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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】車両管理システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/126 20190101AFI20220126BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220126BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20220126BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220126BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALN20220126BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20220126BHJP
【FI】
B60L53/126
H02J50/10
H02J50/40
H02J50/80
G06Q50/10
H02J7/00 P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018028541
(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2019146363
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 祐司
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-39787(JP,A)
【文献】特開2012-208685(JP,A)
【文献】特開2013-225969(JP,A)
【文献】特開2015-153217(JP,A)
【文献】特開2015-198562(JP,A)
【文献】特開2016-100984(JP,A)
【文献】特開2017-72921(JP,A)
【文献】特開2017-130123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0274788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/126
G06Q 50/10
H02J 7/00
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた位置に配置された複数の非接触給電装置のうち、車両に搭載されたアンテナに給電し、かつ、該アンテナ経由で該車両に搭載された通信装置と通信を行った前記非接触給電装置を特定し、前記車両の位置を、前記非接触給電装置の位置により特定する車両管理システム。
【請求項2】
前記車両のユーザを宛先として、前記車両の位置を表す情報を送信する請求項1に記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記非接触給電装置は駐車場の車室に配置され、前記車室の位置を前記車両の位置として特定する請求項1又は2に記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記車室における前記車両の滞在時間に基づき駐車料金を算出する請求項3に記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記車両のユーザを宛先として、前記駐車料金を表す情報を送信する請求項4に記載の車両管理システム。
【請求項6】
走行路内の予め定められた位置に配置された複数の近距離無線通信装置のうち、前記通信装置と通信を行った前記近距離無線通信装置を特定し、前記走行路内の前記車両の位置を、特定した前記近距離無線通信装置の位置により特定する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両管理システム。
【請求項7】
車室に駐車されている前記車両に搭載された前記通信装置に対し、前記非接触給電装置により、前記走行路内の車両の位置に関する情報を送信する請求項6に記載の車両管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
モータで走行する自動車のバッテリーを充電する発明として、例えば特許文献1に開示された非接触給電システムがある。この非接触給電システムは、駐車場の車室や走行路に埋設されたアンテナにより車両と通信を行う。非接触給電システムは、車両と通信を行うことにより、車両が予め登録されている給電対象の車両であるか判断し、車両が給電対象の車両である場合には、車室に埋設されたアンテナにより非接触で給電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-39787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
埋設されたアンテナで車両と通信を行い、車両から車両IDを取得することにより、駐車場内に車両があることを把握できる。しかしながら、車両IDを取得しただけでは、車両があることを把握できるに止まり、駐車場内にある車両の位置を特定することができていない。
【0005】
本発明は、駐車場内にある車両の位置を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、予め定められた位置に配置された複数の非接触給電装置のうち、車両に搭載されたアンテナに給電し、かつ、該アンテナ経由で該車両に搭載された通信装置と通信を行った前記非接触給電装置を特定し、前記車両の位置を、前記非接触給電装置の位置により特定する車両管理システムを、第1の態様として提供する。
【0007】
第1の態様の車両管理システムによれば、駐車場内にある車両の位置を特定することができる。
【0008】
第1の態様の車両管理システムにおいて、前記車両のユーザを宛先として、前記車両の位置を表す情報を送信するという構成を第2の態様として採用してもよい。
【0009】
第2の態様の車両管理システムによれば、駐車場内にある車両の位置を車両のユーザに知らせることができる。
【0010】
また、本発明は、第1の態様又は第2の態様の車両管理システムにおいて、前記非接触給電装置は駐車場の車室に配置され、前記車室の位置を前記車両の位置として特定するという構成を第3の態様として採用してもよい。
【0011】
第3の態様の車両管理システムによれば、駐車場内の車室にある車両の位置を特定することができる。
【0012】
また、本発明は、第3の態様の車両管理システムにおいて、前記車室における前記車両の滞在時間に基づき駐車料金を算出するという構成を第4の構成として採用してもよい。
【0013】
第4の態様の車両管理システムによれば、駐車場内における駐車時間に基づいて車両の駐車料金を得ることができる。
【0014】
また、本発明は、第4の態様の車両管理システムにおいて、前記車両のユーザを宛先として、前記駐車料金を表す情報を送信するという構成を第5の態様として採用してもよい。
【0015】
第5の態様の車両管理システムによれば、駐車料金を車両のユーザに知らせることができる。
【0016】
また、本発明は、第1の態様乃至第5の態様のいずれか一の車両管理システムにおいて、走行路内の予め定められた位置に配置された複数の近距離無線通信装置のうち、前記通信装置と通信を行った前記近距離無線通信装置を特定し、前記走行路内の前記車両の位置を、特定した前記近距離無線通信装置の位置により特定するとい構成を第6の態様として採用してもよい。
【0017】
第6の態様の車両管理システムによれば、駐車場の走路にある車両の位置を特定することができる。
【0018】
また、本発明は、第6の態様の車両管理システムにおいて、車室に駐車されている前記車両に搭載された前記通信装置に対し、前記非接触給電装置により、前記走行路内の車両の位置に関する情報を送信するという構成を第7の態様として採用してもよい。
【0019】
第7の態様の車両管理システムによれば、駐車中の車両に対して走行中の車両の位置を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】車両管理システム1のブロック図。
図2】本発明に係る立体駐車場の一部を示した図。
図3】受電装置50のブロック図。
図4】総合制御装置1000のブロック図。
図5】テーブルTB1の一例を示した図。
図6】テーブルTB2の一例を示した図。
図7】テーブルTB3の一例を示した図。
図8】テーブルTB4の一例を示した図。
図9】テーブルTB5の一例を示した図。
図10】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
図11】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態の構成]
図1は、本発明に係る車両管理システム1のブロック図であり、図2は、本発明に係る立体駐車場の一部の平面図である。車両管理システム1は、立体駐車場内にある車両5の位置を管理するシステムである。車両管理システム1は、総合制御装置1000、m個の給電装置10~10、n個の通信装置20~20、p個の報知装置30~30及びq個の表示装置40~40を備える。給電装置10~10、通信装置20~20、報知装置30~30及び表示装置40~40については、以下の説明において各々を区別する必要がない場合は、符号の添え字を省略する。
【0022】
給電装置10は、車止め3が設けられて車両5が駐車される車室2の各々に埋設されている。給電装置10は、電気自動車である車両5に対して非接触での給電と無線通信とを行う装置である。給電装置10は、CPU(Central Processing Unit)を有する制御部101、通信部102、給電部103及びアンテナ104を備える。制御部101は、総合制御装置1000に接続されており、総合制御装置1000に対して情報の授受を行う。アンテナ104は、車両5との無線通信と、車両5への非接触での給電を行うためのアンテナである。通信部102は、制御部101により制御される。通信部102は、制御部101から供給されるメッセージを変調してアンテナ104から送信する。また、通信部102は、車両5から送信されてアンテナ104が受信した信号を取得し、取得した信号を復調して得られる情報を制御部101へ供給する。給電部103は、制御部101により制御される。給電部103は、図示省略した電源からの電力供給を受け、アンテナ104を介して車両5へ非接触で給電を行う。
【0023】
通信装置20は、電気自動車である車両5と無線通信を行う装置であり、立体駐車場の入場ゲートの路面下、立体駐車場の退場ゲートの路面下、立体駐車場において車両5が走行する走行路の路面下などに埋設されている。通信装置20は、制御部201、通信部202及びアンテナ204を備える。制御部201は、CPUを有し、総合制御装置1000に接続されている。制御部201は、総合制御装置1000に対して情報の授受を行う。アンテナ204は、車両5と無線通信を行うためのアンテナである。通信部202は、制御部201により制御される。通信部202は、制御部201から供給されるメッセージを変調してアンテナ204から送信する。また、通信部202は、車両5から送信されてアンテナ204が受信した信号を取得し、取得した信号を復調して得られる情報を制御部201へ供給する。
【0024】
報知装置30は、立体駐車場の所定の柱4に設置される装置である。報知装置30は、制御部301とスピーカ307を備える。制御部301は、CPUを有し、総合制御装置1000に接続されている。制御部301は、総合制御装置1000から送信されるメッセージを受信し、受信したメッセージに応じてスピーカから音声を出力する。
【0025】
表示装置40は、立体駐車場の天井の所定の位置に設置される装置である。表示装置40は、制御部401とディスプレイ408を備える。制御部401は、CPUを有し、総合制御装置1000に接続されている。制御部401は、総合制御装置1000から送信されるメッセージを受信し、受信したメッセージに応じてディスプレイ408で表示を行う。
【0026】
図3は、車両5が備える受電装置50のブロック図である。バッテリー506は、電気自動車である車両5の電源となる蓄電池である。制御部501は、CPUを有し、通信部502及び受電部505に接続されている。制御部501は、通信部502を制御して給電装置10又は通信装置20と通信を行い、メッセージの受信や情報の授受を行う。アンテナ504は、給電装置10との無線通信、通信装置20との無線通信及び給電装置10から供給される電力の受電を行うためのアンテナである。通信部502は、制御部501により制御される。通信部502は、制御部501から供給される情報を変調してアンテナ504から送信する。また、通信部502は、給電装置10又は通信装置20から送信されてアンテナ504が受信した信号を取得し、取得した信号を復調して得られるメッセージを制御部501へ供給する。受電部505は、制御部501により制御される。受電部505は、バッテリー506の残量を監視し、アンテナ504で受電した電力をバッテリー506へ供給してバッテリー506を充電する。
【0027】
なお、給電装置10から車両5への非接触での給電の方法、給電装置10と受電装置50との間の無線通信の方法及び通信装置20と受電装置50との間の無線通信の方法は、例えば、特開2012-39787号公報に開示されている方法があるが、特開2012-39787号公報に開示されている方法に限定されるものではなく、他の方法であってもよい。
【0028】
総合制御装置1000は、給電装置10~10、通信装置20~20、報知装置30~30及び表示装置40~40に接続されている。総合制御装置1000は、給電装置10及び通信装置20と通信を行い、給電装置10及び通信装置20から送信される情報により、立体駐車場内における車両5の位置を管理する。また、総合制御装置1000は、所定の音声の出力を報知装置30に指示し、空いている車室2の有無の表示を表示装置40に指示する。
【0029】
図4は、総合制御装置1000のブロック図である。総合制御装置1000は、制御部1001、記憶部1002及び通信部1003を備える。通信部1003は、給電装置10、通信装置20、報知装置30及び表示装置40と通信を行い、情報の授受やメッセージの送信を行う。制御部1001は、CPUを有し、通信部1003が給電装置10又は通信装置20から受信した情報を取得し、通信部1003を制御して報知装置30や表示装置40へメッセージを送信する。
【0030】
記憶部1002は、給電装置10や通信装置20から受信した情報を記憶する。また、記憶部1002は、テーブルTB1、テーブルTB2、テーブルTB3、テーブルTB4及びテーブルTB5を記憶する。
【0031】
図5はテーブルTB1の一例を示した図である。テーブルTB1は、車両IDと給電装置ID又は通信装置IDとを紐付けて格納するテーブルである。給電装置IDは、給電装置10~10の各々を識別する識別子であり、給電装置10毎に異なる識別子となっている。通信装置IDは、通信装置20~20の各々を識別する識別子であり、通信装置20毎に異なる識別子となっている。車両IDは、車両5の各々を識別する識別子であり、車両5毎に異なる識別子となっている。
【0032】
図6は、テーブルTB2の一例を示した図である。テーブルTB2は、通信装置IDと、報知装置30の識別子である報知装置IDとを紐付けて格納したテーブルであり、テーブルTB2においては、通信装置IDで特定される通信装置20の位置から車両5が移動可能な方向において、通信装置20から予め定められた範囲内にある報知装置30の報知装置IDが、通信装置20の通信装置IDに紐付けて格納される。
【0033】
図7は、テーブルTB3の一例を示した図である。テーブルTB3は、通信装置IDと表示装置40の識別子である表示装置IDとを紐付けて格納したテーブルであり、テーブルTB3においては、通信装置IDで特定される通信装置20の位置から車両5が移動する方向にある表示装置40の表示装置IDが、通信装置20の通信装置IDに紐付けて格納される。
【0034】
図8は、テーブルTB4の一例を示した図である。テーブルTB4は、通信装置IDと給電装置IDとを紐付けて格納したテーブルである。テーブルTB4においては、通信装置IDで特定される通信装置20の位置から車両5が移動可能で予め定められた範囲内にある給電装置10の給電装置IDが、通信装置IDに紐付けて格納される。
【0035】
図9は、テーブルTB5の一例を示した図である。テーブルTB5は、給電装置IDと、給電装置IDで特定される給電装置10が埋設されている車室2の状態を示す状態情報を格納するテーブルである。車両5が駐車されている車室2に埋設されている給電装置10の給電装置IDに対しては、車室2の状態として「車両有り」との情報が格納され、車両5が駐車されていない車室2に埋設されている給電装置10の給電装置IDに対しては、車室2の状態として「車両無し」との情報が格納される。
【0036】
[実施形態の動作例]
次に本実施形態の動作例について、図10図11を用いて説明する。通信装置20は、車両IDを要求する要求メッセージを予め定められた周期でアンテナ204から送信する。受電装置50は、この要求メッセージを受信すると、予め記憶している車両IDを通信装置20へ送信する。
【0037】
例えば、立体駐車場の入場ゲートの路面下に埋設された通信装置20上に車両5が位置すると、受電装置50は、この通信装置20から送信された要求メッセージを受信する(ステップS1)。受電装置50は、要求メッセージを受信すると、記憶している車両IDを送信し、通信装置20は、受電装置50から送信された車両IDを受信する(ステップS2)。車両IDを受信した通信装置20は、自身の通信装置IDと受信した車両IDを総合制御装置1000へ送信する。総合制御装置1000は、通信装置20から送信された通信装置ID及び車両IDを受信する(ステップS3)。総合制御装置1000は、受信した車両IDがテーブルTB1に格納されていない場合、受信した車両IDと通信装置IDを紐付けてテーブルTB1に格納する(ステップS4)。
【0038】
また、入場ゲートの位置から車両5が移動し、図2の通信装置20において、受電装置50が通信装置20から送信された要求メッセージを受信すると(ステップS5)、受電装置50から車両IDが通信装置20に送信され、通信装置20は、この車両IDを受信する(ステップS6)。通信装置20は、自装置を識別する通信装置IDと、受信した車両IDを総合制御装置1000へ送信し、総合制御装置1000は、この通信装置IDと車両IDを受信する(ステップS7)。総合制御装置1000は、通信装置IDと車両IDを受信すると、受信した車両IDがテーブルTB1に格納されている場合、テーブルTB1を更新する(ステップS8)。具体的には、総合制御装置1000は、テーブルTB1において通信装置20から送信された車両IDに紐付けられている通信装置IDを、受信した通信装置20の通信装置IDに更新する。
【0039】
総合制御装置1000は、更新した通信装置IDに紐付けられている報知装置IDをテーブルTB2から取得する(ステップS9)。総合制御装置1000は、取得した報知装置IDで特定される報知装置30に対して、音声の出力を指示する指示メッセージを送信する(ステップS10)。この指示メッセージを受信した報知装置30は、車両の接近を報知する音声をスピーカから出力する(ステップS11)。
【0040】
例えば、総合制御装置1000は、車両5の車両IDに紐付けられているIDを、上述したように通信装置20の通信装置IDに更新すると、テーブルTB2において、通信装置20の通信装置IDに紐付けられている報知装置30の報知装置IDを取得する。総合制御装置1000は、取得した報知装置IDで特定される報知装置30に対して指示メッセージを送信する。この指示メッセージを受信した報知装置30は、例えば、「車が接近しています。注意してください」という音声をスピーカから出力する。立体駐車場においては、駐車中の車両5や立体駐車場の柱4によって死角が多くなるが、本実施形態によれば、スピーカから出力されるメッセージにより、報知装置30の近傍にいる歩行者や報知装置30の近傍にある車室2に駐車中の車両の車内にいる運転手は、車両5の接近を知ることができ、衝突事故の発生を抑えることができる。
【0041】
また、総合制御装置1000は、更新した通信装置IDに紐付けられている表示装置IDをテーブルTB3から取得し(ステップS12)、ステップS7で取得した通信装置IDに紐付けられている給電装置IDをテーブルTB4から取得する(ステップS13)。次に総合制御装置1000は、ステップS13で取得した給電装置IDに紐付けられている状態情報をテーブルTB5から取得する(ステップS14)。総合制御装置1000は、テーブルTB5から取得した状態情報において「車両無し」という情報がある場合、空いている車室2があることを通知するメッセージを、テーブルTB3から取得した表示装置IDで特定される表示装置40へ送信する(ステップS15)。このメッセージを受信した表示装置40は、表示装置40に紐付けられている給電装置10を有する車室2の方向(表示装置40の近傍で空いている車室2の方向)をディスプレイ408で表示する(ステップS16)。
【0042】
例えば、総合制御装置1000は、車両5の車両IDに紐付けられているIDを、通信装置20の通信装置IDに更新すると、通信装置20の通信装置IDに紐付けられている表示装置40の表示装置IDをテーブルTB3から取得する。表示装置40の表示装置IDを取得した総合制御装置1000は、取得した通信装置IDに紐付けられている給電装置IDとして、例えば、図2に示されている給電装置10~10の給電装置IDを取得する。給電装置10~10の給電装置IDを取得した総合制御装置1000は、取得した給電装置IDに紐付けられている状態情報をテーブルTB5から取得する。総合制御装置1000は、テーブルTB5から取得した状態情報において「車両無し」という情報がある場合、空いている車室2があること通知するメッセージを表示装置40へ送信する。このメッセージを受信した表示装置40は、空いている車室2の方向を表示する。これにより、空いている車室2へ車両5を誘導することができる。
【0043】
次に車両5が車室2に駐車されたときの動作例について説明する。給電装置10は、車両IDを要求する要求メッセージを予め定められた周期でアンテナ104から送信する。受電装置50は、この要求メッセージを受信すると、車両IDを給電装置10へ送信する。例えば、図2に示した給電装置10上に車両5が位置すると、受電装置50は、この給電装置10から送信された要求メッセージを受信する(ステップS21)。受電装置50は、要求メッセージを受信すると、記憶している車両IDを送信し、給電装置10は、受電装置50から送信された車両IDを受信する(ステップS22)。車両IDを受信した給電装置10は、自装置を識別する給電装置IDと、受信した車両IDを総合制御装置1000へ送信し、総合制御装置1000は、この給電装置ID及び車両IDを受信する(ステップS23)。総合制御装置1000は、テーブルTB1において給電装置10から送信された車両IDに紐付けられているIDを、受信した給電装置10の給電装置IDに更新する(ステップS24)。また、総合制御装置1000は、テーブルTB5において受信した給電装置IDに対応付けられている状態情報を、「車両有り」に更新する(ステップS25)。
【0044】
車室2から車両5が移動すると、給電装置10は、要求メッセージへの応答として受電装置50から送られていた車両IDを受信しなくなる。給電装置10は、受電装置50から送られていた車両IDを受信しなくなると、給電装置IDと、車室2が開いていることを示す情報を総合制御装置1000へ送信し、総合制御装置1000は、この給電装置ID及び車室2が開いていることを示す情報を受信する(ステップS26)。この情報を受信した総合制御装置1000は、テーブルTB5において受信した給電装置IDに対応付けられている状態情報を「車両無し」に更新する(ステップS27)。
【0045】
本実施形態によれば、受電装置50と通信を行った給電装置10又は通信装置20のIDが車両IDと紐付けて記憶される。給電装置10と通信装置20の位置は固定されているため、車両IDと紐付けて記憶されている給電装置ID又は通信装置IDで特定される装置の位置を車両5の位置として特定することができる。
【0046】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0047】
総合制御装置1000は、立体駐車場の入場ゲートの通信装置20により車両IDを取得した日時と、退場ゲートの通信装置20により車両IDを取得した日時から車両5が駐車場を利用した時間を計算し、計算した時間に基づいて駐車料金を計算してもよい。また、総合制御装置1000は、給電装置10が車両IDを取得した日時から車両5が移動して給電装置10が車両IDを取得できなくなった日時までの経過時間を計算し、計算した時間に基づいて駐車料金を計算してもよい。また、総合制御装置1000は、入場ゲートで通信装置20により車両IDを取得した日時からの経過時間に基づいて駐車料金を計算し、計算した駐車料金を示す料金情報を、給電装置10を介して受電装置50へ送信してもよい。この構成においては、車両5は、受電装置50が受信した料金情報が表す料金を車両5の室内にあるディスプレイ装置で表示してもよい。また、この構成においては、移動体通信網を介して駐車料金の決済を行うアプリを車両5にインストールし、車両5は、総合制御装置1000から送信された料金情報に基づいて駐車料金の決済を行ってもよい。
【0048】
本発明においては、車両5が車室2に駐車されて車室2の給電装置10と受電装置50とが通信可能となった場合、受電装置50は、車両5の運転手のメールアドレスを給電装置10へ送信してもよい。この構成においては、総合制御装置1000は、車両5からメールアドレスを受信した給電装置10が埋設されている車室2の位置を表すマップの情報を、給電装置10が受信したメールアドレスを宛先として送信してもよい。この構成によれば、車両5の運転手は、駐車場内において車両5を駐車した車室2の位置を容易に知ることができる。
【0049】
また、上述した構成のように駐車料金を計算する構成においては、車両5から受信したメールアドレスを宛先として、計算した駐車料金を送信してもよい。また、予め定められた時間が経過する毎に駐車料金が増える構成の場合、計算した駐車料金が増える毎に、車両5から受信したメールアドレスを宛先として、計算した駐車料金を送信してもよい。
【0050】
本発明においては、車室2に駐車されている車両5の受電装置50に対し、立体駐車場のマップを表す情報と、他の車両5と通信を行った通信装置20の位置を表す情報を送信してもよい。この構成においては、車両5は、これらの情報を受電装置50が受信した場合、受信した情報が表すマップを車両5が備えるディスプレイに表示し、表示したマップにおいて、受信した情報が表す通信装置20の位置に車両のアイコンを重畳して表示してもよい。この構成によれば、車室2に駐車されている車両5の運転手は、駐車場内において走行路を走行する車両5の位置を知ることができる。
【0051】
本発明においては、入場ゲートに位置する車両5のナンバープレートを撮影するカメラを設け、総合制御装置1000は、入場ゲートの路面に埋設されている通信装置20から車両IDを受信した場合、カメラで車両5のナンバープレートを撮影し、撮影したナンバープレートの画像を、受信した車両IDと紐付けて記憶してもよい。
【0052】
上述した実施形態においては、退場ゲートにて車両5の運転手が駐車場の利用料金の精算を終えた場合、料金精算を終えた車両5の車両IDを格納しているレコードをテーブルTB1から削除してもよい。
【0053】
本発明においては、総合制御装置1000は、入場ゲートで通信装置20により車両IDを取得した場合、「車両無し」の状態情報に紐付けられている給電装置IDをテーブルTB5から取得し、取得した給電装置IDで特定される給電装置10が埋設されている車室2へ表示装置40により車両5を案内してもよい。
【0054】
受電装置50を有する車両は、自動車に限定されるものではなく、バイクであってもよい。給電装置10、通信装置20、報知装置30及び表示装置40は、平面駐車場に設置してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…車両管理システム、2…車室、3…車止め、4…柱、5…車両、10、10~10…給電装置、20、20~20…通信装置、30、30~30…報知装置、40、40~40…表示装置、50…受電装置、101…制御部、102…通信部、103…給電部、104…アンテナ、201…制御部、202…通信部、204…アンテナ、301…制御部、307…スピーカ、401…制御部、408…ディスプレイ、501…制御部、502…通信部、504…アンテナ、505…受電部、506…バッテリー、1000…総合制御装置、1001…制御部、1002…記憶部、1003…通信部。
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