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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】直流変電システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20220127BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
H02M3/28 K
H02M7/12 X
H02M3/28 U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020518233
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2019017041
(87)【国際公開番号】W WO2019216180
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2018091568
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【弁理士】
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】真木 康次
(72)【発明者】
【氏名】野木 雅之
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-015852(JP,A)
【文献】特開2014-131372(JP,A)
【文献】特開2006-211854(JP,A)
【文献】特開平06-284730(JP,A)
【文献】特開昭55-136870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00 - 3/44
H02M 7/00 - 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から供給される交流電力を整流し、第1直流電圧を出力する整流器と、
前記整流器に直列接続され、第2直流電圧を出力する第1電力変換装置と、
前記整流器に並列接続され、前記整流器から供給される電力を変換して前記第1電力変換装置に供給する第2電力変換装置と、
前記第1直流電圧と前記第2直流電圧との加減算電圧が所定電圧となるように前記第1電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記第1電力変換装置は、
前記第2電力変換装置の端子間に、直列接続された第1、第2スイッチング素子と、
前記第1、第2スイッチング素子の中性点と高圧側の出力端子との間に接続されたリアクトルと、
前記直列接続された第1、第2スイッチング素子と並列に接続されたコンデンサと、
を有し、
前記第1、第2スイッチング素子のそれぞれは、半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードから構成され、
前記制御装置は、前記第1、第2スイッチング素子にPWM制御を行う、直流変電システム。
【請求項2】
前記第2直流電圧は前記第1直流電圧以下である、請求項1に記載の直流変電システム。
【請求項3】
前記整流器は、ダイオード整流器である、請求項1又は2に記載の直流変電システム。
【請求項4】
前記第1電力変換装置の高圧側端子と前記整流器の低圧側の端子の間に逆並列に接続されたダイオードを、
更に備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の直流変電システム。
【請求項5】
交流電源から供給される交流電力を整流し、第1直流電圧を出力する整流器と、
前記整流器に直列接続され、第2直流電圧を出力する第1電力変換装置と、
前記整流器に並列接続され、前記整流器から供給される電力を変換して前記第1電力変換装置に供給する第2電力変換装置と、
前記第1直流電圧と前記第2直流電圧との加減算電圧が所定電圧となるように前記第1電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記第1電力変換装置は、
前記第2電力変換装置の出力端子間に、直列に接続された2つのスイッチング素子を並列に複数接続して構成され、
前記制御装置は、所定の高調波を小さくするように、各列の前記スイッチング素子を所定のタイミングでオンするインターリーブ制御を行う、直流変電システム。
【請求項6】
交流電源から供給される交流電力を整流し、第1直流電圧を出力する整流器と、
前記整流器に直列接続され、第2直流電圧を出力する第1電力変換装置と、
前記整流器に並列接続され、前記整流器から供給される電力を変換して前記第1電力変換装置に供給する第2電力変換装置と、
前記第1直流電圧と前記第2直流電圧との加減算電圧が所定電圧となるように前記第1電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記第1電力変換装置に逆電流が流れた場合に、前記第1電力変換装置及び前記第2電力変換装置の動作を停止させる、直流変電システム。
【請求項7】
前記第2電力変換装置は、
入力側の直流端子間に直列接続された第1、第2スイッチング素子と、
前記第1、第2スイッチング素子に対して並列接続された第3、第4スイッチング素子と、
前記第3、第4スイッチング素子の中性点と前記第1、第2スイッチング素子の中性点との間に接続された1次側コイル、共振リアクトルおよび共振コンデンサと、
前記1次側コイルと絶縁トランスを構成する2次側コイルと、
前記2次側コイルに接続され、出力側の直流端子間に前記第1電力変換装置が接続され交直変換部と
を有し、
前記第1乃至第4スイッチング素子のそれぞれは、半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードから構成され、前記共振リアクトルおよび前記共振コンデンサの共振によりソフトスイッチングが行われる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の直流変電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直流変電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
直流変電システムはダイオード整流器12による交直変換器が一般的である(図15、16)。このダイオード整流器12の出力容量を補うように電力変換装置14がダイオード整流器12に並列接続されている。電力変換装置14への電力の供給は蓄電池13(図15)による場合と、交流電源10による場合(図16)とが知られている。また、電力変換装置14と平滑化コンデンサ15が並列に接続され、交流電源10の出力を直流に変換する直流変電システムが知られている(図17)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-140908号公報
【文献】特開2010-183663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ダイオード整流器は安価だが、直流電圧を調整する機能がなく、リアクトルのインピーダンスにより、負荷の増加とともに直流電圧が減少してしまう。また、電力変換装置14を出力端子に並列接続すると、常に接続端子間の電圧に対応できる電力変換装置14の容量が必要となり、直流変電システムが大型化してしまう恐れがある。
【0005】
そこで、発明が解決しようとする課題は、直流電圧を調整する機能を有する、より小型化可能な直流変電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、直流変電システムは、整流器と、第1電力変換装置と、第2電力変換装置と、制御装置と、を備える。整流器は、交流電源から供給される交流電力を整流し、第1直流電圧を出力する。第1電力変換装置は、整流器に直列接続され、第2直流電圧を出力する。第2電力変換装置は、整流器に並列接続され、整流器から供給される電力を変換して第1電力変換装置に供給する。制御装置は、第1直流電圧と第2直流電圧との加減算電圧が所定電圧となるように第1電力変換装置を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図2】電圧指令値と整流器出力電圧と電圧補償指令値の関係を模式的に示す図。
図3】本実施形態に係る直流変電システムの詳細な構成例を示す図。
図4】第1実施形態の変形例1に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図5】第1実施形態の変形例2に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図6】第1実施形態の変形例2に係る制御部の構成を例示したブロック図。
図7】制御部の制御シミュレーションの結果を示す図。
図8】第1実施形態の変形例3に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図9】第1実施形態の変形例4に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図10】第1実施形態の変形例5に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図11】第2実施形態に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図12】第2実施形態に係る直流変電システムの詳細な構成例を示す図。
図13】第2実施形態の変形例1に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図14】第2実施形態の変形例2に係る直流変電システムの構成例を示す図。
図15】従来の直流変電システムの構成例を示す図。
図16】交流電源による従来の直流変電システムの構成例を示す図。
図17】平滑化コンデンサが並列に接続され従来の直流変電システムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る直流変電システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る直流変電システム1は、直流の電力を給電可能なシステムであり、整流器12と、電力変換装置14と、直列補償装置16と、制御装置18とを備えて構成されている。図1には、更に正極2aと、負極2bとが図示されている。例えば正極2aと、負極2bにより直流電線路2が構成される。
【0010】
整流器12は、例えばダイオード整流器であり、交流電源10に接続され、交流を直流に整流する。整流器12は、整流器出力電圧V1を出力する。
【0011】
電力変換装置14は、整流器12による直流出力を用いて直列補償装置16に電力を供給する。例えば、電力変換装置14は、整流器12に並列接続され、整流器12から供給される電力を変換して直列補償装置16に供給する。なお、本実施形態に係る電力変換装置14は、整流器12から電力の供給を受けているが、これに限定されず、他の電源、例えば交流電源から電力の供給を受けてもよい。なお、本実施形態に係る電力変換装置14が第2電力変換装置に対応する。
【0012】
直列補償装置16は、例えばDC/DC変換器であり、ダイオード整流器12の正極側のノッドn2と正極2aの間に接続されている。直列補償装置16は、電力変換装置14から供給される電力を用いて電圧補償電圧V2を出力する。なお、本実施形態に係る直列補償装置16が第1電力変換装置に対応する。
【0013】
制御装置18は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される基板であり、電圧指令値Vsと整流器出力電圧V1とに基づき、電圧補償指令値V2sを直列補償装置16に出力する。すなわち、この制御装置18は、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加算電圧が所定電圧Vsとなるように直列補償装置16を制御する。また、制御装置18は、電圧補償電圧V2が整流器出力電圧V1以下となるように直列補償装置16を制御する。これにより、直列補償装置16の変換する電力が整流器12の変換する電力以下となる。
【0014】
図2は、電圧指令値Vsと整流器出力電圧V1と電圧補償指令値V2sの関係を模式的に示す図である。縦軸は電圧を示し、横軸は経過時間を示している。この図2に示すように、制御装置18は、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加算電圧が電圧指令値Vsとなるように直列補償装置16を制御する。これにより、正極2aと、負極2bとの間の電位をより安定させることが可能となる。整流器12にダイオード整流器を用いる場合には、高周波電流が流れないため、50Hz/60Hz電源対応の安価な汎用整流ダイオードを使用することが可能となる。また、直列補償装置16が昇圧電圧部だけ出力するので、半導体スイッチング素子などの容量をより小さくすることが可能となる。
【0015】
図3は、本実施形態に係る直流変電システム1の詳細な構成例を示す図である。図3では、交流リアクトル11と、整流器12と、電力変換装置14と、直列補償装置16と、コンデンサ20とを図示している。
【0016】
交流リアクトル11は、連系リアクトルや系統インダクタンス、トランスや発電機の漏れインダクタンスを示している。整流器12は、複数の電力用ダイオード122をブリッジ接続して構成されている。
【0017】
電力変換装置14は、フルブリッジの共振コンバータであり、ダイオード142と、リアクトル144と、コンデンサ146と、DC/AC変換器14aと、AC/DC変換器14bと、絶縁トランス14cと、を有している。ダイオード142は、一方方向に電力供給するために設けられている。リアクトル144と、コンデンサ146とはLCフィルタを構成し、例えばスイッチング周波数に同期したノイズ成分を低減する。
【0018】
DC/AC変換器14aは、フルブリッジ回路を有するDC/AC変換器である。DC/AC変換器14aは、4つのスイッチング素子14a11~14a14と、共振コンデンサ14a2と、共振リアクトル14a3と、を有している。スイッチング素子14a11~14a14は、半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードから構成される。4つのスイッチング素子14a11~14a14は、フルブリッジ回路を構成する。絶縁トランス14cの一次側の両端と、4つのスイッチング素子14a11~14a14から構成されるフルブリッジ回路の出力との間に、共振コンデンサ14a2と、共振リアクトル14a3と、が挿入されている。なお、共振リアクトルは絶縁トランスの漏れインダクタンスなどを使用してもよい。
【0019】
より詳細には、電力変換装置14は、入力側の直流端子間に直列接続された第1、第2スイッチング素子14a11、14a12と、第1、第2スイッチング素子14a11、14a12に対して並列接続された第3、第4スイッチング素子14a13、14a14とを有する。また、電力変換装置14は、第3、第4スイッチング素子14a13、14a14の中性点と第1、第2スイッチング素子14a11、14a12の中性点との間に接続された1次側コイル、共振リアクトル14a3および共振コンデンサ14a2とを有する。そして、電力変換装置14は、1次側コイルとトランス14cを構成する2次側コイルと、2次側コイルに接続され、出力側の直流端子間に直列補償装置16が接続されたAC/DC変換器14bとを、有する。
【0020】
このフルブリッジ回路の左側の上アームのスイッチング素子14a11と右側の下アームのスイッチング素子14a14がオン、左側の下アームのスイッチング素子14a12と右側の上アームのスイッチング素子14a13がオフ状態にすると、絶縁トランス14cの一次側の両端に正の電圧が印加する。一方で、フルブリッジ回路の左側の下アームのスイッチング素子14a12と右側の上アームのスイッチング素子14a13がオン、左側の上アームのスイッチング素子14a11と右側の下アームのスイッチング素子14a14がオフ状態にすると、絶縁トランス14cの一次側の両端に負の電圧が印加する。
【0021】
これらの4つのスイッチング素子14a11~14a14のオンオフ動作により共振コンデンサ14a2と、共振リアクトル14a3とによる直列共振回路には正負に行き来する交流電流が流れ、この交流電流により2つのスイッチング素子14a1の組み合わせによるターンオン時にはゼロ電圧スイッチング(Zero Voltage Switching)を実現する。このように、正負に行き来する交流電流により、フルブリッジ回路に使用されているスイッチング素子14a11~14a14のソフトスイッチングを実現している。すなわち、第1乃至第4スイッチング素子14a11~14a14のそれぞれは、半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードから構成され、共振リアクトル14a3および共振コンデンサ14a2の共振によりソフトスイッチングが行われる。
【0022】
AC/DC変換器14bは、4つのダイオード14b1を有する。これら4つのダイオード14b1は、フルブリッジ整流回路を構成している。絶縁トランス14cの二次側からの高周波の交流電圧が、四つのダイオードから構成されるフルブリッジ整流回路により直流電圧に変換される。なお、本実施形態に係るAC/DC変換器14bが交直変換部に対応する。なお、電力変換装置14は、共振型の電力変換回路に限らず、フライバック回路やフォワードコンバータ、プッシュプルコンバータなどでもよい。
【0023】
直列補償装置16は、一般的な降圧チョッパで構成され、その出力端はリアクトル16a2を介して直流変電システム1の高圧側の端子2aと、整流器12の高圧側の端子とに接続されている。この直列補償装置16は、2つのスイッチング素子16a11、16a12と、リアクトル16a2と、コンデンサ16a3とを有している。スイッチング素子16a11、16a12は、スイッチング素子14a11と同等の構成であり、半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードから構成される。半導体スイッチング素子は、例えばシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)を使用したIGBT、MOSFETなどである。
【0024】
より詳細には、直列補償装置16は、電力変換装置14の出力端子間に、直列接続された第1、第2スイッチング素子16a11、16a12を有する。また、直列補償装置16は、第1、第2スイッチング素子16a11、16a12の中性点と高圧側の出力端子2aとの間に接続されたリアクトル16a2と、直列接続された第1、第2スイッチング素子16a11、16a12と並列に接続されたコンデンサ16a3と、を有する。
【0025】
スイッチング素子16a11、16a12による上下アームにAC/DC変換器14bの出力端子が接続されている。また、スイッチング素子16a11、16a12による上下アームの接続点と下アームの間の電圧が電圧補償電圧V2に相当する。制御装置18(図1)からの点弧信号を受けて、スイッチング素子16a11、16a12の点弧タイミングが制御されることにより、電圧補償電圧V2が調整される。このように、直列補償装置16の第1、第2スイッチング素子16a11、16a12は、制御装置18によりPWM制御される。なお、平滑コンデンサ20は必ずしも必要とせず、電気鉄道の変電システム(き電システム)においては、直列補償装置16の出力するリプル電圧を許容できれば、省略することも可能である。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、直列補償装置16の電圧補償電圧V2をダイオード整流器12に重畳することが可能となる。これにより、直列補償装置16の出力電圧を制御することで、直流変電システム1の出力電圧を調整できる。このように、直列補償装置16が昇圧電圧分だけ直流電圧V2を出力するので、電力変換装置14及び直列補償装置16の容量をより小さくすることが可能となる。
【0027】
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態の変形例1に係る直流変電システム1は、短絡還流ダイオード22を設けた点で第1実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0028】
図4は、第1実施形態の変形例1に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図4に示すように、短絡還流ダイオード22は、直流変電システム1の直流出力端子2a、2bとの間に逆並列に接続されている。これにより、直流変電システム1の出力が短絡した場合、接続されている誘導性負荷による短絡還流電流を直列補償装置16に流さないようにできる。また、直流変電システム1の直流出力に対して並列に接続されているため、ダイオード整流器12にも短絡還流電流を流さないことが可能となる。
【0029】
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例1に係る直流変電システム1は、短絡還流ダイオード22が直列補償装置16に逆並列に接続されている点で第1実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0030】
図5は、第1実施形態の変形例2に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図5に示すように、短絡還流ダイオード22が直列補償装置16に並列に接続されているこれにより、直流変電システム1の出力が短絡した場合、接続されている誘導性負荷による短絡還流電流を直列補償装置16に流さないようにできる。この場合、短絡還流電流がダイオード整流器12には流れる点で第1実施形態の変形例2に係る直流変電システム1と相違する。また、平滑コンデンサ20を直列補償装置16に並列に接続してもよい。
【0031】
図6は、第1実施形態の変形例2に係る制御装置18の構成を例示したブロック図である。図6に示すように、制御装置18は、演算器40、42、46、50と、PI制御部44、48と、除算器52と、乗算器54と、搬送波生成器56と、比較器58と、を備えて構成されている。
【0032】
図6には更に、電圧センサ30、34、電流センサ32が図示されている。電圧センサ30は、直列補償装置16の入力電圧V30を逆数器52に出力する。電流センサ32は、直列補償装置16のリアクトル電流I32を演算器46に出力する。電圧センサ34は、直列補償装置16の出力電圧V2を演算器42、46に出力する。
【0033】
演算器40は、直流電圧指令値Vsと、整流器12の出力電圧V1との差分値を演算し、電圧補償指令値V2Sを出力する。演算器42は、電圧補償指令値V2Sと直列補償装置16の出力電圧V2との差分値を演算し、演算結果を出力する。
【0034】
PI制御部44は、電圧補償指令値V2Sと直列補償装置16の出力電圧V2との差分値を用いたPI制御を行う。演算器46は、PI制御部44のPI制御結果と直列補償装置16のリアクトル電流I32との差分値を演算し、演算結果を出力する。
【0035】
PI制御部48は、PI制御結果と直列補償装置16のリアクトル電流I32との差分値を用いたPI制御を行う。演算器50は、PI制御部48のPI制御結果と直列補償装置16の出力電圧V2を加算し、加算値を出力する。
【0036】
逆数器52は、直列補償装置16の入力電圧V30を逆数にして、乗算器54に出力する。乗算器54は、PI制御部48のPI制御結果と直列補償装置16の出力電圧V2との加算値に、入力電圧V30の逆数を乗算する。
【0037】
比較器58は、搬送波生成器56の生成した搬送波と、乗算器54の演算結果を比較して、複数のスイッチング素子16a1のゲート信号、すなわちPWM制御信号を生成する。なお、実際にはPWM制御信号の遅延バラつきによる上下アーム短絡を防止するため、上下アームが両方オフする期間を設けるため、デッドタイムを付与する。
【0038】
図7は、図6で示した制御装置18の制御シミュレーションの結果を示す図である。図7の(a)は、直流変電システム1の出力電圧の時間変化を示し、(b)は、直列補償装置16の出力電圧の時間変化を示し、(c)は、直列補償装置16のリアクトル電流と負荷電流の時間変化を示している。図7の(a)、(b)の縦軸は電圧であり、(c)の縦軸は電流である。図7の(a)、(b)、(c)の横軸は経過時間である。
【0039】
図7に示すように、直列補償装置16が動作しない期間は、整流器12のみの出力電圧が得られている。一方で、直列補償装置16が動作を開始したタイミングで、直列補償装置16のリアクトル電流が増加し、負荷電流と一致したところで直列補償装置16の出力電圧が上昇する。
【0040】
直列補償装置16の出力電圧の上昇に伴い直流変電システム1の出力電圧も上昇し、制御目標値になると、定常動作に移行している。このように、図6で示した制御装置18による直列補償装置16への制御動作により、直流変電システム1の電圧調整機能が実現可能となっている。
【0041】
(第1実施形態の変形例3)
第1実施形態の変形例3に係る直流変電システム1は、短絡還流ダイオード22が2a-2b端子に並列に接続されている点と、直列補償装置16がインターリーブ方式の電力変換装置で構成さている点で第1実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0042】
図8は、第1実施形態の変形例3に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図8に示すように、直列補償装置16がインターリーブ方式の電力変換装置で構成されている。すなわち、直列接続された2つのスイッチング素子16a11、12が多並列化され、スイッチング素子16a11、12による上下アームの接続点と端子2aの間にリアクトル16a2が並列に接続されている。なお、第1実施形態の変形例3に係る直流変電システム1は3並列であるが、これに限定されず、2並列以上であればよい。
【0043】
これにより、キャリア位相をずらすことが可能となり、特定の高調波を減少させたり、1素子あたりのスイッチング損失を下げつつ等価キャリア周波数を維持したりすることができる。また、出力のリアクトルを結合することにより、直列補償装置16の低損失化が可能となり、直列補償装置16をより小型化することも可能となる。直列補償装置16は、整流器12の電圧に出力電圧を重畳するため、一般の直流変電システムよりも出力電圧を小さくできるが、出力電流は維持されるために、小電圧、大電流になりやすい傾向になる。このため、インターリーブ化によるサージ電圧抑制の効果が一般的な電力変換装置と違い相対的に大きくなる。
【0044】
(第1実施形態の変形例4)
第1実施形態の変形例4に係る直流変電システム1は、直列補償装置16に通常動作とは逆の電流が流れている場合に、電力変換装置14と直列補償装置16との電力変換動作を停止させる点で第1実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0045】
図9は、第1実施形態の変形例4に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図9に示すように、制御装置18は、直列補償装置16の出力電圧V2に基づき、通常動作とは逆の電流が流れていると推定される場合に、電力変換装置14と直列補償装置16との電力変換動作を停止させる。これにより、直流変電システム1への過剰な回生電力により、直列補償装置16に故障が発生する事態を回避できる。
【0046】
(第1実施形態の変形例5)
第1実施形態の変形例5に係る直流変電システム1は、ダイオード142を除いた点と、電力変換装置14のAC/DC変換器14bを4つのスイッチング素子15b1で構成した点と、直列補償装置16をインバータで構成した点とが第1実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0047】
図10は、第1実施形態の変形例5に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図10に示すように、ダイオード142を除き、AC/DC変換器14bを4つのスイッチング素子15b1で構成する点で、第1実施形態のAC/DC変換器14bと相違する。
【0048】
4つのスイッチング素子15b1は、フルブリッジ回路を構成している。絶縁トランス14cの二次側からの高周波の交流電圧が、四つのダイオードから構成されるフルブリッジ回路により直流電圧に変換される。4つのスイッチング素子15b1をフルブリッジ回路に構成することにより、電力変換を双方向に行うことが可能である。
【0049】
また、第1実施形態の変形例5に係る直列補償装置16を所謂4象限チョッパのインバータとして構成する点で、第1実施形態の直列補償装置16と相違する。その出力端はリアクトル16a2を介して直流変電システム1の高圧側の端子2aと、整流器12の高圧側の端子とに接続されている。
【0050】
この直列補償装置16は、4つのスイッチング素子17a11~14と、リアクトル16a2とを有している。すなわち、4つのスイッチング素子17a11~14は、フルブリッジ回路として構成され、電圧を両極性に出力することが可能である。直列補償装置16は、制御装置18(図1)からの点弧信号を受けてスイッチング素子7a11~14の点弧タイミングを制御されており、これにより電圧補償電圧V2が調整される。
【0051】
より具体的には、制御装置18は、電圧指令値Vsと整流器出力電圧V1とに基づき、電圧補償指令値V2sを直列補償装置16に出力する。すなわち、この制御装置18は、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加減算電圧が所定電圧Vsとなるように直列補償装置16を制御する。また、制御装置18は、電圧補償電圧V2が整流器出力電圧V1以下となるように直列補償装置16を制御する。これにより、直列補償装置16の変換する電力が整流器12の変換する電力以下となる。
【0052】
図2に示すように、制御装置18は、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加減算電圧が電圧指令値Vsとなるように直列補償装置16を制御する。これにより、正極2aと、負極2bとの間の電位をより安定させることが可能となる。整流器12にダイオード整流器を用いる場合には、高周波電流が流れないため、50Hz/60Hz電源対応の安価な汎用整流ダイオードを使用することが可能となる。また、直列補償装置16が昇降圧電圧部だけ出力するので、半導体スイッチング素子などの容量をより小さくすることが可能となる。
【0053】
なお、第1実施形態の変形例3に係る直流変電システム1(図3)に対しても本変形例と同様に、ダイオード142を除き、電力変換装置14のAC/DC変換器14bを4つのスイッチング素子15b1で構成し、直列補償装置16を4つのスイッチング素子17a11~14と、リアクトル16a2とを有するインバータで構成してもよい。この場合にも、制御装置18は、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加減算電圧が所定電圧Vsとなるように直列補償装置16を制御することが可能となる。
【0054】
以上のように、本変形例によれば、整流器出力電圧V1と電圧補償電圧V2との加減算電圧が所定電圧Vsとなるように直列補償装置16を制御することが可能となる。このように、直列補償装置16が昇降圧電圧分だけ直流電圧V2を出力するので、電力変換装置14及び直列補償装置16の容量をより小さくすることが可能となる。
【0055】
(第2実施形態)
第1実施形態の変形例4に係る直流変電システム1は、整流器12の代わりに蓄電装置62が設けられ、蓄電装置62と直列補償装置66とが直列に接続されることで相違する。以下では、第1実施形態と相違する点に関して説明する。
【0056】
図11は、第2実施形態に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図11に示すように、本実施形態に係る直流変電システム1は、例えば直流の電力を電車などに給電可能なシステムであり、充放電装置60と、蓄電装置62と、電力変換装置64と、直列補償装置66と、制御装置18と、を備えて構成されている。図1には、更に正極2aと、負極2bとが図示されている。例えば正極2aと、負極2bにより直流電線路2が構成される。例えば架線は正極側電位の電線路であり、レールは負極側電位の電線路である。
【0057】
充放電装置60は、交流電源10に接続され、蓄電装置62に直流電力を供給する。この充放電装置60は、例えば双方向電力変換が可能であり、交流と直流とを変換する。これにより、この充放電装置60は、直流電線路2から供給される回生電力を電源10側に回生させることが可能となる。なお、本実施形態に係る充放電装置60は、双方向電力変換が可能であるが、これに限定されず、単方向の充電装置でもよい。単方向の充電装置の場合には、回生電力量が制限される場合がある。
【0058】
蓄電装置62は、例えば蓄電池であり、充放電装置60から供給される電力を蓄電する。蓄電装置62は、直流出力電力V3を出力する。なお、蓄電装置は蓄電池に限らず、フライホイールや燃料電池と水素発生装置を組み合わせたエネルギー貯蔵装置などでもよい。
【0059】
電力変換装置64は、直列補償装置66に電力を供給する。電力変換装置64は、例えば充放電装置60又は蓄電装置62の内の少なくとも一方から電力の供給を受ける。この電力変換装置64は、直流電線路2から供給される回生電力を電源10側に回生させることが可能である。なお、電力変換装置64は、高電圧の電力変換装置、又は絶縁型の電力変換装置である。
【0060】
直列補償装置66は、例えばDC/DC変換器であり、蓄電装置62の正極側のノッドn2と正極2aの間に接続されている。直列補償装置66は、電力変換装置64から供給される電力を用いて電圧補償電圧V2を出力する。この直列補償装置66は、直流電線路2から供給される回生電力を電源10側に回生させることが可能である。
【0061】
制御装置18は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、電圧指令値Vsと蓄電装置62の出力電圧V3とに基づき、電圧補償指令値V2sを直列補償装置66に出力する。
【0062】
このように、蓄電装置62と直列に接続される直列補償装置66の電圧を加算もしくは減算することにより、直流変電システム1の出力電圧を調整可能となる。また、本実施形態に係る直流変電システム1は、直流電線路2から供給される回生電力を電源10側に回生させることが可能である。
【0063】
なお、本実施形態に係る直流変電システム1は、蓄電装置62と直列に接続される直列補償装置66の電圧を加算できるので、出力のピーク電力に合わせた容量は不要である。このため、充放電装置60、電力変換装置64、および直列補償装置66を従来の直流変電システム1の出力容量よりも十分に小さくすることができる。また、蓄電装置62は、安定的に電力出力が可能であり、契約電力を平均電力程度まで下げることが可能となる。なお、これにより、電力会社との契約も出力のピーク電力に合わせる必要はなく、契約電力を平均電力程度まで下げることが可能であり、系統もしくは発電機容量を最小にすることが可能となる。
【0064】
図12は、第2実施形態に係る直流変電システム1の詳細な構成例を示す図である。図12では、交流リアクトル11と、充放電装置60と、蓄電装置62と、電力変換装置64と、直列補償装置66と、コンデンサ20と、短絡還流ダイオード22とを図示している。
【0065】
交流リアクトル11は、連系リアクトルや系統インダクタンス、トランスや発電機の漏れインダクタンスを示している。充放電装置60は、電力変換を双方向に行うため、複数のスイッチング素子60a1をフルブリッジに接続して構成されている。
【0066】
充放電装置60は、6つのスイッチング素子60a1で構成されている。充放電装置60は双方向電力変換が可能であるが、単方向の充電装置としてもよい。ただし、その場合は回生電力量が制限される場合がある。
【0067】
電力変換装置64は、フルブリッジの共振コンバータであり、リアクトル144と、コンデンサ146と、DC/AC変換器64aと、AC/DC変換器64bと、絶縁トランス64cと、を有している。6リアクトル144と、コンデンサ146とはLCフィルタを構成し、例えばスィツチング周波数に同期したノイズ成分を低減する。
【0068】
DC/AC変換器64aは、フルブリッジと呼ばれるDC/AC変換器である。DC/AC変換器64aは、4つのスイッチング素子64a1と、共振コンデンサ64a2と、共振リアクトル64a3と、を有している。64つのスイッチング素子64a1は、フルブリッジ回路を構成する。絶縁トランス64cの一次側の両端と、4つのスイッチング素子64a1から構成されるフルブリッジ回路の出力との間に、共振コンデンサ64a2と、共振リアクトル64a3と、が挿入されている。動作特性は、図3で説明したDC/AC変換器14aと同等であるので説明を省略する。なお、DC/AC変換器64aは、フルブリッジに限定されず、ハーフブリッジでもよい。
【0069】
AC/DC変換器64bは、4つのスイッチング素子64b1を有する。これら4つのスイッチング素子64b1は、フルブリッジ回路を構成している。絶縁トランス64cの二次側からの高周波の交流電圧が、四つのダイオードから構成されるフルブリッジ回路により直流電圧に変換される。4つのダイスイッチング素子64b1をフルブリッジ回路に構成することにより、電力変換を双方向に行うことが可能である。
【0070】
直列補償装置66は、所謂4象限チョッパとして構成され、その出力はリアクトル66a2を介して直流変電システム1の出力端子2a2と、蓄電装置62の正極側とに接続されている。この直列補償装置66は、4つのスイッチング素子66a1と、リアクトル66a2と、コンデンサ66a3とを有している。すなわち、4つのスイッチング素子66a1は、フルブリッジ回路として構成され、電圧を両極性に出力することが可能である。直列補償装置66は、制御装置18(図11)からの点弧信号を受けてスイッチング素子66a1の点弧タイミングを制御されており、これにより電圧補償電圧V2が調整される。
【0071】
以上のように本実施形態によれば、蓄電装置62と直列に接続される直列補償装置66の電圧を加算できるので、直列補償装置66および電力変換装置64の容量をより小さくできる。また、蓄電装置62に蓄積された電力を用いることも可能となり、直流変電システム1の出力のピーク電力に合わせた容量が不要となる。
【0072】
(第2実施形態の変形例1)
第2実施形態の変形例1に係る直流変電システム1は、コンデンサ20が直列補償装置66に並列に接続されている点で第2実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では、第1実施形態と相違する点について説明する。
【0073】
図13は、第2実施形態の変形例1に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図13に示すように、コンデンサ20が直列補償装置16に並列に接続されている。これにより、直列補償装置66の出力を平滑化することが可能である。
【0074】
(第2実施形態の変形例2)
第2実施形態の変形例2に係る直流変電システム1は、電源70が太陽光発電(PV発電)や燃料電池発電(FC発電)などの直流電源である点で第2実施形態に係る直流変電システム1と相違する。以下では第2実施形態に係る直流変電システム1と相違する点を説明する。
【0075】
図14は、第2実施形態の変形例2に係る直流変電システム1の構成例を示す図である。図14に示すように、充放電装置60は、2つのスイッチング素子60a1で構成されている。2つのスイッチング素子60a1の接続点は、DCリアクトル68を介して電源70に接続されている。
【0076】
電源70は、太陽光発電(PV発電)や燃料電池発電(FC発電)などの直流電源で構成されている。ただし、太陽光発電(PV発電)や燃料電池発電(FC発電)は電力回生ができないため、回生電力量が制限されている。
【0077】
このように、第2実施形態の変形例2に係る直流変電システム1は、自然エネルギーを用いて発電する太陽光発電(PV発電)などの発電装置から供給される電力を変換する充放電装置60を設けることにより、電力系統からの電力の供給を受けずとも直流電力を供給することが可能となる。
【0078】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17