(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】コンパクト並流接触システムを使用する分別システム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/14 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
B01D53/14 200
(21)【出願番号】P 2019569348
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 US2018029793
(87)【国際公開番号】W WO2018231347
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2019-12-13
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】イエ ノーマン ケイ
(72)【発明者】
【氏名】グレイヴ エドワード ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フアレス ファン シー
(72)【発明者】
【氏名】ラムクマール シュウェタ
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0331862(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0263516(US,A1)
【文献】特表2008-523186(JP,A)
【文献】特表2012-505747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00-53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスストリーム内の重質炭化水素を除去するための分別システムであって、
給送ガスストリームがそれを通して導入される給送ガス入口を備え、
前記給送ガスストリームは、主に液体の相と、主に蒸気の相とに分離され、
前記分別システムは、さらに、
前記給送ガスストリームの前記主に液体の相を受け入れるように構成された剥離セクションと、
パイプ内にインラインに位置付けられた第1及び第2の並流接触システムであって、該第1の並流接触システムが、前記給送ガスストリームの前記主に蒸気の相を受け入れるように構成された第1及び第2の並流接触システムと、を含み、
該第1及び第2の並流接触システムの各々が、
液滴発生器が、液滴を液体から発生させて該液滴をガスストリームの中に分散させるように構成され、質量移送セクションが、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与えるように構成された液滴発生器及び質量移送セクションを含む並流接触器、及び
前記蒸気相を前記液相から分離するように構成された分離システム、
を含み、
前記第2の並流接触システムは、前記第1の並流接触システム内の前記並流接触器の前記蒸気相を受け入れるように構成され、
前記第1の並流接触システムの液滴発生器は、前記第2の並流接触システム内の前記並流接触器の前記液相を受け入れるように構成され、
前記分別システムは、さらに、前記給送ガスストリームの前記主に蒸気の相を該主に蒸気の相が前記第1の並流接触システムを通して送られる前に受け入れるように配置され、該主に蒸気の相から液体を分離するように構成されたインラインフラッシュ
サイクロン分離器
と、
前記インラインフラッシュサイクロン分離器にかつ前記剥離セクションに接続され、該インラインフラッシュサイクロン分離器内で前記主に蒸気の相から分離された液体を該剥離セクションに搬送するように構成されたフラッシュ還流ラインと、を含む、
ことを特徴とする分別システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の並流接触システムのうちの少なくとも1つにおける前記並流接触器内の前記液滴発生器は、
前記パイプ内でインラインに前記液滴発生器を固定する環状支持リングと、
前記環状支持リングから延びる複数のスポークであって、該環状支持リングが、該複数のスポークを通してかつ該複数のスポーク上に配置された注入オリフィスから外に液体ストリームが流れることを可能にするように構成された複数の液体チャネルを有する前記複数のスポークと、
前記複数のスポークによって支持されたガス流入錐体であって、
ガスストリームの第1の部分が、前記ガス流入錐体の中空セクションを通してかつ前記複数のスポークに含まれたガス出口スロットを通して流れること、及び
前記ガスストリームの前記第1の部分とは別である該ガスストリームの第2の部分が、前記ガス流入錐体の周り及び前記複数のスポークの間を流れること、
を可能にするように構成された前記ガス流入錐体と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の分別システム。
【請求項3】
前記インラインフラッシュ
サイクロン分離器の入力に位置する凝集器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の分別システム。
【請求項4】
直列に接続されて前記第1及び第2の並流接触システムと最後の並流接触システムとを含む複数の並流接触システムと、
前記最後の並流接触システムから蒸気相を受け入れて該蒸気相から還流液体を分離するように構成された還流ドラムと、
を更に含み、
前記最後の並流接触システムは、
液滴発生器が、液滴を前記還流液体から発生させ、以前の並流接触システムから受け入れたガスストリームの中に該液滴を分散させるように構成され、質量移送セクションが、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与えるように構成された液滴発生器及び質量移送セクションを含む並流接触器と、
前記液相から前記蒸気相を分離するように構成された分離システムであって、該蒸気相が、前記還流ドラムに送られ、該液相が、以前の並流接触システムの並流接触器内で液滴がそこから発生される前記液体を含む前記分離システムと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の分別システム。
【請求項5】
前記最後の並流接触システムと前記還流ドラムの間に位置し、該最後の並流接触システムの前記蒸気相を該還流ドラムに送られる前に冷却するように構成された還流冷却器を更に含むことを特徴とする請求項
4に記載の分別システム。
【請求項6】
前記給送ガスストリームは、天然ガスストリームを含み、
前記重質炭化水素は、プロパン、ブタン、ヘキサン、及びヘプタンのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の分別システム。
【請求項7】
ガスストリーム内の重質炭化水素を除去する方法であって、
給送ガスストリームを給送ガス入口の中に導入する段階を含み、
前記給送ガスストリームは、主に液体の相と、主に蒸気の相とに分離され、
前記方法は、さらに、
前記給送ガスストリームの前記主に液体の相を剥離セクションの中に受け入れる段階と、
第2の並流接触システムとパイプ内でインラインに位置付けられた第1の並流接触システムの中に前記給送ガスストリームの前記主に蒸気の相を受け入れる段階であって、該第1及び第2の並流接触システムの各々が、液滴発生器と質量移送セクションとを含む並流接触器と、分離システムとを含む、前記受け入れる段階と、
各液滴発生器を使用して、液滴を液体から発生させて該液滴をガスストリームの中に分散させる段階と、
各質量移送セクションにおいて、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える段階と、
各分離システムにおいて、前記蒸気相を前記液相から分離する段階と、
を含み、
前記第2の並列接触システムは、前記第1の並流接触システム内の前記並流接触器の前記蒸気相を受け入れるように構成され、
前記第1の並列接触システムの前記液滴発生器は、前記第2の並流接触システム内の前記並流接触器の前記液相を受け入れるように構成され、
前記第1の並流接触システムを通して該主に蒸気の相を送る前に、インラインフラッシュ
サイクロン分離器に前記給送ガスストリームの前記主に蒸気の相を受け入れる段階と、
前記インラインフラッシュ
サイクロン分離器内で前記主に蒸気の相から液体を分離する、段階と、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記第1又は第2の並流接触システムのうちの少なくとも一方における前記並流接触器内の前記液滴発生器は、前記パイプ内でインラインに該液滴発生器を固定する環状支持リングと、該環状支持リングから延びる複数のスポークと、該複数のスポークによって支持されたガス流入錐体とを含み、
方法が、
前記環状支持リングに配置された液体チャネルを通して、前記複数のスポークを通して、かつ該複数のスポーク上に配置された注入オリフィスから外に液体ストリームを流す段階と、
前記ガス流入錐体の中空セクションを通して、かつ前記複数のスポークに含まれたガス出口スロットを通してガスストリームの第1の部分を流す段階と、
前記ガス流入錐体の周り及び前記複数のスポークの間に前記ガスストリームの前記第1の部分とは別である該ガスストリームの第2の部分を流す段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記インラインフラッシュ
サイクロン分離器内で前記主に蒸気の相から分離された液体をフラッシュ還流ラインを通じて前記剥離セクションに搬送する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記給送ガスストリームの前記主に蒸気の相を該給送ガスストリームの該主に蒸気の相が前記インラインフラッシュ
サイクロン分離器によって受け入れられる前に凝集器の中に給送する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
直列に複数の並流接触システムを配置する段階であって、該複数の並流接触システムが、前記第1及び第2の並流接触システムと、並流接触器と分離システムとを有する最後の並流接触システムとを含み、該最後の並流接触システムの該並流接触器が、液滴発生器及び質量移送セクションを有する前記配置する段階と、
還流ドラムにおいて、前記最後の並流接触システムの蒸気相を還流液体から分離する段階と、
前記最後の並流接触システムの前記並流接触器の前記液滴発生器内で前記還流液体から液滴を発生させる段階と、
以前の並流接触システムから受け入れたガスストリームの中に前記液滴を分散させる段階と、
前記最後の並流接触システムの前記並流接触器の前記質量移送セクションにおいて、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える段階と、
前記最後の並流接触システムの前記並流接触器の前記分離システムにおいて、前記混合2相流れの前記液相から前記蒸気相を分離する段階と、
前記混合2相流れの前記蒸気相を前記還流ドラムに送る段階と、
以前の並流接触システムの並流接触器内で液滴を発生させるために前記混合2相流れの前記液相を使用する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項
7又は請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記最後の並流接触システムの前記並流接触器の前記分離システムによって発生された前記混合2相流れの前記蒸気相を該蒸気相を前記還流ドラムに送る前に冷却する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその全体が組み込まれている「コンパクト並流接触システムを使用する分別システム」という名称の2017年6月15日出願の米国特許出願第62/520,213号に対する優先権利益を主張するものである。
【0002】
この出願は、引用によって本明細書にその開示が全体的に組み込まれている同等日付に出願されて本出願と共通の譲受人を有する「バンドル式コンパクト並流接触システムを使用する分別システム」という名称の米国仮特許出願第62/520,274号明細書に関連する。
【0003】
本発明の技術は、ガスストリームから1又は2以上の成分を分別する方法及びシステムを提供する。より具体的には、本発明の技術は、液化工程中に天然ガスストリームから重質炭化水素を除去する方法及びシステムを提供する。
【背景技術】
【0004】
この節は、本発明の技術の例示的実施例に関連付けることができる当業技術の様々な態様を導入することを意図している。この説明は、フレームワークを提供するのを支援して本発明の技術の特定の態様のより良好な理解を容易にすると考えられる。従って、この節は、必ずしも従来技術の受容としてではなく、この観点で読むべきであることを理解しなければならない。
【0005】
上流及び下流石油及びガス産業での多く用途は、例えば、炭化水素ガスからの水除去のための脱水、炭化水素ガスからの酸性ガス除去のためのアミン処理、及び炭化水素の分別を含む様々な工程のための吸収及び分別カラムを使用する。炭化水素分別の1つの用途は、典型的なLNG工程でのスクラブカラムとしても公知の分別カラムである。
図1は、そのようなLNG工程に使用することができる公知のスクラブカラム100である。公知のLNG工程に従って、スクラブカラムに給送されたガスは、最初に前処理され、かつ冷却される。スクラブカラムは、典型的に高圧で作動する。スクラブカラムの主な目的は、ペンタンのような重質炭化水素のほとんどを天然ガスストリームから除去することである。従来のスクラブカラム100は、剥離セクション102としても公知の底部セクション及び精留セクション104としても公知の上部セクションを含む。ガスストリーム108は、高温でかつ剥離セクション102と精留セクション104の両方に隣接する位置でスクラブカラム100に入る。ガスストリーム内の蒸気及び液体は互いから分離し、蒸気は、精留セクション104の中に上方に移動し、液体は、剥離セクション102の中に下方に移動する。剥離セクション102は、液体を分離して下方に向けるのにトレイ110を使用する。トレイ110は、単位面積当たりの体積流れとして定義される予想される高い液体流束に起因してパッキングの代わりに典型的に使用される。
【0006】
液体ストリーム112は、スクラブカラム100の底部の近くで抽出され、再沸器114で再加熱される。再加熱されたストリーム116は、再加熱されたストリーム内の蒸気が剥離セクションを通って上昇して精留セクション104に入ることができる剥離セクション102に戻される。再加熱されたストリーム116内の液体は、スクラブカラム100の底部で他の液体と結合する。スクラブカラム液体底部ストリーム117は、スクラブカラムの底部から取ることができる。
【0007】
ガスストリーム108からの蒸気は、剥離セクション102から上昇した蒸気と結合し、それらがカラムを下る液体と接触する精留セクション104の中に通される。精留セクション104では、パッキング118が、低い液体循環速度に起因してトレイの代わりに典型的に使用される。精留セクション104は、いくつかの理論的分離段(典型的に2から4)を含み、そこでは、その分離段に行くストリーム内の成分の異なる沸点に基づいて炭化水素の分別/分離が行われる。各セクション内のパッキングは、液体と蒸気間の密接な接触及び質量移送を促進する。蒸気ストリーム122は、スクラブカラム100の上部を出て1又は2以上の熱交換器又は他の冷却器を含むことができる還流冷却器システム124内で冷却される。冷却蒸気ストリーム126は、液体及び蒸気が互いから分離される還流ドラム128に送られる。還流液体ストリーム130は、スクラブカラムの上部部分に戻され、一方で還流ドラム128を出る還流蒸気ストリーム132は、天然ガス液化工程の残余を含むことができる更に別の処理に送られる。スクラブカラム100内を上昇する蒸気は、軽質炭化水素成分が豊富になり、カラムを下る液体は、重質炭化水素成分が豊富になる。従って、スクラブカラム液体底部ストリーム117は、軽質炭化水素成分よりも重質炭化水素成分が比例的高く、還流蒸気ストリーム132は、重質炭化水素成分よりも軽質炭化水素成分が比例的高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国仮特許出願第62/520,274号明細書
【文献】米国特許出願公開第US2016/0199774号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
典型的には、スクラブカラム100の精留セクション104の直径は、精留セクションを通る高いガス流量に起因して剥離セクション102の直径よりも遥かに大きい。従って、低温に起因するそのサイズ、圧力、及び材料選択に起因して、精留セクションは、一部の用途では実質的である場合があるスクラブカラムのコスト及び重量を制御する。分別カラムのサイズ及び重量は、視覚的個体数の理由で高さを最小にする必要がある人工密集地域でのその用途を制限する場合がある。これに加えて、沖合LNG工程のようなサイズ及び重量が決定的な設計要因である用途は、そのような大型分別カラムのサイズ及び重量によって制限される可能性がある。必要なことは、分別カラムの大きくて重い高価な精留セクションを排除する天然ガスストリームから重質炭化水素を除去する方法及び装置である。
【0010】
高さ及び重量の考慮以外に、典型的な分別カラムの作動理論は、それ自体が制限的設計要因である場合がある。分別工程は、ある一定の量の液体が流入ガスストリームと相互作用することを必要とし、
図1に示す工程では、この液体は、分別工程自体から来るように設計される。これは、比較的少量の重質炭化水素が液化すべき天然ガスストリームに存在する用途に困難を呈する可能性がある。これに加えて、障害解消の目的のためにLNG施設のような既存の施設に追加の分別カラムを設置することは経済的に実現可能でない場合がある。必要なことは、低い液体循環速度を有する用途に使用することができる天然ガスストリームから重質炭化水素を除去する方法及び装置である。同じく必要なことは、障害解消用途に経済的に使用することができる天然ガスストリームから重質炭化水素を除去する方法及び装置である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の態様は、ガスストリーム内の重質炭化水素を除去するための分別システムを含む。給送ガスストリームは、給送ガス入口を通して導入される。剥離セクションは、給送ガスストリームの主に液体の相を受け入れる。第1及び第2の並流接触システムは、パイプ内にインラインに位置付けられる。第1の並流接触システムは、給送ガスストリームの主に蒸気の相を受け入れる。第1及び第2の並流接触システムの各々は、並流接触器及び分離システムを含む。各並流接触器は、液滴発生器及び質量移送セクションを含む。液滴発生器は、液滴を液体から発生させて液滴をガスストリームの中に分散させる。質量移送セクションは、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える。分離システムは、蒸気相を液相から分離する。第1の並流接触システム内の並流接触器の蒸気相は、第2の並流接触システム内の並流接触器に対するガスストリームを含む。第2の並流接触システム内の並流接触器の液相は、第1の並流接触システムの並流接触器内で液滴がそこから発生される液体を含む。
【0012】
開示の態様はまた、ガスストリーム内の重質炭化水素を除去する方法を含む。本方法により、給送ガスストリームは、給送ガス入口の中に導入される。給送ガスストリームの主に液体の相は、剥離セクションの中に受け入れられる。給送ガスストリームの主に蒸気の相は、第2の並流接触システムとパイプ内でインラインに位置付けられた第1の並流接触システムの中に受け入れられる。第1及び第2の並流接触システムの各々は、液滴発生器と質量移送セクションとを含む並流接触器と、分離システムとを含む。各液滴発生器を使用して液滴を液体から発生させ、液滴は、ガスストリームの中に分散される。各質量移送セクションでは、蒸気相及び液相を有する混合2相流れが与えられる。各分離システムでは、蒸気相は液相から分離される。第1の並流接触システム内の並流接触器の蒸気相は、第2の並流接触システム内の並流接触器に対するガスストリームを含む。第2の並流接触システム内の並流接触器の液相は、第1の並流接触システムの並流接触器内で液滴がそこから発生される液体を含む。
【0013】
開示の態様は、ガスストリーム内の重質炭化水素を除去するための分別システムを更に含む。天然ガスストリームを含む給送ガスストリームは、給送ガス入口を通して導入される。剥離セクションは、給送ガスストリームの主に液体の相を受け入れる。第1及び第2の並流接触システムは、パイプ内にインラインに位置付けられる。第1の並流接触システムは、給送ガスストリームの主に蒸気の相を受け入れる。第1及び第2の並流接触システムの各々は、並流接触器及び分離システムを含む。各並流接触器は、液滴発生器及び質量移送セクションを含む。各液滴発生器は、液滴を液体から発生させて液滴をガスストリームの中に分散させる。質量移送セクションは、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える。各液滴発生器は、パイプ内でインラインに液滴発生器を固定する環状支持リングと、環状支持リングから延びる複数のスポークとを含み、環状支持リングは、複数のスポークを通してかつ複数のスポーク上に配置された注入オリフィスから外に液体ストリームが流れることを可能にするように構成された複数の液体チャネルを有する。各液滴発生器はまた、複数のスポークによって支持されたガス流入錐体を含み、ガス流入錐体は、ガスストリームの第1の部分が、ガス流入錐体の中空セクションを通してかつ複数のスポークに含まれたガス出口スロットを通して流れること、及びガスストリームの第1の部分とは別であるガスストリームの第2の部分が、ガス流入錐体の周り及び複数のスポークの間を流れることを可能にするように構成される。分離システムは、それぞれの並流接触器の蒸気相を液相から分離する。第1の並流接触システム内の並流接触器の蒸気相は、第2の並流接触システム内の並流接触器に対するガスストリームを含む。第2の並流接触システム内の並流接触器の液相は、第1の並流接触システムの並流接触器内で液滴がそこから発生される液体を含む。インラインフラッシュ分離器は、給送ガスストリームの主に蒸気の相をこの主に蒸気の相が第1の並流接触システムを通して送られる前に受け入れる。インラインフラッシュ分離器は、液体を主に蒸気の相から分離する。フラッシュ還流ラインは、インラインフラッシュ分離器にかつ剥離セクションに接続され、フラッシュ還流ラインは、インラインフラッシュ分離器内で主に蒸気の相から分離された液体を剥離セクションに搬送する。
【0014】
本発明の技術の利点は、以下の詳細説明及び添付図面を参照することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来技術ガス分別システムの一般化概略図である。
【
図2】開示の態様による並流接触システムの概略図である。
【
図3A】開示の態様による接触デバイスの前面図である。
【
図3C】開示の態様による
図3Aの接触デバイスの断面側面斜視図である。
【
図3D】開示の態様による接触デバイスの別の断面側面斜視図である。
【
図4】本明細書に開示の態様によるガス分別システムの一般化概略図である。
【
図5】開示の態様によるいくつかの並流接触システムを含むガス分別システムの一部分の工程流れ図である。
【
図6A】開示の態様による平行並流接触システムのバンドルの側面図である。
【
図6B】開示の態様による平行並流接触システムのバンドルの端面図である。
【
図7】開示の態様による並流接触システムを使用するガス分別の方法の工程流れ図である。
【
図8】開示の態様による並流接触システムを使用するガス分別の方法の工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細説明セクションでは、本発明の技術の非限定的な例を説明する。しかし、以下の説明が本発明の技術の特定の実施例又は特定の用途に特定である範囲で、これは、例示的目的のために過ぎないことを意図しており、単に例示的実施例の説明を提供するものである。従って、この技術は、以下に説明する具体的実施例に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲の真の精神及び範囲に含まれる全ての代替物、修正物、及び均等物を含む。
【0017】
最初に、参照しやすいように、この出願に使用するある一定の用語及びそれに関連して使用する時のそれらの意味を列挙する。更に、本発明の技術は、同じか又は類似の目的を果たす全ての均等物、同義語、新しい展開、及び用語又は技術が本特許請求の範囲にあると考えられるので、以下に示す用語の使用方法によって制限されない。
【0018】
「酸性ガス」は、水に溶解する時に酸性溶液を生成するあらゆるガスを指す。酸性ガスの非限定的な例は、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、二酸化硫黄(SO2)、二硫化炭素(CS2)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン、又はそれらの混合物を含む。
【0019】
「並流接触器」は、ガスストリーム及び個別の溶剤ストリームをガスストリーム及び溶剤ストリームがほぼ同じ方向に流れながら互いに接触するように受け入れる容器を指す。
【0020】
用語「並流」は、工程ストリームがそれによって同じ方向に流れるいくつかのサブセクションに分けることができる単位作動内の工程ストリームの内部配置を指す。
【0021】
本明細書に使用される場合に「カラム」は、向流が異なる特性に基づいて材料を隔離するのに使用される分離容器である。
【0022】
本明細書に使用される場合に用語「脱水」は、水及び任意的に一部の重質炭化水素を部分的に又は完全に除去するための原料給送ガスストリームの前処理を指す。
【0023】
用語「分別」は、規定温度及び圧力で成分の沸点及び蒸気圧の差に基づいて蒸気相及び液相に流体ストリームの成分を物理的に分離する工程を指す。分別は、典型的には、一連の垂直に離間したプレートを含む「分別カラム」で行われる。典型的な工程では、給送ストリームは、分別カラムを2つのセクションに分ける中間点で分別カラムに入る。上部セクションは精留セクションと呼ぶことができ、底部セクションは剥離セクションと呼ぶことができる。凝縮及び蒸発は、各プレートで起こり、より低い沸点成分を分別カラムの上部まで上昇させ、より高い沸点成分を底部まで落とす。再沸器は、分別カラムのベースに位置付けられて熱エネルギを追加する。「底部」生成物は、分別カラムのベースから除去される。凝縮器は、分別カラムの上部に位置付けられ、蒸留物と呼ばれる分別カラムの上部から生じる生成物を凝縮する。還流ポンプを使用して、蒸留物の一部分を蒸留カラムの中にポンピングして戻すことにより、分別カラムの精留セクションの流れが維持される。
【0024】
本明細書に使用される場合に用語「施設」は、石油及びガス田収集システム、工程プラットホームシステム、及び源泉プラットホームシステムを包含する一般用語として使用される。
【0025】
用語「ガス」は、「蒸気」と同義的に使用され、液体又は固体状態と区別してガス状態の物質又は物質の混合物として定義される。同様に、用語「液体」は、ガス又は固体状態と区別して液体状態の物質又は物質の混合物を意味する。
【0026】
「炭化水素」は、水素及び炭素元素を主として含む有機化合物であるが、窒素、硫黄、酸素、金属、又はあらゆる数の他の元素が少量存在する場合がある。本明細書に使用する場合に、炭化水素は、一般的に、天然ガス、石油、又は化学処理施設に見出される成分を指す。
【0027】
「重質」炭化水素は、各分子中に3又は4以上の炭素原子を有する炭化水素である。重質炭化水素分子を構成する正確な炭素原子の数は、給送ガス及び望ましい生成ガスによって決定される場合がある。例えば、(1分子当たり1つの炭素原子を有する)メタンガスが望ましい生成ガスである場合に、重質炭化水素は、(3つの炭素原子を有する)プロパンを含むことができる。重質炭化水素の例は、ペンタン、ヘキサン、及びヘプタンなどを含む。
【0028】
流体処理機器に関連して用語「直列」は、実質的に一定の下流方向の流れを維持しながら流体分離を受けた流体ストリームが機器の1つの品目から次の品目に移動するように2又は3以上のデバイスが流線に沿って配置されることを意味する。同様に、用語「インライン」は、流体混合及び分離デバイスの2又は3以上の構成要素が順次接続されるか又はより好ましくは単一管状デバイスに一体化されることを意味する。同様に、用語「並列」は、ストリームが、デバイスの各々を通って流れるストリームの一部分と共に2又は3以上のデバイス間で分けられることを意味する。
【0029】
用語「ストリーム」は、ソースのような第1の点からストリームを処理するデバイスのような第2の点まで流れている物質を示す。ストリームは、あらゆる相又は物質を含むことができるが、一般的にはガス又は液体である。ストリームは、ライン又はパイプで搬送され、ここで使用するように、ライン又はパイプへの参照は、ラインが運んでいるストリームも指し、逆も同様である。
【0030】
「天然ガス」は、原油田から又は地下ガス担持地層から得られる多成分ガスを指す。天然ガスの組成及び圧力はかなり変化する可能性がある。典型的な天然ガスストリームは、主成分としてメタン(CH4)を含有し、すなわち、天然ガスストリームの50モル%よりも多くがメタンである。天然ガスストリームはまた、エタン(H2H6)、重質炭化水素(例えば、C3-C20炭化水素)、1又は2以上の酸性ガス(例えば、CO2又はH2S)、又はそのあらゆる組合せを含有することができる。天然ガスはまた、水、窒素、硫化鉄、ワックス、原油、又はそのあらゆる組合せのような少量の汚染物質を含有する可能性がある。天然ガスストリームは、毒物として作用する場合がある化合物を除去するように実質的に精製することができる。
【0031】
「溶剤」は、溶液を提供又は形成するなどのために少なくとも部分的に1又は2以上の他の物質を溶解又は分散させることができる物質を指す。溶剤は、極性、非極性、中性、プロトン性、又は非プロトン性などのものとすることができる。溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、グリコール、エーテル、ケトン、他のアルコール、アミン、塩溶液、又はイオン液体などのあらゆる適切な元素、分子、又は化合物を含むことができる。溶剤は、物理溶剤、又は化学溶剤などを含むことができる。溶剤は、物理吸収、又は化学吸収などのあらゆる適切な機構によって作動させることができる。
【0032】
物質の分量又は量又はその具体的特性を参照して使用する時の「実質的」は、物質又は特性を提供するように意図された効果を提供するのに十分な量を指す。許容可能な正確な偏差度は、潜在的に特定の状況によって決定される場合がある。
【0033】
本発明の技術は、例えば、並流接触システムを使用して天然ガスストリームから重質炭化水素を除去するガスストリームからの物質の分別を提供する。これに代えて、本発明の技術は、重質炭化水素及び軽質炭化水素を含む炭化水素ストリームからの重質炭化水素の少なくとも一部分の分離を提供する。本明細書に開示する並流接触システムは、インラインデバイス又は平行インラインデバイスのバンドルから主として構成される段を含み、いずれの場合もデバイス及び/又はバンドルは、従来の塔よりも小さい直径を有する。
【0034】
図1の公知のスクラブカラム100のような公知の向流スキームは、天然ガスストリーム内で下降流液体の同伴を回避するのに比較的低速を必要とする。更に、相対的に長い距離は、原料天然ガスストリームからの液滴の遊離に有用である。天然ガスストリームの流量に応じて、スクラブカラム100は、直径4メートルよりも長く及び30メートルよりも高くすることができる。高圧用途に関して、容器は厚い金属壁を有する。その結果、向流接触器の容器は大きくて非常に重くなる場合がある。これは、一般的に沖合液化用途に対しては特に望ましくなく、他の用途に対しては実現可能ではない場合がある。
【0035】
本発明の技術の進歩は、
図1のスクラブカラム100に明らかにされた向流スキームの代替手段として並流スキームを使用することができる。並流スキームは、パイプ内で直列に接続された1又は2以上の並流接触システムを利用する。天然ガスストリーム及び液体還流ストリームは、互いに、すなわち、並流で各並流接触システム内を移動することができる。一般的に、並流接触器は、向流接触システムよりも遥かに高い流体速度で作動することができる。その結果、並流接触システムは、パッキング又はトレイと共に標準的な塔を利用する向流接触器よりも小さくなる傾向がある。更に、並流接触システムは、同等の処理機能の従来の圧力容器よりも小さく、従って、モジュール設計/構成、沖合配備、障害解消用途、及び視覚的汚染が要因である場合がある用途により適している。天然ガス液化用途では、直列で2から3の並流接触システムを使用して重質炭化水素を天然ガスストリームから分離することができる。
【0036】
図2は、並流接触システム(CCCS)200の概略図である。並流接触システム200は、ガスストリーム内の成分の分離を提供することができる。並流接触システム200は、パイプ204内にインラインに位置決めされた並流接触器202を含むことができる。並流接触器202は、流動ガスストリーム206と液滴ストリームの効率的な接触を提供するいくつかの構成要素を含むことができる。液滴ストリームは、ガスストリーム206からの重質炭化水素のような不純物の分離のために使用することができる。
【0037】
並流接触器202は、液滴発生器208及び質量移送セクション210を含むことができる。
図2に示すように、ガスストリーム206は、パイプ204を通って液滴発生器208の中に流入することができる。液体ストリーム212はまた、例えば、液滴発生器208内でチャネル216に結合された中空空間214を通って液滴発生器208の中に流入することができる。
【0038】
チャネル216から、液体ストリーム212は、注入オリフィス218を通って微細液滴としてガスストリーム206の中に放出され、次に、質量移送セクション210の中に流入される。これは、質量移送セクション210内に処理済ガスストリーム220の発生をもたらすことができる。処理済ガスストリーム220は、気相内に分散された小さい液滴を含むことができる。天然ガス液化工程に関連付けられた分別に関して、液滴は、液体ストリーム212の中に吸収されるか又は溶解されたガスストリーム206からの重質炭化水素を含む場合がある。
【0039】
処理済ガスストリーム220は、質量移送セクション210からサイクロン分離器223及び回収器224を含む分離システム222に流れることができる。これに代えて、分離システムは、メッシュスクリーン又は沈降容器を含むことができる。好ましくは、インラインサイクロン分離器は、コンパクト化の利点を達成するのに使用して直径を短縮することができる。サイクロン分離器223は、液滴を気相から除去する。上述のように、液体ストリーム212の中に吸収されるか又は溶解された重質炭化水素206を含む場合がある液滴は、本明細書で更に説明するように、回収液体ストリーム226をバルブ228及びポンプ230を通して開示の態様の他の各部分に向ける回収器224に迂回される。ガスパージライン232は、回収器224から延び、回収器に存在するガスを分離システム222の中に再注入するように作動される。態様では、このガスは、分離システム222の内側にあるノズル233又は排出器を使用して再注入される。重質炭化水素に富んだ液体がそこから分離されたガスストリーム234は、パイプ204とのインラインの向きで分離システム222を出る。軽質炭化水素対重質炭化水素の比は、ガスストリーム206内よりもガスストリーム234内で高い。
【0040】
図3Aは、接触デバイス300の前面図である。接触デバイス300は、並流接触器内に例えば
図2の並流接触システム200に関して説明した並流接触器202に実施することができる。接触デバイス300は、パイプ内に位置付けられた軸線方向のインライン並流接触器とすることができる。接触デバイス300の前面図は、接触デバイス300の上流図を表している。
【0041】
接触デバイス300は、外側環状支持リング302、環状支持リング302から延びるいくつかのスポーク304、及びガス流入錐体306を含むことができる。環状支持リング302は、パイプ内にインラインに接触デバイス300を固定することができる。これに加えて、スポーク304は、ガス流入錐体306に対する支持を提供することができる。
【0042】
環状支持リング302は、パイプの内側のフランジ接続として又は取外し可能又は固定スリーブとして設計することができる。これに加えて、環状支持リング302は、
図3C及び3Dに関して更に説明する液体給送システム及び中空チャネルを含むことができる。液体ストリームは、環状支持リング302内で中空チャネルを通って接触デバイス300に給送することができる。中空チャネルは、接触デバイス300の周りに沿って液体ストリームの均等分布を可能にすることができる。
【0043】
環状支持リング302内の小さい液体チャネルは、スポーク内の液体注入オリフィス308を通って流れるように液体ストリームのためのチャネルを提供することができる。液体注入オリフィス308は、各スポーク304の前縁上又はその近くに位置付けることができる。スポーク304上の液体注入オリフィス308の配置は、液体ストリームをスポーク304の間に向けられたガスストリームに均一に分配することを可能にすることができる。具体的には、液体ストリームは、スポーク304の間の間隙を通って流れるガスストリームによって接触することができ、小さい液滴に剪断して気相に同伴することができる。
【0044】
給送ガスストリームの一部分は、スポークの間を質量移送セクションに流れるが、ガスストリームの残余は、ガス入口312を通ってガス流入錐体306の中に流入する。ガス流入錐体306は、パイプの断面部分を遮断することができる。スポーク304は、ガスストリームがガス流入錐体306から出て流れることを可能にするガス出口スロット310を含む。これは、ガスストリームの速度をそれがパイプを通って流れる時に上昇させることができる。ガス流入錐体306は、予め決められた量のガスストリームをスポーク304上のガス出口スロット310に向けることができる。
【0045】
スポーク304を通って注入された液体ストリームの一部は、液体フィルムとしてスポーク304の面上に堆積させることができる。ガスストリームがガス流入錐体306を通って流れ、スポーク304上のガス出口スロット310から出て向けられると、ガスストリームは、スポーク304から液体フィルムの大半を掃引するか又は吹き飛ばすことができる。これは、気相への液体ストリームの分散を高めることができる。更に、ガスストリームの流れの妨害及びガス出口スロットを通るガスの出口によって作り出される剪断効果は、乱流消散速度の増加を有するゾーンを提供することができる。それは、液体ストリーム及びガスストリームの質量移送速度を高めるより小さい液滴の発生をもたらすことができる。
【0046】
接触デバイス300の様々な構成要素の寸法は、ガスストリームが高速で流れるように変えることができる。これは、環状支持リング302の直径の急激縮小又は環状支持リング302の直径の段階的縮小のいずれかによって達成することができる。接触デバイス300の外壁は、僅かに収束形状とすることができ、ガスストリーム及び液体ストリームが下流パイプの中に吐出される点で終端する。これは、接触デバイス300から除去されたあらゆる液体フィルムの剪断及び再同伴を可能にすることができる。更に、半径方向内向きリング、溝状面、又は他の適切な機器をガスストリーム及び液体ストリームが下流パイプの中に吐出される点の近くの接触デバイス300の外径の上に含めることができる。これは、気相内の液体同伴の程度を高めることができる。
【0047】
接触デバイス300の下流端は、パイプ(図示せず)のセクションの中に吐出することができる。パイプのこのセクションは、パイプの直線セクション又はパイプの同心拡張セクションとすることができる。ガス流入錐体306は、鈍端錐体又は先細端錐体で終端することができる。他の実施形態では、ガス流入錐体306は、液滴発生のための複数の位置を提供する錐体に沿った複数の同心隆起を含むことができる隆起錐体で終端することができる。これに加えて、あらゆる数のガス出口スロット310を接続デバイス300から液体フィルムの除去を可能にするように錐体自体の上を提供することができる。
【0048】
図3Bは、接触デバイス300の側面斜視図である。類似に付番された品目は、
図3Aに関して説明する通りである。
図3Bに示すように、ガス流入錐体306の上流部分は、上流方向に環状支持リング302及びスポーク304よりもパイプの中に更に延びることができる。ガス流入錐体306の下流部分も、下流方向に環状支持リング302及びスポーク304よりもパイプの中に更に延びることができる。下流方向のガス流入錐体306の長さは、
図3C及び3Dに関して更に説明するように、ガス流入錐体306の端部内の錐体のタイプによって決定される。
【0049】
図3Cは、開示の態様による接触デバイス300の断面側面斜視図である。類似に付番された品目は、
図3A及び3Bに関して説明する通りである。
図3Cにより、接触デバイス300のガス流入錐体306は、先細端錐体314で終端する。ガス流入錐体306を先細端錐体314で終端させることで、接触デバイス300よって生じるパイプ内の全体の圧力低下を低減することができる。
【0050】
図3Dは、別の開示の態様による接触デバイス300の断面側面斜視図である。類似に付番された品目は、
図3A~3Cに関して説明する通りである。
図3Dにより、接触デバイス300のガス流入錐体306は、鈍端錐体316で終端する。ガス流入錐体306を鈍端錐体316で終端させることで、パイプの中心での液滴形成を促すことができる。
【0051】
図4は、天然ガス液化工程と共に使用することができる開示の態様によるガス分別システム400を示している。ガス分別システム400は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402としても公知の底部セクション、及び開示の態様によって複数の並流接触システムを含む上部セクション又は精留セクション404を含む。スクラブ剥ぎ取り器カラム402は、独立型カラムとすることができ、
図1に示すスクラブカラム100の剥離セクション102と同等の機能を果たす。
図4に見られるように、典型的に2相ストリームである給送ガスストリーム408は、高圧で及びスクラブ剥ぎ取り器カラム402と精留セクション404の両方に隣接する位置でガス分別システム400に入る。給送ガスストリーム408内の主に蒸気の相及び主に液体の相は、互いから分離し、主に蒸気の相は、精留セクション404の中に上方の方向に移動し、主に液体の相は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402の中に下方の方向に移動する。スクラブ剥ぎ取り器カラム402は、液体を分離して下方に向けるのにトレイ410を使用する。トレイ410は、単位面積当たりの体積流れとして定義される予想される高い液体流束に起因してパッキングの代わりに典型的に使用される。
【0052】
液体ストリーム412は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402の底部の近くで抽出されて再沸器414で再加熱される。再加熱されたストリーム416は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402に戻され、従って再加熱されたストリーム内の蒸気は、スクラブ剥ぎ取り器カラムを通って上昇して精留セクション404に入ることができる。再加熱されたストリーム416内の液体は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402の底部で他の液体と結合する。スクラブ剥ぎ取り器カラム液体底部ストリーム417は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402の底部から取ることができる。
【0053】
給送ガスストリーム408の蒸気相は、スクラブ剥ぎ取り器カラム402から上昇する蒸気と結合される。結合蒸気ストリーム420は、態様では分離システム418及び1又は2以上のスクラブ段を含む精留セクション404に入り、各スクラブ段は、
図2に説明するインライン並流接触システム200と類似のインライン並流接触システム421a、421b、421cを含む。好ましい態様では、分離システム418は、サイクロン分離器を含み、より好ましい実施形態では、
図2の分離システム222内で使用するサイクロン分離器223及び回収器224と類似のインラインサイクロン分離器422及び回収器423を含む。インラインサイクロン分離器422は、結合蒸気ストリーム420に同伴された液体の一部をそこから分離させるようにフラッシュゾーンとして機能する。給送ストリームの内容物に起因して汚染が起こり得ないところでガス分別システム400を使用する場合に、凝集器424は、インラインサイクロン分離器422の前に配置され、インラインサイクロン分離器に入る液滴のサイズを大きくすることができる。凝集器424は、インラインサイクロン分離器422の液体分離性能を改善することができる。回収器423から回収された液体は、フラッシュ還流ライン425を通って更に別の分離のためにスクラブ剥ぎ取り器カラム402の上部領域に給送される。
【0054】
インラインサイクロン分離器422を出たフラッシュゾーン蒸気ストリーム426は、液滴発生器428a、質量移送セクション430a、任意的な凝集器434aを有するサイクロン分離器432a、及び回収器436aを含む第1の並流接触システム421aに給送される。その後の又は下流のインライン並流接触システム(インライン並流接触システム421bのような)から回収された液体438bは、液滴発生器428aの中に注入されて質量移送セクション内で混合されて結合され、ここでフラッシュゾーン蒸気ストリーム内の重質炭化水素は、噴霧液に移送され、液体ストリーム内の軽質炭化水素は、フラッシュゾーン蒸気ストリームに移送される。質量移送セクション430a内の液体又は蒸気は、サイクロン分離器432a及び任意的な凝集器434aを使用して互いから分離され、液体は、フラッシュ還流ライン425と結合するように回収器436aに回収され、液体回収ライン438aを通って送られる。そこから除去された重質炭化水素を有するガスストリーム440aは、第2の並流接触システム421bへの入力として送られる。第2の並流接触システム421bは、第1の並流接触システム421aと同様に構成されて同様に機能し、その後の又は下流のインライン並流接触システム(インライン並流接触システム421cのような)から回収された液体438cは、ガスストリーム440aと混合される。第2の並流接触システム421bで除去された重質炭化水素を有するガスストリーム440bは、第3の並流接触システム421cへの入力として送られる。第3の並流接触システム421cは、第1及び第2の並流接触システム421a、421bと同様に構成されて同様に機能する。そこから除去された重質炭化水素を有するガスストリーム440cは、還流ドラム444内でその後にガスストリームから液体形態で分離されるガスストリームに留まっている重質炭化水素を凝縮する還流冷却器442に送られる。還流液体ストリーム446は、第3の並流接触システム421cに入力された液体として使用され、還流ドラムを出たガスストリーム448は、液化を含むことができる更に別の処理に送られる。
【0055】
ガス分別システム400は、要望通りに又は必要に応じていくつかの並流接触システムを含むことができる。更に、あらゆる数の追加の構成要素を特定の実施の詳細に応じてガス分別システム400内に含めることができる。更に、ガス分別システム400は、取りわけ、あらゆる適切なタイプの加熱器、冷蔵室、凝縮器、液体ポンプ、ガス圧縮機、送風機、バイパスライン、他のタイプの分離及び/又は分別機器、バルブ、スイッチ、コントローラ、及び圧力測定デバイス、温度測定デバイス、レベル測定デバイス、又は流量測定デバイスを含むことができる。
【0056】
図5は、ガス分別システム400の精留セクション404の別の配置の概略図である。示されているのは、分離システム418と、第1、第2、及び第3のインライン並流接触システム421a、421b、421cを含む3つのスクラブ段とである。分離システムと第1から第3のインライン並流接触システムの各々とに関して、
図5は、
図2に関して説明したポンプ450a、450b、450c、450d、バルブ452a、452b、452c、452d、ガスパージライン454a、454b、454c、454d、及びノズル456a、456b、456c、456dも示している。
図5は、開示の態様が、以前のスクラブ段からの液体の全体向流を用いて作動され、並流が個々のスクラブ段で接触することをより明確に示している。
【0057】
図6Aは、以前に開示したようにガス分別システム内で精留セクションの一部又は全てとして使用することができる単段の複数の並流接触器構成600の側面図である。単段の複数の並流接触器構成600は、一般的に、その中で行われるコンパクト接触のためのユニタリ(単一及び/又は共通)圧力境界を形成することができる容器602に収容される。容器602は、約500psia(約34バール)を超える(その圧力容器評価を有することができる)圧力、例えば、約600psia(約41バール)~約3,000psia(約207バール)、約800psia(約48バール)~約3,000psia(約207バール)、約600psia(約41バール)~約2,000psia(約138バール)、約800psia(約48バール)~約2,000psia(約138バール)、約600psia(約41バール)~約1,000psia(約70バール)、約800psia(約48バール)~約1,000psia(約70バール)、約1,000psia(約70バール)~約3,000psia(約207バール)、約1,000psia(約70バール)~約2,000psia(約138バール)、約2,000psia(約138バール)~約3,000psia(約207バール)、又はそれらの間のあらゆる範囲に耐えるように構成することができる。容器602の長さにわたる例えばガスストリーム604と天然ガスストリーム606の間の差圧は、約200psia(約14バール)~約700psia(約48バール)、約300psia(約21バール)~約600psia(約41バール)、約400psia(約28バール)~約500psia(約34バール),約200psia(約14バール)~約600psia(約41バール)、約300psia(約21バール)~約600psia(約41バール)、約400psia(約28バール)~約600psia(約41バール)、約500psia(約34バール)~約600psia(約41バール)、約200psia(約14バール)~約500psia(約34バール)、約300psia(約21バール)~約500psia(約34バール)、約200psia(約14バール)~約400psia(約28バール)、約300psia(約21バール)~約400psia(約28バール)、約200psia(約14バール)~約300psia(約21バール)、又はそれらの間のあらゆる範囲とすることができる。容器602は、一般的に、本明細書では分離ユニットとも呼ばれる接触ユニット608a~608nを含む実質的に平行な分離ユニット又はコンパクト接触器の単段バンドルを収容する。当業者は、コンパクト接触器のバンドル内のいくつかの接触ユニット608a~608nは、望ましい流量、分離ユニット直径、その他を含む望ましい設計特性に基づいて任意的に選択することができ、1~300又はそれよりも多いユニットの間のどこからでも付番することができることを理解するであろう。数値参照文字と併せて文字命名法(すなわち、「a」、「b」、「n」、その他)の使用は、参照しやすさのためだけであって制限ではない。例えば、当業者は、例示的なセットの接触ユニット608a~680nが、様々な実施形態では2、4、20、又は数百の接触ユニットを含むことができることを理解するであろう。容器602は、単段の複数の並流接触器構成600の入口セクション614内で液滴発生器612a~612nを有する入口マニホルド610を含む。入口セクション614は、天然ガスストリーム604が接触ユニット608a~608nにわたって実質的に等しくすることができる共通入口プレナム内で天然ガスストリーム604を受け入れるように構成される。ガスストリーム604、ガスストリーム606、その他が本明細書で考察されるが、当業者は、一般的に、同じ原理が、液体-液体接触に関して含まれるあらゆる流体ストリームに適用される場合があることを認識するであろう。その結果、語句「ガスストリーム」、「ガス入口」、「ガス出口」、その他の使用は、非限定的であることを理解すべきであり、本発明の開示の範囲の様々な実施形態では「流体ストリーム」、「流体入口」、「流体出口」、及びその他により任意的に置換することができる。語句「ガスストリーム」、「ガス入口」、「ガス出口」、その他の使用は、便宜のために過ぎない。接触ユニット608a~608nは、設計要件に応じて好ましいサイズのものとすることができる。例えば、接触ユニット608a~608nは、約2インチ(in)(約5センチメートル(cm))~約24in(約61cm)、約3in(約7.6cm)~約20in(約50cm)、約4in(約10.1cm)~約18in(約45cm)、約6in(約15.3cm)~約12in(約30cm)、約6in(約15.3cm)~約18in(約45cm)、約12in(約30cm)~約18in(約45cm、約18in(約45cm)~約24in(約61cm)、又はそれらの間のあらゆる範囲の個々の直径を有することができる。入口マニホルド610は、液体ストリーム212を受け入れて液体ストリーム212を液滴発生器612a~612nに送るように構成され、ここで液体ストリーム212を霧化することができる。液滴発生器612a~612nは、上述のような液滴発生器208又は接触デバイス300と類似である。液滴発生器612a~612nは、ガスストリーム604内の霧化液体ストリームを同伴するように機能することができ、霧化溶剤及び天然ガスの混合ストリームは、吸収が起こる質量移送セクション616に渡すことができる。各接触ユニット608a~608nは、例えば、共通ブーツ620から回収されて戻った再利用ガスによって供給される再利用ガス入口618a~618nを有する。ブーツ620は、液体流量制御を改善するように低液体流量用途に任意的に含めることができる。図示のように、ブーツ620は、内部渦破砕器622又は他の適切な内部機器を有することができる。見やすくするために、再利用ガス入口618a~618nの各々に対する再利用ガス供給ラインは示されていないが、上述のようにガスパージライン232と同様とすることができる。当業者によって理解されるように、再利用ガス入口618a~618nは任意であり、再利用ガスは、これに加えて又はこれに代えて、他の態様では下流に送ることができる。液体出口624a~624nを通って接触ユニット608a~608nを出た液体は、共通液体脱気セクション又は共通液体回収プレナム626の中に排出することができる。プレナム626は、望ましい脱気のために十分な滞留時間を提供することができ、天然ガスストリーム604を伴う液体サージを低減することができ、かつ各接触ユニット608a~608nの各々の接触セクション628に生じるサイクロン分離に対して液体シールを提供することができる。プレナム626によって提供される滞留時間は、工程の作動に応じて5秒から5分まで又は様々な態様では30秒から1分まで変化する可能性がある。容器602は、ミスト排除器630、例えば、金網、ベーンパックプレート、バッフル、又は他の内部デバイスを収容し、脱気ガスからの液滴の持ち越しを低減してプレナム626内に液体を残す。ミスト排除器630はまた、各接触ユニット608a~608nを出た液体に対して運動量遮断器として機能し、液体の曝気を最小にすることができる。沖合施設又は浮遊施設に設置された又は他に運動を受ける態様では、ミスト排除器630は、容器602の底部部分内の波動効果を軽減することができる。各接触ユニット608a~608nは、分離セクション633に処理済ガス出口632a~632n及び液体出口ト624a~624nを有する。容器602は、脱気ガス、例えば、工程構成に応じて複数の並流接触ユニットの上流又は下流に給送することができるプレナム626で回収された液体から脱気されたガスを放出するための通気口634を有する。処理済ガス出口632a~632nは、出口マニホルド646に結合する。容器602はまた、レベル制御システム(示さず)を結合してブーツ620を出た液体640の量を制御するためのレベル制御ポート638a及び638bを収容する。ブーツ620を出た液体640は、上述したように、分別システムの精留セクションに送ることができる。
【0058】
図6Bは、入口マニホルド610で取った
図6Aの単段の複数の並流接触器構成600の断面端面図である。
図6Bは、容器602内の接触ユニットの例示的配置を示すが、簡素化の目的のために、接触ユニットに関連付けられた液滴発生器612a~612nのみが示されている。他の容認可能な配置は、当業者には容易に明らかであろう。
図6Bはまた、ミスト排除器630、プレナム626、通気口634、ブーツ620、レベル制御ポート638a及び638b、並びに液体ストリーム640の位置を示している。
【0059】
図6A及び6Bは、単段の複数の並流接触器構成を示している。「複数の並流接触器を使用する流体ストリームからの不純物の分離」という名称の本出願人所有の米国特許出願公開第US2016/0199774号明細書に開示されているように、追加の段を複数の並流接触器に含めることもでき、この特許出願の開示は、引用によってその全体が本明細書に組み込まれている。これに加えて、
図4及び5に示すガス分別システムのインライン並流接触システム421a、421b、421cのいずれも、本明細書に説明するように単段又は多段の複数の並流接触器によって置換することができる。
【0060】
図7は、開示の態様によるガスストリーム内の重質炭化水素を除去する方法700である。ブロック702では、給送ガスストリームは、給送ガス入口の中に導入される。ブロック704では、給送ガスストリームの主に液体の相は、剥離セクションの中に受け入れられる。ブロック706では、給送ガスストリームの主に蒸気の相は、第2の並流接触システムを有するパイプ内にインラインに位置付けられた第1の並流接触システムの中に受け入れられる。第1及び第2の並流接触システムの各々は、液滴発生器及び質量移送セクション、並びに分離システムを含む並流接触器を含む。ブロック708では、各液滴発生器を使用して、液体から液滴を発生させてガスストリームの中に分散させる。ブロック710では、各質量移送セクションでは、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える。ブロック712では、各分離システムでは、液相から蒸気相が分離される。第1の並流接触システム内の並流接触器の蒸気相は、第2の並流接触システム内で並流接触器に対するガスストリームを含む。第2の並流接触システム内の並流接触器の液相は、液滴が第1の並流接触システムの並流接触器で発生する液体を含む。
【0061】
図8は、ガスストリーム内の重質炭化水素を除去する方法800である。ブロック802では、給送ガスストリームは、給送ガス入口の中に導入される。ブロック804では、給送ガスストリームの主に液体の相は、剥離セクションの中に受け入れられる。ブロック806では、給送ガスストリームの主に蒸気の相は、第2の並流接触システムを有するパイプ内にインラインに位置付けられた第1の並流接触システムの中に受け入れられる。第1及び第2の並流接触システムのうちの少なくとも1つは、ユニタリ圧力境界を形成する容器内に配置されたコンパクト接触バンドルを含む。コンパクト接触バンドルは、複数の実質的に平行な接触ユニットを含む。複数の接触ユニットの各々は、液滴発生器及び質量移送セクション、並びに分離システムを有する。ブロック808では、液体は、複数の接触ユニットの各液滴発生器に分配される。ブロック810では、各液滴発生器を使用して、液滴を液体から発生させてガスストリームの中に分散させる。ブロック812では、各質量移送セクションでは、蒸気相及び液相を有する混合2相流れを与える。ブロック814では、各分離システムにおいて蒸気相は液相から分離される。第1の並流接触システムの蒸気相は、第2の並流接触システムのためのガスストリームを含み、第2の並流接触システムの液相は、液滴が第1の並流接触システムで発生する液体を含む。
【0062】
開示の態様は、多くの方法で変えることができる。例えば、コンパクト並流接触システムは、直列に互いに接続されていると図に示されているが、追加のターンダウン柔軟性に関して、コンパクト並流接触システムのうちの1又は2以上は、互いに平行に接続することができる。本明細書に開示する分離システムも変えることができる。開示の単一サイクロン分離器の代わりに、インラインデミストサイクロンを使用することができる。追加のインラインデミストサイクロンは、更に別の液体分離が望ましく又は必要な場合に最後のスクラブ段の後に設置することができる。他の公知のミスト排除デバイスは、サイクロン分離器によって置換することができる。本明細書に説明する方法、工程、及び/又は機能は、適正にプログラムされたコンピュータシステムによって実施及び/又は制御することができる。
【0063】
更に、与えた例に提供された必ずしも全てではないが一部の特徴を含む本明細書に説明する様々な例からの特徴は互いに組み合わせることができるように考えられている。更に、いずれの特定の例の特徴も、本発明の技術の進歩を実施するのに必ずしも必要というわけではない。
【0064】
開示の態様は、公知のLNGスクラブカラムの大直径充填式精留セクションによって置換することができる。開示の態様の利点は、開示の態様が、スクラブカラムスキームを有する多くの異なるLNG工程と共に使用することができるということである。別の利点は、コンパクト並流接触システムが、水平に向けられ、垂直に向けられ、又は必要に応じて又は要望通りに混合の向きにされ、既存のプロット又はモジュール空間の制限を最も良く満足することができるということである。
【0065】
開示の態様の他の利点は、空間の限られた換装及び障害解消の機会での資本コストの節減及び潜在的に処理機能の改善を通じて見ることができる。従来のLNGスクラブカラムの作動圧力(~60バール、850psia)及びシステムの低い作動処理温度(-20℃)に起因して、カラムは、非常に厚い壁を有する非常に高価なステンレス鋼で構成しなければならない。例えば、従来の充填式ステンレス鋼のスクラブカラムの上部/精留セクションが4.2mの直径、約12.6mの高さ(フラッシュゾーンを含む)及び105mmの壁厚を有するスクラブカラムは、24インチ(60.96cm)の直径を有するパイプに封入された開示のスクラブシステムによって置換することができる。これは、公知のスクラブカラムと比べて、搬送、土木、及び構造的支持での追加の節約は言うまでもなく、資本支出の約75%節減をもたらすことができる。
【0066】
これに加えて、精留機能は、スクラブカラムを必要とする新しいLNG施設、開示の態様が塔運動の非効率性の影響を受けにくい時の浮遊施設でのLNG生成、低液体流量を有するあらゆる分別用途(剥離及び/又は精留セクション)、既存の精留セクションがカラムの機能に対する障害である褐色値LNGスクラブカラム、及び視覚的汚染の理由のために高さを最小にすべき人口密集地域内のLNG生成のような多くの用途に使用することができる。
【0067】
本発明の技術は、様々な修正及び代替形態を容易に受け入れることができるが、上述の例は非限定的である。この技術は、本明細書に開示した特定の実施形態に限定するように意図していないことを再度理解しなければならない。実際に、本発明の技術は、添付の特許請求の範囲の真の精神及び範囲に該当する全ての代替物、修正物、及び均等物を含む。
【符号の説明】
【0068】
400 ガス分別システム
404 精留セクション
408 給送ガスストリーム
412 液体ストリーム
426 蒸気ストリーム