(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】脳の睡眠パターンを管理する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20220126BHJP
A61B 5/24 20210101ALI20220126BHJP
A61M 21/02 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/24
A61M21/02 G
(21)【出願番号】P 2019563663
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 CN2018112513
(87)【国際公開番号】W WO2019080944
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2019-08-06
(32)【優先日】2017-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519286739
【氏名又は名称】リ シャオピン
(73)【特許権者】
【識別番号】519286740
【氏名又は名称】シア チエン
(73)【特許権者】
【識別番号】519286751
【氏名又は名称】リ ジェシカ
(73)【特許権者】
【識別番号】519286773
【氏名又は名称】リ ジョアンナ ル シ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】リ シャオピン
(72)【発明者】
【氏名】シア チエン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】リ ジョアンナ ル シ
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504376(JP,A)
【文献】特開2002-058744(JP,A)
【文献】特表2016-539747(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0262373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
A61M 21/02
A61B 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠パターン管理装置によって脳の睡眠パターンを管理する方法において、
脳内の睡眠ホルモンの放出水準を測定することにより、前記睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び睡眠段階を確定することを含み、
脳内の睡眠ホルモンの放出水準を測定することは、
運動皮質から発射された空きパルスの体の少なくとも一部への下りに対する網状構造からの減衰/ブロック水準を測定することを含み、
そのうち、覚醒パターンにおいて、前記減衰/ブロック水準はゼロに近く、
前記睡眠段階は、睡眠開始段階、NREM睡眠段階、および、REM睡眠段階のうちの1つを含み、
前記睡眠深度を測定することにより、前記睡眠段階を測定し、
前記減衰/ブロック水準を測定することは、前記脳の網状構造から前記体の少なくとも一部へ下った前記運動皮質から発射された空きパルスを測定することを含み、
前記運動皮質から発射された空きパルスを測定することは、前記体の少なくとも一部に測定された少なくとも1つの電位差の変化幅を測定することを含む、方法。
【請求項2】
前記脳の網状構造は、前記脳の網状構造の網状脊髄束である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記体の少なくとも一部は前記体の左腕である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
脳が覚醒パターンから睡眠パターンへ移行する前に前記体の一部に測定された前記電位差の前記変化幅の基準線測定値を用いて、前記睡眠深度を定義
し、前記睡眠深度は、前記睡眠深度=測定された幅/前記基準線測定値で示される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記睡眠深度の値の面では、
前記睡眠開始段階、前記NREM睡眠段階、前記REM睡眠段階は、
前記睡眠開始段階>前記NREM睡眠段階>前記REM睡眠段階という大きさの順序があり、
そのうち、
前記睡眠深度の値が小さければ小さいほど、当該睡眠パターンにおける脳の睡眠が深くなり、前記REM睡眠段階は、最も深い睡眠に対応する、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記睡眠深度の変化傾向を確定し、確定された前記睡眠深度の変化傾向に基づいて睡眠調整装置を制御することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
脳の睡眠パターンを管理する装置であって、
脳内の睡眠ホルモンの放出水準を測定するように配置された信号収集手段と、
前記睡眠ホルモンの放出水準に基づき、前記睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び睡眠段階を確定するとともに、前記睡眠深度の変化傾向をさらに確定するように配置された信号処理手段と、
前記睡眠深度、前記睡眠段階、前記睡眠深度の変化傾向の結果を受信して記録するとともに、前記結果を外部データベースに送信するように配置されたデータ記憶手段と、
前記信号処理手段から前記結果を受信するとともに、協働する睡眠調整装置を制御するように配置された制御手段と、
前記データ記憶手段と前記制御手段から、データ及び制御命令を、外部データベースと協働する睡眠調整装置とに送信するように配置された送信手段と、を備えた装置において、
前記信号収集手段は、運動皮質から発射された空きパルスの体の少なくとも一部への下りに対する網状構造からの減衰/ブロック水準を測定することにより、前記睡眠ホルモンの放出水準を測定するように配置され、
そのうち、覚醒パターンにおいて、前記減衰/ブロック水準はゼロに近く、
前記睡眠段階は、睡眠開始段階、NREM睡眠段階、および、REM睡眠段階のうちの1つを含み、
前記睡眠深度を測定することにより、前記睡眠段階を測定し、
前記信号収集手段は、前記脳の網状構造から前記体の少なくとも一部へ下った前記運動皮質から発射された空きパルスを測定することにより、前記減衰/ブロック水準を測定するように配置され、
前記信号収集手段は、前記体の前記少なくとも一部に測定された少なくとも1つの電位差の変化幅を測定するように配置された電位感知回路を備え、
前記信号収集手段は、測定された変化幅に基づき、前記運動皮質から発射された空きパルスを測定するように配置された、装置。
【請求項8】
前記電位感知回路は、前記体の前記少なくとも一部の筋肉の皮膚に装着された電極を有する、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記信号処理手段は、脳が覚醒パターンから睡眠パターンへ移行する前に、前記体の一部に測定された前記電位差の前記変化幅の基準線測定値を用いて前記睡眠深度を定義するように配置され、
前記睡眠深度は、前記睡眠深度=測定された幅/前記基準線測定値で示されている、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記信号処理手段は、前記睡眠深度の変化傾向をさらに確定するように配置され、
また、前記装置は、確定された前記睡眠深度の変化傾向に基づいて、前記送信手段を介して、対をなして協働する前記睡眠調整装置を制御するように配置された制御手段をさらに備えた、請求項
7に記載の装置。
【請求項11】
前記データ記憶手段は、前記信号処理手段によって処理された前記睡眠深度、前記睡眠段階、および、前記睡眠深度の変化傾向の結果を受信して記録するとともに、送信手段によって前記結果を外部データベースに送信するように配置された、請求項
7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
脳の睡眠パターン管理システムについて、本願は、全体的にみると、運動皮質から発射された脳から体の一部へ下った空きパルスを感知することにより、脳の睡眠パターンでの睡眠深度及び全ての睡眠段階を感知する方法及び装置に関する。
関連出願
本願は、35 USC§119(e)に従い、2017年10月29日に提出されたアメリカ仮特許出願No.62/578,463の優先権を主張しており、その内容を全体引用して本文に合併したものである。
【背景技術】
【0002】
脳は、脳の種々の機能を提供する複数の機能部位からなり、そのうち、運動皮質機能部位が神経系を介して体の部分に対してニューロン電気的パルスを発射することで体の各部分の動きを駆動させる。運動皮質は複数の機能的クラスターに分けられる。各クラスターは、体内における特定の筋肉の動きを駆動させ、かつ、神経系を介して、脳から体の部分の筋肉への動き開始信号を有するか有しないかの電気的パルスを絶えずに発射し、そのうち、動き開始信号を有しないパルスは、体部位姿勢のための筋肉緊張度を引き起こす「空きパルス」であり、また、動き開始信号を有するパルスは、体の部分を動かせる筋肉の収縮を引き起こすものである。増幅回路を有する電極を用いることにより、脳の覚醒時に体の任意の部分の神経、筋肉、または、皮膚から空きパルスを検出することができる。例えば、脳の覚醒時に、信号増幅システムを有する電極を左腕の皮膚に置くことによれば、体の当該部分が何らかの動きもしていない場合に、皮膚に接触した電極との間の電位差が時間に伴って変化することを検出することができる。検出した電位差の変化は、運動皮質の右上部のクラスターから左腕へ空きパルスを発射した結果である。
【0003】
脳には、覚醒パターンと睡眠パターンという2つの作動パターンがある。覚醒パターンにおいて、運動皮質のすべての機能的クラスターから発射された空きパルスは、神経系を介して全身のすべての体の部分に絶えずに到達し、かつ、体の任意の部分の神経または皮膚から空きパルスを検出することができる。睡眠パターンにおいて、脳から、ニューロンの動きを抑制する睡眠ホルモンが放出される。睡眠ホルモンの放出による影響下で、脳の網状構造の領域において、特に下り網状構造の網状脊髄束では、運動皮質から発射された空きパルスは、体の部分への下りが阻害される。
【0004】
脳は、最初の覚醒パターンから初期睡眠パターンである所謂睡眠開始段階へ移行したときに、睡眠ホルモンが網状構造において僅かに放出されて、運動皮質から発射された空きパルスの下りが僅かに阻害されるようになる。それは、体の部分に測定された電位差の変化幅の減少として検出されることができる。
【0005】
脳は、さらに、そのNRAM(非急速眼球運動)睡眠段階に移行したときに、睡眠ホルモンが網状構造においてさらに放出されて、運動皮質から発射された空きパルスの下りがさらに阻害されるようになる。それは、体の部分に測定された電位差の変化幅の更なる減少として検出されることができる。
【0006】
脳は、そのNRAM(非急速眼球運動)睡眠段階に移行している間に、睡眠状態にあり、かつ、睡眠麻痺が生じる可能性があり、睡眠ホルモンが網状構造において大量に放出されて、運動皮質から発射された空きパルスの下りが完全に阻害されるようになる。それは、体の部分に測定された電位差の変化幅の消失(波形ではなく、直線となったもの)として検出されることができる。
【0007】
体の部分の神経、筋肉、または、皮膚に測定された電位差の変化幅の減少を測定することにより、運動皮質から発射された空きパルスの網状構造から全ての体の部分への下降水準を測定することができ、そうすると、全ての段階における関連した脳の睡眠パターンを感知することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明では、睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び全ての睡眠段階は、睡眠ホルモンの放出による影響下での運動皮質から発射された空きパルスの体のすべての部分への下りに対する網状構造、特に、下り網状構造の網状脊髄束による減衰/ブロック水準を感知することによって感知される。
【0009】
本発明では、睡眠ホルモンの放出による影響下での運動皮質から発射された空きパルスの体のすべての部分への下りに対する網状構造、特に、下り網状構造の網状脊髄束による減衰/ブロック水準を感知することによって、睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び全ての睡眠段階を測定する一方法は、脳の網状構造から体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを測定することである。
【0010】
本発明では、脳の網状構造から体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを測定することにより、睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び全ての睡眠段階を測定する一方法は、体の一部に測定された電位差の変化幅を測定することである。
【0011】
本発明では、例えば、脳の網状構造から体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを測定することにより、睡眠パターンにおける脳の睡眠深度及び全ての睡眠段階を測定する一方法は、体の左腕に測定された電位差の変化幅を測定することである。
【0012】
特に、睡眠開始段階、NREM睡眠段階、および、REM睡眠段階という3つの段階における脳の睡眠パターンを管理する方法を提供している。即ち、睡眠ホルモンの放出による影響下での運動皮質から発射された空きパルスの体のすべての部分への下りに対する網状構造、特に、下り網状構造の網状脊髄束による減衰/ブロック水準に関する睡眠深度を感知し、そのうち、睡眠深度は、脳の覚醒パターンから睡眠パターンへ移行する前(即ち、運動皮質から発射された空きパルスの体のすべての部分への下りに対する網状構造、特に、下り網状構造の網状脊髄束による減衰/ブロック水準はゼロに近い場合)に体の左腕に測定された電位差の変化幅の基準線測定値を用いて定義されており、睡眠深度及び全ての睡眠段階には、以下の割合で定義や感知される。
即ち、睡眠深度=測定された幅/基準線値
ただし、睡眠深度が小さければ小さくなるほど、睡眠が深くなり、かつ、睡眠深度の値の面では、睡眠パターンの三段階は、
REM<NREM<睡眠開始という順序があり、
即ち、REM睡眠が最も深い睡眠である。
【0013】
本発明の他面では、脳の網状構造から体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを感知することで脳の睡眠パターンを管理する装置であって、1)体の部分における筋肉の皮膚に装着された電極を有し、皮膚における2つの位置間の電位差を測定するための信号収集手段と、2)全ての段階において感知された睡眠深度及び脳の睡眠パターンを計算する信号処理手段と、3)処理された結果を記憶するデータ記憶手段と、4)当該装置に協働する睡眠調整装置へのオン・オフを決定して行動を行う制御手段と、5)データ及び制御命令を外部装置に送信する送信手段と、を備えた装置を提供する。当該装置では、筋肉の皮膚に装着された電極(皮膚からの電位信号を受信するためのもの)により、体の部分の筋肉における神経の運動皮質から発射された空き電位を感知し、その信号処理手段により、電極からの空き電位信号を収集し、睡眠時間の間隔内における空き電位の平均振幅を現在の睡眠深度として計算するとともに、当該値をその記憶手段に記録し、かつ、変化の傾きに基づいて睡眠深度の変化傾向を計算し、そのうち、正の傾きと負の傾きがそれぞれ、深度睡眠に入ること、および、非深度睡眠に入ることを示すものであり、そして、計算された睡眠深度の変化の傾きに基づいて睡眠への干渉をさらに決定することにより、より深い睡眠を取得したり、睡眠深度を保持したり、または、睡眠から脳を覚醒させたりして、また、協働する装置を制御するための命令をさらに送信することで、睡眠者に対して、より深い睡眠を持たせたり、睡眠深度を維持させたり、覚醒させたりする。
【0014】
例えば、腕バンドには、複数の電極を有する信号取得手段、信号処理手段、データ記憶手段、制御手段、及び、無線送信手段が含まれ、そのうち、電極が左腕バンドの皮膚に装着されて、脳内の運動皮質の右上部から発射された空きパルスを受信し、受信した空きパルス信号が信号処理手段にて処理されて、睡眠継続時間帯に亘る睡眠深度及び睡眠深度の変化の傾きのために用いられ、そのうち、睡眠期間における特定の時刻iでの睡眠者の睡眠深度がSD(i)であり、以下のようなステップで計算される。
そのうち、
は時刻iでのサンプリングされた電位差の平均値であり、
また、
は基準線電位差であって、脳が依然としてその覚醒パターンにある状態での睡眠開始時のサンプリングされた電位差の平均値である。
睡眠期間における特定の時刻iでの睡眠深度の変化傾向(傾き)η
iは以下のようなステップで計算される。
そのうち、SD(i-1)とSD(i)は、それぞれ、Ti時刻前に測定された睡眠深度値とTi時刻に測定された睡眠深度値であり、T(i-1)とT(i)は、それぞれ、Ti時刻前の時間及びTi時刻の時間である。
【0015】
本発明では、睡眠深度、睡眠段階及び睡眠深度の変化傾向に対する処理結果は、データ記憶手段に記憶されて外部データベースにアップロードされる。また、覚醒傾向への睡眠干渉について、ηiが負のものとなったときに、制御手段はトリガされて、協働する睡眠調整装置をオンにしてウェイクアップさせ、そして、ηiが正のものとなって一定の時間にわたって継続すると、それをオフにする。深度睡眠傾向の睡眠感知について、ηiが正のものからゼロになり、かつ、ゼロになってから一定の時間にわたって継続すると、制御手段はトリガされて、協働する睡眠調整装置をオフにして深度睡眠にさせる。また、ηiがゼロから負のものになったときに、制御手段はトリガされて、協働する睡眠調整装置をオンにして深度睡眠にさせる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本文では、添付図面を参照しながら、例示の方式のみにより、本発明のいくつかの実施の形態が記述されている。ここに、参照図面を詳しく検討する。強調すべきなのは、開示の詳細が例示であって本発明に係る実施の形態を説明的に検討するためのものである。その面では、添付図面による記述は、当業者に対して本発明に係る実施の形態をどのように実施するかを明瞭にさせる。
【0017】
添付図面において、
【0018】
図1は、網状構造を通過してから体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを感知することにより、脳の睡眠パターンを管理する方法を示す概略図であり、そのうち、電極が備えられた装置は左腕に装着されて、網状構造から左腕の右上部へ下ったことにより運動皮質から発射された空きパルスで発生した電位差の変化を測定する。
【0019】
図2は、網状構造を通過してから体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを感知することにより、脳の睡眠パターンを管理する装置を示す概略図であり、当該装置が電位信号取得手段、信号処理手段、データ記憶手段、制御手段、および、送信手段を備えた。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下は、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施の形態を記述する。
【0021】
一実施の形態では、
図1に示すように、脳1における睡眠深度と脳の睡眠パターンのすべての睡眠段階を感知する方法は、以下の通りである。睡眠パターン管理装置10を用いて、網状構造4を通過してから左腕12へ下った運動皮質2の右上部のクワスター3から発射された空きパルス11を感知することにより、脳1内の睡眠ホルモンの放出による影響下での運動皮質2の右上部のクワスター3から発射された空きパルス11の下りに対する脳1内の網状構造4による減衰/ブロック水準を感知し、睡眠パターン管理装置10は、左腕12に装着された電極8、9を備え、運動皮質2の右上部のクワスター3から発射された空きパルス11で発生した電位信号を収集し、その信号処理手段16により、収集されたデータを処理するとともに、処理の結果をデータ記憶手段14と制御手段15に送信し、制御手段15は、送信手段7によって、その結果を外部装置へ送信するためのものであり、外部装置は、受信手段6によって、制御手段15から命令を受信する協働する睡眠調整装置5を備えた。
【0022】
他の一実施の形態では、
図2に示すように、網状構造を通過してから体の部分へ下った運動皮質から発射された空きパルスを感知することにより脳の睡眠パターンを管理する装置の機能的モジュールでは、電位信号取得手段17、信号処理手段16、データ記憶手段14、制御手段15、および、送信手段17を備えた。信号取得手段17は、体の部分の皮膚に装着された電極8、9を備え、網状構造を介して下った運動皮質から発射された空きパルスで発生した電位信号を収集して電位差を確定するとともに、その結果を信号処理手段16に送信する。信号処理手段16は、時間に伴って変化する電位差を処理して睡眠深度の結果、睡眠深度の傾き(睡眠深度の変化傾向)に用いるとともに、その結果をデータ記憶手段14と制御手段15に送信し、制御手段15は、送信手段7によって外部データベースに送信するとともに、協働する睡眠調整装置を制御するためのものである。