(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】カープラグ用抜け止めユニットおよび電源ソケット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20220126BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
H01R13/64
B60R16/04 X
(21)【出願番号】P 2018084931
(22)【出願日】2018-04-26
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 航
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-103004(JP,A)
【文献】実開平01-130275(JP,U)
【文献】実開昭56-119275(JP,U)
【文献】特開平10-172677(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215138(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
B60R 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ソケットの開口部近傍に配置されるカープラグ用抜け止めユニットであって、
板状に形成されると共に板面に、前記電源ソケットへの挿入を予定するカープラグの外径を基準としてマイナス公差を持つ第1開口部を備えている可撓性摩擦部材と、
前記可撓性摩擦部材よりも硬質な部材により構成されると共に、前記カープラグの外径よりも大きな第2開口部を備えている一対の枠部材とを有し、
前記第1開口部と前記第2開口部の位置を合わせると共に、前記可撓性摩擦部材を前記一対の枠部材により挟持したことを特徴とするカープラグ用抜け止めユニット。
【請求項2】
前記第1開口部の円周上に、放射状の切り込みを設けたことを特徴とする請求項1に記載のカープラグ用抜け止めユニット。
【請求項3】
前記枠部材には、位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のカープラグ用抜け止めユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカープラグ用抜け止めユニットを開口部に固定したことを特徴とする電源ソケット。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカープラグ用抜け止めユニットを、筒状端子と開口部との間に配置したことを特徴とする電源ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電源出力用プラグ(カープラグ)の取り付けに関する技術であり、ソケットに差し込んだカープラグの抜け止めを図るのに好適なユニット、および電源ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の振動等に起因した電源ソケットからのカープラグの抜け落ちを防止する技術は、従来から、種々提案されてきている。例えば特許文献1に開示されている技術は、カープラグに関するものである。特許文献1に開示されているカープラグは、カープラグ本体に対して、その差し込み方向のスリットを形成すると共に、このスリットの下半部に位置する外径上に凹状の溝を形成している。スリットには、先端側にテーパを備えた爪を配置すると共に、この爪をスリットの下方側へスライド可能な構成とし、溝には、弾性部材を配置している。このような構成のカープラグによれば、カープラグを電源ソケットに差し込んだ後、爪を下方側へスライドさせることで、爪のテーパ部が溝に配置された弾性部材を外周側へ押し出し、電源ソケットの内周面との摩擦力を高め、抜け止めを図ることができる。
【0003】
一方、特許文献2に開示されている技術は、電源ソケットに関するものである。特許文献2に開示されている電源ソケットは、ソケットの挿入部の外周に雄ネジを備えると共に、この雄ネジに螺合可能なキャップを有する。キャップには、カープラグを挿通可能な貫通孔が形成され、キャップの内側には、リング状の弾性部材を配置可能な空隙が形成されている。キャップと弾性部材にカープラグを挿通させた状態でカープラグを電源ソケットに差し込み、キャップを電源ソケットの雄ネジに螺合させる。キャップを螺合させる際、空隙に配置した弾性部材を押し潰すことで、弾性部材が変形し、弾性部材の内周面がカープラグの外周面に密接して摩擦力を高め、抜け止めを図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-172677号公報
【文献】実用新案登録第3215138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2に開示されている技術によれば、それぞれ抜け止めに関して良好な効果を得ることができる。しかし、特許文献1、2に開示されている技術はいずれも、電源ソケットにカープラグを挿入した後、機構の一部を操作することで、所定の抜け止め効果を奏することができる構成とされている。このため、機構の一部を操作するためのスペースや部品が必要となるといった問題が生じる。
【0006】
例えば特許文献1に開示されているカープラグでは、カープラグを電源ソケットに挿入した後に、爪をスライドさせるためのスペースを確保する必要があり、カープラグの小型化が困難となるといった問題が生じる。
【0007】
また、特許文献2に開示されている電源ソケットでは、各電源ソケットに雄ネジと、この雄ネジに螺合するためのキャップが必要となるため、複数の電源ソケットを近接して配置することが難しくなると共に、全長の短いカープラグには対応できない場合があるといった問題が生じる。
【0008】
そこで本発明では、小型で高い抜け止め効果を発揮することのできるカープラグ用抜け止めユニット、およびこのカープラグ用抜け止めユニットを備えた電源ソケットを提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るカープラグ用抜け止めユニットは、電源ソケットの開口部近傍に配置されるカープラグ用抜け止めユニットであって、板状に形成されると共に板面に、前記電源ソケットへの挿入を予定するカープラグの外径を基準としてマイナス公差を持つ第1開口部を備えている可撓性摩擦部材と、前記可撓性摩擦部材よりも硬質な部材により構成されると共に、前記カープラグの外径よりも大きな第2開口部を備えている一対の枠部材とを有し、前記第1開口部と前記第2開口部の位置を合わせると共に、前記可撓性摩擦部材を前記一対の枠部材により挟持したことを特徴とする。
【0010】
また、上記特徴を有するカープラグ用抜け止めユニットは、前記第1開口部の円周上に、放射状の切り込みを設ける構成とすることもできる。このような特徴を有する事によれば、弾性特性が低いものや、硬いものを可撓性摩擦部材の構成材料として採用することが可能となる。また、マイナス公差を大きくすることができるため、カープラグとの接触面の摩擦力を大きくすることができ、より高い抜け止め効果を奏することができる。
【0011】
さらに、上記特徴を有するカープラグ用抜け止めユニットにおいて前記枠部材には、位置決め手段が設けられていることが望ましい。このような特徴を有する事によれば、カープラグ用抜け止めユニットを配置する際、その向きや中心位置の位置合わせを素早く行うことが可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明に係る電源ソケットは、上記いずれかのカープラグ用抜け止めユニットを開口部に固定したことを特徴とする。このような特徴を有する事によれば、汎用の電源ソケットや、既存の電源ソケットに対しても、カープラグの抜け止め効果を付帯させることができる。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明に係る電源ソケットは、上記いずれかのカープラグ用抜け止めユニットを、筒状端子と開口部との間に配置したことを特徴とするものであっても良い。このような特徴を有する事によれば、従来の電源ソケットと変わらない外観を持ちながら、カープラグの抜け止め効果を付帯させることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記のような特徴を有するカープラグ用抜け止めユニットによれば、小型で高い抜け止め効果を発揮することができる。また、上記特徴を有する電源ソケットによれば、既存、新規を問わず、高い抜け止め効果を付帯させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットの構成を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットに対してカープラグを挿入した状態を示す断面図である。
【
図4】汎用の電源ソケットに対して、実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットを固定した状態を示す側面図である。
【
図5】第2実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットの構成を示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットをケーシング内部に配置した電源ソケットの構成を示す斜視図である。
【
図7】
図6におけるA-B-C-D断面を示す図である。
【
図8】実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットの枠部材に、位置決め手段を配置した場合の例を示す斜視図である。
【
図9】開口部を2口とした電源ソケットの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のカープラグ用抜け止めユニット、および電源ソケットに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上での好適な形態の一部であり、その効果を奏する範囲において、形態の変更を行ったとしても、本発明の一部とみなすことができる。
【0017】
[カープラグ用抜け止めユニット:第1実施形態]
まず、
図1から
図3を参照して、第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットについて説明する。なお、
図1は、第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットの構成を示す斜視図であり、
図2は、同分解斜視図である。また、
図3は、第1実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットにカープラグを挿入した状態を示す断面図である。
【0018】
本実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニット(以下、単に抜け止めユニット10と称す)は、可撓性摩擦部材12と、一対の枠部材14,16とを有する。可撓性摩擦部材12は、エラストマにより構成された板状部材であり、その板面に開口部12a(第1開口部)を備えている。エラストマとしては、例えば、TP(特殊イソプレン樹脂)や、シリコンゴム、ゴム等であると良く、好適には、熱可塑性を有するエラストマ(熱可塑性エラストマ)であることが望ましい。加工性が良いからである。
【0019】
開口部12aは、電源ソケット40(
図4参照)への挿入を予定するカープラグ30(
図3参照)の外径φD0を基準として、マイナス公差を持つように構成する。このような構成とすることで、開口部12aにカープラグ30を挿入した場合に、カープラグ30の外周に付勢力が生じ、カープラグ30の外周面と開口部12aの接触面との間の摩擦力を高めることができる。よって、抜け止め効果を得ることができる。
【0020】
ここで、マイナス公差の範囲としては、直径で-1mmから-2mm程度とすることが望ましい。例えばカープラグの直径φD0が20mm程度であったとしたならば、開口部12aの直径φD1は、18mmから19mm程度とすれば良い。このような構成とすることで、開口部12aにカープラグ30を挿入した際、
図3に示すように、開口部12aの内周が挿入方向(矢印Aで示す方向)へ向けて撓むこととなる。これにより、カープラグ30を引き抜こうとした際には、接触面における摩擦力と共に、可撓性摩擦部材を撓ませる力が抵抗力となり、高い抜け止め効果を得ることができる。なお、可撓性摩擦部材の板厚は、構成材料の強度や弾性力にもよるが、概ね1mm程度とすれば良い。
【0021】
枠部材14,16は、可撓性摩擦部材12よりも硬質な材料により構成される板状部材である。枠部材14,16は、対を成して構成され、一対の枠部材14,16の間に、上述した可撓性摩擦部材12が挟持される。各枠部材14,16には、カープラグ30の外径よりも大きな直径を持つ開口部14a,16a(第2開口部)が設けられている。また、対を成す枠部材14,16の対向面にはそれぞれ、可撓性摩擦部材12の厚みの半分程度の深さを有する凹部14b,16bを備えるようにすると良い。可撓性摩擦部材12を挟持した際の厚みを抑えることができるからである。
【0022】
枠部材14,16の構成材料は、限定的なものでは無く、可撓性摩擦部材12よりも硬質という条件を満たせば、金属等によっても構成することができる。しかし、コスト、加工性、および重量等を考慮した場合には、熱可塑性樹脂により構成することが望ましい。枠部材14,16を熱可塑性樹脂により構成した場合、可撓性摩擦部材12を一対の枠部材14,16で挟持した後に加熱することで、3つの部材を溶着により強固に接着することが可能となるからである。枠部材14,16に対する熱可塑性樹脂の接着を強固なものとすることで、可撓性摩擦部材12の抜け止め効果が高い場合であっても、カープラグ30の抜き差し時に、可撓性摩擦部材12の配置にずれが生ずる虞がなくなる。
【0023】
なお、可撓性摩擦部材12と枠部材14,16とには、互いに凹凸嵌合可能な位置決め部12b,18を設ける構成としても良い。開口部12aと開口部14a,16aの中心位置を合わせる位置合わせが容易となると共に、開口部12aに摩擦力が作用した際に、可撓性摩擦部材12の位置ずれを防ぐ効果を奏することができるからである。また、一対の枠部材14,16、および可撓性摩擦部材12を溶着する事により構成された抜け止めユニット10全体の厚みは、枠部材14,16の材質や強度にもよるが、概ね可撓性摩擦部材12の厚みの3倍程度とすれば良い。枠部材14,16は、可撓性摩擦部材12よりも硬質な材料により構成されるため、全体としてこの程度の厚みを有するものであれば、十分な強度を得ることができるからである。
【0024】
[作用・効果]
このような構成の抜け止めユニット10は、
図4に示すように、電源ソケット40の開口部42に固定するだけで、既存の電源ソケット40に高い抜け止め効果を発揮させることが可能となる。なお、電源ソケット40の開口部42に対する抜け止めユニット10の固定は、接着剤や両面テープなどによる接着とすれば良い。
【0025】
本実施形態に係る抜け止めユニット10は、電源ソケット40との接触面を硬質な枠部材14,16により構成している。このため、接着剤や両面テープによる固定が困難な軟質材量(例えばシリコンゴム等)と異なり、接着剤や両面テープによっても良好な接着力を得ることができる。
【0026】
このように、本実施形態に係る抜け止めユニット10によれば、抜け止め効果を奏するために機械的操作が必要な機構を持たないため、小型薄型化を実現することができる。また、実施形態に係る抜け止めユニット10を電源ソケット40に固定することで、高い抜け止め効果を発揮することが可能となる。また、可撓性摩擦部材12がカープラグ30の外周に密接することにより、電源ソケット40の内部にゴミや埃が侵入することを防ぐことができる。
【0027】
[カープラグ用抜け止めユニット:第2実施形態]
次に、
図5を参照して、第2実施形態に係るカープラグ用抜け止めユニットについて説明する。なお、本実施形態に係る抜け止めユニット10Aの殆どの構成は、上述した第1実施形態に係る抜け止めユニット10と同様である。よって、その構成を同一とする箇所には、図面に同一符号を附して詳細な説明を省略することとする。
【0028】
本実施形態に係る抜け止めユニット10Aと、第1実施形態に係る抜け止めユニット10との相違点は、可撓性摩擦部材12における開口部12aの構造にある。具体的には、第1実施形態に係る抜け止めユニット10の開口部12aは、単純な円形としていた。これに対し、本実施形態に係る抜け止めユニット10Aの開口部12aは、その円周に沿って複数の切り込み12cを備えている。開口部12aの円周に備えられている切り込み12cは、開口部12aの中心を基点として放射状となるように形成されている。
【0029】
このような構成を有する事によれば、可撓性摩擦部材12を構成する材料が、弾性特性の小さな物質であっても適用することが可能となる。また、マイナス公差を大きくし、抜け止め効果を高めることも可能となる。なお、その他の構成、作用、効果については、上述した第1実施形態に係る抜け止めユニットと同様である。
【0030】
[電源ソケット]
次に、上記のような構成の抜け止めユニットを備えた電源ソケットについて、
図6、
図7を参照して説明する。なお、
図6は、実施形態に係る電源ソケットの構成を示す斜視図であり、
図7は、
図6におけるABCD断面を示す図である。
【0031】
本実施形態に係る電源ソケット40は、ケーシング44と、筒状端子46、および底部端子48を基本として構成されている。ケーシング44は、筒状端子46と底部端子48の位置決めと共に、電源ソケット40の外径形状を定める外殻である。ケーシング44には、カープラグ30の挿入位置に、カープラグ30の直径よりも大きな径を持つ開口部42が備えられている。
【0032】
筒状端子46は、マイナス側(アース)電極の端子を担う要素であり、カープラグ30の側面端子32と接触する。筒状端子46は、ケーシング44において、開口部42の近傍に、筒の中心が開口部42の中心と一致するように配置されている。
【0033】
底部端子48は、プラス側電極の端子を担う要素である。底部端子48は、ほぼ平板状に形成されており、その板面が開口部42の開口面と並行となるように、ケーシング44に配置されている。ケーシング44に対する配置位置は、筒状端子46を介して、開口部42と対向する位置に配置され、カープラグ30の先端端子34が接触可能に配置されている。
【0034】
このような基本構成を有する電源ソケット40において、抜け止めユニット10A(
図6、
図7においては、抜け止めユニット10Aを示しているが、抜け止めユニット10であっても良い)は、開口部42と筒状端子46との間に配置されている。よって、配置位置対応箇所には、ケーシング44に、位置決め用のガイド44aが形成されている。ガイド44aに沿って抜け止めユニット10A(10)を配置し、位置決めを成すことで、ケーシング44における開口部42の中心位置と、可撓性摩擦部材12の開口部12aの中心位置とを一致させることができる。
【0035】
ここで、電源ソケット40に配置する抜け止めユニット10A(10)には、
図8に示すように、枠部材14,16に、位置決め手段20を設けるようにすると良い。位置決め手段20としては、枠部材14,16の外周の一部に凸状の突起部を形成するというものであれば良い。位置決め手段20を備える事により、抜け止めユニット10A(10)を配置する際の向きの確認や位置決めを容易に行うことが可能となる。
【0036】
このような構成とすることで、抜け止めユニット10A(10)をケーシング44内に収めることができる。上述したように、抜け止めユニット10A(10)は、小型、薄型化が可能であるため、ケーシング44自体が極端に大型化することも無い。また、実施形態に係る抜け止めユニット10A(10)は、その効果を発揮するための機構の一部を動作させる必要も無い。よって、ケーシング44の内部に収容することができる。
【0037】
[作用・効果]
このような特徴を有する電源ソケット40によれば、電源ソケット40の外観形態を殆ど変える事なく、高い抜け止め効果を得ることが可能となる。
【0038】
[変形例]
上述した電源ソケット40は、カープラグ30を挿入可能な開口部42を1つとした、いわゆる1つ口の電源ソケットである。しかしながら、本実施形態に係る電源ソケット40は、
図9に示すように開口部42を2つとした2つ口の電源ソケットにも対応させることができる。
【0039】
ケーシング44に設ける開口部42の数を増やした場合であっても、
図9に示すように、各開口部42と筒状端子46との間に、抜け止めユニット10A(10)を配置することで、上記実施形態に係る電源ソケット40と同様な効果を奏することが可能となる。
【0040】
なお、各開口部42と筒状端子46との間にそれぞれ個別に抜け止めユニット10A(10)を配置する構成とすることで、1種類の抜け止めユニット10A(10)により、開口部42の数の異なる電源ソケット40に対応させることができるようになるが、それぞれ開口部数に合わせた外形を有する抜け止めユニットを構成するようにしても良い。いずれの構成であっても、同様な効果を得ることができるからである。
【符号の説明】
【0041】
10,10A………抜け止めユニット、12………可撓性摩擦部材、12a………開口部、12b………位置決め部、12c………切り込み、14………枠部材、14a………開口部、14b………凹部、16………枠部材、16a………開口部、16b………凹部、18………位置決め部、20………位置決め手段、30………カープラグ、32………側面端子、34………先端端子、40………電源ソケット、42………開口部、44………ケーシング、44a………ガイド、46………筒状端子、48………底部端子。