(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】クーポン管理装置及びクーポン管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220127BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
G07G1/12 321N
(21)【出願番号】P 2020143061
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】500165795
【氏名又は名称】ネットパイロティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117592
【氏名又は名称】土生 哲也
(72)【発明者】
【氏名】武井 健太郎
【審査官】岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190204(JP,A)
【文献】特開2007-299104(JP,A)
【文献】特開2020-107263(JP,A)
【文献】特開2013-089071(JP,A)
【文献】特許第5088910(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、
前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備え
ていて、
前記受信手段は、前記利用者が前記クーポンの利用時に前記利用者を識別する利用者コードを提示した場合は前記利用者コードを含む利用情報受信して、
前記決定手段は、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、前記受信手段が受信する利用情報に前記利用者コードが含まれていない場合は、前記利用者コードが含まれている場合より、前記発券者に不利な特典を付与する、又は付与される特典なしと決定すること
を特徴とするクーポン管理装置。
【請求項2】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、
前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備え
ていて、
前記受信手段は、前記利用者が前記クーポンの利用時に前記利用者を識別する利用者コードを提示した場合は前記利用者コードを含む利用情報受信して、
前記決定手段は、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、前記受信手段が受信する利用情報に前記利用者コードが含まれていない場合は、前記利用者コードが含まれている場合より、前記発券者に不利な特典を付与する、又は付与される特典なしと決定すること
を特徴とするクーポン管理装置。
【請求項3】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、
前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備え
ていて、
前記受信手段は、前記利用者を識別する利用者コードと、前記クーポンを利用して前記利用者が購入した商品を識別する商品コードを受信して、
前記決定手段は、前記利用者コードから識別する利用者の前記商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理装置。
【請求項4】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、
前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備え
ていて、
前記受信手段は、前記利用者を識別する利用者コードと、前記クーポンを利用して前記利用者が購入した商品を識別する商品コードを受信して、
前記決定手段は、前記利用者コードから識別する利用者の前記商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理装置。
【請求項5】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、
前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備え
ていて、
前記記憶手段には、前記発券IDと発券したクーポンの対象商品を識別する商品コードが関連づけて記憶され、
前記受信手段は、前記利用者を識別する利用者コードを受信して、
前記決定手段は、前記利用者コードから識別する利用者の、前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理装置。
【請求項6】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、
コンピュータが、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、
前記コンピュータが、前記受信ステップで受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有
していて、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者が前記クーポンの利用時に前記利用者を識別する利用者コードを提示した場合は前記利用者コードを含む利用情報を受信して、
前記決定ステップにおいて、前記コンピュータは、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、前記受信手段が受信する利用情報に前記利用者コードが含まれていない場合は、前記利用者コードが含まれている場合より、前記発券者に不利な特典を付与する、又は付与される特典なしと決定すること
を特徴とするクーポン管理方法。
【請求項7】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段を備えるコンピュータが、前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、
前記コンピュータが、前記記憶手段に前記受信ステップで受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有
していて、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者が前記クーポンの利用時に前記利用者を識別する利用者コードを提示した場合は前記利用者コードを含む利用情報を受信して、
前記決定ステップにおいて、前記コンピュータは、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、前記受信手段が受信する利用情報に前記利用者コードが含まれていない場合は、前記利用者コードが含まれている場合より、前記発券者に不利な特典を付与する、又は付与される特典なしと決定すること
を特徴とするクーポン管理方法。
【請求項8】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、
コンピュータが、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、
前記コンピュータが、前記受信ステップで受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有
していて、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者を識別する利用者コードと、前記クーポンを利用して前記利用者が購入した商品を識別する商品コードを含む利用情報を受信して、
前記決定ステップにおいて、前記利用者コードから識別する利用者の前記商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記コンピュータは、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理方法。
【請求項9】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段を備えるコンピュータが、前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、
前記コンピュータが、前記記憶手段に前記受信ステップで受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有
していて、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者を識別する利用者コードと、前記クーポンを利用して前記利用者が購入した商品を識別する商品コードを含む利用情報を受信して、
前記決定ステップにおいて、前記利用者コードから識別する利用者の前記商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記コンピュータは、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理方法。
【請求項10】
物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、
クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段を備えるコンピュータが、前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、
前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、
前記コンピュータが、前記記憶手段に前記受信ステップで受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有
していて、
前記記憶手段には、前記発券IDと発券したクーポンの対象商品を識別する商品コードが関連づけて記憶され、
前記受信ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者を識別する利用者コードを含む利用情報を受信して、
前記決定ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者コードから識別する利用者の、前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、異なる特典を付与される特典として決定し得ること
を特徴とするクーポン管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙媒体等の物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に、譲渡されたクーポンが利用されるとポイント等の特典を付与する、クーポン管理装置及びクーポン管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドラッグストア、スーパー、コンビニエンスストア、飲食店等のチェーンストアでは、顧客の来店を促すために、来店して商品を購入すると商品の値引きやボーナスポイントの付与等の特典の付与を受けられる、クーポンの発行が広く行われている。こうしたクーポンは、商品の購入時に渡されるレシートや、折込みチラシ等の紙媒体に印刷して提供されることが多い。
【0003】
その一方で、近年はスマートフォンの普及に伴って、電子化されたクーポンが提供される例も増加している。クーポンが電子化されると、顧客間でクーポンが譲渡される場合にその譲渡経路を追跡しやすくなるので、譲渡されたクーポンが利用されるとその仲介者に対してポイントを付与することによって、電子クーポンが広範に配布されて商品の販売促進につながるように、その譲渡を促すための発明が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-190204号公報
【文献】特開2003-187140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした発明を利用して、電子クーポンを利用して商品が購入された際に、電子クーポンを譲渡した人に、商品の購入代金等に充当できるポイント等の特典を付与することができると、電子クーポンを入手した顧客にはそれがインセンティブとなり、発行した電子クーポンが拡散されて商品の販売を促進する効果を期待することができる。しかしながら、電子クーポンの利用、さらにその受渡しには、顧客がスマートフォン等の携帯端末の利用にある程度習熟していることが前提となるため、スマートフォン等を所持しない、あるいは積極的に活用しない顧客層がターゲットから外れてしまうという限界がある。
【0006】
特に、そうした顧客層に該当することが多い高齢者等の利用が多いチェーンストアでは、電子クーポンを利用しない顧客に対しても、発行されたクーポンの拡散を促すスキームが求められるところである。電子クーポンを利用しない顧客層の中にも、お得な情報を周囲によく知らせているなど、友人や知人の間で影響力のある人物が存在することが推認されるが、現状ではそうした顧客を把握する有効な手段が存在しない。こうしたリアルの世界で影響力を持つ顧客に対して、クーポンを譲渡するインセンティブを付与してその拡散を促せば、現在はSNSを活用して若年層を中心に推進されているインフルエンサー・マーケティングを、リアルの世界で幅広い年齢層を対象にして展開できる可能性がある。
【0007】
さらに、電子クーポンを利用しない顧客間でのクーポンの譲渡を想定すると、ポイントサービスのアプリ等を利用していることが前提となる電子クーポンを活用するケースとは異なり、譲渡されたクーポンを利用する顧客が、ポイントサービスの前提となるポイントカードを所持していない、あるいは所持していても面倒なので商品の購入時に提示しない、といった事態が生じやすくなると考えられる。チェーンストア等の顧客囲い込みの観点からは、こうした場面におけるポイントサービスの利用促進にも効果的なスキームとなることが好ましい。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、紙媒体等の物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に、譲渡されたクーポンが利用されるとポイント等の特典を付与する、クーポン管理装置及びクーポン管理方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明に係るクーポン管理装置は、紙媒体等の物理媒体を用いて発券された、チェーンストア等の商品の販売者が発行するクーポンに、当該クーポンを発券した発券者を特定することが可能な識別コードを表示させ、クーポンの利用時にはこの識別コードから発券者を特定してポイント等の特典付与を決定する構成とすることによって、電子媒体によらないクーポンの譲渡を促すスキームの実現を可能にしている。
【0010】
本願の課題を解決する第1の発明は、物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備えることを特徴とするクーポン管理装置である。
【0011】
本願の課題を解決する第2の発明は、物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理装置であって、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段と、前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信手段と、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定手段と、を備えることを特徴とするクーポン管理装置である。
【0012】
第1の発明では、発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードをクーポンに印字すること等により表示させ、第2の発明では、発券者を識別する発券者コードと紐付けられたクーポン毎に割り当てられた発券IDを読み取り可能な識別コードをクーポンに印字すること等により表示させることによって、クーポンの利用時には、クーポンに表示された識別コードから発券者を特定することが可能な構成としている。
【0013】
尚、本発明におけるクーポンには、商品の購入時にレジで提示すると、値引きやボーナスポイント付与等を受けられる紙媒体等の物理媒体を用いたクーポンが該当する。本発明で用いられるクーポンには、物理的な商品の購入のみを対象とするものではなく、飲食店における代金の支払いや、その他のサービスの利用時の支払いに利用できるクーポンも含まれる。また、クーポンが利用されると発券者に付与される特典には、商品の購入代金等に充当できるポイントの他、商品購入時の代金に適用される値引きクーポン等も含まれる。
【0014】
本発明は、発券者に対して発券されたクーポンの利用実績から判断される、各々の発券者の他の利用者に対する影響度を管理する管理手段を備えていて、前記送信手段は、前記影響度を考慮して選択されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを送信することを特徴とすることもできる。
【0015】
このように構成すると、例えば、多くの利用者がその発券者から譲渡されたクーポンを利用していて、影響力が大きいと判断される発券者、すなわち、リアルな世界でのインフルエンサーと認定できる発券者に対して、より多くのクーポンや、より利用者に有利なクーポンを発券することによって、本発明によるクーポンの拡散効果をさらに高めることが可能になる。
【0016】
本発明は、前記決定手段は、前記クーポンを利用して同一かつ同数量の商品が購入された場合であっても、前記受信手段が受信した前記クーポンの利用情報に基づいて、異なる特典を決定し得ることを特徴とすることもできる。
【0017】
このように構成すると、チェーンストア等のクーポンの発行主体の意図に沿って、発券者に対するインセンティブを変動させることができるので、本発明を、ポイントサービスの利用促進や、利用者が購入したことのない商品等の特定の商品の販売促進等に活用することも可能になる。
【0018】
本発明は、前記受信手段は、前記利用者が前記クーポンの利用時に前記利用者を識別する利用者コードを提示した場合は前記利用者コードを含む利用情報受信して、前記決定手段は、前記受信手段が受信する利用情報に前記利用者コードが含まれていない場合は、前記利用者コードが含まれている場合より、前記発券者に不利な特典を付与する、又は付与される特典なしと決定することを特徴とすることもできる。
【0019】
このように構成すると、クーポンの利用者が利用時にポイントカードを提示しないと、発券者に付与される特典が減じられてしまうことになるため、発券者が利用者にポイントサービスの活用を促す効果を期待することができる。
【0020】
本発明は、前記受信手段は、前記利用者を識別する利用者コードと、前記クーポンを利用して前記利用者が購入した商品を識別する商品コードを受信して、前記決定手段は、前記利用者コードから識別する利用者の前記商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、付与される特典を決定することを特徴とすることもできる。あるいは、第2の発明では、前記記憶手段には、前記発券IDと発券したクーポンの対象商品を識別する商品コードが関連づけて記憶され、前記受信手段は、前記利用者を識別する利用者コードを受信して、前記決定手段は、前記利用者コードから識別する利用者の、前記記憶手段に前記受信手段が受信した発券IDと関連づけて記憶された商品コードから識別される商品の購入履歴に基づいて、付与される特典を決定することを特徴としてもよい。
【0021】
また、こうした構成において、本発明は、前記決定手段は、前記利用者が前記商品を購入した実績がない場合に、購入した実績がある場合より前記発券者に有利な特典の付与を決定することを特徴とすることもできる。
【0022】
以上のように構成すると、クーポンの利用者のクーポンを利用して購入した商品の購入実績に応じて、発券者に付与される特典を変動させることができるので、利用者が購入したことのない商品の購入を促して特定の商品の顧客層を拡大する、あるいは、その商品の購入実績がある利用者の購入をさらに促してコアとなるファン層を固めるといった目的で、本発明を活用することも可能になる。
【0023】
尚、先にも述べたように、本発明で用いられるクーポンには、物理的な商品の購入のみを対象とするものではなく、飲食店での代金の支払いや、その他のサービスの利用時の支払いに利用できるクーポンも含まれるので、飲食店における特定のメニューや、サービス業者が提供する特定のサービスを識別するコードも、本発明における識別コードに包含される。
【0024】
本発明は、本発明に係るクーポン管理装置によって実行されるクーポン管理方法として特定することもできる。
【0025】
第1の発明に対応するクーポン管理方法は、物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、コンピュータが、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券者コードを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、前記コンピュータが、前記受信ステップで受信した発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を有することを特徴とするクーポン管理方法である。
【0026】
第2の発明に対応するクーポン管理方法は、物理媒体を用いて発券されたクーポンを譲渡した発券者に前記クーポンが利用されると所定の特典を付与するクーポン管理方法であって、クーポンを発券する発券者を識別する発券者コードと、前記発券者に対して発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを関連づけて記憶する記憶手段を備えるコンピュータが、前記発券IDを読み取り可能な識別コードが表示されたクーポンを発券するためのクーポン発券データを、前記発券者が操作する端末装置に送信する送信ステップと、前記コンピュータが、前記クーポンの利用者がクーポンを利用する場所に設置された端末装置から、前記クーポンに表示された識別コードから特定される発券IDを含むクーポンの利用情報を受信する受信ステップと、前記コンピュータが、前記記憶手段に前記受信ステップで受信した発券IDと関連づけて記憶された発券者コードにより識別される発券者に対して付与される特典を、所定のルールに基づき決定する決定ステップと、を備えることを特徴とするクーポン管理方法である。
【0027】
また、本発明に係るクーポン管理方法は、先に説明した本発明に係るクーポン管理装置の各々の構成に対応するクーポン管理方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、紙媒体等の物理媒体を用いて発券されたクーポンを対象に、クーポンが譲渡されて利用された際に、発券者に対して特典を付与することができるので、電子媒体によらないクーポンの譲渡を促すスキームの実現が可能になる。これによって、スマートフォン等の携帯端末を積極的に活用しない高齢者等の顧客層をターゲットにした、リアルの世界を対象にしたインフルエンサー・マーケティングの推進が期待される。
【0029】
また、本発明を活用して、ポイントサービスの利用促進による顧客の囲い込みや、特定の商品を購入する顧客層や、コアとなるファン層の拡大といった効果を期待することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係るクーポン管理装置の実施形態の概要を示す図である。
【
図2】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係るクーポン管理装置によってクーポンを発券する処理フローを示すフローチャートである。
【
図4】本発明に係るクーポン管理装置によってクーポン利用時に利用情報を記録する処理フローを示すフローチャートである。
【
図5】本発明に係るクーポン管理装置によってクーポンの発券者に特典を付与する処理フローを示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納される会員情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納されるクーポン情報の一例を示す第1の図である。
【
図8】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納されるクーポン情報の一例を示す第2の図である。
【
図9】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納されるクーポン情報の一例を示す第3の図である。
【
図10】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納される発券情報の一例を示す図である。
【
図11】本発明に係るクーポン管理装置に対応するクーポン管理サーバに格納される利用情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明は、本発明に係るクーポン管理装置の実施形態の一例を示したものであり、端末にKIOSK端末やレジ端末を用いる構成や、発券されるクーポンの内容や利用条件、発券者に付与される特典等の具体例を含め、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。以下では、本発明を小売店で販売される物理的な商品の購入を対象にしたクーポンに適用する例を説明するが、本発明を飲食店での代金の支払いやその他のサービスの利用時の支払いに利用できるクーポンにも適用できることは、先に述べた通りである。
【0032】
図1は、本発明に係るクーポン管理装置の実施形態の概要を示している。
図1において、クーポン管理サーバ10が本発明に係るクーポン管理装置に対応する。クーポン管理サーバ10は、小売店の店舗内等に設置されるクーポンを発券する機能を備えたKIOSK端末等の発券端末20、店舗でクーポンを利用して商品が購入された際にクーポンの利用情報をクーポン管理サーバ10に送信するレジ端末30と、ネットワークを介して接続されている。
【0033】
ドラッグストア等のチェーンストアが提供するポイントサービス(商品の購入代金等に応じて、商品の購入代金等に充当できるポイントが顧客に付与されるサービス)の会員である顧客Aが、当該チェーンの店舗を訪れて発券端末20を操作し、ポイントサービスの会員カード等から会員コードを読み取らせると、顧客Aの会員コードがクーポン管理サーバ10に送信される。クーポン管理サーバ10は、会員コードから特定される顧客Aの嗜好に合致する商品、あるいは店舗側が販売を促進したいキャンペーン商品等の対象商品の購入時に、値引きやボーナスポイントの付与を受けられるチェーンストアが発行するクーポンを選択して(あるいは顧客Aが発券端末20から選択して)、発券端末20に紙媒体等の物理媒体を用いたクーポンを発券するためのクーポン発券データを送信する。
【0034】
ここで、クーポンが顧客Aから他人に譲渡されて利用される場合にも、クーポンを発券した発券者(顧客A)を特定することができるように、クーポンを発券した発券者(顧客A)を識別する会員コード(以下「発券会員コード」とする。)を読み取り可能なバーコードや二次元コード等の識別コードが、クーポンの券面に印字されることによって表示される。発券会員コードに代えて、発券されたクーポン毎に割り当てられた発券IDを読み取り可能な識別コードをクーポンの券面に印字し、発券IDからクーポンを発券した発券者(顧客A)を特定することができるように、クーポンを発券した発券者(顧客A)を識別する発券会員コードを発券IDと紐付けて、クーポン管理サーバ10で管理することとしてもよい。
【0035】
発券者(顧客A)に発券されるクーポンは1枚に限定されず、本発明では同一のクーポンを同時に複数枚発券することが可能な構成が前提となる。発券者(顧客A)が複数枚のクーポンを発券すると、自らがクーポンを利用する他に、発券されたクーポンの全部又は一部を知人等に譲渡することが可能である。
図1には、顧客Aが、顧客B~Dの3名に、発券されたクーポンを1枚ずつ譲渡した例を示している。
【0036】
クーポンを譲渡された顧客の一人である顧客Dが小売店の店舗でクーポンの対象商品を購入する際には、レジでクーポンを提示することによって、クーポンに指定された条件で、購入代金の値引きやボーナスポイントの付与を受けることができる。レジ端末30ではクーポンの券面に印字された識別コードを読み取って、識別コードから特定される発券会員コード又は発券IDを含むクーポンの利用情報を、クーポン管理サーバ10に送信する。顧客Dもポイントサービスの会員である場合は、会員カード等を提示すれば所定の情報がポイント管理システム50に送信されて商品の購入に伴うポイントが付与されるとともに、クーポンを利用して商品を購入する利用者(顧客D)を識別する会員コード(以下「利用会員コード」とする。)も、レジ端末30からクーポン管理サーバ10に利用情報として送信される。
【0037】
利用情報を受信したクーポン管理サーバ10では、利用されたクーポン毎に、発券会員コード又は発券ID、利用会員コードを含む場合は利用会員コード等の情報を、データベースに格納して管理する。発券会員コードが格納される場合はその発券会員コードから、発券IDが格納される場合は発券IDと紐付けられた発券会員コードから、いずれも利用されたクーポンの発券者(顧客A)を特定することができるので、クーポンを多くの知人に配布してそのクーポンが実際に購入に結びつくことが多い、リアルの世界でのインフルエンサーを把握することが可能になるとともに、その発券者(顧客A)に報酬となる特典ポイント等の所定の特典を付与することによって、発券されたクーポンの拡散と利用を促すことも可能になる。
【0038】
尚、発券者(顧客A)に付与する特典の決定に際しては、利用情報に利用会員コードが含まれていない場合、すなわち、クーポンの利用者(顧客D)がポイントサービスの会員ではないケースや、会員であっても面倒くさがって会員カードを提示しないようなケースでは、特典ポイントを付与しない、あるいは利用会員コードを受信した場合に比べて特典ポイントを低く設定することによって、クーポンを発券して譲渡する発券者から、譲渡する知人等にポイントサービスへの加入、あるいはポイントサービスの利用を促す効果を期待することができる。
【0039】
また、受信した利用会員コードから特定される顧客について、クーポンを利用して購入した商品の購入履歴を販売管理システム40に照会して、購入実績がない場合は購入実績がある場合に比べて特典ポイントを高く設定することとすれば、クーポンの発券者からのプッシュによって、対象商品の購入実績がない顧客による商品の購入を促して、顧客層を拡大する効果を期待することができる。逆に、購入実績がある場合に購入実績がない場合より特典ポイントを高く設定することとすれば、クーポンの発券者からのプッシュによって、顧客に対象商品を繰り返し購入することを促して、対象商品のコアとなるファン層を固める効果を期待することもできる。
【0040】
図2は、本発明に係るクーポン管理装置の構成の一例を、機能ブロックで示した図である。
図2において、クーポン管理サーバ10が本発明に係るクーポン管理装置に対応する。
【0041】
クーポン管理サーバ10は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバコンピュータで、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置が備えられている。クーポン管理サーバ10では、補助記憶装置に格納されたプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって所定の機能が実現される。
【0042】
クーポン管理サーバ10を構成するコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、本発明におけるクーポンの発券や発券者への特典付与に関連する処理以外の機能が、同一のコンピュータに備えられるものであってもよい。また、本発明に必要な各々の機能は、物理的に一台のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータが連携して実現されるものであってもよい。
【0043】
クーポン管理サーバ10のクーポン発券部11、利用情報受付部15、報酬クーポン設定部17は、いずれも機能的に特定されるものであって、HDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。
【0044】
クーポン管理サーバ10の会員情報格納部12、クーポン情報格納部13、発券情報格納部14、利用情報格納部16には、HDD等の補助記憶装置の所定の記憶領域が割り当てられる。これらの記憶領域は物理的に一台のコンピュータに設けられることを必須の要件とするものではなく、データベースサーバを構成するコンピュータ等の複数のコンピュータに分散して設けられるものであってもよい。
【0045】
発券端末20には、例えば、チェーンストア等の店舗に設置され、来店した顧客が操作して情報の入出力が可能なKIOSK端末を用いることとすればよいが、ネットワークを介しクーポン管理サーバ10とのデータ通信が可能であり、紙媒体等の物理媒体を用いたクーポンの発券が可能な端末であれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0046】
レジ端末30には、顧客が商品を購入する小売店等の店舗内に設置されるPOS端末等の決済端末が用いられるが、クーポン管理サーバ10や販売管理システム40、ポイント管理システム50とネットワークを介してデータ通信が可能な端末であれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0047】
販売管理システム40は、レジ端末30から販売された商品に関する情報等を収集して、販売実績や在庫状況等を管理するコンピュータシステムである。クーポン管理サーバ10からの照会に対して会員の商品の購入履歴等の情報を提供できるように、クーポン管理サーバ10とネットワークを介して接続されることが好ましいが、本発明においてその構成は特に限定されるものではない。
【0048】
ポイント管理システム50は、レジ端末30から商品の購入によって顧客に付与されるポイントに関する情報等を収集して、その残高を管理するコンピュータシステムである。後に説明するように、本発明によって付与される特典ポイントに関する情報を直接受信して特典ポイントを残高に加算するために、クーポン管理サーバ10とネットワークを介して接続されることとしてもよいが、本発明においてその構成は特に限定されるものではない。
【0049】
以上の構成を前提にして、本発明に係るクーポン管理装置に対応する
図2のクーポン管理サーバ10が、クーポンを発券する処理フロー、クーポン利用時に利用情報を記録する処理フロー、クーポンの発券者に特典を付与する処理フローを、それぞれ
図3、
図4、
図5のフローチャートに沿って説明する。
【0050】
図3のフローチャートは、クーポン管理サーバ10によってクーポンを発券する処理フローを示している。
【0051】
ドラッグストア等のチェーンストアが提供するポイントサービスの会員である顧客が、当該チェーンの店舗を訪れて店内に設置された発券端末20を操作すると、クーポン管理サーバ10から初期画面が呼び出される。発券端末20の画面には、ポイントサービスの会員カードから会員コードを読み取るための操作要求が表示されて、顧客が当該操作を実行すると、顧客の会員コードを含む所定の情報がクーポン管理サーバ10に送信される。発券端末20から送信された情報をクーポン管理サーバ10が受信すると、クーポン発券部11が起動されて、
図3のフローチャートに示した処理が実行される。
【0052】
まず、発券端末20から送信された情報から、発券端末20を操作している顧客を識別する会員コードを特定する(S01)。特定された会員コードをキーに、クーポン情報格納部13の
図9の例に示したテーブルを検索して、後に説明するフローによって、当該顧客が過去に発券したクーポンの利用に対する報酬として設定された、特典ポイントクーポンが存在するかを確認する(S02)。
【0053】
図9の例では、クーポンの種別を識別するクーポン種別コードが2000番台となっているクーポンが、本発明における特典ポイントクーポンに該当するが、「発券対象会員コード」のフィールドに、S01で特定した会員コードが含まれる特典ポイントクーポンが存在する場合は(S02がYes)、紙媒体等の物理媒体を用いた特典ポイントクーポンを発券端末20に発券させるための特典ポイントクーポン発券データを生成して、発券端末20に送信する(S03)。
図9の例で、S01で特定した会員コードが「100001」であれば、クーポン種別コード「2001」の特典ポイントクーポンを1枚発券するための発券データが、発券端末20に送信される。尚、特典ポイントクーポン発券データによって発券端末20に発券される特典ポイントクーポンの利用法については、後に詳しく説明する。
【0054】
特典ポイントクーポンが存在しない場合(S02がNo)、あるいは特典ポイントクーポン発券データを発券端末20に送信した後には、特典ポイントクーポン以外のクーポン(通常クーポン)の中から、当該顧客に発券可能なクーポンを特定する(S04)。
図9の例で、S01で特定した会員コードが「100001」であれば、発券対象が限定されていない(「発券対象会員コード」のフィールドに会員コードの指定がない)クーポン種別コード「1001」と「1002」、「発券対象会員コード」に会員コード「100001」が含まれるクーポン種別コード「1003」のクーポンが、少なくとも発券可能なクーポンとして特定される。
【0055】
それらの中から、実際に発券端末20に発券させるクーポンの種別とその枚数を決定するが(S05)、その方法は特に限定されるものではない。例えば、発券可能なクーポンのリストを発券端末20の画面に表示させて、顧客に発券するクーポンを選択した上でその枚数を指定させることとしてもよいし、クーポン管理サーバ10側で発券するクーポンとその枚数を決定することとしてもよい。尚、発券するクーポンにはそれぞれ発券枚数の上限が設定されていて(
図9の例では「発券枚数上限」のフィールドに設定されている。)、その枚数を上限として発券枚数が決定される。
【0056】
続いて、決定された種別のクーポンについて、紙媒体等の物理媒体を用いたクーポン(通常クーポン)を決定された枚数分、発券端末20に発券させるためのクーポン発券データを生成して、発券端末20に送信するとともに(S06)、
図10の例に示した発券情報を発券情報格納部14に記録して(S07)、クーポン発券部11による処理を終了する。
【0057】
発券情報格納部14には、発券したクーポン(同一のクーポンを複数枚発券した場合は各々のクーポン)毎にクーポンを識別する発券IDが割り当てられ、発券ID毎に設けられたレコードには、クーポンを発券した会員を識別する会員コード(
図10の「発券会員コード」のフィールドに記録された会員コード)と、発券したクーポンの種別を識別するクーポン識別コード等の情報が記録される。発券端末20に送信されるクーポン発券データには、各々のクーポンに割り当てられた発券IDを読み取ることが可能な識別コード(二次元コードやバーコード)をクーポンの券面に印字することによって表示可能な情報が含まれている。尚、クーポン発券データには、発券IDではなく、クーポンを発券した会員の会員コード(発券会員コード)を読み取ることが可能な識別コード(二次元コードやバーコード)をクーポンの券面に印字することによって表示可能な情報を含むこととしてもよい。
【0058】
通常クーポンのクーポン発券データと特典ポイントクーポン発券データによって発券端末20に発券させるためのクーポンの内容に関する情報は、クーポン情報格納部13の
図7の例に示したテーブルに格納されている。クーポンの種別を識別するクーポン種別コード毎に設けられるレコードには、クーポンを提示して商品を購入する場合の値引額や値引率、付与されるボーナスポイント等の特典の内容と、その特典が適用されるための条件(所定の対象商品を購入すること、一定金額以上の商品を購入すること等)が設定されているが、こうした条件に特典の適用を受けるために購入が必要な対象商品が指定されている場合は、具体的な対象商品の種別が、クーポン情報格納部13の
図8の例に示したテーブルに、クーポン種別コードをキーにして関連づけられている。
【0059】
図8の例では、クーポン種別コード「1001」のクーポンの適用を受けられる対象商品には複数のJANコード(商品を識別する商品コード)が、クーポン種別コード「1002」と「1003」のクーポンの適用を受けられる対象商品には1つJANコードのみが指定されているが、この例のように、クーポンの適用を受けられる対象商品は、複数のJANコードに対応する商品が含まれていてもよいし、JANコードにより特定される商品が1つに限定されるものであってもよい。
【0060】
図9の例に示した、各々のクーポンの発券対象となる会員の設定については、新発売の製品やキャンペーン商品のように、特に顧客を限定することなく販売促進を図りたい商品が対象となるクーポンであれば、発券対象会員コードを限定しない(
図9の例では「発券対象会員コード」のフィールドに会員コードを設定しない)こととすればよいし、各々の顧客の嗜好性や購買傾向の解析結果(会員情報格納部12に格納される、
図6の例に示した会員情報等から解析することとすればよい。)等から顧客毎に販売を促したい商品が特定される場合は、該当するクーポン種別コード毎に発券対象会員コードを設定することとすればよい。
【0061】
さらに、本発明では、後述の方法によって、クーポンを発券した会員の他の顧客に対する影響力を把握することができるので、その影響力を示す影響度に応じて、発券されるクーポンの特典の内容や発券枚数を調整することによって、リアルな世界でのインフルエンサーと認定される会員の影響力を活かして、クーポンの拡散による販売促進を強化することもできる。
【0062】
例えば
図6では、会員コード「100001」の会員は、これまでに他人に譲渡したクーポンが28枚利用されており(「譲渡クーポン利用数」のフィールドが「28」となっている。)、影響度が高いランクに位置づけられている(「影響度」のフィールドが「2」となっている。)が、
図9で会員コード「100001」の会員のみに発券可能とされているクーポン種別コード「1003」のクーポンは、
図7、
図8を見ると、同じ対象商品(JANコート「22221111」)に対する値引額(
図7の「特典」のフィールドの「50円/個値引」)が、
図9において発券対象会員が限定されていないクーポン種別コード「1002」のクーポンの値引額(
図7の「特典」のフィールドの「20円/個値引」)より、有利に設定されている。また、
図9を見ると、発券対象会員が限定されないクーポン種別コード「1002」の発券枚数上限(5枚)に対して、クーポン種別コード「1003」の発券枚数上限(20枚)は多く設定されており、こうした条件の設定によって、リアルな世界でのインフルエンサーと認定された会員コード「100001」の会員の他の顧客への影響力を活用して、対象商品の販売促進を強化することが可能になる。
【0063】
図3に示したフローチャートによって、クーポン発券データ(通常クーポンを対象とするもの)が発券端末20に送信されると、発券端末20では、発券するクーポンを識別する発券IDを読み取ることが可能な識別コード(二次元コードやバーコード)が券面に印字された、紙媒体等の物理媒体を用いたクーポンが、指定された枚数分発券される。印字される識別コードには、その他にも、クーポンによる値引き等の対象商品が指定されている場合は対象商品のJANコード、有効期間が設定されている場合は利用期限等の情報が、識別コードから読み取り可能な状態で埋め込まれている。
【0064】
クーポンを発券した顧客は、そのクーポンを自らが対象商品の購入に利用してもよいが、発券されたクーポンは利用者が限定されたものではないので、その全部又は一部を、家族や友人、知人等に譲渡してもよい。
【0065】
クーポンを譲渡された他の顧客が、クーポンの利用が可能な小売店の店舗を訪問して対象商品を購入する際には、レジ端末30でクーポンを提示する。クーポンには、クーポンを識別する発券ID(発券会員コードとなる場合もある)や対象商品のJANコード、利用期限等の情報が埋め込まれていて、レジ端末30ではこれらの情報を読み取って、購入する商品と対象商品のJANコードの一致、利用期限を経過していないかの確認等からクーポンの有効性を判断して、有効なクーポンであると判断されれば、値引き等のクーポンに指定された条件が適用されるとともに、識別コードから読み取った発券ID(又は発券会員コード)等の情報が、購入する商品のJANコード等の情報とあわせて、クーポンの利用情報としてレジ端末30からクーポン管理サーバ10に送信される。
【0066】
クーポンに印字された対象商品を購入する顧客がポイントサービスの会員であって、対象商品の購入時に会員カードを提示した場合は、会員カードから読み取られた会員コードも、レジ端末30からクーポン管理サーバに送信される。
【0067】
尚、この時には、対象商品の購入情報がレジ端末30から店舗における販売情報や在庫情報等を管理する販売管理システム40に送信されるとともに、顧客が会員カードを提示した場合には、会員カードから読み取られた会員コードと購入金額等のポイントサービスにおいて当該購入分のポイントを付与するために必要な情報が、レジ端末30からポイント管理システム50に送信される。
【0068】
レジ端末から利用情報を受信したクーポン管理サーバ10では、利用情報受付部15が起動されて、
図4のフローチャートに示した利用情報を記録する処理が実行される。利用情報を受信すると、利用情報に含まれる発券IDを特定して(S11)、特定した発券IDをキーに発券情報格納部14を検索する(S12)。該当する発券情報の利用状況(
図10の例では「利用状況」のフィールド)が未利用となっているかを確認して(S13)、利用済となっている場合は(S13がNo)、レジ端末30にクーポンが利用不可であることを返信する(S17)。
【0069】
こうしたクーポンが未利用か否かを確認するプロセスについては、レジ端末30での利用時にクーポンを回収する運用とする、あるいはクーポンを有効期間内であれば何度でも利用可能とする運用とすれば、省略することが可能である。特にレジ端末から受信する利用情報に発券IDではなく発券会員コードが含まれる場合は、発券情報を特定して利用状況を管理することが困難になるので、こうした運用を採用することによって、クーポンの利用状況を確認するプロセスを省略することとすればよい。
【0070】
発券情報の利用状況が未利用であれば(S13がYes)、レジ端末30にクーポンが利用可能であることを返信して(S14)、
図11の例に示した利用情報格納部16に新たなレコードを設け、利用IDを割り当てて、受信した利用情報から発券ID(発券会員コードが含まれる場合は発券会員コード)、クーポンを利用した会員の会員コード(利用会員コード)を受信している場合は利用会員コード等の情報を記録する(S15)。あわせて、発券情報格納部14に格納されている発券IDに対応する発券情報の利用状況を、「未利用」から「利用済」に更新する(S16)。
【0071】
図5のフローチャートは、クーポン管理サーバ10によってクーポンの発券者に特典を付与する処理フローを示している。クーポン管理サーバ10では、報酬クーポン設定部17が毎日定められた時間、毎週定められた日時といった所定のタイミングで起動されて、
図5のフローチャートに示した処理を実行する。
【0072】
まず、利用情報格納部16から、当日から5日前の終日、当日の2週間前から1週間前の間といった所定の期間内に利用されたクーポンの利用情報を抽出する(S21)。抽出対象となる期間は、購入された商品が返品される可能性を考慮して、少なくとも数日間は経過しているものを対象にすることが好ましい。
【0073】
抽出された各々の利用情報について、利用会員コードが記録されているかを確認する(S22)。利用会員コードが記録されていれば、クーポンを利用して購入された対象商品の利用会員コードに対応する会員の過去の購入実績を販売管理システム40に照会する(S23)。
【0074】
尚、購入実績を照会するクーポンを利用して購入された対象商品は、クーポンの利用時に対象商品のJANコードをレジ端末30から受信していれば、これを利用情報に含めて格納しておくことで特定可能だが、クーポンの発券情報を発券情報格納部14に記録する際に、発券IDに発券したクーポンの対象商品のJANコードを関連づけて記憶させておくこととすれば、レジ端末30から受信する利用情報に発券IDが含まれる場合は、発券IDに関連づけられたJANコードから、クーポンを利用して購入された対象商品を特定することもできる。
【0075】
利用会員コードの有無、対象商品の購入実績から、利用されたクーポンを発券した会員(発券会員)への報酬となる特典ポイントが決定されるが(S24)、利用会員コードの有無については、利用情報に利用会員コードが含まれていない場合は、利用者会員コードが含まれている場合より、発券会員に付与する特典ポイントを減じる、あるいは特典を付与しないと決定することによって、クーポンの利用者が利用時にポイントカードを提示しないと発券会員が得られる特典ポイントが減じられてしまうため、発券会員がクーポンを譲渡する際に、ポイントサービスへの入会やポイントサービスの利用を促す効果を期待することができる。
【0076】
対象商品の購入実績については、購入実績がない場合は購入実績がある場合に比べて特典ポイントを高く設定することとすれば、発券会員が対象商品を購入したことがない顧客にクーポンを譲渡する際に対象商品の購入を強く促すことにより、対象商品を未購入の顧客層による購入を促進して、顧客層を拡大する効果を期待することができる。逆に、購入実績がある場合に購入実績がない場合より特典ポイントを高く設定することとすれば、発券会員が対象商品を購入したことがある顧客にクーポンを譲渡する際に対象商品の購入を強く促すことにより、対象商品の購入実績がある顧客層による購入を促進して、対象商品のコアとなるファン層を固める効果を期待することもできる。
【0077】
以上のようにして利用情報毎に発券会員への報酬となる特典ポイントが決定されると、決定された特典ポイントを、発券会員を識別する発券会員コード毎に集計するが(S25)、各々の利用情報について利用したクーポンを発券した会員の発券会員コードは、
図11の例のように、利用情報に発券IDが含まれていれば、
図10の例に示した発券情報に発券IDと関連づけられた発券会員コードから特定することができる。利用情報に発券IDではなく発券会員コードが含まれている場合は、利用情報にその発券会員コードを含めて格納することによって、ダイレクトに発券会員コードを特定することができる。
【0078】
発券会員コード毎に集計された特典ポイントは、会員情報格納部12に格納された会員情報に含まれる会員の特典ポイント残高に加算されて、
図6の例であれば、「特典ポイント残高」の数値が更新される(S26)。また、発券されたクーポンが利用された件数を、
図6の例の「譲渡クーポン利用数」のフィールドのように、会員情報に含めることとしてもよい。譲渡クーポン利用数(利用件数に代えて利用金額等を採用することとしてもよい。)が所定の閾値に達する度に、会員の他の顧客に対する影響力を示した、
図6の例であれば「影響度」のランクがアップすることとすれば、この影響度のランクによって、リアルな世界でのインフルエンサーと認定し得る会員を把握することができる。
【0079】
さらに、会員情報格納部12に格納された、残高が更新された会員の会員情報に含まれる特典ポイント残高を参照して、特典ポイントクーポンの発行が可能な所定のポイント数に達していることが確認されると、そのポイント数が特典ポイントとして付与される特典ポイントクーポンを発券するための情報が、当該会員のみに発券可能なクーポンとして、クーポン情報格納部13に設定される(S27)。
【0080】
図9の例では、会員コード「100001」の会員に対して発券可能なクーポンとして、クーポン種別コード「2001」のクーポンが設定されているが、会員コード「100001」の会員が次に発券端末20からクーポン管理サーバ10に会員コードを送信した際には、先に説明した
図3のS02-S03のフローに沿って、クーポン種別コード「2001」のクーポン(
図7の例では50ポイントが付与されるクーポン)を、発券枚数の上限である1枚発券するための特典ポイントクーポン発券データが、クーポン管理サーバ10から発券端末20に送信される。
【0081】
特典ポイントクーポン発券データを受信した発券端末20では、紙媒体等の物理媒体を用いた特典ポイントの付与を受けられる特典ポイントクーポンが発券される。レジ端末30でこの特典ポイントクーポンと会員カードを提示すると、特典ポイントクーポンの有効期限等を確認した上で、特典ポイントクーポンに指定された特典ポイントに関する情報と会員カードから読み取った会員コードがポイント管理システム50に送信されて、ポイント管理システム50では会員コードから特定される会員のポイント残高に特典ポイントが加算される。
【0082】
尚、譲渡したクーポンが利用された会員に特典ポイントを付与する方法は、以上に説明した会員毎の特典ポイントの残高を管理して定額の特典ポイントクーポンを発券する方法に限定されるものではない。例えば、
図5のフローチャートのS25で発券会員コード毎に集計された特典ポイント数の付与を受けられるクーポンを、クーポン情報格納部13に発券会員コードにより特定される会員に対して発券可能なクーポンとして直接設定することとしてもよいし、特典ポイントの付与ではなく、商品の購入時に値引きを受けられるクーポンを特典として設定することとしてもよい。
【0083】
また、特典ポイントの付与について、発券端末20に特典ポイントクーポンを発券する方法ではなく、クーポン管理サーバ10で発券会員コード毎に集計された特典ポイント数に関する情報を、発券会員コードとあわせてポイント管理システム50に送信して、特典が付与される各々の会員のポイント残高に、特典ポイントを直接加算する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 クーポン管理サーバ
11 クーポン発券部
12 会員情報格納部
13 クーポン情報格納部
14 発券情報格納部
15 利用情報受付部
16 利用情報格納部
17 報酬クーポン設定部
20 発券端末
30 レジ端末
40 販売管理システム
50 ポイント管理システム
【要約】 (修正有)
【課題】電子クーポンによることなく、紙媒体等の物理媒体を用いて発券されたクーポンによって、リアルな世界でのインフルエンサー・マーケティングを実現するクーポン管理装置及びクーポン管理方法を提供する。
【解決手段】クーポン管理サーバ10は、紙媒体等の物理媒体を用いて発券されたクーポンに、発券した発券者を特定することが可能な識別コードを表示させ、クーポンの利用時にはこの識別コードから発券者を特定してポイント等の特典付与を決定することにより、電子媒体によらないクーポンの譲渡を促すスキームの実現を可能にする。クーポンの利用時にポイントサービスの会員カードの提示がないと付与される特典を減じることによって、ポイントサービスへの入会や活用を促進することができるとともに、クーポンの対象商品の購入実績に応じて特典を変動させて、顧客層の拡大やコアとなるファン層の拡大を促進することもできる。
【選択図】
図1