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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】健康装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/00 20060101AFI20220126BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20220126BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
A63B23/00 F
A63B24/00
A61H1/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021107946
(22)【出願日】2021-06-29
【審査請求日】2021-07-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521287072
【氏名又は名称】赤部 綾香
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤部 大介
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-048968(JP,A)
【文献】特開2008-200108(JP,A)
【文献】米国特許第06306108(US,B1)
【文献】米国特許第5050863(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A61H 1/00-1/02
A47K 3/00-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部を水中に設置して使用する健康装置であって、
台座部と、
前記台座部に設けられ、往復移動可能な1枚以上のスライド板と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板を往復移動させる制御部と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板と共に往復移動可能に前記スライド板に接続された座椅子部とを備え
前記座椅子部は、前記台座部の上方に伸びる防波板を備える
健康装置。
【請求項2】
少なくとも一部を水中に設置して使用する健康装置であって、
台座部と、
前記台座部に設けられ、往復移動可能な1枚以上のスライド板と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板を往復移動させる制御部と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板と共に往復移動可能に前記スライド板に接続された座椅子部とを備え、
前記座椅子部は、使用者が胡坐で座った際に脚を掛けられる脚掛部を備える
健康装置。
【請求項3】
少なくとも一部を水中に設置して使用する健康装置であって、
台座部と、
前記台座部に設けられ、往復移動可能な1枚以上のスライド板と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板を往復移動させる制御部と、
前記台座部に設けられ、前記スライド板と共に往復移動可能に前記スライド板に接続された座椅子部とを備え、
前記台座部は、辺の一部が前記スライド板の往復移動方向と垂直な方向に向かって凹みを有し、
前記スライド板は、両端部が前記台座部の上面に配置され、中間部が前記凹みの上方を跨ぐように配置されている
健康装置。
【請求項4】
請求項に記載の健康装置であって、
前記脚掛部は、前記座椅子部の座部から垂直に伸び、先端に防波板を備える
ことを特徴とする健康装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の健康装置であって、
前記台座部は、前記スライド板の往復移動方向の両端部側にストッパーを備える
ことを特徴とする健康装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の健康装置であって、
前記台座部は、前記スライド板が往復移動方向と直交する方向に動くのを規制するガイド部材を備える
ことを特徴とする健康装置。
【請求項7】
請求項1、2、4、5、及び6のいずれか一項に記載の健康装置であって、
前記台座部は、辺の一部が前記スライド板の往復移動方向と垂直な方向に向かって凹みを有し、
前記スライド板は、両端部が前記台座部の上面に配置され、中間部が前記凹みの上方を跨ぐように配置されている
ことを特徴とする健康装置。
【請求項8】
請求項または4に記載の健康装置であって、
前記脚掛部は、前記台座部に向かって折り畳める
ことを特徴とする健康装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康維持のための運動やダイエット用に様々な運動具が提案されている。一例として、屋内でのトレーニング用として足を前後に動かして使用する運動具がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-204861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋内で使用できる上記運動具は、外出の準備が必要な屋外の運動より取り組みやすい。しかし、屋内で使用できる運動具であっても、毎日継続してのトレーニングは、やる気を維持するのが難しい。また、運動具の使用者が自ら足を動かす必要があり、身体を動かすことが難しかったり、痛みがあったりする場合には使用が難しくなる。
【0005】
本発明は、外出せずとも使用でき、かつ、自力で身体を動かすことなく、運動が行える健康装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決するものであるが、その例を挙げるならば、次の通りである。すなわち、本発明の一態様に係る発明は、少なくとも一部を水中に設置して使用する健康装置であって、台座部と、前記台座部に設けられ、往復移動可能な1枚以上のスライド板と、前記台座部に設けられ、前記スライド板を往復移動させる制御部と、前記台座部に設けられ、前記スライド板と共に往復移動可能に前記スライド板に接続された座椅子部とを備える。
【0007】
前記座椅子部は、前記台座部の上方に伸びる防波板を備えていてもよい。
【0008】
前記座椅子部は、使用者が胡坐で座った際に脚を掛けられる脚掛部を備えていてもよい。
【0009】
前記脚掛部は、前記座椅子部の座部から垂直に伸び、先端に防波板を備えていてもよい。
【0010】
前記台座部は、前記スライド板の往復移動方向の両端部側にストッパーを備えていてもよい。
【0011】
前記台座部は、前記スライド板が往復移動方向と直交する方向に動くのを規制するガイド部材を備えていてもよい。
【0012】
前記台座部は、辺の一部が前記スライド板の往復移動方向と垂直な方向に向かって凹みを有し、前記スライド板は、両端部が前記台座部の上面に配置され、中間部が前記凹みの上方を跨ぐように配置されていてもよい。
【0013】
前記脚掛部は、前記台座部に向かって折り畳めるものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外出せずとも使用でき、かつ、自力で身体を動かすことなく、運動が行える健康装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る健康装置の概略構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係る健康装置の制御部の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る駆動部の動作例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る健康装置の使用例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る健康装置の折り畳み構造の例を示す図である。
図6】第1実施形態の第1変形例に係る健康装置の概略構成例を示す図である。
図7】第1実施形態の第2変形例に係る健康装置の概略構成例を示す図である。
図8】第1実施形態の第3変形例に係る健康装置の概略構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の例について、以下、図に基づいて説明する。本願において、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る健康装置1の概略構成例を示している。図1(a)は、健康装置1の平面図、図1(b)は、健康装置1の正面斜視図を示している。本実施形態では、使用者が健康装置1に座った状態において正面側(防波板23のある側)を前側、背面側を後側、頭部側を上側、腰部側を下側として説明する。本実施形態に係る健康装置1は、湯を張った浴槽内に設置して使用し、自動で座椅子部が往復移動して水中運動をすることができるものである。
【0018】
健康装置1は、台座部10と、座椅子部20と、を備えている。台座部10は、台座11と、台座11の上面に、スライド板12と、ストッパー13と、ガイド部材14と、制御部15と、を備えている。
【0019】
台座11は、外形が平面視において略工字形状をしている。台座11は、長辺と短辺を有し、台座11の長辺側は、一部が短辺方向中央に向かって凹む形状をしている。したがって、台座11は、台座11の長辺端部が長辺中央部より突出した形状をしている。台座11は、略工字形状の、4つの長辺端部が足のように突出する形状をしていることで、水中に置いたときに安定するようになっている。ただし、台座11は、安定すれば、長辺に凹凸のない略長方形をしていてもよい。台座11は、材質は特に限定されず、例えば、防水加工された金属、プラスチック等により形成される。
【0020】
スライド板12は、少なくとも1枚設けられ、本実施形態では、台座11の両方の長辺側の縁部に沿って平行に2枚設けられている。スライド板12は、後述する座椅子部20が取り付けられ、制御部15により台座11の長辺方向に沿って往復移動する。スライド板12は、材質は特に限定されず、例えば、防水加工された金属、プラスチック等により形成される。なお、スライド板12は、座椅子部20を往復移動することができれば、1枚であってもよい。
【0021】
ストッパー13は、スライド板12の往復移動方向の両端部側に設けられ、スライド板12が、台座11から飛び出すのを防止する。ストッパー13は、スライド板12が台座11から抜けてしまうのを防止できればどのような形状をしていてもよく、例えば、直方体のブロックである。また、ストッパー13は、材質は特に限定されず、例えば、ゴム等の弾性体、プラスチック等により形成される。
【0022】
ガイド部材14は、スライド板12の両端部に設けられ、スライド板12に覆いかぶさるように設置される。ガイド部材14は、スライド板12が往復移動方向と直交する方向(台座11の短辺と平行な方向)に動くのを規制する。ガイド部材14は、スライド板12が往復移動方向と垂直な方向に動くのを防止することができればどのような形状をしていてもよく、例えば、スライド板12の往復移動方向に貫通するガイド孔(スライド板12の外径寸法に僅かな遊びを加えた程度の内径寸法)が設けられた直方体のブロックである。ガイド部材14は、材質は特に限定されず、例えば、防水加工された金属、ゴム等の弾性体、プラスチック等により形成される。
【0023】
制御部15は、2本設けられているスライド板12の一方に対応して設けられている。制御部15は、スライド板12の往復移動を制御する。制御部15が取り付けられている一方のスライド板12が往復移動することにより、これに接続されている座椅子部20も往復移動し、さらに座椅子部20に連結されている他方のスライド板12も同期して往復移動する。
【0024】
図2は、制御部15の一例を示す図である。図2は、制御部15の内部構造を説明する図であり、制御部15の内部が見えるように模式的に示している。図3は、駆動部154の動作例を示す模式図である。制御部15は、防水筐体151と、操作盤152と、電源153と、駆動部154と、コード155と、を備えている。制御部15の防水筐体151の一部が台座11に固定され、制御部15内に固定されている駆動部154の一部がスライド板12に固定されている。制御部15の駆動部154の作動によりスライド板12が往復移動する。
【0025】
防水筐体151は、防水機能を有し、内部に操作盤152の一部、電源153、駆動部154の一部、及びコード155が配置されている。防水筐体151の底面の一部は、台座11にネジ等の固定部材(不図示)により取り外し可能に固定されている。また、防水筐体151の底面は、スライド板12を跨るように配置され、台座11の長辺方向にスライド板12が通過できる幅の凹み部分を有している。スライド板12は、防水筐体151の底面の凹み部分を通って往復移動をすることができる。防水筐体151の材質は特に限定されないが、例えば、防水加工された金属、プラスチック等により形成される。防水筐体151は、後述する電源153を交換することができるように、開閉可能な蓋や扉などを有していてもよい。
【0026】
操作盤152は、少なくとも、制御基板と、スタートスイッチと、ストップスイッチとを備えている。操作盤152は、スタートスイッチ、ストップスイッチの操作に応じて、後述する駆動部154を作動させる。操作盤152は、一部が防水筐体151から外部に露出するように配置されている。したがって、操作盤152は、防水機能を有し、露出部分の防水筐体151との隙間にパッキン等の防水処理が施されている。
【0027】
電源153は、駆動部154に電力を供給する。電源153は、例えば、リチウムイオン二次電池等のバッテリー電源である。ただし、電源153は、二次電池に限定されず、例えば、商用電源コンセントからケーブルを介して電力供給を受けるものであってもよい。電源153は、操作盤152を介してコード155により駆動部154と接続されている。
【0028】
駆動部154は、スライド板12を往復移動させる。駆動部154は、スライド板12を往復運動させることができれば、どのような仕組みのものであってもよい。例えば、本実施形態では、スライダ・クランク機構を用いてスライド板12を往復移動させる。なお、本実施形態では、スライダ・クランク機構による往復運動のことを往復移動として説明している。
【0029】
具体的には、駆動部154は、筐体1540と、クランク1541と、クランクピン1542と、連接棒1543と、ロングナット1544と、ボルト1545と、を備える。筐体1540は、防水筐体151内に固定され、クランク1541、クランクピン1542、及び連接棒1543の一端側を格納している。連接棒1543の他端側とロングナット1544の一端側は、筐体1540の外で防水筐体151内に配置されている。ロングナット1544の他端側とボルト1545の一部が防水筐体151から外部に露出するように配置されている。当該露出部分(往復移動する)の防水筐体151との隙間(図2の破線で示す部分)にパッキン等の防水処理が施されている。
【0030】
クランク1541は、筐体1540内のモータ(不図示)の回転軸が直接あるいはギア等を介して間接的に接続されており、スタートスイッチの操作に応じた操作盤152の制御によりモータが作動し、回転運動を行う。クランク1541は、クランクピン1542を介して連接棒1543の一端と繋がっている。連接棒1543の他端は、ロングナット1544の一端に接続する。ボルト1545の軸部は、スライド板12の下面に形成された凹部分に設けられた貫通孔(不図示)をその軸方向に貫通し、反対側のロングナット1544の他端に挿入され締め付け固定される。ボルト1545の頭部は、スライド板12の凹部に収容され、スライド板12が往復移動の際に台座11に干渉しないように配置されている。
【0031】
クランク1541を矢印で示す反時計回り方向に回転させると、クランクピン1542を介して繋がれた連接棒1543の動きがロングナット1544に伝わり、スライド板12が往復直線移動を行う(図2の矢印、および図3(a)-(d)参照)。
【0032】
なお、駆動部154の機構は、上記した機構に限定されず、公知の種々の機構を任意に選定することができる。また、駆動部154の可動部分の一部がスライド板12から外れなければ、ボルト及びナットに限られず種々の取付部材を用いることができる。
【0033】
座椅子部20は、座部21と、脚掛部22と、防波板23と、背もたれ24と、接続部25と、を備えている。座椅子部20は、台座部10の上面に往復移動可能に設置され、使用者が健康装置1を使用する際に腰を掛ける部分である。
【0034】
座部21は、使用者が健康装置1を使用する際に座る部分である。座部21は、本実施形態では、略長方形をしているが、形状や構造は特に限定されない。
【0035】
脚掛部22は、使用者が胡坐で座った際に脚を掛けることができ、座った状態を安定させることができる。また、脚掛部22は、使用者が手で掴むこともできる。脚掛部22は、座部21の前側から垂直に上側に伸びる棒状をしている。
【0036】
防波板23は、脚掛部22の先端にねじ等(不図示)により固定されている。防波板23は、健康装置1の使用中に湯が浴槽の壁面に当たって生じた波飛沫が使用者にかかるのを防止することができる。防波板23は、座椅子部の上方に伸びるように配置されている。本実施形態では、防波板23は、略長方形をしているが、波飛沫が使用者にかかるのを防止することができれば、形状や構造は特に限定されない。
【0037】
防波板23は、保持部材231を備えている。保持部材231は、スマートフォン等の電子機器を保持する。保持部材231は、電子機器を保持できれば、どのような構造をしていてもよく、例えば、防波板23に窪みを設けて電子機器を差し込んで固定するもの、防波板23に接着等により固定したピン又はフック等で挟むものであってもよい。
【0038】
背もたれ24は、座部21の後側端部から垂直に上側に伸び、略長方形をしている。背もたれ24は、座部21に座った状態で寄りかかることができ、座った状態を安定させることができる。
【0039】
接続部25は、座椅子部20をスライド板12に接続する部分である。接続部25は、スライド板12と接続できればどのような形状でもよく、例えば、本実施形態では、接続部25は、座部21から台座11の長辺側に向かって、スライド板12の上方まで伸びている。接続部25は、スライド板12にねじ等の接続部材(不図示)により接続される。接続部25がスライド板12に接続されるため、座椅子部20は、スライド板12と共に往復移動を行う。
【0040】
座部21、脚掛部22、背もたれ24、および接続部25は、一体成形されている。防波板23は、脚掛部22の端部にねじ等により接続されるが、脚掛部22と一体成形されていてもよい。また、座部21、脚掛部22、背もたれ24、および接続部25は、別体に成形され、固着されるものであってもよい。座部21、脚掛部22、防波板23、背もたれ24、および接続部25は、材質は特に限定されず、例えば、防水加工された金属、プラスチック、ポリスチロール等により形成される。
【0041】
図4は、本実施形態の健康装置1の使用例を示している。健康装置1は、浴槽の中に入れ、湯を入れた状態で使用する。湯量は、特に限定されないが、例えば、湯は、使用者が浴槽に座った際にみぞおちから胸にあたる位置まで入れることができる。また、例えば、湯は、健康装置1の背もたれ24の上端部および防波板23の保持部材231が湯に浸からない位置まで入れてもよい。使用者は、座部21に腰を下ろし、脚掛部22を両脚Lで挟み込むように胡坐で座る。両脚Lを脚掛部22に掛けることで安定し、長時間座っていることができる。使用者は、座椅子部20に腰掛けたら、操作盤152のスタートスイッチを押して電源を入れる。駆動部154が動き、スライド板12が往復移動をする。使用者は、脚掛部22に両脚Lを掛けるだけでは不安定な場合は、脚掛部22の上側(防波板23側)を手Hで掴むことで、安定して座ることができる。保持部材231に、スマートフォン等の電子機器Eを取り付ければ、健康装置1の往復移動中にスマートフォンで動画等を楽しむことができる。操作盤152のストップスイッチを押して電源を切れば、スライド板12の往復移動が停止する。使用後は、健康装置1を浴槽から取り出し、壁などに立てかけて保管する。
【0042】
以上、本実施形態に係る健康装置1について説明した。本実施形態によれば、外出せずとも使用でき、かつ、自力で身体を動かすことなく、運動が行える健康装置を提供することができる。使用者は、浴槽内で電子機器を使用しながら浴槽内に座っていれば、スライド板12の往復移動により自動で湯を張った浴槽内を移動できる。
【0043】
背もたれ24、および脚掛部22(防波板23を含む)は、台座に向かって折り畳むことができてもよい。図5は、健康装置1の折り畳み構造の例を示しており、図5(a)は、背もたれ24、および脚掛部22が使用状態となっている正面図、図5(b)は、背もたれ24、および脚掛部22が折り畳まれた状態を示す正面図である。図5に示すように、背もたれ24、および脚掛部22を座部21に重ねるように折り畳むことができてもよい。折り畳み構造は、特に限定されず、公知の技術が用いられればよく、例えば、ヒンジ(不図示)により折り曲げられるものであってもよい。背もたれ24、および脚掛部22を折り畳むことで、健康装置1をコンパクトに保管することができる。
【0044】
脚掛部22は、2本の棒状部材から構成されていたが、1枚の板状をしていてもよい。また、防波板23は、板状の脚掛部22と一体形成され、一枚板のようになっていてもよい。この場合、下側が脚掛部22、上側が防波板23の役割をするものであってもよい。また、座椅子部20に腰掛ける際は、胡坐でなくてもよく、座部21に腰を下ろし、膝を曲げて脚掛部22に足裏を着けるようにして座って使用してもよい。
【0045】
ガイド部材14は、スライド板12の両端に限られず、スライド板12の両端より内側の接続部25と接触しない位置に追加して設けられていてもよい。
【0046】
制御部15の操作盤152は、往復運動の速度(すなわち往復時間)を調整できる機能を有していてもよい。例えば、前進と後退の速度は同じで1往復の速度を変更できてもよいし、前進と後退の速度をそれぞれ変更できてもよい。
【0047】
図6は、本実施形態の第1変形例に係る健康装置1aの概略構成例を示す図である。図6(a)は、健康装置1aの正面図、図6(b)は、健康装置1aの長辺方向を分割した正面図、図6(c)は、健康装置1aの長辺方向の長さを短くして連結した正面図を示している。健康装置1aは、台座部10の長辺方向に分割して、長さを変えることができる。
【0048】
台座部10の台座11a、スライド板12a、及び座椅子部20の座部21aは、所定の位置で分割でき、着脱可能に連結されている。本変形例では、台座11a、スライド板12a、及び座部21aは、部分A、部分B、および部分Cの3つに分割されている。分割された台座11a、スライド板12a、及び座部21aは、着脱可能であれば、どのような手段で連結されていてもよい。例えば、部分Aの端部が凹部を有し、部分Bの端部が凸部を有し、凹部に凸部を嵌め込むことで連結されてもよい。
【0049】
健康装置1aの長辺の長さが浴槽の底面の長さより長かった場合、健康装置1aを3分割し、部分Bを抜いて、部分Aと部分Cを連結する。制御部15は、取り外しが可能なため、部分Bから取り外し、連結されたスライド板12aに取り付ける。
【0050】
本変形例によれば、健康装置1aの長辺の長さを調節することができるため、浴槽のサイズが異なっても健康装置1aを使用することができる。
【0051】
図7は、本実施形態の第2変形例に係る健康装置1bの概略構成例を示す図である。図7(a)は、健康装置1bの平面図、図7(b)は、健康装置1bの正面斜視図を示している。健康装置1bは、スライド板12bの両端部が台座11の上面に配置され、中間部が長辺側の凹みの上方を跨ぐように配置されている。
【0052】
スライド板12bは、両端が台座11の上面の長辺端部の突出した部分に配置されている。スライド板12bの中間部は、台座11の長辺側の凹み部分に配置され、下面が台座11に接しておらず、空中に浮いた状態になっている。したがって、スライド板12bは、台座11の一方の長辺端部から他方の長辺端部に架け渡すように配置されている。
【0053】
制御部15bは、防水筐体151の一部が台座11の側面に着脱可能にネジ等の接続部材(不図示)により取り付けられている。
【0054】
本変形例によれば、スライド板12bの中間部の下面は空間に位置するため、ボルト1545の頭部は、スライド板12bが往復移動の際に台座11に干渉する恐れがなく、スライド板12bの下面に凹部を形成してボルト1545を収容する必要がなくなる。また、スライド板12bの下面の清掃が容易となる。また、座椅子部20を台座部10と略同じ幅まで広くすることができる。
【0055】
図8は、本実施形態の第3変形例に係る健康装置1cの概略構成例を示す図である。健康装置1cは、ガイド部材14cの形状が、実施形態のガイド部材14と異なっている。
【0056】
ガイド部材14cは、直方体のブロックの中央がスライド板12の往復移動方向に貫通した形状をしている。スライド板12は、ガイド部材14cの貫通した孔に挿通され、台座11に配置されている。したがって、スライド板12は、台座11の上面との間に隙間を有する。なお、スライド板12が台座11との間に隙間を有することで撓み易くなるため、座椅子部20の接続部25および制御部15と干渉しない位置に追加のガイド部材14cを設けてもよい。
【0057】
本変形例によれば、ガイド部材14cの貫通した孔にスライド板12が挿通されて配置されることにより、スライド板12が台座11の上面との間に隙間を有するため、スライド板12の往復移動の際の摩擦を小さくすることができる。
【0058】
なお、上述したある実施形態または変形例の一部の構成要素を、他の実施形態または変形例に加えたり、他の実施形態または変形例の一部の構成要素と置換したりしてもよい。ある実施形態または変形例の構成要素のうち、一部の構成要素を省略することもできる。
【0059】
以上、本発明の実施形態および変形例について説明したが、上記した実施形態および変形例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を容易に想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0060】
1、1a:健康装置、10:台座部、11、11a:台座、12、12a:スライド板、13:ストッパー、14:ガイド部材、15:制御部、20:座椅子部、21、21a:座部、22:脚掛部、23:防波板、24:背もたれ、25:接続部、151:防水筐体、152:操作盤、153:電源、154:駆動部、155:コード、1540:筐体、1541:クランク、1542:クランクピン、1543:連接棒、1544:ロングナット、1545:ボルト
【要約】
【課題】外出せずとも使用でき、かつ、自力で身体を動かすことなく、運動が行える健康装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一部を水中に設置して使用する健康装置は、台座部と、台座部に設けられ、往復移動可能な1枚以上のスライド板と、台座部に設けられ、スライド板を往復移動させる制御部と、台座部に設けられ、スライド板と共に往復移動可能にスライド板に接続された座椅子部と、を備える。
【選択図】図1
図1
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図8