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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】発泡性ポリプロピレン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20220207BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20220207BHJP
   C08L 23/16 20060101ALI20220207BHJP
   C08F 4/654 20060101ALN20220207BHJP
【FI】
C08J9/04 101
C08J9/04 CES
C08K3/34
C08L23/16
C08F4/654
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017012826
(22)【出願日】2017-01-27
(65)【公開番号】P2018119089
(43)【公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-01-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597021842
【氏名又は名称】サンアロマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】片桐 章公
(72)【発明者】
【氏名】安元 一寿
(72)【発明者】
【氏名】坂井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】丸山 真範
【審査官】芦原 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-253084(JP,A)
【文献】特開2011-195705(JP,A)
【文献】特開2016-089059(JP,A)
【文献】特開2015-113363(JP,A)
【文献】特開2014-196398(JP,A)
【文献】特開2014-061609(JP,A)
【文献】特開2014-061610(JP,A)
【文献】特開2012-012595(JP,A)
【文献】特開2008-179795(JP,A)
【文献】国際公開第2009/057825(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/068164(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/00-9/42
B29C 44/00-44/60
B29C 45/00-45/84
C08L
C08K
C08F 4/60-4/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A1)として、(A1-1)および(A1-2)からなるポリプロピレン組成物を35~75重量%
(A1-1)ポリプロピレン70~85重量%
(A1-2)25~40重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン-エチレンコポリマー15~30重量%
成分(A2)としてポリプロピレンを0~30重量%
成分(B)としてエラストマーを2328重量%
成分(C)として板状無機充填剤を、3~7重量%
成分(D)として発泡剤を含む発泡性組成物であって、
前記成分(B)のメルトフローレート(190℃、荷重21.18N)が1~10g/10分であり、
前記成分(A1)、(A2)、(B)、および(C)からなる発泡剤を含まない組成物のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が40~60g/10分である、
発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項2】
前記成分(A1)のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が50~120g/10分である、請求項1に記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項3】
前記成分(A1)のキシレン可溶分の極限粘度が1~3dl/gである、請求項1または2に記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項4】
前記成分(B)のメルトフローレート(190℃、荷重21.18N)が1~7g/10分である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項5】
前記成分(A2)の25℃でのキシレン可溶分の量が6.0重量%以下であり、メルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が5~2000g/10分である請求項1~4のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項6】
前記成分(A1)が、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン、およびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(b)有機アルミニウム化合物;ならびに
(c)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて、プロピレンとエチレンとを重合させて得たポリプロピレン組成物である、請求項1~5のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項7】
前記成分(A1)、(A2)、(B)、および(C)の合計量100重量部に対して、
0.1~10重量部の前記発泡剤を含む、請求項1~6のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項8】
前記成分(A1)が、
80~75重量%の前記(A1-1)ポリプロピレンと、
20~25重量%の前記(A1-2)25~40重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン-エチレンコポリマーとからなる、
請求項1~7のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物を発泡させてなる発泡体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発泡性ポリプロピレン組成物およびこれを発泡させてなる発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン発泡体は優れた物理的特性を有することから、自動車等の用途に有用である。自動車部品においては安全性等の観点から高い剛性および耐衝撃性が求められるため、これらの物性を改善した発泡性ポリプロピレン組成物やその発泡体が提案されている。例えば特許文献1にはエラストマー含有量が5~13重量%であるポリプロピレン発泡体が開示されている(特許文献1実施例)。また特許文献2にはエラストマー含有量が17~21重量%である発泡体が開示されている(特許文献2実施例)。当該エラストマーの190℃でのメルトフローレートは35g/10分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-82547号公報
【文献】特許第5580630号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献に開示されている発泡体は剛性と耐衝撃性のバランスが十分ではない。一般にエラストマー量を増やすと耐衝撃性は向上するが剛性が低下するので、両者はトレードオフの関係にある。かかる事情を鑑み、本発明は剛性と耐衝撃性のバランスに優れる発泡体を与える発泡性ポリプロピレン組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、特定のメルトフローレートを有するエラストマーを特定量用いることと少量の板状無機充填剤を用いることで両者のバランスを最適化できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
(1)成分(A1)として、(A1-1)および(A1-2)からなるポリプロピレン組成物を35~75重量%
(A1-1)ポリプロピレン70~85重量%
(A1-2)25~40重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン-エチレンコポリマー15~30重量%
成分(A2)としてポリプロピレンを0~30重量%
成分(B)としてエラストマーを18~35重量%
成分(C)として板状無機充填剤を、1重量%を超え、12重量%未満
成分(D)として発泡剤を含む発泡性組成物であって、
前記成分(B)のメルトフローレート(190℃、荷重21.18N)が1~10g/10分であり、
前記成分(A1)、(A2)、(B)、および(C)からなる発泡剤を含まない組成物
のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が40~60g/10分である、発泡性ポリプロピレン組成物。
(2)前記成分(A1)のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が50~120g/10分である、(1)に記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(3)前記成分(A1)のキシレン可溶分の極限粘度が1~3dl/gである、(1)または(2)に記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(4)前記成分(B)のメルトフローレート(190℃、荷重21.18N)が1~7g/10分である、(1)~(3)のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(5)前記成分(A2)の25℃でのキシレン可溶分の量が6.0重量%以下であり、メルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が5~2000g/10分である(1)~(4)のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(6)前記成分(A1)が、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン、およびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(b)有機アルミニウム化合物;ならびに
(c)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて、プロピレンとエチレンとを重合させて得たポリプロピレン組成物である、(1)~(5)のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(7)前記成分(A1)、(A2)、(B)、および(C)の合計量100重量部に対して、0.1~10重量部の前記発泡剤を含む、(1)~(6)のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物。
(8)前記(1)~(7)のいずれかに記載の発泡性ポリプロピレン組成物を発泡させてなる発泡体。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる発泡体を与える発泡性ポリプロピレン組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X~Y」はその端値であるXおよびYを含む。
【0008】
1.発泡性ポリプロピレン組成物
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は、以下を含む。
成分(A1):ポリプロピレン組成物
必要に応じて成分(A2):ポリプロピレン
成分(B):エラストマー
成分(C):板状無機充填剤
成分(D):発泡剤
【0009】
(1)成分(A1):ポリプロピレン組成物
ポリプロピレン組成物は、(A1-1)ポリプロピレンおよび(A1-2)25~40重量%のエチレン由来単位を含むプロピレン-エチレンコポリマーからなる。成分(A1-1)と(A1-2)の重量比は70~85:15~30である。成分(A1-2)の量がこの上限を超えると発泡体の剛性が低下し、下限未満であると、経済性が低下する。この観点から、前記比率は好ましくは、75~80:25~20である。
【0010】
成分(A1-2)はプロピレン-エチレンコポリマーであり、エチレン由来単位を25~40重量%含む。エチレン由来単位の含有量が下限値未満または上限値を超えると発泡体の耐衝撃性が低下する。この観点からエチレン由来単位の含有量は27~38重量%が好ましい。
【0011】
成分(A1)のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)は、50~120g/10分が好ましく、66~100g/10分がより好ましい。MFRが上限値を超えると発泡体の衝撃強度が低下し、下限値未満であると発泡性ポリプロピレン組成物の流動性が低下することがある。以下、当該条件で測定したメルトフローレートを単に「MFR」ともいう。
【0012】
成分(A1)のキシレン可溶分(XS)の極限粘度(XSIV)は、成分(A1)における結晶性を持たない成分の分子量の指標でもある。XSIVは25℃のキシレンに可溶な成分を得て、当該成分の極限粘度を定法にて測定することで求められる。成分(A1)のXSIVは1~3dl/gが好ましく、1.5~2.5dl/gがより好ましい。XSIVが上限値を超えると発泡体の外観が不良となり、下限未満であると発泡体の耐衝撃性が低下することがある。
【0013】
成分(A1)は任意の方法で製造してよいが、成分(A1-1)の原料であるプロピレンおよび成分(A1-2)の原料モノマーを、(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および内部電子供与体を含有する固体触媒、(b)有機アルミニウム化合物、ならびに(c)外部電子供与体化合物を含む触媒を用いて重合する工程を含む方法で得ることが好ましい。内部電子供与体化合物としては、フタレート系化合物、スクシネート系化合物、ジエーテル系化合物が挙げられ、本発明ではいずれの内部電子供与体化合物も使用できるが、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる発泡体を得る観点から、スクシネート系化合物が好ましい。スクシネート系化合物は広い分子量分布を与える。一般に、多段階で重合を行うことにより分子量分布を大きくできることが知られているが、当該触媒を用いて重合されたポリプロピレン組成物は、別な触媒を用いて重合されたポリマーをペレットあるいはパウダーブレンドして得た同じ分子量分布を有するポリプロピレン組成物、さらに多段重合して同じ分子量分布を有するポリプロピレン組成物とは異なる特性を示す。これは、当該触媒を用いて製造した組成物は高分子量成分と低分子量成分が分子レベルに近い状態で一体となっているが、後者の樹脂組成物は分子レベルに近い状態では混ざり合ってはおらず見かけ上同一の分子量分布を示しているにすぎないためと考えられる。しかし、このことを請求項において言葉で表現することは現実的でない。以下、触媒について説明する。
【0014】
1)固体触媒(成分a)
成分(a)は、公知の方法、例えばマグネシウム化合物とチタン化合物と内部電子供与体化合物を相互接触させることにより調製できる。前述のとおり、内部電子供与体化合物としてはスクシネート系化合物が好ましいが、当該化合物とはコハク酸のジエステルまたは置換コハク酸のジエステルをいう。以下、スクシネート系化合物について詳しく説明する。本発明で好ましく使用されるスクシネート系化合物は、以下の式(I)で表される。
【0015】
【化1】
【0016】
式中、基RおよびRは、互いに同一かまたは異なり、場合によってはヘテロ原子を含む、C~C20の線状または分岐のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはアルキルアリール基であり;基R~Rは、互いに同一かまたは異なり、水素、或いは場合によってはヘテロ原子を含む、C~C20の線状または分岐のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはアルキルアリール基であり、同じ炭素原子または異なる炭素原子に結合している基R~Rは一緒に結合して環を形成してもよい。
【0017】
およびRは、好ましくは、C~Cのアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基である。RおよびRが第1級アルキル、特に分岐第1級アルキルから選択される化合物が特に好ましい。好適なRおよびR基の例は、C~Cのアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2-エチルヘキシルである。エチル、イソブチル、およびネオペンチルが特に好ましい。
【0018】
式(I)によって示される化合物の好ましい群の1つは、R~Rが水素であり、Rが、3~10個の炭素原子を有する、分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、およびアルキルアリール基であるものである。このような単置換スクシネート化合物の好ましい具体例は、ジエチル-sec-ブチルスクシネート、ジエチルテキシルスクシネート、ジエチルシクロプロピルスクシネート、ジエチルノルボニルスクシネート、ジエチルペリヒドロスクシネート、ジエチルトリメチルシリルスクシネート、ジエチルメトキシスクシネート、ジエチル-p-メトキシフェニルスクシネート、ジエチル-p-クロロフェニルスクシネート、ジエチルフェニルスクシネート、ジエチルシクロヘキシルスクシネート、ジエチルベンジルスクシネート、ジエチルシクロヘキシルメチルスクシネート、ジエチル-t-ブチルスクシネート、ジエチルイソブチルスクシネート、ジエチルイソプロピルスクシネート、ジエチルネオペンチルスクシネート、ジエチルイソペンチルスクシネート、ジエチル(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジエチルフルオレニルスクシネート、1-エトキシカルボジイソブチルフェニルスクシネート、ジイソブチル-sec-ブチルスクシネート、ジイソブチルテキシルスクシネート、ジイソブチルシクロプロピルスクシネート、ジイソブチルノルボニルスクシネート、ジイソブチルペリヒドロスクシネート、ジイソブチルトリメチルシリルスクシネート、ジイソブチルメトキシスクシネート、ジイソブチル-p-メトキシフェニルスクシネート、ジイソブチル-p-クロロフェニルスクシネート、ジイソブチルシクロヘキシルスクシネート、ジイソブチルベンジルスクシネート、ジイソブチルシクロヘキシルメチルスクシネート、ジイソブチル-t-ブチルスクシネート、ジイソブチルイソブチルスクシネート、ジイソブチルイソプロピルスクシネート、ジイソブチルネオペンチルスクシネート、ジイソブチルイソペンチルスクシネート、ジイソブチル(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジイソブチルフルオレニルスクシネート、ジネオペンチル-sec-ブチルスクシネート、ジネオペンチルテキシルスクシネート、ジネオペンチルシクロプロピルスクシネート、ジネオペンチルノルボニルスクシネート、ジネオペンチルペリヒドロスクシネート、ジネオペンチルトリメチルシリルスクシネート、ジネオペンチルメトキシスクシネート、ジネオペンチル-p-メトキシフェニルスクシネート、ジネオペンチル-p-クロロフェニルスクシネート、ジネオペンチルフェニルスクシネート、ジネオペンチルシクロヘキシルスクシネート、ジネオペンチルベンジルスクシネート、ジネオペンチルシクロヘキシルメチルスクシネート、ジネオペンチル-t-ブチルスクシネート、ジネオペンチルイソブチルスクシネート、ジネオペンチルイソプロピルスクシネート、ジネオペンチルネオペンチルスクシネート、ジネオペンチルイソペンチルスクシネート、ジネオペンチル(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジネオペンチルフルオレニルスクシネートである。
【0019】
式(I)の範囲内の化合物の他の好ましい群は、R~Rからの少なくとも2つの基が、水素とは異なり、場合によってはヘテロ原子を含む、C~C20の線状または分岐のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはアルキルアリール基から選択されるものである。水素とは異なる2つの基が同じ炭素原子に結合している化合物が特に好ましい。具体的には、RおよびRが水素とは異なる基であり、RおよびRが水素原子である化合物である。このような二置換スクシネートの好ましい具体例は、ジエチル-2,2-ジメチルスクシネート、ジエチル-2-エチル-2-メチルスクシネート、ジエチル-2-ベンジル-2-イソプロピルスクシネート、ジエチル-2-シクロヘキシルメチル-2-イソブチルスクシネート、ジエチル-2-シクロペンチル-2-n-ブチルスクシネート、ジエチル-2、2-ジイソブチルスクシネート、ジエチル-2-シクロヘキシル-2-エチルスクシネート、ジエチル-2-イソプロピル-2-メチルスクシネート、ジエチル-2-テトラデシル-2-エチルスクシネート、ジエチル-2-イソブチル-2-エチルスクシネート、ジエチル-2-(1-トリフルオロメチルエチル)-2-メチルスクシネート、ジエチル-2-イソペンチル-2-イソブチルスクシネート、ジエチル-2-フェニル-2-n-ブチルスクシネート、ジイソブチル-2,2-ジメチルスクシネート、ジイソブチル-2-エチル-2-メチルスクシネート、ジイソブチル-2-ベンジル-2-イソプロピルスクシネート、ジイソブチル-2-シクロヘキシルメチル-2-イソブチルスクシネート、ジイソブチル-2-シクロペンチル-2-n-ブチルスクシネート、ジイソブチル-2,2-ジイソブチルスクシネート、ジイソブチル-2-シクロヘキシル-2-エチルスクシネート、ジイソブチル-2-イソプロピル-2-メチルスクシネート、ジイソブチル-2-テトラデシル-2-エチルスクシネート、ジイソブチル-2-イソブチル-2-エチルスクシネート、ジイソブチル-2-(1-トリフルオロメチルエチル)-2-メチルスクシネート、ジイソブチル-2-イソペンチル-2-イソブチルスクシネート、ジイソブチル-2-フェニル-2-n-ブチルスクシネート、ジネオペンチル-2,2-ジメチルスクシネート、ジネオペンチル-2-エチル-2-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2-ベンジル-2-イソプロピルスクシネート、ジネオペンチル-2-シクロヘキシルメチル-2-イソブチルスクシネート、ジネオペンチル-2-シクロペンチル-2-n-ブチルスクシネート、ジネオペンチル-2,2-ジイソブチルスクシネート、ジネオペンチル-2-シクロヘキシル-2-エチルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソプロピル-2-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2-テトラデシル-2-エチルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソブチル-2-エチルスクシネート、ジネオペンチル-2-(1-トリフルオロメチルエチル)-2-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソペンチル-2-イソブチルスクシネート、ジネオペンチル-2-フェニル-2-n-ブチルスクシネートである。
【0020】
さらに、水素とは異なる少なくとも2つの基が異なる炭素原子に結合している化合物も特に好ましい。具体的にはRおよびRが水素と異なる基である化合物である。この場合、RおよびRは水素原子であってもよいし水素とは異なる基であってもよいが、いずれか一方が水素原子であること(三置換スクシネート)が好ましい。このような化合物の好ましい具体例は、ジエチル-2,3-ビス(トリメチルシリル)スクシネート、ジエチル-2,2-sec-ブチル-3-メチルスクシネート、ジエチル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-3-メチルスクシネート、ジエチル-2,3-ビス(2-エチルブチル)スクシネート、ジエチル-2,3-ジエチル-2-イソプロピルスクシネート、ジエチル-2,3-ジイソプロピル-2-メチルスクシネート、ジエチル-2,3-ジシクロヘキシル-2-メチルジエチル-2,3-ジベンジルスクシネート、ジエチル-2,3-ジイソプロピルスクシネート、ジエチル-2,3-ビス(シクロヘキシルメチル)スクシネート、ジエチル-2,3-ジ-t-ブチルスクシネート、ジエチル-2,3-ジイソブチルスクシネート、ジエチル-2,3-ジネオペンチルスクシネート、ジエチル-2,3-ジイソペンチルスクシネート、ジエチル-2,3-(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジエチル-2,3-テトラデシルスクシネート、ジエチル-2,3-フルオレニルスクシネート、ジエチル-2-イソプロピル-3-イソブチルスクシネート、ジエチル-2-tert-ブチル-3-イソプロピルスクシネート、ジエチル-2-イソプロピル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジエチル-2-イソペンチル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジエチル-2-テトラデシル-3-シクロヘキシルメチルスクシネート、ジエチル-2-シクロヘキシル-3-シクロペンチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジエチル-2-イソプロピルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジイソプロピル-2-メチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジシクロヘキシル-2-メチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジベンジルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジイソプロピルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ビス(シクロヘキシルメチル)スクシネート、ジイソブチル-2,3-ジ-t-ブチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジイソブチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジネオペンチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-ジイソペンチルスクシネート、ジイソブチル-2,3-(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジイソブチル-2,3-テトラデシルスクシネート、ジイソブチル-2,3-フルオレニルスクシネート、ジイソブチル-2-イソプロピル-3-イソブチルスクシネート、ジイソブチル-2-tert-ブチル-3-イソプロピルスクシネート、ジイソブチル-2-イソプロピル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジイソブチル-2-イソペンチル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジイソブチル-2-テトラデシル-3-シクロヘキシルメチルスクシネート、ジイソブチル-2-シクロヘキシル-3-シクロペンチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ビス(トリメチルシリル)スクシネート、ジネオペンチル-2,2-sec-ブチル-3-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-3-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ビス(2-エチルブチル)スクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジエチル-2-イソプロピルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジイソプロピル-2-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジシクロヘキシル-2-メチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジベンジルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジイソプロピルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ビス(シクロヘキシルメチル)スクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジ-t-ブチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジイソブチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジネオペンチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-ジイソペンチルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-(1-トリフルオロメチルエチル)スクシネート、ジネオペンチル-2,3-テトラデシルスクシネート、ジネオペンチル-2,3-フルオレニルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソプロピル-3-イソブチルスクシネート、ジネオペンチル-2-tert-ブチル-3-イソプロピルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソプロピル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジネオペンチル-2-イソペンチル-3-シクロヘキシルスクシネート、ジネオペンチル-2-テトラデシル-3-シクロヘキシルメチルスクシネート、ジネオペンチル-2-シクロヘキシル-3―シクロペンチルスクシネートである。
【0021】
式(I)の化合物のうち、基R~Rのうちのいくつかが一緒に結合して環を形成している化合物も好ましく用いることができる。このような化合物として特表2002-542347に挙げられている化合物、例えば、1-(エトキシカルボニル)-1-(エトキシアセチル)-2,6-ジメチルシクロヘキサン、1-(エトキシカルボニル)-1-(エトキシアセチル)-2,5一ジメチルシクロペンタン、1-(エトキシカルボニル)-1-(エトキシアセチルメチル)-2一メチルシクロへキサン、1-(エトキシカルボニル)-1-(エトキシ(シクロヘキシル)アセチル)シクロヘキサンを挙げることができる。他には、例えば国際公開第2009/069483に開示されているような3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル等の環状スクシネート化合物も好適に用いることができる。他の環状スクシネート化合物の例としては、国際公開2009/057747号に開示されている化合物も好ましい。
【0022】
式(I)の化合物のうち、基R~Rがヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は窒素およびリン原子を含む第15族原子あるいは酸素およびイオウ原子を含む第16族原子であることが好ましい。基R~Rが第15族原子を含む化合物としては、特開2005-306910号に開示される化合物が挙げられる。一方、基R~Rが第16族原子を含む化合物としては、特開2004-131537号に開示される化合物が挙げられる。
【0023】
この他に、スクシネート系化合物と同等の分子量分布を与える内部電子供与体を用いてもよい。そのような内部電子供与体としては、例えば特開2013-28704号公報に記載のジフェニルジカルボン酸エステル、特開2014-201602号公報に記載のシクロヘキセンジカルボン酸エステル、特開2013-28705号公報に記載のジシクロアルキルジカルボン酸エステル、特許第4959920号に記載のジオールジベンゾエート、国際公開第2010/078494に記載の1,2-フェニレンジベンゾエートが挙げられる。
【0024】
2)有機アルミニウム化合物(成分b)
成分(b)の有機アルミニウム化合物としては以下が挙げられる。
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム:
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
【0025】
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハロゲニドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
【0026】
3)電子供与体化合物(成分c)
成分(c)の電子供与体化合物は、一般に「外部電子供与体」と称される。このような電子供与体化合物としては有機ケイ素化合物が好ましい。好ましい有機ケイ素化合物として以下が挙げられる。
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフエノキシシラン、メチルトリアリルオキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン。
【0027】
中でも、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチルプロピルジメトキシシラン、t-ブチルt-ブトキシジメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、i-ブチルセク-ブチルジメトキシシラン、エチル(パーヒドロイソキノリン2-イル)ジメトキシシラン、ビス(デカヒドロイソキノリン-2-イル)ジメトキシシラン、トリ(イソプロペニロキシ)フェニルシラン、テキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、i-ブチルi-プロピルジメトキシシラン、シクロペンチルt-ブトキシジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルi-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチルi-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、ジ-sec-ブチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチル(3、3、3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、ケイ酸エチルなどが好ましい。
【0028】
4)重合
成分(A1)の重合には公知の方法を用いることができる。例えば、成分(A1-1)の原料であるプロピレンおよび成分(A1-2)の原料モノマーを、2つ以上の反応器を用いて重合することが好ましい。重合は、液相中、気相中または液-気相中で実施してよい。また、モノマー濃度や重合条件の勾配を有する重合器を用いてもよい。このような重合器では、例えば、少なくとも2つの重合領域が接続されたものを使用し、気相重合でモノマーを重合することができる。具体的には、触媒の存在下、上昇管からなる重合領域にてモノマーを供給して重合し、上昇管に接続された下降管にてモノマーを供給して重合し、上昇管と下降管とを循環しながら、ポリマー生成物を回収する。この方法は、上昇管中に存在する気体混合物が下降管に入るのを全面的または部分的に防止する手段を備える。また、上昇管中に存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体または液体混合物を下降管中に導入する。上記の重合方法として、例えば、特表2002-520426号公報に記載された方法を適用することができる。
【0029】
(2)成分(A2):ポリプロピレン
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は成分(A2)として0~30重量%のポリプロピレンを含む。成分(A2)は発泡性ポリプロピレン組成物の剛性および流動性を向上させる。この観点から、成分(A2)の量は0.1重量%以上が好ましく、3~21重量%程度がより好ましい。成分(A2)はプロピレン単独重合体であることが好ましい。また、非晶性成分の指標となる25℃でのキシレン可溶分の量が6.0重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以下であることがより好ましく、2.0重量%以下であることがさらに好ましい。25℃でのキシレン可溶分の量が上限値を超えると発泡体の剛性が低下する。成分(A2)のMFRは5~2000g/10分が好ましく、7.5~70g/10分がより好ましい。MFRが上限値を超えると発泡体の耐衝撃性が低下する、下限値未満であると発泡性ポリプロピレン組成物の流動性が低下することがある。
【0030】
(3)成分(B):エラストマー
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は、成分(B)として18~35重量%のエラストマー含む。エラストマーとは弾性を有するポリマーである。本発明で用いるエラストマーは前記成分(A1-2)のポリマーとは異なる。成分(B)は発泡体の耐衝撃性、外観、耐傷付性を向上する。この観点から、成分(B)の量は21~28重量%が好ましい。当該量が上限値を上回ると、外観不良、耐傷付性の低下が生じうる。当該量が下限値未満であると耐衝撃性が低下しうる。
【0031】
エラストマーの190℃、21.18Nの荷重でのメルトフローレート(以下この条件で測定したメルトフローレートを「MFR190℃」ともいう)は1~10g/10分であるが、1~7g/10分が好ましい。MFR190℃が上限値を超えると発泡体の剛性と耐衝撃性のバランスが低下し、下限値未満であると発泡性ポリプロピレン組成物の流動性が低下することがある。
【0032】
エラストマーとしてはエチレンとα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。α-オレフィンとしては、炭素数3~12のα-オレフィンが挙げられ、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が好ましい。エラストマーは、成分(A1-1)および成分(A1-2)のポリマーよりも低い密度を有することが好ましい。例えばエラストマーの密度は限定されないが0.850~0.890g/cmであることが好ましく、0.860~0.880g/cmであることがより好ましい。このようなエラストマーは、例えば特開2015-113363号に記載のとおりメタロセンまたはハーフメタロセン等の均一系触媒を用いてモノマーを重合することにより調製できる。
【0033】
(4)成分(C):板状無機充填剤
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は、成分(C)として、1重量%を超え、12重量%未満の板状無機充填剤を含む。成分(C)は発泡体の剛性および耐衝撃性を向上させる。この観点から成分(C)の量は3~10重量%が好ましい。当該量が上限値以上であると外観不良、耐傷付性の低下が生じうる。当該量が下限値以下であると剛性が低下しうる。
【0034】
板状無機充填剤としては、マイカ、クレー、タルク等が挙げられるが、入手容易性等からタルクが好ましい。板状無機充填剤の平均粒子径は1~10μmが好ましく、3~7μmがより好ましい。平均粒子径はJIS Z 8825に従って測定される。
【0035】
(5)成分(D):発泡剤
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は発泡剤を含む。発泡剤としては分解型発泡剤、溶剤型発泡剤のいずれも使用できる。分解型発泡剤とは射出成形機のシリンダー温度条件下で分解して炭酸ガス、窒素ガス等の気体を発生する化合物である。分解型発泡剤としては、無機系、有機系のいずれも使用できる。さらに気体の発生を促す有機酸等の公知の発泡助剤を併用してもよい。
【0036】
無機系の分解型発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。有機系の分解型発泡剤としては、N,N’-ジニトロソテレフタルアミド、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のN-ニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルフェニルヒドラジド)、ジフェニルスルフォン-3,3’-ジスルフォニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4’-ジフェニルジスルフォニルアジド、p-トルエンスルフォニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
【0037】
これらの発泡剤の中でも、環境への影響が少なく、安全で、さらには発泡セルが安定化するという観点から、重炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩または炭酸水素塩が好ましく、その際、有機カルボン酸を発泡助剤として併用することが好ましい。炭酸塩または炭酸水素塩と有機カルボン酸との配合比は、炭酸塩または炭酸水素塩が10~70重量%、有機カルボン酸が30~90重量%が好ましい。
【0038】
溶剤型発泡剤は、射出成形機のシリンダー部分から発泡剤を含まない組成物に注入して、射出成形金型中で蒸発して発泡剤として機能する物質である。プロパン、ブタン、ネオペンタン、ヘプタン、イソヘキサン、ヘキサン、イソヘプタン、ヘプタン等の低沸点脂肪族炭化水素や、フロンガスで代表される低沸点のフッ素含有炭化水素等が使用できる。
【0039】
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物に用いる発泡剤は、ポリオレフィンをキャリアとする発泡剤マスターバッチの様態で添加することができる。当該ポリオレフィンとしてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等が挙げられる。本発明においては、通常当該分野で使用されている発泡剤マスターバッチ全体が発泡剤に該当するとして当該マスターバッチに含まれるキャリアも発泡剤の成分とみなすことができる。発泡剤の添加量は、前記成分(A1)、(A2)、(B)および(C)の合計量100重量部に対して、0.1~10重量部が好ましく、0.5~5重量部がより好ましい。さらにこの範囲内において発生ガス量および発泡倍率等を考慮して最適量が選択される。発泡倍率は1.4~3が好ましく、1.5~2.8がより好ましい。この範囲内にある発泡性ポリプロピレン組成物からは、気泡径が揃い、かつ気泡が均一分散した樹脂発泡体が得られる。
【0040】
(6)他の成分
発泡性ポリプロピレン組成物には、酸化防止剤、塩素吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、結晶造核剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、油展および他の有機および無機顔料などの当該分野で通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。各添加剤の添加量は公知の量としてよい。
【0041】
(7)特性
1)MFR
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物のMFRは、発泡剤を含まない場合(以下「非発泡性ポリプロピレン組成物」ともいう)に40~60g/10分であり、好ましくは45~57g/10分である。MFRが上限を超えると発泡体の耐衝撃性が低下し、下限未満であると発泡性ポリプロピレン組成物の流動性が低下する。
【0042】
2)密度
前記(A1)、(A2)、(B)、および(C)からなる非発泡性ポリプロピレン組成物の密度は好ましくは0.91~0.98g/cm、より好ましくは0.91~0.96g/cmである。
【0043】
3)剛性
非発泡性ポリプロピレン組成物の曲げ弾性率は23℃において1000MPa以上が好ましく、1200MPa以上がより好ましい。
【0044】
4)耐衝撃性
非発泡性ポリプロピレン組成物のシャルピー衝撃強度は23℃において30kJ/m以上が好ましく、35kJ/m以上がより好ましい。
【0045】
2.製造方法
分解型発泡剤を用いる場合、本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は、成分(A1)~(C)および必要に応じて添加剤を溶融混練して得た非発泡性ポリプロピレン組成物を製造し、これと発泡剤(成分(D))をドライブレンドすることにより製造できる。前記ドライブレンドは、発泡成形機付帯の押出機中で、成形前に溶融混練してよい。前述のとおり、発泡剤としてポリオレフィンをキャリアとする発泡剤マスターバッチを用いてもよい。
【0046】
溶剤型発泡剤を用いる場合は、成分(A1)~(C)および必要に応じて添加剤を溶融混練して非発泡性ポリプロピレン組成物を調製し、前述のとおり射出成形機内で溶剤型発泡剤と混合することで発泡性ポリプロピレン組成物を製造できる。この際、ポリオレフィン等をキャリアとする発泡剤マスターバッチを発泡剤として添加してもよい。
【0047】
3.成形
本発明の発泡性ポリプロピレン組成物を発泡させることで発泡体を製造できる。発泡体は射出発泡成形によって製造されることが好ましい。射出発泡成形は、キャビティの容積を変化させない方法と変化させる方法に大別できる。前者は、発泡性ポリプロピレン組成物を金型のキャビティへ充填し、ポリマーの収縮に伴う圧力低下によって成形品内部で発泡剤を気化させて発泡させる方法である。後者は、発泡性ポリプロピレン組成物をキャビティに充填する途中または充填完了後に、金型をコアバックする、あるいは金型内のスライドコア等を移動させてキャビティの容積を拡大することにより発泡させる方法である。射出条件は、シリンダー温度190~230℃、金型温度20~50℃、射出速度30~300mm/秒であることが好ましい。
【実施例
【0048】
以下の材料を準備した。
(1)成分(A1)
ポリプロピレン樹脂組成物1の製造
MgCl上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持させた固体触媒を、欧州特許第728769号公報の実施例5に記載された方法により調製した。次いで、上記固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が20、TEAL/DCPMSの重量比が10となるような量で、12℃において24分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃にて5分間保持することによって予備重合を行った。
得られた予備重合物を、二段の重合反応器を直列に備える重合装置の一段目の重合反応器に導入してプロピレン単独重合体(成分(A1-1))を製造し、二段目の重合反応器でプロピレン-エチレンコポリマー(成分(A1-2))を製造した。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。
重合温度と反応物の比率は、一段目の反応器では、重合温度、水素濃度が、それぞれ70℃、3.33モル%、二段目の反応器では、重合温度、水素濃度、C2/(C2+C3)が、それぞれ80℃、1.88モル%、0.21モル比であった。また、コポリマー成分の量が30重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。
得られたポリプロピレン重合体100重量部に、酸化防止剤として、BASF社製B225を0.2重量部、中和剤として、淡南化学株式会社製カルシウムステアレートを0.05重量部配合し、ヘンシェルミキサーで1分間撹拌、混合した後、スクリュー直径15mmの2軸押出機(株式会社テクノベル製、型番KZW15TW-30MG)を用いて、シリンダー温度200℃で溶融混練して押出した。ストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーでカットし、ペレットを得た。
得られたポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))は、MFR=37g/10分、成分(A1-1):成分(A1-2)=70:30(重量比)、プロピレン-エチレンコポリマーのエチレン由来単位=27重量%、XSIV=2.3dL/gであった。
【0049】
ポリプロピレン樹脂組成物2の製造
MgCl上にTiと内部供与体化合物としてのジエチル-2,3-(ジイソプロピル)スクシネートを担持させた固体触媒を、特開平7-2925号公報の実施例1に記載された方法によって調製した。固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの質量比が18、TEAL/DCPMSの質量比が10となるような量で、室温において5分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃にて5分間保持することによって予備重合を行った。
得られた予備重合物を、二段の重合反応器を直列に備える重合装置の一段目の重合反応器に導入してプロピレン単独重合体(成分(A1-1))を製造し、二段目の重合反応器でプロピレン-エチレンコポリマー(成分(A1-2))を製造した。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。
重合温度と反応物の比率は、一段目の反応器では、重合温度、水素濃度が、それぞれ70℃、1.83モル%、二段目の反応器では、重合温度、水素濃度、C2/(C2+C3)が、それぞれ80℃、2.45モル%、0.29モル比であった。また、コポリマー成分の量が22重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。
得られたポリプロピレン重合体を用い、ポリプロピレン樹脂組成物1と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物2のペレットを得た。
得られたポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))は、MFR=100g/10分、成分(A1-1):成分(A1-2)=78:22(重量比)、プロピレン-エチレンコポリマーのエチレン由来単位=35重量%、XSIV=2.0dl/gであった。
【0050】
ポリプロピレン樹脂組成物3の製造
一段目の反応器の重合温度、水素濃度を、それぞれ70℃、3.17モル%、二段目の反応器の重合温度、水素濃度、C2/(C2+C3)を、それぞれ80℃、1.61モル%、0.21モル比とし、コポリマー成分の量が15重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、ポリプロピレン樹脂組成物1と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物3を得た。
得られたポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))は、MFR=83.3g/10分、成分(A1-1):成分(A1-2)=85:15(重量比)、プロピレン-エチレンコポリマーのエチレン由来単位=27重量%、XSIV=2.5dl/gであった。
【0051】
(2)成分(A2)
ポリプロピレン1(パウダー状の重合体)
MFR=1750g/10分、25℃でのキシレン可溶分2.3重量%
ポリプロピレン2(酸化防止剤と中和剤を含むペレット)
MFR=7.5g/10分、25℃でのキシレン可溶分1.5重量%
ポリプロピレン3(酸化防止剤と中和剤を含むペレット)
MFR=30g/10分、25℃でのキシレン可溶分1.5重量%
【0052】
(3)成分(B)
エラストマー1(ダウ・ケミカル社製 エンゲージ8150)
MFR190℃=0.5g/10分、密度=0.868g/cm
エラストマー2(ダウ・ケミカル社製 エンゲージ8100)
MFR190℃=1.0g/10分、密度=0.870g/cm
エラストマー3(ダウ・ケミカル社製 エンゲージ8200)
MFR190℃=5.0g/10分、密度=0.870g/cm
エラストマー4(三井化学株式会社製 タフマーA1050S)
MFR190℃=1.2g/10分、密度=0.862g/cm
エラストマー5(ダウ・ケミカル社製 エンゲージ8407)
MFR190℃=30g/10分、密度=0.870g/cm
【0053】
(4)成分(C)
タルク(ネオライト興産株式会社製UNI05) 平均粒径=5μm
【0054】
[実施例1~8、参考例9および10]
(1)非発泡性ポリプロピレン組成物
表1に示す成分(A1)と成分(A2)と成分(B)と成分(C)との合計100重量部に対し、添加剤として、マグネシウムステアレートを0.20重量部、カルシウムステアレートを0.05重量部、BASF社製B225を0.20重量部、株式会社ADEKA製アデカスタブLA-502XPを0.20重量部、グリセロールモノステアレートを0.20重量部とを加え、ヘンシェルミキサーで1分間撹拌、混合した後、スクリュー直径30mmの2軸押出機(株式会社JSW製、型番TEX-30α)を用いて、シリンダー温度200℃で溶融混練して押出した。ストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーでカットし、ペレットを得た。次いで、射出成型機(ファナック株式会社製、型番ロボショットS-2000i 100B)を用いて、当該ペレットを各種試験片に射出成形した。成形条件は、シリンダー温度200℃、金型温度40℃、射出速度200mm/秒であった。このようにして製造した非発泡性ポリプロピレン組成物について各種物性を評価した。結果を表1に示す。評価方法は後述する。
【0055】
(2)発泡体
上記の非発泡性ポリプロピレン組成物に、発泡剤として、発泡剤マスターバッチ(永和化成工業株式会社製ポリスレンEE65C)を3重量部加えて射出発泡成形機の押出機で溶融混練した後、射出発泡成形を行って自動車ドア部品形状の発泡体を製造した。当該発泡剤マスターバッチは分解型発泡剤とキャリアとしてのポリオレフィンを含んでいる。発泡体の評価結果を表1に合わせて示す。
【0056】
[比較例1~9]
表2に示す成分を用いて実施例と同様にして比較用の非発泡性ポリプロピレン組成物および発泡体を製造し評価した。結果を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
本発明の非発泡性ポリプロピレン組成物は優れた剛性および耐衝撃性を有する。さらに、発泡性ポリプロピレン組成物は優れた発泡性を示す。以上から、本発明の発泡性ポリプロピレン組成物は剛性および耐衝撃性のバランスに優れた発泡体を与えることが明らかである。
【0060】
以下に物性値の測定方法を示す。
[密度]
JIS K 7112に準じて測定した。
[MFR]
JIS K 7210に準じ、に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
[MFR190℃
JIS K 7210に準じ、に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
【0061】
[曲げ弾性率]
JIS K6921-2に準拠し、島津株式会社製 全自動試験機AG-X(曲げモード)を用いて測定した。
試験速度:10mm/分
試験温度:23℃
【0062】
[シャルピー衝撃強度]
JIS K6921-2に準拠し、株式会社東洋精機製作所製試験機デジタル衝撃試験機DG-UB型を用いて測定した。
【0063】
[XSIV]
ポリマー2.5gを、o-キシレン(溶媒)を250mL入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間、攪拌し、組成物を完全溶解させた後、25℃で1時間、冷却を行った。得られた溶液を、濾紙を用いて濾過した。濾過後の濾液を100mL採取し、アルミカップ等に移し、窒素パージを行いながら、140℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置し、キシレン可溶分(XS)を得た。次いで、容器を一定重量が得られるまで、真空下にオーブン中80℃で維持した後、室温でキシレンに溶解するポリマーの重量を求めた。全ポリマーに対するキシレンに溶解するポリマーの重量%を計算し、25℃でのキシレン可溶分の量とした。
上記のキシレン可溶分を試料とし、ウベローデ型粘度計(SS-780-H1、柴山科学器械製作所製)を用いて135℃テトラヒドロナフタレン中で極限粘度の測定を行った。
[ポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))中のコポリマー(成分(A1-2))中のエチレン濃度およびコポリマーの量]
1、2、4-トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、Bruker社製AVANCEIII HD400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、測定温度120℃、フリップ角45度、パルス間隔7秒、試料回転数20Hz、積算回数5000回の条件で13C-NMRのスペクトルを得た。
【0064】
<ポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))中の総エチレン量>
上記で得られたスペクトルを用いて、Kakugo,Y.Naito、K.Mizunuma and T.Miyatake、Macromolecules、15、1150-1152(1982)の文献に記載された方法により、ポリプロピレン樹脂組成物の総エチレン量(重量%)を求めた。
【0065】
<コポリマー(成分(A1-2))中のエチレン濃度>
上記で得られたTββの積分強度の替わりに下記式で求めた積分強度を使用した以外は、総エチレン量と同様の方法で計算を行い、コポリマー中のエチレン濃度を求めた。
T’ββ= 0.98×Sαγ×A/(1-0.98×A)
ここで、A= Sαγ/(Sαγ+Sαδ)
【0066】
<ポリプロピレン樹脂組成物(成分(A1))中のコポリマー(成分(A1-2))の量>
以下の式で求めた。
コポリマーの量(重量%)= ポリプロピレン樹脂組成物の総エチレン量/(コポリマー中のエチレン濃度/100)
【0067】
[流動性]
自動車ドア部品の射出成形においてショートショットの有無確認を行い、以下の基準で評価した。
A:優、B:良、C:不良
【0068】
[発泡特性]
自動車ドア部品の射出成形品の断面観察を行い、以下の基準で評価した。
A:優、B:良、C:不良
【0069】
[外観]
自動車ドア部品の射出成形品のスワールマーク目視判定を行い、以下の基準で評価した。
A:優、B:良、C:不良
【0070】
[耐傷付性]
自動車ドア部品の射出成形品表面の傷つき試験(5フィンガー法)を行い、以下の基準で評価した。
A:優、B:良、C:不良