(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】ホームオートメーションのためのユーザ定義シーン
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20220126BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2020030073
(22)【出願日】2020-02-26
(62)【分割の表示】P 2017533163の分割
【原出願日】2015-09-08
【審査請求日】2020-02-26
(32)【優先日】2014-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520268997
【氏名又は名称】サバント システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Savant Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】チポッロ,ニコラス,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハム,アンドリュー,アール
(72)【発明者】
【氏名】キットソン,ライアン,イー
(72)【発明者】
【氏名】トラップ,ネイサン,エイ
(72)【発明者】
【氏名】パルスフォード,キャメロン,ビー
(72)【発明者】
【氏名】ロカッシオ,ティモシー,アール
(72)【発明者】
【氏名】カツァリス,ジョージ,ティー
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロンキリョ,ロドリゲス,ホセ,ジェイ
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-022706(JP,A)
【文献】特開2005-110218(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/201753(US,A1)
【文献】特開平11-146426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/124761(US,A1)
【文献】特表2014-518577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームオートメーションシステムの複数の部屋における複数のサービスであって
、状態がキャプチャされ
る複数のサービスを決定し、
前記複数の部屋における
前記複数のサービスについて
前記ホームオートメーションシステム
の現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、
前記一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供され
るサービス
の状態を含み、
前記複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以
上を含み、
前記複数の部屋のうち
のある部屋
についてのユーザ選択を受信し、
前記複数のサービスのうち
のあるサービス
についてのユーザ選択を受信し、
前記ユーザ選択され
た部屋及び前記ユーザ選択され
たサービスについて前記ホームオートメーションシステムにより実行された最後
のメディアクエリを自動的にキャプチャし、
前記最後
のメディアクエリ
は、現在再生中の
または最後に再生したオーディオ又はビデオアイテムを示
し、
前記ユーザ選択され
た部屋、前記ユーザ選択され
たサービス、前記最後
のメディアクエリ、及び前記一組の状態に基づいて、
前記ユーザ選択され
た部屋及び
前記ユーザ選択され
たサービスについてユーザ定義シーンを生成し、
前記ユーザ定義シーンを前記ホームオートメーションシステムの記憶装置に格納し、
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定し、
そして
前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供されるサービスを制御して、前記ユーザ定義シーンの前記一組の状態を再現し
、前記最後
のメディアクエリのオーディオ又はビデオアイテムを再生
させること
を含む方法。
【請求項2】
前
記部屋
についてのユーザ選択を受信すること
は、
制御装置上で実行
されている制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいて入力されたユーザ入力を受信することを含み、
前記ユーザ入力
は前記部屋の選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前
記サービス
についてのユーザ選択を受信すること
は、
制御装置上で実行
されている制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいて入力されたユーザ入力を受信することを含み、
前記ユーザ入力
は前記サービスの選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記状態がキャプチャされ
る複数のサービスを決定すること
は、
A/V状態がキャプチャされ
る1つ以上のA/Vサービスを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記状態がキャプチャされ
る複数のサービスを決定すること
は、
照明状態がキャプチャされ
る1つ以上の照明サービスを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記状態がキャプチャされ
る複数のサービスを決定すること
は、
HVAC状態がキャプチャされ
る1つ以上のHVACサービスを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のサービスについて前記ホームオートメーションシステムにおけ
る現在の状態を自動的にキャプチャすること
は、
該ホームオートメーションシステムのホストコントローラにより維持され
ている状態センターか
ら現在の状態をフェッチすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定すること
は、
スケジューリングされ
た時刻に達した
と判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定すること
は、
天体的な基準に達した
と判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定すること
は、
カウントダウンタイマが満了した
と判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定すること
は、
制御装置上で実行
されている制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいてユーザ入力が受信された
と判定することを含み、
前記ユーザ入力
は前記ユーザ定義シーンを起動のために選択する
、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供され
るサービスを制御すること
は、
前記ユーザ定義シーンをロードし、
前記ユーザ定義シーンにおいて維持されてい
る状態
をサービス要求
に変換し、
そして
前記サービス要求を発行して前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置を制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ定義シーンにおいて維持されてい
る状態
をサービス要求
に変換すること
は、
A/V装置の1つ以上のA/V状態
をサービス要求
に変換し
、照明装置の1つ以上の照明状態
をサービス要求
に変換し、又
はHVAC装置の1つ以上のHVAC状態
をサービス要求
に変換することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ定義シーン
は前記最後
のメディアクエリを格納し、前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供され
るサービスを制御すること
は、
前記格納された最後
のメディアクエリについての要求を発行してオーディオ又はビデオアイテムを再生させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続され
、シーンエンジンのためのプロセッサ実行可能命令を格納するよう構成され
たメモリと
を含む装置であって、
前記プロセッサ実行可能命令
は実行時に、
複数のサービスについてホームオートメーションシステムの複数の部屋における現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、
前記一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供され
るサービス
の状態を含み、
前記複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以上を含み、
前記複数の部屋のうち
のある部屋
についてのユーザ選択を受信し、
前記複数のサービスのうち
のあるサービス
についてのユーザ選択を受信し、
前記ユーザ選択され
た部屋及び前記ユーザ選択され
たサービスについて前記ホームオートメーションシステムにより実行された最後
のメディアクエリを自動的にキャプチャし、
前記最後
のメディアクエリ
は、現在再生中の
または最後に再生したオーディオ又はビデオアイテムを示
し、
前記ユーザ選択され
た部屋、前記ユーザ選択され
たサービス、前記一組の状態、及び前記最後
のメディアクエリに基づいてユーザ定義シーンを生成し、
前記ユーザ定義シーン
をトリガに応じて起動するようスケジューリングし、
前記ユーザ定義シーンを格納し、
前記トリガに達したことを判定し、
前記ユーザ定義シーンを複数のサービス要求
に変換し、及び
前記複数のサービス要求を発行して、
前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供されるサービスを制御して、前記ユーザ定義シーンの前記一組の状態を再現し
、前記最後
のメディアクエリのオーディオ又はビデオアイテムを再生
させるよう動
作可能である、装置。
【請求項16】
前記トリガ
は、スケジューリングされた時刻、天体的な基準、又はカウントダウンタイマである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
命令が格納されたマシン読み取り可能媒体であって、
前記命令
は1つ以上のプロセッサによる実行時に、
ホームオートメーションシステムの複数の部屋における複数のサービスであって
、状態がキャプチャされ
る複数のサービスを決定し、
前記複数のサービスについて
前記ホームオートメーションシステムの
前記複数の部屋におけ
る状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、
前記一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供され
るサービス
の状態を含み、
前記複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以上を含み、
前記複数の部屋のうち
のある部屋
についてのユーザ選択を受信し、
前記複数のサービスのうち
のあるサービス
についてのユーザ選択を受信し、
前記ユーザ選択され
た部屋及び前記ユーザ選択され
たサービスについて前記ホームオートメーションシステムにより実行された最後
のメディアクエリを決定し、
前記最後
のメディアクエリ
は、現在再生中の
または最後に再生したオーディオ又はビデオアイテムを示
し、
前記ユーザ選択され
た部屋、前記ユーザ選択され
たサービス、前記最後
のメディアクエリ、及び前記一組の状態に基づいて、
前記一組の状態及び
前記最後
のメディアクエリからユーザ定義シーンを生成し、
前記ユーザ定義シーンを前記ホームオートメーションシステムの記憶装置に格納し、
前記ユーザ定義シーンが起動され
ることを
決定し、
前記ユーザ定義シーンにおいて維持されてい
る状態
をサービス要求
に変換し、
前記サービス要求を発行して前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置を制御し、
そして
格納されている前記最後
のメディアクエリについて
の要求を発行して前記オーディオ又はビデオアイテムを再生させるよう動
作可能である、マシン読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にホームオートメーションシステムに関し、特にホームオートメーションシステムにおけるシーンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ホームオートメーションシステムは、居住建築及び商業建築の両方で次第に一般的なものとなりつつある。かかるシステムは、広範な複数の装置(例えば、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、省エネルギー(energy conservation )装置、通信装置、電話装置、及び/又はその他のタイプの装置)の制御、切替、それら装置とのデータ交換及びその他の相互作用を可能とするものである。しばしば、ユーザは、ホームオートメーションシステムにおいて、複数の装置を個々に選択してそれら装置が実行すべきアクションを指示することにより、所望の複数のアクションを指示する。例えば、ユーザは、照明器具を選択して、該照明器具のスイッチを入れるべきことを指示することが可能である。この種の制御は、比較的限られた数の装置を含むホームオートメーションシステムには妥当なものとなるが、多数の装置を有するシステムでは限界があることが分かっている。かかるシステムでは、ユーザは、単一の選択又はトリガに応じた多数の装置の同時制御を伴う一層複雑なエクスペリエンスを所望し得る。
【0003】
システムによっては、複数のマクロ又は「シーン」の生成を可能とするものがあり、該シーンは、その起動時に、複数の装置の集合体を所定の態様で制御することができるものである。例えば、シーンは、朝の起床条件のためにプログラムすることが可能であり、該シーンは、その起動時に、ベッドルーム内の照明を明るくし、低音量でBGMを流し、ブラインドを開け、浴室の照明をオンにする、といったことをホームオートメーションシステムに行わせることが可能である。同様に、シーンは、他のタイプのエクスペリエンスのためにプログラムすることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のシーンの使用は、ホームオートメーションシステムにおける制御を強化することを可能にするが、そもそも、かかる複数のシーンは一般にプログラムするのが困難であり時間を要するものである。ホームオートメーションシステムによっては、特定のタイプのシーンをプログラムするために専用のコードを書かなければならないものがある。何らかの類のシーン生成用グラフィカルユーザインタフェイス(GUI)を提供する別のホームオートメーションシステムでは、シーンを定義するために、装置の長々としたシリーズとそれに対応する複数のアクションの選択を手作業で入力しなければならない。シーンをプログラムする者は、システム構成を詳細に理解し、アクションを行うべき各装置とそのアクションが厳密に如何なるものであるべきかを理解し、次いでかかる情報を手作業で入力する必要がある。これは、時間を要し、間違いを起こしやすいものである。その結果として、多くのエンドユーザは、自分自身のシーンを作成せず、その代わりに限られた数の一組の既に利用可能なシーン(例えば、ホームオートメーションシステムで予め定義されているシーン、又は初期システム設定の一部として設置者によりプログラムされたシーン)に依存し、又は装置の個々の制御に依存することとなる。
【0005】
したがって、ホームオートメーションシステムにおけるシーンをエンドユーザが容易に定義し起動することを可能にする改善された技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ホームオートメーションシステムにおけるシーンをエンドユーザが容易に定義し起動することを可能にする技術が提供される。一実施形態では、ホームオートメーションシステムの現在の動作状態の特徴の「スナップショット」を有効に取得するように該ホームオートメーションシステムにおけるサービスの現在の状態からユーザ定義シーンがキャプチャされる。シーンを定義するために、サービスの現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築することが可能である。更に、現在再生中(又は最後に再生した)メディアアイテム(例えば、歌曲、アルバム、プレイリスト、映画など)を示す1つ以上の最後のメディアクエリをキャプチャすることが可能である。ユーザは、関心のある1つ以上の部屋を選択し、及び、各部屋毎に、関心のある1つ以上のサービスを選択することが可能である。次いで、該関心のある部屋及び/又はサービスに関する該現在の状態及び該最後のメディアクエリからシーンを生成することが可能である。ユーザ入力に応じて該シーンに対する必要な修正が施された後、該シーンを持続的に格納することが可能である。その後、所定のスケジュール又はユーザによる起動に応じて前記ユーザ定義シーンを起動して、該ユーザ定義シーンの前記一組の状態を再現(replicate)するように前記ホームオートメーションシステムにサービスの制御及びメディアアイテムの再生を行わせることが可能である。
【0007】
「課題を解決するための手段」で説明したもの以外に様々な更なる特徴及び代替的な実施形態を実施することが可能であることが理解されよう。「課題を解決するための手段」は、読者に対する簡単な導入を意図したものに過ぎず、及び本書で言及する実施形態が本開示の全ての特徴を網羅するものであること又は本開示の不可欠な又は本質的な特徴を有するものであることを示し又は示唆するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】特定の建築物(例えば、住宅建築物又は商業建築物)に関する複数の装置を制御するよう動作することが可能なホームオートメーションシステムの例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図2】シーンを維持するためにシーンエンジンにより使用することが可能な例示的なシーンオブジェクトを示すブロック図である。
【
図3】ホームオートメーションシステムにおけるサービスの現在の状態に基づいてユーザ定義シーンを自動的にキャプチャするための例示的な一連のステップを示すフローチャートである。
【
図4A-4M】現在の状態に基づくユーザ定義シーンの自動的なキャプチャに関する制御装置上の制御アプリケーションのユーザインタフェイス(UI)の例示的なスクリーンショットである。
【
図5】ユーザ供給状態に基づくユーザ定義シーンの生成のための例示的な一連のステップを示すフローチャートである。
【
図6A-K】ユーザ供給状態に基づくユーザ定義シーンの生成に関する制御装置上の制御アプリケーションのUIの例示的なスクリーンショットである。
【
図7】ユーザ定義シーンを適用するための例示的な一連のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[ホームオートメーションシステムの実例]
図1は、特定の建築物(例えば、住宅建築物又は商業建築物)に関する複数の装置を制御するよう動作することが可能なホームオートメーションシステム100の例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。該システム100の核となるのが、1つ以上の装置コントローラ110及びホストコントローラ140である。該1つ以上の装置コントローラ110は、様々な相互接続された装置120-132間で信号を切り替え及びそれら装置に低レベル制御を提供するよう動作する。該ホストコントローラ140は、装置コントローラ110の動作を制御し及び監視し、並びに、ユーザインタフェイス(UI)による翻訳(interpretation)、システム管理及び監視、及び/又は高レベル制御機能を提供する。ホームオートメーションシステム100との対話のためのUIは、様々なタイプの制御装置150上でユーザに対して表示することが可能である。
【0010】
より詳細には、装置コントローラ110は、存在する様々な装置120-132に対して、N×Nスイッチング、オーディオ及びビデオ処理、装置制御、及びその他の管理機能を提供することが可能である。該装置120-132は、オーディオ及び/又はビデオ信号の出所となるソース装置にカテゴライズされたA/V装置120(例えば、メディアサーバ、ケーブルテレビ用チューナー(cable box)、ディジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、メディアプレーヤなど)、オーディオ及び/又はビデオ信号を操作する処理装置(プリアンプ、ディジタル信号プロセッサ、アンプなど)、及びオーディオ及び/又はビデオ信号を出力する出力装置(例えば、テレビ、スピーカ、プロジェクタなど)を含むことが可能である。該装置120-132はまた、照明装置122(例えば、照明コントローラ、キーパッド、ランプモジュールなど)を含むことが可能である。更に、1つ以上の自動温度調節装置、サーモスタット、センサなどを含む冷暖房空調(HVAC)装置124を配設することが可能である。モーションセンサ、監視カメラ、ホームヘルスケアセンサ、及びそれらに関連するコントローラなどを含むセキュリティ装置126を装置コントローラ110に接続することも可能である。更に、モータ駆動式ブラインド(window shades)、モータ駆動式シャッター(window blinds)、及びそれらに関連するコントローラなどを含むブラインド制御装置128を配設することが可能である。1つ以上のエネルギーモニタ、変流器、電圧センサなどを含む省エネルギー装置130を配設することが可能である。更に、構内電話交換機(PBX)、ゲートウェイ、ハンドセット、及びその他の装置を用いた、電話、インターホン、及びその他の関連する機能を提供する通信装置132が存在することが可能である。
【0011】
ホストコントローラ140は、典型的には、ソフトウェアを実行してデータ構造からのデータを操作するよう構成されたプロセッサ、及び該ソフトウェア及び該データ構造を格納するための記憶場所を含む記憶装置(例えば、持続性又は揮発性メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)など)を含む。該データ構造は、コンフィギュレーションデータベース(例えば、SQL(Structured Query Language)データベース等のリレーショナルデータベースとして構築されたもの)190を含むことが可能である。該コンフィギュレーションデータベース190は、論理表現を使用してホームオートメーションシステム100及びその装置120-132のコンフィギュレーションを記述すること並びに他のタイプの情報を維持することが可能である。前記ソフトウェア及び前記データ構造はまた、ホームオートメーションシステム100の現在の動作状態を記述する情報を格納する状態センター192を含むことが可能である。該動作状態は、装置120-132により提供される複数のサービスの複数の離散的な状態として表す(例えば、オン又はオフ等の情報を示すブール値、程度(degree)又は音量等の情報を示す数値、又はその他のタイプの情報を示すその他のタイプの値として表す)ことが可能である。ホストコントローラ140上のソフトウェアは、制御装置150と協働し並びにコンフィギュレーションデータベース190及び状態センター192と対話して「ユーザ定義シーン」を管理するシーンエンジン194を含むことが可能である。本書で用いる場合、用語「ユーザ定義シーン」とは、特定の状態をとり及び/又はエンドユーザにより所望されることが指示された特定のメディア時間を再生する、複数のサービスを提供する、複数の装置によって引き起こされる所与の建築物の一部内でのマルチメディアエクスペリエンスを意味する。ユーザ定義シーンの生成、メンテナンス、及び起動に関する更なる詳細については以下で説明することとする。
【0012】
制御装置150は、モバイル装置152、リモコン装置154、デスクトップコンピュータ(例えば、PC)といった様々な形態をとることが可能である。本書で用いる場合、用語「モバイル装置」とは、汎用オペレーティングシステムを実行し身に着けて搬送されるよう構成された汎用的な電子装置を意味する。タブレットコンピュータ(例えば、iOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行するiPad(登録商標)タブレット)及びスマートフォン(例えば、iOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行するiPhone(登録商標)スマートフォン又はAndroid(登録商標)を実行するAndroid(登録商標)スマートフォン)等の装置は、モバイル装置とみなされる。デスクトップコンピュータは一般にモバイル装置とはみなされない。本書で用いる場合、用語「リモコン装置」は、ホームオートメーションシステム又はその一部を制御するよう構成されたポータブル専用電子装置を意味する。典型的には、リモコン装置は、汎用的な操作には適さず、1つ以上のタイプのホームオートメーションシステムで動作するよう構成されたものである。
【0013】
制御装置150は、そのタイプにかかわらず、典型的には、ソフトウェアを実行してデータ構造からのデータを操作するよう構成されたプロセッサ、及び該ソフトウェア及び該データ構造を格納するための記憶場所を含む記憶装置(例えば、持続性又は揮発性メモリ、ハードディスク、SSDなど)を含む。更に、制御装置150は、典型的には、ディスプレイスクリーン(例えば、タッチセンサ式ディスプレイスクリーン)を含む。制御装置150はまた、ポータブル電源(例えば、バッテリー)、ワイヤレス通信インタフェイス、入力装置(例えば、ボタン、カメラ、方位センサなど)といった様々な他のタイプのハードウェアを含むことが可能である。
【0014】
複数の制御装置150の各々は、UIをユーザに提示し及び(例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)等のワイヤレス接続を介して)制御コマンドを中継してホストコントローラ140へ送り返すアプリケーション(例えば、制御アプリケーション160)を実行することが可能である。該制御アプリケーション160は、制御ソフトウェア開発キット(SDK)162(その機能の中でもとりわけ、コンフィギュレーションデータベース190及び状態センター192に対する照会及びシーンエンジン194との対話を行うための方法を提供するもの)を利用することが可能である。場合によっては、コンフィギュレーション情報及び/又は状態情報のローカルコピーを制御装置150に送信(例えばダウンロード)して該制御装置150上で維持することが可能である。例えば、コンフィギュレーションデータベース190のローカルコピーを制御装置150上で維持することが可能である。制御SDK162は、ローカル版の情報が旧くなったとき(又はローカル版が存在しない場合)を検出し、及び更新された情報をホストコントローラ140から取得することを責務とすることが可能である。
[論理表現の実例]
コンフィギュレーションデータベースは、様々な異なるタイプの論理表現を使用して、ホームオートメーションシステム100及びその装置120-132のコンフィギュレーションを記述することが可能である。例えば、該論理表現は、とりわけ、「部屋」、「コンポーネント」、「サービス」、及び「サービス要求」を含むことが可能である。
【0015】
ここで、「部屋」とは、ユーザが1つ以上のホームオートメーション活動(activities)に参加することが可能な所与の建築物の一部を意味する。1つの「部屋」は、該建築物内の物理的な1つの部屋又は別の所与の空間の一領域に対応することが可能である。
【0016】
「コンポーネント」とは、ホームオートメーションシステムの制御下にある装置を意味する。1つのコンポーネントには、1つのプロファイル(例えば、その装置の能力及び入出力(I/O)インタフェイスのマシン読み取り可能なマークアップ言語(例えば、XML)による記述)を関連付けることが可能である。
【0017】
「サービス」とは、1つ以上の部屋で一人のユーザが参加することができる活動を意味し、該活動は、所定のユーザエクスペリエンスを提供する複数のコンポーネントの対話を伴うものである。例えば、考え得る1つのサービスを、ユーザがケーブルテレビを観る「ケーブルTV」サービスとすることが可能であり、該ケーブルTVサービスは、特定のコンポーネント(例えば、ケーブルテレビ用チューナ、テレビ、スピーカ、メディアスイッチ(media switch)、及び受信機)を使用する。
【0018】
「サービス要求」(又は要求)は、所与のサービスによりサポートされるコマンドを意味する。例えば、上述した「ケーブルTV」サービスの要求は、「チャネル増大(channel up)」、「チャネル減少(channel down)」、「音量増大」、「音量減少」などとすることが可能である。サービス要求を使用することにより、サービスを制御することが可能である。
[シーンオブジェクトの実例]
これらの論理表現に基づき、「シーンオブジェクト」においてユーザ定義シーンを維持することが可能である。
図2は、ユーザ定義シーンを維持するためにシーンエンジン194により使用することが可能な例示的なシーンオブジェクト200を示すブロック図である。該シーンオブジェクト200は、一意のシーン識別子(ID)202並びにユーザにより提供された名前文字列204により識別することが可能である。複数の高レベルデータ構造(例えば、キー/値の対を格納した辞書)を配設することも可能である。該高レベルデータ構造は、該データ構造の中でもとりわけ、電源データ構造(例えば、電源辞書)210、音量データ構造(例えば、音量辞書)220、及びサービスデータ構造(例えば、サービス辞書)230を含むことが可能である。
【0019】
電源データ構造210は、装置120-132をユーザ定義シーンによってオンにすべきか、オフにすべきか、又は不変のままにすべきかを定義することが可能である。この場合、該電源データ構造210は、対応する部屋でサービスの電源をオンにすべきかオフにすべきかを示す指示(例えば、ブール)と共に、A/V装置120を伴う複数のサービスへの複数の部屋のマッピングを含むA/V部屋構造(例えば、A/V部屋キー)212(例えば、A/V装置120を伴うサービスの辞書へとマッピングされた部屋の辞書)を含むことが可能である。部屋がどのサービスにもマッピングされていない場合には、その部屋内の全てのA/V装置120の電源がオフにされるべきであるとみなすことができる。所与の部屋がA/V部屋構造212に含まれていない場合には、該部屋内のA/V装置120の電源状態がユーザ定義シーンにより変更されないものとみなすことが可能である。更に、電源データ構造210は、ユーザ定義シーンにより照明装置122の電源が全てオフにされている部屋を示す照明オフ構造(例えば、一連の部屋)214を含むことが可能である。同様に、電源データ構造210は、ユーザ定義シーンによりHVAC装置124の電源が全てオフにされている部屋を示すHVACオフ構造(例えば、一連の部屋)216を含むことが可能である。
【0020】
更に、音量データ構造220は、各部屋毎に音量を定義することが可能である。所与の部屋の音量が指定されていない場合には、該部屋の音量を不変のままにするものとみなすことが可能である。更に、サービスデータ構造230は、サービスに関連して提供される状態変化を定義することが可能である。サービスデータ構造230は、コンポーネントによってキーイングする(keyed)ことが可能であり、及び影響を受ける部屋のリスト及び状態変化のリストを含むエントリを含むことが可能である。該状態変化のリスト中に状態が挙げられていない場合には、不変状態のままとすることが可能である。
【0021】
シーンオブジェクト200は、多数のコマンドに応答することが可能であり、かかるコマンドとして、ユーザ定義シーンを削除する削除コマンド、ユーザ定義シーンを直ちに適用する適用コマンド、スケジューリングされたユーザ定義シーンを起動させるスケジュール起動コマンド、スケジューリングされたユーザ定義シーンを解除するスケジュール解除コマンド、新しいユーザ定義シーンを現在の状態の自動キャプチャから作成するために使用することができるキャプチャコマンド、新しいユーザ定義シーンをユーザにより供給された状態から作成するために使用することができる作成コマンド、並びに様々な他のコマンドが挙げられる。
[シーンの定義]
シーンオブジェクト200内に維持されるユーザ定義シーンは、多数の異なる態様で(例えば、シーンオブジェクト200のキャプチャコマンド及び作成コマンドに関連して)定義することが可能である。一実施形態では、キャプチャコマンドに関連して、ホームオートメーションシステムの現在の動作状態の特徴の「スナップショット」を効果的に取得するための、サービスの現在の状態の自動キャプチャによって、ユーザ定義シーンを定義することが可能である。シーンエンジン194は、(例えば、状態センター192から現在の状態をフェッチすることにより)サービスの現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築することが可能である。シーンエンジン194はまた、現在再生中の(又は最後に再生した)メディアアイテム(例えば、歌曲、アルバム、プレイリスト、映画など)を示す1つ以上の最後のメディアクエリを(例えば、メディアサーバ等のA/V装置120の保存された再生アクションにアクセスすることにより)自動的にキャプチャすることが可能である。ユーザは、(例えば、制御装置150上の制御アプリケーション160のUI中の)関心のある1つ以上の部屋を選択し、及び該選択した各部屋毎に、関心のある1つ以上のサービスを選択することが可能である。シーンエンジン194は、次いで、前記1つ以上の部屋についての前記現在の状態及び前記最後のメディアクエリ及び/又は前記サービスから、ユーザ定義シーンを生成することが可能である。(例えば、制御装置150上の制御アプリケーション160のUIでの更なるユーザ入力に応じて)前記ユーザ定義シーンに対するあらゆる必要な修正が行われた後、該ユーザ定義シーンは、コンフィギュレーションデータベース190内のシーンオブジェクト200内に持続的に格納することが可能である。
【0022】
代替的に実施形態では、作成コマンドに関連して、ユーザにより供給された状態に基づいてユーザ定義シーンを作成することが可能である。ユーザは、例えば、制御装置150上の制御アプリケーション160のUIを使用して、関心のある1つ以上のサービスを選択し、その選択した各サービス毎に、該サービスを利用可能とする1つ以上の部屋を選択することが可能である。ユーザはまた、各部屋毎に、(例えば、オン又はオフ等の情報を示すブール値、程度又は音量等の情報を示す数値、又はその他のタイプの情報を示すその他のタイプの値として表された)1つ以上の明示的な状態を供給することが可能である。次いで、シーンエンジン194は、前記ユーザにより供給された状態からユーザ定義シーンを生成することが可能である。該ユーザ定義シーンに対して(例えば、制御アプリケーション160のUIにおける更なるユーザ入力に応じて)必要な修正が施された後、該ユーザ定義シーンは、コンフィギュレーションデータベース190内のシーンオブジェクト200内に持続的に格納することが可能である。
【0023】
シーンを定義するためのかかる技術に関する更なる詳細を以下で説明する。
[i.ユーザ定義シーンの自動キャプチャ]
図3は、ホームオートメーションシステムにおけるサービスの現在の状態に基づいてユーザ定義シーンを自動的にキャプチャするための例示的な一連のステップ300を示すフローチャートである。それらステップは、制御装置150上の制御アプリケーション160のUI400の例示的なスクリーンショットである
図4A~4Mを参照することにより一層良好に理解することが可能である。ステップ310で、及び
図4Aに関し、UI要素402の選択により、現在の状態に基づくユーザ定義シーンのキャプチャが開始する。
【0024】
ステップ315で、シーンエンジン194は、キャプチャすべき状態を決定することが可能である。ステップ315は、ホームオートメーションシステムの様々なタイプの装置により提供されるサービスに関する状態についてのサブステップを含むことが可能である。例えば、サブステップ316で、シーンエンジン194は、複数のA/V装置120により提供される複数のサービスのキャプチャすべき1つ以上のA/V状態を決定することが可能である。ステップ317で、シーンエンジン194は、照明装置122により提供される複数のサービスのキャプチャすべき1つ以上の照明状態を決定することが可能である。ステップ318で、シーンエンジン194は、HVAC装置124により提供される複数のサービスのキャプチャすべき1つ以上のHVAC状態を決定することが可能である。同様に、その他のサブステップ(図示せず)で、シーンエンジン194は、その他のタイプの装置により提供される複数のサービスのキャプチャすべき1つ以上のその他の状態を決定することが可能である。ステップ320で、シーンエンジン194は、それら状態を一組の状態へと統合することが可能である。更に、ステップ325で、シーンエンジン194は、状態センター192からフェッチすることにより該一組の状態について現在の状態を決定することが可能である。ステップ330で、シーンエンジン194は、現在再生中の(又は最後に再生した)アイテムを示す1つ以上の最後のメディアクエリを決定することが可能である。シーンエンジン194は、メディアサーバ等のA/V装置120の1つ以上の保存された再生アクションにアクセスして最後のメディアクエリを取得することが可能である。
【0025】
ステップ335で、及び
図4B~4Cに関し、関心のある1つ以上の部屋のユーザ選択をUI400内で受けることが可能である。部屋を表す1つ以上のUI要素404,406を表示させることが可能である。該UI要素の選択に応じて、標識408,410は、部屋の選択を確認することが可能である。該1つ以上の選択された部屋は、建築物内の定義された部屋の総数のサブセットとすることが可能である。ステップ340で、及び
図4Dに関し、関心のある1つ以上のサービスのユーザ選択をUI400で受けることも可能である。該ユーザ選択は、個々の部屋で利用可能なサービスを表すUI400内の1つ以上のUI要素412-418から行うことが可能である。次いでステップ345で、シーンエンジン194は、該選択された部屋及びサービスに関する現在の状態及び最後のメディアクエリからユーザ定義シーンを生成することが可能である。
図4Eに示すように、要約420を表示させることが可能である。ステップ350で、シーンエンジン194は、例えば、UI要素434のアクティブ化に応じて、前記ユーザ定義シーンをコンフィギュレーションデータベース190内に格納することが可能である。該ユーザ定義シーンの格納の一部として、UI要素422でのユーザ入力に応じて、該ユーザ定義シーンに名前及び/又は写真を関連付けることが可能である。
【0026】
ステップ355で、及び
図4F~4Kに関し、制御アプリケーション160は、UI400におけるユーザ入力に応じてユーザ定義シーンを修正することが可能である。例えば、UI要素424-430におけるユーザ入力に応じて、ユーザ定義シーンを起動させるためのスケジューリングを行うことが可能である。例えば、UI要素426におけるユーザ入力に応じて、一日の特定の時刻に達したときに起動させるようシーンをスケジューリングすることが可能である。同様に、UI要素428におけるユーザ入力に応じて、天体的な基準(例えば、夜明け、日暮れなど)に達したときにユーザ定義シーンを起動させるようスケジューリングすることが可能である。同様に、UI要素428-432におけるユーザ入力に応じて、カウントダウンタイマーが満了したときにユーザ定義シーンを起動させるようスケジューリングすることが可能である。ステップ360で、及び
図4Lに関し、例えば、UI要素434のアクティブ化に応じて、更新されたユーザ定義シーンをコンフィギュレーションデータベース190内に持続的に格納することが可能である。その後、
図4Mに関し、ユーザ定義シーンに関するシーンUI要素436を制御アプリケーション160のUI400内に表示させることが可能である。該ユーザ定義シーンは、シーンUI要素436の選択に応じて又は上述したスケジューリング基準のうちの1つに応じて起動させることが可能である。
[ユーザ定義シーンの作成]
図5は、ユーザにより供給された状態に基づいてユーザ定義シーンを作成するための例示的な一連のステップ500を示すフローチャートである。かかるステップは、制御装置150上の制御アプリケーション160のUI400の例示的なスクリーンショットである
図6A~6Kを参照することにより一層良好に理解することが可能である。ステップ510で、及び
図6Aに関し、UI要素602のユーザ選択により、ユーザにより供給された状態に基づくユーザ定義シーンの作成が開始する。ステップ515で、及び
図6Bに関し、サービスのユーザ選択をUI400で受けることが可能である。該ユーザ選択は、利用可能なサービスを表すUI400内の1つ以上のUI要素605-618から行うことが可能である。ステップ520で、及び
図6Cに関し、部屋の状態のユーザ選択をUI400で受けることが可能である。該ユーザ選択は、UI400内のUI要素620で行うことが可能である。
図6Cには単一のUI要素620しか示していないが、1つのサービスが複数の部屋で利用可能である場合には、複数の対応するUI要素620を表示して、複数の部屋の状態を個々に選択できるようにすることが可能であることが理解されよう。ステップ515,520は、ユーザが完全な一組の状態の供給を完了するまで繰り返すことが可能である。
図6Dに示すように、要約622を表示させることが可能である。更に、サブステップ522で、及び
図6E~6Fに関し、何れかの部屋における何れかのタイプのサービス(例えば、照明サービス)に関し、サービスを提供する複数の装置(例えば、照明器具)又は複数の装置グループを指示するよう状態のユーザ選択を改良することが可能である。
図6Fには単一のUI要素624しか示していないが、サービスを提供することが可能な複数の装置(例えば、複数の照明器具)又は複数の装置グループが存在する場合には、それらに対応する複数のUI要素624を個々の改良を可能にすべく表示することが可能であることが理解されよう。
【0027】
ステップ525で、シーンエンジン194は、ホームオートメーションシステムにより実行された最後のメディアクエリ(例えば、アクセスした最後のオーディオ及び/又はビデオコンテンツ)を決定することが可能である。次いで、ステップ530で、シーンエンジン194は、前記ユーザにより供給された状態及び前記最後のメディアクエリからユーザ定義シーンを生成することが可能である。ステップ535で、及び
図6Gに関し、シーンエンジン194は、UI要素634のアクティブ化に応じて、該ユーザ定義シーンをコンフィギュレーションデータベース190内に格納することが可能である。該ユーザ定義シーンの格納の一部として、UI要素626におけるユーザ入力に応じて、名前及び/又は写真を該ユーザ定義シーンに関連付けることが可能である。
【0028】
ステップ540で、及び
図6H~6Jに関し、制御アプリケーション160は、UI400におけるユーザ入力に応じてユーザ定義シーンを修正することが可能である。例えば、UI要素628-642におけるユーザ入力に応じて、特定の月の特定の日の特定の時刻に起動するようユーザ定義シーンをスケジューリングすることが可能である。代替的には、天体的な基準(例えば、夜明け、日暮れなど)に達したとき、カウントダウンタイマーが満了したとき、又は他の何らかのトリガがアクティブになったときにユーザ定義シーンを起動させるようスケジューリングすることが可能である。ステップ545で、及び
図6Kに関し、更新されたユーザ定義シーンを、例えば、UI要素634の選択に応じて、コンフィギュレーションデータベース190内に持続的に格納することが可能である。その後、該ユーザ定義シーンのためのシーンUI要素を制御アプリケーション160のUI400内に表示させることが可能である。該ユーザ定義シーンは、該シーンUI要素の選択に応じて、又は上述した複数のスケジューリング基準のうちの1つに応じて、起動させることが可能である。
[ユーザ定義シーンの適用]
(例えば、スケジューリング基準、又は起動のためシーンを選択するユーザ入力に応じて)特定のユーザ定義シーンが起動されるべきことが判定されたとき、ホストコントローラ140上のシーンエンジン194は、該ユーザ定義シーンにアクセスし、該ユーザ定義シーンで維持されている状態と格納済みのメディアクエリとを複数のサービス要求へと変換し、それらサービス要求を(例えば、装置コントローラ110を介して)発行してホームオートメーションシステム100の複数の装置を制御することにより、該ユーザ定義シーンを適用することが可能である。
図7は、ユーザ定義シーンを適用するための例示的な一連のステップ700を示すフローチャートである。ステップ710で、シーンエンジン194は、コンフィギュレーションデータベース190から対応するシーンオブジェクト200をロードすることによりユーザ定義シーンにアクセスすることが可能である。ステップ720で、シーンエンジン194は、該ユーザ定義シーンで維持されている複数の状態を、特殊なマッピングロジック及び複数のデータテーブルを使用して、複数のサービス要求へと変換することが可能である。ステップ720は、ホームオートメーションシステム100の様々なタイプの複数の装置により提供される複数のサービスに関する複数の状態を変換するための複数のサブステップを含むことが可能である。例えば、サブステップ722で、シーンエンジン194は、複数のA/V装置120により提供される複数のサービスの1つ以上のA/V状態を特殊なマッピングロジックを使用して複数のサービス要求へと変換することが可能である。サブステップ724で、シーンエンジン194は、複数の照明装置122により提供される複数のサービスの1つ以上の照明状態を複数のマッピングデータテーブルを使用して複数のサービス要求へと変換することが可能である。サブステップ726で、シーンエンジン194は、複数のHVAC装置124により提供される複数のサービスの1つ以上のHVAC状態を更なる複数のマッピングデータテーブルを使用して複数のサービス要求へと変換することが可能である。
【0029】
ステップ730で、シーンエンジン194は、格納されている最後のメディアクエリを要求へと変換することが可能である。更に、ステップ740で、シーンエンジン194は、ユーザ定義シーンに関連付けることが可能なユーザにより指定されたあらゆるサービス要求にアクセスすることが可能である。ステップ750で、全ての変換され又はアクセスされたサービス要求を1つの要求セットへと統合することが可能である。ステップ760で、該要求セットを部屋によって整理する(例えば、順序づけする)ことが可能である。最後に、ステップ770で、ホストコントローラ140は、該要求セットの該整理された(例えば、順序づけされた)複数のサービス要求を(例えば、装置コントローラ110を介して)発行して、ホームオートメーションシステム100の複数の装置により提供される複数のサービスを制御することが可能である。
[結論]
本書で説明した複数の実施形態の思想及び範囲内で様々な適応及び修正を実施することが可能であることが理解されよう。幾つかの実施形態は、A/V制御、照明制御、HVAC制御、セキュリティ制御、ブラインド制御、省エネルギー、及び通信制御を行うことができるホームオートメーションシステムを伴うものであったが、本開示の技術は、一層制限されたシステム、例えば、より少ないタイプの装置(例えば、A/V装置及び照明装置のみ、照明及びHVAC装置のみなど)を制御することが可能なシステムにも適用可能であることが理解されよう。
【0030】
幾つかの実施形態は、上述した様々な操作を実行するためにシーンエンジン194を使用するものであったが、シーンエンジン194の操作は、他のソフトウェア及び/又はハードウェアにより実施することが可能であることが理解されよう。例えば、該操作の少なくとも幾つかを、制御装置150上で実行しているソフトウェア(例えば、モバイルアプリケーション160)、装置コントローラ110上で実行しているソフトウェア、及び/又はホームオートメーションシステム100の他の何れかの装置上で実行しているソフトウェアにより、行うことが可能である。同様に、少なくとも幾つかの操作を、ホームオートメーションシステム100と通信可能な状態にあるパーソナルコンピュータ(PC)により行うことが可能である。様々な異なる構成が実施可能であることが理解されよう。
【0031】
更に、ソフトウェアで実行される上述した技術の多くはハードウェアで実行することが可能であり、その逆もまた同様である。実施態様に応じて、操作を、ソフトウェアで、ハードウェアで、又はその様々な組み合わせで行うことが可能である。ソフトウェアによる実施形態は、持続性マシン読み取り可能媒体(例えば、持続性コンピュータ読み取り可能媒体)(例えば、揮発性又は持続性メモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、又はその他の有形の媒体)に格納されたマシン実行可能命令(例えば、コンピュータ実行可能命令)を含むことが可能である。ハードウェアによる実施形態は、設定された(configured)プロセッサ、論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又はその他のタイプのハードウェア要素を含むことが可能である。更に、ソフトウェア/ハードウェアの組み合わせによる実施形態は、持続性マシン読み取り可能媒体に格納されたマシン実行可能命令、並びに1つ以上のハードウェア要素(例えば、プロセッサ、メモリなど)を両方とも含むことが可能である。一般に、上記説明は単なる一例として解釈されるべきものであることが理解されよう。
【0032】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施形態を示す。
1.ホームオートメーションシステムにおける複数のサービスであってその状態がキャプチャされるべき複数のサービスを決定し、
該サービスについて該ホームオートメーションシステムにおける現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、該一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供される複数のサービスの複数の状態を含み、該複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以上の装置を含み、
前記一組の状態からユーザ定義シーンを生成し、
該ユーザ定義シーンを前記ホームオートメーションシステムの記憶装置に格納し、
該ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定し、
該ユーザ定義シーンの前記一組の状態を再現するよう前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供される複数のサービスを制御する
ことからなる方法。
2.前記ホームオートメーションシステムに関連する建築物の複数の部屋のうち1つ以上の選択された部屋を決定し、
前記ユーザ定義シーンを生成することが、前記一組の状態から前記1つ以上の選択された部屋の状態について前記ユーザ定義シーンを生成する、
前項1に記載の方法。
3.前記1つ以上の選択された部屋を決定することが、
制御装置上で実行している制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいて入力されたユーザ入力を受信することを含み、該ユーザ入力が、前記1つ以上の選択された部屋の各部屋の選択を含む、
前項2に記載の方法。
4.前記ホームオートメーションシステムにより提供される複数のサービスのうち1つ以上の選択されたサービスを決定し、
前記ユーザ定義シーンを生成することが、該1つ以上の選択されたサービスの状態についてユーザ定義シーンを生成する
ことを更に含む、前項1に記載の方法。
5.前記1つ以上の選択されたサービスを決定することが、
制御装置上で実行している制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいて入力されたユーザ入力を受信することを含み、該ユーザ入力が、前記1つ以上の選択されたサービスの各サービスの選択を含む、
前項4に記載の方法。
6.前記状態がキャプチャされるべき複数のサービスを決定することが、
A/V状態がキャプチャされるべき1つ以上のA/Vサービスを決定すること
を含む、前項1に記載の方法。
7.前記状態がキャプチャされるべき複数のサービスを決定することが、
照明状態がキャプチャされるべき1つ以上の照明サービスを決定すること
を含む、前項1に記載の方法。
8.前記状態がキャプチャされるべき複数のサービスを決定することが、
HVAC状態がキャプチャされるべき1つ以上のHVACサービスを決定すること
を含む、前項1に記載の方法。
9.前記サービスについて前記ホームオートメーションシステムにおける現在の状態を自動的にキャプチャすることが、
該ホームオートメーションシステムのホストコントローラにより維持される状態センターから前記現在の状態をフェッチすること
を含む、前項1に記載の方法。
10.前記ホームオートメーションシステムにより実行された最後のメディアクエリを決定し、該最後のメディアクエリが、オーディオ又はビデオアイテムを示すものであり、
前記ユーザ定義シーンを生成することが、該最後のメディアクエリを格納することを含む
ことを更に含む、前項1に記載の方法。
11.前記ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定することが、
スケジューリングされた所与の時刻に達したことを判定すること
を含む、前項1に記載の方法。
12.前記ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定することが、
天体的な基準に達したことを判定すること
を含む、前項1に記載の方法。
13.前記ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定することが、
カウントダウンタイマが満了したことを判定すること
を含む、前項1に記載の方法。
14.前記ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定することが、
制御装置上で実行している制御アプリケーションのユーザインタフェイスにおいてユーザ入力が受信されたことを判定することを含み、該ユーザ入力が、前記ユーザ定義シーンを起動のために選択するものである、
前項1に記載の方法。
15.前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供される前記複数のサービスを制御することが、
前記ユーザ定義シーンをロードし、
該ユーザ定義シーンにおいて維持されている複数の状態を複数のサービス要求へと変換し、
該複数のサービス要求を発行して前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置を制御する
ことを含む、前項1に記載の方法。
16.前記ユーザ定義シーンにおいて維持されている前記複数の状態を前記複数のサービス要求へと変換することが、
複数のA/V装置の1つ以上のA/V状態を複数のサービス要求へと変換し、複数の照明装置の1つ以上の照明状態を複数のサービス要求へと変換し、又は複数のHVAC装置の1つ以上のHVAC状態を複数のサービス要求へと変換すること
を含む、前項15に記載の方法。
17.前記ユーザ定義シーンが最後のメディアクエリを格納し、前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供される前記複数のサービスを制御することが、
該格納された最後のメディアクエリについての要求を発行してオーディオ又はビデオコンテンツを再生させること
を含む、前項1に記載の方法。
18.プロセッサと、
該プロセッサに接続され、及びシーンエンジンのためのプロセッサ実行可能命令を格納するよう構成された、メモリと
を備えた装置であって、該プロセッサ実行可能命令が、その実行時に、
複数のサービスについてホームオートメーションシステムにおける現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、該一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供される複数のサービスの複数の状態を含み、該複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以上を含み、
前記一組の状態からユーザ定義シーンを生成し、
該ユーザ定義シーンを所与のトリガに応じて起動するようスケジューリングし、
該ユーザ定義シーンを格納し、
前記トリガに達したことを判定し、
前記ユーザ定義シーンを複数のサービス要求へと変換し、及び該複数のサービス要求を発行して前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置により提供される複数のサービスを制御する
よう動作することが可能なものである、装置。
19.前記ユーザ定義シーンが、1つ以上のユーザにより選択された部屋における前記一組の状態の複数の状態から生成される、前項18に記載の装置。
20.前記ユーザ定義シーンが、1つ以上のユーザにより選択されたサービスについて前記一組の状態の複数の状態から生成される、前項18に記載の装置。
21.前記トリガが、スケジューリングされた時刻、天体的な基準、又はカウントダウンタイマである、前項18に記載の装置。
22.命令が格納されたマシン読み取り可能媒体であって、該命令が、1つ以上のプロセッサによる実行時に、
ホームオートメーションシステムにおける複数のサービスであってその状態がキャプチャされるべき複数のサービスを決定し、
該複数のサービスについて該ホームオートメーションシステムにおける複数の現在の状態を自動的にキャプチャして一組の状態を構築し、該一組の状態が、複数の異なるタイプの装置により提供される複数のサービスの複数の状態を含み、該複数の異なるタイプが、オーディオ/ビデオ(A/V)装置、照明装置、冷暖房空調(HVAC)装置、セキュリティ装置、ブラインド制御装置、省エネルギー装置、又は通信装置のうちの2つ以上を含み、
前記ホームオートメーションシステムにより実行された最後のメディアクエリを決定し、該最後のメディアクエリが、オーディオ又はビデオアイテムを示すものであり、
前記一組の状態及び前記最後のメディアクエリからユーザ定義シーンを生成し、
該ユーザ定義シーンを前記ホームオートメーションシステムの記憶装置に格納し、
該ユーザ定義シーンが起動されるべきことを判定し、
該ユーザ定義シーンに維持されている複数の状態を複数のサービス要求へと変換し、
該複数のサービス要求を発行して前記ホームオートメーションシステムの前記複数の異なるタイプの装置を制御し、
格納されている前記最後のメディアクエリについて要求を発行して前記オーディオ又はビデオコンテンツを再生させる
よう動作することが可能なものである、マシン読み取り可能媒体。