熱ブリッジの少なくとも遠位部は、上記長手方向軸周りで、上記ベースの周辺部よりも狭小であってもよい。上記ベースの該周辺部は、該長手方向軸に関して横方向に延びていてもよく、および該熱ブリッジは、長手方向に延びている。該熱ブリッジは、該ベースの該周辺部よりも長手方向により厚くなっていてもよい。これらの形状構成は、熱交換器と容器ベースとの間の分離をさらに改善する。
【0025】
上記冷却装置の上記熱入力側は、上記熱ブリッジと熱接触していてもよい。該冷却装置の上記熱出力側は、上記熱交換器と熱接触していてもよい。
【0026】
断熱スリーブは、上記容器を包囲することができる。
【0027】
上記ギャップ内に設けられた上記断熱インサートは、上記スリーブと一体化してもよい。該断熱インサートは、断熱カップを構成することができる。該断熱カップは、該インサートが、該スリーブから上記長手方向に向かって内側に延びているL字状の長手方向断面を有してもよい。L字状の断熱カップは、該断熱カップの形状および熱ブリッジの形状を、熱交換器と容器ベースとの間の分離を実現するように正確に調整できるようにする。
【0028】
上記容器および上記熱ブリッジは、上記長手方向軸に関して回転対称を有してもよい。上記断熱インサートは、該長手方向軸に関して回転対称を有してもよい。該断熱インサートは、該長手方向軸に直行する前記平面内で、該熱ブリッジを包囲することができる。該断熱インサートは、前記平面内に環状断面を有していてもよい。
【0029】
上記装置は、液体用容器を備えていてもよい。該容器は、上記冷却装置の上記熱出力側と熱接触していてもよい。該装置は、該容器と、該熱交換器の熱交換構成部との間に、液体循環経路を備えていてもよい。液体冷却は、該最高温度領域から離れる安定した熱流を確保することにより、対流により、または、ポンプの使用により、該熱交換器の該冷却効果をかなり向上させる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、瓶詰め飲料を冷やす装置が提供され、該装置は、ボトルチャンバを画定する、上部が開口した容器であって、管状壁およびベースを有する容器と、前記容器の該ベースおよび熱交換器と熱的に連通している冷却装置と、前記容器を取り囲み、および前記冷却装置および該熱交換器を包囲する管状ハウジングと、使用時に、該ハウジングのインレットから、該熱交換器を横切って該ハウジングのアウトレットまで延びる空気流路に沿って空気を流すように構成されたファンとを備えている。
【0031】
熱交換器を横切る空気流は、該周囲大気への熱の一定かつ効率的な散逸を維持するのに特に重要である。また、上記ファンは、上記装置の該再加熱が、上記冷却装置によってもたらされる冷却を妨げないように、加熱された空気を放出できなければならない。上述した空気流路に沿って空気を流すように構成されたファンを含む該装置は、該熱交換器からアウトレットへ該加熱された空気を具体的に方向付けることにより、およびインレットから該熱交換器へ冷たい空気を引き込むことにより、有利な放熱特性をもたらす。このようにして、空気は、効率的にかつ迅速に該熱交換器を横切って移動される。
【0032】
上記インレットまたは上記アウトレットの一方は、上記ハウジングの管状壁を通って延びていてもよく、また、該インレットまたはアウトレットの他方は、該管状壁によって包囲されていてもよい。
【0033】
上記インレットまたは上記アウトレットの一方は、上記ハウジングの上記管状壁の周りで実質的に連続して延びていてもよい。
【0034】
上記装置は、上記ハウジングの上記管状壁によって包囲されている上記インレットまたはアウトレットと連通する該ハウジングに結合され、および該ハウジングから長手方向に延びている外部ダクトを備えていてもよい。外部ダクトは、加熱された空気を該装置から離して方向付け、または、冷たい空気をそれに向かって方向付ける際に特に有用である。
【0035】
上記装置は、上記ハウジング内に、少なくとも一つの空気流ガイドを備えていてもよい。該空気流ガイドは、上記インレットから上記アウトレットに向かって空気流路を流れている空気流を、実質的に軸方向内側の流れから、軸方向を横切る外側の流れへ、または、軸方向を横切る内側の流れから、実質的に軸方向外側の流れへのいずれかにそらすように形作ることができる。
【0036】
上記インレットおよび上記アウトレットはともに、上記ハウジングの管状壁を通って延びていてもよい。該インレットと該アウトレットは、該管状ハウジングの長手方向軸周りで直径方向に対向していてもよい。
【0037】
上記インレットおよび/または上記アウトレットは、上記ハウジングを貫通する実質的に六角形の開口から成るハチの巣状のアレイを備えていてもよい。ハチの巣状のアレイは、空気を引き込むための大きな開口領域を可能にするとともに、該ハウジング内の該所要の強度を保持する、特に有効な材料の使用である。
【0038】
本発明の別の態様によれば、瓶詰め飲料を冷やす装置が提供され、該装置は、使用時にボトルを収容するためのアクセス開口部を取り囲むベゼルであって、垂下構造部を構成またはカバーするベゼルと、該垂下構造部に接続された、上部が開口した容器であって、該アクセス開口部を介してアクセス可能なボトルチャンバを画定する容器と、該容器を冷却するように構成された冷却装置と、該ベゼルに電気的に接続され、および該ベゼルとのユーザのやりとりに応動して該装置の動作条件を変えるように構成されている制御システムであって、ユーザのやりとりは、該ベゼルの静電容量式タッチセンサ面の電気容量を変化させる制御システムとを備えている。
【0039】
制御システムを上記装置に組み込むことは、追加的かつ不必要なボタンまたはスイッチを要することなく、該ユーザが、明快かつ容易な方法で該デバイスを制御することを可能にするのに特に有用である。該装置は、使用時に、実質的に隠れることになるため、該デバイスを制御するための目に見える形状構成の該利用は、該ユーザの体験を改善する。
【0040】
上記制御システムは、上記冷却装置に電気的に接続することができる。上記装置の該動作条件は、該冷却装置の動作条件であってもよい。例えば、該装置は、やりとりを利用して作動させてもよく、該ユーザは、該温度を変更してもよく、または、該装置の該スケジューリングを変えてもよい。
【0041】
上記制御システムは、照明システムに電気的に接続してもよい。上記装置の該動作条件は、該照明システムの動作条件であってもよい。該装置の該カスタマイズ性は、該ユーザの体験をさらに向上させる。
【0042】
上記制御システムは、ユーザのやりとりに応動して、上記装置の前記動作条件を変えるように構成してもよい。該ユーザのやりとりは、上記ベゼルに対する少なくとも一度のタップ動作の実行を含むことができる。
【0043】
上記制御システムは、最初のユーザのやりとりに応動して、上記装置の前記動作条件を変えるように構成してもよい。該最初のユーザのやりとりは、ある時間ウィンドウ内で、上記ベゼルに対して、タップ動作の第一のセットを実行することを含んでもよい。
【0044】
上記制御システムは、第二のユーザのやりとりに応動して、上記装置の前記動作条件を変えるように構成してもよい。該第二のユーザのやりとりは、ある時間ウィンドウ内で、上記ベゼルに対して、タップ動作の第二のセットを実行することを含んでもよく、タップ動作の第二のセットは、タップ動作の第一のセットとは異なる。一連のタップの形態で、複数のユーザのやりとりを提供することは、該装置の潜在的な用途を増加させて、該ユーザによる連続使用の可能性を高める。該ユーザの体験は、カスタマイズ可能な制御システムによってさらに高められる。
【0045】
上記制御システムは、上記装置の上記動作条件を、所定期間、変更状態に維持するように構成してもよい。
【0046】
上記制御システムは、上記ベゼルとのユーザのやりとりが、所定期間中に行われる場合、上記装置の前記動作条件を変えないように構成してもよい。
【0047】
上記制御システムは、上記所定期間が経過した場合に、上記装置の前記動作条件を前の動作条件に戻すように構成してもよい。
【0048】
上記制御システムは、上記所定期間が経過した後のみに、上記ベゼルとの前記ユーザのやりとりに応動して、上記装置の前記動作条件を変えるように構成してもよい。
【0049】
本発明の別の態様によれば、上述した前記装置を備えた家具のアイテムが提供される。
【0050】
この出願の範囲内で、先の段落に、クレームおよび/または以下の説明および図面に、および特に本発明の個々の形状構成に記載されているさまざまな態様、実施形態、実施例および代替例を、独立してまたは任意の組合せで採用できることが明確に意図されている。すなわち、任意の実施形態のすべての実施形態および/または形状構成は、そのような形状構成が不適合でない限り、何らかの方法および/または組合せで組合せることができる。本出願人は、元々そのようにクレームされていなくても、他のいずれかのクレームの任意の特徴に従属するようにおよび/または任意の特徴を包含するように、任意の元々出願されたクレームを補正する権利を含めて、任意の元々出願されたクレームまたはファイルを、それに応じて任意の新たなクレームに変更する権利を有する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、本発明による冷却装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、長手方向断面における、
図1の該装置の側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の該装置に組み込まれたLED PCB基板の等角図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態による冷却装置の口部の拡大部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明のさらなる実施形態による
図1の該装置に組み込むことができるヒートシンクの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明のさらなる実施形態による
図1の該装置に組み込むことができる別のヒートシンクの斜視図である。
【
図7a】
図7aは、本発明のさらなる実施形態による
図1の該装置に組み込むことができるヒートシンクの斜視図である。
【
図7b】
図7bは、本発明のさらなる実施形態による
図1の該装置に組み込むことができるヒートシンクの側断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態による水冷システムを組み込んだ
図1の該装置の長手方向の概略断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態によるボトルシールを備える冷却装置の該口部の拡大断面図である。
【
図10a】
図10aは、本発明の別の実施形態によるボトルロックを備える冷却装置のチャンバの長手方向の概略断面図である。
【
図10b】
図10bは、本発明の別の実施形態によるボトルロックを備える冷却装置のチャンバの長手方向の概略断面図である。
【
図11】
図11は、
図1に示すタイプの装置を制御および作動させるのに用いることができるハードウェアの略図である。
【
図12a】
図12aは、本発明の装置において実施できる動作モードのフロー図である。
【
図12b】
図12bは、本発明の装置において実施できる動作モードのフロー図である。
【
図12c】
図12cは、本発明の装置において実施できる動作モードのフロー図である。
【
図12d】
図12dは、本発明の装置において実施できる動作モードのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して、単に例示として説明する。
【0053】
詳細な説明
本発明は、家具のアイテム、車両内部、または、他の好ましくは平坦な固いパネルに取り付けることができ、およびそれらとシームレスに一体化することができる、
図1に実例を示すタイプの装置10に関する。該装置10は、一般に、飲料ボトルが開栓される前後の該ボトルの該内容物の該温度を維持するのに用いられる。
図1を見て分かるように、該装置10は、実質的に円筒形であり、およびボトルの少なくともより大きい下方部分をその中に入れることができる、上部が開口した円筒形のボトルチャンバ12を含む。
【0054】
図1の該装置10は、フレーム16と、ケーシングまたはハウジング18と、クランプリング20と、電源ケーブル22と、リムまたはベゼル14を含む垂下構造部とをさらに備えている。ベゼル14は、該装置10がその中に取り付けられている該パネルの穴を介した該装置10のサスペンションを可能にし、一方、該ハウジング18は、偶発的なキックまたはノックから該装置10を保護する。該ハウジング18は、材料の有効利用を実行し、および該ハウジング18に必要な強度を保持しながら、空気流を最大化することにより、該装置10の効率を向上させるのを補助する、千鳥状の六角形開口24を含んでいる。ねじ26は、該クランプリング20を係合するためにフレーム16の外側面28に組み込まれ、その結果、該クランプリング20は、該ねじ26を上方に進めて、該穴の中の定位置に該装置10を固定することができる。該装置10は、該クランプリング20を取り外した状態で、容易に動かしたり、取り外したりすることができる。
【0055】
次に、
図2を参照すると、該装置10は、冷却容器30と、冷却システム32と、放熱システム34とを含む。該冷却容器30は、管状チャンバ壁36およびベース部38を備え、それぞれの内側面は、一緒にボトルチャンバ12の大部分を画定している。該冷却容器30は、上部が開口しており、該装置10の上部の口部42を画定し、および概してU字状の長手方向断面を有するように、該ボトルチャンバ12を特徴付けている。
【0056】
例えば、上方および下方に関する言及は、一般に、使用の方向性と一致するであろう、図に示されているようなアセンブリの該方向性に限定されること、および該方向性のみに関連することは意図されていないことは正しく認識されるであろう。
【0057】
該冷却容器30の該チャンバ壁36は該管状チャンバ壁36の上縁部に設けられ、および該上縁部から短い距離だけ径方向外側に延びている小さな支持リップ44を備えている。該ベース部38は、中央部分46と、該中央部分46から該チャンバ壁36に向かって径方向外側に延びているフランジ48とを備えている。該ベース部38は、該チャンバ壁36の下方縁部が、該ベース部38の該フランジ48に接合するように、および該チャンバ壁36およびフランジ48の両方の該外側面が位置合わせされるように設けられている。したがって、該チャンバ壁36およびフランジ48の両方の外径は等しい。被覆プレート50が、後述するように、該ベース部38の上面の中央に配置された、浅い円筒形凹部52に配置されている。
【0058】
該冷却容器30がそれから製造される該材料は、優れた熱伝導性と、該冷却容器30を、該リップ44から確実に懸架することができ、およびボトルを反らすことなく確実に保持することができるような十分に高い引張強度とを有している。例えば、アルミニウム合金を、該容器30の材料として用いてもよい。本実施形態において、該容器30は、該チャンバ壁36と該ベース部38との間の熱伝導を最適化するために、単一のアイテムとして製造される。しかし、必要に応じて、該ベース部38とチャンバ壁36を別々に製造して、それらの構成要素をねじまたは接着剤で接合することは簡単なことであろう。該容器30は、マーキング、摩耗、または、使用中の該容器30の腐食を少なくするために、該装置10の組立の前に、適切に陽極酸化処理される。凝結および凍結は、該装置10の組立前に、該容器30に施される疎水性コーティングによって低減することができる。さらに、該チャンバ壁36と該ベース部38との間に形成される角部は、該ボトルチャンバ12を容易に清浄できるように、断面に丸みを付けてもよい。
【0059】
典型的には、熱電式冷却装置またはペルチェ素子54から成る上記冷却システム32は、放熱システム34と該冷却容器30との間に挟まれており、該冷却システム32の上面は、該冷却容器30の該中央部分46の下方面に熱接触して当接している。熱電式冷却装置は、該装置がホット側56とコールド側58を有するように、ペルチェ効果を利用して、該装置の一方の側から他方へ熱を伝達する。該冷却システム32に接触している該容器30の表面は、好ましくは、可能な限り平坦になるようにラッピングされて、該冷却システム32の該平坦な上面に一致させる。このことは、該冷却システム32と容器30との間の表面接触を強化して、それらの間の熱伝達を改善する。
【0060】
該放熱システム34は、ヒートシンク60と冷却ファン62を備えている熱交換器を備えている。該ヒートシンク60は、主本体64と、該主本体64から延びている複数の放熱要素66とを含む。該熱電式冷却装置54の該ホット側56は、ヒートシンク60の該主本体64と接触している。該冷却装置54の冷却作用によって伝達された熱は、主本体64へ、および該ヒートシンク60の該複数の放熱要素66にも同様に伝達される。該ヒートシンク60は、放熱要素66の効力によって大きく露出した表面領域を設けることにより、該冷却装置54からの放熱を援助する。該冷却装置54に接触している該ヒートシンク60の該主本体64の該上面は、好ましくは、該冷却装置54の平坦な下方面に一致させることにより、該冷却装置54から該ヒートシンク60への該熱伝達を改善するようにラッピングされる。
【0061】
上記冷却装置54は、該ヒートシンク60の該上面と該冷却装置54との間のサイズの相対的差異のため、小さな接触領域のみにわたって、熱を該ヒートシンク60へ放熱する。該システムの効率を向上させるために、該装置から一様にかつ迅速に熱を放熱するように、代替的なヒートシンク構成を組み込んでもよい。それらの代替例については、後に
図5から
図8を参照してより詳細に議論する。
【0062】
依然として
図2に注目すると、該ヒートシンク60は、ねじ68等の複数の固定具により、該冷却容器30に固定され、および該冷却容器から懸架されている。該冷却容器30とヒートシンク60との間の浅い空隙70は、該冷却装置54を組み込むのに十分な深さになっている。該ねじ68は、該冷却容器30の該ベース部38を貫通して、該ヒートシンク60まで延びている。該ねじ68の該頭部72は、該ベース部38の該中央凹部52の縁部に配置されている。該被覆プレート50は、該凹部52に配置されて、該ねじ68の該頭部72を被っている。該被覆プレート50は、該ねじ68、該冷却装置54およびヒートシンク60に対する湿害から保護し、および分解および/またはメンテナンスが必要な場合に、該ねじ68への容易なアクセスをもたらす。また、該被覆プレート50は、該ねじ68を隠し、および商標等の印を有して、視覚的に訴えるチャンバベースを形成してもよい。該ベース部38の該中央部分46の直径は、熱質量を低減し、および該容器30を冷却するのを援助するために、可能な限り小さい寸法を有することを留意すべきである。したがって、該中央部分46は、該容器30の内側面と該冷却装置54との間の熱ブリッジとして考えることができる。
【0063】
上記冷却容器30は、その支持リップ44によって、該フレーム16から懸架されている。該フレーム16は、環状外側リング74と、該外側リング74から径方向内側に延びているシェルフ76とで形成されている。該外側リング74は、上方部78と下方部80とを備えている。該外側リング74の該上方部78は、内側に面している雌型ねじ82を含む。周囲溝84は、該上方部78の該外側面に画定されており、該溝には、ゴム製のシーリングリング86が嵌められている。該シーリングリング86は、該装置10がその中に取り付けられるパネルを封止する。該外側リング74の該下方部80は、後述するように、該クランプリング20をその上にねじ込むことができる、外側に面する雄型ねじ26を含む。該シェルフ76は、該環状外側リング74から該冷却容器30に向かって径方向内側に延びている。
【0064】
上記フレーム16は、ポリオキシメチレン等の良好な熱安定性および耐湿性を備えた熱可塑性物質から構成されている。ポリオキシメチレン等の材料の利点は、二つある。第一に、プラスチックは、良好な断熱材および絶縁物であり、そのため、該フレーム材料としてのプラスチックの使用は、該装置10が可能な限り良好に絶縁されることを確実にする。第二に、他の合成ポリマーに勝る利点は、温度の変動に曝された場合に、ポリオキシメチレンのような材料は、膨張も収縮もしないということである。このことは、どのようなねじ付き要素も、動作中に固着せず、または反らないことを確実にする。
【0065】
上記装置10の該口部42は、該ベゼル14によって画定されている。該ベゼル14は、内径および外径を有し、および丸みの付いた上面94と、径方向外側のベゼルリップ96と、雄型ねじ98と、径方向内側のスカート100とを備えている。
【0066】
上記ベゼル14の上記雄型ねじ98は、上記外側リング74の上記上方部78の上記雌型ねじ82に係合する。環状チャネル102が、上記シェルフ76と上記スカート100との間に画定されている。複数の圧縮ばね104と、環状のLED PCB基板108を備えている光源106とが、上記容器30の該リップと、上記外側リング74の上記上方部78との間の該環状チャネル102内に設けられている。
【0067】
上記LED PCB基板108は、
図3に、より詳細に図示されており、および環状のPCB基板110と、その光出力を分散させるために該基板の周りに角度を付けて離間された複数のLED112とを備えている。該基板110の環状の形状は、組立を簡単にし、および故障が起きた場合でも容易に交換可能な部材をもたらす。
【0068】
図2に戻ると、Perspexまたは同様のプラスチックから適切に製造された、環状の透明または半透明の光学素子114が、上記光源106の上部に配置され、および上記ベゼル14の上記スカート100と、上記容器30の上記リップとの間に挟まれており、その結果、上記LED112からの光は、該光学素子114を通ってチャンバ12内に差し込む。該光学素子114の上記内径は、該容器30の該内径と等しく、そのため、該チャンバ12の一部を形成している。
【0069】
上記ベゼル14が上記フレーム16にねじ込まれるにつれて、上記スカート100は、上記光学素子114を上記容器30の上記リップ44に押し付けて挟み込むため、このことは、該リップ44を、該フレーム16の該シェルフ76に対して締め付けて、上記冷却容器30を定位置に堅固に固定する。該ベゼル14の該内径は、該容器30の該内径および該光学素子114の内径に等しい。
【0070】
上記ばね104は、上記ベゼル14と、複数の容量性接点(図示せず)との間の接続を形成する。該ばね104は、該ベゼル14に直接的に接続されておらず、そのため、上記フレーム16とベゼル14を接続したときに生じるねじり運動が、該ばね104を単純に圧縮する。該ばね104を圧縮する際、該ベゼル14と、ばね104と、回路基板(図示せず)上の中央処理装置(CPU)(図示せず)との間の接続により、タッチセンサを形成するように、所要の電気接続が形成される。このことは、タッチ制御能力を上記装置10に実装できるようにする。対照的に、ケーブル接続を用いた場合、該ケーブルとベゼル14との間の取付け、または、該ケーブルと後の構成要素との間の取付けは、該ベゼル14のねじりによってストレスが加えられ、または、該ねじりによって損なわれる可能性がある。ばね104を用いることにより、シンプルな組立ておよび製造方法を実現できる。該CPUおよび回路基板については、
図11を参照してより詳細に後述する。
【0071】
ベゼル122とフレーム124を接続する代替的な選択肢が
図4に図示されており、該図は、本発明の別の実施形態による装置128の該口部126の一部の長手方向断面を示す。この実施形態では、該ベゼル122は、該フレーム124から該ベゼル122内に貫通して延びている複数の内側に面するねじ130によって、該フレーム124に接続されている。該ねじ130は、該フレーム124の外側面132と同一平面に位置している。この方法は、フレーム124とベゼル122をねじ込むことに対する代替例を提供し、および該装置128のシンプルで安い製造をもたらす。図示されているように該ねじ130を水平方向に挿入することは、他のどの構成要素にも干渉せず、具体的には、該ねじ130の影は、該LED112によって投じられず、また依然として、該ばね104および容量性接点(図示せず)に必要な圧縮を可能にする。
【0072】
図2に戻ると、上記ベゼル14の上記ベゼルリップ96は、一般に、上記装置10がそこを介して挿入されるパネルの該穴よりも幅広になっている。したがって、該装置10を、該装置10のために形成された該穴を取り囲む該パネルの材料上の該ベゼルリップ96から懸架することができる。使用時に、該ベゼルリップ96は、該装置10とボトルを一体化した重量を支える。該装置10を湿気進入からおよび/または使用時のずれから遮断するのを支援するために、摩擦またはシーリング要素(図示せず)を該ベゼルリップ96に組み込んでもよい。代替的な実施形態において、該ベゼルリップ96および該ベゼル14は、円形以外の平坦な形状を有していてもよい。
【0073】
上記ベゼル14は、使用中の引っかき傷や摩耗に有益に強く、および該装置10の効率および信頼性を向上させるために、上記冷却容器30の熱伝導性よりも低い熱伝導性を有している。例えば、SAEグレード316または440のステンレス鋼、または、他の高炭素焼入れ鋼がベゼル14に使用される。
【0074】
別法として、導電性コーティングを、上記ベゼル14の上記外側面94に施してもよく、および該ベゼル14を介して、上記複数のばね104と接触している別のコーティングに接続してもよい。
【0075】
また、上述した特性を高めるために、さらなる処理を上記ベゼル14に施してもよい。凝結および凍結は、疎水性コーティングで該ベゼル14をコーティングすることにより、上記装置10の上記口部42の近傍で低減することができる。より堅く、より傷の付き難い外側コーティングを形成するために、該ベゼル14は、物理気相成長法(Physical Vapour Deposition:PVD)を用いて処理してもよい。
【0076】
断熱スリーブまたはカップ140は、上記冷却容器30および上記冷却装置54を取り囲み、および該冷却容器30を熱的に絶縁する。該断熱カップ140は、管状部142および環状フランジ部144を備えている。該管状部142の下方縁部は、該管状部142の外側面と該環状部144とが位置合わせされるように、該環状部144に接合している。該管状部142の内径は、該冷却容器30の上記チャンバ壁36の外径よりもわずかに大きくなっているが、該管状部142の厚さは、上記シェルフ76の幅と同様である。該環状部144の内径は、該冷却容器30の上記ベース部38の上記中央部分46の直径よりもわずかに大きくなっている。該環状部144の厚さは、該ベース部38の該フランジ48と、上記ヒートシンク60の上記主本体64との間の距離146よりもわずかに小さくなっている。
【0077】
上記断熱カップ140は、好ましくは、単純化のために、および熱架橋を避けるために、図示されているような単一の部材として製造される。該断熱カップ140は、上記冷却装置54の周りの非断熱空間を可能な限り小さく形成することにより、該冷却システム32の効率を増加させ、また、動作時に熱くなる上記ヒートシンク60から該冷却容器30を断熱する。複数のケーブルチャネル(図示せず)が、該容器30のいずれかの端部において構成要素を接続するためのケーブルを、そこを介して通すことができる断熱カップ140に組み込まれている。該断熱カップ140への回路の組込みは、該冷却容器30の低温から、および生じる可能性のある何らかの湿気から該回路を保護する。
【0078】
上記ハウジング18は、
図1を見て分かるように、上記装置10の概して円筒形の外側面を画定するように、上記フレーム16に接続されている。該ハウジング18は、鋼等の頑丈な材料から製造され、および損傷を与える可能性のある衝撃から内部構成要素を保護する。例えば、テーブルに設置された場合、該装置10は、該装置を利用する者によって偶発的にキックまたはノックされる可能性がある。
【0079】
上記ハウジング18は、その底面150に下部小穴または開口148を含み、および上記ヒートシンク60の領域内の該ハウジング18の両側152に側部開口24を含む。開口24、148は、典型的には、
図1に示すように六角形であり、該材料の有効な利用を実行し、および空気流および熱交換のための最強であるが最大でもある領域を形成しているハニカム構造を形成している。
【0080】
上記冷却ファン62は、上記ヒートシンク60の真下に設けられ、および該ヒートシンク60を横切る空気流を増加させることによって冷却性を向上させるために、該ハウジング18によって支持されている。
図2に示す実施形態において、該冷却ファン62は、使用時に、上記側部開口24を介して空気を引き込み、および上記下部開口148を介して空気を放出させる軸方向ファンである。該ハウジング18を介した空気の引き込みおよび放出は、すべて、該ハウジング18を冷たく保持するのを援助する。別法として、該冷却ファン62は、使用時に、該下部開口148を介して空気を引き込み、および該側部開口24を介して空気を放出させてもよい。
【0081】
上記ヒートシンク60を利用して該冷却ファン62を支持することが可能であろう。しかし、代わりに上記ファン62を上記ハウジング18から支持することにより、組立て、製造およびメンテナンスは、より安くかつよりシンプルになる。
【0082】
上記装置10が包囲され、および該空気流が管理を要する、本発明のいくつかの実施形態においては、ダクトシステム(図示せず)が、容易に入手可能なダクティングアダプタやダクトの利用によって、該ハウジング18に取り付けられている。例えば、該円筒形の円形断面のハウジング18は、それ自体が、上記下部開口148と連通するように該ハウジング18の底端部150に取り付けられている円形断面ダクト(図示せず)に適している。該ダクトは、空気流が上記ファン62によって送られる方向次第で、冷却空気を導入するのに、または、暖かい空気を排気するのに用いることができる。
【0083】
図5は、代替的なヒートシンク160を示す。このデザインは、複数のヒートパイプ162と、中央熱伝達チャンバ164と、複数の積層型水平環状フィン166とを含んでいる。設置した場合、上記冷却システム32の上記冷却装置54は、伝達チャンバ164の上面または熱伝達プレート168に当接することができる。
【0084】
上記フィン166は、複数の楔またはスペーサ(図示せず)を用いて、互いに等しく離間されるように、上記ヒートパイプ162上に配列され、および中央円筒形空隙170を形成するように位置合わせされている。遠心ファン(図示せず)を、該フィン166によって取り囲まれた中央空隙170内に配置してもよい。該遠心ファンは、上記軸方向ファン62と置き換えてもよく、または、冷却能力を高めるために、両方を一緒に用いてもよい。
【0085】
上記中央熱伝達チャンバ164は、冷却液を収容する小さな円筒形チャンバである。該チャンバ164は、上記中央空隙170の上に配置され、および上記冷却装置54と同様の直径から成っている。
【0086】
上記ヒートパイプ162は、上記中央熱伝達チャンバ164に接続しており、および該熱伝達チャンバ164の周囲に等しく離間されている。該パイプ162は、該中央チャンバ164から水平方向に短い距離だけ離れて延び、および上記フィン166を垂直方向に通るように直角に曲がっている。該ヒートパイプ162の両端部は、上記システム内に冷却液が流れないように閉じられている。より適切に言うと、熱伝達は、該冷却液内の対流によって実現される。該パイプ162とフィン166は熱接触して、それらの間で熱を容易に伝達できるようになっている。
【0087】
熱は、使用時に、上記冷却装置54の上記ホット側56から、上記伝達チャンバ164へ伝達され、また、該伝達チャンバ164の上記熱伝達プレート168を介して、該伝達チャンバに収容されている液体へ伝達される。該熱は、上記フィン166の中に一様に分散され、フィンの大きな表面と容積の比が放熱を改善する。上記遠心ファンは、空気を下に引き込んで径方向に放出し、空気流を水平方向に供給して、上記ヒートシンク160を冷却するが、空気流の方向は逆にすることができる。
【0088】
複数のヒートパイプ262と、中央熱伝達チャンバ264と、複数の水平方向フィン266と、軸方向ファン268とを含む、別の代替的なヒートシンク260が
図6に図示されている。
【0089】
上記複数の水平方向フィン266は、それぞれ積層状で水平方向に位置するように配置されている略半円形フィン270、272から成る二つのセットを備え、および楔またはスペーサ(図示せず)により、垂直方向に等しく離間されている。上記軸方向ファン268は、フィン270、272から成る該二つのセット間に挿入されている。設置した場合、上記冷却システム32の上記冷却装置54は、上記伝達チャンバ264の上面または熱伝達プレート274と熱接触している。
【0090】
上記中央熱伝達チャンバ264は、冷却液を収容する小さな円筒形チャンバである。該チャンバは、上記フィン266および上記軸方向ファン268の上に配置され、および上記冷却装置54と同様の直径から成っている。
【0091】
ここでもまた、上記ヒートパイプ262は、上記中央熱伝達チャンバ264に接続されており、および該熱伝達チャンバ264の周囲に等しく離間されている。該パイプ262は、該伝達チャンバ264から水平方向に短い距離だけ離れて延び、および上記フィン266を垂直方向に通るように直角に曲がっている。該ヒートパイプ262の両端部は、上記システム内に冷却液が流れないように閉じられている。より適切に言うと、熱伝達は、該冷却液内の対流によって実現される。該パイプ262とフィン266は熱接触して、それらの間で熱を容易に伝達できるようになっている。
【0092】
熱は、使用時に、上記冷却装置54の上記ホット側56から、上記伝達チャンバ264へ伝達され、また、該伝達チャンバ264の上記熱伝達プレート274を介して、該伝達チャンバに収容されている液体へ伝達される。該熱は、上記フィン266の中に一様に分散され、フィンの大きな表面と容積の比が放熱を改善する。上記軸方向ファン268は、空気を一方の側からフィン266を横切って引き込んで、該空気をその反対側で放出し、空気流を水平方向に供給して、上記ヒートシンク260を冷却する。
【0093】
図7aおよび
図7bの代替的なヒートシンク360は、複数のヒートパイプ362と、中央熱伝達チャンバ364と、複数のフィン366と、ブロック368とを備えている。該ブロック368は、中心垂直軸370周りの円形構成において、それぞれの垂直面内で、等しい角度で離間されている複数の四分の一の円形フィン366の間に嵌まるように形成され、その結果、それらの平坦な縁部372、374は、外側および下方に面している。その結果生じる空隙376は、丸みの付いた縁部を有する箇所を形成し、また、該ブロック368は、この空隙376を可能な限り多く埋めるように、および必要に応じて、該フィン366と熱接触するように形成される。したがって、該ブロック368は、その長手方向断面が、相互に漸近的な曲率を有する湾曲した側部を有する、回転対称の下方に向かって先細りになっている形状を有している。
【0094】
上記ヒートパイプ362は、上記中央伝達チャンバ364に接続しており、および互いに実質的に平行に延びている。該パイプ362は、垂直方向に直角に曲がる前に、該チャンバから該ブロック368の縁部に向かって水平方向に出る経路に追従する。それらの経路は、該パイプ362が、該フィン366間で垂直方向に離間されるまで、該ブロック368の外側縁部を通って垂直方向の下方に続いている。そして、該パイプ362は、水平方向に延びて、各フィン366を通って周囲に延びている。
【0095】
上記ヒートシンク360のこの実施形態では、熱は、上記冷却装置54の上記ホット側56と、上記中央熱伝達チャンバ364内の液体と、上記パイプ362との間に伝わる。該液体は、熱を該パイプ368を介して該フィン366まで伝える。該フィン366および中央ブロック368の形状は、上記側部開口24を通る空気、および上記軸方向ファン62を下方に流れる空気の引き込みを援助し、
図7bに示すように逆もまた同様である。
【0096】
図8は、熱伝達チャンバ462と、該伝達チャンバ462をラジエータ466に接続する少なくとも二つのパイプ(
図8では、それらのうちの一方、464、のみを見ることができる)と、該ラジエータ466の上の軸方向ファン468と、上記ハウジング18の上記側部開口24の上から下方へ、該ファン468に隣接する丸みの付いた中心点474に向かって先細りになっている概して円錐形状の空気流ガイド472とを備えている水冷システム460を示す。
【0097】
上記冷却装置(この略図には図示せず)は、上記熱伝達チャンバ462の上面476に当接して、該チャンバ462内の水に熱を伝える。該チャンバ462内の該水は、該チャンバ462内のポンプ(図示せず)により、該システムを通って循環される。例えば、該水の流路は、該チャンバ462から第一のパイプ464、該ラジエータ470、第二のパイプ(図示せず)へ、そして、そこから該チャンバ462に戻ってもよい。
【0098】
上記ラジエータ470とファン468は、上記装置10の上記ハウジング18によって適切に支持され、熱は、該ラジエータ470を介して放熱される。一定の空気流が、該流れを下方向に促進する上記軸方向ファン468によって維持される。
【0099】
上記空気流ガイド472は、水平方向の空気流から垂直方向の空気流への実質的に直角な方向の変化を開始するように、上記ハウジング18の上記側部開口24から上記ファンによって引き込まれた空気を方向付け、その結果、該空気は、該ファン468を通って流れて、該ラジエータ470を通過することができる。このことは、上記装置10の上記下部開口148からの熱の放熱を支援する。
【0100】
空気流ガイド472は、どの構成要素から該ガイドに対して熱がほとんどあるいは全く伝達されないように、断熱性熱可塑性物質から構成されている。さらに、該空気流ガイド472は、構成要素のセパレーションを支援し、熱い構成要素と冷たい構成要素の間の最小限の熱伝達を確実にする。該空気流ガイド472は、上記ハウジング18から都合良く懸架されているが、該伝達チャンバ462から懸架してもよい。
【0101】
使用時に、
図5から
図8に関連して詳述した上記ヒートシンクは、上記容器30を通って該ヒートシンク内まで延びているねじ(図示せず)を用いて、該容器30に取り付けられている。このことは、各ヒートシンクの放熱特性に妥協することなく、該ヒートシンクを該容器30から懸架できるようにする。
【0102】
次に、
図9を参照すると、これは、冷却性能を高めるために組み込むことができるボトルシール500を示す。該ボトルシール500は、ゴムガスケット502または他のフレキシブルシールの形態をとっている。この実施例では、該ガスケット502は、(上記元のベゼル14の内側の上記スカート100がないという点が変更された)変更ベゼル504と、上記装置10の上記光学素子114との間に締め付けられている。該シール材料の柔軟性は、ボトル(図示せず)を該ガスケット502を介して該装置10に容易に挿入できることを意味し、該ガスケットは、邪魔にならないように撓んで、該ボトルの側部に接触して支持するが、該外部環境からの熱に対するバリアを形成し、それによって、該装置10の冷却性能を改善する。このことは、特に該外部環境が熱くなる可能性のある状況で、または、該装置10が、長期間、作動する可能性があり、エネルギーコストを低減する必要がある状況で有利である。
【0103】
さらなる選択肢では、
図10aおよび
図10bに作動時で示すように、ボトルロックシステム510を上記装置10に組み込んで、ボトル512を固定してもよい。この実施例では、該ボトルロックシステム510は、上記チャンバ壁36を貫通して短い距離だけ延びている、少なくとも一つのソレノイドボルト514を備えている。必要な場合には、該ボルト514は、該チャンバ12の中心に向かって径方向内側に延び、および展開位置において定位置に固定される。このことは、該ボトル512を上記容器30から自由に取り出すことができる
図10aから、該ボルトが該容器30の有効径を制限するように、該ボルト514が、該チャンバ壁36を貫通して該ボトルチャンバ12内まで延びている
図10bへの動きで図示されている。該ボルト514が該ボトルチャンバ12内に延びている距離は、その上部516が、典型的には、図示されているように上方に向かって先細りになっている、挿入されたボトル512にぶつからないように、および該ボトル512を取り出すことができないように十分に延びているように計算されている。該ボトルロックシステム510は、許可されたユーザにより、遠隔制御、ブルートゥース(登録商標)装置またはスマートタッチ機構を用いて制御することができる。これらの形状構成は後述する。
【0104】
主に
図2を参照すると、使用時に、上記装置10の主な目的は、冷却することであり、または、少なくとも、上記チャンバ12に挿入されたボトルの既に冷たい温度を維持することである。これを実現するために、上記容器30が、上記冷却装置54の上記コールド側58によって冷却されるとともに、熱が、上記放熱システム34によって、該冷却装置54の該ホット側56から放熱される。
【0105】
上記冷却装置54は、上記容器30を所定の温度まで冷却する。この所定の温度は、該容器30に挿入されているボトル内のシャンパンまたは他の飲料が正しい温度に維持されるように計算される。該容器30およびヒートシンク60は、所定の温度への冷却のみを可能にするような寸法を有し、また、該冷却装置54および上記ファン62のパワー入力要件は、上記装置10の冷却能力が、所要の温度に対してのみ最適になるように選択される。そのため、組合せて使用される構成要素は、好ましくは、単一の温度に関しての冷却のみを可能にするように設計される。
【0106】
温度調節は、上記容器30に組み込まれ、およびCPU(図示せず)によって制御される目立たないサーモスタット(図示せず)の組込みによって実現してもよい。
【0107】
冷却プロセスの開始時において、上記ファン62および冷却装置54は、通常よりも高レベルで作動させることができ、周囲温度から所要の温度までの、より迅速な降下を可能にしている。サイクルの終了時において、氷または水が、上記容器30の底部に溜まった場合、極性スイッチ(図示せず)を用いることにより、該冷却装置54の極性を切り換えて、該容器30の加熱を可能にして、水を蒸発させおよび/または集積した氷を溶かすことが可能である。
【0108】
図11は、上記装置10内で用いることができるハードウェアの概要を示す。該装置10の制御および動作は、該装置10のすべての電気システムに接続しているCPU118によって処理される。図示されているモジュールは、以下に記載されている動作を実現するために、多くの異なる組合せで用いてもよいこと、および本発明の範囲から逸脱することなく、他の関連するモジュールを組み込んでもよいことは正しく認識されるであろう。同様に、いくつかのモジュールは、それらの機能が必要ない場合には省くことができる。
【0109】
さらに、
図12a~
図12dは、異なる状況下での上記装置10の可能性のある動作を詳述するフロー図である。次に、該装置10および該装置10に組み込んでもよい任意の形状構成の動作について、
図11~
図12dを参照して説明する。
【0110】
上記装置10の動作の最もシンプルなモードは、オン/オフモードである。該オン/オフモードにおいて、該装置10に供給される主電源電力600は、電源アダプタ601および入力ケーブル602を介して回路基板120へ送られる。上記CPU118は、パワー入力を検出して、該装置10を作動させる。該装置10の作動は、極性スイッチ603を用いて、上記冷却装置54を切り換えて上記容器30を冷却することと、ファン速度制御部604を用いて、該ファン62を作動させることと、カラー(RGB)制御部606によって、LED基板108を必要に応じて作動させることとを含む。このプロセスは、以後、該装置または作動されている該装置の作動と呼ぶことにする。この最もシンプルな動作のモードにおいて、該装置10は、それに電力が供給されると、常に動作する。
【0111】
シングルサイクルモードと呼ばれる、上記CPU118によって実施される代替的なモードが
図12aに図示されている。シングルサイクルモードは、上記ベゼル14に接続している容量性接点によって実現されるタッチ能力を利用する。シングルサイクルモードプロセス610において、主電源パワー入力が上記回路基板120に供給されて(612)、該CPU118によって検出される(614)。次のステップでは、該シングルサイクルモードプロセス610において、該CPU118は、上記装置10を作動させる(616)。該回路基板120上のタイマーモジュール618が作動され、予め適切に設定された所定時間、例えば、5時間、サイクルが始まる(616)。このサイクルの間、上記ベゼル14への何らかのタッチ入力は、該CPU118による該装置10の動作の変更を引き起こさない。5時間のサイクルの終了時に、該タイマー618の動作が停止され、該CPU118は、該装置10を待機設定に切り換える(620)。該待機設定の間、該ベゼル14への入力は、該CPU118によって記録される(621)。該ベゼル14が触れられると(622)、該プロセスは、ステップ616へ戻り、該装置10は、初期化の5時間サイクルで作動する。
【0112】
上記待機設定では、上記冷却装置54およびファン62は作動していない。上記LED基板108は、待機モードが作動していることを示すように選択された色で薄暗くなっている。上記断熱カップ140と上記ハウジング18との間に組み込まれたスピーカーまたはブザー624は、上記装置10が待機に切り換えられたことをユーザに警告することができる。
【0113】
図12bは、以後、「追加時間モード」と呼ぶ別のモードにおける上記装置10の動作を示しているが、1時間以上または1時間未満の追加期間も可能であろう。該追加時間モードプロセス630は、まず、シングルサイクルモードの最初の三つのステップとして動作し、すなわち、上記CPU118は、パワー入力(612)を検出して(614)、それに応じて該装置10を作動させる(616)が、この期間中は、タッチ入力を何ら記録しない。また、該CPU118は、上記タイマー618を、例えば、5時間に設定されたタイマーサイクルの間、作動させる(616)。この実施例において、4時間の該タイマーサイクルが経過した第四のステップ632において(すなわち、1時間、残っている場合)、上記ベゼル14へのタッチ入力は、記録することができる(633)。該ベゼル14が、この期間中に触れられた場合(634)、追加時間が最大限まで該タイマーサイクルに追加される(636)。この任意の限度は、多くの時間が誤って該タイマーサイクルに追加されることを生じる、該ベゼル14の偶発的なタッチを防止する。
【0114】
例えば、上記タイマーの30秒が残っている場合(すなわち、この実施例において、4時間59分と30秒が経過している場合)、該ベゼル14が、残りの時間で触れられない場合(638)、視覚的警告、および必要に応じて、音響的警告(スピーカーまたはブザー624が設けられている場合)が発せられる(640)。該警告が、該ユーザに該ベゼル14を押下させた場合(642)、追加時間が該タイマーサイクルに追加され(636)、該プロセスは、ステップ633に戻る。30秒の警告が与えられた後でも、該サイクルの終了の前に、該ユーザが該ベゼル14に触れない場合(644)、該タイマーサイクルは終了し(646)、該タイマー618の動作は停止され、および上記CPU118は、上記装置10を待機に切り換える(646)。該装置10が待機になっている間に、該ベゼル14が触れられた場合(648)、ステップ616において、該タイマーサイクルが元の所定の制限時間に設定された状態で、該サイクルが再び始まる。
【0115】
図12cは、上記装置10を毎日、同じ時間に作動させ、および該装置を所定期間、動作させるのに用いられる24時間モードを示す。これは、バー等の場所が、それらのすべてが、該場所の開店時に作動し、および例えば、閉店時まで作動状態のままである装置を有することを可能にする商業的環境において特に有用である可能性がある。この環境では、複数の装置が同じ電源に接続されている、さらなる形状構成を用いてもよい。場合により、それらの装置は、一つの設定をすべての装置に適用できるような集中型制御装置を共用してもよい。他のマルチ装置機構は、アプリケーション、または、
図11に示すような遠隔制御システムを介して、Wi-Fiまたはブルートゥース(登録商標)システムを利用してもよい。複数の装置が、これらの方法のうちのいずれかで接続されている場合、一つの装置のための設定は、必要に応じて他の装置と共有してもよく、大きな商業的環境内での多数の装置のシンプルな構成を可能にする。
【0116】
図12cの24時間モードプロセス650において、電力が供給されて(652)、そのことが上記CPU118によって検出された場合(654)、上記装置10が作動され(656)、および上記タイマー618が、24時間に設定されたタイマーサイクルで始動する(656)。当初、タッチセンサ入力は、該CPU118によって記録されない(656)。所要の定時が経過すると(ここでもまた、5時間が実施例として用いられる)、該装置10は、待機に切り換えられ(658)、該CPU118によって、いずれかのタッチ入力は記録される(659)。上記ベゼル14が、該サイクルの残りの19時間の間に触れられた場合(660)、該装置10が作動し(656)、該タイマーサイクルは、24時間にリセットされる(656)。該ベゼル14が、この期間中に触れられない場合(662)、該サイクルの終了時に(664)、該24時間のタイマーサイクルが再スタートし(656)、該装置10は、前日と同様に、同じ5時間だけ確実に作動される。
【0117】
別法として、中心的な定時が固定され、および上記ベゼル14が触れられた場合に、追加時間が追加されるように、装置動作の二つの期間を可能にするために、または、該装置10のタッチ制御を制限するために、上記24時間モードに対して変更を行ってもよい。
【0118】
上記モードは、パワー入力が検出された場合に作動するが、電力供給が検出された場合に、上記CPU118が上記装置10を待機設定にセットして、該装置10が作動されたときに、タッチ入力が指示することを可能にするように、該装置10の動作を変更することも可能であることは正しく認識されるであろう。この変更は、以下の
図12dに関連して議論するモードにおいて実行される。
【0119】
図12dによって示されているモードは、任意の選択モードである。該任意の選択モードプロセス670が作動されると、パワー入力が作動されて(674)、検出された場合に(676)、上記装置10は、上記CPU118によって待機に切り換えられる(672)。タッチ入力は、該CPU118が該装置10を作動させて(680)、上記ベゼル14が触れられた場合に、タイマーサイクルを開始できるように(680)、該装置10が待機状態になっている場合に記録することができる(678)。該装置10は、この時点まで、待機状態に維持される。
【0120】
タッチ入力は、上記サイクル中には、依然として実行することができ(682)、および上記CPU118によって記録される。上記装置10が作動している間に、上記ベゼル14が触れられない場合(684)、該装置10は、シングルサイクルモードで動作され、該サイクルが、該ベゼル14に対するタッチ入力がない状態で終了した場合(686)、待機に切り換わる(672)。該CPU118は、上記待機設定の間、該ベゼル14に対する何らかのタッチ入力を記録し続ける(678)。
【0121】
上記サイクルの間、タッチ入力が検出された場合に(688)、上記CPU118は、入力の種類に従って、異なる応答をする。
図12dに示す実施例では、タッチ入力は、上記ベゼル14が、続けざまに複数回、タップされたか(692)(例えば、3秒以内に三度のタップ)否か(694)に従って分類される(690)。該ベゼル14が、続けざまに三度、タップされた場合(692)、色選択オプションが切り換えられて(696)、視覚的および/または音響的な確認が、それぞれ、上記LED基板108および/またはスピーカー624を介して該ユーザに与えられる。該タッチ入力が、三度の素早いタップを含んでいない場合(694)、該CPU118は、選択されている該色オプション698の該設定を実施する。
【0122】
例示されているオプション選択モードは単純化したものであり、実際には、より複雑化したオプション選択プロセスが想定されている。例えば、続けざまのより多くのタップは、代替的なオプション選択を示すことができる。可能性のある設定を、以下のテーブルに示す。
【0123】
【0124】
上記に示すように、多くの異なるオプションを選択することができる。動的な色切り換えは、使用中に、上記LED基板108によって放射される光の色を変えるために選択することができる二つの選択肢のことを指す。第一の動的な色オプションでは、該色は、上記ベゼル14が触れられて保持された場合に、利用可能な色を介してゆっくりと循環し、一方、第二の動的な色オプションでは、該色は、該ベゼル14が触れられた場合に、次の設定された色に変わる。
【0125】
固定された色選択は、該ユーザが、タッチ選択によって該色を設定して、設定された期間、上記ベゼル14に触れないことにより、該色を上記回路基板120のメモリモジュール700に保存することを可能にする。
【0126】
色サイクルモードは、該サイクルの残りに対して使用可能なすべての色を介して、上記LED基板108の該色を循環させる。
【0127】
24時間モード切り換えは、上記タイマーを24時間サイクルで再始動させ、および
図12cでの24時間モードの場合と同様に作動するように再始動させる。タッチ入力は、この適合された24時間モード切り換えにおいて記録され、および該24時間モードは、このオプションを再び選択することによって停止させることができる。
【0128】
立て続けの七回のタップは、上記CPU118が、上記タッチセンサへの、上記ベゼル14に対する七回の急なタップから成っていない任意の入力を記録しないか、または、該任意の入力に応答しないモードロックに相当する。七回のタップは、該モードロックを切り換え、および該ベゼル14を再び、上記システムを制御するのに使用できるようにする。
【0129】
上記ユーザは、上記装置10が待機に戻るまで、タップし続けてもよいため、最大数のタップが、該待機オプションのために用意されている。該ユーザは、必要なタップの回数を思い出す必要はない。正確に言えば、該ユーザは、該装置10が待機に変わるまで、迅速にタップし続けるだけである。
【0130】
上記のオプション選択は、上記回路基板120の不揮発性メモリ700に格納され、各上記電力供給600がなくなって再び供給された場合に、各オプション選択を保持できるようになっている。
【0131】
モードおよびオプションに関するさらなる制御は、上記ベゼル14に対して、より複雑なモードおよび入力を用いることによって実施することができる。例えば、温度センサ702が組み込まれている場合、該ユーザは、上記容器30が、タッチ入力によってそれまで冷却される温度を制御することができる。
【0132】
記載されているようなタッチセンサを用いて、多くの種類のタッチ入力が可能であることは正しく認識されるであろう。本願明細書に記載されている該タッチ入力は、例示に過ぎず、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる入力を用いてもよい。
【0133】
上記システムに組み込まれている、
図11に示す任意のハードウェアモジュールは、ボトルロック704(
図10に関連する上記の説明を参照)、バックアップ電源706またはバッテリー708の形態の主電源、電力を該ユニットに供給するスイッチ710、ドライアイスチャンバまたはドライアイス生成器712、該ユーザに警告する、または、異なるモードを選択する(上記を参照)ためのスピーカーまたはブザー624、温度センサ702、上記チャンバ12内にボトルがない場合に、上記装置10の異なる動作を可能にするための近接センサ714、液体冷却システム(上記および
図8を参照)、該チャンバ12に組み込まれた少なくとも一つの紫外線LED716、上記ベゼル14に触れられた場合に点灯する接触LED718、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fiモジュール722を用いるホームオートメーションまたは携帯電話接続720、および遠隔制御726を介して、該装置10を制御する遠隔制御モジュール724である。
【0134】
非標準的な会場、例えば、一定の位置での上記装置10の設置が不可能であるフェスティバルの現場または同様の場所でのイベントでの使用のために、該装置10を携帯できるように、または、移動可能なハウジングに収容できるようにするために、バッテリー708を組み込んでもよい。該バッテリー708は、該ユーザが該ユニットに電力を任意に供給することを可能にするハードスイッチ710と組合せることができる。また、ハードスイッチ710を、デザインの単純化のために、主電源電力システム600とともに用いてもよいが、このようなスイッチ710は、現時点ではオプションと見なされている。
【0135】
該ユーザに、視覚に訴える効果を与えるために、LED基板108に加えて、ドライアイスチャンバまたはドライアイス生成器712と、少なくとも一つの紫外線LED716を、上記チャンバ壁36および断熱カップ140に組み込んでもよい。
【0136】
Wi-Fiまたはブルートゥース(登録商標)モジュール722を介したWi-Fiまたはブルートゥース(登録商標)接続を通じて上記装置10を制御するホームオートメーションシステム720またはアプリケーションに対する遠隔制御システム724または接続の形態で、該装置10のさらなる制御を該ユーザに与えることができる。タッチ制御が依然として可能であり、また、該タッチの機能は、該遠隔システム724を用いて構成することができる。これらのシステム724、722もまた、温度センサ702とともに、または、上記近接センサ714および上記ボトルロック510を備えるボトルセキュリティシステムとともに有用であろう。該セキュリティシステムは、ユーザが、該ボトルを固定することを、または、該ボトルが、認識なく、上記チャンバ12から取出された場合に、警告を受け取ることを可能にする。
【0137】
別法として、上記近接センサ714は、ボトルが上記チャンバ12に入れられたときに、上記装置10の作動を可能にするために、上記遠隔システム722なしで用いてもよい。該近接センサ714は、上記チャンバ壁36またはベース部38に組み込んでもよく、また、赤外線信号を利用して、物品が上記容器30に入れられたときを判定するであろう。また、該ボトルの重量を感知するセンサを組み込むことにより、この形状構成を実装することも可能である。
【0138】
上記LED基板108に加えて、上記ベゼル14が、取付け時に触れられた場合に照らす追加的なLEDまたは複数のLED718を、上記光学素子114の真下に組み込んでもよい。このことの目的は、上記装置10を作動させることなく、取付けをする人がタッチ入力をテストできるようにすることであり、および電力が広範なシステムに供給される前に用いてもよい。