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特許7015908コネクタアセンブリ、そのプラグコネクタ及びコアユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】コネクタアセンブリ、そのプラグコネクタ及びコアユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020511941
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2018103449
(87)【国際公開番号】W WO2019042392
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】201710772202.1
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517184680
【氏名又は名称】中航光電科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AVIC JONHON OPTRONIC TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.10, Zhoushan Road, Hi-Tech Development Zone, Luoyang, Henan 471003 China
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(72)【発明者】
【氏名】劉 乃常
(72)【発明者】
【氏名】胡 凱
(72)【発明者】
【氏名】王 旭涛
(72)【発明者】
【氏名】韓 云▲ヂャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】姚 文浩
(72)【発明者】
【氏名】申 金科
(72)【発明者】
【氏名】李 衛可
(72)【発明者】
【氏名】武 学順
(72)【発明者】
【氏名】徐 耕
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521520(JP,A)
【文献】国際公開第2016/074938(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0004016(US,A1)
【文献】特開2013-109351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端をプラグ端とするコアユニットにおいて、
前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、
前記リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、
前記フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、
前記フロントケースと前記リアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられ、
前記リアケースと前記プラグ単体との間にバネが押圧されて設けられ、
前記リアケースは、前記フロントケースに案内挿通され、
前記ストッパ構造は、前記フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、前記リアケースの外周面に設けられ、前記内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含み、
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含み、
前記支持台には、前記バネが挿通される挿通溝が設けられ、
前記カバープレートは、前記支持台の上端に係止されて設けられることで、前記支持台の内側壁に対する前記カバープレートの固定を実現する、
ことを特徴とする先端をプラグ端とするコアユニット。
【請求項2】
前記リアケースと前記フロントケースとの案内合わせ面は、円弧面であり、
前記リアケースは、前記フロントケース内で周方向に遊動可能であり、
前記リアケースには、前記カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられ、
前記カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する、
ことを特徴とする請求項に記載のコアユニット。
【請求項3】
先端をプラグ端とするコアユニットにおいて、
前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、
前記リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、
前記フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、
前記フロントケースと前記リアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられ、
前記リアケースと前記プラグ単体との間にバネが押圧されて設けられ、
前記リアケースは、前記フロントケースに案内挿通され、
前記ストッパ構造は、前記フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、前記リアケースの外周面に設けられ、前記内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含み、
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成され、
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含み、
前記支持台には、前記バネが挿通される挿通溝が設けられ、
前記リアケースと前記フロントケースとの案内合わせ面は、円弧面であり、
前記リアケースは、前記フロントケース内で周方向に遊動可能であり、
前記リアケースには、前記カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられ、
前記カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する、
ことを特徴とする先端をプラグ端とするコアユニット。
【請求項4】
前記プラグ単体は、2個以上あり、
前記バネの内部は、各前記プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のコアユニット。
【請求項5】
前記フロントケース、前記リアケースは、回り止めして装着されている、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のコアユニット。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の先端をプラグ端とするコアユニットと、前記コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含む、
ことを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の先端をプラグ端とするコアユニットと前記コアユニットの外部を覆う防護ケースとを含むプラグコネクタと、
レセプタクルコネクタと、を含む、
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタアセンブリ、そのプラグコネクタ及びコアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、プラグコネクタは、コアユニットを含む。コアユニットは、プラグケースを含む。プラグケースの内部には、プラグ単体が設けられている。プラグ単体の後側に光ファイバが挿通されている。光ファイバは、プラグコネクタ内でプラグ単体のコンタクトに接続される。プラグコネクタ内のコンタクトを対応するレセプタクルコネクタに安定して接続させるには、コンタクトをプラグ単体内に遊動装着することが一般的である。具体的には、プラグをレセプタクルに差し込む際に、コンタクトの遊動装着によって差し込み孔と差し込みピンとの装着公差を満たすように、コンタクトを前方に付勢するバネをプラグ単体内に設ける。
【0003】
しかしながら、従来の技術では、プラグコネクタをレセプタクルコネクタに差し込んだ後にプラグコネクタをレセプタクルコネクタにロックすることが一般的に必要であり、レセプタクルコネクタのケースにネジを設け、コアユニット外部に防護ケースを覆い、防護ケースとレセプタクルケースとの螺合によってレセプタクルコネクタ内にプラグ単体を固定させる。レセプタクルコネクタの位置によっては、ねじ寸法が前後方向に若干バラつきを有する。すなわちプラグコネクタをレセプタクルコネクタに固定した時点では、プラグ単体は、レセプタクルコネクタ内で既に挿着位置に達しているが、ねじの寸法の違いにより、レセプタクルケースとプラグコネクタ上の防護ケースとが未だロックされていない。さらに防護ケースを前方にねじると、プラグ単体とレセプタクルコネクタとの間に強い押圧力が発生し、プラグ単体が強く押圧されて破損するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プラグ単体が強く圧潰されることを回避するコネクタアセンブリを提供することを目的とする。本発明は、また、当該コネクタアセンブリのプラグコネクタを提供することを目的とする。また、本発明は、当該プラグコネクタのコアユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明のコアユニットは、以下の技術手段を採用する。先端をプラグ端とするコアユニットにおいて、前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含む。リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられている。フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられている。フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている。
【0006】
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている。リアケースとフロントケースとの間で弾性支持が実現される。
【0007】
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である。ケーブルの防護作用を奏する。
【0008】
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通される。前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む。両者の案内装着を保証すると同時に、リアケースとフロントケースとの離脱を防止する。
【0009】
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている。バネ、プラグ単体及びリアケースの装着が容易となる。
【0010】
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含む。前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている。構造が簡単であり、装着が容易となる。
【0011】
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面である。前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である。フロントケースに対してリアケースを周方向に遊動させることができ、プラグとレセプタクルとの差し込み過程において、プラグとレセプタクルとのロック時に光ケーブルを小幅でに回動させることができ、プラグコネクタの取付条件を満たすことができる。
【0012】
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられている。カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する。フロントケースに対するリアケースの周方向の遊動を確保しつつ、リアケースの遊動の幅をカバープレートの下板面で規制して、光コアが過度に捩れて内部光路が破壊されることを防止できる。
【0013】
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている。ロック解除が容易であり、構造が簡単である。
【0014】
前記プラグ単体は、2個以上ある。前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している。全体の安定性が優れ、構造がよりコンパクトである。
【0015】
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである。汎用性が増す。
【0016】
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている。ケーブルの捩れ防止が保証される。
【0017】
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている。構造が簡単であり、加工や装着が容易となる。
【0018】
本発明のプラグコネクタは、以下の技術手段を採用する。先端をプラグ端とするコアユニットと、コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含むプラグコネクタにおいて、コアユニットは、前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、前記リアケースは、防護ケースを後ろ止まりし、フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている。
【0019】
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている。リアケースとフロントケースとの間で弾性支持が実現される。
【0020】
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である。ケーブルの防護作用を奏する。
【0021】
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通される。前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む。両者の案内装着を保証すると同時に、リアケースとフロントケースの離脱を防止する。
【0022】
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている。バネ、プラグ単体及びリアケースの装着が容易となる。
【0023】
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含む。前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている。構造が簡単であり、装着が容易となる。
【0024】
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面である。前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である。フロントケースに対してリアケースを周方向に遊動させることができ、プラグとレセプタクルとの差し込み過程において、プラグとレセプタクルとのロック時に光ケーブルを小幅で回動させることができ、プラグコネクタの取付条件を満たすことができる。
【0025】
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられている。カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する。フロントケースに対するリアケースの周方向の遊動を確保しつつ、リアケースの遊動の幅をカバープレートの下板面で規制して、光コアが過度に捩れて内部光路が破壊されることを防止できる。
【0026】
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている。ロック解除が容易であり、構造が簡単である。
【0027】
前記プラグ単体は、2個以上ある。前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している。全体の安定性が優れ、構造がよりコンパクトである。
【0028】
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである。汎用性が増す。
【0029】
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている。ケーブルの捩れ防止が保証される。
【0030】
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている。構造が簡単であり、加工や装着が容易となる。
【0031】
本発明のコネクタアセンブリは、以下の技術手段を採用する。先端をプラグ端とするコアユニットと、コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含むプラグコネクタ、及び、レセプタクルコネクタを含むコネクタアセンブリにおいて、コアユニットは、前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、前記リアケースは、防護ケースを後ろ止まりし、フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている。
【0032】
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている。リアケースとフロントケースとの間で弾性支持が実現される。
【0033】
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である。ケーブルの防護作用を奏する。
【0034】
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通される。前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む。両者の案内装着を保証すると同時に、リアケースとフロントケースとの離脱を防止する。
【0035】
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている。バネ、プラグ単体及びリアケースの装着が容易となる。
【0036】
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含む。前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている。構造が簡単であり、装着が容易となる。
【0037】
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面である。前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である。フロントケースに対してリアケースを周方向に遊動させることができ、プラグとレセプタクルとの差し込み過程において、プラグとレセプタクルとのロック時に光ケーブルを小幅で回動させることができ、プラグコネクタの取付条件を満たすことができる。
【0038】
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられている。カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する。フロントケースに対するリアケースの周方向の遊動を確保しつつ、リアケースの遊動の幅をカバープレートの下板面で規制して、光コアが過度に捩れて内部光路が破壊されることを防止できる。
【0039】
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている。ロック解除が容易であり、構造が簡単である。
【0040】
前記プラグ単体は、2個以上ある。前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している。全体の安定性が優れ、構造がよりコンパクトである。
【0041】
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである。汎用性が増す。
【0042】
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている。ケーブルの捩れ防止が保証される。
【0043】
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている。構造が簡単であり、加工や装着が容易となる。
【発明の効果】
【0044】
本発明に係るプラグコネクタは、従来技術に比べて、リアケースとフロントケースとを案内遊動に装着し、フロントケースに対してリアケースを前後に遊動させることにより、プラグ単体の挿着後に防護ケースとレセプタクルケースとの嵌合を継続して操作する際に、防護ケースの押圧によってリアケースが前方に一定の遊動空間を有することを確保し、レセプタクルケース内の取付公差の違いを満足することができ、構造が比較的簡単で、プラグ単体が強く押圧されて破損することが避けられる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明のコアユニットの実施形態1の構造を示す概略図である。
図2図1のコアユニットからカバープレートを取り外した構造を示す概略図である。
図3図2におけるコアユニットの延在方向に沿った縦断面図である。
図4図2におけるコアユニットの延在方向に沿った横断面図である。
図5】本発明のコアユニットの実施形態2の構造を示す概略図である。
図6】本発明のコアユニットの実施形態3の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面を通じて本発明の実施形態をさらに説明する。
【0047】
(本発明のコアユニットの実施形態1)
図1図4に示すように、当該コアユニットは、前後方向に案内装着されているフロントケースとリアケース2とを含む。フロントケースの先端には、2つのLC型のプラグ単体3が固定され、リアケース2には、光ケーブルを挿通するための挿通孔21が設けられている。もちろん、他の実施形態では、挿通孔に代えてケーブルを挿通する装着溝をリアケースに設けてもよい。プラグ単体3の内部には、コンタクト31が固定されている。上記の光ケーブルを挿通孔21内に固定した後、内部の光コアが前方に延びてプラグ本体3のケース内に入り、かつコンタクト31に接続して光路導通を実現する。プラグ単体3内のコンタクト31とケースとの間には、コンタクト遊動バネ32が押圧されて設けられている。コンタクト遊動バネ32の機能として、プラグとレセプタクルとの差し込み時に、プラグ単体3のコンタクト31とレセプタクル上のアダプタコンタクトとの間の安定した当接が得られ、両者間の接触不安定や非当接が防止される。
【0048】
上記のプラグ単体3とリアケース2との間には、プラグ遊動バネ5が押圧されて設けられている。プラグ遊動バネ5は、フロントケースに挿通され、その先端がプラグ単体3の後端に押圧される。リアケース2の前端には、前後に延びるバネ収容孔が設けられている。プラグ遊動バネ5の後端は、バネ収容孔に突入してリアケース2とプラグ単体3との前後方向の相対的な遊動装着が実現される。フロントケースとリアケース2との間には、フロントケースとリアケース2との前後方向の離間限界位置を規制するためのストッパ構造が設けられている。本実施形態では、リアケース2がフロントケースに案内挿通され、ストッパ構造は、フロントケースの後端に設けられた内フランジ11と、リアケース2の外周面に設けられ、内フランジ11と前後に係止する外ボス22と、を含む。これにより、プラグ遊動バネ5の押圧によってリアケース2がフロントケースの後側に保持され、かつフロントケースから後方へ離間しないことを保証する。
【0049】
フロントケースは、U字状の支持台1を含む。支持台1のU字溝は、前後方向に延び、バネを挿通するための挿通溝を構成するとともに、リアケース2は、U字溝内の後側に挿着され、プラグ単体3は、U字溝内の前側に固定される。U字溝の上端部には、カバープレート4が係合される。具体的には、支持台1の左右の2つのアーム12には、横方向に延びる同方向の係止溝121が設けられている。これに対応して、カバープレート4の左右両側には、係止溝121内に係止されるツバ42が設けられている。ツバ42が係止溝121に係合することによって、カバープレート4が支持台1の上端に係止され、プラグ浮動バネ5を囲い込む。
【0050】
リアケース2は、上記の外ボス22を支持台1の内側壁に相対的に摺動させることにより案内装着を実現するとともに、フロントケースとリアケース2との案内接触面を円弧面とすることにより、フロントケースに対してリアケース2を回動させることができ、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとの差し込み過程において、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとのロック時に光ケーブルが周方向に小幅で遊動することを保証し、プラグコネクタの取付条件に対応することができる。また、リアケース2の前端周面には、上述したカバープレート4の取付位置を逃がすための逃げ面23が形成され、かつ逃げ面23とカバープレート4の下板面との間には、一定の遊動隙間を有する。よって、フロントケースに対するリアケース2の回動を確保しつつ、リアケース2の周方向の遊動幅をカバープレート4の下板面によって規制し、光コアが過度に捩れて内部光路が破壊されることを防止することができる。
【0051】
一方、コアユニットを対応するレセプタクルに接続する際のケーブルの耐捻回性を保証するために、本実施形態では、フロントケースとリアケースとは、相対的な回り止め係合を実現する。すなわち、フロントケースの底部内側壁にキー溝を設け、リアケースの底部外側壁にキーを設け、キーとキー溝との差し込みによりフロントケースとリアケースとの相対的な回り止め係合を実現している。もちろん、他の実施形態では、フロントケースの内寸をリアケースの外寸に合わせた多角形構造としてもよく、両者を相対的に回り止め係合させることも可能である。
【0052】
上記のプラグ単体3のケースの上面には、プラグ単体3をレセプタクルの差し込み孔にロックすることのできるロック片33が設けられている。ロック片33の後端を上方に反った自由端とする。これに対応してカバープレート4の上板面にロック解除片41を設ける。ロック解除片41の前端を上方に反った自由端とし、かつロック解除片41の自由端をロック片33の自由端より上方まで延ばす。ロック解除時にロック解除片41を下方に押し下げ、さらにロック片33を押し下げて下方に折り曲げることにより、プラグ単体3のロック解除を実現する。
【0053】
プラグ遊動バネ5で囲まれる中間室を、各プラグ単体3の光コアが共通に挿通可能である。すなわち、プラグ遊動バネ5の前端が両プラグ単体3の後端に同時に押し当てられ、プラグ単体3の後側の光コアをその内部に囲い込むことにより、リアケース2の案内遊動の安定性を確保する。
【0054】
(本発明のプラグの実施形態2)
実施形態1と異なる点は、フロントケースとリアケース2との間にバネ25を押圧して設けることができ、図5に示すように、リアケース2の遊動実装も可能となる。
【0055】
(本発明のプラグの実施形態3)
図6に示すように、リアケース2にフロントケースを挿通して両者の相対的案内を実現し、リアケース2の内側壁に設けた内フランジとフロントケースの外周に設けた外ボスとでストッパ構造を実現した点が第1実施形態と異なる。
【0056】
他の実施形態では、フロントケースは、一体構造で合体されて形成され、内フランジに対して弾性的逆刺構造をリアケースの周面に設けることによって、リアケースをフロントケースに強く装着させる。プラグ単体は、SCプラグでもよく、MTPプラグ等の他のプラグコネクタに適用されるプラグ構造又は光プラグモジュールでもよい。プラグ単体は、1つだけでもよく、実際の需要に応じて適宜増設することもできる。遊動バネは、コアに外挿されず、光コアの外部に直接設けられてもよい。他の実施形態では、フロントケースとリアケースとの間に遊動バネを設けずに、フロントケースとリアケースとを直接案内装着してもよく、リアケースをフロントケースに対して一定の遊動空間を有するものとすることもできる。
【0057】
本発明に係るプラグコネクタは、コアユニットと、コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含む。当該コアユニットの構造形式は、上述したコアユニットの構造形式に一致し、詳細な展開は省略する。
【0058】
本発明に係るコネクタアセンブリは、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとを含む。プラグコネクタは、コアユニットと、コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含む。当該コアユニットの構造形式は、上述したコアユニットの構造形式に一致し、詳細な展開は省略する。
【0059】
(付記)
(付記1)
先端をプラグ端とするコアユニットにおいて、
前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、
リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、
フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、
フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている、
ことを特徴とする先端をプラグ端とするコアユニット。
【0060】
(付記2)
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている、
ことを特徴とする付記1に記載のコアユニット。
【0061】
(付記3)
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である、
ことを特徴とする付記2に記載のコアユニット。
【0062】
(付記4)
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通され、
前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む、
ことを特徴とする付記1~3のいずれか1つに記載のコアユニット。
【0063】
(付記5)
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている、
ことを特徴とする付記4に記載のコアユニット。
【0064】
(付記6)
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含み、
前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている、
ことを特徴とする付記5に記載のコアユニット。
【0065】
(付記7)
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面であり、
前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である、
ことを特徴とする付記6に記載のコアユニット。
【0066】
(付記8)
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられ、
カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する、
ことを特徴とする付記7に記載のコアユニット。
【0067】
(付記9)
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている、
ことを特徴とする付記7に記載のコアユニット。
【0068】
(付記10)
前記プラグ単体は、2個以上あり、
前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している、
ことを特徴とする付記2~3、5~9のいずれか1つに記載のコアユニット。
【0069】
(付記11)
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである、
ことを特徴とする付記1~3、5~9のいずれか1つに記載のコアユニット。
【0070】
(付記12)
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている、
ことを特徴とする付記1~3、5~9のいずれか1つに記載のコアユニット。
【0071】
(付記13)
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている、
ことを特徴とする付記12に記載のコアユニット。
【0072】
(付記14)
先端をプラグ端とするコアユニットと、コアユニットの外部を覆う防護ケースと、を含むプラグコネクタにおいて、
コアユニットは、前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、
リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、
前記リアケースは、防護ケースを後ろ止まりし、
フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、
フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている、
ことを特徴とするプラグコネクタ。
【0073】
(付記15)
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている、
ことを特徴とする付記14に記載のプラグコネクタ。
【0074】
(付記16)
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である、
ことを特徴とする付記15に記載のプラグコネクタ。
【0075】
(付記17)
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通され、
前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む、
ことを特徴とする付記14~16のいずれか1つに記載のプラグコネクタ。
【0076】
(付記18)
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている、
ことを特徴とする付記17に記載のプラグコネクタ。
【0077】
(付記19)
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含み、
前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている、
ことを特徴とする付記18に記載のプラグコネクタ。
【0078】
(付記20)
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面であり、
前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である、
ことを特徴とする付記19に記載のプラグコネクタ。
【0079】
(付記21)
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられ、
カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する、
ことを特徴とする付記20に記載のプラグコネクタ。
【0080】
(付記22)
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている、
ことを特徴とする付記20に記載のプラグコネクタ。
【0081】
(付記23)
前記プラグ単体は、2個以上あり、
前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している、
ことを特徴とする付記15~16、18~22のいずれか1つに記載のプラグコネクタ。
【0082】
(付記24)
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである、
ことを特徴とする付記14~16、18~22のいずれか1つに記載のプラグコネクタ。
【0083】
(付記25)
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている、
ことを特徴とする付記14~16、18~22のいずれか1つに記載のプラグコネクタ。
【0084】
(付記26)
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている、
ことを特徴とする付記25に記載のプラグコネクタ。
【0085】
(付記27)
先端をプラグ端とするコアユニットとコアユニットの外部を覆う防護ケースとを含むプラグコネクタと、
レセプタクルコネクタと、を含むコネクタアセンブリにおいて、
コアユニットは、前後方向に案内装着されるフロントケースとリアケースとを含み、
リアケースには、光ケーブルが挿通される挿通構造が設けられ、
前記リアケースは、防護ケースを後ろ止まりし、
フロントケースの先端には、プラグ単体が設けられ、
フロントケースとリアケースとの間には、両者の前後方向の離間限位置を規制するためのストッパ構造が設けられている、
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【0086】
(付記28)
前記リアケースとフロントケースとの間及び/又はリアケースとプラグ単体との間にバネが押圧されて設けられている、
ことを特徴とする付記27に記載のコネクタアセンブリ。
【0087】
(付記29)
前記挿通構造は、リアケースに設けられた挿通孔である、
ことを特徴とする付記28に記載のコネクタアセンブリ。
【0088】
(付記30)
前記リアケースは、フロントケースに案内挿通され、
前記ストッパ構造は、フロントケースの内側壁に設けられた内フランジと、リアケースの外周面に設けられ、内フランジと前後方向に係止する外ボスと、を含む、
ことを特徴とする付記27~29のいずれか1つに記載のコネクタアセンブリ。
【0089】
(付記31)
前記フロントケースは、上下両部分が互いに係合して形成され、又は一体構造で合体されて形成されている、
ことを特徴とする付記30に記載のコネクタアセンブリ。
【0090】
(付記32)
前記フロントケースは、下側の支持台と上側のカバープレートとを含み、
前記支持台には、バネが挿通される挿通溝が設けられている、
ことを特徴とする付記31に記載のコネクタアセンブリ。
【0091】
(付記33)
前記リアケースとフロントケースとの案内合わせ面は、円弧面であり、
前記リアケースは、フロントケース内で周方向に遊動可能である、
ことを特徴とする付記32に記載のコネクタアセンブリ。
【0092】
(付記34)
前記リアケースには、カバープレートを逃がすための逃がし面が設けられ、
カバープレートの下板面と逃がし面との間に遊動隙間を有する、
ことを特徴とする付記33に記載のコネクタアセンブリ。
【0093】
(付記35)
前記カバープレートには、プラグ単体のロック片を下方に押圧してプラグ単体のロック解除を行うロック解除片が設けられている、
ことを特徴とする付記33に記載のコネクタアセンブリ。
【0094】
(付記36)
前記プラグ単体は、2個以上あり、
前記バネの内部は、各プラグ単体のコアを共通に通す挿通路を構成している、
ことを特徴とする付記28~29、31~35のいずれか1つに記載のコネクタアセンブリ。
【0095】
(付記37)
前記プラグ単体は、LCプラグ、SCプラグ又はMTPプラグ又は光プラグモジュールである、
ことを特徴とする付記27~29、31~35のいずれか1つに記載のコネクタアセンブリ。
【0096】
(付記38)
フロントケース、リアケースは、回り止めして装着されている、
ことを特徴とする付記27~29、31~35のいずれか1つに記載のコネクタアセンブリ。
【0097】
(付記39)
フロントケース、リアケースは、両者にそれぞれ設けられた前後に延びるキーとキー溝との案内係合により回り止め装着されている、
ことを特徴とする付記38に記載のコネクタアセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6