IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノヴォ ノルディスク アー/エスの特許一覧

<図1>
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図1
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図2
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図3
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図4
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図5
  • 特許-MIC-1化合物およびその使用 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】MIC-1化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20220126BHJP
   C07K 14/575 20060101ALI20220126BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20220126BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220126BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20220126BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20220126BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20220126BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20220126BHJP
   C12N 15/19 20060101ALN20220126BHJP
【FI】
C07K19/00
C07K14/575
C07K14/435
A61P3/04
A61K38/19
A61K38/22
A61K47/54
A61K47/64
C12N15/19 ZNA
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019563484
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018063476
(87)【国際公開番号】W WO2018215525
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-01-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/085576
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/113335
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カオ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シュージ
(72)【発明者】
【氏名】グァン、ホンタオ
(72)【発明者】
【氏名】チョイアーセン、ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】サース-オルム、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】アイバーセン、ラーズ、フォー
(72)【発明者】
【氏名】ノーガード、ペール
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲンセン、セバスチャン、ベック
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン、クリスチャン、タージュ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イー
(72)【発明者】
【氏名】フリーボア、キラン、ウォルダーマー、コンデ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィツォレク、ブリジット
【審査官】藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-518468(JP,A)
【文献】国際公開第2016/102562(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/149501(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/200078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MIC-1ポリペプチドと、
前記MIC-1ポリペプチドのN末端に結合されたアミノ酸延長部と、
前記アミノ酸延長部に結合されたプロトラクターと、を含むMIC-1化合物であって、
前記アミノ酸延長部が、30~36個のアミノ酸残基を含み、
前記アミノ酸延長部が、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号223)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号224)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号225)、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号226)、
SEPATSCSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号227)、
SEPACSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号229)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号230)、
SEPATSGSECPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号231)、
SEPATSGSETPCTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号232)、
SEPATSGSETPGTCESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号233)、
SEPATSGSETPGTSECATPESGPGTSTEPSEG(配列番号234)、
SEPATSGSETPGTSESACPESGPGTSTEPSEG(配列番号235)、
SEPATSGSETPGTSESATPECGPGTSTEPSEG(配列番号236)、および
SEPATSGSETPGTSESATPESCPGTSTEPSEG(配列番号237)からなる群から選択される配列を含み
記Cys残基と前記MIC-1ポリペプチドの前記N末端アミノ酸との間の距離が、少なくとも3個のアミノ酸であり、
前記プロトラクターが、前記Cys残基において前記アミノ酸延長部に結合され、
前記プロトラクターが、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4を含み、
Chem.1が、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、かつ
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2が、
Chem.2A:*-(NH-CH(COOH)-(CH-CO)*および
Chem.2B:*-(NH-S(=O)-(CH-CO)*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、かつ
式中、Chem.2のkは、0~4の範囲の整数であり、
Chem.3が、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
式中、nは、1~5の範囲の整数であり、かつ
式中、lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4が、
Chem.4A: *-NH-(CH-NH-CO-CH-*および
Chem.4B: *-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*からなる群から選択され、
式中、Chem.4のmは、1~5の範囲の整数であり;
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4が、アミド結合を介して相互連結され、
Chem.4が、そのCH-*末端において、前記アミノ酸延長部の前記Cys残基のイオウ原子に連結され、かつ
前記アミノ酸延長部を有する前記MIC-1ポリペプチドが、6.5より低いpI計算値を有する、MIC-1化合物。
【請求項2】
Chem.1が、
Chem.1a: HOOC-(CH16-CO-*、
Chem.1b: HO-S(=O)-(CH15-CO-*、および
Chem.1c: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項3】
Chem.2が、
Chem.2a:*-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*および
Chem.2b:*-NH-S(=O)-(CH-CO-*からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項4】
Chem.4が、
Chem.4a:*-NH-(CH-NH-CO-CH-*および
Chem.4b:*-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項5】
Chem.1が、
Chem.1a:HOOC-(CH16-CO-*、
Chem.1b:HO-S(=O)-(CH15-CO-*、および
Chem.1c:HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*からなる群から選択され、
Chem.2が、
Chem.2a:*-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*および
Chem.2b:*-NH-S(=O)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
Chem.4が、
Chem.4a:*-NH-(CH-NH-CO-CH-*および
Chem.4b:*-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項6】
前記プロトラクターが、式IX、式X、式XI、式XII、および式XIII:
【化1】
(式IX)、
【化2】
(式X)、
【化3】
(式XI)、
【化4】
(式XII)
【化5】
(式XIII)
からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項7】
前記MIC-1ポリペプチドが、配列番号1と比較したとき、M57LおよびM86Lのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項8】
前記MIC-1ポリペプチドが、配列番号1と比較したとき、最初の三つの残基の欠失またはN3の欠失を含む、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項9】
前記MIC-1ポリペプチドが、配列番号1と比較したとき、(i)M57LおよびM86Lのうちの少なくとも一つ、ならびに(ii)最初の三つの残基の欠失またはN3の欠失を含む、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項10】
前記MIC-1ポリペプチドと前記アミノ酸延長部との組み合わせが、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、および配列番号292からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項11】
前記化合物が、
【化6】
(式01)、
【化7】
(式02)、
【化8】
(式03)、
【化9】
(式05)、
【化10】
(式07)、
【化11】
(式11)、
【化12】
(式17)、
【化13】
(式18)、
【化14】
(式19)、
【化15】
(式20)、および
【化16】
(式21)
からなる群から選択される、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項12】
前記化合物が、
【化17】
(式01)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項13】
前記化合物が、
【化18】
(式02)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項14】
前記化合物が、
【化19】
(式03)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項15】
前記化合物が、
【化20】
(式05)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項16】
前記化合物が、
【化21】
(式07)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項17】
前記化合物が、
【化22】
(式11)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項18】
前記化合物が、
【化23】
(式17)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項19】
前記化合物が、
【化24】
(式18)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項20】
前記化合物が、
【化25】
(式19)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項21】
前記化合物が、
【化26】
(式20)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項22】
前記化合物が、
【化27】
(式21)
である、請求項1に記載のMIC-1化合物。
【請求項23】
請求項1に記載のMIC-1化合物を含む、肥満を処置するための医薬組成物。
【請求項24】
Chem.1が、
Chem.1a:HOOC-(CH16-CO-*、
Chem.1b:HO-S(=O)-(CH15-CO-*、および
Chem.1c:HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*からなる群から選択され、
Chem.2が、
Chem.2a:*-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*および
Chem.2b:*-NH-S(=O)-(CH-CO-*からなる群から選択され、かつ
Chem.4が、
Chem.4a:*-NH-(CH-NH-CO-CH-*および
Chem.4b:*-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*からなる群から選択される、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記アミノ酸延長部が、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号223)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号224)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号225)、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号226)、
SEPATSCSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号227)、
SEPACSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号229)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号230)、
SEPATSGSECPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号231)、
SEPATSGSETPCTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号232)、
SEPATSGSETPGTCESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号233)、
SEPATSGSETPGTSECATPESGPGTSTEPSEG(配列番号234)、
SEPATSGSETPGTSESACPESGPGTSTEPSEG(配列番号235)、
SEPATSGSETPGTSESATPECGPGTSTEPSEG(配列番号236)、および
SEPATSGSETPGTSESATPESCPGTSTEPSEG(配列番号237)からなる群から選択される配列を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記MIC-1ポリペプチドと前記アミノ酸延長部との組み合わせが、配列番号288、配列番号289、配列番号290、配列番号291、および配列番号292からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記MIC-1化合物が、
【化28】
(式01)、
【化29】
(式02)、
【化30】
(式03)、
【化31】
(式05)、
【化32】
(式07)、
【化33】
(式11)、
【化34】
(式17)、
【化35】
(式18)、
【化36】
(式19)、
【化37】
(式20)、および
【化38】
(式21)
からなる群から選択される、請求項23に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MIC-1化合物およびその医薬品の使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「配列表」と題される配列表は、205.032バイトであり、2018年5月23日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
マクロファージ阻害性サイトカイン-1(MIC-1)は、活性化マクロファージの発現の増加を示す実験に基づき、1997年に初めて記載された(Bootcov et al,Proc.Natl.Acad.Sci.Oct 1997)。その後、MIC-1は、他者によって同定され、胎盤トランスフォーミング増殖因子ベータ(PTGF-β)、胎盤骨形成タンパク質、増殖分化因子-15(GDF15)、前立腺由来因子(PDF)、非ステロイド性抗炎症薬物活性化遺伝子(NAG-1)、およびPL74などのいくつかの追加の名前が付けられた。MIC-1は、TGF-ベータスーパーファミリーの遠縁のメンバーであり、細胞増殖および分化に関与するペプチドホルモンのファミリーである。MIC-1は、システインに富むホモ二量体として循環し、24.5KDaの分子質量を有する。ヒト野生型MIC-1は短い半減期を有し、このことは、野生型MIC-1による処置は有効性(efficacy)を維持するためには投与を毎日必要とすることを意味する。
【0004】
累積した証拠により、肥満および糖尿病などの代謝障害におけるMIC-1の治療的な有用性が裏付けられる。進行癌を有する患者からのデータにより、体重の減少がMIC-1の循環レベルと相関していることが示された(Johnen et al,Nat Med.,Nov,2007)。MIC-1を過剰発現するトランスジェニックマウスは、正常な低脂肪食餌および高脂肪食餌の両方において、体重および体脂肪の増加がより少ない(Macia et al,PLoS One,Apr,2012)。低脂肪および高脂肪食餌の両方を与えたMIC-1を過剰発現するトランスジェニックマウスはそれぞれ、同等の食餌での野生型動物と比較して、グルコースも改善した。
【0005】
国際特許公開公報第2005099746号は、MIC-1調節剤を投与することにより食欲および/または体重を調節する方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドおよびアミノ酸延長部に結合されたプロトラクター(protractor)を含むMIC-1化合物に関する。一態様では、本発明のMIC-1化合物は、N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドと、アミノ酸延長部に結合されたプロトラクターとを含み、アミノ酸延長部は、3~200個のアミノ酸残基を含み、かつアミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、6.5より低いpI計算値を有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、1個のシステイン残基を有するN末端アミノ酸延長部を有し、プロトラクターは、システイン残基に結合されている。これらの実施形態では、プロトラクターは、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A: *-(NH-CH(COOH)-(CH)m-CO)*、
Chem.2B: *-(NH-S(=O)-(CH)m-CO)*、および
Chem.2C: *-(NH-(CH2)m-シクロヘキサン-CO)-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、かつ
Chem.2のkは、0~4の範囲の整数であり、
Chem.3は、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、かつ
lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4は、
Chem.4A: *-NH-(CH-NH-CO-CH-*、
Chem.4B: *-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*、
Chem.4C: *-NH-(CH2)m-CH(COOH)-NH-CO-CH2-*、および
Chem.4D
【化1】
から選択され、
式中、Chem.4のmは、1~5の範囲の整数であり、nは、2~6の範囲の整数であり、かつ
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4は、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結するアミド結合を介して相互連結され、Chem.4は、アミノ酸延長部のシステイン残基のイオウ原子に連結されている。
【0008】
化学式中のアスタリスク(*)は、結合点を示す。
【0009】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、が、塩基性アミノ酸残基(リジン、アルギニン、および/またはヒスチジンなど)の数と比較して、少なくとも3個、4個、5個、または6個の過剰な酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸および/またはグルタミン酸など)を有するN末端延長部を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、MIC-1化合物は、A、C、E、G、P、S、T、Q、N、およびDからなる群の中から選択されるアミノ酸残基からなるN末端延長部を含み、アミノ酸延長部は、少なくとも3個のEおよび/またはDアミノ酸残基を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、配列番号1のMIC-1と少なくとも85%、90%、95%、または98%の配列同一性を示すMIC-1ポリペプチドを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、配列番号1のMIC-1と比較して、最初の3個の残基の欠失(MIC-1-Δ1-3)またはアスパラギン3の欠失(des-N3)を含むMIC-1ポリペプチドを含む。
【0013】
本発明の特定の実施形態では、MIC-1化合物は、配列番号87、90、92、93、94、97、98、99、100、101、102、108、109、111、112、113、114、115、116、117、164、288、289、290、291、または292によるアミノ酸配列を有する、MIC-1ポリペプチドおよびN末端アミノ酸延長部を含む。
【0014】
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、保持されたMIC-1受容体効力(potency)、および食物摂取量および体重の低下に対するインビボでの有効性を有する。したがって、これらのMIC-1化合物は、代謝障害、例えば、肥満、糖尿病、脂質異常症および動脈硬化症などの心血管疾患、ならびに脂肪性肝炎および糖尿病性腎症などの他の障害の処置のために使用することができる。
【0015】
一態様では、本発明は、本発明のMIC-1化合物またはその薬学的に許容される塩、アミド、もしくはエステル、および一つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0016】
一態様では、本発明は、代謝障害の予防および/または処置で使用するためのMIC-1化合物を提供し、代謝障害は、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、もしくは糖尿病性腎症である。
【0017】
一態様では、本発明は、脂質異常症、動脈硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎、もしくは糖尿病性腎症の予防および/または処置に使用するためのMIC-1化合物を提供する。
【0018】
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、ヒト野生型MIC-1と比較して、長期化された(protracted)血漿曝露、すなわち延長された半減期を有する。
【0019】
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、改善された溶解度を有する。一態様では、本発明のMIC-1化合物は、改善された化学的安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、単一の12mer構成ブロック(building block)を有するN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現。すべての細胞をTB中37℃で増殖させ、OD600が1.0に達した後に0.5mM IPTGを添加することによってタンパク質の発現を誘導した。細胞を一晩後に採取し、全溶解物をSDS-PAGE上に充填することにより発現レベルを調べた。野生型ヒトMIC-1(MIC-1)を陽性対照として充填した。
図2図2は、二つの12mer構成ブロックを有するN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現。すべての細胞をTB中37℃で増殖させ、OD600が1.0に達した後に0.5mM IPTGを添加することによってタンパク質の発現を誘導した。細胞を一晩後に採取し、全溶解物をSDS-PAGE上に充填することにより発現レベルを調べた。MIC-1を陽性対照として充填した。
図3図3は、a)12mer-(4+2+_)、12mer-(4+4+_)、および12mer-(4+3+_)で開始するN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの中での発現レベルの比較。12mer-(4+3_)を有する群およびドット(dot)によって示される構築体が、MIC-1ポリペプチド配列中にM57Lを含むことに留意すべきである。b)発現レベルに対する延長した12merの効果。さらに、3.6の群内の最低データ点は、M57Lを含有するMIC-1ポリペプチドである。この図では、「1.6後部」はTSTEEGを表し、「2.6」はTSESATを表し、「3.6」はTSTEPSを表し、また「4.6」はSEPATSを表す。
図4図4は、12mer-(4+2+_)、12mer-(4+3+_)+M57L、12mer-(3個の反復)、および12mer-(4個の反復)を有する代表例のSDS-PAGE。T:総タンパク質、S:可溶性画分、P:細胞ペレット(封入体)。
図5図5は、配列内変異を有するMIC-1ポリペプチド。この図では、MIC-1ポリペプチド配列はMIC-1Δ1-3である。T:総タンパク質、S:可溶性画分、P:細胞ペレット(封入体)。
図6図6は、ブタにおける薬力学(PD)研究中の経時的な体重変化。01:化合物01、05:化合物05。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドおよびアミノ酸延長部に結合されたプロトラクターを含むMIC-1化合物に関する。
【0022】
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、MIC-1ポリペプチドと、N末端アミノ酸延長部と、アミノ酸延長部に結合されたプロトラクターとを含み、アミノ酸延長部は、3~200個のアミノ酸残基を含み、かつMIC-1ポリペプチドおよびアミノ酸延長部は一緒に、6.5より低いpI計算値を有する。
【0023】
本発明のMIC-1化合物は、生物学的に活性である。例えば、それらは、MIC-1と比較して、効力があり、完全な有効性を保持し、また、長期化された血漿曝露プロファイル、すなわち、延長された半減期も有する。効力および長い半減期の特定の組み合わせが望ましい。
【0024】
MIC-1
本明細書で使用する場合、「MIC-1」という用語は、増殖分化因子15(GDF-15)、胎盤骨形成タンパク質(placental bone morphogenetic protein)(PLAB)、および非ステロイド性抗炎症薬物活性化遺伝子(NAG-1)としても知られる、マクロファージ阻害性サイトカイン-1(MIC-1)を意味する。次いで、MIC-1は、62kDaの細胞内ホモ二量体前駆体タンパク質として合成され、これはフーリン様プロテアーゼによって24.5kDaのホモ二量体へと切断される。全長野生型ヒトMIC-1の配列は、アクセッション番号Q99988にてUNIPROTデータベースから入手可能である。308個のアミノ酸の前駆体配列は、シグナルペプチド(アミノ酸1~29)、プロペプチド(アミノ酸30~196)、およびMIC-1単量体配列(アミノ酸197~308)を含む。112個のアミノ酸のMIC-1単量体配列は、配列番号1として本明細書に含まれる。MIC-1単量体は、9個のシステイン残基を含有し、これは、4個の鎖内ジスルフィド結合および1個の鎖間ジスルフィド結合の形成を生じさせて、共有結合した24.5KDaのホモ二量体を生成させる。MIC-1単量体配列(配列番号1)中のH6Dに対応する自然発生の変異が記載されている。
【0025】
本明細書で使用する場合、「MIC-1化合物」という用語は、MIC-1ポリペプチド、N末端アミノ酸延長部、およびプロトラクターを含む化合物を指す。MIC-1化合物は、典型的には、ホモ二量体の形態である。
【0026】
本明細書で使用する場合、「MIC-1ポリペプチド」という用語は、配列番号1のヒトMIC-1単量体配列またはその類似体を指す。特定のMIC-1残基に対する数値の言及は、別段の記載のない場合、112個のアミノ酸の単量体配列(すなわち、残基1はアラニン(A1)であり、残基112はイソロイシン(I112)である)を指す。
【0027】
本明細書で使用する場合、「MIC-1類似体」または「MIC-1の類似体」という用語は、配列番号1の単量体MIC-1配列のアミノ酸変異体であるMIC-1ポリペプチドを指す。言い換えれば、MIC-1類似体は、ヒトMIC-1(配列番号1)と比較したとき、アミノ酸残基の数が変化したMIC-1ポリペプチドである。これらの変化は、独立して、一つ以上のアミノ酸置換、付加、および/または欠失を表し得る。
【0028】
MIC-1類似体は、変化したアミノ酸残基、アミノ酸残基の数(すなわち、MIC-1単量体配列(配列番号1)中の対応する位置)、および変化(例えば、アミノ酸残基の変化)を参照することによって記載されてもよい。
【0029】
一態様では、MIC-1類似体は、配列番号1のMIC-1の機能性変異体である。本発明の一態様では、MIC-1類似体は、配列番号1のMIC-1と少なくとも85%、90%、または95%の配列同一性を示す。二つの類似体の間の配列同一性を決定する方法の一例として、H6D MIC-1および配列番号1のMIC-1の二つのペプチドを整列する。配列番号1のMIC-1に対するH6D MIC-1類似体の配列同一性は、整列した同一残基の数を配列番号1のMIC-1の整列した残基の総数で除算することによって与えられる。したがって、この例では、配列同一性をパーセントで表すと、(112-1)/112×100である。MIC-1類似体の配列同一性の決定において、N末端アミノ酸延長部は含まれない。好適な整列プログラムは、好適な整列プログラムで試験された「needle」することができ、これはNeedleman-Wunsch整列である。この整列プログラムのアルゴリズムは、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.,(1970),Journal of Molecular Biology,48:443-453に記載されている。
【0030】
本発明の別の態様では、MIC-1類似体は、配列番号1のヒトMIC-1に対して、15個、10個、または5個未満のアミノ酸修飾(置換、欠失、付加(挿入を含む)、およびそれらの任意の組み合わせ)を含む。本出願全体を通して使用される「アミノ酸修飾」という用語は、単量体MIC-1(配列番号1)と比較して、アミノ酸に対する修飾の意味で使用される。この修飾は、アミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、あるアミノ酸を別のアミノ酸で置換すること、またはペプチドのアミノ酸に共有結合した置換基の結果とすることができる。
【0031】
置換:一態様では、アミノ酸は、保存的置換によって置換され得る。本明細書で使用する場合、「保存的置換」という用語は、一つ以上のアミノ酸を別の生物学的に類似した残基で置換することを意味する。例としては、アミノ酸残基を類似する特徴物(characteristics)、例えば、小さなアミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸、および芳香族アミノ酸で置換することが挙げられる。
【0032】
一態様では、アミノ酸は、非保存的置換によって置換されてもよい。本明細書で使用する場合、「非保存的置換」という用語は、一つ以上のアミノ酸を異なる特徴を有する別のアミノ酸で置き換えることを意味する。例としては、酸性アミノ酸残基での塩基性アミノ酸残基の置換、芳香族アミノ酸残基での極性アミノ酸残基の置換などが挙げられる。一態様では、非保存的置換は、コード化されたアミノ酸を異なる特徴を有する別のコード化されたアミノ酸で置換することである。一態様では、MIC-1類似体は、一つ以上の非天然アミノ酸および/または非アミノ酸、例えばアミノ酸模倣体のMIC-1配列の中への置換を含み得る。
【0033】
本発明の一態様では、単量体MIC-1配列(配列番号1)の3位に対応する位置のアスパラギンが、セリン(N3S)、グルタミン酸(N3E)、アラニン(N3A)、またはグルタミン(N3Q)に置換される。本発明の一態様では、ヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)の3位に対応する位置のアスパラギンが、グルタミン酸(N3E)に置換される。
【0034】
本発明の一態様では、ヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)の2位に対応する位置のアルギニンがアラニン(R2A)に置換され、ヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)の3位に対応する位置のアスパラギンがグルタミン酸(N3E)に置換されている。
【0035】
本発明の一態様では、ヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)の2位に対応する位置のアルギニンがグルタミン酸(R2E)に置換され、ヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)の3位に対応する位置のアスパラギンがセリン(N3S)に置換されている。
【0036】
欠失および切断:一態様では、本発明のMIC-1類似体は、MIC-1のアミノ酸配列(配列番号1)から欠失された一つ以上のアミノ酸残基を単独でまたは一つ以上の挿入もしくは置換と組み合わせて有し得る。
【0037】
アミノ酸が欠失したMIC-1類似体は、「des」、および欠失されたアミノ酸残基、続いて欠失されたアミノ酸の数(すなわち、単量体MIC-1(配列番号1)の対応する位置)への言及によって記述され得る。本発明のいくつかの実施形態では、ヒト単量体MIC-1(配列番号1)の3位に対応する位置のアスパラギンが欠失されている(MIC-1 des-N3、配列番号2)。本発明のいくつかの実施形態では、ヒト単量体MIC-1(配列番号1)の1位に対応する位置のアラニンが欠失されている(MIC-1、des-A1)。
【0038】
N末端またはC末端において一つ以上のアミノ酸残基が切断されたMIC-1類似体は、「MIC-1-Δ」および欠失されたアミノ酸残基の番号(すなわち、単量体MIC-1(配列番号1)における対応する位置)への言及によって記述され得る。本発明のいくつかの実施形態では、N末端における最初の3個の残基(A1、R2、N3)が欠失されている(MIC-1-Δ1-3、配列番号3)。
【0039】
挿入:一態様では、本発明のMIC-1類似体は、ヒトMIC-1のアミノ酸配列に単独でまたは一つ以上の欠失および/または置換と組み合わせて挿入された一つ以上のアミノ酸残基を有する。
【0040】
一態様では、本発明のMIC-1類似体は、一つ以上の非天然アミノ酸および/または非アミノ酸のMIC-1配列への挿入を含む。
【0041】
例えば、本明細書で使用する場合、「タンパク質」または「ポリペプチド」という用語は、アミド(またはペプチド)結合によって相互連結された一連のアミノ酸を含む化合物を指す。アミノ酸は、アミン基およびカルボン酸基、ならびに側鎖と呼ばれることの多い一つ以上の追加的な基を任意選択で含有する分子である。
【0042】
「アミノ酸」という用語は、コード化された(またはタンパク質原性(proteinogenic)または天然)アミノ酸(それらのうち、20個の標準アミノ酸)だけでなくコード化されていない(または非タンパク質原性または非天然)アミノ酸を含む。コード化されたアミノ酸は、タンパク質に天然で組み込まれるアミノ酸である。標準アミノ酸は、遺伝子コードによってコードされたアミノ酸である。コード化されていないアミノ酸は、タンパク質中に見出されないか、または標準的な細胞機構によって産生されないかのいずれかである(例えば、それらは、翻訳後修飾を享受している場合がある)。以下では、光学異性体が記載されていないときのMIC-1タンパク質のすべてのアミノ酸は、(別段の指定がない限り)L-異性体を意味すると理解されるべきである。
【0043】
上記の例から明らかなように、アミノ酸残基は、その完全な名称、1文字のコード、および/または3文字のコードによって識別されうる。これらの三つの方法は完全に均等である。読み手の便宜のために、1文字および3文字のアミノ酸コードを以下に提供する:
グリシン:GおよびGly;プロリン:PおよびPro;アラニン:AおよびAla;バリン:VおよびVal;ロイシン:LおよびLeu;イソロイシン:IおよびIle;メチオニン:MおよびMet;システイン:CおよびCys;フェニルアラニン:FおよびPhe;チロシン:YおよびTyr;トリプトファン:WおよびTrp;ヒスチジン:HおよびHis;リジン:KおよびLys;アルギニン:RおよびArg;グルタミン:QおよびGin;アスパラギン:NおよびAsn;グルタミン酸:EおよびGlu;アスパラギン酸:DおよびAsp;セリン:SおよびSer;ならびにトレオニン:TおよびThr。
【0044】
N末端アミノ酸延長部
本発明のMIC-1化合物は、N末端アミノ酸延長部を含む。
【0045】
本明細書で使用する場合、「N末端アミノ酸延長部」という用語は、MIC-1ポリペプチドのN末端が、ペプチド結合を介してN末端アミノ酸延長部のC末端に結合されていることを意味する。「N末端アミノ酸延長部」、「N末端延長部」、および「N延長部」という用語は、本明細書では同じものを意味し、互換的に使用される。一実施形態では、本発明の化合物は、N末端、すなわち、1位のアラニン1(A1)においてペプチド結合を介して結合されたアミノ酸延長部を有するヒトMIC-1単量体配列(配列番号1)を含む。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、N末端アミノ酸延長部は、最大200個のアミノ酸残基長である。本発明の特定の実施形態では、N末端アミノ酸延長部は、3~36個のアミノ酸残基を有する。
【0047】
本発明の一態様では、N末端アミノ酸延長部は、塩基性アミノ酸残基(リジン、アルギニン、および/またはヒスチジン)の数と比較して、少なくとも3個、4個、5個、または6個の過剰な酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸および/またはグルタミン酸)を有する。「過剰な」酸性アミノ酸残基とは、酸性残基の数が塩基性残基の数を超えることを意味する。過剰な酸性アミノ酸残基の定義された値は、酸性残基の数から塩基性残基の数を引いた数として計算される。
【0048】
メチオニンは、原核細胞(例えば細菌、例えばE.coli)でのタンパク質発現のための当初のアミノ酸である。本発明のいくつかの実施形態では、当初のメチオニンは、タンパク質発現中にタンパク質から除去される。したがって、当初のメチオニンは、MIC-1化合物のN延長部の配列には含まれない。しかしながら、当業者は、当初のメチオニンをコード化する開始コドンはタンパク質翻訳の開始に必要であり、例外なく、タンパク質発現のためにヌクレオチド配列の直前に組み込まれるべきであることを知っている。
【0049】
一方で、当初のメチオニンを有するN延長部を有するMIC-1化合物も本発明の範囲の中へと含まれると理解することができる。
【0050】
プロトラクター
本発明のMIC-1化合物は、プロトラクターを含む。プロトラクターは、MIC-1ポリペプチドまたはN末端アミノ酸延長部の特定のアミノ酸残基に共有結合している。
【0051】
「プロトラクター」という用語は、血漿曝露の延長をもたらす特性(「半減期延長部分」)に関し、MIC-1に結合されたときにMIC-1のインビボ循環半減期を増加することができる、-SH、-OH、-COOH、-CONH2、-NH2などのアミノ酸部位鎖官能基に結合される化学基を指すと本明細書では理解される。プロトラクターの例としては、脂肪酸およびその誘導体、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、例えばヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(Glyx-Sery)n(HAP)、ヒアルロン酸(HA)、ヘパロサン(Heparosan)ポリマー(HEP)、ホスホリルコリン系のポリマー(PCポリマー)、フレキシマー(Fleximer)、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、Fcドメイン、トランスフェリン、アルブミン、エラスチン様ペプチド、非構造化反復アミノ配列(unstructured and repeated amino sequence)(例えばXTENポリマー)、アルブミン結合ペプチド、CTPペプチド、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、プロトラクターは、アルブミンと非共有結合を形成することができ、これによって、MIC-1化合物の血液/血漿曝露時間を増加させ、また、MIC-1化合物とアルブミンとの会合が活性医薬成分を放出するために低速でしか分解されないという事実により、MIC-1化合物の作用時間を延長する効果も有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明の脂肪酸を含むプロトラクターは、アルブミンと非共有結合を形成することができ、それによって、ヒト野生型MIC-1と比較してMIC-1化合物の血漿半減期を延長する。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、プロトラクターは、MIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸延長部のシステイン残基に共有結合している。一実施形態では、プロトラクターは、ハロアセトアミド基を含み、これは、チオ-エーテル結合とも称されるイオウ-炭素共有結合の形成下で、システイン残基のチオール基と反応する(このプロセスをCysアルキル化と称する)。別の実施形態では、プロトラクターは、マレイミド基を含み、これは、イオウ-炭素共有結合の形成下で、システイン残基のチオール基と反応する。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、プロトラクターは、N末端アミノ酸延長部のN末端アミノ酸と共有結合している。
【0056】
脂肪酸を含むプロトラクター
本発明の一態様では、プロトラクターは、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A: *-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*、
Chem.2B: *-NH-S(=O)-(CH-CO-*、および
Chem.2C: *-NH-(CH)m-シクロヘキサン-CO-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり;
Chem.3は、*NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、かつ
Chem.4は、
Chem.4A: *-NH-(CH-NH-CO-CH-*、
Chem.4B: *-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*、
Chem.4C:*-NH-(CH2)m-CH(COOH)-NH-CO-CH2-*、および
Chem.4D
【化2】
から選択され、
式中、Chem.4のmは、1~5の範囲の整数であり、かつnは、2~6の範囲の整数であり、または
Chem.4は、式I、式II、または式IIIからなる群から選択され:
【化3】
(式I)
【化4】
(式II)または
【化5】
(式III)
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4は、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結するアミド結合を介して相互連結されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明のプロトラクターは、一つのChem.1、一つChem.4、ならびにChem.2およびChem.3のうちの一つ以上を含む。非限定的な例として、プロトラクターは、一つのChem.1要素、二つのChem.2要素、二つのChem.3要素、および一つのChem.4要素からなる。
【0058】
Chem.2要素およびChem.3要素は両方とも、-NH-およびCO-末端を保有し、それらはアミド結合により相互に連結され、Chem.1またはChem.4のCO-または-NH-のいずれかに連結されている。Chem.4は、-NH末端(Chem.2またはChem.3とアミド結合を形成することができる)を有する。Chem.4は、未反応形態において、システイン残基のチオール基と反応することができるハロアセトアミドである、-NH-CO-CH2-末端、または未反応形態において、システインのチオール基と反応することができるマレイミドである、括弧内が環構造を表す(-N*-CO-CH2-CH**-CO)-末端のいずれかを有するか、あるいは還元的アルキル化反応においてN末端アミノ基と反応することができるアルデヒドをさらに有する。
【0059】
xまたはyによって定義されるChem.1の炭素鎖の長さは、xについては12~20で変動し、yについては5~15で変動し得る。より短い型またはより長い型は、異なる種類のプロトラクターに対して好ましいものであり得る。Chem.1Aの特定の実施形態では、*-(CH-*は、xが12~20の範囲の整数(14~18など、または16など)である、直鎖状アルキレンを指す。
【0060】
このChem.1は、C18二酸、すなわち、18個の炭素原子を有する脂肪酸ジカルボン酸として簡潔に呼んでもよい。x=16のとき、このリンカー要素の構造は、Chem.1a:HOOC-(CH16-CO-*に対応する。
【0061】
さらなる実施形態では、Chem.1は、
Chem.1a: HOOC-(CH16-CO-*、
Chem.1b: HO-S(=O)2-(CH15-CO-*、
Chem.1c: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1d: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH15-CO-*からなる群から選択される。
【0062】
さらなる実施形態では、Chem.2は、
Chem.2a:*-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*、
Chem.2b:*-NH-S(=O)-(CH-CO-*、および
Chem.2c:*-NH-CH-シクロヘキサン-CO-*からなる群から選択される。
【0063】
本発明の一態様では、プロトラクターは、システイン残基に結合し、プロトラクターは、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A: *-(NH-CH(COOH)-(CH-CO)*、
Chem.2B: *-(NH-S(=O)-(CH-CO)*、および
Chem.2C: *-(NH-(CH-シクロヘキサン-CO)-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、また
kは、0~4の範囲の整数であり;
Chem.3は、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、また
lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4は、
Chem.4A: *-NH-(CH-NH-CO-CH-*、および
Chem.4B: *-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*から選択され、
式中、Chem.4のmは、1~5の範囲の整数であり、また
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4は、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結するアミド結合を介して相互連結され、Chem.4のCH-*末端は、アミノ酸延長部のシステイン残基のイオウ原子に連結されている。
【0064】
本発明の一態様では、プロトラクターは、N末端アミノ酸に結合され、かつChem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A:*-(NH-CH(COOH)-(CH-CO)*、
Chem.2B: *-(NH-S(=O)-(CH-CO)*、および
Chem.2C: *-(NH-(CH-シクロヘキサン-CO)-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、
kは、0~4の範囲の整数であり;
Chem.3は、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、また
lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4は、式I、式II、または式III:
【化6】
(式I)
【化7】
(式II)、または
【化8】
(式III)
からなる群から選択され、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4は、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結するアミド結合を介して相互連結され、Chem.4のCH-*末端は、アミノ酸延長部のN末端のアルファ-アミノ基に連結されている。
【0065】
命名法は、当該技術分野で通常のものであり、例えば、上記の式では、*-CO-*はカルボニル(*-C(=O)-*)を指す。ベンゼンは、Chem.1Cにおいて、C1およびC3またはC4において-O-(CH)x-*および-COOHによってそれぞれ置換されている、環構造を指す。HO-S(=O)2-*は、スルホン酸基を記載する。
【0066】
本発明の化合物/プロトラクターは、同じ分子式および結合原子の配列を有するが、空間におけるそれらの原子の三次元方位のみが異なる、異なる立体異性体形態で存在し得る。本発明の例示的な化合物/プロトラクターの立体異性は、実験セクションにおいて、標準的な命名法を使用した名称だけでなく構造でも示されている。別段の記載のない限り、本発明は、特許請求された化合物/プロトラクターのすべての立体異性の形態に関する。
【0067】
等電点(pI)
N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpI計算値は、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの正味の電荷計算値がゼロであるpHとして定義される。pHの関数としてのN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの電荷計算値は、表1に記載されるアミノ酸残基のpKa値、およびB.Skoog and A.Wichman(Trends in Analytical Chemistry,1986,vol.5,pp.82-83)によって記載された方法を使用して得られる。システイン(Cys)の側鎖pKaは、遊離スルフヒドリル基を有するシステインに対する電荷の計算にのみ含まれる。一例として、ホモ二量体としてのヒトの野生型MIC-1のpI計算値は8.8である。
【0068】
本明細書に記載されるように、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpI計算はホモ二量体で行われる。
【0069】
表1:pIの計算に使用されるアミノ酸残基のpKa。pKa値は、「Correlation of Electrophoretic Mobilities from Capillary Electrophoresis with Physicochemical Properties of Proteins and Peptides by Rickard EC,Strohl MM,Nielsen RG.Analytical Biochemistry 1991,vol 197,pp 197-207」に記載されたものである。
【表1】
【0070】
機能特性
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、良好な生物物理学的特性を有する。
【0071】
本発明のMIC-1化合物は、生物学的に活性である。例えば、それらは効力があり、MIC-1受容体複合体に結合し、かつこれを活性化する。MIC-1化合物は、より長い半減期として定義される長期化された血漿曝露も示す。例えば、MIC-1化合物は、ラットおよび/またはミニブタに静脈内投与したときに、MIC-1(配列番号1)と比較して著しくより長い血漿半減期を有する。受容体効力の保持および長い血漿半減期の特定の組み合わせは、非常に望ましいものであり得る。
【0072】
インビトロ活性
一態様では、本発明の化合物は、ヒトMIC-1(配列番号1)に対してMIC-1受容体効力を保持している。受容体効力および有効性は、ヒトMIC-1受容体(hGFRAL、GDNFファミリー受容体アルファ様)およびそのシグナル伝達共受容体hRET(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼ受容体Ret)をトランスフェクトした哺乳動物細胞で測定することができる。受容体複合体のMIC-1化合物活性化は、実施例6に記載されるように、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)のリン酸化によって測定される。
【0073】
本明細書に記載されるように、受容体効力および有効性は、ホモ二量体としてのMIC-1化合物上で測定される。
【0074】
インビボ生物学的活性
一態様では、本発明の化合物は、インビボで効力があり、これは任意の好適な動物モデルで当該技術分野で公知のようにして決定され得る。
【0075】
非肥満Sprague Dawleyラットは、好適な動物モデルの一例であり、食物摂取量の変化は、例えば、実施例14に記載されるように、そのようなラットにおいてインビボで決定され得る。一態様では、本発明の化合物は、非肥満Sprague Dawleyラットにおけるインビボ食物摂取を阻害する。
【0076】
インビボ血漿半減期
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、長期化され、延長されたインビボ血漿半減期を有し、これは好適なインビボ薬物動態研究で決定することができる。
【0077】
延長された血漿曝露は、ラットまたはミニブタなどの動物への静脈内投与後の血漿半減期(T1/2)として決定され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、実施例16に記載されるように決定される、ラットへの静脈内投与後に、少なくとも10時間、より好ましくは25~50時間、または最も好ましくは少なくとも50時間の血漿半減期を有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本発明のMIC-1化合物は、実施例17に記載されるように決定される、ミニブタへの静脈内投与後に、少なくとも50時間、より好ましくは50~200時間、さらに好ましくは少なくとも200時間、または最も好ましくは少なくとも300時間の血漿半減期を有する。
【0080】
第三の態様によれば、本発明の化合物は長期化され、同時にインビボ効力が保持される。効力の保持および長い血漿半減期の特定の組み合わせは、非常に望ましいものであり得る。
【0081】
溶解度
ヒト野生型MIC-1は、ホモ二量体に基づき、8.8のpI計算値を有する疎水性タンパク質である。結果として、野生型MIC-1は、中性pHの水性緩衝液系中では約0.5mg/mlまでしか可溶化することができない。MIC-1の低溶解度は医薬製剤の特性および治療使用を著しく妨げるので、溶解度が改善されたMIC-1化合物を開発することは治療の有用性を大幅に改善することになる。
【0082】
一態様では、本発明のN延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、配列番号1のヒトのMIC-1に対して改善された溶解度を有する(すなわち、より可溶性である)。
【0083】
本明細書に記載されるように、溶解度は、実施例4に記載のように測定される。
【0084】
ある特定の実施形態では、本発明のN延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、トリス緩衝液中、pH8.0で少なくとも1mg/mlの溶解度を有する。他の実施形態では、本発明のN延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、トリス緩衝液中、pH8.0で少なくとも5mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも30mg/ml、または少なくとも40mg/mlの溶解度を有する。
【0085】
プロトラクターを添加してMIC-1化合物を作製することは、N延長部を有する対応するMIC-1ポリペプチドについて測定される改善された溶解度を大きく変化させない(実施例12)。
【0086】
本明細書に記載されるように、溶解度は、ホモ二量体としてMIC-1化合物およびN延長部を有するMIC-1ポリペプチドについて測定される。
【0087】
安定性
ヒト野生型MIC-1配列は化学的に不安定であり、アミノ酸配列のいくつかの残基は、3位のアスパラギン(N3)の脱アミド化ならびにメチオニンM43、M57、およびM86の酸化を含んで、保存中に修飾される可能性がある。ある特定の残基の化学的不安定性は医薬特性に影響を与える可能性があるため、化学的に安定なMIC-1化合物の開発は、MIC-1治療化合物を作製するための別の重要な部分であることになる。
【0088】
一態様では、本発明の化合物は、配列番号1のヒトMIC-1に対して改善された化学的安定性を有する。
【0089】
「化学的安定性」という用語は、インタクトなポリペプチドと比較して、低減した生物活性、低下した溶解度、および/または増加した免疫原性効果を潜在的に有する化学分解産物の形成をもたらすポリペプチド構造の化学的変化を指す。化学的安定性は、例えば、SEC-HPLC、および/またはRP-HPLCによる異なる環境条件への曝露後の様々な時点での化学分解産物の量を測定することによって評価することができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、MIC-1単量体配列(配列番号1)の特定の残基は、MC-1化合物の化学的安定性を増加させるために例えば置換によって修飾される。脱アミド化を回避するために、N3が、欠失されるか、または他のアミノ酸、例えばEまたはQで置換される。酸化を低減するために、メチオニンが、他のアミノ酸、例えばEまたはLで置換される。
【0091】
免疫原性
一態様では、本発明のMIC-1化合物は、低い免疫原性のリスクを有する。
【0092】
産生プロセス
本発明のN末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、当業者には公知である組み換え型タンパク質技術によって産生され得る。一般に、目的のタンパク質またはその機能的変異体をコードする核酸配列は、N延長部を有する所望のMIC-1ポリペプチドをコードするように修飾される。次いで、この修飾された配列が発現ベクターに挿入され、これが次に発現宿主細胞へと形質転換またはトランスフェクトされる。
【0093】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードする核酸構築物は、好適に、ゲノム、cDNA、または合成起源であり得る。アミノ酸配列の改変は、周知の技法によって遺伝子コードを修飾することによって達成される。
【0094】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列は通常、組み換えDNA手順に好都合に供され得る、任意のベクターであり得る組み換えベクターの中へと挿入され、ベクターの選択は、該ベクターが導入される宿主細胞にしばしば依存する。したがって、ベクターは、自律複製ベクター、すなわち染色体外の実体として存在するベクターであり得、その複製は、染色体の複製とは独立し、例えばプラスミドであり得る。別の方法として、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに宿主細胞ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。
【0095】
ベクターは、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列が、DNAの転写に必要な追加のセグメントに動作可能に連結されている(operably linked)発現ベクターであることが好ましい。「動作可能に連結される」という用語は、セグメントがその意図された目的のために協調して機能するように、例えば、転写がプロモーターにおいて開始され、該転写がターミネーター内で終結するまでポリペプチドをコードするDNA配列を通して進むように、セグメントが配置されることを示す。
【0096】
したがって、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現に使用するための発現ベクターは、クローン化された遺伝子またはcDNAの転写を開始および指示することができるプロモーターを含む。プロモーターは、選択した宿主細胞で転写活性を示す任意のDNA配列であってもよく、宿主細胞に対して相同または異種のいずれかであるタンパク質をコードする遺伝子に由来してもよい。
【0097】
さらに、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現のための発現ベクターは、転写を終結させるための宿主細胞によって認識される配列であるターミネーター配列も含む。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に動作可能に連結される。選択した宿主細胞で機能性である任意のターミネーターが本発明で使用され得る。
【0098】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現は、宿主細胞の細胞質ゾル中での細胞内発現を目的とするか、または増殖培地への細胞外発現のための分泌経路へと指向させることができるかのいずれかである。
【0099】
細胞内発現は、デフォルト(default)経路であり、プロモーター、続いてN延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列、続いてターミネーターを含む発現ベクターを必要とする。
【0100】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの配列を宿主細胞の分泌経路へと指向させるために、MIC-1配列の延長としての分泌シグナル配列(シグナルペプチドまたはプレ配列としても知られる)を必要とする。シグナルペプチドをコードするDNA配列は、正確な読み取りフレームにおいて、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列の5’末端に結合される。シグナルペプチドは、タンパク質と通常関連付けられるものであってもよいし、または別の分泌タンパク質をコードする遺伝子由来であってもよい。
【0101】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチド、プロモーター、ターミネーター、および/または分泌シグナル配列をそれぞれコード化するDNA配列を連結させ、それらを複製のために必要な情報を含む好適なベクターに挿入するために使用される手順は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,New York,1989を参照のこと)。
【0102】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列が導入される宿主細胞は、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドを細胞内または細胞外のいずれかで発現することができる任意の細胞であり得る。N延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをコードするDNA配列を含有し、かつN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現を可能とする条件下において、好適な栄養培地中でN延長部を有するMIC-1ポリペプチドを発現することができる宿主細胞を培養することによって産生され得る。N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現に好適な宿主細胞の非限定的な例は、Escherichia coli、Saccharomyces cerevisiae、ならびにヒト胎児腎臓(HEK)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である。翻訳後修飾が必要な場合、好適な宿主細胞としては、酵母、真菌、昆虫の細胞、および哺乳動物細胞などの高等真核細胞が挙げられる。
【0103】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドが宿主生物で発現されたとき、それは従来の技法によって必要な品質にまで回収および精製され得る。そのような従来の回収および精製技法の非限定的な例は、遠心分離、可溶化、濾過、析出、イオン交換クロマトグラフィー、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)、逆相-高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)、ゲル濾過、および凍結乾燥である。
【0104】
MIC-1タンパク質の組み換え発現および精製の例は、例えば、Cordingley et al.,J.Virol.1989,63,pp5037-5045;Birch et al.,Protein Expr Purif.,1995,6,pp609-618および国際特許公開公報第2008/043847号に見出され得る。MIC-1タンパク質の微生物発現および精製の例は、例えば、Chich et al,Anal.Biochem,1995,224,pp245-249 and Xin et al.,Protein Expr.Purif.2002,24,pp530-538に見出すことができる。
【0105】
本発明のN延長部を有する多数のMIC-1ポリペプチドを調製する方法の特定の例が、実験パートに含まれている。
【0106】
封入体およびタンパク質発現
N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、E.coliなどの細菌において発現させることができる。本発明の文脈では、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの大規模なタンパク質産生は、封入体(IB)を使用し得るが、それは、該封入体が、プロセスの回復、タンパク質純度、プロテアーゼ分解、および一般的なタンパク質安定性を制御する有利なアプローチを示すためである。これは大規模なタンパク質産生に特に重要となる。pI計算値によって部分的に制御されるN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの溶解度とIB形成とのバランスは、IBの質のために非常に重要である。
【0107】
投与形式
投与経路は、本発明の化合物を、例えば非経口的に、例えば皮下、筋肉内、または静脈内で体内の望ましい場所または適切な場所に効果的に運ぶ任意の経路であり得る。あるいは、本発明の化合物は、経口、肺、直腸内、経皮、口腔内、舌下、または経鼻で投与することができる。
【0108】
投与される本発明の化合物の量、本発明の化合物を投与する頻度の決定、および任意選択で別の医薬活性剤と一緒に、どの本発明の化合物を投与するかの選択は、肥満および関連する障害の処置に精通している専門家との相談で決定される。
【0109】
医薬組成物
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、アミド、もしくはエステルおよび薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物は、当該技術分野で公知のように調製され得る。
【0110】
「賦形剤」という語は、活性治療成分以外の任意の成分を広く指す。賦形剤は、非活性物質、不活性物質、および/または医薬的に活性でない物質であり得る。
【0111】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、希釈剤、錠剤補助剤などの様々な目的を果たし、ならびに/あるいは活性物質の投与および/または吸収を改善するように機能し得る。
【0112】
様々な賦形剤を伴った薬学的活性成分の製剤化は、当該技術分野で既知であり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば、第19版(1995)および任意のその後の版)を参照のこと。
【0113】
組み合わせ処置(Combination treatment)
本発明による化合物を用いた処置は、例えば、抗肥満剤、食欲調節剤、ならびに肥満により生じるまたは肥満に関連する合併症および障害の処置および/または予防のための薬剤から選択される、一つ以上の薬理活性物質とも組み合わされてもよい。
【0114】
薬学的表示
一態様では、本発明は、薬剤として使用するための本発明の化合物に関する。
【0115】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、以下の医学的処置に使用され得る:
(i)例えば、食物摂取量を減少させ、体重を減少させ、食欲を抑制し、かつ/または満腹感を誘発することによって、肥満などの摂食障害の防止および/または処置。
(ii)高血糖症、インスリン抵抗性、および/または耐糖能障害の予防および/または処置。
(iii)脂質異常症の防止および/または処置。
【0116】
いくつかの実施形態では本発明は、体重を管理するための方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、食欲を低下させるための方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、食物摂取量を減少させるための方法に関する。
【0117】
一般に、肥満を患っているすべての対象は、過体重も患っていると考えられる。いくつかの実施形態では、本発明は、肥満を処置または予防するための方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、肥満を処置または予防するための本発明のMIC-1化合物の使用に関する。いくつかの実施形態では、肥満を患っている対象は、成人のヒトまたは小児(paediatric)のヒト(幼児、小児(children)、青年を含む)などのヒトである。ボディマス指数(BMI)は、身長および体重に基づく体脂肪の尺度である。計算式は、BMI=体重(キログラム)/慎重(メートル)である。肥満を患っているヒト対象は30以上のBMIを有し、この対象は肥満とも呼ばれる場合がある。いくつかの実施形態では、肥満を患っているヒト対象は、BMI35以上を有するか、または30以上~40未満の範囲のBMIを有する。いくつかの実施形態では、肥満は、ヒト対象がBMI40以上を有する重度の肥満または病的肥満(morbid obesity)である。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明は、任意選択で少なくとも一つの体重に関連する併存疾患の存在下での過体重の処置または予防のための方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、任意選択で少なくとも一つの体重関連の併存疾患の存在下での、過体重の処置または予防のための本発明のMIC-1化合物の使用に関する。
【0119】
いくつかの実施形態では、過体重を患っている対象は、成人のヒトまたは小児のヒト(幼児、小児、および青年を含む)などのヒトである。いくつかの実施形態では、過体重を患っているヒト対象は、BMI25以上(BMI27以上など)を有する。いくつかの実施形態では、過体重を患っているヒト対象は、25~30未満の範囲または27~30未満の範囲のBMIを有する。いくつかの実施形態では、体重関連の併存疾患は、高血圧、糖尿病(2型糖尿病など)、脂質異常症、高コレステロール、および閉塞性睡眠時無呼吸からなる群から選択される。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、体重を低下させるための方法に関する。いくつかの実施形態では本発明は、体重減少のための本発明のMIC-1化合物の使用に関する。本発明による体重の減少を享受するヒトは、BMI25以上(BMI27以上またはBMI30以上など)を有する。いくつかの実施形態では、本発明による体重減少を享受するヒトは、BMI35以上またはBMI40以上を有する。
【0121】
いくつかの実施形態では、本発明は、動脈硬化症などの心血管疾患、ならびに脂肪性肝炎および糖尿病性腎症などの他の障害を処置または予防するための方法に関する。
【0122】
「一つの(a)」および「一つの(an)」という冠詞は、本明細書では、その冠詞文法的対象のうちの一つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも一つ)を指すために使用される。一例として、「一つの(an)MIC-1ポリペプチド」は、一つのMIC-1ポリペプチドまたは2つ以上のMIC-1ポリペプチドを意味する。
【0123】
化学式中のアスタリスク(*)は、結合点を示す。
【0124】
特定の実施形態
本発明は、本発明の以下の非限定的実施形態によってさらに説明される:
1.N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドおよびプロトラクターを含むMIC-1化合物であって、プロトラクターが、アミノ酸延長部に結合されている、MIC-1化合物。
2.化合物が、ホモ二量体である、実施形態1に記載のMIC-1化合物。
3.N末端アミノ酸延長部が、システイン残基を含み、かつプロトラクターが、システイン残基においてアミノ酸延長部に結合されている、実施形態1または2に記載のMIC-1化合物。
4.プロトラクターが、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A: *-(NH-CH(COOH)-(CH-CO)*、
Chem.2B: *-(NH-S(=O)-(CH-CO)*、および
Chem.2C: *-(NH-(CH-シクロヘキサン-CO)-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、かつ
kは、0~4の範囲の整数であり、
Chem.3は、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、かつ
lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4は、
Chem.4A: *-NH-(CH-NH-CO-CH-*、および
Chem.4B: *-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*、
Chem.4C:*-NH-(CH2)m-CH(COOH)-NH-CO-CH2-*、および
Chem.4D:
【化9】
から選択され、
式中、Chem.4のmは、1~5の範囲の整数であり、nは、2~6の範囲の整数であり、かつ
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4が、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結しているアミド結合を介して相互連結され、かつChem.4のCH-*末端が、アミノ酸延長部の前記システイン残基のイオウ原子に連結されている、実施形態3に記載のMIC-1化合物。
5.プロトラクターが、アミノ酸延長部のN末端アミノ酸に結合されている、実施形態1または2に記載のMIC-1化合物。
6.プロトラクターが、Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4の各々のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり、
Chem.1は、
Chem.1A: HOOC-(CH-CO-*、
Chem.1B: HO-S(=O)-(CH-CO-*、
Chem.1C: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1D: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH-CO-*からなる群から選択され、
式中、xは、12~20の範囲の整数であり、
式中、yは、5~15の範囲の整数であり、
Chem.2は、
Chem.2A: *-(NH-CH(COOH)-(CH-CO)*、
Chem.2B: *-(NH-S(=O)-(CH-CO)*、および
Chem.2C: *-(NH-(CH-シクロヘキサン-CO)-*からなる群から選択され、
式中、Chem.2のmは、1~5の範囲の整数であり、かつ
kは、0~4の範囲の整数であり、
Chem.3は、*(NH-(CH-[O-(CH-O-[CH-CO-*)であり、
式中、Chem.3のkは、1~10の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、かつ
lは、0~5の範囲の整数であり、
Chem.4は、式I、式II、または式IIIからなる群から選択され:
【化10】
(式I)
【化11】
(式II)または
【化12】
(式III)
Chem.1、Chem.2、Chem.3、およびChem.4が、Chem.の*-NH末端を別のChem.のCO-*末端に連結するアミド結合を介して相互連結され、かつ化合物4のCH-*末端が、アミノ酸延長部のN末端のアミノ残基に連結されている、実施形態5に記載のMIC-1化合物。
7.Chem.1が、
Chem.1a: HOOC-(CH16-CO-*、
Chem.1b: HO-S(=O)-(CH15-CO-*、
Chem.1c: HOOC-ベンゼン-O-(CH-CO-*、および
Chem.1c: (1H-テトラゾール-5-イル)-(CH2)15-CO-*からなる群から選択される、実施形態4および6のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
8.Chem.2が、
Chem.2a:*-NH-CH(COOH)-(CH-CO-*、
Chem.2b:*-NH-S(=O)-(CH-CO-*、および
Chem.2c:*-NH-CH-シクロヘキサン-CO-*からなる群から選択される、実施形態4、6、および7のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
9.Chem.2-Chem.3が、以下の式IV:
【化13】
(式IV)
であり、式中、nが0~3であり、mが0~3である、実施形態4、6、および7のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
10.Chem.4が、
Chem.4a:*-NH-(CH-NH-CO-CH-*、および
Chem.4b:*-NH-CH(COOH)-(CH-NH-CO-CH-*からなる群から選択される、実施形態4および7~9のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
11.Chem.4が、
【化14】
(式V)
【化15】
(式VI)
【化16】
(式VII)
からなる群から選択され、nが1~4である、実施形態4および7~9のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
12.Chem.4が、以下の
【化17】
(式VIII)
であり、pが1~5であり、qが1~5である、実施形態4および7~9のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
13.プロトラクターが、式IX、式X、式XI、式XII、および式XIII:
【化18】
(式IX)、
【化19】
(式X)、
【化20】
(式XI)、
【化21】
(式XII)
【化22】
(式XIII)
からなる群から選択される、実施形態1~3および5のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
14.プロトラクターが、生体適合性脂肪酸およびその誘導体、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、例えば、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(Glyx-Sery)n(HAP)、ヒアルロン酸(HA)、ヘパロサンポリマー(HEP)、ホスホリルコリン系のポリマー(PCポリマー)、Fleximer、デキストラン、ポリシアル酸(PSA)、Fcドメイン、トランスフェリン、アルブミン、エラスチン様ペプチド、XTENポリマー、アルブミン結合ペプチド、CTPペプチド、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~3および5のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
15.アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドが、6.5より低いpI計算値を有する、実施形態1~14のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
16.pI計算値が6.1より低い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
17.pI計算値が6.0より低い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
18.pI計算値が、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、もしくは5.2、5.1、もしくは5.0、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、または4.0より低い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
19.pI計算値が4.7より高い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
20.pI計算値が4.8より高い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
21.pI計算値が4.9より高い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
22.pI計算値が5.0より高い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
23.pI計算値が5.1より高い、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
24.pI計算値が、6.5~3.0、6.5~3.5、6.5~4.0、6.1~3.0、6.1~3.5、6.1~4.0、6.1~4.7、6.1~4.9、6.1~5.0、6.1~5.1、6.0~3.0、6.0~3.5、6.0~4.0、5.9~3.0、5.9~3.5、5.9~4.0、5.9~5.0、5.9~5.1、5.8~3.0、5.8~3.5、5.8~4.0、5.8~5.1、5.8~5.2、5.5~3.0、5.5~3.5、5.5~4.0、または5.0~4.0の範囲内である、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
25.pI計算値が、5.8~5.2の範囲内である、実施形態15に記載のMIC-1化合物。
26.アミノ酸延長部が、3~200個のアミノ酸残基を含む、実施形態1~25のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
27.アミノ酸延長部が、3~100、3~50、3~40、3~30、5~100、5~50、5~40、5~30、10~100、10~50、10~40、10~30、3~36、3~30、3~25、3~24、3~12、4~36、4~30、、4~24、4~12、5~36、5~30、5~24、5~12、6~36、6~30、6~24、6~12、7~36、7~30、7~24、7~12、8~36、8~30、8~24、8~12、30~36、32~36、30~34、または30~32個の範囲内のアミノ酸残基の長さである、先行する実施形態の1~26いずれか一つに記載のMIC-1化合物。
28.アミノ酸延長部が、3~36または30~32個の範囲内のアミノ酸残基の長さである、実施形態1~27のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
29.アミノ酸延長部が、塩基性アミノ酸残基(リジン、アルギニン、またはヒスチジン)の数と比較して、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の過剰な酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸またはグルタミン酸)を有する、実施形態1~28のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
30.アミノ酸延長部が、塩基性アミノ酸残基(リジン、もしくはアルギニン、またはヒスチジン)の数と比較して、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、または75%過剰な酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸またはグルタミン酸)を含む、実施形態1~29のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
31.アミノ酸延長部が、少なくとも10%の酸性アミノ酸残基を含む、実施形態30に記載のMIC-1化合物。
32.アミノ酸延長部が、少なくとも15%の酸性アミノ酸残基を含む、実施形態30に記載のMIC-1化合物。
33.アミノ酸延長部が、少なくとも25%の酸性アミノ酸残基を含む、実施形態11に記載のMIC-1化合物。
34.アミノ酸延長部が、A、C、E、G、P、S、T、Q、N、およびDからなる群の中から選択されるアミノ酸残基から構成され、かつアミノ酸延長部が、少なくとも3個のEおよび/またはDアミノ酸残基を含む、実施形態1~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
35.アミノ酸延長部が、アミノ酸残基A、C、E、G、P、S、およびTから構成される、実施形態34に記載のMIC-1化合物。
36.アミノ酸延長部が、少なくとも3個のEおよび少なくとも1個のPを含む、実施形態35に記載のMIC-1化合物。
37.アミノ酸延長部が、少なくとも6個のSer、少なくとも4個のPro、少なくとも4個のGly、少なくとも4個のThr、少なくとも4個のGlu、および少なくとも2個のAlaを含む、実施形態36に記載のMIC-1化合物。
38.アミノ酸延長部が、SPAGSPTSTEEG、TSESATPESGPG、TSTEPSEGSAPG、およびSEPATSGSETPGからなる群から選択された二つの配列を含み、かつアミノ酸延長部のアミノ酸のうちの一つが、システインで置き換えられている、実施形態37に記載のMIC-1化合物。
39.アミノ酸延長部が、最初の6~8個のアミノ酸残基、最後の6~8個の残基、または内部の6~8個の残基などの、SPAGSPTSTEEG、TSESATPESGPG、TSTEPSEGSAPG、またはSEPATSGSETPGの6~8個の連続したアミノ酸をさらに含み、かつアミノ酸延長部のアミノ酸のうちの一つが、システインで置き換えられている、実施形態38に記載のMIC-1化合物。
40.システインが、N末端アミノ酸延長部の任意の位置にある、実施形態3~39のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
41.N末端延長部のシステイン残基とMIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸との間の距離が、少なくとも1個、3個、5個、10個、15個、19個、23個、26個、29個、または32個のアミノ酸(N末端延長部のシステイン残基を含むが、MIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸を含まない)である、実施形態40に記載のMIC-1化合物。
42.N末端延長部のシステイン残基とMIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸との間の距離が、少なくとも10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、または32個のアミノ酸(N末端延長部のシステイン残基を含むが、MIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸を含まない)である、実施形態40に記載のMIC-1化合物。
43.N末端延長部のシステイン残基とMIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸との間の距離が、26~29個のアミノ酸(N末端延長部のシステイン残基を含むが、MIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸を含まない)である、実施形態42に記載のMIC-1化合物。
44.アミノ酸延長部が、Sで始まる、実施形態1~43のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
45.アミノ酸延長部が、SEで始まる、実施形態1~44のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
46.アミノ酸延長部が、SEPで始まる、実施形態1~45のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
47.アミノ酸延長部が、以下の配列のうちの一つ以上:
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号223)
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号224)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号225)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号240)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTE(配列番号241)
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPG(配列番号242)、
SEPCTSGSETPGTSESATPES(配列番号243)、
SEPCTSGSETPG(配列番号244)
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSP(配列番号245)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSP(配列番号246)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSP(配列番号247)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSESAT(配列番号248)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSESAT(配列番号249)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESAT(配列番号250)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPE(配列番号251)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPE(配列番号252)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPE(配列番号253)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGSEPATS(配列番号254)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGSEPATS(配列番号255)
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATS(配列番号256)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEEG(配列番号257)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEEG(配列番号258)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEEG(配列番号259)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGPESGPG(配列番号260)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGPESGPG(配列番号261)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGPESGPG(配列番号262)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGSGSAPG(配列番号263)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGSGSAPG(配列番号264)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGSGSAPG(配列番号265)
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGGSETPG(配列番号266)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGGSETPG(配列番号267)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGGSETPG(配列番号268)
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESATPESGPG(配列番号269)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSPTSTEEG(配列番号270)、
SEPCTSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPESGSAPG(配列番号271)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSPTSTEEG(配列番号272)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSESATPESGPG(配列番号273)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPESGSAPG(配列番号274)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGSEPATSGSETPG(配列番号275)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSPTSTEEG(配列番号276)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESATPESGPG(配列番号277)
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPESGSAPG(配列番号278)、
SEPCTSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATSGSETPG(配列番号279)、
SEPCTSGSETPGSEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEG(配列番号280)、
SEPCTSGSETPGSEPATSGSETPGTSESATPESGPG(配列番号281)、
SEPCTSGSETPGSEPATSGSETPGTSTEPESGSAPG(配列番号282)、
SEPCTSGSETPGSEPATSGSETPGSEPATSGSETPG(配列番号283)
GPCEGPSEGPSEGPSEGPSEGPSEGPSE(配列番号284)、
GECPGEQPGEQPGEQPGEQPGEQPGEQP(配列番号285)、
PACEEEDDPDGGGSGGGSGGGS(配列番号286)
PDECTEEETEGGGSGGGSGGGS(配列番号287)、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号226)、
SEPATSCSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号227)、
SEPACSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号229)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号230)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号231)、
SEPATSGSETPCTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号232)、
SEPATSGSETPGTCESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号233)、
SEPATSGSETPGTSECATPESGPGTSTEPSEG(配列番号234)、
SEPATSGSETPGTSESACPESGPGTSTEPSEG(配列番号235)、
SEPATSGSETPGTSESATPECGPGTSTEPSEG(配列番号236)、
SEPATSGSETPGTSESATPESCPGTSTEPSEG(配列番号237)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSCEPSEG(配列番号238)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPCEG(配列番号239)、を含む、実施形態1~46のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
48.アミノ酸延長部が、A、E、G、P、S、T、D、N、およびQからなる群の中から選択されるアミノ酸残基から構成され、アミノ酸延長部が、少なくとも3個のEおよび/またはDアミノ酸残基を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
49.アミノ酸延長部が、A、E、G、P、S、T、Q、およびDからなる群の中から選択されるアミノ酸残基からなり、アミノ酸延長部が、少なくとも3個のEおよび/またはDアミノ酸残基を含む、実施形態1~48のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
50.アミノ酸延長部が、少なくとも3個のEおよび少なくとも1個のPを含む、実施形態48または49に記載のMIC-1化合物。
51.アミノ酸延長部が、S、G、T、およびAをさらに含む、実施形態50に記載のMIC-1化合物。
52.アミノ酸延長部が、6個のSer、4個のPro、4個のGly、4個のThr、4個のGlu、および2個のAlaを含む、実施形態51に記載のMIC-1化合物。
53.アミノ酸延長部が、SPAGSPTSTEEG、TSESATPESGPG、TSTEPSEGSAPG、およびSEPATSGSETPGからなる群から選択される配列のうちの二つを含む、実施形態51に記載のMIC-1化合物。
54.アミノ酸延長部が、最初の6~8個のアミノ酸残基、最後の6~8個の残基、または内部の6~8個の残基などの、SPAGSPTSTEEG、TSESATPESGPG、TSTEPSEGSAPG、またはSEPATSGSETPGの6~8個の連続したアミノ酸をさらに含む、実施形態53に記載のMIC-1化合物。
55.アミノ酸延長部が、Sで始まる、実施形態48~54のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
56.アミノ酸延長部が、SEで始まる、実施形態55に記載のMIC-1化合物。
57.アミノ酸延長部が、SEPで始まる、実施形態56に記載のMIC-1化合物。
58.アミノ酸延長部が、以下の配列SPAGSP(配列番号4)、TSESAT(配列番号5)、TSTEPE(配列番号6)、SEPATS(配列番号7)、TSTEEG(配列番号8)、PESGPG(配列番号9)、SGSAPG(配列番号10)、GSETPG(配列番号11)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEG(配列番号12)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPG(配列番号13)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPG(配列番号14)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSP(配列番号15)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSP(配列番号16)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSP(配列番号17)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSESAT(配列番号18)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSESAT(配列番号19)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESAT(配列番号20)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPE(配列番号21)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPE(配列番号22)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPE(配列番号23)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSEPATS(配列番号24)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSEPATS(配列番号25)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATS(配列番号26)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEEG(配列番号27)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEEG(配列番号28)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEEG(配列番号29)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGPESGPG(配列番号30)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGPESGPG(配列番号31)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGPESGPG(配列番号32)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSGSAPG(配列番号33)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSGSAPG(配列番号34)、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSGSAPG(配列番号35)、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGGSETPG(配列番号36)、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGGSETPG(配列番号37)、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGGSETPG(配列番号38)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPS(配列番号70)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号71)、
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPG(配列番号39)、
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSPTSTEEG(配列番号40)、
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPESGSAPG(配列番号41)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSPTSTEEG(配列番号42)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSESATPESGPG(配列番号43)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPESGSAPG(配列番号44)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSEPATSGSETPG(配列番号45)、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSPTSTEEG(配列番号46)、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESATPESGPG(配列番号47)、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPESGSAPG(配列番号48)、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATSGSETPG(配列番号49)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEG(配列番号50)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGTSESATPESGPG(配列番号51)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGTSTEPESGSAPG(配列番号52)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGSEPATSGSETPG(配列番号53)、
GEPS(配列番号118)、GPSE(配列番号119)、GPES(配列番号120)、GSPE(配列番号121)、GSEP(配列番号122)、GEPQ(配列番号123)、GEQP(配列番号124)、GPEQ(配列番号125)、GPQE(配列番号126)、GQEP(配列番号127)またはGQPE(配列番号128)、PEDEETPEQE(配列番号129)、PDEGTEEETE(配列番号130)、PAAEEEDDPD(配列番号131)、AEPDEDPQSED(配列番号132)、AEPDEDPQSE(配列番号133)、AEPEEQEED(配列番号134)、AEPEEQEE(配列番号135)、GGGS(配列番号136)、GSGS(配列番号137)、GGSS(配列番号138)、およびSSSG(配列番号139)のうちの一つ以上を含む、請求項1~2および5~33のいずれか一項に記載のMIC-1化合物。
59.アミノ酸の延長部が、以下の配列SPAGSP、TSESAT、TSTEPE、SEPATS、TSTEEG、PESGPG、SGSAPG、GSETPG、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEG、SEPATSGSETPGTSESATPESGPG、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPG、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSP、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSP、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSP、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSESAT、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSESAT、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESAT、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPE、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPE、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPE、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSEPATS、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSEPATS、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATS、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEEG、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEEG、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEEG、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGPESGPG、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGPESGPG、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGPESGPG、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSGSAPG、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSGSAPG、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSGSAPG、SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGGSETPG、SEPATSGSETPGTSESATPESGPGGSETPG、SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGGSETPG、
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPG,
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGSPAGSPTSTEEG、
SEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEGTSTEPESGSAPG、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSPAGSPTSTEEG、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSESATPESGPG、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPESGSAPG、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGSEPATSGSETPG、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSPAGSPTSTEEG、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSESATPESGPG、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGTSTEPESGSAPG、
SEPATSGSETPGTSTEPESGSAPGSEPATSGSETPG、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGSPAGSPTSTEEG、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGTSESATPESGPG、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGTSTEPESGSAPG、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGSEPATSGSETPG、
GEPQ、GEPS、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの一つ以上を含む、請求項1~2および5~33のいずれか一項に記載のMIC-1化合物。
60.アミノ酸延長部が、以下の配列SPAGSP、TSESAT、TSTEPE、SEPATS、TSTEEG、PESGPG、SGSAPG、GSETPG、GEPQ、GEPS、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのいずれか2個6個のうちの任意の組み合わせを含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
61.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPS、GPSE、GPES、GSPE、GSEP、GEPQ、GEQP、GPEQ、GPQE、GQEP、GQPE、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの一つ以上を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
62.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPS、GPSE、GPES、GSPE、GSEP、GEPQ、GEQP、GPEQ、GPQE、GQEP、GQPE、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの2個9個の任意の組み合わせを含む、実施形態61に記載のMIC-1化合物。
63.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPS、GPSE、GPES、GSPE、GSEP、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの一つ以上を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
64.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPS、GPSE、GPES、GSPE、GSEP、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの2個9個の任意の組み合わせを含む、実施形態63に記載のMIC-1化合物。
65.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPSGEPSGEPSGEPSGEPS(配列番号140)、GPSEGPSEGPSEGPSEGPSE(配列番号141)、GPESGPESGPESGPESGPES(配列番号142)、GSPEGSPEGSPEGSPEGSPE(配列番号143)、およびGSEPGSEPGSEPGSEPGSEP(配列番号144)のうちの一つ以上を含む、実施形態64に記載のMIC-1化合物。
66.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPQ、GEQP、GPEQ、GPQE、GQEP、GQPE、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの一つ以上を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
67.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPQ、GEQP、GPEQ、GPQE、GQEP、GQPE、GGGS、GSGS、GGSS、およびSSSGのうちの2個9個の任意の組み合わせを含む、実施形態66に記載のMIC-1化合物。
68.アミノ酸延長部が、以下の配列GEPQGEPQGEPQGEPQGEPQ(配列番号145)、GEQPGEQPGEQPGEQPGEQP(配列番号146)、GPEQGPEQGPEQGPEQGPEQ(配列番号147)、GPQEGPQEGPQEGPQEGPQE(配列番号148)、GQEPGQEPGQEPGQEPGQEP(配列番号149)、およびGQPEGQPEGQPEGQPEGQPE(配列番号150)のうちの一つ以上を含む、実施形態67に記載のMIC-1化合物。
69.アミノ酸延長部が、以下の配列PEDEETPEQE、PDEGTEEETE、PAAEEEDDPD、AEPDEDPQSED、AEPDEDPQSE、AEPEEQEED、およびAEPEEQEE、GGGS、GSGS、GGSS、ならびにSSSGのうちの一つ以上を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
70.アミノ酸延長部が、以下の配列PEDEETPEQE、PDEGTEEETE、PAAEEEDDPD、AEPDEDPQSED、AEPDEDPQSE、AEPEEQEED、AEPEEQEE、およびAEEAEEAEEAEEAEEのうちの2個または3個の任意の組み合わせを含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
71.アミノ酸延長部が、以下の配列、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号161、配列番号162、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、および配列番号195のうちの一つ以上を含む、実施形態1~2および5~33のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
72.アミノ酸延長部が、1~3個のアラニンアミノ酸残基をN末端に含む、先行する実施形態のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
73.アミノ酸延長部が、1~4個のグリシンおよびセリンアミノ酸残基をC末端に含む、実施形態1~72のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
74.アミノ酸延長部が、(Gly-Ser)nまたは(Ser-Gly)n配列をC末端に含み、nが、1~8の整数である、実施形態1~73のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
75.アミノ酸延長部が、GGGS、GSGS、GGSS、またはSSSGをC末端に含む、実施形態1~74のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
76.MIC-1ポリペプチドが、野生型MIC-1(配列番号1)と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を示す、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
77.MIC-1ポリペプチドが、野生型MIC-1(配列番号1)と少なくとも95%の配列同一性を示す、実施形態70に記載のMIC-1化合物。
78.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、最大10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個のアミノ酸修飾を有する、実施形態1~70のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
79.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、最大7個、6個、5個、4個、3個、または2個のアミノ酸修飾を有する、実施形態1~72のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
80.MIC-1ポリペプチドが、野生型MIC-1(配列番号1)と比較して、以下の置換P11E、H18E、R21E、A30E、M43L、M43E、A47E、R53E、A54E、M57E、M57L、H66E、R67E、L68E、K69E、A75E、A81E、P85E、M86F、M86L、Q90E、T92E、L105E、K107E、K69R、K107R、およびK91Rのうちの一つ以上を含む、実施形態1~79のMIC-1化合物。
81.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、以下の置換R2S、R2A、R2E、N3S、N3E、N3A、N3T、N3P、N3G、N3V、N3H、N3Y、またはN3Qのうちの一つ以上を含む、実施形態1~80のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
82.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、N3の欠失(des-N3)を含む、実施形態1~81のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
83.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、M57E置換またはM57L置換を含む、実施形態1~82のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
84.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、M86L置換またはM86F置換を含む、実施形態1~83のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
85.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、Q90E置換またはT92E置換をさらに含む、実施形態84に記載のMIC-1化合物。
86.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、H66E置換を含む、実施形態1~85のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
87.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、R67E置換を含む、実施形態1~86のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
88.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、最初の3個、4個、5個、または6個の残基の欠失を含む、実施形態1~87のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
89.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して、最初の3個の残基の欠失を含む、実施形態1~88のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
90.MIC-1ポリペプチドが、配列番号154(M43L/des-N3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
91.MIC-1ポリペプチドが、配列番号155(M43L/Δ1-3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
92.MIC-1ポリペプチドが、配列番号156(M57E/H66E/des-N3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
93.MIC-1ポリペプチドが、配列番号157(M57L/Δ1-3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
94.MIC-1ポリペプチドが、配列番号158(M57L/des-N3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載の化合物。
95.MIC-1ポリペプチドが、配列番号159(M86L/Δ1-3)によるものを有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
96.MIC-1ポリペプチドが、配列番号160(M86L/des-N3)または配列番号222(M57L、M86L/des-N3)による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
97.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1による配列を有する、実施形態1~75のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
98.MIC-1ポリペプチドおよびN末端アミノ酸延長部が一緒に、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号164、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号288)、
SEPATSCSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号289)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号290)、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号291)、
SEPATSGSETPGTSESACPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号292)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPCEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号293)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANEHAQIKTSLERLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号294)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号295)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号296)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号297)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号298)、
SEPATSGSETPGSEPATSGSETPGTSTEPSARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号299)、
SAPATSGSATPGSAPATSGSATPGGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号300)、
SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号301)、
SEPATCGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号302)、
SEPATSGCETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号303)、
SEPATSGSECPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号304)、
SEPATSGSETPCTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号305)、
SEPATSGSETPGTCESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号306)、
SEPATSGSETPGTSECATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号307)、
SEPATSGSETPGTSESATPECGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号308)、
SEPATSGSETPGTSESATPESCPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号309)、
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSCEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号310)、
EEAEADDDDKESGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANMHAQIKTSLHRLKPDTVPAPCCVPASYNPMVLIQKTDTGVSLQTYDDLLAKDCHCI(配列番号311)、または
SEPATSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEGARGDHCPLGPGRCCRLHTVRASLEDLGWADWVLSPREVQVTMCIGACPSQFRAANLHAQIKTSLHRLRPDTVPAPCCVPASYNPLVLIQRTDTGVSLQTYDDLLARDCHCI(配列番号312)によるアミノ酸配列を含む、実施形態1~97のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
99.以下の式:
【化23】
(式01)
【化24】
(式02)
【化25】
(式03)
【化26】
(式04)
【化27】
(式05)
【化28】
(式06)
【化29】
(式07)
【化30】
(式08)
【化31】
(式09)
【化32】
(式10)
【化33】
(式11)
【化34】
(式12)
【化35】
(式13)
【化36】
(式14)
【化37】
(式15)
【化38】
(式16)
【化39】
(式17)
【化40】
(式18)
【化41】
(式19)
【化42】
(式20)
【化43】
(式21)
のうちの一つを有する、実施形態1に記載のMIC-1化合物。
100.配列番号1のMIC-1と比較して延長された血漿半減期を示す、実施形態1~99のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
101.化合物をラットに静脈内投与し、そして経時的な化合物の血漿濃度の変化から終末相半減期を推定することにより測定したときに、配列番号1のMIC-1と比較して改善された血漿半減期を示す、実施形態1~100のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
102.配列番号1のMIC-1と比較して維持された効力を示す、実施形態1~101のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
103.化合物をラットに皮下投与し、そして毎日の食物摂取量の変化を測定することにより測定したときに、配列番号1のMIC-1と比較して保持された有効性を示す、実施形態1~102のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
104.アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較して許容可能な溶解度を有する、実施形態1~103のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
105.アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドが、トリス緩衝液系中でpH8.0にて測定したときに、0.5、1.0、5.0、10、30、または50mg/mlの溶解度を有する、実施形態1~99のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
106.MIC-1ポリペプチドが、配列番号1のMIC-1と比較してN3の欠失(des-N3)を含み、アミノ酸延長部が、以下の配列SEPCTSGSETPGTSESATPESGPGTSTEPSEG(配列番号225)を有し、プロトラクターが、以下の式:
【化44】
(式X)を有し、
かつプロトラクターが、アミノ酸延長部のシステインに結合されている、実施形態1また2に記載のMIC-1化合物。
107.N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドが、配列番号288による配列を有し、プロトラクターが、以下の式:
【化45】
(式X)を有し、
プロトラクターが、アミノ酸延長部のシステインに結合されている、実施形態1または2に記載のMIC-1化合物。
108.実施形態1~107のいずれか一つに記載のMIC-1化合物、またはその薬学的に許容される塩、アミド、もしくはエステル。
109.化合物が、配列番号1のMIC-1と比較して、食物摂取量の低下および/または体重の低下に対して改善されたインビボでの有効性を有する、実施形態1~108のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
110.薬剤として使用するための実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
111.代謝障害の予防および/または処置に使用するための実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
112.代謝障害が、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、または糖尿病性腎症である、代謝障害の予防および/または処置に使用するための実施形態111に記載のMIC-1化合物。
113.肥満などの摂食障害の予防および/または処置に使用するための実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
114.食物摂取量を減少させ、体重を減少させ、食欲を抑制し、かつ/または満腹感を誘発することによる肥満の防止および/または処置に使用するための実施形態113に記載のMIC-1化合物。
115.心血管疾患の予防および/または処置に使用するための実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物。
116.脂質異常症、動脈硬化症、脂肪性肝炎、または糖尿病性腎症の予防および/または処置に使用するための実施形態115に記載のMIC-1化合物。
117.実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物、または薬学的に許容される塩、アミド、もしくはそのエステル、および一つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
118.代謝障害の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用であって、代謝障害が、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、または糖尿病性腎症である、使用。
119.摂食障害の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用。
120.肥満の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用。
121.食物摂取量を減少させ、体重を減少させ、食欲を抑制し、かつ/または満腹感を誘発することによる肥満の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用。
122.心血管疾患の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用。
123.脂質異常症、動脈硬化症、脂肪性肝炎、または糖尿病性腎症の予防および/または処置のための薬剤の製造における、実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の使用。
124.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによる、代謝障害の処置および/または防止の方法であって、代謝障害が、肥満、2型糖尿病、脂質異常症、または糖尿病性腎症である、方法。
125.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによる、摂食障害の処置および/または防止の方法。
126.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによる、肥満の処置および/または防止の方法。
127.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物の薬学的に活性量を投与することによって、食物摂取量を減少させ、体重を減少させ、食欲を抑制し、かつ/または満腹感を誘発することによる、肥満の処置および/または防止の方法。
128.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによる、心血管疾患の処置および/または防止の方法。
129.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによる、脂質異常症、動脈硬化症、脂肪性肝炎、または糖尿病性腎症の処置および/または防止の方法。
130.実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物をコードするポリヌクレオチド分子。
131.薬学的に活性な量の実施形態1~109および132~152のいずれか一つに記載のMIC-1化合物を投与することによって、食物摂取量を減少させ、体重を減少させ、食欲を抑制し、かつ/または満腹感を誘発することによる、過体重の処置および/または防止の方法。
132.式01:
【化46】
(式01)
によるMIC-1化合物。
133.式02:
【化47】
(式02)
によるMIC-1化合物。
134.式03:
【化48】
(式03)
によるMIC-1化合物。
135.式04:
【化49】
(式04)
によるMIC-1化合物。
136.式05:
【化50】
(式05)
によるMIC-1化合物。
137.式06:
【化51】
(式06)
によるMIC-1化合物。
138.式07:
【化52】
(式07)
によるMIC-1化合物。
139.式08:
【化53】
(式08)
によるMIC-1化合物。
140.式09:
【化54】
(式09)
によるMIC-1化合物。
141.式10:
【化55】
(式10)
によるMIC-1化合物。
142.式11:
【化56】
(式11)
によるMIC-1化合物。
143.式12:
【化57】
(式12)
によるMIC-1化合物。
144.式13:
【化58】
(式13)
によるMIC-1化合物。
145.式14:
【化59】
(式14)
によるMIC-1化合物。
146.式15:
【化60】
(式15)
によるMIC-1化合物。
147.式16:
【化61】
(式16)
によるMIC-1化合物。
148.式17:
【化62】
(式17)
によるMIC-1化合物。
149.式18:
【化63】
(式18)
によるMIC-1化合物。
150.式19:
【化64】
(式19)
によるMIC-1化合物。
151.式20:
【化65】
(式20)
によるMIC-1化合物。
152.式21:
【化66】
(式21)
によるMIC-1化合物。
【実施例
【0125】
略語リスト
「主ピーク」とは、ミリ吸光度単位の最も高いUV強度を有し、融合タンパク質を含有する精製クロマトグラムのピークを指す。
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーである。
SDS-PAGEは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動である。
IMACは、固定化金属親和性クロマトグラフィーである。
SECは、サイズ排除クロマトグラフィーである。
MSは、質量分析である。
この説明において、ギリシャ文字は、その記号または対応する名称、例えば:α=アルファ、β=ベータ、ε=イプシロン、γ=ガンマ、ω=オメガ、Δ=デルタなどによって表される場合がある。また、μのギリシャ文字は、「u」によって表されてもよく、例えばμl=ulまたはμM=uMである。
【0126】
溶解度が改善されたMIC-1ポリペプチド
本発明の一態様では、MIC-1ポリペプチドは溶解度が増加するように設計された。
【0127】
本発明の一態様では、N末端「酸性」アミノ酸延長部をMIC-1ポリペプチドに付加することによって、これを達成した。
【0128】
本発明の一態様では、MIC-1ポリペプチドのアミノ酸配列の修飾により、溶解度は増強され、安定性が改善された。例えば、MIC-1ポリペプチドのアミノ酸配列内で修飾を行った(配列内変異)。
【0129】
N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、E.coliなどの細菌において発現させることができる。本発明の文脈では、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの大規模なタンパク質産生は、封入体(IB)を使用し得るが、それは、該封入体が、プロセスの回復、タンパク質純度、プロテアーゼ分解、および一般的なタンパク質安定性を制御する有利なアプローチを表すためである。これは大規模なタンパク質産生のために特に重要となる。N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの改善された溶解度とIB形成とのバランスは、IBの質のために非常に重要である。
【0130】
N延長部の設計:
N末端アミノ酸延長部の設計において、F、I、L、M、V、W、およびYは、タンパク質凝集の原因となり得るので除外した。H、K、およびRもまた、細胞膜上で望ましくない結合を起こし得るので除外した。A、C、E、G、P、S、T、D、N、およびQは、N延長部配列に対して好ましい。EおよびDは、化合物のpI値を減少させることによって溶解度を増加させるので特に好ましい。Cは、脂肪酸結合およびPEG化など、長期化の目的で使用することができる-SH基を提供する。特に、いくつかのN延長部では、N延長部を有するMIC-1ポリペプチドをE.coliで発現させたとき、当初のメチオニンの除去効率を高めるために、一つまたは二つの追加のアラニン、グリシン、またはセリンを各N末端に付加した。
【0131】
様々なN末端アミノ酸延長部を設計した。いくつかのN延長部はヒトタンパク質起源の配列(ヒト化配列)を含み、いくつかは人工的に設計された配列(例えば、GS、SG、AEE、AES、GEPQ(配列番号123)、GEPS(配列番号118))を含み、いくつかはヒト化配列または人工配列のいくつかの反復を含み、いくつかは上記の組み合わせを含む。いくつかの6残基配列(6mer)を設計した。N延長部は、6mer、6merの一部(例えば、6merのうちの1~5個の残基)、または上記の組み合わせのうちの一つ以上を含むことができる。人工配列(6merを含む)およびヒト化配列のアミノ酸残基は、任意の順序で配置することができる。
【0132】
いくつかの代表的な6merおよび6merの組み合わせを表2にリストし、またN延長部の他の例を表3にリストする。
【0133】
表2:6merおよび6merの組み合わせ
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0134】
表3:N延長部の例
【表3-1】
【表3-2】
【0135】
配列内変異:
MIC-1のある特定の内部残基(配列番号1)を例えば置換によって修飾した。例えば、MIC-1化合物の溶解度を増加させるために、MIC-1の疎水性残基を親水性残基、好ましくは酸性残基で置換することができ、陽性に荷電した残基を酸性残基などで置換することができた。酸化を減少させるために、メチオニンを他のアミノ酸、例えば、E、F、またはLで置換することができた。
【0136】
溶解度を増加させるための配列内変異としては、P11E、H18E、R21E、A30E、A47E、R53E、A54E、M57E、H66E、R67E、L68E、K69E、A75E、A81E、P85E、Q90E、T92E、L105E、およびK107Eが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
酸化を減少させるための配列内変異としては、M43L、M43E、M57E、M57L、M86F、およびM86Lが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
化学的安定性を増加させるための配列内変異としては、N3S、N3E、N3A、N3T、N3P、N3G、N3V、N3H、N3Y、およびN3Qが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
結合のための配列内変異としては、K69R、K107R、およびK91Rが挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
他の配列内変異としては、N3の欠失(des-N3)および/または最初の3残基の欠失が挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
pI計算
N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpI計算値は、N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドの正味の電荷計算値(net calculated charge)がゼロであるpHとして定義される。pHの関数としてのN末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチドの電荷計算値は、表1に記載されるアミノ酸残基のpKa値およびB.Skoog and A.Wichman(Trends in Analytical Chemistry,1986,vol.5,pp.82-83)に記載される方法を使用して得られる。システイン(Cys)の側鎖pKaは、遊離スルフヒドリル基を有するシステインについての電荷の計算にのみ含まれる。N延長部は一つのシステイン変異を含有し得る。一例として、ホモ二量体としてのヒト野生型MIC-1のpI計算値は8.8である。MIC-1ポリペプチドのpI計算値を表4に示す。
【0142】
本明細書において、および本文書全体を通して、別段の記載のない場合には、N末端アミノ酸延長部を有するMIC-1ポリペプチド上のpI計算はホモ二量体で行われる。
【0143】
表4:pI計算値
【表4】
*「GEPQ」または「GEPS」のアミノ酸残基は、任意の順序で配置され得る。
N末端延長部における一つのCysが、pIを0.1未満だけ変化させる。
【0144】
材料および方法
調製の一般的な方法
実施例1:MIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現および発酵
MIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのcDNAをpET11b由来のベクターへとサブクローニングした。細胞密度が1.0のOD600に達したときに、封入体としてのMIC-1fポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの過剰発現を、E.coli中で0.5mMのイソプロピルβ-d-チオガラクトシド(IPTG)により誘導した。TB中37℃で20時間継続的に増殖させた後、細胞を採取し、LC/MSおよびUPLCの両方のための試料を調製して、分子量を確認した。
【0145】
栄養補助剤としての既知組成培地中において、流加(fed-batch)プロセスで発酵を行った。発酵収率は、異なるポリペプチドに大きく依存し、ポリペプチド毎に1g/L~8g/Lで変動した。
【0146】
実施例2:精製およびリフォールディング(refolding):
以下のようにして、MIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドをさらに精製した。
【0147】
10mMトリス緩衝液(pH8.0)中のE.coliのスラリー(20%w/v)を超音波処理し(氷上において3秒間のオン/オフ間隔で5分間)、そしてMIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドを遠心分離(10,000×g、30分間)によりペレット化した。20mMのトリス(pH8.0)中の8Mの尿素によって封入体を再溶解し、遠心分離(10,000×g、30分間)によって破片を除去した。得られた上清中のMIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドを収集し、リフォールディング緩衝液(50mMトリス(pH8.5)および10%DMFまたは10%DMSO)の中へと希釈して、0.1mg/mlの最終濃度とした。リフォールディングプロセスを低温の部屋で48時間継続した。得られた溶液を0.4μmフィルターにより濾過し、Protein Purification. Principles and Practice Series:Springer Advanced Texts in Chemistry Scopes,Robert K.3rd ed.,1994(第6章および第8章)で一般的に記述されるように、Q Sepharose Fast Flow樹脂(GE Healthcare)を使用して疎水性相互作用カラムまたは陰イオン交換クロマトグラフィー(50mMトリス(pH8.0)、0~500mM NaCl)の上へと充填した。いくつかの事例では、50mMトリス(pH8.0)および200mM NaClを使用して操作される、HiLoad26/60 Superdex pg 75カラム(GE Healthcare)を使用したサイズ排除クロマトグラフィーにより、さらなる精製を行った。貯蔵のために、MIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドをDPBSに移し、凍結保存した。表5に、MIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドおよびトリス緩衝液中のpH8でのその最大溶解度を示す。
【0148】
表5:実施例4により試験されたMIC-1ポリペプチドまたはN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドおよびトリス緩衝液中のpH8でのその最大溶解度
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
*N.D.:未決定
【0149】
実施例3:N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH依存性溶解度
この実験の目的は、溶解度が改善されたN延長部を有するMIC-1ポリペプチドについてスクリーニングし、製剤のための最適pHウィンドウを決定することであった。
【0150】
N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドを、水およびエタノールの混合物(60%の水および40%のエタノール)中に3mg/ml~10mg/mlの濃度範囲で溶解した。溶媒をSpeedVac(Concentrator Plus、Eppendorf)で6時間蒸発させて、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのペレットを得た。
【0151】
以下の緩衝液をこのpH依存性溶解度曲線アッセイに使用した:酢酸緩衝液(pH3~pH6)、トリス緩衝液(pH7~pH9)、CAPS緩衝液(pH10~pH11)。
【0152】
96ウェルプレートの各ウェルの中へと、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドとともに緩衝液を添加した。使用量は厳密に同じではなくてもよいが、すべて、12~18mg/ml以内の理論的濃度を標的とする。上清中のN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの濃度をUPLCによって決定した(表6)。結果に基づくと、本発明のN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの溶解度は、野生型MIC-1と比較して、pH6~9で著しく改善された。N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの最適pHウィンドウは、製剤に好ましいpH範囲内、例えばpH6.5~8.5に収まる。
【0153】
表6:N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH依存性溶解度試験(mg/ml)
【表6-1】
【表6-2】
【0154】
実施例4:N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH8における最大溶解度
最大溶解度を試験するために、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドを、水およびエタノール(60%の水および40%エタノール)の混合物中に3mg/ml~10mg/mlの濃度範囲で溶解した。次いで、溶液(各ウェルにつき150μL)を96ウェルプレート(Corning)の中へと等分した。溶媒をSpeedVac(Concentrator Plus、Eppendorf)で6時間蒸発させて、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのペレットを得た。トリス緩衝液(pH8.0、賦形剤なし)を96ウェルプレートの各ウェルの中へと添加した。ウェルに添加された緩衝液の量は、最大濃度が達成されるように、ウェル中のペレット全体を溶解するのに必要な量よりも少なくした。プレートを、プレート振盪装置上で800rpm(MixMate,Eppendorf)で2時間振盪した。ペレットを3600gで5分間遠心分離した。上清を96ディープウェルプレートに移し、40%エタノールを用いて20倍に希釈した。次いで、すべての試料をUPLC(Acquity、Waters)、プレートリーダー(Infinite M200 pro、Tecan)、およびUV分光計(NanoDrop 8000、Thermo Scientific)に供し、濃度を決定した(表7)。
【0155】
結果に基づくと、本発明のN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの溶解度は、pH8.0において著しく改善された。特に、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、pH8.0において30mg/ml超の溶解度を達成した。
【0156】
表7:N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH8.0における最大溶解度試験
【表7-1】
【表7-2】
【0157】
N延長部を有するMIC-1ポリペプチドの改善された溶解度は、MIC-1化合物において保持され、すなわち、プロトラクターを付加することによって溶解度は有意に低下しなかった(実施例12)。
【0158】
インビトロ活性スクリーニングの一般的方法
実施例5:BHK21-hGFRAL-IRES-hRET細胞株の確立
本実施例の目的は、MIC-1活性を試験するための細胞ベースのインビトロアッセイを確立することであった。哺乳動物細胞をトランスフェクトし、該細胞は全長MIC-1受容体(hGFRAL)およびその完全なシグナル伝達共受容体hRET51を安定して発現した。
【0159】
全長hGFRALおよび全長hRET51をコードする合成DNAヌクレオチドを哺乳動物発現ベクターpELへと挿入することにより、全長hGFRALおよび全長hRET51を発現するプラスミドを構築した。IRES(内部リボソーム進入部位)は、二つのDNA配列を同時にmRNAへと翻訳することができるようにする、2つのDNA配列間で一般的に使用されるリンカーである。pELベクター骨格は、Taihegene CRO社によって提供された。
【0160】
200万個のBHK21細胞を10cmのペトリ皿に播種し、培養培地中(DMEM+10%FBS+1%PS)で一晩培養した。pEL-hGFRAL-IRES-hRETプラスミドを用いて、細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を異なる密度で新しい10cm皿へと分けて入れ、選択培地中(DMEM+10%FBS+1%PS+1mg/ml G418)で2週間超にわたって増殖させ、単一クローンを得た。単一クローンを6ウェルプレートに移し、培養して、100%コンフルエントとした。hGFRALおよびhRETのmRNA発現をqPCRによって測定した。トランスフェクトが成功したクローンを採取し、MIC-1結合について試験した。
【0161】
実施例6:MIC-1細胞ベースのインビトロ活性アッセイ
野生型MIC-1およびN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、BHK21-hGFRAL-IRES-hRET安定細胞中でERK1/2の両方のリン酸化を誘発した(表8)。この結果から、MIC-1、GFRAL、およびRETの3個からなる複合体は、RETタンパク質チロシンキナーゼをリン酸化し、ERK1/2のリン酸化により、ERK/MAPK経路を含むシグナル伝達経路を通してMIC-1のインビボ活性を誘発すると結論することができる。
【0162】
BHK21-hGFRAL-IRES-hRETを使用するN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのスクリーニングの結果を表8に示す。N延長部のみを有するMIC-1ポリペプチドまたは配列内変異のみを有するMIC-1類似体は、野生型MIC-1と等しいか、またはそれよりも高いインビトロ活性を達成した。N延長部および配列内変異の組み合わせも、同様の活性を達成することができる。
【0163】
表8:インビトロ活性
【表8-1】
【表8-2】
【0164】
インビボでの有効性
実施例7:痩せたSprague Dawleyラットの食物摂取量に対するN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの効果
N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのインビボでの有効性を、9~11週齢の痩せた雄Sprague Dawleyラットで測定した。8nmol/kg体重の用量で、一日一回、暗期間の開始の1~2時間前に、動物に注射した。適切な緩衝溶液中の化合物を皮下投与した(1~4ml/kg)。自動食物モニタリングシステム(ラット用のBioDAQシステムおよびHM2システム)によって、食物摂取量の変化を測定した。BioDAQシステムでは、動物は1匹で収容され、HM2システムでは、動物は1ケージあたり最大3匹の動物の群で収容された。各化合物がn=4~8匹の動物で試験された。動物を実験前に少なくとも7日間順化させた。収集したデータは、各日の12時間の暗期間の開始から翌日の暗期間まで測定した1日の食物摂取量(24時間の食物摂取量)として表される。投与化合物に応答した食物摂取量の日ごとの変化は、処理群の1日の平均食物摂取量からビヒクル群の1日の平均食物摂取量を減算することによって算出した。スチューデントの両側t検定を使用して、p<0.1である場合に変化を有意とみなした。結果は、研究期間中に記録されたビヒクルと比較した食物摂取量の「最大減少」(パーセント)として表される。データは、研究期間中の食物摂取量の有意な(p<0.1)日ごとの減少の合計としての食物摂取量の「減少の累計」(パーセント)としても表される。
【0165】
表9:痩せたSDラットにおける食物摂取量に対するN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの日ごとの用量(8nmol/kg)の効果
【表9-1】
【表9-2】
注:*は、投与の用量が4nmol/kg体重であることを意味する。
【0166】
本発明者らは、驚くべきことに、N延長部を有するこれらのMIC-1ポリペプチドが、溶解性分子を増加させるだけでなく、野生型MIC-1に等しいか、またはさらにそれよりも良好な有効性をもたらすことも見出した(表9)。例えば、配列番号105および配列番号106による化合物は、皮下投与で、野生型MIC-1よりも40~50%大きい最大および累計のインビボでの有効性を有していた。配列番号92、配列番号104、配列番号105、および配列番号106による化合物はすべて、野生型MIC-1と比較して、溶解度が高められ、かつインビボでの有効性が有意により高かったので、有効性の増加は溶解度の増加とさらに関連付けられた。配列番号105による化合物を除く表8のすべての化合物が野生型MIC-1と同等のEmaxを有していたので、この相関は、インビトロでのEmaxの変化によって説明されないと思われる。事実、配列番号105の化合物は、野生型MIC-1より低いEmaxを有し、かつインビボで野生型MIC-1よりもさらに有効であった。いずれの化合物も野生型MIC-1と異なるEC50を有していなかったため、インビトロ効力も化合物間で同等であった。したがって、インビボでの有効性の増加と溶解度の増加との間に関連性があることは驚くべきことであり、インビトロでの受容体活性化の増加の変化によって単に説明することはできない。
【0167】
実施例8:MIC-1発現および異なる12merブロックの当初のMetの除去効率
ヒトの体内で、N-ホルミル-メチオニンは、異物としてまたは損傷した細胞が放出する警報信号として免疫系によって認識され、そして身体を刺激して潜在的感染症に対して闘わせる(Pathologic Basis of Veterinary Disease5:Pathologic Basis of Veterinary Disease,By James F.Zachary,M.Donald McGavin)。さらに、メチオニンは、容易に酸化される可能性がある不安定な残基である。したがって、N-Met切断効率は、MIC-1発現に非常に重要である。
【0168】
四つの異なる種類の12merがあり、それらのすべてが3個のSer、2個のPro、2個のGly、2個のThr、2個のGlu、および1個のAlaからなる。しかしながら、各反復の12個の残基は異なる方法で配置されている。
【0169】
発現レベルに対する異なる12merの効果およびN-Met切断効率についてはほとんど知られていない。したがって、単一および二つの12merでそれぞれ始まるMIC-1ポリペプチドの体系的な調査が非常に必要とされる。
【0170】
N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのcDNAをpET11b由来のベクターへとサブクローニングした。細胞密度が1.0のOD600に達したとき、封入体または可溶性タンパク質としてのN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの過剰発現が、0.5mMイソプロピルβ-d-チオガラクトシド(IPTG)によってE.coli中で誘発された。TB中で37℃にて20時間継続的に増殖させた後、細胞を採取し、緩衝液A(20mMトリス、pH8.0)中で超音波処理した。得られた混合物を10,000gで20分間遠心分離し、LC/MSおよびSDS-PAGEによって分析し、分子量を確認した。
【0171】
栄養補助剤としての既知組成培地において、流加プロセスで発酵を行った。発酵収率は異なる化合物に大きく依存し、化合物毎に1g/L~8g/Lで変化した。
単一の12mer試験のために設計された化合物および結果を表10および図1に示す。
【0172】
表10:単一の12mer構成ブロックの当初のMetの除去効率
【表10】
N/A:N末端延長部を有するMIC-1がE.coliで発現されなかったことを意味する。
【0173】
2つの12merを有する化合物を表11にリストし、また結果も示す(表11および図2を参照のこと)。
【0174】
表11:2つの12mer構成ブロックの当初のMetの除去効率
【表11-1】
【表11-2】
N/A:N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドがE.coliで発現されなかったことを意味する。
【0175】
結論として、12mer-1ブロックで開始するN延長部は、E.coliでは発現することができなかった。その他の12merブロックについては、当初の配列が完全なメチオニン切断をもたらしたため、タンパク質発現が達成されたが、12mer-4のみであった。さらに、一連の12mer-2のN-met切断効率は、一連の12mer-3よりも良好である。
【0176】
実施例9:2*または2.5*12merのN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現レベルおよび封入体比
(1)2.5*12merのN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現
タンパク質産生方法については実施例8を参照のこと。表12、図3および図4に結果を示す。
【0177】
表12:2.5*12mer試験のための構築およびタンパク質産生
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
注:「.6」は12merの最初の6aaを意味し、「後部」は12merの最後の6aaを意味し、「内部」は12merの内部の6aaを意味する。「N.D.」とは「検出されなかった」ことを意味する。
【0178】
延長された12mer(6aa)はN末端から24aa離れて位置し、N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現レベルは異なる群の間で大幅に変動する。12mer-1由来の断片は発現に好適ではないことが明らかであり、これは以前の結果と一致する。12mer-(4+_+3.6)および12mer-(4+_+4.6)の平均発現レベルは、他よりも比較的高い。
【0179】
(2)2*または2.5*12merのN延長部を有するMIC-1ポリペプチドの封入体比
タンパク質の大規模な産生のために、封入体は、主に高い発現レベル、単純な回収工程および高純度、プロテアーゼ耐性、ならびに良好なプロセス安定性を含む、その良好なアップスケーリング特性に主に起因して、通常、良好な選択肢とみなされる。
【0180】
N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドは、化合物のpIおよび延長部の長さに主に依存して、封入体または可溶性形態のいずれかで発現される可能性がある。表13および図4に結果を示す。
【0181】
表13:細胞サイトゾル内での溶解度およびそのpI値
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
注:ここの数字は、SDS-PAGEによって推定される。
【0182】
配列内変異を有するMIC-1ポリペプチドの溶解度を表14および図5に示す(MIC-1ポリペプチド配列はMIC-1Δ1-3である)。
【0183】
表14:配列内変異を有するMIC-1ポリペプチドの溶解度
【表14】
【0184】
封入体を発現する能力について12mer-(4+2+_)、-(4+4+_)、および-(4+3+_)で開始するMIC-1ポリペプチドを調べた。封入体比は、pI>5.1のときに90%超であることが示された。さらに、配列内変異M57E/H66Eを有するMIC-1ポリペプチドは、可溶性画分を主に発現する。
【0185】
実施例9:Cys変異を含むN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの産生
N末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの半減期を増加させるために、部位特異的変異によって導入されたシステインによって媒介されるアルキル化を通して、長期化のために使用される異なる脂肪酸鎖をN末端延長部に結合させた。Cys変異の位置を体系的にマッピングし、得られたN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドを実施例8に記載の方法に従ってリフォールディングし、精製した。
【0186】
1.長期化のためにCys変異をN末端延長部に導入する
合計20個の異なるシステイン変異体をPCR法を使用した部位特異的変異によって生成し、構築を表15にリストする。
【0187】
表15:異なる位置にCys変異を有する構築
【表15-1】
【表15-2】
N.A.=適用外。
*:(Cys変異の列の)括弧内の数字は、CysとMIC-1ポリペプチドのN末端アミノ酸との間の距離を意味する。
【0188】
これは、Cys変異を有するN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの発現レベルが、Cys変異を有しないものと同様であることを示す。
【0189】
2.Cys変異を含むN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのリフォールディングおよび精製
野生型MIC-1ホモ二量体は合計で9対のジスルフィド結合を含有し、かつ理論的には、新しいシステインを導入することにより、ジスルフィド結合のスクランブリング(scrambling)によって元のジスルフィド結合マッチングが壊され、これによリフォールディング収率がさらに減少する可能性がある。本発明者らの実験において、リストするこれらのCys変異体が、野生型MIC-1のリフォールディングのために使用された同一のリフォールディング緩衝液中で試験され、そして記載される野生型MIC-1または溶解度操作されたN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドと同様のリフォールディング収率(約50%~60%)を示したことは驚くべきことである。
【0190】
3.Cys変異を含むN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH依存性溶解度および最大溶解度
pH依存性溶解度および最大溶解度を実施例4に記載したものと同じ方法によって決定した。表16および表17に結果を示す。
【0191】
表16:Cys変異を含むN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドのpH依存性溶解度試験
【表16】
【0192】
表17:Cys変異を含むN末端延長部を有するMIC-1ポリペプチドの最大溶解度決定試験
【表17】
Cys変異は、N末端アミノ酸延長部をMIC-1ポリペプチドに付加することによって得られる溶解度の改善に影響を与えないことが分かる。
【0193】
実施例10:MIC-1化合物のためのプロトラクターの調製
実施例10.1:17-[(S)-1-カルボキシ-3-(2-{2-[(2-{2-[(4-ホルミルベンジルカルバモイル)メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)-メトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル]ヘプタデカン酸の調製
【化67】
(式A)
t-Bu-N-(4-ホルミルベンジル)カルバメート(100mg)をTFA/DCM(1:1)で1時間処理した。混合物を真空中で濃縮し、トルエンを用いて共濃縮した(2回)。残渣をTHF(2.5ml)中に溶解し、THF(5mL)中の17-((S)-1-カルボキシ-3-{2-[2-({2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシカルボニルメトキシ)-エトキシ]エチルカルバモイル}メトキシ)エトキシ]エチルカルバモイル}プロピルカルバモイル)ヘプタデカン酸(320mg、国際特許公開公報第2009/083549号に以前に記載されるように調製した)の溶液を添加した。DIPEA(0.5mL)をゆっくりと添加した。130分後、混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAcおよび1NのHClに溶解した。有機層を1NのHClおよび食塩水で抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮して、表題化合物を白色固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。
収率:234mg(72%)
LCMS2:理論的質量:851.0、実測値:851.5(M+1)+
【0194】
実施例10.2(C16):16-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソ-ブチル]アミノ]-16-オキソ-ヘキサデカン酸の調製
【化68】
(式B)
固相合成プロトコル:
ジクロロメタン(500Ml)中のN-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(ZOSu、100g、401mmol)の溶液を、ジクロロメタン(750Ml)中のエチレンジアミン(1、189mL、2.81mol)の溶液に2時間にわたって滴下して添加した。30分後、懸濁液を濾過し、固体をジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発乾固し、残渣をトルエン(1.00L)および水(0.50L)で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分離して2相を得た。水相は生成物を含有し、したがって、これをジクロロメタン(2×250mL)で抽出した。すべての有機相を組み合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をトルエン(750mL)で希釈し、2Mの塩酸水溶液(500mL)および1Mの塩酸水溶液(100mL)で抽出した。酸性の水相を組み合わせ、水(90mL)中の水酸化ナトリウム(60.0g、1.50mol)の溶液で塩基性化した。得られた混合物をジクロロメタン(4×200mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、ヘキサン(200mL)で希釈した。エーテル中の4Mの塩化水素溶液(100mL、400mmol)をその溶液に添加し、得られた懸濁液を真空中で濃縮し、ヘキサン(1.00L)で希釈した。沈殿した固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥して、(2-アミノ-エチル)-カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩を白色の粉末として得た。
収率:62.62g(68%)。
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール4:1):0.25(遊離塩基)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,80℃,dH):7.42-7.26(m,5H);5.16(s,2H);3.60(t,J=5.7Hz,2H);3.32(t,J=5.7Hz,2H)。
2-クロロトリチル樹脂100~200メッシュ、1.7mmol/g(3,40.1g、68.1mmol)を、乾燥ジクロロメタン(250mL)中に20分間放置して膨潤させた。乾燥ジクロロメタン(50mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-Ado-OH、17.5g、45.4mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(30.1mL、173mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を5時間振盪した。樹脂を濾過し、メタノール/ジクロロメタン混合物(4:1、250mL、2×5分)中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(15.8mL、90.8mmol)の溶液で処理した。次いで樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(2×250mL)、ジクロロメタン(2×250mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×250mL)で洗浄した。ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×10分、1×30分、3×250mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×250mL)、2-プロパノール(2×250mL)、およびジクロロメタン(300mL、2×250mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(140mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-Ado-OH、26.3g、68.1mmol)、O-(6-クロロ-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU、24.2g、68.1mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21.4mL、123mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×250mL)、ジクロロメタン(2×250mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(250mL)で洗浄した。ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×10分、1×30分、3×250mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×250mL)、2-プロパノール(2×250mL)、およびジクロロメタン(300mL、2×250mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(140mL)中の(S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-ペンタンジオン酸1-tert-ブチルエステル(Fmoc-Glu-OtBu、29.0g、68.1mmol)、O-(6-クロロ-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU、24.2g,68.1mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21.4mL,123mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×250mL)、ジクロロメタン(2×250mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(250mL)で洗浄した。ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンで処理(1×5分、1×10分、1×30分、3×250mL)することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×250mL)、2-プロパノール(2×250mL)、およびジクロロメタン(300mL、2×250mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン混合物(4:1、200mL)中の16-(tert-ブトキシ)-16-オキソヘキサデカン酸(23.3g、68.1mmol)、O-(6-クロロ-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU、24.2g、68.1mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21.4mL、123mmol)の溶液を樹脂に添加した。樹脂を1時間振盪し、濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(3×250mL)、ジクロロメタン(2×250mL)、メタノール(2×250mL)、およびジクロロメタン(350、6×250mL)で洗浄した。2,2,2-トリフルオロエタノール(250mL)で18時間処理することによって、生成物を樹脂から切断した。樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(2×250mL)、2-プロパノール/ジクロロメタン混合物(1:1、2×250mL)、2-プロパノール(250mL)、およびジクロロメタン(3×250mL)で洗浄した。溶液を組み合わせ、溶媒を蒸発し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲルl60、0.040~0.060mm、溶出液:ジクロロメタン/メタノール1:0~9:1)により精製した。純粋な(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-41,41-ジメチル-10,19,24,39-テトラオキソ-3,6,12,15,40-ペンタオキサ-9,18,23-トリアザドテトラコンタン酸を真空中で乾燥し、淡黄色の濃黄色の油状物として得た。
収率:30.88g(83%)。
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール4:1):0.30。
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.36(t,J=5.7Hz,1H);7.02(t,J=5.4Hz,1H);6.55(d,J=7.7Hz,1H);4.46(m,1H);4.18(s,2H);4.02(s,2H);3.83-3.36(m,16H);2.44-2.12(m,7H);2.02-1.86(m,1H);1.60(m,4H);1.47(s,9H);1.45(s,9H);1.36-1.21(m,20H)。
LC-MS法4:
純度:100%
Rt(Kinetex 4.6mm×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):3.60分
実測値m/z、z=1:818.7(M+H)+
その後、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオホスフェート(HATU、11.4g、30.1mmol)およびトリエチルアミン(8.77mL、62.9mmol)を、乾燥ジクロロメタン(110mL)中の(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-41,41-ジメチル-10,19,24,39-テトラオキソ-3,6,12,15,40-ペンタオキサ-9,18,23-トリアザドテトラコンタン酸(22.4g、27.4mmol)の溶液に添加した。トリエチルアミン(5.72mL、41.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(165mL)中の(2-アミノ-エチル)-カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(6.94g、30.1mmol)の懸濁液に添加し、得られた混合物を上記溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、次いでこれを蒸発乾固した残渣を酢酸エチル(500mL)中に再溶解し、1M塩酸水溶液(2×200mL)、5%炭酸ナトリウム水溶液(2×200mL、非常に遅い相分離)、1M塩酸水溶液(8×200mL)および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で蒸発乾固した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、0.040~0.060mm、溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)により精製して、15-[(S)-3-(2-{2-[(2-{2-[(2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-エチルカルバモイル)-メトキシ]-エトキシ}-エチルカルバモイル)-メトキシ]-エトキシ}-エチルカルバモイル)-1-tert-ブトキシカルボニル]-プロピルカルバモイル]ペンタデカン酸tert-ブチルエステルを淡黄色の濃い油状物として得た
収率:23.84g(88%)
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール9:1):0.35
1H NMR スペクトル(300MHz,CDCl3、Dh):7.39-7.26(m、6H);7.19(t、J=6.3Hz、1H);6.91(t、J=5.7Hz、1H);6.52(d,J=7.5Hz,1H);5.83(t,J=5.5Hz,1H);5.09(s,2H)4.41(ddd,J=12.3、4.6および4.3Hz, 1 H);3.99(s,2H);3.97(s,2H);3.71-3.30(m,20H);2.33-2.08(m,7H);1.97-1.83(m,1H);1.67-1.51(m,4H);1.45(s,9H);1.44(s,9H);1.35-1.20(m、20H)。
LCMS法4
純度:100%
Rt(Kinetex 4.6×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):4.18分
実測値m/z、z=1:994.9(M+H)+
パラジウム炭素(10%、1.27g、1.20mmol)をメタノール(350mL)中の上記化合物(23.8g、24.0mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を常圧で4時間水素化した。触媒を濾過して取り除き、濾液を蒸発乾固したメタノールの残渣を除去するために残渣をジクロロメタンから数回蒸発させ、真空中で乾燥して、tert-ブチル(S)-1-アミノ-25-(tert-ブトキシカルボニル)-4,13,22,27-テトラオキソ-6,9,15,18-テトラオキサ-3,12,21,26-テトラアザドテトラコンタン-42-オエートを濃い無色の油状物として得た。
収率:20.50g(99%)。
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール9:1)0.05.
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.54(t,J=5.7Hz,1H);7.41(t,J=5.6Hz,1H);7.14(t,J=5.5Hz,1H);6.68(d,J=7.5Hz,1H);5.25(bs,2H);4.39(td,J=8.3および4.2Hz,1H);4.01(s,4H);3.74-3.39(m,18H);2.96(t,J=5.7Hz,2H);2.34-2.06(m,7H);1.97-1.83(m,1H);1.68-1.50(m,4H);1.45(s,9H);1.43(s,9H);1.37-1.19(m,20H)。
LCMS法4
純度:100%
Rt(Kinetex 4.6mm×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):1.43分
実測値m/z、z=1:860.8(M+H)+
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.98mL、28.6mmol)を、乾燥ジクロロメタン(290mL)中の上記アミン(6、20.5g、23.8mmol)の溶液にアルゴン下で-30℃で添加した。臭化ブロモアセチル(2.48mL、28.6mmol)を滴下して添加し、得られた溶液を-30℃でさらに3時間攪拌した。冷浴を取り除き、混合物を室温で1時間攪拌し、次いで溶媒を真空中で除去した。残渣を酢酸エチル(450mL)中に再溶解し、5%クエン酸水溶液(300mL)で洗浄した。相は1時間以内に分離された。有機層を水(300mL)で洗浄し、得られた乳濁液を一晩分離して放置し、3相を得た。透明な水層を除去し、残りの2相を、臭化カリウム(100mL)の飽和水溶液とともに振盪し、添加した。これらの相を一晩分離して放置し、次いで水相を除去し、そして有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、0.040~0.060mm、溶出液:ジクロロメタン/メタノール95:5)により精製して、tert-ブチル(S)-1-ブロモ-28-(tert-ブトキシカルボニル)-2,7,16,25,30-ペンタオキソ-9,12,18,21-テトラオキサ-3,6,15,24,29-ペンタアザペンタテトラコンタン-45-オエートを無色の固体として得た。
収率:19.46g(83%)。
RF(SiO2、ジクロロメタン/メタノール9:1):0.25
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.46(m,1H);7.33(t,J=5.9Hz,1H);7.21(t,J=5.1Hz,1H);6.92(t,J=5.2Hz,1H);6.50(d,J=7.5Hz,1H);4.41(ddd,J=12.2,4.5および4.2Hz,1H);4.01(s,4H),3.85(s,2H);3.75-3.40(m,20H),2.36-2.08(m,7H);1.99-1.84(m,1H);1.68-1.51(m,4H),1.46(s,9H);1.44(s,9H);1.38-1.19(m,20H)。
LCMS法4
純度:100%
Rt(Kinetex 4.6mm×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):3.51分。
実測値:m/z、z=1:980.9、982.9(M+H)+
上記化合物(19.5g、19.8mmol)をトリフルオロ酢酸(120mL)中に溶解し、得られた溶液を室温で1.5時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を真空中で除去し、残渣をジクロロメタン(6×200mL)から蒸発させた。ジエチルエーテル(200mL)を油状の残渣に添加し、混合物を一晩攪拌して懸濁液を得た。固体生成物を濾過し、ジエチルエーテルおよびヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥して、表題生成物15-{(S)-1-カルボキシ-3-[2-(2-{[2-(2-{[2-(2-ブロモアセチルアミノ)エチルカルバモイル]メトキシ}-エトキシ)エチルカルバモイル]メトキシ}エトキシ)エチルカルバモイル]プロピルカルバモイル}ペンタデカン酸を白色粉末として得た。
収率:16.74g(97%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):4.61(dd,J=8.8および4.8Hz,1H);4.12(s,2H),4.10(s,2H);3.96(s,2H);3.77-3.39(m,20H),2.49-2.18(m,7H);2.16-1.04(m,1H);1.71-1.56(m,4H),1.30(bs,20H)
LCMS法4:
純度:100%
Rt(Kinetex 4.6mm×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):3.51分
理論的m/z、z=1:869,8、実測値:m/z、z=1:868.7、870.7
【0195】
実施例10.3(C14):14-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソ-ブチル]アミノ]-14-オキソ-テトラデカン酸の調製
【化69】
(式C)
13-{(S)-1-カルボキシ-3-[2-(2-{[2-(2-{[2-(2-ブロモアセチルアミノ)エチルカルバモイル]メトキシ}-エトキシ)エチルカルバモイル]メトキシ}エトキシ)エチルカルバモイル]プロピルカルバモイル}トリデカン酸を実施例10.2に記載したのと同じ方法によって調製し、濃黄色の油状物を得た。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):4.61(dd,J=8.9および4.9Hz,1H);4.13(s,2H);4.11(s,2H);3.96(s,2H);3.77-3.40(m,20H);2.49-2.18(m,7H);2.16-2.07(m,1H);1.70-1.56(m,4H);1.31(bs,16H)。
LCMS法4:
純度:100%(ELSD)
Rt(Kinetex、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):2.94分
理論的m/z、z=1:841.9、実測値:m/z、z=1:841.7,843.7
【0196】
実施例10.4(C18):
18-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカン酸の調製
【化70】
(式D)
溶液相合成プロトコル:
工程1:ベンジル18-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2-アミノエチルアミノ)-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-ベンジルオキシカルボニル-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカノエート。0℃のDCM(80ml)およびトリエチルアミン(5.2ml)中のエチレンジアミン(8.5ml ml)の溶液に、DCM(320ml)中に、国際特許公開公報第10029159号に記載のように調製したベンジル18-[[(1S)-1-ベンジルオキシカルボニル-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカノエート(26g)の溶液を75分間にわたって滴下して添加した。2時間攪拌した後、沈殿物を濾過して取り除いた。濾液に水(200ml)およびイソプロパノール(50ml)を添加した。混合物を抽出した。有機層をMgSO4を使用して乾燥した。MGSO4を濾過により除去し、濾液を真空中で乾燥して、表題化合物20.07g(81%)を得た。
LCMS:理論的質量:956.2;実測値m/z、z=1:957.0
工程2:ベンジル18-[[(1S)-1-ベンジルオキシカルボニル-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-クロロアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカノエート。
クロロ酢酸(0.19g)をDCM(15mL)中に溶解した。N-ヒドロキシスクシンイミド(0.22g)およびEDAC HCl(0.42g)を添加した。2.5時間攪拌した後、DCM(5mL)中のベンジル18-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-(2-アミノエチルアミノ)-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-ベンジルオキシカルボニル-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカノエート(1.5g)を添加した。室温(RT)で一晩攪拌した後、混合物を1MのHCl(2×20ml)および水/食塩水2:1(30ml)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、透明な油状物1.37g(84%)を得た。
LCMS:理論的質量:1032.7;実測値m/z、z=1:1033.1
工程3:18-[[(1S)-1-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-クロロアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカン酸。
窒素通気後、アセトン(140ml)中のベンジル18-[[(1S)-1-ベンジルオキシカルボニル-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-クロロアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカノエート(10.5g)の溶液に10%のPD/C(1.0g)を添加した。6時間水素化した後、混合物を40~50℃に加熱した後に濾過した冷えた濾液中の沈殿物を単離し、アセトンで洗浄し、乾燥して、表題化合物7.42g(85%)を得た。
工程4:8-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカン酸。
アセトン(60ml)中の18-[[(1S)-1-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-クロロアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-オクタデカン酸の懸濁液に臭化ナトリウム(5当量、1.21g)を添加した。混合物を暗所で室温で攪拌した。2時間後、臭化ナトリウム(10当量、2.41g)をさらに添加した。2日後、臭化ナトリウム(5当量、1.21g)をさらに添加した。5日後、混合物を濃縮した。半分の残渣にDCM(30ml)、10%アスコルビン酸(20ml)、および水30mlを添加した。乳濁液にイソプロパノール(50ml)および水(30ml)を添加した。有機相を分離し、10%アスコルビン酸(20mL)およびイソプロパノール(10mL)の混合物で二回洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、濃縮して、固形油を得た。これをアセトン中で結晶化し、濾過により単離して、出発材料が混ざっている表題化合物0.80g(72%)を得た。
LCMS:理論的質量:896.9.実測値m/z、z=1:898.9(M+1)
【0197】
実施例10.5(C12):12-[[(1S)-1-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4-ホルミルフェニル)メチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-12-オキソ-ドデカン酸の調製
【化71】
(式E)
化合物を、例えば10.1に記載のものと同じ方法で調製した。
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.39-7.29(m,1H);7.03-6.93(m,1H);6.59-6.51(m,1H);4.49-4.37(m,1H);4.15(s,2H);4.01(s,2H);3.78-3.39(m,16H);2.36-2.10(m,7H);2.01-1.85(m,1H);1.68-1.50(m,4H);1.48-1.41(m,18H);1.34-1.22(m,12H)。
【0198】
実施例10.6:(2S)-5-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-5-オキソ-2-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ペンタン酸の調製
【化72】
(式F)
2-クロロトリチル樹脂100~200メッシュ、1.5mmol/g(18.0g、27.0mmol)を、乾燥ジクロロメタン(160mL)中に20分間放置して膨潤させた。乾燥ジクロロメタン(100mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH,6.94g、18.0mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(12.5mL、72.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を一晩振盪した。樹脂を濾過し、メタノール/ジクロロメタン混合物(4:1、2×5分、2×100mL)中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.12mL、23.7mmol)の溶液で処理した。次いで、樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)、ジクロロメタン(2×100mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×30分、2×100mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL))、2-プロパノール(2×100mL)、およびジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH、10.4g、27.0mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、9.60g、27.0mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.50mL、48.6mmolの溶液を樹脂に添加し、混合物を2時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)、ジクロロメタン(2×100mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×30分、2×100mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL))、2-プロパノール(2×100mL)、およびジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)中の(S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル(Fmoc-gGlu-OtBu、11.5g、27.0mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、9.60g、27.0mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.50mL、48.6mmolの溶液を樹脂に添加し、混合物を2時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)、ジクロロメタン(2×100mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×30分、2×100mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂(2)をN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL)、2-プロパノール(2×100mL)、およびジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。樹脂を4等分に分け、元の量(4.50mmol)の4分の1でこの合成を継続した。ジメチルスルホキシド(180mL)中の16-スルホ-ヘキサデカン酸(3、6.16g、17.2mmol、調製は化合物REaD-22296、バッチ番号195-257-1の合成の手順に記載されている)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP、8.95g、17.2mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.00mL、34.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を4時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)、N,N-ジメチルホルムアミド/水(2:1、2×100mL)、ジメチルスルホキシド(2×100mL)、水(2×100mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL)で洗浄した。1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(80mL)で2時間処理することによって、生成物を樹脂から切断した。
樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(4×100mL)で洗浄した。溶液を組み合わせ、揮発物を蒸発させ、粗製の(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-10,19,24-トリオキソ-39-スルホ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザノナトリアコンタン酸(4)をさらに精製することなく次の工程に使用した。
収率:定量的(ELSDに基づく)。
LC-MS純度:96%。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×100mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.07分。
LC-MS m/z:812.9(M+H)
【0199】
その後、1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(V)(HATU、1.87g、4.92mmol)およびトリエチルアミン(3.43mL、24.6mmol)を乾燥ジクロロメタン(40mL)中の(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-10,19,24-トリオキソ-39-スルホ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザノナトリアコンタン酸(4.5mmol)の溶液に添加した。トリエチルアミン(1.82mL、13.1mmol)を乾燥ジクロロメタン(20mL)中の(2-アミノ-エチル)-カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(5、1.93g、8.37mmol)の懸濁液に添加し、得られた混合物を上記の溶液に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。16時間後、1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(V)(HATU、0.38g、1mmol)、トリエチルアミン(2.00mL、14.3mmol)、および(2-アミノ-エチル)-カルバミン酸ベンジルエステル塩酸塩(5、0.40g、1.70mmol)のもう一方の部分を添加し、混合物をさらに2時間攪拌した。溶液を1Mの塩酸水溶液(2×100mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗製の(S)-29-(tert-ブトキシカルボニル)-3,8,17,26,31-ペンタオキソ-1-フェニル-2,10,13,19,22-ペンタオキサ-4,7,16,25,30-ペンタアザヘキサテトラコンタン-46-スルホン酸(6)をさらに精製することなく次の工程に使用した。
収率:定量的(ELSDに基づく)。
LC-MS純度:83%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.35分。
LC-MS m/z:989.1(M+H)
【0200】
パラジウム炭素(10%、0.22g、0.20mmol)をメタノール(100mL)中の上記の化合物(4.50mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を常圧で16時間水素化し、次いで、超音波処理装置中に40℃で1時間入れた。触媒をCelite(商標)上で濾過して取り除き、濾液を減圧下で蒸発乾固した。残渣を、分取HPLC(カラム:DeltaPak C18、15m;50×500mm;アセトニトリル/水30:70(80分間)+0.05%TFA)により精製し、凍結乾燥して、(S)-1-アミノ-25-(tert-ブトキシカルボニル)-4,13,22,27-テトラオキソ-6,9,15,18-テトラオキサ-3,12,21,26-テトラアザドテトラコンタン-42-スルホン酸(7)を無色の固体として得た。
収率:1.95g(45%、1から)。
LC-MS純度:98%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):2.87分。
LC-MS m/z:854.7(M+H)
【0201】
2,4,6-コリジン(1.60mL、12.0mmol)を、無水N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中の上記アミン(7、2.06g、2.11mmol)の溶液にアルゴン下で0℃で添加した。2-ブロモ酢酸無水物(0.68g、2.61mmol)を添加し、得られた溶液を0℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、残渣をジエチルエーテル(2×10mL)を用いて粉砕した。残留化合物(S)-1-ブロモ-28-(tert-ブトキシカルボニル)-2,7,16,25,30-ペンタオキソ-9,12,18,21-テトラオキサ-3,6,15,24,29-ペンタアザペンタテトラコンタン-45-スルホン酸(8)をさらに精製することなく次の工程に使用した。
収率:定量的(ELSDに基づく)。
LC-MS純度:95%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.04分。
LC-MS m/z:976.9(M+H)
【0202】
上記化合物(8、2.00mmol)をジクロロメタン(20mL)、水(2mL)、およびトリフルオロ酢酸(25mL)中に溶解し、得られた溶液を2時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン(3×80mL)とともに共蒸発させた。残渣を、分取HPLC(カラム:DeltaPak C18、15m;50×500mm;アセトニトリル/水30:70(70分間)+0.05%TFA)により精製し、凍結乾燥して、(S)-1-ブロモ-2,7,16,25-テトラオキソ-28-(16-スルホヘキサデカンアミド)-9,12,18,21-テトラオキサ-3,6,15,24-テトラアザノナコサン-29-オイック酸(9)を白色固体として得た。
収率:1.92g(2工程で98%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,80 C,dH):4.68-4.58(m,1H);4.20-4.08(m,4H);3.94(s,2H);3.82-3.64(m,12H);3.60-3.46(m,8H);3.20-3.10(m,2H);2.51(t,J=7.2Hz,2H);2.37(t,J=7.3Hz,2H);2.26(bs,1H);1.92-1.80(m,2H);1.73-1.62(m,2H);1.55-1.44(m,2H);1.43-1.29(m,21H)。
LC-MS純度:95%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):2.73分。
LC-MS m/z:920.9(M+H)
【0203】
実施例10.7:(2S)-6-[(2-ブロモアセチル)アミノ]-2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[4-[17-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘプタデカノイルスルファモイル]ブタノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ヘキサン酸の調製
【化73】
(式G)
Wang Fmoc-Lys(Mtt)樹脂0.29mmol/g(17.24g、5.0mmol)をDMF(60mL)中に7×5分間放置して膨潤させ、洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(2×60mL、2×15分)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(6×60mL)で洗浄した。Fmoc-OEG-OHを、二つの反応のために量り分けた(2x20mmol 15.416g)。Oxyma(0.3M)を含む120mLのDMF中に溶解し、2×53mLの体積に分けた。DMF中のFmoc-OEG-OHおよびOxymaの溶液(53.2mL、0.3M)をDMF中のDIC(26.6mL、0.6M)と混合した。AAを10分間にわたって活性化し、次いで樹脂に添加し、混合物を8時間振盪した。
【0204】
樹脂を排出し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×60mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(2×60mL、2×15分)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(6×60mL)で洗浄した。DMF中のFmoc-OEG-OHおよびOxymaの溶液(53.2mL、0.3M)を、DMF中のDIC(26.6mL、0.6M)と混合した。AAを10分間にわたって活性化し、次いで樹脂に添加し、混合物を8時間振盪した。樹脂を排出し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×60mL)で洗浄し、次いでアセトニトリル(2×60mL、2×8時間)で洗浄した。
【0205】
上記樹脂0.27mmol/g(2.46g、0.66mmol)をDMF(12mL、3×5分)中で膨潤させた。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(2×12mL、1×15分+1×30分)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(2×15mL)、DCM(2×15mL)、DMF(2×15mL)で洗浄した。
【0206】
N,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の4-[17-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘプタデカノイルスルファモイル]ブタン酸(0.966g、1.98mmol)、Oxyma(0.281g、1.98mmol)、およびDIC(0.309mL)の溶液を作り、アミノ酸を活性化するためにおよそ10分間放置した。次いで、混合物を反応チューブに添加し、一晩振盪した。
【0207】
樹脂を排出し、N,N-ジメチルホルムアミド(2×15mL)、DCM(5×15mL)で洗浄した。MTT基を1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール/DCM/トリイソプロピルシラン80/18/2、3×20mL、(各処理の間にDCM洗浄を用いて3×20分間)により切断し、次いで4×20mLのDCMで洗浄した。10mLのDMF中のブロモ酢酸(1.10g、7.92mmol)およびDIC(0.62mL、3.96mmo)を樹脂に添加し、1時間振盪した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×20mL)およびジクロロメタン(5×20mL)で洗浄した。
【0208】
TFA(98%)、水(2%)を、1時間にわたり20mL用いて、そして0.5時間にわたり20mL用いて、生成物を樹脂から切断した。樹脂を20mLのDCMで洗浄した。溶媒を蒸発させて、黄色の油状物を得た。油状物をEtOAc(50mL)中に溶解し、水(2×100mL)で洗浄した。白色固体がEtOAc層中に沈殿した。EtOAcの量を真空中で減少させ、濾過した。沈殿物をEtOAcで洗浄し、フィルター上で乾燥し、270mgの白色固体を得た。
LC-MS m/z:1026.39(M+H)+。
【0209】
実施例10.8:4-[10-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[[(5S)-5-[(2-ブロモアセチル)アミノ]-5-カルボキシペンチル]アミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソブチル]アミノ]-10-オキソデコキシ]安息香酸の調製
【化74】
(式H)
2-クロロトリチル樹脂100~200メッシュ、1.5mmol/g(1,2.70g、4.05mmol)を、乾燥ジクロロメタン(40mL)中に30分間放置して膨潤させた。乾燥ジクロロメタン(40mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH、1.04g、2.70mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.82mL、10.3mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を一晩振盪した。樹脂を濾過し、メタノール/ジクロロメタン混合物(4:1、2×5分、2×40mL)中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.94mL、5.40mmol)の溶液で処理した。次いで樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH、3.18g、8.20mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.93g、8.20mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.87mL、16.4mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の(S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル(Fmoc-L-Glu-OtBu、3.50g、8.20mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.93g、8.20mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.87mL、16.4mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の10-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)デカン酸(CNB、3.00g、8.20mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.93g、8.20mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.87mL、16.4mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、およびジクロロメタン(10×40mL)で洗浄した。
【0210】
2,2,2-トリフルオロエタノール(40mL)で一晩処理することによって、生成物を樹脂から切断した。樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(4×40mL)で洗浄した。溶媒を蒸発乾固して、純粋な(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-33-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)-10,19,24-トリオキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザトリトリアコンタン酸を黄色の油状物として得た。
収率:2.26g(100%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.95-7.87(m,2H);7.41-7.32(m,1H);7.05-6.95(m,1H);6.92-6.82(m,2H);6.61(d,J=7.7Hz,1H);4.49-4.37(m,1H);4.15(s,2H);4.04-3.95(m,4H);3.76-3.36(m,17H);2.39-2.09(m,5H);2.04-1.85(m,1H);1.84-1.70(m,2H);1.67-1.52(m,10H);1.50-1.39(m,11H);1.37-1.24(m,8H)。
LC-MS純度:100%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水50:50~100:0+0.1%FA):4.49分。
LC-MS m/z:841.2(M+H)
【0211】
Wang-Fmoc-Lys(Mtt)-OH樹脂、0.33mmol/g(3、4.15g、1.37mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中に30分間放置して膨潤させた。ジクロロメタン中の80%の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(2×5分、2×10分、1×15分、1×30分、6×50mL)で処理することにより、Mtt基を除去した。樹脂3をジクロロメタン(4×70mL)、ジクロロメタン(1×50mL)中の10%N,N-ジイソプロピルエチルアミン、およびジクロロメタン(2×50mL)で洗浄した。
【0212】
N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中の(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-33-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)-10,19,24-トリオキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザトリトリアコンタン酸(2、2.30g、2.73mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、0.97g、2.73mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.20mL、6.85mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を一晩振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、ジクロロメタン(4×50mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×50mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×50mL)、2-プロパノール(2×50mL)、ジクロロメタン(3×50mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×50mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中のブロモ酢酸(0.76g、5.48mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC、0.85mL、5.48mmol)、2,4,6ーコリジン(0.91mL、5.48mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、ジクロロメタン(4×50mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、およびジクロロメタン(10×40mL)で洗浄した。トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン混合物(2:1、30mL)で3時間処理することにより、生成物(4)を樹脂から切断した。樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(4×40mL)で洗浄した。溶媒を蒸発乾固して、純粋な(2S,29S)-29-(2-ブロモアセトアミド)-2-(10-(4-カルボキシフェノキシ)デカンアミド)-5,14,23-トリオキソ-9,12,18,21-テトラオキサ-6,15,24-トリアザトリアコンタン二酸(4)を黄色油状物として得た。
収率:1.33g(100%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6+DCl,dH):7.93-7.76(m,2H);7.05-6.89(m,2H);4.16-4.05(m,3H);4.05-3.93(m,2H);3.93-3.79(m,5H);3.60-3.48(m,9H);3.46-3.32(m,4H);3.30-3.21(m,2H);3.21-3.12(m,2H);3.10-3.00(m,2H);2.19-1.77(m,6H);1.77-1.49(m,7H);1.48-1.22(m,12H)。
LC-MS純度:95%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.02分。
LC-MS m/z:977.3(M+H)
【0213】
実施例10.9:4-[12-[[(1S)-4-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[[(6S)-6-[(2-ブロモアセチル)アミノ]-6-カルボキシヘキシル]アミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-1-カルボキシ-4-オキソブチル]アミノ]-12-オキソドデコキシ]安息香酸の調製
【化75】
(式K)
2-クロロトリチルクロリド樹脂100~200メッシュ、1.5mmol/g(2.60g、3.90mmol)を、乾燥ジクロロメタン(40mL)中に30分間放置して膨潤させた。乾燥ジクロロメタン(40mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH、1.02g、2.60mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.75mL、10.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を一晩振盪した。樹脂を濾過し、メタノール/ジクロロメタン混合物(4:1、2×5分、2×40mL)中のN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.90mL、5.20mmol)の溶液で処理した。次いで樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の{2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-エトキシ]-エトキシ}-酢酸(Fmoc-OEG-OH、3.06g、7.90mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.82g、7.90mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.76mL、15.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の(S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-ペンタン二酸1-tert-ブチルエステル(Fmoc-L-Glu-OtBu、3.40g、7.90mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.82g、7.90mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.76mL、15.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×40mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)、2-プロパノール(2×40mL)、ジクロロメタン(3×40mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×40mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)中の12-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)ドデカン酸(CUB、3.12g、7.90mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、2.82g、7.90mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.76mL、15.0mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、ジクロロメタン(4×40mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(4×40mL)、およびジクロロメタン(10×40mL)で洗浄した。
【0214】
2,2,2-トリフルオロエタノール(40mL)で一晩処理することによって、生成物を樹脂から切断した。樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(4×40mL)で洗浄した。溶媒を蒸発乾固して、純粋な(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-35-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)-10,19,24-トリオキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザペンタトリアコンタン酸を黄色油状物として得た。
収率:1.93g(86%)。
LC-MS純度:100%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):4.88分。
LC-MS m/z:869.2(M+H)
【0215】
Wang-Fmoc-Lys(Mtt)-OH樹脂0.33mmol/g(3.40g、1.11mmol)をジクロロメタン(50mL)中に30分間放置して膨潤させた。ジクロロメタン中の80%の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(2×5分、2×10分、1×15分、1×30分、6×50mL)で処理することにより、Mtt基を除去した。樹脂をジクロロメタン(4×70mL)、ジクロロメタン中の10%N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1×50mL)、およびジクロロメタン(2×50mL)で洗浄した。
【0216】
N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中の(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-35-(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェノキシ)-10,19,24-トリオキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザペンタトリアコンタン酸(1.93g、2.22mmol)、5-クロロ-1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール3-オキシドテトラフルオロボレート(TCTU、0.79g、2.22mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.86mL、6.66mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を一晩振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、ジクロロメタン(4×50mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×10分、1×30分、2×50mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×50mL)、2-プロパノール(2×50mL)、ジクロロメタン(3×50mL)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3×50mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中のブロモ酢酸(0.62g、4.44mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC、0.69mL、4.44mmol)、および2,4,6-コリジン(0.59mL、4.44mmol)の溶液を樹脂に添加し、混合物を1時間振盪した。樹脂を濾過し、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、ジクロロメタン(4×50mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(4×50mL)、およびジクロロメタン(10×40mL)で洗浄した。トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン混合物(2:1、30mL)で3時間処理することにより、生成物を樹脂から切断した。樹脂を濾過して取り除き、ジクロロメタン(4×40mL)で洗浄した。溶媒を蒸発乾固して、純粋な(2S,29S)-29-(2-ブロモアセトアミド)-2-(12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカンアミド)-5,14,23-トリオキソ-9,12,18,21-テトラオキサ-6,15,24-トリアザトリアコンタンジオン酸を黄色の油状物として得た。
収率:1.10g(99%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6+DCl,dH):7.93-7.74(m,2H);7.06-6.86(m,2H);4.20-3.93(m,5H);3.92-3.78(m,6H);3.54(s,9H);3.46-2.94(m,12H);2.19-1.84(m,5H);1.81-1.52(m,6H);1.51-1.23(m,15H)。
LC-MS純度:97%(ELSD)。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.20分。
LC-MS m/z:1005.3(M+H)
【0217】
実施例10.10:(2S)-5-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(2-ブロモアセチル)アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソエトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-5-オキソ-2-[16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ]ペンタン酸の調製
【化76】
(式J)
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCHCl、6.25g、32.6mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(70mL)中の16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸(1、5.28g、16.3mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu、3.75g、32.6mmol)の攪拌溶液に添加し、混合物を一晩攪拌した。反応混合物を1Mの塩酸(400mL)水溶液で希釈した。粗生成物を酢酸エチル(4×400mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去した。2-プロパノール(100mL)を油状の残渣に添加し、沈殿した白色固体を濾過して取り除いた。純粋な生成物(2)を、2-プロパノール(70mL)から再結晶することにより白色の微結晶性固体として得た。
収率:4.73g(69%)。
RF(SiO2、酢酸エチル):0.35。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):3.02(t,J=7.7Hz,2H);2.86(s,4H);2.62(t,J=7.3Hz,2H);1.90-1.63(m,4H);1.30(bs,22H)。
【0218】
2-クロロトリチル樹脂結合Fmoc-gGlu(tBu)-OEG-OEG-(11.5mmol、調製は実施例10.6のプロトラクターの合成の手順に記載されている)をジクロロメタン(100mL)中に20分間放置して膨潤させた。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(2×100mL)で洗浄した。N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(1×5分、1×30分、2×100mL)で処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をN,N-ジメチルホルムアミド(3×100mL)、2-プロパノール(2×100mL)、およびジクロロメタン(8×100mL)で洗浄した。ジクロロメタン(2:8、80mL)中の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールで2時間処理することにより、生成物を樹脂から切断した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(2×80mL)で洗浄した。溶液を組み合わせ、溶媒を蒸発させて、生成物(4)を褐色がかった油状物として得た。粗生成物は、2当量の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含有した。
収率:9.49g(99%、2当量のHFIPとの付加物に対して計数した)。
1H NMRスペクトル(300MHz,CDCl3,dH):7.72-7.64(m,1H);7.59-7.50(m,1H);4.00(s,2H);3.94(s,2H);3.94-3.85(m,1H);3.71-3.32(m,16H);2.56-2.45(m,2H);2.42-2.26(m,1H);2.16-2.02(m,1H);1.49(s,9H)。
【0219】
テトラヒドロフラン(50mL)中の上記酸(6.10g、7.93mmol)および2,5-ジオキソピロリジン-1-イル16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノエート(2、3.33g、7.93mmol)の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.91mL、39.6mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、0.040~0.063mm、溶出液:ジクロロメタン/メタノール/酢酸15:1:0.2~5:1:0.2)により精製した。残留した酢酸をアセトニトリル/水混合物1:1から凍結乾燥によって除去して、純粋物(5)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:1.39g(22%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,DMSO-d6,dH):8.13-8.07(m,1H);8.01-7.93(m,1H);7.74-7.68(m,1H);4.11-3.99(m,1H);3.88(s,2H);3.82(s,2H);3.62-3.49(m,8H);3.49-3.37(m,4H);3.33-3.15(m,4H);2.73-2.65(m,2H);2.18-2.03(m,4H);1.94-1.81(m,1H);1.80-1.67(m,1H);1.66-1.53(m,2H);1.53-1.41(m,2H);1.38(s,9H);1.23(s,22H)。
【0220】
N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)中の上記化合物(1.39g、1.73mmol)、1-((ジメチルアミノ)(ジメチルイミニオ)メチル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(V)(HATU、657mg、1.73mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.21mL、6.90mmol)の溶液に、ベンジル(2-アミノエチル)カルバメート(6、400mg、1.73mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、0.040~0.063mm;溶出液:酢酸エチル/メタノール/酢酸15:1:0.2~ジクロロメタン/メタノール/酢酸15:1:0.2)により精製し、純粋な生成物(7)を褐色がかった粘着性固体として得た。
収率:1.63g(97%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):7.35(bs,5H);5.25-5.12(m,2H);4.50-4.42(m,1H);4.14(s,2H);4.09(s,2H);3.79-3.30(m,20H);3.02(t,J=7.6Hz,2H);2.46-2.27(m,4H);2.26-2.09(m,1H);2.05-1.92(m,1H);1.88-1.72(m,2H);1.72-1.53(m,2H);1.47(s,9H);1.29(bs,22H)。
【0221】
メタノール中の上記化合物(1.63g、1.67mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.25g、0.23mmol)を水素ブランケット(blanket)下で添加し、反応混合物を2時間にわたり激しく攪拌した。次いで、反応混合物を珪藻土の短いパッドを通して濾過し、メタノールで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、純粋な生成物(8)を白色の固体フォームとして得た。
収率:1.32g(94%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):4.50-4.42(m,1H);4.16-4.10(m,4H);3.71-3.61(m,14H);3.59-3.51(m,2H);3.51-3.45(m,2H);3.40-3.32(m,2H);3.02(t,J=7.6Hz,2H);2.45-2.28(m,4H);2.27-2.12(m,1H);2.05-1.93(m,1H);1.89-1.74(m,2H);1.70-1.58(m,2H);1.47(s,9H);1.30(bs,22H)。
【0222】
上記化合物(1.32g、1.57mmol)を、トリフルオロ酢酸(90mL)および水(10mL)の混合物中に溶解した。90分後、減圧下で揮発分を除去し、残渣をトルエン(3×50mL)を用いて蒸発させた。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中に溶解し、0℃に冷却した。ブロモ酢酸無水物(678mg、2.61mmol)および重炭酸ナトリウム(2.02g、24.0mmol)を撹拌しながら添加し、反応混合物を周囲温度まで温めた。60分後に追加のブロモ酢酸無水物(200mg、0.77mmol)を添加し、反応を完了した。30分後、溶媒を減圧下で除去し、ジクロロメタン、酢酸エチル、および水と不混和性の褐色がかった液体を得た。残渣を分液漏斗に定置し、酢酸エチル(50mL)および水(50)中に溶解させることを試みた。これにより、3つの相が生成した。酢酸エチル相および水相を除去し、第3の相を分取HPLC(Column:labio DeltaPak C18、15mm、50×500mm、アセトニトリル/水25:75~50:50+0.05%TFA)により精製した。得られた溶液を凍結乾燥して、表題生成物(9)を白色固体として得た。
収率:210mg(15%)。
1H NMRスペクトル(300MHz,AcOD-d4,dH):4.64-4.56(m,1H);4.12(s,2H);4.10(s,2H);3.95(s,2H);3.77-3.59(m,12H);3.59-3.37(m,8H);3.02(t,J=7.6Hz,2H);2.44(t,J=7.8Hz,2H);2.34(t,J=8.0Hz,2H);2.28-2.18(m,1H);2.15-2.04(m,1H);1.86-1.70(m,2H);1.70-1.56(m,2H),1.29(bs,22H)。
LC-MS純度:100%。
LC-MS Rt(Kinetex C18、4.6mm×50mm、アセトニトリル/水20:80~100:0+0.1%FA):3.35分。
LC-MS m/z:908.8(M+H)
【0223】
実施例11:プロトラクターを有するMIC-1化合物の調製
実施例11.1:化合物01
SerA-32、GluA-31、ProA-30、S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1,des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化77】
(式01)
30mgのプロトラクター(実施例10.4、8当量)を1.5mLの飽和NaHCO中に溶解し、PBS緩衝液(pH7.4、2.1mg/mL)中の108mgのN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)に添加した。19mgのビス(p-スルホナトフェニル)フェニルホスフィン、カリウム塩二水和物、Sigma-Aldrich 698539(8当量)を添加した。室温で24時間静置後、タンパク質を10~50%エタノール/リン酸緩衝液pH3.0の勾配を使用してC4逆相カラム上で精製した。
精製後の収率約20%。
理論的質量:32006.3;実測値:32006.5。
【0224】
実施例11.2:化合物02
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化78】
(式02)
N延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号291)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物02を調製した。
理論的質量:31974.3;実測値:31974.0
【0225】
実施例11.3:化合物03
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化79】
(式03)
実施例10.2に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号291)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物03を調製した。
理論的質量31918.2;実測値:31918.0.
【0226】
実施例11.4:化合物04
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化80】
(式04)
実施例10.3に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号291)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物04を調製した。
理論的質量:31862.1;実測値:31862.0。
【0227】
実施例11.5:化合物05
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化81】
(式05)
実施例10.4に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号289)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物05を調製した。
理論的質量:31962.2;実測値:31962.0.
【0228】
実施例11.6:化合物06
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化82】
(式06)
実施例10.4に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号303)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物06を調製した。
理論的質量:31902.1;実測値:31902.0
【0229】
実施例11.7:化合物07
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化83】
(式07)
実施例10.4に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号292)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物07を調製した。
理論的質量:31874.1;実測値:31873.0.
【0230】
実施例11.8 化合物08
SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化84】
(式08)
実施例10.4に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号293)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物08を調製した
理論的質量:31902.1;実測値:31901.0
【0231】
実施例11.9および実施例11.10:化合物09および化合物10
化合物09:
N{B-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
化合物10:
N{A-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル,N{B-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化85】
(式09)
【化86】
(式10)
2mLの40%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに溶解した20mgのプロトラクター(実施例10.1、8当量)を、40mLのPBS緩衝液(pH7.4)中で75mgのN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号164)に添加し、100μLのボランピリジン複合体(8M)を添加した。室温で24時間静置後、20mgのプロトラクターおよび100μLのボラン試薬を再度添加した。
48時間後、モノアルキル化およびジアルキル化タンパク質混合物を、10~50%エタノール/リン酸緩衝液pH3.0勾配を使用してC4逆相カラム上で精製した。精製後、約19%のモノアルキル化タンパク質(化合物09)および6%のジアルキル化タンパク質(化合物10)を得た。
化合物09:理論的質量:31073.0;実測値:31073.5
化合物10:理論的質量:31908.1;実測値:31908.5
【0232】
実施例11.11:化合物11
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,LeuA86,LeuB57,LeuB86],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化87】
(式11)
実施例10.4に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号290)を使用して実施例11.1に記載された手順を使用して、化合物11を調製した。
理論的質量:31934.1;実測値:31938.5。
【0233】
実施例11.12および実施例11.13:化合物12および化合物13
化合物12:
N{A-9}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル,N{B-9}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-GluA-9,GluA-8,AlaA-7,GluA-6,AlaA-5,AspA-4,AspA-3,AspA-2,AspA-1,GluB-9,GluB-8,AlaB-7,GluB-6,AlaB-5,AspB-4,AspB-3,AspB-2,AspB-1[LysA1,GluA2,SerA3,LysB1,GluB2,SerB3]-MIC-1
化合物13:
N{B-9}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-GluA-9,GluA-8,AlaA-7,GluA-6,AlaA-5,AspA-4,AspA-3,AspA-2,AspA-1,GluB-9,GluB-8,AlaB-7,GluB-6,AlaB-5,AspB-4,AspB-3,AspB-2,AspB-1[LysA1,GluA2,SerA3,LysB1,GluB2,SerB3]-MIC-1
【化88】
(式12)
【化89】
(式13)
実施例10.1に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号311)を使用して実施例11.10に記載された手順を使用して、化合物12および13を調製した。
化合物12:理論的質量:28212.3;実測値:28211.9
化合物13:理論的質量:27377.2;実測値:27376.8
【0234】
実施例11.14:化合物14
N{A-9}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(11-カルボキシウンデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル,N{B-9}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(11-カルボキシウンデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-GluA-9,GluA-8,AlaA-7,GluA-6,AlaA-5,AspA-4,AspA-3,AspA-2,AspA-1,GluB-9,GluB-8,AlaB-7,GluB-6,AlaB-5,AspB-4,AspB-3,AspB-2,AspB-1[LysA1,GluA2,SerA3,LysB1,GluB2,SerB3]-MIC-1
【化90】
(式14)
実施例10.5に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号311)を使用して実施例11.10に記載された手順を使用して、化合物14を調製した。
理論的質量:28043.9;実測値:28043.6。
【0235】
実施例11.15および実施例11.16:化合物15および化合物16
化合物15:
N{B-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,ArgA69,LeuA86,ArgA91,ArgA107,LeuB57,ArgB69,LeuB86,ArgB91,ArgB107],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
化合物16:
N{A-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル,N{B-32}-[4-[[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]メチル]フェニル]メチル-SerA-32,GluA-31,ProA-30,AlaA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,AlaB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1[LeuA57,ArgA69,LeuA86,ArgA91,ArgA107,LeuB57,ArgB69,LeuB86,ArgB91,ArgB107],des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化91】
(式15)
【化92】
(式16)
実施例10.1に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号312)を使用して実施例11.10に記載された手順を使用して、化合物15および16を調製した。
化合物15:理論的質量:31241.1;実測値:31242.0。
化合物16:理論的質量:32076.0;実測値:32075.0。
【0236】
実施例11.17:化合物17
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(16-スルホヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化93】
(式17)
4mLの2Mトリス緩衝液を、15mMのクエン酸/450mMの塩化ナトリウム、pH3、2.2mg/mL中の176mgのN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)に添加した。実施例10.6に記載されたプロトラクターを、飽和炭酸水素ナトリウム中に溶解し、20mg/L、8当量とした。次いで、プロトラクターをポリペプチド溶液に添加した。水に溶解した12.4mgのビス(p-スルホナトフェニル)フェニルホスフィン、カリウム塩二水和物、Sigma-Aldrich 698539(0.1mg/mL)を添加し、反応混合物を10秒間穏やかに振盪した。6時間後、10~50%エタノール/リン酸緩衝液pH3.0を使用して、C4逆相カラムを使用したC4カラム上で、化合物を精製した。
理論的質量:32050.3;実測値:32050.0。
【0237】
実施例11.18:化合物18
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[[(5S)-5-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[4-[17-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘプタデカノイルスルファモイル]ブタノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[[(5S)-5-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[4-[17-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘプタデカノイルスルファモイル]ブタノイルアミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化94】
(式18)
実施例10.7に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)を使用して実施例11.17に記載された手順を使用して、化合物18を調製した。
理論的質量:32266.6;実測値:32266.0。
【0238】
実施例11.19:化合物19
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[[(1S)-1-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[[(1S)-1-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化95】
(式19)
実施例10.8に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)を使用して実施例11.17に記載された手順を使用して、化合物19を調製した。
理論的質量:32166.3;実測値:32166.0。
【0239】
実施例11.20:化合物20
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[[(1S)-1-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[[(1S)-1-カルボキシ-5-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]ペンチル]アミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化96】
(式20)
実施例10.9に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)を使用して実施例11.17に記載された手順を使用して、化合物20を調製した。
理論的質量:32222.4;実測値:32222.0。
【0240】
実施例11.21:化合物21
SerA-32,GluA-31,ProA-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysA-29,ThrA-28,SerA-27,GlyA-26,SerA-25,GluA-24,ThrA-23,ProA-22,GlyA-21,ThrA-20,SerA-19,GluA-18,SerA-17,AlaA-16,ThrA-15,ProA-14,GluA-13,SerA-12,GlyA-11,ProA-10,GlyA-9,ThrA-8,SerA-7,ThrA-6,GluA-5,ProA-4,SerA-3,GluA-2,GlyA-1,SerB-32,GluB-31,ProB-30,S{ベータ}-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エチルアミノ]-2-オキソエチル]CysB-29,ThrB-28,SerB-27,GlyB-26,SerB-25,GluB-24,ThrB-23,ProB-22,GlyB-21,ThrB-20,SerB-19,GluB-18,SerB-17,AlaB-16,ThrB-15,ProB-14,GluB-13,SerB-12,GlyB-11,ProB-10,GlyB-9,ThrB-8,SerB-7,ThrB-6,GluB-5,ProB-4,SerB-3,GluB-2,GlyB-1des-AsnA3,AsnB3-MIC-1
【化97】
(式21)
実施例10.10に記載されたプロトラクターおよびN延長部を有するMIC-1ポリペプチド(配列番号288)を使用して実施例11.17に記載された手順を使用して、化合物21を調製した。
理論的質量:32026.3;実測値:32026.0。
化合物01~21の構造を表18に要約する。
【0241】
表18:MIC-1化合物の構造
【表18-1】
【表18-2】
【表18-3】
注:*は、一つのプロトラクターのみが化合物09、化合物13、または化合物15に結合されていること、すなわち、二量体としての化合物09、化合物13、または化合物15が、その二つのN末端延長部のうちの一つに結合された一つのプロトラクターのみを有することを意味する。その他の化合物では、一つのプロトラクターが、二量体の二つのN末端延長部の各々に結合されており、すなわち、二量体化合物あたり二つのプロトラクターがある。
【0242】
実施例12:MIC-1化合物の溶解度
MIC-1化合物の試料をPBS緩衝液(pH7.4)中で調製し、続いて、試料をより濃縮して35mg/ml超とした。
【0243】
PBS中のMIC-1化合物試料を、Vivaspinマニュアルの説明に従ってVivaspin20 10kDa MWCO(Sartorius)上で濃縮した。スイングバケットローター(swinging-bucket rotor)(Thermo Scientific)を装備したHeraus Multifuge X3R遠心分離機を4000rpm(3310×g)で使用して、MIC-1化合物試料を濃縮した。その後、Nanodrop2000(Thermo Scientific)上で280nmでUVを測定することにより、濃度を決定した。表19に測定濃度を示す。
【0244】
表19:MIC-1化合物の溶解度
【表19】
【0245】
様々なプロトラクターを結合することは、MIC-1ポリペプチドにN末端アミノ酸延長部を付加することによって得られる溶解度の改善に影響を与えないことが分かる。
【0246】
実施例13:プロトラクターを有するMIC-1化合物のインビトロ効力および結合活性アッセイ
細胞株
安定細胞株BHK21-hGFRAL-IRES-hRETを、ルシフェラーゼレポーターの前に血清応答因子(SRE)を有するベクターを添加して、Novo Nordiskにおいて生成した(実施例5を参照のこと)。ヒトGFRALおよびヒトRETの配列をUniprot:UniProtKB-Q6UXV0(GFRAL_HUMAN)およびUniProtKB-P07949(RET_HUMAN)にて取得した。この細胞株を、機能性ルシフェラーゼアッセイならびにシンチレーション近接アッセイ(SPA)結合用の膜調製のために使用した。
【0247】
ルシフェラーゼアッセイ:hGFRAL、hRET受容体、およびSRE-ルシフェラーゼレポーター遺伝子が安定してトランスフェクトされたBHK21細胞を異なる濃度のMIC-1化合物によって処理した。ルシフェラーゼ活性を定量することによって受容体の活性化を測定し、化合物の効力をEC50によって計算した。
【0248】
SPA結合:BHK21-hGFRAL-IRES-hRET、SRE-ルシフェラーゼ細胞の細胞膜を、異なる濃度のMIC-1化合物を用いた50pMのI125で標識したMIC-1によって単離処理した。変位(displacement)曲線のIC50により、MIC-1化合物の結合効力を計算した。
【0249】
ルシフェラーゼアッセイ
凍結細胞を含むバイアルを急速に解凍し、この細胞を高グルコースおよびピルビン酸ナトリウムを含むDMEM、熱不活性化10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、1mg/mlのG418-ジェネティシン(Geneticin)、および400μg/mlのハイグロマイシンからなる10mlの事前に温めた完全培地を含む50mlのコーニングチューブに移した。細胞を1200rpmで遠心分離し、上清を捨てた。この洗浄手順を1回反復して、細胞を2回洗浄する。細胞を完全培地中に再懸濁し、1.2×10細胞/mlの濃度とした。96ウェルのポリ-D-リジンで被覆したアッセイプレート中に、ウェルあたり1.2×10細胞(100μl/ウェル)で細胞を播種した。細胞を+34℃で4~6時間ウェルの底面に付着させ、続いて、培地を15mMのHEPESを含むRPMI培地からなる80μlの飢餓培地(starvation medium)に変えた。細胞を、5%COを有する加湿環境中で、+34℃にて一晩放置してインキュベートした。試験化合物を、5%のヒト血清アルブミン(HSA)を含むまたは含まない、RPMI、15mMのHEPES、および0.5%のオボアルブミンからなるアッセイ培地中で段階希釈した。試験化合物を含有する20μlのアッセイ緩衝液を各ウェルに添加し、0.1%のオボアルブミン、1%のHSA、および30000pM~3pMの範囲の試験化合物の最終濃度(ブランクを含む)を得た。プレートを、5%のCOを有する加湿環境中で、+37℃にて4時間インキュベートした。インキュベーション後、100μlのルシフェラーゼ基質溶液を各ウェルに添加し、密封した。プレートを15分間インキュベートし、続いて発光を読み取った。発光の強度測定値を、シグモイド用量応答曲線の非線形回帰分析によるEC50値の計算に使用した。
【0250】
SPA結合
BHK21-hGFRAL-IRES-hRET細胞を、5%のCOを有する加湿雰囲気中で、+37℃にて、高グルコースおよびピルビン酸ナトリウムを含むDMEM、熱不活性化した10%のウシ胎児血清、1%のペニシリン-ストレプトマイシン、1mg/mlのG418-ジェネティシン、および400ug/mlハイグロマイシンからなる完全培地中で培養した。細胞を、氷冷したダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)中で2回洗浄し、スクレイピング(scraping)によって機械的に分離し、氷冷したDPBS中で円錐状の遠心分離用チューブの中へと移し、+20℃にて均質化1500rpmで5分間遠心分離した。細胞ペレットを、10mlの合計量の氷冷した均質化緩衝液A(50mMトリス、2.5mMのEDTA、1個のEDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤/50mlでpH7.4に調整)に再懸濁し、20秒間均質化した。ホモジネートを+4℃にて16000rpmで20分間遠心分離した。上清を捨て、ペレットを10mlの均質化緩衝液B(50mMトリス、320mMのスクロース、1個のEDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤/50mlでpH7.4に調整)中で再構成し、20秒間均質化し、+4℃にて16000rpmで20分間遠心分離した。この手順をもう一回反復した。上清を捨て、ペレットを3mlの均質化緩衝液B中で再構成し、低速で10秒間均質化した。タンパク質濃度を標準的なBradford法によって決定し、1.5mgタンパク質/チューブをでクライオチューブ(cryotube)中に等分し、-80℃で貯蔵した。結合アッセイを、白色の96ウェルプレート中で、1ウェルあたり200μlの総体積で実施した。小麦胚細胞凝集素SPAビーズをアッセイ緩衝液(50mMのトリス/HCl、4.5mMのMgCl、0.02%のTween20、および0.25%のオボアルブミン、pH7.4)中で再構成し、膜調製物と混合して、1ウェルあたり0.5mgのSPAビーズおよび10μgの合計タンパク質の最終濃度を得た。1ウェルあたり1分あたり50000カウントの放射性リガンドヒト[125I]-MIC-1(Novo Nordiskにおいて生成された)を50pMの濃度に対応して添加した。試験されるMIC-1化合物をアッセイ緩衝液中で段階希釈し、1μM~1pMの範囲の最終アッセイ濃度を得た。プレートを密封し、350rpmで設定したプレート振盪機内で+22℃にて2時間インキュベートし、その後、1500rpmで10分間遠心分離した後、SPAビーズ発光を読み取った。放射性リガンドの変位をSPAビーズからの発光の減少として測定し、シグモイド用量-応答曲線の非線形回帰分析によってIC50値を計算した(表20)。
【0251】
表20:MIC-1化合物の効力および結合活性
【表20】
【0252】
表20から分かるように、脂肪酸を有するMIC-1化合物は、脂肪酸を有しないMIC-1ポリペプチドと比較して、類似のインビトロ効力を有する。しかしながら、Cys変異S(-3)CなどのCys変異がMIC-1ポリペプチドのN末端に近い場合、インビトロ効力はより低くなることになる。
【0253】
脂肪酸を有するMIC-1化合物が脂肪酸を有しないMIC-1ポリペプチドと類似の効力を有することを見出したことは、驚くべきことである。一般に、長期化のために薬学的生物学的化合物に脂肪酸を付加することによって効力が減少し、この減少は一般に、アルブミンの存在下で効力を測定することによってさらに増強される。したがって、脂肪酸プロトラクターを有するMIC-1化合物の効力が減少しないことを見出したことは予想外である。
【0254】
実施例14:痩せたSprague Dawleyラットにおける食物摂取量および体重に対するMIC-1化合物の効果
本発明のMIC-1化合物のインビボでの有効性を、9~11週齢の痩せた雄のSprague Dawleyラットで測定した。暗期間開始の1~2時間前に毎日、8nmol/kg体重の用量を動物に注射した。適切な緩衝溶液中の化合物を皮下(1~4ml/kg)投与した。自動食物モニタリングシステム(ラット用のBioDAQシステムおよびHM2システム)を使用して、食物摂取量の変化を7日間測定した。BioDAQシステムでは、動物は1匹で収容され、HM2システムでは、動物は1ケージあたり最大3匹の動物の群で収容された。8日目に、化合物の投与の2~3時間後に尾部血液試料を採取し、この試料を使用して投与化合物の血漿濃度を測定した。各化合物を、n=4~8匹の動物で試験した。動物を実験前に少なくとも7日間順化させた。収集した食物摂取量データは、各日の12時間の暗期間の開始から翌日の暗期間まで測定した1日の食物摂取量(24時間の食物摂取量)として表される。投与化合物に応答した食物摂取量の日ごとの変化は、処理群の1日の平均食物摂取量からビヒクル群の1日の平均食物摂取量を減算することによって算出した。スチューデントの両側t検定を使用して、p<0.1である場合に変化を有意とみなした。結果は、研究期間中に記録されたビヒクルと比較した(緩衝溶液、パーセント)食物摂取量の「最大減少」として表される。データは、研究期間中の食物摂取量の有意な(p<0.1)日ごとの減少の合計としての食物摂取量の「減少の累計」(パーセント)としても表される。較正された秤を使用して、動物の体重を試験終了日に測定した。体重における処理の効果を、研究終了時のビヒクル処理動物と比較した化合物処理動物の体重のパーセント差として計算した(表21)。
【0255】
表21:SDラットにおける食物摂取量および体重減少
【表21-1】
【表21-2】
【0256】
表21の実験データから、プロトラクターを有するまたは有しないMIC-1化合物が、野生型MIC-1ポリペプチドと比較したときに、ラットにおいて同等のまたはより良好なインビボでの有効性を有することが示されている。データは、これらのプロトラクターがMIC-1化合物のインビボでの有効性に悪影響を及ぼさないことも示している。
【0257】
実施例15:ブタにおける薬力学(PD)研究
本実験の目的は、ブタにおける食物摂取量および体重に対するMIC-1化合物の効果を研究することであった。これは、ビヒクル処理対照群と比較して、MIC-1化合物の単回投与の1~21日後に食物摂取量を測定する、以下に記載する薬力学(PD)研究において行われた。
【0258】
およそ3ヵ月の月齢で、かつおよそ30~35kgの体重の雌ランドレース・ヨークシャー・デュロック(LYD)ブタ(n=4~6匹/群)を使用した。動物施設への順化の間、およそ1週間の間、動物を群で収容した。順化期間の最終部の間(投与前の2週間)、そして個別の食物摂取量の測定のために全実験の間、個別の小屋の中に動物を置いた。投与前の最後の3日間で測定された食物摂取量は、ベースラインとして機能した。
【0259】
動物には、順化期間中および実験期間中の両方でいつでもブタ用飼料(Svinefoder Danish Top SI 611+3’、Danish Agro)が自由に供給された。HMviewシステム(Ellegaard Systems、デンマーク、Faaborg)を使用して連続的に飼料の重量のログを取ることによって、食物摂取量をオンラインでモニタリングした。任意の顕著なこぼれを収集し、かつ計量して、自動的に測定された食物摂取量をこの量について修正した。
【0260】
研究中、体重を1週間に1回または2回測定した。MIC-1化合物を、1nmol/kgまたは9nmol/kgの用量に対応するおよそ25nmol/mlまたは100nmol/mlの濃度で適切な緩衝液中に溶解した。緩衝溶液はビヒクルとしても機能した。
【0261】
動物は、1日目の朝にMIC-1化合物またはビヒクルの単回皮下投与で投与され、投与後21日の間、食物摂取量が測定された。研究終了時、過剰用量のユサゾール(Euthasol)を耳静脈カテーテルを通して静脈内投与することにより、動物を安楽死させた。
【0262】
24時間間隔(0~24時間、24~48時間、48~72時間、72~96時間、最長20~21日間)で食物摂取量を計算した。表22に、得られた平均食物摂取量を、同じ間隔におけるビヒクル群の平均食物摂取量に対するパーセントで示す。
【0263】
表22:ブタにおける食物摂取量に対する効果
【表22】
【0264】
データは、ブタにおける試験化合物の単回皮下注射により、注射後21日までおよび21日超でさえも食物摂取量の減少(9nmol/kgの用量の化合物01について)を生じたことを示している。
【0265】
研究中に体重を測定し、MIC-1化合物で処理した群ではブタの体重増加は少なかった(表23、図6)。
【0266】
表23:ビヒクル群に対する体重増加の変化
【表23】
【0267】
実施例16:痩せたSDラットにおける薬物動態研究
本研究の目的は、痩せたSprague Dawleyラットに静脈内および皮下投与した後のMIC-1化合物のインビボでの終末相半減期(T1/2)、平均滞留時間(MRT)、最大血漿レベルに対する時間(Tmax)、およびバイオアベイラビリティ(F)時間を決定することである。これは薬物動態(PK)研究において行われ、問題のMIC-1化合物のPKパラメータが決定された。T1/2は、一般に、静脈内投与での初期分布相(initial distribution phase)の後に測定される、ある特定の血漿濃度を半減するのにかかる時間期間を意味する。MRTは、一般に、問題の化合物が体内に滞留する平均時間の長さを意味する。Tmaxは、一般に、問題の化合物の皮下投与後の、問題の化合物が血漿中で最高濃度に達したときの時点を意味する。Fは、一般に、血漿中に存在する皮下投与化合物の割合を意味する。前述のPKパラメータは、化合物を尾静脈または頸部皮下組織のいずれかの中へと注射し、続いて曝露分析のために様々な時点で血漿試料の採取を行うことにより、300g~500gの痩せたSDラットにおいて測定された。化合物(4~5nmol/kg体重)を適切な緩衝溶液中で静脈内投与した(1ml/kg)。静脈内群の群の大きさは典型的には4であり、皮下群の群の大きさは典型的には5であった。ラットは全実験の間は目覚めており、食物および水を摂ることができた。
【0268】
12時間未満のT1/2を有する化合物では、典型的には、投与後5分、15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、14時間、22時間、30時間、48時間、または投与後0分、15分、30分、60分、90分、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、24時間、30時間、48時間において舌から血液試料を採取した。24時間超のT1/2を有する化合物では、典型的には、投与後5分、15分、30分、60分、120分、360分、720分、24時間、30時間、48時間、54時間、72時間、96時間、168時間、216時間、264時間、336時間において舌から血液試料を採取し、200μlの血液をEDTAチューブの中へと採取し、最大20分間氷上で保存した。血液試料を4℃で10000Gで5分間遠心分離することにより、血漿試料を生成した。その後、試料をドライアイス上のMicronicチューブの中へとピペットで入れ、LOCIまたはELISAなどの類似の抗体ベースアッセイを使用してそれぞれのMIC-1化合物の血漿濃度について分析するまで-20℃で保持した。個々の血漿濃度-時間プロファイルをPhoenix v.6.4ソフトウェア(Pharsight Inc.、米国カリフォルニア州マウンテンビュー)での非コンパートメントモデルによって分析し、生じたT1/2、MRT、Tmax、およびFを決定した(表24)。
【0269】
表24:N末端延長部を有するMIC-1化合物/ポリペプチドの薬物動態プロファイル
【表24-1】
【表24-2】
【0270】
プロトラクターを有するMIC-1化合物は、長期化されていない(non-protracted)N延長部を有するMIC-1ポリペプチドと比較して、ずっとより長いT1/2、MRT、およびTmaxを有することが分かる。同等の脂肪酸プロトラクターを有する薬学的生物学的化合物の長期化は、一般にラットにおいて12時間を超えることが稀である終末相半減期をもたらす。48時間超の終末相半減期を見出したことは予想外であり、また驚くべきことである。
【0271】
実施例17:ミニブタにおける薬物動態研究
本研究の目的は、ミニブタへの静脈内投与後のMIC-1化合物のインビボでの長期化、すなわち体内での該化合物の時間の長期化、およびそれによる該化合物の作用時間の延長を決定することであった。これは薬物動態(PK)研究において行われ、問題の化合物の終末相半減期が決定された。終末相半減期は、終末消失相においてある特定の血漿濃度を半減するのにかかる時間を意味する。
【0272】
雌のGottingenミニブタをEllegaard Gottingen Minipigs(デンマーク、Dalmose)から取得し、月齢およそ8ヵ月でかつ体重がおよそ23~25kgのものを研究で使用した。ミニブタ(永久的(permanent)カテーテルを有するブタ)は小屋の中で個別に収容され、寝床として藁を有し、アルトロミン(Altromin)9030ミニブタ餌(Altromin Spezialfutter GmbH & Co. KG)を1日1回、制限的に給餌した。
【0273】
3週間の順化後、二つの永久的中心静脈カテーテルを、各動物の大静脈尾部に移植した。動物を手術後1週間回復させ、次いで、連続的な投与の間に好適なウオッシュ・アウト期間を伴う反復薬物動態研究に使用した。
【0274】
化合物の静脈注射(0.17ml/kgに対応する体積)を一つのカテーテルを通して与え、投与の12日後までの所定の時点で血液試料を採取した(好ましくは他のカテーテルから)。
【0275】
血液試料(例えば、0.8ml)をEDTA(8mM)被覆チューブ内に採取し、次いで4℃および1942gで10分間遠心分離した。血液試料を所定の時点で採取した。例として、t=投与前、投与後0.0833時間、0.25時間、0.5時間、0.75時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、30時間、48時間、72時間、96時間、120時間、168時間、192時間、216時間、240時間、264時間、および288時間に血液試料を採取した。
【0276】
血漿をドライアイス上のMicronicチューブの中へとピペットで入れ、LOCIを使用してMIC-1化合物の血漿濃度について分析するまで-20℃に保持した。個別の血漿濃度-時間プロファイルをPhoenix v.6.4(Pharsight Inc.、米国カリフォルニア州マウンテンビュー)での非コンパートメント薬物動態法によって分析し、得られた終末相半減期(調和平均)を決定した。
【0277】
結果
以下の結果が得られた(表25)。
【0278】
表25:静脈内投与後のGottingenミニブタにおけるインビボ研究
【表25】
終末相半減期(t1/2)は調和平均である、n=3
【0279】
同等の脂肪酸プロトラクターを有する薬学的生物学的化合物の長期化は、一般にミニブタにおいて100時間を超えることが稀である終末相半減期をもたらす。300時間超の終末相半減期を見出したことは予想外であり、また驚くべきことである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【配列表】
0007015322000001.app