(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】アンテナモジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/24 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
(21)【出願番号】P 2019559841
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2019099405
(87)【国際公開番号】W WO2020168688
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2019-12-04
(31)【優先権主張番号】201910133150.2
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】範 傑
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-501519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0266730(US,A1)
【文献】特開2006-245751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/24
H01Q 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナモジュールであって、
フルスクリーン電子機器に適用され、
アンテナ受信端と、電荷放出端と、を含み、
前記アンテナ受信端と電荷放出端との間にクリアランス領域が設けられ、
前記アンテナ受信端の導電性領域に電荷導出部材が設けられ、前記電荷導出部材は、前記電荷放出端に向かって延在し、前記電荷放出端に近接する第1の頂角を形成し、
前記電荷放出端の導電性領域に前記電荷導出部材と一対一に対応する電荷還流部材が設けられ、前記電荷還流部材は、前記アンテナ受信端に向かって延在し、前記アンテナ受信端に近接する第2の頂角を形成し、
静電荷が前記第1の頂角と第2の頂角との間にアーク放電を形成するように、前記第1の頂角と第2の頂角との間の距離は、予め設定された距離以下であり、
前記電荷導出部材は、二つであり、且つ前記アンテナ受信端の導電性領域の対向する両側にそれぞれ設けられる、
ことを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記予め設定された距離は、1.2ミリメートル以下である、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記電荷導出部材と電荷還流部材の材質は、金属を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記電荷導出部材と電荷還流部材との断面形状は、鋸歯状を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記第1の頂角と第2の頂角との材質は、金を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記アンテナモジュールは、絶縁遮断部材をさらに含み、
前記絶縁遮断部材は、前記アンテナ受信端と電荷放出端との間に位置し、且つ前記アンテナ受信端と電荷放出端のうちの一つに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記絶縁遮断部材は、前記アンテナ受信端又は前記電荷放出端の辺縁領域に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項
6に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
電子機器であって、
機器本体と、請求項1~
7のいずれかに記載のアンテナモジュールとを含み、前記アンテナモジュールは、前記機器本体に取り付けられる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記機器本体は、積み重ねられるように設けられ、且つスライド接続された第1の本体と第2の本体とを含み、前記アンテナ受信端は、第1の本体に設けられ、前記電荷放出端は、前記第2の本体に設けられ、且つ前記アンテナ受信端と位置が対応することにより、前記第1の頂角と前記第2の頂角との間の距離が常に予め設定された距離以下になる、
ことを特徴とする請求項
8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1の本体は、前記第1の本体の正面を覆うスクリーンアセンブリを含み、前記第2の本体は、ミドルフレームを含み、前記アンテナ受信端は、前記第1の本体の背面の辺縁領域に取付けられ、前記電荷放出端は、前記ミドルフレームの前記辺縁領域と対応する位置に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項
9に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子技術の分野に関し、特に、アンテナモジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術では、例えば、携帯電話などの電子機器は、アンテナを設置して通信機能を実現する必要があり、アンテナは、電子機器の金属素子から離れるだけではなく、バッテリー、発振器、シールドケース、カメラなどの部品と隔離して、クリアランス領域によってアンテナの全方向通信効果を確保する。
【0003】
携帯電話などの電子機器は、フルスクリーン時代にスペースの問題によるクリアランス領域の減少のため、アンテナの送受信性能に影響する。しかし、フルスクリーン電子機器のクリアランス領域を単に増大すると、クリアランス領域における静電気が放出されにくいという問題が発生する。
【0004】
したがって、大きなクリアランス領域アンテナ及び電子機器の静電気安全性を如何に向上させることは、当分野において、注目されている課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、アンテナモジュール及び電子機器のアンテナ性能と静電気安全性を向上させるためのアンテナモジュール及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の第1の側面によれば、アンテナモジュールを提供し、前記アンテナモジュールは、アンテナ受信端と電荷放出端とを含み、前記アンテナ受信端と電荷放出端との間にクリアランス領域が設けられ、
前記アンテナ受信端の導電性領域に電荷導出部材が設けられ、前記電荷導出部材は、前記電荷放出端に向かって延在し、前記電荷放出端に近接する第1の頂角を形成し、
前記電荷放出端の導電性領域に前記電荷導出部材と一対一に対応する電荷還流部材が設けられ、前記電荷還流部材は、前記アンテナ受信端に向かって延在し、前記アンテナ受信端に近接する第2の頂角を形成し、
静電荷が第1の頂角と第2の頂角との間にアーク放電を形成するように、前記第1の頂角と第2の頂角との間の距離は、予め設定された距離以下である。
【0007】
選択可能に、前記電荷導出部材は二つであり、且つ前記アンテナ受信端の導電性領域の対向する両側にそれぞれ設けられる。
【0008】
選択可能に、前記電荷導出部材は複数であり、且つ前記アンテナ受信端の導電性領域に均等に分布される。
【0009】
選択可能に、前記予め設定された距離は、1.2ミリメートル以下である。
【0010】
選択可能に、前記電荷導出部材と電荷還流部材の材質は、金属を含む。
【0011】
選択可能に、前記電荷導出部材と電荷還流部材との断面形状は、鋸歯状を含む。
【0012】
選択可能に、前記第1の頂角と第2の頂角との材質は、金を含む。
【0013】
選択可能に、前記アンテナモジュールは、絶縁遮断部材をさらに含み、前記絶縁遮断部材は、前記アンテナ受信端と電荷放出端との間に位置し、且つ前記アンテナ受信端と電荷放出端のうちの一つに取り付けられる。
【0014】
選択可能に、前記絶縁遮断部材は、前記アンテナ受信端又は前記電荷放出端の辺縁領域に取り付けられる。
【0015】
本開示の第2の側面によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、機器本体と、前記アンテナモジュールとを含み、前記アンテナモジュールは、前記機器本体に取り付けられる。
【0016】
選択可能に、前記機器本体は、積み重ねられるように設けられ、且つスライド接続された第1の本体と第2の本体とを含み、前記アンテナ受信端は、第1の本体に設けられ、前記電荷放出端は、前記第2の本体に設けられ、且つ前記アンテナ受信端と位置が対応することにより、前記第1の頂角と前記第2の頂角との間の距離が常に予め設定された距離以下になる。
【0017】
選択可能に、前記第1の本体は、前記第1の本体の正面を覆うスクリーンアセンブリを含み、前記第2の本体は、ミドルフレームを含み、前記アンテナ受信端は、前記第1の本体の背面の辺縁領域に取付けられ、前記電荷放出端は、前記ミドルフレームの前記辺縁領域と対応する位置に取り付けられる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の実施例により提供される技術案は、以下の有益な効果を含むことができる。
本開示は、アンテナモジュールのアンテナ受信端のクリアランス領域側に電荷放出端を設け、アンテナ受信端の導電性領域に電荷導出部材を設け、電荷放出端の導電性領域に電荷還流部材を設けることによって、電荷導出部材の第1の頂角と電荷還流部材の第2の頂角との間の距離が、予め設定された距離以下にすることによって、アンテナ受信端とクリアランス領域に蓄積された静電荷が、第1の頂角と第2の頂角との間のアーク放電によって放出される可能である。上記の構造は設置が簡単であり、アンテナモジュール全体の構造と機能に対する干渉を低減し、アンテナモジュール及び電子機器の静電気の安全性能をさらに向上させる。
【0019】
なお、上記の一般的な説明及び後述した詳細な説明は、例示的、且つ解釈的なものであり、本開示を限定するものではないと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここの図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に適用される実施例を示しており、本明細書と共に本開示の原理を説明する。
【0021】
【
図1】本開示の一つの例示的な実施例におけるアンテナモジュールの断面構造の概略図である。
【
図2】本開示の他の例示的な実施例におけるアンテナモジュールの断面構造の概略図である。
【
図3】本開示のもう一つの例示的な実施例におけるアンテナモジュールの断面構造の概略図である。
【
図4】本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の断面構造の概略図である。
【
図5】本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の使用状態での概略構成図である。
【
図6】本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の他の使用状態での概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、図面に示されている例示的な実施例を詳しく説明する。以下の説明は、図面に係る場合に、他の表示がない限り、異なる図面における同一の数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本発明と一致する全ての実施形態を表すものではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に詳しく記載された本発明の一部と一致する装置及び方法の例示だけである。
【0023】
関連技術では、例えば、携帯電話などの電子機器は、通信機能を実現するためにアンテナモジュールを設置する必要があり、アンテナモジュールは、電子機器における金属素子から離れるだけでなく、バッテリー、発振器、シールドケース、カメラなどの部品と隔離する必要があり、クリアランスの領域によってアンテナモジュールの全方向通信効果を保証し、上記のクリアランスの領域は、クリアランス領域と呼ばれる。
【0024】
フルスクリーン電子機器のスクリーンアセンブリは、アンテナモジュールの組み立てスペースに大きな干渉を引き起こし、上記の組み立てスペースの干渉に対してクリアランス領域を減小及び増大させるといった二つの手段がある。クリアランス領域を減小させると、電子機器内部の金属又は他の部品の信号の干渉によって、アンテナの送受信性能が直接に影響を受ける。又は、電子機器の使用中には多くの内部又は外部電荷接触が存在するため、フルスクリーン電子機器のクリアランス領域を単純に増大させると、クリアランス領域の静電気が放出されにくくなり、同様にアンテナの送受信性能が影響を受けることになり、ユーザの手が上記静電気の電荷さえも感知することになり、ユーザの体験を低下させる。
【0025】
例えば、フルスクリーン携帯電話の画面占有率100%の実現手段は、
スライド型フルスクリーン携帯電話であり、携帯電話を、スライド接続される上部スライドカバーと下部スライドカバーの二つの部分に分け、スクリーンアセンブリは、上部スライドカバーを覆い、カメラアセンブリなどの機能アセンブリは、下部スライドカバーに設けられ、使用する必要がある時に下部スライドカバーをスライドさせて対応する機能を達成する。上記の構造に対して、上部スライドカバーに位置するアンテナモジュールは、上部スライドカバースライドと下部スライドカバーとのスライドの瞬間に上部スライドカバーのアンテナクリアランス領域の静電気が放出されることを確保できなく、静電気の蓄積は、アンテナ信号の品質に重大な影響を与え、又はユーザの手の静電誘導を引き起こす。
【0026】
図1は、本開示の一つの例示的な実施例におけるアンテナモジュールの断面構造の概略図である。
図1に示すように、前記アンテナモジュール1は、アンテナ受信端11と電荷放出端12とを含み、前記アンテナ受信端11と電荷放出端12との間にクリアランス領域13が設けられる。アンテナ受信端11の導電性領域に電荷導出部材111が設けられ、電荷導出部材111は、電荷放出端12に向かって延在し、電荷放出端12に近接する第1の頂角1111を形成する。電荷放出端12の導電性領域に電荷導出部材111と一対一に対応する電荷還流部材121が設けられ、電荷還流部材121は、アンテナ受信端11に向かって延在し、アンテナ受信端11に近接する第2の頂角1211を形成する。前記第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の距離は、予め設定された距離d以下であることによって、静電荷が第1の頂角1111と第2の頂角1211との間にアーク放電を形成する。
【0027】
電荷導出部材111の第1の頂角1111と電荷還流部材121の第2の頂角1211との間の距離が、予め設定された距離d以下にすることによって、アンテナ受信端11とクリアランス領域13に蓄積された静電荷が、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間のアーク放電によって放出されることができる。上記の構造は設置が簡単であり、アンテナモジュール1全体の構造と機能に対する干渉を低減し、アンテナモジュール1の静電気の安全性能も向上させる。
【0028】
上記の実施例に記載のアンテナモジュール1に対して、前記アンテナモジュール1における電荷導出部材111と、電荷還流部材121の具体的な構造の設置及びアンテナ受信端11と電荷放出端との結合関係は、様々な形式であってもよく、以下の実施例で例示的に説明する。
一実施例において、
図1に示すように、前記電荷導出部材111は、二つを有し、且つアンテナ受信端11の導電性領域に対向する両側にそれぞれ設けられる。静電気は、通常、クリアランス領域13に蓄積され、往復に流動するため、アンテナ受信端11の導電性領域に対向する両側に位置する電荷導出部材111は、アンテナ受信端11の導電性領域の両側に流動した静電荷を導出することができるだけでなく、電荷導出部材111がアンテナ受信端11の他の領域の構造に対する干渉を低減することもでき、スペース利用率を向上させることができる。
【0029】
別の実施例では、
図2に示すように、前記電荷導出部材111は、複数であり、且つアンテナ受信端11の導電性領域に均等に分布される。静電気は、通常、クリアランス領域13に蓄積され、往復に流動するため、アンテナ受信端11の導電性領域に均等に分布される電荷導出部材111は、当該位置に移動された静電荷を迅速に導出することができ、静電気の導出効率を向上させ、すなわちアンテナモジュール1及び電子機器2の静電気の安全性能を向上させる。
【0030】
静電荷が多く集積するほど、エネルギーが大きくなり、少なく集積するほど、エネルギーが小さくなるため、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の距離が大きくなるほど、アーク放電を発生することができるように、多くの電荷を蓄積する必要があり、すなわち上記の蓄積された静電荷は、依然としてクリアランス領域13で流動するため、安全上懸念される問題となり、無線周波数の受信と送信信号の品質に影響することによって、通信に影響する。逆に、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の距離が小さくなるほど、集積した少量の電荷をアーク放電によって放出することができ、且つ第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の距離が近いほど、放出の適時性が良い。上記の実施例では、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の放出効率を向上させ、過剰の静電荷の蓄積を回避するために、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の予め設定された距離dは、1.2ミリメートル以下であってもよい。又は、実際の状況に応じて静電気の放出効率をさらに向上させるために、前記予め設定された距離dは、1ミリメートル以下であってもよく、本開示は、予め設定された距離dの具体的な値を制限しない。
【0031】
また、静電気によって、放出過程中に第1の頂角1111と第2の頂角1211に熱が発生することがあり、前記熱は、第1の頂角1111と第2の頂角1211の変形と表面不活性化を引き起こす可能性があり、それによって放電経路が影響を受けることがある。したがって、前記第1の頂角1111と第2の頂角1211の材質は、金であり、それによって第1の頂角1111と第2の頂角1211の使用寿命を向上させる。又は、前記第1の頂角1111と第2の頂角1211は、他の耐熱導体材質を選択することもでき、本開示は、これらを限定しない。
【0032】
上記の実施例では、クリアランス領域13の静電荷の導出を実現するために、前記電荷導出部材111と電荷還流部材121の断面形状は、鋸歯状であってもよく、すなわち広いベースとベースから集まって延在し形成される尖角と、を含み、広いベースは、アンテナ受信端11又は電荷放出端12との結合を容易になり、尖角構造は、対応する二つの尖角により電荷の蓄積が限界に達する時にアーク放電が発生されやすくなる。又は、前記電荷導出部材111と電荷還流部材121の断面は、尖角を有する他の不規則な形状であってもよく、本開示は、これらを限定しない。
【0033】
また、電荷の導出及び構造の信頼性を確保するために、前記電荷導出部材111と電荷還流部材121の材質は、金属であってもよい。又は、前記電荷導出部材111と電荷還流部材121は、他の導体材質を選択して使用することもでき、本開示も、これらを限定しない。
【0034】
上記の実施例では、アンテナモジュール1の作業流れは、アンテナ受信端11によって通信信号を送受信し、電子機器2のメインボードと通信信号の伝送を実現する。アンテナ受信端11が電荷放出端12と直接に接触する場合、通信信号の伝送に干渉を引き起こし、通信信号に関連する機能の実現に影響する可能性がある。したがって、
図3に示すように、アンテナモジュール1は、さらに絶縁遮断部材14を含むことができ、前記絶縁遮断部材14は、アンテナ受信端11と電荷放出端12との間に位置し、且つ前記電荷放出端12に取付けられ、前記アンテナ受信端11と電荷放出端12との直接接触を回避する。又は、絶縁遮断部材14は、前記アンテナ受信端11に取付けられ、本開示は、絶縁遮断部材14の具体的な位置に対して限定しなく、アンテナ受信端11と電荷放出端12との直接接触を回避することができればよい。
【0035】
さらに、前記絶縁遮断部材14は、前記アンテナ受信端11又は前記電荷放出端12の辺縁領域に取付けられ、アンテナ受信端11又は電荷放出端12の構造の占有と干渉を低減し、スペース利用効率を向上させる。なお、絶縁遮断部材14の材質は、プラスチック、ゴムなどの絶縁材質であってもよく、本開示は、これらを限定しない。
【0036】
なお、本開示に係るアンテナモジュール1は、例えば、フルスクリーン、非フルスクリーン、スライドカバー、折り畳み携帯電話、タブレットコンピュータ、車載端末、医療端末などのフルスクリーン電子機器2のために用いられ、対応する電子機器2におけるアンテナモジュール1に存在する送受信性能と静電気安全問題を解決し、本開示は、これらを限定しない。以下では、アンテナモジュール1がフルスクリーン電子機器2に適用されることを例として、アンテナモジュール1の構造を例示的に説明する。
【0037】
図4は、本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の断面構造の概略図である。
図5は、本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の使用状態での概略構成図である。
図6は、本開示の一つの例示的な実施例における電子機器の他の使用状態での概略構成図である。
図4と、
図5と、
図6に示すように、前記電子機器2は、機器本体と前記アンテナモジュール1とを含み、アンテナモジュール1は、機器本体に取付けられ、電子機器2が対応する通信信号の送受信機能を実現する。
【0038】
一実施例において、前記機器本体は、積み重ねられるように設けられ、且つスライドに接続された第1の本体21と第2の本体22とを含む。前記アンテナモジュール1のアンテナ受信端11は、第1の本体21に設けられ、電荷放出端12は、第2の本体22に設けられ、且つアンテナ受信端11と位置が対応することにより、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の距離が、第1の本体21と第2の本体22との相対的なスライドにつれて常に予め設定された距離d以下になる。
【0039】
第1の本体21と第2の本体22とが相対的なスライドを生じる過程中、電荷導出部材111と電荷還流部材121との間に相互に干渉される接続関係がなく、又は第1の頂角1111と第2の頂角1211との間の相対的なスライドにおいて予め設定された距離d以下である位置関係を常に保持することを確保することができるため、第1の本体21におけるクリアランス領域13に蓄積された静電荷は、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間のアーク放電によって放出されることができ、電荷放出の信頼性と放出効率を向上させるとともに、静電気放出の実現によるアンテナモジュール1の構造と機能の干渉をさらに回避する。したがって、上記の構造設置は、フルスクリーン電子機器2のアンテナモジュール1及びその自体の静電気の安全性能をさらに向上させる。
【0040】
さらに、前記第1の本体21は、第1の本体21の正面を覆うスクリーンアセンブリ211を含み、前記第2の本体22は、ミドルフレーム221を含み、アンテナ受信端11は、第1の本体21の背面の辺縁領域に取付けられ、電荷放出端12は、ミドルフレーム221の、第1の本体21の背面の辺縁領域と対応する位置に取り付けられる。したがって、スクリーンアセンブリ211が第1の本体21の正面を覆うフルスクリーン電子機器2については、本開示の前記アンテナモジュール1のアンテナ受信端11を第1の本体21の背面の辺縁領域に設置するとともに、電荷放出端12を第2の本体22のミドルフレーム221に取り付けられることによって、アンテナモジュール1がスクリーンアセンブリ211のフルスクリーン効果、及び、例えば、カメラなどの他の機能アセンブリの構造に対する干渉を回避し、アンテナモジュール1が電子機器2の厚さに対する影響をさらに回避する。
【0041】
電子機器2の第1の本体21と第2の本体22とは、
図5と、
図6の上下方向に相対的なスライドをしてもよいし、左右方向に相対的なスライドをしてもよいし、他の任意の方向に相対的なスライドをしてもよく、本開示は、これらを限定しない。第1の本体21と第2の本体22が上下方向に相対的なスライドすることを例として、アンテナ受信端11は、第1の本体21の頂部辺縁に設けられることができ、電荷放出端は、対応する第2の本体22のミドルフレーム221の頂部に設けられ、第1の本体21と第2の本体22との相対的なスライド過程中に、第1の頂角1111と第2の頂角1211との距離が常に予め設定された距離d以下になることを確保するとともに、電子機器2の他のスペースの占有と干渉を回避する。
【0042】
アンテナモジュール1がフルスクリーン電子機器2に適用する場合、前記絶縁遮断部材14は、第2の本体22の両側の辺縁に取り付けられることもでき、前記アンテナ受信端11と電荷放出端12との直接接触を回避するとともに、アンテナモジュール1自体のスペース占有を回避する。
【0043】
別の実施例では、機器本体は、さらに、タブレット全体であってもよく、前記電子機器2のスクリーンアセンブリ211は、機器本体の正面を覆い、フルスクリーンを形成する。フルスクリーンがアンテナモジュール1の取り付けスペースを占有することによって、アンテナモジュール1のクリアランス領域13の設置が影響を受けるため、アンテナモジュール1は、スクリーンアセンブリ211の下方の機器本体の頂部と、底部と、両側の辺縁領域に取り付けられることができる。電荷導出部材111の第1の頂角1111と電荷還流部材121の第2の頂角1211との間の距離が常に予め設定された距離d以下であることによって、クリアランス領域13に蓄積された静電荷は、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間のアーク放電によって放出される。
【0044】
一方、前記アンテナモジュール1は、電荷導出部材111の第1の頂角1111と電荷還流部材121の第2の頂角1211との間に形成されたアーク放電に依存して静電気放出を実現し、電荷導出部材111と電荷還流部材121との間には、相互干渉される接続関係が存在しないため、静電気放出の実現によるアンテナモジュール1の構造と機能に対する干渉が回避され、アンテナモジュール1及び電子機器2の静電気の安全性能がさらに向上する。一方、電荷導出部材111と電荷還流部材121は、いずれもクリアランス領域13内に延在するため、アンテナモジュール1が電子機器2の厚さ、長さ又は幅方向に設けられていても、いずれも電子機器2の厚さに対する影響を引き起こすことなく、アンテナモジュール1の設置の柔軟性を向上させるとともに、電子機器2内部スペースの配置の最適化に寄与する。
【0045】
なお、電子機器2に適用されるアンテナモジュール1のアンテナ受信端11と、電荷放出端12と、電荷導出部材111と、電荷還流部材121などの他の構造設置は、先の実施例と同じであり、ここでは詳しく説明しない。
【0046】
本開示は、アンテナモジュール1のアンテナ受信端11のクリアランス領域13側に電荷放出端12を設け、アンテナ受信端11の導電性領域に電荷導出部材111を設け、電荷放出端12の導電性領域に電荷還流部材121を設けることによって、電荷導出部材111の第1の頂角1111と電荷還流部材121の第2の頂角1211との間の距離を、予め設定された距離d以下にし、それによって、アンテナ受信端11とクリアランス領域13に蓄積された静電荷が、第1の頂角1111と第2の頂角1211との間のアーク放電によって放出されることができる。上記の構造は設置が簡単であり、アンテナモジュール1の全体の構造と機能に対する干渉を低減し、アンテナモジュール1と電子機器2の静電気の安全性能をさらに向上させる。
【0047】
当業者は、明細書を考慮して本明細書に開示された技術案を実施して、本発明の他の実施例を容易に想到する。本願は、本開示の任意の変形、用途又は適宜な変更を含むことを意図しており、これらの変形、用途又は適宜な変更は、本開示の一般的な原理に従うものであるとともに、本開示に開示されていない当技術分野における周知技術又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は単なる例示的なものとみなされ、本発明の本当の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0048】
なお、本開示は、以上に既に説明され、図面に示された精確な構成に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、様々な修正及び変更をすることができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。