(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】コンテンツ提供装置、推奨コンテンツ提示方法、ならびに、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20220126BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220126BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020185696
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2020-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】ゴール ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ザタルマン アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】法隆 武恋男
(72)【発明者】
【氏名】山田 朋子
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-503586(JP,A)
【文献】特表2019-520010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供部と、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定部と、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定部によって設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定部と、
前記選定部によって選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項2】
前記提供部は、前記設定部によって設定された前記開始日時が到来すると、対応付けられた前記後続コンテンツを新たな前記利用可能コンテンツとして前記ユーザ端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項3】
前記後続コンテンツが属する前記集合コンテンツに関連する他の前記集合コンテンツ内から、前記利用可能コンテンツのうちの前記未利用コンテンツを特定する特定部を更に備え、
前記選定部は、前記特定部によって特定された前記未利用コンテンツを、前記推奨コンテンツとして選定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項4】
前記特定部によって特定された前記未利用コンテンツについて、前記ユーザが利用した場合に費やされる所要時間を推定する推定部を更に備え、
前記選定部は、前記推定部によって推定された前記所要時間の累積が前記残り時間以上となるまで、前記特定部による前記未利用コンテンツの特定と前記推定部による前記所要時間の推定とを継続させつつ、前記推奨コンテンツの選定を繰り返す、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記推奨リストに沿った前記推奨コンテンツを前記ユーザが順序通りに利用し、前記後続コンテンツを利用するに至った日時が前記開始日時よりも前であっても、前記開始日時との時間差が基準内の場合に、前記後続コンテンツを新たな前記利用可能コンテンツとして前記ユーザ端末へ提供する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項6】
前記選定部は、前記推奨リストが前記ユーザ端末に提示された後、前記推奨リストに沿った前記推奨コンテンツが前記ユーザに利用されないまま所定時間が経過していると、現時点から前記開始日時までの前記残り時間に応じて、前記推奨コンテンツを再選定し、
前記生成部は、前記選定部によって再選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた前記推奨リストを再生成し、
前記提示部は、前記生成部によって再生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に再提示する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項7】
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部を備えたコンテンツ提供装置が実行する推奨コンテンツ提示方法であって、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供ステップと、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定ステップと、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定ステップにて設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定ステップと、
前記選定ステップにて選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにて生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示ステップと、
を備えることを特徴とする推奨コンテンツ提示方法。
【請求項8】
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部を備えたコンピュータを、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供部、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定部、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定部によって設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定部、
前記選定部によって選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成部、
前記生成部によって生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提供装置、推奨コンテンツ提示方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍が広く利用されている。例えば、ユーザは、専用の電子書籍リーダやスマートフォン等のユーザ端末を用いて、購入等した電子書籍を自由に閲覧することができるようになっている。
【0003】
このような電子書籍の先行技術として、例えば、特許文献1には、ユーザの購買意欲を高めるために好適な電子書籍システムの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した電子書籍を提供する電子書籍システムでは、例えば、プロモーションのために、一部の電子書籍をユーザが無料で利用(閲覧等)できるようにしている。つまり、無料の電子書籍を契機として、より多くのユーザに、ユーザ端末を用いた電子書籍の使い勝手や電子書籍の内容等を確認してもらい、後続する電子書籍や関連する電子書籍の購入を促している。
【0006】
また、最近では、コミックス(漫画)等の電子書籍を無料で提供する際に、1話単位に適宜管理した上で、ユーザが利用できるようにすることも試みられている。例えば、あるコミックス等の電子書籍において、最初に第1話(1話目)だけが利用可能となっており、その第1話がユーザに利用されると、電子書籍システムは、一定時間(一例として、23時間)が経過した後に、同じ電子書籍の第2話(2話目)がそのユーザに対して利用可能となるように管理している。以降も同様に、先行話(第2話等)がユーザに利用されると、一定時間が経過した後に、後続話(第3話等)がそのユーザに対して利用可能となるように管理される。
【0007】
このように、無料の電子書籍を1話単位に時間を空けてユーザが利用できるようにすることで、例えば、ユーザの生活において生じる日々の隙間時間(一例として、電車やバスでの移動時、学業や仕事の休憩時、就寝前等)において、ユーザ端末から電子書籍システムへアクセスして電子書籍を利用することが、ユーザの習慣になることも期待できる。そして、このような隙間時間は、ユーザ毎にだいたい同じ時間帯に生じ易いため、前日の隙間時間にて先行話を利用すると、翌日の隙間時間(同じ時間帯)にて後続話を利用できることになる。
【0008】
しかしながら、休日などでは、時間に余裕のあるユーザも多く、普段利用する時間帯よりも数時間早く、ユーザ端末から電子書籍システムへアクセスする場合も生じる。この場合、前日に利用した先行話に続く後続話がまだ利用可能となっていないことから、電子書籍システムから離脱して、他のことに時間を費やしてしまうユーザも多かった。
このような電子書籍システムからの離脱は、電子書籍の日常的な利用を止めてしまう切っ掛けにもなり得るため、あまり望ましいものではない。そのため、後続話が利用可能となる時間まで、ユーザに他の電子書籍を利用してもらうことが求められていた。
【0009】
なお、このような課題は、電子書籍を提供する電子書籍システムだけではなく、他に、動画やゲームといった各種のコンテンツを提供するシステム全般にも当てはまることになる。そのため、同様に、コンテンツが利用可能となる時間まで、ユーザに他のコンテンツを利用してもらうことが求められていた。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、コンテンツが利用可能となるまでの残り時間に応じて、推奨コンテンツを適切に選定して提示することのできるコンテンツ提供装置、推奨コンテンツ提示方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係るコンテンツ提供装置は、
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供部と、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定部と、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定部によって設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定部と、
前記選定部によって選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係るコンテンツ提供装置において、
前記提供部は、前記設定部によって設定された前記開始日時が到来すると、対応付けられた前記後続コンテンツを新たな前記利用可能コンテンツとして前記ユーザ端末へ提供するようにしてもよい。
【0013】
また、上記観点に係るコンテンツ提供装置は、
前記後続コンテンツが属する前記集合コンテンツに関連する他の前記集合コンテンツ内から、前記利用可能コンテンツのうちの前記未利用コンテンツを特定する特定部を更に備え、
前記選定部は、前記特定部によって特定された前記未利用コンテンツを、前記推奨コンテンツとして選定するようにしてもよい。
【0014】
また、上記観点に係るコンテンツ提供装置は、
前記特定部によって特定された前記未利用コンテンツについて、前記ユーザが利用した場合に費やされる所要時間を推定する推定部を更に備え、
前記選定部は、前記推定部によって推定された前記所要時間の累積が前記残り時間以上となるまで、前記特定部による前記未利用コンテンツの特定と前記推定部による前記所要時間の推定とを継続させつつ、前記推奨コンテンツの選定を繰り返すようにしてもよい。
【0015】
また、上記観点に係るコンテンツ提供装置において、
前記提供部は、前記推奨リストに沿った前記推奨コンテンツを前記ユーザが順序通りに利用し、前記後続コンテンツを利用するに至った日時が前記開始日時よりも前であっても、前記開始日時との時間差が基準内の場合に、前記後続コンテンツを新たな前記利用可能コンテンツとして前記ユーザ端末へ提供するようにしてもよい。
【0016】
また、上記観点に係るコンテンツ提供装置において、
前記選定部は、前記推奨リストが前記ユーザ端末に提示された後、前記推奨リストに沿った前記推奨コンテンツが前記ユーザに利用されないまま所定時間が経過していると、現時点から前記開始日時までの前記残り時間に応じて、前記推奨コンテンツを再選定し、
前記生成部は、前記選定部によって再選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた前記推奨リストを再生成し、
前記提示部は、前記生成部によって再生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に再提示するようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る推奨コンテンツ提示方法は、
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部を備えたコンテンツ提供装置が実行する推奨コンテンツ提示方法であって、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供ステップと、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定ステップと、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定ステップにて設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定ステップと、
前記選定ステップにて選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにて生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
利用される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを、複数記憶する記憶部を備えたコンピュータを、
前記記憶部に記憶されている複数の前記集合コンテンツ内のコンテンツのうち、ユーザが利用できる利用可能コンテンツをユーザ端末へ提供する提供部、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうち、前記ユーザに利用されていなかった未利用コンテンツが最初に利用されると、当該未利用コンテンツに続く後続コンテンツが利用可能となる開始日時を、当該後続コンテンツに対応付けて設定する設定部、
前記ユーザ端末へ提供された前記利用可能コンテンツのうちから、前記設定部によって設定された前記開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨コンテンツを選定する選定部、
前記選定部によって選定された前記推奨コンテンツの後に前記後続コンテンツが順序付けられた推奨リストを生成する生成部、
前記生成部によって生成された前記推奨リストを前記ユーザ端末に提示する提示部、
として機能させることを特徴とする。
【0019】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。
更に、上記プログラムを記録する情報記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体であり、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コンテンツが利用可能となるまでの残り時間に応じて、推奨コンテンツを適切に選定して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係るコンテンツ提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】コンテンツ提供装置、及び、ユーザ端末が実現される典型的な情報処理装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るコンテンツ提供装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】コンテンツ管理情報の一例を示す模式図である。
【
図6】本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】ユーザ端末に表示される推奨リストの一例を示す模式図である。
【
図8】本実施形態に係る利用管理処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る推奨提示処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態では、電子書籍を提供するコンテンツ提供システムを一例として説明するが、後述するように、このような電子書籍に限られず、例えば、動画やゲームといった他のコンテンツを提供するコンテンツ提供システムにおいても適用可能である。
つまり、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0023】
(全体構成)
本発明の実施形態に係るコンテンツ提供システム100は、
図1に示すように、電子書籍を提供するコンテンツ提供装置200と、ユーザに使用されるユーザ端末300とがインターネット900を介して接続されて構成される。なお、図中では簡略化しているが、ユーザ端末300は、システムを利用するユーザの数に応じて、多数存在しているものとする。
【0024】
コンテンツ提供装置200は、無料の電子書籍を含んだ各種(一例として、コミックス、小説、実用書、写真集等)の電子書籍を管理し、無料の電子書籍やユーザに購入された電子書籍をユーザ端末300へ提供する。
なお、後述するように、コンテンツ提供装置200は、コミックス等の電子書籍を無料で提供する際に、1話単位に適宜管理し、1話毎に時間を空けてユーザが利用できるようにしている。
【0025】
ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン等であり、電子書籍アプリ等がインストールされている。なお、ユーザ端末300は、専用の電子書籍リーダであってもよい。
このようなユーザ端末300を使用するユーザは、例えば、電子書籍アプリを起動して(実行して)、コンテンツ提供装置200にアクセスする。そして、ユーザは、購入等により利用可能となった電子書籍を閲覧する。特に、無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合、コンテンツ提供装置200にて1話単位に適宜管理されており、先行話がユーザに利用されると、一定時間が経過した後に、後続話がそのユーザに対して利用可能となっている。
なお、ユーザは、ユーザ端末300にインストールされているブラウザ(ブラウザアプリ)を起動して、コンテンツ提供装置200にアクセスし、このような電子書籍を利用できるようにしてもよい。
【0026】
(情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係るコンテンツ提供装置200、及び、ユーザ端末300が実現される典型的な情報処理装置400について説明する。
【0027】
情報処理装置400は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、NIC(Network Interface Card)404と、画像処理部405と、音声処理部406と、補助記憶部407と、インターフェース408と、操作ユニット409と、表示ユニット410と、を備える。
【0028】
CPU 401は、情報処理装置400全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0029】
ROM 402には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、補助記憶部407に記憶されたプログラムをRAM 403に読み出してCPU 401による当該プログラムの実行が開始される。
【0030】
RAM 403は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、補助記憶部407から読み出されたプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0031】
NIC 404は、情報処理装置400をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE-T/100BASE-T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等から構成される。
【0032】
画像処理部405は、補助記憶部407等から読み出された画像データをCPU 401や画像処理部405が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部405が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、インターフェース408等を介して外部に出力される。なお、情報処理装置400が内部に表示装置を備えている場合において、画像処理部405は、変換したビデオ信号を当該表示装置に出力する。つまり、画像処理部405は、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で必要となる画像を生成し、その画像を内部又は外部の表示装置に表示させる。
【0033】
音声処理部406は、補助記憶部407等から読み出された音楽データや音声データを音声信号に変換し、インターフェース408等を介して外部に出力する。なお、情報処理装置400が内部にスピーカを備えている場合において、音声処理部406は、変換した音声信号を当該スピーカに出力する。つまり、音声処理部406は、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で発生させるべき楽曲音や音声を生成し、その楽曲音等を内部又は外部のスピーカから出力させる。
【0034】
補助記憶部407は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等であり、情報処理装置400全体の動作制御に必要な各種のプログラムや各種のデータを記憶する。例えば、補助記憶部407には、実施形態に係るコンテンツ提供装置200等を実現するためのプログラムが記憶される。そして、CPU 401の制御によって、補助記憶部407は、記憶されたプログラムやデータを適宜読み出し、これらをRAM 403等に一時的に記憶させる。
【0035】
インターフェース408は、例えば、HDMI(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠しており、操作ユニット409、及び、表示ユニット410が接続される。なお、インターフェース408は、この他に接続された外部機器との間で必要な情報を送受信する。
【0036】
操作ユニット409は、情報処理装置400を利用する作業者等の操作入力を受け付ける。
【0037】
表示ユニット410は、画像処理部405により出力された画像データに応じた画像を描画し、情報処理装置400を利用する作業者等に提示する。
【0038】
この他に、情報処理装置400は、補助記憶部407の代わりに、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のドライブユニットを備えるようにしてもよい。この場合、情報処理装置400は、ドライブユニットに装着されるDVD-ROM等からプログラムやデータを読み出して、上記と同様に動作する。
【0039】
以下、上記の情報処理装置400において実現されるコンテンツ提供装置200の機能構成等について、
図3~
図5を参照して説明する。情報処理装置400に電源が投入され、例えば、ユーザ端末300との通信が可能になると、本実施形態に係るコンテンツ提供装置200として機能させるプログラムが実行され、本実施形態に係るコンテンツ提供装置200が実現される。
なお、後述するように、ユーザ端末300も同様に情報処理装置400によって実現される。
【0040】
(コンテンツ提供装置200の機能構成)
図3は、本実施形態に係るコンテンツ提供装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図示するように、コンテンツ提供装置200は、受信部210と、送信部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0041】
受信部210は、インターネット900を介してユーザ端末300から送られる情報を受信する。
例えば、受信部210は、ユーザ端末300から送られる電子書籍の購入指示や利用可能となった電子書籍の閲覧指示等を受信する。
上述したNIC 404が、このような受信部210として機能しうる。
【0042】
送信部220は、インターネット900を介してユーザ端末300等へ必要な情報を送信する。
例えば、送信部220は、購入等により利用可能となった電子書籍の実データをユーザ端末300に送信する。なお、無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合、1話単位に管理されているため、送信部220は、利用可能話(利用可能となった1話)をユーザ端末300に送信する。
また、送信部220は、後述するように、制御部240(生成部246)が生成した推奨リストを、ユーザ端末300に送信する。
上述したNIC 404が、このような送信部220として機能しうる。
【0043】
記憶部230は、例えば、ユーザが利用できる電子書籍(将来的に利用できる電子書籍も含む)を管理するためのコンテンツ管理情報を記憶する。
【0044】
例えば、記憶部230は、
図4に示すようなコンテンツ管理情報231を記憶している。
図4に示すように、コンテンツ管理情報231には、一例として、ユーザID231a、コンテンツID231b、枝番231c、可否区分231d、開始日時231e、及び、利用区分231fが含まれている。
なお、コンテンツID231bは、電子書籍を識別するための情報である。また、枝番231cは、電子書籍内における各話を識別するための情報である。また、可否区分231dは、電子書籍全体、若しくは、電子書籍内の各話について、利用可能(1:可)であるか、利用不可(0:否)であるかを示している。
また、開始日時231eは、電子書籍全体、若しくは、電子書籍内の各話について、利用可能となる日時を示している。無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合、先行話がユーザに利用されると、後続話に対応する開始日時231eに一定時間後(一例として、23時間後)の日時が設定されるようになっている。また、利用区分231fは、電子書籍全体、若しくは、電子書籍内の各話について、利用された(1:既読)か、利用されていない(0:未読)かを示している。
【0045】
この他にも、記憶部230は、各ユーザについてのユーザ情報(ユーザID、パスワード、住所、年齢、決済カード情報等)、各電子書籍の管理情報(コンテンツID、書籍名、作者名、ジャンル等)、及び、各電子書籍の実データも記憶している。
なお、上述した補助記憶部407等が、このような記憶部230として機能しうる。
【0046】
図3に戻って、制御部240は、コンテンツ提供装置200全体を制御する。
この制御部240は、例えば、提供部241、設定部242、特定部243、推定部244、選定部245、生成部246、及び、提示部247を含んでいる。
【0047】
提供部241は、ユーザが利用できる電子書籍を、送信部220を制御して、ユーザ端末300へ提供する。なお、無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合、提供部241は、電子書籍内における各話のうち、ユーザが利用できる利用可能話(利用可能コンテンツ)をユーザ端末300へ提供する。
【0048】
設定部242は、ユーザ端末300へ提供された利用可能話のうち、ユーザに利用されていなかった未読話(未利用コンテンツ)が最初に利用されると、その未読話に続く後続話(後続コンテンツ)が利用可能となる開始日時を、その後続話に対応付けて設定する。
具体的に、無料コミックスである『○○の刃 第1巻』の第2話(一例として、
図4のコンテンツ管理情報231において、コンテンツID231bが「ABC123DEF」、枝番231cが「02」で示される電子書籍)が最初に利用されると、設定部242は、コンテンツ管理情報231を参照し、その電子書籍に後続話(枝番231cが「03」)があるため、その後続話に対応する開始日時231eに、一定時間後(一例として、23時間後)の日時である「10/02 21:51」を設定する。
【0049】
特定部243は、上記の設定部242が開始日時を設定した後続話が属する電子書籍(つまり、利用された電子書籍)に関連する他の電子書籍内の利用可能話のうちから、未読話を特定する。
例えば、特定部243は、利用された『○○の刃 第1巻』と同じジャンルや同じ作者の無料コミックス(一例として、『キング×× 第1巻』、『△△マン 第1巻』、『転生□□ 第1巻』・・・)のうちで、ユーザが利用可能な未読話を特定する。
【0050】
推定部244は、上記の特定部243によって特定された未読話について、ユーザが利用した場合に費やされる所要時間を推定する。
例えば、推定部244は、未読話における全文字数、全コマ数、全ページ数等に基づいて、所要時間を推定する。なお、過去にユーザが同様の電子書籍を利用した際に要した実時間が計測されている場合、推定部244は、その実時間を加味して、所要時間を推定してもよい。
【0051】
選定部245は、設定部242によって設定された開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨話(推奨コンテンツ)を選定する。つまり、選定部245は、特定部243によって特定された未読話を、推奨話として選定する。
具体的に、選定部245は、推定部244によって推定された所要時間の累積が残り時間以上となるまで、特定部243による未読話の特定と推定部244による所要時間の推定とを継続させつつ、推奨話の選定を繰り返す。
【0052】
生成部246は、上記の選定部245によって選定された推奨話の後に後続話が順序付けられた推奨リストを生成する。
例えば、生成部246は、
図5に示すような推奨リストRLを生成する。この推奨リストRLには、複数の候補話RCの後に、後続話KCが順序付けられている。この場合、ユーザが各候補話RCを利用すると、後続話KCの開始日時が到来することが見込まれ、そのまま後続話KCを利用できるようになっている。
【0053】
図3に戻って、提示部247は、上記の生成部246によって生成された推奨リストをユーザ端末300に提示する。
つまり、
図5に示すような推奨リストRLを、送信部220を通じてユーザ端末300に送信し、その推奨リストRLをユーザに提示させる。
【0054】
制御部240は、この他にも、ユーザ端末300からの操作に応じて、ユーザが購入した電子書籍の決済処理なども行う。
上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部240として機能しうる。
【0055】
(ユーザ端末300の機能構成)
図6は、本実施形態に係るユーザ端末300の機能構成の一例を示すブロック図である。図示するように、ユーザ端末300は、受信部310と、送信部320と、表示部330と、受付部340と、制御部350とを備える。
【0056】
受信部310は、インターネット900を介してコンテンツ提供装置200等から送られる情報を受信する。
例えば、受信部310は、コンテンツ提供装置200から送られる電子書籍の実データを受信する。つまり、受信部310は、購入等により利用可能となった電子書籍を受信する。なお、無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合、上述したように、1話単位に管理されているため、受信部310は、コンテンツ提供装置200から送られる利用可能話を受信する。
また、受信部310は、コンテンツ提供装置200から送られる推奨リストを受信する。
上述したNIC 404が、このような受信部310として機能しうる。
【0057】
送信部320は、コンテンツ提供装置200に向けた情報を、インターネット900を介して送信する。
例えば、送信部320は、電子書籍の購入指示や利用可能となった電子書籍の閲覧指示等を、コンテンツ提供装置200に送信する。
上述したNIC 404が、このような送信部320として機能しうる。
【0058】
表示部330は、ユーザに報知するための種々の情報を表示する。
例えば、表示部330は、利用可能な電子書籍に対する閲覧指示に従って、その電子書籍の内容を表示する。また、上述した受信部310が、コンテンツ提供装置200から送られた推奨リストを受信すると、表示部330は、
図7に示すような推奨リストRLを表示する。
上述した表示ユニット410が、このような表示部330として機能しうる。
【0059】
図6に戻って、受付部340は、ユーザからの操作を受け付ける。
例えば、受付部340は、表示部330に重畳されたタッチパネルであり、上述した
図7に示すような推奨リストRLが表示されている場合に、候補話等へのタッチ操作を受け付ける。候補話等がタッチ操作されると、対応する電子書籍の内容が表示部330に表示され、ユーザが目的の電子書籍を閲覧できるようになる。
上述した操作ユニット409が、このような受付部340として機能しうる。
【0060】
制御部350は、ユーザ端末300全体を制御する。
例えば、制御部350は、ユーザの操作に従って、電子書籍アプリを起動させ、コンテンツ提供装置200にアクセスして、利用可能な電子書籍の実データを取得する。
また、制御部350は、ユーザからの閲覧指示に従って、電子書籍の実データを画像処理し、その電子書籍の内容を表示部330に表示させる。
上述したCPU 401等が、このような制御部350として機能しうる。
【0061】
(コンテンツ提供装置200の動作)
以下、このような構成のコンテンツ提供システム100におけるンテンツ提供装置200の動作について
図8及び
図9を参照して説明する。
図8は、コンテンツ提供装置200が実行する利用管理処理の流れを示すフローチャートである。また、
図9は、コンテンツ提供装置200が実行する推奨提示処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
最初に、
図8の利用管理処理について説明する。この利用管理処理は、例えば、電子書籍アプリが起動されると、バックグラウンドで常時実行される。
【0063】
まず、コンテンツ提供装置200は、可否区分に従って、利用可能話をユーザ端末300へ提供する(ステップS11)。
すなわち、制御部240(提供部241)は、
図4に示すコンテンツ管理情報231における可否区分231dが1(可)の電子書籍を、ユーザ端末300へ提供する。例えば、無料で提供されるコミックス等の電子書籍の場合に、制御部240は、電子書籍の各話のうち、ユーザが利用できる利用可能話をユーザ端末300へ提供する。
【0064】
コンテンツ提供装置200は、未読話の利用があったか否かを判別する(ステップS12)。
すなわち、制御部240は、上記のステップS11にてユーザ端末300へ提供された利用可能話のうち、ユーザに利用されていなかった未読話がユーザに利用されたかどうかを判別する。
【0065】
コンテンツ提供装置200は、未読話の利用がなかったと判別すると(ステップS12;No)、後述するステップS15に処理を進める。
【0066】
一方、未読話の利用があった判別した場合(ステップS12;Yes)に、コンテンツ提供装置200は、利用区分を既読に更新する(ステップS13)。
すなわち、制御部240は、
図4のコンテンツ管理情報231において、利用された未読話に対応する利用区分231fを、0(未読)から1(既読)に更新する。
【0067】
コンテンツ提供装置200は、後続話に開始日時を設定する(ステップS14)。
すなわち、制御部240(設定部242)は、
図4のコンテンツ管理情報231において、利用された未読話に続く後続話に対応する開始日時231eに、一定時間後(一例として、23時間後)の日時を設定する。
【0068】
コンテンツ提供装置200は、開始日時が到来した後続話があるか否かを判別する(ステップS15)。
すなわち、制御部240は、
図4のコンテンツ管理情報231において、可否区分231dが0(否)で、かつ、開始日時231eに日時が設定されている電子書籍の各話のうち、開始日時231eに設定された日時が到来したものがあるかどうかを判別する。
【0069】
コンテンツ提供装置200は、開始日時が到来した後続話がないと判別すると(ステップS15;No)、上述したステップS11に処理を戻す。
【0070】
一方、開始日時が到来した後続話があると判別した場合(ステップS15;Yes)に、コンテンツ提供装置200は、可否区分を更新する(ステップS16)。
すなわち、制御部240は、
図4のコンテンツ管理情報231において、開始日時231eが到来した後続話に対応する可否区分231dを、0(否)から1(可)に更新する。
そして、コンテンツ提供装置200は、上述したステップS11に処理を戻す。この場合、可否区分が更新された電子書籍(後続話)が、ステップS11にて、ユーザ端末300へ提供されることになる。
【0071】
このような利用管理処理によって、無料で提供されるコミックス等の電子書籍が、1話単位に適宜管理される。そして、先行話がユーザに利用されると、一定時間が経過した後に、後続話がそのユーザに対して利用可能となる。
【0072】
次に、
図9の推奨提示処理について説明する。この推奨提示処理は、例えば、ユーザ端末300から、開始日時が到来していない電子書籍(後続話)の閲覧が試みられた際に実行される。
【0073】
まず、コンテンツ提供装置200は、累積値をゼロクリアする(ステップS21)。
すなわち、制御部240は、推定される所要時間を累積するための累積値に、初期値のゼロをセットする。
【0074】
コンテンツ提供装置200は、後続話に設定された開始日時までの残り時間を算出する(ステップS22)。
すなわち、制御部240は、開始日時が到来する前に閲覧を試みられた後続話について、現時点からその開始日時までの残り時間を算出する。
【0075】
コンテンツ提供装置200は、関連する電子書籍内の利用可能話から、未読話を特定する(ステップS23)。
すなわち、制御部240(特定部243)は、後続話が属する電子書籍(つまり、利用された電子書籍)に関連する他の電子書籍内の利用可能話のうちから、未読話を特定する。
例えば、制御部240は、利用された無料コミックスと同じジャンルや同じ作者の無料コミックスのうちで、ユーザが利用可能な未読話を特定する。
【0076】
コンテンツ提供装置200は、上記のステップS23にて特定した未読話をユーザが利用した場合の所要時間を推定する(ステップS24)。
例えば、制御部240(推定部244)は、未読話における全文字数、全コマ数、全ページ数等に基づいて、所要時間を推定する。なお、過去にユーザが同様の電子書籍を利用した際に要した実時間が計測されている場合、制御部240は、その実時間を加味して、所要時間を推定してもよい。
【0077】
コンテンツ提供装置200は、上記のステップS24にて推定した所要時間から、未読話が候補として妥当か否かを判別する(ステップS25)。
例えば、制御部240は、残り時間との関係で所要時間が極端に長い場合、若しくは、極端に短い場合に、候補として妥当でないと判別する。なお、このような妥当性の判断手法は一例であり、他の観点で未読話の妥当性を判別してもよい。例えば、ユーザの年齢と、未読話のレーティング(若しくは、未読話が属する電子書籍のレーティング)との関係で、未読話の妥当性を判別してもよい。
【0078】
コンテンツ提供装置200は、候補として妥当でないと判別すると(ステップS25;No)、上述したステップS23に処理を戻す。
【0079】
一方、候補として妥当であると判別した場合(ステップS25;Yes)に、コンテンツ提供装置200は、ステップS23にて特定した未読話を候補に選定し、ステップS24にて推定した所要時間を累積値に加算する(ステップS26)。
すなわち、制御部240(選定部245)は、妥当性がチェックされた未読話を、推奨話として選定する。そして、制御部240は、残り時間と比較するための累積値に所要時間を加算する。
【0080】
コンテンツ提供装置200は、累積値が残り時間以上となったか否かを判別する(ステップS27)。
【0081】
コンテンツ提供装置200は、累積値が残り時間以上でないと判別すると(ステップS27;No)、上述したステップS23に処理を戻す。
【0082】
一方、累積値が残り時間以上であると判別した場合(ステップS27;Yes)に、コンテンツ提供装置200は、候補に選定した未読話を含む推奨リストを生成する(ステップS28)。
例えば、制御部240(生成部246)は、
図5に示すような推奨リストRLを生成する。この推奨リストRLには、複数の候補話RCの後に、後続話KCが順序付けられている。この場合、ユーザが各候補話RCを利用すると、後続話KCの開始日時が到来することが見込まれ、そのまま後続話KCを利用できるようになっている。
【0083】
コンテンツ提供装置200は、上記のステップS28にて生成した推奨リストを、ユーザ端末300に提示する(ステップS29)。
例えば、制御部240(提示部247)は、
図5に示すような推奨リストRLを送信部220を通じてユーザ端末300に送信し、その推奨リストRLをユーザに提示させる。つまり、ユーザ端末300には、
図7に示すような推奨リストRLが表示されることになる。
【0084】
このような推奨提示処理によって、開始日時が到来していない後続話の閲覧が試みられた際に、その後続話が利用可能となるまでの残り時間に応じて、その残り時間を費やすだけの推奨話が提示される。そのため、ユーザが、提示された推奨話を閲覧して行くことで、開始日時が到来し、当初の目的の後続話を閲覧できるようになる。
【0085】
この結果、後続話(後続コンテンツ)が利用可能となるまでの残り時間に応じて、推奨話(推奨コンテンツ)を適切に選定して提示することができる。
【0086】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、ユーザ端末300に提示した推奨リストに沿って、ユーザが各推奨話を利用して行くことで、後続話に設定された開始日時が到来する場合について説明したが、実際には、ユーザが後続話を読む速度が速く、開始日時が到来する前に、後続話を全て読み終えてしまうことも起こり得る。
そのような場合に、コンテンツ提供装置200において、開始日時を前倒しにして、直ぐに後続話を利用できるようにしてもよい。
例えば、ユーザ端末300に提示した推奨リストに沿って、ユーザが推奨話を利用して行き、後続話を利用するに至った日時が開始日時よりも前であっても、その開始日時との時間差が基準内(一例として、10分以内)の場合に、提供部241は、後続話の可否区分を利用可に更新してユーザ端末300へ提供するようにしてもよい。
この場合、推奨リストに対するユーザの評価を高めることができ、推奨リストに沿った利用が促進され得る。
【0087】
また、上記の実施形態では、推奨リストをユーザ端末300に提示するまでについて説明したが、推奨リストに沿った利用がなされないまま長時間が経過してしまうと、その推奨リストが適切とは言えなくなる。
そのような場合に、コンテンツ提供装置200において、推奨リストを更新するようにしてもよい。
例えば、選定部245は、推奨リストがユーザ端末300に提示された後、推奨リストに沿った推奨話が利用されないまま所定時間が経過していると、現時点から開始日時までの残り時間に応じて、推奨話を再選定する。
また、生成部246は、選定部245によって再選定された推奨話の後に後続話が順序付けられた推奨リストを再生成する。
そして、提示部247は、生成部246によって再生成された推奨リストをユーザ端末300に再提示する。
この場合、より適切な推奨リストをユーザ端末300に再提示することができる。
【0088】
また、上記の実施形態では、電子書籍を提供するコンテンツ提供システム100を一例として説明したが、このような電子書籍に限られず、例えば、動画やゲームといった他のコンテンツを提供してもよい。
つまり、利用(視聴やプレイ等)される順序が規定された複数のコンテンツから構成され、先行するコンテンツが利用されると後続するコンテンツが一定時間後に利用可能となる集合コンテンツを提供するコンテンツ提供システム100においても、同様に適用可能である。
【0089】
以上説明したように、本発明によれば、コンテンツが利用可能となるまでの残り時間に応じて、推奨コンテンツを適切に選定して提示することのできるコンテンツ提供装置、推奨コンテンツ提示方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0090】
100 コンテンツ提供システム
200 コンテンツ提供装置
210 受信部
220 送信部
230 記憶部
240 制御部
241 提供部
242 設定部
243 特定部
244 推定部
245 選定部
246 生成部
247 提示部
300 ユーザ端末
310 受信部
320 送信部
330 表示部
340 受付部
350 制御部
400 情報処理装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 NIC
405 画像処理部
406 音声処理部
407 補助記憶部
408 インターフェース
409 操作ユニット
410 表示ユニット
900 インターネット
【要約】
【課題】コンテンツが利用可能となるまでの残り時間に応じて、推奨コンテンツを適切に選定して提示することのできるコンテンツ提供装置等を提供する。
【解決手段】記憶部230は、先行話が利用されると一定時間後に、後続話が利用可能となる電子書籍を複数記憶する。提供部241は、複数の電子書籍の各話のうち、ユーザが利用できる利用可能話をユーザ端末へ提供する。設定部242は、この利用可能話のうち、未読話がユーザに利用されると、その未読話に続く後続話が利用可能となる開始日時を、その後続話に対応付けて設定する。選定部245は、利用可能話のうちから、設定部242によって設定された開始日時までの残り時間に応じて、少なくとも1つの推奨話を選定する。生成部246は、選定された推奨話の後に後続話が順序付けられた推奨リストを生成する。提示部247は、生成された推奨リストをユーザ端末に提示する。
【選択図】
図3