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  • 特許-電気コネクタ、及びこれを有するモータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】電気コネクタ、及びこれを有するモータ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/74 20060101AFI20220126BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
H01R13/74 Z
H02K5/22
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017171836
(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公開番号】P2018063939
(43)【公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】202016000090487
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】カルロ カヌート
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-109843(JP,A)
【文献】特開2013-27281(JP,A)
【文献】特開2004-253163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/74
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモータ端子が固定された座部を備えるモータであって、該モータとケーブルコネクタとを接続するための電気コネクタをさらに備える該モータにおいて、前記電気コネクタは、
前側部と、対応するケーブルコネクタに係合するように構成された後側部とを備える電気的絶縁性の本体と、
前記本体によって固定された複数の電気端子であって、各々は、前記前側部から突出して対応するモータ端子につながる前端と、前記ケーブルコネクタの対応する端部につながる後端とを備える複数の電気端子とを備え、
前記電気コネクタは前記座部に安定して取り付け、その結果前記電気端子の前記前端は、前記モータ端子との安定した接続状態に置かれ、
前記座部は、前記モータのモータ本体から外側へ延びるとともに前記モータの前記モータ本体から離れた溝を備え、前記モータ端子の端部が前記溝の内側に配置されており、
前記本体は、さらに取付部分を備え、前記取付部分は前記座部に前記モータの軸方向に沿って摺動可能な様式で取り付けられ、その結果前記電機端子の前記前端が対応するモータ端子上に置かれていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
各前記電気端子の前記前端は、溶接することなく前記モータ端子と直接接触する、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記本体の前記後側部は、前記電気端子の前記後端が位置するソケットであり、前記ケーブルコネクタはプラグである、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記本体の前記後側部における前記後端の遠位端は相互に整列する、請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記本体は取付部分をさらに備え、前記座部は対応する保持部分を備え、前記取付部分は前記保持部分に取り付ける、請求項1に記載のモータ。
【請求項6】
前記取付部分は、実質的に板形状とされてその2つの向かい側の側部に2つの長手方向溝を備え、前記座部は、2つの対応するガイドレールと、それらの間の開口部とを有する、請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記電気コネクタを取り付けた前記座部は絶縁樹脂が注入される、請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
前記本体は保持フレームをさらに備え、前記保持フレームは、前記取付部分から水平方向前方へ延びてモータに係合するように構成されている、請求項1に記載のモータ。
【請求項9】
前記座部と前記モータ本体と間に、前記モータ端子が通る分離壁が形成されている、請求項1に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] この本発明は、電気コネクタ、及びこれを有するモータ、特にブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] ブラシレスモータは、多くの技術分野で、具体的には動力車のファンユニットで広く使用され、羽根を駆動する。ブラシレスモータは、一般には、モータ本体と、モータ本体から外方に延びる座部とを含む。座部には、電源信号及び/又は制御信号を受け取るために複数のモータ端子が固定され、従ってモータを駆動し及び/又はモータの回転速度、回転方向、回転角度などのような回転パラメーターを制御する。ブラシレスモータは、複数本の電線をさらに含み、各々の電線は、対応するモータ端子と整列された後これに溶接され、上記電源信号及び/又は上記制御信号を供給する必要がある。
【0003】
[0004] しかしながら、上記動作プロセスは、複雑であり、従ってモータの費用を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005] 従って、この問題を改善することができる電気コネクタ及びモータに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006] 従って、本発明は、1つの態様において、モータとケーブルコネクタとを接続するための電気コネクタを提供する。モータは、複数のモータ端子が固定された座部を備える。電気コネクタは、電気的絶縁性の本体と、本体によって固定された複数の電気端子とを備え、本体は、前側部と、対応するケーブルコネクタに係合するように構成された後側部とを備える。各々の電気端子は、前側部から突出して対応するモータ端子につながる前端と、ケーブルコネクタの対応する端部につながる後端とを備える。本体の前側部は、座部に安定して取り付けるように構成された取付部分を備え、その結果電気端子の前端は、対応するモータ端子との安定した接続状態に置くことができる。
【0006】
[0007] 各電気端子の前端は、溶接することなくモータ端子に直接接触することが好ましい。
【0007】
[0008] 本体の後側部は、電気端子の後端が位置するソケットであり、ケーブルコネクタはプラグである。
【0008】
[0009] 取付部分は、実質的に板形状とされてその2つの向かい側の側部に2つの長手方向溝を備え、座部は、2つの対応するガイドレールと、それらの間の開口部とを有することが好ましい。
【0009】
[0010] 本体は、成形されたプラスチック材料で作成することが好ましい。
【0010】
[0011] 本体は保持フレームをさらに備え、保持フレームは、取付部分から水平方向前方に延びてモータに係合するように構成されることが好ましい。
【0011】
[0012] 3つ又は4つの電気端子が存在することが好ましい。
【0012】
[0013] 従って、本発明は、その別の態様において、複数のモータ端子が固定された座部と、モータとケーブルコネクタとを接続するための電気コネクタとを備えるモータを提供する。電気コネクタは、電気的絶縁性の本体と、本体によって固定された複数の電気端子とを備える。本体は、前側部と、対応するケーブルコネクタに係合するように構成された後側部とを備える。各々の電気端子は、前側部から突出して対応するモータ端子につながる前端と、ケーブルコネクタの対応する端部につながる後端とを備える。電気コネクタは、座部に安定して取り付け、その結果電気端子の前端は、モータ端子との安定した接続状態に置かれる。
【0013】
[0014] 各電気端子の前端は、溶接することなくモータ端子と直接接触することが好ましい。
【0014】
[0015] モータはブラシレスモータであることが好ましい。
【0015】
[0016] 本体の後側部は、電気端子の後端が位置するソケットであり、ケーブルコネクタはプラグであることが好ましい。
【0016】
[0017] 本体の後側部における後端の遠位端は、相互に整列することが好ましい。
【0017】
[0018] 本体は取付部分をさらに備え、座部は対応する保持部分を備え、取付部分は、保持部分に取り付けることが好ましい。
【0018】
[0019] 本開示の実施形態において、モータに電気コネクタを取り付け、電気コネクタは、ケーブルコネクタに係合するように構成された後側部を備え、従ってケーブルコネクタとの簡単な接続を形成する。さらに、電気コネクタは、モータに安定して取り付けることができ、その結果電気端子は、対応するモータ端子との安定した接続状態に置くことができる。
【0019】
[0020] 以下、本発明の好ましい実施形態が、添付図面の各図を参照して、ほんの一例として説明される。各図において、2つ以上の図に現われる同一の構造、要素又は部品には、それらが現われる全ての図で全般に同じ参照符号が付される。各図に示される構成部品及び機能の寸法は、全般に表現の便宜及び明瞭さのために選ばれ、必ずしも一定の縮尺で示さない。各図を以下に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の第1の実施形態による、ブラシレスモータを備えた動力車における熱交換器用の換気ユニットの斜視図である。
図2図1のブラシレスモータの座部と電気コネクタとの間の電気接続の詳細を示す部分的平面図であり、電気コネクタは座部に安定して取り付ける。
図3図2のブラシレスモータの座部の拡大斜視図である。
図4図2のブラシレスモータの部分的分解図である。
図5図4の電気コネクタの前方斜視図である。
図6図5の電気コネクタの複数の電気端子を示す図である。
図7図4の電気コネクタの別の斜視図である。
図8図1のブラシレスモータの斜視図である。
図9】本開示の第2の実施形態による、代わりのブラシレスのモータの斜視図である。
図10図9のモータの電気コネクタの斜視図である。
図11図10の電気コネクタの複数の電気端子を示す図である。
図12】本開示の第3の実施形態による、代わりのブラシレスモータの斜視図である。
図13図12のモータの電気コネクタの斜視図である。
図14図13の電気コネクタの複数の電気端子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0035] 本発明の実施形態の技術的解決法が、以下のように、添付図面を参照して明確にかつ完全に説明される。以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の全てというよりも、一部に過ぎないことは明らかである。本開示の実施形態に基づき、当業者によって何らの創造的努力なしに得られる他のいかなる実施形態も、本発明の保護範囲内に属する。
【0022】
[0036] ある構成部品が別の構成部品に「固定された」と説明するとき、それは別の構成部品に直接固定することができ、又は中間の構成部品があることに注意されたい。ある構成部品が別の構成部品に「接続された」と説明するとき、それは別の構成部品に直接接続することができ、又は中間の構成部品があっても良い。ある構成部品が別の構成部品に「配置された」と説明するとき、それは別の構成部品に直接配置することができ、又は中間の構成部品があっても良い。「垂直方向に」、「水平方向に」、「左側の」、「右側の」又は類似した表現のような方向に関する語法は、例示目的に過ぎない。
【0023】
[0037] 別段の定めがない限り、全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって理解される通常の意味を有する。この開示で用いる用語は、限定というよりもむしろ例示である。この開示で用いる「及び/又は」という用語は、列挙された1つ以上の関連する品目の各々の及び全ての組み合わせが含まれることを意味する。
【0024】
[0038] 図1から図8を参照して、本発明の第1の実施形態によるモータが例示される。図面において、参照番号1はモータを示す。モータ1は、ブラシレスモータであることが好ましい。モータ1は、動力車(図示しない)のファンユニット10に取り付け、ファンユニット10の羽根9を駆動するように構成することが望ましい。
【0025】
[0039] モータ1は座部11を含み、座部は、モータ1のモータ本体(番号を付さない)から外方に延びることができる。図3を参照して、座部11に複数のモータ端子7が固定され、電源信号及び/又は制御信号を受け取り、従ってモータ1を駆動し及び/又は
モータ1の回転速度、回転方向、回転角度のような回転パラメーターを制御する。本体42の後側部46の後端54の遠位端は、所定方向x-xで相互に整列する。第1の実施形態では、モータ端子7は、座部11の底面と平行な共通の平面に沿って配置されることが好ましい。
【0026】
[0040] 図8を参照して、モータ1は電気コネクタ40をさらに含み、電気コネクタは、モータ端子7とケーブルコネクタ48との間の電気接続を形成するように構成される。ケーブルコネクタ48は複数の端部を含み、それらは、車両のバッテリ(図示しない)から供給できる電源供給信号及び/又は制御装置(図示しない)から供給できる制御信号を伝達する。
【0027】
[0041] 電気コネクタ40は、電気絶縁材製で実質的に剛体の本体42と、複数の相互に絶縁された電気端子50とを含む。本体42は、モータ1の座部11に取り付けるように構成された前側部44と、ケーブルコネクタ48に係合するように構成された後側部46とを含む。本体42は、成形されたプラスチック材料から作成することができる。この第1の実施形態では、本体42は実質的に断面正方形である。3つの互いに電気的に絶縁された電気端子50が存在する。
【0028】
[0042] 電気端子50は本体42によって固定される。図2に示すように、座部11に絶縁樹脂20が注入されて、電気端子50の前端52及び座部11内のモータ端子7を覆うことができ、電気コネクタ40を座部11に安定して取り付け、電気端子が絶縁されることをさらに保証する。電気端子50は複数の電力端子を含む。この第1の実施形態では、電気端子50は、少なくとも1つの信号端子をさらに含む。各々の電気端子50は、寸法が信号端子50よりも大きいことが好ましい。
【0029】
[0043] 図5及び図6を参照して、各々の電気端子50は、本体42から突出して対応するモータ端子7につながる前端52と、本体42内に位置してケーブルコネクタ48の対応する端子につながる後端54とを含む。
【0030】
[0044] 実施形態では、ケーブルコネクタ48はプラグであり、本体42の後側部はソケットである。代わりの実施形態では、ケーブルコネクタ48はソケットにすることもでき、本体42の後側部はプラグである。
【0031】
[0045] 本体42は、モータ1の座部11に安定的に取り付け、その結果電気端子50の前端52は、対応するモータ端子7と安定的に接触し、安定した電気接続を形成することができる。
【0032】
[0046] モータ1に電気コネクタ40を取り付け、電気コネクタは、ケーブルコネクタ48に係合するように構成された後側部46を有するので、ケーブルコネクタ48との簡単な接続を形成することが有利である。さらに、電気コネクタ40は、モータ1に安定的に取り付けることができ、その結果電気端子50は、対応するモータ端子7に安定して接触することができる。各モータ端子7は整列させる必要がない。
【0033】
[0047] 一部の実施形態では、各々の前端52は、直接接触のみによってモータ端子7に接続することができ、モータ端子7に溶接する必要がないので、その接続作業をさらに単純化することができる。
【0034】
[0048] 第1の実施形態では、本体42の前側部44は取付部分56を含む。取付部分56は実質的に板形状である。取付部分56には、その2つの向かい側に2つの長手方向溝58がそれぞれ形成される。モータ1の座部11は、対応する溝58に挿入される2つのガイドレール18と、それらの間の開口部(番号は付さず)とを有する。取付部分56は、モータ1の座部11に長手方向に沿って摺動する様式で安定して取り付ける。前端52は、モータ端子7に安定して置いて、モータ端子7との安定した電気接続状態に維持される。代わりの実施形態では、本体3は、連動フック又はボルトねじのような他の構成によって座部11に安定して取り付けることもできる。
【0035】
[0049] 図9から図14を参照して、2つの互い違い電気コネクタを備える2つの互い違いのブラシレスモータが例示される。これらの実施形態では、電気コネクタ40は、2つの電力端子及び2つの信号端子である、4つの電気端子50を含む。本体42は実質的に断面円形である。相応して、ブラシレスモータ1は、対応する電気コネクタ40に接続する対応するモータ端子(図示しない)及び座部を有する。
【0036】
[0050] 図13を参照して、電気コネクタ40は保持フレーム70をさらに含み、保持フレームは、取付部分の前側部44から水平方向前方に延びてモータ1に係合するように構成され、従って電気コネクタ40とモータ1との間の安定した関係をさらに保証する。
【0037】
[0051] 本出願の明細書及び請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「含む(contain)」及び「有する(have)」、並びにその派生語の各々は、記述した特徴の存在を具体化するために包括的な意味で使用され、追加の品目の存在を排除しない。
【0038】
[0052] 本発明は1つ以上の好ましい実施形態を参照して説明されるが、当業者であれば、様々の修正が可能であることを認識されたい。従って、本発明の範囲は、以下の請求項を参照することによって決定される。
【符号の説明】
【0039】
1 モータ
7 モータ端子
11 座部
18 ガイドレール
40 電気コネクタ
42 本体
44 前側部
46 後側部
50 電気端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14