(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】建設機械用遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20220207BHJP
G05D 1/00 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
E02F9/20 N
G05D1/00 B
E02F9/20 B
(21)【出願番号】P 2018113001
(22)【出願日】2018-06-13
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391033115
【氏名又は名称】株式会社カナモト
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 道信
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-106213(JP,A)
【文献】特開2003-136452(JP,A)
【文献】特開2018-012951(JP,A)
【文献】特開2010-248703(JP,A)
【文献】特開2001-198865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
G05D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械を操縦する操縦部と、
前記操縦部を遠隔操作可能な操作部と、
前記建設機械又は前記操縦部のいずれか一方又は双方に備えられ、前記建設機械のコックピットから視認可能な領域と同様の領域を撮影する撮影部と、
前記操縦部と前記操作部とをつなぐ無線装置を備えた制御部と、からなり、
前記操作部は、操作者が座る運転席と、操作者が操作する操作杆と、前記撮影部によって撮影された風景を映し出すディスプレイ部とを少なくとも備えた前記建設機械のコックピットと同様のコックピット型の操縦装置であって、
前記操縦部は、前記建設機械のコックピット内に配設され、前記操作部からの遠隔操作によって作動可能な左右の腕部と左右の脚部とを備えてなるロボット型の操縦部であって、
前記左右の腕部は、複数の関節部と、前記建設機械のコックピット内に備えられている左右の作業レバーに接続可能な腕接続部とを有し、それぞれの関節部は個別の駆動源を介して動作可能に構成されており、
前記左右の脚部は、複数の関節部と、前記建設機械のコックピット内に備えられている左右の走行レバーに接続可能な脚接続部とを有し、駆動源を介して前記脚接続部を動作可能に構成されることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置。
【請求項2】
前記腕接続部は、建設機械のコックピット内に備えられている前記作業レバーのグリップにネジ止めして連結可能な複数個の連結孔部を有していることを特徴とする請求項1に記載の建設機械用遠隔操作装置。
【請求項3】
前記操縦部は、前記建設機械のコックピット内の座席領域に着座固定される胴部を備え、
前記胴部は、前記建設機械のコックピット内の座席領域に着座固定される固定部と、前記左右の腕部を接続する左右の腕支持部と、前記左右の脚部を接続する脚支持部とからなり、
前記撮影部は、前記左右の腕支持部間において、上下左右に回動自在に接続され、
前記左右それぞれの腕部は、前記左右の腕支持部に接続する肩部と、前記肩部に接続する第1の上腕部と、前記第1の上腕部に接続する肘部と、前記肘部に接続する下腕部と、前記下腕部と一体に形成されて作業レバーに接続される腕接続部とからなり、
前記肩部は、前記腕支持部との間で、駆動源を介して水平方向に回転可能に構成される第1の肩関節部を形成し、前記第1の上腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第2の肩関節部を形成し、
前記肘部は、第1の上腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第1の肘関節部を形成し、前記下腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第2の肘関節部を形成し、
前記左右それぞれの脚部は、前記左右の脚支持部に接続する付根部と、前記付根部に接続する上脚部と、前記上脚部に接続する膝部と、前記膝部に接続する下脚部と、前記下脚部と一体に形成されて走行レバーに接続される脚接続部とからなり、
前記付根部は、前記脚支持部との間で、水平方向に回転可能に構成される第1の腰関節部を形成し、前記第1の腰関節部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第2の腰関節部を形成し、
前記膝部は、前記上脚部に対して駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の建設機械用遠隔操作装置。
【請求項4】
前記肩部と前記肘部に接続される第2の上腕部を有し、
前記肩部は、前記第2の上腕部との間で垂直方向に回転可能に構成される第3の肩関節部を形成し、
前記肘部は、前記第2の上腕部との間で垂直方向に回転可能に構成される第3の肘関節部を形成し、
前記第3の肩関節部は、前記第2の肩関節部から水平方向に所定距離離間して配され、
前記第3の肘関節部は、前記第1の肘関節部から水平方向に所定距離離間して配され、
前記第2の肩関節部と第3の肩関節部の水平方向の距離と、前記第1の肘関節部と第3の肘関節部の水平方向の距離は、同一であることを特徴とする請求項3に記載の建設機械用遠隔操作装置。
【請求項5】
前記第1の上腕部と前記第2の上腕部は、それぞれ、前記第2の肩関節部から離間する方向に湾曲して形成されることを特徴とする請求項4に記載の建設機械用遠隔操作装置。
【請求項6】
前記第1の肩関節部は、前記左右の腕支持部に対する回転範囲が制限されるように構成されることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の建設機械用遠隔操作装置。
【請求項7】
前記膝部は、前記上脚部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第1の膝関節部と、前記下脚部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第2の膝関節部とを有していることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の建設機械用遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル(バックホウ)等の建設機械を遠隔操作可能な建設機械用遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル(バックホウ)等の建設機械は、様々な建設現場などにおいて以前から多く活躍している。
また、この種の建設機械は、通常の建設現場のみならず人間が立ち入ると危険な現場であってもその活躍が望まれる。例を挙げれば、原子力発電所における事故現場の修復工事や火山の噴火災害現場での復旧工事、地滑りなど法面の崩落が予想される現場での復旧工事、地震や火事で半壊した建物や構造物の取り壊しなど数多くの場面においても、この種の建設機械の活躍は不可欠となっている。
【0003】
しかし、このような作業現場は、そもそも、人間が立ち入った作業には大きな危険が伴う環境であるので、施工の安全を図るためにも、作業に従事する人間であっても現場への立ち入りをできるだけ制限したいものである。
【0004】
さらに、昨今においては、危険が伴う作業に従事することを嫌う傾向があって、危険が伴う環境における建設機械の作業者(操作者)は常に不足している状況にあるため、自然災害などにより、突発的かつ大規模に危険が伴う環境下での作業を望まれた場合には、作業者(操作者)の確保に困難を極める状況にある。
このため、危険が伴う環境で活躍する建設機械においては、その無人化・省人化が求められてきている。
【0005】
建設機械の無人化を図った一例として、作業者(操作者)が無線リモコン装置を操作して油圧ショベル(バックホウ)等の建設機械を無人で操縦する、いわゆるラジコンバックホウと称される建設機械用の遠隔操作装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ラジコンによる遠隔操作は、油圧ショベル(バックホウ)の操縦席(コックピット)における操縦操作とは全く異なった操作が求められるため、一般に油圧ショベル(バックホウ)を操作するオペレータでは到底対応し得るものではなく、ラジコン操作技術の熟練者を別途雇い入れる必要がある。
さらに、ラジコン操作技術の熟練者であっても、要求される油圧ショベル(バックホウ)等の動作を習得するために相当の訓練を施す必要があるため、不足するオペレータの代わりとなって即時対応可能というものではないという課題も抱えている。
【0008】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するものとして、その目的とするところは、作業者(操作者)の操作の熟練を要さずに、無人の建設機械を遠隔操作することが可能な建設機械用遠隔操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明がなした技術的手段として第1の発明は、建設機械を操縦する操縦部と、前記操縦部を遠隔操作可能な操作部と、前記建設機械又は前記操縦部のいずれか一方又は双方に備えられ、前記建設機械のコックピットから視認可能な領域と同様の領域を撮影する撮影部と、前記操縦部と前記操作部とをつなぐ無線装置を備えた制御部と、からなり、
前記操作部は、操作者が座る運転席と、操作者が操作する操作杆と、前記撮影部によって撮影された風景を映し出すディスプレイ部と、操作端末と、を少なくとも備えた前記建設機械のコックピットと同様のコックピット型の操縦装置であって、
前記操縦部は、前記建設機械のコックピット内に配設され、前記操作部からの遠隔操作によって作動可能な左右の腕部と左右の脚部とを備えてなるロボット型の操縦部であって、前記左右の腕部は、複数の関節部と、前記建設機械のコックピット内に備えられている左右の作業レバーに接続可能な腕接続部とを有し、それぞれの関節部は個別の駆動源を介して動作可能に構成されており、
前記左右の脚部は、複数の関節部と、前記建設機械のコックピット内に備えられている左右の走行レバーに接続可能な脚接続部とを有し、駆動源を介して前記脚接続部を動作可能に構成されることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
【0010】
第2の発明は、前記第1の発明において、前記腕接続部は、建設機械のコックピット内に備えられている前記作業レバーのグリップにネジ止めして連結可能な連結部を有していることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
【0011】
第3の発明は、前記第1の発明または第2の発明において、前記操縦部は、前記建設機械のコックピット内の座席領域に着座固定される胴部を備え、
前記胴部は、前記建設機械のコックピット内の座席領域に着座固定される固定部と、前記左右の腕部を接続する左右の腕支持部と、前記左右の脚部を接続する左右の脚支持部とからなり、
前記撮影部は、前記左右の腕支持部間において、上下左右に回動自在に接続され、
前記左右それぞれの腕部は、前記左右の腕支持部に接続する肩部と、前記肩部に接続する第1の上腕部と、前記第1の上腕部に接続する肘部と、前記肘部に接続する下腕部と、前記下腕部と一体に形成されて作業レバーに接続される腕接続部とからなり、
前記肩部は、前記腕支持部との間で、駆動源を介して水平方向に回転可能に構成される第1の肩関節部を形成し、前記第1の上腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第2の肩関節部を形成し、
前記肘部は、前記第1の上腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第1の肘関節部を形成し、前記下腕部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第2の肘関節部を形成し、
前記左右それぞれの脚部は、前記左右の脚支持部に接続する付根部と、前記付根部に接続する上脚部と、前記上脚部に接続する膝部と、前記膝部に接続する下脚部と、前記下脚部と一体に形成されて走行レバーに接続される脚接続部とからなり、
前記付根部は、前記脚支持部との間で、水平方向に回転可能に構成される第1の腰関節部を形成し、前記第1の腰関節部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第2の腰関節部を形成し、
前記膝部は、前記上脚部に対して駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される建設機械用遠隔操作装置としたことである。
【0012】
第4の発明は、前記第3の発明において、前記肩部と前記肘部に接続される第2の上腕部を有し、前記肩部は、前記第2の上腕部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第3の肩関節部を形成し、前記肘部は、前記第2の上腕部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第3の肘関節部を形成し、前記第3の肩関節部は、前記第2の肩関節部から水平方向に所定距離離間して配され、前記第3の肘関節部は、前記第1の肘関節部から水平方向に所定距離離間して配され、前記第2の肩関節部と第3の肩関節部の水平方向の距離と、前記第1の肘関節部と第3の肘関節部の水平方向の距離は、同一であることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
【0013】
第5の発明は、前記第4の発明において、前記第1の上腕部と前記第2の上腕部は、それぞれ、前記第2の肩関節部から離間する方向に湾曲して形成されることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
第6の発明は、前記第3の発明乃至第5の発明のいずれかにおいて、前記第1の肩関節部は、前記左右の腕支持部に対する回転範囲が制限されるように構成されることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
第7の発明は、前記第3の発明乃至第6の発明のいずれかにおいて、前記膝部は、前記上脚部との間で、駆動源を介して垂直方向に回転可能に構成される第1の膝関節部と、前記下脚部との間で、垂直方向に回転可能に構成される第2の膝関節部とを有していることを特徴とする建設機械用遠隔操作装置としたことである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者(操作者)の操作の熟練を要さずに、無人の建設機械を遠隔操作することが可能な建設機械用遠隔操作装置を提供し得た。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明装置の操作部を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明装置の操縦部を示す概略正面図である。
【
図3】建設機械のコックピットに設置された状態の本発明装置の操縦部を示す概略側面図であって、作業レバーを前方に押し倒すとともに、走行レバーを後方に引き倒している状態を示す。
【
図4】操縦部の胴部の脚支持部と脚部の付根部を示す分解概略斜視図である。
【
図5】胴部の胸部と腕支持部を示す概略斜視図である。
【
図7】肩部と第1の上腕部ならびに第2の上腕部との接続領域を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図12】下腕部と腕接続部との接続領域を拡大して示す概略斜視図である。
【
図13】腕接続部を作業レバーに接続する状態を拡大して示す概略斜視図である。
【
図15】脚部の上脚部と駆動源を示す分解概略斜視図である。
【
図18】脚接続部を走行レバーに接続する状態を部分的に拡大して示す概略拡大斜視図である。
【
図19】建設機械のコックピットに設置された状態の本発明装置の操縦部を示す概略側面図であって、作業レバーを後方に引き倒すとともに、走行レバーを前方に押し倒している状態を示す。
【
図20】腕部の各関節部の動きを説明する概略側面図であって、(a)は、第1の上腕部と第2の上腕部が下向きとなった状態を示し、(b)は、第1の上腕部と第2の上腕部が前方向に揺動した状態を示す。
【
図21】本発明装置の他の形態による操縦部を示す概略側面図であって、作業レバーを前方に押し倒すとともに、走行レバーを後方に引き倒している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の建設機械用遠隔操作装置の一実施形態について、添付図面に基づいて説明する。本実施形態では、建設機械の一例として油圧ショベル(バックホウ)を挙げ、油圧ショベル(バックホウ)に本発明の建設機械用遠隔操作装置を用いている。なお、本実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、何等これらに限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0017】
油圧ショベル(バックホウ)は、所望の工作作業を施すためにアームを旋回させるとともにアーム先端のバケットを随意操作する左右の作業レバー302,303と、建設機械を所望の方向に移動させるための左右の無限軌道(履帯)の前進後進をそれぞれ操作する左右の走行レバー304,305とをコックピット24内に備えている(
図3参照)。なお、走行レバー304,305に連動した走行ペダル(図示しない)を備える場合もある。
【0018】
本発明は、油圧ショベル(バックホウ)とは離れた場所にある操作部3(
図1参照)で操作者(オペレータ)が操作することによって、油圧ショベル(バックホウ)の操縦部2が操作部3での操作に連動して動作し、コックピット24に操作者が居ない無人の油圧ショベル(バックホウ)での作業を可能ならしめるものである。
【0019】
本発明による建設機械用遠隔操作装置1は、油圧ショベル(バックホウ)を操縦する操縦部2と、操縦部2を油圧ショベル(バックホウ)と離れた場所から遠隔操作可能な操作部3と、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24で操作者が操作した場合に視認可能な領域と同様の領域を撮影する撮影部4と、操作部3での操作を操縦部2に再現させる制御部5とからなる。
【0020】
操作部3は、操作者(図示しない)が座る運転席31と、操作杵32と、ディスプレイ部33とを少なくとも備えて、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24と同様のコックピット型の操縦装置としている(
図1参照)。
操作杵32は、油圧ショベル(バックホウ)に備えられている左右の作業レバーや左右の走行レバーに相当し、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24内と同様の配列で配置される。これにより、操作者に対して、油圧ショベル(バックホウ)での操作と変わらない操作感を提供することができる。すなわち、すなわち、油圧ショベルの操作者(オペレータ)は通常の油圧ショベルの操作と同様な操作が成し得るため、特別の練習をしなくても簡易に操作可能である。従って、ラジコン操作により油圧ショベルを無線操作する場合と比して、その操作容易性、操作確実性などにおいて大変優れている。
【0021】
操作杵32のうち左右の作業用操作杵34a,34bは、油圧ショベル(バックホウ)の左右の作業レバー302,303に相当して、前後左右に倒す所謂ジョイスティックとして操作される。この場合、作業用操作杵34a,34bの前後左右の傾きの変位量が電気的に検出される。
また、操作杵32のうち、左右の走行用操作杵35a,35bは、油圧ショベル(バックホウ)の左右の走行レバー304,305に相当して、前後に引いたり倒したりするレバーとして操作される。この場合、走行用操作杵35a,35bの前後の傾きの変位量が電気的に検出される。
【0022】
ディスプレイ部33は、撮影部4が撮影したコックピット24から視認可能な領域と同様の領域の映像を映し出す表示装置である。
本実施形態では、薄型の液晶パネルに当該映像を映し出す液晶ディスプレイ装置が採用され、3台の表示装置33a,33b,33cを運転席31の前方に横一列に並列して配置している。この場合、中央の表示装置33aには、バケットを中心に注視する操作者からの視点の映像が表示され、その左右の表示装置33b,33cには、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24の外枠24aからバケット方向の視点が表示される。
【0023】
なお、本実施形態では、3台の表示装置33a,33b,33cを並列して配しているが、表示装置の表示形式や数や配置については、これに限定されるものではなく、当該映像を映し出すことができれば、操作部3の設置現場や操作の需要に合わせて自由に設定されれば良い。
例えば、1台の横長の表示装置や円環状に湾曲した表示装置が配されることもある。さらには、投影式の表示装置(プロジェクター式表示装置)の映像をスクリーン(幕)に投影しても良く、さらには、操作者が眼前に装着するタイプの表示装置(HMD:Head mounted displayなどと称される)で表示しても良い。その場合には、操作者の頭部の動きを表示装置が検出して、その検出結果に基づいて、操作者の頭部の動きに合わせて表示映像の中心が移動するように制御されていても良い。
また、左右一対の撮影部の映像を左右の眼前にそれぞれ表示することによって、映像に視差を設けて立体的な距離感を識別可能な構成とすれば、バケットと施工対象物との位置関係を認識し易くなるので精確な操作に役立つ。
【0024】
操縦部2は、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24内に配設され、操作部3での操作杵32(作業用操作杵34a,34b及び走行用操作杵35a,35b)の操作を、左右の腕部6,6と左右の腕部7,7の動作として再現することによって、油圧ショベル(バックホウ)の遠隔操作を実現する。
また、操縦部2は、胴部21と、胴部21の左右に一対備えられる左右の腕部6,6と、胴部21の下側に一対備えられる左右の脚部7,7と、腕部6,6を動作させる複数の駆動源101,102,103,104、脚部7,7を動作させる複数の駆動源201,202とからなり、ロボット型の形態とされている。
【0025】
胴部21は、ロボット型の形態の胴体となる部位であって、固定部21aと、固定部21aの下部に連続して配されて油圧ショベル(バックホウ)の座部306aに載置される基部21bと、固定部21aの上部に連続して配される胸部21cと、胸部21cの左右に配される腕支持部22,22とからなる。
固定部21aは、コックピット24内で胸部21cを所定の高さに保持可能な高さ寸法を有して角柱状に形成されるとともに、基部21bと胸部21cをそれらの後面が連続するように一体に構成されている。
【0026】
基部21bは、水平方向に平たい板状に形成されている。
さらに、基部21bの前寄り(
図3にて矢印Bで示す方向の先端寄り)には、左右の脚部7,7を取付支持する左右の脚支持部21f,21fが、それぞれ左側位置と右側位置に所定距離をあけて備えられている。本実施形態では、基部21bを上下方向に貫通する孔が、脚支持部21f,21fとして機能している。
このため、基部21bの前後長さ寸法は、座部306aに載置された場合に、左右の脚部7,7を座部306aの前方に配置可能な寸法に設定される。
【0027】
また、基部21bの左右方向の幅寸法(
図2及び
図4にて、矢印Cで示す方向の寸法)は、座部306aに載置された場合に前後左右に傾いたり動いたりすることが無い程度の幅寸法に設定されていれば良い。
基部21bの厚さ寸法については、座部306aに載置された場合に折れ曲がりや撓みが生じることなく、各部材を確実に位置決めすることができれば良いので、操縦部2の上下方向の寸法などのバランスを考慮して自由に設定されれば良い。
【0028】
胸部21cは、箱形状に形成され、その左右にそれぞれ、左右の腕支持部22,22を連続して備える。
本実施形態では、胸部21cの前後方向の長さ寸法は、左右の腕支持部22,22よりも僅かに長く設定される(
図5参照)。
胸部21cの幅寸法(
図5にて矢印Cで示す方向の寸法)は、例えば、油圧ショベル(バックホウ)の左右の作業レバー302,303間の距離に合わせた寸法に設定される。このように設定すれば、左右の腕支持部22,22に接続される左右の腕部6,6と左右の作業レバー302,303とが、おおよそ同じ左右方向の離間幅となるので、左右の作業レバー302,303の操作をし易い配置となる。
【0029】
左右の腕支持部22,22は、
図5に示すように、それぞれ、左右方向(
図5にて矢印Cで示す方向)で外向きに開口したコの字形状の部材が、左右対称の形状で配されている。左右対称の形状であるため、ここでは、一方の腕支持部22を具体的に説明する。
【0030】
腕支持部22は、垂直方向に平坦に形成された基板22aと、基板22aの上端から連続して外向き(左右方向の外向き)に、水平に延出して形成される上側水平板22bと、基板22aの下端から連続して外向き(左右方向の外向き)に、水平に延出して形成される下側水平板22cと、からなる。
なる。なお、上側水平板22bと下側水平板22cは、双方とも水平に延出しているため、相互に平行な位置関係となる。
基板22aは、胸部21cの側面21d(21e)に固定して一体に配される。なお、基板22aを側面21d(21e)に固定する手段としては、例えば、ボルトとナットによる締結や溶接や鋲(リベット)打ちなどで強固に固定されていれば良く、ここでは、特に固定手段を限定しない。なお、他方の腕支持部22も同様に、胸部21cの反対側の側面に固定される。
【0031】
上側水平板22bと下側水平板22cには、それぞれの前端(
図5にて矢印Bで示す方向の先端)の外側隅角部寄りに、垂直方向(
図5にて矢印A-Dで示す方向)に貫通する上側連結孔22dと下側連結孔22eとを有しており、上側連結孔22dと下側連結孔22eとは、1本の仮想軸線2Bを中心軸として同軸に設けられている。
また、上側水平板22bには、上下方向に貫通して、上側連結孔22dよりも大径の円弧状に形成された長孔22gを有している。
【0032】
駆動源101は、上側水平板22bの上側連結孔22d上に配され、ステー101aで上側水平板22bに固定される。
このとき、駆動源101の駆動軸101bは、仮想軸線2Bと同軸で上側連結孔22dに挿入されると共に上側水平板22bの下側に臨んでいる。
なお、駆動源101は、回動動作を任意に制御することが可能な駆動源が適宜選択されれば良い。例えば、本実施形態では遠隔制御可能な電気モータが採用される。
【0033】
胴部21を油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24に固定する一例をここで説明すると、基部21bの下面が座部306aの上面に接するとともに、固定部21aと胸部21cの連続した後面が、座席306の背もたれ部306bに接するように載置する。
次に、シートベルト307を固定部21aの下側に掛け回し、シートベルト307のバックルにて緊締する。さらに、固定部21aを座席306の背もたれ部306bと一緒にベルト307aで緊締することによって、操縦部2が油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24内にしっかりと固定される。
【0034】
本実施形態では、このような固定方法を採用することによって、既存の油圧ショベル(バックホウ)の座席306部分には何ら変更を加えることなく、操縦部2を油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24内に固定することができるので、本発明による建設機械用遠隔操作装置に高い汎用性を付加している。
なお、操縦部2を油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24内に固定する方法についてはこれに限定されるものではなく、油圧ショベル(バックホウ)の構成や作業現場の需要に応じて自由に設定されれば良い。例えば、コックピット24内の座席306を取り払って、別途操縦部2を所定位置に固定する固定具を設置して固定するものであっても良い。
【0035】
なお、本実施形態では角柱状の固定部21aを採用したが、胸部21cを所定の高さに保持可能であれば、固定部21aは他の形状であっても良い。例えば、基部21bと胸部21cとの間に掛け渡した複数の細い角柱で骨組みのみの形状としても良いし、または、トラス構造の鋼材が基部21bと胸部21cとの間に掛け渡された形状であっても良い。
また、本実施形態では箱形状の胸部21cを採用したが、左右の腕支持部22,22を所定の位置に位置決め可能であれば、他の形状であっても良い。例えば、左右の腕支持部22,22の間にトラス構造の鋼材が組まれて胸部21cが構成されていても良い。あるいは、胴部21に胸部21cを有しない構成であっても良い。その場合には、左右の腕支持部22,22は、基板22a同士が密着固定され、かつ固定部21aの上部にも密着固定されていても良い。
【0036】
左右の腕部6,6は、ロボット型の形態の腕となる部位であって、それぞれ、肩部61と上腕部62と肘部63と下腕部64及び腕接続部8からなる。
また、左右の腕部6,6は、左右の腕支持部22,22にそれぞれ接続されて腕部として機能するため左右で同一の構成となっている。よって、ここでは、一方の腕部6について説明し、他方の腕部6の説明は省略する。
【0037】
肩部61は、腕支持部22の上側水平板22bと下側水平板22cとの間に挟まれて左右方向に回動可能に支持される箱型に形成される(
図8参照)。
具体的には、垂直板61aと、垂直板61aの上端から連続して水平に延出した天板61bと、垂直板61aの下端から連続して、天板61bと同一の向きに水平に延出した底板61cと、天板61bの左右方向(
図8にて矢印C方向)の両端(垂直板61aと直交する辺)から連続してそれぞれ垂下した一対の側板61d,61eとからなる。
【0038】
垂直板61aの垂直方向の寸法は、腕支持部22の上側水平板22bと下側水平板22cとの間の空間寸法(上側水平板22bと下側水平板22cが垂直方向に離間した寸法)よりも僅かに小さな寸法に設定される。
一対の側板61d,61eの垂直方向の寸法は、垂直板61aの垂直方向の寸法のおよそ半分に設定されている。
天板61bには、軸嵌合孔66aが穿設されており、底板61cには、下方に向けて下軸66bが垂設されている。軸嵌合孔66aと下軸66bとは、1本の仮想軸線2E(
図6参照)を中心軸として同軸に設けられている。
また、天板61bには、上方に向けて回動制御ピン61hが一体に突設されている。回動制御ピン61hは、軸嵌合孔66aから所定距離離間して設けられており、その離間寸法は、腕支持部22の上側連結孔22dと長孔22gとの離間寸法と同じ寸法とされている。
【0039】
側板61dと側板61eとは、1本の仮想軸線2C(
図8参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する第1の連通孔63aと第1の連通孔63bを有し、さらに、1本の仮想軸線2D(
図8参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する第2の連通孔64aと第2の連通孔64bとを有する。
また、第1の連通孔63a,63b(仮想軸線2C)と第2の連通孔64a,64b(仮想軸線2D)は、水平方向(
図8中矢印Bの方向)で前後に所定の距離Eをあけて設けられる。
【0040】
肩部61の軸嵌合孔66aには、腕支持部22の上側水平板22b上に備えた駆動源101の駆動軸101bが上方から挿し込まれて一体に嵌合され、肩部61の下軸66bは、腕支持部22の下側連結孔22eに摺動可能に挿し込まれている。これにより肩部61は、腕支持部22の上側水平板22bと下側水平板22cとの間にて、駆動源101により、水平方向で左右に回動可能に連結される。
このとき、軸嵌合孔66aと下軸66b及び上側連結孔22dと下側連結孔22eとは、仮想軸線2Eと仮想軸線2Bが互いに重なり合う配置となり、肩部61を腕支持部22との間で、水平方向(左右方向)に回動可能に構成する第1の肩関節部66(関節部)として機能している。
また、駆動源101は、その駆動軸101bが仮想軸線2B上に配されるため、第1の肩関節部66の駆動源となる。
【0041】
腕支持部22と肩部61との接続手段については、肩部61を腕支持部22に対して水平方向で左右に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、駆動源101の駆動軸101bと軸嵌合孔66aとの間、及び下軸66bと下側連通孔22eとの間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、図示はしないが、軸嵌合孔66aと下側連結孔22eに、それぞれ転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、駆動軸101bと下軸66bに、それぞれ転がり軸受の回転輪が嵌め込まれることによって、回動可能に接続されるものとする。
また、駆動源101の駆動軸101bが、肩部61の軸嵌合孔66a内に噛み合って連結され、空転しないように接続される構成であればよく、例えば、駆動軸101bにスプライン(軸溝)が形成され、軸嵌合孔66aにスプライン穴(穴溝)が形成され、そのスプラインとスプライン穴とが嵌合する接続手段を採用してなる構成としても良い。
また、肩部61の軸嵌合孔66aに、駆動源101の駆動軸101bが挿し込み嵌合されたときに、腕支持部22の長孔22gには、肩部61の回動制御ピン61hが挿し込まれる。回動制御ピン61hは、円弧状に形成された長孔22gの角度範囲でのみ移動可能であるため、腕支持部22に対する肩部61の回動動作の角度範囲が規制される。
【0042】
上腕部62は、肩部61と肘部63とにわたって配される一対の第1の上腕部621,622(
図6及び
図9参照)と、同じく肩部61と肘部63とにわたって配される一対の第2の上腕部623,624(
図6及び
図10参照)とからなる。
第1の上腕部621,622は、それぞれ同一の形状に形成され、所定間隔をあけて平行に配されている。具体的な形状は、左右方向(
図9にて矢印Cで示す方向)に薄い板状に形成され、上部621a,622aと、下部621b,622bと、上部621a,622aの前方端(
図9にて矢印Bで示す方向の先端)と下部621b,622bの前方端とにわたり、前方に向けて大きく湾曲して掛け渡された弓形状の中間部621c,622cと、で構成されている。このため、上部621a(622a)と下部621b(622b)との間には、空間627,627aが設けられている。
【0043】
第1の上腕部621と第1の上腕部622とは、その上部621a,622aに、1本の仮想軸線6A(
図9参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する上側連通孔625と上側連通孔625aとを有し、下部621b,622bに、1本の仮想軸線6B(
図9参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する下側連通孔626と上側連通孔626aとを有している。
上側連通孔625と上側連通孔625aは肩部61に接続し、下側連通孔626と上側連通孔626aは肘部63に接続する。
【0044】
第1の上腕部621は、上側連通孔625の下方(
図9にて矢印Dで示す方向)の領域に上側支持部628を有し、さらに、下側連通孔626の上方(
図9にて矢印Aで示す方向)の領域に下側支持部629を有する。
第1の上腕部622は、上側支持部628に対向した領域(上側連通孔625aの下方の領域と対向した領域)に上側支持部628aを有し、下側支持部629に対向した領域(下側連通孔626aの上方の領域と対向した領域)に下側支持部629aを有する。
【0045】
駆動源102は、第1の上腕部621と第1の上腕部622との間隙と同じ幅寸法に形成され、上側支持部628と上側支持部628aとの間に挟まれて支持固定される。
駆動軸102a,102aは、第1の上腕部621の上側連通孔625と、第1の上腕部622の上側連通孔625aとを貫通し、かつ1本の仮想軸線6A(
図9参照)を軸としてそれぞれ嵌合される。このとき、駆動軸102a,102aのそれぞれの先端部は、上側支持部628と上側支持部628aの外側に突出する。
これにより、駆動軸102a,102aの動力が上側連結孔625,625aを介して第1の上腕部621,622に伝えられ、第1の上腕部621,622を上下方向に回動可能に構成する。
【0046】
駆動源103は、第1の上腕部621と第1の上腕部622との間隙と同じ幅寸法に形成され、下側支持部629と下側支持部629aとの間に挟まれて支持固定される。
このとき、駆動源103の駆動軸103a,103aは、第1の上腕部621の下側連通孔626と、第1の上腕部622の下側連通孔626aとに摺動可能に挿し込まれ、1本の仮想軸線6B上(
図9参照)で同軸に配される。このとき、駆動軸103a,103aのそれぞれの先端部は、下側支持部629と下側支持部629aを貫通して外側に突出する。
【0047】
なお、駆動源102及び駆動源103は、回動動作を任意に制御することが可能な駆動源が適宜選択されれば良い。例えば、本実施形態では遠隔制御可能な電気モータが採用される。
また、駆動源102を上側支持部628と上側支持部628aとの間に固定する手段、及び駆動源103を下側支持部629と下側支持部629aとの間に固定する手段については、駆動源102及び駆動源103の作動や外力によって、固定位置がずれることのないように強固に固定されれば良いので、ここではその固定手段を特定しない。例えば、駆動源102及び駆動源103は、第1の上腕部621と第1の上腕部622を貫通するネジによって固定されていても良い。
【0048】
第1の上腕部621,622を肩部61に接続する際には、第1の上腕部621の上側連通孔625が、肩部61の第1の連通孔63aの内側から重なるように配されて駆動軸102aによって軸支されるとともに、第1の上腕部622の上側連通孔625aが、肩部61の第1の連通孔63bの内側から重なるように配されて駆動軸102aによって軸支される。
このように軸支されることで、第1の上腕部621,622が下方に向けた位置になったときに、第1の上腕部621,622の空間627,627aが逃げとなって、肩部61の底板61cを収容する。これにより、第1の上腕部621,622と底板61cとの干渉が避けられる。
このとき、肩部61の第1の連通孔63a,63bと、第1の上腕部621,622の上側連通孔625,625aとは、仮想軸線2Cと仮想軸線6Aが互いに重なり合う配置となり、肩部61と第1の上腕部621,622との間で垂直方向(上下方向)に回動可能に構成する第2の肩関節部67(関節部)として機能している。
また、第1の上腕部621,622の上側連通孔625,625a間に駆動軸102aが挟まれる駆動源102もまた仮想軸線2C上に配されるため、仮想軸線6Aと重なり、第2の肩関節部67の駆動源となる。
【0049】
なお、肩部61と第1の上腕部621,622との接続手段については、第1の上腕部621,622を肩部61に対して水平方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
例えば、第1の上腕部621,622の上側支持部628,628a間に支持固定されている駆動源102の駆動軸102aに、第1の上腕部621,622の上側連通孔625,625aを固定接続し、肩部61の第1の連通孔63a,63bを駆動軸102aに対して回転可能に接続すれば良い。
なお、その場合には、肩部61の第1の連通孔63a,63bと駆動軸102aとの間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、肩部61の第1の連通孔63a,63bにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、駆動軸102aに転がり軸受の回転輪が嵌め込まれることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0050】
第2の上腕部623,624は、それぞれ同一の形状に形成され、所定間隔をあけて平行に配されている。また、本実施形態において、第2の上腕部623,624は、第1の上腕部621,622を間に挟み込むような形で第1の上腕部621,622の外方に配されている。具体的な形状は、左右方向(
図10中矢印Cの方向)に薄い板状であるとともに、上部623a,624aから連続して前方(
図10にて矢印B方向)に向けて下り傾斜状に突出して形成された傾斜部623c,624cと、傾斜部623c,624cから連続して下方(
図10にて矢印D方向)に向けて垂下した前辺部623d,624dと、前辺部623d,624dから後方(
図10にて矢印Bと反対方向)に連続して傾斜状に形成された下部623b,624bとで、上部623a,624aから下部623b,624bまで前後方向に同一幅となるように形成されている。このため、上部623a,622aと下部623b,624bとの間に空間627b,627cを有している。
【0051】
第2の上腕部623と第2の上腕部624とは、その上部623a,624aに、1本の仮想軸線6C(
図10参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する上側連通孔636と上側連通孔636aとを有し、その下部623b,624bに、1本の仮想軸線6D(
図10参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する下側連通孔637と下側連通孔637aとを有している。
上側連通孔636と上側連通孔636aは肩部61に接続し、下側連通孔637と下側連通孔637aは肘部63に接続する。
【0052】
第2の上腕部623,624を肩部61に接続する際には、第2の上腕部623の上側連通孔636が肩部61の第2の連通孔64aの外側から重なるように配して回転可能に軸支するとともに、第2の上腕部624の上側連通孔636aが肩部61の第2の連通孔64bの外側から重なるように配して回転可能に軸支する。
このように軸支されることで、第2の上腕部623,624が下方に向けた位置になったときに、第2の上腕部623,624の空間627b,627cが前方方向の逃げとなって、肩部61の底板61cが収容され、第2の上腕部623,624と底板61cとの干渉が避けられる。
このとき、肩部61の第2の連通孔64a,64bと、第2の上腕部623,624の上側連通孔636,636aとは、仮想軸線2Dと仮想軸線6Cとが互いに重なり合う配置となり、肩部61と第2の上腕部623,624との間で垂直方向(上下方向)に回動可能に構成する第3の肩関節部80(関節部)として機能している。
【0053】
肩部61と第2の上腕部623,624との接続手段については、肩部61を第2の上腕部623,624に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、第2の上腕部623,624を肩部61に接続する際には、肩部61の第2の連通孔64aと第2の上腕部623の上側連通孔636との間、及び肩部61の第2の連通孔64bと第2の上腕部624の上側連通孔636aとの間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、第2の連通孔64a,64bにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、第2の上腕部623,624の上側連通孔636,636aに、それぞれ転がり軸受の回転輪に嵌め合わされた回転軸が嵌め込まれることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0054】
肘部63は、それぞれ同一の形状で左右方向(
図11にて矢印C方向)に薄い板状に形成された一対の肘構成板631,632からなり、所定間隔をあけて平行に配されている。
具体的には、肘構成板631,632は、水平状に形成された上辺631a,632aと、前記上辺631a,632aの前端から連続して下り傾斜状に形成された前傾斜辺631b,632bと、前記前傾斜辺631b,632bの前端から連続して鉛直方向に形成された前側辺631c,632cと、前記前側辺631c,632cの下端と前記上辺631a,632aの後端とにわたって連続して形成された湾曲辺631d,632dと、で構成されている。
【0055】
肘構成板631と肘構成板632とは、上辺631a,632aの後端側の領域(湾曲辺631d,632d側の領域)に、1本の仮想軸線6E(
図11参照)を中心軸として同軸に設けられ、水平方向に貫通する第1の連通孔633と第1の連通孔633aを有している。
【0056】
さらに、前側辺631c,632cの下端側の領域(湾曲辺631d,632d側の領域)に、1本の仮想軸線6F(
図11参照)を中心軸として同軸に設けられ、水平方向に貫通する第2の連通孔634と第2の連通孔634aを有している。
【0057】
さらに、上辺631a,632aの前端側の領域(前傾斜辺631b,632b側の領域)に、1本の仮想軸線6G(
図11参照)を中心軸として同軸に設けられ、水平方向に貫通する第3の連通孔635と第3の連通孔635aを有している。
【0058】
第3の連通孔635,635aが第1の連通孔633,633aから離間する距離Fは、肩部61の第2の連通孔64a,64bが第1の連通孔63a,63bから離間する距離Eと同じ距離に設定されている。
【0059】
肘構成板631の第1の連通孔633には、第1の上腕部621が接続され、肘構成板632の第1の連通孔633aには、第1の上腕部622が接続される。
肘構成板631の第2の連通孔634及び、肘構成板632の第2の連通孔634aには、下腕部64が接続される。
肘構成板631の第3の連通孔635には、第2の上腕部623が接続され、肘構成板632の第2の連通孔634aには、第2の上腕部624が接続される。
【0060】
第1の上腕部621を肘部63の肘構成板631に接続する際には、第1の上腕部621の下側連通孔626を肘構成板631の第1の連通孔633の内側から重なるように配して駆動軸103aによって軸支される。さらに、第1の上腕部622を肘部63の肘構成板632に接続する際には、第1の上腕部622の下側連通孔626aを肘構成板632の第1の連通孔633aの内側から重なるように配して駆動軸103aによって軸支される。
このとき、肘部63の肘構成板631,632の第1の連通孔633,633aと、第1の上腕部621,622の下側連通孔626,626aとは、仮想軸線6Eと仮想軸線6Bが互いに重なり合う配置となり、肘部63と第1の上腕部621,622との間で垂直方向に回動可能に構成する第1の肘関節部68(関節部)として機能している。
また、第1の上腕部621,622の下側連通孔626,626a間に駆動軸103aが挟まれ固定される駆動源103もまた仮想軸線61B上に配されるため、仮想軸線6Eと重なり、第1の肘関節部68の駆動源となる。
【0061】
第2の上腕部623を肘部63の肘構成板631に接続する際には、第2の上腕部623の下側連通孔637が肘構成板631の第3の連通孔635の外側から重なるように配して回動可能に軸支する。さらに、第2の上腕部624を肘部63の肘構成板632に接続する際には、第2の上腕部624の下側連通孔637aが肘構成板632の第3の連通孔635aの外側から重なるように配して回動可能に軸支する。
このとき、肘部63の肘構成板631,632の第3の連通孔635,635aと、第2の上腕部623,624の下側連通孔637,637aとは、仮想軸線6Gと仮想軸線6Dとが互いに重なり合う配置となり、肘部63と第2の上腕部623,624との間で垂直方向に回動可能に構成する第3の肘関節部81(関節部)として機能している。
【0062】
なお、第1の上腕部621,622と肘部63の肘構成板631,632との接続手段については、第1の上腕部621,622を肘構成板631,632に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
例えば、駆動源103(第1の上腕部621,622の下側支持部629,629a間に支持固定されている)の駆動軸103aに第1の上腕部621,622の下側連通孔626,626aを固定接続し、肘構成板631,632の第1の連通孔633,633aを駆動軸103aに対して回転可能に接続すれば良い。
その場合には、駆動軸103aと肘構成板631,632の第1の連通孔633,633aとの間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、肘構成板631,632の第1の連通孔633,633aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、駆動軸103aに、転がり軸受の回転輪に嵌め合わされた回転軸が固定されることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0063】
また、肘構成板631,632と第2の上腕部623,624との接続手段については、肘構成板631,632を第2の上腕部623,624に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、第2の上腕部623,624を肘構成板631,632に接続する際には、肘構成板631の第3の連通孔635と第2の上腕部623の下側連通孔637との間、及び肘構成板632の第3の連通孔635aと第2の上腕部624の下側連通孔637aとの間それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、第3の連通孔635,635aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、第2の上腕部623,624の下側連通孔637,637aにそれぞれ転がり軸受の回転輪に嵌め合わされた回転軸が固定されることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0064】
下腕部64は、左右方向に平行に配された一対の側板641,642と、一対の側板641,642の前方側の間に挟まれて一体に固定される箱状体643と、駆動源104とからなる。
側板641と側板642とは、前方向(
図12中矢印Bの向き)に長く形成され、その後端側に、1本の仮想軸線6H(
図12参照)を中心軸として同軸に設けられ、水平方向に貫通する連通孔644と連通孔644aを有している。
駆動源104は、側板641と側板642との間隔と同じ幅寸法に形成され、側板641と側板642の後方側の間に挟まれて支持固定される。
このとき、駆動源104の駆動軸104a,104aは、側板641の連通孔644と、側板642の連通孔644aとに嵌合されて、1本の仮想軸線6H上(
図12参照)で同軸に配される。
なお、駆動源104の種類については、回動動作を任意に制御することが可能な駆動源が適宜選択されれば良い。例えば、本実施形態では遠隔制御可能な電気モータが採用される。
【0065】
下腕部64を肘部63の肘構成板631に接続する際には、下腕部64の薄板641の連通孔644が肘部63の肘構成板631の第2の連通孔634の内側から重なるように配して駆動軸104aによって軸支される。さらに、下腕部64を肘部63の肘構成板632に接続する際には、下腕部64の薄板642の連通孔644aが肘部63の肘構成板632の第2の連通孔634aの内側から重なるように配して駆動軸104aによって軸支される。
このとき、肘部63の肘構成板631,632の第2の連通孔634,634aと、下腕部64の連通孔644,644aとは、仮想軸線6Fと仮想軸線6Hが互いに重なり合う配置となり、肘部63と下腕部64との間で垂直方向に回動可能に構成する第2の肘関節部69(関節部)として機能している。
また、下腕部64の側板641,642間に挟まれる駆動源104もまた駆動軸104aが仮想軸線6H上に配されるため、仮想軸線6Fと重なり、第2の肘関節部69の駆動源となる。
【0066】
肘構成板631,632と下腕部64との接続手段については、下腕部64を肘構成板631,632に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
例えば、駆動源104(側板641,642間に支持固定されている)の駆動軸104aに下腕部64の連通孔644,644aを固定接続し、肘構成板631,632の第2の連通孔634,634aを駆動軸104aに対して回転可能に接続すれば良い。
なお、その場合には、肘構成板631,632の第2の連通孔634,634aと駆動軸104aとの間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、肘構成板631,632の第2の連通孔634,634aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、駆動軸104aに転がり軸受の回転輪が嵌め込まれることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0067】
腕接続部8は、前方向(
図12にて矢印B方向)に細長平板状に形成された本体810と、油圧ショベル(バックホウ)の作業レバー302(303)の上端のグリップ302a(303a)に対して、着脱自在に連結する連結部820とからなる。
また、本体810は、前端(
図12にて矢印B方向の端)にかけて上方(
図12にて矢印A方向)に向け湾曲して形成され、本体810の約中央部から前端に向けて3つの連結孔811,連結孔812,連結孔813が3個並んで形成されている。
本体810の後端は、下腕部64の箱状体643の下面643aに密着して強固に固定される。なお本体810と下腕部64との固定手段については、作動中に脱落したりずれたりすることなく、強固に固定できれば良いので、ここでは限定しない。また、下腕部64と、腕接続部8の本体810とは、一体成形されるものであってもよい。
【0068】
連結部820は、本体810のいずれかの連結孔811,812,813に挿通されるネジ部821と、ネジ部821と一体に形成される球状部822と、球状部822を揺動自由に保持する受け部823と、受け部823と一体に形成され、作業レバー302(303)のグリップ302a(303a)に連結されるカップ部824とからなる(
図12及び
図13参照)。
ネジ部821は、連結孔811,812,813よりも僅かに小径となるネジ径に設定されるとともに、ネジ長さは、連結孔811,812,813の下方(
図12及び
図13にて矢印D方向)から挿通した際、連結孔811,812,813の上方(
図12及び
図13にて矢印A方向)に突出する寸法に設定される。
【0069】
連結孔811,812,813の上方に突出したネジ部821は、本体810の連結孔811,812,813の上方から、固定ナット825が締めこまれることによって、本体810を共締めして連結する。
また、連結部820のネジ部821は、は、コックピット24内での座席306(座席領域)と作業レバー302,303が設置される間隔などによって、操縦部2の動作に適したいずれかの連結孔(811,812,813のいずれか)に連結されれば良い。すなわち、各建設機械によって座席領域と作業レバーとの距離が異なっていたとしても、容易かつ迅速連結調整が可能である。
なお、本実施形態では、腕接続部8に3つの連結孔811,812,813を有する場合を説明したが、連結孔の数についてはこれに限定されるものではなく任意に設定されれば良い。例えば、1つでも良いし4つや5つ有しても良いが、複数有したほうが、種々の座席306と作業レバー302,303の設置間隔に対応できるので好ましい。
【0070】
また、連結部820が腕接続部8に固定されれば、連結孔(811,812,813)とねじ部821によらない接続方法であっても本発明の範囲に含まれる。例えば、連結孔(811,812,813)に代えて本体810の先端側から差し込む溝部を設け、連結部820には、その溝部に挿し込み可能な挿し込み片を備えるとともに、挿し込み片には、溝部に引っ掛けて固定するラッチ機構を備えるものであっても良い。
【0071】
球状部822は、所定径の球状に形成されるとともに、ネジ部821がその外周面から外方に向けて一体に連続して形成される。
受け部823は、球状部822の球径よりも僅かに大径に形成された凹半球面を有する支持部823aと、支持部823aの上部に密着して形成され、球状部822の最大径よりも小径の開口部823cを有する蓋部823bとからなる。また、球状部822を揺動可能に支持する際には、球状部822のネジ部821が開口部823cから上方に向けて突出するようにして、球状部822を支持部823aに収容する。
なお、球状部822が揺動する角度については、ネジ部821が開口部823cと接触することによって制限することができる。球状部822が揺動する範囲は、作業レバー302(303)を操作すべき角度範囲と同じか、あるいは大きい範囲であることが好ましい。開口部823cの径については、作業レバー302(303)を操作すべき角度範囲に合わせて設定されれば良いので、本実施形態では特に限定しない。
【0072】
また、球状部822と受け部823の隙間には摩擦軽減手段が介在することが好ましい。例えば、球状部822と受け部823の隙間に潤滑剤が満たされていても良いし、あるいは、球状部822と受け部823の隙間には、網状に球状部822側から受け部823側に貫通する多数のポケットを有する中空球状体が嵌め込まれるとともに、各ポケットにボールベアリングが保持されていても良い。この場合には、ボールベアリングが球状部822と受け部823の隙間で回転することによって摩擦抵抗が軽減される。
【0073】
カップ部824は、受け部823の下端に一体に形成されるとともに、下方(
図12及び
図13にて矢印D方向)に向けて開放した凹部824aを有している。また、凹部824aは、作業レバー302(303)のグリップ302a(303a)の上部の大きさよりもやや大きな半球状の凹みとして形成されている。
さらに、カップ部824の下側には、外周面から凹部824a(内周面)へと貫通して固定ネジ826,826を有している。
この様な構成により、カップ部824の凹部824a内にグリップ302a(303a)を挿し込んで、固定ネジ826,826を締め込むことによって、凹部824aからグリップ302a(303a)が抜けなくなる。このように、グリップ302a(303a)とカップ部824が固定されることによって、作業レバー302(303)に接続される。
【0074】
脚部7,7は、ロボット型の形態の脚となる部位であって、それぞれ左右の付根部23,23と上脚部72,72と、膝部73,73と下脚部74,74と脚接続部9とからなる。
なお、脚部7,7は、胴部21の脚支持部21f,21fに左右一対となって接続され、ほぼ同一形状であるため、ここでは、片方の脚部7について説明し、他方の脚部7の説明を省略する。
【0075】
付根部23は、基板23aと一対の垂直板23b,23cとからなる(
図4及び
図14参照)。
基板23aは、水平方向に平たい板状に形成され、一対の垂直板23b,23cは、基板23aの左右端からそれぞれ連続して垂設される。このように構成されることによって、基板23aは、下方向(
図4及び
図14にて矢印D方向)に開口したコの字形状となる。
また、基板23aの上面中央部には、上方向(
図4及び
図14にて矢印A方向)に一体に突出するシャフト23dを有している。
垂直板23bと垂直板23cとは、1本の仮想軸線2A(
図4及び
図14参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する連結孔23eと連結孔23fを有している。
【0076】
付根部23を胴部21の基部21bに接続する場合には、付根部23の基板23aのシャフト23dを基部21bの脚支持部21fに挿通するようにして、基板23aを胴部21の基部21bの下側から当て付ける。そして、基部21bの脚支持部21fから上側に突出したシャフト23dの端部をナット23hで抜け止め固定することにより、付根部23が基部21bの脚支持部21fに対して水平方向に回動可能に軸支される。
このように組み付けられることによって、付根部23のシャフト23dが付根部23と基部21bとの間で水平方向(左右方向)に回動可能に構成する第1の腰関節部76(関節部)として機能している。
【0077】
また、付根部23のシャフト23dと基部21bの脚支持部21fとの間には、それぞれ、円滑な回転手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、脚支持部21fにそれぞれ、スラスト転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、シャフト23dに回転輪が嵌め込まれることによって、回動可能に接続されれば良い。
なお、付根部23を胴部21の基部21bに連結する手段については、本実施形態では一例として、付根部23の基板23aのシャフト23dを基部21bの脚支持部21fに連通させると共に、基部21b上に突出したシャフト23dの端部を抜け止め固定する手段を示したが、水平方向に回動可能に連結されれば他の手段によって連結されていても良い。例えば、基板23aにも連通孔を設けて、その連通孔と基部21bの脚支持部21fの孔とを重ね合わせて鋲(リベット)で連結固定する手段が採用されていても良い。その場合には、基板23aの連通孔と脚支持部2とのいずれかが、鋲との間に摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)を備えれば良い。
【0078】
上脚部72は、水平方向(
図15にて矢印Cで示す方向)に平行に配された一対の側板721,722からなり、垂直方向(
図15にて矢印A-Dで示す方向)に長く形成される(
図14及び
図15参照)。
【0079】
側板721(722)は、前側辺721a(722a)の上端から後方に向けて昇り傾斜状に形成した前側傾斜上辺721b(722b)と、前側傾斜上辺721b(722b)の上端から後方に向けて湾曲状に形成した上湾曲辺721c(722c)と、上湾曲辺721c(722c)の下端(後端)から後方に向けて下り傾斜状に形成した後側傾斜上辺721d(722d)と、後側傾斜上辺721d(722d)の下端から垂直方向に形成した後側辺721e(722e)と、後側辺721e(722e)の下端から前方に向けて傾斜状に形成した後側傾斜下辺721f(722f)と、後側傾斜下辺721f(722f)の下端から前方に向けて湾曲状に形成した下湾曲辺721g(722g)と、下湾曲辺721g(722g)の上端(前端)から前側辺721a(722a)の下端に向けて昇り傾斜状に形成した前側傾斜下辺721h(722h)とで構成されている。
【0080】
側板721と側板722とは、その上部に、1本の仮想軸線7A(
図15参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する上側連通孔723と上側連通孔723aを有し、さらに、その下部に、1本の仮想軸線7B(
図15参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する下側連通孔724と下側連通孔724aを有している。
【0081】
側板721は、側板722の内側(
図2参照)に配されており、上側連通孔723と下側連通孔724との間に、側板721を水平方向に貫通して形成される貫通孔201cと貫通孔202cとを有する。
側板722は、側板721の外側(
図2参照)に配され、上側連通孔723aと下側連通孔724aとの間に、側板722を水平方向に貫通して形成される貫通孔201dと貫通孔202dとを有する。
【0082】
駆動源201は、左右方向(
図15にて矢印Cで示す方向)に長い箱型に形成された駆動源本体201aと、左右方向の一端(
図2にて向かって右側)から突出した駆動軸201bと、その駆動軸201bの開放端と一体に連結され、前後方向(
図15にて矢印Bで示す方向)に所定長さを有して駆動軸201bとともに回動する揺動片203とからなる。
【0083】
揺動片203は、その中心に、駆動源201の駆動軸201bが連結固定される連結点(連結孔)203aを有し、その連結点(連結孔)203aを中心にして、互いに同じ距離だけ離間した一対の連結点(連結孔)203bと203cを有する。
【0084】
駆動源202は、左右方向に長い箱型に形成された駆動源本体202aと、左右方向の一端(
図2にて向かって右側)から突出した駆動軸202bと、その駆動軸202bの開放端と一体に連結され、前後方向に所定長さを有して駆動軸202bとともに回動する所定長さの揺動片204とからなる。
【0085】
揺動片204は、その中心に、駆動源202の駆動軸202bが連結固定される連結点(連結孔)204aを有し、その連結点(連結孔)204aを中心にして、互いに同じ距離だけ離間した一対の連結点(連結孔)204bと204cを有する。連結点(連結孔)204b,204cの離間距離と、連結点(連結孔)203b,203cの離間距離は同じ離間距離とする。
【0086】
揺動片203と揺動片204とは、その外側(
図2にて向かって右側)にて、連結点(連結孔)203b,203c及び連結点(連結孔)204b,204cを介してそれぞれ連結棒205,206と回動可能に連結されている(
図14及び
図15参照。)。
【0087】
駆動源201は、側板721の貫通孔201cと、側板722の貫通孔201dに挿通され、図示しない固定手段にて保持固定される。このとき、駆動源201は、側板722の外側に駆動軸201b及び揺動片203が突出するように配される(
図2及び
図14参照。)。
駆動源202は、側板721の貫通孔202cと、側板722の貫通孔202dに挿通され、図示しない固定手段にて保持固定される。このとき、駆動源202は、側板722の外側に駆動軸202b及び揺動片204が突出するように配される(
図2及び
図14参照。)。
【0088】
駆動源201及び駆動源202については、回動動作を任意に制御することが可能な駆動源が適宜選択されれば良い。例えば、本実施形態では遠隔制御可能な電気モータが採用される。
なお、駆動源201及び駆動源202を固定する手段については、駆動源201,202の作動や外力によって、固定位置がずれることのないように強固に固定されれば良いので、ここではその固定手段を特定しない。例えば、側板721と側板722を貫通するネジによって固定されていても良い。
【0089】
連結棒205は、垂直方向に細長く棒状に形成され、側板722の外側(
図2にて向かって右側)に配される。さらに、連結棒205の上部には、揺動片203の連結点203bに回動自在に連結する上部連結点(上部連結孔)205aを有し、中部には、揺動片204の204bに回動自在に連結する中部連結点(中部連結孔)205bを有し、その下部に下部連結点(下部連結孔)205cを有する。
連結棒206は、連結棒205と同一形状で同一長さの棒状に形成され、側板722の外側(
図2にて向かって右側)に配される。さらに、連結棒206の上部には、揺動片203の連結点203cに回動自在に連結する上部連結点(上部連結孔)206aを有し、その中部には、揺動片204の204cに回動自在に連結する中部連結点(中部連結孔)206bを有し、その下部に下部連結点(下部連結孔)206cを有する。
【0090】
上脚部72を付根部23に接続する場合には、上脚部72の側板721の上側連通孔723が付根部23の垂直板23bの連結孔23eの内側から重なるように配して軸支するとともに、上脚部72の側板722の上側連通孔723aが付根部23の垂直板23cの連結孔23fの内側から重なるように配して軸支する。
このとき、上脚部72の側板721,722の上側連通孔723,723aと、付根部23の垂直板23b,23cの連結孔23e,23fとは、仮想軸線7Aと仮想軸線2Aが互いに重なり合う配置となり、上脚部72と付根部23との間で垂直方向に回動可能に構成する第2の腰関節部77(関節部)として機能している。
なお、連結棒205,206と揺動片203,204との接続については、後述する上脚部72と膝部73との接続において説明する。
【0091】
上脚部72と付根部23との接続手段については、上脚部72を付根部23に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、上脚部72を付根部23に接続する際には、付根部23の垂直板23bの連結孔23eと上脚部72の上側連通孔723との間、及び付根部23の垂直板23cの連結孔23fと上脚部72の側板722の上側連通孔723aとのに間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、上脚部72の上側連通孔723,723aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、付根部23の連結孔23e,23fにそれぞれ、転がり軸受の回転輪に嵌め合わされた回転軸が固定されることによって、回動可能に接続されれば良い。
【0092】
膝部73は、それぞれ同一の形状で左右方向(
図16中矢印Cの方向)に薄い板状に形成され、所定間隔をあけて平行に配される一対の膝部構成板731,732と、膝部構成板731と膝部構成板732とを連結する連結部750とからなる。
具体的には、膝部構成板731,732は、水平状に形成された上辺731a,732aと、前記上辺731a,732aの前端から連続して凹部751,752を有する下り傾斜状に形成された前傾湾曲斜辺731b,732bと、前記前傾湾曲斜辺731b,732bの前端から連続して鉛直方向に形成された前側辺731c,732cと、前記前側辺731c,732cの下端から連続して後傾斜状に形成された後傾斜辺731d,732dと、後傾斜辺731d,732dの下端から連続して略水平状に形成された下辺731e,732eと、下辺731e,732eの後端から連続して上り傾斜状に形成された後辺731f,732fと、後辺731f,732fの後端から連続して急傾斜に形成された後端辺731g,732gと、後端辺731g,732gの上端と前記上辺731a,732aの後端とにわたって連続して形成された前傾斜辺731h,732hとで構成された特有形態に形成されている。
図16にて符号750は、膝部構成板731の後辺731fと膝部構成板732の後辺732fとの間を連結している
【0093】
膝部構成板731と膝部構成板732とは、その上部に、1本の仮想軸線7C(
図16参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する上側連通孔733と上側連通孔733aを有し、その下部に、1本の仮想軸線7D(
図16参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する下側連通孔734と下側連通孔734aを有する。
【0094】
膝部構成板732は、上側連通孔733aを中心にして互いに所定距離離間した連結点(連結孔)735aと735bを有する。なお、連結点(連結孔)735aと735bが離間する距離は、連結棒205の連結点(連結孔)205cと連結棒206の連結点(連結孔)206cとの離間距離と同一の距離離間に設定されている。
【0095】
膝部73を上脚部72に接続する際には、上脚部72の側板721の下側連通孔724が膝部73の膝部構成板731の上側連通孔733の内側から重なるように配して軸支するとともに、上脚部72の側板722の下側連通孔724aを膝部73の膝部構成板732の上側連通孔733aの内側から重なるように配して軸支する。
このとき、上脚部72の下側連通孔724,724aと膝部73の上側連通孔733,733aとは、仮想軸線7Bと仮想軸線7Cが互いに重なり合う配置となり、上脚部72と膝部73との間で垂直方向に回動可能に構成する第1の膝関節部78(関節部)として機能している。
【0096】
膝部73と上脚部72との接続手段については、膝部73を上脚部72に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、膝部73を上脚部72に接続する際には、膝部73の上側連通孔733と上脚部72の下側連通孔724との間、及び膝部73の上側連通孔733aと上脚部72の下側連通孔724aとのに間には、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、膝部73の上側連通孔733,733aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、上脚部72の下側連通孔724,724aにそれぞれ掛け渡された回転軸が、転がり軸受の回転輪に嵌め合い固定されて、回動可能に接続されれば良い。
【0097】
次に、連結棒205,206と上脚部72の揺動片203,204及び膝部73との接続について説明する。
連結棒205は、その上部連結点205aには揺動片203の連結点203bが回動可能に接続され、中部連結点205bには、揺動片204の連結点204bが回動可能に接続され、下部連結点205cには、膝部73の膝部構成板732の連結点735aが回動可能に接続される。
連結棒206は、その上部連結点206aには揺動片203の連結点203cが回動可能に接続され、中部連結点206bには、揺動片204の連結点204cが回動可能に接続され、下部連結点206cには、膝部73の膝部構成板732の連結点735bが回動可能に接続される。
【0098】
このように接続されることによって、駆動源201及び駆動源202の回動動作に連動して、膝部73の膝部構成板732の連結点735a,735bが上下動する。
詳しくは、連結棒205の連結点205cは、揺動片203の連結点203b(連結棒205の連結点205a)及び揺動片204の連結点204b(連結棒205の連結点205b)と連動して上下動し、連結棒206の連結点206cは、揺動片203の連結点203c(連結棒206の連結点206a)及び揺動片204の連結点204c(連結棒205の連結点206b)と連動して上下動する。
このとき、連結棒205の連結点205cと一体に動作する膝部73の連結点735aと、連結棒206の連結点206cと一体に動作する膝部73の連結点735bが上下動する。これにより、膝部73は、第1の膝関節部78(上側連通孔733,733a)を中心にした回動動作が制御される。
なお、膝部73を振り上げるように回動させた場合に、膝部73の凹部751,752が逃げとなって、上脚部72に保持固定される駆動源201と膝部73との干渉が避けられる。
【0099】
また、本実施形態では、駆動源201及び駆動源202の2つの駆動源を連結棒205及び連結棒206によって連結しているため、下脚部74を回動動作させる際の作動力(トルク)を強くすることができる。
その場合には、互いに連結された駆動源201及び駆動源202は、同調制御によって協働動作させれば良い。
なお、本実施形態では、駆動源201及び駆動源202の2つの駆動源を有する一例を説明したが、駆動源の数については、これに限定されるものではなく、下脚部74の回動動作に必要とされる作動力(トルク)に応じて適宜増減して設定されれば良い。例えば、より多くの駆動源、例えば3つの駆動源で下脚部74を回動動作させても良い。その場合には、駆動源の数に応じて、揺動片203,204や連結棒205,206の連結点の数を設定すれば良い。
また、ひとつの駆動源201のみで下脚部74を回動動作させても良い。その場合には、本実施形態で説明したように揺動片203,204と連結棒205,206で下脚部74を回動動作させても良いし、あるいは、上脚部72と膝部73との間で構成される第1の膝関節部78に駆動源の駆動軸を介在させた構成としても良い。
また、本実施形態では、連結棒205,206と揺動片203,204を上脚部72の片側のみに設けた一例を説明したが、連結棒205,206と揺動片203,204は上脚部72の両側に設けられ、連結棒205,206が膝部73の両側に接続されていても良い。
その場合には、駆動源201と駆動源202は、側板721側にも駆動軸201bと駆動軸202bを突出させ、揺動片203,204と連結棒205,206を連結可能に構成すれば良い。
【0100】
下脚部74は、前方向(
図17にて矢印Bの向き)に長く形成された一対の側板741,742と、箱状体743とからなる。
側板741と側板742とは、左右方向(
図17にて矢印Cの方向)に平行に配され、その後端側に、1本の仮想軸線7F(
図17参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する連通孔744と連通孔744aを有する。
箱状体743は、側板741と側板742との間の幅寸法に形成され、前方側の間に挟まれて一体に固定される。
【0101】
次に、下脚部74と膝部73との接続について説明する。
下脚部74を膝部73に接続する際には、下脚部74の側板741の連通孔744が膝部73の膝部構成板731の下側連通孔734の内側から重なるように配して軸支するとともに、下脚部74の側板742の連通孔744aが膝部73の膝部構成板732の下側連通孔734aの内側から重なるように配して軸支する。
このとき、膝部73の下側連通孔734,734aと下脚部74の連通孔744,744aとは、仮想軸線7Dと仮想軸線7Fが互いに重なり合う配置となり、膝部73と下脚部74との間で垂直方向に回動可能に構成する第2の膝関節部79(関節部)として機能している。
また、下脚部74の連通孔744,744aの間に挟まれて支持固定される駆動源104もまた駆動軸104aが仮想軸線7F上に配されるため、仮想軸線7Dと重なり、第2の膝関節部79の駆動源となる。
【0102】
下脚部74と膝部73との接続手段については、下脚部74を膝部73に対して垂直方向に回動可能かつ、作業における外力によって脱落することなく接続されれば良く、ここでは、接続手段を限定しない。
なお、下脚部74を膝部73に接続する際には、膝部73の膝部構成板731の下側連通孔734と下脚部74の側板741の連通孔744との間、及び膝部73の膝部構成板732の下側連通孔734aと下脚部74の側板742の連通孔744aとの間に、それぞれ、摩擦軽減手段(例えば転がり軸受)が介在することが好ましい。例えば、膝部73の下側連通孔734,734aにそれぞれ、転がり軸受の固定輪が嵌め込まれ、下脚部74の連通孔744,744aにそれぞれ、転がり軸受の回転輪に嵌め合わされた回転軸が固定されることによって、回動可能に接続されれば良い。
なお、下脚部74と脚接続部9との接続及び、脚接続部9と走行レバー304(305)との接続については既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0103】
脚接続部9は、前方向(
図18にて矢印Bで示す向き)に長く形成され、所定距離離間して平行に配された一対の側板91,92と、脚接続部9を下脚部74に固定する固定部93とからなる(
図14、
図17及び
図18参照)。
【0104】
側板91と側板92とは、その前端側に、1本の仮想軸線9A(
図17参照)を中心軸として同軸に設けられた水平方向に貫通する連通孔91aと連通孔92aを有する。
【0105】
固定部93は、下脚部74の箱状体743に固定される基部93aと、基部93aに対して軸回転自在に組み付けられた回動部93bとからなり、回動部93bに一対の側板91,92の基端側が接続固定される。これにより、一対の側板91,92は、下脚部74の箱状体743に対して軸回転自在に接続される。
【0106】
脚接続部9を走行レバー304(305)に接続する際には、走行レバー304(305)を側板91と側板92の間に挿し入れて、走行レバー304(305)の孔304a(305a)と連通孔91a,92aを合わせる。次に、仮想軸線9Aに沿って、ボルト94を差込み、反対側からナット95で締め付けることによって、走行レバー304(305)に接続される。
【0107】
撮影部4は、コックピット24から視認可能な領域と同様の領域を撮影する。具体的には、操縦部2や油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24の外枠24aなどに配置される映像を撮影可能なカメラである。なお、本実施形態では、撮影部4として、3つのカメラ(第1のカメラ4a,第2のカメラ4b,第3のカメラ4c)を配している(
図2、
図3、
図5、
図7、及び
図19参照)。
第1のカメラ4aは、胴部21の胸部21cの上面(左右の腕支持部22,22の間)で、ステー41によって上下方向に回動可能に保持される(
図2、
図3及び
図5参照)。また、ステー41は、胸部21cの上面21fに対して左右方向に回動自在に接続される。このように接続されることによって、第1のカメラ4aは、上下左右に回動自在となって、コックピット内から前方(
図3にて矢印Bで示す方向)を所望の視点(上下左右の角度)で撮影する。
また、第2のカメラ4b及び第3のカメラ4cは、コックピット24の外枠24a(
図3参照)のそれぞれ左右端から、前方を撮影している。
【0108】
第1のカメラ4aによる視点では、油圧ショベル(バックホウ)のコックピット24に操作者が着座した場合にバケット(油圧ショベル(バックホウ)のアームの先に備わる桶状の装置)を注視する状態となり、第2のカメラ4bと第3のカメラ4cによる視点では、コックピット24に操作者が着座した場合に、第1のカメラ4aによる視点よりも広範囲を確認する状態となる。
【0109】
なお、本実施形態では、撮影部4として、3つのカメラ(第1のカメラ4a,第2のカメラ4b,第3のカメラ4c)を備えた一例を説明したが、撮影部4のカメラの数や配置については、これに限定されるものではない。例えば、撮影部4を操縦部3のみに配する場合(第1のカメラ4aのみ配置)であっても良い。また、コックピット24の外枠24aに、油圧ショベル(バックホウ)の後方向の視点を撮影するカメラを増加させたり、油圧ショベル(バックホウ)の無限軌道を見下ろす視点を撮影するカメラを増加させたりして、油圧ショベル(バックホウ)の全周囲を撮影するものとしてもよい。
また、第1のカメラ4aが胸部21cの上面に配れず、胸部21cの前面(
図5中の矢印B側の側面)に配されていても良い。
【0110】
制御部5は、操作部3から有線にて接続されるとともに、操縦部2と操作部3とをつなぐ無線装置51を備えている(
図1参照)。
また、制御部5は、操作部3で検出された操作杵32の操作量の検出値を演算処理するとともに、操作部3での操作を操縦部2に再現させる制御信号に変換して、操縦部2に対して無線送信する。
なお、本実施形態では、制御部5を操作部3と有線で接続するとともに、操縦部2とは無線で接続しているが、制御部5を介して操縦部2と操作部3が接続されていればこれに限定されるものではなく、接続手段は限定されない。例えば、制御部5が操作部3及び操縦部2の双方ともに無線で接続されていても良く、あるいは、制御部5が操作部3及び操縦部2の双方ともに有線で接続されていても良い。
【0111】
上記説明した操縦部4の胴部21、腕部6及び脚部7を構成する各部材の材料については、操縦部4の動作において十分な強度と耐久性を有していれば良いので、ここでは特に限定しない。例えば、ステンレス鋼をプレス加工して形成していても良いし、あるいは、強化プラスチック樹脂、例えばABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene Resin)などを型成形しても良い。
【0112】
次に、このように組み付けられた操縦部2の動作について説明する。
図3では、操作部3で操作者がした、作業用操作杵34a(34b)を前方に押し倒す動作に連動して、操縦部2では、腕部3を動作させ、油圧ショベル(バックホウ)の作業レバー302(303)を手前に引き倒しており、さらに、操作部3で操作者がした、走行用操作杵35a(35b)を前方に押し倒す動作に連動して、操縦部2では、脚部7を動作させ、油圧ショベル(バックホウ)の走行レバー304(305)を前方に押し倒している状態を示している。
なお、操作部3で操作者がした、作業用操作杵34a(34b)や走行用操作杵35a(35b)の操作は、検出された変位量に基づいて制御部5で演算処理される。このとき、制御部5では、油圧ショベル(バックホウ)の作業レバー302(303)や走行レバー304(305)が同じ変位量となるように、操縦部2の各駆動部101,102,103,104,201,202を制御する制御信号として操縦部2に送信する。
【0113】
この場合の腕部3の動作について以下に説明する(
図3及び
図6参照)。
肩部61は、駆動源101が制御されることで、腕支持部22に対して第1の肩関節部66を軸として左右方向(水平方向)に回動して位置決めされる。
図3では、腕接続部8を前方(
図3にて矢印Bで示す方向)に向けた姿勢となるように肩部61が位置決めされている。
また、肩部61の左右方向(水平方向)に回動する際の角度範囲については、
肩部61の回動制御ピン61hと腕支持部22の円弧状に形成された長孔22gとによって制限されている。
回動制御ピン61hは、軸嵌合孔66aが腕支持部22の上側連結孔22dに挿し込まれたときに、腕支持部22の円弧状の長孔22gに挿し込まれているため、回動制御ピン61hは、長孔22gが空けられた角度範囲でのみが移動可能である。これにより、肩部61の回動が角度範囲を制限される。
【0114】
第1の上腕部621,622は、駆動源102と駆動源103が協働するように同調制御されることで、肩部61に対して第2の肩関節部67を軸として上下方向(垂直方向)に回動して位置決めされる。
図3では、肘部63を腕支持部22の下方に位置する姿勢となるように第1の上腕部621,622が位置決めされている。
【0115】
第2の上腕部623,624は、第3の肩関節部80が第2の肩関節部67とともに肩部61にあり、第3の肘関節部81が第1の肘関節部68とともに肘構成板631,632にあるので、第1の上腕部621,622に従動した動作となり、第3の肩関節部80を軸として上下方向(垂直方向)に回動して位置決めされる。
図3では、肘部63を腕支持部22の下方に位置する姿勢となるように第2の上腕部623,624が位置決めされている。
【0116】
肘部63は、第1の連通孔633,633aが第1の上腕部621,622に接続され、第3の連通孔635,635aが第2の上腕部623,624に接続されているので、第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624に従動して、第2の肘関節部69は前方向に向けた姿勢のままで位置決めされる。
図3では、肘部63は、腕支持部22の下方に位置するように位置決めされている。
このときの作業レバー302(303)の動作は、根元を中心にした揺動であり、後方に引かれた状態では、作業レバー302(303)の上端は、後方に引かれる前の状態と比べて、少し下がった位置となる。
【0117】
下腕部64は、駆動源104が制御されることで、第2の肘関節部69を軸として上下方向(垂直方向)に回動して位置決めされ、下腕部64に接続される腕接続部8が作業レバー302(303)の上端の位置に対応した位置となるように微調整する。
図3では、下腕部64は、腕接続部8が斜め下方に向いた姿勢となるように位置決めされている。
【0118】
ここで、第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624との関係について説明する(
図8乃至
図11、
図20参照)。
第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624は、第2の肩関節部67と第1の肘関節部68、第3の肩関節部80と第2の肘関節部81にそれぞれ掛け渡されることによって、4節のリンク機構を構成している。
【0119】
この4節のリンク機構では、肩部61の側板61d,61e上において、第2の肩関節部67と第3の肩関節部80は、第1の連通孔63aと第2の連通孔64aが側板61d上で水平に離間して配され、第1の連通孔63bと第2の連通孔64bが側板61e上で水平に離間して配されることから、その水平方向(
図20にて矢印Cで示す方向)に離間した距離Eは変化しない(
図8及び
図20参照)。
【0120】
また、この4節のリンク機構では、肘部63の肘構成板631,632上において、第1の肘関節部68と第3の肘関節部81は、第1の連通孔633と第3の連通孔635が肘構成板631上で水平に離間して配され、第1の連通孔633aと第3の連通孔635aが肘構成板632上で水平に離間して配されることから、その水平方向(
図20にて矢印Bで示す方向)に離間した距離Fは変化しない(
図11及び
図20参照)。
さらに、距離Eと距離Fは同一の距離に設定されている。
【0121】
また、
図20(a)に示すように、第1の上腕部621,622が第2の肩関節部67と第1の肘関節部68に掛け渡され、第2の上腕部623,624が第3の肩関節部80と第3の肘関節部81に掛け渡されていることから、第1の上腕部621,622の上側連通孔625,625aと下側連通孔626,626aとの垂直方向(
図20中矢印A-Dの方向)の距離Gと、第2の上腕部623,624の上側連通孔636,636aと下側連通孔637,637aとの垂直方向の距離Hとは、同一の距離となる。
【0122】
さらに、
図20(b)に示すように、第1の上腕部621,622が第2の肩関節部67を支点にして前方向に揺動し、それに同調して第2の上腕部623,624が第3の肩関節部80を支点にして前方向に揺動した場合であっても、第1の上腕部621,622の上側連通孔625,625aと下側連通孔626,626aとの垂直方向の距離Jと、第2の上腕部623,624の上側連通孔636,636aと下側連通孔637,637aとの垂直方向の距離Kとは、同一の距離となる。
【0123】
第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624がこのように構成されているので、第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624がどの角度で揺動した場合(例えば、
図20の(a)の位置から(b)の位置)であっても、肘部63の姿勢は常に同じ姿勢となる。
すなわち、第1の肘関節部68と第3の肘関節部81が常に水平で同じ距離を保つことから、第1の肘関節部68と第3の肘関節部81に接続される肘構成板631,632も同じ姿勢を保ったままで移動する。
さらに、このときの肘部63(肘構成板631,632)の姿勢は、常に、第2の肘関節部69が前方向(
図20にて矢印Bで示す方向)にある姿勢となる。
このため、第2の肘関節部69に接続される下腕部64の傾きも第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624の揺動によって変化することがなく、下腕部64の前方側に固定される腕接続部8の高さ位置を制御し易くなる。
【0124】
なお、肘部63の高さ位置(垂直方向の位置)は、第1の上腕部621,622が第2の肩関節部67を支点にして前後方向に揺動し、それに同調して第2の上腕部623,624が第3の肩関節部80を支点にして前後方向に揺動することで変化する。
すなわち、肘部63の高さ位置は、腕支持部22の下方に位置決めしたとき(
図3の姿勢)に低い位置にあり、腕支持部22の前方に向けて振り上られた姿勢となるように位置決めしたとき(
図19の姿勢)に高い位置にある。
この高さ位置の変化によって、肘部63と作業レバー302(303)との高さ方向(垂直方向)の距離も変化するため、下腕部64は、第2の肘関節部69を軸として上下方向(垂直方向)に回動することで、高さ方向(垂直方向)の距離も変化に対応している。
【0125】
肩部61と第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624と肘部63と下腕部64が上述のように位置決めされることによって、腕接続部68に接続される作業レバー302(303)が手前に引き倒された状態となる。
【0126】
次に、脚部7の動作について以下に説明する(
図3及び
図14参照)。
付根部23は、駆動源を介しておらず、第1の腰関節部76を軸として左右方向(水平方向)に回動可能であり、脚接続部9を走行レバー304(305)に接続する際に、付根部23と走行レバー304(305)の左右方向の位置関係に応じて従動的に回動して位置決めされる。
上脚部72は、駆動源を介しておらず、第2の腰関節部77を軸として上下方向(垂直方向)に回動可能であり、脚接続部9を走行レバー304(305)に接続する際に、付根部23と走行レバー304(305)の上下方向や前後方向の位置関係に応じて従動的に回動して位置決めされる。
【0127】
膝部73は、駆動源201と駆動源202が同調制御されることで第1の膝関節部78を軸として上下方向(垂直方向)に回動して位置決めされる。
膝部73の回動は、駆動源201を介して回動する揺動片203と、駆動源202を介して回動する揺動片204とにより、連結棒204,205の上下動を介して、膝部73の連結点735a,735bが第1の膝関節部78を軸として上下動することで制御されている。
【0128】
図3では、駆動源201の駆動軸201aに連結固定されている揺動片203は、連結点203bと連結点203cが横方向に並んだ、傾きの少ない姿勢となるとともに、駆動源202の駆動軸202aに連結固定されている揺動片204もまた、連結点204bと連結点204cが横方向に並んだ、傾きの少ない姿勢となっている。
そして、揺動片203と揺動片204とに回動可能に接続される連結棒205と連結棒206とによって、膝部73の連結点735aと連結点735bもまた、傾きの少ない位置関係となっている。
膝部73は、連結点735aと連結点735bがこのような位置関係となることによって、第1の膝関節部78を軸として上下方向(垂直方向)に回動して、第2の膝関節部79を前方に押し出した姿勢となるように位置決めされている。
【0129】
下脚部74は、駆動源を介しておらず、第2の膝関節部79を軸として上下方向(垂直方向)に回動可能であり、脚接続部9を走行レバー304(305)に接続する際に、付根部23と走行レバー304(305)の上下方向や前後方向の位置関係に応じて従動的に回動するとともに、膝部73が位置決められた際に、第2の膝関節部79と走行レバー304(305)の上下方向や前後方向の位置関係に応じて従動的に回動する。
図3では、下脚部74は、膝部73の第2の膝関節部79によって前方に押し出され、脚接続部9で走行レバー304(305)を前方に押し出す姿勢となるように位置付けられている。
【0130】
付根部23と上脚部72と膝部73と下脚部74が上述のように位置決めされることによって、脚接続部9に接続される走行レバー304(305)が前方に押し倒された状態となる。
【0131】
図19では、操作部3で操作者がした、作業用操作杵34a(34b)を手前方に引き倒す動作に連動して、操縦部2では、腕部3を動作させ、油圧ショベル(バックホウ)の作業レバー302(303)を前方に押し倒しており、さらに、操作部3で操作者がした、走行用操作杵35a(35b)を手前に引き倒す動作に連動して、操縦部2では、脚部7を動作させ、油圧ショベル(バックホウ)の走行レバー304(305)を手前に引き倒している状態を示している。
【0132】
この場合の腕部3の動作について以下に説明する(
図19参照)。
肩部61は、駆動源101が姿勢を維持するように制御されることによって、第1の肩関節部66を軸にして左右方向(水平方向)に回動することなく、腕接続部8を前方(
図19にて矢印Bで示す方向)に向けた姿勢を維持している。
第1の上腕部621,622は、駆動源102と駆動源103が協働するように同調制御されることで、第2の肩関節部67を軸として上下方向(垂直方向)に回動し、肘部63を前方に向けて振り上げた姿勢となるように位置決めされている。
第2の上腕部623,624は、第1の上腕部621,622に従動した動作となり、第3の肩関節部80を軸として上下方向(垂直方向)に回動し、肘部63を前方に向けて振り上げた姿勢となるように位置決めされている。
【0133】
肘部63は、第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624に従動して、第2の肘関節部69は前方向に向けた姿勢のままで、前方に向けて振り上げた状態に位置決めされている。
下腕部64は、駆動源104が制御されることで、第2の肘関節部69を軸として上下方向(垂直方向)に回動して、腕接続部8がさらに斜め下方に向いた姿勢となるように位置決めされている。
【0134】
肩部61と第1の上腕部621,622と第2の上腕部623,624と肘部63と下腕部64が上述のように位置決めされることによって、腕接続部8に接続される作業レバー302(303)が前方に押し倒された状態となる。
【0135】
次に、脚部7の動作について以下に説明する(
図19参照)。
付根部23と下脚部72は、前述の通り、駆動源を介しておらず、脚接続部9を走行レバー304(305)に接続する際に、付根部23と走行レバー304(305)の上下方向や前後方向の位置関係に応じて従動的に回動して位置決めされている。
【0136】
膝部73は、駆動源201と駆動源202が同調制御されることで第1の膝関節部78を軸として上下方向(垂直方向)に回動して位置決めされ、駆動源201の駆動軸201aに連結固定されている揺動片203は、連結点203bと連結点203cが前下がりに並んだ、傾いた姿勢となるとともに、駆動源202の駆動軸202aに連結固定されている揺動片204もまた、連結点204bと連結点204cが前下がりに並んだ、傾いた姿勢となっている。
そして、揺動片203と揺動片204とに回動可能に接続される連結棒205と連結棒206とによって、膝部73の連結点735aと連結点735bもまた、前下がりに並んだ傾いた位置関係となっている。
膝部73は、連結点735aと連結点735bがこのような位置関係となることによって、第1の膝関節部78を軸として上下方向(垂直方向)に回動して、第2の膝関節部79が後方に引かれた位置となるように位置付けられている。
下脚部74は、駆動源を介しておらず、膝部73の第2の膝関節部79によって後方に引かれた姿勢に位置付けられている。
【0137】
付根部23と上脚部72と膝部73と下脚部74が上述のように位置決めされることによって、脚接続部9に接続される走行レバー304(305)が手前に引き倒された状態となる。
【0138】
なお、作業レバー304(305)を左右方向に倒す場合には、肩部61を駆動源101の制御により第1の肩関節部66を軸として左右方向(水平方向)に回動させることによって、腕接続部8が左右方向(水平方向)に旋回するので対応可能である。この場合、上述した、作業レバー304(305)を押し倒したり引き倒したりする前後方向の動作と同時に、腕接続部8を左右方向に旋回動作させることで、作業レバー304(305)を左右方向に倒す動作をすることによって、前後左右の全ての角度に作業レバー304(305)を操作可能である。
【0139】
本実施形態では、第1の上腕部621,622の上部621a,622aと下部621b,622bとの間に空間627,627aを有し、第2の上腕部623,624の上部623a,622aと下部623b,624bとの間に空間627b,627cを有した構成として、肩部61の底板61cとの干渉を避けたが、肩部61の底板61cとの干渉を避けることができれば、第1の上腕部621,622及び第2の上腕部623,624の形状はこの限りではない。
例えば、
図21に示す変形例のように、第2の肩関節部67及び第3の肩関節部80を前方(
図20にて矢印Bで示す方向)に突き出した配置とすれば、第1の上腕部621,622及び第2の上腕部623,624は、それぞれ等しい長さの直線状の腕部として形成されても良い。なお、その他の構成は前述した本実施形態と同様であるので、図面に同一の符号を用いることでその説明を省略する。
この場合には、第1の上腕部621,622及び第2の上腕部623,624が下方向(
図20中矢印Dの方向)に向いているときも、肩部61の底板61cとの隙間が十分に確保され干渉することがない。
さらに、第1の上腕部621,622及び第2の上腕部623,624が等長であって、2本の等長アームの上側の節の間隔と下側の節の間隔も等長となる、リンク機構を構成しているため、上腕部62、肘部63、下腕部64及び腕接続部8の動作は、上述した本実施形態と同様である。
【0140】
また、本実施形態では、左右2本の腕部6と左右2本の脚部7を備えた例を説明したが、腕部6と脚部7の数については操縦部2が操縦する油圧ショベル(バックホウ)等の建設機械の構成に合わせて設計時に設定されれば良い。たとえば、作業レバー302(303)が4本ある建設機械であれば、操縦部2の腕部6も4本に設定し、それぞれ、個別に遠隔制御されることによって遠隔操作可能にすれば良い。
また、脚部7についても腕部6と同様に、建設機械の走行レバー304(305)の数に合わせて設定されれば良い。
なお、建設機械が、走行レバー304(305)の代わりに作業レバーの形態のレバー装置で構成されている場合には、前述の作業レバー302(303)が4本ある建設機械の場合と同様に、操縦部2の腕部6も4本に設定すれば良い。
【0141】
さらに、建設機械のコックピット24が、走行レバー304(305)に加えてペダルも備えている場合には、ペダルに接続する脚接続部9を備えて、ペダルの踏み込み操作を遠隔操作可能にしても良い。その場合には、操縦部2はコックピットのペダルを操作する脚部を備え、操作部3は走行用操作杵35a,35bに加えてペダルを備えて、操作部3のペダルが前後に傾いた変位量(踏み込み量)も走行用操作杵35a,35bの前後の傾きの変位量と同様に電気的に検出すれば良い。このように設計すれば、操作者が操作部3のペダルを踏み込み操作することによって、操縦部2を遠隔操作して建設機械のペダルを踏み込み操作することができる。
なお、建設機械が走行用操作杵35a,35bに代えてペダルのみを備えている場合には、走行用操作杵35a,35bの変位量の検出構造に置き換えて、ペダルの前後の傾きの変位量を電気的に検出して制御すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、油圧ショベル以外の各種建設機械にも利用可能である。
【符号の説明】
【0143】
2 操縦部
3 操作部
4 撮影部
5 制御部
31 運転席
32 操作杆
24 コックピット
33 ディスプレイ部
32 操作杵
6 腕部
7 脚部
8 腕接続部
9 脚接続部
66 第1の肩関節部
67 第2の肩関節部
68 第1の肘関節部
69 第2の肘関節部
76 第1の腰関節部
77 第2の腰関節部
78 第1の膝関節部
79 第2の膝関節部
80 第3の肩関節部
81 第3の肘関節部
101,102,103,104 駆動源
302,303 作業レバー
304,305 走行レバー