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特許7015163ビデオコンテンツにおける広告の連続的な再挿入
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】ビデオコンテンツにおける広告の連続的な再挿入
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/458 20110101AFI20220126BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
H04N21/458
H04N5/92 010
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2017244820
(22)【出願日】2017-12-21
(62)【分割の表示】P 2015043333の分割
【原出願日】2010-05-27
(65)【公開番号】P2018078617
(43)【公開日】2018-05-17
【審査請求日】2018-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2020-06-19
(31)【優先権主張番号】61/181,535
(32)【優先日】2009-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511287994
【氏名又は名称】ヴィジブル ワールド リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ニーメイジャー ゲリット
(72)【発明者】
【氏名】ファイフ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハーバーマン セス
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】川崎 優
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-519678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 30/02
H04N 5/76-956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア中断データを含む複数の特集番組にアクセスするステップであって、前記メディア中断データは、アドレス指定可能なコンテンツの挿入の適格性を有する個々の特集番組における一又は二以上の識別された中断を含む、アクセスするステップと、
前記アドレス指定可能なコンテンツにアクセスするステップと、
前記複数の特集番組における少なくとも一つの特集番組について、メディア挿入規則と前記メディア中断データとの少なくとも一つに基づいて、第1のアドレス指定可能なコンテンツを前記少なくとも一つの特集番組の前記識別された中断の少なくとも一つに挿入することによって、更新された特集番組を生成するステップと、
を含み、
方法は、さらに、
連続的なループにおいて、
前記更新された特集番組及び少なくとも一つのメディア挿入規則を分析し、前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることを判定するステップと、
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定に基づいて、第2のアドレス指定可能なコンテンツを前記更新された特集番組に挿入して前記第1のアドレス指定可能なコンテンツを置き換えるステップと、
分析対象の次の更新された特集番組を、更新された特集番組が記録された順序に基づいて判定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記メディア中断データは、適格性指標を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のアドレス指定可能なコンテンツの少なくとも一部を記憶装置における広告プールに記憶するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
意図された視聴者に対して、前記広告プールからの前記第2のアドレス指定可能なコンテンツを対象とするステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定は、所定の時間の経過、分析ループの完了、又は、アドレス指定可能なコンテンツの受信の少なくとも一つに基づいており、これにより、コンテンツと更新されたアドレス指定可能コンテンツとを含む更新された特集番組が連続的に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記更新された特集番組のユーザ消費に関連する使用統計量を受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記使用統計量は、ユーザ消費、視聴時間、視聴期間、視聴方法および広告IDを含む群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記更新された特集番組の再生を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの前記メディア挿入規則の少なくとも一部は、個別のファイルに記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信可能であって、コンピュータ読み取り可能な非一時的である記憶媒体と、
を備え、前記記憶媒体が一又は二以上のプログラム命令を含み、実行時に前記プログラム命令が前記プロセッサに、
メディア中断データを含む複数の特集番組にアクセスするステップであって、前記メディア中断データは、アドレス指定可能なコンテンツの挿入の適格性を有する個々の特集番組における一又は二以上の識別された中断を含む、アクセスするステップと、
前記アドレス指定可能なコンテンツにアクセスするステップと、
前記複数の特集番組における少なくとも一つの特集番組について、メディア挿入規則と前記メディア中断データとの少なくとも一つに基づいて、第1のアドレス指定可能なコンテンツを前記少なくとも一つの特集番組の前記識別された中断の少なくとも一つに挿入することによって、更新された特集番組を生成するステップと、
を実行させ、
前記プロセッサに、さらに、
連続的なループにおいて、
前記更新された特集番組及び少なくとも一つのメディア挿入規則を分析し、前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることを判定するステップと、
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定に基づいて、第2のアドレス指定可能なコンテンツを前記更新された特集番組に挿入して前記第1のアドレス指定可能なコンテンツを置き換えるステップと、
分析対象の次の更新された特集番組を、更新された特集番組が記録された順序に基づいて判定するステップと、
を実行させる、システム。
【請求項11】
前記メディア中断データは、適格性指標を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記記憶媒体は、実行時に前記プロセッサに、前記第2のアドレス指定可能なコンテンツの少なくとも一部を記憶装置における広告プールに記憶するステップを実行させる一又は二以上のプログラム命令をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも一つの前記メディア挿入規則の少なくとも一部は、個別のファイルに記憶される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記記憶媒体は、実行時に前記プロセッサに、前記更新された特集番組を提示するステップを実行させる一又は二以上のプログラム命令をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定は、所定の時間の経過、分析ループの完了、又は、アドレス指定可能なコンテンツの受信の少なくとも一つに基づいており、これにより、コンテンツと更新されたアドレス指定可能コンテンツとを含む更新された特集番組が連続的に供給される、請求項10に記載のシステム
【請求項16】
前記記憶媒体は、実行時に前記プロセッサに、前記更新された特集番組の再生を実行するステップを実行させる一又は二以上のプログラム命令をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
デジタルビデオレコーダシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信可能であって、コンピュータ読み取り可能な非一時的である記憶媒体と、
を備え、前記記憶媒体が一又は二以上のプログラム命令を含み、実行時に前記プログラム命令が前記プロセッサに、
メディア中断データを含む複数の特集番組にアクセスするステップであって、前記メディア中断データは、アドレス指定可能なコンテンツの挿入の適格性を有する個々の特集番組における一又は二以上の識別された中断を含む、アクセスするステップと、
前記アドレス指定可能なコンテンツにアクセスするステップと、
前記複数の特集番組における少なくとも一つの特集番組について、メディア挿入規則と前記メディア中断データとの少なくとも一つに基づいて、1のアドレス指定可能なコンテンツを前記少なくとも一つの特集番組の前記識別された中断の少なくとも一つに挿入することによって、更新された特集番組を生成するステップと、
を実行させ、
前記プロセッサに、さらに、
連続的なループにおいて、
前記更新された特集番組及び少なくとも一つのメディア挿入規則を分析し、前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることを判定するステップと、
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定に基づいて、第2のアドレス指定可能なコンテンツを前記更新された特集番組に挿入して前記第1のアドレス指定可能なコンテンツを置き換えるステップと、
分析対象の次の更新された特集番組を、更新された特集番組が記録された順序に基づいて判定するステップと、
を実行させる、デジタルビデオレコーダシステム。
【請求項18】
前記記憶媒体は、実行時に前記プロセッサに、前第2のドレス指定可能なコンテンツの少なくとも一部を前記記憶装置における広告プールに記憶するステップを実行させる一又は二以上のプログラム命令をさらに含む、請求項17に記載のデジタルビデオレコーダシステム。
【請求項19】
前記第1のアドレス指定可能なコンテンツが置き換えられるべきであることの判定は、所定の時間の経過、分析ループの完了、又は、アドレス指定可能なコンテンツの受信の少なくとも一つを含み、これにより、コンテンツと更新されたアドレス指定可能コンテンツとを含む更新された特集番組が連続的に供給される、請求項17に記載のデジタルビデオレコーダシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第61/181,535号(2009年5月27日出願)の利益を主張するものであり、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般に、ビデオ処理に関する。より明確には、ビデオメディアにおける広告コンテンツの連続的な挿入に関する。
【背景技術】
【0003】
ビデオコンテンツの消費者は、ビデオ録画でテレビ番組のようなコンテンツを視聴するために、デジタルビデオレコーダ(DVR)をますます利用するようになってきている。そのようなシステムの利用者は、典型的に、特定のスケジュールで公開され得る番組を“録画”することができ、より都合の良い時間に当該コンテンツを視聴することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビ視聴者の家庭において、DVRの出現および人気の高まりは、広告主や、広告コンテンツを放送するネットワークまたはサービスプロバイダにとって、特有の問題を提起する。利用者は非直線的な方法で番組を消費する機能(すなわち、早送り、一時停止、スローモーション、あるいは、完全にコンテンツをスキップするような機能)を有しているので、広告コンテンツは、見過ごされ、時には、対象とする視聴者に決して見られることがないかもしれない。
【0005】
さらに、そのようなコンテンツに、地域またはその他を標的(ターゲット)とする広告(例えば、テレビコマーシャル)を挿入されることが、しばしば望ましいけれども、実行中に(オンザフライで)行うには、実装することが困難あるいは高価となり得るリアルタイム処理要求を課すことになる。加えて、実行中の挿入は、利用者に非直線的な方法でコンテンツを消費する機能が提供されている場合に、問題となり得る。例えば、利用者がコンテンツの一部を視聴して、それから、コマーシャルの時間に急速に巻き戻しをするときに、実行中に適切な広告を確認して、そのコマーシャルの時間の中に挿入することはできないかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、必要なのは、DVR環境に広告コンテンツを適応させるシステムおよび方法であり、広告を掲載した番組が視聴されている時間に関わらずに、広告コンテンツを動的に状況に合わせて変化させることである。
【0007】
本発明の実施形態は、例えば、デジタルビデオ記録(DVR)テクノロジーを用いて、番組コンテンツ中に目標とする広告またはその他のメッセージの挿入を可能にするシステムを提供する。そのようなシステムの実施例は、広告を予め読み込み、コマーシャルの時間を有するコンテンツを記録し、当該広告をバックグラウンドで、記録されたコンテンツに差し込むために記憶装置を使用でき、これにより、コンテンツがビデオ録画(タイムシフト)モードで、視聴されているときに、それら広告が提供可能となる。そのようなシステムの実施例は、広告を記録されたコンテンツに挿入する挿入するために必要とされる実時間処理量を減らすことができ、さらに、再生中の“トリック”モード(例えば、早送りや巻き戻しなどのような非直線的なモード)にも自動的にサポートすることができる。
【0008】
本発明は、次の図と共に、好ましい実施形態の詳細な説明から、より容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態の例に基づくシステムの例を示す。
図2図2は、本発明の実施形態の例に基づくテーブルの例を示す。
図3図3は、本発明の実施形態の例に基づく工程の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の全体にわたって、構成は、特定の構成要素を有する、特定の構成要素を含む、および特定の構成要素からなるというように記載される。また、プロセスは、特定のステップを有する、特定のステップを含む、特定のステップからなるというように記載される。本教示の構成も、列挙された構成要素で構成される(または、基本的に構成される)ということは考慮され、本教示のプロセスも、列挙されたステップで構成される(または、本質的に構成される)ということは考慮される。
【0011】
本出願では、構成要素またはコンポーネントは、列挙された構成要素またはコンポーネントのリストに含まれ、かつ/または、当該リストから選択される。構成要素またはコンポーネントが、列挙された構成要素またはコンポーネントのうちのいずれか1つとなり得て、2以上の列挙された構成要素またはコンポーネントからなるグループから選択され得ることを理解すべきである。さらに、本明細書に記載された構成、装置、または方法の構成要素および/または特徴は、本明細書で明示されるか暗示されるにせよ、本教示の精神と範囲から逸脱することなく、様々な方法で組合され得る。
【0012】
用語“含む(include)”、“含む(includes)”、“含む(including)”、“備えている(have)”、“備えている(has)”または“備えている(having)”の用法は、一般的に無制限であり、かつ、別段の定めをした場合を除き、非限定的であることを理解すべきである。
【0013】
本明細書での単数形の用法は、別段の定めをした場合を除き、複数形をも含む(その逆も同様である)。さらに、単数形の形式("a", "an"および"the")は、文脈で明確に述べられている場合を除き、複数形の形式を含む。さらに、用語“およそ(about)”の用法は、定量値よりも前であり、別段の定めをした場合を除き、本教示では特定の定量値それ自体も含む。本明細書では、用語“およそ(about)”は、基準値から±10%の変化をいう。
【0014】
ステップの順序、または、ある一定の動作を実行するための順序は、本教示が依然として実施可能である限りは、重要でないということを理解すべきである。さらに、2以上のステップまたは動作は、同時に実行され得る。
【0015】
本発明の実施形態は、コンテンツが終わるまでの時間に、ビデオコンテンツ中に、広告の挿入および再挿入を可能とするシステムおよび方法を提供する。明確にするために、実施形態の例は、ビデオコンテンツ中に広告を挿入するという状況において記載され、いくつかの実施形態は、DVRsおよびテレビジョンシステムについて記載され得ることに、本明細書では注意すべきである。しかしながら、本発明は、そのような実施形態に限定されるものではないことを理解する必要がある。むしろ、本発明は、いかなるタイプのメディアコンテンツ中に挿入され得る、いかなるタイプのメッセージにまで及ぶ。例えば、その他の実施形態は、音楽やその他の音声コンテンツなどへの音声広告の挿入を含み得る。
【0016】
本発明の実施形態の例に基づくシステムは、図1に示される。図1は、利用者に、ビデオ録画(タイムシフト)に基づいて、ビデオコンテンツを提供することのできる、例えば、デジタルビデオレコーダ(DVR)装置のようなシステム101を示す。本システムは、1以上の記憶装置102および103を含むことができ、ビデオコンテンツ、広告、およびその他の情報を格納するように構成され得る。記憶装置は、そのようなコンテンツを格納することができる任意の装置とすることができ、光あるいは磁気記憶媒体、フラッシュメモリ、または、その他の不揮発性メモリなどを含む。2つの別々の装置として表現された記憶装置は、同じ媒体ソース上の論理デバイスとして実装することもできる。説明のためのシステムは、コンテンツを受信し、コンテンツを出力し、そしてユーザ入力を受け付けるために構成された入出力インターフェースも含むことができる。例えば、本システムは、コンテンツを受信することのできるケーブルテレビネットワークに接続することができる。他のシステムの例では、その他の情報源、例えば、インターネット、衛星テレビネットワーク、無線放送などに接続することができる。さらに、システムの例は、例えば、遠隔制御装置からユーザ入力を受信することができる。
【0017】
図に示されるように、本システムの例は、特集番組コンテンツ104を受信することができる。本明細書では、用語「特集番組(feature program)」とは、録画または視聴するためにユーザによって選択された所望の番組、例えば、テレビ番組1話分、映画、ビデオクリップ、オーディオクリップ、またはその他の消費可能なメディアをいう。説明のための実施形態は、特集番組としてコンテンツを参照するものの、当業者であれば、本発明の範囲が、技術分野において、時には、長編映画、ショーケース、またはプレゼンテーションと称されるような特殊なコンテンツにのみに限定されないことが認識されるだろう。
【0018】
受信されるコンテンツは、本システムが処理することのできる、どんな種類のコンテンツでも受信可能である。例えば、本システムは、例えば、テレビ番組、映画、またはその他のビデオおよびオーディオメディアを含むビデオコンテンツを受信することができる。そのようなコンテンツは、直線的または非直線的な番組であり、任意の可能な情報源、例えば、コマーシャルなしのネットワーク、コマーシャルの時間(その時間のいくつかは、本システムでコマーシャルを再挿入するために用いられ得る)を有するネットワーク、または、その他の情報源から生じ得る。さらに、受信されるコンテンツは、任意の使用可能なフォーマットであり得る。例えば、MPEG標準に従ってエンコードされた標準ビデオフォーマット、アナログフォーマット、またはコンテンツがエンコードされ得るその他のフォーマットである。
【0019】
さらに、コンテンツは、メタデータを含むことができる。例えば、コンテンツは、“アドレス指定可能な”コマーシャルによる中断(ブレイク)をサポートでき、それは、コンテンツへの広告の挿入を容易にすることができる。そのためには、そのようなコンテンツは、“アドレス指定可能な”中断の位置だけでなく、中断を識別するメタデータも信号で伝えることのできるメディアブレイクデータを含み得る。当該データは、中断の時間に広告を挿入するために必要な全ての情報(例えば、中断の開始時間および中断の期間)だけではなく、中断に対して適切な広告、または広告の種類を識別する情報も含むことができる。そのようなデータは、コンテンツ(例えば、同じ転送データの流れ、あるいは、転送ファイル)に物理的に埋め込まれているか、論理的に組み込まれる(例えば、別々のファイルに記憶されるが、非常に時間同期している)。そのようなメタデータは、当該データを読み込み、解釈し、利用する(例えば、ビデオコンテンツ中に広告を挿入する)ために構成され得る、実施例のシステムによってアクセス可能である。
【0020】
本システムの1つの実施形態は、受信されたコンテンツを記録することを提供する。例えば、システムは、入力コンテンツを受信するために構成され得る記録コントローラ105を含むことができる。記録コントローラ105は、例えば、記録すべきコンテンツの入力集合からいくつかのコンテンツを選択する。例えば、記録コントローラ105は、コンテンツの特定部分、すなわち、注目コンテンツが記録されるためのユーザ指示を受け取ることができる。そのような指示は、1つだけのコンテンツを識別することができ、または、多数のコンテンツを識別することができる。例えば、複数のエピソードを含んでいるかもしれないテレビ番組が識別され得るし、または、いくつかの異なった番組が識別され得るなどである。コンテンツは、任意の利用可能なやり方で、例えば、チャンネルおよび時間、名前、または、一意の識別子によって識別され得る。
【0021】
記録すべきコンテンツを受信すると、記録コントローラ105は、当該コンテンツを記憶装置102、または、別の記憶媒体に格納することができる。コンテンツは、任意のアクセス可能な形式で記憶され得る。例えば、コンテンツは、圧縮デジタル形式で記憶され得る。さらに、コンテンツは、許可されていない再生やコンテンツの複製を防止するために、暗号化され得る。記録コントローラ105は、コンテンツに関連付けられた任意のメタデータも記憶することができる。そのようなメタデータは、コンテンツと共に記録され、および/または、コンテンツから抽出されて、例えばそのようなメタデータのテーブルに別々に記憶され得る。
【0022】
実施例のシステムは、テレビコマーシャル106、またはその他の種類の広告、アドレス指定可能なコンテンツあるいはメッセージも受信し得る。それらはコマーシャルの時間に挿入され得る。そのような広告は、主要なコンテンツと共に受信され、または、コンテンツとは別々に受信され得る。さらに、そのような広告は、コンテンツが受信され得る同じ通信システムを通じて受信され、または、異なるシステムを用いて受信され得る。例えば、広告は、ケーブルテレビネットワークを通じて受信され、インターネットの情報源から記録、ダウンロードされ、または、USBポートあるいは別の適切なローカルインターフェースを通って固定媒体を介して受信され得る。
【0023】
例えば、システムは、当該システム上に新しい広告や広告キャンペーンをロードするために構成され得るロードコントローラ107を含むことができる。例えば、ロードコントローラ107は、帯域内転送ネットワーク、または、その他の適切なネットワークを用いて、新しい広告あるいはキャンペーンを受信することができる。そして、ロードコントローラ107は、受信されたデータから個々の広告を識別して抽出することができ、そして、それらを記憶装置103またはその他の記憶システムに格納することができる。さらに、ロードコントローラ107は、以下で説明するように、広告に対するターゲティング規則108も抽出することができ、それらをターゲティングテーブル109に格納することができる。
【0024】
1つの実施形態では、広告は、記憶装置103の特別な“広告プール”領域に格納され得る。そのような領域は、システムのエンドユーザによって直接アクセスすることはできない。例えば、本システムの利用者は、本システム上に記憶された広告を、直接、視聴したり、変更したり、削除する機能を提供され得ない。むしろ、広告は、本システムがコンテンツなどに広告を挿入したときにのみ、ユーザによって視聴され得る。もちろん、他の実施形態では、そのような記憶領域を備える必要がなく、広告が直接アクセスされ得る。
【0025】
実施形態の例では、記憶された広告は、サービスプロバイダによって維持管理される。例えば、実施例のシステムは、一連の広告を配給することをサービスプロバイダに許可するように構成され得る。当該一連の広告は、先に述べたように、システムによって受信され得る。さらに、本システムは、サービスプロバイダに広告を管理することを許可するように構成され得る。例えば、サービスプロバイダは、周期的に、または、継続的に新たな広告を入手可能であり、古い広告を置き換えることができ、または、既存の広告に追加することもできる。サービスプロバイダは、もはや使われなくなった広告を削除することもでき、広告に関連付けられた挿入規則を同様に管理することもできる。
【0026】
コンテンツおよび広告に加えて、実施例のシステムは、当該システムに適切な広告を挿入することを可能にする情報を記憶できる。また、本システムは、そのような情報をローカル記憶装置、または、本システムと通信可能なその他の記憶装置に格納できる。例えば、システムは、番組に挿入され得る特定の広告と関連付けられたメタデータを格納することのできるターゲティングテーブル109を含むことができる。例えば、それぞれ格納された広告に対して、ターゲティングテーブル109は、その広告の挿入が適切である時を決定するために必要な全ての情報を含むことができる。例えば、ターゲティングテーブル109は、ぞれぞれの広告を標的にするための規則を含むことができる。ターゲティングテーブル109は、広告が挿入されるべきコンテンツの種類、広告が見せられる時刻、標的とされるべき層、または標的とされる視聴者を定める、あるいは識別するその他のパラメータに関する情報も含めることができる。
【0027】
ターゲティングテーブルの実施例が、図2に表される。図2は、ターゲティングテーブルに現れる、複数の情報のカテゴリを表す。例えば、一意の資源ID201がテーブルに格納され、本システム上に記憶されている特定の広告を識別することができる。同様に、テーブルは、一意の名前となる資源名202を含むことができ、例えば、記憶された広告を見つけられるようにする。テーブルは、人口統計規則203も含むことができる。そのような規則は、広告が特定の消費者を標的とするような情報(例えば、年齢、性別、収入、住所、職業など)を提供することができる。そのような情報を用いて、広告は視聴者に配信され得る。
【0028】
実施例のターゲティングテーブルは、コンテンツ規則204も含み、それは、明確な標的を定めたコンテンツを指定する規則を含み得る。例えば、本テーブルは、特定の広告が特定の番組またはネットワークのコンテンツ、あるいは、特定のジャンルのコンテンツに挿入されることを指定する情報を含むことができる。さらに、実施例のテーブルは、時間規則205も含み、それは、明確な標的となる時間を指定する規則を含む。例えば、テーブルは、特定の広告がゴールデンタイムの番組に挿入されるか、週末のみに挿入されるかを指定する情報を含むことができる。実施例のテーブルは、再生規則206も含み、それは、広告のその他の差込(すなわち、表示)を考慮して、どのようして広告が挿入されるかを指定することができる。例えば、テーブルは、特定の広告がある一定の時間長のコンテンツにおいて、予め決められた回数だけ見せることを指示する情報を含むことができる。テーブルは、限定されるものではないが、出現の最小回数、回数の上限、ローテーション規則などを設定するような振る舞いを指示する規則を含むことができる。
【0029】
図1に戻ると、実施例のシステムは、報告テーブル110を管理することもでき、当該テーブルは、システムの使用、およびコンテンツや広告のユーザ消費に関する統計量を含むことができる。報告テーブルは、特定の広告および/または通常のコンテンツについての再生情報を記憶できる。例えば、テーブルは、いつ、どれぐらいの頻度で、特定のコンテンツの広告または番組が視聴されたか、視聴された時刻、視聴された時間はどれぐらいか、視聴のされ方(すなわち、早送りなのか、巻き戻しなのかなど)についてのデータを含むことができる。そのようなテーブルは、特定の広告が挿入されたコンテンツを識別する情報も記録することができる。
【0030】
実施例のシステムは、プロセッサも含むことができ、当該プロセッサは、広告をコンテンツに挿入するように構成され得る。例えば、システムは、マージコントローラ111を含むことができ、当該マージコントローラは、“対象となる”メディアブレイク(すなわち、広告が挿入され得るコンテンツ中の休止期間(ブレイク))に対して、記録されたコンテンツをスキャンすることができる。例えば、上述のように、コンテンツは、広告が挿入され得る、コンテンツ中のコマーシャルの時間の位置を示すメタデータを含むことができる。そのようなメタデータは、例えば、コンテンツ信号中に現れる音(トーン)として、古典的な方法でコード化され得るか、または、より複雑なメタデータであるかもしれない。実施例のシステムは、そのようなメタデータおよび/または信号方式の出現を求めて、各コンテンツ番組を捜すことができる。典型的には、そのようなメタデータは、コマーシャルの時間のちょっと前(例えば、挿入される得るコマーシャルの5秒から10秒前)に出現することになる。例えば、再挿入のための特定の中断(ブレイク)の“適格性”は、任意の適切な方法で定められ得る。例えば、当該中断を識別するメタデータは、対象となる中断に対してのみに送信され得る。そのため、明らかに、メタデータを有する全ての記録された中断は対象となる。一方、メタデータ自体は、対象となるとして中断にフラグを立てる適格性識別子を含むことができる。または、ターゲティング規則が、対象となる(適格な)中断を識別するために用いられ得る。
【0031】
それぞれの対象となる中断に対して、マージコントローラ111は、広告を挿入するか否かを評価することができる。そうすると、マージコントローラ111は、特定の広告の挿入が適切であるか否かを評価することに関連する情報を利用することができる。例えば、マージコントローラ111は、ターゲティングテーブル109、報告テーブル110、あるいはその他の情報にアクセスすることができ、現在の時刻で対象としている中断のために、最良の広告を定めるための情報などを互いに関連付けることができる。もしマージコントローラ111が、現時点でコンテンツに埋め込まれた広告よりも、より適切な広告を認識するならば、現在の広告を最適な広告に置き換えることができる。例えば、マージコントローラ111は、保存されたコンテンツに広告を書き込むことができ、そのコンテンツを記憶することができる。また、マージコントローラ111は、広告を含むコンテンツの新しいインスタンスを生成することができ、新たに生成されたインスタンスも記憶することができる。
【0032】
挿入される広告は、任意の適切なフォーマットでコンテンツに挿入され得る。そして、コンテンツ自体と全く同様にエンコードされる必要がない。例えば、挿入される広告は、挿入先のコンテンツと同一または異なる解像度となり得る;もし広告が暗号化されたコンテンツに挿入されたならば、広告も暗号化されるか、暗号化されていない形式で挿入され得る;などである。
【0033】
実施例において、マージコントローラ111は、コンテンツの再生が要求される前に、コンテンツを解析して、広告を挿入することができる。そのようなマージコントローラ111は、任意の適当なスケジュールに従って記録されたコンテンツを解析するように構成され得る。一方、マージコントローラ111は、予め決められたスケジュールに基づいてコンテンツを解析するように構成されるか、または、システムに対する現在の処理要求量を評価して、その他の処理要求量が十分に低いときに、コンテンツを解析するように構成され得る。
【0034】
所与の中断に対する最適な広告が環境因子(例えば、現在の時刻)に基づいて変化し得るので、かつ、利用可能な広告のセットは、変化し得るので、マージコントローラ111は、記録されたコンテンツをそれぞれ継続的に解析するようも構成され得る。例えば、マージコントローラ111は、順々に記録されたコンテンツのそれぞれを解析することができる。一度、コンテンツのそれぞれを解析してしまうと、また最初のコンテンツに戻り、再び解析を始めることができる。マージコントローラ111は、継続的にそのような処理を実行するように構成され、または、定期的に(例えば、30分ごとに)処理を実行することができる。しかしながら、その他のマージコントローラ111は、コンテンツを解析するために、任意の適当なプロセスを用いることができる。例えば、いくつかのマージコントローラ111は、連続的なループで、記録されたコンテンツを解析することができる。しかしながら、新しいコンテンツが記録されたとき、マージコントローラ111は、ループを続ける前に、新しいコンテンツを直ちに処理することができる。
【0035】
結果として、処理の後、各コンテンツ番組は、オリジナルのコンテンツとさらに挿入される広告の両方を含むことができる。ユーザは、コンテンツの再生を要求するとき、当該コンテンツは、実行中に広告の挿入を行う必要がなく、すぐに再生され得る。そのようなシステムは、広告の挿入中に差し込まれる人の目を引くようなとぎれ(切れ目)なしに、コンテンツがスムーズに再生されることを手助けする。さらに、そのようなシステムは、より少数のリソースだけを必要とし、またはシステムに対して利用可能なリソースをより効率的に使用することができる。例えば、挿入は、コンテンツの消費の前に生じるので、挿入プロセスは、再生中に受け入れるよりも、完了するのにより長く時間がかかり得る。したがって、実施例のシステムは、より少ない処理リソースで構成され得る。また、他のタスクために利用可能なリソースを割り当てることができる。その他の説明のための実施形態は、記憶装置(ストレージ)のより効率的な使用を許容する。例えば、実施例のシステムは、すべての利用可能な広告を記憶することはできない。むしろ、システムは、広告の挿入のための規則の一式(例えば、ターゲティングテーブル)を記憶することができる。特定の広告をコンテンツに挿入することをシステムが決めるならば、システムは、そのときに、遠隔地の情報源から広告をダウンロードすることができる。コンテンツは、現在視聴されていないので、ダウンロードを完了して広告を挿入するのに必要な時間は、ユーザ体験をさえぎることはない。
【0036】
さらに、そのような実施例のシステムは、自然に、コンテンツの非直線的な再生を説明する。例えば、システムは、コンテンツを視聴中に、多数の“トリック”モード(例えば、早送り、巻き戻し、シーンのジャンプなど)を起こすことを、ユーザに許可することができる。再生の前に広告を事前に挿入することによって、実施例のシステムは、更なる処理を行うことなく、確実にそのようなトリックモードを提供することができる。そのようなシステムは、表示するときに、コンテンツが事前に挿入された広告を含むので、ユーザに、既に処理されたコンテンツファイルを表示するだけである。
【0037】
1つの実施形態によると、システムは、ユーザの消費のために、コンテンツを再生するように構成された再生コントローラ112も含むことができる。再生コントローラ112は、特定のコンテンツを再生するためにシステムを管理するユーザからの指示を受け取るように構成され得る。例えば、再生コントローラ112は、遠隔制御装置、またはその他の適切な入力装置を用いて、指示入力を受け取ることができる。そして、再生コントローラ112は、簡単にコンテンツを検索することができ、ユーザに当該コンテンツを表示することができる。ローカルな広告は、マージコントローラ111によって、コンテンツに既に挿入されているので、更なる処理は必要ない。コンテンツは単に表示されるだけである。さらに、再生コントローラがコンテンツを表示するので、表示された広告やコンテンツに関する情報(例えば、報告テーブル110に記憶された情報)を更新することができる。もちろん、再生コントローラ112は、再生システムに典型的なあらゆる機能を提供するように構成され得る。例えば、再生コントローラ112は、早送りまたは巻き戻しモードでコンテンツを再生するように構成され得る。当該再生コントローラは、ユーザからの入力によってもう一度起動し得る。
【0038】
他の実施例は、コンテンツに広告またはその他のメッセージを挿入するための工程を提供することができる。図3は、そのような実施例の工程を示す。図示された工程は、注目の番組コンテンツを記録するための指示を受け取ることによって開始することができる(301)。例えば、ユーザは特定のテレビ番組または録画すべき番組を指定することができる。また、録画すべき番組の前もって設定された予定が参照され得る。指示は、任意の適当な方法で受信され、記録すべきコンテンツを識別することができる。
【0039】
そして、コンテンツは、識別されて記録され得る(302)。例えば、もしコンテンツがテレビ番組であるならば、コンテンツはケーブルネットワーク、衛星ネットワーク、無線アンテナ、インターネット、または、USBあるいはポータブルメモリデバイスなどのような固定媒体を通じて受け取られ得る。そして、受信されたコンテンツは記憶され得る。当該受信されたコンテンツは、ファイルとしてエンコードされて、磁気あるいは光記憶装置、またはフラッシュメモリなどのようなローカルあるいはリモートの記憶媒体に保存され得る。コンテンツは、任意の適切なフォーマットで記憶され得る。例えば、コンテンツは、MPEGにエンコードされたり、暗号化されたりする。
【0040】
広告または広告キャンペーンも受信され得る(303)。例えば、広告はサービスプロバイダから受信され得る。そして広告は、任意の適当な通信媒体、ケーブルテレビネットワーク、衛星ネットラーク、無線アンテナ、インターネット、または、USBあるいはポータブルメモリデバイスなどのような固定媒体を用いて受信され得る。受信された広告は、コンテンツへの挿入に使用可能である一連の広告を形成することができる。例えば、広告は、一連のテレビコマーシャルであり、的を絞った広告などを提供するために、テレビ番組に挿入され得る。受信された広告もローカルにまたはリモートに記憶され、広告プールを形成することができる。上で述べたように、広告は、エンドユーザによって直接的にはアクセス可能ではない形式で記憶され得る。
【0041】
メディア挿入規則も受信されて記憶され得る(304)。例えば、ターゲティングテーブルに関して上述した情報が受け取られ、もしかするとターゲティングテーブルの形式で、挿入パラメータとして記憶され得る。そのような情報は、広告またはパッケージ化された広告(例えば、広告キャンペーン)とともに受信され得る。規則とパラメータは、特定の広告の挿入が適切なものとなる時に関する情報を提供することができる。例えば、特定の広告に関連付けられた規則は受信され、標的とする層、広告が挿入されるべきコンテンツ、コンテンツを挿入すべき時刻、広告の多重挿入を処理する方法、あるいは、挿入を指示するその他の条件を示すことができる。
【0042】
一旦、そのような情報が受け取られると、記憶されたコンテンツは、広告が挿入され得る中断(ブレイク)を捜すことができる(305)。例えば、記憶された各コンテンツは、上で説明したように、“対象となる”中断を識別するために解析され得る。そのような中断を識別するために、コンテンツに関連付けられたメタデータが識別され得る。上で説明したように、そのメタデータは、コンテンツ中の中断について、多数の特性(プロパティ)を示すことができる。例えば、メタデータは、中断の存在を認識することができ、中断の位置や期間を示すことができ、中断が再挿入の対象となるか否かなどを示すことができる。
【0043】
一旦、コンテンツ中の中断が識別されると、当該中断に広告を挿入するべきか否かを決定することができる(306)。例えば、コンテンツは、いまのところ、中断において記録されたオリジナルの広告あるいは再挿入された広告のいずれかを有し得る。しかしながら、その広告は、もはや当該中断に対して最適な広告ではないかもしれない。むしろ、別の利用可能な広告が、その広告に関連する挿入規則、および、限定されるものではないが、時刻などの環境の情報、または、コンテンツがエンコードするテレビ番組の名前などの番組の特徴などのその他の情報に基づいて、当該中断に対してより最適な広告として認識され得る。
【0044】
もし広告が挿入に対して適切なものとして認識されるならば、当該広告はコンテンツに挿入され得る(307)。例えば、当該広告は、コンテンツファイルに予め記録されている任意の広告の代わりに、当該コンテンツファイルに挿入され得る。上で説明したように、広告は任意の適当な方法で挿入されて、コンテンツ自体と一致するかあるいは一致するしない、任意の利用可能な形式にエンコードされ得る。例えば、広告は非暗号化形式で挿入されるものの、コンテンツ自体は暗号化されても、暗号化されなくてもよい。
【0045】
一旦、広告がコンテンツに挿入されると、コンテンツは、その更新された形式で記憶され得る(308)。上で説明したように、コンテンツは、より古いバージョンのコンテンツに代えて記憶されるか、コンテンツの新しいインスタンスとして記憶され得る。記憶されると、コンテンツは、コンテンツと広告の一式を含む、完全な形式となり得る。それにより、それは、更なる処理を行うことなく、ユーザによる再生が利用可能となり得る。
【0046】
記憶されたコンテンツのそれぞれが解析されて、広告が適切な位置に挿入されると、プロセスを再度始めることができる(309)。記録されたコンテンツのそれぞれは、継続的に評価されて、新しい広告が適切な位置に挿入される。このように、記録されたコンテンツは、最も適切な広告を常に完全な形式で(いつでも再生できるように)記憶され得る。しかしながら、そのようなコンテンツに再生中に広告を挿入する必要はない。
【0047】
ユーザは、特定のコンテンツを要求する指示を出すと、当該コンテンツはすぐに有効な状態になり得る(310)。例えば、コンテンツファイルは、アクセスされて表示され得る。コンテンツファイルは、既に最も適切な広告を含むので、更なる処理を行う必要がない。更に、コンテンツ中の広告は再生されるので、表示に関する情報が記録され得る(311)。例えば、上述したように、報告テーブルが更新され、そして、特定の広告がコンテンツに挿入されるべきか否かについての将来の決定に影響を与えることができる。
【0048】
本明細書に記載して開示された方法や工程のすべては、1以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを用いて実装され得ることは認識される。これらのコンポーネントは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気あるいは光ディスク、光メモリ、またはその他の記憶媒体を含む、従来のコンピュータ可読媒体における一連のコンピュータ命令として提供され得る。当該命令は、プロセッサによって実行されるように構成され、実行時に、一連のコンピュータ命令は、開示された方法および工程の全部または一部の実行を行う、または、実行を容易にする。
【0049】
さらに、上記の方法または工程は、本明細書で開示されたシステムを用いて提供され、または、他のタイプのシステムにおいて提供され得ることは認識される。明示的に限定する場合を除いて、本方法および工程は、本方法の特定の要素を実行する特定の主体またはシステムを必要とするように読まれることを意図していない。
【0050】
先の明細書において、本発明は、詳細な実施例を参照して記載されている。しかしながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正および変更が成され得る。したがって、詳細な説明および図面は、限定的な意味というよりも、説明に役立つものとみなすことができる。
図1
図2
図3