(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】シングルプレックス又はマルチプレックスアッセイにおいてヒトパルボウイルス核酸を検出及びA型肝炎ウイルス核酸を検出するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6876 20180101AFI20220126BHJP
C12N 15/51 20060101ALI20220126BHJP
C12Q 1/70 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
C12Q1/6876 Z ZNA
C12N15/51
C12Q1/70
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019176745
(22)【出願日】2019-09-27
(62)【分割の表示】P 2017194404の分割
【原出願日】2012-07-13
【審査請求日】2019-09-27
(32)【優先日】2011-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クイ ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エム. リネン
(72)【発明者】
【氏名】カート クラフト ノートン
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア シー. ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ダット ド
(72)【発明者】
【氏名】タン エヌ. レ
【審査官】小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-506392(JP,A)
【文献】国際公開第2009/131728(WO,A2)
【文献】国際公開第2006/031608(WO,A2)
【文献】独国特許発明第102006034844(DE,B3)
【文献】Vox Sanguinis,2010年,vol.99(suppl.1),pp.511-512, P-1147
【文献】Vox Sanguinis,2010年,vol.99(suppl.1),pp.321-322, P-0623
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
PubMed
MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸を検出するための方法であって、該方法は、以下:
(A)試料を、HAV核酸標的領域を増幅するためのオリゴマー組み合わせに接触させる工程であって、該オリゴマー組み合わせは、
(a)配列番号
11からなる第1標的ハイブリダイズ配列
からなる、第1 HAV増幅オリゴマー、及び
(b)配列番号
35からなる第2標的ハイブリダイズ配列
からなる、第2 HAV増幅オリゴマー
を含む、工程と;
(B)該試料中に存在する任意HAV標的核酸が、HAV増幅産物を生成するためのテンプレートとして使用される、増幅反応を実施する工程と;
(C)該HAV増幅産物の存在又は不在を検出することにより、該試料中のHAVの存在又は不在を示す工程と
を包含する、方法。
【請求項2】
工程(A)の前に、前記試料中の他の構成成分から前記HAV標的核酸を精製する工程を更に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記精製する工程が、前記試料を、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーに接触させる工程を含み、ここで該標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群より選択される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーが、配列番号46~51からなる群より選択される配列を有する、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出工程(C)が、前記HAV増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、前記増幅反応物を、該HAV増幅産物に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されているHAV特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、前記試料中のHAVの存在又は不在を示す工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記HAV特異的検出プローブオリゴマーは、長さ14~40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号198内のヌクレオチド位置5965~6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号178の配列に包含されている、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号58~74からなる群より選択される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記HAV特異的検出プローブオリゴマーが、
(a)化学発光標識;
(b)蛍光標識;
(c)消光剤;並びに
(d)(a)、(b)及び(c)のうち2つ以上の組み合わせ
からなる群より選択される標識を含む、請求項
5~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記検出工程(C)が、前記増幅工程(B)中に起こる、請求項
5~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記HAV特異的検出プローブオリゴマーが、蛍光標識及び消光剤を含む、請求項
5~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記試料が、一個人患者からのものである、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記試料が、少なくとも2人の個人患者からのプールされた試料である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記プールされた試料が、プールされた血漿試料である、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条に基づき、米国特許出願第61/508,597号(2011年7月15日出願)に対する優先権を主張し、この内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ヒト感染因子を検出するための診断方法及び組成物に関するものであり、具体的には、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2、及び3並びに/又はA型肝炎ウイルスの核酸をインビトロで検出するための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
凝固因子、免疫グロブリン(IVIG)、及びアルブミンを含む数多くの治療用タンパク質が、Grifols、Baxter、及びCSLなどの企業によりヒト血漿から精製されている。パルボウイルスB19及びHAVは非エンベロープウイルスであるので、この精製(分画)プロセス中の不活性化処置に対して抵抗性となるため、これらのウイルスについて試験を行うことが重要である。血漿分画中に存在することが許されるB19のレベルは比較的低い(現在の規制では、製造プール中に10,000IU未満であることが必要であり、これは4,000~5,000人分の血漿単位を含み得る)。血漿分画業者は、大きな製造プールにしてからB19で汚染されていることを見出すリスクをとるよりも、典型的には、より小さなプールでスクリーニングを行って、高力価のB19を含む個々の血漿単位を特定している。現在、HAVに関する規制はないが、この試験を行うことが業界標準になっているため、一般的に実施されている。
【0004】
ヒトパルボウイルス(エリスロウイルス属)は血液媒介の非エンベロープウイルスであり、約5.5kbの一本鎖DNA(ssDNA)ゲノムを有する(非特許文献1(Shadeら、1986,J.Virol.58(3):921~936)、非特許文献2(Brownら、1997,Ann.Rev.Med.48:59~67))。個々のウイルス粒子は、ゲノムのプラス鎖又はマイナス鎖のいずれかの複製1つを含有し、ほぼ等しい数を呈する。ssDNAゲノムは、約350ntの5’及び3’ヘアピンを形成する逆方向末端反復を有し、これはウイルス複製に必須である。このゲノムには、プラス鎖上に2つのオープンリーディングフレームが含まれ、これらは、構造タンパク質(VP1及びVP2)と非構造タンパク質(NS1)のためのコード化を行っている。
【0005】
以前は、ヒトパルボウイルスは、遺伝的多様性が2%未満で保全率が高いと考えられていた。しかし最近では、ヒトエリスロウイルス分離株(当初V9と呼ばれた)が、B19に比べて、11%を超えるゲノム配列多様性を有しており、20%超の最も大きなDNA相違がp6プロモータ領域内に観察されることが見出されている。V9分離株はまた、11%を超える臨床的保有率があると判定された。現在、ヒトエリスロウイルス群は、遺伝子型1(B19)、遺伝子型2(A6型及びLaLi型)、並びに遺伝子型3(V9型)の3つの異なるウイルス遺伝子型に分けられている。(非特許文献3(Servantら、2002,J.Virol.76(18):9124~34)、非特許文献4(Ekmanら、2007,J.Virol.81(13):6927~35))。Servantらは、遺伝子型1をパルボウイルスB19に対応するウイルスとして、及び遺伝子型2と3をパルボウイルスV9関連に対応するウイルスとして示している。Ekmanらは、遺伝子型1~3全てがパルボウイルスB19に対応するものとして示している。本明細書においては、便宜上、遺伝子型1、2及び3を、パルボウイルス遺伝子型1、2及び3、又はヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3と称する。核酸検出アッセイは、全てのパルボウイルス遺伝子型を正確に検出しないため、多くの血漿プールがヒトパルボウイルスで汚染された状態が生じている。よって、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3を検出する核酸試験のニーズが存在する。
【0006】
ヒトパルボウイルスの感染は、呼吸器を介した伝染、又は感染した血液又は血液製剤を通じて起こり得る。感染した個人は、無症状であることがあり、又は伝染性紅斑症状を有することがあり、これには、軽い流感様症状、発疹(「りんご病」)、一過性の関節炎様関節痛(関節障害)、溶血性貧血患者における骨髄無形性クリーゼ、持続的なパルボウイルス感染状態、並びに約10%の、胎児死亡による早期妊娠の中絶が挙げられる。よって、プールされた血漿試料中のパルボウイルス検出、又は感染診断のためのパルボウイルス検出に失敗すると、重大な結果を招く。
【0007】
更に、感染の初期、あるいは希釈され若しくはプールされた試料中に生じ得るような、低力価のウイルスを検出することができる検出感度を提供する検出アッセイのニーズが存在する。適切な汚染レベルを検出できるパルボウイルス核酸検出アッセイは、感染した輸血単位を血液供給から除去し、又はプールされた血漿の汚染ロットを使用前に除去するのに役立ち得る。
【0008】
多くの免疫診断手法は、個人の血清又は血漿中に存在する抗パルボウイルス抗体(IgM又はIgG)を検出する(例えば、PCT国際特許公開第WO 96/09391号(Wolfら)及び同第WO 96/27799号(Hedmanら)を参照)。これらの方法は、感染因子に対する身体の反応を検出することに依存しているため、最近又は現行の感染を検出するには限界がある。感染後にウイルス血症状態が急速に上昇すると、抗パルボウイルス抗体が検出可能なレベルに達することなく、個人の血中パルボウイルスが高レベルになる(例えば、米国特許第7,094,541号(Brentanoら)の実施例4を参照)。よって、免疫学的検出アッセイは、偽陰性結果が生じやすい。更に、ウイルス血症は急速に解消されることが多いが、この感染性粒子が存在しない状態で、その個人が抗体陽性のままである場合があり、これにより偽陽性結果がもたらされる。成人の90%もがパルボウイルス血清陽性であり、最近又は現行の感染の免疫学的検出を正確に行うことは困難である。他の同様のアッセイは、精製細胞受容体に結合したウイルス又は空のウイルスキャプシドを検出することによってパルボウイルスの存在を検出するものであり(米国特許第5,449,608号(Youngら))、これらの免疫学的アッセイには、同様の問題が生じる。
【0009】
ヒトパルボウイルスを検出するには、DNAハイブリダイゼーション及び増幅手法も使用されているが、これらの試験は一般に、遺伝子型1のみを検出することを目的としている。一方、米国及び欧州の規制機関は、抗D免疫グロブリン及びその他の血漿誘導体製造に使用される血漿プールは、含まれ得るヒトパルボウイルスが10,000IU/mL(欧州では10IU/μL)以下と指定する基準を公布している。上述のように、治療用血漿プール及び診断試験は、ヒトパルボウイルス型1、2及び3を同じように高信頼性で特定する必要がある。よって、当該技術分野において、ヒトパルボウイルス型1、2及び3のインビトロ核酸検出に有用な組成物、キット及び方法のニーズが存在する。
【0010】
A型肝炎ウイルス(HAV)は、2ヶ月未満にわたって発熱、疲労、吐き気、腹痛、下痢、食欲不振、及び黄疸を含む症状が生じ得る、肝炎の一形態の原因因子である。HAVに感染した者のうち約10%~15%が、感染から6~9ヶ月にわたって長期又は再発性の症状を有する。HAVに対する免疫は、人体による抗HAV免疫グロブリンG(IgG)の生成によるものであり、症候性感染と無症候性感染のいずれの後にも生じる。
【0011】
HAVの予防接種が1990年代後半から広く使用されてきたことから、世界の多くの地域でHAV感染の発生率は劇的に減少したが、HAV感染の流行(人口10万人当たり700症例超、A型肝炎の高率発生地域に住む小児についてはこの率は10万人当たり20症例超に増加)は、衛生条件が悪い地域(例えば地震後などで一時的な場合も含む)の非免疫人口に起こり得る。伝染は、HAV汚染された血清又は血液製剤に接触することによっても起こり得る。米国においても、A型肝炎による急性肝不全により毎年約100人が死亡している(死亡率は約0.015%)。致死的でないA型肝炎の症例であっても、HAV感染にはかなりの費用が伴い、これには、患者の入院、外来診療、及び勤務日数の損失によるものが含まれる。
HAVは27nmのRNAウイルス(ピコルナウイルス)であり、約7.5kbのプラスセンス一本鎖RNAゲノムを含む。ウイルスは肝臓内で複製され、感染の急性段階に、胆汁中に放出され、糞便中に排泄される(例えば、1mL中にウイルスが最高108個)。潜伏期は通常、症状が現われるまでに2~6週間である。世界で、単一のHAVの血清型が見出されている。A型肝炎の診断は、症状又はその他の臨床的特徴(例えば血清アミノトランスフェラーゼ値の上昇)によって他のタイプのウイルス性肝炎と区別することはできない。典型的に、A型肝炎の診断は、抗HAV免疫グロブリン(Ig)の存在について陽性結果を示す血清学的試験によって確認される。抗HAV IgMは通常、症状発症前の5~10日間存在し、多くの患者において6ヶ月後には検出不能になるが、抗HAV
IgGは感染期間の初期に現われ、その患者の生涯にわたって検出可能なままである。HAV RNAは、感染の急性期に、多くの患者の血液中及び糞便中において、核酸試験手法(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅)によって検出可能であり、核酸シーケンシングを用いて、コミュニティ規模の感染後にHAVの遺伝的関連性が特定されてきた(非特許文献5(Datoら、Morbidity Mortality Wkly.Rpt.,2003,52(47):1155~57)、非特許文献6(LaPorteら、Morbidity Mortality Wkly.Rpt.,2003,52(24):565~67))。しかしながら、これらの方法は通常、診断目的には使用されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【文献】Shadeら、1986,J.Virol.58(3):921~936
【文献】Brownら、1997,Ann.Rev.Med.48:59~67
【文献】Servantら、2002,J.Virol.76(18):9124~34
【文献】Ekmanら、2007,J.Virol.81(13):6927~35
【文献】Datoら、Morbidity Mortality Wkly.Rpt.,2003,52(47):1155~57
【文献】LaPorteら、Morbidity Mortality Wkly.Rpt.,2003,52(24):565~67
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
よって、生物学的試料及び環境試料中のHAVの存在を正確に検出するニーズが存在する。また、医学的治療(例えば輸血のための血液又は血清、あるいはヒト血液又は血清に由来する因子)に使用され得る製品中のHAV汚染の存在を検出するニーズも存在する。また、汚染された物質を摂取することにより生じるコミュニティ規模の大発生や流行を防ぐため、汚染された可能性のある物質(例えば水又は食品)中のHAVの存在を検出するニーズも存在する。
【0014】
本明細書に開示されている本発明は、HAV核酸(HAV RNA又はこれらに由来する配列(例えばcDNA))の存在を検出するための核酸試験方法に使用されるオリゴヌクレオチド配列を説明することにより、これらのニーズに応える。本出願は更に、試料中に存在するHAV RNAの存在を検出する核酸試験方法も説明する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、A型肝炎ウイルス及び/又はヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3を検出するための組成物、キット及び方法に関する。これらの組成物、キット及び方法は、A型肝炎ウイルス及び/又はヒトパルボウイルス核酸の標的配列を増幅するよう構成されており、かつ、A型肝炎ウイルス及び/又はヒトパルボウイルスの核酸又は増幅された核酸の標的配列を検出するよう構成されている。特定の実施形態及び態様において、A型肝炎ウイルスの標的配列内の特定の領域、及びヒトパルボウイルス内の特定の領域が、試料の核酸増幅反応の好ましい標的として特定されており、この試料には、感染者由来の生物学的検体(例えば血漿試料)が含まれる。これらの領域を標的とする増幅オリゴマー又は検出オリゴマーは、共通のコア配列を共有することがあり、これにより、複数の特に好ましい増幅オリゴマー又は検出オリゴマーを提供することができる。そのような特に好ましい増幅オリゴマーを用いて生成された増幅産物は、試料中のヒトパルボウイルス又はHAVの特異的検出に有用な標的特異的配列を含む。増幅産物の検出には様々な方法のいずれかが含まれ得、これには、プローブによる検出、ハイブリダイゼーションプロテクションアッセイ、分子トーチ、分子ビーコン又は分子スイッチによるアッセイ、質量分析法、MALDI-TOF質量分析法、ESI-TOF質量分析法、リアルタイム検出アッセイ、ゲル電気泳動、SDS-PAGE電気泳動、サンガー法シーケンシング、次世代シーケンシング、及び類似の方法が挙げられるが、これらに限定されない。標的配列のこれらの好ましい領域は、特異性、感度、又は検出速度、及び高感度での検出に関して、改善をもたらす。これらの増幅及び/又は検出オリゴマーを使用するこの方法には、ヒトパルボウイルスゲノム又はHAVゲノム内の標的配列を増幅する工程と、その増幅産物を検出する工程とが含まれる。検出オリゴマーは、増幅産物を検出するのに使用されるのが好ましい。
【0016】
一実施形態は、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するためのオリゴマー組み合わせであり、このオリゴマー組み合わせは、(I)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第1及び第2増幅オリゴマーであって、ここで(a)第1パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第1及び第2増幅オリゴマー、並びに/又は(II)HAV核酸標的領域を増幅するための第1及び第2増幅オリゴマーであって、ここで(a)第1 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第2 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第1及び第2増幅オリゴマーを含む。
【0017】
一態様において、このオリゴマー組み合わせは、(I)の第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーを含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号179の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号183又は配列番号117の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号184の配列に包含される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号81~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号82~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号186の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号108~113からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号191の配列に包含される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号190の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号118~121からなる群から選択される。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する。
【0018】
一態様において、上記のオリゴマー組み合わせは、(III)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーを更に含み、ここで、(a)第3パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号179、配列番号117、又は配列番号180の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第4標的ハイブリダイズ配列を含み、ここで、(III)(a)の第3標的ハイブリダイズ配列は、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なり、(III)(b)の第4標的ハイブリダイズ配列は、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なる。
【0019】
一態様において、第3パルボウイルス増幅オリゴマーは上述の通りであり、第1パルボウイルス増幅オリゴマーは以下に示す通りである:(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号179の配列を含み、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号117又は配列番号183の配列を含み、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有し、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号184の配列に包含され、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号81~84からなる群から選択され、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含み、又は(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号82~84からなる群から選択される。
【0020】
一態様において、第4パルボウイルス増幅オリゴマーは上述の通りであり、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは以下に示す通りである:(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含み、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号186の配列を含み、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号108~113からなる群から選択され、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号191の配列に包含され、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号190の配列を含み、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号118~121からなる群から選択され、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含み、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、T7プロモーター配列であるプロモーター配列を更に含み、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有し、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する。
【0021】
一実施形態において、本明細書に記述されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する。
【0022】
一実施形態において、本明細書に記述されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、第1又は第2パルボウイルス増幅オリゴマーより上流のパルボウイルス標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む。一態様において、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する。
【0023】
一実施形態において、本明細書に記述されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーを更に含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~2966、又はヌクレオチド位置約2921~3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号194又は195の配列に包含されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号137~169からなる群から選択される。一態様において、このオリゴマー組み合わせは、第1又は第2パルボウイルス増幅オリゴマーより上流のパルボウイルス標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む。一態様において、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する。
【0024】
一実施形態において、このオリゴマー組み合わせは、(II)の第1及び第2 HAV増幅オリゴマーを更に含む、上述のいずれかのパルボウイルスオリゴマー組み合わせである。一態様において、(II)(a)の第1標的ハイブリダイズ配列は、配列番号172の配列に包含される。一態様において、(II)(a)の第1標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号170の配列を含む。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6及び11からなる群から選択される。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号171の配列を含む。一態様において(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6からなる群から選択される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号176の配列に包含される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号29~38及び45からなる群から選択される。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する。
【0025】
一実施形態において、このオリゴマーの組み合わせは、上述のパルボウイルスオリゴマー組み合わせ及びHAVオリゴマー組み合わせのいずれかであり、(IV)HAV核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーを更に含み、ここで、(a)第3 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第4 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第4標的ハイブリダイズ配列を含み、ここで、(IV)(a)の第3標的ハイブリダイズ配列は、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なり、(IV)(b)の第4標的ハイブリダイズ配列は、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なる。一態様において、第3 HAV増幅オリゴマーは、第1 HAV増幅オリゴマーについて請求項30~34のいずれか一項に示されているオリゴマーである。一態様において、第4 HAV増幅オリゴマーは、第2 HAV増幅オリゴマーについて請求項35~40に示されているオリゴマーである。
【0026】
一実施形態において、本明細書に記載されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される。一態様において、HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する。
【0027】
一実施形態において、本明細書に記載されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、第1又は第2 HAV増幅オリゴマーより上流のHAV標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む。一態様において、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される。一態様において、HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する。
【0028】
一実施形態において、本明細書に記載されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせが提供され、このオリゴマー組み合わせは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的HAV特異的検出プローブオリゴマー(parvovirus-specific HAV-specific detection probe oligomer)を更に含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約596
5~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号178の配列に包含されている。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号58~74からなる群から選択される。一態様において、本明細書に記載されている増幅オリゴマーのいずれかから構成されるオリゴマー組み合わせは、第1又は第2 HAV増幅オリゴマーより上流のHAV標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む。一態様において、このオリゴマー組み合わせは、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される。
【0029】
一実施形態は、本明細書に記載されているオリゴマー組み合わせのいずれかを含むキットである。一実施形態は、本明細書に記載されているオリゴマー組み合わせのいずれかを含む反応混合物である。一実施形態は、本明細書に記載されている少なくとも1つの増幅オリゴマーを用いたA型肝炎ウイルス増幅のためのシングルプレックス増幅アッセイである。一態様において、このA型肝炎ウイルスシングルプレックス増幅アッセイは、本明細書に記載されている少なくとも1つの検出プローブオリゴマーを用いたA型肝炎ウイルスの増幅及び検出のためのものである。一実施形態は、本明細書に記載されている少なくとも1つの増幅オリゴマーを用いたパルボウイルス増幅のためのシングルプレックス増幅アッセイである。一態様において、このパルボウイルスシングルプレックス増幅アッセイは、本明細書に記載されている少なくとも1つの検出プローブオリゴマーを用いたパルボウイルスの増幅及び検出のためのものである。一実施形態は、本明細書に記載されている少なくとも1つの増幅オリゴマーを用いたA型肝炎ウイルス及びパルボウイルス増幅のためのマルチプレックス増幅アッセイである。一態様において、このA型肝炎ウイルス及びパルボウイルスマルチプレックス増幅アッセイは、本明細書に記載されている少なくとも1つの検出プローブオリゴマーを用いたA型肝炎ウイルス及びパルボウイルスの増幅及び検出のためのものである。
【0030】
一実施形態は、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法であり、この方法は、(A)ヒトパルボウイルスとHAVのうち少なくとも1つを含むことが疑われる試料を提供する工程と、(B)該試料を、ヒトパルボウイルス核酸標的領域及びHAV核酸標的領域のうち少なくとも1つを増幅するためのオリゴマー組み合わせに接触させる工程であって、このオリゴマー組み合わせは、(I)パルボウイルス標的領域について、(a)配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含む、第1パルボウイルス増幅オリゴマーと、(b)(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第2パルボウイルス増幅オリゴマーと、並びに/又は(II)HAV標的領域について、(a)配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含む、第1 HAV増幅オリゴマーと、(b)配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第2 HAV増幅オリゴマーと、を含む、工程と、(C)試料中に存在する任意のパルボウイルス及び/又はHAVの標的核酸が、パルボウイルス及び/又はHAV増幅産物を生成するためのテンプレートとして使用される、インビトロ核酸増幅反応を実施する工程と、(D)パルボウイルス及び/又はHAV増幅産物の存在又は不在を検出することにより、該試料中のパルボウイルス及び/又はHAVの存在又は不在を示す工程と、を含む。
【0031】
一態様において、この方法はヒトパルボウイルス標的核酸を検出するためのものであり、試料が(I)の第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーに接触する。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号179の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号117又は配列番号183の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号184の配列に包含される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75、76、77及び81~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号82~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号186の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号108~113からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号191の配列に包含される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号190の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号118~121からなる群から選択される。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する。
【0032】
一実施形態において、工程(B)は、試料を、(III)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーに接触させる工程を更に含み、ここで、(a)該第3パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第4標的ハイブリダイズ配列を含み、ここで、(III)(a)の該第3標的ハイブリダイズ配列は、(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なり、(III)(b)の第4標的ハイブリダイズ配列は、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なる。一態様において、第3パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号182の配列に包含されるオリゴマーであり、少なくとも配列番号179の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号117又は配列番号183の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号184の配列に包含される。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~77及び81~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第3パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号82~84からなる群から選択される。一態様において、第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号187の配列に包含され、少なくとも配列番号188の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第4パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号186の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第4パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号108~113からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第4パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号191の配列に包含される。一態様において、(I)(b)の第4パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号190の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第4パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号118~121からなる群から選択される。一態様において、第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する。
【0033】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、工程(B)の前に、試料中の他の構成成分からパルボウイルス標的核酸を精製する工程を更に含む。一態様において、この精製工程は、この試料を、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーに接触させる工程を含み、ここでこの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する。
【0034】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、工程(B)は、この試料を、第1又は第2パルボウイルス増幅オリゴマーより上流のパルボウイルス標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーに接触させる工程を更に含む。
【0035】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、検出工程(D)は、パルボウイルス増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、該インビトロ核酸増幅反応物を、パルボウイルス増幅産物に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されているパルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、該試料中のパルボウイルスの存在又は不在を示す工程を含む。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~約2966、又はヌクレオチド位置約2921~約3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号194又は195の配列に包含されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号137~169からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、(a)化学発光標識、(b)蛍光標識、(c)消光剤、並びに(d)(a)、(b)及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む。
【0036】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、その試料を、第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーを用いてインビトロ核酸増幅反応において増幅され得る擬似標的オリゴマーに接触させて、検出反応条件下でパルボウイルス特異的検出プローブに対して特異的にハイブリダイズしない第2増幅産物を生成する工程を更に含む。
【0037】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、その試料を、パルボウイルス増幅産物に対してハイブリダイゼーションするためのパルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーと競合するコールドプローブオリゴマーに接触させる工程を更に含む。
【0038】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、その試料を、第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーの両方に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されたチューナーオリゴマーに接触させる工程を更に含む。
【0039】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、検出工程(D)は、増幅工程(C)中に起こる。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、蛍光標識、消光剤、又はその両方を含む。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、TaqMan検出プローブ又は分子ビーコンである。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、(a)化学発光標識、(b)蛍光標識、(c)消光剤、並びに(d)(a)、(b)及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、非標的ハイブリダイズ配列を更に含む。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブは、ヘアピン検出プローブである。一態様において、このヘアピン検出プローブは、分子ビーコン又は分子トーチである。
【0040】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、工程(C)での増幅反応は、等温増幅反応である。一態様において、この増幅反応は、リアルタイム増幅反応である。
【0041】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、工程(C)での増幅反応は、PCR増幅反応である。一態様において、この増幅反応は、リアルタイム増幅反応である。
【0042】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、この方法は、HAV標的拡散を検出するためのものであり、試料は、(II)の第1及び第2 HAV増幅オリゴマーに接触する。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号172の配列に包含される。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号170の配列を含む。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6及び11からなる群から選択される。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号171の配列を含む。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6からなる群から選択される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号176の配列に包含される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号29~38及び45からなる群から選択される。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、プロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する。
【0043】
一実施形態において、工程(B)は、試料を、(IV)HAV核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーに接触させる工程を更に含み、ここで、(a)第3 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第4 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第4標的ハイブリダイズ配列を含み、ここで、(IV)(a)の第3標的ハイブリダイズ配列は、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なり、(IV)(b)の第4標的ハイブリダイズ配列は、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なる。一態様において、第3 HAV増幅オリゴマーは、第1 HAV増幅オリゴマーについて請求項96~100のいずれか一項に示されているオリゴマーである。一態様において、第4 HAV増幅オリゴマーは、第2 HAV増幅オリゴマーについて請求項101~106に示されているオリゴマーである。
【0044】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、工程(B)の前に、試料中の他の構成成分からHAV標的拡散を精製する工程を更に含む。一態様において、この精製工程は、試料を、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーに接触させる工程を含み、ここで標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される。一態様において、HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーは、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する。
【0045】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、増幅工程で、第1又は第2 HAV増幅オリゴマーより上流のHAV標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを使用して、この試料を接触させる工程を更に含む。
【0046】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、検出工程(D)は、HAV増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、インビトロ核酸増幅反応物を、HAV増幅産物に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されているHAV特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、試料中のHAVの存在又は不在を示す工程を含む。一態様において、HAV特異的検出プローブオリゴマーは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約5965~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号178の配列に包含されている。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号58~74からなる群から選択される。一態様において、HAV特異的検出プローブは、(a)化学発光標識、(b)蛍光標識、(c)消光剤、並びに(d)(a)、(b)及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む。
【0047】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、試料を、第1及び第2 HAV増幅オリゴマーを用いてインビトロ核酸増幅反応において増幅され得る擬似標的オリゴマーに接触させて、検出反応条件下でHAV特異的検出プローブに対して特異的にハイブリダイズしない第2増幅産物を生成する工程を更に含む。
【0048】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、試料を、HAV増幅産物に対してハイブリダイゼーションするためのHAV特異的検出プローブオリゴマーと競合するコールドプローブオリゴマーに接触させる工程を更に含む。
【0049】
一実施形態において、試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法は、試料を、第1及び第2 HAV増幅オリゴマー両方に特異的にハイブリダイズするよう構成されたチューナーオリゴマーに接触させる工程を更に含む。
【0050】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、検出工程(D)は、増幅工程(C)中に起こる。一態様において、HAV特異的検出プローブは、蛍光標識、消光剤、又はその両方を含む。一態様において、HAV特異的検出プローブは、TaqMan検出プローブ又は分子ビーコンである。一態様において、HAV特異的検出プローブは、(a)化学発光標識、(b)蛍光標識、(c)消光剤、並びに(d)(a)、(b)及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む。一態様において、HAV特異的検出プローブは、非標的ハイブリダイズ配列を更に含む。一態様において、HAV特異的検出プローブは、ヘアピン検出プローブである。一態様において、このヘアピン検出プローブは、分子ビーコン又は分子トーチである。
【0051】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、工程(C)での増幅反応は、等温増幅反応である。
【0052】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、工程(C)での増幅反応は、PCR増幅反応である。
【0053】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、増幅反応は、リアルタイム増幅反応である。
【0054】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、試料は、一個人患者からのものである。一態様において、試料はプールされている。一態様において、プールされた試料は、プールされた血漿試料である。一態様において、試料は、治療用化合物に由来する血漿試料である。一態様において、この試料は、ヒトトロンビン、ヒト抗体若しくはその一部分、ヒトタンパク質、ヒトサイトカイン受容体、ヒトサイトカインリガンド、又は他の血漿由来化合物である化合物を抽出するための血漿試料である。
【0055】
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法の一実施形態において、この方法は、ヒトパルボウイルス標的核酸とHAV標的核酸の両方を検出するためのものであり、検出工程(D)は、パルボウイルス増幅産物及びHAV増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、インビトロ核酸増幅反応物を、パルボウイルス増幅産物とHAV増幅産物に対してそれぞれ特異的にハイブリダイズするよう構成されている、パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーとHAV特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、試料中のパルボウイルス及びHAVの存在又は不在を示す工程を含む。一態様において、パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーは、区別されて標識される。パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーのそれぞれが標識を含む一実施形態において、この標識は、独立して(a)化学発光標識及び(b)蛍光標識からなる群から選択される。一態様において、パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーはそれぞれ、化学発光標識を含む。一態様において、パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーの化学発光標識は、パルボウイルス特異的化学発光信号とHAV特異的化学発光信号との間を区別するのに十分な、異なる発光キネティクスによって特徴付けられる。一態様において、パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーの化学発光標識はそれぞれ、アクリジニウムエステル(AE)を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号117又は配列番号179の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号183の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号184の配列に包含される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号81~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む。一態様において、(I)(a)の第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号82~84からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号186の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号108~113からなる群から選択される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号191の配列に包含される。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号190の配列を含む。一態様において、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列は、配列番号118~121からなる群から選択される。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号172の配列に包含される。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号170の配列を含む。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6及び11からなる群から選択される。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、少なくとも配列番号171の配列を含む。一態様において、(II)(a)の第1 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号1~6からなる群から選択される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号176の配列に包含される。一態様において、(II)(b)の第2 HAV標的ハイブリダイズ配列は、配列番号29~38及び45からなる群から選択される。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む。一態様において、このプロモーター配列はT7プロモーター配列である。一態様において、T7プロモーター配列は、配列番号196に示される配列を有する。一態様において、第2 HAV増幅オリゴマーは、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~約2966、又はヌクレオチド位置約2921~約3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号194又は195の配列に包含されている。一態様において、パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号137~169からなる群から選択される。一態様において、HAV特異的検出プローブオリゴマーは、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約5965~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号178の配列に包含されている。一態様において、HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列は、配列番号58~74からなる群から選択される。
【0056】
一実施形態において、試料から、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3標的核酸並びにA型肝炎ウイルス標的核酸のマルチプレックス増幅及び検出を行うための方法が提示される。この実施形態の一態様において、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3の増幅及び検出のための増幅オリゴマーは、表3に記述される1つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される2つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される3つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される4つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される5つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される6つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される7つ以上の増幅オリゴマーを含む。この実施形態の一態様において、HAVの増幅及び検出のための増幅オリゴマーは、表3に記述される1つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される2つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される3つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される4つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される5つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される6つ以上の増幅オリゴマーを含む。別の一態様では、表3に記述される7つ以上の増幅オリゴマーを含む。この実施形態の一態様において、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3から生成された増幅産物の検出のための検出プローブオリゴマー、並びにHAVから生成された増幅産物の検出のための検出プローブオリゴマーは、表3に記載される1つ以上のパルボウイルス検出プローブと、及び表3に記載される1つ以上のHAV検出プローブを含む。別の一態様において、この検出プローブオリゴマーは、リアルタイム検出のための増幅中に存在している。別の一態様において、この検出プローブオリゴマーは、エンドポイント検出のため、増幅反応の後に増幅産物と合わせられる。この実施形態の一態様において、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3標的核酸並びにHAV標的核酸のマルチプレックス増幅及び検出は、定量的マルチプレックス増幅及び検出反応である。この実施形態の一態様において、ヒトパルボウイルス遺伝子型1、2及び3標的核酸は、他の試料構成成分から分離される。別の一態様において、この分離は、標的キャプチャーオリゴマーを用いて実施される。この実施形態の一態様において、HAV標的核酸は、他の試料構成成分から分離される。別の一態様において、この分離は、標的キャプチャーオリゴマーを用いて実施される。この実施形態の一態様において、増幅及び検出反応には、内部制御が含まれる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するためのオリゴマー組み合わせであって、前記オリゴマー組み合わせが、
(I)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第1及び第2増幅オリゴマーであって、ここで
(a)前記第1パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーは、
(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び
(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第1及び第2増幅オリゴマーと、
並びに/又は
(II)HAV核酸標的領域を増幅するための第1及び第2増幅オリゴマーであって、ここで
(a)第1 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)前記第2 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第1及び第2増幅オリゴマーと、を含む、オリゴマー組み合わせ。
(項目2)
前記オリゴマー組み合わせが、(I)の前記第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーを含む、項目1に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目3)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号179の配列を含む、項目2に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目4)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号183又は配列番号117の配列を含む、項目3に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目5)
(I)(a)の前記第1標的ハイブリダイズ配列が、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する、項目4に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目6)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号184の配列に包含される、項目2に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目7)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号81~84からなる群から選択される、項目6に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目8)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号185に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む、項目2に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目9)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号82~84からなる群から選択される、項目8に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目10)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む、項目2~9のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目11)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号186の配列を含む、項目10に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目12)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号108~113からなる群から選択される、項目11に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目13)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号191の配列に包含される、項目2~9のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目14)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号190の配列を含む、項目13に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目15)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号118~121からなる群から選択される、項目14に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目16)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目2~15のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目17)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目16に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目18)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目17に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目19)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する、項目18に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目20)
(III)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーであって、ここで
(a)該第3パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、
(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び
(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第4標的ハイブリダイズ配列を含み、
ここで、(III)(a)の前記第3標的ハイブリダイズ配列は、(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なり、
(III)(b)の前記第4標的ハイブリダイズ配列は、(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なる、第3及び第4増幅オリゴマーを更に含む、項目2~19のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目21)
前記第3パルボウイルス増幅オリゴマーが、前記第1パルボウイルス増幅オリゴマーについて項目3~9のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目20に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目22)
前記第4パルボウイルス増幅オリゴマーが、前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーについて項目10~19のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目20又は21に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目23)
不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここで前記標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される、項目2~22のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目24)
前記パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーが、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する、項目23に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目25)
前記第1又は第2パルボウイルス増幅オリゴマーより上流の前記パルボウイルス標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む、項目2~24のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目26)
長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーを更に含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~約2966、又はヌクレオチド位置約2921~約3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目2~25のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目27)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号194又は195の配列内に包含される、項目26に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目28)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号137~169からなる群から選択される、項目27に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目29)
前記オリゴマー組み合わせが、(II)の前記第1及び第2 HAV増幅オリゴマーを含む、項目1~22のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目30)
(II)(a)の前記第1標的ハイブリダイズ配列が、配列番号172の配列に包含される、項目29に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目31)
(II)(a)の前記第1標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号170の配列を含む、項目30に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目32)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6及び11からなる群から選択される、項目31に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目33)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号171の配列を含む、項目30に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目34)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6からなる群から選択される、項目33に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目35)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号176の配列に包含される、項目29~34のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目36)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号29~38及び45からなる群から選択される、項目35に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目37)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目29~36のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目38)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目37に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目39)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目38に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目40)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する、項目39に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目41)
(IV)HAV核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーであって、ここで
(a)前記第3 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)第4 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第4標的ハイブリダイズ配列を含み、
ここで、(IV)(a)の前記第3標的ハイブリダイズ配列は、(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なり、
(IV)(b)の前記第4標的ハイブリダイズ配列は、(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なる、第3及び第4増幅オリゴマーを更に含む、項目29~40のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目42)
前記第3 HAV増幅オリゴマーが、前記第1 HAV増幅オリゴマーについて項目30~34のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目41に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目43)
前記第4 HAV増幅オリゴマーが、前記第2 HAV増幅オリゴマーについて項目35~40で示されているオリゴマーである、項目41又は42に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目44)
不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーを更に含み、ここで前記標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される、項目29~43のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目45)
前記HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーが、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する、項目44に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目46)
前記第1又は第2 HAV増幅オリゴマーより上流の前記HAV標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む、項目29~45のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目47)
長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的検出プローブオリゴマーを更に含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約5965~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目29~46のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目48)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号178の配列内に包含される、項目47に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目49)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号58~74からなる群から選択される、項目48に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目50)
項目1~49のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせを含むキット。
(項目51)
項目1~49のいずれか一項に記載のオリゴマー組み合わせを含む反応混合物。
(項目52)
試料中のヒトパルボウイルス標的核酸及びA型肝炎ウイルス(HAV)標的核酸のうち少なくとも1つを検出するための方法であって、前記方法が、
(A)ヒトパルボウイルスとHAVのうち少なくとも1つを含むことが疑われる試料を提供する工程と、
(B)該試料を、ヒトパルボウイルス核酸標的領域及びHAV核酸標的領域のうち少なくとも1つを増幅するためのオリゴマー組み合わせに接触させる工程であって、このオリゴマー組み合わせは、
(I)パルボウイルス標的領域について、(a)配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含む、第1パルボウイルス増幅オリゴマーと、(b)(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第2標的ハイブリダイズ配列を含む第2パルボウイルス増幅オリゴマーと、
並びに/又は
(II)HAV標的領域について、(a)配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第1標的ハイブリダイズ配列を含む、第1 HAV増幅オリゴマーと、(b)配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第2標的ハイブリダイズ配列を含む、第2 HAV増幅オリゴマーと、を含む、工程と、
(C)試料中に存在する任意のパルボウイルス及び/又はHAVの標的核酸が、パルボウイルス及び/又はHAV増幅産物を生成するためのテンプレートとして使用される、インビトロ核酸増幅反応を実施する工程と、
(D)パルボウイルス及び/又はHAV増幅産物の存在又は不在を検出することにより、前記試料中のパルボウイルス及び/又はHAVの存在又は不在を示す工程と、を含む、方法。
(項目53)
前記方法が、ヒトパルボウイルス標的核酸を検出するためのものであり、前記試料が(I)の前記第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーに接触する、項目52に記載の方法。
(項目54)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号117又は配列番号179の配列を含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号183の配列を含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する、項目55に記載の方法。
(項目57)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号184の配列に包含される、項目53に記載の方法。
(項目58)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号81~84からなる群から選択される、項目57に記載の方法。
(項目59)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む、項目53に記載の方法。(項目60)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号82~84からなる群から選択される、項目59に記載の方法。
(項目61)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む、項目53~60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号186の配列を含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号108~113からなる群から選択される、項目62に記載の方法。
(項目64)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号191の配列に包含される、項目53~60のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号190の配列を含む、項目64に記載の方法。
(項目66)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号118~121からなる群から選択される、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目53~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する、項目69に記載の方法。
(項目71)
工程(B)が、前記試料を、
(III)ヒトパルボウイルス核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーであって、ここで(a)前記第3パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号181の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号117、配列番号179、又は配列番号180の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、
(b)前記第4パルボウイルス増幅オリゴマーは、(i)配列番号189の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む配列、及び(ii)配列番号193の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号192の配列を含む配列、からなる群から選択される第4標的ハイブリダイズ配列を含み、
ここで、(III)(a)の該第3標的ハイブリダイズ配列は、(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なり、
(III)(b)の第4標的ハイブリダイズ配列は、(I)(b)の第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列とは異なる、第3及び第4増幅オリゴマーとを接触させる工程を更に含む、項目53~70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記第3パルボウイルス増幅オリゴマーが、前記第1パルボウイルス増幅オリゴマーについて項目54~60のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記第4パルボウイルス増幅オリゴマーが、前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーについて項目61~70のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目71又は72に記載の方法。
(項目74)
工程(B)の前に、前記試料中の他の構成成分から前記パルボウイルス標的核酸を精製する工程を更に含む、項目53~73のいずれか一項に記載されている方法。
(項目75)
前記精製工程が、前記試料を、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのパルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーに接触させる工程を含み、ここで前記標的ハイブリダイズ配列は、配列番号132~135からなる群から選択される、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記パルボウイルス特異的キャプチャープローブオリゴマーが、配列番号128~131からなる群から選択される配列を有する、項目75に記載の方法。
(項目77)
工程(B)が、前記試料を、前記第1又は第2パルボウイルス増幅オリゴマーより上流の前記パルボウイルス標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーに接触させる工程を更に含む、項目53~76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
検出工程(D)が、前記パルボウイルス増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、前記インビトロ核酸増幅反応物を、前記パルボウイルス増幅産物に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されているパルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、前記試料中のパルボウイルスの存在又は不在を示す工程を含む、項目53に記載の方法。
(項目79)
前記パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーが、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~約2966、又はヌクレオチド位置約2921~約3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号194又は195の配列内に包含される、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号137~169からなる群から選択される、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記試料を、前記第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマーを用いて前記インビトロ核酸増幅反応において増幅され得る擬似標的オリゴマーに接触させて、前記検出反応条件下でパルボウイルス特異的検出プローブに対して特異的にハイブリダイズしない第2増幅産物を生成する工程を更に含む、項目78~81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記試料を、前記パルボウイルス増幅産物に対してハイブリダイゼーションするための前記パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーと競合するコールドプローブオリゴマーに接触させる工程を更に含む、項目78~82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記試料を、前記第1及び第2パルボウイルス増幅オリゴマー両方に特異的にハイブリダイズするよう構成されたチューナーオリゴマーに接触させる工程を更に含む、項目78~81のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記パルボウイルス特異的検出プローブが、
(a)化学発光標識、
(b)蛍光標識、
(c)消光剤、並びに
(d)(a)、(b)、及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む、項目78~84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記検出工程(D)が、前記増幅工程(C)中に起こる、項目78~85のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
前記パルボウイルス特異的検出プローブが、蛍光標識、消光剤、又は両方を含む、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記パルボウイルス特異的検出プローブが、TaqMan検出プローブ又は分子ビーコンである、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記パルボウイルス特異的検出プローブが、非標的ハイブリダイズ配列を更に含む、項目78~87のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記パルボウイルス特異的検出プローブが、ヘアピン検出プローブである、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記ヘアピン検出プローブが、分子ビーコン又は分子トーチである、項目90に記載の方法。
(項目92)
工程(C)の前記増幅反応が、等温増幅反応である、項目53~91のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
工程(C)の前記増幅反応が、PCR増幅反応である、項目53~91のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記増幅反応が、リアルタイム増幅反応である、項目92又は93に記載の方法。
(項目95)
前記方法が、ヒトHAV標的核酸を検出するためのものであり、前記試料が(II)の前記第1及び第2 HAV増幅オリゴマーに接触する、項目52に記載の方法。
(項目96)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号172の配列に包含される、項目95に記載の方法。
(項目97)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号170の配列を含む、項目96に記載の方法。
(項目98)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6及び11からなる群から選択される、項目97に記載の方法。
(項目99)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号171の配列を含む、項目96に記載の方法。
(項目100)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6からなる群から選択される、項目99に記載の方法。
(項目101)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号176の配列に包含される、項目95~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号29~38及び45からなる群から選択される、項目101に記載の方法。
(項目103)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目95~102のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する、項目105に記載の方法。
(項目107)
工程(B)が、前記試料を、
(IV)HAV核酸標的領域を増幅するための第3及び第4増幅オリゴマーであって、ここで、(a)前記第3 HAV増幅オリゴマーは、配列番号174の配列に包含される約14~約27の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号173の配列を含む、第3標的ハイブリダイズ配列を含み、(b)第4 HAV増幅オリゴマーは、配列番号177の配列に包含される約14~約30の連続ヌクレオチドであり、かつ少なくとも配列番号175の配列を含む、第4標的ハイブリダイズ配列を含み、
ここで、(IV)(a)の前記第3標的ハイブリダイズ配列は、(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なり、
(IV)(b)の前記第4標的ハイブリダイズ配列は、(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列とは異なる、第3及び第4増幅オリゴマーと接触させる工程を更に含む、項目95~106のいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記第3 HAV増幅オリゴマーが、前記第1 HAV増幅オリゴマーについて項目96~100のいずれか一項で示されているオリゴマーである、項目107に記載の方法。(項目109)
前記第4 HAV増幅オリゴマーが、前記第2 HAV増幅オリゴマーについて項目101~106で示されているオリゴマーである、項目107又は108に記載のオリゴマー組み合わせ。
(項目110)
工程(B)の前に、前記試料中の他の構成成分から前記HAV標的核酸を精製する工程を更に含む、項目95~109のいずれか一項に記載されている方法。
(項目111)
前記精製工程が、前記試料を、不動化されたプローブに結合する配列又は部分に共有結合する標的ハイブリダイズ配列を含む少なくとも1つのHAV特異的キャプチャープローブオリゴマーに接触させる工程を含み、ここで前記標的ハイブリダイズ配列は、配列番号52~57からなる群から選択される、項目110に記載の方法。
(項目112)
前記HAV特異的キャプチャープローブオリゴマーが、配列番号46~51からなる群から選択される配列を有する、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記第1又は第2 HAV増幅オリゴマーより上流の前記HAV標的核酸に対してハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を含むディスプレーサーオリゴマーを更に含む、項目95~112のいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
検出工程(D)が、前記HAV増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、前記インビトロ核酸増幅反応物を、前記HAV増幅産物に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されているHAV特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、前記試料中のHAVの存在又は不在を示す工程を含む、項目95に記載の方法。
(項目115)
前記HAV特異的検出プローブオリゴマーが、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約5965~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号178の配列内に包含される、項目115に記載の方法。
(項目117)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号58~74からなる群から選択される、項目116に記載の方法。
(項目118)
前記試料を、前記第1及び第2 HAV増幅オリゴマーを用いて前記インビトロ核酸増幅反応において増幅され得る擬似標的オリゴマーに接触させて、前記検出反応条件下でHAV特異的検出プローブに対して特異的にハイブリダイズしない第2増幅産物を生成する工程を更に含む、項目114~117のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
前記試料を、前記HAV増幅産物に対してハイブリダイゼーションするための前記HAV特異的検出プローブオリゴマーと競合するコールドプローブオリゴマーに接触させる工程を更に含む、項目114~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目120)
前記試料を、前記第1及び第2 HAV増幅オリゴマー両方に特異的にハイブリダイズするよう構成されたチューナーオリゴマーに接触させる工程を更に含む、項目114~117のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
前記HAV特異的検出プローブが、
(a)化学発光標識、
(b)蛍光標識、
(c)消光剤、並びに
(d)(a)、(b)、及び(c)のうち1つ以上の組み合わせ、からなる群から選択される標識を含む、項目114~120のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
前記検出工程(D)が、前記増幅工程(C)中に起こる、項目114~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記HAV特異的検出プローブが、蛍光標識、消光剤、又は両方を含む、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記HAV特異的検出プローブが、TaqMan検出プローブ又は分子ビーコンである、項目123に記載の方法。
(項目125)
前記HAV特異的検出プローブが、非標的ハイブリダイズ配列を更に含む、項目114~123のいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記HAV特異的検出プローブが、ヘアピン検出プローブである、項目125に記載の方法。
(項目127)
前記ヘアピン検出プローブが、分子ビーコン又は分子トーチである、項目126に記載の方法。
(項目128)
工程(C)の前記増幅反応が、等温増幅反応である、項目95~127のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
工程(C)の前記増幅反応が、PCR増幅反応である、項目95~127のいずれか一項に記載の方法。
(項目130)
前記増幅反応が、リアルタイム増幅反応である、項目128又は129に記載の方法。(項目131)
前記試料が、一個人患者からのものである、項目52~130のいずれか一項に記載の方法。
(項目132)
前記試料がプールされている、項目52~130のいずれか一項に記載の方法。
(項目133)
前記プールされている試料が、プールされた血漿試料である、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記方法が、前記ヒトパルボウイルス標的核酸と前記HAV標的核酸の両方を検出するためのものであり、前記検出工程(D)が、前記パルボウイルス増幅産物及び前記HAV増幅産物の存在又は不在が決定される条件において、前記インビトロ核酸増幅反応物を、前記パルボウイルス増幅産物と前記HAV増幅産物に対してそれぞれ特異的にハイブリダイズするよう構成されている、パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーとHAV特異的検出プローブオリゴマーに接触させ、これにより、前記試料中のパルボウイルス及びHAVの存在又は不在を示す工程を含む、項目52に記載の方法。
(項目135)
前記パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーが、区別されて標識される、項目135に記載の方法。
(項目136)
前記パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーのそれぞれが、独立して(a)化学発光標識及び(b)蛍光標識からなる群から選択される標識を含む、項目135に記載の方法。
(項目137)
前記パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーのそれぞれが、化学発光標識を含む、項目135に記載の方法。
(項目138)
前記パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーの前記化学発光標識が、パルボウイルス特異的化学発光信号とHAV特異的化学発光信号との間を区別するのに十分な、異なる発光キネティクスによって特徴付けられる、項目137に記載の方法。
(項目139)
前記パルボウイルス特異的及びHAV特異的検出プローブオリゴマーの化学発光標識のそれぞれが、アクリジニウムエステル(AE)を含む、項目138に記載の方法。
(項目140)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号182の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号179の配列を含む、項目134~139のいずれか一項に記載の方法。
(項目141)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号183の配列を含む、項目140に記載の方法。
(項目142)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号75~80からなる群から選択される配列を有する、項目141に記載の方法。
(項目143)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号184の配列に包含される、項目134~139のいずれか一項に記載の方法。
(項目144)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号81~84からなる群から選択される、項目143に記載の方法。
(項目145)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号185の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号180の配列を含む、項目134~139のいずれか一項に記載の方法。
(項目146)
(I)(a)の前記第1パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号82~84からなる群から選択される、項目145に記載の方法。
(項目147)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号187の配列に包含され、かつ少なくとも配列番号188の配列を含む、項目134~146のいずれか一項に記載の方法。
(項目148)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号186の配列を含む、項目147に記載の方法。
(項目149)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号108~113からなる群から選択される、項目148に記載の方法。
(項目150)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号191の配列に包含される、項目134~146のいずれか一項に記載の方法。
(項目151)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号190の配列を含む、項目150に記載の方法。
(項目152)
(I)(b)の前記第2パルボウイルス標的ハイブリダイズ配列が、配列番号118~121からなる群から選択される、項目151に記載の方法。
(項目153)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目134~152のいずれか一項に記載の方法。
(項目154)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目153に記載の方法。
(項目155)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目154に記載の方法。
(項目156)
前記第2パルボウイルス増幅オリゴマーが、配列番号88~93及び98~101からなる群から選択される配列を有する、項目155に記載の方法。
(項目157)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号172の配列に包含される、項目134~156のいずれか一項に記載の方法。
(項目158)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号170の配列を含む、項目157に記載の方法。
(項目159)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6及び11からなる群から選択される、項目158に記載の方法。
(項目160)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、少なくとも配列番号171の配列を含む、項目157に記載の方法。
(項目161)
(II)(a)の前記第1 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号1~6からなる群から選択される、項目160に記載の方法。
(項目162)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号176の配列に包含される、項目134~161のいずれか一項に記載の方法。
(項目163)
(II)(b)の前記第2 HAV標的ハイブリダイズ配列が、配列番号29~38及び45からなる群から選択される、項目162に記載の方法。
(項目164)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、プロモータープライマー又はプロモータープロバイダーであり、前記標的ハイブリダイズ配列に対して5’の位置にプロモーター配列を更に含む、項目134~163のいずれか一項に記載の方法。
(項目165)
前記プロモーター配列が、T7プロモーター配列である、項目164に記載の方法。
(項目166)
前記T7プロモーター配列が、配列番号196に示される配列を有する、項目165に記載の方法。
(項目167)
前記第2 HAV増幅オリゴマーが、配列番号12~21及び28からなる群から選択される配列を有する、項目166に記載の方法。
(項目168)
前記パルボウイルス特異的検出プローブオリゴマーが、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号199内のヌクレオチド位置約2921~約2966、又はヌクレオチド位置約2921~約3067に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目134~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号194又は195の配列内に包含される、項目168に記載の方法。
(項目170)
前記パルボウイルス特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号137~169からなる群から選択される、項目169に記載の方法。
(項目171)
前記HAV特異的検出プローブオリゴマーが、長さ約14~約40のヌクレオチドである標的ハイブリダイズ配列を含み、配列番号198内のヌクレオチド位置約5965~約6028に包含される標的配列に対して特異的にハイブリダイズするよう構成されている、項目134~170のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号178の配列内に包含される、項目171に記載の方法。
(項目173)
前記HAV特異的検出プローブ標的ハイブリダイズ配列が、配列番号58~74からなる群から選択される、項目172に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本出願は、インビトロ核酸増幅アッセイにより生物学的試料中に存在するA型肝炎ウイルス及び/又はパルボウイルス型1、2及び3核酸配列を検出するための、増幅オリゴマー及び検出プローブオリゴマーとして使用するよう構成された、オリゴヌクレオチド配列を開示する。この方法の一実施形態は、転写媒介による核酸増幅を使用する(米国特許第5,399,491号及び同第5,554,516号(Kacianら)に既に詳細が開示されている)。増幅された核酸を検出するための方法は、増幅された配列の一部に特異的にハイブリダイズする配列特異的プローブを使用する。一態様において、この方法は、混合物中で、増幅された核酸に結合した標識プローブを検出するための任意の既知の均質検出工程を使用する(例えば、Arnoldら、Clin.Chem.35:1588~1594(1989)、米国特許第5,658,737号(Nelsonら)並びに同第5,118,801号及び同第5,312,728号(Lizardiら)により開示されているもの)。本出願はまた、核酸ハイブリダイゼーション技法を用いてA型肝炎ウイルス標的DNA又はパルボウイルス1、2及び3型標的DNAをキャプチャーするのに有用なオリゴヌクレオチド配列を開示する。このキャプチャー工程の一実施形態は、キャプチャーされた標的を分離するのに磁気粒子を使用する(米国特許第6,110,678号(Weisburgら)を参照)。
【0058】
用語「a」「an」を冠した実体は、その実体の1つ以上を指すものであり、例えば、「a nucleic acid」とは、1つ以上の核酸を表わすものとして理解されることに注意すべきである。同様に、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書において互換可能に使用され得る。
【0059】
「試料」又は「生物学的試料」は、パルボウイルス核酸及び/又はA型肝炎ウイルス核酸を含み得る、生存又は死亡しているヒトに由来する任意の材料を意味し、これには例えば、痰、末梢血、血漿、血清、生検組織(リンパ節、呼吸器組織又は滲出物を含む)、又はその他の体液、組織若しくは材料が挙げられる。この試料は、組織又は細胞構造を物理的、化学的、及び/又は機械的に破壊するよう処理して、細胞内構成成分を放出させることができる。試料調製には、分析のための試料調製に使用される緩衝液、塩、酵素、洗剤、及び類似物を含む溶液を使用することができる。試料は、2つ以上の提供源からプールすることができる(例えば2人以上の提供者からの血漿試料プール)。試料は、分割することができる(例えば、プールされた試料などの試料の一部分)。試料は、構成成分を分離するための製造者の血漿プールであり得る。
【0060】
「核酸」は、糖部分と窒素含有複素環塩基若しくは塩基類似体から構成される、2つ以上の共有結合したヌクレオシド又はヌクレオシド類似体を含む多重結合化合物を指す。ヌクレオシドはリン酸ジエステル結合又は他の結合によって互いに結合されて、RNA、DNA、キメラDNA-RNAポリマー又はオリゴヌクレオチド、及びこれらの類似体を形成する。核酸「主鎖」は、様々な結合で構成され得る(例えば国際特許出願第WO 95/32305号を参照)。核酸の1つ以上の残基の糖部分は、リボース又はデオキシリボース、あるいは類似の化合物で、例えば2’-メトキシ置換及び2’-ハロゲン化物置換(例えば2’-F)などの既知の置換を有するものであり得る。核酸の1つ以上の残基の窒素含有塩基は、通常の塩基(A、G、C、T、U)、それらの類似体(例えばThe Biochemistry of the Nucleic Acids 5~36,Adamsら、ed.,11th ed.,1992;Abrahamら、2007,BioTechniques 43:617~24を参照)(これにはプリン又はピリミジン塩基の誘導体が含まれる(例えば米国特許第5,378,825号、同第6,949,367号及び国際特許出願公開第WO 93/13121号を参照))、又ヌクレオシドユニットが窒素含有塩基を含まない「脱塩基」(例えば、米国特許第5,585,481号を参照)であり得る。核酸には、1つ以上の「ロックド核酸」(LNA)残基が含まれ得る(Vesterら、Biochemistry 43:13233~41,2004)。核酸には、その核酸に追加のヌクレオチドが追加されるのをブロックするための、3’末端ジデオキシヌクレオチドが含まれ得る。核酸をインビトロで作製するための合成方法は当該技術分野において周知であるが、核酸は、通常の技法を用いて天然原料から精製することができる。オリゴマーの主鎖は、ハイブリダイゼーション複合体(例えば、キャプチャーオリゴマーとその標的核酸とで形成される)の安定性に影響し得る。そのような実施形態は、ペプチド結合、2’-O-メトキシ結合、及び糖リン酸ジエステル結合を含む。ペプチド核酸は、RNAとハイブリダイゼーション複合体を形成するのに有利である。2’-メトキシ置換RNA基又は2’-フルオロ置換RNAを有するオリゴマーは、標準のDNA又はRNAに比べて強化されたハイブリダイゼーション複合体安定性を有し得、相補的2’-OH RNAとのハイブリダイゼーション複合体を形成するのに好ましい。2つの糖基をつなぐ結合は、全体的な電荷又は電荷密度に影響することによって、あるいは立体相互作用に影響することによって、ハイブリダイゼーション複合体の安定性に影響し得る(例えば、巨大結合は、ハイブリダイゼーション複合体の安定性を低減させ得る)。好ましい結合には、複合体安定性に影響をもたらす、中性基(例えばメチルホスホネート)又は荷電基(例えばホスホロチオエート)との結合が挙げられる。
【0061】
本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、核酸鎖を示す。本出願全体を通して、核酸は、5’末端から3’末端により示される。
【0062】
本明細書で使用される用語「ヌクレオチド」は、リン酸基、五炭糖、及び窒素含有塩基からなる核酸のサブユニットである。RNA中に見出される五炭糖は、リボースである。DNAにおいては、五炭糖は2’-デオキシリボースである。この用語は更に、リボースの2’位置にあるメトキシ基(2’-O-Me)などのサブユニットの類似体も含む。本明細書で使用されるとき、「T」残基を含むメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位置にメトキシ基を有し、ヌクレオチドの塩基位置にウラシルを含む。
【0063】
本明細書で使用される用語「非ヌクレオチドユニット」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に関与をしないユニットである。そのようなユニットは、例えば、ヌクレオチドとの有意な水素結合に関与していてはならず、また、5つのヌクレオチド塩基又はその類似体のうち1つを構成要素として有しているユニットは除外される。
【0064】
互換可能な用語「オリゴマー」、「オリゴ」及び「オリゴヌクレオチド」は、連続ヌクレオチド残基(nt)長さが1,000nts~最少5ntsであるポリヌクレオチドを指す。1,000nts~最少5ntsの範囲は包括範囲であり、すなわち、1000nts、5nts及びその間にある各整数ntsがこの範囲内に含まれることが理解される。オリゴヌクレオチドは、天然発生原料から精製することができるか、又は周知の様々な酵素的若しくは化学的方法のいずれかを用いて合成することができる。用語「オリゴヌクレオチド」は、試薬に対する特定の機能を示すものではなく、本明細書に記述される試薬全てを総称的に含めるために使用される。
【0065】
「増幅オリゴヌクレオチド」又は「増幅オリゴマー」は、オリゴヌクレオチドを意味し、少なくともその3’末端が標的核酸に対して相補的であり、標的核酸又はその補体に対してハイブリダイズし、核酸増幅に参加する。増幅オリゴマーの例には、プライマー及びプロモータープライマーが挙げられる。好ましくは、増幅オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個の連続塩基を含み、より好ましくは少なくとも12個かつ約70個未満の連続塩基を含み、これが標準ハイブリダイゼーション条件下で、標的核酸配列の領域に対して特異的にハイブリダイズする。標的配列にハイブリダイズする連続塩基は、増幅オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列に対して、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは約100%が相補的である。「少なくとも約X%」とは、X%~100%の全ての整数及び小数の全範囲を指す。増幅オリゴヌクレオチドは、所望により、修飾ヌクレオチドを含み得る。
【0066】
増幅オリゴマーは、「プライマー」又は「プロモータープライマー」と呼ばれることがある。「プライマー」は、テンプレート核酸にハイブリダイズし、かつ既知の重合反応において延長可能な3’末端を有するオリゴヌクレオチドを指す。プライマーの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であり得、例えば、5’非相補的領域はプロモーター配列を含み得、このオリゴマーが「プロモータープライマー」と呼ばれるか若しくはタグ配列を含み得るか、又はアダプター配列を含み得る。本明細書に使用されるとき、「プロモーター」は、核酸に結合して特定の部位でRNAの転写を開始するための信号として、DNA依存性RNAポリメラーゼ(「トランスクリプターゼ」)によって認識される、特定の核酸配列である。更に、プロモータープライマーは、プライマーとしての使用を阻害するためにブロックされた3’末端を含み得、この場合、この増幅オリゴマーはプロモータープライマーと呼ばれる。いくつかの実施形態において、ブロック部分はオリゴマーの3’OHを置換して、増幅反応におけるオリゴマーの酵素媒介延長を阻害する。別の実施形態において、ブロック部分は3’末端から5つの残基範囲内にあってよく、この部分は、オリゴマーに対してポリメラーゼが結合するのを制限するのに十分な大きさである。他の実施形態において、ブロック部分はオリゴマーの3’末端に共有結合している。数多くの様々な化学基を、オリゴマーの3’末端をブロックするのに使用することができ、これには、アルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカンジオールジデオキシヌクレオチド残基、及びコルジセピンが挙げられるが、これらに限定されない。当業者には、プライマーとして機能し得る任意のオリゴマー(すなわち、標的配列に特異的にハイブリダイズし、かつポリメラーゼによって延長し得る3’末端を有する、増幅オリゴヌクレオチド)を修飾して5’プロモーター配列を含めるようにし、プロモータープライマーとして機能するようにできることが更に理解されよう。同様に、任意のプロモータープライマーは、プロモーター配列を除去、又はプロモーター配列なしで合成することによって、修飾され、プライマーとして機能することができる。
【0067】
本明細書で使用される「標的核酸」は、増幅される「標的配列」を含む核酸である。標的核酸は、本明細書に説明されるDNA又はRNAであり得、また一本鎖又は二本鎖であり得る。標的核酸には、標的配列以外の他の配列も含まれ得、この部分は増幅されなくてもよい。標的核酸には、ゲノム核酸、遺伝子産物(例えばmRNA)、及びそれらの増幅産物が挙げられる。本明細書における標的核酸は、ヒトパルボウイルス核酸及びHAV核酸である。
【0068】
「分離」とは、標的核酸を含む試料を、その自然環境から取り出すことを意味するが、この用語はいかなる度合の精製も意味するものではない。
【0069】
本明細書で使用される用語「標的配列」は、増幅及び/又は検出される標的核酸の特定のヌクレオチド配列を指す。この「標的配列」には、増幅プロセス中にオリゴヌクレオチド(例えばプライマーオリゴヌクレオチド及び/又はプロモーターオリゴヌクレオチド)が複合体を形成する、複合体形成配列が含まれる。標的核酸が元来一本鎖である場合、用語「標的配列」は、標的核酸内に存在する「標的配列」に相補的な配列も指す。標的核酸が元来二本鎖である場合、用語「標的配列」は、センス(+)鎖及びアンチセンス(-)鎖の両方を指す。
【0070】
「標的結合配列」は、標的核酸配列とハイブリダイズするよう構成されているオリゴマーの部分を指すために、本明細書で使用される。好ましくは、標的結合配列は、標的核酸配列と特異的にハイブリダイズするよう構成される。標的結合配列は、ハイブリダイズするよう構成されている標的配列の部分に対して100%相補的であり得るが、必ずしもそうでなくてもよい。標的結合配列には、標的配列に対して挿入、削除、及び/又は置換されたヌクレオチド残基が含まれていてもよい。標的配列に対する標的結合配列の相補性が100%未満の状態は、例えば、標的核酸が種の中で複数の株である場合、例えば、ヒトパルボウイルスの様々な株及び遺伝子型に対してハイブリダイズするよう構成されたオリゴマーの場合などに、起こり得る。標的結合配列の標的核酸に対する相補性が100%未満であるような構成には、他の理由も存在することが理解される。
【0071】
ヒトパルボウイルスの領域に関して本明細書で使用される用語「配列を標的とする」は、本明細書に述べられるような増幅及び検出を可能にするように標的配列に対してオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするプロセスを指す。一実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、標的ヒトパルボウイルス核酸配列と相補的であり、ミスマッチは含まれない。別の一実施形態において、このオリゴヌクレオチドは相補的であるが、標的ヒトパルボウイルス核酸配列に対して1つ、又は2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つのミスマッチを含む。好ましくは、ヒトパルボウイルス核酸配列に対してハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、標的配列に対して相補的なヌクレオチドを少なくとも10個~最高50個含む。少なくとも10個~最高50個とは、包括範囲であり、すなわち、10個、50個、及びこれらの間にある各整数が開示される。好ましくは、このオリゴマーは標的配列に対して特異的にハイブリダイズする。本明細書で使用される用語「配列を標的とするよう構成される」は、増幅オリゴヌクレオチドの標的ハイブリダイズ領域が、参照されるヒトパルボウイルス領域又は参照されるHAV領域に特異的にハイブリダイズできるポリヌクレオチド配列を有することを意図することを意味する。そのような増幅オリゴヌクレオチドは、その配列のみを標的とするだけではなく、本明細書に説明されるように、遺伝子型1、2及び/若しくは3を含むヒトパルボウイルス標的核酸又はHAV標的核酸を標的とする、組成物として、キットにおいて、又は方法において有用である。用語「構成される」は、増幅オリゴヌクレオチド標的ハイブリダイズ配列のポリヌクレオチド配列構成を実際に配置することを示す。
【0072】
本明細書で使用される用語「領域」は、核酸の一部分を指し、ここで該部分は、核酸全体よりも小さい。例えば、参照される核酸がオリゴヌクレオチドプロモータープライマーである場合、用語「領域」は、そのオリゴヌクレオチド全体のより小さいプロモーター部分を指すのに使用され得る。同様に、また一例として、核酸がヒトパルボウイルスゲノムである場合、用語「領域」は、核酸のより小さい部分を指すのに使用され得、ここでこの小さい部分は、本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドによって標的にされる。オリゴヌクレオチドの標的結合配列は、領域の全体又は一部をハイブリダイズし得る。領域の一部をハイブリダイズする標的結合配列は、参照された領域内をハイブリダイズするものである。用語「領域」を使用する別の非限定的な一例として、参照されている核酸がアンプリコンである場合、用語「領域」は、プローブの標的結合配列によりハイブリダイズするために特定される、より小さいヌクレオチド配列を指すのに使用され得る。
【0073】
「増幅」は、標的核酸配列又はその補体若しくはそのフラグメントの複数の複製を取得するための任意の既知の処置を指し、好ましい実施形態は、配列特異的方法を用いることによって特異的に標的を増幅する。既知の増幅方法には、例えば、転写媒介増幅、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅(RT-PCRを含む)、リガーゼ連鎖反応(LCR)増幅、及びストランド置換増幅(SDA)が挙げられる。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子と、例えばQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する(例えば、米国特許第4,786,600号(Kramerら)及びPCT国際特許公開第WO 90/14439号を参照)。PCR増幅は周知であり、DNAポリメラーゼ、配列特異的プライマー、及び熱サイクルを用いて、DNA又はcDNAの2つの相補的ストランドの複数の複製を合成する(例えば、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、及び同第4,800,159号(Mullisら)、並びにMethods in Enzymology,1987,Vol.155:335~350を参照)。LCR増幅は、少なくとも4つの別個のオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び変性の複数回サイクルを用いることにより、標的及びその相補的ストランドを増幅する(EP特許第0 320 308号)。SDAは、制限エンドヌクレアーゼのための認識部位を含むプライマーを使用して増幅するものであり、この制限エンドヌクレアーゼは、標的配列を含む半修飾されたDNA二本鎖のうち1本のストランドに切れ目を入れた後、一連のプライマー延長及びストランド置換工程において増幅を行う(米国特許第5,422,252号(Walkerら))。以下に述べるように、好ましい実施形態では、転写関連増幅を使用する。本発明の方法工程及び増幅オリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼ活性によるプライマー延長に基づく様々な核酸増幅処置に容易に適合可能であることが、当業者には明らかとなるであろう。
【0074】
標的配列の「フラグメント」又は「一部分」の増幅は、標的領域核酸配列全体よりも小さい、増幅核酸の生成を指す。そのようなフラグメントは、標的配列の一部分を増幅することによって、例えば、標的配列の内位置に対してハイブリダイズし、標的配列の内位置から重合を開始する、増幅オリゴヌクレオチドを使用することによって、生成され得る。
【0075】
「転写媒介増幅」(TMA)又は「転写関連増幅」は、核酸テンプレートから複数のRNA転写を生成するRNAポリメラーゼを使用する核酸増幅を意味する。転写関連増幅は、一般に、RNAポリメラーゼ活性及びDNAポリメラーゼ活性、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、及びプロモータープライマーを利用し、また所望により、1つ以上の他の増幅オリゴヌクレオチド(「ヘルパー」オリゴマーを含む)を含み得る。転写関連増幅の様々な種類が当該技術分野において周知であり、他の文献に記載されている(米国特許第5,399,491号及び同第5,554,516号(Kacianら)、同第5,437,990号(Burgら)、同第5,130,238号(Malekら)、同第4,868,105号及び同第5,124,246号(Urdeaら)、PCT国際特許公開第WO 93/22461号(Kacianら)、PCT国際特許公開第WO 88/01302号及び同第WO 88/10315号(Gingerasら)、PCT国際特許公開第WO 94/03472号(McDonoughら)、並びにPCT国際特許公開第WO 95/03430号(Ryderら)を参照)。米国特許第5,399,491号及び同第5,554,516号にある処置が、好ましい増幅実施形態である。本明細書で使用される用語「リアルタイムTMA」は、リアルタイム検出手段により監視される標的核酸の単一プライマー転写媒介増幅(「TMA」)を指す。
【0076】
「プローブ」、「検出プローブ」又は「検出プローブオリゴマー」は、ハイブリダイゼーション可能な条件下で、核酸中(好ましくは増幅された核酸中)の標的配列に対して特異的にハイブリダイズする核酸オリゴマーを意味し、これにより標的又は増幅された核酸の検出を可能にする。検出は、直接的(すなわち、配列に対して直接ハイブリダイズするプローブによる)又は間接的(すなわち、配列にプローブを結合させる中間分子構造に対してハイブリダイズするプローブによる)のいずれでもよい。プローブの「標的」は一般に、標準水素結合(すなわち塩基対合)によりプローブオリゴマーの少なくとも一部分に特異的にハイブリダイズする、増幅された核酸配列内の配列又は増幅された核酸配列のサブセットを指す。プローブは、プローブの3次元構造に寄与する標的特異的配列及びその他の配列を含み得る(例えば、米国特許第5,118,801号及び同第5,312,728号(Lizardiら)、並びに同第6,361,945 B1号(Beckerら))。プローブは、DNA、RNA、それらの類似体、又はそれらの組み合わせであり得、これらは標識されていても標識されていなくてもよい。プローブ配列は、プローブオリゴマーと標的配列(プローブの標的特異的配列に対して完全に相補的ではない)との間で、適切なハイブリダイゼーション条件において安定したハイブリダイゼーションを可能にするよう構成されている場合、その標的配列に対して十分に相補的である。
【0077】
「コールドプローブ」は、検出プローブオリゴマーと比較して実質的に類似又は同一のオリゴヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを指す。コールドプローブと検出プローブとの間の主な相違は、コールドプローブが検出可能標識を欠いているのに対し、検出プローブオリゴマーは検出可能標識を所有していることである。コールドプローブオリゴマーは、検出反応において、検出プローブオリゴマーと競合するよう用いられ、これによって、検出工程で受け取る信号総量を低減させる。検出信号は、マルチプレックス増幅及び検出アッセイの一方の標的について低減されることが多く、ここで、標的核酸のうち1つ以上(ただし全てではない)が、マルチプレックスの1つ以上の他の因子と比較して、強力な増幅キネティクスを有している。コールドプローブは、より強い増幅の検出プローブと競合させることにより、強力な増幅をある意味で「下方調整」するために使用される。下方調整された増幅は、これによって、マルチプレックスのより弱い増幅種に匹敵する範囲になる。同様にして、擬似標的は、マルチプレックス増幅反応に適用して、より強い増幅を下方調整するための核酸であり、これによって、より弱い増幅種の反応キネティクスにより類似した反応キネティクスにする。擬似標的は、より強い増幅種のプライマーの結合部位を典型的に含むが、それらの間に追加配列がほとんど又は全くない、核酸である。これによって、プライマーによる、より強い増幅種の増幅産物生成が回避される。
【0078】
「相補的」とは、2つの一本鎖核酸の類似領域のヌクレオチド配列、又は同じ一本鎖核酸の2つの(to)異なる領域のヌクレオチド配列が、厳密なハイブリダイゼーション又は増幅条件下で、一本鎖領域が一緒にハイブリダイズして安定した二本鎖水素結合領域になることが可能となるようなヌクレオチド塩基組成を有することを意味する。互いにハイブリダイズする配列は、標準核酸塩基対合(例えばG:C、A:T又はA:U対合)により、意図された標的配列に対して完全に相補的であっても部分的に相補的であってもよい。「十分に相補的」とは、一連の相補的塩基の間で、水素結合により、相手の配列に対してハイブリダイズできる連続配列を意味し、これは、標準塩基対合により配列の各位置で相補的であり得るか、又は脱塩基残基を含む1つ以上の非相補的残基を含み得る。十分に相補的な連続配列は、典型的に、オリゴマーが特異的にハイブリダイズするよう意図された配列に対して、少なくとも80%、又は少なくとも90%、相補的である(100%以下の全ての整数及び有理数を含む)。「十分に相補的」である配列は、配列が完全に相補的でなくとも、適切なハイブリダイゼーション条件下で、核酸オリゴマーがその標的配列と安定したハイブリダイゼーションを可能にする。一本鎖領域のヌクレオチドの連続配列が、他の一本鎖領域の類似体ヌクレオチド配列と、一連の「基準的」水素結合塩基対合を形成することができる場合(これによりAはU又はTと対合し、CはGと対合する)、ヌクレオチド配列は「完全に」相補的である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989)の、§§ 1.90~1.91、7.37~7.57、9.47~9.51及び11.47~11.57、特に§§ 9.50~9.51、11.12~11.13、11.45~11.47及び11.55~11.57)。
【0079】
「好ましくハイブリダイズ」又は「特異的にハイブリダイズ」は、厳密なハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、プローブがその標的配列に対してハイブリダイズするか、又はそれを複製して、安定したプローブ:標的ハイブリッドを形成し、同時に、安定したプローブ:非標的ハイブリッドの形成を最小限に抑えることを意味する。ここで、プローブは、非標的配列に対するよりも十分に大きな程度で、標的配列に対してハイブリダイズするか又はこれを複製して、増幅中に形成された標的配列のRNA複製又は相補的DNA(cDNA)を当業者が正確に検出することを可能にする。適切なハイブリダイゼーション条件は当該技術分野において周知であり、配列組成に基づいて予測することができるか、又は常用の試験方法を用いて決定することができる(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd
ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989)の、§§ 1.90~1.91、7.37~7.57、9.47~9.51及び11.47~11.57、特に§§
9.50~9.51、11.12~11.13、11.45~11.47及び11.55~11.57)。
【0080】
「キャプチャーオリゴヌクレオチド」又は「キャプチャーオリゴマー」又は「キャプチャープローブ」は、キャプチャーされる標的核酸に特異的にハイブリダイズし、他の試料構成成分から標的を分離及び/又は濃縮するための手段を提供する、核酸オリゴマーを意味する。キャプチャーオリゴマーの実施形態には、標的結合領域と不動化プローブ結合領域の2つの結合領域が含まれ、これにより、キャプチャーオリゴマーはハイブリダイゼーション複合体を形成し、ここで、キャプチャーオリゴマーの標的結合領域は標的配列に結合し、不動化プローブ結合領域は、固体支持体上に不動化されたオリゴマーに結合する(米国特許第6,110,678号及び同第6,280,952号(Weisburgら)を参照)。標的結合領域及び不動化プローブ結合領域は通常、同じキャプチャーオリゴマー上にあるが、この2つの機能領域は、1つ以上のリンカーによって結合された2つの異なるオリゴマー上にあってもよい。例えば、不動化プローブ結合領域が第1オリゴマー上にあり、標的結合領域が第2オリゴマー上にあってよく、この2つのオリゴマーが、第1及び第2オリゴマーの配列に対して特異的にハイブリダイズするリンカーである第3のオリゴマーで水素結合により結合する。キャプチャープローブの標的結合領域はまた、キャプチャープローブの標的特異的部分とも呼ばれ、不動化プローブ結合領域はテール部分と呼ばれることがある。テール部分の実施形態には、ホモポリマー(例えばポリ-dT又はポリ-dA)又は非ホモポリマー(例えばT0~3A15~30)が挙げられ、好ましくはオリゴマーの標的特異的部分の3’末端に結合されている。
【0081】
「不動化プローブ」又は「不動化オリゴマー」は、直接的又は間接的に、キャプチャーオリゴマーを不動化支持体に結合させる核酸オリゴマーを意味する。固体支持体に結合している不動化プローブは、試料中で、結合している標的配列を結合していない物質から分離するのを促進する。例えば溶液中のマトリックス及び粒子など、任意の既知の固体支持体を使用することができ、これには例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、ポリマー混合物、ポリスチレン、シランポリプロピレン、及び金属粒子、好ましくは磁気誘引性粒子が挙げられる。好ましい支持体は、一貫した結果を得るため、単分散常磁性球体(例えば均一粒径±5%)であり、これに対して不動化プローブが直接的(例えば直接共有結合、キレート化、又はイオン相互作用を介して)、又は間接的(例えば1つ以上のリンカーを介して)に結合し、ここで結合又は相互作用は、核酸ハイブリダイゼーション条件下で安定である。
【0082】
「試料調製」は、試料中に存在するヒトパルボウイルス核酸の後続の増幅及び/又は検出のために、試料を処理する任意の工程又は方法を指す。試料は、標的核酸が少数の構成成分である、複雑な構成成分混合物であり得る。試料調製には、構成成分(例えば微生物又は核酸)を、例えば、より大きな体積の試料から空気中又は水中の粒子を濾過することによって、又は標準微生物学的方法を用いて試料から微生物を分離することによって、より大きな試料体積から濃縮する任意の既知の方法が含まれ得る。試料調製には、細胞構成要素の物理的破壊及び/又は化学的溶解により細胞内構成成分を実質的に水性又は有機の相に放出させ、破片を例えば濾過、遠心分離、又は吸着によって除去することが含まれ得る。試料調製には、標的核酸を選択的に又は非特異的にキャプチャーする核酸オリゴヌクレオチドを使用し、他の試料構成成分から分離することが含まれ得る(例えば、米国特許第6,110,678号及びPCT国際特許公開第WO 2008/016988号に記載されている)。
【0083】
「分離」又は「精製」は、生物学的試料の1つ以上の構成成分を、試料中の少なくとも1つの他の構成成分から除去することを意味する。試料構成成分は一般に、核酸、塩、タンパク質、炭水化物、及び脂質の水溶液を含む。核酸の分離又は精製工程は、試料中の他の構成成分の、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%を除去する。
【0084】
「標識」は、検出され得る、又は検出可能な信号を誘導し得る、分子部分又は化合物を意味する。標識は、核酸プローブに直接的又は間接的に結合する。直接的標識は、プローブに標識を結びつける結合又は相互作用を使用し、これには共有結合又は非共有結合的相互作用が含まれ、例えば水素結合、疎水性及びイオン相互作用、又はキレート若しくは配位錯体の形成によるものが挙げられる。間接的標識は、架橋部分又は「リンカー」(例えばオリゴヌクレオチド又は抗体)を使用して、標識とプローブとを結びつける。リンカーは、検出可能信号を増幅するのに使用され得る。標識は既知の任意の検出可能部分であり、例えば、放射性核種、リガンド(例えばビオチン、アビジン)、酵素若しくは酵素基質、反応性基、又は発色団(例えば染料若しくは検出可能粒子(例えばラテックスビーズ若しくは金属粒子))、発光化合物(例えば生物発光、燐光発光、若しくは化学発光標識)、及び蛍光化合物である。好ましくは、標識プローブ上の標識は、均質反応中で検出可能である(すなわち、混合物中で、結合した標識プローブが、結合していない標識プローブと比較して、検出可能な変化(例えば安定性又は段階的分解)を呈する)。均質アッセイに使用するための標識の一実施形態は化学発光化合物である(例えば、米国特許第5,656,207号(Woodheadら)、同第5,658,737号(Nelsonら)及び同第5,639,604号(Arnold,Jr.ら)に記載されている)。好ましい化学発光標識は、アクリジニウムエステル(AE)化合物であり、例えば標準AE又はその誘導体(例えば、ナフチル-AE、オルト-AE、1-又は3-メチル-AE、2,7-ジメチル-AE、4,5-ジメチル-AE、オルト-ジブロモ-AE、オルト-ジメチル-AE、メタ-ジメチル-AE、オルト-メトキシ-AE、オルト-メトキシ(シンナミル)-AE、オルト-メチル-AE、オルト-フルオロ-AE、1-又は3-メチル-オルト-フルオロ-AE、1-又は3-メチル-メタ-ジフルオロ-AE、及び2-メチル-AE)である。標識を核酸に結合させ、標識を検出する合成及び方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Habor,NY,1989),Chapter 10、米国特許第4,581,333号(Kourilskyら)、同第5,658,737号(Nelsonら)、同第5,656,207(Woodheadら)、同第5,547,842号(Hoganら)、同第5,283,174号(Arnold,Jr.ら)、及びEP特許公開第0747706号(Beckerら))。均質アッセイに使用するための標識の別の実施形態は、プローブに結合した蛍光化合物であり、これは、プローブがその標的にハイブリダイズしていない時はその蛍光標識に機能的に近くにある消光化合物と共に結合される(例えば、米国特許第5,118,801号及び同第5,312,728(Lizardiら)並びに同第6,361,945 B1号(Beckerら))。
【0085】
「均質検出可能標識」は、標識プローブが標的配列にハイブリダイズされているか否かに基づいて、均質な方法でその存在が検出可能な標識を指す(すなわち、ハイブリダイズされていない標識又は標識プローブを物理的に除去することなく検出できる)。均質検出可能標識及びその検出方法の実施形態は、文献に説明されている(米国特許第5,283,174号(Arnoldら)、同第5,656,207号(Woodheadら)、同第5,658,737号(Nelsonら)、同第5,118,801号及び同第5,312,728号(Lizardiら)、並びに同第6,361,945B1号(Beckerら))。
【0086】
「~から本質的になる」は、本発明の基本的及び新しい特性を実質的に変化させない追加の構成成分及び方法工程が含まれ得ることを意味する。そのような特性には、A型肝炎ウイルス並びに/又はパルボウイルス型1、2及び3配列を検出する、本明細書に記載の請求される構成成分又は方法工程の特性に実質的な影響を有さない、塩、緩衝剤、核酸オリゴマー及び類似の生化学試薬が挙げられる。同様に、アッセイの基本的性質に実質的な影響を有さない、追加の方法工程が含まれ得る。
【0087】
本明細書で使用されるとき、特定の配列からなる群から選択される配列「を含む」又は「からなる」又は「から本質的になる」核酸配列を有するオリゴヌクレオチドとは、オリゴヌクレオチドが、基本的及び新しい特性として、そのオリゴヌクレオチドが、厳密なハイブリダイゼーション条件下で、その群に挙げられている核酸配列のうち1つの正確な補体を有する核酸に安定的にハイブリダイズできることを意味する。正確な補体には、対応するDNA又はRNA配列が含まれる。
【0088】
本明細書で使用されるとき、特定の核酸配列に「対応する(“corresponds to” or
is “corresponding to”)」オリゴヌクレオチドとは、その参照されているオリゴ
ヌクレオチドが、参照の核酸配列に十分に類似しており、その結果、オリゴヌクレオチドがその参照の核酸配列と類似のハイブリダイゼーション特性を有するため、厳密なハイブリダイゼーション条件下で、同じ標的核酸配列とハイブリダイズするであろうことを意味する。当業者には、「対応するオリゴヌクレオチド」が、参照されている配列とは異なり得ること、かつ依然として同じ標的核酸配列にハイブリダイズできることが理解されよう。また、第2核酸に対応する第1核酸には、その補体が含まれ、そのRNA及びDNAが含まれることも理解される。この核酸の変異物は、配列内の同一塩基のパーセンテージ、あるいはプローブ又はプライマーとその標的配列との間の完全な相補性塩基のパーセンテージによって、表現し得る。よって、塩基同一性又は相補性の割合が100%~約80%の場合、オリゴヌクレオチドは参照核酸配列に「対応する」ことになる。好ましい実施形態において、このパーセンテージは100%~約85%である。より好ましい実施形態では、このパーセンテージは100%~約90%であり、他の好ましい実施形態では、このパーセンテージは100%~約95%である。同様に、核酸又は増幅された核酸の領域は、本明細書において、参照核酸配列に対応する、と呼ばれることがある。当業者には、許容できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを引き起こすことなく、特定の標的配列に対するハイブリダイゼーションを可能にするよう、様々なパーセンテージの相補性で必要になり得るハイブリダイゼーション条件に対する様々な改変が理解されよう。
【0089】
本明細書で使用される用語「アンプリコン」又は「増幅産物」は、標的配列内に含まれる配列に相補的又は相同である、増幅処置中に生成された核酸分子を指す。アンプリコンのこの相補的又は相同配列は、本明細書において、時に、「標的特異的配列」と呼ばれる。アンプリコンは二本鎖であっても一本鎖であってもよく、DNA、RNA、又は両方を含み得る。例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼは、転写媒介増幅処置中に二本鎖DNAから一本鎖アンプリコンを転写する。この一本鎖アンプリコンはRNAアンプリコンであり、増幅オリゴマーがどのように意図されているかに応じて、二本鎖複合体のいずれかのストランドであり得る。よって、アンプリコンは一本鎖RNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNAテンプレートに相補的なDNAストランドを合成する。よって、アンプリコンは二本鎖DNAとRNAのハイブリッドであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNアーゼ活性を含むことが多く、あるいは、RNアーゼと共に使用され、RNAストランドを分解する。よって、アンプリコンは一本鎖DNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼ及びDNA依存性DNAポリメラーゼは、DNAテンプレートから相補的DNAストランドを合成する。よって、アンプリコンは二本鎖DNAであり得る。RNA依存性RNAポリメラーゼは、RNAテンプレートからRNAを合成する。よって、アンプリコンは二本鎖RNAであり得る。DNA依存性RNAポリメラーゼは、二本鎖DNAテンプレートからRNAを合成し、これは転写とも呼ばれる。よって、アンプリコンは一本鎖RNAであり得る。アンプリコン、及びアンプリコンを生成する方法は、当業者に既知である。本明細書において便宜上、一本鎖RNA又は一本鎖DNAは、本発明の増幅オリゴマー組み合わせによって生成されるアンプリコンを表わし得る。そのような表現は、アンプリコンを表現されている例に限定することを意味するものではない。本開示を所有する当業者は、増幅オリゴマー及びポリメラーゼ酵素を使用して、多数のタイプのアンプリコンのうちいずれかを生成するが、これらは全て本発明の趣旨の範囲内である。
【0090】
本明細書で使用されるとき、「非標的特異的配列」は、標準ハイブリダイゼーション条件下で標的配列と安定的にハイブリダイズしない、オリゴマー配列の領域を指す。非標的特異的配列を有するオリゴマーには、プロモータープライマー、及び分子ビーコンが挙げられるが、これらに限定されない。増幅オリゴマーは、標的配列又はテンプレート配列に相補的でない配列を含み得る。例えば、プライマーの5’領域は、標的核酸に対して非相補的なプロモーター配列を含み得る(「プロモータープライマー」と呼ばれる)。当業者には、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが、5’プロモーター配列を含むよう(よってプロモータープライマーとして機能するよう)修飾し得ることが理解されよう。同様に、プロモータープライマーは、プロモーター配列を除去又はプロモーター配列なしで合成することによって修飾されて、依然としてプライマーとして機能することができる。3’がブロックされた増幅オリゴマーは、プロモーター配列を提供し、重合のテンプレートの役目を果たすことができる(「プロモータープロバイダー」と呼ばれる)。よって、プロモータープライマーのような増幅オリゴマー要素によって生成されたアンプリコンは、標的特異的配列及び非標的特異的配列を含む。
【0091】
本明細書で使用されるとき、用語「相対発光量」(「RLU」)は、所定の波長又は波長帯でその試料が発する光子の相対的数量を示す、測定の任意単位である。RLUは、測定に使用される検出手段の特性によって異なる。
【0092】
用語「特異性」は、増幅及び/又は検出システムの文脈で本明細書で使用されるとき、配列及びアッセイ条件に依存する、標的配列と非標的配列とを区別する能力を表わす、システムの特性を指す。核酸増幅に関して、特異性は一般に、副産物の数に対する、生成された特定のアンプリコンの数の比を指す(例えば、信号対雑音比)。検出に関して、特異性は一般に、非標的核酸から生じる信号に対する、標的核酸から生じる信号の比を指す。
【0093】
用語「感度」は、本明細書において、核酸増幅反応が検出又は定量化できる精度を指すために用いられる。増幅反応の感度は、一般に、増幅システムにおいて確実に検出可能な標的核酸の最少複製数の測定値であり、これは例えば、用いられる検出アッセイ、及び増幅反応の特異性(例えば、特定のアンプリコンの副産物に対する比)に依存する。
【0094】
本発明のアッセイは、生物学的試料(例えば血液、血清、血漿、痰、気管支洗浄液)中に存在するヒトパルボウイルスを検出する。一実施形態において、このアッセイは、個人の提供者、又は提供者試料のプールされた収集物から得た血漿試料中のパルボウイルス及び/又はHAV標的核酸を検出した。血漿検体を調製するため、全血試料を標準的方法を用いて遠心分離し、その血漿を4℃又は-20℃で保存してから、試験を実施した。検体中のウイルス粒子を溶解させるため、洗剤を含む溶解剤を検体に混合して、ウイルス粒子から標的核酸を放出させた。検体処理は、キャプチャーオリゴマーと不動化オリゴマーを溶解剤に含めることにより、ウイルス溶解とウイルス標的核酸の精製とを組み合わせてもよい。次に、この方法には、標的キャプチャー工程が含まれ、ここで標的核酸はキャプチャーオリゴマーに特異的にハイブリダイズされ、これが不動化オリゴマーにハイブリダイズされ、各結合複合体(すなわち不動化オリゴマー、キャプチャーオリゴマー、及び標的核酸)が実質的に他の試料構成成分から分離される。結合したパルボウイルス含有複合体で固体支持体を洗浄することにより、残留する試料構成成分が洗い流される。これによって、標的核酸が他の試料構成成分から分離され、結合した標的核酸を固体支持体から放出することなく、結合複合体に濃縮される。
【0095】
典型的な試料処理は、以下の工程を伴っていた(詳細は米国特許第6,110,678号、国際特許出願公開第WO 2008/016988号、及び米国特許出願第2006/0068417号に記述されている)。体液(例えば0.5mLの血漿)中のウイルス粒子を、60℃で標的キャプチャー試薬(790mM HEPES、680mM LiOH、10%リチウムラウリル硫酸塩(LLS)、230mMコハク酸塩、7pm/mLで少なくとも1つのキャプチャープローブ、及び100μg/mLのポリdT14が磁気粒子(SERADYN(商標)、Indianapolis、IN)に結合したもの)に接触させて、溶解させた。キャプチャーオリゴマーは5’標的結合領域配列を含んでいた。キャプチャーオリゴマーは、固体支持体に結合した相補的オリゴマーに対してハイブリダイズする、ホモポリマー又は非ホモポリマーの3’テール配列を更に含んでいた(例えば、固体支持体に結合したオリゴ-dT、及びキャプチャーオリゴマーのオリゴ-dAテール部分)。標的キャプチャーハイブリダイゼーションは、この反応混合物を第1温度(60℃)でインキュベートすることによってこの混合物中で起こり、これによりキャプチャーオリゴマーが、標的核酸中のその相補的標的配列に対して特異的に結合することができる。次に、この混合物を40℃以下(例えば室温)まで冷まして、キャプチャーオリゴマーの3’テールを、粒子上の相補的オリゴマーにハイブリダイズさせた。第2ハイブリダイゼーションの後、混合物を処理して、核酸の結合複合体を伴う固体支持体を、他の試料構成成分から分離する(例えば、重力、遠心力、又は磁気による分離を用いる)。一般に、分離には、磁石を含むラックを使用して、結合した核酸複合体を有する磁気粒子を試験管の側面に引き寄せた。次にこの上澄みを除去し、粒子上に結合した複合体を、1mLの洗浄緩衝液(10mM HEPES、6.5mM NaOH、1mM EDTA、0.3%(v/v)無水エタノール、0.02%(w/v)メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、150mM NaCl、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、pH 7.5)中に磁気粒子を懸濁させることによって洗浄して、粒子を試験管側面に分離して、上澄みを除去した。
【0096】
試料処理後、インビトロ酵素媒介核酸合成によって増幅された領域の5’及び3’末端を画定する増幅オリゴマーを使用することにより、A型肝炎ウイルス及び/又はパルボウイルス標的核酸の増幅を達成して、アンプリコンを生成した。一実施形態は、米国特許第5,399,491号及び同第5,554,516号に概して説明されている転写媒介増幅(TMA)方法を使用し、この方法は、検出可能な大量の増幅産物(RNA転写)を生成する、実質的に等温のシステムである。この方法の好ましい実施形態では、増幅オリゴマーの混合物を使用し、ここでは少なくとも1つのプロモータープライマーが、少なくとも1つのプライマーと組み合わせられる。
【0097】
増幅オリゴマー組み合わせの好ましい一実施形態には、プライマーオリゴマー要素とプロモーター系オリゴマー要素とが含まれる。好ましくは、プロモーター系増幅オリゴマーは、5’RNAポリメラーゼプロモーター配列と3’標的結合配列とを含むプロモータープライマーである。RNAポリメラーゼプロモーター配列は、当該技術分野において既知であり、これにはsp6 RNAポリメラーゼプロモーター配列、T3 RNAポリメラーゼプロモーター配列及びT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、プロモータープライマーは、5’T7 RNAポリメラーゼプロモーター配列と、3’標的結合配列とを含む。最も好ましくは、5’T7 RNAポリメラーゼプロモーター配列は配列番号196である。
【0098】
好ましい一実施形態において、プロモーター系増幅オリゴマーの3’標的結合配列は、長さ約10~約40個のヌクレオチドで、ヒトパルボウイルス核酸又はA型肝炎ウイルス標的核酸の標的配列内の領域に特異的にハイブリダイズするよう構成されている核酸配列を含む。他の好ましいプロモータープライマーは、内部タグ配列を含み、この5’末端側にプロモーター配列が、3’末端側に標的結合配列が位置している。内部タグ配列はまた本明細書において、挿入配列とも呼ばれる。内部タグ配列は、任意の核酸配列であり、好ましくは標的核酸に対して安定的にハイブリダイズしないか、又は標的核酸とハイブリダイズする標的結合配列を阻害する。更に、内部タグ配列は好ましくは十分な長さ及び組成物のものであり、これにより、増幅産物にいったん組み込まれると、タグ特異的増幅オリゴマーを使用して、増幅産物を生成するための後続ラウンドに参加することができる。一つの好ましいタグ配列は、長さが約10個~約50個のヌクレオチドである。更に、挿入配列は、本発明のプロモーター系オリゴマー要素のいずれかと含まれ得ることが認識されている。
【0099】
好ましい一実施形態において、増幅オリゴマー組み合わせは、少なくとも1つのプライマー増幅オリゴマー要素を含む。好ましいプライマー増幅オリゴマーは、約10個~約50個のヌクレオチドの長さを有し、本発明の増幅反応に使用されたときに、A型肝炎ウイルス又はヒトパルボウイルス型1、2及び3に対して特異的にハイブリダイズして検出可能な増幅産物を生成するよう構成されたヌクレオチド組成物を有する。一つの好ましいプライマーオリゴマーは、長さが約10個~約50個のヌクレオチドである。本発明のプライマーオリゴマー要素は、本明細書に記載されている。これらの記載は、ここでは繰り返す必要はない。他の好ましいプライマーオリゴマー要素は、5’タグ配列を含む。5’タグ配列は任意の核酸配列であり、好ましくは標的核酸と安定的にハイブリダイズしないか、又は標的核酸とハイブリダイズする標的結合配列を阻害するものである。更に、5’タグ配列は好ましくは十分な長さ及び組成物のものであり、これにより、増幅産物にいったん組み込まれると、タグ特異的増幅オリゴマーを使用して、増幅産物を生成するための後続ラウンドに参加することができる。一つの好ましい5’タグ配列は、長さが約10個~約50個のヌクレオチドである。別の好ましいタグ配列は、長さが約12個のヌクレオチドである。更に、5’タグ配列は、本発明のプライマーオリゴマー要素のいずれかと含まれ得ることが認識されている。
【0100】
転写媒介増幅により標的核酸を増幅することによって、標的核酸の単一複製から、数多くのストランドの核酸が生成され、これにより、増幅産物の配列に対してハイブリダイズするプローブを検出することにより、標的の検出が可能になる。一般に、反応混合物には、標的核酸と少なくとも2つの増幅オリゴマーとが含まれ、この増幅オリゴマーは、少なくとも1つのプライマー、少なくとも1つのプロモータープライマー、逆転写酵素及びRNAポリメラーゼ活性、核酸合成基質(デオキシリボヌクレオシド三リン酸及びリボヌクレオシド三リン酸)並びに適切な塩及び緩衝剤を溶液中に含んで、核酸テンプレートから複数のRNA転写を生成する。端的に言うと、プロモータープライマーは標的配列の一部分に特異的にハイブリダイズする。RNアーゼH活性を含む逆転写酵素は、プロモータープライマーの3’延長により第1ストランドcDNAを形成する。このcDNAがプロモータープライマーの下流側のプライマーにハイブリダイズし、逆転写酵素を用いて新たなDNAストランドがプライマーの3’末端から合成され、これにより、一端に機能性プロモーター配列を有するdsDNAが形成される。RNAポリメラーゼはプロモーター配列でdsDNAに結合し、複数の転写又はアンプリコンを転写する。これらのアンプリコンは更に増幅プロセスに使用され、新たな複製ラウンドのためのテンプレートとしての役目をして、最初の標的配列から、最終的に大量の一本鎖増幅核酸を生成する(例えば、単一のテンプレートから合成されたRNAの複製が100~3,000個)。このプロセスは実質的に一定の反応条件を使用する(すなわち実質的に等温)。典型的な100μL増幅反応では、75μLの増幅試薬混合物(11.6mMトリス塩基、15.0mMトリス-HCl、22.7mM MgCl2、23.3mM KCl、3.33%グリセロール、0.05mM Zn-酢酸塩(二水和物)、dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPをそれぞれ0.665mM、ATP、CTP、GTP、及びUTPをそれぞれ5.32mM、pH 7)、及び25μLの酵素試薬混合物(700UのT7 RNAポリメラーゼ、1400Uのモロニーマウス白血病ウイルス由来の逆転写酵素(MMLV-RT)、16mM HEPES(遊離酸、二水和物)、70mM N-アセチル-L-システイン、3mM EDTA、0.05%(w/v)Na-アジド、20mMトリス塩基、50mM KCl、20%(v/v)無水グリセロール、10%(v/v)TRITON(登録商標)X-102、及び150mMトレハロース(二水和物)、pH 7)を使用し、好ましくは固体粒子上に保持された、キャプチャーされた標的核酸と混合する。酵素活性については、1UのT7 RNAポリメラーゼが、T7プロモーターを含むDNAテンプレートを使用して、37℃にて1時間で1nmolのATPをRNAに取り込み、1UのMMLV-RTが、200~400μmolのオリゴdT-プライムされたポリ(A)をテンプレートとして用いて、37℃にて10分間で1nmolのdTTPをDNAに取り込む。増幅オリゴマーは、1反応当たり約5~20pmol、又はより典型的には1反応当たり約7~15pmol、又はより典型的には1反応当たり約5~15pmol、又はより典型的には1反応当たり約5~10pmolの範囲であり、これらの範囲にはその中の全ての整数及び小数が含まれる。
【0101】
好ましい一実施形態において、TMA反応が、増幅オリゴマーの組み合わせを用いて実施され、ここで該組み合わせは、少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素、及び少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含み、ここで該組み合わせは、A型肝炎ウイルス及び/又はヒトパルボウイルス型1、2及び3の検出のために増幅産物を生成するよう構成されている。特定の一態様において、TMA反応は、少なくとも1つのA型肝炎ウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号1~11)及び少なくとも1つのA型肝炎ウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号12~28)を使用して実施される。特定の一態様において、TMA反応は、少なくとも1つのパルボウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号75~87)及び少なくとも1つのパルボウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号88~107)を使用して実施される。特定の一態様において、マルチプレックスTMA反応は、少なくとも1つのA型肝炎ウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号1~11)及び少なくとも1つのA型肝炎ウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号12~28)を使用して実施される。特定の一態様において、マルチプレックスTMA反応は、少なくとも1つのパルボウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号75~87)及び少なくとも1つのパルボウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号88~107)を使用して実施される。特定の一態様において、マルチプレックスTMA反応は、少なくとも1つのパルボウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号75~87)、少なくとも1つのパルボウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号88~107)、少なくとも1つのA型肝炎ウイルス非T7増幅オリゴマー(配列番号1~11)及び少なくとも1つのA型肝炎ウイルスプロモーター系増幅オリゴマー(配列番号12~28)を使用して実施される。この実施形態の一態様において、増幅オリゴマー組み合わせは、5’プロモーター配列、内部タグ配列、及び3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素を含む。この実施形態の一態様において、増幅オリゴマー組み合わせは、5’プロモーター配列、内部タグ配列、及び3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素を含み、更に、5’プロモーター配列及び3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素を含む。この実施形態の一態様において、増幅オリゴマー組み合わせは、5’タグ配列及び3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含む。この実施形態の一態様において、増幅オリゴマー組み合わせは、5’タグ配列及び3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含み、更に、3’標的結合配列を含む少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含む。
【0102】
別の好ましい一実施形態において、TMA反応は、増幅オリゴマー組み合わせを用いて実施され、この増幅オリゴマー組み合わせは、少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素と少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含み、ここでは、ヒトパルボウイルス型1、2及び3を検出するための増幅産物を生成するよう構成され、及び/又は少なくとも1つのプロモータープライマーオリゴマー要素と少なくとも1つのプライマーオリゴマー要素を含み、ここでは、A型肝炎ウイルスを検出するための増幅産物を生成するよう構成されている。一実施形態において、パルボウイルスのためのTMA反応は、定量的増幅及び検出反応である。一実施形態において、A型肝炎のためのTMA反応は、定量的増幅及び検出反応である。一実施形態において、パルボウイルスのためのTMA反応及びA型肝炎ウイルスのためのTMA反応は、定量的増幅及び検出反応である。一態様において、これらの増幅反応は、マルチプレックス増幅反応であり、増幅産物の検出は、配列番号58~74の1つ以上の検出プローブ、及び/又は配列番号137~169の1つ以上の検出プローブを使用する検出工程で実施される。一態様において、この増幅反応は、シングルプレックス増幅反応であり、増幅産物の検出は、配列番号58~74の1つ以上の検出プローブ、又は配列番号137~169の1つ以上の検出プローブを使用する検出工程で実施される。
【0103】
増幅反応の後又は最中のいずれかにおいて、A型肝炎ウイルス標的核酸及び/又はパルボウイルス標的核酸から生成された増幅配列は、好ましくは、増幅配列の一部に対して特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの標識核酸プローブでハイブリダイゼーションされることにより、検出される。プローブ実施形態には、約80℃~約85℃の範囲のTmを有するものが含まれる。いくつかの好ましいプローブ実施形態には、約15個~約40個のヌクレオチドの長さを有し、またDNA、RNA又はそれらの組み合わせである核酸配列を有し、かつA型肝炎ウイルス核酸又はヒトパルボウイルス核酸又は増幅核酸の標的配列の領域の全て又は一部と特異的にハイブリダイズするよう構成されているオリゴマーが含まれる。本発明の検出オリゴマーは、1つ以上のLNA残基を更に含み得る。プローブの検出は、均質反応中で検出され得る標識を検出することによって達成される。よって、いくつかの好ましい実施形態は更に、均質検出を可能にする周知の方法を用いて、アクリジニウムエステル(AE)化合物で標識されたプローブを含む(例えば、標識及び検出方法は、米国特許第5,283,174号(Arnold、Jr.ら)、同第5,656,207号(Woodheadら)、及び同第5,658,737号(Nelsonら)に詳しく記載されている)。化学発光AE化合物は、リンカー化合物を介してプローブ配列に結合される(米国特許第5,585,481号及び同第5,639,604号(Arnold、Jr.ら)に概して記載されており、例えば10列6行目~11列3行目、及び実施例8を参照)。一実施形態において、標識プローブオリゴマーは、その核酸主鎖内に、少なくとも1つの2’-O-メトキシ結合を有する。典型的な検出工程の一実施形態において、プローブ試薬には、100mMコハク酸塩、2%(w/v)LLS、230mM LiOH(一水和物)、15mM 2,2’-ジチオジピリジン(ALDRITHIOL-2)、1.2M LiCl、20mM EDTA、20mM EGTA、3%(v/v)無水エタノールが含まれ、これをLiOHでpH約4.7にし、結合していないプローブの標識を加水分解するのに使用した選択試薬には、600mMホウ酸、182mM NaOH、1%(v/v)TRITON(登録商標)X-100が含まれていた。検出プローブをこの検出反応に、1反応当たり約1E7~5E7の範囲の相対発光量(RLU)、より典型的には1反応当たり約1E7~3E7RLU、より典型的には1反応当たり約2E7~5E7RLU、又はより典型的には1反応当たり約2E7~4E7RLU追加し、ここでeh範囲には、その中の全ての整数及び小数が含まれる。信号は、照度計(例えばLEADER(商標)450HC+、Gen-Probe Incorporated、San Diego、CA)を使用してRLUで検出した。
【0104】
キャプチャーオリゴマー、増幅オリゴマー及び検出プローブとして使用するのに適切なDNA配列を選択するために、公的にアクセス可能なデータベース(例えばGenBank)から利用できるDNA配列(部分的又は相補的配列を含む)を、周知の分子生物学技法を用いて、同じ又は類似の配列の領域をマッチさせることにより、比較した。配列比較はアルゴリズムの使用によって促進され得るが、当業者にはそのような比較を手作業及び視覚的に容易に行うことができる。概して、比較される配列間に比較的少ない変異を含む配列部分が、本発明に使用するための合成オリゴマーの設計の基盤として選択された。オリゴマーの設計における他の検討事項としては、配列内の、相対的GC含有量(これはTmに影響する)及び予測される二次的構造(これは分子内ハイブリッドを形成する可能性がある)の相対的な不在が挙げられ、これらは周知の方法を用いて判定された。
【0105】
一実施形態において、このアッセイは、0.5~1mLの体液(例えば血漿)試料を用いた1本の試験管で実施されて、1反応当たり約100~500複製/mLの標的DNAの感度で、標的核酸を検出した。他の実施形態において、このアッセイは、試料中のより多数の標的核酸を検出したが、この試料は個人試料のプールされた試料であり得る。
【0106】
別途定義されている場合を除き、本明細書に使用されている全ての科学技術用語は、関連分野で当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に使用されている用語の多くの一般的な定義は、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、2nd ed.(Singletonら、1994、John Wiley & Sons、New York、NY)、The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham、1991、Harper Perennial、New York、NY)、及びTaber’s Cyclopedic Medical Dictionary、17th ed.(F.A.Davis Co.、Philadelphia、PA、1993)に記載されている。別途記載されている場合を除き、本明細書で採用又は想到される技法は、当業者に周知の標準技法である。以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態のいくつかを例証するものであり、例証目的でのみ提供される。
【実施例】
【0107】
実施例1:標的キャプチャーを使用せずに、プライマー及びプロモータープロバイダーを使用した、HAV標的の増幅。
A型肝炎ウイルス増幅アッセイが、1反応当たり1.25IUのHAVを用い、2つの増幅条件(配列番号2及び配列番号18、又は配列番号2及び配列番号13)のうち1つを用いて、セットアップされた。増幅産物の検出は、分離ゲルと臭化エチジウム染料を使用して実施された。アッセイは、HAV標的のストックの連続希釈物を作製し(National Institute for Biologic Standards and ControlsのWHO First International Standard(NIBSC #00/560、バイアル当たり5E4IU))、次にこの希釈物を96ウェルプレートの別々のウェルに入れてセットアップした。次いで、2つの増幅条件のそれぞれを、希釈物の入った別々のウェルに加えた。等温増幅反応が実施され、反応の終了時に、各反応のアリコートを、別のゲルのウェルに移し、EtBrで染色した。この研究の結果、各増幅条件が、最少1.25IUのA型肝炎ウイルス核酸を検出した。
【0108】
実施例2:標的キャプチャーを使用し、プライマー及びプロモータープロバイダーを使用した、HAV標的の増幅。
実施例1と同様にA型肝炎ウイルス増幅アッセイをセットアップしたが、ただし、このアッセイは、異なる希釈物の初期標的キャプチャー工程を含み、増幅産物の検出は検出プローブ(配列番号62)を使用して行った。アッセイは、別個の希釈物それぞれからのHAV標的を最初にキャプチャーし、そのキャプチャーしたHAV標的核酸を96ウェルプレートの別々のウェルに入れてセットアップした。使用した標的キャプチャーオリゴマーは、dT3dA30テール及びK18標的キャプチャー領域を有するオリゴマーのプールからであった。標的キャプチャーオリゴマーの標的キャプチャー領域は、それぞれがG及びU残基の任意の組み合わせを有するよう合成され、これによって、この実施例で使用される標的キャプチャーオリゴマーの母集団は、混合した配列の集合となった。検出工程はエンドポイント検出反応であり、その結果、このアッセイシステムは、少なくとも3.87IU/mLのHAV標的核酸を95%検出した(表1)。
【0109】
【0110】
この実験は、増幅及び検出条件を併せて非特異的標的キャプチャーシステムを使用することで、感度の高いHAV標的核酸の増幅及び検出が得られることを示している。ただし、増幅及び検出は、標的の既知量を増幅反応に直接加えた実施例1に見られるほど感度は高くはなかった。
【0111】
実施例3:標的キャプチャーを使用し、プライマー及びプロモータープロバイダーを使用した、パルボウイルス遺伝子型1、2 & 3の増幅。
様々な濃度でパルボウイルス遺伝子型1の増幅について複数の増幅オリゴマー組み合わせを試験するため、増幅反応がセットアップされた。この増幅アッセイは、非T7増幅オリゴマーとT7増幅オリゴマーの組み合わせ全てを備えてセットアップされ、これは、配列番号75~87のそれぞれと、配列番号88~99のそれぞれを組み合わせることによって構成されることができ、ここで各組み合わせは単一の非T7と単一のT7のみであった。各増幅オリゴマーは、パルボウイルス遺伝子型1、2及び3を増幅することを目的とした。標的核酸は配列番号203であった。ストック核酸を希釈し、反応プレートウェルに、1反応当たり複製0個、1反応当たり複製10個、1反応当たり複製100個、及び1反応当たり複製100,000個を入れた。プライマーなしの増幅試薬を、概ね上述の通りに調製し、各反応プレートの各ウェルに、1反応当たり複製0個、10個、100個及び100,000個を入れた。上記の非T7及びT7増幅オリゴマーの組み合わせから様々なプライマー条件のものを、これらのプレートの別々のウェルに入れた。増幅反応は等温であり、これには約62℃で10分間、及び約42℃で20分間の初期インキュベーション、次にポリメラーゼ存在下において42℃で50分間増幅を行う工程が含まれた。増幅産物の検出は、配列番号145及びLeader HC照度計を用いて実施された。パルボウイルス複製0個を有するプレートで検出されたRLUは、934RLU~14698RLUであった。1反応当たりパルボウイルス複製10個を有するプレートで検出されたRLUは、2,015RLU~8,040,373RLUであり、組み合わせの半数以上がバックグラウンドを十分に上回る信号を提供した。1反応当たりパルボウイルス複製100個を有するプレートで検出されたRLUは、2,439RLU~8,114,133RLUであった。パルボウイルス複製100,000個を有するプレートで検出されたRLUは、495,680RLU~8,308,252RLUであった。これらのアッセイの結果から、数多くの増幅オリゴマーの組み合わせが、パルボウイルス複製最少10個を増幅するパルボウイルス増幅反応に有用であることが特定された。
【0112】
パルボウイルス遺伝子型1、2及び3それぞれの増幅及び検出について、更なるアッセイがセットアップされた。これらの増幅反応は、次の増幅オリゴマー条件を使用した:配列番号80 & 92、配列番号80 & 91、及び配列番号81 & 92、これらはそれぞれ、3つのパルボウイルス遺伝子型の増幅することを目的とした。標的核酸は、各パルボウイルス遺伝子型1~3(それぞれ配列番号200、201 & 202)の一部のインビトロ転写であり、ストック(sock)濃度からの連続希釈物としてアッセイに用いた。実施例2で検討した非特異的標的キャプチャーシステムを用いて、標的キャプチャーが実施された。検出は、配列番号146を用いたエンドポイント検出であった。この増幅及び検出アッセイの結果、この3つのシステムが、標的複製最少80個/mLの一貫した感度を有し、3つの遺伝子型間での検出の変動があったものの、複製が5個/mLでも良好な感度を有していた(例えば、複製5個/mLで、遺伝子型1のウェルの40%が反応した一方、遺伝子型3のウェルで反応性だったのは約20%のみであった)。
【0113】
パルボウイルス核酸の増幅と検出について、更なる増幅反応が実施され、ここで増幅オリゴマー組み合わせには、非T7増幅オリゴマー1つとT7増幅オリゴマー2つが含まれた。増幅オリゴマーの組み合わせは次の通りであった:配列番号80、90 & 99、配列番号80、91 & 99、配列番号80、92 & 99、配列番号81、90 & 99、配列番号81、91 & 99、配列番号81、92 & 99、配列番号82、90 & 99、配列番号82、91 & 99、及び配列番号82、92 & 99。増幅及び検出反応は、概ね上述の通りセットアップされ、各反応は10個のウェルで実施された。標的核酸は配列番号203であった。その結果、配列番号80、90 & 99、配列番号80、91 & 99、配列番号80、92 & 99、及び配列番号81、91 & 99は全て、ウェルで100%反応性で標的核酸が最少複製50個で検出され、他の組み合わせでは約80%反応性~非反応性であった。
【0114】
組み合わせ配列番号80、91 & 99、配列番号80、92 & 99及び配列番号82、90 & 99は、次いで配列番号200~202に対して試験され、各標的核酸は、1反応当たり複製45個、1反応当たり複製15個、及び1反応当たり複製5個を提供した。各反応条件は10個の別々のウェルで試験した。増幅及び検出反応は、概ね上述のようにセットアップした。3つの増幅オリゴマー組み合わせ全てが、各パルボウイルス遺伝子型について複製45個の検出で100%反応性であった。3つの増幅オリゴマー組み合わせは、3つのパルボウイルス遺伝子型の複製15個を検出するのに100%反応性~70%反応性であった。3つの増幅オリゴマー組み合わせは、3つのパルボウイルス遺伝子型の複製5個を検出するのに70%反応性~40%反応性であった。よって、パルボウイルス増幅オリゴマーの組み合わせは、各遺伝子型で複製最少5個を約40%~70%の効率で検出することができた。
【0115】
実施例4:パルボウイルス存在下でのA型肝炎ウイルスの増幅と検出。
パルボウイルス核酸の存在下でA型肝炎ウイルス標的核酸を増幅及び検出する増幅アッセイが実施された。HAV標的核酸は、実施例1に記述されたWHO標準であった。HAV標準の連続希釈物を作製し、各希釈物を96ウェルプレートの別々のウェルに入れた。配列番号200の5E6複製を各ウェルにスパイクした。HAV増幅反応混合物は、配列番号2 & 18を5~10pM/rxn含むよう調製された。エンドポイント検出反応混合物は、1反応当たり5E6RLUの配列番号62を含むよう調製された。増幅反応が実施され、次いで反応を停止し、検出反応を実施した。このアッセイの結果、HAVの複製最少40個を含むウェルで100%、HAVの複製最少20個を含むウェルで90%が、パルボウイルスの5E6複製存在下で検出された。
【0116】
実施例5:パルボウイルス標的核酸の定量的増幅及び検出。
パルボウイルス遺伝子型1、2及び3の増幅及び検出の定量的アッセイが実施された。パルボウイルス標的核酸は、パルボウイルスB19遺伝子型のWHO International Reference Panelからの核酸であった(NIBSC 99/800、これは遺伝子型1が5.98log10 IU/mL、遺伝子型2が5.94log10 IU/mL、遺伝子型3が5.97log10 IU/mLであり、ここで1IUは各遺伝子型で複製約0.12個である)。パルボウイルス標的核酸は、10,000IU/mL及び1,000IU/mLまで希釈され、各希釈物を別個の96ウェルプレートの別々のウェルに入れた。パルボウイルス増幅オリゴマーは、配列番号91 & 131であった。検出プローブオリゴマーは、配列番号144であった。パルボウイルス競合配列(配列番号197)を、増幅反応混合物にスパイクした。結果を表2に示す。
【0117】
【0118】
これらの結果、現行の定量アッセイは、WHO標準標的核酸と良好な線形性を示したが、ただし遺伝子型2アッセイでは、標準からの偏差が比較的大きかった。
【0119】
実施例6:パルボウイルス陰性ヒト血漿試料にスパイクされたパルボウイルス標的核酸の定量的増幅及び検出。
この定量的増幅及び検出アッセイは、上述の実施例5に従ってセットアップされたが、ただし、10,000IU/lMの標的核酸を、パルボウイルス陰性であると判定された提供者からのヒト血漿中に再懸濁させた。各試料中に検出されるパルボウイルスの予測量は4Log(複製個数/mL)であり、観察平均結果は3.92(±0.059)Log(複製個数/mL)であった。よって、この定量的パルボウイルスアッセイは、ヒト血漿試料中の全てのパルボウイルス標的核酸の増幅及び検出を行い、正確な結果を提供した。
【0120】
実施例7:特異的標的キャプチャーを用いたA型肝炎ウイルス核酸及びパルボウイルス標的核酸の増幅及び検出。
標的特異的標的キャプチャーオリゴマーを使用して、試料から分離された標的核酸に対して、増幅及び検出反応を実施した。A型肝炎ウイルス核酸のキャプチャーについての標的キャプチャーオリゴマーは配列番号46~51であり、パルボウイルス核酸のキャプチャーについての標的キャプチャーオリゴマーは配列番号128~131である。標的キャプチャーオリゴマーは単独で、及び組み合わせて(すなわち、A型肝炎ウイルスを標的とする2つ以上の標的キャプチャーオリゴマー、又はパルボウイルスを標的とする2つ以上の標的キャプチャーオリゴマーを意味する)、標的キャプチャー反応中に使用された。A型肝炎ウイルスシングルプレックス反応について、及びパルボウイルスシングルプレックス反応について、試料及び反応条件は、上述の通りであった。単独及び組み合わせでの特異的標的キャプチャーオリゴマーは、非特異的標的キャプチャー方法に比べ、改善された感度及びキャプチャー効率を示した。
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
本発明は、特定の実施例及び好ましい実施形態の文脈において説明されてきた。当業者には、他の実施形態が以下の請求項により定義される本発明の範囲内に包含されることが理解されよう。
【配列表】