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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】眼内排出装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
A61F9/007 160
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018562930
(86)(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 US2017035691
(87)【国際公開番号】W WO2017210561
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】62/345,723
(32)【優先日】2016-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/368,990
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518224358
【氏名又は名称】ニュー ワールド メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アハメド、アブドゥル マティーン
(72)【発明者】
【氏名】ポーティアス、エリック
(72)【発明者】
【氏名】アブデュラー、スハイル
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、カーリッド
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ジョーイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、パトリック
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0215126(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057596(US,A1)
【文献】特表2017-526504(JP,A)
【文献】国際公開第2016/033270(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/00 - 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラップを有する一体構造のシリコーン体と、
前記フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、
前記フラップと前記剛性の底側プレートとの間に配置された近位端を有するチューブと、
剛性の上側プレート
を備える眼内排出装置であって、
前記フラップの前記対応する部分は、前記チューブから受け取られた房水の圧力に応答して前記剛性の底側プレートの前記部分から分離するように構成され、
前記剛性の底側プレートは、前記一体構造のシリコーン体の底側表面における開口内に密封に配置され、前記剛性の上側プレートは、前記一体構造のシリコーン体の上側表面における開口内に密封に配置されている、眼内排出装置
【請求項2】
前記チューブは、患者の眼の前房内に配置されるように構成された遠位端を備え、前記チューブは、前記近位端と前記遠位端との間の位置において、前記患者の前記眼の強膜の一部を通って延伸するように構成されている、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項3】
前記フラップの追加の部分と前記剛性の底側プレートの追加の対応する部分との間に配置されたチャンバを更に備える、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項4】
前記チューブの管腔は、前記近位端において前記チャンバに流体的に結合されている、請求項3に記載の眼内排出装置。
【請求項5】
前記剛性の底側プレートは、前記チャンバに隣接する第1のチャネルを備える、請求項4に記載の眼内排出装置。
【請求項6】
前記フラップは、前記チューブの一部を受け取るように構成された凹部を備える、請求項5に記載の眼内排出装置。
【請求項7】
前記フラップの前記追加の対応する部分は、前記チャンバの一部を画定し、前記剛性の底側プレートに接触する前記フラップの前記部分と前記凹部との間に配置されている、請求項6に記載の眼内排出装置。
【請求項8】
剛性の上側プレートを更に備える、請求項7に記載の眼内排出装置。
【請求項9】
前記チューブは、D字形状の断面プロファイルを有する、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項10】
前記剛性の上側プレート及び前記剛性の底側プレートは、前記一体構造のシリコーン体における1つ以上の対応する開口を介して1つ以上の位置において互いに係合している、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項11】
前記一体構造のシリコーン体の外側表面の少なくとも一部において複数の平行な微小溝を更に備える、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項12】
前記剛性の底側プレートにおいて複数の微小溝を更に備える、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項13】
記剛性の上側プレートにおける複数の微小溝を更に備える、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項14】
前記複数の平行な微小溝は、前記一体構造のシリコーン体の上側表面、底側表面、及び側壁表面において形成された平行な微小溝を含む、請求項1に記載の眼内排出装置。
【請求項15】
チャネルを有する本体と、
前記本体内に配置されたフラップと、
前記フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、
前記本体に接合されたチューブであって、前記チューブの近位端は、前記フラップと前記剛性の底側プレートとの間に配置され、且つ前記チャネルは、前記チューブから前記フラップに隣接して形成されたチャンバに流体を案内するように構成されている、チューブと、
剛性の上側プレートと
を備える眼内排出装置であって、
前記フラップの前記対応する部分は、前記チャンバにおける前記流体の圧力に応答して前記剛性の底側プレートの前記部分から分離するように構成され
前記剛性の底側プレートは、前記本体の底側表面における開口内に密封に配置され、前記剛性の上側プレートは、前記本体の上側表面における開口内に密封に配置されている、眼内排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年6月3日に出願された「眼内排出装置」という名称の米国仮特許出願番号62/345,723、及び2016年7月29日に出願された「微小溝を有する眼内排出装置」という名称の米国仮特許出願番号62/368,990に対する米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張し、それぞれの開示が、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して眼内装置に関し、特に眼内排出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
房水は、典型的には、角膜の縁における小柱網を介して眼の前房から排出される。しかし、状況によっては、房水の過剰産生又は房水の排出の減少は、不快感を引き起こし、及び/又は視神経を損傷する可能性がある眼内圧を上昇させる可能性がある。従って、特に緑内障患者に対して、前房からの房水の排出を増加させることができることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5,411,473号明細書
【文献】米国特許第5,616,118号明細書
【文献】米国特許第5,681,275号明細書
【文献】米国特許第5,785,674号明細書
【文献】米国特許第6,261,256号明細書
【文献】米国特許第7,025,740号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の様々な態様によれば、眼内排出装置は、本体と、内部フラップと、フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、剛性の上側プレートと、フラップと剛性の底側プレートとの間に配置された近位端を有するチューブとを含んでもよい。本体は、剛性の本体又は可撓性の本体であってもよい。例として本明細書で説明されることがある一実施においては、本体及びフラップは、例えば一体的フラップを有する一体構造のシリコーン体から形成されてもよい。しかし、これは単なる例示である。他の実施においては、一体構造の可撓性の本体のような可撓性の本体は、シリコーン以外の生体適合性の可撓性の材料から形成されてもよい。更に他の実施においては、本体は、プラスチックのような剛性の材料から形成されてもよい。例えば、幾つかの実施においては、本体、剛性の底側プレート、及び剛性の上側プレートは、共通の材料から形成されてもよい。
【0006】
フラップの対応する部分は、チューブから受け取った房水からの圧力に応答して剛性の底側プレートの部分から分離するように構成されてもよい。チューブは、患者の眼の強膜を通って眼の前房の中に延伸されるように構成された遠位端を有することができる。シリコーン体及び剛性の底側プレートは、動作において、房水が眼の前房から管腔を通ってシリコーン体及び剛性の底側プレートによって形成されたチャンバに流れることができるように、チューブの管腔に流体的に結合されたチャンバを形成してもよい。
【0007】
シリコーン体及び剛性の底側プレートによって形成されたチャンバを房水が満たす場合には、房水からの流体圧力は、チャンバから外に流体流路を生成するためにフラップの対応する部分を剛性の底側プレートの部分から分離させるフラップの対応する部分を支えることができる。流体流路は、剛性の底側プレートと剛性の上側プレートとの間の流路を通って、且つシリコーン体におけるスロットのような開口を通って延伸してもよい。
【0008】
シリコーン体、剛性の底側プレート、及び剛性の上側プレートは、互いに結合され、患者の眼の強膜と結膜との間の場所に縫合されてもよい。この構成においては、シリコーン体における開口を通って流体流路から外に流れる房水は、装置を取り囲む患者の組織の中に拡散してもよい。
【0009】
シリコーン体及び剛性の底側プレートによって形成されたチャンバは、フラップの追加の部分と剛性の底側プレートの追加の対応する部分との間に配置されてもよい。剛性の底側プレートは、チャンバに隣接する第1のチャネルと第2のチャネルとを含んでもよい。第1のチャネルは、フラップの部分の第1の側に配置されてもよく、第2のチャネルは、流体流路の一部を形成するために、フラップの対向する第2の側に配置されてもよい。剛性の上側プレートは、流体流路の一部を形成するために、底側プレートの第2のチャネルに対向して配置されたチャネルを含んでもよい。フラップは、チューブの一部を受け取るように構成された凹部を含んでもよい。フラップの追加の対応する部分は、フラップの部分と凹部との間に配置されてもよい。
【0010】
剛性の上側プレート及び剛性の底側プレートは、フラップにおける1つ以上の対応する開口を介して1つ以上の位置において係合されてもよい。剛性の底側プレート及び/又は剛性の上側プレートは、ポリスルホンプラスチックのようなプラスチックから形成されてもよい。
【0011】
本体、剛性の底側プレート、及び/又は剛性の上側プレートの外側表面には、1つ以上の微小溝が設けられてもよい。眼内排出装置は、装置の1つ以上の外側表面において複数の微小溝を含んでもよい。微小溝は、装置の上側及び底側表面において装置の前側部分から後側部分に平行な列で伸びる複数の微小溝を含んでもよい。眼内排出装置は、上側及び底側表面を接続する側壁表面のような1つ以上の実質的に垂直な表面を含んでもよい。実質的に垂直な表面には、梯子の段差のように装置の周囲の周りに環状に配置された1つ以上の平行な微小溝が設けられてもよい。
【0012】
幾つかの態様においては、微小溝は、眼内装置を取り囲む細胞及び/又は組織の接触案内のために、本明細書で説明されるような1つ以上の様々なパターンで配置されてもよい。接触案内は、「環境の異方性に対する細胞の指向性運動応答、例えば、隆起部に沿って整列する、又は伸張ゲルにおけるコラーゲン線維の整列に平行である線維芽細胞の傾向」として「細胞と分子生物学の辞典」によって説明される生体内(in vivo)効果を参照してもよい。
【0013】
本体、剛性の底側プレート、及び剛性の上側プレートを有する眼内移植片における微小溝が、本明細書において例として説明されることがあるが、他の眼内排出装置が微小溝を備えることができる。例えば、上側及び底側表面における装置の前側から装置の後側への方向に長手方向に延伸する微小溝、半径方向微小溝、周方向及び平行側壁微小溝、並びに/又は例えば、細胞及び組織形成用の接触案内のための他の適切な微小溝パターンが、特許文献1~6において説明されたもののような眼内排出装置の外部表面に設けられてもよく、特許文献1~6の全てが、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
主題の開示の幾つかの態様によれば、フラップを有する一体構造のシリコーン体と、フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、フラップと剛性の底側プレートとの間に配置された近位端を有するチューブとを含む眼内排出装置が提供される。フラップの対応する部分は、チューブから受け取った房水の圧力に応答して剛性の底側プレートの部分から分離するように構成される。
【0015】
主題の開示の幾つかの態様によれば、チャネルを有する本体と、本体内に配置されたフラップと、フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、チャネルが流体をチューブからフラップに隣接して形成されたチャンバに案内するように構成されるように本体に接合されたチューブとを含む眼内排出装置が提供される。フラップの対応する部分は、チャンバにおける流体の圧力に応答して剛性の底側プレートの部分から分離するように構成される。
【0016】
主題の開示の幾つかの態様によれば、本体と、流体が本体を通って流体の流れ方向に流れることを可能にするように動作可能である本体内の流れ制御装置と、本体の外側表面において形成された複数の微小溝とを含む眼内排出装置が提供され、複数の微小溝は、平行な列で配置され、本体の前端から後端への流体の流れ方向に実質的に平行に延伸する。
【0017】
主題の開示の幾つかの態様によれば、フラップ、及び対向するローブに接する開口を有する上側表面を有する可撓性の本体と、フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、可撓性の本体の上側表面における開口に配置された剛性の上側プレートとを含む眼内排出装置が提供される。開口における剛性の上側プレートの上側表面の一部は、装置の上側表面の一部を形成し、対向するローブはそれぞれ、剛性の上側プレートの上側表面の別の部分を支える。
【0018】
主題の技術の追加の特徴及び利点は、以下の説明において記載され、その説明から部分的に明らかであって、又は主題の技術の実践によって習得されてもよい。主題の技術の利点は、明細書及び特許請求の範囲、並びに添付の図面において特に指摘された構造によって実現され達成されるであろう。
【0019】
先の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的且つ解説的なものであって、主張されるような主題の技術の更なる解説を提供することが意図されることを理解されたい。
【0020】
主題の技術の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本明細書と共に主題の技術の態様を示し、主題の技術の原理を解説する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の斜視図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、図1の眼内排出装置の分解された斜視図を示す。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、図1の眼内排出装置の断面側面図を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、患者の眼の本来の場所における図1の眼内排出装置の断面側面図を示す。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置のチューブの断面斜視図を示す。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、微小溝を有する眼内排出装置の斜視図を示す。
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、図6の微小溝を有する眼内排出装置の一部の斜視図を示す。
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、微小溝を有する移植可能な装置の一部の断面側面図を示す。
図9】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の上面図を示す。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、本来の場所における眼内排出装置の斜視図を示す。
図11】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の側面斜視図を示す。
図12】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置のための上側プレートの上面斜視図を示す。
図13】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置のための上側プレートの底面斜視図を示す。
図14】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置のための底側プレートの上面斜視図を示す。
図15】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の部分的に分解された底面斜視図を示す。
図16】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置のための本体の底面斜視図を示す。
図17】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の分解された上面斜視図を示す。
図18】本開示の1つ以上の実施形態による、眼内排出装置の底面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明においては、主題の技術の理解を提供するために特定の詳細が記載される。しかし、主題の技術がこれらの特定の詳細の一部なしに実践されてもよいことは、当業者には明らかであろう。他の実例においては、主題の技術を不明瞭にしないように、周知の構造及び技術は詳細に示されない。
【0023】
幾つかの実施形態によれば、例えば、図1に示されるように、眼内排出装置100のような眼内装置は、比較的可撓性の本体のような本体102と、本体の上側表面における開口に配置される比較的剛性の上側プレート108とを含むことができる。本体102が可撓性の本体(例えば、シリコーン体又は他の生体適合性の可撓性の材料から形成される可撓性の本体)である様々な例が本明細書で説明されるが、剛性の本体102を有する他の実施が考えられる。可撓性の本体102は、出口ポート104を含んでもよい。眼内排出装置100はまた、(図1では見えない)管腔を有する入力チューブ106を含んでもよい。可撓性の本体102内の弁は、チューブ106の管腔を、本体102の後端158に又はその近くに位置する出口ポート104のような出口ポートと制御可能に結合するように動作可能であってもよい。
【0024】
剛性の上側プレート108は、例えば、ポリスルホンプラスチックのような剛性のプラスチックから形成されてもよい。可撓性の本体102は、例えば、シリコーン又は他の適切な可撓性の材料から形成される一体構造の可撓性の本体であってもよい。図1の例においては、出口ポート104は、上側プレート108に隣接する本体102の上側表面においてスロットから形成される。しかし、これは単なる例示である。他の実施形態においては、出口ポート104は、可撓性の本体102における円形、正方形、楕円形、多葉形、V字形、又は他の形状の開口であってもよく、及び/又は他の位置に(例えば、上側プレート108から離間して、又は本体102の縁に部分的に若しくは完全に配置されて)形成されてもよい。他の実施形態においては、複数の出口ポートが、本体102及び/又は上側プレート108のような装置100の他の構成要素に形成されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、本体102は、チューブ106の一部の両側に沿って延伸するアーム110のような一対の延伸部を含んでもよい。アーム100は、本体102の前端160において、患者の眼の前側の方向に本体102から延伸するように構成されてもよい。各アーム110は、装置100の患者の眼への固定を容易にする1つ以上の機構を含んでもよい。図1の例においては、各アーム110は、本体102の患者の眼への縫合のための開口112を含む。各アーム110は、チューブ106の厚さと実質的に同じ厚さを有してもよい。アーム110を延伸することは、従来の装置より眼の角膜輪部に近い位置において装置100を縫合することを可能にし得、外科医のための移植をより容易にし得る。
【0026】
眼内装置100は、患者の眼の強膜と結膜との間に外科的に移植されて、装置100を通って(例えば、矢印156によって示されるような流体の流れの方向に)流れ、出口ポート104から流れ出る房水のような流体は、取り囲む組織に(例えば、強膜静脈系を介して)吸収されることができる装置100の外側表面上に及び/又はその周りに水疱を形成する。装置100の外側表面は、本体102の上側表面150と、上側プレート108の上側表面154と、上側表面150と本体102の(図1では見えない)底側表面との間に延伸する本体102の側壁表面152とを含んでもよい。装置100の外側表面はまた、本体102の底側表面と、本体102の底側表面における開口に配置される(図1では見えない)底側プレートの底側表面とを含んでもよい。以下に更に詳細に説明されるように、移植後、眼内装置100は、本体の底側表面及び底側プレートの底側表面が患者の眼の強膜に寄り掛かり、本体102の上側表面150及び上側プレート108の上側表面154が患者の眼の結膜に寄り掛かるように構成されてもよい。例えば図6及び図7に関連して以下に更に詳細に説明されるように、装置100の外側表面の1つ以上の部分は、眼の治癒反応を援助する微小溝パターンを含んでもよく、また、移植後に経時的に装置の機能を改善してもよい。
【0027】
チューブ106は、近位端(例えば、チューブの遠位端に対して本体102に近位である)において、本体102内のチャンバに流体的に結合されてもよい。図1に示されるように、チューブ106は、本体102の前端160から、アーム110間の位置において患者の眼の前部に向かって延伸してもよい。チューブ106の遠位端は、房水のような流体がチューブ114の管腔に入り、管腔を通って前房に制御可能に流れることができるように、患者の眼の前房内に配置されるように構成されてもよい。チューブ106の一部は、チューブ106の遠位端が前房に到達することができるように、近位端と遠位端との間の位置において患者の眼の強膜の一部を通って延伸するように構成される。
【0028】
幾つかの実施形態においては、装置100は、外科的移植の前の装置100の洗浄のために使用されることができる取り外し可能なカニューレを備えてもよい。
【0029】
ここで、図2の装置100の分解された斜視図を参照すると、チューブ106から出口ポート104への流体の流れを制御するためのチャンバ及び弁を形成する本体102及び剛性の底側プレート200の特徴が分かる。例えば、本体102は、本体102の内部を横切って横方向に延伸するフラップ214を含んでもよい。装置100のための組み立てられた構成(例えば、図1に示される組み立てられた構成)においては、フラップ214は、係合解除可能なシールを有する弁を形成するように、底側プレート200の上側表面又は内部表面200に着座するように構成されてもよい。フラップ214は、(例えば)1インチ(約2.54cm)の約1/5000未満の厚さを有するシリコーンフラップであってもよい。
【0030】
組み立てられた構成においては、チューブ106は、少なくとも部分的に底側プレート200におけるチャネル208の中に延伸してもよい。チューブ106の上側表面は、本体102の凹部222内に少なくとも部分的に着座してもよい。このようにして、チューブ106は、チューブの管腔がチャネル208の一部及びフラップ214によって形成されるチャンバと流体連通するように、(例えば、上側プレート108及び底側プレート200によって引き起こされる密封圧縮によって)チャネル208内に固定されてもよい。しかし、これは単なる例示である。
【0031】
他の実施においては、チューブ106は、本体102に接合されてもよい。この実施においては、本体102は、チューブ106からフラップ214の下のチャンバ304のようなチャンバに流体を案内するように構成されるチャネルをその内部に有してもよい。
【0032】
様々な実施においては、底側プレート200の上側表面220に着座するフラップ214の部分は、チャンバにおいて受け取られる房水の圧力に応答して上側表面220から分離してもよく、それによって、フラップ214と上側表面220との間に房水が流れることを可能にする。
【0033】
底側プレート200は、隆起部206間に形成される追加のチャネル202を含んでもよい。底側プレート200のチャネル202は、組み立てられた構成においては、上側プレート108の対応するチャネル204に対向して配置されてもよい。上側プレート108のチャネル204は、隆起部207間に形成されてもよい。上側プレート108の隆起部207は、本体102内の内部開口212内の底側プレート200の隆起部206と係合してもよい。例えば、装置100の組み立ての間に、底側プレート200の隆起部206及び上側プレート108の隆起部207は、フラップ214の近位の開口212内で交わるように、上側プレート108は、本体102の上側表面の開口210の中に設置されてもよく、底側プレート200は、本体102の底側表面の開口の中に設置されてもよい。上側プレート108の隆起部207及び底側プレート200の隆起部206は、(例えば)上側プレート108を底側プレート200にそれらの間に固定されるフラップ214と共に固定させるように、共に機械的に接着して固定されてもよく、又は共に超音波溶接されてもよい。
【0034】
上側プレート108及び底側プレート200の追加の部分は、各々がフラップ214の遠位側に配置される、開口216及び218のような本体102の追加の内部開口内に(例えば、機械的に接着して、又は超音波溶接を使用して)共に係合されてもよい。底側プレート200は、例えば、ポリスルホンプラスチックのような剛性のプラスチックから形成されてもよい。
【0035】
装置100の組み立て作業の間に、チューブ106は、上側プレート108及び底側プレート200が共に固定される場合に、チューブ106が底側プレート200と本体102との間に固定されるように、底側プレート200(例えば溝208の一部内)と本体102の凹部222との間に設けられてもよい。対向するチャネル202及び204は、出口ポート104と流体的に結合される装置100内の流出ポートを形成してもよい。
【0036】
図3は、眼内装置100の断面側面図を示し、図3においては、装置100の様々な追加の特徴が分かる。例えば、図3に示されるように、チューブ106は、底部プレート200の一部とフラップ214との間に(例えば、図2のチャネル208の一部内に)形成されるチャンバ304と流体連通する管腔300を含んでもよい。動作中、(例えば、管腔300を介して患者の眼の前房から受け取られる房水のために)チャンバ304内の流体圧力が所定の圧力閾値に達する場合に、底側プレート200に着座するフラップ214の部分は、底側プレート200から離れる方向に移動してもよく、流体が、それらの間を(例えば、図2の対向するチャネル202及び204によって)上側プレート108と底側プレート200との間に形成される流出ポート306に流れることを可能にする。
【0037】
図3の例においては、追加のチャンバ302が、フラップ214の上側表面と上側プレート108の底側表面又は内部表面との間に示される。チャンバ302は、チャンバ304における流体圧力によって底側プレート200から変位される場合にフラップ214が移動することができる空間を提供してもよい。チャンバ302は、流出ポート306から流れる流体が出口ポート104を通って装置100から流出する及び/又はチャンバ302の中に流れることができるように、流出ポート306と流体連通してもよい。しかし、これは単なる例示である。他の実施においては、チャンバ302は、チャンバ304からフラップ214と底側プレート200との間を流れる流体を受け取ることが防止され、及び/又は装置100の外側から(例えば、出口ポート104を介して)何れかの流体を受け取ることが防止されてもよい。
【0038】
例えば、図3においては、フラップ214の近位端は、チャネル202及び204によって形成される出口ポート306から離間して示される。しかし、他の実施においては、フラップ214の近位端は、フラップ214が底側プレート200から変位される場合に、フラップ214自体が流体流をチャンバ302の中に遮断し、一方、チャンバ304から出口ポート104への流体流を可能にするように、チャネル202及び204によって形成される流出ポート306に延伸してもよく、又はその中に部分的に延伸してもよい。他の実施においては、チャンバ302の中への流体の流れを遮断する追加の流れ制御構造を設けてもよい。
【0039】
本体102が、フラップ214が本体の他の部分と一体的且つ連続的に形成される一体構造(例えば成形)体であってもよいことがまた、図3において分かる。しかし、これは単なる例示である。他の構成においては、フラップ214は、本体102内に形成される別個のフラップであってもよい。
【0040】
図3に示されるように、組み立てられた構成においては、底側プレート200及び本体102の底側表面は、患者の眼の強膜の凸状の形状に適合するように構成される形状を有する装置100のための底側凹状表面310を形成してもよい。底側凹状表面310は、本体102の底側表面350と底側プレート200の底側表面352とによって形成されてもよい。組み立てられた構成においては、上側プレート108及び本体102の上側表面は、患者の眼の結膜の凹状の内部形状に適合するように構成される形状を有する装置100のための凸状の上側表面312を形成してもよい。
【0041】
図4は、上側プレート108及び底側プレート200と共に組み立てられた本体102が患者の眼の強膜400と結膜402との間に配置されるように、患者の眼の本来の場所に配置される眼内排出装置100の断面図を概略的に示す。示されるように、チューブ106は、(角膜406、レンズ404、及び虹彩408に部分的に接する)眼の前房401における房水403が(矢印410によって示されるように)チューブ106の管腔の中に流れることができるように、強膜400を通って延伸してもよい。
【0042】
図4に示されるように、フラップ214及び底側プレート200によって装置100内に形成される弁を通って流れる流体は、患者の組織の中に吸収されることができる装置100の上及び/又はその周りにブレブ412を形成してもよい。このようにして、緑内障状態に関連する前房401における過剰な流体圧力が軽減されてもよい。
【0043】
図5は、チューブ106の一部の断面斜視図である。図5の例においては、チューブ106は、D字形状の断面プロファイルを有する。D字形状の断面プロファイルは、管腔300の捩れ又は潰れを防止する、管腔300の側壁500に沿ったアーチ道502を提供してもよい。
【0044】
その上、チューブ106のD字形状のプロファイルは、患者の眼の強膜に寄り掛かるためのチューブ106の比較的平坦な底側表面504を提供してもよく、眼の結膜がチューブ106と連結する応力点を低減する(例えば、円筒形チューブの曲率半径に対して)比較的大きい曲率半径を有する上側表面506を提供してもよい。比較的平坦な底側表面504及び比較的大きい曲率半径の上側表面506は、チューブ106の存在のために下に横たわる強膜及び上に横たわる結膜への応力を低減してもよく、実質的により薄いチューブ(例えば、1インチ(約2.54cm)の約20/1000未満、又は1インチ(約2.54cm)の12~16/1000の間の厚さを有するチューブ)を提供してもよい。管腔300は、実質的に平坦で、底側表面504と実質的に平行な底側表面509を有してもよい。管腔300は、上側表面511及び上側表面506が実質的に平行であるように、上側表面506の曲率半径に対応する曲率半径を有する上側表面511を有してもよい。管腔300の上側表面511及び底側表面509はそれぞれ、側壁500間を伸びる。
【0045】
図5のD字形状のチューブのようなロープロファイルチューブは、結膜を保護するチューブ106上での組織のパッチ植皮のための必要性を低減又は排除を援助してもよい。しかし、これは単なる例示であって、幾つかの状況においては、チューブ106はパッチ植皮で覆われてもよい。
【0046】
幾つかの実施においては、眼内排出装置の1つ以上の外側表面の1つ以上の部分に、微小溝のような1つ以上の溝が設けられてもよい。幾つかの移植医療装置においては、表面パターニングが、移植装置への細胞又は細菌の付着を増強又は防止するために使用されることができる。例えば、幾つかの装置においては、Sharklet(商標)パターンが、細菌の増殖を抑止するために使用されることができる。
【0047】
しかし、本明細書に開示される幾つかの実施形態においては、平行な前後の上側及び底側表面パターン、半径方向パターン、周方向側壁パターン、及び/又は他の適切な微小溝パターンのような微小溝パターンが、表面での付着を防止しないが、移植片に沿った制御された整列の中への細胞の組織化を援助するように設けられてもよい。例えば、微小溝は、微小溝に沿って細胞の列を整列させてもよく、並びに/又は微小溝に沿って個々の細胞を(例えば、個々の細胞及び/若しくは個々の細胞核の伸長を引き起こすことによって)整列させてもよい。例えば、微小溝は、接触案内、及び/又は細胞の列若しくは個々の細胞の整列を引き起こす他の効果を促進してもよい。
【0048】
図6は、幾つかの実施形態に従って、本明細書で説明されるように、眼内排出装置100において形成されてもよい例示的な微小溝を示す。しかし、図6は単なる例示であって、本明細書で説明されるような微小溝パターンは他の眼内排出装置及び他の移植片の外側表面に設けられることができることに留意すべきである。
【0049】
図6に示されるように、眼内排出装置100は、前端160から後端158に向かう装置内の流体の流れの方向156(図1参照)に沿って装置100の上側表面に沿って延伸する1つ以上の微小溝602を含んでもよい。微小溝602は、装置100の上側表面に沿って平行な列で伸びてもよい。図6の例においては、2つの平行な微小溝が上側表面に示される。しかし、これは単なる例示である。他の実施においては、1、2、3、4、数十、数百、又は数千の微小溝602が、装置100の上側表面全体を実質的に覆う平行な列で形成されてもよい。
【0050】
周方向溝600がまた、装置100の側壁において(例えば、本体102の側壁152において)形成されてもよい。周方向溝600は側壁152の周囲の一部のみの周りに延伸するように示されるが、これは単なる例示である。様々な実施形態においては、溝600は、本体102の実質的に周囲全体又はその任意の一部の周りに延伸してもよい。
【0051】
図6の例においては、3つの平行な微小溝600が側壁表面において示される。しかし、これは単なる例示である。他の実施形態においては、微小溝600は、装置100の側壁表面全体を実質的に覆う平行な列で形成されてもよい。
【0052】
図6に示されるように、幾つかの実施形態においては、微小溝602は、上側プレート108の上側表面154に沿って伸びる部分604を含んでもよい。例えば、微小溝602の部分604は、複数の構成要素に亘って(例えば、本体102及び上側プレート108に亘って)実質的に連続的な溝を形成するために、微小溝602のサブセットがそれぞれ本体102の表面150において形成される前後の溝部分を含み、表面150における前後の溝部分の間を延伸する上側表面154において形成される部分を含むように形成されてもよい。
【0053】
本体102の底側表面350及び底側プレート200の底側表面352(例えば、図3参照)は図6には示されないが、底面310はまた、前端160から後端158に向かう流体の流れの方向156(図1参照)に沿って装置100の底側表面310に沿って延伸する1つ以上の微小溝も含んでもよいことが理解されるべきである。底側表面310における微小溝は、装置100の底側表面310に沿って平行な列で伸びてもよい。
【0054】
底側表面310において形成される微小溝は、幾つかの実施形態においては、底側プレート200の底側表面352に沿って伸びる部分を含んでもよい。例えば、底側表面310における微小溝の部分は、複数の構成要素(例えば、本体102及び底側プレート200)に亘って実質的に連続的な溝を形成するために、底側表面の微小溝のサブセットがそれぞれ本体102の表面350において形成される前後の部分を含み、表面350における前後の部分の間に延伸する底側表面352において形成される部分を含むように形成されてもよい。
【0055】
図7は、本体102の一部の拡大図を示し、それにおいて形成される微小溝600及び602を示す。図7の例においては、微小溝600及び602はそれぞれ、上側表面150及び側壁表面152のそれぞれの一部のみを覆うが、これは単なる例示である。他の実施態様においては、微小溝600及び602は、底側表面310において形成される微小溝と共に、(実質的に本体102の外側表面の全て、及び必要に応じて、チューブ106の上側表面506及び下側表面504の一部又は全てを含むチューブ106を含む)装置100の実質的に外側表面の全てを覆ってもよい。
【0056】
図7に示されるように、微小溝600及び602のような微小溝は、微小溝の等間隔の列で形成されてもよい。各微小溝は、それぞれ約10~40ミクロンの幅、深さ、及び隣接微小溝からの間隔(例えば、一実施においてはそれぞれ実質的に25ミクロンに等しい幅、深さ、及び間隔)を有してもよい。図7に示されるように、幾つかの実施形態においては、側壁152における周方向溝600は、微小溝のセット700で形成されてもよく、セット700は、側壁152の表面が実質的に滑らかである間隙702によって分離される。
【0057】
本来の場所において、側壁152は、患者の眼の表面(例えば強膜表面)に対して実質的に垂直に配置されてもよいので、図7に示される溝600の周方向の配置は、眼球に向かった側壁表面に沿った下方への患者の細胞の移動を防止することを援助してもよい。図7に示されるように、幾つかの実施においては、溝600と602との間に実質的に滑らかな間隙704が設けられてもよい。
【0058】
図8は、移植装置802(例えば、眼内排出装置100の実施)の外側表面において形成される微小溝800の例示的な断面側面図を示す。微小溝800は、例えば、構成要素の表面をレーザパターニングすることによって形成されてもよい。図8の例においては、微小溝800はそれぞれ、25ミクロンの深さ、25ミクロンの上縁の幅、及び17ミクロンの間隔を有する。しかし、これは単なる例示である。前述のように、各微小溝は、それぞれ約10~40ミクロンの間の幅、深さ、及び隣接微小溝からの間隔を有してもよい。図8の例においては、微小溝800は、実質的に凹状の底側表面に収束する傾斜した(例えば平行でない)側壁を有する。しかし、これは単なる例示である。他の実施においては、微小溝は、平行な側壁、平坦な底側表面、凸状若しくは凹状の側壁、凸状の底側表面、又はそれらの任意の組み合わせを(例として)有してもよい。
【0059】
様々な実施形態及び実施に関連して本明細書で説明されるような眼内排出装置における微小溝は、線維芽細胞の組織化を改善し、移植装置の線維化を低減し得、それは、例えば、さもなければ装置の周りの房水の吸収を防止し、それによって装置の寿命及び/又は有効性を減少させる可能性がある、移植装置の被包を防止することを援助してもよい。
【0060】
上側プレート108が上側プレート108のサイズ及び形状と一致するサイズ及び形状を有する本体102における開口210に配置される眼内排出装置100の様々な例が説明されたが、これは単なる例示である。様々な実施においては、上側プレート108は、上側プレート108より小さい本体102における開口の中に挿入されてもよい。図9及び図10は、本体102における開口内に配置される上側プレート108を有する眼内排出装置100の例示的な図を示し、開口は上側プレートのサイズより小さい。
【0061】
図9に示されるように、組み立てられた構成においては、眼内排出装置100は、上側プレートの上側表面の一部上で延伸する本体のローブ900によって本体102における凹部内に固定される上側プレート108を有してもよい。上側プレート108のサイズより小さいサイズを有する開口901は、上側プレート108が開口901を通って挿入されることを可能にするように弾性的に伸縮可能であってもよい。ローブ900は、上側プレート108を本体102内に固定することを援助してもよい。
【0062】
図10は、角膜406の後ろの眼の前房の中に強膜を通って延伸するチューブ106を有する、患者の眼の強膜400上の本来の場所における図10の眼内排出装置100の例を示す。図10の斜視図においては、上側プレート108の上側表面の一部154’のみが本体102における開口901内に露出し、一方、上側表面の他の部分がローブ900によって覆われることが分かる。ローブ900は、上側プレート108の上側表面の他の部分を支えてもよい。
【0063】
図9及び図10の上面図はまた、本体102のアーム110の各々がどのようにして間隙902によってチューブ106に沿って延伸し、それから分離されてもよいかを示す。このように、縫合開口112は、眼の角膜406のより近くに形成されてもよく、アーム110は、強膜400の表面の特徴に適合するように柔軟に移動可能であってもよい。装置100上に本来の位置において形成されてもよい結膜組織は、分かり易くするために図10には示されない。
【0064】
図11は、図9及び図10の眼内排出装置100の側面斜視図を示し、図9及び図10においては、ローブ900、上側プレート108の一部154’、及び本体102の棚部1102によって形成される凸状の上側表面312が分かる。図9図11の例においては、本体102は、棚部1102とローブ900との間に段部1100を含む。
【0065】
図12に示されるように、幾つかの実施においては、上側プレート108は、本体102における段部1100に嵌合する段部1210と共に実施されることができる。図12の例においては、上側プレート108はまた、中央部分1200の両側に配置される棚部材1202を含む。棚部材1202は、装置100の組み立てられた構成において、図11の棚部1102の対応する部分の下に配置されてもよい。示されるように、棚部材1202は、上側プレート108の前端における間隙1204と上側プレート108の後端における間隙1208とによって分離されてもよい。間隙1204は、間隙1208より大きくてもよい。間隙1204は、チューブ106の一部を収容してもよい。間隙1208は、流体(例えば房水)がそれを通って流れることを可能にしてもよい。
【0066】
図13は、図12の上側プレート108の底面図である。図13に示されるように、凹部1300は、上側プレート108の下側における棚部材1202の間に形成されてもよい。様々な構造的特徴が、凹部1300内の上側プレート108の下側において形成されてもよい。図13に示されるように、構造的特徴は、上側プレート108を底側プレート200に取り付けるために、底側プレート200に取り付けられる(例えば超音波溶接される)ように構成される隆起部1306を含んでもよい。構造的特徴はまた、チューブ106の一部が組み立てられた構成において配置される本体102の対応する特徴222を受け取るように構成されるチャネル1302を含んでもよい。構造的特徴はまた、フラップ214がフラップの下の房水によって持ち上げられることができるチャンバ302の少なくとも一部を形成してもよい、拡張されるチャネル1304を含んでもよい。構造的特徴はまた、フラップ214の持ち上げを固定及び制御することを援助する隆起部1308を含んでもよい。
【0067】
図14は、例えば図9図13の上側プレート108と共に使用されてもよい実施における底側プレート200の上面斜視図を示す。図14に示されるように、底側プレート200の上側表面1400は、図2の隆起部206のような隆起部を実質的に含まなくてもよい。このような実施においては、上側プレート108の隆起部1306は、上側プレート108を底側プレート200に固定するために表面1400に直接取り付けられてもよい。眼内排出装置100の組み立てられた構成においては、フラップ214は、チューブ106からの房水からの流体圧力がフラップを上昇させて、房水が表面1400とフラップ214との間を流れることを可能にするように表面1400からフラップを分離するまで、表面1400を支えてもよい。図14に示されるように、チャネル208は、実質的に平行な側壁1402を有し、チューブ106の一部を受け取るように構成される第1の部分を含んでもよい。チャネル208はまた、平行な側壁1402より更に離間した追加の実質的に平行な部分1406に接続する曲線でチャネル208の両側において互いから離れる側壁1404によって形成される拡張部分1410を含んでもよい。拡張部分1406の側壁の実質的に平行な部分1406は、側壁1406に垂直な方向に実質的に直線的に側壁1406の間を伸びる横方向側壁1408と交わってもよい。側壁1402は、表面1400に対して実質的に垂直な角度で形成される実質的に平坦な側壁であってもよく、又はチューブ106の一部の形状に適合する形状を有する凹状の側壁であってもよい。側壁1404及び1406は、示されるように湾曲した側壁であってもよい。
【0068】
拡張部分1410は、フラップ214の下にチャンバ304(例えば図3参照)を形成してもよい。(例えば、管腔300を介して患者の眼の前房からチャネル208の拡張部分1410において受け取られた房水のために)チャンバ304内の流体圧力が所定の圧力閾値に達する場合には、底側プレート200の表面1400に着座するフラップ214の部分は、それらの間を流体が流れることを可能にするために、底側プレート200から離れる方向に移動してもよい。拡張部分1410を有するチャネル208を提供することは、流体がフラップを持ち上げて流体の流れを可能にするために支えるように、フラップ214上により大きい表面積を提供してもよい。
【0069】
図14の底側プレート200の凹状の底側表面352が、図15における眼内排出装置100の部分的に分解された斜視図において分かる。示されるように、底側プレート200の凹状の底側表面352及び本体102の凹状の底側表面350は、底側プレート200が本体102の底側表面における開口1510の中に配置され、上側プレート108に接合される場合には、眼内排出装置100のための凹状の底側表面を形成してもよい。
【0070】
図15に示されるように、上側プレート108における隆起部1306は、底側プレート200が開口1510の中に挿入された場合に、底側プレート200の表面1400と嵌合することができるように、フラップ214における開口を通って延伸する。図15はまた、アーム110間のギャップ1500から連続的にチューブ106を受け取るための凹部222に延伸する本体102におけるチャネル1502を示す。
【0071】
図16は、隆起部1306が通過することができる開口212、216、及び218が分かる本体102の拡大された底面斜視図を示す。フラップ214が底側プレート200の表面1400から離れる方向に持ち上げられる場合に、開口212はまた、房水のための流体経路の一部を形成してもよい。
【0072】
図17は、様々な態様による眼内排出装置100の分解された上面斜視図を示す。図17の例においては、図12及び図13の上側プレート108及び図14の底側プレート200が、上側プレート108のサイズより小さい開口901を有する本体102と共に実施される。眼内排出装置100を組み立てるために、上側プレート108は、開口901の中に挿入され、上側プレート108の棚部材1202及び段部1210が本体102の対応する棚部分1102及び段部1100に対して配置されるように、且つ、上側プレート108の隆起部1306がフラップ214における開口212、216、及び218を通って延伸するように位置決めされる。チューブ106は、本体102における凹部1502及び222の中に配置され、底側プレート200は、底側プレート200の表面1400が隆起部1306に当接するように、本体102における開口1510の中に配置される。そして、隆起部1306は、上側プレート108を底側プレート200に固定し、それによって、上側プレート108と底側プレート200との間に本体102、フラップ214、及びチューブ106を固定するように、底側プレート200の表面1400に接合される(例えば、接着剤接合、機械的接合、又は超音波溶接)。上側表面1700は、チューブ106からの房水によって生成される圧力によって上側プレート108の凹部1304の中に持ち上げられてもよい。
【0073】
完全に組み立てられた眼内排出装置100の底面斜視図が、主題の開示の幾つかの態様に従って図18に示される。図18に示されるように、眼内排出装置100の底側表面は、本来の場所において患者の眼の強膜に適合するように成形及び配置される。特に、本体102の凹状の底側表面350及び底側プレート200の凹状の底側表面352は協働して、本体102が強膜の表面に適合するように可撓性である眼内排出装置100のための実質的に連続した凹状の底側表面を形成する。加えて、図18に示されるように、チューブ106は、眼の下にある強膜との接触表面積を増大させ、丸底チューブと比較して接触圧力を減少させる実質的に平坦な底側表面504を有してもよい。
【0074】
例えば、図6図8に関連して留意されたように、眼内排出装置100の外側表面は微小溝を含んでもよい。微小溝が、例えば、図9図13の上側プレート108の上側表面の一部154’において形成されてもよい。微小溝は、本体102及び底側プレート200の底側表面350及び352において形成されてもよい。微小溝は、上側プレート108のサイズ及び形状と一致するようにサイズ化及び構成される開口210を有する本体102において、又は図7及び図8に関連して上記で説明されたような配置において開口901及びローブ900を有する本体102において形成されてもよい。微小溝は、棚部分1102、段部1100、ローブ900、及び/又は本体102の側壁表面のような他の任意の表面において形成されてもよい(例えば、図7及び図8に関連して上記で説明されたように)。
【0075】
主題の技術は、例えば、上記で説明された様々な態様に従って示される。これらの態様の様々な例が、便宜上、番号付けされた概念又は条項(1、2、3、等)として説明される。これらの概念又は条項は例として提供され、主題の技術を限定するものではない。独立の概念を形成するために、任意の従属の概念が、互いとの、又は1つ以上の他の独立の概念との任意の組み合わせで組み合わされてもよいことに留意されたい。以下は、本明細書で提示される幾つかの概念の限定されない概要である。
概念1.
フラップを有する一体構造のシリコーン体と、
上記フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、
上記フラップと上記剛性の底側プレートとの間に配置された近位端を有するチューブであって、上記フラップの上記対応する部分は、上記チューブから受け取られた房水の圧力に応答して上記剛性の底側プレートの上記部分から分離するように構成されている、チューブと
を備える眼内排出装置。
概念2.
上記チューブは、患者の眼の前房内に配置されるように構成された遠位端を備える、概念1又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念3.
上記チューブは、上記近位端と上記遠位端との間の位置において、上記患者の上記眼の強膜の一部を通って延伸するように構成されている、概念2又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念4.
上記フラップの追加の部分と上記剛性の底側プレートの追加の対応する部分との間に配置されたチャンバを更に備える、概念1又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念5.
上記チューブの管腔は、前記近位端において上記チャンバに流体的に結合されている、概念4又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念6.
上記剛性の底側プレートは、上記チャンバに隣接する第1のチャネルを備える、概念5又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念7.
上記フラップは、上記チューブの一部を受け取るように構成された凹部を備える、概念6又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念8.
上記フラップの上記追加の対応する部分は、上記チャンバの一部を画定し、上記剛性の底側プレートに接触する上記フラップの上記部分と上記凹部との間に配置されている、概念7又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念9.
上記剛性の底側プレートは第2のチャネルを備え、上記第1のチャネルは、上記フラップの上記部分の第1の側に配置され、上記第2のチャネルは、上記フラップの対向する第2の側に配置されている、概念8又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念10.
剛性の上側プレートを更に備える、概念9又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念11.
上記剛性の上側プレートは、上記底側プレートの上記第2のチャネルに対向して配置されたチャネルを備える、概念10又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念12.
上記一体構造のシリコーン体は、出口ポートに隣接する開口を備え、上記出口ポートは、上記上側プレートの上記チャネル及び上記底側プレートの上記対向する第2のチャネルによって形成されている、概念11又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念13.
上記開口は、スロットを備える、概念12又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念14.
上記チューブは、D字形状の断面プロファイルを有する、概念1又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念15.
上記チューブは、対応するD字形状の断面プロファイルを有する管腔を備える、概念14又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念16.
剛性の上側プレートを更に備える、概念1又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念17.
上記剛性の底側プレートは、上記一体構造のシリコーン体の底側表面における開口内に密封に配置されている、概念16又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念18.
上記剛性の上側プレートは、上記一体構造のシリコーン体の上側表面における開口内に密封に配置されている、概念17又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念19.
上記剛性の上側プレート及び上記剛性の底側プレートは、上記フラップにおける1つ以上の対応する開口を介して1つ以上の位置において係合している、概念18又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念20.
上記剛性の底側プレートはプラスチックである、概念16又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念21.
上記剛性の上側プレートはプラスチックである、概念20又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念22.
上記プラスチックはポリスルホンを含む、概念21又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念23.
上記一体構造のシリコーン体の外側表面の少なくとも一部において複数の平行な微小溝を更に備える、概念1又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念24.
上記剛性の底側プレートにおいて複数の微小溝を更に備える、概念23又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念25.
上記一体構造のシリコーン体における開口に配置された剛性の上側プレートと、
上記剛性の上側プレートにおける複数の微小溝と
を更に備える、概念24又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念26.
上記複数の平行な微小溝は、上記一体構造のシリコーン体の上側表面、底側表面、及び側壁表面において形成された平行な微小溝を含む、概念23又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念27.
チャネルを有する本体と、
上記本体内に配置されたフラップと、
上記フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、
チューブと
を備える眼内排出装置であって、
上記チューブは、上記チャネルが上記チューブから上記フラップに隣接して形成されたチャンバに流体を案内するように構成されるように上記本体に接合され、
上記フラップの上記対応する部分は、上記チャンバにおける上記流体の圧力に応答して上記剛性の底側プレートの上記部分から分離するように構成されている、眼内排出装置。
概念28.
本体と、
流体が流体の流れ方向に上記本体を通って流れることを可能にするように動作可能である上記本体内の流れ制御装置と、
上記本体の外側表面において形成された複数の微小溝であって、平行な列で配置され、上記本体の前端から後端に上記流体の流れ方向に実質的に平行な延伸している複数の微小溝と
を備える眼内排出装置。
概念29.
上記複数の微小溝は、上記本体の上側表面における微小溝の平行な列を含む、概念28又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念30.
上記複数の微小溝は、上記本体の底側表面における微小溝の平行な列を更に含む、概念29又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念31.
上記複数の微小溝は、上記本体の側壁表面における微小溝の平行な列を更に含む、概念30又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念32.
上記本体の上記側壁表面における上記微小溝の平行な列は、上記本体の周囲の少なくとも一部の周りに延伸する周方向微小溝を含む、概念31又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念33.
前記微小溝の平行な列は、約25ミクロンによってそれぞれ分離されている、概念28又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念34.
上記本体は、可撓性の本体を備え、上記流れ制御装置は、部分的に上記可撓性の本体のフラップ部分によって形成された弁を備え、上記眼内排出装置は、
上記可撓性の本体における各開口にそれぞれ配置された剛性の上側プレート及び剛性の底側プレートと、
上記剛性の上側プレート及び上記剛性の底側プレートの各々において上記流体の流れ方向に実質的に平行に延伸する複数の微小溝と
を更に備える、概念28又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念35.
フラップ及び上側表面を有する可撓性の本体であって、上記上側表面は、対向するローブに接する開口を有する、可撓性の本体と、
上記フラップの対応する部分に接触するように構成された部分を有する剛性の底側プレートと、
上記可撓性の本体の上記上側表面における上記開口に配置された剛性の上側プレートと
を備える眼内排出装置であって、
上記開口における上記剛性の上側プレートの上側表面の一部は、前記装置の上側表面の一部を形成し、上記対向するローブはそれぞれ、上記剛性の上側プレートの上記上側表面の別の部分を支える、眼内排出装置。
概念36.
上記剛性の上側プレートは、中央部分と、上記剛性の上側プレートの両側に配置された一対の棚部材とを備える、概念35又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念37.
上記剛性の上側プレートは、上記一対の棚部材と上記剛性の上側プレートの上記上側表面との間に配置された段部を備え、上記可撓性の本体は、上記剛性の上側プレートにおける上記段部に適合する段部を含む、概念36又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念38.
上記フラップと上記剛性の底側プレートとの間に配置された近位端を有するチューブであって、上記フラップの上記対応する部分は、上記チューブから受け取られた房水の圧力に応答して上記剛性の底側プレートの上記部分から分離するように構成されている、チューブを更に備える、概念35又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念39.
上記チューブは、患者の眼の前房内に配置されるように構成された遠位端を備える、概念38又は他の任意の概念の眼内排出装置。
概念40.
上記可撓性の本体は、一体構造のシリコーン体を備える、概念35又は他の任意の概念の眼内排出装置。
【0076】
先の説明は、当業者が本明細書で説明された様々な構成を実施することができるように提供される。主題の技術が様々な図及び構成を参照して特に説明されるが、これらは解説目的のみのためであって、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0077】
主題の技術を実施するための他の多くの方法があってもよい。本明細書で説明された様々な機能及び要素が、主題の技術の範囲から逸脱することなく、示されたものとは異なるように区分されてもよい。これらの構成に対する様々な変更が当業者には容易に明らかであって、本明細書に画定された一般的な原理が他の構成に適用されてもよい。この結果、多くの変化及び変更が、主題の技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって主題の技術に対してなされてもよい。
【0078】
開示されたプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が例示的な手法の解説であることが理解される。設計上の好みに基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が再配置されてもよいことが理解される。幾つかのステップは同時に実行されてもよい。添付の方法の請求項は何れも、見本の順序で様々なステップの要素を提示し、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0079】
「態様」のような語句は、そのような態様が主題の技術に不可欠であること、又はそのような態様が主題の技術の全ての構成に適用されることを意味しない。態様に関する開示は、全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。態様は、本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「態様」のような語句は、1つ以上の態様を参照してもよく、その逆であってもよい。「実施形態」のような語句は、そのような実施形態が主題の技術に不可欠であること、又はそのような実施形態が主題の技術の全ての構成に適用されることを意味しない。実施形態に関する開示は、全ての実施形態又は1つ以上の実施形態に適用されてもよい。実施形態は、本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「実施形態」のような語句は、1つ以上の実施形態を参照してもよく、その逆であってもよい。「構成」のような語句は、そのような構成が主題の技術に不可欠であること、又はそのような構成が主題の技術の全ての構成に適用されることを意味しない。構成に関する開示は、全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。構成は、本開示の1つ以上の例を提供してもよい。「構成」のような語句は、1つ以上の構成を参照してもよく、その逆であってもよい。
【0080】
本明細書で使用されるように、一連の項目の何れかを分離するための用語「及び」又は「又は」を有する、項目の前にある語句「のうちの少なくとも1つ」は、目録の各部材(すなわち各項目)ではなく全体として目録を変更する。語句「のうちの少なくとも1つ」は、列挙された各項目の少なくとも1つの選択を要求しなく、むしろ、項目の任意の1つの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々の少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又はA、B、及びCの各々の少なくとも1つを参照する。
【0081】
本開示において使用されるような「上側」、「底側」、「前側」、「後側」、等のような用語は、通常の重力座標系ではなく、任意の座標系を参照するものとして理解されるべきである。この結果、上側表面、底側表面、前側表面、及び後側表面は、重力座標系において、上方に、下方に、斜めに、又は水平に延伸してもよい。
【0082】
更に、用語「含む(include)」、「有する(have)」、等が、明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいては、このような用語は、用語「備える(comprise)」と同様の方法で、「備える(comprise)」が請求項において転換語として利用される場合に解釈されるように、包括的であることが意図される。
【0083】
用語「例示的」は、本明細書においては「例、実例、又は解説としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書において「例示的」として説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態より好ましい又は有利であると解釈されない。
【0084】
単数形における要素への言及は、具体的に記載されていない限り、「唯一の」を意味せず、むしろ「1つ以上の」を意味することが意図される。男性名詞の代名詞(例えば彼の)は、女性及び中性(例えば彼女の及びその)を含み、及びその逆を含む。用語「幾つかの」は、1つ以上を参照する。下線及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜上のみに使用され、主題の技術を限定せず、主題の技術の説明の解釈に関連して参照されない。当業者に知られている又は後に知られるようになる本開示全体に亘って説明された様々な構成の要素に対する全ての構造的及び機能的均等物が、参照によって本明細書に明示的に組み込まれ、主題の技術によって包含されることが意図される。その上、本明細書に開示されたものは、このような開示が上記の説明において明示的に列挙されているか否かに関わらず、公に捧げられることが意図されない。
【0085】
主題の技術の特定の態様及び実施形態が説明された一方で、これらは例としてのみ提示され、主題の技術の範囲を限定することが意図されない。実際、本明細書で説明された新規の方法及びシステムは、その趣旨から逸脱することなく、様々な他の形態で実施されてもよい。添付の特許請求の範囲及びその均等物は、主題の技術の範囲及び趣旨内に入るような形態又は変更に及ぶことが意図される。
図1
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