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特許7015733配向に対するロバスト性を有する円形印刷メモリシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】配向に対するロバスト性を有する円形印刷メモリシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220127BHJP
   G06K 19/04 20060101ALI20220127BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 27/11507 20170101ALI20220127BHJP
【FI】
G06K19/077 188
G06K19/04 010
G06K19/077 140
G06K7/00 026
H01L27/11507
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018092655
(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公開番号】P2018206370
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】15/613,668
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エム・ファウラー
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-096193(JP,A)
【文献】特開平05-342843(JP,A)
【文献】特開2009-217923(JP,A)
【文献】特表2008-544519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00-19/18
G06K 7/00-7/14
H01L 27/10-27/11597
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ装置であって、
複数の下部電極接触パッド及び複数の下部電極拡張部材を含む複数の下部電極であって、
前記複数の下部電極接触パッドのそれぞれが、前記下部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、
前記複数の下部電極接触パッドのそれぞれが、前記下部電極接触パッドを二分して、前記メモリ装置の中心から第1の半径で位置付けられる第1の円弧状の中線を含み、
各下部電極接触パッドの周辺部が、前記第1の円弧状の中線によって二分されるような形状の環状セクタを画定する、複数の下部電極と、
複数の上部電極接触パッド及び複数の上部電極拡張部材を含む複数の上部電極であって、
前記複数の上部電極接触パッドのそれぞれが、前記上部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、
前記複数の上部電極接触パッドのそれぞれが、前記上部電極を二分して、前記メモリ装置の中心から第2の半径で位置付けられる第2の円弧状の中線を含み、前記第1の半径が、前記第2の半径と異なる、複数の上部電極と、
前記複数の下部電極拡張部材と前記複数の上部電極拡張部材との間に位置付けられる強誘電体層と、を含む、メモリ装置。
【請求項2】
前記複数の下部電極拡張部材及び前記複数の上部電極拡張部材のうちの少なくとも1つが、交互に配置された非交差螺旋に配列される、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記複数の上部電極拡張部材のそれぞれが、交差点で前記複数の下部電極拡張部材のあらゆる下部電極拡張部材と交差する、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
あらゆる交差点で位置付けられたメモリ記憶場所をさらに含む、請求項3に記載のメモリ装置。
【請求項5】
円形メモリ装置であって、
複数の下部電極接触パッド及び複数の下部電極拡張部材を含む複数の下部電極であって、
前記複数の下部電極接触パッドのそれぞれが、前記下部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、
前記複数の下部電極接触パッドのそれぞれが、前記下部電極接触パッドを二分して、前記円形メモリ装置の中心から第1の半径で位置付けられる第1の円弧状の中線を含み、
各下部電極接触パッドの周辺部が、前記第1の円弧状の中線によって二分されるような形状の環状セクタを画定する、複数の下部電極と、
複数の上部電極接触パッド及び複数の上部電極拡張部材を含む複数の上部電極であって、
前記複数の上部電極接触パッドのそれぞれが、前記上部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、
前記複数の上部電極接触パッドのそれぞれが、前記上部電極を二分して、前記円形メモリ装置の中心から第2の半径で位置付けられる第2の円弧状の中線を含み、前記第1の半径が、前記第2の半径と異なる、複数の上部電極と、
前記複数の下部電極拡張部材と前記複数の上部電極拡張部材との間に位置付けられる強誘電体層と、を含む、円形メモリ装置と、
前記円形メモリ装置でメモリ動作を実行するように構成されるリーダであって、前記複数の下部電極接触パッド及び前記複数の上部電極接触パッドに電気的に結合するように構成される複数のプローブを含むリーダとを含む、メモリシステム。
【請求項6】
前記複数のプローブが、複数の一次プローブ及び複数の二次プローブを含み、
前記複数の一次プローブからの各一次プローブが、メモリ動作の間、前記下部電極接触パッドのうちの1つと、または前記上部電極接触パッドのうちの1つと電気的に連通するとき、前記複数の二次プローブが、非活性になるように構成され、
前記一次プローブの少なくとも1つが、前記メモリ動作の間、前記下部電極接触パッドのうちの1つと、または前記上部電極接触パッドのうちの1つと電気的に連通しないとき、前記複数の一次プローブが、非活性になるように構成され、前記複数の二次プローブが、前記メモリ動作を実行するように構成される、請求項5に記載のメモリシステム。
【請求項7】
各下部電極接触パッド及び各上部電極接触パッドが、52°~62°の円弧に沿って延在し、
前記複数の二次プローブが、13°~36°だけ前記複数の一次プローブから回転オフセットされる、請求項6に記載のメモリシステム。
【請求項8】
円形メモリ装置でメモリ動作を実行するための方法であって、
前記円形メモリ装置と物理的に接触するリーダを配置することと、
前記リーダの複数の一次プローブのあらゆる一次プローブが前記円形メモリ装置の複数の電極の1つの電極に電気的に結合されるかどうかを検出することと、
前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されている前記複数の一次プローブのあらゆる一次プローブに応答して、前記複数の一次プローブを使用して前記円形メモリ装置で前記メモリ動作を実行することと、
前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されていない前記複数の一次プローブのあらゆる一次プローブに応答して、前記リーダの複数の二次プローブのあらゆる二次プローブが前記円形メモリ装置の前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されるかどうかを検出することと、
前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されている前記複数の二次プローブのあらゆる二次プローブに応答して、前記複数の二次プローブを使用して前記円形メモリ装置で前記メモリ動作を実行することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されていない前記複数の二次プローブのあらゆる二次プローブに応答して、前記円形メモリ装置に対して前記リーダを再位置付けするまたは再整合することと、
前記リーダの前記複数の一次プローブのあらゆる一次プローブが前記円形メモリ装置の前記複数の電極の1つの電極に電気的に結合されるかどうかの前記検出を実行することと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リーダの中心パッドプローブが前記複数の一次プローブの前記一次プローブのうちの1つに電気的に結合されるかどうかを検出することと、
前記一次プローブのうちの前記1つに電気的に結合されている前記リーダの前記中心パッドプローブに応答して、あらゆる一次プローブが前記複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されるかどうかの前記検出を実行することと、
前記一次プローブのうちの1つに電気的に結合されていない前記中心パッドプローブに応答して、前記中心パッドプローブが前記複数の二次プローブの前記二次プローブのうちの1つに電気的に結合されるかどうかを検出することと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般に、印刷メモリ装置に関し、より詳細には、回転検出を有する円形メモリ装置及びそれをつくるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷メモリ装置は、複数ビットの情報またはデータビットを記憶する複数のメモリ場所またはメモリセルを含んでもよい。印刷メモリ装置は、複数の平行上部電極(すなわち、導電性ライン)及び複数の平行下部電極を含み、下部電極は、上部電極に対して垂直に配置される。複数の電極は、マトリクス状の交差する交差点を形成し、各交差点は、メモリ記憶場所である。各データビットは、2つの交差電極の間に挟まれた活性層の状態によって記憶される。これにより、各電極は、複数のメモリ場所及びデータビットにアクセスするために使用される。
【0003】
各電極は、電極との電気的結合を軽減するために、増大された寸法及び/または表面積を有する接触パッドで終端してもよい。複数の下部電極のための接触パッドは、互いに線形に配置されてもよい。さらに、複数の上部電極のための接触パッドは、互いに線形に配置されてもよい。メモリ場所に対してメモリ動作(例えば、読出し及び/または書込み)を実行するために、メモリ場所の交差点を形成する下部電極及び上部電極は、接触パッドを使用して、電気的にアクセスされる。メモリ動作は、複数のプローブが複数の接触パッドに物理的かつ電気的に接触するように配置されたリーダなどの装置によって実行されてもよい。
【0004】
印刷メモリ装置は、様々な異なる用途に対して使用されてもよい。例えば、印刷メモリ装置は、識別または他の用途に対して使用することができるデータビットの組み合わせを記憶してもよい。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本教示の1つ以上の実装のいくつかの態様を基本的に理解するために、簡略化した概要を示す。この概要は、広範な概要ではなく、本教示の手がかりとなるまたは重要な要素を特定することも、本開示の範囲を描写することも意図していない。むしろ、その主な目的は、後で示される発明を実施するための形態の序文として、簡略化した形状で1つ以上の概念を単に示すことである。
【0006】
実装において、メモリ装置は、複数の下部電極接触パッド及び複数の下部電極拡張部材を含む複数の下部電極を含み、複数の下部電極接触パッドのそれぞれは、下部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、複数の下部電極接触パッドのそれぞれは、下部電極接触パッドを二分して、メモリ装置の中心から第1の半径で位置付けられる第1の円弧状の中線を含み、各下部電極接触パッドの周辺部は、第1の円弧状の中線によって二分された環状セクタを画定する。この実装において、メモリ装置は、複数の上部電極接触パッド及び複数の上部電極拡張部材を含む複数の上部電極を含み、複数の上部電極接触パッドのそれぞれは、上部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、複数の上部電極接触パッドのそれぞれは、上部電極を二分して、メモリ装置の中心から第2の半径で位置付けられる第2の円弧状の中線を含み、第1の半径は、第2の半径と異なり、さらに、メモリ装置は、複数の下部電極拡張部材と複数の上部電極拡張部材との間に位置付けられる強誘電体層を含む。
【0007】
別の実装において、メモリシステムは、複数の下部電極接触パッド及び複数の下部電極拡張部材を含む複数の下部電極を有する円形メモリ装置を含み、複数の下部電極接触パッドのそれぞれは、下部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、複数の下部電極接触パッドのそれぞれは、下部電極接触パッドを二分して、円形メモリ装置の中心から第1の半径で位置付けられる第1の円弧状の中線を含み、各下部電極接触パッドの周辺部は、第1の円弧状の中線によって二分された環状セクタを画定する。円形メモリ装置は、複数の上部電極接触パッド及び複数の上部電極拡張部材を含む複数の上部電極を含み、複数の上部電極接触パッドのそれぞれは、上部電極拡張部材のうちの1つと電気的に連通し、複数の上部電極接触パッドのそれぞれは、上部電極を二分して、円形メモリ装置の中心から第2の半径で位置付けられる第2の円弧状の中線を含み、第1の半径は、第2の半径と異なり、さらに、円形メモリ装置は、複数の下部電極拡張部材と複数の上部電極拡張部材との間に位置付けられる強誘電体層を含む。メモリシステムは、円形メモリ装置でメモリ動作を実行するように構成されるリーダであって、複数の下部電極接触パッド及び複数の上部電極接触パッドに電気的に結合するように構成される複数のプローブを含むリーダを含む。
【0008】
円形メモリ装置でメモリ動作を実行するための方法の実装は、円形メモリ装置と物理的に接触するリーダを配置することと、リーダの複数の一次プローブのあらゆる一次プローブが円形メモリ装置の複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されるかどうかを検出することと、複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されている複数の一次プローブのあらゆる一次プローブに応答して、複数の一次プローブを使用して円形メモリ装置でメモリ動作を実行することと、複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されていない複数の一次プローブのあらゆる一次プローブに応答して、リーダの複数の二次プローブのあらゆる二次プローブが円形メモリ装置の複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されるかどうかを検出することと、複数の電極のうちの1つの電極に電気的に結合されている複数の二次プローブのあらゆる二次プローブに応答して、複数の二次プローブを使用して円形メモリ装置でメモリ動作を実行することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本教示の実装を例証し、説明とともに、本開示の原理を説明する働きをする。図において:
【0010】
図1】本教示の実装に従う円形メモリ装置の平面図である。
図2図1の2-2に沿った概略断面図である。
図3図1の3-3に沿った概略断面図である。
図4】任意選択のパッシベーション層を含む図3構造を表す図である。
図5】リーダのプローブによって物理的かつ電気的に接触された図1構造を表す図である。
図6】リーダのプローブと不整合の図1構造を表す図である。
図7】リーダのプローブによって電気的に接触された図1構造を表す図である。
図8】リーダのプローブを表す平面図である。
図9】製品に取り付けられた図1装置の透視図である。
図10図1の装置でメモリ動作を実行し得るリーダと物理的かつ電気的に接触する図9構造の透視図である。
図11A】本教示の実装により実行され得る方法のフローチャートを示す図である。
図11B】本教示の実装により実行され得る方法のフローチャートを示す図である。
図12図11A、11Bのフローチャートを用いる方法の間に図1の装置に対して起こり得るリーダの種々の整合を表す図である。
図13】本教示の実装に従う円形メモリ装置の別の実装の図である。
図14A】本教示の実装により実行され得る方法のフローチャートを示す図である。
図14B】本教示の実装により実行され得る方法のフローチャートを示す図である。
図15図14A、14Bのフローチャートを用いる方法の間に図13の装置に対して起こり得るリーダの種々の整合を表す図である。
【0011】
図のいくつかの細部が簡略化され、厳格な構造精度、細部、及びスケールを維持するのではなく、本教示の理解を促進するように描かれている点に留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本教示の例示的な実装について詳しく言及し、その例が添付図面に例証される。可能な限り、同じまたは同様の部品を指すために、図面全体にわたって同じ参照番号が使用される。
【0013】
円形メモリ装置の実装は、「Circular Printed Memory Device with Rotational Detection.」という表題の2017年3月6日に出願された米国特許出願第15/450,856号に記載され、その全体が参照により組み込まれる。開示された円形メモリ装置は、中心部材を含む上部電極及び複数の下部電極を含み、各下部電極は、円形接触面積及び拡張部材を含む。読出し及び/または書込みなどのメモリ動作は、上部電極の中心部材と下部電極円形部材のうちの1つとを接触させることによって、この円形メモリ装置で実行されてもよい。特定のメモリセルを読み出すために、例えば、リーダのピンまたはプローブは、特定のメモリセルの円形部材と正確に整合される。円形メモリ装置を回転させると、プローブは、異なるメモリセルの円形部材と物理的に接触し得る。リーダは、複数のプローブを含み、円形メモリ装置の設計は、リーダが回転配向を決定することを可能にする特徴を含むので、リーダは、リーダの異なる電気的接触を使用して特定のメモリセルを読み出し得る。
【0014】
本開示は、回転配向に対してロバスト性を有する円形印刷メモリ装置(「円形メモリ装置」または「メモリ装置」と呼ばれる)を広範に開示する。一実装において、メモリ装置は、メモリ装置がある範囲の回転配向にわたって位置付けられるときにリーダを接触させることによって、成功裏に読み込まれ得る。
【0015】
本教示の実装に従うメモリ装置100は、図1の平面図、図1の「2-2」に沿って見た図2の断面図、及び図1の「3-3」に沿って見た図3の断面図において表される。メモリ装置100は、ベース基板102、複数の下部電極104A~104E(本明細書において、個々に下部電極104及び/または集合的に下部電極104と呼ばれる)、強誘電体層106、ならびに複数の上部電極108A~108E(本明細書において、個々に上部電極108及び/または集合的に上部電極108と呼ばれる)。一実装において、ベース基板102、下部電極104、強誘電体層106及び上部電極108は、互いの上部で層状化され、強誘電体層106は、下部電極104と上部電極108との間に位置付けられる。本教示の実装に従うメモリ装置100は、簡略化のために表されていない他の構造及び/または特徴を含んでもよく、表された構造及び/または特徴は、取り除かれても、もしくは修正されてもよい。
【0016】
実装において、ベース基板102は、可撓性ベース基板102を提供する可撓性材料であってもよい。例えば、可撓性材料は、可撓性プラスチック、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などであってもよく、または含んでもよい。
【0017】
ベース基板102は、連続シートとして提供されてもよい。例えば、ベース基板102は、複数の円形メモリ装置100を生産する組み立てラインによってロールされ、供給されてもよい。このため、ベース基板102及び各円形メモリ装置100は、その後、ベース基板102の連続シートから打ち抜かれても、または切り取られてもよい。
【0018】
複数の下部電極104及び複数の上部電極108は、導電性材料、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、金属合金などの1層以上の層から製作されてもよい。
【0019】
実装において、各下部電極104A~104Eは、接触パッド110A~110E及び拡張部材112A~112Eを含んでもよい。各メモリセルと関連付けられた接触パッド110及び拡張部材112は、単一の連続構造(例えば、同じ導電層から形成される)であってもよい。さらに、各上部電極108A~108Eは、接触パッド114A~114E及び拡張部材116A~116Eを有してもよい。各メモリセルと関連付けられた接触パッド114及び拡張部材116はまた、単一の連続構造であってもよい。接触パッド110、114は、リーダのプローブまたはピンのアレイが、下部電極104及び上部電極108と物理的かつ電気的に接触し得る比較的大きい表面を提供する。実装において、図1の平面図における各接触パッド110、114は、表されるように、環状セクタの形状を画定する周辺部を有してもよい。下部電極の接触パッド110A~110Eのそれぞれは、他の接触パッド110A~110Eのそれぞれとほぼ同じである第1の表面積を有してもよく、上部電極の接触パッド114A~114Eのそれぞれは、他の接触パッド114A~114Eのそれぞれとほぼ同じである第2の表面積を有してもよく、第1の表面積は、第2の表面積よりも大きい。
【0020】
複数の下部電極104は、ベース基板102の上に円形パターンで配列されてもよく、接触パッド110は、メモリ装置100の外周部に向かって位置付けられ、拡張部材112は、メモリ装置100の中心「O」に向かって配向される(例えば、指向して)。(図1において表すように、メモリ装置100の中心「O」は、線2-2及び3-3が交差する位置である。)各下部電極104の各接触パッド110は、接触パッド110にわたって延在して、二分する第1の円弧状の中線118を有してもよく、第1の中線118の各点は、中心「O」から第1の距離である。
【0021】
任意のタイプの強誘電体材料が強誘電体層106のために使用されてもよい。一実装において、強誘電体層106は、フッ素、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、トリフルオロエチレン(TFE)など、またはそれらの組み合わせを含有するポリマーを含んでもよい。他の強誘電体材料及び/または材料の組み合わせは、強誘電体層106として使用するために考察される。
【0022】
複数の上部電極108はまた、接触パッド114とともに、中心「O」に向かってベース基板102上に円形パターンで配列されてもよい。図1において表すように、上部電極108の拡張部材116は、それらが互いに交差しない(すなわち、非交差である)ように、インターリービングまたはインターディジット螺旋に配列されてもよい。表されるように、各上部電極108は、あらゆる下部電極104を交差してもよく、各交差点でメモリセルが形成される。各下部電極104の各接触パッド114は、円弧として接触パッド114にわたって延在して、二分する第2の円弧状の中線120を有してもよく、第2の中線120の各点は、中心「O」から第2の距離であり、第2の距離は、第1の距離未満である。
【0023】
図1~3は、5個の下部電極104及び5個の上部電極108を有するメモリ装置を表す。このため、表されたメモリ装置100は、25個のメモリセルを含み、各メモリセルは、下部電極104のうちの1つと上部電極108のうちの1つとの交差点に位置付けられる。本教示によるメモリ装置は、下部電極104及び上部電極108の数に応じて、およそ25個のメモリセルを含んでもよい。
【0024】
強誘電体メモリの動作は、当該技術分野において既知であるため、メモリ装置100の電気動作は、本明細書において簡潔に記載するのみである。一般に、「0」状態または「1」状態のいずれかを有するデータビットは、各下部電極104と各上部電極108との交差点の場所における強誘電体層106内に記憶される。強誘電体層内の強誘電体結晶の分極ベクトルは、どのデータビットが記憶されるかを決定する。データビットのうちの1つは、特定のメモリ場所と対の下部電極104及び上部電極108に好適な電圧を印加することによって、メモリセル内に選択的に記憶されてもよく、またはメモリセルから読み出されてもよい。
【0025】
下部電極(すなわち、図1~3の記述における下部電極104A)のうちの1つは、中心「O」に位置付けられる任意選択の中心接触パッド130を含んでもよく(例えば、電気的に結合される)、このため、本明細書において、「配向性電極」または「配向電極」と呼ばれる。中心接触パッド130は、拡張部材112Aに電気的に結合され(すなわち、電気的に連通する)、拡張部材112Aによって接触パッド110Aにさらに接続される。実装において、メモリ装置100は、1つの配向性電極のみを含んでもよく、中心パッド130は、1つの下部電極のみと電気的に結合される。中心接触パッド130の周辺部は、図1において表すように、円を画定する。使用の間、リーダのプローブのアレイからの第1のプローブは、中心接触パッド130に電気的に接触するように位置付けられてもよく、また第2のプローブは、接触パッド110A~110Eのうちの1つに電気的に接触するように位置付けられてもよい。低い電気抵抗が第1のプローブと第2のプローブとの間で測定される場合、第2のプローブは、下部電極104Aと物理的に接触しており、それによって、円形メモリ装置の配向を知ることを決定してもよい。反対に、高い電気抵抗が第1のプローブと第2のプローブとの間で測定される場合、第2のプローブが下部電極104B~104Eのうちの1つと物理的に接触していることを決定してもよい。実際には、後述するように、リーダは、5個のプローブ(または、他の実装において、5個超または5個未満)を含んでもよく、円形メモリ装置110の配向が決定され得るように、1つのプローブが下部電極104A~104Eのそれぞれと接触する。
【0026】
メモリ装置100は、装置構造を保護するために、図4において表すように、例えば、誘電体パッシベーション層400を含んでもよい。使用する場合、パッシベーション層400は、種々の導電構造を露出させるために、その中に開口を含み、例えば、メモリ装置100を試験する、読出す、及び/または書込むためにプローブとの電気的接触を可能にし得る。図4において表すように、パッシベーション層400は、下部電極接触パッド110のそれぞれを露出させて、それらに対する電気的接触を可能にする複数の第1の接触開口402、中心接触パッド130を露出させて、それに対する電気的接触を可能にする第2の接触開口404、及び上部電極接触パッド114のそれぞれを露出させて、それらに対する電気的接触を可能にする複数の第3の接触開口406を含む。
【0027】
メモリ装置100でメモリ動作(例えば、読出し及び/または書込み動作、試験動作、電気特性動作など)を実行するために、例えば、リーダの複数の接触ピンまたはプローブは、図5の概略平面図に表されるように、下部電極104の複数の接触パッド110及び上部電極108の複数の接触パッド114と電気的に接触して配置されてもよい。図5は、図1のメモリ装置100及び接触パッド110、114、130と物理的かつ電気的に接触する、1組または複数の一次電極プローブまたは一次プローブ500~504を表す。複数の一次プローブは、リーダの接触プローブのアレイの一部であってもよく、または含んでもよい。一次プローブ500~504は、円形メモリ装置100の外半径に向かって下部電極104に接触する複数の一次下部電極プローブ500、円形メモリ装置100の中間半径で上部電極108に接触する複数の一次上部電極プローブ502、及び円形メモリ装置100の中心「O」に向かって中心接触パッド130に接触する中心パッドプローブ504を含む。例証のために、下部電極プローブ500及び上部電極プローブ502は、円として表され、中心接触プローブ504は、星として表されているが、接触プローブ500~504のそれぞれは、異なる形状が考察されるけれども、一般に、同じ形状を有することが理解されよう。
【0028】
図5平面図の実装において及び上述のように、接触パッド110、114のそれぞれは、環状セクタとして形成されてもよく、または環状セクタの形状を有してもよい。各環状セクタは、図6において表すように、円のa°にわたって延在してもよい(すなわち、a°の円弧に沿って延在してもよい)。a°の角度は、少なくとも部分的に、下部電極接触パッド110の数または上部電極108の数に依存する。表された実装において、下部電極接触パッド110の数(すなわち、5個)は、上部電極接触パッド114の数(すなわち、5個)に等しく、そのため、それぞれの数は、「N」と指定されてもよい。a°の角度はまた、少なくとも部分的に、図6において、b°であるそれぞれの電極タイプのための隣接する接触パッド間の隙間に依存する。接触パッド110、114は、中心「O」の周りに均一に分布されてもよい。隣接する環状セクタ間のb°の隙間は、b°=(360°/N-a°)として算出され得る。実装において、プローブ500~504が隣接する下部電極接触パッド110の間、または上部電極接触パッド114の間をブリッジする、またはまたがることができないように、b°は、一次プローブ500~504の幅より大きくてもよい。
【0029】
例えば、図6実装において、N=5であり、このため、a°+b°について72°(360°/5)が利用可能である。a°が52.6°になるように指定されるまたは選択される場合、そのとき、b°=72°-52.6°=19.4°である。このため、図5に関するこの実装において、プローブ500、502と各それぞれの接触パッド110、114との間の物理的かつ電気的な接触を維持しながら、メモリ装置100は、52.6°(すなわち、図5の配向に対して時計回りに26.3°または反時計回りに26.3°)で回転することができる。このため、環状セクタの形状を有する接触パッド110、114を含む図5の装置は、丸形または正方形の接触パッドを有する装置と比較して、回転不整合に対する向上した公差を有する。
【0030】
図5の記述は、一般に、一次プローブ500~504のそれぞれが各接触パッド110、114、130の中心と物理的に接触するため、プローブ500~504と接触パッド110、114、130との間の理想的な接触状態である。図6は、リーダ及び1組の一次プローブ500~504をメモリ装置100に対して35°回転させる図5構造を表す。この場合、中心パッドプローブ504のみがメモリ装置100と電気的に接触するため、メモリ装置に対するメモリ動作は、成功しない。回転不整合に関して、図6は、一般に、プローブ500~504と接触パッド500、502との間の最も悪い場合の接触状態を表す。
【0031】
成功したメモリ動作にはならない、図6において表すような回転不整合を解決するために、1組または複数の二次電極プローブまたは二次プローブが考察される。複数の二次プローブは、リーダの接触プローブのアレイの一部であってもよく、または含んでもよい。複数の第2の電極プローブを1組の一次プローブの位置から回転させるが、二次プローブは、中心「O」からの同じ距離である。図7は、図6のメモリ装置100及び一次プローブ500~504、ならびに1組の二次プローブ700、702を表す。例証のために、二次プローブ700、702は、五角形として表されているが、接触プローブ500~504、700、702のそれぞれは、異なる形状が考察されるけれども、一般に、同じ形状を有することが理解されよう。二次プローブ700、702は、円形メモリ装置100の外半径に向かって下部電極104に接触する複数の二次下部電極プローブ700及び円形メモリ装置100の中間半径で上部電極108に接触する複数の二次上部電極プローブ702を含む。
【0032】
二次プローブ700、702を一次接点500、502に対して中心点の周りを「c°」回転させる。図7において、c°=29°である。この「回転オフセット」は、少なくとも部分的に、Nの値、及びリーダプローブと接触パッドとの間の接触面積(本明細書において「d°」と指定される)によって決定されるc°の値を有する。図7において表すように、リーダプローブと接触パッドとの間の接触面積は、d°を定め、約5.5°である。上記のように測定されるa°、b°、c°及びd°について、b°<c°+d°<a°となるように、値が選択されてもよく、リーダが設計されてもよい。このため、接触パッドは、N倍の回転対称性を有する。さらに、幾何形状が適切な公差によって選択される場合、この関係は、特定の公差窓内で印刷メモリ装置に対するリーダの任意の相対位置、例えば、リーダ上の中心接点が装置上の中心接触パッドに接触する任意の相対位置に対して維持されてもよい。
【0033】
図7において表すように、一次下部電極プローブ500及び二次下部電極プローブ700のそれぞれは、プローブアレイの中心から第1の距離(すなわち、第1の半径で)で位置付けられ、プローブアレイの中心は、プローブアレイの中心に位置付けられる中心パッドプローブ504の中心である。一次上部電極プローブ502及び二次上部電極プローブ702のそれぞれは、プローブアレイの中心から第2の距離(すなわち、第2の半径で)で位置付けられ、第2の距離は、第1の距離未満である。
【0034】
図8は、リーダ800の端面図であり、リーダ800は、複数の一次下部電極プローブ500、複数の二次下部電極プローブ700、複数の一次上部電極プローブ502、複数の二次上部電極プローブ702、及び中心パッドプローブ504を含む。プローブ500~504、700、702は、例えば、Pogo(登録商標)ピン、プローブチップ、または別の種類のプローブであってもよい。
【0035】
リーダ800は、任意の回転配向において円形メモリアレイ100と物理的かつ電気的に接触して配置され得、メモリ動作は、中心パッドプローブ504が中心接触パッド130に整合されていると仮定して、任意の回転配向において成功裏に実行され得ることが本明細書における説明から理解されるであろう。実装において、本明細書において記載されるシステムが使用されてもよいが、これは、メモリ装置100とリーダ800との位置関係が正確に制御され得るが、印刷メモリ装置とリーダとの間の回転関係は、厳密に制御されない、または厳密に制御されなくてもよい。例えば、図9は、円筒形状または円筒部分もしくは突出部を有する製品900上に位置付けられるメモリ装置100の透視図である。メモリ装置100は、締結具(簡略化のために、個々に表されていない)、例えば、接着剤層または別の締結具を使用して製品900に位置付けられてもよい。例えば、生産ライン内の製品900の位置は、正確に制御されてもよいが、製品900の回転整合は、正確に制御されない、または正確に制御されなくてもよい。図10において表すように、リーダ800は、メモリ装置100でメモリ動作を実行するために、任意の回転配向において製品900と整合されてもよい。例えば、メモリ装置100は、製品900に特有の製造データ、追跡データ、在庫データなどを記憶するために使用されてもよい。
【0036】
円形メモリ装置100などの集積回路(IC)100でのメモリ動作、例えば、読出し動作、書込み動作、機能試験動作、特性試験動作、または別の動作を実行するための方法またはプロセス1100は、図11A、11Bの流れ図において表される。方法1100は、上記の図において表される構造のうちの1つ以上の動作または使用によって、進行されてもよく、このため、図1~10に関して記載されているが、方法1100は、本明細書において明確に述べられない限り、任意の特定の構造または使用に限定されないことが理解されよう。方法1100は、一連の作用または現象として記載されるが、本教示は、そのような作用または現象の順序付けによって限定されないことが理解されよう。いくつかの作用は、本明細書において記載されるものだけでなく異なる順序で及び/または他の作用もしくは現象と並行して生じてもよい。さらに、本教示に従う方法は、簡略化のために表されていない他の作用または現象を含んでもよく、また、他の表された作用または現象は、取り除かれても、または修正されてもよい。
【0037】
方法1100は、1102でのようにメモリ装置100と物理的かつ/または電気的に接触するリーダ800を配置することから始まり、任意選択のカウンタは、初期化されかつ/または1104でのように「0」に設定されてもよい。次いで、リーダ800は、中心パッドプローブ504が1106でのように一次下部電極プローブ500のうちの1つに電気的に接続または結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。上述のように、中心パッドプローブ504と一次下部電極プローブ500のうちの1つとの間で測定された低い電気抵抗は、2つのプローブがそれぞれ、配向性電極(すなわち、図1の下部電極104A)の一端に接続されていることを示す。
【0038】
一次下部電極プローブ500のうちの1つ及び中心パッドプローブ504がそれぞれ、1106で配向性電極104Aの一端に接続されることをリーダ800が決定すると、リーダ800は、1108でのように、あらゆる一次プローブ500、502がメモリ装置に電気的に接続されるまたは結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。リーダ800が1108で電気的接続を確認すると、メモリ動作は、1110でのように1組の一次プローブ500、502を使用して実行される。1110でのメモリ動作の間、1組の二次プローブ700、702は、一次プローブ及び/またはメモリ動作との電気的干渉を減少するまたは防止するために、電気的に非活性であってもよい(すなわち、非活動状態)。電気的接続が1108で確認されない場合、フローは、1112に分岐する。
【0039】
ブロック1106を参照すると、中心パッドプローブ504が一次下部電極プローブ500のうちの1つに電気的に接続されない場合、リーダ800は、中心パッドプローブ504が1112でのように二次下部電極プローブ700のうちの1つに電気的に接続または結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。二次下部電極プローブ700及び中心パッドプローブ504のうちの1つがそれぞれ、1112で配向電極104Aの一端に接続されることをリーダ800が決定する場合、リーダ800は、1114でのように、あらゆる二次プローブ700、702がメモリ装置100に電気的に接続されるまたは結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。リーダ800が1114で電気的接続を確認すると、メモリ動作は、1116でのように1組の二次プローブ700、702のセットを使用して実行される。1116のメモリ動作の間、1組の一次プローブ500、502は、電気的に非活性であってもよい(すなわち、非活動状態)。電気的接続が1114で確認されない場合、フローは、1118に分岐する。
【0040】
1118において、リーダ800は、リーダ800とメモリ装置100との間の位置公差が満たされず、かつ/または電気的接続が確立されなかったことを決定した。1120において、任意選択のカウンタは、1だけ増加されてもよく、そのとき、カウンタの値は、1122でのように予定された最大値と比較される。カウンタ値が最大値に等しい場合、起こり得るメモリ故障(例えば、メモリ装置の故障)、電気的故障(例えば、リーダ800の故障)、及び/または他の永続的な接続エラー(例えば、メモリ装置100とリーダ800のプローブ500~504、700、702との間に位置付けられる外部絶縁性材料)が1124でのように生じることが決定される。
【0041】
カウンタの値が所定の最大値未満であることがブロック1122で決定されると、リーダ800及び/またはメモリ装置100は、1126でのように再位置付け及び/または再整合されてもよく、フローは、ブロック1106に戻ってもよい。
【0042】
図12は、図11A、11Bプロセスフローの種々の決定になる、メモリ装置100とリーダ800の種々のプローブとの間の物理的かつ電気的な接続状態の例を表す。例えば、状態1200、1202、1204のいずれもブロック1106で「はい」決定になり、状態1200、1202のどちらも1108で「はい」決定になるが、状態1204は、ブロック1108で「いいえ」決定になる。加えて、状態1204は、ブロック1112で「いいえ」決定になるが、状態1206、1208のどちらもブロック1112で「はい」決定になる。状態1206は、ブロック1114で「はい」決定になるが、状態1208は、ブロック1114で「いいえ」決定になる。状態1210は、ブロック1106及び1112の両方で、「いいえ」決定になる。
【0043】
上記のように、図1の中心接触パッド130は、任意選択である。図13は、中心接触パッドの使用を用いないメモリ装置1300を表す。図13のメモリ装置1300は、ベース基板1302、複数の下部電極1304、及び複数の上部電極1306を含む。図13の構造は、図1構造に類似しているので、種々の類似した特徴についての参照番号は、簡略化のために省略されている。この実装は、図1構造において、メモリ装置100の回転配向を決定するために使用される中心パッドを省略しているため、メモリ装置1300の配向を決定するための異なるスキームが用いられてもよい。例えば、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許公開第2017/0068830A1号として、2016年9月2日に出願され、2017年3月9日に公開された米国特許出願第15/255,435号に記載されているスキームは、図13の装置に適用されてもよい。この組み込まれた開示は、実装において、リーダに対するメモリ装置の配向がメモリ装置コンテンツの決定を変更しないように、対称的に配向されたビットペアを比較するリーダ及び方法を記載する。この実装とともに使用するためのリーダは、中心プローブ504がない、またはメモリ動作の一部を実行するために使用されない中心プローブ504を有する図8のリーダ800と同様に見え得る。
【0044】
円形メモリ装置1300などのIC1300でのメモリ動作、例えば、読出し動作、書込み動作、機能試験動作、特性試験動作、または別の動作を実行するための方法またはプロセス1400は、図14A、14Bの流れ図において表される。方法1400は、上記の図において表される構造のうちの1つ以上の動作または使用によって、進行されてもよく、このため、一般に、図8及び13に関して記載されているが、方法1400は、本明細書において明確に述べられない限り、任意の特定の構造または使用に限定されないことが理解されよう。方法1400は、一連の作用または現象として記載されるが、本教示は、そのような作用または現象の順序付けによって限定されないことが理解されよう。いくつかの作用は、本明細書において記載されるものだけでなく異なる順序で及び/または他の作用もしくは現象と並行して生じてもよい。さらに、本教示に従う方法は、簡略化のために表されていない他の作用または現象を含んでもよく、また、他の表された作用または現象は、取り除かれても、または修正されてもよい。
【0045】
方法1400は、1402でのようにメモリ装置1300と物理的かつ/または電気的に接触するリーダ800を配置することから始まり、任意選択のカウンタは、初期化されかつ/または1404でのように「0」に設定されてもよい。次いで、リーダ800は、1406でのように、あらゆる一次プローブ500、502がメモリ装置に電気的に接続される、または結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。リーダ800が1406で電気的接続を確認すると、メモリ動作は、1408でのように1組の一次プローブを使用して実行される。1408でのメモリ動作の間、1組の二次プローブ700、702は、電気的に非活性であってもよい(すなわち、非活動状態)。電気的接続が1406で確認されない場合、フローは、1410に分岐する。
【0046】
1410において、リーダ800は、あらゆる二次プローブ700、702がメモリ装置1300に電気的に接続される、または結合されるかどうかを決定するために、センサ動作を実行する。リーダ800が1410で電気的接続を確認すると、メモリ動作は、1412でのように1組の二次プローブ700、702を使用して実行される。1412でのメモリ動作の間、1組の一次プローブ500、502は、電気的に非活性であってもよい(すなわち、非活動状態)。電気的接続が1410で確認されない場合、フローは、1414に分岐する。1414において、リーダ800は、リーダ800とメモリ装置1300との間の位置公差が満たされず、かつ/または電気的接続が確立されなかったことを決定した。1416において、任意選択のカウンタは、1だけ増加されてもよく、そのとき、カウンタの値は、1418でのように予め設定された最大値と比較される。カウンタ値が最大値に等しい場合、起こり得るメモリ障害(例えば、メモリ装置の障害)、電気的障害(例えば、リーダ800の障害)、及び/または他の永続的な接続エラー(例えば、メモリ装置1300とリーダ800のプローブ500~504、700、702との間に位置付けられる外部絶縁性材料)が1124でのように生じ、適切な修正が実行され得ることが決定される。
【0047】
カウンタの値が所定の最大値未満であることがブロック1418で決定されると、リーダ800及び/またはメモリ装置1300は、1422でのように再位置付け及び/または再整合されてもよく、フローは、ブロック1406に戻ってもよい。
【0048】
図15は、図14A、14Bプロセスフローの種々の決定になる、メモリ装置1300とリーダ800の種々のプローブとの間の物理的かつ電気的な接続状態の例を表す。例えば、状態1500、1502のどちらもブロック1406で「はい」決定になり、状態1504は、1410で「はい」決定になるが、状態1506は、ブロック1406及び1410の両方で「いいえ」決定になる。
【0049】
本教示による印刷メモリ装置100、1300は、例えば、製造のためのグラビアシリンダを使用して、または従来の印刷メモリ製作技法を使用して実装されてもよい。リーダ800のための電子機器及び構造は、本明細書における説明から当業者によって設計され、実装されてもよい。
【0050】
本明細書において、厳密に5個の下部電極、厳密に5個の上部電極、及び25個のメモリ場所を含むメモリ装置が記載され、表されているが、5個未満または5個超の下部及び上部電極を有するメモリ装置が考察されることが理解されよう。下部電極の数が上部電極の数と等しい必要はない。実装において、a°の値は、約52°~約55°の範囲であってもよく、b°の値は、約17°~約20°の範囲であってもよく、c°の値は、約24°~約34°の範囲であってもよく、d°の値は、約5°~約9°の範囲であってもよい。別の実装において、a°の値は、約57°~約60°の範囲であってもよく、b°の値は、約12°~約15°の範囲であってもよく、c°の値は、約26°~約36°の範囲であってもよく、d°の値は、約3°~約6°の範囲であってもよい。5個の上部電極及び5個の下部電極を有する一般の円形メモリ装置(すなわち、N=5、または5倍の対称性を有する装置)において、a°は、約52°~約62°の範囲であってもよく、b°の値は、約12°~約20°の範囲であってもよく、c°の値は、約13°~約36°の範囲であってもよく、d°の値は、約3°~約9°の範囲であってもよく、b°<c°+d°<a°である。これらの値は、異なるNの値、及び上部電極の数が下部電極の数と等しくない装置のための装置設計に応じて変動してもよい。
【0051】
実装において、メモリシステムは、円形メモリ装置100、1300、及びリーダ800であってもよい円形メモリ装置を含んでもよい。メモリ動作は、リーダに対する円形メモリ装置の回転配向に関係なく、円形メモリ装置で実行されてもよい。
【0052】
例示的な表された実装において、下部電極(例えば、104)の拡張部材(例えば、112)は、円形メモリ装置(例えば、100)の中心「O」に向かって、接触パッド(例えば、110)から線形に延在するように表される。さらに、上部電極(例えば、108)の拡張部材(例えば、116)は、インターディジットまたはインターリービング螺旋として表される。線形拡張部材及び螺旋拡張部材は、逆にされてもよく、それにより、下部電極は、インターディジットまたはインターリービング螺旋拡張部材を含み、また、上部電極は、円形メモリ装置の中心「O」に向かって、接触パッドから線形に延在する線形拡張部材を含むことを理解されたい。本教示を組み込む他の装置設計は、本明細書における開示から当業者に明らかになる。
【0053】
下部電極104、1304、上部電極108、1306、及びリーダプローブ500~504、702、704は、典型的に、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、プラチナなどを含み得る金属及び/または金属合金などの導電性材料から形成されることを理解されたい。ベース基板102は、誘電体材料であってもよく、または例えば、誘電体材料のパターン化もしくはブランケット層(簡略化のために、個々に表されていない)を使用して、下部電極104、1304及び上部電極108、1306から好適に電気的に絶縁される導電性材料であってもよい。
【0054】
上記の開示における「任意選択の」という用語の使用は、「任意選択」であると明確に述べられていない他の処理作用または装置構造が必要とされるまたは任意選択ではないことを意味する意図ではないことを理解されたい。したがって、任意選択であると上記で明確に記載されていない処理作用または構造を省略する任意の特許請求の範囲は、処理作用または構造が特許請求された実装において任意選択であることを反映する意図ではない。
【0055】
本教示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、これらのそれぞれの試験測定で見られる標準偏差に起因して本質的にある程度の誤差を必然的に含む。また、本明細書において開示されるすべての範囲は、その中に包括される任意及びすべての部分範囲を包含することを理解すべきである。例えば、「10未満」の範囲は、最小値のゼロと最大値の10との間(及び含む)の任意及びすべての部分範囲、すなわち、ゼロ以上の最小値及び10以下の最大値を有する任意及びすべての部分範囲、例えば、1~5を含むことができる。ある特定の場合において、パラメータについて述べられる数値は、負値を呈することができる。この場合、「10未満」と述べられた範囲の例示的な値は、負値、例えば、-1、-2、-3、-10、-20、-30などをとることができる。
【0056】
本教示は、1つ以上の実装に関して例証してきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、例証された例に対して変更及び/または修正をすることができる。例えば、本プロセスは、一連の作用または現象として記載されるが、本教示は、そのような作用または現象の順序付けによって限定されないことが理解されよう。いくつかの作用は、本明細書において記載されるものだけでなく異なる順序で及び/または他の作用もしくは現象と並行して生じてもよい。また、すべてのプロセス段階が、本教示の1つ以上の態様または実装に従って方法論を実装することを必要とし得るわけではない。構造要素及び/もしくは処理段階を加えることができ、または既存の構造要素及び/もしくは処理段階を取り除くことができ、もしくは修正することができることが理解されよう。さらに、本明細書において表される作用の1つ以上は、1つ以上の別個の作用及び/またはフェーズに行われてもよい。さらに、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、またはそれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、このような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様に包含的であることを意図する。「の少なくとも1つ」という用語は、列挙された品目の1つ以上を選択することができることを意味するために使用される。本明細書において使用する場合、例えば、A及びBなどの品目の列挙に関する「の1つ以上」という用語は、Aのみ、Bのみ、またはA及びBを意味する。「の少なくとも1つ」という用語は、列挙された品目の1つ以上を選択することができることを意味するために使用される。さらに、本明細書における考察及び特許請求の範囲において、一方が他方の「上」にある2つの材料に関して使用される「上に」という用語は、材料間の少なくともいくらかの接触を意味するが、「の上に」は、材料が近接しているが、接触が可能であるが必要ではないような1つ以上の追加の介在材料を伴う可能性があることを意味する。本明細書において使用する場合、「上に」または「の上に」のいずれもいかなる方向性を暗示しない。「共形の」という用語は、下にある材料の角度が共形材料によって保存されるコーティング材料を記載する。「約」という用語は、変更が例証された実装に対するプロセスまたは構造の不適合をもたらさない限り、列挙された値がいくらか変更されてもよいことを示す。最後に、「例示的な」は、説明が理想的であることを意味するのではなく、一例として、それが使用されることを示す。本教示の他の実装は、本明細書の考察及び本明細書における開示の実施から、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、例示的なものとしてのみ考慮され、本教示の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることを意図する。
【0057】
本出願において使用されるような相対位置の用語は、加工物の配向に関係なく、加工物の従来の平面または作業面に平行な平面に基づいて定義される。本出願において使用されるような「水平の」または「横の」という用語は、加工物の配向に関係なく、加工物の従来の平面または作業面に平行な平面と定義される。「垂直の」という用語は、水平に対して垂直な方向を指す。「上の」、「側面の」(「側壁」と同様)、「より高い」、「より低い」、「の上の」、「上部」、及び「の下の」などの用語は、加工物の配向に関係なく、加工物の従来の平面または上面になる作業面に対して定義される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15